JP2007507700A - 格子補強装置を有する核燃料集合体、および核燃料集合体におけるこのような装置の使用 - Google Patents

格子補強装置を有する核燃料集合体、および核燃料集合体におけるこのような装置の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】格子補強装置を有する核燃料集合体、および核燃料集合体におけるこのような装置の使用を提供する。
【解決手段】核燃料集合体は、核燃料棒と、支持スケルトンとを備えていて、2つのノズルと、これらのノズルを相互に連結するガイド管(11)と、棒を保持するためのスペーサグリッドとを有しており、これらのグリッドはガイド管に固着されている。この集合体は更に、支持スケルトンを補強するための少なくとも1つの格子補強装置(21)を備えている。この補強装置(21)は2つのスペーサグリッド間に設置され、ガイド管(11)に固着されている。本発明は加圧水原子炉用の燃料集合体に適用可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は核燃料集合体に関する。
例として、本発明は加圧水核原子炉用の燃料集合体に当てはまる。
一般に、核燃料集合体は、核燃料棒と、支持スケルトンとを備えており、この支持スケルトンは、2つのノズルと、これらのノズルを相互に連結するガイド管と、棒を保持するためのスペーサグリッドとを有している。
各スペーサグリッドは、2組の交差プレートと、外側ベルトとを備えており、かくしてセルを構成しており、これらのセルのうちの幾つかはこれらを通るガイド管を有しており、他のセルはこれらを通る棒を有している。プレートには、実質的に一様な配列のノードのところで棒を保持するための手段が設けられており、これらのプレートはガイド管のうちの少なくとも幾つかに固着されている。
また、スペーサグリッドのうちの少なくとも1つは棒を支持するのに役立つ。この目的で、このスペーサグリッドには、プレートに切欠かれるか、或いはプレートに嵌合されるばねが設けられており、これらのばねは、プレートに打抜きされてセルの向い合った面を形成している窪みに棒を押し当てるのに役立つ。
他のグリッドは棒を配列のノードのところに保持するのにだけ役立つ。これをなすために、これらのグリッドは、棒が通っているセルの面の各々に窪みをもたらし、これらの窪みは棒に押し当るのに役立つ。
また、フランス特許第2665291号は、スペーサグリッド間に介在するための追加のミキサグリッドを開示しており、これらのミキサグリッドは、集合体を通る冷却流体の混合を改良するためのフィンを有している。
このような集合体は、製造されると、「軸方向」であると称される方向に沿って直線状に垂直方向に延びる。これらの集合体は、原子炉における適所にあると、放射に因り変形し、C字形状、S字形状またはW字形状を呈することができる。
このような変形は多くの問題をもたらす。作動中、これらの変形は、制御および稼動停止クラスターをガイド管に挿入するのをより困難にする。
取り扱い中、これらの変形は、例えば、原子炉の炉心を装填するか或いは取り出す操作中に互いに引っ掛かる恐れを増す。
本発明の目的は、放射下で核燃料集合体の変形を制限することによってこの問題を解決することである。
この目的で、本発明は、核燃料棒と、支持スケルトンとを備えている種類のものであって、2つのノズルと、これらのノズルを相互に連結するガイド管と、棒を保持するためのスペーサグリッドとを有しており、これらのグリッドがガイド管に固着されている核燃料集合体において、支持スケルトンを補強するための少なくとも1つの格子補強装置を更に備えており、この格子補強装置が2つのスペーサグリッド間に配置され、ガイド管に固着されていることを特徴とする核燃料集合体を提供する。
特定の実施形態では、この集合体は更に、単独で或いは任意の技術的に実行可能な組合せでとられる下記の特徴のうちの1つまたはそれ以上を備えてもよい。
・核燃料棒は実質的に一様な配列で配置されており、格子補強装置は周囲棒間に延びていない。
・格子補強装置は棒の周囲層と棒の隣接層との間に延びていない。
・格子補強装置は核燃料集合体を通って流れるべきである冷却流体を混合するための手段を有していない。
・格子補強装置は核燃料棒を保持するための手段を有していない。
