JP2007521113A - Cvdダイヤモンドに標識を入れる方法 - Google Patents

Cvdダイヤモンドに標識を入れる方法 Download PDF

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Abstract

CVD単結晶ダイヤモンド材料中にブランドマークのような出所標識又は識別紋様を入れる方法は、ダイヤモンド基体を与える工程、原料ガスを与える工程、前記原料ガスを解離し、それによりホモエピタキシャルダイヤモンド成長を行わせる工程、及び前記原料ガス中へドーパントを制御された仕方で導入し、合成ダイヤモンド材料中に出所標識又は識別紋様を生成させる工程を含む。ドーパントは、出所標識又は識別紋様が、通常の見る条件下ではダイヤモンド材料の知覚される品質に影響を与えないか、又は容易には検出できないが、その出所標識又は識別紋様は、例えば特定の波長の光又は輻射線で照射した場合のように、特定化した条件下では検出できるか、又は検出可能にされるように選択されている。出所標識又は識別紋様の検出は、例えば目による検出、又は特定の光学的機器を用いた検出でもよい。

Description

本発明は、ダイヤモンド材料、特に化学蒸着(今後CVDとして言及する)により生成した単結晶合成ダイヤモンド材料に標識又は識別紋様を付け、それにより、そのダイヤモンド材料が生産された所の標識又は識別紋様を与える方法、又はその合成性状(synthetic nature)を一層容易に決定することができる手段に関する。
基体上にダイヤモンドのような材料をCVDにより蒸着する方法は、現在充分確立されており、特許及び他の文献に広範囲に記載されてきている。ダイヤモンドを基体上に蒸着する場合、その方法は一般にガス混合物を与えることを含み、それが解離して原子状態の水素又はハロゲン(例えば、F、Cl)及びC又は炭素含有ラジカル及び他の反応性物質、例えばCHx、CFx(ここでxは1〜4にすることができる)を与えることができる。更に、酸素含有原料が存在していてもよく、それは窒素の原料及び硼素のための原料でもよい。窒素は多くの形態で合成プラズマに導入することができる。それらはN、NH、空気、及びNであるのが典型的である。多くの方法で、ヘリウム、ネオン、又はアルゴンのような不活性ガスも存在する。このように、典型的な原料ガス混合物は、炭化水素CxHy(ここで、x及びzは、夫々1〜10にすることができる)、又はハロカーボンCxHyHalz(ここで、x及びzは1〜10にすることができ、yは0〜10にすることができる)、及び場合により一種類以上の次のもの:COx(ここでxは0.5〜2にすることができる)、O、H、N、NH、B、及び不活性ガス;を含んでいるであろう。夫々のガスは、その自然の同位体比で存在しているか、又は人工的に相対的同位体比を調節してもよく、例えば、水素は重水素又はトリチウムとして存在していてもよく、炭素は、12C又は13Cとして存在していてもよい。原料ガス混合物の解離は、マイクロ波、RF(無線周波)エネルギー、炎、熱フィラメント、又はジェットに基づく技術のようなエネルギー源により引き起こされ、そのようにして生成した反応性ガス物質を、基体上に蒸着し、ダイヤモンドを形成させる。
CVDダイヤモンドは、種々の基体上に生成させることができる。基体の性質及び過程の詳細な化学的性質により、多結晶質又は単結晶CVDダイヤモンドを生成させることができる。
CVD単結晶ダイヤモンドを製造する方法の精密さのレベルの発展は、この材料が工業的用途又は宝石類のための合成原石のような装飾用途で用いるのに益々適切なものになりつつあることを意味している。しかし、多くの用途で、それが生産された所又は合成性状を証明するために、これらの用途で用いられる合成ダイヤモンドの源を決定する方法を与える必要がある。
本発明の一つの態様によれば、CVD単結晶ダイヤモンド材料にブランド標識のような出所標識、又は識別紋様を付ける方法が与えられ、それは、ダイヤモンド基体を与える工程、原料ガスを与える工程、原料ガスを解離し、それによりダイヤモンドをホモエピタキシャル成長させる工程、及び制御された仕方で原料ガスにドーパントを導入し、合成ダイヤモンド材料に出所標識又は識別紋様を生じさせる工程を含み、然も、前記ドーパントは、前記出所標識又は識別紋様が、通常の見る条件では容易に検出できないか、又はダイヤモンド材料の知覚される品質に影響を与えないが、前記出所標識又は識別紋様を、例えば、特定の波長の光又は輻射線にさらした場合のような特定の条件下では検出出来るか、又は検出可能にできるように選択されている。
出所標識又は識別紋様の検出は、目で見ての検出でもよく、或いは、例えば特定の光学的機器を用いた検出でもよい。
出所標識又は識別紋様は、合成中のダイヤモンド材料中に成長した、一つ以上の層又は領域の形で与えられるのが好ましい。
CVD単結晶ダイヤモンド材料でのそのような出所標識又は識別紋様は、商業的又は宝石として高い品質のCVDダイヤモンドに最も適切である。そのような高品質のCVDダイヤモンド材料の合成は、結晶欠陥を実質的にもたずに成長が行われた表面を有するダイヤモンド基体を用いて最もよく行われ、これが本発明の方法の好ましいものを形成する。
本発明の方法の一つの態様として、ドーパントは窒素であり、それは、575nm及び/又は637nmのルミネッセンスピークを、それらに伴われる振動系と共に、一層短い適当な波長の励起により示す出所標識又は識別紋様を、好ましくは層の形で生ずる。窒素ドープ層は、533nmでホトルミネッセンス線も示すことがある。
本発明の更に別な態様として、ドーパントは窒素と硼素との組合せであり、この場合、硼素は窒素よりも高い濃度で存在するのが好ましく、その組合せは、典型的には400nm〜500nmの範囲内にピークを有する特性燐光を、一層短い適当な波長の励起により発生する出所標識又は識別紋様を、好ましくは層の形で生ずる。
本発明の特に好ましい態様として、575/637nmのルミネッセンス、及び400nm〜500nmの燐光を、一層短い適当な波長の励起で発生する複数の層の組合せを、合成中のダイヤモンド材料中に成長させる。
本発明の更に別の態様は、光学的励起で737nmの輻射線を発する中心を有する層又は領域の標識形成である。この光学的中心の正確な正体は不確かであるが、珪素を含むものと考えられ、それは以後、737nm珪素関連中心として言及することにする。575/637nmでのルミネッセンス及び400nm〜500nmの範囲内の燐光は、適当な見る条件で目によって容易に検出することができるのに対し、737nm珪素関連線からのルミネッセンスの検出は、総合検出器を具えた特定の光学的機器を用い、典型的にはアナログ表示の形で出力を与えて、一層容易に検出されるのが一般的である。
本発明の更に別の態様に従い、CVD単結晶ダイヤモンド材料で、その本体(bulk)中に出所標識又は識別紋様を有し、然もその出所標識又は識別紋様を、好ましくは上に記載した方法に従い、ダイヤモンド材料中にその合成中に成長させたダイヤモンド材料が与えられる。
単結晶ダイヤモンド材料は、或る範囲の工業的用途、特に合成ダイヤモンド材料が使用者に見える部材である場合、又は合成ダイヤモンド部材が、例えば外科用メスのようなダイヤモンド切削刃を有する場合のように、再使用できるか、又は周期的再処理を必要とする場合の用途のために製造することができる。
別法として、単結晶ダイヤモンド材料は、宝石用途のための合成原石として製造するか又は製造するのに適したものにすることができる。
本発明は、CVD単結晶ダイヤモンド材料、目的物、又は合成原石中の出所標識又は識別紋様を検出するための装置にも拡張され、その装置は、
出所標識又は識別紋様を励起させ、そのルミネッセンス及び/又は燐光を生じさせるための特定の波長の光又は輻射線源;及び
出所標識又は識別紋様を検出するための検出手段、例えば、ルミネッセンス及び/又は燐光を見るためのビューアー、又は特定のルミネッセンス及び/又は燐光の強度測定を与える機器で、例えば、アナログ又はデジタル電気信号、又は読み取り表示器のような形態のもの;
を含む。
装置は、好ましくは、出所標識又は識別紋様により発する波長を見るための或る範囲の光学的フィルター、及びバックグラウンド白色光、又は識別紋様又は出所標識を励起するのに用いられた波長、又は標識により発した波長を観察するのに有害になることがある存在する全ての他のバックグラウンド波長を排除するための手段を含む。特性ルミネッセンス及び/又は燐光は、ダイヤモンド材料で直接検出することができる特定の像の形で見ることができるか、或いはデジタルカメラのような映像装置又は荷電結合素子(ccd)のような機器を用いることにより見ることができる。別法として、ルミネッセンス及び/又は燐光は、一つ以上の特定の帯域通過フィルター及び/又は特定周波数センサー、又は小型分光計のような分光装置を特徴としていてもよい。これらの技術は、例えば、特定周波像を形成するように、ccdカメラと組合せて適当なフィルターを用いることにより組合せることができる。
装置は、合成ダイヤモンド材料の像を拡大するための拡大手段を含んでいてもよい。
好ましい態様の記述
本発明は、合成ダイヤモンド材料で、特に、切削工具等の工業的用途又はCVD合成ダイヤモンド宝石原石として用いるために調製されるような材料を製造する方法を与える。標識形成法は、合成中にダイヤモンド中に成長させた一つ又は好ましくは二つ以上の層で、普通に見るとダイヤモンドの知覚される光学的又は宝石としての品質に実質的に影響を与えないか、或いは目的とする用途に関連したどのような他の特別な適用性にも大きな影響を与えることはないが、特定の見る条件下では見ることができる層を含む起源、出所標識又は識別紋様を決定することを可能にする。便宜上、この出所標識又は識別紋様を含む層(単数又は複数)は、標識付け(tagging)層と呼んでもよいであろう。
本明細書全体に亙って、用語「識別紋様(fingerprint)」又は「出所標識(mark of origin)」は、次の利点の一つ以上を与える特徴を含むものと見なされる:
a)材料の合成性状の基本的判定;
b)製造業者又は製造方法の判定;
c)ブランド標識又は他の特徴的マーク;
d)バッチ標識又は日付スタンプ;
e)ダイヤモンド又はダイヤモンドから形成された物品の後処理又は修正を検出することができる手段。
識別紋様又は出所標識は、比較的簡単に材料中に適用又は入れることができ、簡単で低コストの比較的持ち運びのできる小型装備を用いて比較的熟練を要しない操作で同様に観察又は検出できなければならない。低コストとは、その装備が、好ましくは$10,000より安く、一層好ましくは$5,000より安く、更に一層好ましくは$2,000より安く、更に一層好ましくは$1,000より安いことを意味する。この基準では、ダイヤモンド中の元素同位体比を、自然の同位体存在度とは掛け離れるように変化させることだけに基づいた標識形成手段は、特に除外される。材料に標識を付けるための同位体の変化は、大きな範囲の材料、特に実験室的方法で知られている。ダイヤモンドでは、そのような方法には、可能性のある二つの変更した方法が含まれる。
1)炭素の同位体存在度を変化させること、即ち、同位体として12C又は13Cに富む炭素原料を用いること。これについての問題は二つある:
a.同位体として12C又は13Cに富む原料ガスは非常に高価であり、製造コストを実質的に増大する。そして
b.同位体変化の検出は、複雑で高価な設備を必要とし、高度の操作及び解釈の熟練を必要とする。更に、殆どの技術は、本体や本体全体に亙る特徴の模様よりもむしろ、主に表面及び局部的な特徴を見ている。特定の技術には、二次イオン質量分析(これは試料も損傷する)、恐らく共焦技術と組合されたラマン分析、及び高解像力X線回折等が含まれる。
2)窒素のようなダイヤモンド中の他の元素の同位体比を変化させること。そのような技術は、主にHPHT合成ダイヤモンドに関連しており、この場合、窒素及び他の元素の濃度は比較的高く、例えば、窒素は100〜800ppmの範囲になることがある。これについての問題は、次の点で、炭素同位体を変化させた場合の問題と同様である:
a.同位体に富むガスは高価であり、製造コストを増大する。
b.検出が複雑で高価になり、熟練を要する。典型的なCVDダイヤモンドでは、そのダイヤモンド中の不純物元素の濃度が低く、しばしば固体中1ppmより低いため検出が更に複雑になり、そのためHPHTダイヤモンドに適用できる或る技術が、CVDダイヤモンドには適さなくなる。
結局、或る場合には、本発明の方法と同位体変化とを組合せ、例えば、容易には検出しにくい付加的特徴を与える理由は存在するかも知れないが、本発明は、同位体変化を要求した使用は排除している。本明細書中、同位体ドーパントとは、同位体存在度を自然の同位体存在度とは意図的に異なったものにし、材料中の同位体存在度の検出可能な変化を与えるようにしたドーパントを意味する。化学的ドーパントとは、異なった化学元素を与え、材料内の元素の検出可能な変化を、少なくともこれら他の元素に特徴的な欠陥中心の形で与えるようなドーパントを意味する。
更に、特定の見る条件下での識別紋様又は出所標識の検出とは、その特定の条件下で標識により放射され、観察者の目によって直接検出されるか、又は光学的検出手段によって間接的に検出される特性波長又は色の光の検出を意味し、その検出手段は、次に人間が検出できる出力、一般には可視アナログ出力を与える或る手段を与えるが、これは、信号が検出機器による閾値より高いか又は低いかの指示に変換してもよい。一般に好ましい検出方法は、直接観察者の目によるものである。なぜなら、これは、両眼又は深部の情報を含めた空間的情報についての機会を与え、特に安価な解明法を与えるからである。後で与える或る特別な例である、737nm珪素関連線の場合には、目は、達成された典型的なレベルの発光を検出するのに充分な感度を一般にもたず、波長を選択し、次に光学的エネルギーを検出する簡単な方法が好ましく、依然として簡単で低コストの比較的持ち運びのできる小型の設備で与えることができる。
例として、ダイヤモンド外科用メス刃は、しばしば再利用することができ、周期的に製造業者に戻されて新しいエッジを調製する。この用途で用いられる出所標識又は識別紋様は、次の機能の一つ以上を果たすことができるが、その目的はそれらの例に限定されるものではない:
a)合成ダイヤモンド外科用メスの特定の製造業者を、その製造業者又は市場により判定できるようにする。これは、製造業者により、再処理のためには自分達の刃だけを確実に引き受けられるようにし、そのような刃を再処理内又は市場内で広く突き止める能力を改良するために用いることができる。
b)材料をその最終的用途で劣化することなく、商標名のような独特の標識を発生させるための手段を与える。合成ダイヤモンド外科用メス刃の通常目で見える判別標識は、衛生性、均一な透明性、又は単なる市場の期待又は許容性についての必要条件のため、或る用途の場合には容認することができないことがある。
c)ダイヤモンド材料の合成性状の判定を向上する。合成ダイヤモンドは、多くの工業的用途で一層大きな再現性及び制御を与え、それにより一層よい生成物を提供することができる。
d)合成ダイヤモンド材料の修正で、物理的形の変化、及び色を変化させる処理のようなアニーリング処理を含めたそのような修正を判定できる手段を与える。
更に別の例として、CVDダイヤモンドを、合成宝石原石に適用する場合、出所標識又は識別紋様は、次の機能の一つ以上を果たすことができるが、その目的はそれらの例に限定されるものではない:
