JP2007515091A - 空間多重無線通信システム及びそれに用いる装置 - Google Patents

空間多重無線通信システム及びそれに用いる装置 Download PDF

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Abstract

一つの基地局(4)と複数の子局(1)〜(3)とを備え、基地局と子局(1)〜(3)との間でそれぞれ空間多重無線伝送を行う無線通信システム。基地局(4)は空間多重用のマルチビームアンテナを有し、各子局(1)〜(3)は空間多重用のマルチビームアンテナを有し、基地局(4)のマルチビームアンテナの各アンテナ素子と通信対象となるいくつかの子局のマルチビームアンテナの各アンテナ素子との間に生じる電波伝搬特性の伝達関数値に基づいて、基地局のマルチビームアンテナが形成する複数の指向性パターンを直交化する。

Description

本発明は、マルチビームアンテナを用いて一対多(Point to Multi−Point)の空間多重無線通信を行う、無線通信システムおよびその関連技術に関するものである。
従来より、複数の内容の情報を合成し無線伝送する多重化技術として、周波数分割多重(FDM)、時分割多重(TDM)、符号分割多重(CDM)が、一般的に知られている。これらの多重化技術では、情報の多重度が増加すると、必要となる無線周波数帯域幅が増加する。したがって、帯域幅が十分確保できない場合、周波数が不足してしまう。
一方、空間多重(SDM)は、送信端末と受信端末の各々に複数のアンテナを設け、同一周波数を用いて(即ち、無線周波数帯域幅を増やすことなく)多重化する技術である。さらに、MIMO(Multiple Input Multiple Output)はその中の代表的な通信技術である。
MIMOでは、文献1(日本国特開平10−178367号公報)に開示されているように、送信端末と受信端末の間に形成される複数の伝搬経路ごとに、異なる内容の情報が通信される。より具体的には、複数の指向性アンテナをそれぞれヌル・ステアリングさせることにより、無線信号を伝搬経路ごとに空間的に分離し、一対一(Point to Point)の多重通信を行う。「ヌル・ステアリング」とは、希望波到来方向に指向性パターンのメインビームを合わせ、非希望波到来方向に指向性パターンのヌル点を合わせることである。
図17(a)は、2アンテナ素子アレイアンテナが用いられる指向性パターンを示す。図17(a)の例では、メインビーム100が希望波到来方向に向けられ、ヌル点101は非希望波到来方向に向けられる。
また、図17(b)は、6アンテナ素子アレイアンテナが用いられる指向性パターンを示す。図17(b)においても、メインビーム100が希望波到来方向に向けられ、ヌル点101は非希望波到来方向に向けられる。
このように、複数の伝播経路に合わせてヌル・ステアリングすることにより、指向性パターンを直交(orthogonal)化できる。MIMOでは、指向性アンテナとしてマルチビームアンテナが用いられ、送信端末と受信端末の各アンテナ素子間に生ずる電波伝搬特性の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列Hを、演算して指向性が制御される。
さらに、文献2(G.J.Foschini著,Bell Labs Technical Journal,Vol.1,No.2,Autumn 1996,pp41−59)は、Bell LabのFoschiniにより提案されたBLAST(Bell Labs Layered Space−Time)方式を開示する。BLAST方式では、ノルムの小さなウエイトベクトルから順番に逐次的に・繰り返し、受信端末でのチャネル行列Hの一般逆行列計算を行う。その繰り返しの作用により、空間多重通信の効果に加えて空間ダイバーシチの効果を得ることができる。
文献3(日本国特開2001−237751号公報)は、送信端末と受信端末とにおいて、チャネル行列Hの固有値計算により固有ベクトルを求め、マルチビームアンテナのウエイトを制御する技術を開示する。この技術では、注水定理(water falling theorem)に基づく送信電力制御を組み合わせ、空間多重通信の効果に加え、高い電力利用効率が得られる。
ところが、従来技術は、一対一の多重通信を実現するものである。したがって、送信端末と受信端末のアンテナ間に形成される伝搬経路の数が少ない場合には、各々のアンテナのアンテナ素子数をいくら増やしても、多重度が、伝搬経路の数に制限されてしまう。したがって、伝播経路の少ない環境では、周波数利用効率が低下するという問題点があった。
特開平10−178367号公報 特開2001−237751号公報 G.J.Foschini著,Bell Labs Technical Journal,Vol.1,No.2,Autumn 1996,pp41−59
そこで本発明の第一の目的は、子局と基地局の間に形成される伝播経路の数が少ない環境条件下でも、周波数利用効率の高い無線通信システムを提供することである。本発明の第二の目的は、基地局のマルチビームアンテナが形成する指向性パターンを直交化するための手法を提供することである。本発明の第三の目的は、子局のマルチビームアンテナが形成する指向性パターンを準直交化するための手法を提供することにある。
第1の発明に係る無線通信システムは、基地局と複数の子局とを備える無線通信システムであって、基地局と複数の子局は、同一周波数を用いて同時に情報を空間多重無線伝送し、複数の子局の少なくとも1つは、複数の伝送路を用いて基地局と通信し、無線通信システムは、空間多重無線伝送を制御する制御部を備え、基地局は、空間多重無線伝送に使用される基地局マルチビームアンテナを備え、基地局マルチビームアンテナは、複数の基地局アンテナ素子を有し、複数の子局のそれぞれは、空間多重無線伝送に使用される子局マルチビームアンテナを備え、子局マルチビームアンテナは、複数の子局アンテナ素子を有し、制御部は、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する。
