JP2007509269A - 遠心ポンプ - Google Patents

Abstract

本発明は、主に固形粒子の形状の汚染物質を含有する液体の汲み上げのための遠心ポンプに関し、ポンプは、駆動部と、油圧部とを備え、油圧部は、ポンプ筐体（２０）と、筐体内部に回転可能に配設されたポンプインペラ（１２）とを備え、ポンプインペラは、上部カバーディスク（１４）と、下部カバーディスク（１６）と、数多くの中間羽根（１８）とを備える。本発明は、中央注入口開口部（２４）を有するポンプ筐体の底壁（２２）には、注入口開口部の周りを一部または完全に回るように延在する下部カバーディスクに対向する側に、少なくとも１つの螺旋状に延在する逆流影響手段（３２，３４）が配設されていることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、電気モータによって駆動されるポンプ筐体に配設された少なくとも１つのインペラを備えるターボ型のポンプに関する。

上記の種類のポンプは、遠心ポンプと、軸ポンプという２つの種類に大別される。

遠心ポンプは、ハブと、ハブに配設された数多くの羽根を有する少なくとも１つのカバーディスクとからなるインペラである、いわゆるオープンインペラを備える。いわゆるクローズドインペラには、羽根を間に有する２つのカバーディスクが配設されている。両方の場合とも、インペラの中心の軸方向に液体が吸引され、主に接線方向の周辺でインペラから離れる。

軸ポンプは、液体が主に軸方向でポンプから離れる点が、上述の遠心ポンプと異なる。この偏向は、ポンプ筐体における下流に配設された数多くのガイドレールに助けられて行われる。ガイドレールは、通常、ポンプ筐体の構造において支持要素としての役割も果たす。

汚水、鉱山および建設現場での水などの汚染された液体の汲み上げ中に、汲み上げは、汚染物質によって妨げられることが多い。これにより、ポンプインペラおよびポンプ筐体の目詰まりが生じることがあり、大幅な磨耗の問題につながることも多い。

布切れなどの細長い物体を含有するような汚水の汲み上げ中に、この問題を解決するいくつかの方法がある。その結果、カバーディスクを１つだけ有するオープンポンプインペラが好ましいが、それでも、外部的な措置が必要である。ある間隔でポンプを逆向きに動作させる措置であってもよい。取水口の前に何らかの切断手段を配設する措置であってもよい。米国特許第５５１６２６１号は、汚水の汲み上げのためのオープンインペラであって、ポンプ筐体の底部に螺旋状の溝を配設して、損害を生じさせることの少ない周辺へ汚染物質を導くオープンポンプインペラを開示する。

例えば鉱山における場合のように高い引き上げ高度が必要な汲み上げ中では、クローズドポンプインペラ、すなわち、上下２つのカバーディスクと中間羽根とを有するようなものが使用される。そのようなインペラは、一般的に、高圧の高度において、オープンインペラよりも効率性が高い。他方、クローズドインペラは、貫通度が低く、目詰まりの危険がより高くなる。

鉱山における汲み上げ中に存在する汚染物質は、研磨性の高い物質の成分を含むことが多く、これは、ポンプインペラおよびポンプ筐体の両方の材料が大きな応力にさらされることを意味する。これらの問題は、特殊な表面処理または互いに異なる成分を硬化させることによって部分的に解決可能であるが、不必要な磨耗を避けるために、研磨性のある粒子がポンプ筐体からできるだけ素早く離れることを保証したいという当然の要求がある。さらに、磨耗の減少させるためには、汲み上げ機能にとって重要な部分の幾何学的な設計が最も重要である。

本発明の目的は、ポンプ筐体の底部の何らかの設計によって、磨耗の問題に対する解決策を達成することである。

本発明の主要な局面によれば、当該目的は、請求項１に係る装置によって解決される。

本発明の有利な特徴は、従属項の主題である。

本発明の主要な局面によれば、本発明は、主に固形粒子の形状の汚染物質を含有する液体の汲み上げのための遠心ポンプであって、駆動部と、油圧部とを備え、油圧部は、ポンプ筐体と、筐体内部に回転可能に配設されたポンプインペラとを備え、ポンプインペラは、上部カバーディスクと、下部カバーディスクと、数多くの中間羽根とを備え、中央注入口開口部を有するポンプ筐体の底壁には、注入口開口部の周りを一部または完全に回るように延在する下部カバーディスクに対向する側に、少なくとも１つの螺旋状に延在する逆流影響手段が配設されている、遠心ポンプによって特徴付けられる。

