JP2007503198A - 低損失材料から構成されるアキシャルエアギャップ型電気装置におけるステータの選択的整列 - Google Patents

低損失材料から構成されるアキシャルエアギャップ型電気装置におけるステータの選択的整列 Download PDF

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Abstract

アキシャルギャップ電動機械は、中間ロータと同軸に配置された第1及び第2ステータを備える。ステータは、それぞれの歯及びスロットの位置間の軸方向オフセットで選択的に整列される。本ステータは、アモルファス金属及びナノ結晶金属並びに最適化Fe系合金からなるグループから選択された材料から構成された積層を有するトロイダルコアを含む。任意選択的に、本発明の機械は更に、ステータのオフセットを調整するための位置ずれ手段を備える。適応調整により、モータのバックEMFを低減させるモードで機械が運転できるようになり、速度が増加したときにも定電圧を維持することができる。また、バックEMFの削減により、特に多極数の使用と組み合わせて広範囲の運転速度が可能になる。或いは、本発明の機械は、例えば低速、定トルクモードで運転することができる。

Description

米国関連出願データ
本出願は、2003年8月18日出願の表題が「Rotational Misalignment Of Stators In Axial Airgap Electric Devices Comprising Low−Loss Materials」である同時係属中の米国特許仮出願第60/496,368号の優先権を主張し、該出願全体は引用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、回転電動機械に関し、より詳細には、2つ又はそれ以上のステータを含み、該機械で発生するEMFがステータの1つを基準にしてステータの1つ又はそれ以上を選択的に回転方向で整列することにより制御されるアキシャルエアギャップ型機械に関する。
電動機及び発電機産業では、電動回転機械の効率及び出力密度を向上させる方法が常に求められている。本明細書で使用される用語「モータ」とは、電気エネルギーを回転運動に変換し、並びに回転運動を電気エネルギーに変換するあらゆるクラスの電動機械及び発電機械を意味する。このような機械には、モータ、発電機、及び回生モータとも呼ぶことができる装置が含まれる。用語「回生モータ」とは、本明細書においては電動機又は発電機として動作することができる装置を意味するものとして使用される。永久磁石型、巻線界磁型、誘導型、可変リラクタンス型、スイッチドリラクタンス型、及びブラシ型並びにブラシレス型を含む多様なモータが知られている。これらのモータには、電力送電網、バッテリ、又は他の代替電源によって供給される直流又は交流の電流源から直接給電することができる。或いは、電子駆動回路を用いて合成された、必要な波形を有する電流で供給してもよい。発電機は、どのような機械的発生源から得られる回転エネルギーによっても駆動することができる。
発電機の出力は、負荷に直接接続するか、或いはパワーエレクトロニクス回路を用いて調整することもできる。任意選択的に、所与の機械は、異なる運転期間中に機械的エネルギーの発生源又はシンクとして機能する機械的発生源に接続される。従って、該機械は、例えば4象限運転の可能な電力調整回路による接続によって回生モータとして動作できる。
回転機械は、通常、ステータとして知られる静止構成要素と、ロータとして知られる回転構成要素とを含む。ロータ及びステータの隣接面は、ロータ及びステータを鎖交する磁束が横切る小さなエアギャップによって隔てられる。当業者であれば、回転機械が機械的に接続された複数のロータと複数のステータとを含むことは理解するであろう。実質的に全ての回転機械は、従来、ラジアルエアギャップ型又はアキシャルエアギャップ型として分類される。ラジアルエアギャップ型は、ロータ及びステータが半径方向に隔てられ、横切る磁束が主としてロータの回転軸に対して垂直に配向される。ロータ及びステータは、アキシャルエアギャップ型装置では軸方向に隔てられ、磁束は主として回転軸と平行である。
モータ及び発電機は一般に、ある特殊なタイプを除いて、1つ又はそれ以上のタイプの軟質磁性材料を採用している。「軟質磁性材料」とは、磁化及び消磁が容易且つ効率的な材料を意味する。各磁化サイクルの間、磁性材料内で不可避的に損失するエネルギーは、ヒステリシス損又は鉄損と呼ばれる。ヒステリシス損の大きさは、励起振幅及び周波数の両方の関数である。軟質磁性材料は更に、高い透磁率と低い磁性保磁力とを示す。モータ及び発電機はまた、起磁力の発生源を含み、該起磁力は1つ又はそれ以上の永久磁石、又は導電巻線が巻かれた追加の軟質磁性材料のいずれかにより提供することができる。「永久磁石材料」とは、「硬質磁性材料」とも呼ばれ、高い保磁力を有し且つ磁化を強く保持して消磁に抗する磁性材料を意味する。永久磁石材料及び軟質磁性材料は、モータのタイプに応じてロータ又はステータの上に配置することができる。
現在製造されているモータの大多数は、軟質磁性材料として様々な等級の電気鋼又はモータ鋼を使用しており、これらは、特にSi、P、C、及びAlを含む1つ又はそれ以上の合金元素とFeとの合金である。最も一般的には、Siが主要な合金元素である。最先端の永久磁石材料で構成されたロータと、コアがアモルファス金属などの先端低損失軟質材料で作られたステータとを有するモータ及び発電機は、従来のラジアルエアギャップ型モータ及び発電機と比べてかなり高い効率及び出力密度を可能にする潜在能力があると一般的には考えられるが、アキシャルエアギャップ型又はラジアルエアギャップ型のこのような機械を構築することにほとんど成功していない。従来のラジアル又はアキシャルエアギャップ型機械にアモルファス材料を組み込むこれまでの試みは、商業的にほとんど不成功であった。初期の設計は、主としてステータ及び/又はロータを典型的には内面又は外面に歯を刻んだアモルファス金属のコイル又は積層円柱で置き換えていた。アモルファス金属は、従来設計のモータの普通鋼と直接置き換えることが困難又は不可能であり、固有の磁気特性及び機械特性を有する。
モータ及び発電機産業の多数の用途は、通常の使用の少なくとも一部の間で一定の基本回転速度を大幅に超えて運転できる機械を必要としている。基本速度は、電気装置を定トルクモードで運転するときに達成できる最大値である。基本速度より上では、バックEMFは通常公称供給電圧を超えるようになる。しかしながら設計の最適化は、該機械が広範囲の速度で運転する必要がある多数の用途で困難である。問題は、可変比ギヤボックス又は他の速度整合装置を組み込んでいないシステムでは特に深刻である。例えば、電気自動車での低速運転は、重量物を移動させ、或いは起伏のある地形又は傾斜地を横断するのに定トルク運転を必要とする。しかしながら、例えば平らな道路又は開発された工業用地での巡航などのための高速運転は、基本速度の2倍又は3倍を必要とすることがある。高速運転では、トルク要件は一般に低く、利用可能なトルクが速度に逆比例する定出力運転は、大きな利点をもたらすことになる。
典型的な永久磁石機械の認識されている欠点は、該機械の発生するEMFが機械の回転速度の直接一次関数であることである。発生するEMFはまた、所与の電流の出力に正比例する。高速では大きな出力を得ることができるが、これに付随して発電機用途で高電圧が生成される。同様に、モータ用途では、電源電圧は、基本速度に必要な電圧を上回って増大する必要がある。いずれの場合も、特に絶縁を含む製造技法及び材料、並びに制御回路内の半導体及び電子素子は、しかるべく選択される必要がある。従って、高電圧をコスト効果的に制御することは、不可能ではないとしても困難である。それ故、速度制限は緩和することができるので、機械では制御され且つ制御可能な発生するEMFは望ましい特徴である。
先行技術の参照では、電気装置の運転中にロータ及びステータ間のエアギャップの操作に基づいて端子間定電圧を維持する方法が教示された。エアギャップのわずかな低減により、ステータの巻線で発生する電圧(EMF)が増大するようになり、この逆も同様である。米国特許第2,892,144号及び第2,824,275号では、ロータの反対側に配置された単一のステータを含む発電機を開示しており、該ステータは、運転中のトルクの増加により最終的にはステータがロータに向かって移動し、すなわちエアギャップを低減するように取り付けられている。通常は出力電圧が低下することになる負荷(トルク)の増加がまた、エアギャップの低減を引き起こし、そのため電圧が増加する結果となる。
別の実施形態では、米国特許第2,824,275号では、ロータの反対側に配置された単一の固定ステータを含む発電機を開示しており、該ロータは、運転中の速度の増大により最終的にはロータをステータから離れる方向に移動させ、すなわちエアギャップを増大させるように取り付けられている。出力電圧は速度に比例するので、速度増加は電圧を増大させる結果となる。しかしながら、エアギャップの増加は電圧を低減させるように動作する。
別タイプの電気装置のエアギャップを操作する別の実施例として、米国特許第5,627,419号では、スピンアップ又はスピンダウン中にステータに加わる電磁トルクに応答してステータとフライホイールとの間の調節式エアギャップを自動的に低減させ、並びに惰性運転中に調節式エアギャップを増大させる自己制御手段を備えた修正ラジアルエアギャップ・フライホイールを開示している。
