JP2007506439A - 少量の核酸を合成する方法 - Google Patents

少量の核酸を合成する方法 Download PDF

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Abstract

核酸を合成するための方法であって、cDNAの合成に具体的な用途を有する方法。該方法によって、cDNA合成後、該cDNAの濃縮または精製をする必要なしに、該cDNAをマイクロアレイに適用することが可能になる。

Description

関連出願
本出願は、2003年9月26日に出願された米国仮出願第60/506,247号の優先権を主張するものである。
また、本出願は、2001年1月13日に出願された米国仮出願第60/261,231号の優先権を主張する、2002年1月14日に出願された米国非仮出願第10/050,088号(放棄された)の継続出願である、2004年4月16日に出願された米国非仮出願第10/825,776号(係属中)の一部継続出願でもある。
また、本出願は、2001年8月31日に出願された米国仮出願第60/316,116号の優先権を主張する、2002年9月3日に出願された米国非仮出願第10/234,069号(係属中)の一部継続出願でもある。
また、本出願は、2002年3月25日に出願された米国仮出願第60/367,438号の優先権を主張する、2003年3月25日に出願されたPCT出願第PCT/US03/09232号(係属中)(「’232号出願」)の一部継続出願でもある。
これらの出願すべてについて優先権が主張されており、これらはすべて、その全体が参照して本明細書に組み込まれる。
発明の技術分野
本発明は、核酸合成の改良法に関する。
発明の背景
核酸合成法は、現代の分子生物学の基礎の一つであり、非常に多様な実験技術および診断技術に利用されている。現在知られている核酸のさまざまな形態のうち、cDNAすなわち「相補的DNA」は、メッセンジャーRNA(mRNA)またはその他のタイプのRNA分子の鋳型から作り出されるDNAのコピーである。
元となるmRNAからのcDNA分子の合成は、逆転写酵素(RT)として知られる酵素、すなわちRNA依存型DNAポリメラーゼを用いて遂行される。逆転写酵素は、当初レトロウイルスに関連して発見され、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)またはモロニーマウス白血病ウイルス(M−MuLV)などのウイルスから、または、クローニングされた該遺伝子を含む細胞から精製して得ることができる。
任意の細胞ソースから単離したmRNAを用いて、該細胞mRNAに相補的なcDNA分子からなるライブラリーを作製することができる。そして、このcDNAライブラリーは、様々な実験目的に用いることができる。例えば、特定の組織型から作成されたcDNAライブラリーは、遺伝子発現解析に用いて、すなわち、初期試料内での核酸の発現に関する情報の提供することができる。遺伝子発現解析は、例えば、遺伝子の新規発現の同定、特定の表現型に対する遺伝子発現の相関関係、疾患素因のスクリーニング、および、毒性試験や新たな薬剤化合物のスクリーニングなどにおいて特定の作用因子の細胞遺伝子発現に対する効果の同定などの多様な応用的用途に役立ちうる。
解析を行うために、全(またはメッセンジャー)RNAを所望の細胞試料から抽出する
。逆転写により、該RNAから相補的DNA(cDNA)のコピーを生じさせる。このcDNAコピーを、蛍光マーカーなどのマーカーまたはラベルで標識し、短い断片に分解する。
本発明者の先行特許出願において論じたように、任意の試料中におけるcDNA配列の解析は、DNAマイクロアレイなど核酸解析のための高速技術(例えば、2001年8月31日に出願された米国仮出願第60/316,116号の優先権を主張する2002年9月3日に出願された米国非仮出願第10/234,069号、および2002年9月3日に出願された国際出願第PCT/US02/027799号、国際公開第WO03/020902 A2号「核酸の非特異的ハイブリダイゼーションを阻止する方法(Methods for Blocking Nonspecific Hybridizations of Nucleic Acids)」を参照。これらすべては参照されて、本明細書に組み込まれる)を用いて行う場合に特に効果的である。マイクロアレイはすべて同様の原理で機能する。すなわち、スライドガラスまたはシリコンチップまたはナイロン膜など、実質的に平坦な基板を、直径約20から100ミクロンの微細なスポットで格子状にコーティングする。各スポット(すなわちフィーチャ)は、DNAまたはヌクレオチドの短い配列のコピーを何百万も含み、コンピューターが、各配列の基板上での位置を追跡し続けるため、使用者が、何千もの小規模な試験管様反応を同時に行うことを可能にする。
該cDNAコピーを標識した後、標識された断片をマイクロアレイ上に洗い流して一晩放置し、標識された該断片が該マイクロアレイに付着しているDNAにハイブリダイズできるようにする。ハイブリダイゼーションさせてから、蛍光cDNAと対合した、マイクロアレイ上のフィーチャは、顕微鏡で観察可能か、またはコンピューターにより検出可能な蛍光シグナルを放出する。このようにして、マイクロアレイ上のどの配列が試験試料のcDNAと一致するかを知ることができる。時にはミスマッチが生じても、各スポットすなわちフィーチャに何百万ものプローブを用いることによって、相補的cDNAが存在する場合にのみ、確実に蛍光が検出されるようにする。蛍光シグナルが強いほど(すなわち、スポットが明るいほど)、一致するcDNAが細胞中に多く存在した。
しかし、残念なことに、当業において公知の従来の方法では、逆転写によりcDNAを調製した後、該cDNAの濃縮を行わなければ、該cDNAを、マイクロアレイに適用されるハイブリダイゼーション用混合液中で使用することができない。また、該cDNAが染料を用いてラベリングされている場合などには、しばしば精製も行わなければならない。これらの濃縮および/または精製工程は、試験解析に対する余計な時間および費用を加えることになる。
例えば、核酸を濃縮する一つの典型的な方法はエタノール沈殿法である。cDNA濃縮を可能にするエタノール沈殿法の具体的なプロトコールは以下の通りである。
合成されたcDNAのエタノール沈殿法
1. 1×TEバッファーで、合成されたcDNAの容量を130μLに調整する。
2. 合成cDNA混合物に3μlの直鎖状アクリルアミド(5.0mg/mL)を添加する。
3. 6μlの5M NaClまたは250μlの3M酢酸アンモニウムを添加して混合する。
4. NaClを用いる場合、100%のエタノールを540μl、または3M酢酸アンモニウムを用いる場合、100%のエタノールを875μl加える。適度なボルテックス処理により混合する。
5. −20℃で30分間培養する。
6. 試料を10,000gより大にて15分間遠心分離する。
7. 慎重に上清を吸引して、cDNAペレットが失われないようにする。デカントするとペレットが滑り落ちて失われる可能性があるため、デカントしないようにする。
8. cDNAペレットに70%のエタノールを300μl添加する。チューブの側面を軽くたたいてゆっくりと混合する。混ぜ過ぎはcDNAペレットを壊すことになるため、混ぜ過ぎないようにする。
9. 10,000gより大にて5分間遠心分離して、上清を除去する。デカントしないこと。
10. 65℃で10〜30分間加熱して、cDNAペレットを完全に乾燥させる。cDNAペレットが完全に乾燥していないと、再懸濁することが困難となり、不完全な再懸濁によりマイクロアレイ上に斑点だらけのバックグラウンドおよび/またははっきりしない結果を生じる可能性がある。
11. cDNAのアレイへのハイブリダイゼーションに進む。
エタノール沈殿法は、従来から一般に認められている核酸濃縮法であるが、残念ながら、ペレット化したcDNAが部分的または完全に失われるか、または沈殿したcDNAの再可溶化が不完全であるために、一定しない結果をもたらす可能性がある。例えば、上記のように、少量のRNAの逆転写により、非常に少量であって、処理の過程で、またはピペットチップの内側に付着することによって容易に消失してしまうcDNAペレットが産生されるため、慎重にエタノール沈殿処理を行わないと問題が生じる可能性がある。
cDNAペレットを濃縮する別法は、登録商標Microcon微量濃縮装置を用いる濃縮法である。登録商標Microcon濃縮法のサンプルプロトコールは、以下の通りである。
ミリポア(Millipore)社の登録商標MicroconYM−30遠心濾過装置を用いたcDNAの濃縮
cDNA試料は、ミリポア社の登録商標MicroconYM−30遠心濾過装置(30,000分子量カットオフ、ミリポア社カタログ番号42409)を用いて濃縮することができる。以下のプロトコールは、アレイにハイブリダイゼーションさせるため、cDNA合成反応液の容量を130μlから3〜10μlに減らすために提供される方法の一例である。(注意:以下のサンプルプロトコールは製造業者から提供されたプロトコールに類似しているが、3DNAアレイ350キットで使用するために若干の変更を含んでいる。さらに、登録商標MicroconYM−30を使用する者は、自身の遠心分離の設定を評価して、最終容量を3〜10μlとするために最適な時間および速度の設定を決定すべきである。)
1. 登録商標MicroconYM−30の試料用容器を1.5mlの回収用チューブに入れる。
2. 100μlのTE、pH8.0を登録商標MicroconYM−30の試料用容器に加えて、この容器の膜を予備洗浄する。
3. 10〜14,000gが可能な固定角ローター卓上遠心分離機の中に、チューブ/試料用容器を組み立てたものを入れる。
4. 10〜14,000gで3分間回転させる。
5. cDNA反応液の130μlをすべて、登録商標MicroconYM−30の試料用容器に加える。ピペットの先端で膜に触れてはならない。
6. 10〜14,000gが可能な固定角ローター卓上遠心分離機の中に、チューブ/試料用容器を組み立てたものを入れる。
7. 10〜14,000gで8〜10分間遠心する。
8. チューブ/試料用容器を組み立てたものを取り出す。試料用容器中の液体をこぼさないよう慎重に試料用容器から回収用チューブを分離する。
9. 膜に触れることなく、試料用容器膜に1×TEバッファー(10mM Tris−HCl、pH8.0/1mM EDTA)5μlを添加する。濃縮装置の側面を軽くたたいて、濃縮物と1×TEバッファーとの混合を促進する。
10. 新たな回収用チューブ上に試料用容器を上下逆にして慎重に載せる。同じ遠心分離機中最高速度で2分間遠心する。
11. 回収用チューブから試料用容器を切り離して、容器を廃棄する。チューブの底に集まった容量(総容量3〜10μl)を記録する。cDNA試料は、後に使用するために、回収用チューブの中で保存することができる。
12. cDNAのアレイへのハイブリダイゼーションに進む。
上記の例から分かるように、cDNAをマイクロアレイに適用する前に従来用いられてきた試料濃縮プロトコールは、cDNA合成後に時間のかかる余計な一連の工程を必要とする。場合によっては、これらの追加的工程は、効率、およびアッセイにおいて得られる結果を低下させる可能性がある。
したがって、本発明の目的は、上述した合成後の試料濃縮を不要にするcDNAを合成するための改良された方法を提供することである。
発明の概要
本発明の目的は、核酸を合成するための改良された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、cDNAを合成するための改良された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、cDNAを合成した後、該cDNAの濃縮を不要にする方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、cDNAを合成した後、cDNA試料から望ましくない分子を取り除く精製工程を不要にする方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、非常に少量の試料材料を用いて、cDNAを合成するための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、高い感度を提供するcDNAを合成するための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、マイクロアレイで使用するためのcDNAを合成するための改良された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、cDNAを合成するための方法であって、cDNAの合成後に該cDNAの濃縮を必要とせずに、マイクロアレイにcDNAを適用することを可能にする方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、cDNAを合成するための方法であって、cDNAの合成後に該cDNA試料から望ましくない分子の除去を必要とせずに、マイクロアレイにcDNAを適用することを可能にする方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、簡単に自動化可能な仕方でマイクロアレイに適用するためのcDNAを合成するための方法を提供することである。
上記の目的に加えて、本発明に従って、改良された核酸合成法を開示する。本方法は、核酸合成後の試料濃縮プロトコールをなくすことにより、非常に少量の試料材料から、当業における従来の方法が提供するよりも感度の高い結果を提供する。
好適な実施形態において、本発明は、対象となる試料源のmRNAなど、RNAの初期試料からcDNA(相補DNA)を合成するために用いられる。さらに好適な実施形態において、本方法は、マイクロアレイへの適用を目的とする核酸のために用いられ、アレイに固定された既知の分子に対する合成核酸のハイブリダイゼーションを用いてこれらの核酸をアッセイするために用いられる。さらに好適な実施形態において、該アッセイは樹枝状核酸試薬を用いて行う。さらに好ましくは、キャプチャー配列を用いて、合成核酸および/またはアレイ上の核酸を標識する。
本発明のさらなる実施形態において、本明細書において開示された方法を実行するためのキットを提供することができる。さらに、本処理法は、別の用途のために別タイプの試料調製物に使用することもできる。
