JP2007520227A - 誤対合識別の増加を有する変異dnaポリメラーゼ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ミスマッチ識別の増大を有する特別の突然変異を持つDNAポリメラーゼ、その調製および使用に関する。この突然変異を持つ耐熱性DNAポリメラーゼは、診断法および分子生物学的方法、たとえば、対立遺伝子特異的PCRに特に適している。

Description

本発明は、ミスマッチ識別の増大を有する特別の突然変異を持つDNAポリメラーゼ、その調製および使用に関する。この突然変異を持つ耐熱性DNAポリメラーゼは、診断法および分子生物学的方法、たとえば、対立遺伝子特異的PCRに特に適している。
最初のヒトゲノム配列が公開されて以来、研究は一塩基突然変異(「一塩基多型」、SNP)のような個人間の遺伝的差異の発見に焦点を当てている。これは、ゲノム中の一塩基変異は、異なる薬剤耐性または幅広い疾患への素因を伴うことがますます明らかになっているため興味が持たれる。将来的には、医学的に有意義なヌクレオチド変異の知識が、治療を個別の遺伝子供給に適合させることを可能にし、および無効なまたは副作用を生じさえする薬剤を用いる治療を防ぐことができる(シー(Shi),Expert Rev.Mol.Diagn.1,363−365(2001))。ヌクレオチド変異の時間効率および費用効率の良い同定を可能にする開発が、薬理遺伝学におけるさらなる進歩に繋がることは明らかである。
SNPはヒトゲノム中の遺伝子変異の大部分を占め、および個人差の90%以上の原因である(クウォク(Kwok),Annu.Rev.Genomics Hum.Genet 2,235−258(2001);クウォクおよびチェン(Chen),Curr.Issues Mol.Biol.5,43−60(2003);トウィマン(Twyman)およびプリムローズ(Primrose),Pharmacogenomics 4,67−79(2003))。そのような遺伝子変異および他の核酸変異体、たとえば突然変異を検出するためには、さまざまな方法を用いることができる。たとえば、標的核酸の変異体の同定は、分析すべき核酸試料をその配列変異体に特異的なハイブリダイゼーションプローブと適当なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることによって実施できる(グオ(Guo)他,Nat.Biotechnol.15,331−335(1997))。
しかし、そのようなハイブリダイゼーション方法は、特に、そのような検定法の必要感度について臨床上の必要条件を満たさないことが見出されている。したがって、特にPCRはまた、分子生物学試験法および診断試験法において、変異体の存在に関して試験すべき標的核酸がハイブリダイゼーションの前にポリメラーゼ連鎖反応によって増幅される、突然変異、一塩基多形(SNP)および他の対立遺伝子配列変異体の検出のために幅広い用途を見出している(サイキ(Saiki)他,Science 239,487−490(1988))。そのような検定法のためのハイブリダイゼーションプローブとしては、一本鎖オリゴヌクレオチドが通常用いられる。そのような検定法の実施形態の改変は、蛍光ハイブリダイゼーションプローブを用いるものを含む(リヴァク(Livak),Genet.Anal.14,143−149(1999))。一般的に、SNPおよび他の配列変異の決定のための方法は自動化が図られる(グート(Gut),Hum.Mutat.17,475−492(2001))。
先行技術で既に公知である、配列変異体特異的ハイブリダイゼーションの代替法が、いわゆる対立遺伝子特異的増幅によって提供される(ニュートン(Newton)他,Nucleic.Acids Res.17,2503−2516(1989);ジャーマー(Germer)他,genome res.10,258−266(2000);ギブズ(Gibbs)他,Nucleic.Acids Res.17,2437−2448(1989);ウー(Wu)他,PNAS 86,2757−2769(1989);イシカワ(Ishikawa)他,Hum.Immunol.42,315−318(1995))。この検出方法では、増幅中に既に、検出すべき標的核酸の特定の一変異体だけに残基が相補的であるだけのいわゆる識別末端ヌクレオチド残基をプライマーの3'末端に有する、変異体特異的増幅プライマーが用いられる。この方法では、ヌクレオチド変異はPCR増幅後のDNA産物の存在または不存在によって判定される。対立遺伝子特異的増幅の原理は、対立遺伝子特異的プライマープローブの末端での標準的または非標準的プライマー−テンプレート複合体の形成に基づく。正しく対合した3'プライマー末端では、DNAポリメラーゼによる増幅が起こりうる一方、ミスマッチしたプライマー末端では、伸長は阻害される。
たとえば、米国特許第5,595,890号明細書は、対立遺伝子特異的増幅のためのそのような方法、および、たとえばk−rasがん遺伝子中の、臨床的に意義のある点突然変異の検出へのその適用を記載する。米国特許第5,521,301号明細書もまた、ABO血液型系の遺伝子型決定のための、対立遺伝子特異的増幅のための方法を記載する。対照的に、米国特許第5,639,611号明細書は、鎌状赤血球性貧血の原因である点突然変異の検出に関する対立遺伝子特異的増幅の使用を開示する。
しかし、対立遺伝子特異的増幅は、低い選択性によって特徴づけられ、そのことがさらに複雑なおよびしたがって時間集約的および費用集約的な最適化段階を必要にする点で問題である。
配列変異体、多形および主に点突然変異を検出するためのそのような方法は、特に検出すべき配列変異体が、同一の核酸区域の(または同一の遺伝子の)主な変異体と比較して不十分である場合に、対立遺伝子特異的増幅を必要とする。
たとえば、播種性の腫瘍細胞が血液、血清または血漿といった体液中で、対立遺伝子特異的増幅によって検出される場合にそのような状況が起こる(米国特許第5,496,699号明細書)。この目的のためには、DNAはまず血液、血清または血漿といった体液から単離され、そのDNAは播種性の腫瘍細胞に由来する不十分量のDNAおよび非増殖細胞に由来する過剰量のDNAから成る。したがって、腫瘍DNAについて重要なk−ras遺伝子中の突然変異を、過剰量の野生型DNAの存在下で数コピーの腫瘍DNAから検出しなければならない。
先行技術で記載された、対立遺伝子特異的増幅のためのすべての方法には、標的核酸が検出すべき配列変異体に正確に対応しない、すなわち、少なくとも識別すべきヌクレオチド残基と相補的なヌクレオチドによってそこから識別されても、3'−識別ヌクレオチド残基の使用にもかかわらず、プライマー伸長が適当なDNAポリメラーゼの存在下で起こる程度が低いという欠点がある。これは特に特定の配列変異体を、別の配列変異体を含む過剰のバックグラウンド核酸中で検出すべき場合に偽陽性結果を生じる。上述の通り、これはたとえば、播種性の腫瘍細胞の指標としての特定のk−ras対立遺伝子の検出において当てはまる。公知の方法のもう一つの不利益は、3'末端で識別するオリゴヌクレオチド残基をいずれにしろ使用しなければならないという事実である。これらのPCRを基礎とする方法の不利益の主な理由は、これらの方法で用いられるポリメラーゼが、塩基ミスマッチを十分に識別できないことである。したがって、PCRによって突然変異の存在または不存在についての明瞭な情報を直接得ることはまだ不可能である。現在まで、さらなる時間集約的および費用集約的精製法および分析法が、そのような突然変異の明瞭な診断のため常に必要とされている。したがって、対立遺伝子特異的PCR増幅の選択性の増大を可能にする新規の方法は、PCRによる直接SNP分析の信頼性および頑健性に重大な影響をもたらす。
一方、DNAポリメラーゼIのタンパク質配列においてはいくつかの改変が既に記載されている。このように、米国特許第6,329,178号明細書は、Aモチーフ(高度に保存された配列DYSQIELR)中に突然変異が存在した、触媒活性の変化したDNAポリメラーゼ変異体を記載する。加えて、ミニック(Minnick),T.他,J.Biol.Chem.274,3067−3075(1999)は、アラニン置換が行われているさまざまな大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(クレノー断片)変異体を記載する。記載された変異体の一部は、野生型と比較してより高いポリメラーゼ精度を示す。記載された変異体のうちの一つがH881Aである;記載されたその他の変異体に関してはこれらの変異体の具体的な性質は示されていない。
