JP2007507652A - 内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバー - Google Patents
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Abstract
内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバーであって、ピストンは、ピストンリングバンドのレベルにおいてピストンクラウンの内側に沿って延びた閉鎖された冷却チャネルと、ピストンリングバンドとピストンシャフトとの間に設けられた環状の凹所とを有しており、ピストンシャフトが、ピストンクラウンに懸吊されたピストンハブと結合されており、このようなピストンにおいて、容易に組み立てられる冷却チャネルカバーが、プラスチック又はばね鋼から形成された断面がU字形の一体形のリングによって達成される。
Description
本発明は、内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバーに関し、ピストンは、ピストンリングバンドのレベルにおいて、ピストンクラウンの内周に沿って延びた閉鎖された冷却チャネルと、ピストンリングバンドとピストンシャフトとの間に設けられた環状の凹所とを有する。ピストンシャフトは、ピストンクラウンに懸吊されたハブを介してピストンクラウンと結合されている。
従来技術
ピストンヘッドの縁部領域に配置された冷却チャネルを有する、マルチパート冷却ピストンがドイツ連邦共和国特許出願公開第4039751号明細書に記載されており、このチャネルは、実質的にカップスプリングのように構成された薄板金リングでカバーされている。この薄板金リングは、一片で構成されており、ピストンは2つの部分から構成されているのでピストンに容易に組み付けられることができる。これに関して、上側ピストン部分が下側ピストン部分に結合される前に薄板金リングを上側ピストン部分にまず組み付けることが必要である。
ピストンヘッドの縁部領域に配置された冷却チャネルを有する、マルチパート冷却ピストンがドイツ連邦共和国特許出願公開第4039751号明細書に記載されており、このチャネルは、実質的にカップスプリングのように構成された薄板金リングでカバーされている。この薄板金リングは、一片で構成されており、ピストンは2つの部分から構成されているのでピストンに容易に組み付けられることができる。これに関して、上側ピストン部分が下側ピストン部分に結合される前に薄板金リングを上側ピストン部分にまず組み付けることが必要である。
さらに、ピストンは、ドイツ民主共和国特許出願公開第252638号明細書及びドイツ連邦共和国第4134530号明細書に記載されており、この場合、底部へ開放した冷却チャネルをカバーし、リング状に円周に沿って延びた壁部は、開放薄板金リングとして構成されており、このリングは、溝において、ピストンリングゾーンの内周に対して、及び燃焼室壁部の外周に対して、Seegerリング原理による塑性変形を利用して、すなわち半径方向にバイアスされて、それぞれ当接している。
さらに、ドイツ連邦共和国特許第4208037号明細書に記載された冷却チャネルを有するマルチパートピストンにおいて、底部へ開放した冷却チャネルはバイアスされたカップスプリングによってカバーされており、カップスプリングは、円周において少なくとも2つの部分に分割されており、軸方向では向き合った側に対して、半径方向では内側と外側において、自由に支持体に当接している。
最後に、ピストンヘッドの縁部領域に配置された冷却チャネルを有する一体形冷却チャネルピストンは、欧州特許第0561871号明細書及び欧州特許第0799373号明細書から公知であり、チャネルは、カップスプリングのように構成されたカバーリング、又はカップスプリングのように構成されておりかつカラーが設けられたカバーリングによって閉鎖されている。
これに関して、前記実施形態の欠点は、カバーリング又はカップスプリングが、組み立てられることができるために、2つの部分に構成されなければならないということである。さらに、組立て時に、2つの半円形のリング半部のそれぞれは個々にピストンクラウンにおける対応する支持部内に、バイアスされた状態で導入されなければならない。
発明の概要