ラジアルエアギャップ型機械のロータ及びステータ間のオーバーラップを操作することにより、運転中の電気装置の出力パラメータを制御する他の方法が公知である。運転中に一定速度を維持する方法として、米国特許第403,017号では、ロータ及びステータ間の軸方向のオーバーラップを低減するため、ラジアルエアギャップ型モータのロータに取り付けられた調速機に対する遠心力の使用を開示している。通常、モータの負荷の低減により速度は増大するが、速度が増大することで調速機の遠心力が増大し、これによりステータに対するロータの軸方向変位が生じ、その結果、ロータ及びステータ間のオーバーラップが低減される。ロータ及びステータ間のオーバーラップの低減は、トルクの低減を招き、従って速度が増大する傾向を相殺する。
最近では、米国特許第6,555,941号が、ステータに対してロータを軸方向に変位させ、従ってオーバーラップを低減させることで、ラジアルエアギャップモータのバックEMFを低減させる方法を開示している。ロータはステータとの軸方向の位置ずれがより大きくなるようにオフセットされるので、ステータの界磁コイルの磁束が低減され、従って速度を制限するバックEMFが低減される。ロータの位置がずれると、利用可能なトルクが速度に逆比例して、モータは一定電力モードで運転する。
また、米国特許第6,194,802号では、アキシャルエアギャップ型モータのロータ及びステータ間のオーバーラップを低減させることで、バックEMFを低減させる方法を開示している。ロータの磁性ブロックは、運転中の速度の増大が磁性ブロック上で遠心力が増大する結果になり、ブロックをモータの中心から外側に移動させるようにロータに取り付けられている。この外側の移動は、磁性ブロックとステータ間のオーバーラップを低減させる結果となり、これによって発生する磁束鎖交及びバックEMFが低減される。従って、該機械は高速で回転することができる。
高速(すなわち高RPM)の電気機械は、大抵は、高周波で運転する電気機械の磁性材料が非効率なモータ設計の原因となる過度の鉄損を生じないように、少ない極数で製造される。これは主として、現在の大多数のモータで使用される軟質材料が珪素鉄合金(Si−Fe)であることに起因する。従来のSi−Fe基材料において約400Hzよりも大きな周波数での磁界の変化によって生じる損失により、当該装置をどのような許容可能な手段によっても冷却することのできない温度にまで材料が加熱する場合があることはよく知られている。高速工作機械、航空宇宙用モータ並びにアクチュエータ、及び圧縮機駆動装置のような広範な領域を含む、現在の科学技術における幾つかの用途は、15,000乃至20,000rpmを上回り、場合によっては最高100,000rpmまでの高速で動作可能な電動機を必要とする。
現在までに、低損失材料を利用し、製造が容易な電気装置をコスト効率良く提供することは極めて難しいことが判明している。低損失材料を従来型機械に組み込む従来の試みは、初期の設計が通常、機械の磁気コアで珪素鉄などの従来の合金の代わりにアモルファス金属などの新しい軟質磁性材料を使うことに依存していたことにより、一般に失敗した。結果として得られる電気機械は、時によっては低損失で効率の増大を提供したが、一般的には許容できない出力低下を生じ、アモルファス金属の取扱い及び形成に関するコストが著しく増大した。その結果、商業的成功又は市場への浸透が達成されなかった。
従って、当該技術分野において、低損失材料に関わる固有の特性の利点を十分に利用し、これにより従来のアキシャルギャップ型機械に付随する欠点を取り除いた高効率のアキシャルエアギャップ型電気装置に対する必要性が依然としてある。理想的には、改良された機械は、機械的及び電気的エネルギー形態間で高い変換効率を提供するであろう。化石燃料を原料とする発電機の効率改善は、これに伴い大気汚染を低減させるであろう。該機械は小型軽量で、トルク、出力及び速度の厳しい要件を満たすであろう。冷却要件は低減されることになる。バッテリ電源で運転するモータの運転時間が長くなる。加えて、定トルクモード又は好適なバックEMF制御によって定電力モードで効率的に運転可能な装置に対する必要性が依然としてある。更に、トルクリップル及びコギング並びにこれに付随する電気リップルが、例えば極数の増大により低減された機械が望ましい。
米国特許第2,892,144号公報 米国特許第2,824,275号公報 米国特許第5,627,419号公報 米国特許第403,017号公報 米国特許第6,555,941号公報 米国特許第6,194,802号公報 米国特許第RE32,925号公報 米国特許第4,142,571号公報 米国特許第4,881,989号公報 米国特許第5,935,347号公報 米国特許第4,865,657号公報 米国特許第4,265,682号公報
本発明は、第1ステータ及び第2ステータ並びにステータ間に軸方向に配置されて軸の周りに回転するよう支持されたロータを備えたアキシャルエアギャップ型電動機械を提供する。ステータにはそれぞれ、第1及び第2のセットの巻線が配置されている。第2ステータは、該第2ステータが第1ステータからオフセットされるように、第1ステータに対して選択的に整列される。該ステータは、アモルファス金属及びナノ結晶金属並びに最適化Fe系合金からなるグループから選択された材料から構成される積層を有するトロイダルコアを含む。幾つかの実施形態では、ステータの整列は位置ずれ手段によって調整することができる。
低鉄損の先端軟質磁性材料の使用は、広範囲の使用可能な運転速度、高い運転効率、及び高い出力密度を維持しながら広範囲の極数及び転流周波数が使用可能であるので、設計に有意な柔軟性をもたらす。
別の態様では、ステータの巻線は、それぞれ第1及び第2全波ダイオードブリッジに別々に接続される。ステータがオフセットする結果として、個々の巻線の波形は相対的に位相シフトする。ブリッジ出力は共に結合され、DCバス電圧を供給する。結果として得られる波形は、オフセットなしで複数のステータ波形を直列に接続して得られた波形と比較して電流リップルが低減され、フィルタ回路を簡略化することができる。ステータのオフセットはまた、運転中に生成されるモータのバックEMF及び/又はトルクリップルを低減させることができる方法でモータを運転可能にする。
本発明はまた、基準ステータに対して該装置の1つ又はそれ以上のステータの位置ずれを制御することで、電気装置の運転中にトルクリップルを低減又は除去する技法を提供する。加えて、デュアル全波ダイオードブリッジ構成が、該電気機械のDCバス上の電流リップルの低減を助けるために開示される。
先行技術では、ギア比が選択可能又は調節可能なトランスミッションが、一般にバック起電力(バックEMF)によって制限されているモータの最高速度よりも高いシャフト出力速度を提供するために採用されて来た。ギヤ減速は、高い出力速度を利用可能な低トルクと引き換えることを可能にする。他方、トランスミッション装置に内在する摩擦損失、機械的単純化及び信頼性について考慮することにより、トランスミッションを完全に排除する機械を強力に推進することができる。本発明によるステータの位置ずれの方法は、定トルクモードから定電力モード、すなわち定電圧で運転するモードにシフト可能なモータを提供し、これによりどのようなトランスミッション又はギア機構もなしで基本速度を超える速度を提供する。
更に別の態様では、機械をインタフェース及び制御して該機械に作動的に接続するため、アキシャルエアギャップ型電動機械及びパワーエレクトロニクス手段を備えるアキシャルエアギャップ型機械が提供される。
本発明による製造及び運転可能な電気機械の実施例として、電動機、発電機、及び回生モータがあるが、これらに限定されるものではない。電気装置の1つ又はそれ以上は、複合装置又はシステムにおける構成要素である。このような複合装置の例は、1つ又はそれ以上の電動機を備え、1つ又はそれ以上の電動機がファンと一体的にすることができる圧縮機である。
本発明は、本発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明及び添付図面を参照することによって完全に理解され、また、更なる利点も明らかになるであろう。幾つかの図面全体を通じて同じ参照符号は同じ要素を表している。
添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を更に詳細に説明する。1つの態様において、本発明は、1つ又はそれ以上のロータ及び2つ又はそれ以上のステータを有し、該ステータが高周波運転が可能な低損失の軟質磁性材料で作られた磁気コアを有する、ブラシレスモータなどのアキシャルエアギャップ型電気装置に関する。ステータの磁気コアは、本質的にアモルファス又はナノ結晶金属、又は最適化Fe系軟質磁性合金からなる薄いストリップ又はリボン状の形態の材料を用いて作ることが望ましい。従来電動機械で使用され、アモルファス材料又はナノ結晶材料よりも高い飽和誘導を有する場合が多い結晶性Fe系モータ鋼及び電気鋼材料よりも低鉄損の方向性及び無方向性Fe系材料は、本明細書では総称して「最適化Fe系磁性材料」と呼ぶ。
本電気装置にアモルファス、ナノ結晶、又は最適化Fe系磁性材料を加えることで、対応する鉄損を増大させることなく機械の周波数を高めることができ、従って高い出力密度を供給可能な高効率の電気装置をもたらすことができる。加えて、転流周波数を増大させるこの能力は、機械の最高許容速度を低下させることなく多極数設計を可能にする。
1つ又はそれ以上のロータは、永久磁石型のロータとすることができる。しかしながら、当該技術分野で公知の他のロータのタイプもまた本発明の実施に適用可能である。
(アモルファス金属)