したがって、それによって配列変異体特異的検出方法を可能にする、高い特異性を持つ配列変異体を提供することが本発明の目的であった。
驚くべきことに、AファミリーDNAポリメラーゼの特別の変異体、すなわち保存されたCモチーフおよび特にそのQHVアミノ酸配列が改変されているものが、ミスマッチ識別の増大を示し、および配列変異体についての検出法に使用できることが見出されている。その耐熱性変異体は対立遺伝子特異的PCRに適する。詳細には、本発明は下記に関する:
(1)改変されたモチーフC配列および対応する野生型ポリメラーゼと比較して増大したミスマッチ識別を有するAファミリーDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片;
(2)配列番号2で示される大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼクレノー断片に基づいて879〜881位のモチーフC配列QVH中で、少なくともアミノ酸残基Q879が親油性アミノ酸残基で置換されていることを特徴とする、実施形態(1)の好ましいDNAポリメラーゼ;
(3)実施形態(1)または(2)に記載の前記DNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片をコードするDNA配列;
(4)実施形態(3)に記載のDNA配列を含むベクター;
(5)実施形態(4)に記載のベクターを用いて形質転換されている、および/または実施形態(3)に記載のDNAを含む、宿主細胞;
(6)実施形態(5)に記載の宿主細胞を培養しおよびDNAポリメラーゼまたはクレノー断片を培養物または培養物上清から単離することを含む、実施形態(1)または(2)に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片の調製のための方法;
(7)実施形態(1)または(2)に記載のDNAポリメラーゼまたはクレノー断片の、対立遺伝子特異的PCR、PCRによるDNA増幅、クローニング、などを含む、診断法および分子生物学的方法における使用;
(8)実施形態(1)または(2)に記載のDNAポリメラーゼを用いた、個別試料中の一つ以上の標的核酸における少なくとも一つの配列変異体の存在または不存在を決定するための方法;および
(9)実施形態(1)または(2)に記載の少なくとも一つのDNAポリメラーゼを含む、実施形態(8)の方法に記載の個別試料中の一つ以上の標的核酸における少なくとも一つの配列変異体の存在または不存在を決定するためのキット。
Figure 2007520227
本発明は、ミスマッチ識別の高い能力を有する変異体AファミリーDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片に関する。ミスマッチ識別の高い能力は、相補的塩基の組み込み中およびまた既にプライマーのテンプレートとのアニーリング中のワトソン−クリック則に従った高い選択性、すなわち、対応する開始ポリメラーゼ(野生型)と比較して高い伸長選択比(Fマッチ/Fミスマッチ)(たとえば、実施例2に記載の蛍光試験系で測定される)を意味するが、天然酵素中の特定のアミノ酸配列を突然変異させることによって達成できる。それによって生じたDNAポリメラーゼの性質は、現在市販されている「最先端」野生型ポリメラーゼの性質よりも優れている。DNAポリメラーゼの活性の選択性の増大は、化学的に修飾されたプライマーを使用する必要が無いため、突然変異または多形の検出のためのより信頼性の高い系、下流の時間集約的および費用集約的な精製および分析法を伴わない対立遺伝子特異的PCRによる直接診断、および高い持続性を可能にする。
下記の定義は本出願全体に適用されるが、それらはしかし本発明を限定しないと解釈される。「AファミリーDNAポリメラーゼ」(「ポリメラーゼI」ともいう)とは、配列DYSQIELRを有するAモチーフを活性部位に含むDNAポリマー化酵素である。それらはまた、Cモチーフに突然変異を有する本明細書に記載の酵素を含む。特に、それらはまた耐熱性DNAポリメラーゼおよびその変異体を含む。
ここで用いられる「クレノー断片」の語は、ポリメラーゼ活性および3'→ 5'エキソヌクレアーゼ活性の両方を有する(しかし5'→ 3'エキソヌクレアーゼ活性は無い)AファミリーDNAポリメラーゼの任意のC末端断片を意味する。ここで用いられる「ベクター」は、目的のDNA(特に、本発明に記載のAファミリーDNAポリメラーゼの配列である)に加えて目的DNAの発現を調節する調節配列もまた含む、プラスミド、コスミド、ファージミドおよびウイルスを含む。
「宿主細胞」の語は、たとえば大腸菌(E.coli)(特に大腸菌XL1−blue、DH5α、Bl21(DE3)、M15[pREP4]、SG13005[pREP4]、BL21(DE3)pLysS)、ハロモナス・エロンガータ(Halomonas elongata)、カウロバクター(Caulobacter sp.)、ハロバクテリウム・ハロビウム(Halobacterium halobium)などといった原核細胞、および、たとえば酵母および他の真菌細胞、植物および細胞培養物中の単離ヒト細胞を含む動物細胞といった真核細胞の両方を含む。さらに、「宿主細胞」の語はまた、たとえば小麦胚芽抽出物およびウサギ網状赤血球抽出物(RRL)といった、mRNAを与えられた際にそれを翻訳できる細胞抽出物に関する。さらに、「宿主細胞」はまた、たとえばT7発現系、pBAD発現系、チオフュージョン(ThioFusion)(商標)発現系、trc発現系、PL発現系、ピュアプロ(PurePro)(商標)カウロバクター発現系、微生物培地および培地成分、キアゲン社(Qiagen)pQE発現系およびノバジェン社(Novagen)pET発現系、などといったin vitro発現系を含む。
本発明の実施形態(1)および(2)は、ミスマッチ識別の増大を有することによって天然に存在するDNAポリメラーゼと区別され、ミスマッチ識別の増大が結果として酵素活性の選択性の増大を生じる、AファミリーDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片に関する。本発明に記載のDNAポリメラーゼは、大腸菌(E.coli)、アクイフェックス (Aquifex)、ボレリア(Borrelia)、バチルス(Bacillus)、クラミジア(Chlamydia)、クラミドフィラ(Chlamydophila)、クロロフレクサス(Chloroflexus)、ヘモフィルス(Haemophilus)、ヘリコバクター(Heliobacter)、ラクトコッカス(Lactococcus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、ロドサーマス(Rhodothermus)、リケッチア(Rickettsia)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ストレプトミセス(Streptomyces)、シネコシスティス(Synechocystis)、トレポネーマ(Treponema)などに由来するポリメラーゼといった細菌DNAポリメラーゼだけでなく、特に、たとえばサーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、ロドサーマス・オバメンシス(Rhodothermus obamensis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)などといった耐熱性生物のポリメラーゼに由来する。特に、本発明の実施形態(1)に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片中で、少なくとも一つのアミノ酸残基、好ましくは、879〜881位(配列番号2に示す大腸菌DNAポリメラーゼクレノー断片に基づく)のモチーフC配列QVH中のQおよび/またはHが親油性アミノ酸残基で置換されている。
