JP2007517939A - キトサンをその酸性溶液から回収するための簡易法 - Google Patents
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Abstract
ある塩析塩の混合物を含有する塩析したキトサンポリマーの組成物、並びにその作製方法及び使用方法が開示される。これらの方法で作製されたキトサンポリマー調製品は、実質的にキトサナーゼ、望ましくない塩及び過剰な酸を含まず、且つその生理学的特性並びに生物学的特性及び物理化学特性を保持している。本発明のキトサン調製品は、薬物又は食品サプリメントの形態での生物学的に活性なキトサンの調剤に有用である。これら調製品の多くは、胃のような水性酸性環境に容易に溶解する。
Description
関連出願の相互参照
本願は、2004年1月6日出願の米国仮出願第60/534,436号の優先権を主張する。
本願は、2004年1月6日出願の米国仮出願第60/534,436号の優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための簡易法に関する。より詳細には、本発明は、塩の添加によりキトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。
本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための簡易法に関する。より詳細には、本発明は、塩の添加によりキトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。
発明の背景
キトサンは、キチンの脱アセチル化型であって、N−アセチル−2−アミノ−β−D−グルコースの線状ポリマーであり、高含量のアミノ及びヒドロキシル官能基を含有する。このポリカチオン性ポリマーは、通常、甲殻類及び昆虫の外骨格に由来する天然のキチンの限定加水分解によって商業的に調製される。キチンは、N−アセチル−β−D−グルコサミン(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)モノマー単位で構成されるポリマーであるが、市販のキトサンは、さまざまな分子量のキチンの異種混合物であり、さまざまな範囲で脱アセチル化されている。
キトサンは、キチンの脱アセチル化型であって、N−アセチル−2−アミノ−β−D−グルコースの線状ポリマーであり、高含量のアミノ及びヒドロキシル官能基を含有する。このポリカチオン性ポリマーは、通常、甲殻類及び昆虫の外骨格に由来する天然のキチンの限定加水分解によって商業的に調製される。キチンは、N−アセチル−β−D−グルコサミン(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)モノマー単位で構成されるポリマーであるが、市販のキトサンは、さまざまな分子量のキチンの異種混合物であり、さまざまな範囲で脱アセチル化されている。
キトサンは広範な商業用途及び生体医学的応用を有し、それらは分子サイズ及びアセチル化度に関連している。生体医学的応用に関して、キトサンのコレステロール低下効率はそのサイズとアセチル化の割合に反比例して上昇することが報告されている(LeHouxら(1993)ラットにおけるキトサンの肝機能への効果。Endocrinology 132:1078−1084;Suganoら(1992)部分的に加水分解されたキトサンのラットにおけるコレステロール低下作用。『キチン及びキトサンの進歩』、Brineら(編集者)、Elsevier、ロンドン、pp.472−478)。他の研究は、25〜50キロダルトン(kDa)のキトサン分子が、胃潰瘍の治療(Itoら(2000)ラットにおけるキチン・キトサン健康食品の抗潰瘍効果。Japanese Journal of Pharmacology 82:218−225)、及び腸内免疫機能の活性化によるモデルマウスの腫瘍増殖防止(Maedaら(2004)肉腫180を有するマウスにおけるさまざまな低分子量キトサンの抗腫瘍効果は腸上皮内リンパ球のナチュラルキラー活性の増加による。Journal of Nutrition 134:945−950)に有効であると報告している。28kDaのキトサン分子は、薬物(医薬品)の制御放出にナノ粒子として使用されている(Chenら(2003)水溶液系におけるリノール酸修飾キトサンの自己会合及びナノ粒子形成のための乳化。Journal of Agriculture and Food Chemistry 51:3135−3139)。低分子量キトサン(LMWC)(約2kDa)は、tubercules、salads及びタバコ種子を保護するための抗真菌薬として農業に使用されている(Beaulieuら(2003)農業におけるキトサンの利用可能性:生長刺激及び植物疾患の生体制御。第9回国際キチン−キトサン会議、モントリオール、ケベック州、カナダ、8月27〜30日)。逆に、400kDaのキトサンは、マウスにおいてピーナッツアレルゲンに対し脱感作するDNAワクチン接種アプローチの好適なビヒクルであることが示されている(Royら(1999)キトサンによる経口遺伝子送達−DNAナノ粒子はマウスピーナッツアレルギーモデルにおいて免疫学的防御を生ずる。Nature Medicine 5:387−391)。これらのわずかな例は、数々のキトサンの利用、及び特定の応用に関するキトサン分子のサイズの重要性を説明している。したがって、キトサンの目標とする応用には、厳密に再現性のある条件下で調製されなければならない、十分特徴付けられた産物が必要であるということになる。
市販のキトサンの分子サイズは、一般に70kDaから1,000kDaを越えるものまでさまざまであり、一方、脱アセチル化の割合は、通常約50〜100%の範囲である。キトサンを生ずるためのキチンの脱アセチル化の割合及びその脱重合は、水性塩基による化学処理の条件の関数である。長時間の処理は、多分散として知られる特性である、より断片化したキトサン分子をもたらす。多分散のキトサン調製品は、先に議論したように、そのサイズ及び脱アセチル化に関連した特性の観察結果によると、あまり望ましくない。
市販のキトサンポリマーの制御酵素加水分解は、低分散で規定の分子量特性を有する産物を作製するために存在する唯一の再現性のある方法である。出発物質(キトサン)の物理的特徴は、酵素による消化条件に影響するため、重要である(サイズ、アセチル化の割合)。市販のキトサンのサイズは多様であり、この特性は、生体医学、農業、化粧品その他の分野における商業的利用のために規定の分子サイズの脱重合キトサンを産生するのに必要な時間に影響する。
キトサナーゼによるキトサンの酵素消化は、多分散度が低いLMWCを再現性よく作製するために使用できる唯一の方法である。キトサナーゼは、キトサンに対する特異性が高い酵素である(Brzezinski(1996)キトサン加水分解に使用する酵素。米国特許第5,482,843号)。キトサナーゼによるキトサンの消化は、弱酸性溶液中で行われる。以下のようないくつかの実験条件を制御する必要がある:
キトサンの更なる脱重合や多分散産物の産生を妨げるために、酵素消化を迅速に止める必要がある。
キトサンの更なる脱重合や多分散産物の産生を妨げるために、酵素消化を迅速に止める必要がある。
消化産物を迅速に、且つ乾燥が容易な固体の形態で、理想的には粉末状で単離するために簡便な手法を採用する必要がある。この考慮すべき事項は、商業目的のために大量の(例えば数百kg)のキトサンを処理すべき場合に非常に望ましい。
消化産物は酵素(キトサナーゼ)を含まない必要がある。
加水分解産物は、生体医学の分野における利用を探求している場合は特に、ヒトの利用に適合させた条件下で単離される必要がある。
加水分解産物は、生体医学の分野における利用を探求している場合は特に、ヒトの利用に適合させた条件下で単離される必要がある。
食品サプリメントとしてキトサンを使用する場合、加水分解産物は、胃のような水性酸性環境で容易に溶解する必要がある。この条件は、酵素消化のために用いられる酸性溶液から、又は他の工程から産物を回収するために使用できる手法の数を制限する。
酸性水溶液からキトサンを単離するために多くの手法が用いられている。最も一般的に用いられる技術は、無機塩基(1例として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)の添加によりpHを上昇させることによってキトサンの溶解性を低下させることである。この手順はそのような溶液からキトサンを沈殿させるには非常に有効であるが、得られる混合物が非常に粘性であり、慣用の分離技術によって沈殿したキトサンを単離することを困難にするという事実に悩まされている。更に、望ましい産物は過剰な塩基を含まないことが必要である。これは、時間がかかり、かなりのキトサンの(機械的な又は溶解による)損失をもたらすアプローチである、非常に強力な洗浄を費やすことでのみ達成することができる。キトサナーゼによる処理でキトサンを加水分解する場合に考慮すべき他の側面は、キトサナーゼが同時に沈殿し、pH処理に対する耐性のために依然として活性であり得る可能性及び/又は沈殿から余分な塩基を取り除いた後の処理産物中に混入物質として残留する可能性である。最重要な更なるポイントの1つは、最終産物が、特に生体医学的目的に使用される場合は、夾雑アルカリを含まない必要があるということである。
水溶液からキトサンを沈殿させる多くの場合効率的な方法は、ポリリン酸(Shuら(2002)薬物制御放出のためのイオンにより架橋されたキトサンフィルムの特性に対する多価リン酸構造の影響。European Journal of Pharmacology and Biopharmacology 54:235−243)又はポリリン酸塩(Chiouら(2003)化学架橋されたキトサンビーズにより水溶液中の色素を吸着させる方法。米国特許出願第20,030,101,521号)の添加にある。キトサンのリン酸塩は水性媒体に不溶である。しかしながら、この方法の主な欠点は、キトサンのリン酸塩は、胃環境のような生理的酸性環境にほとんど溶解しないということである。
