JP2007518465A5 - - Google Patents

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分岐グラフトのための配送システム及び方法
本発明は、概して、脈管構造の疾患の治療用システムおよび方法に関するものである。さらに詳細には、大動脈の拡張および弱化により顕在化した、胸部または腹部の大動脈瘤などの治療用システムおよび方法に関連している。
関連する出願の相互参照
本出願は、ミカエルブイチョボトフ(Michael V.Chobotov)他により2002年4月11日に出願された、「分岐したエンドバスキュラーグラフトのための配送システムおよび方法(Delivery System and Method for Bifurcated Endovascular Graft)」と題された米国特許出願第10/122,474号の一部継続出願であり、また、それは、ミカエルブイチョボトフ(Michael V.Chobotov)他により2001年7月27日に出願された、「分岐したエンドバスキュラーグラフトのための配送システムおよび方法(Delivery System and Method for Endovascular Graft)」と題された米国特許出願第09/917,371号の一部継続出願であり、また、それは、ミカエルブイチョボトフ(Michael V.Chobotov)他により2001年4月11日に出願された、「エンドバスキュラーグラフトのための配送システムおよび方法(Delivery System and Method for Endovascular Graft)」と題された米国特許出願第09/834,278号の一部継続出願である。それぞれの出願は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれる。
動脈瘤を治療する従来の方法は、罹患した血管内部に、動脈の補強材としてのグラフトを配置する、侵襲的な外科的方法から成っていた。しかしながら、こうした手順は、血管にアクセスするための外科的切開を要し、血管へアクセスするための手順の間に動かされる周囲の器官や組織からの外圧が減少し、それに起因して動脈瘤の壊滅的な破裂をもたらしかねない。したがって、外科手術は、他の要素に加えて、上で考察した破裂の可能性により、高死亡率を有することになる。大動脈瘤の外科治療での他の危険因子には、失血に起因する患者の身体状態の低下、無尿症、および大動脈の腹部動脈瘤に関連する低血圧が含まれ得る。外科手術に関する例は、ダブリュービーサウンダーズカンパニー(W.B. Saunders Company)出版,1986年発行,クーリー(Cooley)著「大動脈瘤の外科治療(Surgical Treatment of Aortic Aneurysms)」で説明されている。
外科的介入に固有の危険性と複雑さに起因して、大動脈瘤内でグラフトを展開する代替的方法の開発のための様々な試みがなされてきた。こうした方法の1つは、カテーテルベースのシステムによる、経皮配送の非侵襲技術である。こうした方法は、ローレンスジュニア(Lawrence、Jr.)他による「経皮エンドバスキュラーグラフト:実験的評価(Percutaneous endovascular graft: experimental evaluation)」ラジオロジー(Radiology)(1987年5月)において説明されている。ローレンスは、その文献で、米国特許第4,580,568号明細書において開示されているように、ジアンチュルコ(Gianturco)ステントの使用について説明している。このステントは、血管内部にダクロンファブリックグラフト(Dacron fabric graft)を位置決めするのに使用される。ダクロングラフト(Dacron graft)は、カテーテル内部に圧縮され、その後、治療される血管内部で展開される。また、同様の手順は、ミリヒ(Mirich)他による、「経皮的に配置された大動脈瘤用エンドバスキュラーグラフト:その実行可能性の研究(Percutaneously placed endovascular grafts for aortic aneurysms: feasibility study)」ラジオロジー(Radiology)(1989年3月)で説明されている。ミリヒはそこで、近位端および遠位端の返しにより固定された、ナイロンファブリックで覆われた自己拡張金属構造について説明している。
既存の経皮装置および方法の欠陥の1つは、グラフトと、グラフトの配送に用いられる配送システムが、比較的大きな外形(多くの場合最大24フレンチ)で、縦方向の屈曲に硬いことである。既存の配送システムの大きな外形と比較的高い曲げ剛性は、患者の血管を経由した配送を困難にし、患者の血管に切開または他の損傷を与える危険がある。特に、患者の腸骨動脈は、多くの場合、既存の経皮装置が通るには狭過ぎるか、または不規則である。このため、大動脈瘤治療用の非侵襲経皮グラフトの配送は、この欠点がなければその利益を得る複数の患者にとり、禁忌的である。
必要とされているものは、こうした治療を必要とする患者の体内で、経皮配送を容易にする、既存のシステムに対して小さな外径、および高い柔軟性を有するエンドバスキュラーグラフトおよび配送システムである。また、必要とされているものは、単純な、高信頼の、エンドバスキュラーグラフトを患者の身体やルーメンや血管内へ正確かつ安全に展開可能な、エンドバスキュラーグラフト配送システムである。
本発明は、概して、拡張可能な体内装置(特にエンドバスキュラーグラフト)の配送に用いる、配送システムに関するものである。本発明の実施例は、治療される患者の患った動脈、または他の体内導管へのアクセスのために、外科的切開の必要性を排除する、エンドバスキュラーグラフトの経皮非侵襲配送に関するものである。こうした非侵襲配送システムおよび方法は、手術継続時間をより短くし、回復時間を速め、複雑さの危険を減少させる。また、本発明のいくつかの実施例における可撓性の低い外形の特性により、通常は、こうした治療が利用できない患者集団も、エンドバスキュラーグラフト配送用の経皮非侵襲手術が利用可能となる。例えば、小さな生体構造、または特に蛇行性脈管構造を有する患者には、本発明の実施例の、可撓性や低い外形の特徴を備えていない配送システムの使用を伴う手術は、禁忌的であってもよい。
ある実施例では、配送システムは、近位部分と遠位部分を備えた細長いシャフトを有している。細長いシャフトの遠位部分は、拡張可能な体内装置を有する部分を含んでいる。細長いベルト支持部材は、拡張可能な体内装置の一部に隣接して配置され、ベルトはベルト支持部材へ固定され、さらに拡張可能な体内装置の周囲に配置されている。ベルト部材は、拡張可能な体内装置の少なくとも一部を抑圧する。解放部材は、抑圧構成において、ベルトを解放可能な形で固定する。
本発明の他の実施例は、近位部分と遠位部分を備えた細長いシャフトを有する配送システムに関するものである。細長いシャフトの遠位部分は、拡張可能な体内装置の一部に隣接して配置された細長いベルト支持部材を有している。ベルトは、ベルト支持部材へ固定され、拡張可能な体内装置の周囲に配置されている。ベルトは拡張可能な体内装置を抑圧するよう構成され、さらに、解放部材は抑圧構成においてベルトを解放可能な形で固定している。ベルトは、拡張可能な体内装置の自己拡張部分など、拡張可能な体内装置のいかなる部分も抑圧することができる。本装置の自己拡張部分は、管状ステントなどの自己拡張部材を含んでいてもよい。
本発明の特定の実施例では、複数のベルトが、ベルト支持部材上の様々な軸位置へ固定され、さらに拡張可能な体内装置の周囲に配置され、さらに拡張可能な体内装置を抑圧する構成を有している。少なくとも1つの解放部材が、抑圧構成において、ベルトを解放可能な形で固定している。各ベルトは、別々に各ベルトと係合した別々の単一解放部材により解放可能であり、または複数のベルトが、単一の解放部材により解放可能である。ベルトが解放される順番は、ベルトの軸位置および解放部材の動く方向で決定することができる。
本発明の他の実施例は、可撓性の管状本体部分と、エンドバスキュラーグラフトの終端へ固定された少なくとも1つの自己拡張部材とを備えた、自己拡張エンドバスキュラーグラフト配送用の配送システムに関するものである。この配送システムは、近位部分と遠位部分を備えた細長いシャフトを有している。細長いシャフトの遠位部分は、エンドバスキュラーグラフトの自己拡張部材内部に配置された細長いベルト支持部材と、自己拡張部材に隣接したベルト支持部材へ固定されたベルトを有している。また、このベルトは、自己拡張部材の周囲に配置され、自己拡張部材を抑圧する構成を有している。解放ワイヤは、抑圧構成において、ベルトの両端を解放可能な形で固定している。
本発明のさらなる実施例は、可撓性の管状本体部分と、エンドバスキュラーグラフトの両端へ固定された複数の自己拡張部材を備えた、エンドバスキュラーグラフト配送用の配送システムを含んでいる。この配送システムは、近位部分と遠位部分を備えた細長いシャフトを有している。細長いシャフトの遠位部分は、抑圧状態のエンドバスキュラーグラフト内に配置された細長いガイドワイヤチューブを有している。複数の形状記憶薄肉ワイヤベルトは、それぞれ、自己拡張部材に隣接したガイドワイヤチューブへ固定されている。このベルトは、それぞれの自己拡張部材の周囲に配置され、それぞれの自己拡張部材を抑圧する構成を有している。第1解放ワイヤは、抑圧構成において、エンドバスキュラーグラフトの近位端の自己拡張部材の周りに配置されたベルトの両端を、解放可能な形で固定している。第2解放ワイヤは、抑圧構成において、エンドバスキュラーグラフトの遠端の自己拡張部材の周りに配置されたベルトの両端を、解放可能な形で固定している。
本発明は、患者の体内の拡張可能な体内装置の展開方法にも関するものである。この方法は、近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトを含んだ、拡張可能な体内装置配送用の配送システムを提供している。細長いシャフトの遠位部分は、拡張可能な体内装置の一部に隣接して配置された細長いベルト支持部材、およびベルト支持部材へ固定されたベルトを有している。このベルトは、自己拡張部材の周囲に配置され、拡張可能な体内装置を抑圧する構成を有している。解放部材は、抑圧構成において、ベルトを解放可能な形で固定する。
次に、配送システムの遠端は、患者の体内へ導入され、患者の体内の所望の部位に進められる。その後、解放部材が作動して、ベルトを抑圧構成から解放する。また、任意に、配送システムは、抑圧状態におけるエンドバスキュラーグラフトと、抑圧構成のベルトと、ベルトに配置された解放ワイヤの少なくとも一部分との周りに配置された、外部保護鞘を有していてもよい。また、こうした実施例では、拡張可能な体内装置の展開方法は、解放部材の起動前に、エンドバスキュラーグラフトから外部保護鞘を引き出すことを含んでいる。
分岐体内装置の配送に向けた本発明の実施例では、細長いシャフトは近位部分と遠位部分を有している。シャフトの遠位部分は、細長い一次ベルト支持部材と、一次ベルト支持部材上に配置された少なくとも1つの一次ベルトを有している。一次ベルト支持部材は、分岐体内装置の周囲に配置され、少なくとも装置を部分的に抑圧するよう構成されている。一次解放部材は、抑圧構成において、一次ベルトと係合し、さらに解放可能な形で固定するよう構成されている。少なくとも1つの細長い二次ベルト支持部材は、細長い一次ベルト支持部材に隣接して配置される。二次ベルト支持部材上には、少なくとも1つの二次ベルトが配置されている。この少なくとも1つの二次ベルトは、分岐体内装置の周囲に配置され、その装置を少なくとも部分的に抑圧するよう構成されている。二次解放部材は、抑圧構成において、二次ベルトと係合し、さらに解放可能な形で固定するよう構成されている。
患者の体内で分岐体内装置を展開する方法では、分岐体内装置の配送および展開用の配送システムが提供されている。この配送システムは、近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトを含んでいる。分岐体内装置は、細長いシャフトの遠位部分上に配置されている。また、細長いシャフトの遠位部分は、細長い一次ベルト支持部材、および一次ベルト支持部材へ固定された少なくとも1つの一次ベルトを含んでいる。一次ベルトは、分岐体内装置の周囲に配置され、装置を少なくとも部分的に抑圧するよう構成されている。一次解放部材は、抑圧構成において、一次ベルトと係合し、さらに解放可能な形で固定するよう構成されている。細長いシャフトの遠位部分は、また、細長い一次ベルト支持部材に隣接して配置された、少なくとも1つの細長い二次ベルト支持部材を含んでいる。少なくとも1つの二次ベルトが、二次ベルト支持部材上へ固定され、分岐体内装置の周囲に、その装置を少なくとも部分的に抑圧するために配置されるよう構成されている。二次解放部材は、抑圧構成において、二次ベルトと係合し、さらに解放可能な形で固定している。
配送システムの遠位端は、患者の体内へ導入され、患者の体内の所望の部位へ進められる。その後、解放部材が作動してベルトを抑圧構成から解放し、装置が展開される。その後、配送システムを患者の体内から取り外し可能である。本発明のいくつかの実施例では、配送システムを患者から引き出す前に、二次ベルト支持部材が配送システムから分離され、取り出される。他の実施例では、二次ベルト支持部材は、実質的に一次ベルト支持部材と平行となっており、分岐体内装置の同側側部を通って配送システムの引き出しを可能にするよう、一次ベルト支持部材に向かって横方向に移動される。
図1〜図8、および図10は、様々な拡張可能な体内装置(特に、拡張可能なエンドバスキュラーグラフト11)の配送用の配送システム10の実施例を示している。患者の体内の所望の部位への配送および展開に有用な、こうした拡張可能なエンドバスキュラーグラフト11の1つは、1998年8月14日にエムチョボトフ(M.Chobotov)により出願された、同時係属中の米国特許出願第09/133,978号に開示されており、その全体は、参照により本願明細書に組み込まれる。
図1の配送システム10は、細長いシャフト12と、近位部分13と、遠位部分14と、近位端15と、遠位端16を有している。遠位部分14は、拡張可能なエンドバスキュラーグラフト11の一部分に隣接して配置された、ガイドワイヤチューブ17の形状の細長いベルト支持部材を有している。ガイドワイヤ18は、ガイドワイヤチューブ17内に配置されている。複数のベルト21、22、23はガイドワイヤチューブ17へ固定されており、エンドバスキュラーグラフト11の一部分の周囲に配置されている。図1は、エンドバスキュラーグラフト11を抑圧する構成のベルトを示している。第1および第2解放部材24、25は、図示したように、抑圧構成において解放可能な形でベルト21、22、23を固定している。
エンドバスキュラーグラフト11は、近位端26と、遠位端27と、近位膨張性カフ28と、遠位膨張性カフ30と、近位自己拡張部材31と、第1遠位自己拡張部材32と、第2遠位自己拡張部材33を有している。本願明細書において定義されているように、細長いシャフトの近位端は、使用に際し、配送システム10の操作者に近い方の終端15である。細長いシャフトの遠位端は、患者の体内へ入り、伸びてゆく方の終端16である。本願明細書において用いられているように、配送システム10に対する近位方向および遠位方向と、配送システム10内部へ装填されたエンドバスキュラーグラフト11に対する近位方向および遠位方向とは、同じである。一般には他のしきたりも用いられるが、明快さのため、このしきたりは、本願明細書を通して一貫して用いるものとする。他の有用なしきたりでは、例えば、エンドバスキュラーグラフトの近位端を、グラフトに流入する血流源に近い方のグラフト終端と定義している。こうしたしきたりは本願明細書では採用されていないが、すでに考察した同時係属中の特許出願第09/133,978号では使用されている。
ガイドワイヤチューブ17は、図2に示すように、内部ルーメン34と、遠位部分35と、図8に示すように、近位端36と、遠位端37を有している。ガイドワイヤチューブ17の内部ルーメン34は、図10に示すように、遠位ガイドワイヤチューブポート38を備えた遠位端37で終っている。ガイドワイヤチューブ17の近位端36は、図8に示すように、近位アダプター42内に配置されたポート41で終っている。ポート41は、通常、止血バルブ(図示せず)の取付を容易にするルアーロックフィッティングなどの先細りフィッティングである。ガイドワイヤチューブ17は、断面が楕円形のものや、他のものも適当であるが、通常は環状の断面を有する空洞の管状部材である。
図1に示すガイドワイヤチューブ17の遠位部分35の一部分は、図5に示すように、遠位ノーズピース44の内部ルーメン43内へ配置されている。遠位ノーズピース44は、患者ルーメンか、大動脈45などの血管内部を容易に通過するよう、流線型の弾丸形に構成されている。ガイドワイヤチューブ17は、ノーズピース44の内部ルーメン43へ接着されてもよく、または、製造中にノーズピース44に成形されてもよい。図1を参照すると、ノーズピース44は、遠位部分46と、中間部分47と、外部管状部材53の内部ルーメン52の遠位部分51をスライドさせて係合するよう構成された近位肩部分48を有している。
図1、図6A、図6B、図7Aを参照すると、ガイドワイヤチューブ17の遠位部分35上のノーズピース44の近位肩部分48の近位方向には、ガイドワイヤチューブ17へ第1遠位ベルト21が固定されている。第1遠位ベルトは、シアノアクリレート、エポキシなど、適当な任意の接着剤によってガイドワイヤチューブ17へ固定可能である。第1遠位ベルト21の遊離終端55、56は双方とも、ガイドワイヤチューブ17へ固定されている。ガイドワイヤチューブ17は、ポリエチレン、テフロン、ポリイミドなどを含む、様々な適当な材料から製造可能である。
図2〜図5を参照すると、ガイドワイヤチューブ17の内部ルーメン34は、配送システム10などの装置の誘導に適当なガイドワイヤを適応可能な内径を有している。ガイドワイヤチューブ17の内部ルーメン34の内径は、およそ0.015インチ〜およそ0.045インチ、特におよそ0.020〜およそ0.040インチである。ガイドワイヤチューブ17の外径は、およそ0.020インチ〜およそ0.060インチ、特におよそ0.025〜およそ0.045インチである。
再び図6A、図6B、図7Aを参照すると、任意の第1遠位ベルトブッシング57は、ガイドワイヤチューブ17の遠位部分35へ固定された、第1遠位ベルト21の遊離終端55、56の部分を覆うよう、ガイドワイヤチューブ17の周りに配置されている。このブッシング57は、また、ベルトをかけられた自己拡張部材の抑圧構成の制御に有用であり、さらに、ベルトをかけられた部材と係合し、または支持する形体を含んでいてもよい。同様の構成は、第1遠位ベルト21の近位方向のガイドワイヤチューブ17へ固定された遊離終端を有する、第2遠位ベルト22にある。第2遠位ベルトブッシング63は、ガイドワイヤチューブ17へ固定された第2遠位ベルト22の遊離終端の一部分を覆うために、ガイドワイヤチューブ17の周りに配置される。近位ベルト23は、第2遠位ベルト22の近位方向のガイドワイヤチューブ17へ固定された遊離終端を有しており、さらに、図6に示すように、第1および第2遠位ベルトブッシング57、63と同様に構成された任意の近位ベルトブッシング67を有している。
ベルト21、22、23は、ベルト部材の張力要件を満たし、抑圧構成に設定された後も可撓性を有する、任意の高強度の弾性材料から製造可能である。ベルト21、22、23は、他の金属材料または重合材料も可能であるが、通常は、ニッケルチタニウムなど、形状記憶合金の中実リボンまたはワイヤから製造されている。また、ベルト21、22、23は、登録商標「Dacron」、スペクトラ(Spectra)などの高強度合成繊維の編組金属フィラメントや、編組または中実フィラメントで作成されていてもよい。ベルト21、22、23の外部横断面は、およそ0.002〜およそ0.012インチ、特におよそ0.004〜およそ0.007インチの範囲であってもよい。ベルト21、22、23の断面は、概して、(リボンの場合における)長方形、円形、楕円形、正方形などを含む、任意の形を呈していてもよい。
我々は、概して、解放部材24、25の断面積に対するベルトの断面積の比率がおよそ1:2であれば、相対的強度要件および剛性要件のバランスをとるのに有用であることを発見した。しかしながら、必要となる性能特性によっては、他の比率も使用可能である。
ベルトブッシング57、63、67の内径は、図7Aに示すように、ガイドワイヤチューブ17と、ガイドワイヤチューブ17へ固定されたベルト21、22、23の遊離終端の固定部分71の上にぴったり嵌合するような大きさとなっている。通常、ベルトブッシング57、63、67の内径は、およそ0.025インチ〜およそ0.065インチ、特に、およそ0.030〜およそ0.050インチの範囲である。加えて、ベルトブッシング57の外径は、部材32が完全に抑圧状態にあるとき、図4に示すように、エンドバスキュラーグラフト11のそれぞれの第1遠位自己拡張部材32の内径70に近似する大きさとなっている。他のベルトブッシング63、67も、第2遠位自己拡張部材33と近位自己拡張部材31に対して同様に構成可能である。
こうした構成により、抑圧状態にあるときに、自己拡張部材31、32、33を適切な位置におき、さもなければ、抑圧状態の間にその部分がもつれてしまう、自己拡張部材31、32、33の様々な部分が重なり合うのを防止している。ベルトブッシング57、63、67の外径は、およそ0.040インチ〜およそ0.200インチ、特に、およそ0.060〜およそ0.090インチの範囲である。ベルトブッシング57、63、67の材料は、結合可能な任意の適当な重合体、金属、合金などであってもよい。概して、ベルトブッシング57、63、67は、ポリウレタン、シリコンゴム、PVCプラスチックなどの重合体から作成されている。
図7Aに示すように、ベルト21、22、23は、ガイドワイヤチューブ17から任意のスタンドオフ72、73、74を通って半径方向へ延びている。スタンドオフ72、73、74は、ガイドワイヤチューブ17に隣接するベルト21〜23の周りへ配置され、ベルトに張力が加えられる時の円周方向へのベルト21〜23の分離を防止するよう働く。スタンドオフ72〜74は、また、ベルト21〜23が、他の望ましくない力を、ベルトにより抑圧されるエンドバスキュラーグラフト11の部分へ加えるのを防止している。特に、スタンドオフ72〜74は、ベルト21〜23が自己拡張部材を通して半径方向へ拡張する位置で、ベルト21〜23が、自己拡張部材31〜33またはその一部を拡張してしまうのを防止する。
スタンドオフチューブ72〜74は、通常、自己拡張部材31、32、33の単一の肉厚と実質的に等しい長さを有している。スタンドオフ72〜74の長さは、およそ0.010インチ〜およそ0.030インチの範囲であってもよい。図4に示すように、スタンドオフの内部ルーメン75の内径は、およそ0.004〜およそ0.024インチの範囲であってもよく、スタンドオフの肉厚は、およそ0.002インチ〜およそ0.006インチの範囲であってもよい。スタンドオフ72〜74は、重合体で作成されていてもよいが、通常は、ステンレススチールなどの高強度金属や合金で作成されている。