したがって、本発明は、内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバーを提供することに基づき、このカバーは、簡単かつ迅速に装着されることができ、従来技術と比べてピストン重量を低減することができる。
したがって、本発明は、内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバーを提供することに基づき、このカバーは、簡単かつ迅速に装着されることができ、従来技術と比べてピストン重量を低減することができる。
この課題は、断面がU字形に形成された、ポリフェニレンスルフィド(PPS)又は高温ポリイミド(PI)から形成された一体形プラスチック又はばね鋼リングによって達成される。特に、U字形リングは、リング底部と、リング底部に成形された、半径方向外向きに傾斜させられた、リングの円周に沿った外側シャンクと、半径方向内向きに傾斜させられた、リングの内周に沿った内側シャンクとを有している。両シャンクは半径方向変形を生じ、冷却チャネルを閉鎖するために、シャンクが、実質的にバイアスなしに、シャンクが冷却チャネルの内側縁部に形成された冷却チャネルの円錐形凹所に係合し、これにより、リング底部が冷却チャネルを閉鎖する。
好適な実施形態において、リング底部の近くに延びたスリットは、半径方向外側のシャンク及び半径方向内側のシャンクに形成されている。スリットは、種々異なるリッジ長さ(L)を有する複数のシャンクを形成するために、円周に亘って不均一に分配されている。
好適には、U字形のリングは半径方向で分割されており、これにより、冷却チャネルのための冷却オイル入口又は冷却オイル出口を形成するために開口幅が形成されている。
図面の簡単な説明
本発明のその他の目的及び特徴は、添付図面に関連した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は単なる例として示されているのであって、発明の範囲を規定するものとして示されているわけではない。
本発明のその他の目的及び特徴は、添付図面に関連した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は単なる例として示されているのであって、発明の範囲を規定するものとして示されているわけではない。
図面において、同一の参照符号は複数の図面を通じて同じエレメントを表す。
図1は、2つの半部から成る、断面図で示された本発明によるU字形のリングによって閉鎖された冷却チャネルを有する、内燃機関のための一体形ピストンを示しており、90゜ずらされた、ピストンの2つの縦断面を示している。
図2は、90゜回転させられた、図1のピストンを示している。
図3は、図1の細部Xによるピストンの部分詳細図を示している。
図4は、U字形のリングの上面図を示している。
図5は、図4によるU字形リングの、A−A線に沿った断面図を示している。
図6は、図4によるU字形リングの、B−B線に沿った断面図を示している。
好適な実施形態の詳細な説明
ここで図面を参照すると、図1は、内燃機関のための一体形に形成されたピストン1を、半分に分けられた断面図で示している。左半分は、ピストンの長手方向軸線に沿った、ピストン1の断面図を示している。右半分は、左半分から90゜ずらされた、ピストン1の長手方向軸線を示している。
ここで図面を参照すると、図1は、内燃機関のための一体形に形成されたピストン1を、半分に分けられた断面図で示している。左半分は、ピストンの長手方向軸線に沿った、ピストン1の断面図を示している。右半分は、左半分から90゜ずらされた、ピストン1の長手方向軸線を示している。
ピストン1は鋼から形成されており、ピストンクラウン9を有している。ピストンクラウン9は、ピストンリングバンド7と、燃焼空間凹所5を有するピストンヘッド4とを有している。ピストンシャフト10は、ピストンクラウン9に懸吊されたピストンハブ3に結合されている。ピストンリングバンド7のレベルにおいて、リング状に円周に沿って延びた、閉鎖された冷却チャネル6が、ピストンクラウン9に配置されている。冷却チャネルの半径方向外側の境界と、半径方向内側の境界とは、ピストンヘッド4に成形されたリング壁部と、ピストンハブ3が懸吊されたピストンクラウン領域とによって規定されている。冷却チャネルの内側は、リング壁部側において凹所14.2を、ピストンクラウン側において凹所14.1を有している。冷却チャネルの壁部領域は、軸方向で、ピストンヘッド4に向かって円錐状に狭まった形状を成している。それぞれの例において、傾斜は、ピストンの軸線2.1と、凹所壁部の傾斜との間の角度によって決定され、この角度は約30゜である。凹所14.1及び14.2は、段部15.1及び15.2によって制限されており、それぞれの例において、この段部も、ピストンシャフト10に向かって円錐状に狭まった形状を形成している。この形状の前記の規定された角度は、約20〜30゜である。