更に、キトサナーゼによる処理でキトサンを調製する場合、キトサナーゼ作用を止めるために熱が用いられていることを指摘することは興味深いことである。この場合、熱変性に対するキトサナーゼの固有の安定性により、反応温度を60℃以上に上昇させることが必要である。この温度は、十分に記載され且つ公知のメイラード反応に有利に働く(O’Brienら(編者)(1998)食品及び医薬におけるメイラード反応。王立化学会、ケンブリッジ、英国;Ikan(編者)(1996)メイラード反応。John Wiley&Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州、米国)。この反応は、キトサンの部分的分解及びキトサン分子の1級アミンの反応から生ずる着色産物の産生をもたらす。これらの同じアミノ基がキトサンの生物特性に重要であるため、この反応は非常に望ましくないものである。2つの付加的ポイントは更に興味深い。第1に、熱変性キトサナーゼは、沈殿し、その後のキトサンの(例えば沈殿による)単離工程に持ち越され得る。第2に、熱変性に対するキトサナーゼの部分的な耐性により、その再生及び活性の部分的な回復を可能にし、キトサンが更に消化される可能性を増大させる。
概して、キトサンを化学又は酵素加水分解産物から沈殿及び単離する現行の方法はしたがって適当ではない。商業的利用、特に生体医学的用途に好適なキトサンを高収率で提供する簡便な手法は、最も興味深いものである。アルカリの添加又はキトサンの不溶塩の形成によりpHを上昇させることによって酸性水溶液からキトサンを単離する現行の技術は、これらの要求を満たさない。
したがって、商業的利用、特に、食品及び生体医学産業に関する応用に好適なキトサンを高収率で化学又は酵素加水分解産物から回収するための単純で、信頼性があり、再現性のある方法に関する必要性がある。
混入物質(例えばキトサナーゼ、望ましくない塩)を含まない産物を提供し、ヒトの使用に適合した、水性酸性環境に容易に溶解するキトサンを酸性溶液から回収するための方法に関する必要性もある。
本発明は、これらの必要性及び他の必要性を満たすことを追求する。本明細書は多くの文献を引用しており、文献の内容は本明細書にその全体が援用される。
Beaulieu,C.、Lacasse,S.及びLeclerc,C.(2003)農業におけるキトサンの利用可能性:生長刺激及び植物疾患の生体制御。第9回国際キチン−キトサン会議、モントリオール、ケベック州、カナダ、8月27〜30日。
Brzezinski,R.(1996)Enzyme of use in キトサン加水分解に使用する酵素。米国特許第5,482,843号。
Chen,X.G.、Lee,C.M.及びPark,H.J.(2003)水溶液系におけるリノール酸修飾キトサンの自己会合及びナノ粒子形成のための乳化。Journal of Agriculture and Food Chemistry 51:3135−3139。
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Chiou,M.S.及びLi,H.−Y.(2003)化学架橋されたキトサンビーズにより水溶液中の色素を吸着させる方法。米国特許第20,030,101,521号。
Collins,K.D.及びWashabaugh,M.W.(1985)界面でのホフマイスター効果及び水の挙動。Quarterly Review of Biophysics 18:323−422。
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Kunz,W.、Henle,J.及びNinham,B.W.(2004)‘Zur Lehre von des Wirkung des Salze.’(塩の効果の科学について):フランツ・ホフマイスターの歴史的論文。Current Opinion in Colloid and Interface Science 9:19−37。
LeHoux,J.G.及びGrondin,F.(1993)ラットにおけるキトサンの肝機能への効果。Endocrinology 132:1078−1084。
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Sugano,M.、Yoshida,K.、Enomato,K.及びHirano,S.(1992)部分的に加水分解されたキトサンのラットにおけるコレステロール低下作用。『キチン及びキトサンの進歩』(C.J.Brine、P.A.Sanford及びJ.P.Zikakis、編者)Elsevier、ロンドン、英国 472−478。
発明の概要
したがって、広義では、本発明は、キトサン調製品及びその製造方法に関する。
1つの態様では、本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。1つの態様では、本発明は、食品適合性及び生体医学適合性の無機塩又は有機塩のような塩析塩の添加(例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)によって、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。
したがって、広義では、本発明は、キトサン調製品及びその製造方法に関する。
1つの態様では、本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。1つの態様では、本発明は、食品適合性及び生体医学適合性の無機塩又は有機塩のような塩析塩の添加(例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)によって、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。
1つの態様では、本発明は、無機酸の塩のような塩析物質の添加によりキトサンを酸性溶液から回収するための方法に関する。更なる態様では、本発明は、ヒトの摂取に好適な有機酸の塩の添加によりキトサンを酸性溶液から回収するための方法に関する。塩析塩(及びその組み合わせ)、又はコスモトロピック塩(及びその組み合わせ)、又はコスモトロピック塩とカオトロピック塩との組み合わせの添加は、水分子と添加した塩との再組織化による塩析効果を生じ、溶解したキトサン分子の脱水及び溶液からの沈殿をもたらす。
1つの態様では、塩析反応は非変性条件下で行われる。本発明にしたがい使用され得るpH値の非限定的な例は、約3〜約7(例えば3、3.5、4、4.5、5、4.5、6、6.5、及び7)である。本発明の方法を実施可能な温度の非限定的な例には、約4℃〜約55℃の温度(例えば4、6、8、10、12、14、16、18、20、25、28、30、32、35、38、40、42、45、48、50、52、55℃)が含まれる。より高い温度(例えば60、65、68℃など)又はより低い温度(3又は2℃)も本発明にしたがい使用することができる。簡潔にするために、単位(例えばpH3.2、3.4、5.7、6.8など、及び温度5、7、9、21、22℃など)を明確に記載していないが、それでもなお本発明の範囲内であるとみなされる。
更に、本発明は、キトサンを酸性溶液から回収するための方法に関するものであり、その回収されたキトサンは天然キトサンのイオン電荷や分子サイズのような物理特性を保持している。本発明の方法によって分子量およそ7〜分子量およそ数百kDa以上(例えば300センチポアズ)のキトサンポリマーを沈殿させることができる。本発明に記載の方法は、アセチル化度およそ0%〜アセチル化度およそ少なくとも50%のキトサンポリマーに更に適用される。
更に、本発明は、非粘性で繊維状の外観を有する沈殿したキトサン調製品の産生を可能にする、キトサンを酸性溶液から塩析させる方法に関する。したがって、そのようなキトサン調製品は、限外ろ過、遠心、又は液相から固相を回収する他の公知で通常の方法などの単純な慣用技術を用いて、酸性溶液から容易に回収することができる。
他の態様では、本発明は、キトサナーゼに対してキトサンを選択的に塩析可能な、酵素加水分解物からの精製に好適な酸性溶液からキトサンを回収するための方法に関する。この選択的塩析は、キトサンの更なる加水分解を妨げ、したがって、その多分散性を低下させ、実質的にキトサナーゼを含まないキトサン調製品を生ずる。
更なる態様では、本発明は、無視できる量のキトサナーゼを含有するキトサン調製品に関するものである。本発明は、キトサンを酸性溶液から回収する方法を提供する;その回収されたキトサン調製品は塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、及びカオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物)、及び他の可溶性物質を容易に取り除くことができる。1つの態様では、本発明のキトサン調製品は、少なくとも90%(例えば90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%)の回収レベルを達成する。他の態様では、本発明のキトサン調製品は、少なくとも95%(例えば95、96、97、98、99、100%)の回収レベルを達成する。更なる態様では、本発明のキトサン調製品は少なくとも98%の回収レベルを達成する。
更に、本発明は、酸性溶液からキトサンを精製する方法及びそれから得たキトサンの調製品に関する。そのような精製キトサン調製品はヒト又は動物の食用に好適であり、したがって、生体医学的応用の基準又は食品添加物としての基準を満たす。
1つの態様では、本発明は、さまざまな分子サイズのキトサンの精製方法に関するものである。本発明の方法で得たキトサンは容易に乾燥することができ、その結果として得られる粉末は、胃の酸含有量に類似する塩酸溶液のような低濃度の有機酸及び好ましくは無機酸に容易に溶解する。この特性は、キトサン調製品を食品添加物として用いる場合に非常に好適である。1つの態様では、本発明は、希塩酸溶液に容易に溶解する選択した分子サイズのキトサン調製品にも関する。1つの態様では、この希塩酸溶液は胃の酸含有量を模倣している。
他の態様では、本発明は、実質的に又は完全にキトサナーゼを含まない、ヒトの食用に好適な、胃内のような水性酸性環境に可溶性であり、実質的に沈殿塩(例えば塩析塩)を含まない、キトサン調製品に関する。
本発明の他の利点及び特徴は、例示の目的でのみ提示した以下の具体的態様の非限定的説明を読むことによって更に明らかになるであろう。
特に定義されていない限り、本明細書において使用する科学用語及び技術用語並びに命名は、本発明が属する分野において通常の技術を有する者に一般に理解されるものと同様の意味を有する。
特に定義されていない限り、本明細書において使用する科学用語及び技術用語並びに命名は、本発明が属する分野において通常の技術を有する者に一般に理解されるものと同様の意味を有する。
定義
「1つの」という語の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む」という用語とともに用いる場合、「1」を意味し得るが、「1以上の」、「少なくとも1つの」、及び「1又はそれより多い」の意味とも一致する。