この構成において、制御部は、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化することにより、一対多の空間多重無線通信を行える。特に、伝播経路の数が少ない環境条件下において、周波数利用効率を向上できる。
第2の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、複数の基地局アンテナ素子と複数の子局アンテナ素子との間における電波伝搬特性の複数の伝達関数値に基づいて、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する。
この構成により、1つの子局のみでは伝播経路の数が少ない環境条件下でも、基地局からみて、空間的に隔てられた子局ごとに形成される伝播経路を利用して空間的な多重度を高め、周波数利用効率を向上できる。
第3の発明に係る無線通信システムでは、基地局アンテナ素子の個数は、子局アンテナ素子の最大の個数よりも大である。
この構成により、子局の負担を軽減できると共に、子局は基地局を経由して通信を行う性質を利用し、形成される伝播経路を効果的に増加できる。
第4の発明に係る無線通信システムでは、複数の子局のそれぞれは、基地局へ電波伝搬特性推定に使用されるパイロット信号を送信し、基地局は、パイロット信号を受信し、制御部は、パイロット信号に基づいて、複数の伝達関数値を計算する。
この構成により、基地局はパイロット信号を集中して管理でき、システム運用の効率を向上できる。
第5の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の固有ベクトルを求め、固有ベクトルを用いて複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する。
この構成により、固有ベクトルを用いて、電波伝搬特性を的確に評価できる。
第6の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の複数の対角要素を求め、複数の対角要素を用いて複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する。
この構成により、複数の対角要素を用いて、電波伝搬特性を的確に評価できる。
第7の発明に係る無線通信システムでは、複数の子局のいずれかが移動したとき、移動した子局は、基地局へ電波伝搬特性推定に使用される移動パイロット信号を送信し、基地局は、移動パイロット信号を受信し、制御部は、移動パイロット信号に基づいて、少なくとも移動した子局に関する複数の伝達関数値を再計算し、制御部は、再計算された複数の伝達関数値に基づいて、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する。
この構成により、子局が移動した場合にも対応して、一対多の空間多重無線通信を行える。
第8の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、複数の子局のうち移動していない子局に関する複数の伝達関数値を再計算する。
この構成により、常に正確な伝達関数値を用いて、無線通信できる。
第9の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、複数の子局のうち移動していない子局に関する複数の伝達関数値を再計算しない。
この構成により、変化していない蓋然性が高い伝達関数値の計算を省略し、子局の移動に対応し、レスポンス良く一対多の空間多重無線通信を行える。
第10の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、移動度(子局が単位時間内に空間的に移動する程度)をパラメータとし、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する優先順位を決定する。
この構成により、移動度を用いることにより、優先順位を尊重した一対多の空間多重無線通信を行える。
第11の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、ある移動度を持つ子局の優先順位がある移動度よりも高い移動度を持つ子局の優先順位より高くなるように優先順位を決定する。
この構成により、移動しにくい子局を優先して、一対多の空間多重無線通信を行える。
第12の発明に係る無線通信システムでは、移動度は、複数の子局のそれぞれに予め付与される識別子により表現され、複数の子局のそれぞれは付与された識別子を基地局へ送信し、制御部は、基地局へ送信された識別子に基づいて、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する優先順位を決定する。
この構成において、識別子を利用することにより、複雑な演算なしに優先順位を尊重した一対多の空間多重無線通信を行える。
第13の発明に係る無線通信システムでは、制御部は、基地局に一体的に設けられる。
この構成により、基地局と複数の子局との他に、格別の要素を設ける必要がないから、無線通信システムをシンプルに構築できる。
本発明によれば、1つの子局のみでは伝播経路の数が少ない環境条件下でも、空間的に隔てられた子局ごとに形成される伝播経路を利用し、空間的な多重度を高め、周波数利用効率を向上できる。
本発明によれば、子局同士が空間的に隔てられている場合や、子局同士が基地局を介さずに互いに通信できない場合であっても、基地局が無線通信システム全体のチャネル行列Hが検出できるから、マルチビームアンテナの指向性パターンを容易に直交化できる。