・格子補強装置は互いに固着されている2組の交差プレートを備えており、これらのプレートは、これらの間に、ガイド管を受入れるためのセルと、核燃料棒を受入れるためのセルとを構成している。
・核燃料棒を受入れるためのセルは核燃料棒を隙間を残して受入れるように棒の寸法より大きい寸法のものである。
本発明はまた、核燃料棒と、支持スケルトンとを備えていて、
・2つのノズルと、
・これらのノズルを相互に連結するガイド管と、
・棒を保持するためのスペーサグリッドと、を有している
核燃料集合体における、支持スケルトンを補強するための少なくとも1つの格子補強装置の使用であって、この格子補強装置が2つのスペーサグリッド間に配置され、ガイド管に固着されている、格子補強装置の使用を提供する。
特定の実施例では、
・格子補強装置は核燃料集合体を通って流れるべきである冷却流体を混合するための手段を有していない;
・格子補強装置は核燃料棒を保持するための手段を有していない;
・格子補強装置は互いに固着されている2組の交差プレートを備えており、これらのプレートは、これらの間に、ガイド管を受入れるためのセルと、核燃料棒を受入れるためのセルとを構成している;
・核燃料棒を受入れるためのセルは核燃料棒を隙間を残して受入れるように棒の寸法より大きい寸法のものである。
添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は加圧水原子炉のための核燃料集合体1の図である。この集合体1は長さ方向Aに沿って垂直方向に直線状に延びている。
集合体1は、主に、核燃料棒3と、これらの棒3を支持するための構造体またはスケルトン5を備えている。
従来のように、棒3は、これらが鎖線で示される図3でわかるように、垂直方向にのびていて、実質的に一様な正方形に基づいた配列で配置されている。
図示の例では、集合体1は264個の棒3の群を備えており、以上からわかるように、配列は17個の棒よりなる1辺を有する正方形を形成している。かくして、棒3の群は各々が17個の棒を有する4つの側面6を有している。
支持スケルトン11は本質的に
・底側ノズル7および頂側ノズル9と、
・制御または運転停止クラスター(図示せず)の棒を受入れるためのガイド管11と、
・配列のノードのところで棒3を保持するためのスペーサグリッド13と、を備えている。
ノズル7、9はガイド管11の長さ方向端部に固着されている。
スペーサグリッド13が鎖線で描かれている図3でわかるように、各スペーサグリッド13は、例えば、2組のプレート15と、棒3の周囲層19を取り囲む周囲ベルト17とを備えている。
グリッド13はセル20を構成しており、これらのセルのほとんどが夫々の棒3を受入れている。プレート15には、ボス(図示せず)が、棒3に押し当ってこれらの棒3を配列のノードのところに保持するように設けられている。他のセル20の各々はガイド管11を受入れている。
また、従来のように、スペーサグリッド13はガイド管11に固着され、棒3の高さに沿って分布されている。
棒3は、単一のスペーサグリッド13により、例えば、保持の目的で、プレート15に切り欠けられるか、或いはプレート15に嵌合された窪みに棒3を押し当てるためのばねを備えている頂側グリッド13により軸方向に保持されることができる。
本発明において、集合体1は、スペーサグリッド13の間に、スケルトン5を補強するための中間装置21を有している。
以下に説明する理由で、これらの補強装置21は、集合体1の外側から目に見えなく、従って、図1に鎖線で示されている。
図示の例では、中間補強装置21が、各対のスペーサグリッド13の間に設けられている。
中間補強装置21の構造は同様であるので、図2および図3を参照して1つの装置21のみを説明する。ガイド管11のセグメントのみが図2に示されていることは認められるべきである。図3では、ガイド管11および中間補強装置21は連続線で描かれている。
装置21は、例えば、交差点における溶接により互いに固着されている2組の交差プレート23を備えている。例として、プレート23は、厚さが約0.425mmであり、高さが約18mmないし約28mmの範囲にある。これらのプレートは好ましくはジルコニウム合金で製造されている。
プレート23はそれらの間に、各々が夫々のガイド管11を受入れるためのセル25と、棒3を受入れるためのセル27とを構成している。図3でわかるように、セル27のうちの幾つかはたった1つの棒3を受入れる個々のセルであり、他のセルは2つまたは4つの棒3を受入れる。