a)CVD合成宝石原石の特定の製造業者を、その製造業者又は市場により判定することができる。
b)商標名のような独特の標識を発生させる手段を与える。
c)ダイヤモンド材料の合成性状の判定を向上する。
d)CVD合成ダイヤモンド材料の修正で、物理的形の変化、及び色を変化させる処理のようなアニーリング処理を含めたそのような修正を判定できる手段を与える。
典型的には、出所標識又は識別紋様の正確な機能により、好まれる標識の形態が決定される。
最も簡単な形態として、標識は、ダイヤモンド層、目的物又は合成宝石原石の実質的部分、又はその中にある一つの広い層を単に含んでいるに過ぎないものでもよく、それは、特定の人工的観察条件下でしか観察できず、通常の照明下ではその層から製造されたどのような目的物の色にも大きな影響を与えることのない、普通には無い特徴を示す。その明らかに人工的な標識についての要素は、色で、出来ればその色を観察するために適用される特定の人工的条件と組合された色、或いは、主に層、目的物又は合成宝石原石の境界と交差する幾何学的形として観察されるか、又は一つ以上の特定の見る角度から見た時に与えられる幾何学的形の目的物の外観に影響を与えるやり方で観察される、全層内に存在する標識層の境界又は分布の幾何学的形から得られるようにしてもよい。
更に複雑な形態として、商標名のような独特の標識を発生させるため、出所標識又は識別紋様は、一般にダイヤモンド層、目的物又は合成宝石原石全体に亙って周期的に分布しているか、又はただ一組の特性層の場合には、最小限の材料の除去で除去されないように、目的物の縁の一つに近過ぎないように、適当な場所に配置されるか、或いは通常の使用で目的物に本質的に永久的に取付けられた部品によって標識が隠れたり観察するのが困難になったりしないように配置された一組以上の特性層を一般に含む。合成宝石原石の場合、一組の特性層は、カットされる石の厚さの中央近くに配置してもよく、或いは中央からずれている場合には、好ましくは層の目的とする利点を向上させるためにずらして配置してもよい。
宝石原石内の層の理想的場所は、数多くの考慮すべき点により指定される:
a)標識付け層(tagging layer)は、簡単に移動できるものであってはならず、従って、テーブル又はキューレットのような外部表面に全面的に近接していないようにすべきである。
b)標識付け層は、宝石原石に目に見える色を与えるべきではない。宝石原石の色に与える標識付け層の影響は、標識付け層材料の固有の光学的吸収性及び見る人の目に到達する光線の層内の光路の長さに依存するであろう。後者は、層の位置及び厚さに依存する。それは、石のカットに影響される要素であるが、一般法則化も可能である。
c)宝石はめ込み台のような通常容易には取り外せない台に付けてある場合、層の全体が、判定中に用いられる意図的に適用された外部光源により効果的に励起されるように、標識付け層の位置を定めるべきである。重要な点は、この光の分布が、通常の見る条件でのものとは異なっていてもよく、一層拡散したビームよりむしろ、例えば大きな強度の平行なビームになっていてもよいということである。
d)宝石はめ込み台のような通常容易には取り外せない台に付けてある場合、標識付け層により発する光のかなりの部分が、ビューアー又は他の検出手段で利用できるように、標識付け層の位置を定めるべきである。このことは自明であるように思えるかも知れないが、ダイヤモンドでの全内部反射角は、その大きな屈折率のため垂直な入射方向から僅か22.4°ずれているだけであり、このことは、下で更に論ずるように、或る思いがけない結果を与える。この場合も、これは石のカットに敏感に影響される要素であるが、一般法則化することができる。
e)見解(b)から(d)が相互に関連して、理想的には標識付け層又はその大部分の体積が、最終的合成宝石原石中の最も効果的に照明され、最も効果的に発光輻射線がビューアー又は検出装置へ送り返されるが、目に見える石の色に対する影響を過度に増大することはない位置に配置されるようにする。
CVDダイヤモンド板又は石の全体から生ずるルミネッセンスの見え方に与える全内部反射の影響を、次に考察する。一例として、全て{100}型である正確な平面を持つ長方形の平らな板を考える。与えられた方向の外部からの光ビームは、その方向がどのようであってもダイヤモンド中に入り、その中で屈折により、界面の所でその界面の垂線にはるかに近く屈折する。恐らく、異なった軸に平行な面により一度内部反射するであろうが、次に再びその試料を出、本質的にはその材料を一回通過した後に出るであろう。しかし、石の本体中でルミネッセンスが生じた場合、その発光方向は、一般に立体角全体に亙って同等に分布している(しかし、不均一な発光模様を持つ欠陥を判別することができる)。次に、板の面で全内部反射することにより相互作用する均一な照射場の4π立体角を想像する。三つの面型({100}、{010}、{001})の一つの垂線から22.4°以内に入らない輻射線は、永久的に完全に内部反射されるであろう。次に曲がり角の小さなファセット(facet)を想像する。これは、その垂線の22.4°以内でそれに内部入射する全ての輻射線を試料の全体から放出することができ、板の主要面を通って逃げて行くこの輻射線は、極めて僅かしかない。従って、この場合、主要面に対し平行ではないファセットから強い発光が観察される。しかし、光を放出する各ファセットでは、その発光した光は、そのファセットの平面に対し直角な方向に中心を持つ立体角の半球を殆ど満たすように屈折する。この簡単な例から、三次元的ダイヤモンド目的物中へ通る励起光源の挙動と、その中で発生する発光は明確に異なることがあることは明らかである。
これに関連させた更に別の例として、典型的な丸型ブリリアントカットにした合成ダイヤモンド宝石原石では、テーブルに近い層は、一般に石の見える色に影響を与え易く、比較的容易に特定の光源により励起されるが、テーブルを通って出る発光ビームに良好な強度を与えることができない。なぜなら、そのテーブルに対し垂線から22.4°より大きく離れた光は全て完全に内部反射され、次に恐らくガードルより下の所から石を出るであろう。これとは対照的にキューレット近くの層は、一般に目に見える石の色への影響は少なく、それを効果的に励起するためには励起ビーム角度及び分布の一層注意深い制御を必要とするであろうが、ガードルより下のキューレットの方へのパビリオンファセットの所での全内部反射の結果としてルミネッセンス発光をテーブルを通って与えるのに一層効果的になるであろう。
層の一つの特定の型は、第一の活性不純物が、NV及びNV中心の形の窒素で、夫々575nm及び637nmのルミネッセンス線を、それより短い適当な波長の励起で、それらに伴われる振動帯域と共に発生する。これらの発光の組合せはオレンジ/赤色として現れ、一般に「オレンジルミネッセンス」と呼ばれている。そのようなルミネッセンスは、励起光源(exitation source)を除くと本質的に即座に消える。適当な人工照明条件で、通常の見る条件下では、本発明で考えられているような適当に選択された欠陥濃度及び/又は全欠陥数で明らかに見ることができるが、この型の中心は、宝石原石の知覚される色を余り変化させない。
層の別の特別な型は、主要な不純物が硼素と、窒素のような適当な供与体とになる型である。供与体・受容体対の再結合がそのような層で起きると、その層は、400nm〜500nmの範囲、典型的には500nmの範囲内にピークを持つ広い帯域に亙る特性青色ルミネッセンスを、それより短い波長の適当な励起で示す。励起光源によりその期間中に時間と共に燐光が蓄積し、飽和すると、励起光源を除いた後、ある時間に亙ってその強度を減衰しながら目で見ることができ、その時間は典型的には数秒であるが、1分以上に長いこともある。この型の層では、窒素は二つの重要な役割を果たす:供与体/受容体対再結合のための供与体を与えることと、硼素を補償することにより、B関連吸収を減少することである。その吸収は、さもなければ観察可能な青色を生ずることがある。適当な人工的照明条件により、供与体・受容体ルミネッセンス及び燐光は、一つの層について明らかに見ることができるものであり、それは通常の見る条件下では、ダイヤモンド目的物の知覚される色を余り変えるものではない。固有の欠陥のような他の供与体が、この型のルミネッセンス及び燐光に寄与することがある。
特に有利な構成は、これらの二つの型の層が両方共存し、出来れば標識のない材料内で交互に、又は或る別の模様で用いられている場合になるであろう。別法として、一つの型の層、好ましくはオレンジルミネッセンス層が、他方のもので占められていない実質的に全ての体積を満たしていてもよい。その場合、短い波長の励起は、(575nm/637nm)のオレンジルミネッセンス及び(500nm)青色帯域燐光の両方を励起するように選択することができるが、或いは適当な波長の組合せを用いることもできる。
標識を見る方法は、一つには用いる励起波長(単数又は複数)に関連する。副帯照明(即ち、ダイヤモンドの禁止帯幅を越えて電子を励起するのには不充分であるエネルギーをもち、従って、ダイヤモンド自身によっては通常吸収されない光)を用いると、その輻射線は石の本体を通って伝達され、ドープされた標識層中の欠陥によってのみ吸収され、そのドープされた標識層の全体を励起させることができるであろう。それらの層から発する波長もダイヤモンドにより伝達されるので(それらの層中の欠陥により幾らかの吸収が起きるかも知れないが)、その石を見る人は、例えば、石のテーブルを通して見ることにより、ダイヤモンド本体内で色を発する層の実質的な領域を見ることができるであろう。
励起光源のスイッチを切ると、オレンジルミネッセンスは励起光源と共に切れるので、CVDダイヤモンド材料、又はその中の標識付け層から発する光の知覚される色は、オレンジ、又は或るオレンジ/青の組合せから青へ変化するであろう。これを、オレンジ/青色フラッシュと呼ぶことにする。そのような色の変化を見ることができること、特に青色燐光に対しオレンジ成分を見ることができることは、適当なフィルターの使用により向上させる必要がある場合もある。副帯照明は、一個の合成宝石原石中に標識が存在することを簡単に実証するための好ましい励起波長になり、それらの層が材料中更にかなり下にある場合でも、カットされた石のテーブルを通してそれを検出することができるであろう。材料が合成宝石原石の形で形成されている或る場合には、これらの層を石のガードルより下に配置し、それらの層の縁が一般にはめ込み台に隠れるようにするのが好ましいこともある。別の場合として、それらの層をガードルの上に配置し、それらの縁がクラウンファセットから見ることができるようにするのが好ましいであろう。それらの層の場所が合成石の中心に近くなればなる程、余り重量の損失を起こすことなく石を再研磨することにより標識を除去することは、益々困難になる。オレンジ/青色フラッシュは、特に、これらの特定の標識形成層の組合せの特徴になっている。それは、天然のダイヤモンドには見られず、合成石で偶然生ずることがある独特の特徴を与える。当業者は、ダイヤモンド材料中に別の種類の欠陥を用いることにより、他の色の組合せも可能であり、本発明は、特定の色又は見る条件に限定されるものではなく、通常天然ダイヤモンドでは観察されず、通常の見る条件下では層又は宝石原石の目で見える特徴を実質的に劣化することのない、見ることのできるどのような明確な標識にでも一般に拡張されることは理解できるであろう。
禁止帯幅を越える照明(即ち、電子をダイヤモンドの禁止帯幅を越えて励起するのに充分なエネルギーを持つ光)を用いることにより、ダイヤモンド材料自身が、入って来る輻射線を直接吸収し、浸透深さを石の表面近くまでに限定するであろう。これは、潜在的に、人工照明に直接曝される石の表面に近い領域に、それら層の可視性を限定することになるであろう。二つの効果により、照明用照射が吸収されるか、又は応答が観察される領域を広くすることができるであろう。第一の効果は、励起輻射線が禁止帯幅に近く、そのためダイヤモンド材料中での輻射線の減衰が大きくなるが、これは、浸透がまだ表面から数ミクロンの深さまでに限定されていない場合であり、第二の効果は、入って来る輻射線により表面の所で励起された荷電キャリヤーが、更にダイヤモンド物体中へドリフトでき、更に本体中へ入った層の励起を起こすことができる場合である。これを起こす能力は、特に標識層の外側の合成ダイヤモンド材料の一般的純度及び結晶の完全性を含めた種々の因子に依存する。
しかし、禁止帯幅を越える輻射線を用いる利点は、励起される領域を一般にダイヤモンド物体の表面に限定し、それにより層の紋様の鮮明度を一層大きくできることであるが、この細部を見るためには、特にそれら層の厚さを考慮して、しばしば一層複雑な見る設備を必要とする。この領域では、層の露出された縁だけを見ることと、交互になったオレンジルミネッセンス層と青色燐光層を用いる特別な例を考慮することとにより、両方の層を励起中に見ることができるが、青色帯域燐光を示す層だけが、励起を止めた後でも見ることができるであろう。禁止帯幅を越える照明は、特に、a)商標名として考えられた標識の詳細な幾何学的形態を観察することができるようにする場合と、b)空間的又は時間的に分離された色(一種又は多種)だけでは不充分になる場合の材料の合成性状を際立たせるために、それら層の幾何学的形を用いる場合に有用である。
一つの標識形成層を用いる場合、それは、全体的層、目的物、又は合成宝石原石の実質的全体を占めていてもよい。一つ以上の層を一つのグループ又は紋様として用いる場合、各層の厚さの下限は、典型的には10μmを越え、一層典型的には20μmを越え、更に一層典型的には50μmを越え、更に一層典型的には100μmを越え、最も典型的には200μmを越え、各層の厚さの上限は、典型的には1000μmより小さく、一層典型的には600μmより小さく、更に一層典型的には400μmより小さく、最も典型的には250μmより小さく、基本的な条件は、用いられる不純物の濃度及びそれに伴われる吸収及びルミネッセンス特性について、それらの層が、通常の光で見た時のカット石を著しく着色しないように充分薄いが、選択された励起波長では充分な可視性を与えるように充分な厚さを有すると言うことである。付加的要件は、それらの層が、正確にそれらの幾何学的形を測定できるようにする、例えば、前に記述したように、禁止帯幅を越えるビューアーを用いて測定できるようにするのに充分な厚さを持つようにすることであろう。更に別の組合せは、一つの標識形成層又は特徴的構造が、ダイヤモンド目的物の大部分又は全体に亙って伸びている場合であるが、第二層がこの領域内に形成されている場合を除く。
一つの以上の層を、石の本体中に広がった多重紋様又は反復紋様として用いる場合、個々の層は薄くすることができるが、重要なパラメーターは、同じ型の層全ての合計の厚さである。そのような状況では、各層の厚さの下限は、典型的には2μmを越え、一層典型的には5μmを越え、最も典型的には10μmを越え、それら層の厚さの上限は、典型的には100μmより小さく、一層典型的には50μmより小さく、更に一層典型的には20μmよりも小さい。
特に、前に述べた全内部反射の影響から生ずる幾何学的問題を差し当たり別にして、副帯輻射線を用いて標識付けされた層の平面に垂直に近い方向から見た場合、重要なパラメーターは、層の平面に投影した、層の厚さに亙る発光中心の濃度であろう。即ち、層の観察される明るさは、励起用輻射線の強度と、照射中心の単位体積当たりの濃度と、層の厚さとの積に比例するであろう。材料中の何処かで起きる自己吸収効果を含めた他の効果も、観察される強度に関与することがある。従って、ドーパントの濃度が非常に低い場合には、比較的厚い層が好ましいであろう。そのような条件は、全成長過程に対する影響を最小限にする必要性から都合がよいであろう。
