JP2007514411A - 骨形成タンパクのcd4+エピトープ - Google Patents

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Abstract

本発明は、骨形成タンパク(BMPs)におけるCD4+T細胞エピトープを提供する。特定の態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14タンパクの免疫原性を低減させる修飾に適切なBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、骨形成タンパク(BMPs)におけるCD4+T細胞エピトープを提供する。特定の態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14タンパクの免疫原性を低減させる修飾に適切なBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。
「骨形成タンパク」(「BMP」)は、もともと脱塩骨抽出物中で同定されたタンパク質ファミリーのことを言及するために使われる総称である。骨物質(およそ1μ/kgの骨乾燥重量)に微量見出されるこれらのタンパク質は、異所での骨形成を誘発することが可能であると認められた。他方、「BMP」の用語はそれらの特性を示すものであり、これらのタンパク質はまた、他の機能を有し、骨形成以外の過程に関与している。
タンパク質のBMPファミリー
BMP-1を例外として、BMPタンパクは、形質転換成長因子β(「TGF-β」)スーパーファミリータンパクの一種である。異なる形態形成タンパクの中には、同様のタンパク質をもつ数種を含め、かなりの種の保存が存在する。BMPファミリーは、下記のタンパク質を含む一連のタンパク質を含む。BMP-1( シグナル配列をコードする22アミノ酸を含む730アミノ酸)は、いくつかのプロコラーゲンを成熟コラーゲン繊維を形成する断片に開裂する、システインに富む亜鉛ぺプチダーゼである。それは、プロコラーゲンC-プロテイナーゼ、すなわち細胞外基質(ECM)形成に関与するメタロプロテイナーゼと同一である。BMP-2A(「BMP-2α」および「BMP-2 アルファ」としても知られる)は、BMP-2に改名された。この因子の114アミノ酸は、ヒト、マウス、およびラットのタンパク質において同一であることが示された。更に、このタンパク質はショウジョウバエdpp(すなわち、胚発生に関与する遺伝子座である「デカペンタプレジック(decapentaplegic)」と68%の相同性を示す。BMP-2B(BMP-2β) は、116アミノ酸を含む因子であり、「BMP-4」と改名された。マウスおよびラットのBMP-4タンパクは、それらのアミノ酸配列において同一である。BMP-3 (110アミノ酸) は、「オステオゲニン(osteogenin)」と同一の糖タンパクである。成熟したヒトおよびラットのBMP-3タンパクは、98%同一である。また、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)には、密接に関連した因子がある。BMP-3β(110アミノ酸)は、BMP-3と関連しており、82% の同一性を共有している。ヒトおよびマウスのタンパク質は97%の同一性を示し(3つの異なるアミノ酸)、他方、ヒトおよびラットのタンパク質配列は2つのアミノ酸だけが異なる。更に、その因子はGDF-10 (すなわち、「成長/分化因子‐10」)と同一である。前記に示したように、BMP-4は、BMP-2βと同一である。加えて、それはDVR-4(すなわち「デカペンタプレジック‐Vg関連‐4(decapentaplegic-Vg-related-4)」)と同一である。また、そのタンパク質は、ショウジョウバエdppと72%の相同性を示す。加えて、BMP-4は、ノギン(noggin)およびコルディン(chordin)との結合を示している。BMP-5は、138のアミノ酸からなるタンパク質である。ヒトおよびマウスのBMP-5タンパクは96%同一である。BMP-6(139アミノ酸)は、DVR-6および生長特異関連‐1(vegetal-specific-related-1「Vg-1」)タンパクと同一である。BMP-7(139アミノ酸)は、OP-1(「骨形成タンパク-1(osteogenic protein-1)」)と同一である。マウスおよびヒトのBMP-7は98%同一である。BMP-5、BMP-6およびBMP-7の成熟形態は75%の同一性を共有することが示されている。BMP-8aとも言われるBMP-8(139アミノ酸)は、「OP-2」と同一である。BMP-8b(139アミノ酸)は「OP-3」と同一であり、また「OP-2」と言われることもあり、ネズミだけに確認されてきた。BMP-9(110アミノ酸)もまた、「GDF-5」(すなわち成長/分化因子‐5)と言われる。BMP-9は、肝臓網内系において、オートクリンおよびパラクリンメディエーターであり得る。BMP-10(108アミノ酸)は、様々な生物源から分離され、ウシおよびヒトのタンパク質が同一である。マウスBMP-10の発現は心臓の発達と関連し、また胎児心の横線(trabeculation)に関係する場合がある。BMP-11(109アミノ酸)もまた配列が同一であるヒトおよび牛を含む様々な生物源から分離される。このタンパク質はまた「GDF-11」と言われる。GMP-12(104アミノ酸)もまた「GDF-7」および「GDMP-3」(すなわち軟骨由来の形態形成タンパク‐3(cartilage-derived morphogenetic protein-3))と言われる。BMP-13(120アミノ酸)もまた「GDF-6」および「CDMP-2」として知られる。BMP-14(120アミノ酸)もまた「GDF-5」および「CDMP-1」と言われる。BMP-15(125アミノ酸)は、どちらもX染色体についての遺伝子マッピングを含めてマウスおよびヒトにおいて同定されている。マウスタンパク質はGDF-9に最も密接に関連していると思われ、卵母細胞において特に発現される。またこれらのBMPの何種類かはヘテロ二量体形成に存在することも知られている。例えば、OP-1はBMP-2αと結合する。
BMP-1、BMP-2αおよびBMP-3をコードするヒトの遺伝子は、それぞれ8、20p12および4p13-21染色体に位置する。これらの配列は、軟骨および骨組織の形成に関与する他の遺伝子の周辺に位置する。BMP-5およびBMP-6遺伝子はヒト染色体6に位置し、他方、BMP-7遺伝子は染色体20に位置する。
以下により詳細に記述するように、BMPは胚における様々な上皮および間葉組織に発現する。これらのタンパク質は、脱塩された骨および骨肉腫細胞から分離することができる。いくつかのBMP(例えば、BMP-2およびBMP-4)は、質的に同様の効果(例えば、軟骨および骨形成)を引き出すことが示されており、また、相互に代替可能である。
BMPタンパクの機能
BMPは、骨形成の開始に先立って、軟骨および骨芽細胞に間葉型細胞の分化を誘導する。それらは異所性配置のみならず骨折部位付近の軟骨および骨形成細胞の分化を促進する。いくつかのBMPは、骨芽細胞におけるアルカリフォスファターゼおよびコラーゲンの合成を誘発し、一方、他のBMPは直接に骨芽細胞に作用して、それらの成熟を促進し、筋原性(myogenous)分化を抑制する。その他のBMPは、典型的な繊維芽細胞の軟骨細胞への転換を促進し、またそれらは非骨形成細胞タイプにおいて骨芽細胞フェノタイプの発現を誘導することも可能である。
いくつかのBMPタンパクへの受容体の関与に続く細胞内シグナル伝達は、SMAD(「Sma およびMad 関連」)タンパクの作用を含むことが明らかにされている。更に、いくつかのBMPおよび関連因子は胚発生に関わることができる。例えば、骨形成および関連BMPは循環血液中の単球に対して強力な化学誘引物質として作用し、その結果、軟骨内の骨形成カスケードにおいて役割を果たす。更に、これらの因子は単球によってTGF-βの合成および分泌を誘導する。内皮および間葉細胞の補充、およびコラーゲンおよび関連間質成分合成の促進において重要である。
BMP-4およびBMP-7もまた交感神経ニューロンの分化に関与している。これらの因子は神経堤細胞の培養における、アドレナリン作動性ニューロンの形成を増進する。この作用はまたこれらの因子の異所性発現に続く発達中の胚においてin vivoで観察される。
いくつかのBMPの作用は、アクチビンAおよび/またはTGF-βによって増進される一方、OIP(骨形成阻害タンパク(osteogenesis inhibitory protein))は、in vivoおよびin vitroでBMP活性を阻害する。最初にアフリカツメガエルから分離された因子は、BMPアンタゴニスト(すなわち、グレムリン(Gremlin)、セルベラス(Cerberus)、ノギン( noggin)、コルディン(chordin)およびDAN[神経芽細胞腫における分化スクリーニング選択遺伝子変型(differentiated screening-selected gene aberrative in neuroblastoma)]として作用すると思われる。続いて同様の因子もまた他の種から分離された。
BMPの臨床使用と意義
BMPの臨床使用は今なお初期段階であるが、多くの研究と関心がこれらのタンパク質の適切な使用の間質に向けられている。例えば、比較的純でないBMPの調製液は骨折の治療に使われてきた。更に、骨由来の間質において骨分化を開始するために、オステオゲニンを含む因子の組合せが要求され得る。例えば、不溶性コラーゲン骨間質と組合わせたオステオゲニンは、成長霊長類の頭蓋冠異常において局部軟骨内の骨分化を誘発するために使用されている。その他の設定において、追加の成分は重要と思われる。例えば、多孔質β‐リン酸三カルシウムと結合したBMP調製液の骨誘導能力および骨移植術材料としてのトゥルーボーン(true bone)セラミックと結合したBMPの使用は、骨組織異常の治療および新骨形成の促進についてBMPのみの単独治療よりも優れていることが認められた。
骨形成におけるその役割に加えて、タンパク質のBMPファミリーのある1つの投与もまた慢性腎疾患の修復および回復と関係している。BMP-7が健康な個体の腎臓において高度に発現したことが認められているため、タンパク質が腎損傷に何らかの保護を提供するのか否かを決定するために諸研究が行われた。ザイスベルク(Zeisberg)他(ザイスベルク他、Nat.Med.,9:964-968 [2003])およびゴウルド(Gould)他(ゴウルド他、Kiney Int’l.,61:51 [2002])によって述べられたように、慢性腎損傷のマウスモデルにおける組み換えヒトBMP-7の投与は、かなり損傷した尿細管上皮細胞の修復および慢性腎損傷の回復をもたらした。従って、BMP-7はヒトおよびその他の動物における腎疾患の治療に使用されるであろうと考えられる。
しかしながら、BMPの使用に関する組成および方法の発展の点でいくばくかの進歩があったとはいえ、まだ多くのことがなされなければならない。更に、患者にこれら天然のタンパク質を投与することの妥当性に関する問題も存在する。
発明の要約
本発明は骨形成タンパク(BMPs)におけるCD4+T細胞エピトープを提供する。特定の態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14タンパクの免疫原性(例えば、野生型)を低減するための修飾に適切なBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。
本発明は、たんぱく質がBMPタンパクである、タンパク質のT細胞エピトープを測定する方法を提供する。この方法は以下の工程を含む。(a) 一人のヒト血液源から樹状細胞の溶液および未処理CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を得る工程、(b)分化樹状細胞の溶液を生産するために樹状細胞の溶液の中で樹状細胞を分化する工程、(c)タンパク質からペプチドのペプセット(pepset)を調製する工程、(d)分化樹状細胞の溶液および未処理CD4+および/またはT細胞エピトープを含むペプセットを伴ったCD8+T細胞とを混合する工程、および(e)工程(d)におけるT細胞の増殖を計測する工程である。
本発明の追加的な態様において、その方法は更に、親(すなわち由来する又は源の)タンパク質に比べて変化した免疫原性反応を示す変異体タンパクを製造するためにタンパク質を修飾する工程を含む。しかしながら、そのことは本発明が任意の特定の置換の組み合わせまたはタンパク質のアミノ酸配列の他の変換に限定されることを意図するものではない。
本発明はまた、BMPタンパクの免疫原性を低減するための方法も提供する。この方法は、以下の工程を含む。(a)以下の(i)および (ii) によってタンパク質内の1つ以上のT細胞エピトープを同定する工程で、(i)1つ以上のサイトカインにin vitroで晒して分化させた単球由来の接着樹状細胞をT細胞エピトープを含む1つ以上のペプチドに接触させる工程で、および(ii)樹状細胞および前記ペプチドを、ペプチドに反応してT細胞が増殖するように単求由来の接着樹状細胞と同じ源から得られた未処理T細胞に接触させる工程であり、および(b)未処理T細胞のベースライン増殖とほぼ同等あるいはそれより少ない変異体タンパクを誘導するように、前記タンパク質を変異体タンパクを製造するために中性T細胞エピトープに修飾する工程である。いくつかの態様において、前記T細胞エピトープは、T細胞エピトープのアミノ酸配列の一部をタンパク質のホモログに類似した配列で置換することによって修飾される。選択的な態様において、T細胞エピトープは、T細胞エピトープのアミノ酸配列をT細胞エピトープの主要な三次構造特性に実質的に模倣した配列で置換することによって修飾される。
更に本発明は、低減したアレルギー誘発性を有する変異体タンパクを製造する方法を提供する。この方法は、以下の工程を含む。a)BMPタンパクのような天然発生タンパクを得て、天然発生タンパクの断片を調製する工程、b)天然発生タンパクの断片を未処理ヒトCD4+またはCD8+T細胞および分化した樹状細胞を含む第一溶液に接触させる工程、c)天然発生タンパクのエピトープ領域を同定する工程、この同定工程には未処理ヒトCD4+またはCD8+T細胞の増殖を刺激する天然発生タンパクのエピトープ領域の断片の能力を測定することを含む、およびd)変異体タンパクを製造するために工程c)において同定されたエピトープ領域における一つ以上のアミノ酸を修飾する工程である。いくつかの態様において、この方法は更に未処理ヒトCD4+またはCD8+T細胞の増殖を刺激する天然発生タンパクの断片の能力を、未処理ヒトCD4+またはCD8+T細胞の増殖を刺激する変異体タンパクの断片の能力と比較する工程を含む。