ベルト21〜23は、スタンドオフ72〜74の外側の開口部を出て、拡張可能な体内装置11のそれぞれの部分の周囲へ延びている。ベルト21〜23の拡張に関して使用される「円周方向の拡張」という用語は、ベルトの円周方向への任意の拡張を意味している。ベルトは、円周方向に360度、またはその任意の部分に拡張可能である。例えば、ベルトまたはベルトの部分が、エンドバスキュラー装置の周囲に部分的に拡張してもよく、さらに、エンドバスキュラー装置の周囲で部分的に拡張した他のベルトまたはベルトの部分へ結合されていてもよい。一般に、抑圧構成において、それぞれのベルト21〜23により形成された平面は、概して、シャフト12の、図1に示す遠位部分14の縦軸76に垂直である。図6A、図6Bに示すように、ベルト21、22、23のループ終端81、82、83は、それぞれ、1つ以上の解放部材により解放可能な形で固定されている。例えば、図1に示す実施例では、エンドバスキュラーグラフト11に関する抑圧構成において、第1および第2遠位ベルト21、22を固定にするために、第1解放ワイヤ24の形での解放部材は、第1遠位ベルト21の終端ループ81と、第2遠位ベルト22の終端ループ82内に配置されて示されている。第2解放ワイヤ25の形での他の解放部材は、エンドバスキュラーグラフト11に関する抑圧構成において、第2近位ベルト23を固定するために、近位ベルト23の終端ループ83内に配置されて示されている。
また、単一解放ワイヤによって、第1遠位ベルト21、第2遠位ベルト22、および近位ベルト23を解放可能な形で固定できるように、単一解放ワイヤは、第1および第2解放ワイヤ24、25の各々の機能の実行にも用いられてもよい。単一解放ワイヤの使用により、高度に制御された連続ベルト展開スキームが実現されてもよい。
グラフト11を事実上固定し、および展開するのに必要かもしれない、組み合わせられる任意の数の解放ワイヤやベルトも、本発明の範囲内である。
本発明のいくつかの実施例では、抑圧されると、任意の単一ベルトの終端ループが、そのベルトが全体として実質的に平面内にある、実質的に円形の抑圧を形成するよう、互いに接触し、または一緒に近接して区切られている。解放ワイヤ24、25は、ベルト23が、エンドバスキュラーグラフト11の抑圧部分(すなわち、自己拡張部材32、33)の外側へ向かう半径方向の力からの張力下にあるとき、ベルト終端ループ83により加えられるトルク力を解放ワイヤに適応可能な、金属や合金(例えば、ステンレススチール)のような高強度の適当な材料から製造されていてもよい。解放ワイヤ24、25は、代替的に、解放ワイヤ24、25の外側部分が、展開中に保有ベルト終端ループを通るワイヤの引き出しをより容易にするために、裸線材料のものより小さな摩擦係数を有する複合構造を含んでいてもよい。例えば、ニチノールまたは他の解放ワイヤは、金属または重合体の管組織かコーティングを伴って、共軸的に繋がれたり共押出されたりしてもよく、または、ワイヤが、その表面をより滑らかにするグラファイトまたは他の材料で、スパッタコーティングされ、または含浸されていてもよい。ポリアミド管組織はこの目的のために有用な材料であり、シアノアクリレートなどの接着剤によりニチノールワイヤへ付着されていてもよい。ポリアミドや、他の重合体コーティングや、管組織は、解放ワイヤの引き出しをさらに容易にするために、PTFEなどの滑らかな材料で、その外部表面をドーピングすることにより精製されてもよい。
解放ワイヤ24、25の外径は、概して、およそ0.006〜およそ0.014インチの範囲であってもよい。解放ワイヤ24、25の遠位端部分84、85は、それぞれ、ベルト21〜23の終端ループ81〜83の遠位方向にある、任意の適切な部位で終わっていてもよい。図8に示すように、解放ワイヤ24、25の近位端86、87は、配送システム10の細長いシャフト12を通って延び、それぞれ、近位アダプター42上の近位ポート91、92を通り、近位アダプター42へ解放可能な形で固定される、それぞれの解放ワイヤハンドル93、94で終わっている。
図7Bは、図7Aのベルト21〜23の代替的実施例を示している。図7Aでは、ベルト21〜23は、各々が、重なり合う構成の終端ループを伴って、終端ループ81〜83をそれぞれ形作るワイヤの単一ストランドから成るものとして示されている。ベルト81の遊離終端55、56は、ガイドワイヤチューブ17の遠位部分35へ固定された形で示されている。これと対照的に、図7Aでの類似要素が類似の参照数字で示されている図7Bでは、2つのワイヤのストランドで形成されており、終端ループ81B、82B、83Bを形作るよう、各ストランドが、他方のストランドのループと重なり合う単一のループに形成されているベルト21B、22B、23Bが示されている。ベルト21B〜23Bの遊離終端は、図7Aの遊離終端55、56のものと同じように固定されてもよい。
ここで図7C、7Dへ移ると、本発明の配送システムの一部に対する代替的実施例が示されている。図7C、7Dには、ガイドワイヤチューブ17上に配置した代替ベルト21C、22C、23Cが示されている。単一の、または複数のベルト21C〜23Cは、所望されるように、ガイドワイヤチューブ17に沿って、様々な位置で展開されてもよい。加えて、ベルト21C〜23Cを含む部材は単線として示されている。しかしながら、ベルト21C〜23Cは、すでに説明したように、様々な断面形状を有する、単一の、または複数のストランド、またはフィラメントの設計であってもよい。単一の中実リボンまたはワイヤが特に有用である。
図7C、図7Dに示すベルト21C〜23Cは、ガイドワイヤチューブ17の周りに巻きつけられ、接着剤による接着、機械固定など、いろいろな適当な技術によりその上へ固定された、単一ストランドフィラメントである。特に有用であるのは、紫外線硬化可能な接着剤によりベルトを固定することである。
代替的に、ベルト21C〜23Cは、例えば、ベルト21Cが2つのフィラメント構成要素であるなど、それぞれがガイドワイヤチューブ17の周りに巻きつけられた2つのストランドフィラメントを含んでいてもよい。
ベルト21Cは、図示の実施例では、それぞれが、螺旋を形作るよう、それ自体が捻じられたフィラメントのループであるベルトアーム112、114を含んでいる。所望に応じて、比較的緩い螺旋や、または比較的締まった、螺旋を提供するよう、いろいろな捻じれがアーム112、114へ付与されてもよい。通常、各ベルト112、114の捻じれ(1つの捻じれにより、ワイヤ部分が1回重なり合うと定義される)の数は、0〜およそ50以上、特に、およそ2〜およそ10である。ベルトに21Cに使用する材料の選択は、それぞれのベルトアームの捻じれの最適数の決定に重要な要素である。ベルトアーム112、114はまた、他の構成(例えば、ブレードや、二重螺旋など)に形成されてもよい。
ベルトアーム112、114の終端ループ内部には、それぞれ、遠位アパーチャーまたは開口部120、122が配置されている。配送システムの組み立て中に、ベルトアームがグラフト自己拡張部材の周囲(好ましくは以下でさらに説明されているような円周溝内)へ巻かれた後、解放ワイヤ(ワイヤ24など)は各アパーチャー120、122を通り抜ける。また、解放ワイヤは、最遠位アパーチャー120、122が好適であるが、各螺旋捻じれにより、ベルトアーム112、114の長さに沿って作成されたアパーチャーを通って配置されてもよい。
ワイヤは、任意に、それらの対応するアパーチャー120、122を使わずに、ばらばらの点において、またはベルトアーム112、114の全体か一部に沿って、溶接、接着剤による接続、または別の方法により、それ自体へ固定されていてもよい。例えば、ベルトアームワイヤは、点124などのオーバラップ点または捻じれ点において、それ自体に接着剤で接続、または溶接されていてもよい。
図7Dは、ベルトアーム112、114の一方または双方の一部、または本願明細書で考察した、他のベルト実施例のいずれかを囲むために使用可能な、任意のベルトアームスリーブ126を示している。図7Dでは、ベルト112は、可撓性スリーブまたはコーティング126(または、代替的に、コイルラッピング、または接着剤、溶接、はんだ付け、鑞付けなどにより、ループをそれ自体へ固定すること)により、その長さ上に抑圧され、または覆われて示されている。スリーブまたはコーティング126は、任意に、収縮包装されるか、捲縮されるか、さもなければ、ベルトアーム112をその内部に抑圧し、または覆うように構成されている。これらの固定とスリーブの機構は、ベルトアームのよりを戻すポテンシャルを最小にするのを補助し、さらに、解放ワイヤの通過を意図されているものを除いて、長さに沿って螺旋アパーチャーのいくつかまたは全てを、閉鎖し、または遮断する傾向がある。また、これらは、全体として、カテーテルシステムに対して、より大きな構造上および動作上の安定性を提供可能である。
ベルトアームスリーブ126は、図7Dに示すベルトアーム112などの固定した節点を伴う捻じれたベルトアームに合う大きさにされる横寸法を有するよう構成可能である。こうした捻じれたベルトアーム112を収容するよう、内径および外径は、ベルトアーム112を形成するワイヤ材料の横寸法に対して大きくなる。しかしながら、ベルトアームスリーブ126は、横寸法がベルトアームを形成するワイヤより僅かに大きくてもよい。例えば、撚線を有さないベルトアームの実施例は、ベルトアームを形成するワイヤの2つのストランド上に、密接して、またはしっかり嵌合するスリーブ126を有していてもよい。スリーブ126は、遠位輪120などの遠位輪のすぐ近位の、少なくともガイドワイヤチューブからの捻じられていないベルトアームなどの全長を、実質的に覆うことが可能である。遠位輪は、解放ワイヤによる係合のために、露出状態で残っているべきである。こうした実施例では、ベルトアームのスリーブで覆われた部分は、図7Dに示すベルトアーム112のスリーブがないベルト部分のように、ガイドワイヤチューブの周囲に巻かれ、さらに、そこへ固定されていてもよく、71Cで示されている。また、このタイプの低い外形のベルトアームスリーブは、わずかに大きな直径のスリーブが必要だろうが、捻じられたベルトアームの実施例を覆うよう使用されてもよい。
システムの信頼性を改良して、アーム112、114が補綴または配送システムの他の構成要素を妨げる可能性をさらに少なくするには、特定の自由な静止角度をベルトアーム112、114へ付与するのが望ましいだろう。図7Cの視点は、ベルトアーム112、114が、水平面125から測定された角度αで、対称的に配置されているのを示している。この角度αは、0〜180度の範囲でよい。例えば、ベルトアーム112、114の一方または双方は、平面125に沿って存在してもよく、または図示された構成(α=45度)に置かれていてもよい。システムに所望の休止構成を付与するために、例えば、無熱相変態(形状記憶合金の場合)による冷間加工や形状設定などの、既知の任意の技術が使用されてもよい。
図7Jは、図7C、図7Dに示すバージョンの、単一ベルトの例を示している。ここで、単一ベルトアーム113は、ガイドワイヤチューブ17の遠位端35の周囲に配置されて示されている。ベルトアーム113は、少なくとも自己拡張部材31、32、33の任意の1つの周囲に延び得るよう、図7C〜図7Dの実施例のどのベルトアーム112、114よりもかなり長くなっている。ベルトアーム113の遠位部分115は、ストランドの一方または双方(ベルトアーム113が捻じられた変形形態の場合)が、ベルトアーム115の遠位部分の終端ループ119を通って延びている場所である、より近位部分117に合致する。他の実施例で考察したように、解放ワイヤ24などの解放部材は、エンドバスキュラーグラフト11の周りの抑圧構成において、ベルトアーム113を解放可能な形で固定するよう、終端ループ119と、ベルトアーム近位部分117の交差部分を通して挿入される。図7Kは、典型的自己拡張部材32の周りで、解放ワイヤ24により適所に保持された、ベルトアーム113(ここでは、捻じりを戻した状態で示されている)の簡単化概略断面図を表している。図7Lは、解放ワイヤ24が、ベルトアーム113の遠位および近位部分115、117とそれぞれ交差するところに形作られた、接続の細部である。
本願明細書で図7C〜図7Dの実施例に関して考察した全ての特徴は、図7J〜図7Kの実施例においても適用可能である。
図7C〜図7Dおよび図7J〜図7Lの実施例に示すこの螺旋構成は、特に信頼できる構成である。この構成は、ベルト21Cの一部分が自己拡張部材(部材31、32、33など)ともつれてしまったり、または、そうでなければ、補綴の安全で有効な展開を妨げる可能性を少なくしたりする。
図7Eは、配送システム10の組み立て中に、解放ワイヤ24〜25を備えたベルト終端ループ81〜83を構成するための、特に有用な構成を表している。この例では、ベルト21の第1および第2終端ループ81’、81”は、解放ワイヤ24を通して接続された状態で示されている。図7Eの構成を達成するために、第1終端ループ81’は、第2終端ループ81”にあるアパーチャー88を通り抜ける。第1終端ループ81’にあるアパーチャー89の一部は、図7Eに示すように、第2終端ループ81”により形作られた平面を通って延びている。
次に、図示するように、解放ワイヤ24が2つの終端ループ81’、81”を「ロックする」よう、解放ワイヤ24は、この平面を越えて延びているアパーチャー部分89を通り抜ける。これは、信頼可能で安全な展開手順に非常に有用な、安定した構成であることがわかった。
ワイヤ24と、第1および第2終端ループ81’、81”を組み立てるために、他の技術が使用可能である;上に説明された方法は、典型的なものに過ぎない。ワイヤ24は、構成に見られるように、さらに、図7Aの参照番号81、82、83、および図7Bの参照番号81B、82B、83Bでも示されているように、ループの終端を通り抜けているだけである。
図7Fの実施例では、ベルト110は、解放ワイヤを受けるアパーチャー120を有する、終端ループ116Bに形成されたワイヤ形の部材である。この構成は、ベルト110の一方または双方の上に、または、上で考察したように、単一ベルトの形である場合には、単一で用いることができる。図7Fでは、接続123は、ベルト110を含むワイヤの遠位端116Aの簡単なラッピングとして示されている。しかしながら、接続123は、こうした先細りまたは筒状スリーブ、またはコーティングに限定される必要はない。終端ループ116Bを形成する他の方法には、例えば、接着剤の使用、溶接、硬ろう付け、はんだ付け、捲縮などがあると考えられる。任意の保護スリーブまたはコーティング127(図7Fでは断面図で示されている)は、接続123を覆うか、またはその一部となっており、配送システムおよび補綴の構成要素と同様に、患者を損傷から保護するよう働く。
ここで、図7G、図7Hに移ると、リボン状ベルト81G、81Hの2つの代替的実施例が示されている。図7Gでは、材料の切口128は、ベルト81G遠位端116Cから部分的に変位され、2つの概して直交するアパーチャー130、132がベルト遠位端116C内に形成されるよう、ループ状部材129へと加工されている。1組のヒンジ、または他の保護的機構、または材料は、この部材が、それ以上断裂し、または剥離することを防止するよう、この部材128の各終端に使用可能である。切口128は、図7Gに示すように、ベルト遠位端116Cから一体的に形成されてもよく、または、任意の適当な手段により、ベルト遠位端へ取り付けられた別々の構成要素であってもよい。
図7Gの第2ベルト遠位端118Cは、そこに配置されたアパーチャー133を伴って示されている。使用に際しては、アパーチャー132、133が少なくとも部分的に整列する形で、第2遠位端118Cがアパーチャー130を通してもたらされるよう、半分の捻じれがリボン状ベルト81Gへ付与される。その後、解放ワイヤ(ワイヤ24など)が、アパーチャー132、133を通ってもたらされ、終端116C、118Cを解放可能な形で結合する。
図7Hは、単純な長方形のアパーチャー133Aがベルト81Hの遠位端117内へ配置されており、それを通して、他のベルト終端と解放ワイヤが、本願明細書で教示されるように配置される、ベルト81Hのさらに他の実施例を示している。図7Gの実施例のように、使用に際しては、半分の捻じれが使用中のベルト81Hへ付与されるので、第2遠位端118Dはアパーチャー133を通してもたらされる。その後、解放ワイヤは、終端117、118Dへ解放可能な形で接続するよう、アパーチャー132、133を通って進む。この実施例では、開口部132は、第2遠位端118Dと解放ワイヤの双方を通せる程度に大きくなければならない。
図7Iは、図7Aに示すものと同様のベルトアセンブリの斜視図を示しており、類似する構成要素は類似する参照番号で示されている。図7Iには、分岐解放ワイヤ150から成る解放ワイヤの代替的実施例が示されている。分岐解放ワイヤ150は、ベルト21〜23と係合し、さらに、分岐解放ワイヤ150を近位方向へ引き出す運動(この方向は矢印151により示されている)により、異なる時間にベルト21〜23を解放するよう構成されている。分岐解放ワイヤ150は、メイン部分152と分岐部分153を有している。分岐部分153は、はんだ接合154によりメイン部分152へ固定される。また、接合154は、溶接、エポキシによる接着、接続部の機械的結合など、他の任意の適当な手段によっても製造可能である。図7Iに示す分岐解放ワイヤの実施例は、概して、丸形断面のワイヤから成っている。分岐解放ワイヤのワイヤは、上で考察した解放ワイヤ24、25のワイヤと同じまたは同様の材料、および機械的性質を有していてもよい。分岐部分153は、第1遠位ベルト21および第2遠位ベルト22と係合している。遠位部分155は、第1遠位ベルト21から分岐部分153の遠位端157まで、遠位方向へ延びる矢印156で示された長さLを有している。
分岐解放ワイヤ150のメイン部分152は、近位ベルト23と係合し、さらに、近位ベルト23からメイン部分の遠位端161まで、遠位方向へ延びる遠位部分158を有している。メイン部分152の遠位部分158の長さL’は、矢印162により示されている。遠位部分155の長さLは、遠位部分158の長さL’より大きい。こうして、分岐解放ワイヤが近位方向へ引き出されると、最初に近位ベルト23が解放され、2番目に第1遠位ベルト21が解放され、最後に第2遠位ベルトが解放される。こうした分岐解放ワイヤにより、単一の連続する引き出しによる様々なベルト解放のタイミング、または分岐解放ワイヤ150の近位端(図示せず)の動きが可能になる。分岐解放ワイヤの近位端は、本願明細書において解放ワイヤの他の実施例に関して考察したように、解放ワイヤハンドルなどで終わっていてもよく、そこへ固定されていてもよい。単一分岐解放ワイヤ150による、所望のタイミング順序で複数の解放ワイヤを展開する能力により、配送システムの設計者は、展開順序について、かなりの柔軟性と支配力が与えられることになり、一方、配送システムの操作者に対しては、ベルトの展開を簡単で信頼できるものにしている。分岐解放ワイヤ150は単一分岐のみで示されているが、配送システムの所与の実施例に必要な展開順序を達成するために、任意の数の分岐も、または所望の構成も使用することができる。例えば、展開順序を制御するために、異なる遠位部分長を備えた複数ベルトシステムの各ベルトに、別々の分岐が使用可能である。また、所望の結果を達成するよう、複数の分岐解放ワイヤなどが、単一配送システム内で使用可能である。
本発明のベルトとベルトアーム構成要素のための多くの実施例が、本願明細書内で説明されている。しかしながら、概して、我々は、ベルトが、解放部材と連動する移植部材を、解放可能な形で保持し、または抑圧するのに使用可能な、任意のベルトまたはベルトアーム構成を考慮している。本願明細書に開示されている特定の実施例は、限定を意味するのではなく、また、本願明細書に明確には開示されていないが、複数のアパーチャー(異なる形とサイズを有することもある)がベルト長に沿って配置されるなど、ベルトまたはベルトアームの遠位端が別々の材料や、ベルトかベルトアームなどへ固定された構成要素を含んでいる変形形態も、本発明の範囲内である。さらに、本願明細書で教示される、ベルトまたはベルトアームの終端の様々な実施例は、単一配送システムにおける任意の組み合わせにも存在し得る。
ここで、図6Aに移ると、ベルト21〜23は、それぞれの自己拡張部材31、32、33内に形成された、周囲の溝またはチャネル95、96、97内にそれぞれ存在している。溝95〜97は、ベルト21〜23の起動前の軸方向の移動、または、解放可能部材24、25の解放、すなわち、第1および第2解放ワイヤの近位方向への引き出しを防止する。溝95〜97は、図示した実施例に表されているが、他の代替手段は溝の同じまたは同様の機能を達成可能である。例えば、その抑圧構成において、ベルト21〜23のいずれの側においても、自己拡張部材31〜33から僅かに延びる橋台は、ベルトの軸方向の運動を防止可能である。取り外し可能な接着剤なども使用可能である。
図10に示すように、解放ワイヤ24、25の遠位端部分84、85が、それぞれ、重なり合った終端ループ81〜83内部から通り抜けると、終端ループ81〜83の解放が起こる。解放ワイヤによって終端ループ81〜83上へ加えられた摩擦力により、終端ループ81〜83が、解放ワイヤ24、25の動きに応じて軸方向に動くなら、終端ループ81〜83内部から通り抜ける解放ワイヤ84、85の遠位端の点は、終端ループ81〜83の運動の総量に応じて変化する。
終端ループ81〜83は、展開前に、解放ワイヤの遠位端に対して、その通常の位置から軸方向に移動してしまうなら、ベルト21〜23の解放のタイミングは悪影響を与えられることになろう。したがって、解放ワイヤ24、25の近位方向への引き出し中に、ベルト21〜23が軸方向に移動してしまうのを防止することは、こうした引き出し中に、ベルトのループになった終端部分が重なり合う接続部を、一定の軸位置に保つことによって、ベルトの正確な解放を容易にする。
さらに、自己拡張部材31〜33が、その軸長上に実質的に一様で均等に抑圧されるよう、ベルト21〜23を、所与の抑圧された自己拡張部材31〜33の、概して中央に、または中央の近傍に位置決めするよう保つのが望ましい。ベルト21〜23が、部材上の無心軸位置で自己拡張部材31〜33を抑圧するなら、無心位置の部材の反対側にある部材の終端は、恐らくさほど抑圧されなくてもよく、さらに、外部管状部材53の軸運動(そして、その結果として、エンドバスキュラーグラフト11の展開)を妨げてもよい。
関連する自己拡張部材の頭頂部または頂端に対する、ガイドワイヤチューブ上のベルトの個数と位置は、本発明の配送システム10、400内のグラフト11、401の充填効率に貢献することになる。図7M〜図7Nは、こうした充填効率を高める、任意の構成を概略的に表わす。
図7M〜図7Nは、解放ワイヤまたは部材24Dに連動して配置され、単一の自己拡張部材32Dを抑圧する、2つのベルト21D、22Dを概略的に示す。近位自己拡張部材31や、ステントグラフト11の第1または第2遠位拡張部材32、33や、近位自己拡張部材407、408や、分岐ステントグラフト401の第1または第2遠位自己拡張部材422、411などの、本発明と関連して考察した任意の自己拡張部材が、図7M〜7Nの任意の構成で使用可能である。
図7Mは、点A1、A2において、単一の解放ワイヤ24Dが結合した、ベルト21D、22Dの終端ループ(図示せず)の例を表している。点A1は、2つの隣接する自己拡張部材の頭頂部または頂端39A、39Bの間に存在し、一方、点A2では、ベルト21Dの終端ループ(図示せず)は、単一の自己拡張部材の頭頂部または頂端39Cの近傍またはその内部で、解放ワイヤ24Dと結合されていることに留意されたい。
解放ワイヤ24Dが点A1、A2でベルトにかけられると、ベルトにより加えられた力は、図7Mの矢印41Dにより示されたように、自己拡張部材32Dの頭頂部または頂端39A、39Bを互いから離れるように押す傾向がある。しかしながら、頂端39Cの近傍のまたはその内部の点A2では、頭頂部または頂端は、頂端39Aと39Bの間の点A1に比べると、このベルト力に対してより大きな抵抗力を有している。この違いにより、展開に先立ってベルトをかけられると、自己拡張部材32Dの非対称パッキングをもたらすことになり、それは、例えば、鞘から出す力の可変性や、本願明細書に説明されるような、解放ワイヤ24Dを引き出すのに要する力の可変性に起因して、立ち代って、低信頼性や、グラフト11、401の展開の困難さを増加させることになる。