本発明の実施形態(2)では、少なくとも配列番号2に基づくアミノ酸残基Q879が、親油性アミノ酸残基で置換されている。実施形態(2)の好ましい一態様では、モチーフC配列QVH中のアミノ酸残基H881がさらに親油性アミノ酸残基で置換されている。
実施形態(1)および(2)のさらなる好ましい一態様では、880位(配列番号2に基づく)のアミノ酸残基はVal、Leu、Ile、AlaおよびTyrから、より好ましくはValおよびIleから選択される。
本発明の意味において「親油性アミノ酸残基」は、アミノ酸残基Gly、Ala、Val、Leu、Met、Phe、Trp、Ile、Proなどを含む。好ましい残基はGly、Ala、Val、LeuおよびIleである。本発明によると、モチーフC配列QVHは好ましくは配列LVL、LVG、QVL、PIL、QVV、LVA、LAA、LVV、LVI、IVI、III、VVV、QVV、QVAなどで置換されており、LVLおよびLVGでの置換が特に好ましい。
上述の交換に加えて、本発明に記載のポリメラーゼは、欠失、置換および/または付加(最大各20アミノ酸残基)といったより多くの突然変異を、野生型と比較してより高い伸長比(Fマッチ/Fミスマッチ)がそれによって悪い影響を受けない限り、含みうる。置換は特に、上記のQVH中の少なくとも一つの残基を親油性アミノ酸残基で置換することに加えて行われる、モチーフC配列中のさらなる(好ましくは保存的)交換を含む。したがって、本発明はまた、特に、Cモチーフ中のQVHの代わりにアミノ酸配列LVN、LYH、PLQ、LVQ、QDL、QEL、QUVなどを含むDNAポリメラーゼを含む。
加えて、Cモチーフ中のQVHの代わりに配列QVNを持つDNAポリメラーゼはまた、野生型と比較してより高い伸長比(Fマッチ/Fミスマッチ)を有することが見出されている。
さらに、本発明は、QVH配列が上述の通り交換されているTaqポリメラーゼを含む。特に好ましいのは、QVH配列がLVLまたはLVGで交換されているTaqポリメラーゼである(配列番号4に示すTaqポリメラーゼタンパク質配列に基づき、782〜784位が交換によって影響されている)。
本発明に記載のクレノー断片では、QVH中の少なくとも二つのアミノ酸残基が親油性アミノ酸残基で置換されているのが好ましい。上述のような二つの交換を有する配列のうち特に好ましいのは、クレノー断片についてもまた、LVLおよびLVGである。
文献(ミニック(Minnick),T.他,J.Biol.Chem.274,3067−3075 (1999))から知られる変異体QVAと比較して、本発明に記載のポリメラーゼ変異体は、プライマー伸長の選択性の増大を有する(実施例7、図5)。図5に示す通り、QVA変異体は、本発明に記載のLVL変異体と比較して、ミスマッチを伸長する本質的により高い傾向を有する。
このように、本発明に記載のDNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、野生型DNAポリメラーゼと比較して一つ以上の位置で変化させられており、およびこれはまた核酸レベルで反映されている。本発明はまた、本発明に記載のDNAポリメラーゼのうちの一つまたはそのクレノー断片をコードするDNA配列に関する(本発明の実施形態(3))。本発明はまた、DNAポリメラーゼ(1)または(2)をコードするDNA配列を含むベクター、およびDNAポリメラーゼ(1)または(2)をコードするDNA配列を含むベクターで形質転換された宿主細胞、および/またはDNAポリメラーゼ(1)または(2)をコードするDNAを含む宿主細胞に関する。本発明はまた、形質転換された宿主細胞を培養することおよびDNAポリメラーゼまたはクレノー断片を培養または培養上清から単離することを含む、DNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片を調製する方法に関する。
本発明の実施形態(1)または(2)に記載の耐熱性DNAポリメラーゼは、天然に存在するDNAポリメラーゼと比較して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により高い選択性を有し、および個別のミスマッチと標準的複合体とをより良好に識別する。このことは、診断法(対立遺伝子特異的PCR)および分子生物学的方法(PCRによるDNA増幅、クローニング)に用いられる際の変異体の性質の改善に繋がる。したがって、本発明はまた、本発明に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片を使用できる方法に関する。
本発明の実施形態(1)または(2)に記載のDNAポリメラーゼはまた、個別試料中の一つ以上の標的核酸における配列変異体の存在または不存在を判定するための方法に使用できる(実施形態(8))。そのような方法は好ましくは下記の段階のうち一つ以上を含む:
a)添加:
・デオキシヌクレオシド三リン酸;
・本発明に記載のDNAポリメラーゼのうちの一つ;
・プライマーが検出すべき標的核酸の各配列変異体について加えられ、そのプライマーは検出すべき配列変異体と相補的な配列を有し、および標的核酸中の検出すべき配列変異体は識別プライマーの少なくとも一つの3'末端、3'−隣接末端または3'−隣接−隣接末端ヌクレオチド残基と相補的である、少なくとも一つの識別ヌクレオチド残基を含む少なくとも一つの識別プライマー;
・識別プライマーの伸長によって形成されるプライマー伸長産物と相補的である、少なくとも一つの他のプライマー;
b)検出すべき配列変異体を有する標的核酸を試料が含む場合に限って識別プライマーの伸長産物が相当に得られることを特徴とする、プライマー伸長反応を実施;
c)プライマー伸長反応の産物をテンプレート核酸から分離;
d)たとえばポリメラーゼ連鎖反応によって、段階b)およびc)を繰り返して増幅産物を得る;
e)増幅産物の存在または不存在から、配列変異体の存在または不存在を決定。
これに関連して、本発明に記載の方法の説明に用いられる用語は下記の意味を有する:
「本発明に記載のDNAポリメラーゼ」とは、活性部位に配列DYSQIELRを有するAモチーフを含みおよびCモチーフ中に特定の突然変異を含む、上記で定義される通りのAファミリーDNAポリメラーゼである。特に、それらはまた、Cモチーフ中に突然変異を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む。これらの突然変異は、CモチーフのQVLアミノ酸残基の保存的置換、および/または上記で定義される非保存的置換である。
「耐熱性DNAポリメラーゼ」とは、42℃を上回る温度でさえ機能するポリメラーゼであり、および、特に、PCRを基礎とする増幅方法に使用できる。
特に、「伸長反応」の語は、少なくともポリメラーゼ、ヌクレオチド、一つ以上のテンプレートおよびプライマーを含む反応混合物を含む。反応条件は、プライマーがテンプレートとアニーリングでき、およびポリメラーゼがテンプレートと相補的なヌクレオチドを組み込むことによってプライマーの伸長を触媒するように選択される。形成される産物がプライマー伸長産物である。
「標的核酸」とは、配列をさらに本発明に記載の方法によって分析すべき生物試料に由来する核酸区域である。生物試料は通常ゲノムDNAから成る。しかし、本発明に記載の方法は、RNA配列変異体の分析にも同様に適する。試料が細胞材料から、または血液、血清、血漿、尿または唾液といった体液からのどちらから単離されたかは重要でない。
本発明に記載の「配列変異体」は、他の可能な標的核酸の配列から微小な差しか示さない、およびそれらの微小な差によって同定できる、特定の核酸配列を有する標的核酸を意味する。配列の差は、好ましくは1ないし3個の隣接するヌクレオチド残基に及ぶ。本発明は、単一のヌクレオチド残基に関する配列変異体(SNP)の同定に特に適している。これは塩基交換でありうるが、しかし代替的に、ヌクレオチド付加または欠失でもありうる。この方法で、異なる対立遺伝子を互いに識別できる。点突然変異または多形もまた、この方法で検出できる。このように、特に、「配列変異体」はまた、予測的または診断的問題に関して分析される点突然変異および多形を含む。
