JP5884862B2 - 基地局、無線通信システム、無線通信方法およびプログラム - Google Patents

基地局、無線通信システム、無線通信方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムに関する。
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システムの規格化が進められている。4Gにおいては、リレー、キャリアアグリゲーション、CoMP(Coordinated Multiple Point transmission and reception)およびMU−MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)などの技術が注目されている。
リレーは、セル端のスループットを改善するための重要な技術と考えられている。また、キャリアアグリゲーションは、20MHzのバンド幅を有する例えば5つの周波数帯をまとめて扱うことにより、20MHz×5=100MHzのバンド幅を扱える技術である。このキャリアアグリゲーションによれば、最大スループットの向上が期待される。
また、CoMPは、高いデータレートのカバレッジを向上させるために、複数の基地局が連携してデータの送受信を行う技術である。さらに、MU−MIMOは、複数のユーザが、同一周波数かつ同一時間のリソースブロックを空間多重して使用することにより、システムスループットを向上させる技術である。このように、4G(LTE−Advanced)では、様々な技術でさらなるパフォーマンスの向上を図ることが議論されている。
ここで、MU−MIMOについてより詳細に説明する。3.9G(LTE)では、MU−MIMOおよびSU−MIMO(Single User MIMO)が存在する。SU−MIMOは、例えば特許文献1に記載されているように、UE(User Equipment)同士は空間多重しないが、1のUEが複数のチャネルを空間多重して使用する技術である。
一方、MU−MIMOは、上述したように、各UEが同一周波数かつ同一時間のリソースブロックを空間多重して使用する(UE同士を空間多重する)技術である。ただし、3.9Gで実現されていたMU−MIMOでは、各UEが1本のチャネルしか扱えなかった。これに対し、4Gでは、各UEが複数チャネルを扱うことを可能とするMU−MIMOを実現しようとしている。
4GでこのようなMU−MIMOを実現するために、基地局が2種類(V1およびV2)の送信用重みを用いることが検討されている。V1は指向性を実現する送信用重みであり、V2は位相を調整することを主目的とする無指向性の送信用重みである。このV1およびV2は、例えばUEにおいて判断可能である。より具体的に説明すると、UEは、基地局から送信されるリファレンス信号を受信し、リファレンス信号の受信結果からチャネル行列Hを取得し、チャネル行列Hに対して最適なV1およびV2を判断する。
特開2005−184730号公報
しかし、送信用重みV1およびV2は複素数であるので、送信用重みV1およびV2の判断のためのUEにおける計算負荷が高くなってしまうことが懸念される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、送信用重みの決定のための通信相手における計算負荷を抑制することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、参照信号を送信する通信部と、通信相手による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重みを乗算する第1の乗算部と、前記通信相手による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重みを乗算する第2の乗算部と、を備え、前記通信部は、前記第1の送信用重みの決定後、前記参照信号および前記第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号を送信する、無線通信装置が提供される。
前記無線通信装置は、前記重み付き参照信号の送信のためのリソースを管理する参照信号管理部をさらに備えてもよい。
前記参照信号管理部は、前記第1の送信用重みの決定後、前記重み付き参照信号の送信のためのリソース、および前記参照信号を送信するためのリソースを割り当ててもよい。
前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の送信より、前記参照信号を送信のために多くのリソースを割り当ててもよい。
前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の時間軸上の送信頻度より、前記参照信号の時間軸上の送信頻度が高くなるようにリソースを割り当ててもよい。
前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の送信用リソースの周波数軸上の密度より、前記参照信号の送信用リソースの周波数軸上の密度が高くなるようにリソースを割り当てる、請求項4に記載の無線通信装置。
前記無線通信装置は、各通信相手に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラをさらに備え、前記スケジューラは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当ててもよい。
前記第1の周波数範囲は、前記重み付き参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲であり、前記第2の周波数範囲は、前記参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲であってもよい。
前記第1の方式はMU−MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)であり、前記第2の方式はSU−MIMO(SIngle User Multi Input Multi Output)であってもよい。
前記無線通信装置は、各通信相手に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラをさらに備え、前記スケジューラは、前記重み付き参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、前記参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲内のリソースを前記第1の方式または前記第2の方式による通信のために割り当ててもよい。
前記第2の送信用重みの更新頻度は、前記第1の送信用重みの更新頻度よりも高くてもよい。
