JP2007505609A - 大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出を行うための方法 - Google Patents

大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出を行うための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子中の選択された領域中の変異解析を行うことができるプライマーを用いて、大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出を行うための方法に関する。本発明はまた、プライマーを含むキット、並びに変異を解析するため、特に大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の早期検出を行うためのこれらのプライマーの使用及びキットの使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出方法に関する。また本発明は、APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の選択された領域中の変異解析を併用法で行うことを可能にするプライマー、該プライマーを含むキット、さらに変異解析、特に大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の早期検出における該プライマー及び該キットの使用にも関する。
従来技術において、様々な大腸癌検出方法が周知となっている。医療において最も広範に用いられている大腸癌診断方法は、潜血試験、S字結腸鏡試験及び大腸鏡試験である。
糞便中の血液の検出に基づく潜血試験は、様々な可能性によって腸出血が引き起こされるため、大腸癌の診断に対して十分に特異的ではない。さらに、小さな結腸直腸腫瘍(<2cm)からの、1日当たり1〜2mlの血液の喪失は非常に小さいため、潜血試験によって常に検出されるわけではない。直腸の内視鏡試験であるS字結腸鏡試験は、近接結腸中の腫瘍を検出することができない。この方法を用いる場合、25%〜34%の大腸癌が見過ごされると推定される。全大腸の内視鏡試験に関与する大腸鏡試験は、1cm以上の大きさを有する腫瘍を約80%検出するが、侵襲的な方法の代表であり、その結果として、患者に受け入れられにくいため、辛うじて定期的な予防検診として適する。従って、現在幾つかのチームが、糞便サンプルにおける腸癌の診断方法の開発に取り組んでいる。
糞便中のがん胎児性抗原(CEA)の検出(米国特許第005,741,650 A号明細書)は、初期の大腸腫瘍を予測するためには信頼できる試験ではない。むしろ該試験は、再発の指標として適している。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法を用いて、Ahlquist及びShuberは、癌又は大腺腫に羅患した患者から得た組織と糞便サンプル中のK-ras変異の類似点を検出することに成功した。しかし、K-ras変異が起こるのは全大腸腫瘍の50%以下であり、該変異は新生物組織には存在しないため、このマーカー単独では、腸癌の早期検出における検出方法としては十分ではない。同じグループは、K-ras、APC、p53及びBat-26遺伝子中の15の特定の点変異を検出し、また糞便サンプル中の「長い」DNAを検出する試験を開発した。現在、この試験を前臨床試験にかけることが意図されている。この試験においては多数の変異部位が調査されるため、期待される感度及び特異性は非常に高い。しかし実際、この試験は極めてコストの高い試験である。
腸癌を引き起こす変異を測定する従来の試験は、単なる非侵襲的方法によって得られたサンプル、特に糞便サンプルを用いる場合、信頼できる検出を可能としない。従来技術は、個々の変異を検出するために用いられたプライマー配列を開示する。糞便中で併用された場合、糞便との、及び互いの間での望ましくない相互作用の結果として、複数の変異の信頼性のある検出を行うことはできない。特に、腸内細菌叢の多数の成分が、後者のプライマーがもはやその標的に結合することができないような方法でプライマーを「遮蔽する」。プライマーの併用を前提とすると、したがって周知の方法は、後者のプライマーを直接用いる代わりに、糞便から単離された細胞を用いる。さらに、糞便サンプルはまた、野生型DNA及び変異DNAを含むため、PCR産物の直接シークエンシングを行うことが不可能となる。
従来技術はまた、癌性疾患検出のための試験系を記載し、ここでBcl-2ファミリーの抗アポトーシスメンバーの検出は、Rafファミリーのメンバーと組み合わせて用いられる。しかし、この場合、同じサンプル中に両方のマーカーが存在していなければならず、ここで該サンプルは、トランスジェニック非ヒト哺乳類細胞、又は単離されたヒト細胞もしくは非ヒト細胞である。上記試験系は、ヒト糞便サンプル物質には用いることができない。
さらに、従来技術は、腫瘍の検出におけるB-raf遺伝子の組合せ及びその使用を開示する。ここで、変異体は、ヒト原発腫瘍から単離され、該原発腫瘍は侵襲的手術によって除去されなければならない。その後、そこからポリペプチドが単離される。また、患者に由来する正常な対照組織も採取されなければならない。この方法は、早期変異の検出を可能とはしない。この方法は、糞便サンプルに対する調査も可能とはしないが、ただ検出され、単離された完全な腫瘍細胞のみに対しては試験を可能とし、この腫瘍細胞からはポリペプチドが好適に単離される。さらに、この方法は特定の点変異に限定されるため、挿入、欠失またはその他などの変異は限定された配列領域内で検出されることができない。他の遺伝子との可能な組合せは、開示されておらず、自明ともなっていない。