本発明によれば、受信信号を交換する必要がないから、子局に信号交換のための回路を設ける必要がなく、それだけ子局の回路規模を削減できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における無線通信システムの概略図である。
図1に示すように、本形態の無線通信システムは、第1子局1、第2子局2、第3子局3および基地局4を備えている。
基地局4及び各子局1〜3の詳細な説明に先立ち、まずこの無線通信システムの概要を説明する。図1の例では、基地局4と第2子局2との間に電波障害物6が存在し、基地局4と第3子局3との間に電波障害物7が存在する。このため、基地局4と第1子局1との間に伝搬経路8が形成されている。
また、基地局4と第2子局2との間に伝搬経路9と伝搬経路10とが形成され、基地局4と第3子局3との間に、伝搬経路11と伝搬経路12とが、形成されている。
図2は、図1の状態において、基地局4において形成されるアンテナ指向性パターンを示す。図2において、メインビーム21が伝搬経路8のために形成され、メインビーム22が伝搬経路9のために形成され、メインビーム23が伝搬経路10のために形成され、メインビーム24が伝搬経路11のために形成され、メインビーム25が伝搬経路12のために形成されている。後に詳述するように、基地局4と各子局1〜3には、それぞれ、複数の指向性パターンを同時形成して空間多重通信を行うことができるマルチビームアンテナが搭載される。
図2に示すように、基地局4では、第1子局1との間の伝搬経路8、第2子局2との間の伝搬経路9と伝搬経路10、第3子局3との間の伝搬経路11と伝搬経路12の5つの伝搬経路に対して直交ビームが形成され、空間多重通信が行われる。
本形態の場合、基地局4と一つの子局との間(一対一)に限れば、伝播経路は高々2つしかなく、2チャンネル分の空間多重無線通信しか実現できない。しかしながら、本発明によれば、基地局4と3つの子局1〜3との間の5つの伝搬経路8〜12を利用することにより、一対多の5チャンネル分の空間多重無線通信を実現できる。したがって、単位空間あたりの周波数利用効率を大幅に改善できる。
なお本形態では、基地局4を基準にして複数の子局に対して空間多重通信を行うため、基地局4でのヌル・ステアリングの自由度を高くする。言い換えれば、基地局4のマルチビームアンテナにおいて形成できるヌル点の数を多くし、基地局4のアンテナ素子数は、全ての子局1〜3のアンテナ素子数よりも多くする。このようにすると、これらの子局1〜3は、基地局4を経由して通信する性質を利用できるから、伝搬経路の数に対して無駄が少なくて良い。
次に、基地局4における指向性パターンの直交化法について説明する。図3は、図1に示す無線通信システムの基地局4と3つの子局1〜3との間に生じる伝搬特性をマルチビームアンテナのアンテナ素子ごとに模式的に示している。
図3において、基地局4は、6つのアンテナ素子A1、A2、A3、A4、A5、A6を有するマルチビームアンテナを備える。第1子局1は、3つのアンテナ素子B1、B2、B3を有するマルチビームアンテナを備え、第2子局2は、4つのアンテナ素子B4、B5、B6、B7を有するマルチビームアンテナを備え、第3子局3は、3つのアンテナ素子B8、B9、B10を有するマルチビームアンテナを備える。ここで、基地局4のアンテナ素子Aiと子局のアンテナ素子Bjとの間の伝達関数値を、hi_jで表すと、図3の場合の伝搬特性行列Hは、(数1)で表現できる。勿論、図3に示すアンテナ素子数は、一例に過ぎず種々変更できる。
Figure 2007515091
伝達関数値hi_jの周波数特性に対して十分に狭帯域な信号が空間多重通信に用いられる場合、伝達関数値hi_jは、hi_j=Ae-jθという簡単な形式で表現できる。ただし、Aは伝播経路合成後の振幅減衰項であり、θは伝播経路合成後の位相遅れ項である。
直交ビームを形成するためには、伝搬特性行列Hを推定し、行列Hを対角化する。そうすれば、無線信号が空間的に分離され、干渉波が除去される。
行列の対角化するには、線形代数が教えるように、一般逆行列による手法、もしくは、固有値・固有ベクトルによる手法を利用できる。
図4を参照しながら、一般逆行列を用いる処理例を説明する。図4において、第1子局1、第2子局2、第3子局3に入力される一まとめの送信信号ベクトルをXとし、送信信号ベクトルに対して乗算されるウエイト行列をWmとし、伝搬特性行列をHとする。
また、基地局4で受信される受信信号ベクトルをYとし、受信信号ベクトルに対して乗算されるウエイト行列をWbとし、推定される送信信号ベクトルをX’とする。このとき、対角化のための演算式は、(数2)、(数3)、(数4)で表される。ここで、(数3)においてIは単位行列を、(数4)において記号−Iは一般逆行列を表す。
Figure 2007515091
Figure 2007515091
Figure 2007515091
図5を参照しながら、固有値・固有ベクトルを用いる処理例を説明する。図5において、基地局4に入力される送信信号ベクトルをXとし、送信信号ベクトルに対して乗算されるウエイト行列をWbとし、伝搬特性行列をHTとする。
また、第1子局1、第2子局2、第3子局3で受信される一まとめの受信信号ベクトルをYとし、受信信号ベクトルに対して乗算されるウエイト行列をWmとし、推定される送信信号ベクトルをX’とする。このとき、対角化のための演算式は、(数5)、(数6)、(数7)で表される。ここで、(数5)において記号Tは行列の転置を、(数6)において記号*は共役転置を表し、行列Pは行列(HT)*HTの各固有値に対応する固有ベクトルを正規直交化した行列である。
Figure 2007515091