前記第1の送信用重みは指向性を形成するための重みであり、前記第2の送信用重みは位相を調整するための無指向性の重みであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、参照信号を送信する通信部と、通信相手による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重みを乗算する第1の乗算部と、前記通信相手による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重みを乗算する第2の乗算部と、を備え、前記通信部は、前記第1の送信用重みの決定後、前記参照信号および前記第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号を送信する、無線通信装置として機能させるための、プログラムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、参照信号を送信するステップと、通信相手による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重みを前記参照信号と乗算するステップと、前記参照信号および前記第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号を送信するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の無線通信装置と、参照信号を送信する通信部、前記第1の無線通信装置による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重みを乗算する第1の乗算部、および前記第1の無線通信装置による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重みを乗算する第2の乗算部、を有し、前記通信部は、前記第1の送信用重みの決定後、前記参照信号および前記第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号を送信する、第2の無線通信装置と、を備える無線通信システムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、通信相手から参照信号を受信する通信部と、前記通信部による前記参照信号の受信結果に応じて第1の送信用重み、および第2の送信用重みを決定する重み決定部とを備え、前記参照信号および前記第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号が前記通信部により受信された場合、前記重み決定部は、前記重み付け参照信号の受信結果から前記第2の送信用重みを決定する、無線通信装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、各通信相手に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラを備え、前記スケジューラは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当てる、無線通信装置が提供される。
前記第1の方式はMU−MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)であり、前記第2の方式はSU−MIMO(SIngle User Multi Input Multi Output)であってもよい。
以上説明したように本発明によれば、送信用重みの決定のための通信相手における計算負荷を抑制することが可能である。
本発明の実施形態による無線通信システムの構成を示した説明図である。 送信用重みの乗算順序の一例を示した説明図である。 V1とV2の関係を示した説明図である。 送信用重みV1およびV2_MUの比較例による決定方法を示した説明図である。 MU−MIMOとSU−MIMOが混在している場合の送信用重みの比較例による決定方法を示した説明図である。 本発明の実施形態による基地局の構成を示した説明図である。 重み乗算部の構成を示した説明図である。 変形例による重み乗算部の構成を示した説明図である。 本実施形態による移動局の構成を示した説明図である。 本発明の第1の実施形態を示した説明図である。 本発明の第2の実施形態を示した説明図である。 本発明の第3の実施形態を示した説明図である。 第4の実施形態によるV1*CSI_RSよりもCSI_RSのリソース割り当て例を示した説明図である。 第5の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。 第6の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。 第7の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。 本発明の実施形態による基地局の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施形態による移動局の動作を示したフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて移動局20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、移動局20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単に移動局20と称する。
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.送信用重み(V1およびV2)
1−3.送信用重みのフィードバック方式
1−4.ダイナミックスイッチング
1−5.比較例
2.基地局の基本構成
3.移動局の基本構成
4.各実施形態の説明
4−1.第1の実施形態
4−2.第2の実施形態
4−3.第3の実施形態
4−4.第4の実施形態
4−5.第5の実施形態
4−6.第6の実施形態
4−7.第7の実施形態
5.基地局および移動局の動作
6.まとめ
<1.無線通信システムの概略>
現在、3GPPにおいて4Gの無線通信システムの規格化が進められている。本発明の実施形態は、一例としてこの4Gの無線通信システムに適用することができるので、まず、4Gの無線通信システムの概略を説明する。
[1−1.無線通信システムの構成]
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による無線通信システム1は、基地局10および複数の移動局20を備える。なお、基地局10は、4GにおけるeNodeB、リレーノード、または家庭用小型基地局であるHome eNodeBなどの無線通信装置であってもよい。また、移動局20は、4GにおけるリレーノードまたはUEなどの無線通信装置であってもよい。
基地局10は、セル内の移動局20との通信を制御する。また、基地局10は例えば図1に示したように、各セクタが120度の角度を有するように3セクタで運用される。さらに、基地局10は、複数のアンテナを備え、各アンテナからの送信信号に後述する送信用重みV1を乗算することにより、各セクタ内の複数方向(図1に示した例では4方向)に指向性を形成することが可能である。
このため、基地局10は、基地局10から見て異なる方向に存在する移動局20Aおよび20Bを空間的に分離して多重することができる。すなわち、基地局10は、MU−MIMOにより複数の移動局20と通信することが可能である。なお、基地局10は、SU−MIMOにより移動局20と通信することも可能である。
移動局20は、基地局10とMU−MIMOまたはSU−MIMOにより通信する無線通信装置である。この移動局20は、ユーザや乗り物などの移動体による移動に伴って移動する。なお、本実施形態においては、基地局10と無線通信する無線通信装置の一例として移動局20を説明するが、固定的に設置される無線通信装置にも本実施形態を適用可能である。
[1−2.送信用重み(V1およびV2)]
4Gでは、MU−MIMOの実現に際して、上記のV1に加え、V2という送信用重みを用いること(ダブルコードブック方式)が検討されている。V1は、上述したように指向性を実現する送信用重みである。このV1は、広い周波数領域をカバーする、V2に比べて更新頻度が低いなどの特性を有する。
一方、V2は位相を調整することを主目的とする無指向性の送信用重みである。より詳細には、V2は、移動局20と基地局10のアンテナ間の各パスの位相を調整することにより受信電力を最大化するために用いられる。また、このV2は、狭い周波数領域をカバーする、V1に比べて更新頻度が高いなどの特性を有する。