それに対し、禁止帯幅を越える励起でそれらの層の縁(エッジ)を見る場合、実際に試験する材料の深さは、輻射線の波長により殆ど決まり、従って、観察される明るさは、励起用輻射線の強度と、関連する欠陥中心の単位体積当たりの濃度と、発光領域の横の広がりを決定する層の厚さとの積に比例するであろう。厚い層は、ドーパントの濃度が低い場合の可視性を、観察される領域を増大させることにより改良するのにも役立つであろう。
第三の場合、カットした宝石原石で副帯輻射線を用いて、標識層の平面に対し垂直に近い方向から見た場合である。これは、もっと詳細に後で記述するが、低い方のファセットでの全内部反射が挙動を支配する場合である。この場合、見る方向は明らかに層の平面に垂直であるが、実際に観察されるビームは、全内部反射が起きるまでその層に対し殆ど平行であり、その結果重要なパラメーターは、その層の厚さに亙る発光中心の、その層の平面に投影された濃度になるであろう。即ち、層の観察された明るさは、励起用輻射線の強度と、照射中心の単位体積当たりの濃度と、層の横の広がりとの積に比例するであろう。材料中の他のどこかでの自己吸収の影響を含めた他の効果も、観察される強度に関与することがある。
種々の不純物の有用な濃度を査定し、下に詳細に示す通りであることが判明した。しかし、当業者には、用いる成長方法の種類と、例えば、ルミネッセンスのクエンチ又は荷電状態の変化をもたらすことがある他の不純物中心又は構造欠陥の濃度、従って、標識付け層のために用いられた不純物の光学的挙動との間にはかなりの相互作用があることが分かるであろう。更に、不純物の取り込みは、含まれるダイヤモンドの特定の成長セクターと共に変動することはよく知られており、例えば、{111}成長セクターは、しばしば{100}成長セクターよりも高い濃度の不純物を取り込む。簡単にするため、下記で与えられるデーターは、{100}成長セクターに関係し、他の成長セクターが含まれる場合には適当な修正を必要とする。
このように、例1で詳述したマイクロ波法のような方法を用いて、色及び可視吸収に対する影響を許容可能なレベルまで減少しながら、標識付けに適切なレベルで575nmのルミネッセンスを発生させるためには、気相中の分子状窒素濃度の最適値は、上限が好ましくは10ppm、一層好ましくは3ppm、更に一層好ましくは1ppm、更に一層好ましくは0.5ppm、最も好ましくは0.2ppmで、下限が好ましくは0.01ppm、一層好ましくは0.05ppm、最も好ましくは0.1ppmである範囲内に存在することが判明している。材料の固体中に配合される窒素に関して、ダイヤモンド中でこれらの低いレベルでその特徴を規定することは必ずしも容易ではないが、一般に原子分率について、気相中の分子濃度の値よりも約10〜10低くなっていることが測定されている。分子状窒素が唯一の有用な窒素源であると言うわけではなく、例えば、NHも利用することができるが、その場合Nの相対的活性化/配合は異なるであろう。
同様に、例1に詳述したマイクロ波法のような方法を用いて、色及び可視吸収に対する影響を許容可能なレベルまで減少させながら標識付けのために適切なレベルでB/N供与体・受容体対の燐光を発生させるためには、硼素と窒素の両方の濃度を調節する必要があることが判明している。特に固体中のB及びNの濃度は、どの場合でも好ましくは硼素の濃度が窒素の濃度を越えるようにして、好ましくは30倍以内、一層好ましくは10倍以内、更に一層好ましくは5倍以内、一層好ましくは3倍以内、最も好ましくは2倍以内にある。この一つの利点は、窒素が硼素を補償すると、硼素が材料の色に与える影響を減少することである。硼素の可視色に与える影響を査定することにより更に限定が与えられる。実験的に、非補償硼素は、層の厚さと、その層中の非補償硼素濃度との積が0.1ppm.mm(例えば、0.1ppmの非補償硼素の1mm厚さ)を越える場合に、丸型ブリリアンカット中、層として存在する時の目で検出することができる青色を与えることが決定されている。しかし、燐光は、遥かに低い硼素レベルを持つ層中で発生させることができ、燐光の適切なレベルは、200〜400μm厚の層で、0.01ppm〜0.001ppmの硼素の固体中濃度で観察されており、それより低いレベルでも充分なことがあることが示されている。
硼素/窒素供与体・受容体対の再結合から生ずる燐光の強度は、夫々特性時定数を有する二つの二次減衰の合計として概算するのが合理的であることが実験的に決定されている。この形を下に与える:
Figure 2007521113
データーをこの形の等式に当てはめることができるという観察から、二つ、又は唯二つの明確な型の中心が存在するものと推定すべきではない。或る場合には、かなりの振幅を有する唯一つの時定数しか存在しない。しかし、一般に、二つの時定数を見出すことができる場合、それらは約8〜10の係数で異なっていることが判明している。硼素濃度が高いと、長い方の時定数は、それでも一般に比較的短く、典型的には2秒より短く、しばしば1秒より短い。低い濃度では、一層ゆっくり減衰する成分が一般に一層優勢になり、その時定数は3秒よりも長く増大する。これは、三つの関連する利点を有する:
a)積分ポンピング時間は、減衰時定数に比例して効果的に増大する(励起ビームを除いた直後に観察される燐光減衰は、一層長い時間前に励起されていたことになるであろう);
b)その結果、励起後に与えたどの時間でも、強度は増大する;
c)典型的には、目による最適の検出のため、強度は少なくとも2〜3秒間見える必要がある。
硼素濃度と、長い時定数値との間の関係は完全には決定されていないが、用いた試験条件下では、例えば、例1の場合では、固体中0.1ppmより低い硼素濃度で特に有利になると思われる。
このように、固体中の好ましい硼素濃度は、上限が1ppm、一層好ましくは0.3ppm、更に一層好ましくは0.1ppm、更に一層好ましくは0.05ppm、最も好ましくは0.02ppmで、下限が0.0001ppm、一層好ましくは0.0003ppm、更に一層好ましくは0.001ppm、更に一層好ましくは0.002ppm、最も好ましくは0.005ppmである濃度範囲内に存在する。硼素の配合比は、典型的には、気相中のジボランの分子濃度についての好ましい値が、これらの値より10倍以上になるような比であるのが典型的である。
一般によく知られているように、窒素についての配合比は、硼素のものよりも遥かに低い。その結果、固体中の最適濃度は、燐光を増大するための硼素の濃度に近く、それより低いであろうが、気相中の濃度は一般に遥かに高い。典型的には、窒素についての濃度範囲は、他の基準、即ち、固体中の硼素濃度を先ず設定し、次に固体中の窒素の相対的濃度を設定する基準に合わせて選択され、それにより使用中の成長条件下で達成される正確な配合比に依存して気相に添加すべき窒素の濃度を大体決定する。しかし、青色燐光層を生成させるための気相中の分子窒素濃度についての好ましい値は、上限を好ましくは50ppm、一層好ましくは20ppm、更に一層好ましくは10ppm、更に一層好ましくは5ppm、最も好ましくは2ppmとし、下限を好ましくは0.02ppm、一層好ましくは0.05ppm、更に一層好ましくは0.1ppm、更に一層好ましくは0.2ppm、最も好ましくは0.5ppmとする範囲内に存在する。この場合も、分子状窒素が唯一の有用な窒素源であると言うわけではなく、例えば、NHも使用することができるが、その場合、Nの相対的活性化/配合は異なるであろう。
Si関連737nm中心の場合には、この欠陥の性質及び挙動はこの時点では充分には理解されていないが、やはり非常に低い濃度、10ppm〜0.0001ppmの程度の珪素が、他の必要な成分が存在している限り、充分な量の欠陥を発生させるのに適切になると考えられる。一つの特別な問題は、欠陥の帯電状態であると考えられる:硼素が存在すると、帯電状態は737nmルミネッセンスに必要な状態とは異なっていることがあるが、窒素が存在すると欠陥を正常な帯電状態に安定化するのに役立つであろう。欠陥についてのモデルには、中性の帯電状態にある隣接空位を持つ置換Si、珪素空位錯体、及び空位と結合した<111>軸に沿った二つの置換珪素原子が含まれる。Si関連中心からの全積分ルミネッセンス強度は、NV及び供与体・受容体ルミネッセンス及び燐光についてのものよりも遥かに小さいのが典型的である。更に、それは、目には感じにくいスペクトル(737nm)の領域内に存在する。結局、検出するための第一の方法は、直接見ることよりもむしろ分光機器を伴う。Si関連中心が組込まれた詳細な層構造は、それらを見るか又は他のやり方で判定するのが難しいので、余り有利ではない。前述の737nmの線は、例えば、電子拡大影像を、特に適当なフィルターを使用することと組合せて用いた装置で見ることができ、層構造も、限定された波長範囲に亙って共焦点ルミネッセンス深度図作成のような手段により、或は分光分析と組合せて検出することもできる。737nmSi関連中心は、複雑な一組の励起状態を有し、従って、488nm及び514nmを含めた種々のレーザー波長範囲により励起することができ、特に633nmHeNeレーザーにより効果的に励起される。しかし、480〜700nmの範囲の波長を有する他の光源も適切であろう。
標識又は標識付け層を見るのに適した副帯波長は、次のようにして決定することができる。オレンジルミネッセンス(575nm及び637nmの光学的中心からのもの)は、514nm、488nm、及び一層短い波長のような範囲の波長により励起することができるが、励起効率は、波長がUVに近づくにつれて減少し、637nm中心が、約400nmより短い波長では励起されないことは、注目に値する。これに対し、青色帯域燐光は、254nmの水銀線のような短UVに近い波長により一層効果的に励起される。しかし、励起効率についてのこれらの傾向は、特に限定的なものではなく、或る範囲の波長を、両方の発光を充分よく励起するために用いることができる。
表面に近い領域で一つ以上の標識付け層を見るのに適した禁止帯幅を越える輻射線は、193nm以下の波長の所にあるであろう。一般に高いルミネッセンス源を用いることができ、ダイヤモンド中の強い減衰のため良好な空間的解像度を依然として得ることができる。禁止帯幅を越えるUV輻射線を用いて層の正確な検視及び特性化に特に適した機器は、ダイヤモンド・トレーディング社(Diamond Trading Co.)により開発された「ダイヤモンドビュー」(DiamondView)(商標名)機器であり、それは、適当なUV源とデジタルイメージ捕捉とを組合せ、ダイヤモンド試料中のルミネッセンスと燐光の両方の研究を、比較的低い明度レベルまで低くても、可能にする。
適当な条件を用いて見た時の光学的特性、或いはその光学的特性を与える領域の空間的分布、又はそれら二つの組合せは、当分野で知られている天然ダイヤモンド又はCVDダイヤモンドのようなダイヤモンドの他の形態のものからの区別を与える。これに関して、天然青色ダイヤモンドでの燐光は知られており、比較的稀であるがオレンジルミネッセンスも天然石で知られている。しかし、それらは同じ天然石で存在することも、それが、天然石で明確な輪郭をもつ層の形でも知られておらず、737nm珪素関連線を示す天然ダイヤモンドの例も知られていない。
オレンジ/青色フラッシュ効果は、オレンジ575nm及び青色ルミネッセンス/燐光帯域を別々に励起し、判別することにより最もよく観察することができることが決定されている。これについての理論的根拠を次に論ずる。
燐光中心が存在し、適当な励起波長により励起される場合、燐光中心は、照明が除去された後でも見ることができるのみならず、照明が点灯している間でも見ることができる。燐光中心からのこの明白なルミネッセンスは、励起光源を除いた後に続くどのような燐光よりも強くなるであろうが、その程度は、中心の寿命及び測定時間に依存する。従って、比較的弱い燐光中心でさえも、励起光源が点灯している間はかなりのルミネッセンスをもたらすことができる。
オレンジルミネッセンスと、青色PL/燐光との両方を励起するために単一波長又は複数の波長の帯域を用いることを考えると、もし青色ルミネッセンス帯域がかなりの強度で存在するならば、これは575nm帯域の同時観察をかなり困難にすることがあると認められている。適当なフィルター(例えば、OG550)を通して青色PLを遮蔽し、575nm領域を観察しようとすると、青色ルミネッセンスの長波長側の後端部もフィルターを通過することがあるのでオレンジ「575nmPL」の偽像も観察されるであろう。励起光源のスイッチを切った場合、青色燐光帯域のその長波長側の後端部が、フィルターを通して観察されるので、更に混乱を生ずることもある。
従って、理想的にはオレンジ575nmルミネッセンスについての試験を最初に決定し、次に青色燐光についての試験をすべきである。最初に青色燐光を励起することは推奨できない。なぜなら、これは、575nmルミネッセンスを次に励起し、観察できるレベルまで減衰するのに、1分までかかることがあるからである。575nmルミネッセンスは、225nm〜575nmの範囲の波長で励起することができるが、300nm〜575nmの範囲では、青色ルミネッセンス/燐光も刺激することなく、励起されるだけであろう。575nm発光強度は、標識付け層及び/又は充分に厚い層中に適当に高い濃度の575nm中心を有するCVD合成石に依存する。約380nmより大きな励起波長は、目のスペクトル応答内にある。これは、575nm帯域の観察に厳しい影響を与えることがある。この場合、575nm帯域を見る人の目に到達しないように、励起光源を実質的に又は完全に遮蔽する適当なフィルターが必要である。
575nmルミネッセンスのための試験に続き、次に青色燐光のための試験を行なう。575nm励起光源及び見るためのフィルターは除くべきである。225nm〜約254nmの範囲内の波長又は波長帯域内の短波紫外線励起のスイッチを、次に青色ルミネッセンスを励起するために入れるとよい。575nm帯域は、その短波励起により刺激されるが、殆ど確実に青色PLによって主に占められているであろう。数秒後、短波励起のスイッチを切ると、青色燐光が観察されるはずである。燐光を示さない575nm中心からの寄与はないであろう。この連続的励起法を用いることにより、オレンジ/青色フラッシュが観察されるならば、試験中のその石は、前に記述した特定の構造を有する標識付けCVD合成石である。
本発明で標識の存在を一般的に検出するための安価なビューアーの特に有利な形態のものは、周囲の光を排除するために、CVDダイヤモンド層、目的物、又は合成宝石原石を覆って適合する小さな箱と、その箱に入る励起光源及び出来れば拡大レンズの形の見る窓と、励起波長を除去するためのフィルターとを組合せたものであろう。別法として、周囲の白色光は、その検視箱から排除されるのではなく、フィルターにより除去されるようにしてもよく、その場合フィルターは、オレンジルミネッセンス及び青色帯域燐光のための本質的に帯域通過フィルターである。
副禁止帯幅照明は、例えばオレンジ/青色フラッシュ効果により、合成ダイヤモンド材料個体中に標識付け層/標識が存在するか否かを簡単に実証するための好ましい励起方法になるであろう。副禁止帯幅照明は、合成石の全体積を透過し、従って、その中のどの位置でも標識付け層を励起することができる。試験により、一つの側面だけから導入した励起ビームを用いた場合でも、一般に石の全体積が同等に照明されることが示されている。なぜなら、得られるルミネッセンスイメージは、励起ビームの位置/方向には影響を受けないからである。この励起方法により、それらの層が材料中にかなり埋め込まれている場合でも、カット石のテーブルを通して、また研磨したはめ込み台中に付けたカット石からルミネッセンスを検出することができる。