合成後の試料濃縮プロトコールを不要にしたことは、特に、このようなプロトコールが試料の過度な消失の原因となりうるため、本発明の方法の重要な利点である。本方法は、全RNAまたは同等の核酸試料1マイクログラム(1000ナノグラム)未満からの少量の調製物にとって特に有用である。
本発明のさらに重要な利点は、cDNAの完全な合成を行うのに必要な操作の時間および数を減らすことができることである。この利点は、研究室、診断用キット、医療現場におけるニーズなど、多様な状況および用途に特に重要である。
しかし、本発明のさらに重要な利点は、同じ投入材料での最終cDNA収量がより一貫して提供されるため、結果のより優れた再現性をもたらすことである。
本発明のさらなる目的および利点は、本明細書記載の詳細な開示内容とともに明らかになるはずである。
本発明および好適な実施形態の詳細な説明
本発明をさらに説明するにあたり、本発明は、本明細書に記載された発明の特定の実施形態に限定されず、その特定の実施形態を変更することが可能であり、それらも、本発明の範囲または添付の請求の範囲に依然として含まれるものと理解されるべきである。
また、用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、限定的であることを意図するものでもないと理解されるべきである。
本発明は、一般的に、合成後の試料濃縮を不要にする核酸合成の方法に関する。従来の研究室の技術、装置および試薬を用いて、核酸配列の試料を調製し、本発明の方法を実施する、費用効率がよく有効な方法であるため、それらは、研究および臨床での使用、ならびに自動化に特に適している。
本発明は、マイクロアレイ上でのアッセイに関連して行なわれるcDNA合成などの核
酸合成に特に適している。このような方法においては、実質的に平面である基板の表面(「マイクロアレイ」)に固定されているか、安定的に結合しているDNAまたは遺伝子プローブのアレイを、相補的プローブ/標的複合体のハイブリダイゼーションパターンを生成するのに十分なハイブリダイゼーション条件下で、標的核酸試料と接触させる。使用することができる多様なマイクロアレイが当技術分野において知られている。次に、ハイブリダイズした核酸試料は、標識されたプローブの標的となり、ハイブリダイズして、特定のハイブリダイゼーションパターンに対応する検出可能なシグナルを発生させる。標的核酸にハイブリダイズした各標識プローブはすべて、既知の強度をもつ同一のシグナルを生成することができる。したがって、マイクロアレイ中の各陽性シグナルは、標的核酸試料の遺伝子プロフィールに関する定量的情報を得るために「計測」することができる。
標的核酸と配列特異的にハイブリダイズできるマイクロアレイのDNAまたは遺伝子プローブは、ポリヌクレオチド、またはそれのハイブリダイズする類似体(analogues)または模倣体(mimetics)であり得、たとえばホスホロチオエート、メチルイミノ、メチルホスホン酸、ホスホルアミデート、グアニジンなど、ホスホジエステル結合が置換結合基(substitute linkage group)で置換されている核酸、リボースサブユニットが置換されている核酸、例えばヘキソースリン酸ジエステル、ペプチド核酸などであるが、これらに限定されるものではない。プローブの長さは、通常10〜1000ヌクレオチドの範囲であるが、本発明はそのような長さのプローブに限定されるものではない。本発明のいくつかの実施形態においては、例えば、プローブは15〜150ヌクレオチド、より一般的には、15〜100ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであろう。別の実施形態において、プローブはより長く、通常150〜1000ヌクレオチドの長さになるが、ここで、該ポリペプチドプローブは一本鎖または二本鎖であってもよく、通常は一本鎖であり、cDNAから増幅されたPCR断片でもよい。基板の表面上のDNAまたは遺伝子プローブは、好ましくは、解析中の生理学的由来源の既知の遺伝子に対応し、また、マイクロアレイ上の既知の位置に配置されるため、陽性のハイブリダイゼーションが生じると、標的核酸試料の由来源である生理学的由来源における特定遺伝子の発現と相互に関連付けることができる。下記で説明されているとおり、標的核酸試料を生成する方法のため、遺伝子プローブのマイクロアレイは、通常、それらが対応する遺伝子の非鋳型鎖と相補的な配列を有する。
遺伝子プローブが安定的に結合する基板は、プラスチック、セラミック、金属、ゲル、膜、ガラスなど、多様な材料から製造することができる。マイクロアレイは、遺伝子プローブを予備形成してから、支持体の表面に安定して結合させるか、遺伝子プローブを支持体上で直接成長させるなど、簡便かつ通常の方法に従って作成することができる。数多くの異なったマイクロアレイの構成および作成法が当業者に知られており、その一つがScience、283,83,1999に記載されているため、その内容は参照されて本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に従って、安定して固定されているプローブ核酸配列を有する所望のマイクロアレイが提供される。さらに、研究対象である標的分子を有する試料が提供される。該標的分子は検出のために標識されるが、本明細書において用いる「標識」という用語は、直接的に、またはシグナル発生システムの1個以上の付加的メンバーとの相互作用を介して、検出可能なシグナルを提供することができる作用因子を意味する。標識は、好ましくは可変シグナルを提供せず、代わりに所定の時間にわたり一定かつ再現可能なシグナルを提供するものである。標的分子は、標的をアレイに適用する前か後に標識することができるが、通常は、適用する前に標識するのが好ましい。好ましくは、例えばジェニコン社(Genicon. Inc.)/インビトロジェン社(Invitrogen)の標識のように、例えば、ナノゴールド標識を用いる相対光散乱検出法(relative light scatter detection)のような、デンドリマーまたは別の比
較的高感度のシグナルを発生させる方法など、非常に感度のよいシグナルを発生させる方法を用いる。
本発明に関連しては、樹枝状核酸分子が、検出能力に関して特に好適である(ただし、適切な感度を有するいかなるタイプの標識分子も、本明細書に開示した発明とともに利用することができる)。樹枝状核酸分子すなわちデンドリマーは複雑な、高度に枝分かれした分子であり、相互に結合した天然または合成された二本鎖DNAの複数の単量体サブユニットからなる。デンドリマーは、Nilsenら、樹枝状核酸分子構造(Dendritic Nucleic Acid Structures)、 J. Theor. Biol.,187,273−284(1997)、Stearsら、デンドリマー技術を利用した高密度マイクロアレイの新規な高感度検出システム(A Novel, Sensitive Detection System for High−Density Microarrays Using Dendrimer Technology)、Physiol. Genomics, 3: 93−99 (2000);および米国特許第5,175,270号、第5,484,904号、第5,487,973号、第6,072,043号、第6,110,687号および第6,117,631号など、さまざまな米国特許において、非常に詳しく説明されている。また、これらはすべて、その全文が参照されて本明細書に組み込まれる。同様に、デンドリマーおよびマイクロアレイ上におけるその使用に関するさまざまな発明については、2003年3月25日に出願されたPCT出願第PCT/US03/09232号、2002年3月25日に出願された米国仮出願第60/367,438号、2004年4月16日に出願された米国非仮出願第10/825,776号、2002年1月14日に出願された米国非仮出願第10/050,088号、2001年1月13日に出願された米国仮出願第60/261,231号、2003年12月8日に出願された米国非仮出願第10/730,823号、2003年3月20日に出願された米国非仮出願第10/393,519号、2001年9月20日に出願されたPCT出願第PCT/US01/29589号、2001年9月20日に出願された米国仮出願第60/234,060号、2001年7月19日に出願された米国非仮出願第09/908,950号、2000年7月19日に出願された米国仮出願第60/219,397号、2000年3月8日に出願された米国仮出願第60/187,681号、2001年3月8日に出願された米国非仮出願第09/802,162号、および2000年3月8日に出願された米国仮出願第60/187,681号、PCT出願第PCT/US2003/009232号、およびPCT出願第PCT/US2003/025865号に記載されており、これらすべて、その全文が参照されて本明細書に組み込まれる。
デンドリマーは、表面上にあって、2個の主要な官能基を結合するために使用される2つのタイプの一本鎖のハイブリダイゼーション用「アーム」を含む。1個のデンドリマー分子は、表面上にそれぞれのタイプのアームを100本以上持つことができる。一方のタイプのアームは、特異的な標的分子を付着させて、標的特異性を確立するために用いられ、もう一つのタイプは、標識またはマーカーを付着させるために用いられる。デンドリマーの標的および標識の特異性を決定する分子は、オリゴヌクレオチドとして、またはオリゴヌクレオチド結合体として付着する。単純なDNA標識、ハイブリダイゼーションおよび連結反応を用いて、デンドリマー分子が、高度に標識された標的特異的プローブとして作用するように設定することができる。
調製した混合物を適切なバッファーの存在下で配合して、一方のタイプの「アーム」に結合した蛍光標識を有するデンドリマー、およびもう一方のタイプの「アーム」に結合したオリゴヌクレオチドであって、RTプライマーに結合したcDNA断片のキャプチャー配列に相補的なオリゴヌクレオチドを有するデンドリマーを含むデンドリマーのハイブリダイゼーション用混合物を得る。アレイの表面上にスポッティングした核酸に対するcD
NAまたはデンドリマーの非特異的相互作用をブロックするように設計されたオリゴヌクレオチドを、この時点で加えることもでき、多数の同一核酸塩基を含む遮断オリゴヌクレオチドを、RNA試料に由来するcDNAおよびマイクロアレイの表面上の核酸プローブに見られる同一の相補的塩基の長い鎖を遮断することができる。
蛍光標識デンドリマーを調製するために、登録商標Cy3 RTプライマーおよび登録商標Cy5 RTプライマーの上にあるキャプチャー配列と相補的な配列を別々に、既述の方法により調製した精製ずみの樹枝状コア物質に連結させる(前掲Nilsonら、および前掲米国特許第‘270号、第‘904号、および第‘973号参照)。次に、5’側に登録商標Cy3または登録商標Cy5を有する4層デンドリマーの外側アームに相補的な、30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを合成する(オレゴン州ウィルソンビル(Wilsonville, OR)にあるオリゴスエトセ社(Oligos etc., Inc.))。次いで、登録商標Cy3および登録商標Cy5のオリゴヌクレオチドを、それぞれに対応するデンドリマーの外側表面にハイブリダイズさせて共有結合により架橋する。次いで、過剰な捕獲用標識オリゴヌクレオチドおよび蛍光標識オリゴヌクレオチドを、サイズ排除クロマトグラフィーおよび密度勾配超遠心分離法などの技術によって除去する。
紫外線/可視光分光器で260nmにおける精製物質の光学密度を測定して、デンドリマーの濃度を決定する。蛍光光度計(FluoroMax、SPEXインダストリーズ社(SPEX Industries))を用いて、最適なシグナル/ノイズの波長における蛍光を測定する。Cy3は542nmで励起可能であるため、570nmで発光を測定する。Cy5は641nmで励起可能であるため、676nmで発光を測定する。
本発明の好適な実施形態において、ジェニスフィア社の3DNA Array 900標識キットで使用可能なデンドリマーのように、各分子上に約850の蛍光色素を有するデンドリマーを用いる。あるいは、約300の色素を有する従前のデンドリマー、または500よりも多い蛍光色素を有するデンドリマーを用いることもできる。
このようなデンドリマープローブを用いると、デンドリマーの優れたシグナル増幅能力によって、感度の増加が著しく大きくなる。感度の増加により、アッセイに必要とされるRNAの量が減少し、より少量の初期試料の使用で済む。特に、本発明は、0.25〜1マイクログラムの全RNA、またはわずか100ナノグラム(0.1マイクログラム)の全RNAを用いるか、または1〜1000ナノグラムのポリA RNA(mRNA)を用いて容易に実施することができる。したがって、好ましくは、約850以上の蛍光色素を有するデンドリマーを用いて、これら改善された結果が得られる。(例えば、改良デンドリマー、または他の改良された標識分子またはシグナル分子を用いて)本技術分野において検出感度が向上すると、本発明を用いて、より少量のRNA試料をアッセイできるようになる。
アッセイ法自体に関しては、好ましくは、連続的ハイブリダイゼーション工程(「2段階法」)を用いる手法であって、逆転写されたcDNAを、アレイにハイブリダイズするのに十分な時間アレイに適用して、該cDNA分子を標的である固定プローブにハイブリダイズさせた後、未結合のcDNAおよび過剰なRTプライマーをアレイから除去する洗浄処理を行う手法が用いられる。cDNAは、好ましくは、下記に開示したように、検出可能なシグナルを生成することができる標識を有する樹枝状核酸に結合するため、自身に取り込まれたキャプチャー配列を有する。次いで、蛍光標識されたデンドリマー分子(またはcDNAに取り込まれたキャプチャー配列と結合可能な別の分子)は、洗浄したアレイに適用され、この第二のハイブリダイゼーションの過程で、cDNAに付随するキャプチャー配列にハイブリダイズする。二次的な洗浄処理の過程で過剰なデンドリマーを洗い
流し、アレイをスキャニングして、標識分子によって生成されたシグナルを検出する。