テンプレートに従ったデオキシヌクレオチド三リン酸のポリマー化では、デオキシヌクレオチド三リン酸のポリマー化は一本鎖テンプレート核酸とハイブリダイズしたいわゆるプライマーの3'末端から行われ、標的核酸と相補的な配列を形成する。5'(3'方向でのそのようなポリマー化反応は、好ましくはクレノー・ポリメラーゼといったいわゆるDNAポリメラーゼを用いて酵素的に実施される。特に好ましいのは、Taqポリメラーゼ(ロシュ・アプライド・サイエンス社(Roche Applied Science)カタログ番号1146165)といった耐熱性DNAポリメラーゼである。
本発明の意味内での「識別プライマー」は、分析すべき試料中に存在しうる別の配列変異体とは特定の差を有する特定の配列変異体と、正確に相補的であるプライマーである。これに関連して、「識別ヌクレオチド残基」とは、さまざまな既存の配列変異体中のさまざまなヌクレオチド残基によって相補鎖が形成されるヌクレオチド残基を意味する。
「3'末端ヌクレオチド残基」とは、遊離の3'−OH基を持つ、オリゴヌクレオチドプライマーの末端に位置するヌクレオチド残基である。「隣接末端ヌクレオチド残基」とは、オリゴヌクレオチドプライマーの、末端ヌクレオチド残基の5'−末端とリン酸基を介して結合しているヌクレオチド残基である。「隣接−隣接末端ヌクレオチド残基」とは、3'−末端が隣接末端ヌクレオチド残基の5'−末端とリン酸基を介して結合しているヌクレオチド残基をいう。
本発明に記載の方法の上記の説明から見られる通り、段階a)からe)は本質的に、特定の配列反応の存在または不存在に応じて、増幅産物を結果として生じるかまたは生じない増幅反応である。したがって、そのような方法は、先行技術から公知であるPCR反応用の手順に従って実施できる。
これに関連して、本発明はまた、本発明に記載の方法を実施するための物質を含むキットに関する。特に、そのようなキットは、本発明に記載のDNAポリメラーゼを含む。任意に、そのようなキットは、一つ以上の(識別)プライマー、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、より好ましくはピコグリーン(PicoGreen)(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))、Sybrグリーン(SybrGreen)(モレキュラー・プローブズ社)、エチジウムブロマイド、ゲルスター(Gelstar)(キャンブレックス社(Cambrex))およびビスタグリーン(Vista Green)(アマシャム社(Amersham))から成る群からの試薬が選択される、定量化試薬、特に介在型試薬、または副溝に結合する試薬、ポリメラーゼ遮断抗体、特にTaqブロック(TaqBlock)、およびテンプレートに従うデオキシヌクレオチド三リン酸ポリマー化のための物質といった追加の成分を含みうる。さまざまな実施形態において、キットの各成分は代替的に、1個の保存容器に一緒に、または2個以上の保存容器に別々に、入れることができる。
下記の実施例から見られる通り、先行技術から利用可能な方法に対する特異性の改善に関しての観測可能な効果は、定量的方法で明らかに実証でき(実施例7、図5を参照)、およびPCR増幅条件下で、配列変異体特異的プライマーの伸長産物は実際に、分析する試料が検出すべき配列変異体を有する標的核酸を含む場合に限って得られるという結果を有する。この特異的作用は、当業者に公知である手段によって各PCRパラメーターを改善および最適化することによって最適化でき、およびそれぞれ検出すべき配列変異体へ適合させることができる。
本発明の別の一実施形態は、リアルタイムPCRによる本発明に記載の方法の実施に関する。この方法では、増幅反応の最終産物はゲル電気泳動によって検出されず、しかし動力学的リアルタイム測定および定量化が可能となるように増幅反応の過程が適当な蛍光標識化ハイブリダイゼーションプローブによって追跡される。
本発明に記載の方法に用いられるハイブリダイゼーションプローブは通常は、増幅反応のアニーリング温度で標的核酸とハイブリダイズする、一本鎖核酸、たとえば一本鎖DNAまたはRNAまたはその誘導体、または代替的にPNAである。通常は、これらのオリゴヌクレオチドは20ないし100ヌクレオチドの長さを有する。
正確な検出形式に応じて、標識化はオリゴヌクレオチドの任意のリボースまたはリン酸基に導入できる。核酸分子の5'および3'末端での標識が好ましい。標識化の種類は、増幅反応のリアルタイムモードで検出可能でなければならない。これは、たとえば、蛍光標識を用いてだけでなく、NMRによって検出可能な標識を用いても代替的に可能である。
多数の異なる試験設定が可能である。下記の3つの検出形式は、本発明に関して特に適していることが証明されている:
1.FRETハイブリダイゼーションプローブ:この試験形式には、増幅される標的核酸の同一鎖の隣接する部位に相補的である二種類の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブが同時に用いられる。両方のプローブは異なる蛍光成分で標識化されている。適当な波長の光での第一の成分の励起に際して、第一の成分は蛍光共鳴エネルギー転移の原理に従って吸収されたエネルギーを第二の成分へ転移し、そのため、両方のハイブリダイゼーション試料が検出すべき標的分子の隣接位置へ結合する際に、第二の成分の蛍光放出が測定できる。
代替的に、蛍光標識化プライマーおよび一種類だけの標識化オリゴヌクレオチドプローブを用いることができる(バーナード(Bernard)他,Analytical Biochemistry 235,1001−107(1998))。
2.TaqManハイブリダイゼーションプローブ:一本鎖ハイブリダイゼーションプローブが二成分で標識化される。第一の成分が適当な波長の光で励起される際、吸収されたエネルギーは蛍光共鳴エネルギー転移の原理に従って第二の成分であるいわゆる消光剤へ転移される。PCR反応のアニーリング段階中に、ハイブリダイゼーションプローブは標的DNAへ結合し、および以降の伸長期中にTaqポリメラーゼの5'→ 3'エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。このようにして、励起された蛍光成分および消光剤は空間的に互いに分離され、そのため第一の成分の蛍光放出が測定できる。
3.分子ビーコン:これらのハイブリダイゼーションプローブもまた第一の成分および消光剤で標識化されており、標識は好ましくはプローブの両端に位置する。溶液中では、二つの成分はプローブの二次構造のために空間的に密に近接している。標的核酸へのハイブリダイゼーション後、両方の成分は互いに分離され、そのため、適当な波長の光での励起後、第一の成分の蛍光放出を測定できる(リザーディ(Lizardi)他、米国特許第5,118,801号明細書)。
別の実施形態では、各増幅産物はまた、二本鎖核酸との相互作用に際して適当な波長の光での励起の際に対応する蛍光シグナルを放出する本発明に記載のDNA結合色素によって検出されうる。色素SybrグリーンおよびSybrゴールド(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))は、この用途に特に適することが証明されている。代替的に、介在型色素もまた使用しうる。
本発明は下記の実施例および図面によってさらに説明される。記載の手順は、本発明の制限でなく、改変後でさえ、本発明の対象をなお説明する単なる例と解釈されるべきである。
実施例1:ライブラリの構築およびクレノー断片変異体の精製