また金属ガラスとしても知られるアモルファス金属は、本発明のモータで使用するのに好適な多くの様々な組成で存在する。通常、金属ガラスは、例えば、少なくとも約106℃/sの速度で冷却することにより、溶融物から急激に冷却された必要な組成からなる合金溶融物から形成される。金属ガラスは、長距離原子秩序を示さず、無機酸化物ガラスで観察されるのと同様の拡散ハローのみを示すX線回折パターンを有する。好適な磁気特性を有する幾つかの組成が、Chen他の米国特許第RE32,925号に記載されている。アモルファス金属は、通常、横幅20cm又はそれ以上の長尺の薄いリボン(例えば最大約50μm厚)の形態で供給される。不定長の金属ガラスストリップの形成に有用な方法は、Narasimhanに付与された米国特許第4,142,571号で開示されている。本発明の用途に好適な例示的なアモルファス金属材料は、Metglas,Inc.(サウスカロライナ州コンウェー)が不定長で最大約20cm幅、20〜25μmの厚のリボンの形態で販売する、METGLASR(登録商標) 2605 SA1である(http://www.metglas.com/products/page5_1_2_4.htmを参照)。また、必要な特性を備えた他のアモルファス材料も使用できる。
アモルファス金属は、磁性手段の製造及び使用に際して考慮すべき幾つかの特性を有する。ほとんどの軟質磁性材料とは異なり、金属ガラスは、特にこれら軟磁気特性を最適化するのに通常使用される熱処理後には硬質で脆弱である。従って、モータ用の従来の軟質磁性材料を処理するのに通常使用されている機械加工法の多くは、アモルファス金属に対して実施することが困難もしくは不可能である。製造されたままの材料のスタンピング、パンチング又は切断は、一般に許容できない工具磨耗を生じ、熱処理された脆弱材料に対しては事実上不可能である。従来の鉄鋼で行われることの多い従来の穿孔及び溶接もまた通常は避けられる。
加えて、アモルファス金属は、従来のSi−Fe合金よりも低飽和の磁束密度(又は誘導)を示す。低い磁束密度は,通常、従来の方法に従って設計されたモータの出力密度を低下させる。アモルファス金属はまた、Si−Fe合金よりも熱伝導率が低い。熱伝導率は、熱が材料内を温区域から冷区域までどれだけ容易に伝導できるかを決定付けるので、熱伝導率の値が低いと、磁性材料の鉄損、巻線のオーム損、摩擦、風損、及び他の損失源から生じる廃熱を十分に除去するために、モータを注意深く設計する必要がある。廃熱の除去が不十分であると、モータの温度は許容できないほどに上昇することになる。過剰な温度は、電気絶縁又は他のモータ構成要素の早期故障を引き起こし易い。場合によっては、過熱により感電を生じ、或いは大火災又は他の健康及び安全に対する他の重大な危険を引き起こす可能性がある。アモルファス金属はまた、一部の従来材料よりも高い磁気歪係数を示す。磁気歪係数の低い材料は、磁場の影響による寸法変化が小さいが、これは機械からの可聴ノイズを減少させ、同時に機械の製造又は運転時に誘発される応力の結果として、材料の磁気特性が更に低下し易くなる。
これらの課題があるにも拘わらず、本発明の1つの態様は、先端軟質材料を正常に組み込んだモータを提供し、例えば約400Hzより高い転流周波数などの高周波励起でのモータ運転を可能にする。モータを製造するための組立法もまた提供される。特にアモルファス金属のような先端材料の構成及び使用の結果、本発明は、高周波(約400Hzより高い転流周波数として定義される)で運転する多極数のモータの提供に成功している。高周波でのアモルファス金属のヒステリシス損は極めて小さく、その結果鉄損も極めて小さくなる。アモルファス金属は、Si−Fe合金と比べて導電率が極めて低く、典型的には、通常使用されるSi−Fe合金(多くの場合200μm又はそれ以上の厚さである)よりもはるかに薄い。これらの特性は共に、渦電流鉄損の低下を促進する。本発明は、これらの好ましい特質の内の1つ又はそれ以上の恩恵を受け、これによって鉄損が低いことなどのアモルファス金属の有利な性質を活用することができる構成を用いて、同時に先端材料を使用する従来の試みで直面した課題を回避しながら、高周波で効率的に運転するモータの提供に成功している。
(ナノ結晶金属)
ナノ結晶材料は、平均的な粒子サイズとして約100ナノメータ以下の多結晶材料である。ナノ結晶金属の属性には、従来の粗粒金属と比較して一般に強度及び硬度が増加して拡散率が高く、延性及び靱性が改善され、低密度、低弾性、高電気抵抗、高比熱、熱膨張係数が高く、熱伝導率が低く、及び軟磁気特性に優れていることが含まれる。ナノ結晶金属はまた、一般にほとんどのFe系アモルファス金属よりも幾分飽和誘導が高い。
ナノ結晶金属は、幾つかの方法で形成できる。1つの好ましい方法は、最初に、上記の教示された方法などを用いて必要な組成物を不定長の金属ガラスリボンとして鋳造する段階、及び該リボンを巻線形状などの所望の形態に形成する段階を含む。その後、最初にアモルファス材料が熱処理されて、その中にナノ結晶ミクロ構造が形成される。このミクロ構造は、平均サイズ約100nm未満、好ましくは約50nm未満、より好ましくは約10〜20nmの高密度粒子が存在することを特徴とする。粒子は、鉄系合金の容積の少なくとも50%を占めるのが好ましい。これらの好ましい材料は、鉄損が低く、磁気歪みが小さい。また磁気歪特性は、この成分から構成される装置の製造及び/又は運転により生じる応力による磁気特性の低下に対してこの材料を強くする。所与の合金にナノ結晶構造を生成するのに必要な熱処理は、ガラス質のミクロ構造をその内部にほぼ完全に維持するように設計された熱処理に必要な温度よりも高く又は時間よりも長く実施しなければならない。本発明の装置用の磁性要素を製造する際の使用に好適な代表的なナノ結晶合金は、例えば、Yoshizawaに付与された米国特許第4,881,989号、及びSuzuki他に付与された米国特許第5,935,347号に記載された合金である。このような材料は、日立金属及びアルプス電気から入手可能である。
ナノ結晶金属は鉄系材料であることが望ましい。しかしながら、ナノ結晶金属は、コバルト又はニッケルなどの他の強磁性材料系、又はこれらを含むこともできる。
(最適化Fe系合金)
本発明の機械はまた、最適化低損失Fe系結晶合金材料で構成することもできる。このような材料は、従来のモータで使用されていた200μm又はそれ以上、及び場合によっては400μm又はそれ以上の厚さの鉄鋼よりもはるかに薄い、約125μm未満の厚さを有するストリップの形態であることが望ましい。方向性及び無方向性材料を共に使用することができる。本明細書における方向性材料とは、構成成分である結晶粒子の主要結晶軸がランダムな方向を向かず、主として1つ又はそれ以上の好ましい方向に沿って相関付けられた材料である。方向性ストリップ材料は、上述のミクロ構造の結果として、様々な方向の励起に対して異なる反応を示すが、一方、無方向性材料は等方的に反応し、すなわちストリップ平面の任意の方向の励起に対してほぼ同じ反応を示す。本発明のモータでは、方向性材料は、磁束の主要方向にほぼ一致する磁化の容易な方向に配置するのが望ましい。
本明細書で使用される従来のSi−Feとは、珪素が重量比で約3.5%以下を含有する珪素鉄合金を意味する。重量比で珪素が3.5パーセントという限界は、より多くの珪素を含有するSi−Fe合金が金属加工素材としての特性が劣るため、当該業界によって課されたものである。約400Hzより高い周波数の磁場での運転によって生じる従来のSi−Fe合金等級の鉄損は、低損失材料の鉄損よりもかなり高い。例えば従来のSiFeの損失は、場合によっては本発明の機械の周波数及び磁束レベルで運転する機械が生じる周波数及び磁束レベルでの好適なアモルファス金属の10倍ほどである。従って、高周波運転時の従来の材料は、従来型機械ではどのような好ましい手段によっても冷却することのできない程度まで発熱することになる。しかしながら、一部の等級の珪素鉄合金は(本明細書では最適化珪素鉄と呼ぶ)、高周波機械の製造に直接適用することができる。
本発明の実施に有用な最適化Fe系合金は、重量比で3.5%より多い、望ましくは4%より多い珪素から構成される珪素鉄合金等級を含む。本発明による機械の製造に使用される無方向性Fe系材料は、本質的にFeと、約4〜7.5重量%の範囲の量のSiとの合金からなるのが望ましい。これらの好ましい合金は、従来のSi−Fe合金より多くのSiを含む。また、SendustなどのFe−Si−Al合金も有用である。
より好ましい無方向性最適化合金は、本質的にFeと重量比で6.5±1%のSiとからなる組成を有する。約6.5%のSiを含む合金は、飽和磁気歪がゼロに近い値を示すことが最も望ましく、該材料を含む装置の製造又は運転中に受ける応力に起因して、該合金は有害な磁気特性の低下を受けにくくする。
最適化の目的は、磁気歪の低減及び特に鉄損の低減を含む、磁気特性が改善された合金を得ることである。これらの有用な性質は、好適な製造方法によって作られた珪素含量が増えた一部の合金で得ることができる。場合によっては、これらの最適化Si−Fe合金等級は、アモルファス金属に似た鉄損及び磁気飽和の特徴を示す。しかしながら、約4%より多いSiを含有する合金は、短距離秩序化に起因して脆性であるので、従来の手段によって製造することは困難である。特に、従来のSi−Feを製造するのに使用される従来の圧延技法は、一般に最適化Si−Feを製造できない。しかしながら、他の公知の技法が最適化Si−Feの製造に使用される。