本発明を、次に図面を参照して論ずることにする。
図1
400〜800nmの範囲の可視波長に亙り、3つのスペクトル:a)約450nmの所に中心をもつ曲線(450FxXEFの記号が付けられている)で、アンドオーバー(Andover)450nmフィルターにより濾波された後のキセノンフラッシュランプにより発生した励起ビーム、b)見た像から励起周波数を全て除去するために用いた約550nmでのOG550検視フィルターの帯域通過領域の立ち上がりエッジ(OG550の記号が付けられている)、及びc)OG550フィルターを通して見た時の、620nmの領域にピークを有する575nmPL中心の発光スペクトル(OG550x575の記号が付けられている);を含むグラフである。
図2
200〜800nmの範囲に亙り、2つのスペクトル:a)約228nmの所に中心をもつ曲線で、アンドオーバー228nmフィルターにより濾波された後のキセノンフラッシュランプにより発生した励起ビーム、及びb)500nmの近くにピークを有し、400nm〜700nmに伸びる青色PL/燐光中心の発光スペクトル;を示すグラフである。
図3
a)575nm帯域、及びb)637nm帯域の励起スペクトルを示す200nm〜700nmの範囲に亙り、固有のダイヤモンド帯域エッヂ(ダイヤモンド禁止帯幅を定める)までのグラフである。このデーターは、ザイツェフ(Zaitsev)A.による「ダイヤモンドの光学的性質」(Optical Properties of Diamond):データーハンドブック、2001年春(ISBN 354066582X)から取られている。
図4
3つのスペクトルを示す200nm〜500nmの範囲に亙るグラフであるa)全波長範囲に亙って伸びる曲線は、ハママツ(Hamamatsu)キセノンフラッシュランプの発光スペクトルである。そのキセノンフラッシュランプからの輻射線は、400nm〜550nmの長波長範囲内の強い可視発光バンド及び220nm〜270nmの範囲内の非常に強い短波紫外線発光バンドによって主に占められている;b)英国LOTオリエル(Oriel)により供給され、米国アンドオーバー社(Andover Corporation)により製造されている狭い帯域通過フィルター、型228FS25−25についての透過曲線であり、ピーク波長は228nmの所に中心があり、半値幅は約25nmであり、直径は25mmである。c)英国LOTオリエルにより供給され、米国アンドオーバー社により製造されている狭い帯域の透過フィルター、型450FS40−25についての透過曲線であり、ピーク波長は450nmの所に中心があり、半値幅は約40nmであり、直径は25mmである。
図5
宝石原石として標識付け合成カットの575nmオレンジ蛍光(上の図)及び青色(青・緑色)燐光(下の図)を観察するのに適切なビューアーの模式的に表した図である。上の図(575nmオレンジ蛍光として記載してある)は、575nmPLを励起し、それを見るために設定したビューアーを示し、図1に示したスペクトルに関係する。光源はキセノンフラッシュランプである。フィルターF1は450nm励起フィルターであり、フィルターF3は、オレンジを見るフィルターOG550であり、図1に示したスペクトルに関する。フィルターF4は、散乱光又はキセノン励起による影響を減少するための更に別のフィルターでもよい。下の像(青・緑色燐光として記載してある)は、青色PL/燐光を励起し、それを見るために設定したビューアーを示し、図2に示したスペクトルに関係する。光源はキセノンフラッシュランプである。フィルターF2は228nm励起フィルターである。操作者に達する有害な紫外線を防ぐため、ガラス又はペルスペクス(Perspex)フィルターを、典型的には、機器の一番上に配置されている覗きガラス窓の外に、「開口」と記した位置に配置してもよい。
図6
図5に示したビューアーの模式的側面図である。見るフィルターを垂直から約45度傾けて配置し、操作者が光源を直接見ないように直接励起から離して設定し、励起光源からフィルター中で発生したルミネッセンスを除外する。
図7
200〜600nmの範囲に亙り、3つのスペクトル:a)UG5フィルターを透過した後の、水銀放電の254nmスペクトル;b)UG5フィルターを透過した後の、水銀ランプの365nmスペクトルで、半値幅約25nm;及びc)典型的な市販400nmLEDの出力スペクトル;を示すグラフである。
図8
300〜800nmの範囲に亙り、3つのスペクトル:a)約550〜800nmに亙る、OG550フィルターを透過した575nmPL帯域;b)効果的に310〜520nmに亙る、BG25フィルターの透過曲線をもつ400nmLED励起帯域;及びc)550から800nm以上に亙る、OG550透過率;を示すグラフである。
図9a
丸型ブリリアントのキューレットに近い層により与えられる像を模式的に表した図。左下の箱は、OG550フィルターを有する覗き窓の周りに配置した環状照明器(光源として記載されている)からなる装置であり、箱の底には丸型ブリリアントとしてCVD合成カットが配置されており、それは、575nmPL中心をもって標識付けされた層が、キューレットからパビリオンファセットまでの距離の約1/3までの体積を占めている。照明は、575nmPLだけを励起するように用いられている。上の右側までの図は、そのようなCVD合成石で、テーブルに対し垂直に見た時、光線トレースにより得られたものとして観察される像を示しており、ここでは高さが6mmで、575nm含有領域/層がキューレットから0.8mm(石の高さの13%)の所まで伸びているモデルになっている。観察者の目(3mm直径の瞳)は、キューレットから約100mmの所にある。光線トレース図は、575nm含有層内から4百万光線を発生し、CVD合成内のそれらの軌道及びそれらの出口点を計算することにより作成した。3mmの穴に入ったこれらの光線だけ(約800)を、石の平面図にプロットしてある。強い(オレンジ、575nm)スポットが、テーブルの中心部にある大きなコントラストで明白に見られるだけでなく、クラウン平面内の一連の大きな強度のスポットも見られる。
図9b
丸型ブリリアントのガードルに近い層により与えられる像を模式的に表した図。左下の箱は、OG550フィルターを有する覗き窓の周りに配置した照明器(光源と記載されている)からなる装置であり、箱の底には丸型ブリリアントとしてCVD合成カットが配置されており、それは、575nmPL中心をもって標識付けされた層がガードル近くの薄い層を占めている。照明は、575nmPLだけを励起するために用いられている。上の右側までの図は、そのようなCVD合成石で、テーブルに対し垂直に見た時、光線トレースにより得られたものとして観察される像を示しており、ここでは高さが6mmで、575nm含有領域/層がガードルから下の方へ0.8mm(石の高さの13%)伸びているモデルになっている。光線トレースについての詳細は、図9aの場合と同様である。テーブルには強いスポットは見られず、テーブルファセットでは幾らかの一般的強度のものを主に見ることができる。
図10
観察者が標識付けされたCVD合成石中のオレンジ又は青色ルミネッセンス層からのオレンジ/青色フラッシュ及び光学的効果を見ることができるようにするための好ましい装置を示す模式的図である。
装置は、二つの機能を与える。第一の機能は、オレンジ575nmPLだけを励起する長波光源(102、104)を含み、それは、レンズ及びBG25のような適当なフィルター(104)とを一緒にしたLED(102)でもよい。CVD石で励起される575nmオレンジPL帯域は、OG550フィルター(120)を通して大きな選択性をもって観察される。
第二の機能は、燐光を効果的に励起する短波長光源(112、114)を含み、それは、適当なレンズ及びフィルター(114)と組合されたキセノンフラッシュランプ(112)であるのが好ましく、227nm〜254nmの範囲内の波長の光源を与えるのが好ましい。見る人をUV放射線から保護するため、ガラス窓(110)を与える。この操作方式では、OG550(120)は、見る経路から除かれている。
散乱光による妨害を起こすことなくルミネッセンスを観察することができるように、暗くした箱の中に完成した装置を入れる。装置内の見るレンズ(118)は、観察者が石の拡大像を見ることができるようにしている。
図11
ダイヤモンドビュー(DiamondView)(商標名)機器により記録された0.2カラット丸型ブリリアントCVD合成石10(クラウン角度、ガードルの面に対し約35°で、パビリオン角度は、ガードル面に対し41.5°)のPL(ホトルミネッセンス)像である。B/W(白黒)へ転化する前の元の像では、白色領域が青色PLを示し、黒色領域が暗い所である。CVD合成石10は、キューレット先端からその石の高さの約30%の所まで伸びている青色PL層を有する。像は、テーブルファセット12をビューアーの方へ向けて記録した。像は、テーブルファセット12の中心部に明確な青色(ここでは白色として見える)「フイッシュアイ(fish−eye)」スポット14によって主に占められている。テーブルファセット12の残りは、青色PLを欠いている。クラウンファセット16は、内部散乱青色PLからの強度分布を示している。
図12
左側の図は、図11に影像した丸型ブリリアントについての予想されるPL像の光線トレース法に基づくコンピューター作成像である。右側には、モデルとして示す丸型ブリリアント(20)の側面図が示されており、PL層22は、キューレット先端24から石20の高さの約30%まで伸びている。図11の場合と同じように、テーブルファセットを通して見たPL像は、テーブルファセット28の中心部にある「フイッシュアイ」スポット26を特徴とし、テーブルファセット28の残りは、殆どPLを欠いている。クラウンファセット30は、内部散乱PLからの強度分布を示している。
図13
左側の図は、丸型ブリリアント(40)についての予想されるPL像の光線トレース法に基づくコンピューター作成像であり、その側面図が右側に示してある。図12の場合と同様に、この石も、PL層42がキューレット先端44から石40の高さの約30%まで伸びているモデルになっている。テーブルファセットを通して見たPL像は、テーブルファセット28の中心部にある「フイッシュアイ」スポット46を特徴とし、テーブルファセット28の残りは、殆どPLを欠いている。クラウンファセット30は、内部散乱したPLからの弱い強度分布を示している。
図14
本体とは異なったPL特性を有する一つの型の層を用いて特徴的標識を与えるために、CVDダイヤモンド層中に生じさせることができる簡単な層行動の模式的図である。ダイヤモンド材料50は、一対の標識層52、54を含み、それは、このPL特性を持たず、層の残りの特徴を有するスペーサー層56によって分離された特性PLを示す。層52、54及び56は、夫々厚さtm1、tm2、及びts1を有する。
図15
本体とは異なったPL特性を有する二つの型の層を用いて特徴的標識を与えるために、CVDダイヤモンド層中に生じさせることができる簡単な層構造の模式的図である。ダイヤモンド材料60は、一対の標識層62、64を含み、それらは、層62及び64とは異なったPL特性を示す層66によって分離された同様な特性PLを示している。この場合、三つの全ての層62、64、66は、材料60の本体のものとは異なったPL特性を示す。層62、64、66は、夫々厚さtm1、tm2、及びtn1を有する。
図16
本体とは異なったPL特性を有する二つの型の層を用いて特徴的標識を与えるために、CVDダイヤモンド層で生じさせることができる一層複雑な層構造の模式的図である。特に、層72、76、及び80と、層74、78、及び82とは、二つの明確なグループを形成し、それらの層の各グループは、そのグループ内では互いに同様であるが、他のグループ及び本体材料70とは異なるPL特性を有する。更に、個々の層の厚さが変化している。
図17
好ましい別の標識ビューアーを用いて丸型ブリリアントカットCVD合成ダイヤモンドについて撮った像である。石は1.02カラットで、E/F色及びVVS2以上であり、キューレットからパビリオンファセットまでの距離の約1/3までの青色燐光を示す層を除き、その本体は均一な575nmPLを示している。各像は、テーブルファセットに対し垂直に見て撮られている。左側には575nmPL像が示されており、その場合、B/W(白黒)に転化する前の元の像の強度はオレンジであったが、ここでは黒色中の明るい又は白色の所として示されている。右側には青色燐光像が示されており、この場合、B/Wへ転化する前の元の像の強度は青色であり、今は黒色中の明るい又は白色の所として示されている。左側の575nmPL像の強度は、テーブルファセットの中心部に見える暗いリングを除き、一般に比較的均一である。これは、青色燐光の右側の像のテーブルで見られる明るい環に相当する。この明るい環状セグメントは、テーブルファセットでも見ることができる。
図18
好ましい別の標識ビューアーを用いて丸型ブリリアントカットCVD合成ダイヤモンドについて撮った像である。石は0.80カラットで、F/G色及びVS1であり、キューレットからパビリオンファセットまでの距離の約1/3までの青色燐光を示す層を除き、その本体は均一な575nmPLを示している。各像は、テーブルファセットに対し垂直に見て撮られている。左側には575nmPL像が示されており、その場合、B/W(白黒)に転化する前の元の像の強度はオレンジであったが、今は黒色中の明るい又は白色の所として示されている。右側には青色燐光像が示されており、この場合、B/Wへ転化する前の元の像の強度は青色であり、今は黒色中の明るい又は白色の所として示されている。左側の575nmPL像の強度は、テーブルファセットの中心部に見える暗いリングを除き、一般に比較的均一である。これは、青色燐光の右側の像のテーブルで見られる明るいリングに相当する。この明るい環状セグメントは、テーブルファセットでも見ることができる。
図19
好ましい別の標識ビューアーを用いて角型カットCVD合成ダイヤモンドについて撮った像である。石は0.69カラットで、E/F色及びVVS2以上であり、キューレットからパビリオンファセットまでの距離の約1/3まで青色燐光を示す層を除き、その本体は均一な575nmPLを示している。各像は、テーブルファセットに対し垂直に見て撮られている。左側には575nmPL像が示されており、その場合、B/W(白黒)に転化する前の元の像の強度はオレンジであったが、ここでは黒色中の明るい又は白色の所として示されている。右側には青色燐光像が示されており、この場合、B/Wへ転化する前の元の像の強度は青色であり、今は黒色中の明るい又は白色の所として示されている。
575nm中心から実質的に発生しているオレンジルミネッセンス(PL)は、室温で約500nmから750nmまで伸びている。(550nm未満をカットオフする帯域通過フィルターを通して見た時の575nmPLスペクトルを図1に示す)。青色PL/燐光は、図2に示したように、400nmから700nmへ伸びている。実験により約300nmより短い波長は、オレンジ575nm帯域(図3は575nmについての励起スペクトルを示している)及び固有ダイヤモンド帯域エッジまでの637nm帯域(ダイヤモンド禁止帯幅を定める)の両方を励起することができ、これは、ザイツェフ(Zaitsev)A.による「ダイヤモンドの光学的性質」(Optical Properties of Diamond):データーハンドブック、2001年春(ISBN 354066582X)及び弱い青色PL/燐光帯域から取られている。(注:300nmは、目のスペクトル応答範囲外にある)。