「1つの」という語の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む」という用語とともに用いる場合、「1」を意味し得るが、「1以上の」、「少なくとも1つの」、及び「1又はそれより多い」の意味とも一致する。
本願を通して、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために採用する装置又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために用いられる。一般に、「約」という用語は、10%までの起こり得る変動を設定することを意味する。したがって、値の1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10%の変動は約という用語の中に含まれる。
本明細書及び特許請求の範囲において、「含む(comprising)」(及び含むの他の形態)、「有する(having)」(及び有するの他の形態)、「含める(including)」(及び含めるの他の形態)又は「含有する(containing)」(及び含有するの他の形態)という語は、包括的であり、又は制限がなく、引用されていない追加の要素又は方法工程を排除するものではない。
本明細書において、「精製した」とは、それがもともと存在した組成物の成分から分離された分子(例えばキトサン)を意味する。したがって、例えば、キトサンは自然に見られないレベルまで精製されている。「実質的に純粋な」分子とは、大部分の他の成分(例えば混入物質が30、40、50、60、70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%含まれない)が欠失している分子である。反対に、「粗製」という用語は、それが存在したもともとの組成物の成分から分離されていない分子を意味する(例えばキトサナーゼを含む酸性溶液)。したがって、「分離」又は「精製」という用語は、サンプルの1以上の成分がサンプルの1以上の他の成分から除去される方法を意味する。サンプル成分には、昆虫又は動物(甲殻類などを含む)の外骨格からの抽出物及び市販のキトサン調製品が含まれる。抽出物は、天然供給源にもともと見られる成分の全て又は一部を含んでいてよい。したがって、抽出物は、キトサンの他に、タンパク質(例えばキトサナーゼ)、炭水化物、脂質又は核酸のような他の成分を含んでいてよい。1つの態様では、分離又は精製工程は、サンプル中に存在する他の成分の少なくとも約50%(例えば50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、100%)を所望の成分から除去する。他の態様では、精製工程は、サンプル中に存在する他の成分の、少なくとも約80%(例えば80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%)、更なる態様では、少なくとも約95%(例えば95、96、97、98、99、100%)を所望の成分から除去する。簡潔にするため、単位(例えば66、67...81、82...91、92%....)を体系的に列挙していないが、それでも、本発明の範囲内であるとみなされる。
「酸性環境」、「酸性条件」又は「酸性pHレベル」は、約7より低い全てのpHレベルをカバーすることを意図する。しかしながら、本発明の目的のため、水性酸性環境からキトサンを塩析させるための酸性溶液を意味する場合は、約2〜約6のpHレベルが好ましいpHレベルである。本発明にしたがい使用し得る弱有機酸の非限定的な例には、リンゴ酸及び乳酸が含まれる。使用し得る酸の他の例には、酢酸及び塩素酸(HCl)が含まれる。酢酸、乳酸及びリンゴ酸の場合、好ましい濃度は、量を基準として約5〜10%である。HClの場合、好ましい濃度は約0.2Nである。当然、本発明にしたがい、他の濃度の酸を使用することもできる。
2つの化学物質が反応する場合又は条件が変化した場合(例えば塩の添加、温度変化、溶液の周囲圧又はpHによって)、溶液中で沈殿が起こり、溶液に不溶で、雨又は雪のように溶液と不和状態になる産物を形成する。「沈殿物」は、化学反応又は条件変化(例えば塩析反応)の結果として溶液から分離する固体物質である。沈殿物は多かれ少なかれ微粒子から成り、それが混合物に与える混濁した、乳白色の、ゲル状の、又は粒状の外観によって同定され得る。固体は容器の底に沈むこともあるであろう。
広義では、溶解性という用語は、1つの物質が他の物質に溶解する能力又は傾向として定義される。化合物の溶解性は全体的又は部分的であり、それが取り込まれる溶媒の物理化学特性(例えば温度、圧力、pH、など)に依存してさまざまであり得る。モル溶解度は、溶解する溶質の最大量として、溶液1リットルあたりのモル数で定義される。物質の「溶解性」は、具体的条件下で特定した量の溶媒に溶解する最大量(グラム又はモルで表される)として表すこともできる。
曇り点:本発明の目的では、曇り点は、具体的条件下で(pH、温度、キトサンの分子量、脱アセチル化度、周囲圧及び塩析に用いた具体的な塩)、キトサンが沈殿し始める塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、コスモトロピック塩とカオトロピック塩との混合物、有機酸又は無機酸の塩など)の濃度である。曇り点は、(溶液がもはや均一でない場合、即ち濁ったか混濁した場合)単純な目視検査によって測定することができる。曇り点は、所定条件下(例えば、所定の温度及びpHで所定分子量及びある脱アセチル化度のキトサン)、所定濃度の塩によって沈殿したキトサン量を測定することによる、当該技術分野に周知の、より正確な分析法によって測定することもできる。本発明にしたがい使用し得る分析法には、Muzzarelliによって開発されたCibraconブリリアントレッド3B−A色素を用いる方法(1998)(キトサンの比色定量。Analytical Biochemistry 260:255−257)、Neugebauerらによって公開されたピクリン酸法(1989)(ピクリン酸によるキチン−キトサンのN−アセチル化度の測定。Carbohydrate Research 189、363−369)、信頼性の低い(Hugerthら(1997)カラギーナンとキトサンとの高分子電解質複合体形成に対する電荷密度と立体構造の効果。Carbohydrate Polymers 34 149−156)Curotto及びArosにより記載されたニンヒドリン法(1993)(キトサンの定量及び遊離アミノ基の割合。Analytical Biochemistry 211:240−241)、又はそれらから派生した方法のような比色法が含まれる。本発明にしたがい、例えばキトサンに特異的な抗体の使用に基づいた、当該技術分野に周知の他の方法を用いることもできる(例えば免疫沈降法又は酵素結合免疫吸着測定法(ELISA))。使用可能なキトサン抗体の非限定的な例は、Sorlierら(2003)(抗キトサン抗体の調製及び開発。Journal of Biomedical Material Research 67A:766−774)に提供されている。
カオトロピックという用語はカオス形成性を意味し、生化学では、通常、水中の整然とした水素結合構造を崩壊させる化合物の能力を意味する。この水素結合は、DNA、RNA、タンパク質及び多糖(例えばキトサン)のような生体高分子の2次構造、及び水性媒体でのそれらの溶解性に大いに影響を及ぼす。カオトロピック塩は、水素結合及び疎水性相互作用を破壊することによって構造を減少させる(カオスを増加させる)。カオトロピック塩(不安定化物質)の非限定的な例には、NaClO4、NaSCN、NaNO3及びNaBrが含まれる。反対に、コスモトロピック塩(安定剤)は水分子と強力な相互作用を発揮する。したがって、水分子は、溶質周辺の正常な組織化が減少して溶質が固相で結合できる(即ち沈殿する)程度までコスモトロピック塩イオンの周辺で組織化する。コスモトロピック塩(安定剤)の非限定的な例には、Na2SO4、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム及びNaH2PO4が含まれる。
「塩析」。「塩析」効果は、溶質に代わってイオン周辺で水分子の組織化が増加することによって、溶質の溶解性を低下させる。主として、添加した塩イオンと他の溶解した溶質とのあいだの分子回収のための競合の結果である。高塩濃度では、非常に多くの添加イオンが溶媒和するため、利用可能なバルク溶媒の量が、他の溶質(例えばキトサン)を溶解するには不十分になる。したがって、溶質−溶質相互作用は、溶質−溶媒相互作用よりも強力になる。この塩析効果は、溶質の脱水及び溶液からの沈殿をもたらす(Collins及びWashabaugh(1985)界面でのホフマイスター効果及び水の挙動。Quarterly Review of Biophysics 18:323−422;Cacaceら(1997)ホフマイスター系列:界面現象に対する塩及び溶媒の効果。Quarterly Review of Biophysics 30:241−277;Kunzら(2004)‘Zur Lehre von der Wirkung des Salze’(塩の効果の科学について):フランツ・ホフマイスターの歴史的論文。Current Opinion in Colloid and Interface Science 9:19−37)。このように、中性塩の濃度が高レベルである場合(例えば>0.1M)、多くの場合、タンパク質は沈殿する。溶媒和の低下と反発力の中和はタンパク質を凝集及び沈殿させる。
塩析塩。本発明の塩析塩は、一般に、キトサンに代わってその周囲で水分子の組織化を増加させることにより、キトサンの溶解性を低下させる能力によって特徴付けられる(塩析効果)。したがって、本明細書において、「塩析塩」という用語は、キトサンの脱水及び水溶液からの沈殿を引き起こすあらゆる塩を含めることを意味する(例えば、コスモトロピック塩、その混合物、無機塩又は有機塩、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)。
本明細書において、「塩」という用語は、無機及び/又は有機の酸及び塩基とともに形成された酸性及び/又は塩基性の塩であると理解される。双性イオン(内塩)は、アルキルアンモニウム塩のような四級アンモニウム塩のように、本明細書における「塩」という用語の中に含まれると理解される。他の塩も例えば単離又は精製工程に有用であり得るが、非毒性の医薬的に許容可能な塩が好ましい。