図7Nは、ベルト21D、22Dの終端ループ(図示せず)が、単一の解放ワイヤ24Dにより再び結合される代替的構成を示しているが、この構成では、点A1’、A2は共に、それぞれ、自己拡張部材32Dの頭頂部39A、39C内部にあり、これらの点は、上述のように頭頂部または頂端を引く傾向があるベルトにより加えられた力に、自己拡張部材が最もよく抵抗可能である。結果として、本発明の配送システム10、400の組み立て中に、より均一にベルトをかけられた自己拡張部材のパッキングが存在し、より信頼可能なグラフト11、401の展開がもたらされる。
自己拡張部材32Dが、(同時係属の米国特許出願第10/327,711号で考察しているように)選択された支柱上に配置された、一体化された1つ以上の返しを利用する自己拡張ステントの形をとっているとき、ステントが隣接するステント支柱(支柱と一体化された返しタックパッドを有してもよい)の下でベルトをかけられると、こうした返しは、ベルトおよびステントを解放して適所へ拡張させるために解放ワイヤが引き出されるまで、返しが確実に露出されないよう、押し込められたり、または隠されたりしてもよい。しかしながら、本願明細書で考察したように、ステントにベルトをかけると、ステント支柱の経方向外形は、ベルト間の返し領域内の外側に(図7Nの紙面から外側へ)膨らむ(フットボールの形状と似てなくはない)傾向がある、この非対称の経方向外形により、上で考察したように、グラフト11、401の展開には、低信頼性と困難さの増加が導かれることになろう。
この非能率な可能性を最小にするために、図7Nのワイヤ24Dなどの解放ワイヤが、押し込められた返しが配置された(図示を容易にするために、図7Nの概略図には、離れて区切られた隣接するステント支柱が示されているが鉤は示されていない)支柱32Eなどのステント支柱上またはその近傍を確実に直接通過するよう、点A1’、A2を選択するのが有用である。ワイヤ24Dなどの解放ワイヤが存在することで、押し込められた返しにより適用される半径を膨張させる力が打ち消される傾向があり、より筒状の、より均一な半径のステント外形がもたらされる。
また、図7M、図7Nに示すように、自己拡張部材あたり2つ以上のベルトを使用することは、本発明の範囲内にあることに留意されたい。
エンドバスキュラーグラフト11の管状本体部材205は、第2遠位自己拡張部材33と近位自己拡張部材31の間に配置され、固定されている。管状本体部材は、可撓性材料204から成っており、明快さのため、図1、図3、図6の理想化された視点では抑圧されて示されている。実際には、図3に示すように、しっかり詰まった構成を形成するために、抑圧されている間、管状本体部材205は、可撓性材料204の層の間の最小量のエアスペースでしっかりと圧縮される。管状本体部材205は、任意に、外部管状部材53の内部ルーメン52の内側表面206によって、半径方向へ抑圧されている。
内部管状部材207は、外部管状部材53の内部ルーメン52内に、スライド可能に配置されている。解放ワイヤ24、25、ガイドワイヤチューブ17、および膨張チューブ211は、内部管状部材207の内部ルーメン212内に配置されている。内部ルーメン212は、遠位端214において、図1、図2、図6の参照番号213により表されたシーリングコンパウンドにより、任意にシールされている。シーリングコンパウンド213は、図8に示す、内部管状部材207の近位端215からの、血液などの流体の漏出を防止する。シーリングコンパウンド213は、ガイドワイヤチューブ17の外部表面216、膨張チューブ211の外部表面217と、第1解放ワイヤ24のための管状ガイド223の外部表面221、222と、第2解放ワイヤ25のための管状ガイド224との間の内部管状部材207の内部ルーメン212内部の空間を満たしている。シーリングコンパウンド213は、エポキシ、シリコンシーラー、紫外線硬化重合体などを含む、適当な任意の材料でもよい。
図2では、第1解放ワイヤ24と第2解放ワイヤ25のための管状ガイド223、224により、シーリングコンパウンド213と内部管状部材207に対して、解放ワイヤの軸方向の運動が可能になっている。管状ガイド223、224の内部ルーメンの内径は、解放ワイヤ24、25の外径または横断寸法と、きっちりと嵌合する大きさになっている。代替的に、管状ガイド223、224は、ワイヤ24、25など、1つ以上の解放ワイヤを収容する単一の管状ガイドと置換されてもよい。
図8へ移ると、内部管状部材207は、複数の側部アーム225、226、227と、ガイドワイヤチューブ17の内部ルーメン34のための近位出口ポート231を有する、近位アダプター42を近位方向に伴って終わっている。第1解放ワイヤ側部アーム225は、近位アダプター本体部分233から分岐し、内部ルーメン234と第1解放ワイヤ24の近位端86を有している。第1解放ワイヤ24の近位先端236は、第1解放ワイヤ側部アーム225の近位端238上へネジで止められた、第1解放ワイヤ近位ハンドル93に据えつけられている。第1解放ワイヤ24の近位先端236は、ハンドル93を捕らえて、ハンドル93の近位方向への軸の動きを第1解放ワイヤ24へと移動させるが、ハンドル93と第1解放ワイヤ24の近位端86との間の相対的な回転運動も可能にする、拡張ブッシングまたは他の橋台として構成されている。
同様の構成は、第2解放ワイヤ25の近位端87にも存在している。そこでは、第2解放ワイヤ側部アーム226は、近位アダプターの本体部分233から分岐し、内部ルーメン244内部の軸方向内で自由にスライドする、第2解放ワイヤ25の近位端87を収容する内部ルーメン244を有している。第2解放ワイヤ25の近位先端246は、第2解放ワイヤハンドルを捕らえて、第2解放ワイヤハンドル94の近位方向への軸の動きを第2解放ワイヤ25へと移動させるが、第2解放ワイヤ25の近位端87と第2解放ワイヤハンドル94との間の相対的な回転運動も可能にする、拡張ブッシングまたは他の橋台として構成されている。
第1解放ワイヤハンドル93と第2解放ワイヤハンドル94は、任意に、それぞれの、または少なくとも2つの解放ワイヤが、明白に他方とは異なる色を取り扱うことにより、色分けされていてもよい。例えば、第1解放ワイヤハンドル93が緑色であり、第2解放ワイヤハンドル94が赤色であることも可能である。この構成により、操作者は、2つの解放ワイヤハンドルをすぐさま見分けることが可能となり、さらに、所望の順序でベルトを展開することが容易となる。
他の実施例では、解放ワイヤハンドル93、94の色分けに代えて、配送システムの操作者に、解放ワイヤの展開の適切な順序を伝える、ハンドルの空間的な位置付けが構成可能である。例えば、特定の実施例に3つの解放ワイヤハンドルが必要であるなら、対応する3つの側部アームは、近位アダプターの片側に沿って位置決め可能である。この構成では、最初に展開される必要がある解放ワイヤハンドルは、最遠位の側部アームから延びている。2番目に展開される必要がある解放ワイヤハンドルは、中央の側部アームから延びている。最後に展開される解放ワイヤハンドルは、最近位の側部アームから延びている。こうした構成では、操作者は、最遠位の解放ワイヤハンドルにある解放ワイヤから展開を開始し、全てが展開されるまで、隣接する各解放ワイヤハンドルへ、近位方向へ後向きに作動させる指示を受けるだけである。もちろん、反対の構成、または適当な他の任意の構成も採用可能である。この構成には、配送システムの操作者にとり分かり易くかつ繰り返し易い、適切な順序で、解放ワイヤの信頼できる展開をするために、遠位から近位へか、近位から遠位へかのいずれかの、何らかのタイプの空間的に直線的な展開順序を導入すべきである。また、上で考察したものなどの他のタイプの解放順序インディケータ、(各解放ワイヤハンドルか側部アームが、展開されるハンドルの順序を示す数を付番するなど)も使用可能である。
ガイドワイヤチューブ17の近位端36は、近位アダプター42の近位端259の内部ルーメン251で終わっており、そこへ固定されている。通常、内部ルーメン251は、ガイドワイヤの軸方向の運動への摩擦抵抗を生成してしまう曲がりを受けることなく、ガイドワイヤが細長いシャフト12の近位端15を出るよう、近位部分13細長いシャフト12の縦軸254と共に並べられた、縦軸253を有している。近位アダプター42の近位ポート255は、直接止血バルブと嵌合してもよく、または、止血バルブなど(図示せず)を受ける、ルアーロックフィッティングと嵌合してもよい。
近位アダプター42は、接着か、他の適当な方法により、内部管状部材207の近位端215へ固定されていてもよい。張力軽減部材256は、接続部での内部管状部材207の屈曲や歪みを防止するために、近位アダプター42の遠位端257および内部管状部材207へ固定されている。
図1に示すように、外部管状部材53の近位端261は、内部管状部材207の外部表面258上をスライドする近位フィッティング262へ固定される。近位フィッティング262内に位置するシールド263は、内部管状部材207の外部表面258と、外部管状部材53の内部ルーメン52の内側表面206との間に形成されたルーメン265用の流体シールを提供する。内部管状部材207の外部表面258と、外部管状部材53の内側表面206の間の嵌合は、通常、ぴったりしてはいるが、外部管状部材53と内部管状部材207の間の簡単な相対的な軸方向の運動も可能にする。止め266は、外部管状部材53の、内部管状部材207に対する近位方向への軸方向の運動量を制限するために、近位アダプター42の遠位にある内部管状部材207の外部表面258に配置され、そこへ固定されている。
エンドバスキュラーグラフト11の展開の前に、外部管状部材53が、遠位ノーズピース44の近位肩48上に位置決めされた時点で、近位フィッティング262の近位先端267と止め266の遠位先端268との間の距離は、抑圧状態のエンドバスキュラーグラフト11の軸長とほぼ等しいか、またはそれより僅かに大きい。この構成により、グラフト展開の前に、抑圧状態でエンドバスキュラーグラフト11を完全に露出させるよう、外部管状部材53を近位方向へ引き出し可能となる。この距離は、より大きくなってもよいが、半径方向への拡張および展開のために抑圧されたグラフト11を完全に解放するよう、抑圧状態のエンドバスキュラーグラフト11の長さより小さくなってはならない。
代替的に、展開の間、解放ワイヤ24、25の近位方向への過度の軸方向の運動を防止する、引き出し制限装置が使用されてもよい。特に、第1解放ワイヤ24を伴うなど複数のベルトの抑圧および展開に、単一の解放ワイヤが使われる本発明の実施例では、引き出し制限装置は、第1ベルト21を展開するための解放ワイヤ24の十分な軸方向の運動を可能にするよう使用されてもよいが、より近位方向に位置する第2ベルト22の展開を防止する。例えば、図8に示すように、フィラメント268形の引き出し制限装置は、第1解放ワイヤ24を、第1遠位ベルト21の展開に十分な程度に近位方向へ引き出せる(しかし、第2遠位ベルト22の展開が可能となるほどではない)形で、近位アダプター42と第1解放ワイヤ24のハンドル93との間に配置可能である。第2遠位ベルト22を展開するには、フィラメント268は、切離され、またはそうでなければ解除されなければならないである。このタイプの構成により、エンドバスキュラーグラフト11の展開に対してより多くの制御が可能となり、さらに、患者の血管内部の望ましくない位置でグラフト11の一部を不注意に展開するのを防止するために、連続的に制御される段階的な展開が可能となる。
使用に際しては、配送システム10は、図1、図9〜図12に示すように、エンドバスキュラーグラフト11が、患者の大動脈45内の動脈瘤272にかかるよう、図9に示すように、患者の動脈のシステム271へ経皮的に前進する。腎動脈の重大な閉塞を防止するよう、概して、グラフト11の管状本体部分205を腎動脈273の下に位置決めさせるのが望ましい。通常、この手順は、例えば、動脈瘤272などの目標位置を横断して、患者の目標血管45内へガイドワイヤ18を配置することから始まる。ガイドワイヤ18の初期の配置には、当技術分野で既知の一般経皮技術が使用可能である。大動脈への経皮アクセスは、他のアクセス部位でも使用可能であるが、例えば、図9に示すように大腿や腸骨動脈を通して実現される。その後、配送システム10は、ガイドワイヤ18上を、患者の血管45内部の所望される位置へと進む。代替的に、ガイドワイヤチューブ17の遠位ポート38から、遠位方向へガイドワイヤを延ばし、患者の脈管構造272へ配送システム10とガイドワイヤ18を一緒に進めることもできる。加えて、いくつかの場合には、ガイドワイヤ18を使わずに、配送システム10を患者の体内の所望位置へ進めるのが望ましいこともある。
概して、配送システム10の位置は、X線透視撮像などを用いて測定される。こうした場合、配送システムの様々な位置に、1つ以上のX線不透過性マーカー(図示せず)を固定しておくのが望ましいである。例えば、マーカーは、図11に示すように、それぞれの遠位および近位先端274、275に、縦方向に同じ間隔を置いて配置可能である。このように、グラフト11が患者の動脈の動脈瘤272に達しているか否かは、容易に測定可能である。また、X線不透過マーカーなどの撮像マーカーは、エンドバスキュラーグラフト11自体の上の、所望の位置へ固定されていてもよい。コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、核磁気共鳴(NMR)イメージングシステムおよびマーカーなど、他のタイプの撮像システムおよびマーキングシステムが使用可能である。
配送システム10の遠位部分14が患者の動脈45内部へ適切に位置決めされると、操作者は、外部管状部材53の近位端261を、内部管状部材207に対して近位方向へ動かす。相対的な軸方向への運動は、内部管状部材207の近位端215または近位アダプター42を握り、さらに、外部管状部材53の近位端261を握り、それぞれの近位端を互いに向かって動かすことにより実行される。これにより、抑圧されたエンドバスキュラーグラフト11から外部管状部材53の遠位部分276が引き出され、半径の外方向への拡張と展開のためにグラフトを解放する。しかしながら、この展開スキームでは、解放バンドはまだグラフトを解放していないので、必要なら、操作者はグラフト11を外部管状部材53内へ差し込み戻せることに留意されたい。
外部管状部材53の遠位部分276が引き出されると、その後、第1解放ワイヤ24のハンドル93は、ネジを外されるか、そうでなければ、近位アダプター42から解放され、さらに、第1解放ワイヤ24の遠位端84が、第1遠位ベルト21の終端ループ81内から抜け出るまで、図10の矢印279により示された近位方向へ引き出される。これが起こると、第1遠位ベルト21のループ終端81が解放され、その結果、第1遠位ベルト21は、第1遠位自己拡張部材32を半径方向へ抑圧することを止め、その後、第1遠位自己拡張部材32は、図10に示すように、患者の大動脈45の内側表面278へ、半径方向に自己拡張する。
第1遠位自己拡張部材32の展開後に、配送システム10の操作者が、エンドバスキュラーグラフト11の位置、特に軸方向の位置に満足しない場合は、細長いシャフト15の近位端15を操作することにより、エンドバスキュラーグラフト11の位置を変えることができる。細長いシャフト12の動きは、拡張部材32と血管の内側表面278の物理的接触が、こうした動きに抵抗する何らかの静止摩擦力を生成しても、エンドバスキュラーグラフト11を動かすことができる。上で考察した部分的展開の状態においても、必要なら、エンドバスキュラーグラフト11を血管45内で安全に動かし得ることが分かった。
操作者がグラフト11の位置に満足すると、その後、第1解放ワイヤ24は、第1遠位ベルト21の展開と同様の方法で第2遠位ベルト22を展開するよう、さらに近位方向へ引き出される。第1解放ワイヤ24の遠位端84が、第1解放ワイヤ24によって半径方向へ抑圧された構成に保持されている第2遠位ベルト22の終端ループ82内から抜け出ると、第2遠位ベルト22の展開が起こる。第2遠位ベルト22を解放すると、第2遠位自己拡張部材33は、患者の大動脈45の内側表面278と係合する形で、半径方向へ拡張する。患者の大動脈45の内面表面278上の自己拡張部材32、33により与えられた、外側へ向かう半径方向の力の総量(部材32、33の間で変化する)は、自己拡張部材32、33を含む材料の厚さ、自己拡張部材32、33がいかなる内向き半径方向力も適用されていない自由な非抑圧状態にあると仮定される公称直径、部材の材料特性、他の要因などを含む、多くのパラメータに依存している。
遠位部材32、33が展開されると、第2解放ワイヤ25用のハンドル94は係脱可能となり、さらに、第2解放ワイヤ25の遠位端85が近位ベルト23の終端ループ83内から抜け出るまで、近位方向へ近位アダプター42から軸方向に引き出される。近位ベルト23が解放されると、近位自己拡張部材31が展開され、さらに、図11に示すように、患者の大動脈45の内側表面278と係合し、または同格となる形で、外向きに半径方向に拡張する。その後、エンドバスキュラーグラフト11は、近位アダプター42内の近位注入ポート282へ導入され、膨張チューブ211を通り、さらにエンドバスキュラーグラフト11の膨張ポート283内へ導入される、膨張材料(図示せず)を伴って膨張される。膨張材料は、管状本体が臨床性能基準を満足するのに必要な、シールおよび他の構造要件を満たす十分なレベルまでグラフト11の近位および遠位膨張カフ28、30と膨張チャネル284が充填されるまで、膨張ポート283へ注入され、または導入される。
グラフト11と血管の内側表面278との間をさらに良好にシールするには、展開処理前または展開処理中に、好適にはエンドバスキュラーグラフト11を膨らませるステップに先行して、または同時に、グラフト11が展開される血管45を任意に治療することが有益であり、それにより、臨床結果を改善し、長期療法を確実なものにするよう補助する。
この治療へのアプローチの1つは、グラフト11を展開する前に、患者に血管拡張薬または鎮痙薬を投与することである。これは、患者の動脈内の平滑筋組織、特に、グラフト11が展開される血管45壁内の平滑筋組織のトーンを低下させる効果がある;こうしたトーンの低下により、血管45の膨張、患者の血圧の減少が、順番に引き起こされる。直動有機硝酸塩(例えば、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、ニトロプルシド)、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン)、アンギオテンシン転換酵素阻害薬(例えば、カプトプリル)、アルファアドレナリン遮断薬(例えば、フェノキシベンザミン、フェントラミン、プラソジン)、ベータアドレナリン遮断薬(例えば、エスモロール)、および他の薬物を含む、いろいろな適切な血管拮抗薬が、適宜使用可能である。特に有用なのは、静脈内へ投与可能で、大動脈動脈瘤切開、頻脈、不整脈など、容認できない禁忌を持たない血管拡張薬である。
血管拡張薬と低血圧効果の程度は、グラフト11が配置される、特定の血管と、平滑筋細胞含有物の総量に部分的に依存する。概して、血管が小さくなると、その分だけ、存在する平滑筋細胞の割合が大きくなり、その結果、血管拡張薬が血管を膨張させる効果が大きくなる。血管拡張薬の度合いに影響を与える他の要因は、患者の健康、特に、内部にグラフト11が配置される血管11の状態である。
実際には、いったん血管拡張薬が患者に投与されると、グラフト11は、こうした血管拡張薬が使われない場合に可能となる直径より大きな直径に達するように展開され、膨張材料で満たされる。これにより、グラフト11の直径を拡張する膨張材料は、所与の膨張圧のために、血管45が非膨張状態(および、公称直径)にあるなら達成可能な状態を超えることができる。代替的に、展開のために、より大きな直径のグラフト11が選択されてもよい。改善されたシールを実現するには、血管拡張中に、血管直径が2〜20パーセント増加するのが最適であると予想される。
グラフト11が配置される血管45は、任意に、血管拡張の度合いを測定するために、またはグラフト11の展開に先立って、単に血管拡張薬が血管45に作用しているか否かを確認するために、血管拡張の前および/または後(しかしグラフト11の展開前)に、(コンピュータ断層撮影、磁気共鳴、静脈内超音波、血管造影、血圧などを通して)モニタすることができる。
薬剤投与から5〜30分が好ましいが、血管拡張が消滅すると、グラフト11を囲む血管45は正常な直径に戻る。ここで得られたグラフト‐血管の構成は、グラフト11と血管内側表面278との間に強化シールを含んでおり、血管拡張薬などを投与されないで得られるものと比較すると、漏出とグラフト周囲の血流に対して改善されたバリアを提供しており、グラフト11による低減管腔注入の準備が整っている。
こうした拡張技術は、以下で詳細に考察する、本発明の拡張可能な体内装置の異形である分岐グラフトと同様に、管状グラフト11を含んでおり、本発明の実施例の全てに共通して使用可能である。
グラフト11が完全に展開されると、図12、13に示すように、膨張チューブ111の遠位端286を膨張ポート283へ結合する保有ワイヤ285などの抑圧または保有装置が作動する。保有ワイヤ185は、遠位端293、294を穴295、296から係脱するために、ワイヤの近位端を近位方向へ引くことにより作動する。これにより、遠位端293、294のシヤーピン機能が消去され、膨張チューブ211の遠位端286が膨張ポート283から係脱可能となる。その後、解放ワイヤ24、25は、近位方向にある細長いシャフト12と、展開されたエンドバスキュラーグラフト11から近位方向へ引き出された配送システム10から、完全に引き出される。非抑圧遠位ベルト21〜23は、配送システム10が引き出され、展開されたグラフト11の内側通路287を通って引き戻されると、拡張部材31、32、33内の開口部を滑り通る。また、遠位ノーズピース44も、図10〜図12に示すように、配送システム10が引き戻されると、展開されたグラフト11の内側通路287を通って引き戻される。
図13は、膨張チューブ211の遠位端286と膨張ポート283との間の接合部を示している。通常、保有ワイヤ285は、膨張ポート283から、配送システム10の近位端へ、近位方向に延びている。この方法で、操作者は、配送システム10の近位端15から、保有ワイヤ285の近端位283を引くことにより、膨張ポート283から膨張チューブ211の遠位端286を係脱することができる。保有ワイヤ285は、重合体、ステンレススチール、ニッケルチタニウム、または他の合金または金属などの材料から作られた、小さな直径のワイヤであってもよい;本発明の特定の実施例では、保有ワイヤ285は、様々な適当なスプリング材料で形成されたスプリングであってもよい。代替的に、保有ワイヤ285は、編組構成または撚線構成であってもよい。