227nmと約254nmとの間の波長は、ダイヤモンドの全体内からの青色PL/燐光を励起するのに最も効果的である。227nmより短い波長での励起は、ダイヤモンドの表面で実質的に吸収され、表面ではルミネッセンスを発生するだけになることに注意することは重要である(これは、ダイヤモンドビュー機器で用いられている方法である。これは表面にある標識付け層を見るのに役立つであろうが、それらの層が表面にきている所で宝石はめ込み台により覆われていると、227nmより短い波長を用いた表面励起法は不適切である)。オレンジ575nmPLは、励起光源と共に消えるので、CVDダイヤモンド材料又はその中の着色層からのPLの知覚される色は、オレンジ又は幾らかのオレンジ/青色の組合せから青色(オレンジ/青色フラッシュ)へ変化するであろう。そのような色の変化の可視性、特に青色燐光に対するオレンジ成分の可視性は、適当なフィルターを用いることにより向上させる必要があることもある。
575nmからのオレンジ/青色フラッシュ効果及び/又は単一層からの光学的効果を励起し、検出するのに用いることができる装置の例を、下に記載する。
装置、例1:濾波されたキセノンフラッシュランプ励起
オレンジ/青色フラッシュ効果を観察するのに必要な装置は、キセノンフラッシュランプのような単一の励起光源からなるであろう。標識ビューアーのコストを低下するため、低電力キセノンフラッシュランプが示唆されているが、これは、一層強力なキセノンフラッシュランプを使用することを排除するものではない。PLの周波数は、フラッシュランプ励起周波数に従うであろう。PL及び恐らく直接励起の成分は観察者に見えるであろう。従って、反復周波数の選択は重要である。或る低電力キセノンフラッシュランプは、全電力を約10ヘルツの反復速度でしか送れないであろう。これらは、フラッシュする光が敏感な個人個人でてんかん発作を誘発することがあることが知られているので、安全の見地から回避されるのが最もよい。最も発作を誘発し易いフラッシュ光の周波数は、人により異なるが、一般的は5〜30ヘルツの間にある。適当な光源は、約126ヘルツのピーク電力フラッシュ反復速度で作動する、ハママツ・ホトニクス(Hamamatsu Photonics)からの5ワット・キセノンフラッシュランプ、L9456型であろう。
図4のプロットを通って伸びる主たる曲線は、ハママツキ・セノンフラッシュランプの発光スペクトルを示している。そのキセノンフラッシュランプからの輻射線は、400nm〜550nmの長波長範囲内の強い可視発光バンド及び220nm〜270nmの範囲の短波紫外線発光バンドにより主に占められている。これらの長波長及び短波長帯域は、夫々575nm及び青色帯域を励起する波長を網羅しているのが便利である。575nmPLだけを励起し(青色燐光は励起しない)キセノンフラッシュランプと組合せた適当な既製品のフィルターは、英国LOTオリエルにより供給され、米国アンドオーバー社により製造されている狭い帯域通過フィルター、450FS40−25型で、ピーク波長が450nmの所に中心があり、半値幅が約40nmで、直径が25mmのものであろう(図4参照)。この波長帯域は、575nm中心の振動吸収帯域内にある。この励起も、637nm中心の振動吸収帯域内にある(図3参照)。もし存在するならば、637nmルミネッセンスも、575nmルミネッセンスで励起され、有用であろう。575nmルミネッセンスを見るためには、450nm可視励起を遮蔽しなければならない。このことは、英国カマー・インストルーメンツ(Comar Instruments)からのOG550ガラスフィルターを用いて効果的に行うことができるであろう。図1は、三つの曲線を示し、約450nの所に中心を持つ曲線は、上に記載したアンドオーバー450nmフィルターによって濾波された後のキセノンフラッシュランプにより発生した励起ビームであり、見られる像から励起周波数を全て除去するのに用いられる約550nmでのOG550検視フィルターの帯域通過領域の立ち上がりエッジ、及びOG550フィルターを通して見た時の575nmPL中心の発光スペクトルである。
青色ルミネッセンス/燐光を励起するためのキセノンフラッシュランプと組合せた適切な既製品フィルターは、英国LOTオリエルにより供給され、米国アンドオーバー社により製造されている狭い帯域通過フィルター、228FS25−25型で、ピーク波長は228nmの所に中心があり、半値幅が約25nmで、直径が25mmのものであるか、又は232FS25−25型で、ピーク波長は232nmの所に中心があり、半値幅が約25nmである同様なフィルターであろう。図2は、二つの曲線を示し、アンドオーバー228nmフィルターにより濾波された後のキセノンフラッシュランプにより発生した励起ビームである約228nmの所に中心がある曲線、及び青色PL/燐光中心の発光スペクトルである。励起は可視スペクトル中には存在していないので、得られるルミネッセンスを観察するが、特に光源のスイッチを切った時の燐光を観察しない場合には、可視遮蔽フィルターは不必要である。しかし、直接短波長紫外線を直接見ることは目に極めて有害であり、回避しなければならない。観察者から有害な紫外線を全て遮蔽するが、PL/燐光の観察を妨害しないようにするためには、ガラス又はペルスペクス型窓を利用すべきである。
この例に記載した装置は、図5及び6に模式的に示されている。「575nmオレンジ蛍光」として記載した装置は、575nmPLを励起し、見るように設定したビューアーを示し、図1に示し、上に記載示したスペクトルに関する。光源はキセノンフラッシュランプである。フィルターF1は、450nm励起フィルターであり、フィルターF3は、オレンジを見るフィルターOG550であり、図1に示し、上に記載したスペクトルに関する。フィルターF4は、散乱光又はキセノン励起からの影響を減少するための付加的フィルターでもよい。「青・緑燐光」と記載した装置は、青色PL/燐光を励起し、見るために設定したビューアーを示し、図2に示し、上に記載示したスペクトルに関する。光源はキセノンフラッシュランプである。フィルターF2は、228nm励起フィルターである。有害な紫外線が操作者に達しないようにするため、ガラス又はペルスペクスフィルターを「開口」と記した場所に配置してもよい。図6は、装置の側面図を示している。見るフィルターは垂直方向から約45度傾けて配置し、操作者が直接光源を見るのを防ぎ、励起光源によりフィルター中にルミネッセンスが生ずるのをなくすため、直接励起から離れるように設定してある。図5及び6の試験中に止めてない石が、大体そのテーブルを励起光源の方へ向け、観察者がパビリオンから石を見るように配向されていることに注意されたい。この例では、石が完全に照明される限り、石の配向は重要ではない。
装置例2:ガス放電ランプ励起
前に述べたように、575nmルミネッセンスは、約300nm〜575nmの範囲の波長により青色ルミネッセンスが存在しない場合に励起することができる(図3参照)。本体の青色燐光は、227nm〜300nmの範囲の波長により励起することができるが、227nm〜254nmの範囲の波長が一層効果的である。
夫々の励起帯域を刺激するため、濾波された広帯域光源を用いる事に対する別法は、二重波長レーザー励起を用いることである。しかし、レーザー安全性についての必要条件を不必要にし、標識付けビューアーの部品コストを低下するため、低圧ガス放電ランプからの発光を用いることができる。特に水銀放電ランプからの254nm(短波)及び365nm(長波)の発光を用いることができる。水銀長波及び短波励起は、一般にダイヤモンドを含めた材料からのルミネッセンスを観察するために用いられている。上で論じたように、本発明の方法の独特な特徴は、575nmルミネッセンスだけを先ず励起するために365nmの励起を用い、次に青色燐光を励起するために254nm励起を用いることである。強い254nm線は、低圧水銀放電ランプからの主要な発光であるが、他の僅かな放電線(例えば、365nm)及び可視光での広いバックグラウンド放電がある。鉱物等中のPLの観察に対する可視放電の影響を最小にするため、水銀放電ランプの製造業者は、ランプの前面にUG5型フィルターをはめている。UG5フィルターは、420nmより小さく、650nmより大きい波長を通す。図7の254nmスペクトルは、UG5フィルターを通った水銀放電である。365nm発光ランプは、水銀放電の結果として純粋ではない。それは、管の内壁上の燐光体被覆からのルミネッセンスを励起する254nm放電により生ずる。365nmスペクトルは、約25nmの半値幅を有する帯域である(図7参照)。これは、575nmルミネッセンスを励起するのに非常に効果的であるが、ダイヤモンドからの637nm発光を励起しない。
このように、提案した方法に従い、CVD合成石中の575nmPLを励起するため最初365nm光源のスイッチを入れる。OG550フィルターを通して575nmPLを見ることは、そのフィルターが365nm水銀ランプからのバックグラウンド放電の実質的に全てを除去するので有利である。次に365nmランプのスイッチを切り、254nmランプのスイッチを入れる。(254nmランプのスイッチを入れる操作は、365nmランプのスイッチを自動的に切ることができるようにするのが有用である)。数秒後、254nmランプのスイッチを切ると、青色燐光の存在が認められる筈である。
この方法は、図5及び6に示した装置で具体化することができ、キセノンフラッシュランプは、254nm及び365nm水銀ランプで置き換えられている。水銀放電ランプは、試験中試料の上に配置することができることが判明している。このやり方で2、3、4、5個以上の254nm及び365nmランプの列を、試料上の輻射線強度を増大するために一緒に取付けてもよい。放電ランプはどのような形に形成してもよく、上から非常に近接して殆ど直接励起することができるように試料を円状に照射するようなやり方で形成してもよい。試料は環状照明によって見ることができるであろう。米国のウルトラバイアレット・プロダクツ(Ultra−Violet Products)(UVP)により供給されている適当な強度の小型ペン・レイ(Pen−Ray)(登録商標名)ランプを用いることができ、それにより装置を極めて小型に作れるであろう。しかし、(575nmPLに対して)300nm〜約500nm及び(青色PL/燐光に対して)227nm〜約254nmの範囲内の充分強い励起を生ずることができるどのようなガス放電ランプでも適しているであろう。装置例1の場合のように、図5及び6の試験中、固定していない石を、ほぼそのテーブルが励起光源の方に向き、観察者がパビリオンからその石を見ることができるように配向されていることに注意されたい。この例では、石が完全に照明される限り、石の配向は重要ではない。
装置例3:発光ダイオード(LED)と水銀放電ランプとの併用励起
前に述べたように、575nmルミネッセンスは、青色ルミネッセンスが存在していない時に、約300nm〜575nmの範囲の波長により励起することができる(図3参照)。主要な青色燐光は227nm〜300nmの範囲の波長により励起することができるが、227nm〜254nmの範囲の波長が一層効果的である。
提案した方法に従い、オレンジ575nmPLだけを励起する長波光源は、発光ダイオード(LED)にすることができるであろう。400nmに中心を持つ発光バンドを放出する適当なLEDが図7に示されている。この型のLEDからの全光学的出力電力は、約1〜2mWである。例えば、一層大きな電力のLEDは、日本の日亜社(Nichia Corporation)から入手できる。更に別の例は、日亜からの365nm、375nm、及び380nmUV LED、又はルクセオン・ルマイルド・スター(Luxeon Lumiled Star)/Cロイヤルブルー(455nm)LEDである。これらの光源からの強いUV放射線から観察者を保護するために、極度の注意が払われなければならない。これらのLEDの幾つかからの光学的発光は100mWを越えることがある。
見るフィルター(例えば、OG550又はOG570)が励起波長を遮蔽できる限り、300nm〜約500nmの範囲のどのようなLEDでも適している。実験により、励起波長とPL発光波長との最小限の重複を確実にする効果的な手段は、励起のどの長波長終端部でも遮蔽する短波長透過フィルターを用いることである。365nmUV LEDを用いた場合の例として、効果的な遮蔽フィルターはUG11又はBG25である。375nm、380nm、400nmUV LED、又は455nmLEDを用いた場合、効果的な遮蔽フィルターはBG25である。BG25及びOG550の両方をUV LEDの上に配置した場合の例として、LED発光の殆ど全ての遮蔽が得られる。試料からPLを観察する場合、観察者がOG550フィルターを通して励起光源を直接見なくても良いようにする全ての幾何学的配列により、BG25からのどのような僅かな漏洩光でも回避することができる。例として、図8は、310〜520nmに亙って効果的なBG25フィルターの透過曲線を持つ400nmLED励起帯域を示している。BG25は、520nmを越えるLEDからのバックグラウンド発光を効果的に遮蔽する。OG550フィルターを通過した575nmPL帯域は、550〜800nmに亙ることが示されており、完全のため、550〜800nmのOG550の透過が示されている。400nmLEDによる700nmでの励起長波長終端部は、400nmでのそのピークの強度の0.01%より低いので、700〜800nmのBG25からのどのような僅かな漏洩透過光でも大したものではない。
このように、575nmPLを励起するために400nmUV LED及びBG25遮蔽フィルターを用い、575nmPLを見るためにOG550を使用することは、575nmPLを示すCVD合成ダイヤモンドを判定するのにそれ自身有用な方法である。
この構成で、LEDを最初にCVD合成ダイヤモンド材料の575nmPLを励起するように点灯する。OG550フィルターを通して575nmPLを見ることは、そのフィルターがLED励起の長波長終端部の実質的全てを除去するので有利である。次にそのLEDのスイッチを切り、254nm水銀放電ランプを点灯する。(254nmランプを点灯する操作が、自動的にLEDのスイッチを切ることができるようにすることは有用であろう)。数秒後、254nmランプのスイッチを切ると、青色燐光の存在が認められるはずである。
この方法は、図5及び6に示した装置で具体化することができ、キセノンフラッシュランプは、254nm水銀放電ランプ及びLEDで置き換えられている。水銀放電ランプ及びLEDは、試験中試料の上に配置することができることが判明している。このやり方で2、3、4、5個以上の254nmランプの列及び2、3、4、5個以上のLEDの列を、試料上の輻射線強度を増大するために一緒に取付けてもよい。同じやり方で水銀放電ランプを円状照明器に形成してもよく、LEDの列も、水銀放電照明器と同心状にした環状照明器の形で配列することができるであろう。この配列は、装置を極めて小型にするであろう。装置例1及び2の場合のように、図5及び6の試験中の固定していない石を、ほぼそのテーブルが励起光源の方に向き、観察者がパビリオンからその石を見ることができるように配向されていることに注意されたい。この例では、石が完全に照明される限り、石の配向は重要ではない。