Figure 2007515091
Figure 2007515091
次に、基地局4および各子局1〜3の詳細について、具体的に説明する。
また、説明の簡単化のために、伝搬特性行列Hは、既に推定されているものとする。
図6は、基地局4のブロック図である。図6に示すように、基地局4は、次の要素を備える。コーデック部601は、入出力ポート620から信号を入力すると、信号をエンコードし結果を変調部602へ出力する。コーデック部601は、復調部604から復調結果を入力すると、復調結果をデコードし結果を入出力ポート620へ出力する。また、コーデック部601は、パイロット信号処理部609から処理結果を入力すると、処理結果を移動度識別部611へ出力する。
変調部602は、コーデック部601から信号を入力するとそれを一定変調方式で変調しその結果をアンテナ送信制御部603へ出力する。
アンテナ送信制御部603は、後に詳述するように、変調部602から変調結果を入力すると、ウエイト演算部610から入力するウエイトに従ってマルチビームアンテナ608の各アンテナ素子の指向性パターンを決定し、決定した指向性パターンをアンテナ受信制御部605へ出力する。また、アンテナ送信制御部603は、決定された指向性パターンに従って送信信号を生成し、その結果を周波数変換部606する。
復調部604は、アンテナ受信制御部から受信する信号を復調し、その結果をコーデック部601とパイロット信号処理部609へ出力する。
アンテナ受信制御部605は、周波数変換部606から信号を入力すると、アンテナ送信制御部603が決定した指向性パターンに従って入力した信号を処理し、復調部604へ出力する。
送/受切替え制御部607は、送信状態と受信状態とを切り替え、送信状態では、周波数変換部606から入力する信号をマルチビームアンテナ608へ出力し、受信状態では、マルチビームアンテナ608が受信する受信信号を周波数変換部606へ出力する。
周波数変換部606は、送/受切替え制御部607に制御され、送信状態ではアンテナ送信制御部603から入力する信号を変換し、その結果を送/受切替え制御部607へ出力し、受信状態では、送/受切替え制御部607から入力する信号を変換しアンテナ受信制御部605へ出力する。
パイロット信号処理部609は、復調部604からパイロット信号(各子局1〜3のいずれかのアンテナ素子から送信されたパイロット信号)を入力すると、このパイロット信号の位相方向のずれ及び/又は振幅方向のずれを検出し、その結果を干渉量予測部612及びウエイト演算部610へ出力する。
干渉量予測部612は、各子局1〜3への伝搬経路8〜12のペアにおける干渉量を推定する。
ウエイト演算部610は、干渉量予測部612が推定した干渉量に基づいて、マルチビームアンテナ608の各アンテナ素子のウエイトを演算する。
アンテナ送信制御部603は、ウエイト演算部610が演算するウエイトに従って、マルチビームアンテナ608の指向性パターンを決定する。
移動度識別部611は、各子局1〜3のそれぞれに予め付与される識別子を識別する。
本形態において、ウエイト演算部610とアンテナ送信制御部603とが、制御部に対応する。この制御部は、複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化し、基地局4に一体的に設けられ(内蔵され)ている。
次に、子局について説明する。但し、各子局1〜3は、同様の構成をなすので、子局1のみについて説明する。
図7は、子局1のブロック図である。図7に示すように、子局1は、コーデック部701、変調部702、アンテナ送信制御部703、復調部704、アンテナ受信制御部705、周波数変換部706、送/受切替え制御部707、Lアンテナ素子のマルチビームアンテナ708、ウエイト演算部709、パイロット信号発生部710、入出力ポート720を備える。子局1において、基地局4と同様の機能を有する要素については、図6と同一の名前を付すことにより、重複する説明を省略する。
図7において、パイロット信号発生部701は、基地局4へ電波伝搬特性推定に使用されるパイロット信号を発生する。
マルチビームアンテナ708は、パイロット信号発生部710が発生するパイロット信号を基地局4へ送信する。
アンテナ送信制御部703とアンテナ受信制御部705とは、基地局4において指向性パターンの直交化が行われた後に、ゼロ・フォーシング手法と最尤推定手法との少なくとも一方を用いて、干渉波除去を行う。
以下、図1において基地局4と第2子局2との間の通信を例として、本形態における無線通信法を詳細に説明する。ここで、システム全体の空間多重度をMとし、基地局4のマルチビームアンテナ608のアンテナ素子数をNとし、各子局1〜3のマルチビームアンテナ708のアンテナ素子数をLとし、各子局1〜3向けの多重度をKとする。即ち、M=5、N=6、L=4、K=2である。勿論、これらの数値も一例に過ぎず、種々変更できる。
基地局4のコーデック部601は、各子局1〜3に送信すべきデータを含むM個のフレームを作り、各フレームを、時間同期して変調部602に出力する。
変調部602は、各フレームをマルチキャリア変調する。ここで、サブキャリア帯域幅が、伝搬特性に対して十分に狭帯域であると仮定すると、前述の通り、サブキャリアごとには伝達関数値hi_jは、hi_j=Ae−jθという簡単な形式となり、また、サブキャリア信号はそれぞれ直交しているため、周波数ごとに独立した通信ができる。そこで、以下、説明の簡単化のため、同一周波数のM個のサブキャリア信号の組のみを説明する。
変調部602は、同一周波数帯のM個のサブキャリア変調信号(X1,X2,...,XM)を、N個の送信信号ベクトルX=(X1,X2,...,XM,..,XN)に拡大(例えば、「0」挿入等)し、アンテナ送信制御部603に出力する。