逆流拡張手段を、溝部または稜部として底壁に配設することができる。

さらに、注入口に対向する逆流影響手段の壁部分が、底壁平面に対して好ましくは８５から９５度の範囲の角度を形成する。

本発明に係る逆流拡張手段は、汚染物質を含有する、インペラと、底壁との間の空間に入る逆流に影響を与えるように作用して、磨耗性のある粒子などの汚染物質が間隙に到達するのを大幅に防ぐように、またはその量が少なくとも大幅に減少するようにする。粒子のほとんどは、稜部間の溝部または空間に入ることになり、螺旋形状がゆえに、粒子は、底板の周囲に搬送されることになり、放出口を通って放出される。

溝部間の稜部または平坦部の上面と、下部カバーディスクとの間の距離は指示範囲内であるべきであることがわかった。距離が大きすぎると所定の効果が生じないし、また、間隙が狭すぎると、逆流の速度が上昇し、効果が低下する。

また、やや急傾斜の背面だと効果が増加し、逆流に対する妨害が増大する可能性があることがわかった。

本発明のこれらおよび他の局面および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるだろう。

本発明の以下の詳細な説明では、添付の図面が参照される。

図１に示すポンプは、ポンプを駆動するための、電気モータ（図示せず）に接続された駆動軸１０を備える。軸の下端には、ポンプインペラ１２が取り付けられており、上部カバーディスク１４と、下部カバーディスク１６と、羽根１８と、後部羽根１９とを備える。上述の構成要素は、ポンプ筐体２０内に取り付けられ、ポンプ筐体２０は、底壁２２と、注入口２４と、放出口２６とを有する。ポンプインペラ１２は、下部カバーディスク１６の周辺面とポンプ筐体２０の内側壁との間に間隙２８が、下部ディスクと底壁との間に空間２９が、および下部カバーディスク１６の下面と底壁２２の上面との間の間隙３０があるように、ポンプ筐体内に取り付けられる。

遠心ポンプについての原則によれば、液体は、注入口２４を通って軸方向に吸引され、流れ矢印Ａ，Ｂ，およびＣに従って放出口を通ってポンプから離れる。しかしながら、注入口よりも放出口の方が圧力がはるかに高いので、特定の流れＤは、間隙２８を通って、下部カバーディスク１６とポンプ筐体の底部２２との間の空間２９へ常に逆流する。この流れＥの一部は、間隙３０を通って注入口へ戻り、他方、流れＦの一部は、カバーディスク１６の下側で外部に向かって導かれ、いわゆる境界層流れとなる。境界層流れは、底壁に沿っても存在するが、これは内部に向かっている。

逆流Ｄによって損失が生じ、その結果、汚染物質、研磨性のある粒子などがカバーディスクの下に集中する。なぜならば、特定の大きさの粒子は、間隙３０を通ることができないからである。その後、この粒子の集中により、ポンプの稼動中に、ポンプインペラと、ポンプ筐体の底部とが磨耗する。間隙３０に入る粒子は、研磨機としての役割を果たし、間隙の表面を激しく磨耗させる。これによって、短期間でポンプの性能が大幅に低下する。なぜならば、間隙がより広く磨耗するからである。

下部カバーディスクと、底壁との間の空間２９に入り、周辺に向けてポンプ放出口へさらに搬送される研磨性のある粒子の給送を確認するためには、インペラの下部カバーディスクの下面に対向するポンプ筐体の底壁に、１つまたはいくつかの湾曲流れ影響手段、図示の実施形態においては、稜部によって分割された螺旋状の溝部３２を配設する。図示の実施形態においては、溝部は、注入口開口部２４の周りを螺旋状に数回巻き付いている。流れ影響手段は、図４に示すように、中心からの径方向の距離ｒが、インペラの回転方向Ｒ_dに増加するように湾曲している。

溝部は、インペラの回転によって空間に入る水量が接線方向に移動するように、主要流れＤと流れに含まれる粒子とに影響を及ぼすことになり、水量は、湾曲流れ影響手段に沿って移動する。この動きによって、水中にある粒子が、稜部の間の溝部において回転方向に移動し、溝部の湾曲形状および好ましくは螺旋形状によって、汚染物質は溝部に沿って供給されて、放出部を通って放出され、または少なくとも間隙に集中することが防止される。本発明によって、底壁に沿った境界層流れの径方向の構成要素は、接線方向にさらに向けられるように影響を受けるので、溝部の底部の水量の一部に対しても、湾曲逆流影響手段の方向に移動するように影響を与える。