本実施形態による基地局10は、このような送信用重みV1およびV2を送信データに対して乗算することによりMU−MIMOを実現する。なお、基地局10は、図2に示すように送信データに対してV2、V1という順序で送信用重みを乗算してもよいし、V1、V2という順序で送信用重みを乗算してもよい。
図3は、V1とV2の関係を示した説明図である。図3に示したように、基地局10が8本のアンテナを有する場合、これらのアンテナは、2組の4素子からなるリニアーアレーアンテナ4Aおよび4Bとして動作する。なお、各リニアーアレーアンテナ4Aおよび4Bは、図3に示したように同じ指向性を有するアレーアンテナとして動作する。
また、V2は、送信データの2コードワードを2組のリニアーアレーアンテナ4Aおよび4Bに位相を変えて分配するよう作用する。すなわち、V2は、同一方向へ送信するリニアーアレーアンテナ4Aおよび4Bへ供給する送信信号の位相を変えるよう作用する。一方、V1は、図3に示したように各アンテナに対して適用され、リニアーアレーアンテナ4Aおよび4Bが指向性を形成するように作用する。
以下に、上述したV1およびV2の具体例を示す。なお、V1を示す数式1中のdは基準アンテナからの距離を示し、λは波長を示し、θはビームの方向を示し、iはアンテナ番号を示す。また、V2を示す数式2中のHはチャネル行列を示す。
数式2に示したように、V2はプラスマイナス1またはプラスマイナスjで表わされる送信用重みである。なお、jは虚数を示す。したがって、ある特定の行列にV2を乗算するための負荷は少ない。一方、V1は、方向性ベクトルで記述される送信用重みであるので、プラスマイナス1やプラスマイナスjで表わされる行列でない。このため、V1を用いた演算では計算の負荷が大きくなってしまう。
なお、基地局10の送信データをS、移動局20の受信データをRとすると、移動局20の受信データRは、以下の数式3または数式4のように表現される。
[1−3.送信用重みのフィードバック方式]
上記の送信用重みV1およびV2を決定するためのMIMOのフィードバック方式として、Implicit Feedback、Explicit Feedback、およびSRS−based Feedbackの3つの方式が考えられる。4Gでは、送信用重みV1およびV2を決定するためのMIMOのフィードバック方式として、フィードバック回線への負荷が少ないことからImplicit Feedbackを用いることが決まっている。以下、参考のために、3.9G(LTE)での各フィードバック方式について説明する。
(1)Implicit Feedback
基地局は、予め設計されたcoodbookに16種類の送信用重み(V1)〜(V16)(pre coding)を用意しておく。基地局からのリファレンス信号を受信した移動局は、基地局と移動局の間のチャネル行列Hを取得する。そして、移動局は、HV(1),HV(2),・・・,HV(16)のうちでどれが最も受信電力が大きいかを仮判定する。その後、移動局は、受信電力を最大化するVを指し示すインデックス番号を基地局にフィードバックする。基地局は、そのフィードバックされたインデックスに対応するVを用いてデータを送信する。
(2)Explicit Feedback
基地局がリファレンス信号を送信し、基地局からのリファレンス信号を受信した移動局は、Implicit Feedbackと同様に、基地局と移動局の間のチャネル行列Hを取得する。そして、移動局は、チャネル行列Hをそのままの形で基地局にフィードバックする。基地局は、移動局からフィードバックされたダウンリンクのチャネル行列Hから望ましい送信用の重みを計算して作成する。そして、基地局は、作成した送信用重みを用いてデータを送信する。このExplicit Feedbackでは、フィードバック時にチャネル行列Hがそのまま送信されるので、フィードバックに費やされるリソースがImplicit Feedbackより大きくなるという問題がある。
(3)SRS−based Feedback
移動局がリファレンス信号を送信し、移動局からのリファレンス信号を受信した基地局は、移動局から基地局の間のアップリンクのチャネル行列を取得する。チャネルの可逆性が成り立つ場合(TDDモードの場合)、基地局は、このチャネル行列から仮想的なダウンリンクのチャネル行列を作ることができる。このようにして仮想的なダウンリンクのチャネル行列を作る方式がSRS−based Feedbackである。このSRS−based Feedbackには、基地局のアナログ回路のバラツキを補正しておくキャリブレーションを行なわないと、アップリンクとダウンリンクのチャネル(アナログ回路の特性を含んだ形のチャネル行列)の可逆性が成りたたないという問題点がある。
[1−4.ダイナミックスイッチング]
4G(LTE−Advanced)では、MIMOの設定をMU−MIMOとSU−MIMOの間でダイナミックに切り替えることが検討されている。また、4GのMU−MIMOでは、8ストリームを用いることが検討されている。8ストリームの場合、「1−2.送信用重み(V1およびV2)」において説明したV2のような位相調整のための行列を一つ使用することになる。
上記では、MU−MIMOを、4x4の行列であるV1と2x2の行列であるV2を組み合わせて実現する例を説明した。一方、SU−MIMOのためには、8x8の行列であるV2のみが用いられる。また、8x8のV2の各要素は、2x2のV2と同様にプラスマイナス1とプラスマイナスjで表わされる。なお、jは虚数を表わす。
このように、MU−MIMOとSU−MIMOとでは異なるV2が用いられるので、本明細書においては、MU−MIMO用のV2をV2_MUと称し、SU−MIMO用の重みをV2_SUと称することで双方のV2を区別する。
[1−5.比較例]
4Gおよび本実施形態では、「1−3.送信用重みのフィードバック方式」において説明したように、Implicit Feedbackにより送信用重みV1およびV2_MUを決定する。ここで、本実施形態の技術的意義をより明確にするために、図4を参照し、送信用重みV1およびV2_MUの比較例による決定方法を説明する。
図4は、送信用重みV1およびV2_MUの比較例による決定方法を示した説明図である。図4において横軸は時間を示す。また、CSIは、CSI_RS(Channel State Information Reference Signal)である。
図4に示したように、基地局はCSI_RSを送信し(ステップ1)、移動局は、基地局から受信したCSI_RSからチャネル行列Hを取得する。そして、移動局は、取得したチャネル行列Hに対して、4種類のV1の候補から、いずれのV1が最適であるかを評価する。例えば、移動局は、4種類のV1の候補のうちで受信電力を最大化するV1を選択する。さらに、移動局は、最適なV2_MUを評価、選択する。その後、移動局は、選択したV1を示すIndex_V1、およびV2_MUを示すIndex_V2を基地局にフィードバックする(ステップ2)。基地局は、移動局からのフィードバックに基づいてV1およびV2_MUを決定する。
基地局および移動局は、V1およびV2_MUを決定すると、V2_MUのみを複数回更新した後(ステップ3)、V1およびV2_MUを更新する(ステップ4)。このように、V2_MUの更新頻度の方がV1の更新頻度よりも高い。
ここで、移動局は、V1を選択する際に、複数種類のV1を用いた演算を行う。「1−2.送信用重み(V1およびV2)」において説明したように、V1を用いた演算は、V2_MUを用いた演算よりも負荷が重いので、V1を選択する際の移動局の負荷は大きくなる。
一方、V2の選択に際してはV1を用いた演算が不要となるようにも思われる。しかし、この考えは誤りであり、移動局はV2の選択に際してもV1を用いた演算を行う。なぜならば、移動局は、新しく受信したCSI_RSからチャネル行列Hを取得し、このチャネル行列Hに決定済みのV1を乗算し、V1が乗算されたチャネル行列Hに対して最適なV2_MUを評価するからである。このように、比較例による送信用重みの決定方法では、V1およびV2の更新時のいずれにおいても移動局がV1を用いた演算を行う必要があるので、移動局の計算量が増大してしまう。