プラスミドpQKF((ブラックマン(Brakman),S.,ニックチェン(Nieckchen),P.,ChemBioChem 2001,2,773−7;配列番号26に示される同等のプラスミドpQE30も参照)は、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(3'→ 5'exo()のN末端6−his標識化クレノー断片の、T5プロモーター/Double lacオペレーター配列の調節下での発現を可能にする。Q879、V880およびH881をコードするモチーフC配列への突然変異の導入は、二段階目がプライマー突然変異誘発によって実施された。PCR反応は、PfuターボDNAポリメラーゼ(ストラタジーン社(Stratagene))を用いることによって、および標準的条件下で実施した。最初のPCRは、9つの標的位置それぞれについて40%の非野生型ヌクレオチドを含むように構築された処理プライマーライブラリ(5´−GTA CGT ATG ATC ATG NNN NNN NNN GAT GAA CTG GTA TTT−3´;配列番号5)および23量体下流プライマー(5´−GCT AAT TAA GCT TGG CTG CAG GC−3´;配列番号6)を用いて実施し、195量体PCR産物を生じた。第二のPCRは、アガロースゲルで精製したその195量体、および24量体アンチセンスプライマー(5´−TAC ATG GAC CTT TAC TTC GAA CGC−3´ 配列番号 7)を用いることによって実施し、および457bp産物を生じ、それをCsp45IおよびHindIIIを用いて消化しおよびpQKF(へクローニングした。結果として生じたプラスミドライブラリで大腸菌(E.coli)XL 1blue (ストラタジーン社(Stratagene))を形質転換し、クローンを寒天平板から選択しおよび別々にスーパーブロス(Superbroth)培地(100μg/ml アンピシリン)入りの96ウェルプレート中で一夜増殖させた。クレノー断片変異体は発現され、採取され、および培養物600μl中で96ウェルプレートを用いて記載の通り溶解された。得られた溶解物300μlを保存緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.3、1mM DTT、0.1mM EDTA、1mM PMSF、1mMベンズアミジン、1μg/mlロイペプチンおよび1μg/mlアプロニチン)900μlで希釈し、遠心分離しおよび−80℃にて保存した。
プライマー伸長反応および定常状態動力学測定のためには、クレノー断片および選択された変異体を上記の通り発現し、およびNi−NTAアガロース(キアゲン社(Qiagen))を用いて取扱説明書に従って精製したが、溶解および洗浄段階のイミダゾールは省略した。得られた酵素は純度>95%であり、これはSDS PAGEによってクマシーブルー染色を用いて確認された。緩衝液を置換後(50%グリセロールを含む100mM K2HPO4、1mM DTT、pH6.5で)、ナノオレンジ(nanoOrange)アッセイ(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))を用いて濃度を測定しおよび1μg/μlへ調整した。
実施例2:スクリーニング
ライブラリをスクリーニングするための反応混合物は、150nMテンプレート、225nMプライマー、50mMトリス−HCl、pH7.3、10mM MgCl2、1mM DTT、0.05%トリトン(登録商標)X−100およびdNTP各200μMを含んだ。反応は、3'末端塩基が第V因子ライデン突然変異に関与するヒトSNP G1691Aへ結合するように設計されている20量体プライマーFVL20TH(5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC TT−3´;配列番号8)を含んだ。対合伸長効率の測定のためには、ヒト第V因子ORFの変異体対立遺伝子1691Aをコードする90量体テンプレートTFVL90A(5´−gac atc atg aga gac atc gcc tct ggg cta ata gga cta ctt cta atc tgt aag agc aga tcc ctg gac agg caa gga ata cag gta ttt−3´;配列番号9)を用い、結果としてTA塩基対をプライマーの3'末端に生じた。ミスマッチしたプライマー末端を処理するクレノー変異体の活性へ到達するためには、対応する野生型対立遺伝子1691Gをコードする90量体テンプレートTFVL90G(5´−gac atc atg aga gac atc gcc tct ggg cta ata gga cta ctt cta atc tgt aag agc aga tcc ctg gac agg cga gga ata cag gta ttt−3´;配列番号10)を用い、結果としてTGミスマッチを3'プライマー末端に生じた。伸長選択性としての活性比の評価を可能にするために、両方の反応をライブラリの各要素について平行して実施した。反応混合物10μlを、37℃に予熱した黒色384ウェルプレートへ自動液体操作装置(ハミルトン・マイクロラブ・スター社(Hamilton Microlab Star))を用いて入れ、次いで溶解物溶液5μlを加えた。10分後、クレノー変異体によって生じたdsDNAを定量するために3.4x SYBRグリーンI(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))を含んだ停止溶液(50mM トリス−HCl、pH 7.3、100mM NaCl、10mM EDTA) 30μlを加えることによって反応を停止した。蛍光強度は蛍光プレートリーダー(ポーラスター・オプティマ(Polarstar Optima)、BMGラブテクノロジーズ社(BMG Labtechnologies GmbH))を用いて励起485nmおよび測定520nmで定量した。伸長選択性を測定するためには、測定された蛍光強度の比(Fマッチ/Fミスマッチ、任意単位)を用いた。野生型よりも高い伸長選択性比(Fマッチ/Fミスマッチ)を有するすべてのDNAポリメラーゼは、伸長選択性の増大を有する酵素として同定された。
実施例3:プライマー伸長検定法
5'−32P標識化プライマーを含む特異的反応緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.3、10mM MgCl2、1mM DTT、0.05%トリトン(登録商標)X−100)を二倍量のテンプレートと混合することによって、プライマー−テンプレート基質をアニーリングした。混合物を95℃にて5分間加熱し、および続いて1時間にわたって冷却し室温とした。アニーリング後、dNTPを加え、および溶液を37℃にて5分間インキュベートした。15μlの反応を、5μlの酵素溶液を含む1x反応緩衝液をアニーリング混合物10μlへ加えることによって開始し、続いて37℃にて10分間インキュベートした。検定は適当な反応緩衝液中にプライマー150nM、テンプレート225nM、dNTP各1mMおよび酵素590nMを含んだ。10分間インキュベート後、ゲル負荷緩衝液(80%ホルムアミド、EDTA、20mM)30μlを加えることによって反応を停止し、および産物混合物を14%変性PAGEによって分析した(図1および2を参照)。下記のプライマーおよびテンプレート配列を、さまざまなSNP(位置に下線)に関して使用した:
ヒトゲノム第V因子ライデンDNA配列:プライマー:5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC TT−3´(配列番号11)、野生型テンプレート:5´−GAT CCC TGG ACA GGC AG GAA TAC AGG TAT TTT GT−3´(配列番号12)、変異体テンプレート:5´−GAT CCC TGG ACA GGC AG GAA TAC AGG TAT TTT GT−3´(配列番号12)。
ヒト体細胞BRAF−T1796A突然変異:プライマー:5´−GAC CCA CTC CAT CGA GAT TTC T−3´(配列番号13)、野生型テンプレート:5´−GGT CTA GCT ACA GG AAA TCT CGA TGG AGT GGG TC−3´(配列番号14)、変異体テンプレート:5´−GGT CTA GCT ACA GG AAA TCT CGA TGG AGT GGG TC−3´(配列番号14)。
ヒトジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPyD)突然変異G735A:プライマー:5´−GTT TTA GAT GTT AAA TCA CAC TTA T−3´(配列番号15)、野生型テンプレート:5´−CTT TCC AGA CAA CT AAG TGT GAT TTA ACA TCT AAA AC−3´(配列番号16)、変異体テンプレート:5´−CTT TCC AGA CAA CT AAG TGT GAT TTA ACA TCT AAA AC−3´(配列番号16)。