酸付加塩の例としては、限定されるものではないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカン酸塩が挙げられる。
塩基性塩の例としては、限定されるものではないが、アンモニウム塩;ナトリウム塩、リチウム塩、及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン及びt−アミルアミンのようなアルキルアミン、置換アルキルアミン、ベンジルアミンのようなアリール−アルキルアミン、ジアルキルアミン、N−メチル グルカミン(特にN−メチル D−グルカミン)のような置換ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、並びに置換トリアルキルアミン)のような有機塩基を含む塩が挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素として理解される。
本発明を以下の特定の実施例によって更に具体的に説明する。実施例は説明のためにのみ提供するものであり、如何なる場合も本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本発明を以下の特定の実施例によって更に具体的に説明する。実施例は説明のためにのみ提供するものであり、如何なる場合も本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本発明を一般的に説明する上で、具体的態様を説明するためにのみ示す添付の図面が参照される。
具体的態様の説明
本明細書において、酸性水溶液に溶解したキトサンの高収率で迅速な回収を可能にする簡便で再現性のよいプロトコールが記載される。このプロトコールは、塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)の添加により、キトサンポリマーの水和した殻が再組織化される原理に基づいている。塩析塩の非限定的な例には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、プロピオン酸又はリン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が含まれる。硫酸のアンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩、及び硝酸のナトリウム塩又はカリウム塩も本発明にしたがい有効に使用することができる。
本明細書において、酸性水溶液に溶解したキトサンの高収率で迅速な回収を可能にする簡便で再現性のよいプロトコールが記載される。このプロトコールは、塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)の添加により、キトサンポリマーの水和した殻が再組織化される原理に基づいている。塩析塩の非限定的な例には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、プロピオン酸又はリン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が含まれる。硫酸のアンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩、及び硝酸のナトリウム塩又はカリウム塩も本発明にしたがい有効に使用することができる。
本プロトコールは、高pH又は凝固物の処理を利用するこれまで使用された酸性溶液からのキトサンの回収法とは異なっている。本発明の方法は:a)非腐食性試薬の使用による操作の安全性;b)キトサンの高回収率;及びc)残存するイオン電荷及び分子サイズなどのキトサンポリマーの物理特性の修飾の欠如、などの多くの利点を提供する。このプロトコールは広範な分子サイズのキトサンに適用可能である。更に、1つの態様では、本発明のキトサン調製品は、実質的にキトサナーゼを含まないという事実により安定性が増加した利点を有する。
キトサンは、甲殻類及び昆虫の外骨格のような天然キチンの限定塩基性加水分解により、通常商業的に調製されるポリカチオン性ポリマーである。キチンは、N−アセチル−β−D−グルコサミン(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)モノマー単位で構成されるポリマーであるが、市販のキトサンは、通常、さまざまな程度に脱アセチル化された、キチンの分子サイズの不均一な混合物で構成される。キチン及びキトサンの基本概略構造を以下に示す。
したがって、本発明は、概して、先行技術の調製品及び方法の欠陥を克服するキトサン及びその製造方法を提供する。
1つの態様では、本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。より詳細には、本発明の目的は、塩(塩析塩、例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)の添加により、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法を提供することである。1つの具体的態様では、食品適合性の無機塩又は有機塩を用いてキトサンを酸性水溶液から沈殿させる。
1つの態様では、本発明は、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法に関する。より詳細には、本発明の目的は、塩(塩析塩、例えばコスモトロピック塩、その混合物、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物など)の添加により、キトサンを酸性水溶液から回収するための方法を提供することである。1つの具体的態様では、食品適合性の無機塩又は有機塩を用いてキトサンを酸性水溶液から沈殿させる。
キトサンは高分子電解質の性質を有する。したがって、水性媒体でのその溶解性は、水性媒体でのタンパク質の溶解性に適用される経験則に類似した法則に従うはずである。これらの要因には、溶解媒体のpH、温度及びイオン強度が含まれる。本明細書に記載の革新的プロトコールは、選択されたホフマイスター系列(Hofmeister(1888)、Zur Lehre von des Wirkung des Salze.II.Naunyn−Schmiedebergs Archiv fur Experimentelle Pathologie und Pharmakologie(Leipzig)24:247−260;Kunzら(2004)Zur Lehre von des Wirkung des Salze.II.(塩の効果の科学について):フランツ・ホフマイスターの歴史的論文、Current Opinion in Colloid and Interface Science 9:19−37;Collins及びWashabaugh(1985)界面でのホフマイスター効果及び水の挙動。Quarterly Review of Biophysics 18:323−422;Cacaceら(1997)ホフマイスター系列:界面現象に対する塩及び溶媒の効果。Quarterly Review of Biophysics 30:241−277)の電解質、又は食品適合性有機塩の添加によって引き起こされる塩析効果に対するキトサンの感受性に基づいている。塩析効果は、溶質に代わってイオン周辺で水分子の組織化を増加させることによって溶質の溶解性を減少させる。この塩析効果は、溶質の脱水及び溶液からの沈殿をもたらす(Collins及びWashabaugh(1985)、界面でのホフマイスター効果及び水の挙動。Quarterly Review of Biophysics 18:323−422)。
本発明の方法は、ホフマイスター系列の塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、コスモトロピック塩とカオトロピック塩との混合物など)を、キトサンの酸性水溶液へ添加することを含む。1つの具体的態様では、食品適合性塩又は食品適合性電解質をキトサンの酸性水溶液へ添加してキトサンを沈殿させる。本発明にしたがい使用し得る塩析塩の非限定的な例には以下が含まれる:
・硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウム
・リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム
・クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム
・酒石酸ナトリウム
・リンゴ酸ナトリウム
・硝酸ナトリウム
・乳酸ナトリウム
・マロン酸ナトリウム
・コハク酸ナトリウム
・酢酸ナトリウム
・プロピオン酸ナトリウム
キトサンが溶解され、塩析塩が添加される希酸水溶液の非限定的な例には、酢酸、乳酸、リンゴ酸又は塩酸が含まれる。当然、本発明にしたがい、他の希酸性水溶液を使用することもできるであろう。キトサンを沈殿させるのに要する塩析塩又は有機塩の有効量は、温度、酸性水溶液中のキトサン濃度、用いた具体的な塩、周囲圧、具体的なキトサンの分子量、及びポリマーの脱アセチル化度を含めた多くの因子に依存する。本発明は、わずか1種類の塩(例えば有機又は無機の食品適合性塩)の添加に限定されるものではない。2種類以上の塩析塩の組み合わせ(例えば3、4、5、6種類など)も本発明にしたがい用いることができる。更に、異なる塩の組み合わせは、コスモトロピック塩の組み合わせに限定されるものではない。包括的効果が酸性水溶液からのキトサンの塩析である限り、本発明にしたがい、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物を用いることができる。
・硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウム
・リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム
・クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム
・酒石酸ナトリウム
・リンゴ酸ナトリウム
・硝酸ナトリウム
・乳酸ナトリウム
・マロン酸ナトリウム
・コハク酸ナトリウム
・酢酸ナトリウム
・プロピオン酸ナトリウム