さらに、体液中の循環癌細胞の検出を可能にする方法は、公知である。完全な腫瘍細胞を単離及び検出せずに、上記方法を診断方法として使用することはできない。
β-カテニンシグナル経路を改変する治療薬のスクリーニング方法もまた、記載された。この目的のために、プローブ、すなわち、いわゆるカドヘリン「パーターベイジャン」が用いられる。開示された配列は、β-カテニン結合タンパク質であるカドヘリンにバイブリダイズするが、β-カテニン自身にはバイブリダイズしない。
従来技術においてさらなる方法が公知であり、該方法においては、選択された遺伝子、例えばK-ras及びAPCについてのDNA統合性及びDNA量は、標準値又は閾値を用いて測定され、相互に関連付けられる。しかし、これらの方法は、変異解析又は特に有利なプライマー配列を開示するものではない。これらの方法の一般的な特徴は、例えば、SSCPなどの自動化可能な電気泳動法を用いる変異解析が行われないことである。
さらに、レーザーマイクロダイセクションを用いて、アゾキシメタン処理したラットから、粘膜内病変部又は大腸腫瘍に由来する組織が単離される方法が公知である。DNAは該病変部及び腫瘍から単離され、β-カテニン遺伝子のエクソン3部分及びK-ras遺伝子のエクソン1部分は変異解析を用いて増幅され、直接シークエンスされる。しかし、これらの方法は糞便サンプルに用いることはできない。なぜなら、糞便サンプルは野生型DNA及び変異DNAの混合物を含んでいるからである。その結果、これらの方法でPCR産物の直接シークエンシングを行うことはできない。
したがって本発明の目的は、従来技術の不利益、特に望ましくないプライマー同士の相互作用及びプライマーと糞便サンプルとの相互作用を回避しながら、糞便サンプル中の大腸癌細胞又は大腸癌前駆細胞の、簡単で、信頼性があり、有効な検出を可能とする方法を提供することである。
本発明は、サンプル中のAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の変異解析を用いて大腸癌細胞及び/又は腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出のための方法を提供することによって上記の問題を解決する。該方法は、下記のステップを含む:
大便サンプル及び/又は組織サンプルを採取するステップ、
該サンプルをホモジナイズするステップ、
該サンプルからDNAを取得するステップ、
プライマーを用いてAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝
子の増幅反応、好ましくはPCR反応を行うステップであって、APC遺伝子にはプライマー
s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC
as1 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG
s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG
as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC
s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG
as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC
s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA
as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG
s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA
as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
を用い、K-ras遺伝子にはプライマー
s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG
as TCTATTGTTGGATCATATTCG
を用い、β-カテニン遺伝子にはプライマー
s CTGATTTGATGGAGTTGGAC
as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
を用い、B-raf遺伝子にはプライマー
s TGTATCACCATCTCCATATC
as GCATTCTGATGACTTCTGGT
を用いる、ここで増幅産物が形成されるステップ、及び
該増幅産物中の変異解析を行うステップ。
或いは、該方法又はキットにおいて、ヒトAPC用のプライマー対 s2/as2として
s2: GAATCAGCTCCATCCAAGT
as2: TTTCTGCTATTTGCAGGGT
を用いることができる。
驚くべきことに、上記の併用法は、高い信頼性及び高い有効性を有する、極めて初期段階の大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的で安価かつ簡単な検出、時間、材料及び作業ステップの節約、並びにコスト及び入手困難な精密化学品の節約を可能とする。さらに、プロセスステップの独創的な組合せは、癌診断の技術的な選択肢を拡げ、これによって大腸癌早期検出の別の方法を提供する。
有利なことには、作業ステップ数が少ないことによって、任意でこの方法の自動化又は小型化が可能となる。