次に図8を参照しながら、アンテナ送信制御部602の詳細を説明する。ウエイト演算部610は、(数4)もしくは(数7)に基づき、干渉量予測部612およびパイロット信号処理部609および移動度識別部611から得られるパラメータを考慮し、ウエイト行列Wbを計算する。
アンテナ送信制御部602は、送信信号ベクトルXにウエイト行列Wb=(w11,w12,...,w1N,...,wN1,wN2,...,wNN)を行列乗算し、送信ビームベクトルS=(S1,S2,...,SM,...,SN)を生成する。行列乗算は、ベースバンド周波数帯でのデジタル信号処理となる。
周波数変換部606は、送信ビームベクトルSを高周波数帯にアップコンバートし、送/受切替え制御部607が送信タイミングの同期をとった後、マルチビームアンテナ608は、アップコンバートされた送信ビームベクトルSを空間多重信号として各子局1〜3に向けて発射する。
子局2のマルチビームアンテナ708は、基地局4から自局向けの伝搬経路を通って到来する空間多重信号を受信する。受信された空間多重信号は、送/受切替え制御部707で受信タイミングに同期して取り込まれ、周波数変換部706により高周波数帯からベースバンド周波数帯にダウンコンバートされて受信信号ベクトルY=(Y1,Y2,...,YL)となり、アンテナ受信制御部705に送られる。
次に図9を参照しながら、アンテナ受信制御部705の詳細を説明する。ウエイト演算部709は、(数3)もしくは(数6)に基づき、コーデック部701および復調部704から得られるパラメータを考慮し、ウエイト行列Wmを計算する。
アンテナ受信制御部705は、受信信号ベクトルYにウエイト行列Wm=(q11,q12,...,q1L,...,qL1,qL2,...,qLL)を行列乗算し、推定送信ベクトルX’=(X1’,X2’,...,XL’)を生成する。
アンテナ受信制御部705は、推定送信ベクトルX’を、干渉除去されたサブキャリア信号をK個含みK個の要素からなるベクトルに縮小した後、その結果を復調部704に出力する。復調部704は、全サブキャリアを総合したマルチキャリア復調を行い、最終的にK個の受信フレームを生成する。
以上、基地局4から第2子局2に対する動作を説明したが、第2子局2から基地局4に関する動作も同様であるので、説明は省略する。
次に、伝搬特性行列Hの推定法について説明する。図10に示すように、各子局1〜3のアンテナ素子Bj(j=1,2,...,10)の一つずつから、基地局4のアンテナ素子A1、A2、...、A6に対して、伝達関数値(h1_j,h2_j,h3_j,h4_j,h5_j,h6_j)を推定するためのパイロット信号を順次送信する。こうすれば、基地局4のパイロット信号処理部609は、伝搬特性行列Hを一括して求めることができる。パイロット信号は、無変調信号、もしくは、PN符号のような擬似ランダム信号等で良く、各子1〜3局のパイロット信号発生部710は、パイロット信号を、伝送路特性の変動速度に応じて基地局4へ送信すればよい。
次に図11を参照しながら、基地局4のパイロット信号要求からシステム全体の空間多重通信に至るまでの流れを説明する。まず期間T1では、基地局4が第1子局1へのパイロット信号要求を送信し、第1子局1のアンテナ素子B1〜B3から順にパイロット信号が送信される。
期間T2では、基地局4が第2子局2へのパイロット信号要求を送信し、第2子局2のアンテナ素子B4〜B7から順にパイロット信号が送信される。
期間T3では、基地局4が第3子局3へのパイロット信号要求を送信し、第3子局3のアンテナ素子B8〜B10から順にパイロット信号が送信される。
さらに、期間T4では、基地局4が、伝搬特性行列Hを推定し、直交ビーム形成のためのビームフォーミングを行い、期間T5では、基地局4が各子局1〜3に、推定された伝搬特性行列Hを通知する。期間T6では、各子局1〜3が、直交ビーム形成のためのビームフォーミングを行い、期間T7において、空間多重通信が実行される。
本形態では、基地局4を基準にして一対多の空間多重通信を行うため、基地局4から各子局1〜3に対してではなく、各子局1〜3から基地局4に対してパイロット信号を送信している。これにより、伝搬特性行列Hは、容易に推定される。
なお、基地局4のアンテナ素子数Nと、空間多重通信に利用する伝播経路伝搬経路の総数Mとが、M>Nという関係にある場合、伝播経路の分離度が低下し、ヌル・ステアリングの精度が低下するおそれがある。そのため、図12に示すように、基地局4で受信するパイロット信号の数を制限し、M<Nの条件を満たす行列Hを用いてビーム形成を行うとよい。こうすれば、ヌル・ステアリングの精度低下を防止することができる。より具体的には、(数8)に示すように行列Hの伝達関数値の一部に「0」を挿入して、行列のランク(M)を下げ、パイロット信号の数を制限するとよい。なお、パイロット信号の選別は、各子局1〜3に割り振られたチャネル優先順位等に基づいて決定すればよい。
Figure 2007515091
次に、子局における指向性パターンの準直交化法について説明する。本形態では、図1に示すように、各子局1〜3同士が、それぞれ空間的に離れ、しかも、各子局1〜3同士が、基地局4を介さずに通信できない状態であっても対応できるようになっている。即ち、各子局1〜3のそれぞれのマルチビームアンテナを共有することは困難である。
そのため、図5のように基地局4から各子局1〜3に向けた空間多重通信の場合、各子局1〜3のそれぞれは、受信信号ベクトルYの一部しか検出できず、厳密な意味での指向性パターンの直交性が成り立たない場合もある。
そこで、本形態では、ゼロ・フォーシング手法もしくは最尤推定手法を適用して、指向性パターンの準直交化を行う。「準直交」とは、数学的に、厳密な意味での直交性は保たれないが、形成できるヌル点の数の範囲内で、パス利得の高い伝搬経路に限定して直交性を事実上維持することを意味する。