例えばFe−6.5Si合金の1つの好適な形態が、JFE Steel Corporation(東京都、日本)により50及び100μm厚の磁性ストリップとして供給されている(http://www.jfe−steel.co.jp/en/products/electrical/supercore/index.html参照)。Das他に付与された米国特許第4,865,657号、及びTsuya他に付与された米国特許第4,265,682号で開示された急速凝固法によって製造されたFe−6.5%Siも使用することができる。急速凝固法はまた、Sendust及び関連するFe−Si−Al合金の製造で公知である。
(ロータ材料)
本発明の機械のロータは、任意の種類の永久磁石を含むことができる。サマリウム−コバルト磁石などの希土類遷移金属合金磁石、他のコバルト希土類磁石、又は例えばNdFeB磁石などの希土類遷移金属−半金属磁石が好適である。もしくは、ロータの磁石構造は、任意の他の焼結磁石材料、プラスチック接合の磁石材料、又はセラミック永久磁石材料を含む。磁石は最大BHエネルギー積が高く、高保磁力、及び高飽和磁化を有し、並びに線形第二象限正規磁化曲線を描くことが望ましい。高エネルギー積は磁束を増大させ、従ってトルクが増大し、同時に高価な永久磁石材料の容積を最小にするので、方向性焼結希土類遷移金属合金磁石を使用するのが更に望ましい。別の実施形態では、ロータは1つ又はそれ以上の電磁石を含む。
(低損失材料を含むアキシャルエアギャップ型電気装置)
本発明の方法は、1つ又はそれ以上のロータ構造に軸方向に隣接して配置された2つ又はそれ以上のステータ構造を含む電気装置に適用される。単一のロータと2つのステータを含む例示的な実施形態では、2つのステータは、共通の軸上にロータの相対する側部に配置される。好ましい実施形態では、2つ又はそれ以上のステータは、アモルファス金属又はナノ結晶金属或いは最適化Fe系合金、方向性Fe系材料、又は無方向性Fe系材料などの低損失の高周波材料から構成される。
ステータは、低損失高周波ストリップ材料をトロイド状に螺旋巻きにより形成された金属コアを含むことが望ましい。このトロイドは、軸方向で見たときに内径と外径とを有するほぼ直円柱のシェル形状である。内径から外径まで半径方向で、且つトロイド全体の円周方向で広がる環状の端面領域が、表面積を定義する。金属コアは、軸方向に延びて、トロイドの高さを定義する。その後、巻線コアにはほぼ半径方向のスロットが機械加工され、ステータを形成する。スロットの奥行きは、トロイド高全体の一部分のみに軸方向に延びる。スロットは金属コアの端面の総面積を減少させる。図1は、ステータの内径(d)及び外径(D)を示す、ステータ10の正面図を示している。また、ステータを形成するために金属コアに機械加工されたステータスロット12の外幅(w)も示されている。スロットを削除した後に残る環状領域の部分が総面積(TA)であり、これはまた、低損失高周波材料がアモルファス金属である実施形態においてアモルファス金属エリア(AMA)とも呼ばれる。スロットは、内径dから外径Dに延びるので、トロイドのスロット部分のステータコアの内径dは連続していない。スロット空間が削除された後に、スロット奥行きまで延びるコアの環状領域の残りの部分は歯14と呼ばれる。歯及びスロットの数は等しい。
スロット12は、所与の電気装置設計用に事前に選択した巻線方式に基づいて、導電性ステータ巻線(図1には示さず)で巻かれる。好ましい巻線方式は、歯14当たりにつき1コイルを必要とする。各コイルは通常、複巻の導線を含む。この構成は、本発明の方法に基づいて最大の利点を得るために必要なステータの位置ずれ量が最小になる。しかしながら、当該技術分野で公知の任意の巻線配置が適用可能である。
また、本発明の実施で使用するのに好適なステータ構造は、本発明の譲受人に譲渡された2004年1月30日出願の米国出願番号第10/769,094号で提供され、該出願は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
図2は、電気装置の2つ又はそれ以上のステータ間に回転のために配置されるアキシャル型ロータ構造の正面図を示す。ロータ及びステータはほぼ同軸である。好ましい実施形態では、ロータ20は、交互する極性を有し、ロータの周りに円周方向に離間して配置された複数の磁石22を含む。位置、角度、傾き、形状などといったロータ磁石の様々なパラメータについては、当該技術分野で周知のように様々とすることができる。しかしながら、それでも尚、本発明の方法は、結果として得られる電気装置に適用される。
好ましい実施形態では、ロータは複数の永久磁石を含む。幾つかの実施形態では、ロータ磁石はロータの厚さを貫通して延びるが、他の実施形態ではロータ磁石は貫通して延びない。ロータ配置は、例えば、各々がN極とS極を定める相対端部を有する、SmCo、鉄希土類(NdFeB)、又は鉄コバルト希土類(NdFe,CoB)磁石などの希土類遷移金属磁石又は希土類遷移金属−半金属磁石である、円周方向に離間して配置された高エネルギー積の永久磁石を含むディスク型又はアキシャル型ロータが望ましい。ロータ20及びロータ磁石22は、モータ軸を回転するために、例えばシャフト又は任意の他の最適な配置で磁石の極が2つ又はそれ以上のステータに隣接する所定経路にそってアクセス可能であるように支持される。通常、シャフトは、回転機械で公知の任意の好適なタイプの軸受で支持される。ロータの磁石エリアは、外径及び内径を有する。好ましい実施形態において、アキシャルエアギャップ型ロータでは、磁石22の外径及び内径は、ステータ10の外径及び内径とほぼ同一である。磁石22の外径がステータ10の外径よりも大きい場合、ロータの外側部分は性能にはあまり寄与しない。ロータ20の外径がステータ10の外径よりも小さい場合には、電気装置の性能が低下する結果となる。いずれの場合も、一部の硬質又は軟質磁性材料は、機械のコスト及び重量を増加させるが、性能は改善しない。場合によっては、余分な材料が機械の性能を損なうこともある。
(毎相毎極スロット比)
本明細書において、極とは、時間的に変化しない磁場を意味するが、ここでは、変化する磁場と相互作用する、すなわち大きさ及び方向が時間及び位置と共に変化するDC磁場をも意味する。従って、好ましい実施形態では、ロータ上に取り付けられた永久磁石は、DC磁場、すなわち、DC極とも呼ばれる幾つかの時間的に変化しない磁極を提供する。他の実施形態では、DC電磁石がDC磁場を提供することができる。ステータ巻線の電磁石は、変化する磁場、すなわち時間及び位置の両方で変化する磁場を提供する。
電気装置の毎相毎極スロット(SPP)の値は、ステータスロット12の数をステータ巻線の位相の数及びDC極の数で除算することで求められる(SPP=スロット/相/極)。SPP値の計算では、1つの極は、変化する磁場と相互作用するDC磁場を意味する。1つのスロットは、本発明の機械のステータの交互する歯の間の間隔に基づく。
本発明の技法は、任意のSPP値を有する電気装置に適用可能である。有利には、本発明の機械の設計は、最適なSPP比率の選択においてかなりの柔軟性をもたらす。好ましい実施形態では、永久磁石22は、DC磁場、従って幾つかのDC極を提供する。他の実施形態では、DC電磁石構造がDC磁場を提供する。ステータ巻線の電磁石は、変化する磁場、すなわち時間及び位置の両方に伴って変化する磁場を提供する。
従来型の機械は、優れた巻線分布によって、許容可能な機能性及び騒音レベルを得てより平滑な出力を供給するために、1〜3のSPP比率を有するように設計される場合が多い。しかしながら、末端巻線の影響を低減するために、例えば0.5などの低いSPP値を備えた設計が求められている。末端巻線は、スロット間の巻線を接続するステータ内の導線の一部である。このような接続は勿論必要であるが、末端巻線は機械のトルク及び出力には寄与しない。この意味において、末端巻線は、必要な導線の量を増やし、機械のオーム損の原因となると共に、どのような利点ももたらさない点で望ましくない。従って、モータ設計者の1つの目的は、末端巻線を最小にして、騒音及びコギングを処理しやすいモータを提供することである。他方では、本発明のモータの好ましい実施は、SPP比率を低下させると共に望ましくは騒音及びコギングを低下させることができる。このような利点は、極及スロット数を多くして運転することで得られる。これらのオプションは、必要とされる転流周波数の増大は、先端低損失ステータ材料を使用しない場合には許容できないので、これまでの機械では実行可能ではなかった。
幾つかの用途では、小数値のSPPでモータを構成することは、このようなモータが1つのステータ歯の周りに配置された予成形コイルを採用できるので好都合である。本発明の機械の別の実施形態では、SPP比率は、0.25、0.33、0.5などの整数比である。1.0、又は1.0よりも大きなSPP値でも可能である。SPP値は、約0.25〜4.0の範囲が望ましい。しかしながら、本発明の機械のより好ましい実施形態は、1又はそれ未満、及び更に望ましくは0.5又はそれ未満のSPP比率で設計されるのが有利である。複数のスロットに結線して1つの共通磁場域にすることは可能であり、これによって0.5より大きいSPPが提供される。これは、ロータの極数よりステータのスロット数の方が多い結果であり、分散巻線が得られる。0.5以下のSPPの値は、分散巻線がないことを示す。業界の慣例では、ステータには分散巻線を含むものとする。通常、分散巻線で設計された先行技術の機械は、1極当たりのスロット数が多く、その結果低周波運転となる。従って、0.5又はそれ未満のSPPを有し、低周波で運転する従来型機械では、極数は少なくコギングが高く、制御するのが困難となる。他方、本発明の機械において先端磁性材料の使用により転流周波数を引き上げることができるので、SPP値を低く維持でき、同時に機械速度を低下させることなくコギングを最小のままにすることができる。しかしながら、本発明の方法は、0.5を下回る(例えば0.25)SPP値を備えた電気装置に適用可能であるが、要求される高転流周波数での機械のリアクタンスが増加し、ロータ磁石からの漏洩磁束が幾分増大し、より小さく多数のロータ磁石を適応させるのに機械的支持が必要であることを含めて、実際の検討事項によってはこのような構成が望ましくないようになる。多くの場合、電気装置の他の重要なパラメータにとっては不都合である。