さらに、本発明による方法は、簡単なサンプル採取の利点と、発達中の、初期段階の大腸癌細胞又は大腸癌前駆細胞の診断の選択肢の利点とを組み合わせる。この方法は非侵襲的方法であり、非侵襲的方法においては例えば糞便サンプル、又は、必要であれば、組織サンプルを供給するので十分であるため、この方法は被験体の間に広く受け入れられる。ここで被験体は、例えば、ヒト又は動物であり得る。したがって、該方法は日常的な試験だけでなく、予防検診にも用いられることができる。APC遺伝子、K-ras遺伝子及びβ-カテニン遺伝子及び/又はB-raf遺伝子の、3つの調査される遺伝子の組合せが用いられ、そのため大腸癌発生の間に生じる早期変異と相関するおかげで、周知の試験、特に単一の遺伝子の変異に限定される試験と比較して、高い感度及び特異性を達成することが可能となる。有利なことに、本発明の方法は、少数の特定の点変異に限定されず、むしろ該方法は、調査されている遺伝子中の、変異がより頻繁に起こる領域内で、以前は未知であった変異を検出することを場合により可能とする。
異なる種類の大腸癌は、異なる発癌経路と関連しているため、診断キットの開発における1つの問題は、適切なマーカーを組み合わせることである。該マーカーは、できる限り包括的に、全ての種類又は多くの種類の大腸癌、またマイクロサテライト不安定性を有する及び有さない自然発生の大腸癌も含む大腸癌を検出する。マイクロサテライト不安定性は、栄養摂取、アルコールまたはタバコの頻繁な消費、物理的影響又は化学的影響への曝露などの様々な刺激によって誘導され得る。
特許請求の範囲に記載されたプライマーと組み合わされた、上記の4つの遺伝子の選択された組合せによって、簡単で、信頼性があり、有効な大腸癌診断が可能となる。
驚くべきことに、特定の方法で選択されたプライマーを用いた検出の組合せによって大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的な早期検出が可能となることを実証することがこのようにして可能となった。本発明の方法においては、5つのプロセスステップが同時に実施され、選択されたマーカーを用いて4つの遺伝子において増幅反応が行われる。個々の増幅反応及び該プロセスの5つの個々のステップは、同時に実施され、調査されるサンプルにおける大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出の、技術上の全体的な成功を達成する。個々のプロセスステップ及び増幅反応の機能的依存の結果として、癌早期検出の技術上の全体的な成功が可能となる。組み合わせ発明の意義においては、個々のプロセスステップは相互依存的である必要もないし、同時実施も必要としない。個々のプロセスステップ、特に個々の増幅反応は、分離した単独の結果を提供するものではなく、むしろ、本出願によって教示される組合せ概念の結果として、個々のプロセスステップは結びついて、糞便サンプルにおける、信頼性のある、非侵襲的早期検出という統合された目標となる。個々の、組み合わされていないプロセスステップを用いる場合、このような信頼性のある技術的記載は可能とはならないであろう。個々の変異解析の単独の測定は、糞便サンプルにおける初期段階の大腸癌細胞又は大腸癌前駆細胞の存在に関して信頼性のある記載を1つも可能とはしない。個々のプロセスステップの結果及び、特に個々の増幅反応の結果は、例えばアルゴリズムを用いて評価され、組み合わされることが可能であり、このため非侵襲的早期検出に関する記載が可能となる。サンプル、特に糞便サンプル中の大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞に関する信頼性があり、迅速な記載を可能とするのは、該組合せのみに基づく。
この方法においては、患者から得た各サンプルが、4つのマーカー全てを用いて解析されるような方法、すなわち、各回につき2つのマーカーを用いる方法で前記腫瘍マーカーが組み合わされる。癌性疾患の場合、該腫瘍マーカーは、選択的に変異されており、細胞増殖又は腫瘍成長に関連する少なくとも2つの異なる生化学シグナル経路に由来している。この場合、マーカーは調査中の遺伝子である。場合により、幾つかの部分がマーカー遺伝子から解析されることが可能である。この方法で統合されたマーカーにより網羅されるシグナル経路は、wntシグナル経路及びMAPKシグナル経路である。該方法の構成要素は、一方ではwntシグナル経路に由来するマーカーAPCであり、他方ではwntシグナル経路に由来するβ-カテニンであり、加えて一方ではMAPKシグナル経路に由来するK-rasであり、他方ではMAPK シグナル経路に由来するB-rafである。このwntシグナル経路に由来する2つのマーカーと、MAPKシグナル経路に由来する2つのマーカーとの組合せは、信頼性のある大腸癌の診断を可能とする。この組合せを用いて、さらに、大腸鏡試験に匹敵する感度を非侵襲的大腸癌診断において達成することも可能である。
さらに、有利なことに、これらは大腸癌発生の間の初期の時点で変異を受けるマーカーである。
本発明による教示に基づき、2つのシグナル経路に関係する遺伝子中の変異が有利に検出される。ヒトの体の各細胞が外部シグナル又は他の細胞からのシグナルに応答することを可能とするため、これらのシグナルは、認識され、処理され、さらに先へ渡されなければならない。これは、細胞内シグナル経路を経て行われる。シグナル経路は、シグナル、例えばホルモンや神経伝達物質の細胞表面への到着によって始まる。シグナル分子は、細胞タンパク質、すなわち受容体に結合し、受容体はそこで活性化され、細胞内のカスケードを誘発し、その過程において別のタンパク質が活性化される。同時に、トリガーシグナルが増幅される。カスケード又はシグナル経路の最後には、代謝において重要な機能を有する酵素、又は遺伝子発現を調節する転写因子が存在する。これらのシグナル経路は、例えば、代謝、成長及び細胞分裂を調節する。発明者らの功績は、細胞接着及び細胞移動を調節するwntシグナル経路、並びに細胞分裂及び細胞発生を制御するMAPKシグナル経路を解析することによって、腫瘍の可能性を確実に、非侵襲的な方法で測定することができるという発見にある。関連する遺伝子中の変異の結果として、上記細胞内シグナル経路の誤調節が生じる。例えば、シグナル経路構成要素の機能の完全な喪失又は永久的な活性化及び、その結果としての腫瘍の形成が生じる。