ピストンリングバンド7とピストンシャフト10との間に環状の凹所11が設けられており、この凹所を通じて、断面がU字形の一体形のプラスチック/ばね鋼リング8によって冷却チャネル6の閉鎖のための組立てが行われる。本発明によれば、この目的のために、熱可塑性プラスチック、特に、ポリフェニレンスルフィド(短縮形:PPS)、例えばRyton R4 (R) 、又は、例えば、DuPont社のVESPEL (R) 又はMitsui Chemicals Inc. のAURUM (R) 等の、高温ポリイミド(短縮形:PI)が使用されることもできる。短縮形は、1997年の国際規格ISO1043−1に対応する。このようなプラスチックは、長期動作において200〜400゜超の高温、すなわち熱に対する耐性を特徴とする。さらに、プラスチックは繊維強化されていることもできる。ばね鋼は、CR75等の標準的な炭素鋼であることができる。焼戻しは選択的である。
図4によれば、U字形のプラスチックリング8は、リング底部8.3から傾斜した半径方向外側のシャンク8.1と、傾斜した半径方向内側のシャンク8.2とを有している。これらのシャンクは、組立てを単純にするために、円周に亘って不均一に分配されたスリット13によって分割されているので、種々異なる長さのシャンクセグメントLが形成されている。スリットは、プラスチックリング8の底部8.3まで形成されており、僅かにV字形を有しており、2〜3mmのスリット幅を有している。前記の半径方向のスリット形成は、好適には15〜25゜の角度範囲ごとにリングの円周に亘って分配されている。
図6の断面図に示したように、外側のシャンク8.1は、リング底部8.3の外周に配置されており、リング底部8.3から、ピストンの横方向軸線2.2に関して半径方向外向きに傾斜させられている。内側のシャンク8.2は、半径方向内向きに傾斜させられており、ピストン底部8.3の内周に配置されている。
図4から分かるように、開口幅Mを備えた開放部17が形成されるように、U字形のプラスチックリング8は半径方向で分割されている。この開放部に対して180゜の方向で向き合って、ほぼ同じ幅を有するU字形の開放部16が設けられている。両方の開放部16,17は、リング8の組み立てられた状態において、冷却チャネル6にオイルを供給するために、それぞれオイル入口及びオイル出口として働く。
リング8の組立ては簡単に行うことができ、リングは、凹所11の軸方向高さに対応するレベルまで、その平面から、その側部の半分において弾性的に曲げられ、凹所に導入され、ピストンクラウン9に懸吊されたハブ領域に押し被せ嵌められる。この仮の組立て状態では、リングのリング底部8.3がピストンヘッド4に向けられている。
冷却チャネル6を閉鎖するために、リング8は続いて段部15.1及び15.2に押し込まれ、シャンク8.1及び8.2が凹所14.1及び14.2に当接する。シャンクの面は段部において支持される。この状態において、リング底部8.3は冷却チャネル6を閉鎖する。円周に配置されることができる、円周において突出した、外側シャンク8.1と向き合った、図示されていない冷却チャネルにおける1つ又は2つの凹所と係合する、1つ又は2つの突出部13.1は、U字形のリングが所定の位置から回転することを阻止する。
したがって、本発明の幾つかの実施形態だけが示され説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更が加えられることが明らかである。
1 ピストン、 2.1 長手方向ピストン軸線、 2.2 横方向ピストン軸線、 3 ハブ、 4 ピストンヘッド、 5 燃焼空間凹所、 6 冷却チャネル、 7 ピストンリングバンド、 8 U字形のリング、 8.1 外側シャンク、 8.2 内側シャンク、 8.3 リング底部、 9 ピストンクラウン、 10 シャフト、 11 リング状凹所、 12 フィルムヒンジ、 12.1 半径方向外側のシャンクのフィルムヒンジ、 12.2 半径方向内側のシャンクのフィルムヒンジ、 13 スリット、 13.1 突出部、 14.1,14.2 円周凹所、 15.1,15.2 段部、 16 冷却オイル入口、 17 冷却オイル出口、 D 第2の半径方向分割部、 E 位置平面、 L リッジ長さ、 M 開口幅