他方、SPP値の増加は、効率的に機械の極ピッチを増大させる。例えば、複数のステータスロット12は、共通磁場域に結線することができ、これは0.5より大きい毎相毎極スロット(SPP)値に対応する。このような構成は本発明の実施に適用できるが、増加することが望ましいステータの移動量は、幾つかの用途では欠点となる。
本発明の機械は、単相装置として、又はステータの各々に任意の数の相及びこれに比例した数の巻線を備えた多相装置として設計し運転できるが、業界の慣例に従って3相巻線を備えた3相機械が好ましく、優れた出力密度と共に硬質及び軟質双方の磁性材料の効率的な利用を可能にする。0.5のSPP比率の実施形態は、3相用途に特に好適である。例えば、スロット/極/相比率=0.5の3相機械では、ロータの極数はステータのスロット数の2/3であり、スロット数は相数の倍数である。該機械は通常、業界の慣例に従って3相Y字接続で結線されるが、デルタ接続も採用することができる。
(低損失材料を用いた多極数・高周波設計)
特定の実施形態において、本発明はまた、高周波、すなわち約400Hzより高い転流周波数で運転する多極数のアキシャルエアギャップ型電気装置を提供する。幾つかの場合では、該装置は、約500Hz〜3kHz又はそれ以上の範囲の転流周波数で運転できる。通常、設計者は、Si−Feなどの従来のステータコア材料は多極数で必要となる比例する高周波で運転できないので、高速モータでは多極数が回避される。特に、Si−Feを用いる公知の装置は、材料内の磁束の変化によって生じる鉄損に起因して、400Hzより大幅に高い磁気周波数でスイッチングすることができない。鉄損は、その限度を超えてはどのような許容可能な手段でも装置を冷却することができない温度まで材料を加熱させる。一定の条件下では、Si−Fe材料の発熱が非常に激しく、機械を全く冷却できず自壊することになる。しかしながら、アモルファス金属、ナノ結晶金属及び無方向性金属の低損失特性は、従来のSi−Fe材料よりもはるかに高いスイッチングレートを可能にすることが明らかになった。好ましい実施形態では、METGLAS(登録商標) 2605SA1合金などのアモルファス金属合金の選択は、高周波運転での発熱によるシステムの制約を取り除いたが、他方、ロータ設計及びモータの全体構成もまた、アモルファス材料の特性を有効に利用するように改善された。
極めて高い励起周波数を使用する能力により、本発明の機械を広範囲の使用可能な極数で設計することが可能となる。本装置の極数は、機械の許容サイズ(物理的制約)及び予想性能範囲に基づく変数である。極数は、許容励起周波数限界の条件下で、磁束漏洩が望ましくない値にまで増大するか、性能が低下し始めるまでは増やすことができる。また、ステータのスロットはロータの磁石と一致しなければならないので、ロータの極数に基づくステータ構造により与えられる機械的限界が存在する。加えて、ステータに作製できるスロット数に関する機械的及び電磁気的限界が存在し、これはまた、機械のフレームサイズの関数である。銅及び軟質磁性材料の適切な平衡を備えて所与のステータフレームについてスロット数の上限を決定するために幾つかの境界を設定することができ、この境界は、性能が良好なアキシャルギャップ型機械のパラメータとして使用することができる。本発明は、ほとんどの機械について業界値よりも約4〜5倍多い極数を備えたモータを提供する。
一例として、6〜8極を有する業界で一般的なモータでは、約800〜3600rpmの速度のモータについて転流周波数は約100〜400Hzである。転流周波数(CF)は回転速度と極ペアの数を乗算した値であり、ここで極ペアとは、極数を2で除算した値、及び回転速度とは毎秒回転数を単位とする値である(CF=rpm/60×極数/2)。また業界で利用可能な装置は、極数が16以上であるが、速度は1000rpm未満であり、これは依然として400Hz未満の周波数に対応する。もしくは、極数が比較的に少なく(例えば約6極未満)、最大速度が30000rpmのモータも可能であるが、その転流周波数は依然として約400Hz未満である。代表的な実施形態として、本発明は、96極、1250rpm、1000Hz;54極、3600rpm、1080Hz;4極、30000rpm、1000Hz;及び2極、60000rpm、1000Hzといった機械を提供する。本発明の高周波モータは、従来の材料及び設計で作製された公知のアキシャルエアギャップ型モータよりも約4〜5倍高い周波数で運転できる。本発明のモータは、同じ速度範囲で運転した場合に業界で一般的なモータよりも効率的であり、その結果高速というオプションを提供する。本構成は、大型モータの構成に特に魅力的である。極めて大型の機械は、多極数(例えば少なくとも32極)と高整流周波数(例えば500〜2000Hzの周波数)の組み合わせを用いて、本発明による高エネルギー効率、高出力密度、組立て易さ、及び高価な軟質及び硬質磁性材料の効率的な使用を組み合わせた方法で製造することができる。
(熱特性)
従来のSi−Fe合金を用いた電気機械、及びアモルファス金属、ナノ結晶金属、最適化Si−Fe合金、方向性Fe系金属又は無方向性Fe系金属を用いる電気機械の両方を含む全ての電気機械において、装置の出力効率を制限する特性の1つは、廃熱のエネルギー損失である。この廃熱は、幾つかの発生源に由来するが、主として、巻線のオーム損、表皮並びに近接効果損、磁石並びに他のロータ構成要素における渦電流によるロータ損、及びステータコアの鉄損に由来する。大量の廃熱が発生するため、従来型機械はすぐに廃熱を取り除く能力の限界に達する。従来型機械の「連続的出力限界」は、発生する廃熱の全てを放散しながら機械が連続的に運転できる最大速度によって決定される。連続的出力限界は、電流の関数である。
本発明の実施において最適に適用可能な高周波、多極数の電気装置では、廃熱の発生が少なく、これは、アモルファス材料、ナノ結晶材料、最適化Si−Fe合金材料、方向性Fe系材料又は無方向性Fe系材料の損失が、従来のSi−Feより少ないことに起因する。設計者は、周波数、速度及び出力を増大させて、次に低鉄損対オーム損を正確に平衡を取り且つ「交換」することで、これらの材料の低損失特性を利用できる。全体として、本発明で最適に適用可能な高周波、多極数の電気装置は、従来型機械と同じ出力では低損失を示し、従って高いトルク及び速度を示し、その結果、従来型機械よりも高い連続的速度限界を達成できる。
(効率の改善)
本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置の1つの利点は、同時にコスト効果を維持しながら装置の効率を最大化する能力である。効率は、装置の有効出力を入力で除算することによって定義される。本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置は、多極数と同時に高転流周波数で動作し、その結果、低鉄損及び高出力密度を有するより効率的な装置が得られる。400Hzの高い周波数限界は業界規格であり、それを超える実用化は存在するとしても僅かである。
本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置の性能及び効率改善は、単に従来のSi−Feをアモルファス金属で置き換える内在的特徴ではない。多数の設計が提案されてきたが、これらは性能上の不具合を生じた(過熱及び低出力を含む)。この不具合は、大部分が、単に新規材料(例えばアモルファス金属)及び生産方法を従来の材料(重量比で3.5%以下のSiを含有するSi−Fe)向けに設計された方法及びこれに好適な方法で適用した結果として生じたと考えられる。過去の性能上の不具合は、アモルファス金属をモータへの加工に関して認められるコストと相まって、当該業界の全ての企業がこの研究を放棄する原因となった。
本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置は、アモルファス材料、ナノ結晶材料、最適化Si−Fe合金材料、方向性Fe系材料又は無方向性Fe系材料の特性を利用する回転電気装置の設計を通じて、先行技術の性能上の不具合を克服する。また、様々な改善された材料の物理的及び機械的特性と適合性のある製造方法も提供される。これらの設計及び方法は、400Hzより大きな転流周波数、多極数、高効率、及び高出力密度で動作することを含め、種々の有利な性質の一部又は全てを有する機械を提供する。他の従来型方法は4つの性質の内のせいぜい1つ又は2つの性質を有するモータを提供することができたが、本明細書で提示される実施形態では、4つの性質の内の一部及び望ましくは全てを同時に示す高周波数、多極数の電気装置がある。
多数の実施形態において、本発明の高周波数、多極数の電気機械は、有利には高い効率損失を示す。該改善への大きな寄与は、ヒステリシス損が有意に減少したことに起因する。当該技術分野で公知のように、ヒステリシス損は、全ての軟質磁性材料を磁化する間に磁壁移動を妨げることにより生じる。一般に、従来の方向性Si−Fe合金及び無方向性モータ鋼及び電気鋼などの従来使用される磁性材料におけるこのような損失は、本発明の機械で採用されるのが望ましい改善された材料よりも大きい。高損失は、コアの過熱の原因となる可能性がある。効率向上の結果として、本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置は、より大きな連続的速度範囲を達成することができる。従来型モータは高速範囲(低出力)では低トルクを提供し、低速範囲では高トルクを提供する点で制限されている。本発明で最適に適用可能な高周波数、多極数の電気装置は、高速範囲で高トルクを有する電気装置の提供に成功している。