所望ならば、さらに好適な実施形態において、温度サイクリングを用いて、標的核酸とマイクロアレイの間におけるハイブリダイゼーション、およびキャプチャー試薬とマイクロアレイの間におけるハイブリダイゼーションを選択的に制御することができる(好ましくは、それぞれ、cDNA−マイクロアレイ間のハイブリダイゼーションおよびcDNA−デンドリマー間のハイブリダイゼーション)。このようなサイクリングを用いることによって、まず、cDNAがマイクロアレイのみにハイブリダイズし、次にcDNAがデンドリマーに対してハイブリダイズするように、ハイブリダイゼーションを慎重に制御することが可能になる。本処理を用いて、2つの成分、すなわちプローブに対する標的核酸、および標的核酸に対するキャプチャー試薬のそれぞれのハイブリダイゼーション反応速度を向上させることができる。このような温度サイクリングの使用に関するさらなる詳細が、2001年1月14日に出願された米国非仮出願第10/050,088号、2001年1月13日に出願された米国仮出願第60/261,231号、および、本発明者らおよびニュージャージー州モントベール(Montvale, New Jersey)にあるジェニスフィア社(Genisphere Inc.)により公表されたプロトコールに記載されており、これらすべてが、その全文が参照されて本明細書に組み込まれる。
本発明の好適な実施形態において、合成される核酸は、通常、天然の由来源から得られたRNAから逆転写されたDNAであり、ここで、該RNAは、全RNA、ポリ(A)RNA、増幅されたRNAなどからなるグループから選択することができる。初期RNA由来源は、さまざまな異なった試料中に存在しうるが、ここで、該試料は、一般的には、生理学的由来源から得られる。生理学的由来源は、さまざまな由来源から得ることができるが、対象となる生理学的源には、酵母またはバクテリアのような単細胞生物、および植物や動物などの多細胞生物、特に哺乳動物に由来する由来源などがあり、ここで、多細胞生物由来の該生理学的由来源は、多細胞生物の特定の器官または組織から得ることができ、またはそれらに由来する単離した細胞から得ることができる。解析すべき試料RNAを、それが由来する生理学的由来源から得る際、該生理学的由来源に数多くの処理工程を施すことができるが、ここで、そのような既知の処理工程には、組織のホモジネーション、細胞の単離および細胞質抽出、核酸抽出、ポリAテール付与などがありうる。細胞、組織、器官または全生物体からRNAを単離する方法は、当業者に周知であり、例えば、コールドスプリングハーバー研究所出版、1989年(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)のManiatisら、分子クローニング:実験マニュアル、第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual., 2nd ed.)、およびジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、1998年のAusubelら、分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols
in Molecular Biology)に記載されており、これらはともにその全文が参照されて本明細書に組み込まれる。
試料mRNAは、好ましくは、ハイブリダイズしたプライマーを酵素的に伸長させるのに充分な条件下で、オリゴ(dT)プライマーまたはRTプライマーを該mRNAにハイブリダイズさせることにより、cDNAの形になった標的核酸に逆転写する。プライマーは、mRNAテールに効率的にハイブリダイズするのに充分な長さであるが、ここで、この領域は、典型的には10〜25ヌクレオチド、通常は10〜20ヌクレオチド、より通常には12〜18ヌクレオチドの長さである。
応用場面では、一般的に、配列特異的プライマーを用いる必要があることを考えれば、本発明において使用されるような標準的プライマーは、さらに、「キャプチャー配列」のヌクレオチド部分を含む。本明細書中で言及されている好適なキャプチャー配列は、例え
ば、2002年9月3日に出願された国際出願第PCT/US02/027799号において開示されているような、登録商標Cy3 RTプライマーキャプチャー配列(オレゴン州ウィルソンビルにあるオリゴスエトセ社)または登録商標Cy5 RTプライマーキャプチャー配列(オレゴン州ウィルソンビルにあるオリゴスエトセ社)であり、この文献はその全文が参照されて本明細書に組み込まれる。
カスタムプライマーでは、当該カスタム製造されたオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端にキャプチャー配列を結合すべきである。このようにすれば、カスタムプライマーは標準的なRTプライマーの代わりになる。本発明は標準的なRTプライマー用に考案されているため、カスタムプライマーで代用する場合には、いくつか変更が必要になるかもしれない。このような変更は当業者に周知であり、使用するRNA試料の量および種類に基づいて、プライマーの量および配合を調節することなどがありえよう。上記したように、プライマーは、特異的なヌクレオチド配列からなるキャプチャー配列を有する。キャプチャー配列は、さらに少なくとも1つの標識を有するデンドリマープローブのアームに結合しているオリゴヌクレオチドに相補的である。このような相補的ヌクレオチドは、外部の販売業者から入手でき、また、標識部分としても入手することも可能である。当技術分野において周知のとおり、標識は、デンドリマープローブのアームに結合した1個以上のオリゴヌクレオチドに、直接または結合基を介して結合させることが可能である。好適な実施形態において、デンドリマープローブは、登録商標Cy3または登録商標Cy5で標識されたオリゴヌクレオチドをデンドリマーのアームにハイブリダイズおよびクロスリンクさせることにより標識される。登録商標Cy3または登録商標Cy5で標識されたオリゴヌクレオチドは、それぞれ登録商標Cy3または登録商標Cy5のRTプライマーキャプチャー配列に相補的である。
標的核酸試料を作成する際に、逆転写酵素、および第1鎖cDNA合成を誘発するのに十分な条件下でプライマー伸長させるのに必要な他の試薬が存在する中で、プライマーをRNAに接触させる。通常はDNAポリメラーゼであるが、逆転写酵素活性を有するさまざまな酵素を、第1鎖cDNA合成工程に用いることができる。適切なDNAポリメラーゼの例は、好熱細菌および古細菌、レトロウイルス、酵母、アカパンカビ(Neurosporas)、ショウジョウバエ、霊長類および齧歯類からなる群から選択される生物に由来するDNAポリメラーゼなどである。逆転写酵素活性を有する適切なDNAポリメラーゼは、市販されているか、または、当業者に公知の方法によって、該ポリメラーゼをコードするクローン化遺伝子を高レベルで発現する細胞から得られる生物から単離することができるが、ここで、ポリメラーゼを得る具体的な方法は、主に、利便性、費用、入手可能性などの要素に基づいて選択される。試薬を混合する順序は、所望のように変更可能である。
本発明の一つの好適な実施形態において、cDNA合成プロトコールは、全RNAまたはポリ(A)RNA(mRNA)を、RTプライマーおよびRNアーゼを含まない水と混合してRNA−RTプライマー混合液を得ることを含む。下記のとおり、本発明に従って、非常に少量の初期RNAを用いることができる。
次に、RNA−RTプライマー混合液を混合して微量遠心分離して、微量遠心分離用チューブの底に内容物を集める。そして、RNA−RTプライマー混合液を10分間適当な温度(例えば80℃)で加熱してから、直ちに氷上に移す。氷上に置いた別の微量遠心分離用チューブの中で、RTバッファー、DTT(ジチオトレイトール)、RNアーゼインヒビター、dNTP混合液、および逆転写酵素を、RNアーゼを含まない水と混合する(反応用主混合液)。この混合物をゆっくりと混合し(ボルテックス処理はしない)、短時間微量遠心して内容物を微量遠心分離用チューブの底に集めて、反応混合液を回収する。次に、RNA−RTプライマー混合液を反応用主混合液と混合し、第1鎖cDNAプライ
マー伸長産物を形成するのに十分な時間、適当な温度(例えば約42℃)でインキュベートするが、これは通常約2時間を要する。この反応を1.0MのNaOH/100mMのEDTAで停止させてから、適当な温度(例えば65℃)でインキュベートして、DNA/RNAハイブリッドを変性し、RNAを分解させる。次に、2MのTris−HCl(pH 7.5)で中和する。
これが完了したところで、cDNAを、合成後にcDNAを濃縮することなく、直接アレイに適用して、それにハイブリダイズさせる。(一つの付加的実施形態において、合成後にcDNAの精製も行わない。)そうではなく、上記で得られた混合液を直接該マイクロアレイに加えて、2回目のハイブリダイゼーション温度で、cDNAが該マイクロアレイに結合するのに十分な時間インキュベートする。適当なハイブリダイゼーション条件は当業者に周知であり、前掲のManiatisらに概説されているが、ここで、条件は、所望のハイブリダイゼーション特異性を得るよう調節することができる。所望であれば、2002年9月3日に出願された国際出願第PCT/US02/027799号および国際公開第WO 03/020902 A2号で検討されているように、遮断用のLNAオリゴヌクレオチドを用いて、cDNAとアレイの間の非特異性結合を減少させることもできる。そして、これらは参照されて本明細書に組み込まれる。次に、アレイを洗浄して、アレイ上のバックグラウンド(例えば、cDNA分子に取り込まれない遊離のRTプライマーが原因で生じる)を低下させる。
そして、標識をcDNAのキャプチャー配列にハイブリダイズさせるため、標識分子(好ましくは、所望の標識を有するデンドリマー)をアレイに適用して、検出可能なシグナルを提供させる。ハイブリダイゼーション工程の後、ハイブリダイズしていない複合体をマイクロアレイから除去する洗浄工程を用い、それによって、マイクロアレイに結合しているハイブリダイズしたcDNA−デンドリマープローブの可視的な不連続パターンが残る。これらの用途に対するさまざまな洗浄用溶液およびプロトコールが当業者に公知であり、利用可能である。利用される具体的な洗浄条件は、用いられるシグナル発生システムの具体的な性質に応じて必然的に決まり、用いる具体的なシグナル発生システムに通じている当業者には既知である。
その結果得られた標識cDNA断片のハイブリダイゼーション・パターンをさまざまな方法で可視化または検出することができ、具体的な検出方法は、cDNAの具体的な標識に基づいて選択される。ここで、代表的な検出手段は、シンチレーション計測、オートラジオグラフィー、蛍光測定、熱量測定、発光測定などである。
上記したような、ハイブリダイゼーション工程およびいずれかの洗浄工程、および/またはその後の処理に続いて、得られたハイブリダイゼーション・パターンを検出する。ハイブリダイゼーション・パターンを検出して可視化する際には、標識の強度またはシグナル値を検出するだけでなく定量化も行うが、これはハイブリダイゼーションの各スポットからのシグナルを測定するという意味である。
検出または可視化の後、ハイブリダイゼーション・パターンを用いて、初期RNA試料についての定量的および定性的な情報を決定することができる。例えば、マイクロアレイに接触してハイブリダイゼーション・パターンを生成した標識付標的核酸試料の遺伝子の特徴に関する情報を得ることができる。このデータから、生理学的由来源である組織または細胞中で発現される遺伝子の種類、および各遺伝子の発現レベルなど、標的核酸試料が由来した生理学的由来源に関する情報を、特に定量的な表現で得ることができる。2つ以上の生理学的由来源からの標的核酸を比較するのに本発明の方法を用いる場合、ハイブリダイゼーション・パターンを比較して、パターンの違いを同定することができる。異なるプローブのそれぞれが既知の遺伝子に対応するマイクロアレイを用いる場合、不一致があ
れば、比較されている生理学的由来源における特定の遺伝子の発現の違いに関連付けることができる。したがって、例えば、本発明の方法は、遺伝子発現の差異をアッセイするという用途があり、例えば腫瘍性組織と正常組織のような疾患組織と正常組織や、異なった組織または下位組織(subtissue)のタイプなどの発現差異を解析するのに本発明の方法を用いることができる。
上記処理操作のその他の変形の多くを、本発明と一貫性を有する形で用いることができる。例えば、ハイブリダイゼーションの前にcDNAに転換されている試料から抽出したRNAを用いる代わりに、本発明は直接、RNA試料に用いることができる。そのような実施形態の一つにおいて、酵素的手段を介するなどして、RNAをスプライシングする既知の方法を用いて、適当なキャプチャー配列をRNAにライゲーションすることができる。または、RNAがキャプチャー配列として有用な特異的オリゴヌクレオチドを含んでいれば、相補的なオリゴヌクレオチドをデンドリマーに結合させて、該RNA分子を標識することができる。逆転写を必要とせずにRNAを直接用いる方法に関するさらなる詳細が、2001年7月19日に出願された国際出願第PCT/US01/22818号に記載されており、これは、参照されて本明細書に組み込まれる。
本発明は、従来の方法よりも少量の初期RNA試料を用いることを可能にしたため、非常に少量の初期出発材料を用いる、改良されたcDNA合成法および測定法に特に適している。例えば、3DNAデンドリマー技術(または、例えばジェニコン社/インビトロジェン社などのナノゴールド標識を用いる相対光散乱検出法のような、その他非常に感度の高いシグナル生成技術)組み合わせると、このcDNA法は、RNA標的の増幅を全く必要とせずに、全RNA試料を250ナノグラム以下にまで減らして使用できるため、特に有益である。本発明は、0.25〜1マイクログラムの試料、または、所望であれば100ナノグラム(0.1マイクログラム)の初期全RNA試料、または1から1000ナノグラムのポリA RNA(mRNA)とともに容易に用いることができる。これは、同じ感度レベルを得るのに、20〜50マイクログラムの全RNA、または1〜2.5マイクログラムのポリA RNA(mRNA)を必要とする直接取り込み法よりも、約2桁単位で優れている。
従って、本方法は、他の方法を用いれば合成後の濃縮工程または精製工程で失われるような非常に少量の開始試料の使用を可能にする。当技術分野において(例えば、改良デンドリマー、または付加的に蛍光色素を有するデンドリマー、またはその他のシグナル生成法を用いて)検出感度が向上すると、より少量のRNA試料を本発明でも用いることができるようになる。そのような試料も、同様にcDNA合成後濃縮を行うことなく、マイクロアレイに適用することができる。