Claims (12)
- 内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバーにおいて、ピストンリングバンドのレベルにおいてピストンのピストンクラウンの内部領域に沿って延びた閉鎖された冷却チャネルと、ピストンリングバンドとピストンシャフトの間に設けられた環状の凹所とを有しており、ピストンシャフトが、ピストンクラウンに懸吊されたピストンハブと結合されており、前記カバーが、断面がU字形の、プラスチック又はばね鋼から形成された一体形のリングから成ることを特徴とする、内燃機関の一体形ピストンのための冷却チャネルカバー。
- 前記U字形のリングが、ポリフェニレンスルフィド(PPS)又はポリイミド(PI)から成る、請求項1記載の冷却チャネルカバー。
- プラスチックリングが、リング底部と、該リング底部に成形された、半径方向外向きに傾斜させられた、カバーの円周に沿って設けられた外側シャンクと、半径方向内向きに傾斜させられた、カバーの円周に沿って設けられた内側シャンクとを有しており、前記シャンクが半径方向に変形するようになっており、これにより、前記リングがピストンに取り付けられた場合に冷却チャネルを閉鎖するために、シャンクが、実質的にバイアス無しに、冷却チャネルの内縁部に形成された冷却チャネルの円錐形の凹所に係合し、リング底部が冷却チャネルを閉鎖する、請求項1記載の冷却チャネルカバー。
- リング底部の近くに延びたスリットが、半径方向外側のシャンクと半径方向内側のシャンクとに形成されており、前記スリットが、種々異なるリッジ長さ(L)を有する複数のシャンクを生ぜしめるために、円周に亘って不均一に分配されている、請求項3記載の冷却チャネルカバー。
- 前記スリットが2〜3mmの幅を有しており、リッジ長さが15〜20mmである、請求項4記載の冷却チャネルカバー。
- 開口幅が形成されるようにU字形のリングが半径方向で分割されており、前記開口幅が、冷却チャネルのための冷却オイル入口又は冷却オイル出口を形成している、請求項1記載の冷却チャネルカバー。
- 内燃機関の一体形ピストンにおいて、
ピストンクラウンと、
ピストンリングバンドのレベルにおいてピストンクラウンの内部領域に沿って延びた閉鎖された冷却チャネルと、
ピストンクラウンにおけるピストンハブを介してピストンクラウンと結合されたピストンシャフトと、
ピストンリングバンドとピストンシャフトとの間に設けられた環状の凹所と、
プラスチック又はばね鋼から成る断面がU字形の一体形のリングから成る、冷却チャネルをカバーするための冷却チャネルカバーとを有することを特徴とする、内燃機関の一体形ピストン。 - 前記U字形のリングがポリフェニレンスルフィド(PPS)又はポリイミド(PI)又は炭素ばね鋼から形成されている、請求項7記載のピストン。
- プラスチックリングが、リング底部と、リング底部に成形された、半径方向外向きに傾斜させられた、リングの円周に沿って設けられた外側シャンクと、半径方向内向きに傾斜させられた、リングの円周に沿って設けられた内側シャンクとを有しており、シャンクが半径方向に変形させられるようになっており、これにより、冷却チャネルを閉鎖するために、シャンクが、実質的にバイアスなしに、冷却チャネルの内縁部に形成された冷却チャネルの円錐形の凹所に係合し、リング底部が冷却チャネルを閉鎖する、請求項7記載のピストン。
- リング底部の近くに延びたスリットが、半径方向外側のシャンク及び半径方向内側のシャンクに形成されており、種々異なるリッジ長さ(L)を有する複数のシャンクを生ぜしめるためにスリットが円周に亘って不均一に分配されている、請求項9記載のピストン。
- スリットが2〜3mmの幅を有しており、リッジ長さが15〜20mmである、請求項10記載のピストン。
- U字形のリングが、開口幅が形成されるように半径方向で分割されており、前記開口幅が、冷却チャネルのための冷却オイル入口又は冷却オイル出口を形成している、請求項7記載の冷却チャネルカバー。
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