APC遺伝子が結腸直腸癌中で頻繁に変異を受けることは、周知の事実である。該遺伝子の産物は、短縮されたタンパク質であり、このタンパク質はもはや細胞中に存在するβ-カテニンタンパク質の量を調節することができない。TCF転写因子との複合体中では、その後β-カテニンは、制御されない細胞増殖の結果として標的遺伝子の遺伝子発現を開始する。或いは、β-カテニン遺伝子は、変異によって構成的に活性化され得る。しかし、腫瘍細胞においては、同時に両方ではないが、変異を受けるのは不変的にAPC又はβ-カテニンのいずれかである。これは、各遺伝子産物が、同じ細胞内シグナル経路、すなわちwntシグナル経路において生じることにより2つの選択的な変異が同じ効果を有するため、道理にかなっている。
MAPKシグナル経路の状況は類似している。同様に、構成要素であるK-ras及びB-rafは、結腸直腸癌中で選択的に変異され、これによって構成的に活性化される。この場合においても、結果は制御されない細胞分裂であり、その結果としての腫瘍形成である。
選択的に変異したマーカーであるAPC、β-カテニン、K-ras及びB-rafの組合せは、腫瘍形成の原因となる2つのシグナル経路を診断上網羅し、マーカーの組合せは、非常に高い感度を有し、非常に初期の時点における腫瘍の非侵襲的検出を可能とする。
単一の試験における、2つのシグナル経路の組合せ、又は上記の2つのシグナル経路に由来する相互に排除する遺伝子変異の組合せの結果として、大部分の腫瘍を確実に検出することが、有利に可能となる。なぜなら、上記の2つのシグナル経路の少なくとも1つが、腫瘍の形成中に関与し、その結果として損なわれた細胞-細胞接着、又は細胞成長もしくは細胞分裂を誘導する遺伝子の増大する転写を生じるからである。相互に排除する変異を毎回マーカーとして用いることによって、本発明による試験方法に用いられ、腫瘍形成において重要な細胞中のシグナル経路を考慮に入れた腫瘍マーカーのスペクトルの上記組成は、他の従来の試験とは異なる。ここで結腸直腸癌中で頻繁に変異を受ける、可能な限り多くのマーカーが、単純に試験に統合される。
明らかに、相互に排除し、又は選択的に結腸直腸癌中に存在し、他の一般的なシグナル経路中で生じる他の遺伝子変異のペアは、この方法、又はその方法の実施を可能とする試験、にマーカーとして組み込むことができる。
有利に、選択された配列部分中に、以前は未知の変異を検出することも可能である。
例えば、本発明による方法は、豆粒大の部分が排泄されたヒトの糞便から取り除かれ、その後液体窒素中でショック凍結されるといった方法で行われることが可能である。もちろん、例えば大腸鏡試験の最中又は外科手術中などの生検の間に採取されたヒト腫瘍組織、又は異常腺窩巣、腺腫もしくは腺癌などのヒト腫瘍組織又はその前駆体を用いることもまた可能である。その後、糞便サンプル又は組織サンプルはホモジナイズされることができ、これは例えば、当業者に周知のキットを用いてバッファー系中で行われることができる。その後、このようにホモジナイズされたサンプルは遠心分離され、DNAをサンプルホモジネートの上清から単離することが可能となる。任意で、DNAを単離するステップに先行して、そのDNAの蓄積を行うことができる。例えば、これは、配列特異的ビオチン化オリゴヌクレオチドをAPC、K-ras、β-カテニン及びB-rafの標的遺伝子にハイブリダイズさせ、ビオチン残基をストレプトアビジンにカップリングさせて、その後当業者に周知のキットを用いて磁性粒子を介して分離することにより標的遺伝子が全DNAから取得されるような方法で実施されることができる。オリゴヌクレオチド配列は、その配列が、後に増幅される部分に近接して用いられる、又は増幅される部分に近接して位置する、プライマーに隣接された領域にハイブリダイズするような方法で選択されなければならない。
好ましくは、アポトーシスを起こした細胞由来のDNAに特徴的な200bp未満の大きさのフラグメントDNAを除くことによって蓄積を達成することもまた可能である。このような方法で、新生物の「長い」DNAが分離される。その後、APC、K-ras、β-カテニン及びB-raf遺伝子中の選択された領域に対して配列特異的なプライマーを用いて別の増幅反応を行うことができる。APCについては、プライマー対は、エクソン15中の、頻繁に変異を生じる周知の領域(変異クラスタ領域;MCR)内の重複配列の増幅を可能とするように選択される。β-カテニンについては、プライマーはエクソン3中に位置するMCRの両側に位置し、K-rasについては、プライマーはエクソン1中に位置する周知のMCRの両側に位置する。全てのプライマーは、PCR産物が180bpから350bpの大きさを有するように選択される。各々5’→3’方向の下記のプライマー配列が用いられる:
K-rasについては、
s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG
as TCTATTGTTGGATCATATTCG
が用いられ、β-カテニンについては、
s CTGATTTGATGGAGTTGGAC
as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
が用いられ、APCについては、
s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC
as1 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG
s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG
as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC
s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG
as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC
s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA
as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG
s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA
as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
或いは、
s2 GAATCAGCTCCATCCAAGT
as2 TTTCTGCTATTTGCAGGGT
が用いられ、B-rafについては、
s TGTATCACCATCTCCATATC
as GCATTCTGATGACTTCTGGT
が用いられる。
好ましくは、前記手順のさらなる過程において、該プライマーを用いて得られたPCR産物を、アガロースゲルを用いて調べることも可能である。しかし、PCR産物の精製もまた、PCR産物をアガロースゲル中で確認することなく当業者に周知のキットを用いて行なうことが可能である。PCR産物の変異解析のために、電気泳動法、好ましくは一本鎖コンホメーション多型解析(SSCP)などの多くの周知の方法が当業者に利用可能である。
SSCP解析を用いて、DNA一本鎖中の多型及び変異の迅速で簡単な検出を好適な方法で行うことが可能である。この解析法は、非変性ゲル条件下では、一本鎖は、線状ではなく分子内塩基対合の結果として折り畳み状態で存在するという事実を利用している。鎖ごとの、1つの単一の塩基置換は、逸脱した移動挙動を引き起こすのに十分である。200bpの長さを有するフラグメントを用いると、特異性は100%に近づくはずである。泳動時間、動作、架橋及びアクリルアミド濃度は、日常的な試験を用いて、異なったDNA部分について個々に最適化されることが可能である。一本鎖の分離を向上させるために、グリセロールを混ぜることができる。
ここで、野生型標準と比較した、サンプルの一本鎖のコンホメーションが検出されることができる。幾つかの場合において、特定の変異を特異的に検出するために、SSCPゲルからのDNA抽出、及びそのように抽出されたDNA又は対応するPCR産物のシークエンシングを実施するということは道理にかなっている。変異解析の他の方法は、DHPLC及びDNAチップ技術である。
APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子がマーカーとして用いられる、このように行われる変異の検出は、有利である。なぜなら、このようにして、K-ras又はβ-カテニンが腫瘍前駆体、異常腺窩巣及び腺腫において高い百分率で変異しており、APC又はβ-カテニンのいずれかが腺腫及び早期の腺癌において高い百分率で変異しているため、全ての種類の自然発生の大腸癌を、特に初期の時点で検出することができるからである。
結果として、本発明による方法を用いて、少数の周知の変異を検出することが可能となるだけでなく、むしろ特に頻繁に変異を生じることで知られている遺伝子部分内の全ての点変異-任意に未知の変異を含む-も検出されるであろう。例えばこの方法は、変異の結果末端切断されたタンパク質の免疫学的検出よりも優れている。特に、本発明による組合せ内のK-ras/B-raf対は、MAPKシグナル経路が該マーカーによって診断上網羅されるため、特に信頼性のある診断を可能とする。
明らかに、APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の選択された部分中の変異の検出は、特にDNAチップを用いて行なうことが可能であり、該DNAチップは、上記遺伝子の、上記プライマー配列に隣接された領域に由来するAPC、K-ras、β-カテニン及びB-rafのプローブを含む。「プライマー配列によって境界され又は隣接された」という用語は、該DNAチップ技術が、2つのプライマー(センス及びアンチセンス)の位置によって決定される長さのDNA鎖を増幅する従来のPCRプライマーの使用を必ずしも必要としないことを意味する。従来のPCRの場合、PCR産物は、プライマーによって境界され又は隣接される。一方、DNAチップは、サンプルDNAにハイブリダイズする単独のオリゴヌクレオチドをプローブとして頻繁に用い、該プローブは、例えば明確な点変異を含むことができる。該チップは、上記のプライマーをプローブとして含むことができるが、上記プライマーを用いたPCR反応の産物の他の部分にハイブリダイズする他のプローブを含むこともできる。
本発明はまた、下記の配列を含む群から選択されるプライマー配列に関する:
プライマー群は
配列番号1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC、
配列番号2 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG、
配列番号3 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG、
配列番号4 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC、
配列番号5 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG、