図13は、膨張チューブ211のルーメン291内部に配置された、単一の保有フィラメントまたはワイヤ285を示している。保有ワイヤ285の遠位端292は、それぞれが、膨張チューブ211の遠位端286の膨張ポート283内にある1つ以上の側部穴内に配置された、1つ以上のループ293、294を有していてもよい。多くの側部穴の構成が利用可能である。図13の実施例は、2組の対向する側部穴位置295、296を有している。保有ワイヤ285の遠位輪293、294は、膨張チューブ211の遠位端286と膨張ポート283との間の相対的な軸方向の運動を防止する、取外し可能なシヤーピン要素を作成することにより、側部穴295、296を連動させるように作用する。代替的実施例は、膨張チューブ211のルーメン291内に配置された、複数の保有フィラメントまたはワイヤを含んでいてもよい。このアセンブリ上にインタフェースをさらに固定し、膨張材料が側部穴295、296を通して漏出することを防止するよう、外部スリーブ(図示せず)を追加してもよい。このスリーブは、膨張チューブ211に取り付けられ、それによって受け取られる。
図14〜図17は、図1に示す配送システムの代替的実施例を示している。図14〜図17では、図1の実施例に対して類似した要素は、適宜、類似した参照番号で示されている。配送システム300は、配送システム300の遠位部分303に、外部管状部材53と内部管状部材207を有している。エンドバスキュラーグラフト11は、遠位部分303内の外部管状部材内部に配置される。膨張チューブ305は、図1に示す実施例のものと同様に、エンドバスキュラーグラフト11の膨張ポート283へ結合されている。しかしながら、近位端307と遠位端308を有する膨張チューブ305は、配送システム300の長さの大部分にわたって延びているわけではない。代わりに、膨張チューブ305の近位端307は、図14〜図16に示すように、注封部分213の近位端311で終わっている。
図14、図16を参照すると、遠位端313を有する第1解放ワイヤ312は、第2遠位ベルト22の終端ループ82と係合している。第2遠位ベルト22は、第2遠位自己拡張部材33のまわりに配置され、抑圧させる。遠位端317を有する第2解放ワイヤ316は、第1遠位ベルト21の終端ループ81、および近位ベルト23の終端ループ83と係合している。第1遠位ベルト21は、第1遠位自己拡張部材32のまわりに配置され、抑圧させる。近位ベルト23は、近位自己拡張部材31のまわりに配置され、抑圧させる。図17に示すように近位端321を有し、図16に示すように遠位端322を有する、解放ワイヤチューブ318は、配送システム300の遠位部分303の注封部分213から、図17に示す近位アダプター323へ延びている。解放ワイヤチューブ318は、図15に示すように、第1解放ワイヤ312と第2解放ワイヤ316を含むルーメン324を有している。
近位アダプター323は、解放ワイヤチューブ318の近位端321を固定する内部ルーメン325を備えた第1側部アーム324を有している。ネジ終端キャップ326は、第1側部アーム324の近位端327へ固定され、さらにネジ部分328を有している。遠位ネジ部分332と近位ネジ部分333を有する第2解放ワイヤハンドル331は、ネジ終端キャップ326上にねじ込まれている。第2解放ワイヤ316の近位端334は、第2解放ワイヤハンドル331へ固定されている。第1解放ワイヤハンドル335は、第2解放ワイヤハンドル331の近位ネジ部分333へ、解放可能な形でねじ込まれたネジ部分336を有している。第1解放ワイヤ312の近位端337は、第1解放ワイヤハンドル335へ固定されている。
外部管状部材53が近位方向へ引き出されると、ベルト21〜23が解放可能となる。この構成により、配送システム300の操作者は、第1自己拡張部材32または近位自己拡張部材31の抑圧状態を解放したり、またはそうでなければ妨害したりすることなく、第2遠位自己拡張部材33を最初に解放するよう、最初に解放ワイヤハンドル335を係脱し、さらに近位方向へ引き出し可能になる。第2遠位自己拡張部材33が展開され、または解放されると、最終的な展開のために操作者がグラフト11の位置を調整可能となるよう、エンドバスキュラーグラフト11は、軸方向に動かされ、または再配置される。
これは、医師がグラフト11を正確に適所に配置可能とするので、特に腹部大動脈瘤の治療に有利である。多くの場合、管状本体部分205による腎動脈の閉塞を防止するよう、医師は、グラフト11を、図9に示す、グラフトの管状本体部分205の遠位端が、腎動脈273のすぐ下になるように位置させるのが望ましい。自己拡張部材32などの自己拡張部材がX線不透過で、配送手順がX線透視撮像を用いて実行されるなら、自己拡張部材の解放後のグラフトの位置調整は容易に達成可能である。自己拡張部材32が、グラフト11の管状本体部分205の遠位端にすぐ隣接しているので、視覚化して再配置する自己拡張部材32の能力は、治療を受ける患者にこうした位置決めが指示された場合、腎動脈を閉塞することなく、管状本体部分205の遠位端を腎動脈のすぐ下に位置決めするのに、特に役立つ。
その後、第2解放ワイヤハンドル331は、ネジを外されるか、または、そうでなければ、終端キャップ326から解放され、第1遠位ベルト終端ループ81を最初に解放し、その後、近位ベルト終端ループ83を解放するよう、近位方向へ引き出される。もちろん、グラフト11の位置は、グラフト11と自己拡張部材32、33の特定の構成に応じて、遠位自己拡張部材32、33が双方とも展開されていても、なおも調整可能である。ベルト21、22、23の解放は、図1の実施例のベルトのものと同じまたは同様であり、終端ループ81〜83を共にロックする解放ワイヤ313、317の遠位端が、抑圧されたベルト21〜23の終端ループ81〜83を通過して近位方向へ引き出されるときに起こる。
エンドバスキュラーグラフト11の自己拡張部材31〜33が展開され、または解放され、さらにグラフト11が所望の位置にくると、その後、膨張材料(図示せず)の、近位アダプター323の第2側部アーム341上の注入ポート338への注入により、グラフト11を膨張させることができる。この膨張材料は、図17に示すように、内部管状部材207の内部ルーメン212へ直接導入され、または注入され、さらに、内部管状部材207の内側表面342と、解放ワイヤチューブ318の外側表面343と、ガイドワイヤチューブ17の外側表面216との間を、遠位方向に進む。これにより、高粘性であり得る膨張材料が、内部管状部材207の内側表面342と、解放ワイヤチューブ318およびガイドワイヤチューブ17の外側表面216、343との間の断面領域を通って流動可能となる。この断面領域は、図1の実施例の膨張チューブ211の内部ルーメンの断面領域と比較して大きい。この結果、膨張材料を、膨張性カフ28、30およびエンドバスキュラーグラフト11のチャネル284内へより急速に流動させ、膨張時間を減少させることになる。
膨張中に、配送システム300内を遠位方向へ移動している膨張材料が、配送システムの遠位部分303の注封部分213へ達すると、その後、膨張材料は、図16に示すように、膨張チューブ305の近位端307でルーメン344へ入り、それを通ってグラフト11の膨張ポート283内へ流入する。膨張材料によりグラフト11が膨張すると、保有ワイヤ285などの解放装置は、エンドバスキュラーグラフト11の膨張ポート283から膨張チューブ305を切り離すために引き出され、またはそうでなければ作動される。
ガイドワイヤチューブ17の近位端36は、注封部分346を有する近位アダプター323の中央アーム345内へ固定される。シールド349は、ガイドワイヤ18の周囲をシールし、さらに、ガイドワイヤの周囲の血液の逆流を防止するために、中央アーム345の近位端347に配置されている。止血アダプター(図示せず)は、図15に示すように、ガイドワイヤ18の外側表面周囲のガイドワイヤチューブルーメン348を通して流体を導入するために、中央アーム345の近位端347へ結合可能である。中央アーム345の注封部分346は、止血アダプターを通して注入される、いかなる流体も、近位アダプター323、または内部管状部材207内部の膨張材料ルーメン351内を通過することを阻止する。
図18は、図1および図14の本発明の実施例で使用された、近位アダプター42、323に対する代替的実施例を示している。この実施例では、近位アダプター360は、ネスト状に構成された、第1解放ワイヤハンドル361と、第2解放ワイヤハンドル362を有している。第2解放ワイヤ316の近位端334は、第2解放ワイヤハンドル362へ固定されている。第1解放ワイヤ312の近位端337は、第1解放ワイヤハンドル361へ固定されている。この構成により、操作者が、第1解放ワイヤ312を展開させ、または作動に先立って、第2解放ワイヤ316をうっかり展開させ、または作動させてしまい、結果的に望ましくないエンドバスキュラーグラフトの展開順序となってしまうのが防止される。
使用に際しては、操作者は、最初にネジを外し、または別の方法で、第1解放ワイヤハンドル361のネジ部分363を、第1側部アーム366の第1側部アーム終端キャップ365の外側ネジ部分364から取外す。その後、第1解放ワイヤハンドル361は近位方向へ引き出され、図14に示す本発明の実施例に関して上で考察したように、第2遠位ベルト22の終端ループ82を解放する。
第1解放ワイヤハンドル361が第1側部アーム終端キャップ365から分離されると、第2解放ワイヤハンドル362が露出して、配送システムの操作者がアクセス可能となる。その後、第2解放ワイヤハンドル362のネジ部分367は、ネジを外されるか、または別の方法で、第1側部アーム終端キャップ365のネジ部分368から取外される。その後、第2解放ワイヤハンドル362は、第1遠位ベルト21、自己拡張部材32、近位ベルト23、近位自己拡張部材31を、それぞれ連続して展開するために、近位方向へ引き出し可能となる。近位アダプター360の他の機能と特徴は、図1および図17、さらに上で考察した、近位アダプター42、323のものと同じまたは同様であってもよい。
この実施例は、任意に、第1および第2解放ワイヤハンドル361、362の、それぞれ逆向きに、または反対向きに、ネジを切られた部分363、367を含んでいてもよい。したがって、例えば、反時計回りの動きは、外側のネジ部分364から、第1解放ワイヤハンドル361のネジ部分363のネジを外すために必要であり、一方、対照的に時計回りの動きは、内側のネジ部分368から、第2解放ワイヤハンドル367のネジ部分367のネジを外すために必要である。この機構は、通常なら、第1解放ワイヤハンドル361のネジ部分363を解放するのに必要な方向と同じ方向にネジを外すことにより、他の方法で時期尚早にネジを外してしまったり、または、第2解放ワイヤハンドル362のネジ部分367を取外してしまったりするような、熱が入り過ぎた操作者に対するチェックとして有用である。
本発明の他の態様では、分岐体内装置の配送および展開のための配送システム400、特に、分岐したエンドバスキュラーグラフトまたはステントの配送および展開についての本発明の実施例が考察されている。本願明細書において開示される、全ての配送システムと同様に、分岐した装置のための配送システム400は、配送および展開のための様々な体内装置を構成している。特定の実施例の関心は、エンドバスキュラーグラフトまたはステントグラフトの配送のためのシステムに向けられているが、本願明細書で開示されている配送システムの実施例は、脈管内フィルタ、冠状動脈ステントまたは体内チャネルのための他のタイプのバイパス形成を含むステントや、動脈瘤または血管閉塞装置および同様のものの配送に適している。
分岐装置の配送システム400の構造と、材料と、寸法は、上で考察した配送システムの構造と、材料と、寸法と、同じまたは同様であってもよい。加えて、本願明細書で考察されている、分岐グラフトの構造と、材料と、寸法は、上で考察した、主として管状形を有するグラフトのものと同様の構造と、材料と、寸法を有していてもよい。
図19〜図22は、分岐ステントグラフト401の形状での、拡張可能な体内装置の実施例を示している。この実施例は、グラフトが拡張または展開構成を呈すると、概して、管状断面プロフィールを有するグラフト401の遠位端403に、メインボディ部分402を含んでいる。拡張され、または展開されると、ともに実質的に管状の構成を有する同側脚404と対側脚405(ショートレッグ)は、分岐406においてメインボディ部分402から分岐し、分岐406から近位方向へ延びる。同側脚404は近位自己拡張部材407で近位方向に終わり、対側脚405は近位自己拡張部材408で近位方向に終わる。
グラフトのメインボディ部分402は、拡張または展開状態にあると、およそ10mm〜およそ40mm、特におよそ15mm〜およそ30mmの範囲の横方向の寸法を有していてもよい。グラフト401の脚404、405は、拡張または展開状態にあると、およそ5mm〜およそ16mm、特におよそ8mm〜およそ14mmの範囲の横方向の寸法を有していてもよい。グラフト401のメインボディ部分402は、およそ2cm〜およそ12cm、特におよそ4cm〜およそ8cmの範囲の長さを有していてもよい。
第2遠位自己拡張部材411は、すでに考察したグラフト実施例のように、グラフト401のメインボディ部分402の遠位端412に配置される。また、本願明細書で考察したエンドバスキュラーグラフトの実施例のように、グラフト401は、他の機能内でもとりわけグラフト401用の支持を提供する、膨張チャネルと膨張カフを有していてもよく、さらに、膨張チャネルと膨張カフは、他の構成と同様に、本願明細書で考察された他のグラフト実施例の膨張チャネルおよびカフと同じまたは同様の構成を有していてもよい。遠位膨張カフ413は、メインボディ部分402の遠位端412に配置される。近位膨張カフ414、415は、それぞれ、同側脚404の近位端416と、対側脚405の近位端417に配置される。膨張チャネル418は、膨張カフ413、414、415を接続する、流体密封導管である。膨張チャネル418と膨張カフ413、414は、同側脚404の近位端416に、またはその近傍に、配置された膨張ポート421を通して膨張可能である。また、膨張ポート421も、対側脚405の近位端417に、またはその近傍に配置されるか、または、必要に応じて、装置の他の部分に配置されてもよい。概して、グラフト401で使用される(グラフト部分と自己拡張部材の両方の)構造と材料は、上で考察した、他のグラフトの実施例の構造と材料と同様であってもよい。1つの特定の実施例では、グラフトのメインボディ部分と脚は、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)で作成され、自己拡張部材はニッケルチタニウム、ステンレススチールなどで作成されている。
第1遠位自己拡張部材422は、図19に示すように、第2遠位自己拡張部材411へ固定される。この構成は、すでに図1〜図6B、図10〜図12、図14〜図16に示す、エンドバスキュラーグラフト11のものと同様である。グラフト11は、いかなる所望の順序でも展開可能な、第1および第2遠位自己拡張部材32、33を有している。第1および第2遠位自己拡張部材を有する特定の実施例では、第1遠位自己拡張部材32の展開に先立って、第2遠位自己拡張部材33を最初に展開することが望ましい。すでに考察したように、最初に第2遠位自己拡張部材33を展開することは、第1遠位自己拡張部材32を展開する前に、操作者が、1〜数ミリメートル以内でボディルーメンか血管内のグラフトの軸方向位置を正確に調整することを可能とする。この技術を用いると、第2遠位自己拡張部材33の展開は、単独で、正常な血流に維持されるべきグラフト位置に対して、グラフト11の軸方向の移動に対する十分な抵抗を提供するが、所望の軸方向位置を達成するよう、操作者による慎重な軸方向の移動がなおも可能である。これは、最遠位または第1遠位自己拡張部材32上に組織穿通部材が含まれているなら、特に重要である。こうした組織穿通部材が第1遠位自己拡張部材32上で使用されるなら、本体ルーメンまたは血管へ損傷を与える危険を冒すことなくこの部材32が展開されると、軸方向の運動は困難または不可能でさえある。こうした場合は、第1遠位自己拡張部材32の展開前の、グラフト11の正確な軸方向の配置は重要な意味を持つ。
加えて、図示されていないが、このグラフト実施例401は、同側脚404および/または対側脚405の一方または双方上に配置された、2つ以上の近位自己拡張部材を含んでいてもよい。これらの自己拡張部材は、第1および第2遠位自己拡張部材411、422のものと同様の構成を有していてもよい。
図23〜図32は、本発明の特徴を有する配送システム400の実施例を示している。図23は、近位端424、遠位端425、および遠位部分426を備えた細長いシャフト423を有する配送システム400を部分断面で示している。近位アダプター427は、細長いシャフト423の近位端424に配置され、さらに、グラフトチャネル418、およびカフ413、414、415を膨張させることを含んでいるグラフト401の解放および展開のために、配送システム400の遠位部分426で、構成要素を操作者が操作することを可能にする制御機器を収容する。細長いシャフト423は、内部管状部材430、および内部管状部材430の周囲に配置された外部管状部材431を有している。概して、外部管状部材431は、内部管状部材430上で、軸方向にスライドするよう構成されている。内部管状部材430の近位端432は、近位アダプター427上へ固定され、または配置される。内部および外部管状部材430、431は、例えば、ポリイミド類、ポリエステルエラストマー(登録商標「HYTREL」)、ポリエーテルブロックアミド(登録商標「PEBAX」)などの高分子材料、および他の熱可塑性プラスチック、およびポリマーから作成されていてもよい。外部管状部材431の外径は、およそ0.1インチ〜およそ0.4インチ、特におよそ0.15インチ〜およそ0.20の範囲であってもよい。外部管状部材431の肉厚は、およそ0.002インチ〜およそ0.015インチ、特に、およそ0.004インチ〜およそ0.008インチの範囲であってもよい。近位アダプター427は、概して、ポリエチレン、アセタール樹脂(登録商標「DELRIN」)などの高分子材料から製造されるが、また、いかなる他の適当な材料からも製造可能である。
分岐したステントグラフト401は、図23〜図28では、抑圧構成において細長いシャフト423の遠位部分426内部に配置されて示されている。外部管状部材431は、状態でグラフト401の周囲に配置されるが、外部管状部材431の近位端433を近位方向へ引き出すことにより抑圧されたグラフト401を露出させるよう、近位方向へ引き出すことができる。図37でより完全に示すように、遠位ノーズピース434は、外部管状部材431の遠位端435に配置可能であり、ガイドワイヤチューブ436から外部管状部材431へ、滑らかな先細りの変遷を形成している。この変遷により、ガイドワイヤ437上の外部管状部材431の追跡を容易にするよう補助する。この滑らかな変遷を形成するために、ノーズピース434は、およそ3:1〜およそ10:1の範囲の、長さ‐主要な直径比(「主要な直径」は、ノーズピースの最大直径として定義される)を有していてもよい。通常、外部管状部材431は、永続的にノーズピース434へ固定されるわけではなく、展開シーケンスの間に、ノーズピース434から引き出されてもよい。二次解放ケーブル438は、細長いシャフトの遠位部分内の開口部から延びている。所望なら、ノーズピース434は、二次解放ケーブル438を受けるよう、溝をつけられていてもよい。
図24は、外部管状部材431内部に配置された内部管状部材430、および内部管状部材430内部に配置されたガイドワイヤチューブ436を示している。ガイドワイヤチューブ436は、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(商標「PEEK」)、または他の適当な重合体などの高分子材料から作成されていてもよく、およそ0.02インチ〜およそ0.08インチ、特におよそ0.035インチ〜およそ0.055インチの範囲の外径を有していてもよい。ガイドワイヤチューブ436の肉厚は、およそ0.002インチ〜およそ0.025インチ、特に、およそ0.004インチから〜およそ0.010インチの範囲であってもよい。
解放ワイヤチューブ441の形の解放部材チューブは、遠位一次解放ワイヤ442の形の、遠位一次解放部材の周囲に配置されている。また、解放ワイヤチューブ441は、近位一次解放ワイヤ443の形の近位一次解放部材の周囲に配置されている。解放部材チューブ441と膨張チューブ444の双方は、内部管状部材430の内部ルーメン445内へ配置されている。解放ワイヤチューブ441の外径は、およそ0.01インチ〜およそ0.05インチ、特に、およそ0.015インチ〜およそ0.025インチの範囲であってもよい。解放ワイヤチューブ441の肉厚は、およそ0.001インチ〜およそ0.006インチ、特に、およそ0.002インチ〜およそ0.004インチの範囲であってもよい。
膨張チューブ444の外径は、およそ0.02インチ〜およそ0.10インチ、特に、およそ0.04インチ〜およそ0.08インチの範囲であってもよい。膨張チューブ444肉厚は、およそ0.002インチ〜およそ0.025インチ、特に、およそ0.003インチ〜およそ0.010インチの範囲であってもよい。
図25では、注封部分446は、内部管状部材430の遠位端448の内側表面447と、解放ワイヤチューブ441と、ガイドワイヤチューブ436と、膨張チューブ444との間に配置されている。注封部分446は、外部管状部材431が近位方向へ引き出されると抑圧グラフト401および注封部分446へ露出される体液から、内部管状部材430の内部ルーメン445をシールする。注封部分446は、接着剤、熱成形プラスチック、エポキシ、金属、または他の適当ないかなる注封材料からも作成可能である。代替的に、チューブ441、436、444の通路を収容するよう、成形されまたは機械加工されたプラグが、ルーメンを伴って、内部管状部材の遠位端へ接着され、または付着されてもよい。
細長いシャフト423の遠位部分426のより詳細な図は、図26〜図30に部分断面で示されている。ガイドワイヤチューブ436の遠位部分451は、一次ベルト支持部材452として働き、グラフト401のメインボディ部分402および同側脚404の内部に配置されている。代替的に、一次ベルト支持部材452は、グラフトメインボディ部分402および同側脚404に隣接して配置されていてもよい。二次ベルト支持部材ハウジング453は、一次ベルト支持部材45へ固定されている。二次ベルト支持部材454として働く、ガイドワイヤチューブまたは他の細長い部材の追加長は、ハウジング453の適切に構成されたルーメン455内部へスライド可能に配置される。二次ベルト支持部材454は、図26では、グラフトメインボディ部分402および対側脚405の内部に配置された形で示されている。しかしながら、二次ベルト支持部材454は、また一次ベルト支持部材452が、メインボディ部分402および同側脚404に隣接して配置されているか、または内部に配置されているかに拘わらず、対側脚405に隣接して配置されていてもよい。
二次ベルト支持部材ハウジングルーメン455および二次支持部材454の断面は、相対的な回転運動をすることなく相対的なスライドを可能にするよう、単一で、または組み合わせて鍵をかけられてもよく、それにより、二次支持部材454と対側脚405のいかなる捻じれも制限する。二次ベルト支持部材454は、ニッケルチタニウム、ステンレススチールなどの合金、またはポリイミドなどの高分子材料などから作成されていてもよく、およそ0.01インチ〜およそ0.06インチの範囲の外部横寸法を有することができる。
近位一次ベルト456は、図26では、同側脚404の近位自己拡張部材407の周囲に配置され、それを半径方向へ抑圧する形で示されている。この近位自己拡張部材407は、筒状(他の構成を有していてもよい)として示されているブッシング457の周囲に、順番に配置される。ブッシング457は、同側脚404の近位自己拡張部位407に隣接して、一次ベルト支持部材452へ固定される。