準直交化が有効となり得る理由としては、
(1)各子局1〜3では基地局4に向けて形成される伝搬経路が少なくて済む(つまり、K<Mとなる)こと、また、
(2)自局向けの伝搬経路間に十分な見開き角(θ)があれば、低アンテナ素子のアンテナでも伝搬経路相互間の干渉を少なくできること等
があげられる。
準直交化法について、図1の基地局4と第2子局2との間の空間多重通信を例にとって具体的に説明する。基地局4は、既に、一般逆行列、もしくは、固有値・固有ベクトルによる手法でウエイト行列Wbを求めており、指向性パターンの直交化が既に完了した状態にあるものとする。
図13を参照しながら、第2子局2において、ゼロ・フォーシング手法もしくは最尤推定手法を用いる処理を説明する。図13において、基地局4に入力される送信信号ベクトルをXとし、送信信号ベクトルXに乗算すべきウエイト行列をWbとし、基地局4と第2子局2との間の伝搬特性行列をH2Tとする。
また、第2子局2で受信される受信信号ベクトルをYとし、受信信号ベクトルYに乗算すべきウエイト行列をW2mとし、受信信号ベクトルYに対する誤差ノルムの計算をδとし、推定される送信信号ベクトルをX’とする。ここで、伝搬特性行列H2は、(数9)で表されるが、これは、(数1)の部分行列であるため、第2子局2は、基地局4からの通知により伝搬特性行列H2の情報を得ることができる。
Figure 2007515091
ここで、ゼロ・フォーシング手法を用いると、第2子局2において部分行列H2を対角化するための演算式は(数10)で表され、第2子局2は、(数11)で表されるウエイト行列W2mを用いて、送信信号ベクトルX’を推定できる。
Figure 2007515091
Figure 2007515091
また、最尤推定手法を用いると、第2子局2は、(数12)の誤差ノルムδを最小とするX’を、Xの全ての取りうる場合について総当りで計算することで送信信号ベクトルX’を推定できる。(数12)において、記号||・||はノルムを表す。
Figure 2007515091
以上の様な手法を、第1子局1、第3子局3に対して同様に適用することにより、各子局1〜3は指向性パターンを準直交化できる。
次に、基地局4における指向性パターンの直交化が不完全な場合の空間多重化手法について説明する。この状況は、図14に示すように、基地局4から見た隣り合う伝搬経路の見開き角(θ)が小さい場合に起こりうる。例えば、図17(b)に示された6つのアンテナ素子を有するアレイアンテナについて、メインビーム100の中心点とそれを挟むヌル点101がなす角度は約15度程度である。これは、θ<15度の条件を満たす2つの伝搬経路に対しては、アンテナのアンテナ素子数を増やさない限り、相互に干渉を与え合うことを意味し、この場合には、子局では、(数10)、(数11)もしくは(数12)の準直交化手法を適用したとしても、干渉による伝送誤りが発生する可能性がある。
そこで、基地局4において、伝搬特性行列Hが既知であることを利用して、基地局4の直交ビームが特定の子局での受信信号ベクトルYに及ぼす干渉量を、基地局4の干渉量予測部612で推定し、もし規定レベル以上の干渉を及ぼす指向性パターンが検出された場合には、その指向性パターンを空間多重化から除外すればよい。伝送特性の変動が十分に緩やかであれば、干渉量は(数13)を用いて推定できる。
Figure 2007515091
図15を参照しながら、この手法の適用例を説明する。図15に示すように、基地局4が、第2子局2での干渉量を推定した結果、メインビーム23とメインビーム24との干渉量が規定値を超える場合、基地局4が、メインビーム24を空間多重化から除外すればよい。この除外法により、空間多重度は多少犠牲になるものの、伝搬経路相互の干渉を効果的に低減でき、伝送誤りを防止でき、通信の信頼性を向上できる。
次に、この手法を複数の子局に対して適用すると、伝播経路伝搬経路の総数Mが多くなり、干渉する伝搬経路の組み合わせも多くなる。この場合、全体として最大の空間多重度を得るために、処理は複雑になるが、指向性パターンごとに各子局1〜3における干渉量の総和を計算し、干渉が規定値以下になるまで、総和の大きな指向性パターンから順に除外していけばよい。その他、簡単な処理で干渉を防止するためには、全ての見開き角θが十分大きな値を取るように伝搬経路を選別するのも有効である。なお、除外される指向性パターンは、伝送路特性に依存してランダムに選別されるので、QoS(Quality of Service)が必要な場合には、各子局1〜3の優先順位に基づいて、指向性パターンの選別を行うこともできる。
次に、各子局1〜3に対する優先順位の割り当て法について説明する。空間多重通信時には、一般的には、基地局4が静止状態にあるものと仮定できる。しかしながら、子局は、静止状態および移動状態のどちらの場合もとりうる。移動状態の子局が存在する場合、基地局4は、その子局の移動速度に追従して、伝搬特性行列Hの推定を行う必要がある。
また、変化する見開き角θの値によっては、全体のヌル・ステアリングができないことも考えられる。
そこで、本形態では、移動度(単位時間内に空間的に移動する程)をパラメータとして、優先順位を割り当て、基地局4での直交ビームを効果的に形成する。例えば、図16のように、第1子局1が移動状態にあり、第2子局2と第3子局3がそれぞれ静止状態にあるとすると、基地局4は、伝搬特性行列Hの各要素である伝達関数値の時間変化情報から、各子局1〜3の移動状態を検出し、第1子局1には高い移動度を割り当て、また、第2子局2と第3子局3には低い移動度を割り当てる。