配列番号6 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC、
配列番号7 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA、
配列番号8 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG、
配列番号9 TTCCAGATGCTGATACTTTA、
配列番号10 CTGAATCATCTAATAGGTCC、
配列番号11 CTGGTGGAGTATTTGATAGTG、
配列番号12 TCTATTGTTGGATCATATTCG、
配列番号13 CTGATTTGATGGAGTTGGAC、
配列番号14 CTTGAGTGAAGGACTGAGAA、
配列番号15 GAATCAGCTCCATCCAAGT、
配列番号16 TTTCTGCTATTTGCAGGGT、
配列番号17 TGTATCACCATCTCCATATC、
配列番号18 GCATTCTGATGACTTCTGGT、
であり、
配列
s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG、
as TCTATTGTTGGATCATATTCG
はK-rasに用いられ、
配列
s CTGATTTGATGGAGTTGGAC、
as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
はβ-カテニンに用いられ、
配列
s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC、
as GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG、
s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG、
as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC、
s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG、
as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC、
s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA、
as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG、
s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA、
as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
或いは、
s2 GAATCAGCTCCATCCAAGT、
as2 TTTCTGCTATTTGCAGGGT、
はAPCに用いられ、
配列
s TGTATCACCATCTCCATATC、
as GCATTCTGATGACTTCTGGT
はB-rafに用いられる。
前記プライマーは有利に、大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の診断に用いることができる。
前記方法は、下記に特定されるAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子上の領域と十分な相同性を有するプライマー配列を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応による増幅産物を形成する。
Figure 2007505609
本発明はまた、前記プライマーを含むキット、及び大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出における該キットの使用に関する。該キットは任意で、キットの内容物の組合せに関する情報を含むことができる。該キットはまた、大腸癌の検出に必要とされる付加的な化学試薬を含むこともできる。さらに、該キットは、大腸癌細胞又は大腸癌前駆細胞の生物学的、化学的及び/又は物理的測定を可能とし又は支持するアジュバント、媒体、酵素、マーカー物質、並びに貯蔵容器、顕微鏡スライドガラス、光学機器又は他の装置の構成部品を含むことができる。
限定を意図するものではないが、下記の実施例を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
a) 糞便サンプル又は組織サンプルの採取
ヒトの糞便:排泄された糞便の豆粒大の部分を採取スプーンで採取し、市販の糞便チューブに移し、液体窒素中でショック凍結し、-80℃で保存する。
げっ歯動物の糞便:直腸から形作られた糞便の一部分をすくい取り、液体窒素中でショック凍結し、-80℃で保存する。
ヒト腫瘍組織又は前駆体(異常腺窩巣、腺腫、腺癌):大腸鏡試験又は外科処置中の生検。
b) 市販のキットのバッファー系又はTEバッファー(例えば、10mMのTris-HCl、pH8.0、1mMのEDTA)中の糞便サンプルの均質化、任意で400mg/mlまでのプロテインキナーゼKを用いる;99℃で10〜30分間、好ましくは15分間、或いは55℃で30〜60分間、又は37℃で30〜60分間ホモジネートを混合する;12,000gで5分間の遠心分離。
c) 市販のキットを用いた、糞便サンプルホモジネートの上清又は組織サンプルからのDNAの単離
d) (任意:)蓄積