(ステータの位置ずれ)
本発明の1つの態様では、1つ又はそれ以上の基準ステータに対して電気機械の1つ又はそれ以上の回転ステータを選択的に制御する方法が提供される。「選択的整列」又は「位置ずれ」とは、基準ステータ及び回転ステータ並びに関連するロータが全て同軸に配置され、1つ又はそれ以上の基準ステータの対応する歯及びスロットに対して、本発明の機械の1つ又はそれ以上の回転ステータの歯及びスロットの角度変位又はオフセットを意味する。幾つかの実施形態では、機械の1つ又はそれ以上の基準ステータは、機械のハウジングに対する固定位置に配置され、該ハウジングは通常、機械が接続されている機械システムの追加要素に固定される。或いは、基準ステータ及び回転ステータの両方は、所望の位置ずれを生じるため、ハウジングを基準にして角度的に回転可能にすることができる。いずれの場合でも、該位置ずれは、ステータ間で相対的に求められ、モータフレーム又はハウジングに基づいていないものとして理解される。
本発明の選択的整列方法は、特にアキシャルエアギャップ型電動機及び発電機に適用可能である。該電気機械の1つ又はそれ以上の回転ステータの位置ずれ制御は、該電気機械の様々なパラメータを調節することになる。例えば、ステータ構成は、ほぼ一定の電圧特性を維持し、又はトルクリップルを低減又はほぼ除去するよう適応して調整される。
本発明の方法では、アキシャルエアギャップ型機械のステータの少なくとも1つが、基準ステータに対して共通シャフトの周りで軸方向に意図的に回転させ、結果として回転位置ずれを生じる(すなわち、1つのステータが他のステータに対して方位角の「オフセット」が起こる)。従って、意図的に位置ずれしたステータの磁場パターンの正弦波形(すなわち正弦又は近正弦)は、ロータの位置では同期しない(すなわち、最適ではないが電気的位相がほぼ一致する)。発生するEMFは、ステータにより生成される正弦波形の重ね合わせの関数なので、重ね合わせて生成された波形の任意の変化は、電気装置で発生するEMF特性に変化をもたらす。
本発明の多くの実施形態は、1つのロータと2つのステータとを含む電気装置で図示されているが、本発明の方法は任意の数のステータを含み任意の数のロータを共有する電気装置にも適用可能である。例えば、本機械は、共通シャフトの周りに2つのロータを含むことができ、その各々が軸方向に隣接するステータの間に配置され、該ステータの歯がこれらの間のロータのそれぞれの相対する側部に面する。これらの実施形態の幾つかでは、ロータは共通シャフト上で結合される。
(ロータ極ピッチ及びステータスロットピッチ)
ステータの所望の角度の位置ずれは、本発明の方法の様々な実施形態において、ロータの極ピッチ又はステータのスロットピッチのいずれかを基準として定義される。スロットピッチは、隣接するステータの電気スロットの中心間の回転方向の距離として定義される。図1は、18個の電気スロットを有するステータのスロットピッチを示している。しかしながら、スロットピッチは従来は度数で測定されたが、ラジアン又は角度測定において当該技術分野で公知の他の所望の単位を適用することもできる。
極ピッチは、隣接するロータ磁極の中心間を測定した回転方向の距離として定義される。図2は、12つのロータ磁石から構成されるロータの極ピッチを示す。同様に従来では極ピッチは度数単位で表されているが、ラジアン又は角度測定において当該技術分野で公知の他の所望の単位を適用することもできる。
極ピッチ及びステータピッチの両方は、度などの機械的又は電気的な角度単位で指定することができる。電気角度は、転流の各周期期間を基準にして測定され、その間に機械シャフトが(同期運転で)2極機械では1回転、又は2つ以上の極を有する機械ではその割合だけ回転する。最も一般には、トルクリップル及びコギングが最小化となるべき用途での位置ずれは、スロットピッチに基づく機械角度で測定される。バックEMFが制御されることになる用途では、極ピッチに基づく機械角度を採用してステータの位置ずれ動作を測定するが、所要の電気的応答のためには電気角度を採用する。DCバスリップルを最小化する用途では、通常、転流周波数に対するDCバスリップル周波数の固有な6:1の比率の2分の1に基づいて、極ピッチを基準にした電気角度で指定される。
本発明の実施では、少なくとも1つのステータが基準ステータに指定される。すなわち、1つ又はそれ以上の回転ステータの位置ずれ角度は、基準ステータを基準にして測定される。本発明の幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上の基準ステータが固定され、他方、1つ又はそれ以上の回転ステータは、1つ又はそれ以上の基準ステータに対して所望の量だけ回転することが許容される。この相対的回転量は、所望の位置ずれ角度に応じて、0度(最小)から1極ピッチ(最大)、又は1スロットピッチ(最大)にすることができる。また、1つ又はそれ以上の基準ステータ及び1つ又はそれ以上の回転ステータの両方が、所望の回転位置ずれ量、すなわち相対的な位相差を達成するために移動する実施形態が提供される。
本電動機の幾つかの実施形態は、2つより多いステータと1つのロータとを採用する。このような機械では、少なくとも1つのステータが基準ステータとして指定され、他のステータは、通常は整列し且つ基準ステータからオフセットした回転ステータである。より好ましくは、回転ステータは、独立して整列可能である。このような実施形態の整列手段は、各調節可能なステータに別個の駆動システムが必要となるが、柔軟性が確実に付加されることになる。例えば、2ロータ、4ステータの実施形態では、3個のステータが、トルクコギングを低減するため一般に好ましい量だけ基準からオフセットすることができる。バックEMFを制御するためには、回転ステータは、主電動機又は回生モータの用途で要求される場合のある必要な加速応答に一致した最良の減少を達成するよう適応的に制御することができる。DCバス電気リップルが最小化されることになる機械では、自由度の追加により、最適化された2ステータ、1ロータの実装で可能な干渉より大きな種々のステータのDC寄与間の破壊的干渉を生じる位置ずれパターンを選択できる。
(端子間定電圧の維持)
ステータ巻線を並列に電気配線することは可能であるが、通常、本発明の実施には好ましくない。例えば、波形30のような1つの波形は、一般に任意の瞬間において他の波形32とは異なる(高い又は低い)電圧を有する。それ故、並列接続では1つのステータから他のステータに有意な電流が流れる確率が高い。このような電流は、環流として知られている。その存在は出力損失及び内部発熱を引き起こす。環流はどのような有用なトルクをも提供せず、場合によっては電気装置に有害となる可能性がある。それにも拘わらず、ステータ巻線の並列接続は、本発明により禁止されない。
本発明の好ましい実施形態では、2つ又はそれ以上のステータの巻線は電気的に直列接続され、従って、これらの電気波形は数学的に加算される。2つのステータ巻線に対応する波形30及び32が直列接続されている図3〜9で示すように、任意の瞬間(すなわち波形34)に得られる電圧は、その瞬間の2つのそれぞれの波形の瞬間電圧の総和である。当該技術分野で公知のように、周波数は同じであるが位相が異なる2つの正確な正弦曲線波形の加算は、周波数は同じであるが構成要素波形の波形から位相がシフトした別の正弦曲線になる。
ある態様では、本発明は、端子間定電圧が維持されるように電気機械を運転する技法を提供する。これらの技法の1つの実装では、単一のロータの反対側に配置された2つのステータを含む電気装置という観点で示される。図3〜9のグラフは、様々な量のオフセット量で位置ずれしている2つのステータの波形を重ね合わせた結果を示す。図では、一方のステータは固定にされ(ステータA)、他方のステータは回転可能である(ステータB)。図3〜9の各々の図において、ステータAの波形は30で表記され、他方ステータBの波形は32で表記されている。2つの波形の重ね合わせ(加算)は34で表記される。
定電圧運転の間、速度の増大と共に発生するEMFは、0%の極ピッチの位置ずれでベース電圧100%から100%の極ピッチの位置ずれでベース電圧0%までの範囲にわたる。従って便宜上、位置ずれ角度は、1つ又はそれ以上のステータの極ピッチという形で表される。位置ずれ角度は、位置ずれなし(図3)から最大1極ピッチ位置ずれ(図9)まで変化する1極ピッチの小数で表される。位置ずれの中間値は、それぞれ電気的に30、60、90、120、150、及び180度の位置ずれについて、図4〜8の波形になる。
図3は、最小の位置ずれ又は位置ずれがないときの各ステータについて、ほぼ同一の波形30、32を重ね合わせた代表的な実施例を示す。ステータの相対的回転はゼロであるので、両ステータは100%位相が一致している。2ステータの各々からの寄与からなる波形30及び32はほぼ一致し、相乗的に付加されて波形34を生成する。従って、ステータからの波形が強め合うように追加されて、ロータの位置でステータの最大磁束寄与を示す、最大(ほぼ2倍)振幅を有する同相同期の正弦波形34を生成するので、機械で発生するEMFも最大となる。