装置例4:ルミネッセンス層からの光学的効果
標識付け層を、宝石はめ込み台のような通常容易には除去できないどのような台に付けた場合でも、層の全体は、判定中に用いられる外部光源により効果的に励起することができるように配置すべきであり、重要な点は、この光の分布が、垂直方向から見る条件の場合とは異なり、例えば、一層拡散した光源よりはむしろ大きな強度の平行なビームになるようにしてもよいことである。別の例は、試料の上に配置された高強度環状照明器であろう。光源と標的のカット石との間の相互作用は、石の幾何学性又はカットに敏感であり、正確な分析のためには、最新の光線トレース計算を必要とする。一層重要な点は、カット石内の層又は領域から発したルミネッセンス又は燐光と、観察者により見られる光線模様を形成するその石のカットとの間の相互作用が、石の幾何学性又はカット及びその中の層又は領域の位置に対し敏感であり、正確な分析のためには、最新の光線トレース計算を必要とすることである。そのような光線トレース計算を行なった。
石のキューレット/先端から石の高さの約13%に亙る窒素ドープ層(575nm/637nm中心を含む)を考慮すると、その層の効果的な励起には、励起ビーム角度の注意深い制御を必要とするが、その層のこの位置付けが、テーブルを通って直接出て来る内部ルミネッセンスの発光を与えるのに一層効果的になることがある。
図9a(左下)は、石のテーブルの垂直方向に近い励起を有する環状照明器からなる装置を示している。照明は、575nmPLだけを励起するために用いられている。その照明は365nm水銀放電ランプ、フィルター付きキセノンフラッシュランプ、365nm、375nm、380nm、400nm、又は455nmLED、又は適当なに濾波された、575nmPLを励起する強い光源にすることができるであろう。図9aの光線トレース図は、キューレットから0.8mm(石の高さの13%)に亙る575nmを含む領域/層を有する6mmの高さのCVD合成石から作成されている。観察者の目(3mm直径の瞳)は、キューレットから約100mmの所にある。光線トレース図は、575nmを含む層内から4百万の光線を発生させ、CVD合成石内のそれらの軌道及びそれらが出た点を計算することにより作成された。3mmの穴に入った光線だけ(約800)が、石の平面図にプロットされている。オレンジスポットは、テーブルの中心部に大きなコントラストで明白に見える。このスポットの原因になる光線は、22.4°の臨界角内で石を励起し、従って、内部反射はない。臨界角の外側でテーブルファセットに入射した、層からの光線は、内部反射を受け、図9aに示した分布を持ってクラウンファセットから出る。着色(この場合にはオレンジ)スポットのこの生成は、キューレット近くに配置されたルミネッセンス又は燐光を生ずる明確な輪郭の体積部分又は層(この場合には575nmPLを生ずる窒素ドープ層)を有するCVD合成石に特有のものに恐らくなるであろう。
図10は、標識付けされたCVD合成石中のオレンジ又は青色ルミネッセンス層からのオレンジ/青色フラッシュ及び光学的効果を観察者が見ることができるようにするのに好ましい装置100を示している。前に述べたように、主要部575ルミネッセンスは、青色PL/燐光が無い場合に、約300nm〜575nmの範囲の波長により励起することができる(図3参照)。好ましい装置100により、オレンジ575nmPLだけを励起する長波光源102は、約150mWの455nmでの光学的輻射線を放射するルクセオン・ルマイルド・スター/Cロイヤルブルー発光ダイオード(LED)にすることができるであろう。455nmLEDを用いた場合、観察者が励起輻射線を見るのを防ぐための効果的な遮蔽フィルター104は、BG25である。BG25フィルターは、520nmを越える光を効果的に遮蔽する。環/石台108に取付けられた、CVD石106中で、455nmLEDで励起された575nmオレンジPL帯域は、OG550フィルター110を通して高純度で観察される。
前に述べたように、主要青色燐光は、227nm〜300nmの範囲の波長により励起することができるが、227nm〜254nmの範囲の波長が一層効果的である。好ましい装置に従い、青色PL/燐光を励起する短波光源112は、ハママツ・ホトニクスによる5ワット・キセノンフラッシュランプで、126ヘルツのピーク電力フラッシュ反復速度で作動するL9456−01型である。ランプからの深いUV励起だけを透過し(青色ルミネッセンス/燐光を励起する)適当な既製品のフィルター114は、英国LOTオリエルにより供給され、米国アンドオーバー社により製造されている狭い帯域通過フィルター、232FS25−25型で、ピーク波長が232nmの所に中心があり、半値幅が約25nmであるものである。
迷走光による妨害のないルミネッセンスを観察することができるようにする完全な装置が、暗くした箱116内に入っている。その装置内の見るレンズ118は、観察者が石の拡大像(例えば、×2.5)を見ることができるようにしている。このビューアーは小売される環境中で使用できるように設計されており、日除け122の下に配置したガラス又はペルスペクス覗き窓120を用いて、有害なUVから観察者を保護するように大きな注意が払われている。標識ビューアーは、顕微鏡台(図示されていない)上に設定するようにも設計されており、試験中のダイヤモンド材料又は本体から発するルミネッセンス/燐光の微細な空間的分布を容易に認識することができ、デジタルカメラで記録された。
この構成を用いて、LEDを、先ず連続的にLED102のボタンを押して点灯し、CVD合成石106の575nm/オレンジPLを励起する。オレンジPLを、OG550フィルター110を通して観察する。もし石のガードルの下に575nmPLを生ずる窒素ドープ層があると、観察者は、図9aの光線トレース図で例示したように、テーブルファセットの中心部にある明確なオレンジリング又はスポットを見るであろう。このオレンジスポットの生成は、CVD合成石に特有のものに恐らくなるであろう。LED102ボタンを離すと、オレンジPLが消える。次にOG550フィルター110を手で除く。次にキセノンフラッシュランプ112を、連続的にUVランプボタンを押すことにより点灯する。それにより観察者は、恐らく幾らかのオレンジPLを含む、CVD合成石106の青色PL像を見るであろう。UVボタンを離すと、観察者は青色燐光を見るであろう。もし石のガードルより下に硼素ドープ層があると、観察者は、図9aの光線トレース図で例示したように、PLと燐光の両方でテーブルファセットの中心部に明確な青色リング又はスポットを見るであろう。この青色スポットの生成は、CVD合成石に特有のものに恐らくなるであろう。
カット石のキューレットから一つの境界までの部分を形成する層に対する別のものは、分離した層である。今述べた装置を用いて、0.80カラットの丸型ブリリアントに研磨した一つの標識付けされたCVD合成石の二つの像が図17に示されている。石の本体は窒素を用いて成長させた。455nmLED励起により、石の本体は、図17の左側の像に示したように、オレンジ575nmPLを生ずる。カット石のテーブルに明確に見える分離層の像を生じさせるため、ガードルより充分下で、(典型的には)カット石の高さの約1/4〜1/3までの所に好ましい層を配置した。例えば、図17の石は、その場所で約200〜300μmの厚さの硼素ドープ層燐光を有する。この分離層は非常に弱い575nmPLだけを生じ、従って、相当輪郭の明確な暗いリングを与え、それは、テーブルを通して生じた575nmPLを見た時に見ることができる。しかし、LEDのスイッチを切り、キセノンフラッシュランプのスイッチを入れると、硼素ドープ層に相当する暗いリングは、図17の右側の像で分かるように、テーブルを通して見た明確な輪郭を持つ強い青色PL/燐光リングとして極めて良く見ることができるようになる。
このリングの複数の弧状部分の別の像を、そのリングの弧状部分の位置が同じ形及び角度の各ファセットでは同様であるが、異なった形と角度のファセットの間では異なっているそれらファセットの正確な配向により、クラウン面では、石の対称性を反映する複雑な一連の特徴を与えるものとして見ることができる。テーブル内に見える明確な輪郭の着色リング(この場合には青色リング)の生成は、カット石の下半分中で、ガードルより下に離れて存在するルミネッセンス又は燐光を生ずる明確な輪郭の体積部分又は層(この場合には硼素ドープ層)を有するCVD合成石に特有のものに恐らくなるであろう。実際、この場合は、図17の石の例の像により明確に表されている。
図9bは、例えば、ガードルの直ぐ下に575nmPL層を有する石についての光線トレース図を示している。この時の効果は、CVD合成石のテーブルファセットの直ぐ外側に明確な輪郭のオレンジリングを生ずることである。同様に、明確な輪郭の着色リング(この場合にはオレンジリング)の生成は、ガードルの直ぐ下に存在するルミネッセンス又は燐光を生ずる明確な輪郭の体積部分又は層(この場合には575nmPLを生ずる窒素ドープ層)を有するCVD合成石に特有のものに恐らくなるであろう。当業者は、その層の或る範囲の別の位置も可能であり、種々のリング及び他の判定用模様を含む知覚模様を有するが、重要な特徴は、カットダイヤモンド中の光学的中心の非自然的分布を、適当な条件下で見た石、好ましくはテーブルから見た石に非自然的着色模様として検出することができることである事が分かるであろう。
更に別の例として、図11は、0.2カラットの丸型ブリリアントCVD合成石10(クラウン角度はガードルの面に対し約35°、パビリオン角度はガードルの面に対し41.5°)の、ダイヤモンドビュー機器により記録されたPL像を示している。CVD合成石10は、キューレット先端からその石の高さの約30%までに亙る青色PL層を有する。この像は、テーブルファセット12をビューアーの方へ向けて記録した。ダイヤモンドビュー励起は、II型CVD合成石に充分侵入して実質的表面下のPLを励起する。ダイヤモンドビュー中の青色PL層の像は、単に目で観察した像と非常に類似しており、石の本体の励起は、227nm〜約254nmの範囲の波長を有する短波UV光によるものである。その像は、テーブルファセット12の中心部にある明確な青色「フィッシュアイ」スポット14により主に占められている。テーブルファセット12の残余は、青色PLを欠いている。クラウンファセット16は、内部散乱した青色PLからの強度分布を示している。
図11は、キューレット先端24から石20の高さの約30%に亙るPL層22について光線トレースプログラムを用いて発生させた、図12に示したのと同様な幾何学性を有する石20からの像と比較するのに非常によいものである。図11と同様に、図12もテーブルファセット28の中心部にある「フィッシュアイ」スポット26を特徴とし、テーブルファセット28の残余はPLを欠いている。ダイヤモンドビュー像及び標識付けビューアー像の場合と同様に、クラウンファセット30は、内部散乱したPLからの強度分布を示している。
図11で用いた石10及び図17で用いた石は、青色PL層の上にオレンジ575nm層を有することに注意すべきである。それによりこれらの石は、上に記載した方法を用い、ダイヤモンドビュー及び標識ビューアーでオレンジ/青色フラッシュ効果を好ましくは実証するであろう。
パビリオン角度の変動による観察される像への影響が存在する。しかし、得られる像は、種々のパビリオン及びクラウン角度の石及びスクエアーカット又はエメラルドカットのような形の石について、ルミネッセンス層からの光学的効果を用いることに大きな信頼を与えるのに充分な明確な輪郭を有する。石40で、丸型ブリリアント石のパビリオン角度を41.5°(図12)から25°へ変化させた時のPL像に与える影響が図13に示されている。特性「フィッシュアイ」42を明確に見ることができ、従って、標識付けされたCVD合成石としての石を判別する。
特に、材料の合成性状の証明を与えるだけのものではなく、製造業者又は他の情報を表す独特のサインを形成することを目的として複数の層を用いた場合には、それらの層の構造的順序を考慮する必要がある。カットCVD合成石内の標識を形成する線の特徴的模様は、出来るだけ広く適用できる必要があり、潜在的に可視青色を与え、青色帯域の燐光源も与えるようにそれ自身硼素をドープしたCVDダイヤモンド層として、或いは、さもなければ窒素を含有し、それによりそれらの体積の一部又は全体に亙ってオレンジルミネッセンスを示すCVDダイヤモンド層又は目的物として用いることができるであろう。二つの層を一緒にして一つの模様を与えるようにすることにより、これらの種類のCVDダイヤモンド層又は目的物の両方で同じ模様が観察され、判別することができるが、標識の縁の所にある最終的層がバックグランド中に混ざる危険がある。この危険は、その標識の一方の端を青色燐光によって定め、他方の端をオレンジルミネッセンスにより定められるように非対称的標識を用いることにより最小限にされる。別法として、標識の周りに幾らかの中間色のバックグランドを用いるか、又は模様の端部で標識を意図的に変化させ、どのような特別な型の石でも明確性を与えるようにすることができるであろう。
体積全体に亙り一層一般的に存在する充分に高いレベルの硼素を含むCVDダイヤモンド層の場合、例えば、強く着色した石が要求される場合、標識層への窒素の添加が、オレンジルミネッセンスを発生させるのには不充分で、単に供与体・受容体対の再結合による青色燐光を変調させるに過ぎないことがある。一つの解決方法は、オレンジルミネッセンスを観察することができるように、Nドープ層中のB濃度を特に減少させることである。別法として、そのような状況下では、青色燐光の変調が充分なことがあり、N濃度の増加及びB濃度の増加の両方により調節することができる。
同様に、窒素が別の理由から添加され、575nmPLが層全体に亙り存在する方法では、575nmルミネッセンス層を生成させることに対する別の方法は、575nmルミネッセンスを持たない層を生成させるか、又は窒素濃度を変化させることにより、又はメタン濃度又は温度のような他の工程変化を用いることにより575nmルミネッセンスの強度を変調させることである。
標識層を選択することには、硼素の青色燐光がアニーリングのような後処理に対して安定であり、それらの標識が、CVDダイヤモンド層、目的物、又は合成宝石原石をそのような手段により処理した場合でも残存しているであろうと言う点で更に利点が存在する。それに対し、オレンジルミネッセンスは、アニーリングにより、特に非常に高い温度でのアニーリングにより変化する。従って、これらの線は、販売時点後にその目的物が後処理されたことを示すであろう。特に、オレンジルミネッセンスのアニーリングは、そのオレンジルミネッセンスを特性緑色ルミネッセンス又は燐光へ転化することがある(この光が、励起光源を除いた後に発光し続ける程度は、含まれる欠陥の相対的濃度により数桁の大きさに亙って変動する)。このようにして、青色燐光を示す層の安定性により、前のオレンジルミネッセンス帯域の位置を決定することができ、その時にそれらの帯域中に存在する色の変化、増大、又は減少から処理条件を決定することができる。
実施例の項で記載するように、適当な照明条件下で、標識付けされたCVD合成石から明確なオレンジ/青色フラッシュが観察される。アニールした標識付けCVD合成石(特に非常に高い温度でアニールしたもの)では、オレンジ/青色フラッシュは緑色/青色フラッシュに置き代わっていることがある。この効果は、適切に熟練した個人により、どのような形のブリリアント、例えば、丸型又は角型にカットされた標識付けCVD合成石から認めることができるであろう。