キトサンが溶解され、塩析塩が添加される希酸水溶液の非限定的な例には、酢酸、乳酸、リンゴ酸又は塩酸が含まれる。当然、本発明にしたがい、他の希酸性水溶液を使用することもできるであろう。キトサンを沈殿させるのに要する塩析塩又は有機塩の有効量は、温度、酸性水溶液中のキトサン濃度、用いた具体的な塩、周囲圧、具体的なキトサンの分子量、及びポリマーの脱アセチル化度を含めた多くの因子に依存する。本発明は、わずか1種類の塩(例えば有機又は無機の食品適合性塩)の添加に限定されるものではない。2種類以上の塩析塩の組み合わせ(例えば3、4、5、6種類など)も本発明にしたがい用いることができる。更に、異なる塩の組み合わせは、コスモトロピック塩の組み合わせに限定されるものではない。包括的効果が酸性水溶液からのキトサンの塩析である限り、本発明にしたがい、カオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物を用いることができる。
塩析したキトサンは、洗浄液の導電率を測定することによって例えば工業規模で容易にモニターできる塩析沈殿塩が取り除かれている。キトサンは、ろ過、遠心、蒸発、噴霧乾燥又はそれらの組み合わせを含めた当該技術分野に公知の手段によって酸水溶液から容易に回収することができる。
1つの態様では、塩水溶液中、具体的な温度で長時間(例えば1週間)、キトサンポリマーを撹拌又はかき混ぜたとき、特定のキトサンが溶解して透明な均一溶液を形成していない場合、特定のキトサンポリマーは具体的酸性水溶液から塩析されたとみなされる。
以上より、具体的酸性塩水溶液中の特定のキトサンポリマーの溶解性は温度依存性であり得るため、キトサンはより低温の水溶液では塩析され得るが、より高温では可溶性であり得、又はその逆であることが理解されるはずである。本明細書に記載のいくつかの実施例は、一連の有機塩及び無機塩によるキトサンの塩析に対する温度の効果について説明する。したがって、キトサンを具体的な酸性塩水溶液から回収するために、この特殊性を活用することができる。
具体的濃度の具体的キトサンポリマーを沈殿させる1以上の有効な塩析塩、及びそれらの組み合わせ(例えばヒトの食用に好適な有機塩)を同定するために用いられる通常の実験は、多くの方法で行なうことができる。1つの態様では、必要な塩の有効濃度の同定は、ポリリン酸の添加により、又はMuzzarelliの方法(Muzzarelli(1998)Analytical Biochemistry 260:255−257)にしたがって比色アッセイにより、溶液中に沈殿したキトサンの割合を測定することによって実施される。他の態様では、具体的なキトサンを沈殿させるための塩析塩又は有機塩の有効量を決定するために曇り点が測定される。これは単純な目視検査によって行なうことができ、具体的なキトサンの溶解性様式は、所定温度におけるそれぞれの塩の種類及び濃度に相関があり得る。
全て又はわずか一部のキトサンが沈殿する場合に、キトサンは沈殿したとみなすことができる。1つの態様では、少なくとも90%(90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%)のキトサンが沈殿する場合に、キトサンは沈殿したとみなすことができる。他の態様では、少なくとも95%(95、96、97、98、99、100%)が沈殿する場合に、キトサンは沈殿したとみなすことができる。更に他の態様では、少なくとも98%(98、99、100%)が沈殿する場合に、キトサンは沈殿したとみなすことができる。
本発明に使用する塩は、如何なる塩析無機塩又は有機塩でもよい。非限定的な例には、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、及びリン酸水素塩が含まれる。対イオンは効果が小さく、アンモニア、又はナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属であり得る。包括的効果が酸性水溶液からのキトサンの塩析(即ち沈殿)である限り、無機塩又は有機塩の混合物、及びカオトロピック塩とコスモトロピック塩との混合物も本発明にしたがい使用することができる。
塩析塩を用いてキトサンを塩析するための一般手順
1つの態様では、キトサンを水溶液から回収するための一般手順は以下を含む。約1〜10重量%、特に5重量%のキトサンを含有する溶液は、キトサンを希酸水溶液(例えば塩酸(約0.2N)、酢酸、乳酸、リンゴ酸(約5〜10%))に溶解することによって調製する。沈殿塩を固体の形態で又は好ましくは濃溶液として、好ましくは少しずつ混合しながら加える。沈殿塩の比は、以下に示すさまざまな実施例、及び沈殿塩と溶解したキトサン量との比の関係を説明する図面にしたがい、重量を基準として調整することができる。更に、当業者は、キトサンの回収手順は、本発明の態様内で提示する実施例で説明するように、さまざまな温度で達成することができるという事実を理解するであろう(しかし限定されるものではない)。得られた塩析したキトサンの懸濁液を30分間攪拌するか、又は回収すべきキトサン量に応じて長時間(例えば1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、24時間、36時間、48時間など)撹拌する。沈殿物を回収し、洗浄し、そして乾燥する。当業者は、回収すべきキトサン量に最適なように上記方法のいずれか1つを選択するであろう。
1つの態様では、キトサンを水溶液から回収するための一般手順は以下を含む。約1〜10重量%、特に5重量%のキトサンを含有する溶液は、キトサンを希酸水溶液(例えば塩酸(約0.2N)、酢酸、乳酸、リンゴ酸(約5〜10%))に溶解することによって調製する。沈殿塩を固体の形態で又は好ましくは濃溶液として、好ましくは少しずつ混合しながら加える。沈殿塩の比は、以下に示すさまざまな実施例、及び沈殿塩と溶解したキトサン量との比の関係を説明する図面にしたがい、重量を基準として調整することができる。更に、当業者は、キトサンの回収手順は、本発明の態様内で提示する実施例で説明するように、さまざまな温度で達成することができるという事実を理解するであろう(しかし限定されるものではない)。得られた塩析したキトサンの懸濁液を30分間攪拌するか、又は回収すべきキトサン量に応じて長時間(例えば1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、24時間、36時間、48時間など)撹拌する。沈殿物を回収し、洗浄し、そして乾燥する。当業者は、回収すべきキトサン量に最適なように上記方法のいずれか1つを選択するであろう。
Na2SO4で塩析するキトサン(70kDa、84%脱アセチル化)
Fluka(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州、USA)より入手した70kDaのキトサン20gを5%酢酸(500ml)に溶解する。75gのNa2SO4(終濃度0.47M)を攪拌しながら少しずつ加える。塩析したキトサンを4℃で約30分間保ち、その後約20分間遠心する(8000×g)。水性媒体に不溶性のキトサン塩を形成することが当該技術分野においてすでに知られている例として(Roberts(1992)、キチンの化学、MacMillan出版社、Houndmills、ハンプシャー、英国、第281頁)ポリリン酸の添加により定性的にアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。あるいは、Muzzarelliによって記載された比色アッセイ(Muzzarelli 1998、上記)を用いて溶液に残留するキトサン量を定量的に測定する。このアッセイは、他の公開された技術よりも、水性媒体に溶解したキトサンを定量するための感受性が高く再現性のある方法であると報告されている(Muzzarelli 1998、上記)。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、遠心して回収する。
Fluka(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州、USA)より入手した70kDaのキトサン20gを5%酢酸(500ml)に溶解する。75gのNa2SO4(終濃度0.47M)を攪拌しながら少しずつ加える。塩析したキトサンを4℃で約30分間保ち、その後約20分間遠心する(8000×g)。水性媒体に不溶性のキトサン塩を形成することが当該技術分野においてすでに知られている例として(Roberts(1992)、キチンの化学、MacMillan出版社、Houndmills、ハンプシャー、英国、第281頁)ポリリン酸の添加により定性的にアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。あるいは、Muzzarelliによって記載された比色アッセイ(Muzzarelli 1998、上記)を用いて溶液に残留するキトサン量を定量的に測定する。このアッセイは、他の公開された技術よりも、水性媒体に溶解したキトサンを定量するための感受性が高く再現性のある方法であると報告されている(Muzzarelli 1998、上記)。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、遠心して回収する。
クエン酸三ナトリウムで塩析するキトサン(70kDa、84%脱アセチル化)
Fluka(シグマ−アルドリッチ)より入手した70kDaのキトサン20gを5%酢酸(500ml)に溶解する。80gのクエン酸三ナトリウム(終濃度0.34M)を攪拌しながら少しずつ加える。塩析したキトサンを4℃で30分間保ち、その後20分間遠心する(8000×g)。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、遠心して回収する。
Fluka(シグマ−アルドリッチ)より入手した70kDaのキトサン20gを5%酢酸(500ml)に溶解する。80gのクエン酸三ナトリウム(終濃度0.34M)を攪拌しながら少しずつ加える。塩析したキトサンを4℃で30分間保ち、その後20分間遠心する(8000×g)。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、遠心して回収する。
硫酸アンモニウムで塩析するキトサン(30kDa、92%脱アセチル化)