a. 配列特異的ビオチン化オリゴヌクレオチドをAPC、K-ras、β-カテニン及びB-rafの標的遺伝子にハイブリダイズさせることによる全DNAから得た標的遺伝子の蓄積、ビオチン残基のストレプトアビジンへのカップリング、及び市販のキットを用いた磁性粒子による分離;オリゴヌクレオチド配列は、その配列が、後に増幅される部分に近接して用いられ、又は増幅される部分に近接して位置するプライマーによって隣接された領域にハイブリダイズするような方法で選択されなければならない;
或いは、
b. アポトーシスを起こした細胞に由来するDNAに特徴的な200bp未満の大きさのフラグメント化されたDNAを除くことによる、新生物の「長い」DNAの蓄積。
e) APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子中の選択された領域に対して配列特異的なプライマーを用いたPCR:
APC: プライマー対は、エクソン15中の頻繁に突然変異を生じている領域(変異クラスタ領域;MCR)内の部分的に重複している配列の増幅を可能とする。
β-カテニン: エクソン3中に位置するMCRの両側のプライマー。
K-ras: エクソン1中に位置する頻繁に変異したコドン12及び13の両側のプライマー。
B-raf: エクソン15中に位置し、コドン593、599及び600に隣接するプライマー。
全てのプライマーは、PCR産物が180bp〜350bpの大きさを有するような方法で選択される。
f) 2〜3%のアガロースゲル、好ましくは2.5%のアガロース上におけるPCR産物の検査;場合により欠失又は挿入の検出。
g) 市販のキットを用いたPCR産物の精製。
h) 適切な電気泳動技術、好ましくはSSCPを用いたPCR産物の変異解析:0.5又は1×TBEバッファー中の5〜14%のアクリルアミドゲル、好ましくは1×TBE中の8%のアクリルアミド;4〜15℃、300mA、2〜4時間の電気泳動、又は4℃、100mA、16時間の電気泳動。
従来の染色法、好ましくは硝酸銀染色。
野生型標準と比較した、サンプルの一本鎖のコンホメーションの検出。
i) (任意:)SSCPゲルからのDNA抽出、及びSSCPゲルから抽出されたDNA又は対応するPCR産物のシークエンシング。

Claims (10)

  1. サンプル中のAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の変異解析による大腸癌細胞及び/又は腸癌前駆細胞の非侵襲的早期検出のための方法であって、下記のステップ:
    大便サンプル及び/又は組織サンプルを採取するステップ、
    該サンプルをホモジナイズするステップ、
    該サンプルからDNAを取得するステップ、
    プライマーを用いてAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝
    子中の増幅反応を行うステップであって、APC遺伝子にはプライマー
    s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC
    as1 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG
    s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG
    as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC
    s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG
    as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC
    s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA
    as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG
    s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA
    as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
    或いは
    s2 GAATCAGCTCCATCCAAGT
    as2 TTTCTGCTATTTGCAGGGT
    を用い、K-ras遺伝子にはプライマー
    s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG
    as TCTATTGTTGGATCATATTCG
    を用い、β-カテニン遺伝子にはプライマー
    s CTGATTTGATGGAGTTGGAC
    as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
    を用い、B-raf遺伝子にはプライマー
    s TGTATCACCATCTCCATATC
    as GCATTCTGATGACTTCTGGT
    を用いる、ここで増幅産物が形成されるステップ、及び