本発明は、反応をスケールアップすることもできるが、依然として、最終cDNA合成精製物の濃縮を不要にすることができる。本発明の更なる利益は、本発明を用いれば回避されることではあるが、多量のcDNAが存在することが直接的または間接的な原因で起こるマイクロアレイ上の非特異的なバックグラウンドを減少させることである。同様に、本方法は、データ品質(特に、遺伝子発現試験における差異の範囲)の向上をもたらすが、これは、アレイ上におけるハイブリダイゼーションアッセイ法では、非常に少量のcDNAしか用いないことの結果である可能性が高い。これは、従来の方法とは対照的に、本発明では、合成後cDNAの濃縮を行わないという事実によるものである。従来の方法では、一般的に、非3DNA法で必要とされるよりも多量の試料が必要であり、マイクロアレイ上でのハイブリダイゼーションには小量の試料が必要であるため、ほとんどのタイプのアレイでcDNAを用いるためには、該cDNAを濃縮することが必要である。
同様に、本明細書で提供されるさらなる改善点は、直接的に色素を取り込むcDNA合
成法では、cDNAに取り込まれなかった過剰な色素と酵素を除去するために通常行われるcDNA合成産物の精製を必要としないことである。
さらに、本発明は、これに関連して通常用いられ、現在のところ自動的にまたはロボットによって行うことが困難な濃縮工程および精製工程とは対照的に、容易に自動化が可能であるという、さらなる利益を提供する。
本発明のさらなる利点、特徴および態様は、以下の実施例に関連して明らかになる。
実施例1:
全RNAからのcDNA合成
1.マイクロチューブの中で以下のものを混合する:
1〜5μlの全RNA(0.25〜1.0μgの哺乳動物全RNAまたは0.5〜2.5μgの植物全RNA)
1μlのRTプライマー(5pmole/μl)。
最終容量が6μlになるよう、ヌクレアーゼを含まない水を加える。
これがRNA−RTプライマー混合液である。
注意:5pmole/μlのRTプライマーを使用すると、一部のタイプのアレイ(すなわち、ポリ−L−リジンでコーティングしたスライド)において非特異的なバックグラウンドシグナルを生じる可能性がある。この種のバックグラウンドは、RTプライマーを、RNA試料に加える前に、ヌクレアーゼを含まない水で最大2.5倍まで希釈することによって低減させることができる(注意:プライマーを2pmole/μlよりも低くなると、cDNA合成の効率が悪くなるので、これよりも低く希釈しないようにすること。)
2.混合して、短時間微量遠心して内容物をチューブの底に集める。
3.5分間80℃まで加熱して、直ちに氷上に移して2〜3分間置く。
4.キットの一部として提供される場合には、逆転写酵素、および該酵素の反応用バッファーは、そのキット中に含ませるか、または、別個に購入させることができる。SuperScriptII逆転写酵素(Gibco社、カタログ番号18064−014−10,000ユニット@200U/μl)を使用することを推奨する。
反応用の主混合溶液を、同時に開始するcDNA合成の数に応じて、最終容量に調合しなければならない。各cDNA合成には、4.5μlの反応用主混合溶液が必要である。ピペッティングの誤差を低減するために、反応用主混合溶液は9μL(2回分のcDNA合成に十分な量)以上なければならない。
氷上にて、下記の表に従って別々のマイクロチューブで混合する。
Figure 2007506439
これが反応用主混合溶液である(この反応用主混合溶液は使用時まで氷上で保持するべきである)。
5.穏やかに混合し(ボルテックスはしない)、短時間微量遠心して反応混合液の内容物をチューブの底に集める。
6.工程1のRNA−RTプライマー混合液6μlに、工程5の反応溶液を4.5μl加える(最終容量10.5μlになる)。
7.ゆっくりと混合し(ボルテックスはしない)、42℃で2時間インキュベートする。8.1.0μlの1.0M NaOH/100mM EDTAを加えて反応を停止させる。
9.65℃で10分間インキュベートして、DNA/RNAハイブリッドを変性させ、RNAを分解させる。
10.反応液を1.2μlの2M Tris−HCl、pH7.5で中和させる。ここで、cDNA合成用調製液は、合成後の濃縮を必要とすることなく実験(マイクロアレイ、ブロット、FISHなど)に使用できる状態になる。所望であれば、このcDNA調製液は、合成後何らかの精製をして用いることも可能である。
実施例2:
合成後に試料濃縮せずにマイクロアレイで使用するためのcDNA合成法
以下の方法は、マイクロアレイで使用するためのcDNAを合成するための方法の一例であって、本発明によると、この合成法では、合成後の試料濃縮をする必要がなくなる。本明細書に開示されている好適な実施形態において、本方法は、Genisphere社の試薬用に、特に、極めて少量のRNAを用いたときにマイクロアレイ上で高い感度を提供できるように設計されているGenisphere(登録商標)3DNAアレイ900キット(Genisphere Inc. of Montvale, New Jersey and Hatfield Pennsylvaniaから入手可能)で使用するよう設計されている。(アレイ900キットと共に提供されるキットの使用説明書はすべて、本明細書中に参考として組み込まれる。)あるいは、本方法は、下記に開示する少量合成法を用いて、別のキットまたはシステムで使用することも可能である。
好適な方法において、合成後の試料濃縮をなくしたため、濃縮処理過程で試料の減損を回避できる、本発明の修正cDNA合成プロトコールを使用することによって、よりよい感度が得られる。また、約850の蛍光色素を含むデンドリマーの形状で、より効率的なハイブリダイゼーション反応速度が得られるよう改造されている登録商標Genisphere 3DNAキャプチャー試薬を使用することによって、また、より優れたハイブリダイズ効率を得るために設計されているGenisphere(登録商標)2倍増強cD
NAハイブリダイゼーション用バッファー(2X Enhanced cDNA Hybridization Buffer)を使用することによって、感度をさらに向上させることもできる。
Genisphere(登録商標)3DNAアレイ900キットは、使い方が簡単で、オリゴヌクレオチドまたはPCR産物(cDNA)をプリントしたアレイ用に設計されている。まず、デオキシヌクレオチド三リン酸混合液および特定のRT dTプライマーを用いて、全RNAまたはポリ(A)+RNAのいずれかを逆転写する。そして、このcDNAと蛍光性3DNA試薬とを連続してマイクロアレイにハイブリダイズさせる。蛍光性3DNA試薬は、RTプライマーの5’末端上の配列に相補的な「キャプチャー配列」を含んでいるため、cDNAにハイブリダイズする。
3DNAアレイ900標識システムは、2つの理由で、直接的または間接的な色素取り込みよりも予測可能で一貫性のあるシグナルを提供する。第一は、蛍光色素が3DNA試薬の一部であるため、cDNA調製の過程でそれを取り込む必要がないということである。これにより、蛍光色素とヌクレオチドの結合体を逆転写物に取り込むことが原因で生じる、cDNAのアレイへの不効率なハイブリダイゼーションを回避できる。第二に、各3DNA分子が平均約850の蛍光色素を含み、各結合cDNAを1個の3DNA分子で検出できるため、各メッセージから生じるシグナルは、転写産物の塩基組成および長さとほとんど無関係となる。これに対して、色素の取り込みによって標識された各メッセージから生じるシグナルは、メッセージの塩基組成および長さによって変動する。
全RNA試料を用いる場合、本キットによって作出されるアレイのパターンは、直接的または間接的な色素取り込みによる標識法によって作出されるパターンとは若干異なる可能性があることに留意すべきである。その理由は、逆転写酵素は、RNAだけでなくゲノムDNAも(プライマーを必要とすることなしに)標識することが知られているからである。したがって、色素取り込み標識法は標識されたゲノムDNAをも産生することがある。標識されたゲノムDNAはマイクロアレイに結合すると、存在しない遺伝子に対する偽陽性の結果、および/またはRNAの逆転写によって産生されたcDNAも同時に結合したアレイ要素について、不適切かつ誤解を招くような蛍光量をもたらす。これに対して、3DNA逆転写法は、いかなる蛍光もゲノムDNAに取り込むことができない非標識ヌクレオチドを利用するため、ゲノムDNAからのシグナルが関与する可能性がなくなる。このように3DNA標識は色素取り込み標識法とは異なるため、作出されるアレイパターンは、どの標識法を用いるかによって変動しうる。しかしながら、さまざまな発現実験において、ゲノムDNAが試料から除かれているならば、2つのRNA試料間で発現パターンは、標識方法に関わりなく同じはずである。
キットの内容
(Genisphere(登録商標)アレイ900キットの一定の構成成分、特にバイアル1、2および11は、他のマイクロアレイ標識キットと適合性がなくてもよい。)
バイアル1 Cy3/Alexa Fluor 546(赤色キャップ)またはCy5/Alexa Fluor 647(青色キャップ)の3DNAアレイ900キャプチャー試薬。(1分子当り約850の蛍光色素で標識された、本明細書に記載のデンドリマープローブ試薬。Cy3(またはAlexa Fluor 546)で標識されたデンドリマーは、キャプチャー配列に結合したデンドリマーに相補的な5’末端配列を含むプライマーを用いて合成されたcDNAだけに、デンドリマーを標的できるようにする同一のユニークなキャプチャー配列を含む。Cy5(またはAlexa Fluor 647)で標識されたデンドリマーは、異なったキャプチャー配列を含み、Cy3およびCy5で標識されたデンドリマーがcDNAに示差的に結合できるようになっている。)
バイアル2 Cy3/Alexa Fluor 546(赤色キャップ)またはCy5
/Alexa Fluor 647(青色キャップ)に対して1.0pmole/μlのRTプライマー。(3’末端dT(17)および5’末端の31量体のキャプチャー配列を含むRTプライマー(48量体))。
バイアル3 デオキシヌクレオチド三リン酸混合液(水の中でそれぞれ10mMのdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)。
バイアル4 Superase−In(商標)RNアーゼインヒビター(Ambion社)。
バイアル5 2倍増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(ニュージャージー州モントベールおよびペンシルバニア州ハットフィールドにあるGenisphere
Inc.から入手可能)。
バイアル6 2×SDSを主成分とするハイブリダイズ用バッファー(0.50M NaPO4; 1% SDS; 2mM EDTA: 2×SSC; 4×デンハルト溶液)
バイアル7 2×ホルムアミドを主成分とするハイブリダイゼーション用バッファー(50%ホルムアミド;8×SSC;1% SDS; 4×デンハルト溶液)
バイアル8 退色防止用試薬(0.1M DTT)
バイアル9 LNA TM dTブロッカー(PCR産物(cDNA)のマイクロアレイ用)(36個のうち13個のヌクレオチドがLNA(ロックされた核酸、Exiqon
AG社)残基であるヌクレオチドを含むdTブロッカー。例えば、2001年8月31日に出願された米国仮出願第60/316,116号の優先権を主張する、2002年9月3日に出願された米国非仮出願第10/234,069号、および「核酸の非特異的ハイブリダイゼーションを阻止する方法(Methods for Blocking Nonspecific Hybridizations of Nucleic Acids)」、2002年9月3日に出願された国際出願第PCT/US02/027799号、国際公開第WO03/020902 A2号を参照。これらすべては参照されて本明細書に組み込まれる)。
バイアル10 ヌクレアーゼを含まない水(Ambion社から入手可能)
バイアル11 Cy3/Alexa Fluor 546(赤色キャップ)またはCy5/Alexa Fluor 647(青色キャップ)に対して5.0pmole/μlのRTプライマー
(3’末端dT(17)、および5’末端31量体のキャプチャー配列を含むRTプライマー(48量体))。
バイアル1〜11は、−20℃で暗所に保存しなければならない。バイアル1は、短期間(約1週間)4℃で保存することもできる。
その他必要な材料
本方法を利用するのに必要な更なる材料には、以下のものが含まれる。
・マイクロアレイ:オリゴヌクレオチドまたはPCR/cDNA産物のいずれかから調製した市販または自前のもの。
・Cy3/Alexa Fluor 546蛍光色および/またはCy5/Alexa Fluor 647蛍光色素を読み取るように装備されたマイクロアレイ読み取り装置。・全RNA試料(100ng/μl以上)またはポリ(A)RNA試料(50ng/μl以上)
・逆転写酵素
SuperScript II(インビトロジェン(Invitrogen)社カタログ番号18064−014−10,000ユニット、@200U/μl)
Genisphere RT酵素(ジェニスフィア社カタログ番号RT300320)
または、その他同等の逆転写酵素(プロメガ(Promega)社など)。
・Cot−1 DNA(選択的、種特異的、インビトロジェン社から入手可能)。
・試薬級脱イオン水(推奨:VWRカタログ番号RC9150−5)
注意:インターネット・リスト・サーブ(Internet List Serve)に記載されているように、登録商標MilliQ水は、Cy5を損なうことが分かっている(http://groups.yahoo.com/group/microarray/messages/2867)。
・1.0M NaOH、100mM EDTA(cDNA合成停止用溶液)
・2M Tris−HCl、pH7.5
・10mM Tris−HCl、pH8.0/1mM EDTA(1×TEバッファー)・ガラス製のカバースリップ(フィッシャー(Fisher)社またはVWR社によって配布されているコーニング(Corning)ブランドのもの)またはLiferSlipsO(Erie Scientific)。
・2×SSC、0.2%SDSバッファー
・2×SSCバッファー
・0.2×SSCバッファー
・ガラス製のコプリンジャー(または同等物)