本発明のいかなる方法もペプセットの調製および樹状細胞の分化に関する限り、任意の特別の順序で実施されることを意図していない。例えば、いくつかの態様において樹状細胞が分化される前にペプセットは調製され、他方、他の態様においてペプセットが調製される前に樹状細胞は分化される。更に他の態様において、同時に樹状細胞が分化され、ペプセットが調製される。したがって、本発明は任意の特別の順序でこれらの工程を有す方法に限定されることを意図していない。
いくつかの態様において、本発明はT細胞エピトープおよびT細胞非エピトープの同定のためのアッセイ系を提供する。この系は分化された樹状細胞とヒトCD4+および/またはCD8+T細胞および関心のあるペプチド(例えば、BMP由来のペプチド)とを混合する工程を有する方法を含むが、これに限定されるものではない。より具体的には、低減した免疫原性を生成する関心のあるペプチドが提供され、ここでT細胞エピトープは以下の工程を含むことが確認される。すなわち、(a)単一血液源から樹状細胞の溶液およびCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を得る工程、(b)樹状細胞の分化を促進する工程、(c)分化された樹状細胞の溶液、CD4+細胞および/またはCD8+T細胞を関心あるペプチド(例えば、少なくともBMPの一部を含むペプチド)と混合する工程、および(d)工程(c)におけるT細胞の増殖を測定する工程である。
本発明の一つの態様において、BMPの全てまたは一部に相当する一連のペプチドオリゴマーが調製される。例えば、関連した一部のまたは全てのBMP-7またはBMP-14を含むペプチドライブラリが生成される。ある態様において、ペプチドを生産する方法は、ペプチドライブラリへ重複をもたらすであろう。例えば、BMPのアミノ酸配列1−15に相当する第1ペプチド、BMPのアミノ酸配列4−18に相当する第2ペプチド、BMPのアミノ酸配列7−21に相当する第3ペプチド、BMPのアミノ酸配列10−24に相当する第4ペプチド等、BMP分子全体に相当した代表的ペプチドが生成されるまでのペプチドである。本発明で提供されたアッセイにおける個々のペプチドの各分析によって、T細胞によって認識されたエピトープの位置を正確に同定することが可能である。上記の例において、近隣のものよりもある特定のペプチドの反応が大きいほど、3つのアミノ酸の範囲内のエピトープアンカー領域の同定は容易になる。これらのエピトープの位置の決定後、ペプチドが出発タンパク質から異なるT細胞反応を引き起こすペプチドまで、各エピトープ内のアミノ酸を変更することが可能である。更に本発明は、天然発生の形において使用することができる望ましい低いT細胞エピトープの能力を有するタンパク質の同定のための手段を提供する。
当該技術分野で既知のように、様々なin vitroおよびin vivoアッセイは、様々なタンパク質の低減した低減変異免疫原性反応を確認するために使用できる。In vivoアッセイには、HLA-DR3/DQ2マウスT細胞反応が含まれるがこれに限定さるものではなく、他方、適切なin vitroアッセイにはヒト末梢血液単球細胞(PBMC)アッセイが含まれるが、これに限定されるものではない。(ヘルマン((Herman))他、J.Immunol、163:6275-6282((1999年));サンダーストラップ((Sonderstrup))他、Immunol.Rev、172:335-343((1999年));タネジャおよびデイビット((Taneja and David))、Immunol.Rev、169:67-79((1999年));グルスビィ((Grusby))他、Proc.Natl.Acad.Sci、90:3913-3917((1993年))を参照のこと)。
更に、本発明はBMP組成物に低減された免疫原性を提供する。特に本発明は、BMPに対する免疫原性反応を低減する本発明に記載のエピトープを含む組成物を提供する。より更なる態様において、本発明は野生型タンパクを含む組合わせだけでなく、BMPの様々な組合わせにおいて利用される組成物を提供する。
いくつかの特別の好ましい態様において、本発明は、RSQNRSKTPKNQEAL(配列番号1)、EALRMANVAENSSSD(配列番号2)、RMANVAENSSSDQRQ(配列番号3)、SFRDLGWQDWIIAPE(配列番号4)、SNVILKKYRNMVVRA(配列番号5)からなる群より選択されるBMP-7エピトープを提供する。いくつかの態様において、本発明はこれらのエピトープの変異体を提供する。いくつかの好ましい態様において、変異体エピトープは未処理エピトープと比して低減された免疫原性を示す。
更に特別な好ましい態様において、本発明はSPISILFIDSANNVV(配列番号6)、PLRSHLEPTNHAVIQ(配列番号7)、およびSHLEPTNHAVIQTLM(配列番号8)からなる群より選択されるBMP-7エピトープを提供する。いくつかの態様において、本発明はこれらのエピトープの変異体を提供する。いくつかの好ましい態様において、変異体エピトープは未処理エピトープと比して低減された免疫原性を示す。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
図面の説明
図1は、BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答のパーセントを示す2つのグラフを提供する。また、バックグラウンドおよび構造値も示される。3つのアミノ酸によって分けられる連続15-merペプチドはX軸に記載され(「ペプチド数」によって示した)、および各ペプチドに反応したドナーのパーセンテージが、Y軸に表示される。
図2は、BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答のパーセントを示す2つのグラフを提供する。また、バックグラウンドおよび構造値も示される。3つのアミノ酸によって分けられる連続15-merペプチドはX軸に記載され(「ペプチド数」によって示した)、および各ペプチドに反応したドナーのパーセンテージがY軸に表示される。
図3は、BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答の平均刺激指数(SI)を示す2つのグラフを提供する。データセットはQC法を使って分析された。平均SIは各ペプチド+/−平均標準誤差について表示される。3つのアミノ酸によって分けられる連続15-merペプチドはX軸に記載され(「ペプチド数」によって示した)、および平均SIはY軸に表示される。
図4は、BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答の平均刺激指数(SI)を示す2つのグラフを提供する。データセットはQC法を使って分析された。平均SIは、各ペプチド+/−平均標準誤差について表示される。3つのアミノ酸によって分けられる連続15-merペプチドはX軸に記載され(「ペプチド数」によって示した)、および平均SIは、Y軸に表示される。
発明の説明
本発明は、骨形成タンパク(BMPs)におけるCD4+T細胞エピトープを提供する。特別な態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明は、(例えば、未処理)BMP-7およびBMP-14タンパクの免疫原性を低減するための修飾に適したBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。
定義
本発明に別個の定義がない限り、本発明で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明に関連する分野における当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味内容を有する。例えば、シングレトンおよびセインスべリー著(Singleton and Sainsbury)『微生物学および分子生物学辞典』第2版、J.ワイリー父子(John Wiley and Sons)編、ニューヨーク(1994年)、そしてヘイルおよびマーハム著(Hale and Marham)『ハーパーコリンズ生物学辞典』ハーパー・ペレニアル、ニューヨーク(1991年)は、本発明において使用される多くの用語の一般辞書を当業者に提供する。本発明の実施においては、本発明に記述されるものと類似の、または等価な任意の方法および材料が用いられるが、好ましい方法および材料は本発明に記述される。従って、以下に定義される用語は全体として本明細書を参照することによって、より完全に記述される。また、本発明で使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は文中に別個の明確な記載がない限り複数への言及を含む。発明の理解を容易にするために多くの用語は以下に定義される。
本発明で使用されるように「骨形成タンパク」および「BMP」は、軽質転換成長因子ベータ(「TGF-β」)スーパーファミリータンパク質(BMP-1を例外として)の中にあるタンパク質ファミリーのことを言うために使用される。
本発明で使用される「抗原提示細胞」は、T細胞によって認識され得るある形態で表面に抗原を提示する免疫系の細胞のことを言う。抗原提示細胞の具体例は、樹状細胞、掌状細胞(interdigitating cell)、活性化B細胞およびマクロファージである。
細胞株または細胞に関連して使用される時の「リンパ(lymphoid)」という用語は、細胞株または細胞がリンパ系に由来し、また、BおよびTリンパ系両方の細胞を含むことを意味する。
本発明で使用されるように「Tリンパ球」および「T細胞」という用語は、T前駆細胞(再配列されたT細胞受容体遺伝子を持たないThy1陽性細胞を含む)から成熟T細胞(例えば、CD4またはCD8のどちらかに対して単一陽性な表面TCR陽性細胞)までのTリンパ球系内の任意の細胞も含む。
本発明で使用されるように「Bリンパ球」および「B細胞」という用語は、pre-B-細胞(免疫グロブリン重鎖遺伝子の再配列を開始したB220+細胞)のようなB細胞前駆体から成熟B細胞および形質(plasma)細胞までのB細胞系内の任意の細胞も含む。
本発明で使用されるように「CD4+T細胞」および「CD4T細胞」は、ヘルパーT細胞(または「Th」および「T」細胞とも称される)のことを言い、他方「CD8T細胞」および「CD8細胞」は、細胞毒性T細胞(または「Tc」および「T」細胞とも称される)のことを言う。
本発明で使用されるように「B細胞増殖」は、抗原提示細胞の存在下で、抗原の存在下または非存在下において、B細胞の培養期間に産生されたB細胞の数のことを言う。
本発明で使用されるように「ベースラインB細胞増殖」は、ペプチドまたはタンパク抗原の非存在下において、抗原提示細胞に晒した反応個体内に通常見られるB細胞増殖の程度のことを言う。本発明の目的のために、ベースラインB細胞増殖レベルは、抗原非存在下におけるB細胞増殖の際の各個体に関するサンプルベースごとに決定される。
本発明で使用されるように「B細胞エピトープ」は、抗原(すなわち、免疫原)を含むペプチドへの免疫原性反応においてB細胞レセプターによって認識されるペプチドまたはタンパク質の特徴のことを言う。
本発明で使用されるように「変性B細胞エピトープ」は、関心のある変異ペプチドがヒトまたはその他の動物において異なった(すなわち、改変された)免疫原性反応を生じるように、関心のある前駆体ペプチドまたはペプチドとは異なったエピトープアミノ酸配列のことを言う。改変された免疫原性反応は、改変された免疫原性および/またはアレルギー誘発性(すなわち、増大または減少した全体の免疫原性反応のどちらか)を含むと考えられる。いくつかの態様において、改変されたB細胞エピトープは同定されたエピトープのうちの残留物から選択されたアミノ酸の置換および/または欠失を含む。選択的な態様において、改変されたB細胞エピトープはエピトープの内の1つまたは2以上の追加の残基を含む。
本発明で使用されるように「T細胞エピトープ」は、その抗原を含むペプチドへの免疫反応の開始におけるT細胞レセプターによって認識されるペプチドまたはタンパク質の特徴を意味する。T細胞によるT細胞エピトープの認識は、通常T細胞が、抗原提示細胞に発現したクラスIまたはクラスIIの主要組織適合複合体(MHC)に結合する抗原のペプチド断片を認識するメカニズムを経由すると信じられている(例えば、モエラー((Moeller))編、Immunol.Rev.,98:187 [1987年]を参照)。本発明のいくつかの態様において、本発明に記述されているように同定されるエピトープ/エピトープ断片は、エピトープまたは断片を結合、および示すことができるMHC分子を持つ抗原提示細胞の検出に用いられる。いくつかの態様において、エピトープ/エピトープ断片は更に、関心のあるエピトープ/エピトープ断片を結合および/または示す細胞の同定を容易にする検出可能な標識(例えば、マーカー)を含む。
本発明で使用されるように「T細胞増殖」は、抗原提示細胞の存在下で、抗原の存在下または非存在下においてT細胞の培養期間に産生されたT細胞の数のことを言う。
本発明で使用されるように「ベースラインT細胞増殖」は、ペプチドまたはタンパク抗原の非存在下において、抗原提示細胞に晒した反応において個体内に通常見られるT細胞増殖の程度のことを言う。本発明の目的において、ベースラインT細胞増殖レベルは、抗原非存在下における抗原提示細胞への反応におけるT細胞増殖の際の各個体に関するサンプルベースごとに決定される。
本発明で使用されるように「改変免疫原性反応」は、増加または減少した免疫原性反応のことを言う。タンパク質およびペプチドは、それらが引き起こすT細胞およびB細胞反応が親(例えば、前駆体)タンパクまたはペプチド(例えば、関心のあるタンパク質)によって引き起こされる反応よりも大きいとき、「増加した免疫原性反応」を示す。このより高い反応の実質的結果は、変異体タンパクまたはペプチドに対する増加した抗体反応である。タンパク質およびペプチドは、それらが引き起こすT細胞および/またはB細胞反応が親(例えば、前駆体)タンパクまたはペプチドによって引き起こされる反応よりも小さいとき、「減少した免疫原性反応」を示す。いくつかの態様において、このより低い反応の実質的結果は、変異体タンパクまたはペプチドに対する減少した抗体反応である。いくつかの好ましい態様において、親タンパクは野生型タンパクまたはペプチドである。