    該増幅産物の変異解析を行うステップ、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  2. APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の選択された部分における変異の検出がDNAチップによって行われ、該DNAチップが、上記遺伝子の、請求項1で特定したプライマー配列によって隣接される領域に由来するAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子のプローブを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. APC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子が、ビオチン残基のストレプトアビジンへのカップリングを使用した配列特異的ビオチン化オリゴヌクレオチドのAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子へのハイブリダイゼーション、及びその後の磁性粒子を介した分離によって全DNAから蓄積されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 増幅産物、特にPCR産物が、対照のために精製前にアガロースゲル中で分離されることを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
  5. 前記PCR産物の変異解析が、電気泳動技術、好ましくはSSCPを用いて行われる、或いはクロマトグラフィー法、好ましくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に基づいた方法によって行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 検出された一本鎖の変異原コンホメーションが、単離され、場合によりシークエンシングされることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 下記のプライマーを含む群から選択されるプライマー配列。
    APC遺伝子についてのプライマー:
    s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC
    as1 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG
    s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG
    as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC
    s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG
    as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC
    s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA
    as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG
    s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA
    as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
    或いは
    s2 GAATCAGCTCCATCCAAGT
    as2 TTTCTGCTATTTGCAGGGT
    K-ras遺伝子についてのプライマー:
    s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG
    as TCTATTGTTGGATCATATTCG
    β-カテニン遺伝子についてのプライマー:
    s CTGATTTGATGGAGTTGGAC
    as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
    B-raf遺伝子についてのプライマー:
    s TGTATCACCATCTCCATATC
    as GCATTCTGATGACTTCTGGT
  8. 変異解析、特にAPC遺伝子、K-ras遺伝子、β-カテニン遺伝子及びB-raf遺伝子の解析における、請求項7に記載のプライマー配列の使用。
  9. 下記のプライマーを含む群から選択されるプライマーと、場合によりキットの内容物の組合せに関する情報とを含むキット。
    APC遺伝子についてのプライマー:
    s1 TTGCAGTTATGGTCAATACCC
    as1 GTGCTCTCAGTATAAACAGGATAAG
    s2 CCTCAAAAGGCTGCCACTTG
    as2 CTGTGACACTGCTGGAACTTCGC
    s3 AGCACCCTAGAACCAAATCCAGCAG
    as3 TGGCATGGTTTGTCCAGGGC
    s4 ACAAACCATGCCACCAAGCAGA
    as4 GAGCACTCAGGCTGGATGAACAAG
    s5 TTCCAGATGCTGATACTTTA
    as5 CTGAATCATCTAATAGGTCC
    或いは
    s2 GAATCAGCTCCATCCAAGT
    as2 TTTCTGCTATTTGCAGGGT
    K-ras遺伝子についてのプライマー:
    s CTGGTGGAGTATTTGATAGTG
    as TCTATTGTTGGATCATATTCG
    β-カテニン遺伝子についてのプライマー:
    s CTGATTTGATGGAGTTGGAC
    as CTTGAGTGAAGGACTGAGAA
    B-raf遺伝子についてのプライマー:
    s TGTATCACCATCTCCATATC
    as GCATTCTGATGACTTCTGGT
  10. 大腸癌細胞及び/又は大腸癌前駆細胞の検出における、請求項9に記載のキットの使用。
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