・0.5M NaOH/50mM EDTA(任意:添付資料AまたはBとともに使用するため)
・1M Tris−HCl、pH7.5(任意:添付資料AまたはBとともに使用するため)
・登録商標Millipore Microcon YM−30遠心分離用濾過装置(30,000分子量カットオフ、ミリポア社カタログ番号42409)(任意:添付資料Cとともに使用するため−−ミリポアマイクロコン(Millipore Microcon)処理)
・イソプロパノール(任意:添付資料Dとともに使用するため)
・0.2%SDSバッファー(任意:添付資料Dとともに使用するため)
・95%エタノール(任意:添付資料Dとともに使用するため)
・ダイセイバー(DyeSaver)(ジェニスフィア社カタログ番号Q100200)(任意:蛍光シグナルを保存し、光退色を防止するため)
RNA調製:
高品質のRNAを調製および使用することが、マイクロアレイ実験の成功を左右する。
分解されたRNAを使用すると、dTプライマーを用いたRT反応は、全長cDNAとは対照的な短鎖のポリdTテールを生成するだけで、その後アレイハイブリダイゼーションを行っても、特異的なシグナルは、ほとんど或いは全く発生しない。分解されたRNA試料を使用しなければならない場合には、試料をジェニスフィア社の3DNAアレイ350RP(バージョン2)キットを用いて標識すれば良好な結果が得られる可能性がある。
RNアーゼインヒビター(Superase−In、バイアル4)を使用することが強く推奨される。RNアーゼインヒビターは、RNアーゼが混入していると考えられる保存RNA試料に添加すべきである。また、逆転写酵素反応に際して、cDNA合成の過程でRNAが分解されるのを防ぐためにもインヒビターを添加すべきである。RNアーゼによるRNA分解に関するより多くの情報については、以下の参考文献を参照されたい(それらはすべて、参照されて本明細書に組み込まれる)。Sambrook, J., Fritsch, E.F., and Maniatis, T. 「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory)
(第2版) Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989;Ausubel, F.M., Brent, R., Kingston, R.E., Moore, D.D., Seidman, J.G., Smith, J.A., and Struhl, K. 「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」 John Wiley & Sons, Inc., 1998。
3DNAアレイ900標識システムはゲノムDNAを標識しない。したがって、ゲノムDNAの混入を除去することは必須ではない。しかし、ゲノムDNAを分解し去っておけば、存在するRNAの量と質をより正確に測定することが可能になる。また、ゲノムDNAを試料中に残したままにしておくと、RT酵素の一部に結合して、酵素を逆転写に使用できなくなる可能性がある。混入しているゲノムDNAを分解するには、RNアーゼを含まないDNアーゼが推奨される。
DNアーゼを使用する場合には、cDNA合成処理に進む前にこのDNアーゼを完全に失活させておくことが重要である。DNアーゼを失活させる方法には、フェノール−クロロホルム抽出法、およびキアゲン(Qiagen)社の登録商標RNeasyキットを使用することなどがある。高温によるDNアーゼの失活では、酵素を完全に失活させることができない。
高品質のRNAは以下の特徴を有する。
1.OD 260/280の比率が1.9から2.1である。
2.アガロースゲル上で、植物および哺乳動物の全RNAは、2本のはっきりした明るいバンドとして現れる。哺乳動物のRNAでは、バンドは約4.5kbと約1.9kbのところにあって、それぞれ28Sおよび18Sのリボゾームサブユニットを表す。
(このように高品質のRNAを産生するためのRNA精製法について当該分野で公知の任意の適当なプロトコールを利用することができ、例えば、登録商標Genisphereのものなどがある。)
マイクロアレイの選択と調製:
ジェノミック・ソリューション社、アジレント(Agilent)社、およびタカラ(Takara)社によって製造されたスポット前のcDNAアレイは、使用前に特別な処理を必要としない。MWGバイオテック(MWG Biotech)社によって製造されたスポット前のオリゴアレイでは、最適な結果を得るために、添付資料Eに記載されている予備洗浄を必要とする。その他購入したアレイでは、製造業者が記載している通りにマイクロアレイを調製または前処理する。「自前」で作成したアレイについては、添付資料Dのプロトコールの一つを、アレイを前処理するために利用することが推奨される。これらのプロトコールは、無水コハク酸処理を必要とせず、多くのタイプのアレイ上で、より強いシグナルとより低いバックグラウンドが得られている(このプロトコールは、アジレント社のアレイとは適合しないことに留意されたい。)
ジェニスフィア社は、PCR産物(cDNA)のスポッティングには、一定のアミノ−シランでコートされたスライド、具体的には、Clonetech DNA−Ready
Type II、Corning GAPS IIおよびUltraGAPS、ならびにTelechem SuperAmineのスライドの使用を推奨している。これらのスライドを3DNAアレイ900キットと共に用いると、良好なDNA結合が得られることが実証されている。
ポリ−L−リジン、アルデヒドまたはアミノ−シラン(例えばCorning GAPS)表面上で調整されたアレイは、ハイブリダイゼーション後に見られるバックグラウンドを低減するために予備洗浄工程または予備ハイブリダイゼーション工程のいずれかを行う必要があろう。マイクロアレイ上のバックグラウンドを低減するのに役立つ処理につい
ては、添付資料EまたはFをそれぞれ参照のこと。
アレイが古くなるにつれて、特異的シグナルが低下し、バックグラウンドのノイズの量が多くなることがある。場合によっては、アレイが古くなるにつれて、スポッティングされたプローブが、「緑色」(Cy3)チャンネルでのバックグラウンドを示すようになる。これは、市販および「自前」を問わず、すべての基板表面上のアレイで生じている。市販および「自前」のアレイとも、スポッティング(またはアレイを受領した)直後と、その後も定期的に品質管理試験を行って、アレイとその他の材料が古くなったときに特徴的な非特異的バックグラウンドノイズを確認すべきである。また、スポッティング後のアレイ処理に使用する溶液はすべて試験して、一貫性があること、および非特異的なアレイバックグラウンドに最小限の寄与しかしていないことを確認すべきである。
ハイブリダイゼーション条件
マイクロアレイは多様であるため、それぞれのアレイタイプについて、最適なバッファー選択を含めた最適なハイブリダイゼーション条件を決定することが重要である。例えば、Genisphere Array 900キットは、以下のハイブリダイゼーション用バッファーを含む。
1. 2倍増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)−さらなる感度が望ましい場合にcDNAのハイブリダイゼーション工程にだけ用いられる。このバッファーは、比較的高温(65℃まで)に耐えるアレイに使用することができる。
2. 2×SDSを主成分とするハイブリダイズ用バッファー(バイアル6)−cDNAおよび3DNAの両ハイブリダイゼーション工程用であり、このバッファーは、比較的高温(65℃まで)に耐えるアレイに使用することができる。
3. 2×ホルムアミドを主成分とするハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル7)−cDNAおよび3DNAの両ハイブリダイゼーション工程用であり、このバッファーは、高ストリンジェンシー用の処方であるため、比較的低温で使用するように設計されている。
ハイブリダイゼーション用バッファーを試験して、どれが、利用中のアレイの種類に最も適しているかを決定することが推奨されている。2倍増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)は粘性であるため、ピペッティングすると容量が失われることから、カバースリップの下に比較的大量のハイブリダイゼーション容量が必要となることに留意されたい。さらに、この製品マニュアルに含まれているハイブリダイゼーション温度範囲は、手引きとして記載されている。ジェニスフィア社は、マイクロアレイの各ロットについて、最適なハイブリダイゼーション温度を実験的に決定することを推奨している。例えば、アレイのポリ−L−リジン表面には、バイアル5および6のバッファーを使用するのに必要とされるハイブリダイゼーション温度では剥がれ落ちてしまうものがあるかもしれない。この問題を経験したことがある場合には、バイアル7を指示に従って使用する。
ほとんどのPCR産物は、ポリ(dA/dT)配列を含むため、cDNAアレイ上ではLNA dTブロッカー(バイアル9)を使用することが推奨されている。LNA dTブロッカーは、ジェニスフィア社によって設計された高効率のポリTによる遮断試薬である(特許係属中、2002年9月3日に出願された国際出願第PCT/US02/027799号、国際公開第WO03/020902 A2号を参照のこと。この文献は、全文が参照して本明細書に組み込まれる)。これは、ポリdA配列だけを含むコントロールスポットを含む、アレイのフィーチャ中に存在するポリA配列をすべて完全に遮断するよう
に設計されている。この新規の遮断試薬は、ロックされた核酸(LNA)のヌクレオチド(特許付与された商標Exiqon技術)を、ポリdTの合成鎖の中の重要な位置に含んでいる。これらの修飾ヌクレオチドが存在すると、核酸の相補鎖間におけるハイブリダイゼーションを安定化し、それによって、ポリdT試薬の遮断能力が向上する。LNA化学に関する更なる情報については、下記の参考文献3を参照されたい。遮断されたアレイに関する平均アレイシグナル強度は、遮断されていないアレイに較べると低いかもしれないが、相補的なアレイ要素に結合した逆転写cDNAから生じる特異的シグナルに有害な影響を与えることはないはずである。各ハイブリダイゼーションに対して2μlという容量のLNA dTブロッカー(バイアル9)が推奨されているが、アレイによっては、増量したLNA dTブロッカー(3〜4μl)を使用すれば、より良好な効率が得られるかもしれない。
さらに、必要に応じて競合核酸(例えば、インビトロジェン社の種特異的Cot−1 DNA)を加える。投入された全RNAの質量の10分の1の競合核酸を使用する(すなわち、全RNA1mgに対して100ngのCot−1 DNAを使用する)。競合物質が多すぎると、ハイブリダイゼーション中に過剰な競合物質が、有限なcDNAと非特異的に相互作用するため、シグナルが低下する可能性がある。ハイブリダイゼーション混合液に添加する前に、Cot−1 DNAおよびその他の競合核酸を(95〜100℃で5〜10分間)変性することが推奨されている。
使用手順
全RNAからcDNAを合成するのに必要な工程を以下に要約する。ポリ(A)RNAを使用している場合には、添付資料Bに記載されているcDNAに関する手順に従う。マイクロアレイおよびRNA調製物の量が変動するため、所定の実験に必要とされるRNAの正確な量は、一般的には、動物の全RNAで0.25〜1.0μg、植物の全RNAで0.5〜2.5μgの範囲である。最初に使用する場合には、動物の全RNAでは1μg、植物の全RNAでは2μgを出発点としてcDNA合成することが推奨されている。RNA試料およびアレイの品質によっては、最適な結果を得るために、これよりも多いか少ない量のRNAが必要とされるかもしれない。
大規模なcDNA合成には、より大量のRNA(>2μg)を使用することができる。添付資料Aに、2〜50μgの全RNAからcDNAを合成する簡単な方法が詳しく記載されている。あるいは、第11頁に概説されている方法をスケールアップして、より大量の全RNAに適合させることもできる。しかし、大量の反応容量ができるため、目的のcDNA試料を濃縮する必要が出てくる(添付資料C参照)。また、その他のジェニスフィア社のキットによる手順を用いて調製したcDNAも、アレイ900キットとともに使用することができる。以下のジェニスフィア社のキットには、アレイ900 3DNAキャプチャー試薬(バイアル1)に適合するcDNAを生成するcDNA合成のための成分が含まれている。
アレイ350(カタログ番号:W300100、W300110、W300130、W300140、W300180およびW300184)
アレイ350HS(カタログ番号:H300100、H300110、H300130、H300140、H300180およびH300184)
アレイ50(バージョン2)(カタログ番号:B100121、B100122、B100171、B100172、B100187およびB100189)
全RNAからのcDNA合成:
合成後濃縮をしない少量合成法
注意事項:本処理法は、極めて少量の試料および試薬のピペッティング操作を必要とする。0.5μlから10μlのピペッティングを正確に行えるよう設計されたピペッター
の使用が推奨される。
1.0.5mLの「こびり付かない」マイクロチューブの中で、RNA−RTプライマー混合液を調製する。
全RNA 1〜5μl(0.25〜1.0μgの哺乳類全RNAまたは0.5〜2.5μgの植物全RNA)
RTプライマー 1μl(バイアル2、1pmole/μl)
ヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)を最終容量が6μlになるよう加える。
2.RNA−RTプライマー混合液を混合し短時間微量遠心分離して、チューブの底に内容物を集める。
3.5分間80℃まで加熱してから、すぐに氷上に移して2〜3分間置く。短時間遠心分離してチューブの底に内容物を集めてから氷上に戻す。
4.反応用主混合溶液を、氷上に置いたマイクロチューブ内で調製する(下記の表参照)。反応用主混合溶液は、同時に開始するcDNAの合成数に応じて、最終容量になるよう調合しなければならない。各cDNA合成には、4.5μlの反応用主混合溶液が必要である。ピペッティングの誤差を低減するために、反応用主混合溶液は9μL以上なければならない。
Figure 2007506439