前に記載し、実施例により更に記載するように、適当に標識付けされたCVD合成石から適当な照明条件下で明確なオレンジ/青色「フィッシュアイ」リング又はスポットが観察される。硼素をドープしたCVDダイヤモンドの青色燐光は、アニーリングのような後処理に対して安定であるので、青色「フィッシュアイ」リング(スクエアーカット石での額縁)又はスポットは未変化のままであり、ラウンドカット及びスクエアーカットの両方の石でアニーリングした後でも、依然として標識付けCVD合成石を判定する効果的な手段になっている。
本発明の特に変更したものは、単独で、又は他の標識付け中心及び構造と組合せ、オレンジルミネッセンス材料をアニーリングした後に得られる緑色ルミネッセンスを意図的に使用することである。
一つの型(例えば、青色燐光)の標識層を用いて予測される多重線の最も簡単な模様が図14に示されている。ダイヤモンド材料50は、スペーサー層56により分離された一対の標識層52、54を含む。
ここで、tmは、夫々の標識層52、54の厚さであり、tsは、スペーサー層56の厚さである。
第二の型(例えば、オレンジルミネッセンス)の層を追加することにより、図15に示したような構造体を与える。この態様では、合成ダイヤモンド材料60は、第二標識層66により分離された一対の第一標識層62、64を有する。或る状況下では一層適切になることがある一層簡単な構造は、二つの型の標識層の各々を互いに隣接して配置した一つの層であり、更に変化させたものは、これら二つの層を、ドープしてない又は標識付けされていない材料のスペーサー層により、離して配置した場合である。
特に好ましい態様として、一層多くの層を用い、明らかに厚さを変化させることにより恐らく構造体は一層複雑になるものと予想される。図16に示した合成ダイヤモンド材料70では、層72、74、76、78、80、及び82の厚さが変化している。例えば、それらは50μm(74、80)、25μm(76、78)、及び12μm(72、82)にし、合計175μmの標識厚さを与えてもよく、それらは、ドーパントレベルが適当に調節されている限り、正しい視野照明で明確に見ることができるであろう。
与えられた厚さの標識層は、10%以上の精度まで成長させることができ、典型的な値は3%〜5%の範囲にあることが実証されている。一層厚い層、又は日常的な製造方法では、2%以上の精度を達成することが可能であろう。しかし、それらの層を禁止帯幅より大きい照明で見た場合、標識層は、それらの層と交わるどのような表面上でも見ることができるであろうが、その表面は標識層に対し垂直(即ち、直角)ではなく、合成宝石原石を含めた多くの商業的ダイヤモンド目的物では、しばしばそうなるであろう。例えば、それらの層の絶対的大きさは、CVDダイヤモンド目的物の一つのファセットから他のファセットへ一定していないのが典型的であり、或は同様な目的物の間で必ずしも一定しておらず(これは、標識層と、ダイヤモンドからの目的物カットの配向との両方が結晶学的に配向されているならば、当て嵌まることがあるであろうが)、それらを見るファセットの角度により約±50%まで容易に変動するであろう。しかし、どの一つのファセットについても一定になることは、層の厚さの相対的比及び色の連続性であり、それらは元の標識又は識別紋様の適切な判定を可能にするであろう。勿論、CVDダイヤモンド目的物の幾何学性及び層(単数又は複数)及び交差するファセットの特定の配向から、それらの層の正確な厚さを計算することは可能であるが、これは好ましい態様では回避されるレベルの複雑性である。これらの厚さを共焦深度図作成(confocal depth profiling)のような技術を用いて直接測定することもできるが、これも希望されるよりも複雑な装置を一般に必要とする。
従って、測定可能な唯一の特徴として層の厚さの相対的比率を取ると、単一の標識層では、基準点が無いので、情報を与えられない。しかし、二つの標識層及び一つのスペーサー層に由来する標識は、例えば、基準指標としてスペーサー層を取り、それに対して標識層の各々の厚さを比較することにより、二つの独特のパラメーターを与える。三つの標識層と二つのスペーサー層に由来する標識は、四つの独特のパラメーター(鏡像対称は無いものとする)を与える、等々である。従って、実際には、元になる区別可能な標識を与えるが、幾つかの意図的な変更を可能にする適度な層の数は、四つの独特な厚さ比パラメーターを与える、三つの標識層になるであろうと考えられる。二つの区別される型の標識層を交互に用いた場合、独特なパラメーターの数は、同様なやり方で考えることができる。
例として、有利な光学的中心及び層状構造体の特別な細部についての詳細を与える本発明が上に記載されている。しかし、当業者は、これは本発明の一般性を限定するものではないことが分かるであろう。本発明は、その最も一般的な形態として、通常の見る条件下でのその可視性に影響を与えることなく、ダイヤモンド層の合成性状を検出する手段を与える。好ましい形態は、合成指標を与える575nmPL中心のような光学的中心を使用することである。しかし、材料の他の特徴又は性質を用いることも可能である。更に好ましい形態は、材料の意図的な合成性状を強調するために層状構造を用いることである。特に好ましい形態は、光学的中心の使用と層状構造体との組合せであり、アクセス又は他の考察が困難を増す場合でも、材料の合成性状の明確な証拠を与えることである。
次に本発明を、次の実施例を参照して記述するが、本発明は、それら実施例に限定されるものではない。
例1
単結晶CVDダイヤモンドを合成するのに適した基体を、WO 01/96634に記載された方法に従い、{100}を主要面として製造した。
これらの基体を、高温ダイヤモンドろう付けを用いてタングステン基体上にろう付けした。これをマイクロ波プラズマCVD反応器中へ入れ、WO 01/96634に記載した一般的形態でエッチング及び成長工程を開始し、その時、合成は次のように進行した:
成長の第一段階は、200×10PaでCH/Ar/Hを200/250/4500sccm(標準cm/秒)で含み、基体温度は850℃で、ドーパントは添加しなかった。
成長の第二段階は、上記第一段階と同じであるが、水素(0.003ppm)で希釈した20ppmのBを0.8sccmで添加し、水素(0.5ppm)で希釈した100ppmのNを25sccmで添加した。
成長の第三段階は上の第一段階と同じであるが、水素(0.2ppm)で希釈した100ppmNを10sccmで添加した。
第四段階は、第一段階の繰り返しであった。
成長期間が完了した時、基体を反応器から取り出し、その基体からCVDダイヤモンド層を取り外した。次にこの層を研磨し、{100}成長セクター材料の6.7×6.6×2.3mmのダイヤモンドブロックを形成し、その光学的性質及び層の構造を分析した。
ダイヤモンドビューで禁止帯幅を超える輻射線を用い、そのブロックの側面を見ることにより層の構造を決定した:層1:厚さ450μm、層2:厚さ250μm、層3:厚さ285μm、層4:1.31mm。層2は、強い燐光を示し、層3は強い575nmルミネッセンスを示していた。この層構造は、本発明の合成ダイヤモンドに独特のものである。
宝石職人の標準UV帯域ランプの下で、石からのルミネッセンス及び燐光を暗い部屋の中で認めることができたが、照射中、青色燐光はオレンジルミネッセンスよりも優勢である傾向を持っていた。
装置例4で詳細に記述し、図10に例示したダイヤモンドの燐光及びルミネッセンス性を評価するために、大量生産に適した低コストビューアーを作った。そのビューアーは、5WのOEMパルス化キセノン装置(ハママツ・ホトニクス、L9456型)及び455nmで発光するルクセオン・ルマイルド・スター/CLEDを具えていた。
同じ合成実験で製造した同様なCVDダイヤモンドブロックから、0.2カラットの丸型ブリリアントカット合成石を作成し、H色であるとして格付けした。硼素燐光層の下の第一層を、処理中に除去した。ダイヤモンドビュー及び標識ビューアーでテーブルを通して見ると、この石で観察された575nmルミネッセンス及び青色燐光の情景は前に記述してあり(図11及び図12)、オレンジルミネッセンスで取り巻かれたテーブルの中心部に明確な青色「フィッシュアイ」スポットを見ることができ、青色燐光とオレンジルミネッセンスの明確な模様をクラウンファセットに見ることができた。
例2
例1に記載した成長手順を繰り返し、5×5×3mm厚の層を生成させた。
このブロックから垂直板を切り出し、ダイヤモンド外科用メス刃を製造した。これらの刃では、標識付け層の存在は、通常の照明下では認めることができなかったが、その性状な機能には影響を与えなかった。
ダイヤモンドビューを用いた検査で、標識付け層の存在及び構造を明確に知覚することができ、それらの刃が製造された材料の出所を判定することができた。
装置例4及び実施例1に記載し、図10に例示した低コストビューアーで検査すると、材料の独特の合成性状を明確にするオレンジルミネッセンス及び青色燐光を明確に示していた。
例3
例1に記載した成長手続きを繰り返し、3.7mm厚の層を生成させ、この層を研磨して丸型ブリリアントカットにした。
ダイヤモンドビューを用いて検査すると、標識付け層の存在及び構造を明確に認めることができ、ガードルの直ぐ下のファセットを横断してカットし、石が形成された材料の出所を判定することができた。
例1、装置例4に記載し、図10に例示した低コスト標識ビューアーで検査すると、オレンジルミネッセンス及び青色燐光を明らかに示し、材料の独特の合成性状を明確にしていた。
例4
例1と同様な成長条件を用いるが、異なった層の時間を変化し、丸型ブリリアント及びスクエアーカット石の形態で一連の実物製品としての石を作成した。それら実物製品の石の像を図17〜19に示す。夫々の図の左手の像は、455nmLED励起による石の像であり、575nm/オレンジPLを示している。各図の右手の像は、フィルター付きキセノンフラッシュランプからの232nmの深層UV励起による石の像であり、青色PL/燐光を示している。図17及び18は、丸型ブリリアント実物製品の石を示し、図19は角型カット実物製品の石を示す。
図1は、400〜800nmの範囲の可視波長に亙る励起ビーム強度を示すグラフである。 図2は、二つのスペクトルを示す200〜800nmの範囲に亙る励起強度のグラフである。 図3は、200nm〜800nmの範囲に亙る励起スペクトルを示すグラフである。 図4は、200nm〜500nmの範囲に亙る三つのスペクトルを示すグラフである。 図5は、宝石原石のような標識付けされた合成カットの575nmオレンジ蛍光及び青色(青・緑色)燐光を観察するための適当なビューアーの模式図である。 図6は、図5に示したビューアーの模式的側面図である。 図7は、フィルターを通過した後の三つのスペクトルを示す、300nm〜800nmの範囲に亙るグラフである。 図8は、フィルターを通過した後の三つのスペクトルを示す、300nm〜800nmの範囲に亙るグラフである。 図9において、図9aは、丸型ブリリアントのキューレット近くの層により与えられる像の模式図であり、図9bは、丸型ブリリアントのガードル近くの層によって与えられる像の模式図である。 図10は、観察者が、標識付けCVD合成石中のオレンジ又は青色ルミネッセンス層からのオレンジ/青色フラッシュ及び光学的効果を見ることができるようにするための好ましい装置を示す模式図である。 図11は、ダイヤモンドビュー機器により記録された0.2カラット丸型ブリリアントCVD合成石のPL像を示す像である。 図12において、左側の図は、図11に像を示した丸型ブリリアントの予想されるPL像の光線トレース法に基づくコンピューター作成像の図であり、右側の図はその丸型ブリリアントの側面図である。 図13において、左側の図は、丸型ブリリアントで予想されるPL像の光線トレース法に基づくコンピューター作成像の図であり、右側の図は、その丸型ブリリアントの側面図である。 図14は、CVDダイヤモンド層で製造することができる簡単な層構造の模式図である。 図15は、CVDダイヤモンド層で製造することができる簡単な層構造の模式図である。 図16は、CVDダイヤモンド層で製造することができる一層複雑な層構造の模式図である。 図17において、左側の図は、575nmPLの像を示し、右側の図は、青色燐光の像を示す図である。 図18において、左側の図は、575nmPLの像を示し、右側の図は、青色燐光の像を示す像である。 図19において、左側の図は、575nmPLの像を示し、右側の図は青色燐光の像を示す図である。

Claims (74)

  1. ダイヤモンド基体を与える工程、原料ガスを与える工程、前記原料ガスを解離することによりホモエピタキシャルダイヤモンド成長を行わせる工程、及び制御された仕方で、一種類以上の化学的ドーパントを合成過程中に導入し、合成ダイヤモンド材料中に出所標識又は識別紋様を生じさせる工程を含み、然も、前記ドーパントが、前記出所標識又は識別紋様が通常の見る条件下では容易には検出できないか、又は前記ダイヤモンド材料の知覚される品質に影響を与えないように選択されているが、前記出所標識又は識別紋様が、特定化した見る条件下では検出できるか、又は検出可能にされる、CVD単結晶ダイヤモンド材料中に出所標識又は識別紋様を入れる方法。
  2. 出所標識又は識別紋様が、ダイヤモンド材料を特定の波長の光又は輻射線に露出した時に検出できるか、又は検出可能にされる、請求項1に記載の方法。
  3. 出所標識又は識別紋様が、合成中のダイヤモンド材料中に成長させた一つ以上の層又は領域の形で与えられている、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 合成過程中に導入された一種類以上の化学的ドーパントを、ガス状の形態で添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 化学的ドーパント又はそれらドーパントの一種類が、ダイヤモンド中に導入され、575nm及び/又は637nmのルミネッセンスピークを示す出所標識又は識別紋様を、それより短い適当な波長の励起によりそれらに付随する振動系を伴って生ずる窒素源を与える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 出所標識又は識別紋様が、533nmのホトルミネッセンス線を示す、請求項5に記載の方法。
  7. ドーパント(一種又は多種)が、硼素源及び窒素源を与え、それら元素がダイヤモンドの一つ以上の特定の領域中に導入され、一般に400nm〜500nmの範囲内にピークを有する特性燐光を、それより短い適当な波長による励起で発生する出所標識又は識別紋様を生ずる、請求項1〜4の範囲の1項に記載の方法。
  8. 硼素を、0.1ppmより低い濃度で合成ダイヤモンド材料中に導入する、請求項7に記載の方法。
  9. 硼素を、0.0001ppmより大きい濃度で合成ダイヤモンド材料中に導入する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 合成ダイヤモンド材料中に導入された硼素及び窒素の濃度が、互いに10倍以内に入る、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 硼素が、合成ダイヤモンド材料中に、窒素より高い濃度で存在する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 適当な光学的波長による励起で575/637nmのルミネッセンス及び400nm〜500nmの燐光を発生する層又は領域の組合せを、合成中のダイヤモンド材料中に成長させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 光学的励起で737nm輻射線を発する中心を有する層又は領域を、合成中のダイヤモンド材料中に成長させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 一種類以上のドーパントが、珪素源を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 珪素を、10ppmより低い濃度で合成ダイヤモンド材料中へ導入する、請求項14に記載の方法。