回転ステータ(ステータB)は基準ステータに対して位相がずれて回転するので、2つのステータからの波形の重ね合わせは、図3の最大値より少なく追加される。電気装置のシステムでは、これは、ロータの位置での2つのステータからの磁束が最大振幅より小さいことを示す。従って、発生するEMFの合計は、ステータの位置ずれ角度の関数として減少し、2つの位相のずれた波形を重ね合わせた値が異なる結果となる。例えば図7は、発生するEMFを初期値の1/2にまで低減するためには、ステータが極ピッチの2/3の位相差だけ位置ずれすべきであることを示している。従って、結合された同期的に発生するEMFは、回転ステータが基準ステータに対して位置ずれしたときに、振幅がゼロにまで減少し、回転可能なステータが1極ピッチだけ位置ずれしたときに振幅ゼロが発生する(図9を参照)。
図3〜9の波形は、純正弦関数として示される。方形波、台形波、三角波などの様々な周期の波形の重ね合わせを正弦波形としてモデル化することができる。このような波形は、例えば、可変速駆動用途で用いられるタイプのパワーエレクトロニクス・コントローラによって生成される。純正弦波は好ましいが、近似純正弦波もまた良好な結果をもたらす。図10は、直列接続された2つのステータによる極ピッチの1/2だけ位置ずれした2種類の台形波形35、36を重ね合わせた結果を示す。図示のように、本発明は2つの台形波形で実施することができるが、結果として得られる三角形波形37は、元の台形波形により歪んでいる。本発明を近似正弦波で実施すると、出力として波形形状に歪みの少ない振幅変化を生成することになる。通常、近正弦波形を使用すれば、より単純なパワーエレクトロニクスを本発明の機械の好ましい実施形態と組み合わせて使用することができる。
位置ずれの結果として、1つ又はそれ以上の回転ステータは、基準ステータに対して「位相ずれ」していると呼ぶことができる。上記の説明において、回転位置ずれの量は、極ピッチの関数として定義される。ステータBの回転角度は、発生するEMFの減少に直接関係付けることができる。しかしながら、この減少は、正比例ではなく正弦関数的に回転に関連付けられる。例えそうであっても、極ピッチと発生するEMFの減少との間の直接的な関係は、直列接続を伴う実施形態で確立することができる。
可能な限り少ない回転移動で位置ずれが達成され、同時に発生するEMFの所望の低減が得られるのが理想である。必要な回転移動を最小にすることで、回転を処理するために用いられる設計及び構成要素(例えば軸受、合わせ面、回転装置など)を単純化することができる。
本明細書で上述したように、従来技術で見られる極ピッチ値が大きく極数の少ない機械は一般に、本発明の実施には好ましくない。極ピッチの大きな機械では、発生するEMFの減少が僅かであっても、十分な位置ずれを達成するのに必要とされる物理的な回転量が大きすぎて、機械的に実用的でない場合がある。少い極数の機械における位置ずれの回転弧長は長く、制御しにくい。従って、先行技術では通常、エアギャップ長の削減(例えば米国特許第2,892,144号及び第2,824,275号)、又はロータ及びステータ間のオーバーラップの削減(米国特許第403,017号及び第6,555,941号)など、他の手段を用いてアキシャルエアギャップ型機械でEMFの削減を追求した。
しかしながら、回転位置ずれの実施は、極ピッチが本質的に小さい多極数の機械においてはるかに容易である。従って、発生するEMFを大幅に低減させるための位置ずれの回転弧の長さは、多極数、高周波機械では従来型機械よりもはるかに短い。本方法は、上述のアモルファス金属及びナノ結晶金属、及び最適化方向性及び無方向性Fe系金属を含む、先端軟質磁性材料を用いる高周波、多極数、小極ピッチのアキシャルエアギャップ型電気装置に有利に適用される。
従って、本発明は、エアギャップの軸長の削減、又はロータ及びステータ間のオーバーラップの削減を必要とせずに、発生するEMFを減少させる方法を提供する。しかしながら、本発明の回転位置ずれの方法は、エアギャップの削減、又はロータとステータ間の物理的オーバーラップの変更を含む方法と組み合わせて任意選択的に実施される。
(トルクリップルの低減)
幾つかの実施形態では、本発明の機械の1つ又はそれ以上の基準ステータに対して1つ又はそれ以上のステータを選択的に整列する技法もまた、トルクリップルを低減させるために実施できる。
電気機械の設計者は、トルク変動を排除してほぼ一定トルクで平滑な出力を生成することを試みることが望ましい。機械は、ロータの角度位置によって変化しないトルクで運転することが望ましい。しかしながら、所与の電気装置では、ほとんど不可避的に、磁気回路の透磁率が他の位置よりも高いロータ位置が幾つか存在する。これらは、ゼロ電流及び印加電流の条件の両方でロータのトルクが増大する固有位置である。電動機分野では、トルクコギングとトルクリップルとが識別される場合が多い。トルクコギングとは、機械への電流の入力/出力がない回転位置でのトルクの摂動又は変動を意味するが、他方、トルクリップルは、運転中すなわち動力負荷時のトルク変動を意味する。しかしながら、リップル及びコギングは物理的に関連する現象であり、時として同義的と見なされる。トルクリップルは、電気装置の設計及びパワーエレクトロニクスの運転の両方の影響を受ける。トルクコギングは、機械設計パラメータに大部分は依存する。しかしながら、本発明は主として電気装置の設計に関係するので、トルクコギング及びトルクリップルは共に考慮される。
ロータ内の磁石は、磁石がステータ歯と真直ぐに一列であるときに、ステータに最大の磁束鎖交をもたらす。従って、本発明の機械では、この物理的整列の位置を変更することで、すなわち基準ステータに対してステータを回転位置ずれさせることで、それぞれのステータが最大の瞬間磁束鎖交を示す角度位置は一致しない。例えばステータは、他のステータが最小磁束鎖交を示す位置であるステータが最大の磁束鎖交を生じるように位置ずれさせることができる。従って、最適に選択された整列は、リップルの周波数が増大するにも拘わらず、トルクリップルの振幅を大幅に低減させる。
トルクリップルは、速度に依存せず、スロットピッチの位置ずれ0%のときの最大値(100%)とスロットピッチ移動50%のときの最小値との間で変化する。従って、トルクリップルを減少させる位置ずれ角度又はオフセット量は、スロットピッチの形で表すことができる。トルクリップルを最小化するための位置ずれの最適の回転角度は、基準ステータに対して回転ステータを正確に1/2スロットピッチだけオフセットさせたものである。
図11及び12は、電流がゼロ、ステータが1/2スロットピッチ(正弦波形70)だけ位置ずれし、ステータが整列された(正弦波形72)ときに生成された摂動を基準に正規化されたトルク摂動を示す。ロータ磁石の磁束は、正弦波形74で表される。
図11〜12で示される図はSPP値が0.5の電気装置であるが、本方法は、等しく他のSPP値を有する機械にも適用される。基準ステータに対して1/2スロットピッチの量だけ位置ずれした回転ステータでは、一般にトルクリップル振幅は1/2だけ減少し、トルクリップル周波数は2倍だけ増加する。トルクリップルの固有周波数は種々のSPP値で異なる。例えば、SPP値が0.5の電気装置のトルクリップルは、電気装置の転流周波数の6倍の特性的な固有周波数を有する。
上述したように、2つのステータの互いに対する位置ずれもまた、発生するEMFを減少させる。SPP値が0.5において発生するEMFの減少量は、ステータがスロットピッチの1/2だけ位置ずれした場合、約3.5%である。非基準ステータについてスロットピッチ回転の1/2より大きな回転は、実際には、スロットがより一直線になり磁束鎖交を増大させるので、トルクリップルを同様に増大させる。スロットピッチの1/2だけ回転する場合、設計者は、トルクリップルの50%減少に対し出力の3.5%低下を受け入れる。他のSPP比率に対するトルクリップルの動作は、同様に求めることができる。
(複数ロータ機械のトルクリップルの除去)
本発明の別の態様では、選択的整列の技法がまた、トルクリップル及びコギングを低減し、或いは望ましくはトルクリップル及びコギングを実質的に除去するために適用することができる。2つ又はそれ以上のロータを含む電気装置の実施形態では、ロータ並びに基準ロータに対するステータの最適な回転位置ずれにより、トルクリップルをほぼ取り除くことができるようになる。
1つのロータを含む電気装置の実施形態が説明の目的で使用されるが、本発明の技法は、複数のロータを含む実施形態で実施することができる。共通シャフト上にある2ロータを含む設計では、各ロータは1つ又はそれ以上のそれぞれのステータによって駆動することができる。また、ステータの構成において、幾らかの柔軟性がある。例えば、2ロータ、4ステータの電気装置では、互いに物理的に最も近接するステータは1つの共通ステータに結合することができ、効果的で効率的な2ロータ、3ステータ機械を生成するであろう。
このような実施形態では、2つのロータは共通シャフト上に取り付けられる。従来の設計では、2ロータは、磁極が円周方向に整列するように取り付けられる。しかしながら、トルクリップルを除去するために本発明の選択的整列の技法を実施するため、2つのロータは、一方のロータが他のロータに対してスロットピッチの1/2だけ回転するように位置ずれし、同時に、それぞれのステータもまたロータに一致するように位置ずれする。従って、トルク摂動は、180度の位相ずれがあり、互いを効率的に打ち消し合う。
ロータ並びにステータの選択的整列の技法は、トルクリップルに対する高次の高調波変動の寄与を除去できない場合がある。実際、これらの高調波の一部は、位置ずれによって相乗的に高められる可能性がある。しかしながら一般には、これらの高次項は、第1次項よりもはるかに小さな大きさであり、従って、ほとんどの電気装置の用途で無視することができる。また、トルクリップル波形が完全な正弦波でない可能性もあり、これはまた幾分かの歪みを含む重ね合わせを生じることになる。