穏やかに混合し(ボルテックスはしない)、短時間微量遠心して反応用主混合液の内容物をチューブの底に集める。使用する時まで氷上に置いておく。
5.工程4の反応用主混合溶液4.5μlを、工程3のRNA−RTプライマー混合溶液6μlに加える(最終容量10.5μl)。
6.穏やかに混合し(ボルテックスはしない)、42℃で2時間インキュベートする。
7.1.0μlの1.0M NaOH/100mM EDTAを加えて反応を停止させる。
8.65℃で10分間インキュベートしてDNA/RNAハイブリッドを変性させ、RNAを分解させる。
9.1.2μlの2M Tris−HCl、pH7.5で反応液を中和する。
10.下記の「cDNAおよび3DNAのマイクロアレイへの連続的ハイブリダイゼーション」に進む。
cDNAおよび3DNAのマイクロアレイへの連続的ハイブリダイゼーション
(注意:以下のプロトコールは、アジレント社のアレイには適合しない。)
cDNAのハイブリダイゼーション
1.2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5、バイアル6、またはバイアル7)を、少なくとも10分間または完全に再懸濁されるまで65〜70℃に加熱することにより、融解して再懸濁する。ボルテックスして、確実に成分を均等に再懸濁する。必要ならば、材料がすべて再懸濁されるまで加熱とボルテックスを繰り返す。1分間、微量遠心分離する。
2.各アレイについて、24×50のガラス製カバースリップで使用するために以下のcDNAハイブリダイゼーション用混合液を調製する。
cDNA合成用1番 12.7μl
cDNA合成用2番、または一つのチャンネル実験用にヌクレアーゼを含まない水(バイアル10) 12.7μl
2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5、バイアル6、またはバイアル7)(最終cDNAハイブリダイゼーション用混合溶液の50%) 27.4μl
LNA dTブロッカー(バイアル9)(オリゴアレイには必要ないかもしれない) 2μl
全容量 54.8μl
任意:所望であれば1.0μlのC0T−1 DNAを加えることも可能である(使用前に95〜100℃で10分間変性させる必要がある。)
*あるいは、より小さなカバースリップとハイブリダイゼーション容量が望ましい場合には、単に、一つのアレイ上で使用されるよりも多い量のcDNAを調製して、より少ない、アレイ当りのcDNA容量をロードする。例えば、cDNA合成において1000ngの全RNAで出発し、最終的なcDNA逆転写反応物の容量の半分を使用することによって、チャンネル当り500ngの全RNA由来のcDNAを含む30μlのハイブリダイゼーション容量にすることができる。最終的なハイブリダイゼーション混合液は以下のものを含むであろう。
cDNA合成用1番 6.5μl
cDNA合成用2番 6.5μl
2×ハイブリダイゼーション用バッファー 15μl
LNAブロッカー 2.0μl
全容量 30.0μl
より大きなカバースリップまたはリフタースリップ(LifterSlip)が必要ならば、等容量の2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5、6または7)およびヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)を加えてcDNAハイブリダイゼーション用混合液の容量を増やすことができる。
注意:2倍増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)は粘性であるため、ピペッティングすると容量が失われることから、比較的大量のハイブリダイゼーション容量が必要となる。これに対処するには、等容量のヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)および2×増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)を加えてcDNAハイブリダイゼーション用混合液の全容量を増やす。
(注意:本製品は、ハイブリダイゼーション・ステーションで使用できるかについては確認されていない。)
3.すべての成分を加えた後、cDNAハイブリダイゼーション用混合液を穏やかにボルテックスしてから短時間微量遠心分離する。このcDNAハイブリダイゼーション用混合液を、まず75〜80℃で10分間、次に、アレイにロードするまでハイブリダイゼーション温度でインキュベートする(推奨ハイブリダイゼーション温度については、工程5の下にある表を参照)。マイクロアレイをハイブリダイゼーション温度になるよう予熱する

4.cDNAハイブリダイゼーション用混合液を穏やかにボルテックスしてから短時間微量遠心分離する。沈殿物がチューブの底に残るよう注意して、予熱しておいたマイクロアレイにcDNAハイブリダイゼーション用混合液を加える。
5.適当なガラス製カバースリップをアレイに載せる。このアレイを、暗所の加湿チャンバーの中、適当なハイブリダイゼーション温度で一晩インキュベートする。
Figure 2007506439
このプロトコールにおける推奨ハイブリダイゼーション温度は、出発点として示したものであり、手引きとして利用すべきである。アレイ上にスポッティングされた核酸の性質ならびにスライド表面の化学的性質によって決まるストリンジェンシー要件に適合するよう温度を調整する必要があるかもしれない。特に、ハイブリダイゼーション温度を5℃上げると、非特異的シグナルを除去することができる。
cDNAハイブリダイゼーション後の洗浄
1.2×SSC、0.2%SDSの洗浄用バッファーを予熱する。
PCR産物(cDNA)アレイは55〜65℃
オリゴヌクレオチドをスポッティングしたアレイは42℃
2.予熱しておいた2×SSC、0.2%SDS中でアレイを2〜5分間またはカバースリップが浮き上がるまで洗浄してカバースリップを取り除く*。2倍増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)が用いられている場合には、カバースリップを取り除くのにさらに時間がかかるかもしれない。
3.予熱しておいた2×SSC、0.2%SDS中で10〜15分間洗浄する。
4.室温の2×SSC中で10〜15分間洗浄する。
5.室温の0.2×SSC中で10〜15分間洗浄する。
6.アレイを乾いた50mLの遠心分離用チューブに移し、標識がすべてチューブの中で下向きになるようスライドを配向する。チューブの蓋をせずに、直ちに800〜1000RPMで2分間遠心してスライドを乾燥する(この工程では、少しの遅れでも、高いバックグラウンドを生じる結果となる)。アレイの表面に接触しないこと。
7.最適なアレイ効率を達成するには、洗浄条件をさらに最適化することが必要となるかもしれない。アレイ上のバックグラウンドを減少させる必要がある場合には、一部または全部の洗浄時間を15〜20分間に増加させることが推奨される。洗浄中に振とうすることも、アレイの表面への非特異的な結合によるバックグラウンドを低下させるのに役立つかもしれない。
*注:カバースリップを取り外すのが困難な場合、それは、乾燥してしまったためかもしれない。将来の実験でこの問題を再発させないよう、ヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)と2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5、6または7)を等容量加えて、cDNAハイブリダイゼーション用混合液の総容量を増加させる。さらに、ハ
イブリダイゼーション用チャンバーが適切に加湿され密閉されていることを確認する。
3DNAハイブリダイゼーション
1.3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1)を調製する。凍結処理の結果生じうる凝集物を破壊する必要がある。
a.3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1)を、暗所で室温にて20分間融解する。
b.ボルテックスを最大値に設定して3秒間撹拌し、短時間微量遠心する。
c.50〜55℃で10分間インキュベートする。
d.ボルテックスを最大値に設定して3〜5秒間撹拌する。
e.チューブを短時間微量遠心して、内容物を底に集める。
使用前にサンプルを凝集物についてチェックし、必要があれば、ボルテックスによる混合処理を繰り返す。凝集物は、溶液面より下のチューブの側面に小さな気泡または薄片として出現する。必要があれば、工程a〜eを繰り返す。
2.2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6またはバイアル7)を、少なくとも10分間または完全に再懸濁されるまで、70℃に加熱して融解・再懸濁する。ボルテックスして、確実に成分を均等に再懸濁する。必要ならば、材料がすべて再懸濁されるまで加熱とボルテックス処理を繰り返す。1分間微量遠心する。
使用上の注意:2×増強cDNAハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル5)を3DNAハイブリダイゼーション工程では使用しないこと。
3.退色防止用試薬(バイアル8)は、蛍光色素がハイブリダイゼーション後に退色するのを抑制する。1μlの退色防止用試薬を100μlの2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6またはバイアル7)に加えて保存溶液を調製する。未使用のハイブリダイゼーション用バッファーは−20℃に保存し、2週間以内に使用すること。しかし、アレイが、アルデヒドで被覆されたスライドにプリントされている場合には、背景がぼやけることになるため、この退色防止用試薬をしないこと。退色防止用試薬は、使用後に再凍結する。
4.各アレイについて、24×50のガラス製カバースリップで使用するために以下の3DNAハイブリダイゼーション用混合液を調製する*。
Cy3/Alexa Fluor 546 3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1) 2.5μl
Cy5/Alexa Fluor 647 3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1) 2.5μl
2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6または7)(3DNAハイブリダイゼーション用混合溶液の50%) 27.5μl
ヌクレアーゼを含まない水(バイアル10) 22.5μl
全容量 55.0μl
任意:所望であれば1.0μlのCot−1 DNAを加えることも可能である(使用前に95〜100℃で10分間変性させる必要がある。)
注:単一チャンネルの発現解析には、2番目の3DNAアレイ900キャプチャー試薬の代わりに2.5μlのヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)を使用する。
*あるいは、より小さなカバースリップとハイブリダイゼーション容量が望ましい場合には、2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6または7)およびヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)の容量を、所望のカバースリップに適した容量に調整する。例えば、容量30μlの最終3DNAハイブリダイゼーション用混合液は以下のものを含む。
Cy3/Alexa Fluor 546 3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1) 2.5μl
Cy5/Alexa Fluor 647 3DNAアレイ900キャプチャー試薬(バイアル1) 2.5μl
2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6または7)(3DNAハイブリダイゼーション用混合溶液の50%) 15.0μl
ヌクレアーゼを含まない水(バイアル10) 10.0μl
全容量 30.0μl
5.3DNAハイブリダイゼーション用混合溶液を穏やかにボルテックスしてから短時間微量遠心する。この3DNAハイブリダイゼーション用混合液を、まず75〜80℃で10分間、次に、アレイにロードするまでハイブリダイゼーション温度でインキュベートする(推奨ハイブリダイゼーション温度については、工程7の下にある表を参照)。
6.3DNAハイブリダイゼーション用混合液を穏やかにボルテックスしてから短時間微量遠心する。沈殿物がチューブの底に残るよう注意して、予熱しておいたマイクロアレイに3DNAハイブリダイゼーション用混合液を加える。(マイクロアレイをハイブリダイゼーション温度に予熱すると、バックグラウンドを減少させることができる。)
7.24×50のガラス製カバースリップをアレイに載せる。より大きなカバースリップまたはリフタースリップ(LifterSlip)が必要ならば、等容量の2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6または7)およびヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)を加えて3DNAハイブリダイゼーション用混合液の容量を増やすことができる。このアレイを、暗所の加湿チャンバーに入れて、適当なハイブリダイゼーション温度で4〜5時間インキュベートする。
Figure 2007506439
3DNAハイブリダイゼーション後の洗浄
ハイブリダイゼーション後、スライドを数回洗浄して未結合の3DNA分子を取り除く。蛍光色素の光退色および退色を防止するために、これらの洗浄は暗所で行う。ハイブリダイゼーション後のCy5の退色を抑制するためには、最初2回の洗浄用バッファーに最終濃度0.5〜1mMでDTTを含ませることも有益であろう。古いか低品質のDTTは、Cy3チャンネルにおいて「もや」のように見えるバックグラウンドを増加させる原因となりうるため、確実に新鮮なDTTを用いて作業すること。マイクロアレイ実験を行う際にCy5の分解を抑制するための推奨事項については、添付資料Gを参照されたい。