本発明で使用されるように「刺激指数(SI)」は、対照と比較したペプチドのT細胞増殖反応の測定値のことを言う。SIは、ペプチドを含むCD4+T細胞および樹状細胞の培養試験において得られた平均CPM(分あたりカウント)を、ペプチドを含まない樹状細胞およびCD4+T細胞を有する対照培の平均CPMで割ることによって計算される。この値は、各ドナーおよび各ペプチドについて計算される。いくつかの態様において、約1.5から4.5の間のSI値は陽性反応を示すために使用される一方で、陽性反応を示すための好ましいSI値は2.5および3.5までの間であり、好ましくは2.7から3.2まで、更により好ましくは2.9から3.1までを含む。本発明で記述された最も好ましい態様は、SI値2.95を使用する。
本発明で使用されるように「データセット」という用語は、各試験タンパク(すなわち、関心のあるタンパク質)に対する反応に関する実験のための一組のペプチドおよび一組のドナーについて編集されたデータのことを言う。
本発明で使用されるように「ペプセット」という用語は、各試験タンパク(すなわち、関心のあるタンパク質)のために作られた一組のペプチドのことを言う。このペプセット(または「ペプチドセット」)の中のこれらのペプチドは、各ドナーから得られた細胞を用いて試験される。
本発明で使用されるように「構造」および「構造値」は、タンパク質の相対的な免疫原性をランクづけするための値のことを言う。構造値は、下記の「同一式までの総変化距離」によって決定される。
Figure 2007514411
式中、Σは、各ペプチドへの反応比率の絶対数値の一組のペプチド中の全ペプチドの合計から一組のペプチドの頻度を引いたものである。f(i)は、個別のペプチドについての反応の頻度を、蓄積した反応の総数によって割ったものとして定義され、およびpは一組のペプチド中のペプチドの数である。本発明の好ましい態様において、構造値は試験された各タンパク質について決定される。得られた構造値に基づいて、試験タンパク質は一連の試験されたタンパク質において最低数値から最大数値までランク付けされる。このランク付けされた一連の組において、最低数値は最小免疫原性のタンパク質を示し、他方、最高数値は最大免疫原性のタンパク質を示す。
理論的には、仮にデータセットの全てのペプチドが同一の反応数を持つ場合、f(i)−1/pはゼロに等しくなる。換言すれば、各ペプチドの反応の比率は一つのペプチドによって表されたデータセットの割合と等しくなり、これら数値の差はゼロに等しくなる。全ペプチド(それぞれについてゼロ)についてのデータの合計の絶対数値はゼロに等しくなる。他方、仮に全ての蓄積された反応が一つのペプチドで起こるとしたら、値は2.0に近づく。構造指標値の比較可能性を保証するために、安定した反応パターンがデータセット内で得られねばならない。安定したパターンは、十分なドナーが一つのペプチドにつき約3つの反応を与えるために試験された後に達成される。従って好ましい態様において、一組のペプチドセットは、特定のペプチドおよびペプチド領域に対しての応答力を正確に反映するデータのために、データセットの大部分にわたって反応が起こるまで試験されるべきである。最も特別の好ましい態様において、データセットの全てのペプチドへの反応が起こる。しかし、いくつかのデータセットは、様々な要因(例えば、不溶性問題)によってデータセット中の個々のペプチドへ反応を示さない。
上記の数式は構造値の決定に関して使用するための好ましい数式であり、一方、他の等価な数式が本発明で使用される。例えば、当業者に既知の他の様々な数式と同様に、「分布のエントロピー」式は、本発明において使用される。
いくつかの態様において、ペプチドセットは、3%非特異性反応の総比率を与えられた、少なくとも各ペプチドにつき2から3の反応を生むことのできる数のドナーによって試験される。従って、いくつかの態様において、ドナーの数はペプチドの数に基づいて調整される。当然より多くのドナーが、本発明の方法を用いて試験されうるし、一組のペプセット内により少ないペプチドが存在する場合においても同様である。いくつかの好ましい態様において、良好なHLA対立遺伝子提示を提供するためにデータセットは50以上のドナーを含む。
本発明で使用されるように「顕著な反応」とは、バックグラウンド反応率の2倍より大きなデータセットにおけるin vitro細胞反応速度を生成するペプチドのことを言う。追加的な態様において、前記反応はバックグランド反応率よりも約2倍から約5倍の増加のことを言う。また、この用語には、バックグラウンド反応率よりも約2.5から3.5倍の増加、約2.8から3.2倍の増加、および2.9から3.1倍の増加を示す反応が含まれ、例えば、本発明の進展の間、顕著な反応はいくつかのペプチドに関して言及された。
本発明で使用されるように「顕著な領域」は、バックグラウンド反応率の約2倍より大きな、特定の一組のペプチドを用いて得られるI-MUNE(商標)アッセイ反応のことを言う。本発明の一つの態様において、タンパク質のすべての顕著な領域は、本発明のI-MUNE(商標)アッセ系におけるそれらの反応が低減されるように縮小される。追加的な態様において、顕著な領域の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上縮小され、好ましくは関連するタンパク質において1から5の間の顕著な領域が縮小される。いくつかの態様において、顕著な領域はまたT細胞エピトープの要求を満たす。
本発明で使用されるように「大エピトープ」という用語は、試験ドナープール内の反応率が平均バックグラウンド反応率より3標準偏差を超えるエピトープ(すなわち、T細胞および/またはB細胞エピトープ)のことを言う。
本発明で使用されるように「中エピトープ」という用語は、試験ドナープール内の反応率が、バックグラウンドの平均値または3倍より2標準偏差を超えるエピトープ(すなわち、T細胞および/またはB細胞エピトープ)のことを言う。
本発明で使用されるように「小エピトープ」という用語は、試験ドナープール内の反応率が、バックグラウンドの2倍以上のエピトープ(すなわち、T細胞および/またはB細胞エピトープ)のことを言う。
本発明で使用されるように「有意なエピトープ」という用語は、試験ドナープール内の反応率が、バックグラウンド反応率の3倍以上のエピトープ(すなわち、T細胞および/またはB細胞エピトープ)のことを言う。
本発明で使用されるように「弱有意エピトープ」は、試験ドナープール内の反応率が、バックグラウンド反応率より大きいが、背景率の3倍未満であるエピトープ(すなわち、T細胞および/またはB細胞エピトープ)のことを言う。
本発明で使用されるように「バックグラウンドレベル」および「バックグラウンド反応」は、任意の試験タンパク質のデータセットにおいて任意に与えられたペプチドへの応答者の平均パーセントのことを言う。この値は、全ての試験ドナーについて編集されたセット中の全ペプチドに対する平均応答者パーセントによって決定される。
一例として、3%のバックグラウンド反応は、平均して、100ドナーを対象にした試験でのデータセットにおける任意のペプチドへの3プラス(SIが2.95より大きい)反応を示すことになる。
本発明で使用されるように「サンプル」という用語は、その最も広い意味で使用される。しかし、好ましい態様において、この用語は、分析され、同定され、修飾され、および/または他のペプチドと比較されるペプチド(すなわち、関心のあるタンパク質配列を含むペプセット中のペプチド)を含むサンプル(例えば、アリコート)に関連して使用される。従って、ほとんどの場合、この用語は関心のあるタンパク質ペプチドを含む物質に関連して使用される。
本発明で使用されるように「自系の(autologous)」は、同一の出所から得られたサンプル、サンプル成分、および他の物質のことを言う。例えば、本発明の好ましい態様において、樹状細胞およびT細胞は同じ出所(すなわち同じ個体)から得られ、また同時に試験される。従って、好ましい態様において、I-MUNE(商標)アッセイ系において利用される細胞は自系である。
本発明で使用されるように「サイトカイン」という用語は、免疫系の細胞間で多くの重要な相互作用を制御する可溶性メディエータのことを言う。サイトカインは、細胞間情報伝達ペプチドおよび糖タンパクの異なる群を含む。ほとんどは遺伝子的および構造的に相互に類似している。各サイトカインは、様々な刺激に反応して特定の細胞型から分泌され、標的細胞の成長、可動性、分化および/または機能に特徴的な効果を生ずる。全体として、サイトカインは免疫および炎症系の調整のみならず、創傷治癒、造血、血管形成および多くの他の過程に関与している。この用語は、それらの構造および通常使用される命名にかかわらず全ての様々なサイトカインを含むことを意図している。例えば、この用語は「モノカイン」(すなわち、単球により生成されたサイトカイン)だけでなく「リンフォカイン」(すなわち、リンパ球により生成されたサイトカイン)を含むことを意図している。
本発明で使用されるように「サイトカイン受容体」は、サイトカインを認知し、サイトカインに結合する受容体分子のことを言う。この用語は、細胞に結合したサイトカイン受容体だけでなく、可溶性サイトカイン受容体を含むことを意図している。また、この用語は、それらの置換、欠失を含む修飾サイトカイン受容体分子(すなわち「変異サイトカイン受容体」)および/または更にサイトカイン受容体アミノ酸および/または核酸配列を含むことを意図している。従って、この用語は、組み換えて合成的に製造され、および変異サイトカイン受容体だけでなく野生型も含むことを意図している。
本発明で使用されるように「インターフェロンベータ(IFN-β)」は、抗ウイルス活性を示し、脊椎動物細胞の増殖を抑制し、および免疫反応を調節する多くのクラスの分泌タンパク質の一つの種類のことを言う。
本発明で使用されるように「インターロイキン(IL)」は、免疫系、炎症、発熱、造血、血小板産生、リンパ球の増殖、免疫グロブリンの発現、急性期反応、活性化、多様な多核白血球の成長および機能に対する多くの多様な効果を有す多種の細胞によって生産されたサイトカインの一群のことを言う。この用語は、任意のインターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5等)を含むことを意図している。
本発明で使用されるように「関心あるタンパク質」は、分析、同定および/または修飾されるタンパク質のことを言う。組み換えタンパク、合成により生産された変異および誘導タンパクだけでなく天然発生のものも全て本発明において使用される。
本発明で使用されるように「タンパク質」は、任意のアミノ酸からなる組成物および当業者によってタンパク質として認識されているもののことを言う。「タンパク質」、「ペプチド」の用語およびポリペプチドは、本発明において互換的に使用される。アミノ酸は、それらの完全な名前(例えば、アラニン)によって、または認められた1文字(例えば、A)または3文字(例えば、ala)の略記によって言及することができる。ペプチドがタンパク質の一部である場合については、当業者は文脈においてこれら用語の使用を理解する。「タンパク質」の用語は、関連するタンパク質のプレ(pre-)およびプレプロ(prepro-)形態だけでなくタンパク質の成熟形態も含む。タンパク質のプレプロ形態は、タンパク質のアミノ末端に操作可能に結合した「プロ」を有するタンパク質の成熟形態、およびプロ配列のアミノ末端に操作可能に結合した「プレ」または「シグナル」配列を含む。
本発明で使用されるように機能的に類似のタンパク質は、「関連タンパク」と見なされる。いくつかの態様において、これらのタンパク質は生物体(例えば、細菌タンパクおよび真菌タンパク)のクラス間の相違を含む、異なる属および/または種に由来する。追加的な態様において、関連タンパクは同一の種から提供される。実際に、本発明は任意の特定の出所に由来する関連タンパクに限定されることを意図していない。
本発明で使用されるように「誘導体」は、CおよびN末端の一方または両方に1つまたは2以上のアミノ酸の付加、アミノ酸配列における1つまたは多くの異なった部位での1つまたは2以上のアミノ酸の置換、および/またはタンパク質の両端の一方または両方での、またはアミノ酸配列における1つまたは2以上の部位での1つまたは2以上のアミノ酸の欠失、および/またはアミノ酸配列における1つまたは2以上の部位での1つまたは2以上のアミノ酸の挿入によって前駆体タンパクから得られたタンパク質のことを言う。タンパク質誘導体の調製は、未処理タンパクをコードしたDNA配列の修飾、DNA配列の適切な宿主への形質転換、および誘導体タンパクを生成するために修飾されたDNAの発現によって好ましくは達成される。
関連(および誘導体)タンパクの一つの型は、「変異体タンパク」である。好ましい態様において、変異体タンパクはわずかなアミノ酸残基によって親タンパクと、およびそれらの間で相互に異なっている。異なるアミノ酸基の数は、1つまたは2以上、好ましくは1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、またはそれ以上のアミノ酸残基であり得る。ある好ましい態様において、変異体間の異なるアミノ酸の数は1から10の間である。特に好ましい態様において、関連タンパクおよび特定の変異体タンパクは50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%以上のアミノ酸配列同一性を含む。更に、本発明で使用されるように関連タンパクまたは変異体タンパクは、その他の関連タンパクまたは顕著な領域の数の親タンパクと異なるタンパク質のことを言う。例えば、いくつかの態様において、変異体タンパクは1、2、3、4、5、または10に対応する親タンパクと異なる顕著な領域を有する。
ある態様において、変異体の顕著な対応する領域は、バックグラウンドレベルの免疫原性反応のみを生じる。置換、挿入または欠失のために同定された残基のいくつかは保存残基であるが、他はそうではない。保存されていない残基の場合、1つまたは2以上のアミノ酸の置換は、天然に見出されるものと対応してないアミノ酸配列を有する変異体を生じる置換に限定される。保存残基の場合、そのような置換は天然発生の配列をもたらすことはないはずである。