第1遠位一次ベルト458は、第1遠位自己拡張部材422(これ自体は、筒状ブッシング461の周囲に配置されている)の周囲に配置され、それを半径方向へ抑圧する。第2遠位一次ベルト462は第2遠位自己拡張部材411の周囲に配置され、それを半径方向へ抑圧しており、第2遠位自己拡張部材411は筒状ブッシング463の周囲に配置されている。
二次ベルト464は、対側脚405の近位自己拡張部材408の周囲に配置され、それを半径方向へ抑圧する。この近位自己拡張部材408は、形が筒状のブッシング465の周囲に配置されている。
本発明の他の実施例のように、ベルト456、458、462、464は、通常、弾性変形を伴わない高歪み、高強度、および生体適合性の独特な組み合わせを示す合金である、ニッケルチタニウムから作られている。しかしながら、ステンレススチールなどの他の金属合金、または炭素、登録商標「KEVLAR」、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどの高強度ファイバー、または同様のものを含む、他のいかなる適当な材料も使用可能である。ベルト456、458、462、464の外部横寸法または直径は、およそ0.002インチ〜およそ0.012インチ、特に、およそ0.004インチ〜およそ0.007インチであってもよい。
近位一次解放ワイヤ443の遠位部分466は、抑圧状態で、同側脚404の近位自己拡張部材407を解放可能な形で固定するよう、近位一次ベルト456の終端ループ468の内部へ配置される。近位一次ベルト456は、フープ状の構成の、自己拡張部材407の周囲に配置されてもよい。近位自己拡張部材407は、解放可能な形で固定されたベルト456上へ、外向き半径方向の圧力を加える。一次近位解放ワイヤ443は、本発明の他の実施例に関して説明されたのと同じ方法での一次近位解放ワイヤ443の近位方向への引き出しにより、ベルトが解放可能となるよう、近位一次ベルト456の終端ループ468内部で軸方向に可動である。
同様に、遠位一次解放ワイヤ442の遠位部分471は、第2遠位自己拡張部材411を半径方向へ抑圧する、第2遠位一次ベルト462の終端ループ472内部に配置されている。第2遠位一次ベルト462は、第2遠位自己拡張部材411の周囲に、フープ構成に形成され、さらに、第2遠位自己拡張部材411は、第2遠位一次ベルト462上へ外向き半径方向力を与える。遠位一次解放ワイヤ442は、近位一次解放ワイヤ443に関して上で考察したように、さらに、本発明の他の実施例に関して上で考察したように、半径方向の抑圧を解放可能とするために、第2遠位一次ベルト462の終端ループ472内部で軸方向に可動である。遠位一次解放ワイヤ442の遠位部分471は、また、第1遠位一次ベルト458の終端ループ473内部に配置され、同様の方法で、第1遠位自己拡張部材422を半径方向へ抑圧する。
遠位一次解放ワイヤ442と、近位一次解放ワイヤ443は、2つの分離した構成要素として示されているが、解放ワイヤ442、443は、上の図7Iに示す分岐解放ワイヤ150などのように、単一の解放部材内へ結合可能である。分岐解放ワイヤは、ワイヤの様々な分岐長の適切な構成により、所望される順序で複数のベルトを解放可能である。図7Iに参照番号156により示されるように、ベルトの終端ループを超えて延びる、解放ワイヤの相対量は、ベルト解放のタイミングを制御する。代替的に、単一の解放ワイヤは、遠位および近位一次ベルト456、458、462の双方と係合してもよい。この単一の解放ワイヤ150が近位方向へ動かされるにつれて、第1遠位一次ベルト458は最初に解放され、続いて、第2遠位一次ベルト462が解放され、その後、近位一次ベルト456が解放される。
二次解放ワイヤ475の形の二次解放部材の遠位部分474は、対側脚405の近位自己拡張部位408を半径方向へ抑圧する、二次ベルト464の終端ループ476内部に配置される。対側脚405の近位自己拡張部材408は、自己拡張部材408が抑圧構成であると、外向き半径方向力を二次ベルト464へ与える。二次解放ワイヤ475は、二次ベルト464の終端ループ476内部で、軸方向に可動である。
二次解放ワイヤ475の近位端477は、アクチュエータハブ478へ固定されている。解放ストランド481はアクチュエータハブ478へ固定され、さらに、二次ベルト支持部材454に取り付けられ、さらに、二次ベルト支持部材454の近位端483にある穴482を通ってループとなるように、図26の実施例における一例として示されている。二次ベルト支持部材454の近位端483を通って輪になった、解放ストランド481の両方の部分は、図27に示すように、解放ストランドチューブ485の内部ルーメン484に入る。解放ストランドチューブ485は、外部管状部材431の遠位端435内の開口部486を通り抜ける。解放ストランド481は、任意のフィラメント状の糸またはワイヤ、金属の、重合体の、または別の、本願明細書に説明される操作に適したものが含まれ得る。また、所望なら、それは編組または撚線でもよい。解放ストランド481は、ePTFEのフィラメント状の糸で作られていてもよい。
他の実施例に関して上で考察したように、解放ワイヤ442、443、475は、概して、ステンレススチールなどの生体適合高強度合金から作られているが、他の任意の適当な材料からも作成可能である。例は、ニッケルチタニウムなどの他の金属合金、炭素、高分子材料、その合成物などの非金属のファイバー、および同様のものを含んでいる。上で考察したように、解放ワイヤ442、443、475の直径と剛度は、ベルト456、458、462、464の直径と剛度に関して重要となり得る。
ベルト456、458、462、464の終端ループ468、472、473、476の構成は、配送システム400と配達される装置の、特定の実施例に合うよう変えることができる。例えば、図7C〜図7Hは、分岐した装置の配送システムに適する、様々なベルトと終端ループの構成を示している。図7Cを参照すると、ベルト112、114は、抑圧構成からのベルトの展開および解放の後に、ベルト112、114のたるみまたは絡みを減少させる傾向を持つ撚線構成を有するのが示されている。加えて、図7Cは、ベルト112、114が線125と作る角度αを示している。1つの実施例では、ベルト112、114は、この角度がおよそ90度であるような、非拘束状態では、実質的に互いに平行となろう。また、異なる断面積(または、横寸法)を有する終端ループを有するベルトを使用するのも望ましい。例えば、図7Eは、解放ワイヤ24により拘束された終端ループ81’、81”を示している。ループ81”内部に配置されたループ81’の横寸法と材料に応じて、ループ81’の弾性変形は、解放ワイヤ24が近位方向へ引き出されると、解放処理を妨げることになりかねないことが判明している。したがって、ループ81’は、断面積または横寸法が、ループ81”のものより実質的に小さな材料から作られているのが望ましい。特定の例では、ループ81’は、およそ0.003〜およそ0.005インチの直径を有するニッケルチタニウムワイヤで作成されており、さらに、ループ81”は、およそ0.005〜およそ0.007インチの直径を有する同じ材料から作成されている。
膨張ポート421は、グラフト401の同側脚404の近位端416から、近位方向へ延びている。膨張ポート421は、保有ワイヤ488などのような、保有機構により膨張チューブ444の遠位端487へ結合され、その操作は、上で考察した保有ワイヤ285の類似した実施例と同じまたは同様であってもよい。通常、保有ワイヤ488は、膨張ポート421から配送システム400の近位アダプター427へ、近位方向へ延びている。膨張チューブ444の遠位端487は、図23、図26、図31に示すように、保有ワイヤ488の近位端491上で引くことにより、膨張ポート421から係脱させることができる。保有ワイヤ488は、重合体、ステンレススチール、ニッケルチタニウム、他の合金または金属、または複合材料などの材料から作成された、小さな直径のワイヤであってもよい;本発明の特定の実施例では、保有ワイヤ488は、様々な適当なスプリング材料で形成されたスプリングであってもよい。代替的に、保有ワイヤ488は、編組または撚線構成を有していてもよい。
図31は、本発明の実施例での使用に適した、近位アダプター427を示している。近位アダプター427は、一次解放ワイヤ442、443、ガイドワイヤチューブ436、保有ワイヤ488、および解放ワイヤチューブ441の近位方向の末端を収容する。近位アダプター427は、解放ワイヤチューブ441の近位端494と、保有ワイヤ488の近位端491を収容する膨張材料ルーメン506と流体連通した内部ルーメンを有した第2側部アーム499とを固定する、内部ルーメン493を備えた第1側部アーム492を有している。近位アダプター427は、第1側部アーム492上にネスト状構成で配置された、遠位一次解放ワイヤハンドル495および近位一次解放ワイヤハンドル496を有している。近位一次解放ワイヤ443の近位端497は、近位一次解放ワイヤハンドル496へ固定されている。遠位一次解放ワイヤ442の近位端498は、遠位一次解放ワイヤハンドル495へ固定されている。この構成により、操作者が、遠位一次解放ワイヤ442の展開または起動の前に、うっかり、近位一次解放ワイヤ443を展開させ、または起動させてしまい、望ましくないグラフト401展開順序をもたらしかねないのを防止する。
ガイドワイヤチューブ436の近位端501は、注封部分503を有する、近位アダプター427の中央アーム502内部へ固定されている。シールド504は、ガイドワイヤルーメンの周囲をシールし、流体の逆流を防止するため、中央アーム502の近位端505へ配置されてもよい。中央アーム502の注封部分503は、注入されたいかなる流体も、近位アダプター427または内部管状部材430の内部の膨張材料ルーメン506へ流入するのを防止する。近位アダプター427の他の機能と機構は、図1および図17に示し、上で考察した、近位アダプター42、323のものと同じ、または同様であってもよい。
図32は、配送システム400のベルト支持部材アセンブリ507を示している。二次ベルト支持部材454の遠位端508は、一次ベルト支持部材452へ固定された二次ベルト支持部材ハウジング453内部へ、スライドして配置されている。第2遠位一次ベルト462は、一次ベルト支持部材452(この実施例では、ガイドワイヤチューブ436)へ固定され、さらに、任意の第2遠位一次スタンドオフ511を通って、そこから半径方向へ延びている。同様の任意の第1遠位一次スタンドオフ512、近位一次スタンドオフ513、および任意の二次隔離チュー514は、それぞれ、第1遠位一次ベルト458、近位一次ベルト456、および二次ベルト464上に配置されている。
概して、図1〜図18のこれらの実施例に関して、本願明細書で考察した様々な機構と構成要素は(例えば、解放ワイヤ、自己拡張部材、ベルト、膨張ポート、およびチューブ、ガイドワイヤチューブ、スタンドオフ、近位アダプターおよびその関連構成要素、様々な構成要素の各々のための材料および寸法などの様々な実施例の詳細を含めて)、図19〜図32に示され、かつ本願明細書で考察されるように、本発明の分岐実施例でも使用可能である。
使用に際しては、分岐体内装置、特に分岐グラフト401の配送のための配送システム400は、上で考察した配送システムと同様に操作可能である。図33は、概して、患者の心臓515、大動脈516、および腸骨動脈517の生体構造を示している。大動脈は、心臓515から延びて、患者の体の腹部へと下降する。動脈瘤518は、腎動脈519のすぐ下の大動脈516内に位置している。大動脈516は、動脈瘤の下の、左右の腸骨動脈517に分岐し、その後、腸骨動脈は大腿動脈520となる。
本発明の配送手順の1つは、図34に表された手順に対して、第1ガイドワイヤ530を、大腿動脈内のアクセスホール531内、右大腿動脈532へ配送し、さらに、腸骨動脈517を通って遠位方向へ進め、さらに、患者の大動脈516へ入れることで開始する。鞘なしでのアクセスが使われるかもしれないが、概して、大腿動脈532へのアクセスは、標準の鞘および套管針キットで実行される。本願明細書に説明され、図34〜図52に示された手順は、右の大腿動脈532で開始されているが、同じ手順は、方向付けが逆にされた状態で、左の大腿動脈533で実行可能であることに留意すべきである。血管拡張薬は、すでに考察したように、この時点で、任意に患者に投与されてもよい。また、所望なら、血管拡張薬は、この手順内で後に投与可能であるが、グラフト401へ膨張材料を導入するステップの前または同時であるのが好ましい。
第1ガイドワイヤ530は動脈瘤518を横切って位置決めされ、その後、第2ガイドワイヤ534が、同側または右大腿動脈532へ導入され、腸骨517内へ誘導され、その後、図35に示すように、対側または左大腿動脈533内へ引き戻される。その後、第2ガイドワイヤ534の遠位端535は、左大腿動脈533のアクセスホール537を通して挿入された、スネア536または同様の装置により捕らえられる。その後、第2ガイドワイヤ534の遠位端535は、同じ左大腿動脈アクセスホール537を通して、左大腿動脈533から取り出されてもよく、図35に示すように、左右の大腿動脈アクセスホール537、531を通して、各腸骨動脈517を通り抜ける、連続した長さのワイヤを提供する。
第2ガイドワイヤ534が左大腿動脈533のアクセスホール537を出ると、管状カテーテル538は、図36に示すように、右大腿動脈532のアクセスホール531から出てボディから外側へ延びるよう、左大腿動脈アクセスホール537を通して、第2ガイドワイヤ534上に進められてもよい。これは、左右の腸骨動脈517の間に連続した導管を提供する。管状カテーテル538の遠位端541を、右大腿動脈532内のアクセスホール531から延ばし、その後、二次解放ケーブル438の遠位端542は、図37に示すように、第2ガイドワイヤ534の近位端543へ取り付けられてもよい。平易さのために、二次解放ケーブル438は、例えば、図37〜図40では、単一ストランドとして概略的に示されている。しかしながら、「二次解放ケーブル」という用語は、グラフトの展開を補助するよう使用される、本発明の単一または複数構成要素の形体を網羅している。例えば、本願明細書に表された実施例では、二次解放ケーブル438は、例えば、図26に関連して、上で考察した、解放ストランド481と解放ストランドチューブ441の組み合わせを表している。この組み合わせの他の変形形態は、本発明の範囲内である。
その後、第2ガイドワイヤ534は、二次解放ケーブル438が、その後、管状カテーテル538を通って右腸骨動脈から左腸骨動脈へ延びるよう、図37の矢印544により示された方向へ、左大腿動脈アクセスホール537から、管状カテーテル538の外へ引き出される。その後、管状カテーテル538は、図38に示すように、右大腿動脈532のアクセスホール531から左大腿動脈533のアクセスホール537へ、左右の腸骨動脈517を通って延びる二次解放ケーブル438を残して引き出されてもよい。第1ガイドワイヤ530は、動脈瘤518を横断する位置に留まっている。
その後、配送システム400は、図39に示すように、第1ガイドワイヤ530上のアクセスホール531を通して、患者の右大腿動脈532内へ進む。ケーブル438のたるみを排除し、ケーブル438のもつれを防止するなどの目的で、配送システム400が動脈瘤518の近傍へ進められるにつれて、二次解放ケーブル438へ張力を適用するのが望ましい。二次解放ケーブル438の張力は、挿入中に配送システム400が捻じれないようにする補助にもなる。
図37A〜図37Bは、ノーズピース434に隣接して、または、概して配送システム425の遠位端の近傍に配置可能な、任意のマーカーバンドを示している。また、こうしたマーカーバンド551は、例えば、遠位ノーズピース434の一部として組み込まれているような形で、配送システム400と一体化されていてもよい。有用なマーカー551は、図37Aに示すように、配送システム400の外形を増加させないもの(すなわち、配送システム400の直径を大きくしないもの)であり得る。図37A〜図37Bの実施例は、上で考察した実施例でも使用可能であるが、本実施例で有用である。こうしたマーカーは、操作者が、配送システム400を捻じれることなく導入するのを補助するよう使用可能である。
例えば、図37Aのマーカー実施例551は、X線透視検査などの下で目視可能な、適切なX線不透過材料(例えば、プラチナ、金など)などで作られた、簡単な不連続なリングの形状の、マーカー本体552を含んでいる。リングの断面は、X線透視検査の下で、断面が切れ目553の近傍に見られるように、非対称であってもよい。操作者は、X線透視検査の下でリング552がどのように提供されているかにより、配送システム400が歪んでいるかどうかを見分けることができる。代替的に、リング552は連続していてもよいが、同じ目的に有用である、ノッチ、または同様の切抜きが施されていてもよい。
図37Bの実施例554は、こうしたマーカーの例である。ここでは、ノッチ555と2つの丸穴556の双方は、配送システム400のノッチまたは他の部分の上に配置された場合に、その方向付けを容易に決定するために、マーカー本体557を切り取っている。例えば、2つの丸穴556がX線透視装置の視野に対して整列されている方向付けでは、ユーザは、三角形の左側に単一の丸穴を、または、マーカー554の側面にV字形の切抜き555を見ることになる。縦軸の周りの装置400の角度の(そして、その結果として、マーカー554の)方向付けにより、2つの丸穴556と切込み555の外観は変化する。装置が、中央の縦軸554Aに沿うこの方向付けから90度時計回りに捻じられると、例えば、円556はほとんど視界から消え、さらに、側面のノッチ555は、概して、左右対称のダイヤモンド形として視野前部に現れることになる。これらの見え方を比較すると、ユーザは、配送システム400全体がおよそ90度捻じられているのが分かることになる。そのため、同じ方向付けを保つことは、こうしたマーカー554でより簡単に実現される。
図37A〜図37Bの各実施例では、ノッチ553、555、穴556、他の切れ目の形状の変形形態、個数、方向付け、パターンおよび位置は、様々なマーカー本体の寸法、断面の形状などと同様に、配送システム400の角度の方向付けが、ユーザにより、X線透視技術、または同様の撮像技術の下で、容易に決定可能となるよう、マーカー551、554が構成されている限り、実現される。
配送システム400は、図40に示すように、配送システム400の遠位端425が、グラフト401が配置される位置の向こう、または遠位方向に配置される形で、展開処理を開始するのに適当な位置に位置決めされる。この位置により、二次ベルト支持部材454の近位端483は、患者の脈管構造からの機械的な干渉を受けることなく、横方向へ移動可能となる。横方向移動のためのこうしたクリアランスは、図44に示されている。
細長いシャフト423の遠位部分426と、エンドバスキュラーグラフト401が位置決めされると、展開処理が開始される。最初に、外部管状部材431の近位端433を、内部管状部材430に対して引くことにより、外部管状部材431が近位方向へ引き出される。内部管状部材430の位置が、展開の前に、抑圧分岐グラフト401の位置を決定するよう、内部管状部材430は、安定軸位置に維持されねばならない。外部管状部材431が引き出されると、抑圧分岐グラフト401が露出され、図41により詳細に示すように、追加的なたるみが二次解放ケーブル438に形成される。
代替的に、本発明のいくつかの実施例において、様々な異なる構成要素が外部管状部材431に置換されてもよい。配送システム400が脈管構造に導入された後に、例えば、遮壁、コルセット、マミー‐ラップ、または他のカバーが、抑圧グラフト401を露出するために、解放され、または作動されてもよい。
図41の矢印563により示されたように、張力を、解放ストランド481の双方の長さ561、562に適用することにより、二次解放ケーブル438のたるみは除かれる。代替的実施例では、長さ561、562がそれぞれ遊離終端を有し、そのそれぞれが操作者により操作されるように、解放ストランドは連続していない。張力が、解放ストランド481の双方の長さ561、562に適用され続けるのに従って、二次ベルト支持部材454は、図42の矢印564により示されたように、二次ベルト支持部材ハウジング453内部で近位方向へスライドし始める。二次ベルト支持部材454は、全てのたるみが、図41に示すグラフト401の対側脚405の、軸方向に圧縮されたか、または折り畳まれた部分565から取り除かれ、さらに、一次および二次ベルト支持部材452、454が、概して図43に示すように、二次ベルト支持部材ハウジング453に対して方向づけられるまで、近位方向へスライドされる。二次ベルト支持部材ハウジング453に対する二次ベルト支持部材454の回転運動は、図28〜図28Bに示すように、部材454の非円形または非対称断面より防止される。これは、対側脚405が、展開中に、グラフト401または配送システム400の他の構成要素と、捻じれるか、または縺れてしまうことを防止する。
展開前に、グラフト401が配送システム400内部で抑圧状態である間の、対側脚405の全てまたは一部の軸圧縮により、2つの近位自己拡張部材407、408の軸位置を、互いから軸方向にオフセットすることが可能になる。代替的に、異なる長さを有するグラフト脚404、405が、配送システム400内部で自己拡張部材407、408が重なり合うのを防止するよう使用可能である。重なり合う自己拡張部材407、408の断面外形または面積は、概して、グラフト401の脚404、405の隣接する高分子材料部分のものより大きいので、重なり合いを排除するのが望ましい。自己拡張部材407、408は、通常、金属または金属合金で作成されており、抑圧状態であっても筒状構成を維持する。脚404、405の高分子材料、またはグラフト401のメインボディ部分402は、対照的に、比較的柔らかく、可鍛性があり、抑圧されるいかなるルーメンの形にも合致可能である。配送システム400内部の単一の軸位置で収縮状態にある、互いに隣接した近位自己拡張部材407、408の双方を配置することは、ほぼ円形の断面を有する2つの物が、他の円形ルーメン内部に配置されている構成を必要とすることになる。こうした構成は、配送システム400のその軸位置の内部で、かなりの量の無駄な、または未使用の断面積を生成し、結果的に、可撓性を減少させ、近位自己拡張部材407、408が軸方向にオフセットされる、配送システム400より大きな断面をもたらすことになる。
図44の矢印567によって示された間隙566により、二次ベルト支持部材454の近位端483と、二次解放ワイヤアクチュエータハブ478が、腸骨動脈分岐569の竜骨568からの機械的な干渉を受けることなく、横方向へ動くことを可能にしている。間隙566は、患者の特定組織、および手順の特定の情況に応じて変化可能である。
対側脚405と、二次ベルト支持部材454の横方向への運動は、図44の矢印571によって示されたように、解放ストランド481の双方の長さ561、562上へ張力を加えることにより実行される。一次ベルト支持部材452から遠ざかるこの動きにより、図44に示すように、二次ベルト支持部材454が、右腸骨動脈572との整列から、左腸骨動脈573との整列へ変遷することが可能になる。
グラフト401の同側脚404と、グラフト401の対側脚405が、それぞれ、左右腸骨動脈572、573と整列したなら、その後、図45に示すように、細長いシャフト423の遠位部分426と分岐グラフト401を、展開のための所望位置へ配置し直すために、配送システム400は、図45の矢印574によって示されたように、近位方向へ引き出されてもよい。