  16. 珪素を、0.0001ppmより大きな濃度で合成ダイヤモンド材料中へ導入する、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 出所標識又は識別紋様の検出が、人間の目によって、フィルター及びレンズを含む適当な他の光学的部材と組合せて行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  18. 輻射線の検出が、その輻射線の強度の測定を与えるか、又はその値が閾値より高いか又は低いことを示す指示を与える機器により行う、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 検出される輻射線が737nm輻射線である、請求項18に記載の方法。
  20. 出所標識又は識別紋様の検出が、光学的映像記録又は電子映像記録により、フィルター及びレンズを含む他の適当な光学的部材と組合せて行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  21. ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない光学的性質を有する欠陥中心により形成される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない形態になっている欠陥中心、それら欠陥中心の測定可能又は観察可能な分布により形成される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  23. ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない形態になっている、光学的性質、それら光学的性質の組合せを有する欠陥中心、光学的中心の測定可能又は観察可能な分布により形成されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  24. 識別紋様又は出所標識が、ダイヤモンドの修正を判定することができる手段を与える、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 識別紋様又は出所標識が、アニーリングによるダイヤモンドの修正を判定することができる手段を与える、請求項24に記載の方法。
  26. 識別紋様又は出所標識を、材料の合成性状を判定するために用いる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 識別紋様又は出所標識を、製造業者を判定するために用いるか、又は製造業者の方法判定標識として用いる、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 識別紋様又は出所標識を、商標名として、又は商標名の仕方で用いる、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 基体が、成長が行われる表面を有するダイヤモンド基体である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 本体内に出所標識又は識別紋様を有するCVD単結晶ダイヤモンドにおいて、前記出所標識又は識別紋様が、通常の見る条件下では容易には検出されないか、又は前記ダイヤモンド材料の知覚される品質に影響を与えないが、前記出所標識又は識別紋様を、特定の見る条件下では検出できるか、又は検出可能にされる、CVD単結晶ダイヤモンド材料。
  31. 宝石原石として調製されるか、又は調製に適している、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  32. 宝石原石として調製され、ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない性質を有する欠陥中心により形成されている、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  33. 宝石原石として調製され、ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない形態になっている欠陥中心、それら欠陥中心の測定可能又は観察可能な分布により形成されている、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  34. 宝石原石として調製され、ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、天然ダイヤモンドでは観察されない形態になっている、光学的性質、それら光学的性質の組合せを有する欠陥中心、前記欠陥中心の測定可能又は観察可能な分布により形成されている、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  35. 宝石原石として調製され、ダイヤモンド材料中の出所標識又は識別紋様が、前記宝石原石のテーブルを通る特徴として観察することができる欠陥中心、前記欠陥中心の分布により形成されている、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  36. 宝石原石のテーブルで観察される特徴が、緻密(solid)幾何学的形態又は非緻密(unfilled)幾何学的形態であり、その幾何学的形態の正確な幾何学性が、宝石原石のテーブルを90°で通る軸の周りの宝石原石の対称性を反映している、請求項35に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  37. 宝石原石が全体的に丸い形態をしており、石のテーブルで観察できる特徴がスポット又はリングである、請求項35又は36に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  38. 宝石原石が丸型ブリリアントの形をしている、請求項37に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  39. 宝石原石が長方形の形をしており、石のテーブルで観察される特徴が緻密角型又は角型輪郭である、請求項35又は36に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  40. 宝石原石のテーブルで観察される特徴が、宝石原石のテーブルとほぼ平行な面に横たわる宝石原石のガードルより下の一つ以上の層により形成されている、請求項35に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  41. 単結晶ダイヤモンド材料が、工業的用途のために製造されており、その場合、その材料が、使用者に見える部材であるか、又は再使用できるか、又は周期的再処理を必要とするものである、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  42. 単結晶ダイヤモンド材料が、切削刃又はその部品である、請求項41に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  43. 単結晶ダイヤモンド材料が、ダイヤモンド外科用メス刃である、請求項42に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  44. 出所標識又は識別紋様が、一つ以上の標識形成層を含む一つのグループ又は模様の形をしており、夫々の層が10μm〜1000μmの範囲内の厚さを有する、請求項30〜43のいずれか1項に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  45. 各層が20μm〜600μmの範囲内の厚さを有する、請求項44に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  46. 各層が50μm〜400μmの範囲内の厚さを有する、請求項45に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  47. 各層が100μm〜250μmの範囲内の厚さを有する、請求項46に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  48. 出所標識又は識別紋様が、夫々一つ以上の標識形成層を含む複数の又は反復模様の形をしており、夫々の層が2μm〜100μmの範囲内の厚さを有する、請求項30〜43のいずれか1項に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  49. 各層が5μm〜50μmの範囲内の厚さを有する、請求項48に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  50. 適当な照明条件下で、575nm/637nmN関連欠陥中心から生ずるオレンジルミネッセンスを示し、同じか又は他の適当な照明条件下で、又はその後で、供与体・受容体対再結合に伴われる青色燐光を示す、請求項30〜49のいずれか1項に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  51. 適当な照明条件下で、二つ以上の区別される層を示し、その場合、前記層の厚さの比が、予め定められた方式に従っている、請求項30〜50のいずれか1項に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  52. 識別紋様又は出所標識が、区別される性質を有する欠陥により標識がつけられている大きな体積の材料中に埋め込まれた、区別される性質をもつ欠陥を含まない一つ以上の層を含む、請求項30に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  53. 識別紋様又は出所標識が、商標名として、又は商標名の仕方で用いられている、請求項30〜52のいずれか1項に記載のCVD単結晶ダイヤモンド材料。
  54. 出所標識又は識別紋様を有するCVD単結晶ダイヤモンド材料中の前記出所標識又は識別紋様を検出するための装置において、
    前記出所標識又は識別紋様を有するCVD単結晶ダイヤモンド材料を受けるか又は保持するために配置した物体;
    前記CVD単結晶ダイヤモンド材料に光又は輻射線を当てるために配置した光源又は輻射線源で、前記光又は輻射線が、前記出所標識又は識別紋様の励起を起こし、そのルミネッセンス及び/又は燐光をもたらすのに適した波長を有する、前記出所標識又は識別紋様を照射するための光源又は輻射線源;及び
    前記照射された出所標識又は識別紋様を検出するための検出手段;
    を含む、上記装置。
  55. 検出手段が、ルミネッセンス及び/又は燐光を見るためのビューアー、又は特定のルミネッセンス及び/又は燐光の強度の測定値を与える機器を含む、請求項54に記載の装置。
  56. 特定のルミネッセンス及び/又は燐光の強度の測定が、アナログ又はデジタル信号、又は表示器読み取りの形になっている、請求項55に記載の装置。
  57. 出所標識又は識別紋様により発した波長を見るためのある範囲の光学的フイルター、及び前記標識により発した波長を観察するのに有害になることがある存在するバックグラウンド白色光又は波長を排除するための手段を含む、請求項54〜56のいずれか1項に記載の装置。
  58. 更に、CVD単結晶ダイヤモンド材料中の照射された出所標識又は識別紋様を拡大するための拡大手段を含む、請求項54〜57のいずれか1項に記載の装置。
  59. 優先的に575nm及び/又は637nmルミネッセンスを励起するために構成された、請求項54に記載の装置。
  60. 400〜500nmの範囲内にピークを有する青色帯域燐光を優先的に励起するように構成された、請求項54に記載の装置。
  61. 優先的に575nm及び/又は637nmルミネッセンスを励起し、然る後、400〜500nmの範囲内にピークを有する青色帯域燐光を優先的に励起するように構成された、請求項54に記載の装置。
  62. 優先的に737nmルミネッセンスピークを励起するように構成された、請求項54に記載の装置。
  63. 更に、575及び/又は637nmルミネッセンスの検出を向上させるため、一つ以上の光学的フイルターを含む、請求項59に記載の装置。
  64. 450nmに近い波長の透過を遮蔽し、それにより575/637nmルミネッセンスの検出を向上させるか、又はそれらを見やすくするように構成した光学的フイルターを含む、請求項63に記載の装置。
  65. 更に、400〜500nmの範囲内にピークを有する青色帯域燐光の検出を向上させるため、一つ以上の光学的フイルターを含む、請求項60に記載の装置。
  66. 光源又は輻射線源が、300〜550nmの範囲内の照明を与えるように選択されている、請求項59、61、63、又は64のいずれか1項に記載の装置。
  67. 光源又は輻射線源が、高電力発光ダイオードである、請求項66に記載の装置。
  68. 光源又は輻射線源が、225〜275nmの範囲内の照明を与えるように選択されている、請求項60、61、又は65のいずれか1項に記載の装置。
  69. 光源又は輻射線源が、パルス化キセノン光源である、請求項68に記載の装置。
  70. 光源が、更に、225〜275nmの範囲外の波長を排除するためのフイルターを含む、請求項68、又は69に記載の装置。
  71. 観察者又は検出者を、225〜275nmの範囲内のUVを吸収する、ガラス又はペルスペクス窓のような窓を使用することにより、光源又は輻射線源からのUV輻射線から保護する、請求項68〜70のいずれか1項に記載の装置。
  72. 光源又は輻射線源が、480〜700nmの範囲内の照明を与えるように選択されている、請求項62に記載の装置。
  73. 光源又は輻射線源が、633HeNeレーザーである、請求項72に記載の装置。
  74. 出所標識又は識別紋様で、通常の見る条件下では見ることができない出所標識又は識別紋様を有するCVD単結晶ダイヤモンド材料中の前記出所標識又は識別紋様を見るか又は検出するための方法において、
    a)前記CVD単結晶ダイヤモンド材料に、光源又は輻射線源で、前記出所標識又は識別紋様の励起を起こさせ、そのルミネッセンス及び/又は燐光をもたらすのに適した波長の光源又は輻射線源を向けて、前記出所標識又は識別紋様を照射する工程;及び
    b)前記照射した出所標識又は識別紋様を見るか又は検出する工程;
    含む、上記方法。
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