ヒト酸性セラミダーゼ突然変異A107G:プライマー:5´−CGT TGG TCC TGA AGG AGG AT−3´(配列番号17)、野生型テンプレート:5´−AAA TCA ACC TT CCT CCT TCA GGA CCA ACG TAC−3´(配列番号18)、変異体テンプレート:5´−AAA TCA ACC TT CCT CCT TCA GGA CCA ACG TAC−3´(配列番号18)。
このように、879〜881位にQVHを有する野生型酵素(図1および2)と比較して、879〜881位(配列番号2に示す大腸菌(E.coli)由来クレノー断片に基づく)にLVLおよびLVGを有する大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼIにおける突然変異(クレノー断片、5'(3'−エキソヌクレアーゼ欠損)。
実施例4:TaqDNAポリメラーゼのクローニング
プラスミドpTTQ18::Taq(配列番号25)はエンゲルケ(Engelke)他(Anal.Biochem.1990,191,396−400(1990))によって構築され、およびPtacプロモーター/lacオペレーター配列の調節下でTaqDNAポリメラーゼの発現を可能にする。LVL突然変異はTaqQVHモチーフへ、ストラタジーン社(Stratagene)クイックチェンジ(QuikChange)(登録商標)キットを用いてPCRによって導入された。結果として生じた変異体プラスミドおよび野生型プラスミドで、大腸菌(E.coli)XL1 Blue(ストラタジーン社)を形質転換した。クローンを選択し、およびスーパーブロス(Superbroth)(100μg/mlカルベニシリン)20ml中で一夜増殖させた。Taqクローンの発現は、スーパーブロス(100μg/mlカルベニシリン)1L中の培養物で実施し、および1mM IPTGを用いた16時間の誘導後に細胞を採取した。Taq DNA ポリメラーゼの精製は、エンゲルケ他 (Anal.Biochem.1990,191,396−400)によって記載された通り実施した。イオン交換による精製の代わりに、セファデックス(Sephadex)(登録商標)75(アマシャム社(Amersham))のカラムを用いたゲルろ過を適用した。得られた酵素は純度>90%であり、これはSDS PAGEによってクマシーブルー染色を用いて確認された。濃度はナノオレンジ(nanoOrange)アッセイ(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))およびクマシーブルー染色したSDS PAGEを用いて測定した。
実施例5:TaqDNAポリメラーゼによる触媒作用を用いたプライマー伸長
5'−32P標識化プライマーを含む特異的反応緩衝液(50mMトリス−HCl、25℃にてpH9.2、16mM硫酸アンモニウムおよび2.5mM MgCl2、0.1%ツイーン(登録商標)20)を二倍量のテンプレートと混合することによって、プライマー−テンプレート基質をアニーリングした。混合物を95℃にて加熱し、および続いて1時間にわたって冷却し室温とした。アニーリング後、dNTPを加え、および溶液を37℃にて5分間インキュベートした。15μlの反応を、5μlの酵素溶液を含む1x反応緩衝液をアニーリング混合物10μlへ加えることによって開始し、続いて72℃にて10分間インキュベートした。検定は適当な反応緩衝液中にプライマー150nM、テンプレート225nM、dNTP各1mMおよび、Taq LVL DNAポリメラーゼ(変異体ポリメラーゼ)0.5ngおよびTaqDNAポリメラーゼ0.06ngを含んだ。10分間インキュベート後、ゲル負荷緩衝液(80%ホルムアミド、EDTA、20mM)30μlを加えることによって反応を停止し、および産物混合物を14%変性PAGEによって分析した(図3を参照)。SNPヒトゲノム第V因子ライデンDNA配列、ヒト体細胞BRAF−T1796A突然変異およびヒトジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPyD)突然変異G735Aに関して用いられたプライマーおよびテンプレート配列については、実施例3を参照。
実施例6:リアルタイムPCR実験
リアルタイムPCRはアイサイクラー(iCycler)(バイオラッド社(BIORAD))システムを用いて実施した。反応は、各テンプレート4pMを含むTaqDNAポリメラーゼ緩衝液(50mMトリス−HCl、25℃にてpH9.2、16mM硫酸アンモニウムおよび2.5mM MgCl2、0.1%ツイーン(登録商標)20を含む総容量20μl中で実施した。最終混合物は、dNTP(dATP、dGTP、dCTPおよびTTP各200μM)、プライマー(各プライマープローブおよび逆方向プライマーそれぞれ0.5μM)および13ngのTaqDNAポリメラーゼ(配列番号4)、95ngのTaqLVL変異体由来DNAポリメラーゼ(配列番号4、782〜784位にLVLを有する)および10,000倍SybrグリーンI DMSO溶液(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))の1/50,000水希釈液を含んだ。 すべてのPCR 増幅は下記のプログラムを用いて実施した:95℃にて3分間最初の変性、次いで40サイクルの95℃にて30秒間変性、55℃にて35秒間プライマーアニーリングおよび72℃にて40秒間伸長。示した結果は、少なくとも3回反復しおよび一つの親混合物に由来する独立した3連の測定から得られた。結果を図4に要約する。下記のDNA配列を用いた:
BRAFに関する配列:プライマープローブBrafT:5´−d(GAC CCA CTC CAT CGA GAT TTC T)(配列番号19)、逆方向プライマー:5´−d(AGA GGA AAG ATG AAG TAC TAT G)(配列番号20)、標的テンプレートBrafX:5'−d(CAA CTG TTC AAA CTG ATG GGA CCC ACT CCA TCG AGA TTT CC TGT AGC TAG ACC AAA ATC ACC TAT TTT TAC TGT GAG GTC TTC ATG AAG AAA TAT ATC TGA GGT GTA GTA AGT AAA GGA AAA CAG TAG ATC TCA TTT TCC TAT CAG AGC AAG CAT TAT GAA GAG TTT AGG TAA GAG ATC TAA TTT CTA TAA TTC TGT AAT ATA ATA TTC TTT AAA ACA TAG TAC TTC ATC TTT CCT CT)、X=A、BrafA、X=T、BrafT(配列番号21)。DPyDに関する配列:プライマープローブDpyDT:5´−d(GTT TTA GAT GT TAA ATC ACA CTT AT)(配列番号22)、逆方向プライマー:(5´−d(aaa gct cct ttc tga ata ttg ag)(配列番号23)、標的テンプレートDPyDX:5'−d(aaa atg tga gaa ggg acc tca taa aat atg tca tat gga aat gag cag ata ata aag att ata gct ttt ctt tgt caa aag gag act caa tat ctt tac tct ttc atc agg aca ttg tga caa atg ttt ccc cca gaa tca tcc ggg gaa cca cct ctg gcc cca tgt atg gcc ctg gac aaa gct cct ttc tga ata ttg agc tca tca gtg aga aaa cgg ctg cat att ggt gtc aaa gtg tca ctg aac taa agg ctg act ttc cag aca ac taa gtg tga ttt aac atc taa aac)、X=A DpyDA、X=T、DpyDG(配列番号24)。オリゴヌクレオチドBrafXおよびDpyDX(配列番号21および24)はIBA(ドイツ、ゲッチンゲン(Gottingen)によって合成および精製された。
実施例7(比較例):ミスマッチ識別の比較