中間補強装置21のプレート23はガイド管11間でのみ延びている格子構造体を構成している。かくして、この格子構造体はオープンワーク構造体を構成している。
かくして、プレート23の横方向広がり、かくして、補強装置21の横方向広がりは制限されている。詳細には、プレート23は棒3の外周層19の棒3間でも、前記層19と、図示の例では、1辺あたり15個の棒を備えている中間に隣接している層29との間でも延びていない。中間補強装置21はこの層29の近傍で止まっている。
プレート23は棒3を保持するためのいずれの手段をも有しておらず、その結果、セル27は棒3の寸法より大きい寸法のものであり、それにより、これらの棒3を隙間を残して取り囲んでいる。
更に、中間補強装置21は燃料集合体1を通って流れる冷却流体を混合する手段を有しておらず、すなわち、フィンを有していない。
中間補強装置21は、例えばプレート23のわずかに隆起している帯域における溶接によりガイド管11に固着されている。このような溶接はプレート23の頂部および/または底部に施されてもよい。
図4に示す変形例では、プレート23は、それらから例えば上方に突出している溶接タ33を介してガイド管11に溶接されてもよい。
集合体1が中央ガイド管11の代わりに計装管を有している場合、中間補強装置21はこの計装管に溶接されることができる。中間補強装置21の存在のため、支持体5のスケルトンおよび全体集合体1の両方はより剛性である。
これは、放射前の核燃料集合体に対する横方向変形のシミュレーションの結果を示す図5により確認される。この図では、mm単位の横方向変位が横座標に沿ってプロットされており、この変形を得るのに必要なdaN単位の力が縦座標にプロットされている。
曲線35は、製造直後、すなわち、放射前の従来技術の集合体に対応している。曲線37は製造直後の図1の集合体1に対応している。かくして、中間補強装置21の存在により、集合体1の曲げ剛性または横方向剛性を、在来の集合体と比較して、その寿命の初めの時点で約60%だけ増大することができる。
図6は放射後に行なわれたアナログシミュレーションに対応する。曲線39は在来の集合体に対応しており、曲線41は図1の集合体1に対応している。かくして、集合体1の横方向剛性の増大は放射後も留まり、この増大は約60%であり続ける。
かくして、集合体1は、その寿命の終わりの時点で、寿命の初めの時点の在来の集合体のものに同等な曲げ剛性を呈する。支持スケルトン5を補強するための中間補強装置21の使用により、放射の影響を補償することが可能である。
放射後の在来の集合体の剛性の低減がガイド管のクリーピングおよび条件の変化に起因していることが発見され、それにより、棒5は、放射前に集合体の剛性の約65%を与えるが、放射後、曲げ剛性の約40%のみを与えるように、スケルトン5により保持されている。
かくして、中間補強装置21によるスケルトン5の剛性化により、放射後を含めて、その横方向剛性を増大することが可能である。その結果、横方向の広がりの小さい補強装置のオープンワーク構造体により、冷却流体における流体頭損失が制限されたままであることを確保している。
図7に示す変形例では、補強装置21は、セル27のすべてが、各々が単一に過ぎない棒3を受入れる個々のセルであるように、より密である格子構造体により構成されてもよい。
この変形例によれば、集合体1の横方向剛性を更に増大することが可能であるが、集合体1を通る冷却流体における流体頭損失をも増大してしまう。
更に他の変形例(図示せず)では、中間補強装置21は、ガイド管11を超えて、できるだけ、棒3の周囲層19まで横方向にのびることができ、また外側ベルトを有してもよい。かくして、装置21はスペーサグリッド13に類似した格子構造を形成している。外側ベルトは取扱い中、偶発的な条件下で衝撃に耐える集合体1の能力を改良することができる。前述の例では、装置21におけるプレートの数は36個である。
より一般的に、中間補強装置21は溶接以外の手段により、例えば、管の膨張により、スリービングなどにより、ガイド管に固着されることができる。
同様に、集合体1は各対のスペーサグリッド13間に中間補強装置21を有する必要がない。
或る変形例では、中間補強装置21は、また、棒3を保持するための手段、および/または集合体を通って流れる冷却流体を混合するための手段を有してもよい。