続いて、図5を参照し、MU−MIMOとSU−MIMOが混在している場合の送信用重みの比較例による決定方法を説明する。
図5は、MU−MIMOとSU−MIMOが混在している場合の送信用重みの比較例による決定方法を示した説明図である。図5に示したように、MU−MIMOとSU−MIMOが混在している場合、基地局および移動局は、V1およびV2_MUに加え、全てのCSI_RSに関してV2_SUの更新を行う。このため、移動局における計算負荷は、V2_SUの更新を行う分さらに増大してしまう。しかし、MU−MIMOとSU−MIMOのダイナミックスイッチングを実現するためには、V2_MUおよびV2_SUの双方を常時評価していることが重要である。
以上説明した比較例による送信用重みの決定方法は以下のように総括される。
(1)移動局における計算負荷が高い
理由:図4を参照して説明したように、V2_MUを評価する際にも決定済みのV1を用いた演算を行う。
(2)MU−MIMOとSU−MIMOのダイナミックスイッチングを実現しようとすると、移動局における計算負荷がさらに増大する。
理由:図5を参照して説明したように、V2_MUおよびV2_SUの双方を常時評価する。
また、OFDM変調方式等の複数のサブキャリヤを用いる通信システムにおいてダイナミックスイッチングを行う場合に、効果的に計算量を減らすことのできる周波数サブキャリヤの割り当て方法が存在しなかった。
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の各実施形態によれば、送信用重みの決定のための移動局20における計算負荷を抑制することが可能である。以下、このような本発明の各実施形態について詳細に説明する。
<2.基地局の基本構成>
本発明は、一例として「4−1.第1の実施形態」〜「4−7.第7の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態による基地局10は、
A:参照信号(CSI_RS)を送信する通信部(アンテナ110、アナログ処理部120など)と、
B:通信相手(移動局20)による参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重み(V1)を乗算する第1の乗算部(V1乗算部154)と、
C:通信相手による参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重み(V2_MU)を乗算する第2の乗算部(V2_MU乗算部156)と、
を備える。さらに、
D:通信部が、第1の送信用重みの決定後、参照信号および第1の送信用重みとの乗算により得られる重み付き参照信号(V1*CSI_RS)を送信する。
以下では、まず、このような各実施形態による基地局10おいて共通する基本構成について図6〜図8を参照して説明する。
図6は、本発明の実施形態による基地局10の構成を示した説明図である。図6に示したように、本発明の実施形態による基地局10は、複数のアンテナ110と、スイッチSW116と、アナログ処理部120と、AD/DA変換部124と、復調処理部128と、上位レイヤ用信号処理部132と、スケジューラ136と、変調処理部140と、重み乗算部150と、を備える。
アンテナ110A〜110Nは、移動局20から送信された無線信号を電気的な受信信号に変換してアナログ処理部120に供給する受信部、および、アナログ処理部120から供給される送信信号を無線信号に変換して移動局20に送信する送信部として機能する。なお、アンテナ110の数は特に限定されず、例えば、8本であってもよいし、16本であってもよい。
スイッチSW116は、基地局10による送信動作と受信動作を切り替えるためのスイッチである。アンテナ110A〜110NがスイッチSW116を介してアナログ処理部120の送信回路と接続される場合には基地局10は送信動作を行い、アンテナ110A〜110NがスイッチSW116を介してアナログ処理部120の受信回路と接続される場合には基地局10は受信動作を行う。
アナログ処理部120は、送信信号に対するアナログ処理を行う送信回路、および、受信信号に対するアナログ処理を行う受信回路を備える。送信回路においては、例えば、AD/DA変換部124から供給されるアナログ形式の送信信号のアップコンバージョン、フィルタリング、およびゲインコントーロールなどが行われる。受信回路においては、例えば、スイッチSW116を介してアンテナ110から供給される受信信号のダウンコンバージョンおよびフィルタリングなどが行われる。
AD/DA変換部124は、アナログ処理部120から供給される受信信号のAD(Analogue Digital)変換、および重み乗算部150から供給される送信信号のDA(Digital Analogue)変換を行う。
復調処理部128は、AD/DA変換部124から供給される受信信号の復調処理を行う。復調処理部128が行う復調処理は、OFDM復調処理、MIMO復調処理、および誤り訂正などを含んでもよい。
上位レイヤ用信号処理部132は、上位レイヤとの間で送信データおよび受信データを入出力するための処理、スケジューラ136、変調処理部140および重み乗算部150の制御処理、および移動局20からのフィードバック情報に基づく各送信用重みの決定処理などを行う。
また、本実施形態による基地局10は、詳細については後述するように、移動局20からのフィードバック情報に基づいて送信用重みV1を決定した後、CSI_RS(参照信号)に加え、CSI_RSとV1を乗算して得られるV1*CSI_RS(重み付き参照信号)を送信する。上位レイヤ用信号処理部132は、このCSI_RSおよびV1*CSI_RSを送信するためのリソースを管理する参照信号管理部としての機能を包含する。そして、上位レイヤ用信号処理部132は、割り当てたリソースにおいてCSI_RSまたはV1*CSI_RSが送信されるよう、重み乗算部150を制御する。
スケジューラ136は、各移動局20にデータ通信のためのリソースを割り当てる。スケジューラ136によって割り当てられたリソースは制御チャネルにより各移動局20に通知され、各移動局20は、通知されたリソースを用いてアップリンクまたはダウンリンクのデータ通信を行う。
変調処理部140は、上位レイヤ用信号処理部132から供給される送信データに対し、コンスタレーションに基づくマッピングなどの変調処理を行う。変調処理部140による変調後の送信信号は重み乗算部150に供給される。
重み乗算部150は、MU−MIMO実行時、変調処理部140から供給される送信信号に、上位レイヤ用信号処理部132により決定された送信用重みV1およびV2_MUを乗算する。一方、重み乗算部150は、SU−MIMO実行時、変調処理部140から供給される送信信号に、上位レイヤ用信号処理部132により決定された送信用重みV2_SUを乗算する。また、重み乗算部150は、上位レイヤ用信号処理部132によりV1*CSI_RS(*は複素乗算)を送信するために割り当てられたリソースにおいて、CSI_RSにV1を乗算する。以下、図7を参照し、このような重み乗算部150の構成をより詳細に説明する。
図7は、重み乗算部150の構成を示した説明図である。図7に示したように、重み乗算部150は、セレクタ151、157および158と、V2_SU乗算部152と、V1乗算部154と、V2_MU乗算部156と、を備える。