本発明の管状グラフト11の実施例の配置について上で考察したように、腹部大動脈516内でグラフト401を展開するときには、各腎動脈519の近位方向へまたは下部へ、それらの重大な閉塞を防止するために、グラフトメインボディ部分402の遠位端403が導入されているのを確実にすることは、概して望ましい。しかしながら、グラフト401の遠位自己拡張部材411、422は、患者の組織と動脈瘤518の位置に応じて、腎動脈519の片方または双方の小口575に部分的に、または完全にかかってもよい。しかしながら、腎動脈519の小口575が、グラフトメインボディ部分402の遠位端403によりブロックされないのを確実にするのは望ましい。すでに考察したように、操作者をグラフト配置処理中に誘導することを補助するために、配送システム400とグラフト401自体のいずれか一方または双方で、様々な撮像マーカー551、554が使用可能である。
適切な位置決めの後に、第1および第2遠位自己拡張部材411、422が展開可能である。操作者は、最初に、ネジを外し、または、他の方法で、図31に示すように、第1側部アーム終端キャップ578の外側ネジ部577から、遠位一次解放ワイヤハンドル495のネジ部576を取外す。次に、遠位一次解放ワイヤハンドル495は、近位方向へ引き出され、これにより、図46の矢581によって示すように、遠位一次解放ワイヤ442は順番に近位方向へ引き出される。遠位一次解放ワイヤ442の遠位端582は、第1遠位一次ベルト458および第2遠位一次ベルト462の終端ループ472、473を通り抜け、終端ループ472、473が解放され、患者の大動脈516の内側表面583と接触するよう、外向き半径方向に自己拡張するために、第1遠位自己拡張部材422および第2遠位自己拡張部材411を解放する。第1および第2遠位一次ベルト458、462は、一次ベルト支持部材452へ固定されたまま残っており、完全展開した後に、結局、配送システム400と共に、患者から引き出される。
第1および第2遠位自己拡張部材411、422が拡張し、大動脈516と接触すると、グラフトメインボディ部分402の遠位端403が、自己拡張部材411、422と共に開き、「吹流し」効果でのグラフト本体部分402の遠位端403内への血液の流れから、グラフト重合体材料部分を開くのを促進する。結果的に、第1および第2遠位自己拡張部材411、422が、大動脈516と接触するために拡張すると、グラフトメインボディ部分402および脚404、405は膨張し、または拡張し、一方、グラフト401の脚404、405の近位端416、417は、図46に示すように、同側および対側脚404、405の近位自己拡張部材407、408の抑圧構成に起因して、抑圧されたまま残る。この点で、グラフト401を通して、またはその周りに、通常、部分的な、または制限された血流が存在することになる。
その後、分岐グラフトは、膨張チャネル418と膨張カフ413、414、415が、分岐グラフトメインボディ部分402と、同側および対側脚404、405が、臨床パフォーマンス基準と合致するのに必要な、シール要件および他の構造的要件に合致する十分なレベルまで満たすまで、任意に、膨張チューブ444および膨張ポート421を通して、膨張材料により膨張される。本発明の代替的実施例に関して後に説明されるように、近位および遠位自己拡張部材407、408がそれぞれ展開される前に、グラフト401を膨張させることは、脈管構造が捻じられるか傾けられる組織に有用である。
次に、同側脚404の近位自己拡張部材407が展開される。第1および第2遠位自己拡張部材411、422の展開は、近位一次解放ワイヤハンドル496を露出させ、操作者がアクセスできるようにする。近位一次解放ワイヤハンドル496のネジ部分584は、ネジを外され、または別の方法で、第1側部アーム終端キャップ578の内側ネジ部分585から取外される。その後、近位一次解放ワイヤハンドル496は、図47に示すように、同側脚404の近位一次ベルト456および近位自己拡張部位407を展開するよう、近位方向へ引き出すことができる。
図48は、二次ベルト支持部材454の近位端483の拡大図を表している。対側脚405の近位自己拡張部位408は、対側脚405の近位端417へ固定されている。近位自己拡張部材408は、二次ベルト464により半径方向に抑圧され、それにより、終端ループ476は、二次解放ワイヤ475の遠位端587により解放可能な形で抑圧される。二次解放ワイヤ475の近位端477は、アクチュエータハブ478で終わり、アクチュエータハブ478へ固定される。解放ストランドは、アクチュエータハブ478と、二次ベルト支持部材454の近位端483内のアパーチャーまたは穴482を通るループへ固定される。上で考察したように、解放ストランド481の一部は、二次解放ケーブル438を形成するよう、解放ストランドチューブ485内部に配置される。
解放ストランド481の第1長561および第2長562が、共に、二次解放ケーブル438の近位端588から一緒に近位方向へ引かれると、解放ストランド481のループにされた遠位端542が、アクチュエータハブ478を移動させることなく、二次ベルト支持部材454の近位端483上を引くので、引く力の全体は、二次ベルト支持部材454の近位端483上に付与される。
対側脚405の近位自己拡張部位408の展開が所望されていると、操作者は、解放ストランド481の第1長561のみに、近位方向への張力を加え、それにより、アクチュエータハブ478から近位方向へ延びることになる。こうした張力の方向は、図48で矢印591により示されている。この近位方向の張力を加えることにより、アクチュエータハブ478は、アクチュエータハブ478へ固定された二次解放ワイヤ475のように、近位方向へ動かされる。対側脚405の近位自己拡張部位408は、二次解放ワイヤ475の遠位端587が二次ベルト464の終端ループ468を通ると、二次ベルト464により、近位自己拡張部材408上の半径方向の抑圧を解放するように展開される。半径方向の抑圧を解放すると、近位自己拡張部材408は、図49に示すように、左腸骨動脈573の内側表面592と接触するよう拡張する。対側脚405の近位自己拡張部位408が拡張されると、その後、操作者は、二次ベルト支持部材454を(図50に示すように)ハウジング453から引き戻し、さらに、それを患者の脈管構造から左大腿動脈アクセスホール537を通して取り除くよう、解放ストランド481の双方の長さ561、562に張力を加えることができる。
図51は、二次ベルト支持部材601が、ラッチワイヤ603の引き戻しにより、一次ベルト支持部材602から取外される、ベルト支持部材アセンブリ600の代替的実施例を表している。概して、図51の実施例の配送システム604の他のすべての特徴は、上で考察した配送システムと同じであってもよい。しかしながら、図51に示す実施例は、二次ベルト支持部材601を、一次ベルト支持部材602に対して軸方向へスライド可能にしないことに留意すべきである。こういうものとして、この実施例は、実質的に長さが等しくない脚を有するグラフトを配送し、および展開するよう使用するのが望ましい。さもなければ、近位自己拡張部材が軸方向にオフセットされた場合、二次ベルト支持部材601は、二次ベルト(図示せず)を展開し、および解放する前に、一次ベルト支持部材602から取外されなければならない。
別の構成(図示せず)では、同様の保有またはラッチワイヤ603は、図43の二次ベルト支持部材ハウジング453などのように、二次ベルト支持部材454とハウジング内の整列されたアパーチャーを通り抜ける。一次ベルト支持部材452に対する、二次ベルト支持部材454の直線的および回転的運動は、ワイヤ603が、ハウジング453から取り除かれる部材454を解放しながら引き戻されるまで防止される。通常、アパーチャーは、保有ワイヤ603が、アパーチャーを通り抜けるときの回転角を最小にするよう、それが設けられた部材の表面に対して、一定の角度(およそ45度など)で配置されている。保有ワイヤは、近位自己拡張部材411、422の一方または双方のための、一次近位解放ワイヤとして二重になっていてもよい。
図52は、配送システム609を患者の脈管構造から取り外す前に、二次ベルト支持部材607が横方向へ移動させられ、一次ベルト支持部材608と平行な位置へとロックされる、代替的なベルト支持部材アセンブリ606を示している。図52の実施例の配送システム609の他の全ての特徴は、上で考察した配送システムと同じであってもよい。使用中は、全ての自己拡張部材が展開された後に、図52の矢印612によって示されたように、二次ベルト支持部材607の近位端611と患者脈管構造との間の間隙を実現するよう、配送システム609は、図52の矢印610によって示されたように、患者の脈管構造内へ遠位方向に進められる。その後、図52でも矢印615によって示されたように、二次ベルト支持部材607を、強制的に横方向へ移動させるよう、抑圧リング613は、矢印614によって示されたように、近位方向へ引き出される。一次ベルト支持部材608と実質的に平行になるよう、二次ベルト支持部材607が横方向へ完全に引き出されてしまうと、その後、配送システム609は、患者の脈管構造から引き出し可能である。
予め充填されていないなら、分岐グラフト401は、その後、管状グラフト実施例11に関して説明した膨張材料により膨張される。
説明した全ての実施例では、管状と分岐の双方の膨張は、概して、シリンジまたは他の適当な機構など1つ以上の装置を経由した、圧力制御環境または体積制御環境下での膨張材料の挿入または注入により実現される。
例えば、圧力制御技術の1つの実施例では、膨張材料の体積は、最初に、配送システム400内(この時点で、グラフトを含んでいるが、膨張チューブ444を含んでいてもよい)へ注入される。膨張材料の特定の所望の体積は、例えば、膨張および重合体グラフト材料の組成および性質、展開されるグラフト401のサイズ、グラフト401が内部へと展開される血管またはルーメンの直径、グラフト401の構成(管状または分岐など)、グラフト中央本体402と(存在しているなら)脚404、405の機構、および手順中の状態(温度など)を含む、いくつかの要因に依存する。
その後、操作者は、膨張シリンジなどの圧力制御装置を、膨張チューブの近位アダプター427の注入ポート621へ付着させ、さらに、しばらくの間、配送システム400とグラフト401へ圧力を加える。これは、予め導入された充填材料が、グラフト401に入り、さらに、それを所望の圧力レベルまで充填するのを確実にするのに有用である。
有用な圧力制御のアプローチは、それぞれがしばらくの間、こうした一連の定圧アプリケーションに関係していることを見出した。例えば、グラフト401は、最初に、およそ5秒〜およそ5分間、好ましくは3分以上の間、およそ5psi〜およそ12psi以上のあるレベル、好ましくは、およそ9psiで圧力を加えられる。充填手順中に、流動および装置の任意のモニタリングは、適切な充填を確実に行うのを補助するために使用可能である。こうしたモニタリングは、充填材料がX線不透過であるなら、例えば、X線透視検査または他の技術の下で実現可能である。
その後、充填プロトコルは、完了してもよく、または、およそ5秒〜5分以上の範囲、好ましくは、およそ1分の追加的期間の間、圧力がおよそ10psi〜およそ15psi以上の間、好ましくは、12psiへ増加してもよい。グラフト401が必要とするなら、圧力は、適切な充填の効果を得るために、同じ方法で、1回以上の追加回数だけ増加されてもよい。例えば、その後の圧力は、グラフト401が十分充填されると、操作者が満足するのに必要な時間だけ、およそ12〜20psi以上、好ましくは、16psi〜18psiの間で加えられる。
特定の圧力一時間のプロフィールの詳細は、グラフト401の実施例を充填するために、単一の圧力一時間のアプリケーション、または一連のこうしたアプリケーションが使われているか否かと同様に、使用される充填材料の体積に関して、上で考察した要因に依存している;充填材料の特性と組成は、充填プロトコルを最適化するのに重要な意味を持つ傾向がある。例えば、上で説明したように、段付きの一連の圧力一時間の特徴は、物理的性質が時間依存性であり、グラフト401とその配送システム400へ導入後に変化する充填材料が、硬化可能または硬化性材料を含むとき、有用である。
代替的に、体積制御方法は、管状および分岐の双方を含むグラフト11、401の実施例を充填するために利用可能である。ここで、ある量の充填材料は、やはり、上で説明したように、配送システム400に導入される。しかしながら、この方法では、使用した充填材料の体積は、正確に、グラフト401と、膨張チューブ444と、流体がグラフト401へと進む通路にあたる、配送システム400の他のあらゆる構成要素を充填するに足る材料である。操作者は、好ましくはシリンジまたは同様の機構で、膨張チューブ444とグラフト401へ、予定量の充填材料を導入する。正確な量の充填材料は、例えば、シリンジが、配送システム400とグラフト401内へ中身を空けてしまうと、正確に必要な量の充填材料がグラフト401に到達するように、シリンジ内へ入れることで測定可能である。ある期間(この期間は、以前に考察した要因に依存する)の後、シリンジまたは同等物は、近位アダプター427の膨張チューブ444または注入ポート621から取り外され、この手順は完了する。
充填材料をグラフト401内へ移動させる一貫した信頼できる力を導入するために、この体積制御レジームの下で、充填材料を配送システムおよびグラフトへ導入するために、ガスまたは他の流体の加圧型カートリッジは、シリンジの代わりに、使用可能である。これは、シリンジベースの技術を通した充填材料導入の力と速度の変化が、充填プロトコルとグラフト401自体の臨床効果の可能性に影響を与えるチャンスを最小にする。
圧力制御構成および体積制御構成のそれぞれに対して、充填材料の導入(膨張チューブ444か、グラフト401など)に先立って、配送システム400内に存在する、あらゆる空気または他の流体を搾り出すために、任意の圧力軽減システムが含まれていてもよく、それにより、こうした流体を患者の体内へ導入してしまうのを回避する。こうした任意のシステムは、例えば、グラフト401/膨張チューブ444インタフェースの圧力軽減バルブ、および、近位アダプター427で終了して大気に排出される、(例えば、膨張チューブ444に隣接した)配送システム400を通して配置された圧力軽減チューブを含んでいてもよい。
グラフト401が、膨張腸骨動脈が捻じれていたり、または別の方法で傾いていたりする特定組織内で展開されると、1つ以上のグラフト膨張カフ413、414、415のルーメンとチャネル418は、グラフト401のその部分が展開している血管の捻じれに起因して、中程度か大きな角度で曲ったグラフト401の当該部分により、挟みこまれたり、または制限されてもよい。この、カフ/チャネル開通性の減少または削減でさえ妨害となり、時として、適切なカフとチャネル膨張が阻まれる。
加えて、グラフト401メインボディ402および/または脚404、405は、外部管状部材431の初期引き出しや、脈管構造への展開が実行されると、グラフトがその公称直径まで開いてしまう傾向がある、「吹流し」効果に抵抗する。したがって、膨張材料の注入前に、順番に、カフ413、414、415およびチャネル418の不適当な開通性が導かれてしまう。グラフト401が、比較的捻じれたり、傾斜したりした組織に展開されると、吹流し効果が妨害される見込みが大きい;しかしながら、グラフト401(および、グラフト11などの管状グラフト実施例)が比較的捻じれていない組織に展開されると、これはさらに困難となる。
この問題に対処するには、任意の引き綱またはモノフィラメントを膨張チャネル418へ組み入れるのが有効であることが判明した。こうした引き綱510をグラフト同側脚404とメインボディ部分402に沿って走るチャネル418の全てまたは一部分へ予めロードすることにより、以下に詳細に説明するように、グラフトカフとチャネルの有効な膨張を促進する。
ある実施例では、引き綱510は、遠位カフ413から、チャネル418、近位カフ414、および膨張ポート421を通り、さらに、膨張チューブ444を通り、図31Aに示すように、近位アダプター427の第2側部アーム499を通って続いている。可撓性充填カテーテル523は、注入ポート509で、第2側部アーム499の終端へ付着されている。引き綱510は、カテーテル523終点525(注入ポートとして役立ち得る)で、着脱可能なルアータイプのフィッティングまたはキャップ521へ付着された、注入ポート509とカテーテル523を通して延びている。代替的に、カテーテル523の代わりに、フィッティング521は着脱可能な形で、注入ポート509へ直接接続されてもよい。充填カテーテルは、任意の圧力軽減バルブ(図示せず)で妥協してもよい。
使用に際しては、グラフト401が脈管構造内へ展開された後だが、第2側部アーム499を通して膨張材料を注入する前に、操作者は、フィッティング521をカテーテル523から取り外し、さらに、引き綱510を同側グラフトチャネル418と、第2側部アーム499から近位方向に引き、さらに、カテーテル523の終端を通って引き出す。これにより、血管の捻じれや屈曲、吹流し効果の欠如、または他の現象に起因してグラフト401内にある、あらゆるひだ、しわ、または角度にもかかわらず、膨張材料は、装置へ注入されると、チャネル418内に存在する、妨げられていないルーメンを通り過ぎることになる。その後、膨張材料は、本願明細書に説明されるように、第2側部アーム499を通り、チャネル418およびカフ413、414、415内へ注入される。膨張材料は、引き綱510が取り外され遠位カフ413に達した後、残ったチャネル418内のルーメンを通り抜ける。カフ413が充填されると、止血シールが、所望のグラフトの吹流しを促進する、グラフト401の遠位端に作成される。これは、順番に、カフ414、415と、チャネル418と、膨張材料が方向付けされる他のいかなるルーメンの残りの有効な充填も促進する。
引き綱510のための適当な材料には、PTFE、ポリプロピレン、エヌビオン(nVion)などの高分子モノフィラメントがある。また、ステンレススチール、ニッケルチタニウムなどの金属フィラメントも使用可能である。引き綱510の直径は、配送システム断面への影響を最小にするために、チャネル418ルーメンの直径と比べて小さくなければならないが、その取り外しに続いて、膨張材料のチャネル418ルーメンへの適度な流動を可能にする程度の大きさを有しているべきである。引き綱510の直径は、およそ0.005インチ〜0.025インチが、適切であることが判明した;特に、引き綱の直径は、およそ0.015インチが適切である。
代替的に、または、引き綱510に関連して、1つ以上の永久的なモノフィラメントルーメン開通性部材またはビーズは、膨張処理を容易にするために、1つ以上のカフおよびチャネル内へ組み入れられる。単一のビーズを、グラフト同側脚404チャネル418内へ、グラフト対側脚405チャネル418内の引き綱510と共に、組み入れるために有用であることが判明した。
図31Bは、図19の線31B―31Bに沿って切断されたチャネル418のルーメン522内に配置されたビーズ520を有する、対側脚405膨張チャネル418の単純化された断面概略図である。ビーズ520は、チャネル418の一部分のみに、または、グラフト401の他のカフまたはチャネル内に展開されていてもよいが、通常は、近位カフ414から遠位カフ413へ延びている。
チャネル418は図31Bでは、非常に傾斜した腸骨動脈に配置された対側リム405の配置をシミュレートするために、湾曲され、またはページの平面から傾けられて示されている。こうした曲げ力の下では、チャネル418の壁524は、ルーメン開通性部材520上に近づく傾向があり、図3IBに示す領域に閉じ込められるルーメン522のサイズを減少させる。図示したように、ビーズ520により、ルーメン522が、膨張材料の満足のいく通路に対して十分な開通性を失ってしまう点において、ルーメン522が潰れてしまうことを防止する。
ビーズ520は、同じ寸法を有し、引き綱510と同じまたは同様の材料を含んでいてもよい。特に、およそ0.020インチの直径を有するPTFEビーズが、本発明のチャネル418実施例で役立つのが判明した。
本発明のシステム内へ、引き綱510、および/または、1つ以上のルーメン開通性部材520を組み込むと、グラフトカフおよびチャネルが、確実かつ十分に膨張材料で満たされる見込みが高まることが判明した。このコンセプトの実行可能性をテストするように設計された、1つの極端な実験では、対側リムチャネル418内へ配置されたビーズ520を有する分岐グラフト対側脚405は、脚近位端417でノットへ結び付けられている。膨張材料は、圧力制御プロトコルの下で、同側脚膨張ポート421を通して注入される。対側脚チャネル418および近位カフ415を含む、グラフト401の全てのカフおよびチャネルは、充填圧力を正規の水準を超えて増加させることなく、完全に充填される。
引き綱510および1つ以上のビーズ520による(一緒で、または組み合わせでの)利益は、グラフト401が、捻じれたりまたは非常に傾斜したりした組織へ展開されるとき、最も容易に得られるが、これらの構成要素はまた、比較的まっすぐで捻じれていない組織へ展開されるグラフトでも有用である。また、これらは、本発明の管状ステントグラフトでも使用可能である。
ここで、図53へ進むと、分岐グラフト配送システム625および方法の実施例が示されている。この実施例は、解放ケーブル626が展開中に絡んだり捻じれたりする可能性を排除する補助となるよう、内部管状部材628のルーメンからの二次解放ケーブルの制御された引き出しに備えるために調整されている。
図53は、内部管状部材628内に配置されたウエル633を示している。ウエル633は、解放ストランド629を含んでいるが、これは、ウエル633の外側の近位端634でループになり、二次ベルト支持部材636のアパーチャー635を通っており、それは、その遠位端637で第2ガイドワイヤ638へ付着され、または取り付けられている。第2ガイドワイヤ638は、内部管状部材628内部のそれ自体の任意のルーメン639内に配置されたものとして、図53の実施例に示されている。
ウエル633の内部では、解放ストランド629は、図53に示すように、接合部641でそれ自体が折り返すよう方向を変える「Uターン」を形成するよう構成されている。接合部641では、摩擦線642は、解放ストランド629の全体または一部の周囲でループになっている。この摩擦線642は、一方の端642Aがウエル633の底部へ固定され、他の端642Bが解放されている。摩擦線642は、ポリイミドなどの高分子モノフィラメントであるのが好適だが、金属であってもよく、さらに、解放ストランド629と相互作用するのに必要な摩擦特性を得るために、必要に応じて、編組されていてもよい。摩擦線642は、以下に詳細に説明するように、解放ストランド629が、ウエル633から完全に取り外されるまで、展開処理中に、解放ストランド629と相互作用する程度の長さを有している。
使用に際しては、図53の構成は、以下の通り働く。上で考察した、左右大腿骨アクセスホール531、537が作成されると、配送システム625は、患者の脈管構造内へ導入され、それを通って進む。スネアカテーテル643は、上で考察した左大腿動脈アクセスホール537などの左大腿動脈アクセスホール内へ導入される。その後、操作者は、スネア643で、第2ガイドワイヤ638の先端644を捕らえる。図53の実施例では、第2ガイドワイヤ638は、遠位端637で解放へ予め取り付けられて示されている。