市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee、Riviere−au−Renard、Gaspesie、ケベック州、カナダ)の酵素加水分解によって得た、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社、ヒューストン、テキサス州、USA)で測定して分子量30kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を、5%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸アンモニウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee、Riviere−au−Renard、Gaspesie、ケベック州、カナダ)の酵素加水分解によって得た、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社、ヒューストン、テキサス州、USA)で測定して分子量30kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を、5%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸アンモニウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で3〜5回洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
リン酸一ナトリウムで塩析するキトサン(30kDa、92%脱アセチル化)
市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定して分子量30kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を、5%酢酸水溶液に溶解する。濃リン酸一ナトリウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定して分子量30kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を、5%酢酸水溶液に溶解する。濃リン酸一ナトリウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
硫酸ナトリウムで塩析するキトサン(240kDa、92%脱アセチル化)
Vanson HaloSource(Redmond、ワシントン、USA)から入手した240kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を10%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸ナトリウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
Vanson HaloSource(Redmond、ワシントン、USA)から入手した240kDaの92%脱アセチル化キトサン1部を10%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸ナトリウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
硫酸アンモニウムで塩析する高分子量キトサン(300cps、92%脱アセチル化)
Vanson HaloSource(Redmond、ワシントン、USA)から入手した高分子量の(300cps)92%脱アセチル化キトサン1部を10%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸アンモニウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
Vanson HaloSource(Redmond、ワシントン、USA)から入手した高分子量の(300cps)92%脱アセチル化キトサン1部を10%酢酸水溶液に溶解する。濃硫酸アンモニウム水溶液4部を少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。ポリリン酸の添加によって(Roberts 1992;上記)又はMuzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイによってアッセイしても、上清は感知できるほどの量のキトサンを含有しない。塩析したキトサンを水で洗浄し、本発明の態様の中で記載した好適な方法で回収する。
さまざまな分子サイズのキトサン(92%脱アセチル化)を4℃で塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率
図1は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサン加水分解産物のサンプルを4℃まで冷却する。クエン酸三ナトリウム水溶液5部を4℃で加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図1は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率も表す。当業者は、加水分解産物の可溶性相にキトサナーゼ活性が残留することに留意することが重要である。
図1は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサン加水分解産物のサンプルを4℃まで冷却する。クエン酸三ナトリウム水溶液5部を4℃で加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図1は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率も表す。当業者は、加水分解産物の可溶性相にキトサナーゼ活性が残留することに留意することが重要である。
さまざまな分子サイズのキトサン(92%脱アセチル化)を室温で塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率
図2は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサンのサンプルを室温に保つ。次に、クエン酸三ナトリウム水溶液5部を室温で加え、処理すべきキトサン量に応じて溶液を室温で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図2は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率も表す。当業者は、キトサナーゼ活性が可溶性相に残留することに留意することが重要である。
図2は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサンのサンプルを室温に保つ。次に、クエン酸三ナトリウム水溶液5部を室温で加え、処理すべきキトサン量に応じて溶液を室温で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図2は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率も表す。当業者は、キトサナーゼ活性が可溶性相に残留することに留意することが重要である。
さまざまな分子サイズのキトサン(92%脱アセチル化)を4℃で塩析させる、硫酸アンモニウムの効率
図3は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサン加水分解産物のサンプルを4℃まで冷却させる。4℃まで冷却した硫酸アンモニウム水溶液5部を少しずつ加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図3は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率も表す。
図3は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサン加水分解産物のサンプルを4℃まで冷却させる。4℃まで冷却した硫酸アンモニウム水溶液5部を少しずつ加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を4℃で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図3は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率も表す。
さまざまな分子サイズのキトサン(92%脱アセチル化)を室温で塩析させる、硫酸アンモニウムの効率
図4は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサンのサンプルを室温に保つ。硫酸アンモニウム水溶液5部を室温で少しずつ加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図4は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率も表す。
図4は、240kDaのキトサン(Vanson HaloSource)の酵素加水分解産物に由来する、低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置(Viscotek社)で測定してさまざまな分子サイズの92%脱アセチル化キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率を表す。5%酢酸水溶液に溶解したキトサンのサンプルを室温に保つ。硫酸アンモニウム水溶液5部を室温で少しずつ加え、処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を室温で30〜60分間攪拌する。キトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。図4は、240kDa及び高分子量(HMW)の未加水分解キトサンを塩析させる、硫酸アンモニウムの効率も表す。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、硫酸ナトリウムの効率
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図5に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図5に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図6に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図6に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、硫酸アンモニウムの効率