セレクタ151は、変調処理部140から供給される送信信号を、V2_MU乗算部156またはV2_SU乗算部152に供給する。より詳細に説明すると、セレクタ151は、MIMOの設定がMU−MIMOである場合には送信信号をV2_MU乗算部156に供給し、MIMOの設定がSU−MIMOである場合には送信信号をV2_SU乗算部152に供給する。
V2_SU乗算部152は、セレクタ151から供給される送信信号に、上位レイヤ用信号処理部132により決定されたV2_SUを乗算する。
一方、V2_MU乗算部156は、セレクタ151から供給される送信信号に、上位レイヤ用信号処理部132により決定されたV2_MUを乗算する。さらに、V1乗算部154は、V2_MUが乗算された送信信号にV1を乗算する。
セレクタ157は、V1乗算部154による乗算結果、またはV2_SU乗算部152による乗算結果を選択的に出力する。より詳細に説明すると、セレクタ157は、MIMOの設定がMU−MIMOである場合にはV1乗算部154による乗算結果を出力し、MIMOの設定がSU−MIMOである場合にはV2_SU乗算部152による乗算結果を出力する。
セレクタ158は、CSI_RSを、V1乗算部154の前段または後段に供給する。より詳細に説明すると、セレクタ158は、CSI_RSの送信のために割り当てられたリソースにおいては、CSI_RSをV1乗算部154の後段に供給する。この場合、基地局10は、V1が乗算されていないCSI_RSを送信する。
一方、セレクタ158は、V1*CSI_RSの送信のために割り当てられたリソースにおいては、CSI_RSをV1乗算部154の前段に供給する。この場合、CSI_RSはV1乗算部154においてV1と乗算されるので、基地局10は、V1*CSI_RSを送信する。
なお、図7においてはV1乗算部154がV2乗算部156の後段に配置される例を示しているが、重み乗算部150の構成はかかる例に限定されない。例えば、以下に図8を参照して説明するように、V1乗算部154をV2乗算部156の前段に配置することも可能である。
図8は、変形例による重み乗算部150’の構成を示した説明図である。図8に示したように、変形例による重み乗算部150’は、セレクタ151、155、157および159と、V2_SU乗算部152と、V1乗算部154と、V2_MU乗算部156と、を備える。
変形例による重み乗算部150’においては、図8に示したように、V1乗算部154はV2_MU乗算部156の前段に配置される。また、変形例による重み乗算部150’においては、セレクタ159が、CSI_RSをV1乗算部154の前段またはV2_MU乗算部156の後段に供給する。
より詳細に説明すると、セレクタ159は、CSI_RSの送信のために割り当てられたリソースにおいては、CSI_RSをV2_MU乗算部156の後段に供給する。この場合、基地局10は、V1が乗算されていないCSI_RSを送信する。
一方、セレクタ159は、V1*CSI_RSの送信のために割り当てられたリソースにおいては、CSI_RSをV1乗算部154の前段に供給する。この場合、CSI_RSはV1乗算部154においてV1と乗算され、乗算結果であるV1*CSI_RSは、セレクタ155からV2_MU乗算部156をバイパスするようにセレクタ157へ供給される。その結果、基地局10はV1*CSI_RSを送信する。
以上説明したように、本実施形態による基地局10は、送信用重みV1の決定後、V1*CSI_RSの送信を開始する。かかる構成により、以下に説明する移動局20におけるV2_MUなどの計算負荷を抑制することが可能となる。
<3.移動局の基本構成>
図9は、本実施形態による移動局20の構成を示した説明図である。図9に示したように、本実施形態による移動局20は、複数のアンテナ210と、スイッチSW216と、アナログ処理部220と、AD/DA変換部224と、復調処理部228と、上位レイヤ用信号処理部232と、変調処理部240と、チャネル行列取得部244と、重み決定部248と、を備える。
アンテナ210Aおよび210Bは、基地局10から送信された無線信号を電気的な受信信号に変換してアナログ処理部220に供給する受信部、および、アナログ処理部120から供給される送信信号を無線信号に変換して基地局10に送信する送信部として機能する。なお、アンテナ210の数は特に限定されず、例えば、4本であってもよいし、8本であってもよい。
スイッチSW216は、移動局20による送信動作と受信動作を切り替えるためのスイッチである。アンテナ210Aおよび210BがスイッチSW216を介してアナログ処理部220の送信回路と接続される場合には移動局20は送信動作を行い、アンテナ210Aおよび210BがスイッチSW216を介してアナログ処理部220の受信回路と接続される場合には移動局20は受信動作を行う。
アナログ処理部220は、送信信号に対するアナログ処理を行う送信回路、および、受信信号に対するアナログ処理を行う受信回路を備える。送信回路においては、例えば、AD/DA変換部224から供給されるアナログ形式の送信信号のアップコンバージョン、フィルタリング、およびゲインコントーロールなどが行われる。受信回路においては、例えば、スイッチSW216を介してアンテナ210から供給される受信信号のダウンコンバージョンおよびフィルタリングなどが行われる。
AD/DA変換部224は、アナログ処理部220から供給される受信信号のAD変換、変調処理部240から供給される送信信号のDA変換を行う。
復調処理部228は、AD/DA変換部224から供給される受信信号の復調処理を行う。復調処理部228が行う復調処理は、OFDM復調処理、MIMO復調処理、および誤り訂正などを含んでもよい。
上位レイヤ用信号処理部232は、上位レイヤとの間で送信データおよび受信データを入出力するための処理を行う。また、上位レイヤ用信号処理部232は、重み決定部248により決定された送信用重みを示すフィードバック情報を送信データとして変調処理部240へ供給する。
変調処理部240は、上位レイヤ用信号処理部232から供給される送信データに対し、コンスタレーションに基づくマッピングなどの変調処理を行う。変調処理部240による変調後の送信信号はAD/DA変換部224に供給される。
チャネル行列取得部244は、基地局10からCSI_RSが受信されると、基地局10と移動局20の間のチャネル行列Hを取得する。
重み決定部248は、チャネル行列取得部244により取得されたチャネル行列Hに基づき、V1、V2_MU、およびV2_SUなどの送信用重みを決定する。ここで、図4を参照して説明したように、比較例による移動局は、CSI_RSから取得したチャネル行列Hに基づいてV2_MUを更新する場合、チャネル行列Hに対して決定済みのV1を乗算し、V1が乗算されたチャネル行列Hに対して最適なV2_MUを評価する。このため、比較例による移動局では、V2_MUの更新時にもV1を用いた演算が行われる。
これに対し、本実施形態においては、V1の決定後、基地局10からV1が乗算されたCSI_RSであるV1*CSI_RSが受信される。このV1*CSI_RSからチャネル行列取得部244により取得されるチャネル行列Hは、既にV1が乗算された形となっている。したがって、重み決定部248は、V1*CSI_RSから取得されるチャネル行列Hに基づき、V1を用いた演算を行うことなくV2_MUを更新することができる。その結果、V2_MUの更新のための移動局20における計算負荷を大幅に抑制することが可能である。
<4.各実施形態の説明>
以上、本発明の各実施形態による基地局10および移動局20の基本構成を説明した。続いて、本発明の各実施形態について詳細に説明する。
[4−1.第1の実施形態]
図10は、本発明の第1の実施形態を示した説明図である。図10に示したように、基地局10は、CSI_RSを送信してV1が決定されると、V2_MUの更新(決定)のためにV1*CSI_RSを送信する。上述したように、V1*CSI_RSを受信した移動局20は、V1を用いた演算を行わずに最適なV2_MUを評価することが可能である。