いくつかの態様において、他の方法も使用可能ではあるが、以下のカセット突然変異誘発法が本発明のタンパク質変異体の構築において使用される。まず最初に、タンパク質をコードされた天然発生遺伝子が得られ、全体にまたは部分的に配列される。次に、この配列は、コードされたタンパク質中の1つまたは2以上のアミノ酸の突然変異(欠失、挿入、または置換)を生成するために望ましい地点を目指して走査される。この地点に隣接する配列は、発現したときに多様な変異体をコードするオリゴヌクレドチドプールで遺伝子の小区画を置換するための制限部位の存在について評価される。そのような制限部位は、遺伝子区画の置換を促進するためのタンパク質遺伝子内の好ましくは特異部位である。しかし、制限分解によって生成された遺伝子断片が適切な配列で再び組み立てられるならば、タンパク質遺伝子において過度に縮重していない任意の都合のよい制限部位が使用可能である。仮に制限部位が選択された地点(10から15のヌクレドチド)から都合のよい間隔内の場所に存在しないならば、そのような部位は、リーディング・フレームもコードされたアミノ酸もどちらも最終的な構造において変化しないような方法で遺伝子においてヌクレドチドの置換によって生成される。望ましい配列に適合するようにその配列を変更するための遺伝子の突然変異は、一般に知られる方法と一致したM13プライマー延長法によって行われる。適切な隣接領域を位置どりし、2つの都合のよい制限部位配列に到達するための必要な変更を評価する仕事は、遺伝子コードの縮重、遺伝子の制限酵素マップ、および数多くの異なる制限酵素により決まった手順で行われる。仮に都合のよい隣接する制限部位が利用できるならば、上記の方法は部位を含まない隣接領域に関連してのみ使用されることが必要であることに注意すべきである。
いったん天然発生DNAまたは合成DNAが複製されると、突然変異する場所の側面に位置する制限部位は同種の制限酵素を用いて分解され、複数の最終末端相補的オリゴヌクレオチドカセットは遺伝子に結合される。全てのオリゴヌクレオチドが同一の制限部位を持つように合成することが可能であるため、前記突然変異はこの方法によって簡略化され、制限部位を作成するために合成リンカーは必要ではない。
本発明で使用されるように「に相当する(corresponding to)」は、タンパク質またはペプチドにおける列挙された位置の残基、またはタンパク質またはペプチドにおける列挙された残基と類似、相似または同等な残基のことを言う。
本発明で使用されるように「対応領域」は、一般に関連するタンパク質または親タンパクに類似の位置のことを言う。
本発明で使用されるように「類似配列」という用語は、関心あるタンパク質(すなわち、具体的にもともと関心あるタンパク質)と同様な機能、三次構造、および/または保存残基を提供するタンパク質内の配列のことをいう。特に好ましい態様において、類似配列はエピトープで、またはエピトープ付近での配列を含む。例えば、アルファへリックスまたはベータシート構造を含むエピトープ領域において、類似配列における置換アミノ酸は好ましくは同一の特異的構造を保存する。また、この用語はアミノ酸配列だけでなく、ヌクレオチド配列のことも言う。いくつかの態様において、エピトープで、またはエピトープ付近での関心あるタンパク質におけるアミノ酸に対して、置換アミノ酸が同様な機能、三次構造および/または保存残基を示すために類似配列が開発されている。従って、エピトープ領域が、例えばアルファヘリックスまたはベータシート構造を含む場合、置換アミノ酸は、好ましくは特異的構造を保存する。
本発明で使用されるように「相同タンパク」は、関心あるタンパク質と同様な作用、構造、抗原性および/または免疫原性反応を有すタンパク質のことを言う。関心ある相同体およびタンパク質は必ずしも進化的に関係を有することを意図していない。従って、この用語は異なる種から得られた同一機能のタンパク質を含むことを意図している。いくつかの好ましい態様において、関心あるタンパク質におけるエピトープを相同体からの類似の断片で置換することが変化の破壊性を低減するために、関心あるタンパク質と同一の三次および/または一次構造を有する相同体を同定することは望ましい。従って、ほとんどの場合において、密接に相同的なタンパク質はエピトープ置換の最も望ましい源を提供する。選択的に、一定のタンパク質に対してヒトの類似体に注目することは有益である。例えば、いくつかの態様において、一つのヒトBMP型における特定のエピトープを他のBMPまたは他種のBMPに置換することは、ワクチン製剤としての使用に適切な水準まで免疫原性を高めるBMP型の生産をもたらす。
本発明で使用されるように「相同遺伝子」は、相互に一致し、および相互に同一または非常に類似した種と異なるが、しかし通常関連した一組以上の遺伝子のことを言う。この用語は、遺伝子複製(例えば、パラロガス遺伝子)によって分化された遺伝子だけでなく、種分化(すなわち、新しい種の発達)(例えば、オルソロガス遺伝子)によって分化された遺伝子も含む。これらの遺伝子は「相同タンパク」をコードする。
本発明で使用されるように「オルソログ」および「オルソロガス遺伝子」は、種分化によって共通の先祖遺伝子(すなわち、相同遺伝子)から進化した異種における遺伝子のことを言う。典型的には、オルソログは進化の過程において同一の機能を保持する。オルソログの同定は新たに配列されたゲノムにおける遺伝子機能の信頼性のある予測に使用される。
本発明で使用されるように「パラログ」および「パラロガス遺伝子」は、ゲノム内の複製により関連する遺伝子のことを言う。オルソログが進化の過程を通じて同一の機能を保持するのに対して、パラログは同一の機能がしばしば源の機能に関連するにもかかわらず、新しい機能を進化させる。パラロガス遺伝子の具体例には、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、およびトロンビンをコードする遺伝子を含むが、それらに限定されない。これらは全てセリンプロティナーゼであり、同種内で共に生成する。
本発明で使用されるように「野生型」および「未処理の」タンパク質は自然において認められるタンパク質である。「野生型配列」および「野生型遺伝子」という用語は、本発明において互換的に使用され、未処理の、または宿主細胞において自然に発生する配列のことを言う。いくつかの態様において、野生型配列はタンパク質工学事業の出発点である関心ある配列のことを言う。天然発生の(すなわち、前駆体)タンパク質をコードする遺伝子は、当業者に既知の一般的な方法に従って得ることができる。この方法は通常、関心あるタンパク質領域をコードする推定配列を有する標識プローブの合成、タンパク質を発現する生物体からのゲノムライブラリの調製、およびプローブへのハイブリダイゼーションによる関心ある遺伝子に関するライブラリのスクリーニングを含む。陽性ハイブリダイズクローンは、次にマッピングおよびシークエンシングされる。
本発明で使用されるように「組み換えDNA分子」という用語は、分子生物学技術を用いて結合されたDNA断片からなるDNA分子のことを言う。
配列間の相同性の程度は、当該技術分野で既知の任意の適切な方法を用いて決定することができる(例えば、スミスおよびウォーターマン、Adv.Appl.Math.,2:482〔198年〕;ニードルマンおよびウンシュ、J.Mol.Biol.,48:443〔1970年〕;ピアソンおよびリップマン、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444 〔1988年〕;ウィスコンシン遺伝子ソフトウエアパッケージ収録のGAP、BESTFIT、およびTFASTAといったプログラム(ジェネティクス・コンピューター・グループ、マディソン、ウイスコンシン州);およびドゥブリュー(Devereux)他.,Nucl.Acid Res.,12:387-395〔1984年〕を参照)。
例えば、PILEEUPは、配列相同性レベルを決定するために有益なプログラムである。PILEEUPは、進歩したペアワイズ・アラインメント(pairwise alignments)を使用する一群の関連配列から多数の配列アラインメントを生成する。またそれは、アラインメントを生成するために使われるクラスタリング(clustering)関係を示す系統樹を描くことができる。PILEEUPは、フェンおよびドゥーリトルの進歩的なアラインメント法(Feng and
Doolittle, J.Mol.Evol.,35:351-360〔1987年〕)の簡略化を利用する。この方法はヒギンスおよびシャープ(Higgins and Sharp, CABIOS 5:151-153〔1989年〕)によって記述された方法と類似している。有用なPILEEUPパラメータは、3.00のデフォルトギャップ重み(default gap weight)、0.10のデフォルトギャップ長重み(default gap length weight)および重み末端ギャップ(weighted end gaps)を含む。有用なアルゴリズムの他の具体例は、Altschul他(Altschul他、J.Mol.Biol.,215:403-410、〔1990年〕;およびカーリン他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787〔1993年〕)によって記述されたBLASTアルゴリズムである。ある特別に有用なBLASTプログラムは、WU- BLAST-2プログラムである(Altschul他、Meth.Enzumol、266:460-480〔1996年〕を参照)。パラメータ「W」、「T」および「X」は、アラインメントの感度と速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして11の語長(W)、BLOSUM62スコアマトリクス(ヘニコフおよびヘニコフ((Henikoff and Henikoff))、Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:10915〔1989年〕参照)、50のアラインメント(B)、10の期待値、M’5、N’-4、および両方の鎖(strands)の比較を使用する。
本発明で使用されるように「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列ヌクレオチド残基と同一である候補配列におけるヌクレオチド残基のパーセンテージとして定義される。
本発明で使用されるように「ハイブリダイゼーション」という用語は、当該技術分野で既知のように、核酸鎖が塩基対形成を通じた相補鎖に結合する過程のことを言う。
本発明で使用されるように「最大ストリンジェンシー(stringency)」とは、典型的には、Tm-約5℃(プローブのTmより5℃下回る)で生じるハイブリダイゼーションのレベルのことを言う。「高度ストリンジェンシー」とは、Tmより約5℃から10℃下回るところでの、「中度ストリンジェンシー」とは、Tmより約10℃から20℃下回るところでの、「低度ストリンジェンシー」とはTmより約20℃から25℃下回るところでのハイブリダイゼーションのレベルのことを言う。当業者によって理解されているように、最大ストリンジェントなハイブリダイゼーションは同一のポリヌクレオチド配列を同定または検出するために使用することができ、他方、中度のストリンジェンシーまたは低度のストリンジェンシーでのハイブリダイゼーションはポリヌクレオチド配列相同体の同定または検出に使用することができる。
二つの核酸またはポリペプチドの文脈において「実質的に同じ」および「実質的に同一」という言い回しは、具体的には、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、参照(すなわち、野生型)配列と比較して、75%以上の配列同一性を、好ましくは80%以上の、より好ましくは90%以上の、更により好ましくは95%の、最も好ましくは97%の、時として98%および99%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。配列同一性は、標準パラメータを使用するBLAST、ALIGN、およびCLUSTALのような既知のプログラムを使用して決定される。(例えば、Atschul他、J.Mol.Biol. 215:403-410〔1990年〕;ヘニコフ他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915〔1989年〕;カリン他、Proc. Natl Acad.Sci USA 90:5873〔1993年〕;およびヒギンス他、Gene 73:237-244〔1988年〕を参照)。BLAST分析を実行するためのソフトウエアは、全米バイオテクノロジー情報センターを通じて公的に入手可能である。また、データベースはFASTA ( ピアソン他、Proc.Natl.Acad.Sci. USA 85:2444 − 2448〔1988年〕)を使用して検索できる。
本発明で使用されるように「等価残基」は、特定のアミノ酸残基を共有するタンパク質のことを言う。例えば、等価残基はその三次構造がX線結晶学によって決定されたタンパク質(例えば、BMP )に関する三次構造のレベルで相同性を決定することによって同定することができる。等価残基は、推定上の等価残基を有すタンパク質および関心あるタンパク質( N on N、CA on CA、C on C、および O on O )の特定のアミノ酸残基の主鎖原子の2つまたは3以上の原子座標がアラインメントに0.13nm、好ましくは0.1nmの範囲内であるものとして定義される。分析されたタンパク質の非水素タンパク原子の原子座標の極大重なりを生じさせるために最良のモデルが配向され、位置づけられた後に、アラインメントが実行される。好ましいモデルは、結晶学およびタンパク質の特徴づけ/分析の当業者に既知の方法を用いて決定された、利用可能な最高の分解能で実験回折データのために最低のR因子を与える結晶学モデルである。
いくついかの態様において、修飾は、好ましくは前駆体酵素のアミノ酸配列をコードする「前駆DNA配列」のために行われるが、前駆体タンパクの操作によって行うことができる。保存されない残基の場合、1つまたは2以上のアミノ酸の置換は天然で認められているものに一致してないアミノ酸配列を有す変異体を生じる置換に限定される。保存される残基の場合、そのような置換は、結果として自然発生の配列にはならない。本発明によって提供される誘導体は、更にBMPの特徴を変更する化学的修飾を含む。
いくつかの好ましい態様において、前記タンパク質遺伝子は適切な発現プラスミドと結合される。クローン化されたタンパク質遺伝子は、次にタンパク質遺伝子を発現するために宿主細胞を形質転換または形質移入するために使用される。このプラスミドは、プラスミド複製に必要な周知の要素を含むという意味で宿主において置換することができ、またはこのプラスミドは宿主染色体に組み込むことを設計することができる。必要な要素が、効率的な遺伝子発現(例えば、関心ある遺伝子に操作可能的に結合されたプロモータ)のために提供される。いくつかの態様において、これらの必要な要素は、それが認識される(すなわち、宿主によって転写される)なら、遺伝子自身の相同的なプロモータとして供給され、外因性の又はタンパク質遺伝子の内因性ターミネーター領域によって供給される転写ターミネーター(真核生物の宿主細胞のポリアデニル化領域)である。
いくつかの態様において、抗菌剤を含んだ培地中での培養により、プラスミドに感染した宿主細胞の継続的な培養、維持を可能とする抗生物質耐性遺伝子のような選択遺伝子もまた含まれる。