使用上の注意:洗浄用バッファーを調製する際には、Cy5/Alexa 647を損なう原因となりうる水の使用を避けること。インターネット・リスト・サーブ(Internet List Serve)に記載されているように、登録商標MilliQ水は、Cy5を損なうことが分かっている(http://groups.yahoo.com/group/microarray/messages/2867)。また、DEPC処理した溶液は、DEPCがすべて完全に取り除かれていることを確認しなければならない(DEPCは強力な酸化剤である)。あるいは、非DEPC処理したヌクレアーゼを含まない溶液の使用が推奨される。アンビオン社から市販されている溶液(水、バッファーなど)が、Cy5で標識されたマイクロアレイで良好に働くことが分かっている。アンビオン水以外には、VWR社(カタログ番号RC91505)のDI水も推奨できる。アンビオン社およびVWR社の水は、マイクロアレイに使用できることが確認されており、Cy5を酸化する成分を含んでいない。
1.2×SSC、0.2%SDSの洗浄用バッファーを以下のように予熱する。
1.PCR産物(cDNA)アレイおよび50ヌクレオチド長よりも長いオリゴヌクレオチドアレイは65℃、
2.50ヌクレオチド長よりも短いオリゴヌクレオチドアレイは42℃
8.予熱しておいた2×SSC、0.2%SDS中でアレイを2〜5分間またはカバースリップが浮き上がるまで洗浄してカバースリップを取り除く*。
9.予熱しておいた2×SSC、0.2%SDS中で10〜15分間洗浄する。
10.室温の2×SSC中で10〜15分間洗浄する。
11.室温の0.2×SSC中で10〜15分間洗浄する。
12.アレイを乾いた50mLの遠心分離用チューブに移し、標識がすべてチューブの中で下向きになるようスライドを配向する。チューブの蓋をせずに、直ちに800〜1000 RPMで2分間遠心してスライドを乾燥する(この工程では、少しの遅れでも、高いバックグラウンドを生じる結果となる)。アレイの表面に接触しないこと。
最適なアレイ効率を達成するには、洗浄条件をさらに最適化することが必要となるかもしれない。アレイ上のバックグラウンドを減少させる必要がある場合には、一部または全部の洗浄時間を15〜20分間に増加させる。洗浄中に振とうすることも、アレイの表面への非特異的な結合によるバックグラウンドを低下させるのに役立つかもしれない。
「シグナル検出」に進むか、まず、DyeSaverコーティング(ジェニスフィア社カタログ番号Q100200)を塗布して蛍光シグナルを保存する。
*注:カバースリップを取り外すのが困難な場合、それは、乾燥してしまったためかもしれない。将来の実験でこの問題を再発させないよう、ヌクレアーゼを含まない水(バイアル10)と2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル6または7)を等容量加えて、3DNAハイブリダイゼーション用混合液の総容量を増加させる。さらに、ハイブリダイゼーション用チャンバーが適切に加湿され密閉されていることを確認する。
シグナル検出
重要事項:アレイはスキャニングするまで暗所で保存すること。3DNA試薬の蛍光、特にCy5およびAlexa Fluor 647は、定常光下でも酸化によって急速に減衰する可能性がある。マイクロアレイ実験を行う際にCy5/Alexa Fluor
647の分解を抑制するための推奨事項については、添付資料Fを参照されたい。
スキャナーの製造業者の説明に従ってマイクロアレイをスキャンする。色素は、スキャ
ナーの光源に曝露すると光退色する可能性があるため、過剰な多重走査は避ける。
パッカード(Packard)社のスキャナーを使用する場合には、推奨されるのは、レーザーを80%の出力に設定して開始して、「オートバランス」機能または下記の表を利用して、適正なチャンネルバランスを取るためにスキャニングの初期パラメータを設定する。さまざまなフルオロフォア・チャンネルのバランスを取るために、スキャナーのレーザー出力と光電子増倍管(PMT)の電圧を調整する必要があろう。PMT設定が高すぎると、観察されるバックグラウンドが許容できないほどになるかもしれない。このような場合には、PMTの設定を低くして、レーザー出力を高めてシグナル対ノイズの比率を最適化すべきである。しかし、1回のスキャンの後で、蛍光色素、特にCy5/Alexa Fluor 647の光退色を防ぐためには、レーザーの設定を高くしすぎてはならない(>90〜95%)。
注意:レーザーまたはPMTを相殺して画像のバランスを取ると、各チャンネルにおいてデータが非直線的に分布する結果となる可能性がある。そのような場合には、統計学的な標準化が必要となろう。さらなる指示については、機器の使用説明書を参照されたい。
Figure 2007506439
Axon 4000シリーズのスキャナーを使用する場合には、推奨PMT設定値は以下のとおりである。
Figure 2007506439
以下の参考文献は、本明細書において検討されている技術としての更なる背景の記載があり、全文が参照されて本明細書に組み込まれる。
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注意:Cyは、アマーシャム・バイオサイエンス社(Amersham Biosicence)の商標であり、Alexa Fluorは、モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes)の商標であり、RNeasyおよびQiagenは、キアゲン社の商標であり、Superase−Inは、アンビオン社の商標登録された製品であり、ExiqonおよびLNAは、エキシコン社(Exiqon A/S)の商標であり、Millipore、MilliQおよびMicroconは、ミリポア社の商標であり、LifterSlipは、エリーサイエンティフィック(Erie Scientific Co.)の商標であり、また、3DNA、Genisphere, Array 350RP、Array 350、Array 50、Array 900およびDyeSaverは、ニュージャージー州モントベール(Montvale, New
Jersey)にあるデータスコープ社(Datascope Corp.)の商標である。
添付資料A
スケールアップcDNA調製法
2〜50μgの全RNAからスケールアップ逆転写反応を行って、反復実験、cDNAの定量、またはその他の平行分析を行うための余分のcDNAを提供することができる。
cDNA合成:
1.0.5または1.5 mLのRNアーゼを含まない微量遠心分離用チューブの中で、RNA−RTプライマー混合液を調製する。
1〜10μlの全RNA(2〜50μgの哺乳動物全RNAまたは25〜125μgの植物全RNA)
1μlのRTプライマー(バイアル11、5pmole/μl)。
最終容量が11μlになるよう、RNアーゼを含まない水を加える。
2.RNA−RTプライマー混合液を混合して、短時間微量遠心して内容物をチューブの底に集める。
3.10分間80℃まで加熱して、直ちに氷上に移して2〜3分間置く。
4.別のマイクロチューブの中で以下のものを混合する(氷上で)。
4μlの5×SuperscriptII第1鎖用バッファーまたは同等の反応用バッファー(酵素とともに供給されたもの)
2μlの0.1 Mジチオスレイトール(DTT)(酵素と一緒に供給されたもの)
1μlのSuperase−In(バイアル4)
1μlのdNTP混合液(バイアル3)
1μlのSuperScriptII酵素、200ユニット
これが反応用溶液である。最終容量は9μlになるはずである。ゆっくりと混合し(ボルテックスはしない)、短時間微量遠心して内容物をチューブの底に集める。使用時まで氷上に置く。
5.工程3のRNA−RTプライマー混合液11μlに、工程4の反応用溶液9μlを
加える(最終容量20μl)。
6.ゆっくりと混合し(ボルテックスはしない)、42℃で2時間インキュベートする。
7.3.5μlの0.5 M NaOH/50 mM EDTAを加えて反応を停止させる。
8.65℃で10分間インキュベートして、DNA/RNAハイブリッドを変性させ、RNAを分解する。
9.5μlの1 M Tris−HCl、pH 7.5で反応液を中和する。得られた溶液が目的のcDNAである。
10.所望のハイブリダイゼーション容量に適した濃度になるようcDNAを希釈する。
「cDNAおよび3DNAのマイクロアレイへの連続的ハイブリダイゼーション」に進む。
添付資料B
ポリ(A)RNAからのcDNA調製
以下の処理手順は、ポリ(A)RNAからcDNAを合成するために必要な工程をまとめたものである。マイクロアレイおよびRNA調製は品質がさまざまであるため、所定の実験に必要とされるRNAの正確な量は、12.5〜50 ngのポリ(A)RNAの範囲であろう。初めての利用者には、50 ngのポリ(A)RNAが、cDNA合成の出発点として推奨されている。
cDNA合成:
1.1.5 mLのRNアーゼを含まない微量遠心分離用チューブの中で、以下のものを混合する。
1〜10μlのポリ(A)RNA(25〜100 ng)
1μlのRTプライマー(バイアル11、5pmole/μl)。
最終容量が11μlになるよう、RNアーゼを含まない水を加える。
これがRNA−RTプライマー混合液である。
2.混合して、短時間微量遠心して内容物をチューブの底に集める。
3.10分間80℃まで加熱して、直ちに氷上に移して2〜3分間置く。
4.別のマイクロチューブの中で以下のものを混合する(氷上で)。
4μlの5×SuperscriptII第1鎖用バッファーまたは同等の反応用バッファー(酵素とともに供給されたもの)
2μlの0.1 Mジチオスレイトール(DTT)(酵素と一緒に供給されたもの)
1μlのSuperase−In(バイアル4)
1μlのdNTP混合液(バイアル3)
1μlのSuperscriptII酵素、200ユニット
これが反応用溶液である。最終容量は9μlになるはずである。ゆっくりと混合し(ボルテックスは使用しない)、短時間微量遠心して内容物をチューブの底に集める。使用時
まで氷上に置く。
5.工程4の反応混合液9μlに、工程3のRNA−RTプライマー混合液11μlを加える(最終容量20μl)。
6.ゆっくりと混合し(ボルテックスはしない)、42℃で2時間インキュベートする。
7.3.5μlの0.5 M NaOH/50 mM EDTAを加えて反応を停止させる。
8.65℃で10分間インキュベートして、DNA/RNAハイブリッドを変性し、RNAを分解する。
9.5μlの1 M Tris−HCl、pH 7.5で反応液を中和する。得られた溶液が目的のcDNAである。
10.所望のハイブリダイゼーション容量に適した濃度になるようcDNAを希釈する。
「cDNAおよび3DNAのマイクロアレイへの連続的ハイブリダイゼーション」に進む。
添付資料C
cDNAの濃縮
ミリポア社のMicrocon YM−30遠心分離濾過装置(分子量30,000のカットオフ、ミリポア社カタログ番号42409)を用いてcDNA試料を濃縮することができる。これらの装置は、cDNA合成反応液の容量を、約8〜10分間で3〜10μlに減少させることができる。以下の処理手順は、製造業者の指示に3DNAアレイ900キットに合わせて軽微な修正を加えたものを繰り返したものである。
使用上の注意:ミリポアMicrocon YM−30遠心分離濾過装置の使用は、少量(<1.0μg)のcDNA試料の重大な損失をもたらす可能性がある。
重要事項:Microcon YM−30の使用者は、自身の遠心分離の設定を評価して、最終容量を3〜10μlとするために最適な時間および速度の設定を決定しなけらばならない。
1.Microcon YM−30の試料用容器を1.5mLの回収用チューブに入れる。
2.100μlの1×TEバッファーをMicrocon YM−30の試料用容器に加えて、この容器の膜を予備洗浄する。
3.チューブ/試料用容器を組み立てたものを10〜14,000gが可能な固定角ローター卓上遠心分離機の中に入れる。
4.10〜14,000gで3分間回転させる。
5.cDNA反応液の容量を、1×TEバッファーで100μlにする。cDNA反応液をすべて、Microcon YM−30の試料用容器に加える。ピペットの先端で膜に触れてはならない。
6.10〜14,000gが可能な固定角ローター卓上遠心分離機の中に、チューブ/試料用容器を組み立てたものを入れる。
7.10〜14,000gで8〜10分間遠心する。
8.チューブ/試料用容器を組み立てたものを取り出す。試料用容器中の液体をこぼさないよう慎重に試料用容器から回収用チューブを分離する。
9.膜に触れることなく、試料用容器膜に5μlの1×TEバッファーを加える。濃縮装置の側面を軽くたたいて、濃縮物と1×TEバッファーの混合を促進する。
10.新たな回収用チューブ上に試料用容器を上下逆にして慎重に載せる。同じ遠心分離機中最高速度で2分間遠心する。
11.回収用チューブから試料用容器を分離し、容器を廃棄する。チューブの底に集まった容量(総容量3〜10μl)を書き留める。cDNA試料は、後に使用するために、回収用チューブの中で保存することができる。
12.水を加えて所望のcDNA容量にする。
「cDNAおよび3DNAのマイクロアレイへの連続的ハイブリダイゼーション」に進む。
添付資料D
アレイ処理手順(無水コハク酸なし)
選択肢1(推奨)(クロスリンク、イソプロパノール洗浄およびボイル)
1.ホットプレートに載せた4リットルのビーカーの中で2リットルの試薬級の脱イオン蒸留水(利用可能な最高品質の水)を95℃〜100℃に予備加熱(ボイリング)する。2.250mLのイソプロパノールをガラス製の長方形の染色皿に移して、小さな撹拌バーを皿の中に入れる。この皿を磁気撹拌プレートに載せて、バーをゆっくりと安定した速度で撹拌させる。
3.未処理のアレイを回収する。慎重に、一枚のスライドを角でつまみ上げ、沸騰している(工程1の)水の湯気に5秒間かざす。アレイが上向きになっていることを確認する。スライドを空中で3秒間振ってから、アレイ面を上にして無繊維性実験用布巾の上に置く。8枚のスライドが水和して乾燥するまで繰り返す。
4.8枚のスライドを、アレイ面を上にして50〜220mJに設定されたクロスリンカーに移す。
5.クロスリンクした後、8枚のアレイを、溝があるガラス/金属製のWheaton染色スライドホルダーの中に移す(スライドを両末端にある溝に入れてはならない)。スライドを入れたホルダーを(工程2の)イソプロパノールの中に入れ、撹拌しながら15分間インキュベートする。
6.スライドホルダーを(工程1の)沸騰している湯の中に移し、8〜10分間インキュベートする。スライドが水面下にあることを確認する。