そして、基地局10は、V1*CSI_RSを複数回送信した後、V1の更新のためにCSI_RSを送信する。その後、基地局10は、V2_MUの更新のためにV1*CSI_RSを送信する。
図10においてはV2の更新頻度がV1の更新頻度の4〜5倍程度である例を示しているが、更新頻度の関係はかかる例に限定されない。実際には、V1の更新頻度がV2の更新頻度の10倍を上回ることも想定される。
[4−2.第2の実施形態]
第1の実施形態で説明したように、基地局10がV1*CSI_RSを送信すれば、移動局20はV1を用いた演算を行わずに最適なV2_MUを評価することが可能である。ここで、MU−MIMOとSU−MIMOのダイナミックスイッチングを実現するためには、移動局20がV2_SUを取得している必要がある。しかし、移動局20はV1*CSI_RSからV2_SUを評価することが困難である。
そこで、第2の実施形態による基地局10の上位レイヤ用信号処理部132は、V1*CSI_RSを送信するリソースをV2_MUの更新(決定)のために割り当てることに加え、CSI_RSを送信するリソースをV2_SUの更新(決定)のために割り当てる。図11を参照し、このような第2の実施形態による基地局10の動作を具体的に説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態を示した説明図である。図11に示したように、第2の実施形態による基地局10は、V1の決定後、V1*CSI_RSをV2_MUの更新のために送信すると共に、CSI_RSをV2_SUの更新(決定)のために送信する。かかる構成により、V1*CSI_RSに基づいてV2_MUが得られ、CSI_RSに基づいてV2_SUが得られるので、MU−MIMOとSU−MIMOのダイナミックスイッチングを実現することが可能となる。
なお、移動局20は、基地局10から受信される無線信号がCSI_RSまたはV1*CSI_RSのいずれであるかを、例えば以下の方法により判別することができる。
(1)基地局10が、RRCシグナリングを経由で事前にCSI_RSまたはV1*CSI_RSを送信するタイミングまたは順序などを移動局20に通知しておく。
(2)基地局10が、システムインフォメーションをブロードキャストすることによりCSI_RSまたはV1*CSI_RSを送信するタイミングまたは順序などを移動局20に通知しておく。
(3)基地局10が、CSI_RSまたはV1*CSI_RSのいずれであるかを示す識別情報を付加してCSI_RSおよびV1*CSI_RS送信する
[4−3.第3の実施形態]
SU−MIMOは、「1−4.ダイナミックスイッチング」において説明したように、例えば8本の独立なストリームをMIMO送信する。一方、MU−MIMOは、例えば4つの異なる移動局20の各々に対して、2本の独立なストリームをMIMO送信する。したがって、V2_SUは8ストリーム用であるのに対し、V2_MUは2ストリーム用という点で双方は相違する。
この場合、8ストリーム用であるV2_SUの方が高い精度が求められるので、V2_SUの更新頻度をV2_MUの更新頻度より高くすることが有効である。
そこで、第3の実施形態による基地局10の上位レイヤ用信号処理部132は、V2_MUの更新(決定)するためのV1*CSI_RSの送信よりも、V2_SUを更新(決定)するためのCSI_RSの送信に多くのリソースを割り当てる。図12を参照し、このような第3の実施形態による基地局10の動作を具体的に説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態を示した説明図である。図12に示したように、第3の実施形態による基地局10は、V1の決定後、V2_MUの更新(決定)するためのV1*CSI_RSよりも、V2_SUを更新(決定)するためのCSI_RSを時間方向上で高い頻度で送信する。かかる構成により、V2_MUの更新時の移動局20における計算負荷を抑制しつつ、高精度なV2_SUを取得することが可能となる。
[4−4.第4の実施形態]
第3の実施形態では、V2_SUの更新頻度をV2_MUの更新頻度より高くするために、基地局10が、V1*CSI_RSよりもCSI_RSを時間方向上で高い頻度で送信することを説明した。第4の実施形態では、第3の実施形態と同様にV2_SUの更新頻度をV2_MUの更新頻度より高くするために、OFDMのサブキャリヤにおいて、V1*CSI_RSおよびCSI_RSを周波数方向上での配置を創意工夫した。以下、図13を参照し、第4の実施形態によるリソース割り当て例を具体的に説明する。
図13は、第4の実施形態によるV1*CSI_RSおよびCSI_RSのリソース割り当て例を示した説明図である。図13に示したように、第4の実施形態による基地局10の上位レイヤ用信号処理部132は、V1*CSI_RSよりもCSI_RSを周波数方向上で密に配置する。このように、周波数方向上でのV1*CSI_RSおよびCSI_RSの配置を創意工夫することによっても、第3の実施形態と同様に、V2_MUの更新時の移動局20における計算負荷を抑制しつつ、高精度なV2_SUを取得することが可能となる。
[4−5.第5の実施形態]
第5の実施形態は、送信用重みの決定後の送信用重みを用いたデータ通信のためのリソース割り当てについて説明する。
図14は、第5の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。図14の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。また、図14中の方形ブロックの時間幅は1リソースブロックであってもよいし、1サブフレームであってもよい。また、方形ブロックの周波数幅は1リソースブロック(12サブキャリヤ分)であってもよいし、他のバンド幅であってもよい。
図14に示したように、基地局10がまずCSI_RSを送信すると、移動局20がCSI_RSの受信に基づいてV1、V2_MU、およびV2_SUを周波数ごとに取得する。そして、移動局20は、V1、V2_MU、およびV2_SUを基地局10にフィードバックする。
その後、基地局10のスケジューラ136は、図14に示したように、周波数範囲Bに含まれる下から4つのリソースブロックを移動局20A〜20CとのMU−MIMO(第1の方式)のために割り当てる。一方、基地局10のスケジューラ136は、図14に示したように、周波数範囲Aに含まれる上から2つのリソースブロックを移動局20DとのSU−MIMO(第2の方式)のために割り当てる。
ここで、第5の実施形態によるスケジューラ136は、周波数範囲Bに含まれるリソースブロックはMU−MIMO用の領域として保ち、周波数範囲Aに含まれるリソースブロックはSU−MIMO用の領域として保つ。
このため、第5の実施形態によるスケジューラ136は、例えば移動局20CのMIMOの設定をMU−MIMOからSU−MIMOにダイナミックスイッチングさせる場合、図14に示したように、移動局20Cに割り当てるリソースブロックを周波数範囲Aに含まれるリソースブロックに移動させる。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、MU−MIMOとSU−MIMOのダイナミックスイッチングを、移動局20のリソースブロックを周波数方向上で移動させることにより実現することができる。
[4−6.第6の実施形態]
図15は、第6の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。図15に示したように、第6の実施形態による上位レイヤ用信号処理部132は、V1の決定後、第5の実施形態において説明したMU−MIMO用の周波数範囲Bに含まれるリソースブロックをV1*CSI_RSの送信のために割り当てる。また、上位レイヤ用信号処理部132は、第5の実施形態において説明したSU−MIMO用の周波数範囲Aに含まれるリソースブロックをCSI_RSの送信のために割り当てる。