優先順位の設定は、アプリケーションごとに異なるが、例えば、リアルタイム性の高い、数秒以内の伝送遅延時間しか許容されない高速なデータを伝送する場合においては、移動度の低い子局の優先順位をより高く設定するとよい。これにより、直交ビームの動的な外乱要因が減り、固定割合の高い指向性パターンが優先されるので、システム全体の空間多重度を安定的に確保でき、リアルタイム通信の瞬断などを防止できる。図16の場合、干渉が発生した際には、第1子局1に対するメインビーム21が空間多重化から除外される。
また、子局ごとに、移動度識別子(単なる整数値等でよい)を予め付与しておけば、基地局4における、移動状態の検出処理を簡略化できる。好ましくは、想定される使用形態に合わせて、各子局1〜3に移動度識別子が、あらかじめ固定的に割り振られ、各子局1〜3のコーデック部701に格納しておく。
各子局1〜3は、適宜時点で、基地局4へ自分の移動度識別子を送出し、基地局4の移動度識別部611は、この移動度識別子を識別し、基地局4は、識別された移動度識別子を優先順位に反映させる。
本発明の無線通信システムは、例えば、一対多のネットワークトポロジーをもつ無線LANや無線AVストリーミング等において好適に利用できる。
本発明の実施の形態1における無線通信システムの概略図である。 本発明の実施の形態1におけるアンテナ指向性パターンの例示図である。 本発明の実施の形態1における伝搬特性の模式図である。 本発明の実施の形態1における直交化処理の説明図(一般逆行列)である。 本発明の実施の形態1における直交化処理の説明図(固有値)である。 本発明の実施の形態1における基地局のブロック図である。 本発明の実施の形態1における子局のブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるアンテナ送信制御部(基地局)のブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるアンテナ受信制御部(子局)のブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるパイロット信号送信の説明図である。 本発明の実施の形態1におけるシーケンスチャートである。 本発明の実施の形態1におけるアンテナ素子制限の説明図である。 本発明の実施の形態1における準直交化処理の説明図である。 本発明の実施の形態1における基地局からみた見開き角θの説明図である。 本発明の実施の形態1における指向性パターン除外の説明図である。 本発明の実施の形態1における指向性パターン除外の説明図である。 (a)、(b)は、従来のヌル・ステアリングの説明図である。

Claims (23)

  1. 基地局と複数の子局とを備える無線通信システムであって、
    前記基地局と前記複数の子局は、同一周波数を用いて同時に情報を空間多重無線伝送し、前記複数の子局の少なくとも1つは、複数の伝送路を用いて前記基地局と通信し、
    前記無線通信システムは、前記空間多重無線伝送を制御する制御部を備え、
    前記基地局は、前記空間多重無線伝送に使用される基地局マルチビームアンテナを備え、
    前記基地局マルチビームアンテナは、複数の基地局アンテナ素子を有し、
    前記複数の子局のそれぞれは、前記空間多重無線伝送に使用される子局マルチビームアンテナを備え、
    前記子局マルチビームアンテナは、複数の子局アンテナ素子を有し、
    前記制御部は、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する、無線通信システム。
  2. 前記制御部は、前記複数の基地局アンテナ素子と前記複数の子局アンテナ素子との間における電波伝搬特性の複数の伝達関数値に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する、請求の範囲第1項記載の無線通信システム。
  3. 前記基地局アンテナ素子の個数は、前記子局アンテナ素子の最大の個数よりも大である、請求の範囲第1項記載の無線通信システム。
  4. 前記複数の子局のそれぞれは、前記基地局へ電波伝搬特性推定に使用されるパイロット信号を送信し、
    前記基地局は、前記パイロット信号を受信し、
    前記制御部は、前記パイロット信号に基づいて、前記複数の伝達関数値を計算する、請求の範囲第2項記載の無線通信システム。
  5. 前記制御部は、前記複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の固有ベクトルを求め、
    前記固有ベクトルを用いて前記複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する、請求の範囲第2項記載の無線通信システム。
  6. 前記制御部は、前記複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の複数の対角要素を求め、
    前記複数の対角要素を用いて前記複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する、請求の範囲第2項記載の無線通信システム。
  7. 前記複数の子局のいずれかが移動したとき、移動した子局は、前記基地局へ電波伝搬特性推定に使用される移動パイロット信号を送信し、
    前記基地局は、前記移動パイロット信号を受信し、
    前記制御部は、前記移動パイロット信号に基づいて、少なくとも移動した子局に関する前記複数の伝達関数値を再計算し、
    前記制御部は、再計算された前記複数の伝達関数値に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する、請求の範囲第2項記載の無線通信システム。
  8. 前記制御部は、前記複数の子局のうち移動していない子局に関する前記複数の伝達関数値を再計算する、請求の範囲第7項記載の無線通信システム。
  9. 前記制御部は、前記複数の子局のうち移動していない子局に関する前記複数の伝達関数値を再計算しない、請求の範囲第7項記載の無線通信システム。