本発明は、等価である変更された免疫原性を有すタンパク質を含む。「等価」であるとは、中度から高度のストリンジェントな条件の下で、ヒトT細胞へ変更された免疫原性反応を保持しつつ、本発明で提供される任意の1つにおいて示される配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズできるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質を意味する。「等価」であるとは、BMPがエピトープ配列およびそのようなエピトープを有する変異体BMP(例えば、修飾されたアミノ酸配列を有すBMP)との、55%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上または99%以上の同一性を含むことを意味する。
本発明で使用されるように「ハイブリッド・タンパク質」および「融合タンパク」という用語は、2つ以上の異なるまたは「親の」タンパク質から操作されたタンパク質のことを言う。好ましい態様において、これらの親のタンパク質は相互に相同体である。例えば、いくつかの態様において、好ましいハイブリッドBMPまたは融合タンパクはタンパク質のN末端およびタンパク質の相同体のC末端を含む。いくつかの好ましい態様において、2つの最終端末は完全長の活性タンパクに一致するように結合される。選択的な好ましい態様において、相同体は実質的な類似性を共有するが、同一なT細胞エピトープは持たない。従って、ある態様において、本発明はC末端における1つまたは2以上のT細胞エピトープを有する関心あるBMPを提供するが、そこにおいてC末端はC末端において作用の弱いT細胞エピトープ、または少数のエピトープを有する、またはT細胞エピトープの存在しない相同体のC末端に置換される。従って当業者は、相同体間にT細胞エピトープを同定できることによって、異なった免疫原性反応を生成する多様な変異体を形成できることを理解している。更に、内在性タンパク、および1つ以上の相同体は本発明の変異体を生成するために使用することができることがわかる。
2つのDNA領域間の関係を記述する場合に、「操作可能に連関した」および「操作可能な組み合わせ」は、単に、それらが機能的に相互に関連付けられていることを意味する。例えば、先行配列はそれがシグナル配列として機能する場合、ペプチドと操作可能に関連し、ほとんどがシグナル配列の開裂を伴うタンパク質の成熟形態の分泌に関与している。プロモータはそれが配列の転写を制御している場合、コード配列に操作可能に関連しており、リボゾーム結合部位はそれが翻訳を可能とするように配置される場合、コード配列に操作可能に関連している。
1つのモノヌクレオチド五炭糖の5’フォスフェートが、リン酸ジエステル結合を介して、一方向において隣接の3’酸素に結合するような方法で、モノヌクレオチドがオリゴヌクレオチドを形成するために反応するため、DNA分子は「5’末端」および「3’末端」を有するといわれる。従って、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’フォスフェートがモノヌクレオチド五炭糖環の3’酸素に結合していないとき、「5’末端」と言われ、その3’酸素が続くモノヌクレオチド五炭糖環の5’フォスフェートに結合していないとき、「3’末端」と言われる。本発明で使用されるように、核酸配列もまた、より大きなオリゴヌクレオチドに関して内的であっても、5’および3’末端を有するということができる。線状または環状DNA分子どちらにおいても、離れた要素は、「上流」または「下流」の5’または3’要素と言われる。この用法は、転写がDNA鎖に沿った5’から3’様式に進む事実を反映している。連鎖遺伝子の転写を指示するプロモータとエンハンサは、通常5’またはコード領域の上流に位置する(エンハンサはプロモータ因子の3’およびコード領域に位置したときであってもその効果を発揮することができる)。転写末端およびポリアデニル化信号は、3’またはコード領域の下流に位置する。
「遺伝子をコードするヌクレオチド配列を有すオリゴヌクレオチド」という用語は、遺伝子のコード領域または、換言すれば、遺伝子産物をコードするDNA配列を含んだDNA配列を意味する。コード領域はcDNAまたはゲノムDNA型のどちらにも存在できる。エンハンサ/プロモータ、スプライス部位、ポリアデニル化信号等のような適切な制御因子は、適切な転写の開始および/または主要なRNA転写物の正確なプロセッシングを行うことが必要とされる場合、遺伝子のコード領域に接近して位置することができる。選択的に、本発明の発現ベクターで利用されるコード領域は、内在性のエンハンサ/プロモータ、スプライス部位、介在配列、ポリアデニル化信号等、または内在性および外在性の制御要素双方の組み合わせを含むことができる。
「組み換えオリゴヌクレオチド」という用語は、ポリヌクレオチド配列の制限酵素での消化、オリゴヌクレオチドの合成(例えば、プライマーまたはオリゴヌクレオチドの合成)などによって生成された2つまたは3以上のオリゴヌクレオチド配列の連結に限定されないがそれを含む、分子生物学的操作を使用して作成されたオリゴヌクレオチドのことを言う。
本発明で使用されるように「転写単位」という用語は、転写の開始と終了部位、および効率的な開始と終了に必要な制御要素との間のDNAの断片のことを言う。例えば、エンハンサ/プロモータ、コード領域、および末端とポリアデニル化配列を含むDNA断片は、転写単位を含む。
本発明で使用されるように「制御要素」という用語は、核酸配列の発現の一定の局面を制御する遺伝子要素のことを言う。例えば、プロモータは、操作可能に結合したコード領域の転写の開始を促進する制御要素である。その他の制御要素は、スプライシング信号、ポリアデニル化信号、終結信号等である。(以下に定義する)。
本発明で使用されるように「発現ベクター」は、特定の宿主生物体において操作可能に結合したコード配列の発現にとって必要である望ましいコード配列および適切な核酸配列を含む組み換えDNA分子のことを言う。原核生物における発現に必要な核酸配列は、プロモータ、任意にオペレータ配列、リボソーム結合部位および場合により他の配列を含む。真核細胞は、プロモータ、エンハンサ、および末端およびポリアデニル信号を利用することで知られる。いったん適切な宿主に形質変換されるならば、ベクターは宿主ゲノムと独立して複製および機能でき、または場合によってはゲノム自体に組み入れられる。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが現在ベクターの最も一般的な使用形態であるために、時々互換的に用いられる。しかし、本発明は等価の機能を提供し、また当技術分野で既知の、もしくは知られるようになるプラスミド、ファージ粒子または単に潜在的なゲノムの組み込みを含むがこれらに限定されない発現ベクターのそのような他の形態を含むことを目的としている。
本発明で使用される「宿主細胞」は、一般的に、発現ベクターおよび/または関心ある遺伝子を有する原核生物のまたは真核生物の宿主である。宿主細胞は組み換えDNA技術を用いて組み立てられたベクターで形質転換され、または形質移入される。そのような形質転換宿主細胞は、タンパク質変異体をコードするベクターを複製し、または望ましいタンパク質変異体を発現することができる。タンパク質変異体のプレ、またはプレプロ形態をコードするベクターの場合、発現すると、そのような変異体は典型的に宿主細胞から宿主細胞培地に分泌される。
「プロモータ/エンハンサ」という用語は、プロモータおよびエンハンサ機能の両方を提供することが可能な配列を含んだDNA断片を意味する(例えば、レトロウイルスの長い末端反復はプロモータおよびエンハンサ機能の両方を含む)。エンハンサ/プロモータは、「内因性」または「外因性」または「非相同性」であることが可能である。内因性エンハンサ/プロモータは、ゲノムにおいて所与の遺伝子と自然に結合する因子である。外因性(非相同性)エンハンサ/プロモータは、遺伝子操作(すなわち、分子生物学技術)を用いて遺伝子に並んで位置する因子である。
発現ベクター上の「スプライシング信号」の存在は、しばしば組み換え転写物のより高い発現レベルをもたらす。スプライシング信号は、主要なRNA転写物からのイントロンの除去を媒介し、スプライスドナーおよび受容体部位からなる(サムブルク((Sambrook))他、分子クローニング:実験室マニュアル、第2版、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版、ニューヨーク〔1989年〕、16.7頁−16.8頁)。一般に使われるスプライスドナーおよび受容体部位はSV40の16S RNAからのスプライス接合部位である。
真核細胞における組み換えDNA配列の効率的な発現は、効率的な終結を指示する信号および結果として得られる転写物のポリアデニル化を必要とする。転写終結信号は、一般にポリアデニル信号の下流に発見され、長さにおいて数百のヌクレオチドである。本発明で使用されるように「ポリA部位」または「ポリA配列」は、新生RNA転写物の終結およびポリアデニル化の両方を指示するDNA配列を意味する。組み替え転写物の効率的なポリアデニル化は、ポリAテールの欠けた転写物が不安定および急速に分解されるために望ましい。発現ベクターにおいて利用されるポリA信号は、「非相同性」または「内因性」であり得る。内因的ポリA信号は、ゲノムにおける所与の遺伝子のコード領域の3’末端で、天然に認められる信号である。非相同性ポリA信号は、1つの遺伝子から分離され、その他の遺伝子の3’を位置する信号である。一般に使用される非相同性ポリA信号はSV40ポリA信号である。
「安定した形質移入」および「安定的に形質移入された」という用語は、形質移入された細胞のゲノムへの外来DNAの導入および組み込みのことを言う。「安定した形質移入体」という用語は、安定して外来DNAをゲノムDNAへ組み込んだ細胞のことを言う。
本発明で使用されるように「選択可能なマーカー」および「選択可能な遺伝子産物」という用語は、選択可能なマーカーが発現する細胞への抗生剤または薬剤に対する抵抗力を与える酵素活性をコードする遺伝子の使用のことを言う。
本発明で使用されるように「増幅」および「遺伝子増幅」という用語は、増幅された遺伝子が当初ゲノムにおいて存在した遺伝子より高いコピー数で現れるようになるように、特定のDNA配列が不均衡に複製される過程のことを言う。いくつかの態様において、薬剤(例えば、抑制可能酵素の阻害剤)の存在下で増殖による細胞の選択は、薬剤の存在の下で増殖のために必要とされる遺伝子産物をコードする内因性遺伝子の増幅、またはこの遺伝子産物をコードする外因性(すなわち、取り込み)配列の増幅によって必要とされる遺伝子産物をコードする内因性遺伝子の増幅、または両方の増幅に帰結する。
遺伝子増幅は、両生類卵母細胞におけるリボソーム遺伝子の増幅のような特定の遺伝子の発達の期間に自然に生じる。遺伝子増幅は、培養細胞を薬剤で処理することによって誘発される。薬剤誘発増幅の具体例は、哺乳類細胞の内因性djfr遺伝子のメトトレキサート誘発増幅である(Schmike他、サイエンス 202:1051〔1978年〕)。薬剤(例えば、阻害可能酵素の阻害剤)の存在下で増殖による細胞の選択は、薬剤の存在下で増殖のために必要とされる遺伝子産物をコードする内因性遺伝子の増幅、またはこの遺伝子産物をコードする外因性(すなわち、取り込み)配列の増幅によって必要とされる遺伝子産物をコードする内因性遺伝子の増幅、または両方の増幅に帰結する。
本発明で使用するように「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、米国特許US.4,683,195号、4,683,202号および4,965,188号の方法のことを言い、これらは参照により本発明に組み込まれる。この方法は、クローン作成または精製をしないゲノムDNAの混合における標的配列断片の濃度を高めるための方法を含む。標的配列を増幅するためのこの工程は、望ましい標的配列を含むDNA混合物に対し大過剰な2つのオリゴヌクレオチドプライマーを導入し、その後にDNAポリメラーゼの存在下で温度サイクリングの正確な繰り返しを行うことを含む。2つのプライマーは二重鎖標的配列の各螺旋構造に対して相補的である。効果的な増殖のために、混合物は変性され、次にプライマーは標的分子内の相補配列のためにアニール(anneal)される。アニーリング(annealing)に続いて、プライマーは、新しい一対の相補鎖を形成するようにポリメラーゼを用いて延長される。変性、プライマーアニーリング、およびポリメラーゼ延長の工程は、望ましい標的配列の増幅された断片の高い濃度を得るために、幾度も繰り返すことができる(すなわち、変性、アニーリング、および延長は、1つの「サイクル」を構成する。多数の「サイクル」が存在し得る)。増幅された望ましい標的配列の断片の長さは相互のプライマーの相対的位置によって決定され、従ってこの長さは制御可能なパラメータである。工程を繰り返すため、この方法は「ポリメラーゼ連鎖反応」(以下「PCR」)と言われる。望ましい増殖された標的配列の断片は混合物において主要な配列(濃度の点で)となり、それらは「PCR増幅された」と称される。
PCRを用いて、ゲノムDNAの特定の標的配列の単一コピーを、いくつかの異なった方法(例えば、標識プローブを用いたハイブリダイゼーション;ビオチン化プライマーの取り込みとそれに続くアビジン酵素結合体検出;dCTPまたはdATPのような32P標識デオキシヌクレオチド三リン酸の増幅断片への組み込み)によって検出できる水準まで増幅することが可能である。ゲノムDNAに加えて、任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列はプライマー分子の適切なセットを用いて増幅されることが可能である。特に、PCR工程によって生成された増幅断片は、それ自体が続くPCR増幅にとっての効率的な鋳型である。
本発明で使用されるように、「PCR生産物」、「PCR断片」および「増幅生産物」という用語は、変性、アニーリングおよび延長のPCR工程を2回以上繰り返し実行した後に得られた化合物の混合物のことを言う。この用語は1つ以上の標的配列の1つ以上の断片の増幅がある場合を含む。
本発明で使用されるように「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」は、特定のヌクレオチド配列上に、または近接して、それぞれが二重鎖DNAを切断する細菌酵素のことを言う。
「核酸分子のコードする」、「DNA配列のコードする」、および「DNAのコードする」の用語は、デオキシリボ核酸鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチドの順番または配列のことを言う。これらのデオキシリボヌクレオチドの順番はポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸の順番を決定する。従ってDNA配列は、アミノ酸配列をコードする。