試験中に、間隙内で処理に影響を与えると思われるある局面であって、溝部における水量がどの程度影響を受けるかを示す局面がある。例えば、図２において、下部カバーディスクの下面と、溝部間の稜部の上面との間の距離ｄは、影響を与えるように思われる。試験によれば、距離ｄが溝部の底部と、下部カバーディスクの下面との間の距離の３分の１から３分の２の範囲であれば、処理結果が良好であるが、これは、本発明を限定するとみなされるべきではない。例えば、当該距離をさらに小さくできるのは、インペラホイールと底壁との許容範囲が厳しい場合、もしくは、底壁または少なくとも稜部がゴムなどの弾力性のある材料からなる場合であり、これにより、部分同士の間は、使用中に何らかの接触ができるようになる。溝部の深さおよび径方向の稜部間の距離、よって溝部内の体積は、好ましくは全水量が処理によって影響を受けるように、考慮されなければならない。

螺旋状の稜部の湾曲角αも、流れの方向と、溝部内への粒子の供給とに影響を与えるという点で、影響力がある。径方向に対して角度を有する直線を流れ影響手段が有することは、インペラホイールの周辺へ粒子を給送するためにはこの設計は最適ではないものの、原則的には可能なはずである。

稜部の背面もまた、処理に影響を与え、試験によれば、背面と、ポンプ筐体の底部に対して平行な面との間の角度βは、図２に示すように、好ましくは８５から９５度の範囲内であることがわかった。しかしながら、円錐形状を有するものおよび図３における底壁に対応する形状のものなどといったインペラホイールのある種類によっては、この範囲は、少なくとも鋳造金属製の底壁では達成可能ではない。しかしながら、試験によれば、図３による設計は満足のいく結果を示すことがわかった。図３による底壁または少なくとも流れ影響手段が弾性力のある材質からなる場合には、稜部を上記の範囲に従った角度で鋳造することができる。

稜部と溝部との適切な設計により、残りの液体に比べて少なくかつ小さい粒子が生じ、さらには磨耗の減少につながるという、別個の効果が得られる。上記に鑑み、流れ影響手段は、底板に機械加工または鋳造された溝部か、もしくは底板に付着または鋳造された稜部かのいずれかであってもよい。底板の設計によっては、稜部または溝部は、異なる設計であってもよい。図示の底板は、一体型の逆流影響手段からなるが、逆流影響手段は、底壁に適切なやり方で取り付けられた別個の部分として作成されることも当然可能であろう。効果を増大させるためには、下部カバーディスクには、溝部／稜部を含む底壁に向けて旋削された後部羽根が配設されてもよい。しかしながら、そのような後部羽根は、あるエネルギー損失を構成するので、特に困難な状況下においてのみ使用される。

図面に示された上述の実施形態は、本発明の非限定的な例とみなされるべきであり、特許請求項の範囲内において、数多くのやり方で修正されてもよいことが理解されるべきである。

本発明に係るポンプの軸断面である。 図１のリングからの見た詳細である。 図２の詳細の変更態様である。 上から見たポンプ筐体の下部である。

Claims (4)

1. 主に固形粒子の形状の汚染物質を含有する液体の汲み上げのための遠心ポンプであって、駆動部と、油圧部とを備え、油圧部は、ポンプ筐体（２０）と、筐体内部に回転可能に配設されたポンプインペラ（１２）とを備え、ポンプインペラは、上部カバーディスク（１４）と、下部カバーディスク（１６）と、数多くの中間羽根（１８）とを備え、中央注入口開口部（２４）を有するポンプ筐体の底壁（２２）には、注入口開口部の周りを一部または完全に回るように延在する下部カバーディスクに対向する側に、少なくとも１つの湾曲逆流影響手段（３２，３４）が配設されていることを特徴とする、遠心ポンプ。
2. 逆流拡張手段が、溝部（３２）として底壁に配設されていることを特徴とする、請求項１に記載の遠心ポンプ。
3. 逆流拡張手段が、稜部（３４）として底壁に配設されていることを特徴とする、請求項１に記載の遠心ポンプ。
4. 注入口に対向する逆流影響手段の壁部分が、底壁平面に対して８５から９５度の範囲の角度を形成することを特徴とする、請求項１から３のいずれかに記載の遠心ポンプ。
   
   

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