ボール捕獲先端638Aまたは同様の部材は、スネアカテーテル643による捕獲を容易にし、血管の内膜への起こり得る損傷を予防するために、任意に、第2ガイドワイヤ638の先端644上に配置されてもよい。加えて、先端638Aは、操作者が手順の間に容易に位置を見つけることができるよう、X線不透過に製造される。形状がボール形であるなら、先端638Aの直径は、およそ0.020インチ〜およそ0.120インチ、特に、およそ0.040インチ〜およそ0.060インチの範囲であってもよい。図示されていないが、先端638Aがアクセスできない場合、操作者へスネアで捕獲する1つ以上の代替部位を提供するために、第2ガイドワイヤ638は、そこから分岐し、それぞれが、先端638Aも含めて先端644と同様の先端または部材を備えた、1つ以上の追加部分を有していてもよい。
任意のルーメン639の上端、および/またはウエル633の上端の、一方または双方へ、傾斜した拡張部分639Aが任意に提供可能である。傾斜した拡張部分639Aは、任意の、適当な重合体またはステンレススチールなどの金属材料で作られていてもよい。図53〜図54に示すように、ルーメン639の上端に配置される拡張部分639Aは、概して、解放ストランド629、653を適切な方向へ誘導し、その結果、スネア643による捕獲を容易にするよう、およそ20度〜およそ120度、特におよそ40度〜およそ95度の間の角度で配置されたスネア643が存在する、動脈へ向かってバイアスされている。
第2ガイドワイヤ638が、左大腿動脈アクセスホール537から、図37の矢印544によって示された方向へ、内部管状部材628の外に引かれると、解放ストランド629は、解放ストランドの遠位端637からその近位端634の方向へ、規則的で直線的な方法でウエル633から送り出される。これは、摩擦線642との物理的なインタフェースにより、「Uターン」または接合部641に作られた力によって可能となる。摩擦推力(これは、例えば、解放ストランド629と摩擦線642の直径とその材料との適切な組み合わせにより、さらに、ウエル633の適切な寸法決定により、調整可能である)は、「Uターン」または接合部641が、ウエル底部633から内部管状部材628の遠位端646へ向かう方向へ、それが外部管状部材628から出るまで、規則的な方法で移動するよう、操作者により加えられた力に対抗する、十分な抵抗を提供する。この時点で、解放ストランド629を規則的に引き出すのを容易するというその目的は達せられたので、接合部641にある残った摩擦線642は不必要となる。操作者は、すでに説明したように、第2ガイドワイヤ638を引き続け、それにより、解放ストランド629が、左大腿動脈アクセスポート537を通って延びる。図53の実施例は、規則的な、もつれのない展開の達成に有用であることが判明した。
代替的に、解放ストランド629が外部管状部材628から、規則的な方法で送り出される、他のいろいろな構成が本発明の範囲内である。例えば、図54〜図56に示すウエル651は、例えば、図53に示す実施例の摩擦線642の必要性を排除する、独特の断面構成を有する、押出重合体部分である。ここでは、狭小化抑圧または間隙652は、図54〜図56に示す解放ストランド653の、第1および第2対向部分654、655の間に物理的障壁を形成する、ウエル内部651の長さにわたっている。抑圧または間隙652は、解放ストランド接合部または「Uターン」656を通る通路を可能にする大きさとなっている。操作者が、解放ストランド653をウエル651から引き出すと、抑圧または間隙652は、解放ストランド653の対向部分654、655が、ウエル651の反対側へ交差することを防止する。前記他の方法は、ウエル651からの解放ストランド653の規則的な引き出しを容易にするよう、抑圧または間隙652が、接合部または「Uターン」656を、その近傍内部に保っている。この実施例では、解放ストランド653は、およそ0.004〜0.010インチ、特に、およそ0.006〜0.007の間の直径を有することができる。間隙または抑圧652は、およそ0.003〜およそ0.009インチ、好ましくは、およそ0.005〜およそ0.006の間であるべきである。
図57に示す、この実施例のさら他の変形形態は、ウエル652内に配置されたポスト661を含んでおり、その周囲には、操作者が、ウエル652の遠位端665から解放ストランド663の遠位部分664を引くと、解放ストランド663がポスト661から規則的な方法で巻きが解かれるような形で、解放ストランド663が巻かれている。ポスト661は、解放ストランド663の退出を容易にするよう、釣り糸のリールスピンナと同様に、任意に、その縦軸で回転するよう構成されていてもよい。
ブロックおよび滑車装置構成(図示せず)などの他の変形形態は、解放ストランド663が、グロメットまたは同様の機構を通してループになっているものと考えられる。グロメットは、操作者がその遠位端へ力を加えるとすぐに、解放ストランド663全体が、1つのかたまりでウエル652から引き出されるのを防止するのに必要な摩擦を提供する。シャフトまたはポスト661からの解放ストランド663の規則的な分配を可能にするために、摩擦力または同様の力が利用されるいかなる構成も、考察される実施例の範囲内である。
図58は、全ての組織で使用可能であるが、特に、捻じれたおよび/または傾斜した組織内へ分岐ステントグラフトを展開する場合に有用な、任意の、ベルト支持部材に対する蝶番を付けられた設計を表している。参照のために、分岐グラフト401はシルエットで表されている。蝶番本体700は、ガイドワイヤチューブ436か一次ベルト支持部材452へ付着されている。一次ベルト支持部材452の一側に配置されたアパーチャー702は、蝶番取付部材704(この実施例では、アパーチャー702を通ってループになり、二次ベルト支持部材454へ固定されているワイヤ)を受けるよう構成されている。アパーチャー702で作成された蝶番により、支持部材454が、図58の矢印708により示された方向に、一次ベルト支持部材452に対して接近乖離するよう旋回することができる。
図58に示すように、アパーチャー702は、グラフトの展開後に、グラフトおよび患者の身体からのベルト支持部材の抜き取りを容易にするよう、二次ベルト支持部材454が存在する反対側の、一次ベルト支持部材452の側部上に配置されている。しかしながら、アパーチャー702はまた、二次ベルト支持部材454のそれのように、一次ベルト支持部材452と同じ側に配置されていてもよく、または部材452の周囲の適当ないかなる方向付けで配置されていてもよい。
解放ストランド710は、二次ベルト支持部材近位端714において、解放ストランド取付部材706へ取り付けられ、他の材料および直径が使用可能であるが、好ましくは、およそ0.004インチ〜0.010インチの直径を有するステンレススチールワイヤである。二次ベルト716は、任意のシリコン管組織711に沿って、支持部材454上に配置されて示されている。
主に、捻じれたまたは傾斜した組織であるが、まっすぐな血管では、対側リム405内には、細長いシャフト423内へロードされる程度のたるみを許容するのが役立つ。こうしたたるみは、対側脚405が、腸骨および/または大腿骨の動脈内の様々な屈曲を通り抜けるのを補助する。角度ΔΘを通り抜けるリム405など、グラフトリムに必要な理想的なたるみの総量ΔIは、以下の方程式により表される:

ΔI=dΔΘ
ここで、「ΔΘ」は、ラジアンで測定された、長さに沿った累積角度変化(リムが通り抜けねばならない角度の絶対値の合計)であり、「d」は、グラフトリムの直径である。
図58の蝶番設計により、必要なたるみの総量ΔIは、シャフト423内にグラフト401をロードするステップ中と、グラフトの展開および配置中の双方に、対側脚405内に維持可能となる。本発明の実施例では、配送用に組み立てられるとき、同側脚404にも、所定の量のたるみが組み込み可能であるのに留意されたい。グラフト401のそれぞれの脚内に所定量のたるみを構成することにより、平均的なグラフト配送手順における、操作者による脚の調整または操作の必要が最小になるように、例えば、最も一般的な患者組織が対象とされることになる。
次いで、グラフト401の展開後、図58の装置は、図59に示すように、グラフトおよび患者の脈管構造から、ガイドワイヤ530上を矢印712の向きへ引き出される。この引き出し中に、二次ベルト支持部材454は、アパーチャー702の周りで、矢印713の向きへ回転し、一次ベルト支持部材452に向かって旋回する。引き出し処理を容易にするよう、後述のように、任意のバトレスが使用可能である。
脈管構造から引き出しを容易にするために、一次および二次ベルト支持部材は、双方ともX線不透過であるのが理想的である。二次ベルト支持部材454および蝶番取付部材704は、操作者が一次ベルト支持部材452を矢印712の方向へ引き戻すとき、グラフト分岐406の周囲のコーナーに、永久的な変形がほとんどまたは全く起こらないように回転させる程度に可撓性でなければならない。
部材452の引き出しにより、二次ベルト支持部材454の近位端714が分岐406の近傍のグラフト壁を取り除くまで、最初に二次ベルト支持部材454が対側リム405から後退することになり、二次ベルト支持部材を、概して平行な関係で一次ベルト支持部材452と整列させ、その後、双方とも同側脚404を通って引き戻され、最終的に、右大腿骨アクセスホール531を通って患者の体内から出るよう、蝶番をさらに作用可能にする。解放ストランド710は、二次ベルト支持部材454に続いて本体から出る。
図59A〜図59Bは、二次ベルト支持部材454の回転を単一平面に制限する、この蝶番設計の変形形態を表している。ここでは、蝶番本体732は、一次ベルト支持部材452の遠位部分451へ固定して配置され、オフセット鍔付ピン734または同様の要素を含んでいる。ピン734は、二次ベルト支持部材454の遠位端508と蝶番本体732を貫くアパーチャー736内に配置されている。この構成では、二次ベルト支持部材454は、任意のフランジ738によりピン734へ回転可能な形で固定され、さらに、患者の体内からの配送装置の引き戻しを容易にするよう、ピン734の周囲で矢印740によって示す方向へ自由に回転可能である。ピン734の任意のオフセット機構は、グラフトの展開後に、グラフトおよび患者の体内からのベルト支持部材の引き出しを補助する。
図60は、図58〜図59(または、代替的に図59A〜図59B)の二次ベルト支持部材454上に配置された、グラフト対側脚405の近位端417の部分的断面拡大図である。二次解放ケーブル721の一部分である解放ストランドチューブ718は、解放ストランド710と、二次解放ワイヤ719(これは、対側近位自己拡張部材408の周りに二次ベルト716を保持する)と、任意の対側自己拡張部材シールド724へ、その遠位端722へ固定して取り付けられたシールド線720を収容する。
任意の拡張部材シールド724は、PETまたは同様の高分子材料を含んでいる。シールド724は、近位自己拡張部材408を覆う覆いとして機能し、配送システムアセンブリおよびグラフトの展開中に、同側脚404が自己拡張部材408により損傷を受けることから保護する。さらに、シールド724は、対側自己拡張部材408と同側自己拡張部材407の直接接触を防止し、様々な自己拡張部材構成要素が互いに融合しないよう保っており、さもなければ、もつれ合ってしまう。グラフト同側脚404と自己拡張部材407に対する、グラフト対側近位自己拡張部材408の正確な位置は、いくつかの要因に依存しており、その内の1つは、部材452、454上のグラフト脚404、405内へ組み入れられたたるみの度合いである。
シールド724は、二次解放ワイヤ719の引き出し前に、矢印729によって示された方向へシールド線720を引き出すことにより、取り除くことができ、通常、解放ストランドチューブ718が取り外された後に、左大腿動脈アクセスホール537を通して、患者の体内から完全に取り出される。シールド724が引き出されると、解放ストランド710および二次解放ワイヤ719は、それぞれワイヤアパーチャー728、730を通り抜ける。代替的に、単一のワイヤアパーチャーは、解放ストランド710と二次解放ワイヤ719の双方が通る、シールド724上に配置可能である。
図61〜図63Bは、シールド724により実行される目的を達成するための、代替的構成要素と方法である、任意の同側脚スリーブ800を概略的に表わしている。また、同側脚スリーブ800は、例えば、2002年12月20日に出願された、チョボトフ(Chobotov)他に対する、「高度なエンドバスキュラーグラフト(Advanced Endovascular Graft)」と題された、米国特許出願第10/327,711号(その全体は、参照により本願明細書に組み込まれる)で開示されている、対側脚遠位コネクタ部材など、同側脚グラフト材料を、他のグラフト構成要素によって破損されることから保護している。スリーブ800は、また、特定の配送システムおよびグラフト構成では、対側脚自己拡張部材408により、同側脚404を半径方向の力から解放するのを補助して、同側脚404と、同側近位自己拡張部材407と、あらゆる付加装置構成要素を、さらに半径方向へ圧縮し、一方、分岐ステントグラフト401は、展開前に、配送システム内に配置される。
配送システム400のこの構成では、概して、図61に示すように、グラフト401同側脚404の少なくとも一部分が、任意の保護同側脚スリーブ800により覆われている。同側脚スリーブ800は、様々な構成を呈することができる。例えば、脚スリーブ800は、チューブあるいはカテーテル、生体適合ファブリックあるいは高分子材料のコルセットまたはラッピングなどの単一の覆いか、または、末端を付き合わせた関係の、部分的または完全に互いに共軸構成の複数のチューブなどの、2つ以上の構成要素の複合構造などであってもよい。このために、以下で図61〜図63Bに関連して考察する実施例は、同側脚スリーブ800の多くの実施例のうちの1つであるにすぎない。
スリーブ800の変形形態の1つは、図62に示すように、3つの共軸配置されたチューブ802、806、820を含んでいる。ここで、同側脚スリーブ800は、シャフト内部管状部材430の少なくとも一部分を覆う内部チューブ802、および、グラフト同側脚404を覆うよう、内部チューブ802の外部表面上で、スリップフィットし、または熱収縮した、より適合した、同軸保護チューブ806、を含んでいる。
この実施例では、内部チューブ802は、PEEK、またはいかなる匹敵する材料を含んでいてもよく、理想的には、スリーブ800にコラム剛性を付与し、さらにスリーブ800がシステムの組み立て中や、グラフトの展開中に潰れたり、またはひだになったりするのを防ぐよう、比較的硬い。他の構成も可能であるが、内部チューブ802は、保護チューブ806のみがグラフト同側脚404を覆うよう、脚スリーブ800の長さを遠位端824まで伸ばしていてもよい。
保護チューブ806は、FEP、HDPE、または有用ないかなるフッ素化重合体で作成されていてもよい。チューブ806は、理想的には、内部チューブ802の外部表面上にスリップフィットしている。例えば、保護チューブ806がPEPを含んでいると、それは、既知の技術を用いることで、内部チューブ802上で熱収縮してもよい。
同側脚スリーブ800は、対側脚405に隣接して配置されると、スリーブ遠位端が、いかなる追加構成要素(例えば、米国特許出願第10/327,711号で開示されている対側脚遠位コネクタ部材など)に対しても隣接して遠位であることを含んで、対側脚404自己拡張部材408の最遠位に対して好適に遠位となるよう、同側脚404上で遠位方向へ延びる。
同側脚スリーブ800は、同側脚404の近位端416を越えて近位方向へ延びており、さらに、図61〜図62の簡単化した概略図に示すように、シャフト内部管状部材430の外側表面上に、共軸的に配置される。スリーブ800は、図63A〜図63Bに示す、ナイロンフィッティング810などのフィッティング内のスリーブ近位領域808で終わっているのが好ましい。概して、同側脚スリーブ800の全長は、およそ40cm〜およそ90cm、より好ましくはおよそ50cm〜およそ75cmの範囲である。
図63A、図63Bに示すように、配送システム400内に含まれると、任意のスリーブ800は、シャフトバルブ433Aなどの任意のフィッティングを含み、外部管状部材431の近位端433を越え、近位方向へ延びているが、以下で説明するように、医師に、グリップ領域809を提供するために、十分に近位方向であるのが好ましい。
外部管状部材431が近位方向へ引き出されるグラフト401の展開中に、通常、医師は、一方の手で外部管状部材431を引き出し、他方の手で領域809のスリーブ800の一部分を掴んでいる。こうした場合、可能性を最大にするために、同側脚スリーブ800が外部管状部材431引き出し操作中に、医師の手の中で滑らないのが望ましい。こうした滑らないグリッピングを容易にするために、保護チューブ外部表面に比較的荒いプロフィールを与えるよう、この領域809の保護チューブ806の外部表面は、化学的にエッチングされていてもよい。代替的に、またはこれに加えて、保護チューブ806は、他の適切な生体グレード重合体ほど滑り易くはない傾向を有する、PETなどの材料を含んでいてもよい。他のオプションは、図62に示すように、外部表面822を有する第3チューブ820を含むことである。第3チューブ820は、外部表面保護チューブ806上の同側脚のスリーブ800の一部として、PETなどの材料を含んでいてもよい。第3チューブ820は、熱収縮か別の方法で、保護チューブ806上へ共軸配置されてもよい。
本願明細書に説明されるように、一方の手で同側スリーブ脚800を掴み、同時に、外部管状部材431を内部管状部材430に対して近位方向へ動かすと、医師には、スリーブ800も遠位方向へ押す望ましくない傾向があり、これは、グラフト401への損害の危険を冒すことになる。スリーブ800が、同側脚404の所与の点を越えて遠位方向へ延ばされるのを防止するために、スリーブ800が遠位方向へ押された場合、図62に示すように、止めまたは肩が、内部管状部材430の外部表面に付着されていてもよい。スリーブ800が、矢印832によって示された遠位方向へうっかり動かされると、止め830は、内部チューブ802の遠位端824に接触し、スリーブ800がさらに遠位方向へ動くのを防止する。代替的に、スリーブ800は、スリーブ800の近位端を、配送システムの近位アダプターに取り付ける、繋ぎ縄(図示せず)などを備えていてもよい。
本願明細書に説明され、および図63A、図63Bに示す実施例では、スリーブ800の近位領域808は、その遠位端812に、シャフト外部管状部材431の近位端433内の凹所817と接触し、および/または、共軸嵌合するように設計されたフィッティング810、またはバルブ433Aなどの同様のフィッティングを含んでいる。
グラフト401の展開中に、医師は、外部管状部材431の近位端433を、同側脚スリーブ800に対して(さらに、結果として、内部管状部材430に対して)、かつスリーブ800の外部表面上を図63Aの矢印813によって示されたように引くことにより、外部管状部材431を近位方向へ引き出す。図61〜図63Bの実施例では、外部管状部材431の遠位端435が、医師によって、所望に応じて、対側脚405を近位方向へ片付けられると同時に、または後に、バルブ433Aは、スリーブフィッティング810と接触する。特に、バルブ433Aの近位端に形成された凹所817は、フィッティング810の遠位端812を囲み、脚スリーブフィッティング810の段付表面814は、バルブ433Aの近位表面816と接触する。医師が外部管状部材431を近位方向へ引き込み続けると、ここで、フィッティング810およびスリーブ800は、スリーブ800が同側脚404から取り外されるまで、図63Bの矢印815によって示されたように、外部管状部材431およびバルブ433Aと共に近位方向へ引き込まれる。この時点で、グラフト401の展開は、本願明細書の他の場所で説明されるように、続く。
本願明細書に説明される特定の詳細は、同側脚スリーブ800に対して詳しく説明された目的を達成するための、1つの方法に過ぎない。異なるフィッティングや、異なるスリーブおよび、管状部材の引き出し順序を用いることを含む、この技術の多数の変形形態は、本発明の範囲内である。例えば、同側脚スリーブ800は、外部管状部材431の引き出し前、引き出し中または引き出し後に同側脚404を露出させるために、別々に近位方向へ引き出すよう構成されていてもよい。
上に説明したあらゆる順序と設備を用いる、展開順序の変形形態は、患者の脈管構造が捻じれたおよび/または傾斜した程度を示すとき、特定の臨床設定では適切である。
上で考察した、カフおよびチャネルルーメンの開通性の問題に関係して、分岐グラフト401のような装置を、捻じれたまたは傾斜した組織へ展開するときには、少なくとも2つの追加的問題が存在している。第1に、グラフト対側脚405、および/または、同側脚404の壁により形成された、血流通路のどちらかまたは双方の開通性を維持するよう、より挑戦的になり得る。また、こうした課題は、分岐グラフト401と管状グラフト11の実施例のグラフトメインボディ402により定義された、血流通路内にも存在する。これは、順番に、カフおよびチャネルを膨張材料で適切に満たすことができない形で、カフおよびチャネルルーメンの開通性に否定的な影響を与えかねない。第2に、外部管状部材431は、配送システム400が傾斜した、および/または、捻じれた組織内に配置されると、内部管状部材430に対して近位方向へ引き出すのは、さらに困難となり得る。
図34〜図50に関して考察した配送方法は、グラフトカフおよびチャネルを膨張させるステップに先立って、遠位および近位自己拡張部材を展開するステップが達成されるのを教示する。捻じれたまたは傾斜した患者組織のために役立つ、この展開順序の変形形態は、本願明細書に説明されている、いずれかの配送システムか、またはその構成要素が、この順序の変形形態を使うかも知れないが、以下で、図31A、図31B、図58〜図60の配送システム構成要素に関連して考察されている。
配送手順の間、第1および第2遠位自己拡張部材411、412が解放された後に、操作者は、解放ストランドチューブ718を、大腿骨左アクセスホール537を通して、ボディから取り外す。これにより、解放ストランド710、二次解放ワイヤ719、およびシールド線720が露出される。
次に、シールド線720は、操作者により、シールド724を対側脚近位端417から取り外すために、近位方向729に引かれ、自己拡張部材408を露出することになる。カテーテルなどのような管状部材であるバトレス(buttress)は、残った二次解放ワイヤ719、および解放ストランド710上でネジ切りされ、さらに、それが、二次ベルト支持部材454の近位端483と物理的に接触するまで、遠位方向へ進められる。これにより、解放ワイヤ719を引き出すことにより、自己拡張部材408を展開するのに必要な力と反応するのと同様に、操作者が、グラフト対側脚405を遠位方向へ動かすために使用可能な、比較的硬いコラムを提供する。
次に、操作者は、可撓性充填カテーテル523から、ルアータイプフィッティングまたはキャップ521を取り外し、さらに、チャネル418から引き綱510を取り外す。その後、グラフト401カフおよびチャネルは、すでに説明したように、膨張材料で満たされる。膨張材料がX線不透過か、そうでなければ、生体内で観察可能であるとき、操作者は、グラフトリムの開通性、グラフトカフおよびチャネルの膨張の十分さ、およびグラフト内に存在する、あらゆる折り重なりまたは他の不規則性を決定するために、グラフト401の形状、および様々なカフおよびチャネルを、X線透視方法や他の適当な撮影技術の下で調査し、それらを修正する。X線透視下で観測すると、操作者は、多くの角度から、グラフト401を調査するために、X線透視装置のCアームを調整可能である。