ある態様において、本発明はBMP配列におけるCD4+T細胞エピトープの同定およびCD4+T細胞反応の開始を可能とするペプチドの生成の方法を提供する。特に、本発明は、各種の設定における使用のためのBMP免疫原性の変更に適切な方法と組成物を提供する。
これら態様において、本発明は関心あるタンパク質(例えば、BMP-7)を含む様々なエピトープに対するヒトのT細胞反応を測定するための方法を提供する。追加的な態様において、いったん有意義なエピトープが、本発明で記述されたI-MUNE測定装置を使用して同定されると、有意なエピトープが、変化した免疫反応を誘発するエピトープを生成するために変性される。
従って上記の通り、いくつかの態様において、免疫原性エピトープの同定は、それらの前駆体DNAsによってコードされた未処理タンパクと比較したとき、修飾免疫原性反応(例えば、抗原性および/または免疫原性)を示すBMPsを生成するために必要な情報を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、骨形成タンパク(BMPs)におけるCD4+T細胞エピトープを提供する。特定の態様において、本発明は、BMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明はBMP-7およびBMP-14タンパクの免疫原性(例えば、未処理)を低減する修飾に適切なBMP-7およびBMP-14のCD4+T細胞エピトープを提供する。
好ましい態様において、本発明によって提供される方法は、抗原提示細胞としての樹状細胞の利用、関心のある完全なタンパク質配列を含む3アミノ酸によって分けられた15-mer ペプチド、および樹状細胞ドナーから得られえたCD4T細胞の使用を含む。T細胞はペプチド(各ペプチドは個々に試験される)および分化した樹状細胞の存在下で、サンプルにおいて増殖することができる。本発明の任意の方法は、ペプセットの調製および樹状細胞の分化に関する限り、任意の特定の順序で行われることを意図していない。例えば、いくつかの態様において、前記ペプセットは樹状細胞が分化される前に調製されるが、他の態様においては、樹状細胞はペプセットが調製される前に分化され、更に他の態様においては、樹状細胞が分化され、ペプセットは同時に調製される。従って、本発明は、任意の特定の順番でこれらの工程を有する方法に限定されることを意図していない。
仮に、ペプチドに反応した増殖が、1.5から4.5以上の刺激指数(SI)をもたらすなら、反応は「陽性」であると見なされ記録される。各ペプチドについての結果はドナーセットごとに表にされ、一定の偏差はあるが、好ましくは母集団の一般HLA対立遺伝子頻度を反映する。線形性の相違の同定に基づく「構造値」が決定され、およびこの値はタンパク質の相対的な免疫原性のランク付けに使用される。従って、本発明は、ボランティアの感度を高める必要なく、ヒトにおいて効果的であると予想される減少した反応率が達成されるように、タンパク質の修飾に有益な情報を提供する。低免疫原性であるように設計されたこれらの新しいタンパク質に基づいたペプセットへ反応するドナーの分析は、次に新しいタンパク質の構造値を計算し、およびそれらの免疫原性および発現可能性を確認するために行われる。
本発明はまた、試験タンパクに対する試験母集団の免疫反応を測定するための方法を提供する。それは以下の工程からなる。すなわち、(a)試験タンパクからペプセットを調製する工程、(b)ヒト樹状細胞を含む多数の溶液および未処理のヒトCD4+および/またはCD8+T細胞の多数の溶液を得る工程であり、ここでヒト樹状細胞の溶液および未処理のヒトCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液は、試験母集団内の多数の個体から採取される工程、(c)分化した樹状細胞を含む多数の溶液を作成するための樹状細胞を分化する工程、(d)分化した樹状細胞の多数の溶液およびペプセットを含む未処理CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を混合する工程であり、ここで分化した樹状細胞の溶液および未処理CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液のそれぞれは試験母集団内の個体由来であり、それぞれは混合される工程、(e)ペプセットの各ペプチドへの反応を同定するために工程(d)のT細胞の増殖を測定する工程、(g)試験タンパクに関して工程(e)のT細胞の反応を集める工程、(h)試験タンパクに関して工程(g)の集められた反応の構造値を決定する工程、および(i)試験タンパクへの多くの個体の曝露レベルを決定する工程である。いくつかの好ましい態様においてペプセットは長さ約15アミノ酸のペプチドを含み、他方いくつかの特別に好ましい態様において各ペプチドは約3アミノ酸ほど隣接のペプチドと重なる。しかし、本発明の多様な態様において他のペプチドの長さおよび重なり量が用いられる場合には、ペプセット内部のペプチドが、特定の長さまたは重なりに限定されることを意図していない。いくつかの態様において、2以上の試験タンパクが試験される。いくつかの好ましい態様において、試験タンパクへの複数の個体の曝露レベルが比較される。いくつかの特別に好ましい態様において、試験タンパクは試験母集団における低減された免疫原性反応を示す変異体タンパクを生成するために修飾される。本発明はまた、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値の両方に基づきタンパク質を分類する手段を提供する。従って、いくつかの更なる態様において、分析されたタンパク質はバックグラウンド反応パーセントおよび構造値に従って分類および/またはランク付けされる。
いくつかの好ましい態様において、本発明はタンパク質の相対的免疫原性をランク付けするためのアッセイ系(すなわち、I-MUNE(商標)分析)を提供する。ある態様において、この方法は、タンパク質のペプチド断片への反応によるin vitro CD4+T細胞増殖の測定、測定されたタンパク質への反応の集計、集計された反応の構造値の決定、およびタンパク質の構造値と第二タンパクの構造値との比較を含む。ここで、最低の構造値を含むタンパク質はより高い構造値を有するタンパク質と比較して、ヒトに対してより低い免疫原性のタンパク質として位置づけられる。更なる態様において、各ペプチド断片および各タンパク質のT細胞増殖は、並行試験で測定される。他の態様において、「陽性」反応は2.7および3.2の間のSI値に基づいて同定される。特に好ましい態様において、増殖指数は2.95以上の刺激指数をもたらす。
本発明はまた、ヒトにおけるBMP-7およびBMP-14のような変異体タンパクの低減された免疫原性能力を分析する方法を提供する。いくつかの態様において、この方法は、変異体タンパクを生成するために、1つおよび2以上の親タンパクの顕著な領域をバックグラウンドレベルまで低減し、変異体の構造値を測定し、変異体の構造値を親タンパクの構造値と比較する方法を含む。ここで、より低い構造値は低減された免疫原性を有するタンパク質を示す。更なる態様において、バックグラウンドレベルまで低減された顕著な領域の数は1および10の間、好ましくは1および5の間である。更に他の態様において、1つまたは2以上のアミノ酸残基は、親タンパクの顕著な領域において変異体を生成するために変更される。本発明はまた、関連するタンパク質の一群から最小の免疫原性タンパクを選択する方法を提供する。
これらタンパク質、特にBMP-7の免疫原性の低減は様々な治療計画において使用されることが意図されている。例えば、BMP-7はかなり長期間一定の患者において脊髄の問題を矯正することに用いられてきた(例えば、ウオーカーおよびライト((Walker and Wright))、Neurosurg.Focus 13 (6):1-13〔2002年〕;およびポイントンおよびレイン((Poynton and Lane))、Spine 27:540-548〔2002年〕を参照)。これらの治療を受けた患者の38%が検出可能な抗BMP抗体を生じたことは重要である。従って、これらの患者は現在、自然発生の内因性ヒトタンパクに対する抗体を生産する。更に本発明の発展過程において、正常なコミュニティーのドナーから得られた抹消単球細胞は、3時間共培養アッセイ系においてBMP-7エピトープペプチドに反応する高レベルのIL-2、IFN-gamma、およびIL-4 を生成することが観察された。従って、BMP-7タンパク免疫原性だけでなく、ランダムな個体もまたBMP-7エピトープペプチドに対する記憶CD4+T細胞反応を保有する。免疫原性を低減するためのBMP-7タンパクの修飾は、抗BMP-7抗体の潜在的危険を避ける代替的治療手段としての使用されることが考えられる。
本発明は更に、タンパク質の、特にヒトにおけるタンパク質の免疫原性の低減に適切なT細胞エピトープ修飾を決定するために関連タンパクの相対的ランキングを使用する方法を提供する。本発明はまた、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値の両方に基づいてタンパク質を分類するための手段を提供する。従って、いくつかの更なる態様において、分析されたタンパク質は、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値に従って分類および/またはランク付けされる。
いくつかの態様において、本発明は、第一タンパクおよび1以上の追加タンパクの相対的免疫原性をランク付けるための方法を提供する。これは以下の工程からなる。すなわち、(a)第一タンパクからの第一ペプセットの調製および追加タンパクのそれぞれからの1つ以上の追加ペプセットの調製を行う工程、ここで各ペプセットが(b)単一のヒトの血液源から、樹状細胞を含む溶液および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を得る工程、(c) 分化した樹状細胞の溶液を作成するために樹状細胞を分化する工程、(d)分化した樹状細胞の溶液および第一ペプセットを含む未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞を混合する工程、(e)分化した樹状細胞の溶液および追加タンパクからの各ペプチドを含む未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞を混合する工程、(f)第一および追加ペプセットにおける各ペプチドへの反応を決定するために、工程(d)および(e)におけるT細胞の増殖を測定する工程、(g)第一タンパクおよび追加タンパクに関して工程(f)におけるT細胞の反応を集める工程、(h)第一タンパクおよび追加タンパクに関して工程(g)で集められた反応の構造値を決定する工程、および(i)第一タンパクおよび追加タンパクの免疫原性ランキングを測定するために、第一タンパクで得られる構造値を追加タンパクで得られる構造値と比較する工程である。いくつかの好ましい態様において、前記ペプセットは長さ約15アミノ酸のペプチドを含み、他方いくつかの特別に好ましい態様において、各ペプチドは約3アミノ酸ほど隣接のペプチドと重なる。しかし、本発明の多様な態様において他のペプチドの長さおよび重なり量が用いられる場合、ペプセット内のペプチドは特定の長さまたは重なりに限定されることを意図していない。
いくつかの態様において、最低の構造値を含むタンパク質は、より高い構造値を有する
タンパク質よりも低い免疫原性のタンパクとしてランクされる。更なる態様において、第一タンパクに対する陽性反応は、約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。更に他の態様において、追加タンパクに対する陽性反応は、約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。更なる態様において、第一タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含み、追加タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。いくつかの態様において、工程(d)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じ、他方、追加的態様において、工程(e)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じる。より更なる態様において、工程(d)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じ、工程(e)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じる。いくつかの特に好ましい態様において、1以上の追加的ヒト血液源が工程(b)で使用される。追加的な特に好ましい態様において、ヒト血液源およびタンパク質のそれぞれについて得られる構造値が比較される。本発明はまた、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値の両方に基づいてタンパク質を分類する手段を提供する。従って、いくつかの更なる態様において、分析されたタンパク質はバックグラウンド反応パーセントおよび構造値に従って分類および/またはランク付けされる。