大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(クレノー断片、5'→ 3'−エキソヌクレアーゼ欠損)の879〜881位(配列番号2)の、本発明に記載の変異体および文献から知られる変異体を、プライマー伸長の選択性について比較した。使用した変異体は、LVL変異体(879〜881位にLVLを有する配列番号2)および、ミニック(Minnick),T.他,J.Biol.Chem.274,3067−3075 (1999)(879〜881位にHVAを有する配列番号2)からのH881Aを有するクレノー断片に対応するQVA変異体であった。
記載の2種類の変異体を用いて、実施例3に記載のプライマー伸長検定を実施した。ヒトゲノム第V因子ライデンDNA配列を用いたミスマッチ識別を試験した:プライマー:5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC TT−3´(配列番号11)、野生型テンプレート:5´−GAT CCC TGG ACA GGC AG GAA TAC AGG TAT TTT GT−3´(配列番号12)、変異体テンプレート:5´−GAT CCC TGG ACA GGC AG GAA TAC AGG TAT TTT GT−3´(配列番号12)。2つの変異体が標準的複合体と比較してミスマッチを伸長する傾向を比較した。図5に示す通り、QVA変異体は、LVL変異体と比較してミスマッチを伸長する相当高い傾向を有した。
大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(クレノー断片、5'→ 3'エキソヌクレアーゼ欠損)の879〜881位(配列番号2)における突然変異の、プライマー伸長の選択性に対する影響を調べるための変性PAGE後のオートラジオグラフ。反応は、プライマー/テンプレート複合体150nM(プライマー: 5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC T−3´、X=A、G、CまたはT(配列番号11);テンプレート:5´−GA TCC CTG GAC AGG CA GGA ATA CAG GTA TTT TGT−3´、Y=A、G、CまたはT(配列番号12)、dATP、dCTP、TTP、dGTP各1mM、およびDNAポリメラーゼ600nMを含んだ。37℃にて10分間、緩衝液(50mMTris−HCl、pH7.3、10mM MgCl2、1mM DTT、0.05%トリトン(登録商標)X−100)中でインキュベート。 大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(クレノー断片、5'→ 3'エキソヌクレアーゼ欠損)の879〜881位(配列番号2で示す大腸菌由来クレノー断片に基づく)における突然変異の、プライマー伸長の選択性に対する影響を調べるための変性PAGE後のオートラジオグラフ。反応は、プライマー/テンプレート複合体150nM[a:プライマー:5´−GAC CCA CTC CAT CGA GAT TTC T−3´(配列番号13);テンプレート:5´−GGT CTA GCT ACA GG AAA TCT CGA TGG AGT GGG TC−3´、X=AまたはT(配列番号14);b:プライマー:5´−GTT TTA GAT GTT AAA TCA CAC TTA T−3´(配列番号15);テンプレート:5´−CTT TCC AGA CAA CT AAG TGT GAT TTA ACA TCT AAA AC−3´、X=AまたはG(配列番号16)]、dATP、dCTP、TTP、dGTP各1mM、およびDNAポリメラーゼ600nMを含んだ。37℃にて10分間、緩衝液(50mM トリス−HCl、pH7.3、10mM MgCl2、1mM DTT、0.05%トリトン(登録商標)X−100)中でインキュベート。 TaqDNAポリメラーゼI中のQVHモチーフにおける突然変異の、プライマー伸長の選択性に対する影響を調べるための変性PAGE後のオートラジオグラフ。反応は、プライマー/テンプレート複合体150nM[a:プライマー:5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC T−3´、X=T(配列番号11);テンプレート:5´−GA TCC CTG GAC AGG CA GGA ATA CAG GTA TTT TGT−3´、Y=AまたはG(配列番号12);b:プライマー:5´−GAC CCA CTC CAT CGA GAT TTC T−3´(配列番号13);テンプレート:5´−GGT CTA GCT ACA GG AAA TCT CGA TGG AGT GGG TC−3´、X=AまたはT(配列番号14);c:プライマー:5´−GTT TTA GAT GTT AAA TCA CAC TTA T−3´(配列番号15);テンプレート:5´−CTT TCC AGA CAA CT AAG TGT GAT TTA ACA TCT AAA AC−3´、X=AまたはG(配列番号16)]、dATP、dCTP、TTP、dGTP各1mM、およびDNAポリメラーゼ0.6ngを含んだ。37℃にて10分間、緩衝液(50mMトリス−HCl(25℃にてpH9.2)、16mM硫酸アンモニウム、2.5mM MgCl2、0.1%ツイーン(登録商標)20)中でインキュベート。 Taq(wt)(配列番号4)およびLVL変異体(配列番号4、782〜784位にLVLを有する)を用いたリアルタイムPCR実験。実験はアイサイクラー(iCycler)(バイオラッド社(BIORAD))システムを用いて実施した。20μlでの典型的な反応は下記を含んだ:各テンプレート40pMを含むTaqDNAポリメラーゼ緩衝液(50mMトリス−HCl(25℃にてpH9.2)、16mM硫酸アンモニウム、2.5mM MgCl2、0.1%ツイーン(登録商標)20、0.3mM dNTP)、プライマー2種類0.5μMおよびTaqDNAポリメラーゼ95ng、および1/50,000のSybグリーンI 10,000倍DMSO溶液(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))。PCRは下記のプログラムを用いて実施した:95℃にて30秒間、55℃にて35秒間、および72℃にて40秒間のサイクル。反応1w、2w、3wおよび4wは野生型酵素を用いて実施した一方、1m、2m、3mおよび4mはLVL変異体を用いて実施した。DNA配列: a:プライマープローブ:5´−d(GAC CCA CTC CAT CGA GAT TTC T)(配列番号19);逆方向プライマー:5´−d(AGA GGA AAG ATG AAG TAC TAT G)(配列番号20);テンプレート:5'−d(CAA CTG TTC AAA CTG ATG GGA CCC ACT CCA TCG AGA TTT CC TGT AGC TAG ACC AAA ATC ACC TAT TTT TAC TGT GAG GTC TTC ATG AAG AAA TAT ATC TGA GGT GTA GTA AGT AAA GGA AAA CAG TAG ATC TCA TTT TCC TAT CAG AGC AAG CAT TAT GAA GAG TTT AGG TAA GAG ATC TAA TTT CTA TAA TTC TGT AAT ATA ATA TTC TTT AAA ACA TAG TAC TTC ATC TTT CCT CT)、X=A(野生型)(1)またはT(変異体)(2)(配列番号21)。 b:プライマープローブ:5´−d(GTT TTA GAT GT TAA ATC ACA CTT AT)(配列番号22);逆方向プライマー:5´−d(aaa gct cct ttc tga ata ttg ag)(配列番号23);テンプレート:5'−d(aaa atg tga gaa ggg acc tca taa aat atg tca tat gga aat gag cag ata ata aag att ata gct ttt ctt tgt caa aag gag act caa tat ctt tac tct ttc atc agg aca ttg tga caa atg ttt ccc cca gaa tca tcc ggg gaa cca cct ctg gcc cca tgt atg gcc ctg gac aaa gct cct ttc tga ata ttg agc tca tca gtg aga aaa cgg ctg cat att ggt gtc aaa gtg tca ctg aac taa agg ctg act ttc cag aca ac taa gtg tga ttt aac atc taa aac)、X=A(野生型)(3)またはG(変異体)(4)(配列番号24)。 