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図7に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図7に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、酒石酸二ナトリウムの効率
増加する量の固体酒石酸二ナトリウム又は好ましくは濃酒石酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図8に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体酒石酸二ナトリウム又は好ましくは濃酒石酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図8に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、リン酸一ナトリウムの効率
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図9に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図9に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、リンゴ酸二ナトリウムの効率
増加する量の固体リンゴ酸二ナトリウム又は好ましくは濃リンゴ酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図10に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体リンゴ酸二ナトリウム又は好ましくは濃リンゴ酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図10に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、硝酸ナトリウムの効率
増加する量の固体硝酸ナトリウム又は好ましくは濃硝酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図11に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硝酸ナトリウム又は好ましくは濃硝酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図11に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、リン酸水素二ナトリウムの効率
増加する量の固体リン酸水素二ナトリウム又は好ましくは濃リン酸水素二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscote社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図12に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体リン酸水素二ナトリウム又は好ましくは濃リン酸水素二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscote社)の92%脱アセチル化キトサン1部に少しずつ加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図12に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、コハク酸二ナトリウムの効率
増加する量の固体コハク酸二ナトリウム又は好ましくは濃コハク酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサンの3つのキトサン溶液1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図13に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体コハク酸二ナトリウム又は好ましくは濃コハク酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサンの3つのキトサン溶液1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図13に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、酢酸ナトリウムの効率
増加する量の固体酢酸ナトリウム又は好ましくは濃酢酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図14に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体酢酸ナトリウム又は好ましくは濃酢酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図14に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)で4℃及び室温で塩析させる、マロン酸二ナトリウムの効率
増加する量の固体マロン酸二ナトリウム又は好ましくは濃マロン酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図15に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体マロン酸二ナトリウム又は好ましくは濃マロン酸二ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図15に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相中のキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、乳酸ナトリウムの効率
増加する量の固体乳酸ナトリウム又は好ましくは濃乳酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図16に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体乳酸ナトリウム又は好ましくは濃乳酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図16に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、プロピオン酸ナトリウムの効率
増加する量のプロピオン酸ナトリウム又は好ましくは濃プロピオン酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図17に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量のプロピオン酸ナトリウム又は好ましくは濃プロピオン酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図17に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(30kDa、92%脱アセチル化)を4℃、室温及び50℃で塩析させる、溶解したキトサンに対し1:1及び4:1の比で用いた塩析無機塩及び有機塩の相対効率
キトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図18に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した市販のキトサン(Marinard Biotech Ltee)の酵素加水分解によって得た分子量30kDa(低角度光散乱器を備えたトリプル検出システム装置で測定、Viscotek社)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図18に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(240kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、硫酸アンモニウムの効率
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図19に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図19に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(240kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、硫酸ナトリウムの効率
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図20に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図20に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(240kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図21に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図21に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(240kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、リン酸一ナトリウムの効率
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図22に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図22に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(240kDa、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、溶解したキトサンに対し1:1及び4:1の比で用いた塩析無機塩及び有機塩の相対効率