本発明はまた、第二タンパクが第一タンパクのタンパク質変異体である2つのタンパク質の相対的免疫原性のランク付けのための方法を提供する。この方法は以下の工程を含む。すなわち、(a)第一タンパクから第一ペプセットを、および第二タンパクから第二ペプセットを調製する工程、(b)樹状細胞を含む溶液および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を単一のヒトの血液源から得る工程、(c)分化した樹状細胞の溶液を作成するために樹状細胞を分化する工程、(d)分化した樹状細胞および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を第一ペプセットと混合する工程、(e)分化した樹状細胞および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を第二ペプセットと混合する工程、(f)第一および第二ペプセットにおけるそれぞれのペプチドへの反応を測定するために、工程(d)および(e)におけるT細胞の増殖を測定する工程、(g)第一タンパクおよび第二タンパクについて工程(f)におけるT細胞の反応を集める工程、(h)第一タンパクおよび第二タンパクについて工程(g)で集められた反応の構造値を決定する工程、(i)第一タンパクおよび第二タンパクの免疫原性ランクを決定するために、第一タンパクに関して得られた構造値を第二タンパクに関して得られたものと比較する工程である。いくつかの態様において、第二タンパクは第一タンパクよりも小さい免疫原性のタンパク質としてランク付けられ、他方、選択的な態様において、第一タンパクは第二タンパクよりも小さい免疫原性のタンパク質としてランク付けられる。いくつかの好ましい態様において、ペプセットは長さ約15アミノ酸のペプチドを含み、他方いくつかの特別に好ましい態様において、各ペプチドは約3アミノ酸ほど隣接のペプチドと重なる。しかし、本発明の多様な態様において、他のペプチドの長さおよび重なり量を使用する場合、ペプセット内のペプチドは特定の長さ、または重なりに限定されることを意図していない。より更なる態様において、第一タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含み、第二タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。追加的な態様において、第一タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含み、第二タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。より更なる態様において、工程(d)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じ、工程(e)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じる。いくつかの特に好ましい態様において、1以上の追加的なヒトの血液源が工程(b)で使用される。いくつかの追加的な特に好ましい態様において、ヒトの血液源およびタンパク質のそれぞれについて得られる構造値が比較される。いくつかの態様において、第二タンパクは第一タンパクにおける1つ以上の顕著な領域の低減を含む。更なる態様において、工程(e)におけるT細胞の増殖はバックグラウンドレベルである。いくつかの特に好ましい態様において、ヒトの血液源およびタンパク質のそれぞれから得られた構造値は比較される。本発明はまた、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値に基づいてタンパク質を分類する手段も提供する。従って、いくつかの更なる態様において、分析されたタンパク質はバックグラウンド反応パーセントおよび構造値に従って分類および/またはランク付けされる。
本発明はまた、第一タンパクおよび1つ以上の変異体タンパクの相対的免疫原性のランク付けのための方法を提供する。この方法は以下の工程を含む。すなわち、(a)第一タンパクから第一ペプセットを、および変異体タンパクのそれぞれからペプセットを調製する工程、(b)樹状細胞を含む溶液および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を単一のヒトの血液源から得る工程、(c)分化した樹状細胞の溶液を作成するために樹状細胞を分化する工程、(d)分化した樹状細胞および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を第一ペプセットと混合する工程、(e)分化した樹状細胞および未処理のCD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を変異体タンパクのそれぞれから調製された各ペプセットと混合する工程、(f)第一および第二ペプセットそれぞれへの反応を決定するために、工程(d)および(e)におけるT細胞の増殖を測定する工程、(g)第一タンパクおよび変異体タンパクについて工程(f)におけるT細胞の反応を集める工程、(h)第一タンパクおよび変異体タンパクについて、工程(g)で集められた反応の構造値を決定する工程、および(i)第一タンパクおよび変異体タンパクの免疫原性のランク付けを測定するために、第一タンパクに関して得られた構造値を変異体タンパクに関して得られた構造値と比較する工程である。いくつかの好ましい態様において、前記ペプセットは長さ約15アミノ酸のペプチドを含み、他方いくつかの特別に好ましい態様において、各ペプチドは約3アミノ酸ほど隣接のペプチドと重なる。しかし、本発明において他のペプチドの長さおよび重なり量を使用する場合、ペプセット内のペプチドは特定の長さまたは重なりに限定されることを意図していない。いくつかの好ましい態様において1つ以上の変異体タンパクは第一タンパクよりも低い免疫原性としてランク付けられ、他方、他の態様において第一タンパクは1つ以上の変異体タンパクよりも低い免疫原性としてランク付けられる。更なる態様において、第一タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含み、他方、他の態様において変異体タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。追加的な態様において、第一タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含み、変異体タンパクに対する陽性反応は約2.7および約3.2の間の刺激指数値を含む。より更なる態様において、工程(d)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じ、工程(e)におけるT細胞の増殖は約2.95以上の刺激指数を生じる。いくつかの特に好ましい態様において、1以上の追加的なヒトの血液源が工程(b)で使用される。いくつかの追加的な特に好ましい態様において、ヒトの血液源およびタンパク質のそれぞれについて得られる構造値が比較される。いくつかの態様において、変異体タンパクは第一タンパクにおける1つ以上の顕著な領域の低減を含む。更なる態様において、工程(e)におけるT細胞の増殖はバックグラウンドレベルである。いくつかの好ましい態様において、1つ以上の変異体タンパクに関する工程(e)におけるT細胞の増殖はバックグラウンドレベルである。いくつかの特に好ましい態様において、ヒトの血液源およびタンパク質のそれぞれから得られた構造値は比較される。更なる態様において、1つ以上の追加的なヒトの血液源が工程(b)で使用される。本発明はまた、バックグラウンド反応パーセントおよび構造値に基づいてタンパク質を分類する手段を提供する。従って、いくつかの更なる態様において、分析されたタンパク質はそれらのバックグラウンド反応パーセントおよび構造値に従って分類および/またはランク付けされる。
実験例
以下の実施例は、本発明のある好ましい態様および局面を明示およびさらに説明するために提供されるものであり、その範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
以下の実験開示において、以下の略語を適用する。すなわち、M(モル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);nM(ナノモル)、mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);gm(グラム);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム); pg(ピコグラム);L(リッター);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏温度);cDNA(コピーまたは相補的DNA);DNA(デオキシリボ核酸);ssDNA(一本鎖DNA);dsDNA(二本鎖DNA);dNTP(デオキシリボ三燐酸);RNA(リボ核酸);PBS(リン酸緩衝生理食塩水);g(重力);RR(相対リスク);OD(光学濃度);ダルベッコのリン酸塩緩衝液(DPBS);HEPES(N-〔2-ヒドロキシエチル〕ピペラジン-N-〔2-エタンスルホン酸〕;HBS(HEPES 緩衝生理食塩水);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);Tris-HCI(トリス〔ヒドロキシメチル〕アミノメタン塩酸塩);DMSO(ジメチルスルホキシド);EGTA(エチレングルコール−ビス(β-アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’-四酢酸);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);DPBS(ダルベッコのリン酸塩緩衝液);bla(β-ラクタマーゼまたはアンピシリン耐性遺伝子);エンドジェン(Endogen、ウォバーン、マサチューセッツ州);サイト・ヴァックス(Cyto Vax、エドモントン、カナダ);ワイス‐アイエルスト(Wyeth-Ayerst、フィラデルフィア、ペンシルバニア州);NEN(NENライフサイエンスプロダクツ、ボストン、マサチューセッツ州);ウォレス・オイ(Wallace Oy、トゥルク、フィンランド);ファルマ AS(Pharma AS、オスロ、ノルウェー);ダイナル(Dynal、オスロ、ノルウェー);バイオ・シンセシス(Bio-Synthesis、レシヴィル、テキサス州);ミモトプス(Mimotopes、Inc.、サンディエゴ、カルフォルニア州);ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、ロックヴィル、MD);ギブコ/BRL(Gibco/BRL、グランドアイスランド、NY)、シグマ(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ州);ファーマシア(Pharmacia Biotech、ピスカタウェイ、ニュージャージー州);インヴィトロジェン(Invitrogen、Inc.、グランドアイスランド、ニューヨーク州);アボット(Abbott Laboratories、アボットパーク、イリノイ州);リスト(List Biological Laboratories Inc,、キャンベル、カルフォルニア州);ペルキンエルマー(ペルキンエルマーライフサイエンス、ボストン、マサチューセッツ州)、およびストラタジーン(ストラタジーン、ラヨラ、カルフォルニア州)。
実施例1
BMPエピトープの調製
ヒトBMP-7(GenBank Accession No.P18075)およびBMP-14(GenBank Accession No.P43026)前駆タンパクの完全な長さのアミノ酸配列は、15-merのペプチドセットに使用された。これらの前駆ペプチドは、当業者に周知のマルチピンシステム(マエジ他.、J.Immunol. Meth.,134:23-33〔1990年〕参照)を使用したミノトープスによって合成された。15merのペプチドは、12アミノ酸を共有した隣接するペプチドを有す配列に作られた(すなわち、各ペプチドは、3つのアミノ酸によって分けられた)。ペプチドは、濃度およそ2 mg/mlのストックを提供するためにDMSOを用いて希釈された。各分析法において使用されるペプチドの最終濃度は、5μ/mlであった。
実施例2
ペプチドの同定のためのアッセイ系において使用される細胞の調製−BMP-7およびBMP-14におけるT細胞エピトープ
新鮮なヒト抹消血球は、83グループのドナーから集められた。実施例3で記述されるように、これらの細胞は、BMP-7およびBMP-14における抗原性エピトープを測定するために試験された。
抹消単核血球(PBMCs)(24時間以内、室温で保存された)は、以下の利用のために調製された。PBMCsは、30分につき、1000×gでLymphoprepの下敷きを遠心分離機にかける事によって、軟膜から分離された。インターフェイスレイヤーは、Cell-Dyn3700システム(Abbott)を使用して、修正、洗浄、計算された。次に、30mlのAIM-Vで再懸濁された103 PBMCsを含む試験液が調製され、および細胞は2時間にわたってプラスチックのT-75培養瓶に接着することができた。細胞の残りは、90% FCS(Gibco/ BRL)および10%DMSO(Sigma)において、5×107 cell/mlで氷結される。
2時間の培養期間の後に、非接着性の細胞は培養瓶から除去された。接着性の細胞は、37℃、5%二酸化炭素で、800units/mlの組み換えヒトGM-CSF(Endogen)および100units/mlの組み換えヒトIL-4(Endogen)の入ったフラスコにおいて培養された。培養の5日目に、50units/ml組み換えヒトI1-1α(Endogen)および0.2 units/ml組み換えヒトTNF-αが培養液に加えられた。接着性および非接着性樹状細胞は、30mg/mlのマイトマイシンC ( Sigma )および10mのM EDTAを用いた1時間の処置の後に、7日目に収集、洗浄、計算された。
自己CD4+T細胞は、氷結されたPBMCsの一定分量から調製された。DPBSでの解凍および洗浄の後、CD4+T細胞は、製造設備に準じた、市販のCD4陰性選択キット( Dynal )
を使用して分離された。細胞は、Abbot Cell-Dyn 3700システムを使用して計算された。これらの方法を用いて得られた純度は、通常90%以上であることが分かった。
実施例3
T細胞増殖アッセイ
この実施は、本発明において使用されるアッセイ系について記述する。このアッセイ系は、I-MUNE(商標)アッセイ反応とも言われる。96-well、丸底のプレートにおいて、自己樹状細胞およびCD4+T細胞は、試験ペプチドと混合された。より具体的には、AIM Vにおける100μ/well、2×10の樹状細胞は個体のペプチドと混合された(最終的なペプチド濃度は5μg/mlおよび最終的なDMSO濃度は0.25%)。37℃、5%の二酸化炭素での一時間の培養の後、2×10のCD4+T細胞が、総量200μlの培養液に加えられた。陰性対照ウエルは、樹状細胞、CD4+T細胞および0.25%のDNSOを含んでいた。陽性対照ウエルは、樹状細胞、CD4+T細胞(試験ウエルとおなじ濃度)および0.4μg/mlの破傷風トキソイド(List)を有す0.25%のDMSOを含んでいた。個体のペプチドは各ドナーに関して二度づつ試験された。
37℃、5%の二酸化炭素での5日間の培養の後、培養液0.25μCi /wellトリウムチミジンと共に振動した(Perkin Elmer)。続く24時間の培養の後に、ウォラスマイクロベータトリラックス(Wallace Microbeta TriLux)液体シンチレーションカウンタ(Perkin Elmer)を使用して、プレートは収集され、トリウムチミジンの混和について評価された。
実施例4
データ分析