かかる構成により、周波数範囲BではV2_MUを移動局20における計算量を抑制して更新しつつ、周波数範囲AではV2_SUを更新することができる。このため、周波数範囲BをMU−MIMOによる通信のために利用し、周波数範囲AをSU−MIMOによる通信のために利用することが可能となる。
[4−7.第7の実施形態]
上記の第5の実施形態および第6の実施形態では、MU−MIMO用の周波数範囲およびSU−MIMO用の周波数範囲を固定する例を説明したが、以下に第7の実施形態として説明するように、MU−MIMO用の周波数範囲およびSU−MIMO用の周波数範囲を動的に変化させることも可能である。
図16は、第7の実施形態によるリソース割り当ての具体例を示した説明図である。図16に示したように、時間t1において周波数範囲Zおよび周波数範囲X内のリソースブロックがCSI_RSの送信用に割り当てられ、周波数範囲Y内のリソースブロックがV1*CSI_RSの送信用に割り当てられたとする。
ここで、CSI_RSが送信される周波数では、V1、V2_MU、およびV2_SUを取得することが可能である。一方、V1*CSI_RSが送信される周波数では、V2_MUは取得できるものの、V2_SUを取得することは困難である。すなわち、V1*CSI_RSが送信される周波数はMU−MIMOに使用でき、CSI_RSが送信される周波数はMU−MIMOまたはSU−MIMOのいずれにも使用できる。
そこで、第7の実施形態によるスケジューラ136は、CSI_RSが送信される周波数範囲Xおよび周波数範囲Z内のリソースブロックを、SU−MIMO用とMU−MIMO用とスイッチング可能領域として扱う。一方、スケジューラ136は、V1*CSI_RSが送信される周波数範囲Y内のリソースブロックをMU−MIMO専用領域として扱う。
例えば、スケジューラ136は、図16に示したように時間t2においては周波数範囲X内のリソースブロックをSU−MIMOによる通信のために割り当て、周波数範囲Yおよび周波数Z内のリソースブロックをMU−MIMOによる通信のために割り当てる。その後、スケジューラ136は、時間t3においては周波数範囲Z内のリソースブロックをMU−MIMO用からSU−MIMO用に切り替え、周波数範囲X内のリソースブロックをSU−MIMO用からMU−MIMO用に切り替えることが可能である。
<5.基地局および移動局の動作>
以上、本発明の各実施形態を説明した。続いて、図17および図18を参照し、本発明の実施形態による基地局10および移動局20の動作を説明する。
図17は、本発明の実施形態による基地局10の動作を示したフローチャートである。なお、図17は、特に第7の実施形態による基地局10の動作に対応している。
図17に示したように、基地局10は、まずV1とV2_MUの時間方向での更新頻度を決定する(S304)。続いて、基地局10は、V2_SUの時間方向での更新頻度を決定する(S308)。
その後、基地局10は、MU−MIMOのためのリソースと、SU−MIMOのためのリソースの周波数方向での密度を決定する(S312)。さらに、基地局10は、図16に示したMU−MIMO専用領域とダイナミックスイッチング可能領域の周波数方向上での比率を決定する(S316)。なお、図16に示した例では、MU−MIMO専用領域とダイナミックスイッチング可能領域の周波数方向上での比率は1:2であり、MU−MIMOのためのリソースと、SU−MIMOのためのリソースの周波数方向での密度比は2:1である。
続いて、基地局10は、CSI_RSを送信するためのリソースおよびV1*CSI_RSを送信するためのリソースを割り当てる(S320)。より具体的には、基地局10は、S316においてMU−MIMO専用領域として決定した周波数のリソースをV1*CSI_RSを送信のために割り当て、ダイナミックスイッチング可能領域として決定した周波数のリソースをCSI_RSの送信のために割り当てる。また、基地局10は、S304およびS308の決定結果に基づいてV1*CSI_RSおよびCSI_RSに時間方向上のリソースを割り当てる。そして、基地局10は、決定されたリソースに従ってCSI_RSおよびV1*CSI_RSを送信する。
図18は、本実施形態による移動局20の動作を示したフローチャートである。図18に示したように、移動局20は、基地局10から無線信号を受信すると(S404)、この無線信号がCSI_RSである場合(S408)、CSI_RSの受信結果からチャネル行列Hを取得する(S412)。そして、移動局20は、S412で取得したチャネル行列Hに基づき、V1、V2_MU、およびV2_SUなどの送信用重みを決定する(S416)。さらに、移動局20は、V1、V2_MU、およびV2_SUを基地局10にフィードバックする(S420)。
一方、受信された無線信号がV1*CSI_RSである場合(S408)、移動局20は、V1*CSI_RSの受信結果から、V1が乗算されたチャネル行列Hを取得する(S424)。そして、移動局20は、V1が乗算されたチャネル行列Hに基づき、V1を用いた演算を行うことなくV2_MUを決定する(S428)。さらに、移動局20は、V2_MUを基地局10にフィードバックする(S432)。
また、受信された無線信号がデータ信号である場合(S408)、移動局20は、データ信号を復調して基地局10から送信されたデータを取得する(S436)。
<6.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態による基地局10は、送信用重みV1の決定後、V1*CSI_RSの送信を開始する。かかる構成により、以下に説明する移動局20におけるV2_MUなどの計算負荷を抑制することが可能となる。さらに、本発明の実施形態による基地局10は、CSI_RSの送信も継続する。かかる構成により、移動局20がCSI_RSの受信に基づいてV2_SUを決定することができる。その結果、MU−MIMOおよびSU―MIMO間のダイナミックスイッチングを実現することが可能となる。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1の実施形態〜第7の実施形態のうちの2以上の実施形態を組み合わせてもよい。具体的には、第3の実施形態で説明した時間方向上のリソース割り当て、第5の実施形態で説明した周波数方向上のリソース割り当て、第6の実施形態で説明したSU−MIMOおよびMU−MIMOのためのリソース割り当てを組み合わせることも可能である。
また、本明細書の基地局10または移動局20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10または移動局20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、基地局10または移動局20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10または移動局20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
10 基地局
20、20A、20B 移動局
110、210 アンテナ
116、216 スイッチSW
120、220 アナログ処理部
124、224 AD/DA変換部
128、228 復調処理部
132、232 上位レイヤ信号処理部
136 スケジューラ
140、240 変調処理部
150 重み乗算部
152 V2_SU乗算部
154 V1乗算部
156 V2_MU乗算部
244 チャネル行列取得部
248 重み決定部

Claims (19)