大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(クレノー断片、5'(3'エキソヌクレアーゼ欠損)の879〜881位(配列番号2)における突然変異の、プライマー伸長の選択性に対する影響の比較試験のための変性PAGE後のオートラジオグラフ。本発明に記載の変異体LVLを、文献(ミニック(Minnick),T.他,J.Biol.Chem.274,3067-3075 (1999))から知られる変異体QVAと比較した。反応は、プライマー/テンプレート複合体150nM(プライマー:5´−ACA AAA TAC CTG TAT TCC T−3´、X=A、G、CまたはT(配列番号11);テンプレート:5´−GA TCC CTG GAC AGG CA GGA ATA CAG GTA TTT TGT−3´、Y=A、G、CまたはT(配列番号12)、dATP、dCTP、TTP、dGTP各1mM、およびDNAポリメラーゼ600nMを含んだ。37℃にて10分間、緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.3、10mM MgCl2、1mM DTT、0.05%トリトン(登録商標)X−100)中でインキュベート。

Claims (15)

  1. 配列番号2で示される大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼクレノー断片に基づいて879〜881位のモチーフC配列QVH中で、少なくともアミノ酸残基Q879が親油性アミノ酸残基で置換されていることを特徴とする、改変されたモチーフC配列および対応する野生型ポリメラーゼと比較して増大したミスマッチ識別を有するAファミリーDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片。
  2. 細菌DNAポリメラーゼ、好ましくは耐熱性DNAポリメラーゼである、より好ましくはサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、ロドサーマス・オバメンシス(Rhodothermus obamensis)、またはバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のポリメラーゼから成る群から選択される、請求項1に記載のDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片。
  3. 879〜881位のモチーフC配列QVH中で:
    (i)H881がさらに親油性アミノ酸残基で置換されている;および/または
    (ii)880位のアミノ酸残基がVal、Leu、Ile、AlaまたはTyr、特にValまたはIleである
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片。
  4. 親油性アミノ酸残基がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、MetおよびTrpから、好ましくはGly、Ala、Val、LeuおよびIleから選択され、およびより好ましくはモチーフC配列QVHが配列LVLまたはLVGで置換されていることを特徴とする、請求項1から3のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片。
  5. (i)782〜784位の配列QVHがLVLまたはLVGで置換されている、配列番号4に示す配列を有するTaqポリメラーゼである;または
    (ii)879〜881位の配列QVHがLVLまたはLVGで置換されている、配列番号2に示す配列を有するクレノー断片である、
    請求項1から4のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼ、またはそのクレノー断片。
  6. 請求項1から5のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片をコードするDNA配列。
  7. 請求項6に記載のDNA配列を含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターで形質転換されている、および/または請求項6に記載のDNAを含む、宿主細胞。
  9. 請求項8に記載の宿主細胞を培養すること、およびDNAポリメラーゼまたはクレノー断片を培養物または培養物上清から単離することを含む、請求項1から5のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片の調製のための方法。
  10. 請求項1から5のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼまたはそのクレノー断片の、対立遺伝子特異的PCR、PCRによるDNA増幅、クローニング、などを含む診断法および分子生物学的方法における使用。
  11. 請求項1から5のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼを用いることを含む、個別試料中の一つ以上の標的核酸における少なくとも一つの配列変異体の存在または不存在を決定する方法。
  12. 下記の段階を含む、請求項11に記載の方法:
    a)添加:
    ・デオキシヌクレオシド三リン酸;
    ・請求項1から5のうち一つ以上に記載のDNAポリメラーゼ;
    ・プライマーが検出すべき標的核酸の各配列変異体について加えられることを特徴とし、そのプライマーは検出すべき配列変異体と相補的な配列を有し、および標的核酸中の検出すべき配列変異体は識別プライマーの少なくとも一つの3'末端、3'−隣接末端または3'−隣接−隣接末端ヌクレオチド残基と相補的であることを特徴とする、少なくとも一つの識別ヌクレオチド残基を含む少なくとも一つの識別プライマー;
    ・識別プライマーの伸長によって形成されるプライマー伸長産物と相補的である、少なくとも一つの他のプライマー;
    b)検出すべき配列変異体を有する標的核酸を試料が含む場合に限って識別プライマーの伸長産物が相当に得られることを特徴とする、プライマー伸長反応を実施;
    c)プライマー伸長反応の産物をテンプレート核酸から分離;
    d)たとえばポリメラーゼ連鎖反応によって、段階b)およびc)を繰り返して増幅産物を得る;並びに
    e)増幅産物の存在または不存在から、配列変異体の存在または不存在を決定。
  13. 段階b)からe)がリアルタイムPCRまたはリアルタイムRT−PCRとして実施されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1から5に記載の少なくとも一つのDNAポリメラーゼを含む、請求項11から13に記載の個別試料中の一つ以上の標的核酸において少なくとも一つの配列変異体の存在または不存在を決定するためのキット。
  15. 下記の成分のうち一つ以上をさらに含む、請求項14に記載のキット:
    ・標的核酸中の検出すべき配列変異体が識別プライマーの少なくとも一つの3'末端、3'−隣接末端または3'−隣接−隣接末端ヌクレオチド残基と相補的であることを特徴とする、少なくとも一つの識別ヌクレオチド残基を含む一つ以上の識別プライマー;
    ・前記識別プライマーの伸長によって形成されるプライマー伸長産物と相補的である一つ以上の他のプライマー;
    ・デオキシヌクレオシド三リン酸;
    ・緩衝液;
    ・定量化試薬、特に介在型試薬または副溝に結合する試薬;および
    ・ポリメラーゼ−遮断抗体、特にTaqブロック(TaqBlock)。
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