各個体の軟膜資料に関して、全ペプチドの平均CPM数値が分析された。「刺激指数」(SI)を測定するために、各ペプチドの平均CPMを、対照(DMSOのみ)ウェルの平均CPM数値で除した。ドナーは、各ペプチドセットを用いて、1ペプチドにつき2以上の反応の平均が集められるまで試験された。各タンパク質についてのデータは、セット内の各ペプチドへの応答者率を示すためグラフにされた。SI値が2.95以上であった場合、陽性反応が照合された。この数値は、標準の母集団分布における3つの標準偏差の差異に近似するために選択された。各タンパク質の評価のために、個々のドナーによる個々のペプチドへの陽性反応が集められた。
所与のタンパク質へのバックグラウンド反応を測定するために、セットの各ペプチドへの応答者率は平均化され、および標準偏差が計算された。各ドナーについてのSI値は、各ペプチドセット、および記録された応答者率に関して集められた。各ペプチドセットについての平均バックグラウンド反応パーセントは、セットの全ペプチドへの反応パーセントを平均することによって計算された。統計的有意性は、データセット内部の各ペプチドへの反応者数についてポアソン統計を用いて、以下に記述するように計算された。これらの統計方法は、「大(メジャー)」および「小(マイナー)」決定要因指定に加えて使用される。本発明で記述されるように、BMP-7エピトープのいくつかは、それらが3つの標準偏差定義を満たしているために「大(メジャー)」である。ペプチド反応の統計的な有意性は、ポワソン統計に基づいて計算された。応答者の平均頻度は、応答者総数およびセット内のペプチド数に基づいたポワソン分布計算が使用された。反応は、p<0.05のとき、有意であるとみなされた。加えて、異なった分散を持つのスチューデントの両側t検定が行われた。低いバックグラウンド反応パーセントのデータを用いたエピトープ測定に関して、下記に基づく保存的ポワソンが適用された。
Figure 2007514411
ここで、n=セット中のペプチドの数、x=関心あるペプチドでの反応頻度、およびλ=データセット内の反応頻度の中央値。高いバックグラウンド反応パーセントのデータに基づくエピトープ測定に関して、よりストリンジェントでないポアソン定義が使用された。
Figure 2007514411
ここで、λ=データセットの反応頻度の中央値、およびx=関心あるペプチドでの反応頻度。
いくつかのデータ分析において、データは、実験複製における不一致に関して検査され、非複製値は破棄された。破傷風の陽性対照が増殖を招かなかった場合、データはまたデータセットから破棄された。この分析結果は、図1(「QC」手法として表示される)に示されている。この方法によって分析されたこれら二つのタンパク質を含む構造値は、BMP-7がBMP-14よりも免疫原性が強いことを示した。BMP-7は、特にこれがヒトタンパクであることについて考慮すれば、観察されたエピトープ反応の数およびロバスト性は顕著である。関心あるエピトープ配列は、下記の表1、および2に示される。BMP-7のペプチドセットにおいて、ペプチド41の数値はp<0.05カットオフに達しなかったが、データセットにおいて2番目に大きな数値であった(すなわち、これらは「小(マイナー)」エピトープである)。BMP-14のデータセットにおいては、ペプチド19および20の数値は、p<0.05カットオフに達しなかったが、データセットにおいて2番目に大きな数値であった(すなわあち、小(マイナー)エピトープ)。
Figure 2007514411
Figure 2007514411
他の分析において、それらが複製されたか否かにかかわりなく(「非QC」手法)、データは削除されなかった。この分析手法は、より厳格でない方法でのタンパク質試験に対するより高い全体のバックグラウンド反応に結果した。しかし、ペプチドのデータセット内で、ポワソン分布解析(カットオフp<0.05)によって検定されたCD4+T細胞エピトープは、エピトープのセットとほぼ同じであると同定した。これらの結果は、図2(「No QC」として示されている)に示されている。上記のより厳密な分析手法の結果と一致して、BMP-7タンパクは、BMP-14タンパクよりも免疫原性が強いことが解った。上述の通り、エピトープ反応は、BMP-7において、更に著しい。
BMP-7およびBMP-14についての構造値は、0.70および0.57であった。BMP-14のより低い構造値は、BMP-7と比較された場合のBMP-14の相対的に低い免疫原性の有力な証拠を提供する。このことは、仮にアプリケーションがBMP-7またはBMP-14のいずれかを使用できる場合、BMP-14が好ましい組成物であろう。しかし、本発明は、両方が異なった設定において使用できると考えられているように、BMP-14またはBMP-7エピトープの使用を制限することを意図していない。
実施例5
刺激指数
以上の分析に加えて、平均刺激指数またはBMP-7、BMP-14が測定された。全部で83のドナーについての刺激指数が平均化された。図3にQCデータについて、および図4に非QCデータについて、結果が示された。前記に詳述したペプチド反応は、全ドナーについてのより強い増殖反応によって支持される。BMP-7ペプチドセットにおけるペプチドエピトープへの増殖反応の大きさは、BMP-14における反応よりも高いことが判明した。これらのペプチドセットが、83のドナーにおいてパラメトリックに試験されたので、この結果は、BMP-7はBMP-14よりも総合的により免疫原性が強いという構造値測定を支持する。
実施例6
HLA結合
上記分析に加えて、BMP-7およびBMP-14エピトープペプチドを有すHLA関連が測定された。これらの実験において、5つのエピトープペプチド(#3、#7、#8、#16、#31)の増殖反応データが、83のドナーについて、DRB1でのHLA ClassIIの発現に関して試験され、およびDQB1も試験された。4つのペプチドに関して、二つの方法(すなわち、上述したように“QC”および“non-QC”、〔“nQC”〕)によって、反応が評価された。両方の方法によって見出された統計的に有意な関連は、以下の通りであった。エピトープ#3およびDR11について、相対リスク(RR)は、6.25;p<0.0005〔QC〕、RR=4.17 p<0.005〔nQC〕であった。エピトープ#3およびDQ2について、RRは、0.17p<0.04〔QC〕、RR=0.13 p<0.01〔nQC〕であった。エピトープ#3およびDQ9について、RRは、6.67;p<0.003〔QC〕、RR=4.85 p<0.013〔nQC〕であった。エピトープ#8およびDR11について、RRは、6.6;p<0.0003。エピトープ#31およびDR7について、RRは、8.32;p<0.001〔QC〕、RR=4.44 p<0.002〔nQC〕であった。
更に、ペプチド#3(QC) ( 5.8倍、p<0.0004 ) およびペプチド#8(2.3倍 p<0.007に関する平均刺激指数(SI)は、DR11+のドナー間が、DR11−のドナー間より高かった。
また、ペプチド#31(QC) ( 2.7倍、p<0.0007 ) に関する平均SIは、DR7+のドナー間が、DR7−のドナー間より高かった。
上記明細書において言及された全ての公報および特許は、参照により本発明に組み込まれる。発明の前記の方法およびシステムの種々の修飾が、本発明の範囲と精神から逸脱しないことは、当業者にとって明らかである。本発明が特定の好ましい態様に関連して記述されたにもかかわらず、請求されたように本発明は、そのような特定の態様に過度に限定するべきでないことを理解すべきである。実際に、分子生物学、免疫学、および/または関連した分野における当業者にとって明白である発明を実施するための前記の様式の種々の修飾は、本発明の範囲において目的とされる。
BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答のパーセントを示す2つのグラフを示す図である。 BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答のパーセントを示す2つのグラフを示す図である。 BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答の平均刺激指数(SI)を示す2つのグラフを示す図である。 BMP-7(パネルA)およびBMP-14(パネルB)由来のペプチドを用いてテストされた83の無作為の個体からなる母集団からの応答の平均刺激指数(SI)を示す2つのグラフを示す図である。

Claims (16)

  1. タンパク質のT細胞エピトープを決定する方法であって、ここで前記タンパク質は骨形成タンパク(BMP)であり、以下の
    (a)単一のヒト血液源からの樹状細胞の溶液および未処理CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を得る工程、
    (b)分化した樹状細胞の溶液を作るために、前記樹状細胞の溶液において前記樹状細胞を分化する工程、
    (c)前記タンパク質からペプチドのペプセットを調製する工程、
    (d)前記分化した樹状細胞の溶液および前記未処理CD4+および/またはCD8+T細胞エピトープを前記ペプセットと混合する工程であり、ここで前記ペプセットは前記T細胞エピトープを含む工程、および
    (e)前記工程(d)における前記T細胞の増殖を測走する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記タンパク質がBMP-7およびBMP-14からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ペプセットが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および配列番号5からなる群より選択される配列を有するペプチドを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記ペプセットが、配列番号6、配列番号7、および配列番号8からなる群より選択される配列を有するペプチドを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 変異体タンパクを生成するために、前記タンパク質を修飾する工程を更に含み、ここで前記タンパク質と比較して前記変異体タンパクは、変化した免疫原性反応を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、および配列番号8からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むペプチド。
  7. タンパク質の免疫原性を低減する方法であって、ここで前記タンパク質は骨形成タンパクであり、以下の
    (a)以下の段階によって、前記タンパク質において1つ以上のT細胞エピトープを同定する工程であり、
    (i)in vitroで1つ以上のサイトカインに晒すことによって分化された接着単球由来樹状細胞を、前記T細胞エピトープを含む1つ以上のペプチドと接触させる段階、および
    (ii)前記樹状細胞および前記ペプチドを未処理T細胞と接触させる段階、
    ここで、前記未処理T細胞は前記接着単球由来樹状細胞と同一の源から得られるため前記T細胞は前記ペプチドに反応して増殖する工程、および
    (b)前記変異体タンパクが、より低いまたは実質的に等しい前記未処理T細胞の基本増殖を誘導するように変異体タンパクを作るため、前記T細胞エピトープを中和するために前記タンパク質を修飾する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記T細胞エピトープのアミノ酸配列の部分を、前記タンパク質のホモログの類似配列で置換することによって、前記T細胞エピトープが修飾されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記T細胞エピトープのアミノ酸配列を、前記T細胞エピトープの主要三次構造特性を実質的に模倣した配列で置換することによって、前記T細胞エピトープが修飾されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記タンパク質がBMP-7およびBMP-14からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記エピトープ領域が、アミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、および配列番号8からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  12. 低減されたアレルギー誘発性を有する変異体タンパクを生成する方法であって、
    以下の
    (a)天然発生タンパク質を得て、ここで前記天然発生タンパク質が骨形成タンパクであり、前記天然発生タンパク質の断片を調製する工程、
    (b)前記天然発生タンパク質の前記断片を、未処理ヒトCD4+またはCD8+T細胞および分化した樹状細胞を含む第一溶液と接触させる工程、
    (c)前記天然発生タンパク質のエピトープ領域を同定し、ここで前記同定が前記未処理ヒトCD4+またはCD8+T 細胞の増殖を刺激するため前記天然発生タンパク質のエピトープ領域の前記断片の能力を測走することを含む工程、および
    (d)前記変異体タンパクを生成するために、工程c)において同定された前記エピトープ領域における1つ以上のアミノ酸を修飾する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  13. 前記未処理ヒトCD4+またはCD8+T 細胞の増殖を刺激するための前記天然発生タンパク質の前記断片の能力を、前記未処理ヒトCD4+またはCD8+T 細胞の増殖を刺激するための前記変異体タンパクの前記断片の能力と比較する工程を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記タンパク質が骨形成タンパクであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  15. 前記骨形成タンパクがBMP-7およびBMP-14からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記エピトープ領域が、アミノ酸配列を含み、ここで前記アミノ酸配列が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、および配列番号8からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
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