  1. 参照信号を送信する送信部と;
    移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重み情報、および、前記第1の送信用重み情報の決定後に前記移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重み情報を受信する受信部と、
    各移動局に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラと;
    を備え、
    前記送信部は、前記第1の送信用重み情報の受信に応じて決定した送信用重み情報によって重み付けした重み付き参照信号を送信し、
    前記スケジューラは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当てる、基地局。
  2. 前記基地局は、前記重み付き参照信号の送信のためのリソースを管理する参照信号管理部をさらに備える、請求項1に記載の基地局。
  3. 前記参照信号管理部は、前記第1の送信用重み情報の決定後、前記重み付き参照信号の送信のためのリソース、および前記参照信号を送信するためのリソースを割り当てる、請求項2に記載の基地局。
  4. 前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の送信より、前記参照信号を送信のために多くのリソースを割り当てる、請求項3に記載の基地局。
  5. 前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の時間軸上の送信頻度より、前記参照信号の時間軸上の送信頻度が高くなるようにリソースを割り当てる、請求項4に記載の基地局。
  6. 前記参照信号管理部は、前記重み付き参照信号の送信用リソースの周波数軸上の密度より、前記参照信号の送信用リソースの周波数軸上の密度が高くなるようにリソースを割り当てる、請求項4に記載の基地局。
  7. 前記第1の周波数範囲は、前記重み付き参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲であり、
    前記第2の周波数範囲は、前記参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲である、請求項1に記載の基地局。
  8. 前記第1の方式はMU−MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)であり、前記第2の方式はSU−MIMO(SIngle User Multi Input Multi Output)である、請求項1に記載の基地局。
  9. 前記スケジューラは、前記重み付き参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、前記参照信号の送信用リソースが割り当てられる周波数範囲内のリソースを前記第1の方式または前記第2の方式による通信のために割り当てる、請求項3に記載の基地局。
  10. 前記第2の送信用重み情報の更新頻度は、前記第1の送信用重み情報の更新頻度よりも高い、請求項3に記載の基地局。
  11. 前記第1の送信用重み情報は指向性を形成するための重み情報であり、前記第2の送信用重み情報は位相を調整するための無指向性の重み情報である、請求項10に記載の基地局。
  12. コンピュータを、
    参照信号を送信する送信部と;
    移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重み情報、および、前記第1の送信用重み情報の決定後に前記移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重み情報を受信する受信部と、
    各移動局に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラと;
    を備え、
    前記送信部は、前記第1の送信用重み情報の受信に応じて決定した送信用重み情報によって重み付けした重み付き参照信号を送信し、
    前記スケジューラは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当てる、基地局、として機能させるための、プログラム。
  13. 参照信号を送信するステップと;
    移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重み情報、および、前記第1の送信用重み情報の決定後に前記移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重み情報を受信するステップと;
    前記第1の送信用重み情報の受信に応じて決定した送信用重み情報によって重み付けした重み付き参照信号を送信するステップと:
    各移動局に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるステップと;
    を含み、
    前記リソースを割り当てるステップは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当てることを含む、基地局により実行される無線通信方法。
  14. 移動局と;
    参照信号を送信する送信部
    移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第1の送信用重み情報、および、前記第1の送信用重み情報の決定後に前記移動局による前記参照信号の受信に基づいて決定された第2の送信用重み情報を受信する受信部、および、
    各移動局に第1の方式または第2の方式による通信のためのリソースを割り当てるスケジューラ;を有し、
    前記送信部は、前記第1の送信用重み情報の受信に応じて決定した送信用重み情報によって重み付けした重み付き参照信号を送信し、
    前記スケジューラは、第1の周波数範囲内のリソースを前記第1の方式による通信のために割り当て、第2の周波数範囲内のリソースを前記第2の方式による通信のために割り当てる、基地局と;
    を備える、無線通信システム。
  15. 参照信号を受信する通信部と;
    前記参照信号の受信に基づいて第1の送信用重み情報を決定し、前記第1の送信用重み情報の決定後、前記参照信号の受信に基づいて第2の送信用重み情報を決定する送信用重み情報決定部と;
    を備え、
    前記通信部は、基地局において前記第1の送信用重み情報の受信に応じて重み付けされた重み付き参照信号を受信し、
    前記基地局によって割り当てられた第1の周波数範囲内のリソースを用いた第1の方式または第2の周波数範囲内のリソースを用いた第2の方式による通信を行なう、
    通信装置。
  16. 前記第1の送信用重み情報は指向性に関連し、前記第2の送信用重み情報は位相に関連した送信用重み情報である、請求項15に記載の通信装置。
  17. 前記第1の送信用重み情報は、前記第2の送信用重み情報に比べて広い周波数領域をカバーする、請求項15に記載の通信装置。
  18. 前記通信部は、前記第1の送信用重み情報を第1の周期に従って送信し、前記第2の送信用重み情報を前記第1の周期より短い第2の周期に従って送信する、請求項15に記載の通信装置。
  19. 前記第1の方式はMU−MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)であり、前記第2の方式はSU−MIMO(SIngle User Multi Input Multi Output)である、請求項15に記載の通信装置。
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