  10. 前記制御部は、移動度(子局が単位時間内に空間的に移動する程度)をパラメータとし、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する優先順位を決定する、請求の範囲第7項記載の無線通信システム。
  11. 前記制御部は、ある移動度を持つ子局の優先順位が前記ある移動度よりも高い移動度を持つ子局の優先順位より高くなるように前記優先順位を決定する、請求の範囲第10項記載の無線通信システム。
  12. 前記移動度は、前記複数の子局のそれぞれに予め付与される識別子により表現され、
    前記複数の子局のそれぞれは付与された識別子を前記基地局へ送信し、
    前記制御部は、前記基地局へ送信された識別子に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する優先順位を決定する、請求の範囲第10項記載の無線通信システム。
  13. 前記制御部は、前記基地局に一体的に設けられる、請求の範囲第1項記載の無線通信システム。
  14. 複数の子局であって、それぞれが複数の子局アンテナ素子を備える子局と共に、同一周波数を用いて同時に情報を空間多重無線伝送する無線通信システムに使用される基地局であって、
    前記基地局は、
    複数の基地局アンテナ素子を備える基地局マルチビームアンテナと、
    前記基地局アンテナ素子を経由する無線通信を制御するアンテナ制御部とを備え、
    前記アンテナ制御部は、電波伝搬特性推定に用いられるパイロット信号に基づいて、前記複数の基地局アンテナ素子と、前記複数の子局アンテナ素子との間における電波伝搬特性の複数の伝達関数値を計算し、
    前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化する、基地局。
  15. 前記基地局は、前記複数の子局への伝搬経路のペアにおける干渉量を推定する干渉量予測部をさらに備え、
    前記アンテナ制御部は、前記干渉量予測部が推定した干渉量に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを決定する、請求の範囲第14項記載の基地局。
  16. 前記基地局は、前記複数の子局のそれぞれにおける移動度(子局が単位時間内に空間的に移動する程度)を識別する移動度識別部をさらに備え、
    前記アンテナ制御部は、前記移動度識別部が識別する移動度に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを決定する、請求の範囲第14項記載の基地局。
  17. 基地局と共に、同一周波数を用いて同時に情報を空間多重無線伝送する無線通信システムに使用される子局であって、
    前記子局は、
    複数の子局アンテナ素子を備える子局マルチビームアンテナと、
    前記基地局へ電波伝搬特性推定に使用されるパイロット信号を発生するパイロット信号発生部とを備え、
    前記子局マルチビームアンテナは、前記パイロット信号発生部が発生する前記パイロット信号を前記基地局へ送信する、子局。
  18. 前記子局アンテナ素子を経由する無線通信を制御するアンテナ制御部をさらに備え、
    前記アンテナ制御部は、前記基地局において指向性パターンの直交化が行われた後に、ゼロ・フォーシング手法と最尤推定手法との少なくとも一方を用いて、干渉波除去を行う、請求の範囲第17項記載の子局。
  19. 基地局と複数の子局とにおいて、同一周波数を用いて同時に情報を空間多重無線伝送し、前記複数の子局の少なくとも1つは、複数の伝送路を用いて前記基地局と通信する無線通信方法であって、
    前記複数の子局のそれぞれが、前記基地局へ電波伝搬特性推定に使用されるパイロット信号を送信するステップと、
    前記パイロット信号に基づいて、前記基地局の複数の基地局アンテナ素子と前記子局の複数の子局アンテナ素子との間における電波伝搬特性の複数の伝達関数値を計算するステップと、
    前記複数の伝達関数値に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化するステップとを備える、無線通信方法。
  20. 前記基地局アンテナ素子の個数は、前記子局アンテナ素子の最大の個数よりも大である、請求の範囲第19項記載の無線通信方法。
  21. 前記計算するステップでは、前記複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の固有ベクトルを求め、
    前記直交化するステップでは、前記固有ベクトルを用いて前記複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する、請求の範囲第19項記載の無線通信方法。
  22. 前記計算するステップでは、前記複数の伝達関数値を行列要素とするチャネル行列の複数の対角要素を求め、
    前記直交化するステップでは、前記複数の対角要素を用いて前記複数の基地局アンテナ素子のウエイトを制御する、請求の範囲第19項記載の無線通信方法。
  23. 前記複数の子局のいずれかが移動したとき、移動した子局が、前記基地局へ電波伝搬特性推定に使用される移動パイロット信号を送信するステップと、
    前記移動パイロット信号に基づいて、少なくとも移動した子局に関する前記複数の伝達関数値を再計算するステップと、
    再計算された前記複数の伝達関数値に基づいて、前記複数の基地局マルチビームアンテナの指向性パターンを直交化するステップとをさらに備える、請求の範囲第19項記載の無線通信方法。
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