当然、中間補強装置21は単独で販売されることができる。
本発明の第1実施形態における核燃料集合体の概略立面図である。 図1の集合体の中間補強装置を示す部分概略斜視図である。 核燃料棒の配列および図1の集合体のスペーサグリッドに対して図2の中間補強装置の構造および広がりを比較する概略平面図である。 図2の中間補強装置の変形例におけるガイド管に対する連結を示す部分概略断面図である。 在来の集合体の剛性を放射前の図1の集合体の剛性と比較するグラフである。 放射後の図5に類似した図である。 図2の中間補強装置の変形例を示す図3に類似した図である。

Claims (12)

  1. 核燃料棒(3)と、支持スケルトン(5)とを備えている種類のものであって、2つのノズル(7、9)と、これらのノズルを相互に連結するガイド管(11)と、棒を保持するためのスペーサグリッド(13)とを有しており、前記グリッドがガイド管に固着されている核燃料集合体において、支持スケルトン(5)を補強するための少なくとも1つの格子補強装置(21)を更に備えており、この格子補強装置(21)は2つのスペーサグリッド(13)間に配置され、ガイド管(11)に固着されていることを特徴とする核燃料集合体。
  2. 核燃料棒(3)は実質的に一様な配列で配置されており、格子補強装置(21)は周囲棒(3)間に延びていないことを特徴とする請求項1に記載の集合体。
  3. 格子補強装置(21)は棒の周囲層(19)と棒の隣接層(29)との間に延びていないことを特徴とする請求項2に記載の集合体。
  4. 格子補強装置(21)は核燃料集合体(1)を通って流れるべきである冷却流体を混合するための手段を有していないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の集合体。
  5. 格子補強装置(21)は核燃料棒(3)を保持するための手段を有していないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の集合体。
  6. 格子補強装置(21)は互いに固着されている2組の交差プレート(23)を備えており、これらのプレートは、これらの間に、ガイド管を受入れるためのセル(25)と、核燃料棒を受入れるためのセル(27)とを構成していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の集合体。
  7. 核燃料棒(3)を受入れるためのセル(27)は核燃料棒(3)を隙間を残して受入れるように棒(3)の寸法より大きい寸法のものであることを特徴とする請求項5および6に記載の集合体。
  8. 核燃料棒(3)と、支持スケルトン(5)とを備えていて、
    2つのノズル(7、9)と、
    これらのノズルを相互に連結するガイド管(11)と、
    棒を保持するためのスペーサグリッド(13)と、を有している
    核燃料集合体における、支持スケルトン(5)を補強するための少なくとも1つの格子補強装置(21)の使用であって、この格子補強装置(21)は2つのスペーサグリッド間に配置され、ガイド管(11)に固着されている、格子補強装置(21)の使用。
  9. 格子補強装置(21)は核燃料集合体(1)を通って流れるべきである冷却流体を混合するための手段を有していないことを特徴とする請求項8に記載の使用。
  10. 格子補強装置(21)は核燃料棒(3)を保持するための手段を有していないことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の使用。
  11. 格子補強装置(21)は互いに固着されている2組の交差プレート(23)を備えており、これらのプレートは、これらの間に、ガイド管(11)を受入れるためのセル(25)と、核燃料棒(3)を受入れるためのセル(27)とを構成していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 核燃料棒(3)を受入れるためのセル(27)は核燃料棒(3)を隙間を残して受入れるように棒(3)の寸法より大きい寸法のものであることを特徴とする請求項10および11に記載の使用。
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