必要なら、さらに、カフおよびチャネルの膨張後(ただし、近位自己拡張部材の展開前)、操作者は、グラフト対側脚を適切な位置へ押す/引くために、それぞれ、バトレスカテーテルおよび/または解放ストランド710の双方を操作可能である。どちらかの方向に微調整することにより、操作者は、グラフト対側脚405内からたるみを取り除き、またはたるみを追加し、さらに、最適のグラフトの配置および開通性を確実にする。操作者の混乱を最小にするために、解放ストランド710、およびステント解放ワイヤ719は、異なる長さか、カラーコード化されるか、フラッグを立てられるか、別の方法でラベルをつけられるか、などでもよい。ステント解放ワイヤ719を解放ストランド710より短くすると、グラフト配送システムの様々な構成要素に対して、操作者に最適の方向付けを維持することを見出した。
操作者が位置、開通性、およびグラフト401の外観に満足すると、二次解放ワイヤ719上に近位方向729への張力を加えることにより、対側自己拡張部材408は展開され、それにより、二次ベルト716が、すでに説明した方法で近位自己拡張部材408を解放する。
同様に、操作者は、次に、本願明細書で説明したように、一次ベルト支持部材452の位置を調整することによりグラフト401の同側脚404の位置を調整し、続いて、同側脚404の近位自己拡張部位407を解放する。
配送装置を引き出すために、ガイドワイヤ530は、ノーズピース434を通して近位方向へ、カフ413の近位点へのガイドワイヤチューブ436内に、部分的に引き出される。これにより、ガイドワイヤ530の、カフ413の適切な膨張との起こり得る干渉を防止する。次に、膨張チューブ444の遠位端487は、すでに考察したように、保有ワイヤ488の近位端491を引くことにより、膨張ポート421から係脱される。その後、必要ならば、ベルト支持部材近位部分483を押すのにバトレスを使用して、操作者は、ガイドワイヤ530上の一次ベルト支持部材452を近位方向へ引き戻し、二次ベルト支持部材454がそれに続く。最終的に、ガイドワイヤ530は、左右大腿骨のアクセスホール537、531を通して取り除かれ、次に、アクセスホールは、従来の技術を用いて修復される。
ここでは我々が有用であることを見出した特定の技術及びステップが説明されているものの、ここに説明された様々な展開ステップの順序及び技術の変形形態が本発明の範囲内にあるのは、当業者にとって明白である。
本発明の特定の形が例証され説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能なことは明白である。したがって、これは、本発明を限定することを意図していない。
本発明の特徴を有する、拡張可能な体内装置の配送システムの実施例を示す部分断面正面図である。 図1の線2−2に沿って切断された、図1の配送システムの横断面図である。 図1の線3−3に沿って切断された、図1の配送システムの横断面図である。 図1の線4−4に沿って切断された、図1の配送システムの横断面図である。 図1の線5−5に沿って切断された、図1の配送システムの横断面図である。 図1の配送システムの部分断面拡大正面図である。 ベルトブッシングの図を見やすくするために切除した、グラフトと自己拡張部材の部分を伴う、図1の配送システムの部分断面拡大正面図である。 本発明の特徴を有する解放ベルト構成を示す斜視図である。 解放ベルトの代替的実施例を示す斜視図である。 解放ベルトの代替的実施例を示す端面図である。 図7Cの実施例の斜視図である。 解放ベルトの終端ループ間の特定カップリング構成の拡大図である。 部分的に切除された、解放ベルトの終端ループの特定実施例の斜視図である。 解放ベルトの代替的実施例の斜視図である。 解放ベルトの代替的実施例の斜視図である。 分岐解放ワイヤの代替的実施例を示す斜視図である。 解放ベルトの代替的実施例を示す端面図である。 自己拡張部材を抑圧する、図7Jの解放ベルト構成の代替的実施例を示す横断面図である。 解放ワイヤが図7J〜図7Kの代替的解放ベルトの実施例と共に用いられるところに形成された、接続の細部である。 2つのベルトによりベルトをかけられ、自己拡張部材に対する位置で解放ワイヤにより頭頂部または頂点へ固定された、自己拡張部材の一部分の概略図である。 2つのベルトによりベルトをかけられ、自己拡張部材に対する位置で解放ワイヤにより頭頂部または頂点へ固定された、自己拡張部材の一部分の概略図である。 図1に示す近位アダプターの部分断面正面図である。 患者の心臓、大動脈、腸骨動脈、大腿動脈、および、大腿動脈および大動脈内部に配置された、本発明の特徴を有する配送システムを示す、患者の身体の線図である。 拡張可能な体内装置が動脈内部で展開されている、患者の動脈内部に配置された、本発明の特徴を有する配送システムの線図である。 拡張可能な体内装置が動脈内部で展開されている、患者の動脈内部に配置された、本発明の特徴を有する配送システムの線図である。 拡張可能な体内装置が動脈内部に展開されている、患者の動脈内部に配置された、本発明の特徴を有する配送システムの拡大線図である。 エンドバスキュラーグラフトの膨張チューブと膨張ポートとの間の接続の部分断面正面図である。 本発明の特徴を有する拡張可能な体内装置用配送システムの実施例を示す部分縦断面正面図である。 図14の線15−15沿って切断された、図14の配送システムの横断面図である。 図14に示す配送システムの部分断面拡大正面図である。 図14に示す配送システムの近位アダプターの部分断面正面図である。 ネスト化ハンドル構成を伴う、図14に示す配送システムの、近位アダプターの代替的実施例の部分断面正面図である。 本発明の実施例による、配送および展開に適した、分岐したステントグラフトの正面図である。 図19の線20−20に沿って切断された、図19のステントグラフトの横断面図である。 図19の線21−21に沿って切断された、図19のステントグラフトの横断面図である。 図19の線22−22に沿って切断された、図19のステントグラフトの横断面図である。 本発明の特徴を有する配送システムの実施例の部分断面正面図である。 図23の線24−24に沿って切断された、図23の配送システムの横断面図である。 図23の線25−25に沿って切断された、図23の配送システムの横断面図である。 図23の配送システムの遠位部分の拡大図を示す部分断面正面図である。 図26の線27−27に沿って切断された、図26の配送システムの横断面図である。 図26の線28−28に沿って切断された、図26の配送システムの横断面図である。 図28に示すものと同様の機能を有する配送システムの、二次ベルト支持部材の代替的実施例の横断面図である。 図28Aの二次ベルト支持部材の代替的実施例の正面図である。 図26の線29−29に沿って切断された、図26の配送システムの横断面図である。 図26の線30−30に沿って切断された、図26の配送システムの横断面図である。 図23の配送システムの近位アダプターの部分断面正面図である。 任意のリップコードおよび可撓性を有する充填カテーテルを示す、図23の配送システムの近位アダプターの部分断面正面図である。 図19の線31B−31Bに沿って切断されたチャネルルーメン内に配置された、ビーズまたはルーメン開通性部材を有する、湾曲し、または傾斜した、対側脚膨張性チャネルのより簡潔な断面概略図である。 図23の配送システムの遠位部分でのベルト支持部材アセンブリの斜視図である。 分岐している大動脈,腸骨動脈および大腿骨動脈を含む、患者の体内脈管構造の一部を示す図である。 図33に示す患者の腹部大動脈領域の拡大図であり、右腸骨動脈からの大動脈内に位置決めされたガイドワイヤを示している。 図33に示す患者の腹部大動脈の拡大図であり、図23の配送システムを伴う、図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の最初を示す図である。 図33に示す患者の腹部大動脈の拡大図であり、図23の配送システムを伴う、図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の2番目を示す図である。 図33に示す患者の腹部大動脈の拡大図であり、図23の配送システムを伴う、図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の3番目を示す図である。 ノーズピース付近の配送システムの遠位部分上に配置されたマーカーの斜視図である。 本発明の配送システムでの使用のためのマーカーの代替的実施例の斜視図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の1番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の2番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の3番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の4番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の5番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の6番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の7番目を示している。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の8番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の9番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の10番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の11番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の12番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の13番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の14番目を示す図である。 図19の分岐したエンドバスキュラーステントグラフトの展開順序の15番目を示す図である。 配送カテーテルからの解放ストランドの、規則的で、もつれることのない引き出しを容易にするようにウエルが提供された、代替的カテーテルの遠位シャフト構成を示す図である。 配送カテーテルからの解放ストランドの、規則的で、もつれることのない引き出しを容易にするようにウエルが提供された、代替的カテーテルの遠位シャフト構成を示す図である。 配送カテーテルからの解放ストランドの、規則的で、もつれることのない引き出しを容易にするようにウエルが提供された、代替的カテーテルの遠位シャフト構成を示す図である。 配送カテーテルからの解放ストランドの、規則的で、もつれることのない引き出しを容易にするようにウエルが提供された、代替的カテーテルの遠位シャフト構成を示す図である。 配送カテーテルからの解放ストランドの、規則的で、もつれることのない引き出しを容易にするようにウエルが提供された、代替的カテーテルの遠位シャフト構成を示す図である。 さらなる代替的ベルト支持部材、及び、対側脚配送システムの構成および動作を示す図である。 さらなる代替的ベルト支持部材、及び、対側脚配送システムの構成および動作を示す図である。 さらなる代替的ベルト支持部材、及び、対側脚配送システムの構成および動作を示す図である。 分岐グラフト同側脚を、他のグラフトおよび配送システムの構成要素による損傷から保護するための、任意の同側脚スリーブ実施例を示している。 分岐グラフト同側脚を、他のグラフトおよび配送システムの構成要素による損傷から保護するための、任意の同側脚スリーブ実施例を示している。 分岐グラフト同側脚を、他のグラフトおよび配送システムの構成要素による損傷から保護するための、任意の同側脚スリーブ実施例を示している。 分岐グラフト同側脚を、他のグラフトおよび配送システムの構成要素による損傷から保護するための、任意の同側脚スリーブ実施例を示している。

Claims (40)

  1. 分岐体内装置のための配送システムにおいて、
    近位部分と遠位部分とを有する細長いシャフトを有しており、
    上記遠位部分が、
    分岐体内装置の少なくとも一部分の内部に配置されるよう位置決めされた、細長い一次ベルト支持部材と、
    本装置を少なくとも部分的に抑圧するために、分岐体内装置の周囲に配置される形で構成された、一次ベルト支持部材へ固定されている、少なくとも1つの一次ベルトと、
    抑圧構成において、一次ベルト支持部材に係合し、解放可能な形で固定するよう構成された一次解放部材と、
    細長い一次ベルト支持部材に隣接して配置される、少なくとも1つの細長い二次ベルト支持部材と、
    本装置を少なくとも部分的に抑圧するよう、分岐体内装置の周囲に配置されるように構成された、二次ベルト支持部材へ固定されている、少なくとも1つの二次ベルトと、
    抑圧構成において、二次ベルトに係合し、解放可能な形で固定するよう構成された二次解放部材と、を備えている配送システム。
  2. 一次ベルト支持部材が細長い管状部材で、分岐体内装置が抑圧状態の分岐エンドバスキュラーグラフトである、請求項1の配送システム。
  3. 一次ベルト及び二次ベルトが、それぞれ、第1終端と第2終端を有するワイヤ長を含んでおり、前記第1および第2ワイヤ終端が、それぞれ、一次ベルト支持部材と二次ベルト支持部材へ固定されている、請求項1の配送システム。
  4. 一次ベルト及び二次ベルトの片方または双方が、第1および第2対向終端を有し、第1対向終端が第2対向終端とは異なる断面積を有する、請求項1の配送システム。
  5. 第1および第2対向終端が、それぞれ、終端ループを形成している、請求項4の配送システム。
  6. ワイヤが、ニッケルチタニウムを含んでいる、請求項3の配送システム。
  7. 解放部材が、それぞれのベルトの対向ループ終端内部に、可動な形で配置された解放ワイヤを含んでいる、請求項1の配送システム。
  8. 抑圧構成のベルトが、細長いシャフトの縦軸と実質的に直交する平面を形成している、請求項1の配送システム。
  9. 少なくとも2つのベルトが、単一解放部材により解放可能な形で構成されている、請求項1の配送システム。
  10. 複数の一次解放部材を含み、少なくとも2つの一次解放部材の近位端がカラーコード化されている、請求項1の配送システム。
  11. 複数の一次解放部材を含み、一次解放部材の近位端が、複数のベルトに所望される展開順序に対応した配送システムの近位端において、直線的で空間的な構成となっている、請求項1の配送システム。
  12. 複数の一次解放部材が、ネスト状構成で配置された、遠位一次解放ワイヤハンドルおよび近位一次解放ワイヤハンドルを含んでいる、請求項11の配送システム。
  13. 一次解放部材が分岐解放ワイヤを含んでいる、請求項1の配送システム。
  14. 一次ベルト支持部材へ固定された二次ベルト支持部材ハウジングをさらに含み、二次ベルト支持部材がハウジング内部を軸方向に動くよう構成され、また、ハウジングおよび二次ベルト支持部材がそれらの間の相対的な回転運動を防止するよう構成されている、請求項1の配送システム。
  15. 分岐グラフトのための配送システムにおいて、
    近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトを有しており、
    上記遠位部分は、
    メインボディ部分,同側脚および対側脚をその上に有する分岐グラフトを配置した部分と、
    上記メインボディ部分と同側脚の内部に配置された、細長い一次ベルト支持部材と、
    一次ベルト支持部材へ固定され、さらに、分岐グラフトの周囲に配置され、グラフトの少なくとも一部を抑圧する、少なくとも1つの一次ベルトと、
    抑圧構成において、一次ベルトへ解放可能な形で固定された一次解放部材と、
    対側脚に隣接して配置された、少なくとも1つの二次ベルト支持部材と、
    二次ベルト支持部材へ固定され、さらに、分岐グラフトの周囲に配置され、グラフトの少なくとも一部を抑圧する、少なくとも1つの二次ベルトと、
    抑圧構成において、二次ベルトを解放可能な形で固定する二次解放部材と、を備えている配送システム。
  16. 対側脚の近位端へ固定された第1近位自己拡張部材と、同側脚の近位端へ固定された第2近位自己拡張部材を追加的に含み、ここで、脚が異なる長さを有し、さらに、グラフトが配送システム内部で抑圧状態にあるときに、第1および第2近位自己拡張部材が、互いから軸方向にオフセットされる、請求項15の配送システム。
  17. 対側脚の近位端へ固定された第1近位自己拡張部材と、同側脚の近位端へ固定された第2近位自己拡張部材を追加的に含み、ここで、脚が実質的に同じ長さを有し、さらに、グラフトが配送システム内部で抑圧状態にあるときに、第1および第2近位自己拡張部材が、互いから軸方向にオフセットされる形で、脚のうちの1つが軸方向に圧縮されるか、または折り畳まれる、請求項15の配送システム。
  18. 一次ベルトが、分岐グラフトメインボディ部分の遠位端に配置された、遠位自己拡張部材を抑圧する、請求項15の配送システム。
  19. 遠位自己拡張部材が管状ステントである、請求項16の配送システム。
  20. ステントが、一次ベルトの少なくとも一部分を受ける周辺溝を含んでいる、請求項17の配送システム。
  21. 一次ベルトと二次ベルトが、それぞれ、第1終端と第2終端を有する少なくとも1つのワイヤ長を含んでおり、前記第1および第2ワイヤ終端が、それぞれ、一次ベルト支持部材と二次ベルト支持部材へ固定されている、請求項15の配送システム。
  22. 一次ベルトと二次ベルトが、異なる直径を有する対向終端ループを持つ、少なくとも1つのワイヤ長を含んでいる、請求項15の配送システム。
  23. ワイヤが、ニッケルチタニウムを含んでいる、請求項21の配送システム。
  24. 解放部材が、それぞれのベルトのループにされた対向終端内部に、可動な形で配置された解放ワイヤを含んでいる、請求項15の配送システム。
  25. 抑圧構成のベルトが、細長いシャフトの縦軸と実質的に直交する平面を形成している、請求項15の配送システム。
  26. 少なくとも2つの一次ベルトが、同じ解放部材により解放可能に構成されている、請求項15の配送システム。
  27. 一次ベルト支持部材がガイドワイヤチューブを含んでいる、請求項15の配送システム。
  28. 遠位部分が、グラフトが抑圧状態にある間、グラフトの周囲に配置された外部保護鞘をさらに含んでいる、請求項26の配送システム。
  29. 同側脚を対側脚からシールドする手段をさらに含んでいる、請求項15の配送システム。
  30. エンドバスキュラーグラフトを患者の脈管構造内の目標位置に配送すると共に、エンドバスキュラーグラフトを該目標位置で展開するように構成されたエンドバスキュラーグラフト配送システムにおいて、
    管状のグラフト本体部、遠位自己拡張部材、及び第2自己拡張部材を含み、遠位自己拡張部材が、第2自己拡張部材とグラフト本体部の遠位側に配置されると共に、遠位自己拡張部材の支柱上に配置された1個以上の返しを有するエンドバスキュラーグラフトと、近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトと、エンドバスキュラーグラフト配送システムの近位部に配置されて、遠位自己拡張部材を展開するように構成された第1ハンドルと、エンドバスキュラーグラフト配送システムの近位部に配置されて、第2自己拡張部材を展開するように構成された第2ハンドルとを備えるエンドバスキュラーグラフト配送システム
  31. 患者の脈管構造内の目標位置への配送中に抑圧状態のエンドバスキュラーグラフトを覆うと共に、エンドバスキュラーグラフトを露出するように近位方向に引き出されるように構成された外部管状部材を更に備える請求項30のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  32. エンドバスキュラーグラフト配送システムの細長いシャフトが、ガイドワイヤルーメンを更に備える請求項30のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  33. X線透視検査で撮像可能なX線不透過性マーカーを更に備える請求項30のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  34. 遠位自己拡張部材の1個以上の返しが、遠位自己拡張部材の夫々の支柱と一体に形成された返しを備える請求項30のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  35. エンドバスキュラーグラフトを患者の脈管構造内の目標位置に配送すると共に、エンドバスキュラーグラフトを該目標位置で展開するように構成されたエンドバスキュラーグラフト配送システムにおいて、
    管状のグラフト本体部、遠位自己拡張部材、及び第2自己拡張部材を含み、遠位自己拡張部材が、第2自己拡張部材とグラフト本体部の遠位側に配置されると共に、遠位自己拡張部材の支柱上に配置された1個以上の返しを有するエンドバスキュラーグラフトと、近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトと、抑圧されたエンドバスキュラーグラフトの回りに配置され、患者の脈管構造内の目標位置への配送中に抑圧状態のエンドバスキュラーグラフトを覆うと共に、エンドバスキュラーグラフトを露出するように近位方向に引き出されるように構成された外部管状部材と、エンドバスキュラーグラフト配送システムの近位部に配置されて、遠位自己拡張部材を展開するように構成された第1ハンドルとを備えるエンドバスキュラーグラフト配送システム
  36. 細長いシャフトが、ガイドワイヤルーメンを更に備える請求項35のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  37. X線透視検査で撮像可能なX線不透過性マーカーを更に備える請求項35のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  38. 遠位自己拡張部材の1個以上の返しが、遠位自己拡張部材の夫々の支柱と一体に形成された返しを備える請求項35のエンドバスキュラーグラフト配送システム
  39. エンドバスキュラーグラフトを患者の脈管構造内の目標位置に配送すると共に、エンドバスキュラーグラフトを該目標位置で展開するように構成されたエンドバスキュラーグラフト配送システムにおいて、
    グラフト本体部、及びグラフト本体部の遠位側に配置された遠位自己拡張部材を含むエンドバスキュラーグラフトと、近位部分と遠位部分を有する細長いシャフトと、エンドバスキュラーグラフト配送システムの近位部に配置された第1ハンドルであって、第1ハンドルを作動することによりエンドバスキュラーグラフトを部分的に展開するように構成された第1ハンドルと、エンドバスキュラーグラフト配送システムの近位部に配置されて、エンドバスキュラーグラフトの遠位自己拡張部材を展開するように構成された第2ハンドルとを備えるエンドバスキュラーグラフト配送システム
  40. エンドバスキュラーグラフトの遠位自己拡張部材が、患者の脈管構造内の血流によるエンドバスキュラーグラフトの軸方向移動を防止するように、展開状態で患者の脈管構造の組織に係合するように構成された1個以上の返しを備える請求項39のエンドバスキュラーグラフト配送システム
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