7.沸騰している湯の中からスライドホルダーを取り出して、実験用の布巾の上に置いて、余分な水分を除く。これで、アレイは、ハイブリダイゼーションできるばかりになった。
選択肢2(クロスリンク、SDS洗浄、ボイル、および冷エタノールリンス)
1.試薬級の脱イオン蒸留水(最高品質の水)の中で2リットルの0.2%SDS溶液を調製する。例えば、40 mLの10%SDSと1960mLの水を、2リットルのオートクレーブ済みガラス瓶の中で混合する。この溶液を濾過して、沈殿したSDSをすべて除去する。この0.2%SDS溶液を250 mL、長方形のガラス製染色皿に移して、皿の中に小さな撹拌バーを入れる。この皿を磁気撹拌プレートに載せて、バーにゆっくり
と安定した速度で撹拌させる。
2.ホットプレートに載せた4リットルのビーカーの中で2リットルの試薬級の脱イオン蒸留水(利用可能な最高品質の水)を95℃〜100℃に予備加熱(ボイリング)する。3.2リットルの試薬級の脱イオン蒸留水を、4リットルのビーカーに移し、室温に置く。
4.250mLのエタノールを長方形のガラス製染色皿に移す。この皿を氷バケツの中に入れて、氷冷したエタノール浴槽をセットする。
5.未処理のアレイを回収する。慎重に、一枚のスライドを角でつまみ上げ、沸騰している(工程2の)水の湯気に5秒間かざす。アレイが上向きになっていることを確認する。スライドを空中で3秒間振ってから、アレイ面を上にして無繊維性実験用布巾の上に置く。8枚のスライドが水和して乾燥するまで繰り返す。
6.8枚のスライドを、アレイ面を上にして50〜220 mJに設定されたクロスリンカーに移す。
7.クロスリンクした後、8枚のアレイを、溝があるガラス/金属製のWheaton染色スライドホルダーの中に移す(スライドを両末端にある溝に入れてはならない)。スライドを入れたホルダーを(工程1の)0.2%SDSの中に入れ、撹拌しながら10分間インキュベートする。
8.スライドホルダーを取り出して、実験用の布巾の上に置いて、余分な水分を除く。そして、ホルダーを2リットルの(工程3の)室温水に5回浸す。
9.スライドホルダーを(工程2の)沸騰している湯の中に移し、8〜10分間インキュベートする。スライドが水面下にあることを確認する。
10.沸騰している湯の中からスライドホルダーを取り出して、実験用の布巾の上に置いて、余分な水分を除く。このスライドホルダーを(工程4の)氷冷エタノールの中に移し、5分間インキュベートする。スライドがエタノール面下にあることを確認する。
11.スライドホルダーを取り出して、実験用の布巾の上に置いて、余分な水分を除く。各スライドを50 mLの遠心分離用チューブの中に移す。1000 rpmで3分間遠心分離してスライドを乾燥させる。これで、アレイは、ハイブリダイゼーションできるばかりになった。
添付資料E
バックグラウンドを低減させるためのアレイの予備洗浄処理
1.以下の条件でマイクロアレイを洗浄する。
a.2×SSC/0.2%SDSによって55℃で20分間
b.0.2×SSCによって室温で5分間
c.脱イオン蒸留水によって室温で3分間
2.アレイを、乾燥した50 mL遠心分離用チューブに直ちに移す。これを速やかに行って、スライド上にむらのあるバックグラウンドが生じないようにする。標識がチューブの中で下に降りるようにスライドを置く。チューブの蓋をせずに、800〜1000 RPMで2分間遠心してスライドを乾燥させる。アレイの表面に接触しないこと。マイクロアレイのアレイを皿またはコプリン・ジャー(Coplin jar)の中に、室温で5分間、0.2×SSCとともに移す。
ここで、アレイは、cDNAと予備ハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションを行える状態になった。
添付資料F
バックグラウンドを低下させるためのアレイの予備ハイブリダイゼーション:
アレイ表面への非特異的結合は、多くのタイプのアレイに共通する問題である。以下に述べる予備ハイブリダイゼーション用プロトコールは、一部のタイプの非特異的結合を抑
制し、ハイブリダイゼーション後に見られるバックグラウンドを低下させるために推奨されている。
1.マイクロアレイを50℃に10分間予熱する。
2.2×ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル7)を、少なくとも10分間または完全に再懸濁されるまで70℃に加熱することにより、融解・再懸濁する。ボルテックスして、確実に成分を均等に再懸濁する。必要ならば、材料がすべて再懸濁されるまで加熱とボルテックス処理を繰り返す。1分間微量遠心する。
3.以下の予備ハイブリダイゼーション用混合液を調製する。
25μlの2×ホルムアミドベース・ハイブリダイゼーション用バッファー(バイアル7)
1μlのヒトCot−1 DNA
24μlのヌクレアーゼを含まない水
4.予備ハイブリダイゼーション用混合液を10分間80℃に加熱する
5.予備ハイブリダイゼーション用混合液を、予熱しておいたマイクロアレイに適用して、24×60 mmのカバースリップをかぶせる。
6.50℃で1〜2時間インキュベートする。
7.以下の条件でアレイを洗浄する。
a.2×SSC、0.2%SDSによって60〜65℃で15分間
b.2×SSCによって室温で10分間
c.0.2×SSCによって室温で10分間
8.アレイを、乾燥した50 mL遠心分離用チューブに直ちに移す。これを速やかに行って、スライド上にむらのあるバックグラウンドが生じないようにする。標識がチューブの中で下に降りるようにスライドを置く。チューブの蓋をせずに、800〜1000 RPMで2分間遠心してスライドを乾燥させる。アレイの表面に接触しないこと。
アレイは、cDNAとハイブリダイゼーションが行える状態になった。
添付資料G
マイクロアレイ実験を行う際に、Cy5またはAlexa Fluor 647が分解されるのを抑制するための推奨事項
Cy5/Alexa Fluor 647色素の性能は、特に夏期に一般的になるさまざまな要素によって影響を受ける。Cy5/Alexa Fluor 647色素溶液とハイブリダイズしたアレイを光と酸化環境に曝露すると、利用した標識システムが何であるかに関わらず、Cy5/Alexa Fluor 647色素の急速な退色が起こる可能性がある。これらの環境にアレイを曝露することを制限または制御すると、Cy5/Alexa Fluor 647の退色が顕著に抑制されることが明らかになっている。
以下は、マイクロアレイ実験を行うときに、Cy5/Alexa Fluor 647が分解されるのを抑制するための推奨事項である。
1.常に、Cy5/Alexa Fluor 647を含む溶液およびアレイが光、特に日光に当たらないようにする。Cy5/Alexa Fluor 647は、普通の蛍光灯などの光に当たると光退色する。
2.ハイブリダイズして乾燥したアレイは、特に暑い夏の日には、空気に触れないよう保護する。夏季の空気汚染から生じる大気のオゾンレベルが、Cy5/Alexa Fluor 647の酸化的分解を引き起こすかもしれない。小さな容器(50 mLチューブ)の中で不活性大気(窒素)の中に置かれた、Cy5/Alexa Fluor 647を含むアレイは、Cy5/Alexa Fluor 647の退色を顕著に遅らせることができる。また、研究者には、少量のDTTまたはβメルカプトエタノール(BME)をチューブの底に添加して、還元的微小環境をさらに促進する者もいる(アレイがこれらの
化学薬品と接触しないことを確認する)。
3.Cy5/Alexa Fluor 647キャプチャー試薬を含むハイブリダイゼーション用溶液中で退色防止用試薬(3DNAキットで提供されている)を使用すること。退色防止用試薬は、酸化過程を遅延させる抗酸化特性を有する。
4.洗浄用バッファーを調製するときには、Cy5/Alexa Fluor 647を損なう原因となる水を使用しないようにする。インターネット・リスト・サーブ(Internet List Serve)に記載されているように、登録商標MilliQ水は、Cy5を損なうことが分かっている(http://groups.yahoo.com/group/microarray/messages/2867)。また、DEPC処理した溶液は、DEPCがすべて完全に取り除かれていることを確認しなければならない(DEPCは強力な酸化剤である)。あるいは、非DEPC処理したヌクレアーゼを含まない溶液の使用が推奨される。アンビオン社から市販されている溶液(水、バッファーなど)が、Cy5で標識されたマイクロアレイで良好に働くことが分かっている。アンビオン水以外には、VWR社(カタログ番号RC91505)のDI水も推奨できる。アンビオン社およびVWR社の水は、マイクロアレイに使用できることが確認されており、Cy5を酸化する成分を含んでいない。
5.少量のジチオスレイトール(DTT)を、すなわち最終濃度0.1mMになるようハイブリダイゼーション後洗浄溶液に加える。この強力な還元剤はアレイ上のCy5/Alexa Fluor 647を洗浄用バッファー中の酸化剤による攻撃から保護する。
6.常に、必ず、目的の3DNA Cy3/Alexa Fluor 546とCy5/Alexa Fluor 647のキャプチャー試薬(バイアル1)を混合して、保存中に生じる凝集物を破壊する。
a.3DNAキャプチャー試薬(バイアル1)を、暗黒下室温で20分間融解する。
b.ボルテックスを最大値に設定して3秒間撹拌し、短時間微量遠心する(1秒間)。
c.50〜55℃で10分間インキュベートする。
d.ボルテックスを最大値に設定して3〜5秒間撹拌する。
e.チューブを短時間微量遠心して、内容物を底に集める。
必ず使用前に凝集物をチェックし、必要があれば、ボルテックスによる混合処理を繰り返す。凝集物は、面液面より下のチューブの側面に小さな気泡または薄片として出現する。必要であれば、工程a〜eを繰り返す。
7.上記の推奨事項が、Cy5分解という問題を解消できない場合、可能性の高い原因は、大気汚染物質への曝露である。この問題に取り組むために、ジェニスフィア社は、最終洗浄と遠心の後にアレイに塗布されるDyeSaverという試薬(ジェニスフィア社カタログ番号Q100200)を開発した。DyeSaverは使いやすく、ほとんどのアレイ表面化学法に適合し、最大3週間、Cy5を大気による酸化から保護する。また、DyeSaverは、光退色によるCy5の損傷も抑制することが示されている。
具体的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者にとっては、さらなる実施形態、改変および変更が明らかであるか、それが示唆されているため、この記載は、制限的なものではないと解すべきである。本出願は、そのような実施形態、改変、および変更を包含するものである。
本発明に従った好適な方法の概略図である。

Claims (17)

  1. RNAの初期試料を得る工程、
    該RNA試料を逆転写して、cDNAの試料を合成する工程、および
    該cDNA試料をマイクロアレイに適用する工程
    を含む方法であって、
    cDNA合成後、かつcDNA試料をマイクロアレイに適用する前にcDNA試料を濃縮せずに該cDNA試料をマイクロアレイに適用する方法。
  2. cDNA試料合成後、かつcDNA試料をマイクロアレイに適用する前にcDNA試料を精製せずに該cDNA試料をマイクロアレイに適用する、請求項1記載の方法。
  3. RNAの初期試料が全RNAを含む、請求項1記載の方法。
  4. RNAの初期試料がメッセンジャーRNAを含む、請求項1記載の方法。
  5. RNAの初期試料が、約0.1から1マイクログラムの全RNAを含む、請求項1記載の方法。
  6. RNAの初期試料が、約1から1000ナノグラムのmRNAを含む、請求項1記載の方法。
  7. cDNA試料中のcDNAにデンドリマーをハイブリダイズさせる工程をさらに含む、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  8. cDNA試料中のcDNAにデンドリマーをハイブリダイズさせる工程をさらに含む、請求項1〜6いずれか記載の方法であって、該デンドリマーが、検出可能なシグナルを発生するように標識されている方法。
  9. cDNA試料中のcDNAにデンドリマーをハイブリダイズさせる工程をさらに含む、請求項1〜6いずれか記載の方法であって、該デンドリマーが、検出可能なシグナルを発生するように標識されており、該デンドリマーが各デンドリマー分子上において500よりも多い蛍光色素で標識されている方法。
  10. RNAの初期試料を得る工程、
    該RNA試料を逆転写して、cDNAの試料を合成する工程、
    該cDNA試料をマイクロアレイに適用する工程であって、該マイクロアレイが、それに固定された核酸試料を有する工程、
    該cDNA試料中のcDNAを、マイクロアレイ上の核酸試料にハイブリダイズさせる工程、および、
    デンドリマーを、該cDNA試料中のcDNAにハイブリダイズさせる工程
    を含む方法であって、
    cDNA合成後、かつcDNA試料をマイクロアレイに適用する前にcDNA試料を濃縮せずに該cDNA試料をマイクロアレイに適用する方法。
  11. cDNA試料合成後、かつcDNA試料をマイクロアレイに適用する前にcDNA試料を精製せずに該cDNA試料をマイクロアレイに適用する、請求項10記載の方法。
  12. RNAの初期試料が全RNAを含む、請求項10記載の方法。
  13. RNAの初期試料がメッセンジャーRNAを含む、請求項10記載の方法。
  14. RNAの初期試料が、約0.1から1マイクログラムの全RNAを含む、請求項10記載の方法。
  15. RNAの初期試料が、約1から1000ナノグラムのmRNAを含む、請求項10記載の方法。
  16. cDNA試料中のcDNAにデンドリマーをハイブリダイズさせる工程をさらに含む、請求項10〜15いずれか記載の方法であって、該デンドリマーが、検出可能なシグナルを発生するように標識されている方法。
  17. cDNA試料中のcDNAにデンドリマーをハイブリダイズさせる工程をさらに含む、請求項10〜15いずれか記載の方法であって、該デンドリマーが、検出可能なシグナルを発生するように標識されており、該デンドリマーが各デンドリマー分子上において500よりも多い蛍光色素で標識されている方法。
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