溶解したキトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図23に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
溶解したキトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した分子量240kDa(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図23に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
高分子量(HMW)キトサン(300cps、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、硫酸アンモニウムの効率
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図24に示した温度で30〜60間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸アンモニウム又は好ましくは濃硫酸アンモニウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図24に示した温度で30〜60間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
高分子量(HMW)キトサン(300cps、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、硫酸ナトリウムの効率
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図25に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体硫酸ナトリウム又は好ましくは濃硫酸ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図25に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
高分子量(HMW)キトサン(300cps、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、リン酸一ナトリウムの効率
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図26に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体リン酸一ナトリウム又は好ましくは濃リン酸一ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図26に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
高分子量(HMW)キトサン(300cps、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、クエン酸三ナトリウムの効率
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図27に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
増加する量の固体クエン酸三ナトリウム又は好ましくは濃クエン酸三ナトリウム溶液を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量キトサン(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図27に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサン(300cps、92%脱アセチル化)を4℃及び室温で塩析させる、溶解したキトサンに対し1:1及び4:1の比で用いた塩析無機塩及び有機塩の相対効率
キトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図28に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
キトサンに対し1:1及び4:1の質量比の無機又は有機の塩析塩を、5%酢酸水溶液に溶解した高分子量(Vanson HaloSource)の92%脱アセチル化キトサン1部に加える。処理すべきキトサン量に応じて懸濁液を図28に示した温度で30〜60分間攪拌する。懸濁したキトサンを可溶性相から分離し、可溶性相に残留するキトサン量を、Muzzarelliによって公開された方法(Muzzarelli 1998、上記)にしたがい比色アッセイで測定する。
有機又は無機の塩析塩による塩析によって水溶液から回収されたキトサンの溶解性。溶解性は希塩酸水溶液又は希酢酸水溶液中で定性的にアッセイされる。
表1は、本発明の態様内で記載した一連の塩析塩で塩析した(即ち沈殿した)さまざまな分子量のキトサンの溶解性の例について記載する。希酢酸水溶液(5%)及び胃に見出される濃度(0.2N)と類似の濃度で用いられる塩酸水溶液におけるサンプルの溶解性を定性的に示す。
表1は、本発明の態様内で記載した一連の塩析塩で塩析した(即ち沈殿した)さまざまな分子量のキトサンの溶解性の例について記載する。希酢酸水溶液(5%)及び胃に見出される濃度(0.2N)と類似の濃度で用いられる塩酸水溶液におけるサンプルの溶解性を定性的に示す。
キトサンは、例示したクエン酸三ナトリウムと硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウム又はリン酸一ナトリウムのような塩析塩の組み合わせ(例えばコスモトロピック塩、その混合物、コスモトロピック塩とカオトロピック塩との混合物など)の添加により、希酢酸水溶液から回収することもできる。
要約すれば、本明細書の開示に基づき、当業者は、塩析塩(例えばコスモトロピック塩、その混合物、又はカオトロピック塩とコスモトロピック塩との組み合わせ)の添加により、キトサンを酸性水溶液から精製することができる。本発明により精製したキトサンは、残存するイオン電荷や分子サイズなど、少なくともいくつかのキトサンポリマーの物理特性の修飾を妨げる(即ち、天然のキトサンの生理学的特性を保持している)。本明細書に記載の手法は、単純で、経費を削減し、簡便で、広範囲に及ぶものである。最低限の実施しやすい操作で、産物の完全性を維持しながら、酸性水溶液からのキトサンの迅速、効率的及び定量的回収を可能にする。この手法は、処理される必要がある溶解したキトサン量に関して制限なく適用することができ、本発明の方法を、商業生産のための小規模、大規模、又は極大規模の調製に発展させる。更に、本発明によって精製されたキトサン調製品は、食品適合性塩析塩を用いて溶液からキトサンを塩析する場合、ヒト又は動物の食用に好適である。更に、本発明は、1つの塩の添加又はわずか1種類の塩(例えばコスモトロピック塩)の使用に限定されない。包括的効果が酸性水溶液からのキトサンの塩析である限り、塩の混合物(例えばカオトロピック塩とコスモトロピック塩)を使用してもよい。これは、生体医学及び食品産業に関する応用のようなヒト及び動物へのキトサンの投与に関する応用の場合は考慮すべき重要事項である。
ある具体的態様を参照して本発明を記載しているが、当業者は、本発明の精神及び性質を逸脱することなくさまざまな修飾、改変、省略及び置換がなされ得ることを認識するであろう。例えば、特定のキトサンを塩析させるのに要する塩析塩又は有機塩の有効量は、酸性水溶液中のキトサン濃度、温度、用いた無機塩又は有機塩、特定のキトサンの分子量、1%未満から70%を越えるまでさまざまであり得るそのアセチル化度、溶液のpH及び周囲圧を含めた多くの因子に依存する。したがって、本発明は、開示した具体的態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神及び範囲内での修飾をカバーすることを意図することが理解される。
Claims (19)
- キトサンを沈殿させる方法であって:キトサンポリマーを含有する酸性水溶液と少なくとも1種の無機塩又は有機塩とを任意の順序で混合することを含み、無機塩又は有機塩は、キトサンポリマーを塩析させて、少なくとも塩析したキトサンポリマーを含む水性組成物を形成するのに有効な量で存在する、前記方法。
- 無機塩又は有機塩が食品適合性であるか又は生体医学的応用に好適である、請求項1に記載の方法。
- 酸性水溶液のpHが約2〜約6である、請求項1に記載の方法。
- 沈殿が約4℃〜約55℃で行なわれる、請求項1に記載の方法。
- 無機塩又は有機塩が、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及びプロピオン酸ナトリウムから成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 酸性水溶液が、酢酸、乳酸、リンゴ酸、及び塩酸から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも2種の無機塩又は有機塩の組み合わせが使用される、請求項1に記載の方法。
- 塩の組み合わせがコスモトロピック塩とカオトロピック塩との組み合わせである、請求項7に記載の方法。
- 沈殿したキトサン量が溶液中のキトサン量の少なくとも90%である、請求項1に記載の方法。
- キトサンポリマーの分子量が約7kDa〜数百kDaである、請求項1に記載の方法。
- キトサンポリマーのアセチル化度が約0%〜約50%である、請求項1に記載の方法。
- 塩析したキトサンを水で洗浄し、遠心によって酸性水溶液から分離する、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法により得られたキトサン調製品。
- ヒトの食用及び生体医学的応用に好適である、請求項13に記載のキトサン調製品。
- 実質的にキトサナーゼを含まない、請求項13に記載のキトサン調製品。
- 実質的に塩を含まない、請求項13に記載のキトサン調製品。
- キトサンが、沈殿後もその物理化学特性を保持している、請求項12に記載のキトサン調製品。
- 胃の水性酸性環境に可溶性である、請求項12に記載のキトサン調製品。
- i) 実質的にキトサナーゼを含まず;
ii) ヒトの食用に好適であり;
iii) 胃内のような水性酸性環境に可溶性であり;そして
iv) 実質的に沈殿塩を含まない、
キトサン調製品。
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