(電気リップルを低減するためのデュアル全波整流器の使用)
リップルは更に、電動機械分野において機械の電気的特性の一定のAC態様を言及するのに使用される。全波整流器などの整流手段は、巻線から多相AC出力を取り出して、比較的平滑なDC出力に変換するために多数の先行技術の発電装置、特に交流発電機で使用される。3相用途では、この整流作用は、従来「全波ブリッジ」又は「ダイオードブリッジ」として知られる6つのダイオード配置により行われる。また他のダイオードブリッジ配置は、3相以外の接続を有する単相及び多相システムが公知である。ブリッジへの入力は、巻線で生成される正弦電圧/電流であり、出力はDCバスとして公知のDCレベルである。図24は、単相、振幅0.5(任意の単位)の正弦AC出力、及び対応する全波整流単相AC出力、及びDCバス上での結合された3相出力を表す単一のグラフを示す。DCバスの電圧は一定とされる場合が多いが(すなわち、Vdc=Vrmsline×(〜1.35))、実際にはDCバス波形は、平均的であるが厳密には一定のDCレベルと小さなAC成分との重ね合わせである。全波ダイオードブリッジ構成での公称DCバス電圧の一般的な変動を図24に示す。AC成分、すなわちバスの平均DCレベルからの変動は、電気リップルとして知られている。一般に電気リップルは、平均DCレベルからのパーセンテージ(誤差)で表される。理想3相全波ブリッジでは、このリップルは元の正弦位相電圧のいずれかの周波数の6倍の周波数で生じる。
電気リップルは多くの理由で望ましくない。これらの理由は、自動車用途でバッテリ充電特性が不十分、全ての装置において高調波損失が増大する、DCレベルを誤差のない正弦波電圧に変換することが困難なことを含めて良く知られている。従って、DCバス上で電気リップルを低減させ、好ましくは取り除くことが望ましい。
DCバス上でリップルを低減する従来の方法は、DC負荷に並列接続された1つ又はそれ以上のキャパシタを備えることであった。これらのキャパシタは、リップルの量を許容可能なレベルにまで低減するよう動作する。しかしながら、キャパシタは高価であり、特に大型キャパシタはサイズが嵩高である。それ故、キャパシタは電気機械のコストを押し上げて、特にサイズが考慮される場合は機械に配置することが困難である。場合によっては、キャパシタはまた、信頼性の問題も提示する場合がある。図25は、典型的な先行技術の電気機械においてDC負荷の両端に接続されたキャパシタなどの概略図を示す。このキャパシタンスの追加は、不要のリップルが除去される、すなわち純DCレベルをフィルタ除去する点でフィルタリングとして知られている。図26は、図25の構成によって生成された典型的な先行技術により整流した3相電圧を示す。DCバス上に小量のリップルが見られる。図27は、このリップルを詳細に示す。図28は、図25に示すような電気機械構成に関連する典型的なリップルが重ね合わされた平均DC出力を示す。
ここで図29を参照すると、3相型のデュアル全波ダイオードブリッジと3相巻線のデュアルステータとを備えた電気機械が示される。ブリッジの1つは、各それぞれのステータに関連付けられ、そのステータの巻線に接続される。対照的に、典型的な先行技術の構成では、ステータ出力は、シングル全波ブリッジに接続される前に結合される。図29で示すデュアル全波ダイオードブリッジ配置は、上述のようにステータが互いに対して回転方向でオフセットするように選択的に整列(位置ずれ)されるデュアルステータに特に有用である。ある実施形態では、1つのステータが他のステータに対して物理的に回転し、30度の電気的オフセットである選択的整列になる。これらのデュアルダイオードブリッジ整流器の出力は、並列に接続される。共同のDCバス上で生成されたリップルは、上述の30度オフセットの結果として、他のブリッジの谷によってオフセットされる1つのブリッジから複数のピークを有する。リップルの不完全な正弦波性質により、リップルの低減はゼロにはならない。しかしながら、新しい結合されたリップルは、公称上振幅が1/4で周波数が2倍の波形を有する。すなわち、結合した信号のピーク間隔は、成分波形のピーク間隔の1/2である。理想的な場合、新しいDCリップルは先行技術のリップルの振幅の約1/4となり、先行技術のリップル周波数の2倍で生じるようになる。更に、図32で示すように、デュアル全波ダイオードブリッジ及び小さなキャパシタを用いる電気機械構成の平均DC出力は、1つの全波ダイオードブリッジのみを備えて示される先行技術の構成とほぼ同じである(すなわち、図示の特定のシミュレーションで11KW)。例えば、図29で示された構成のデュアル全波ダイオードブリッジ構成は、追加のダイオードブリッジのコストが付加されるが、小さなキャパシタによるコスト低減及び小さなキャパシタに必要なスペース削減によってかなり節約が可能となる。加えて、各ダイオードブリッジ及びその個々のダイオードは、同じ出力定格の機械に使用される従来のシングルブリッジで搬送される電流の半分だけを伝送し、安価なダイオードの使用が可能となる。
リップル周波数の増加及びリップル振幅の低減による追加の結果として、リップルを許容可能なレベルまで低減するには、はるかに小さなキャパシタンスで十分である。図29に示すように、従来必要とされるキャパシタンスの僅かに約1/8を使用することができ、更にDCバス上のリップルは、図30及び31で示すように、大きなキャパシタ及び1つだけの全波ダイオードブリッジ構成を有する典型的な先行技術の装置とほぼ同じである。
上述のように、明確に分離されたステータの整列の物理的変更は、電気機械から生成される結果として得られるEMFの変化をもたらす。実際、別個のステータ(すなわち、第1ステータと第2ステータ)の選択的整列は、不要のDCリップルを低減できることが分かっている。特に、第1ステータ及び第2ステータは、真直ぐに整列するのではなく、基本周波数の1/12だけ真直ぐの整列からずれるように選択的に整列される。物理的に言えば、これは磁石の極ペア角度の1/12と言える(すなわち極ピッチの1/6)。この根拠は、最も一般的な用途(すなわち、全波ダイオードブリッジと共に動作する3相機械)では、DCバスのリップル周波数(すなわちダイオードブリッジの出力)が3相機械の同期周波数の6倍の周波数であることである。換言すると、リップル周波数のピーク間の時間間隔は、同期周波数のピーク間の時間間隔の1/6である。従って、この相当大きなリップル周波数を可能な限り相殺するためには、選択的に整列されたステータは、リップル時間間隔の1/2又は同期時間間隔の1/12だけ回転する必要がある。
デュアル全波整流器を備える選択的に整列されたステータの上述の構成に対する別の利点は、DC負荷の両端で用いられるキャパシタのサイズ及びコストが、リップルの振幅に直接関連し、リップルの周波数に逆比例することである。従って、本発明は、先行技術の解決策のキャパシタと比較して、DC負荷の両端で使用することができるキャパシタのサイズ及びコストが低減される利点がある。通常、先行技術の構成で必要とされたキャパシタである1/8サイズのキャパシタが必要とされる全てである。幾つかの用途では、どのようなキャパシタンスも必要ない程リップルが少ない場合もある。
(ステータの回転位置ずれ用機構)
本発明の機械は、相対的オフセットが固定又は調節可能な角度で配置されたステータを実装することができる。調節可能オフセットの実施形態では、どのような好適なタイプの位置ずれ手段も、最小及び最大のオフセット量の間で調整することができる。オフセットは、各ステータの対応する歯及びスロットのほぼ完全な整列と最大スロットピッチの半分又は1極ピッチの位置ずれとの間で調節可能であるのが望ましい。手動又は自動的な適応調整を備えた実施形態は、本発明の範囲内である。
各々が異なる入力パラメータを有する、以下で検討する3つの異なるクラスで用いられるシステムを含めて、幾つかの好適な位置ずれ手段がある。第1システムは、外部電源を介して回転ステータの移動制御によるEMFのアクティブ制御を含む。第2システムは、速度依存の機構を介した制御を含む。第3システムは、トルク依存機構を介した制御を含む。説明された3つのシステムのいずれか又は他の同様なシステムは、所与の電気装置単独でも又は任意の組み合わせでも実施することができる。これらのシステムは、発生するEMFの削減に関連して説明されたが、当業者であれば、上述の教示に従ってトルクリップルを低減又はほぼ除去する上述のシステムのいずれかを採用することができる。
(外部制御)
1つ又はそれ以上の基準ステータに対して1つ又はそれ以上のステータを制御された選択的整列の技法は、発生するEMF値を制御するための外部制御電源を用いることにより達成することができる。好ましい実施形態では、外部制御電源は、制御される電気装置に無関係の電源を有する。回転可能なステータの適切な位置決めを選択することにより、所望のEMFを得ることができる。適切な位置決めを達成するための多数の異なる手段が当該技術分野で利用可能である。
幾つかの実施形態では、ステータの位置ずれは、位置ずれの2つ又はそれ以上の別個の段階で調整され、その1つは、ほぼ完全整列とすることができる。他の実施形態では、最小オフセットから最大オフセットまでの範囲の連続可変位置ずれが企図される。該位置ずれは、空気式、油圧式、圧電式、電動式、又は磁気式のアクチュエータなどを含む、任意の好適な機械的作動源で動作することができる。
位置ずれ手段は、2つの位置ソレノイド、ボイスコイルモータ、圧電アクチュエータ、ステッパ又はギヤ、主ネジ等を備えた他のモータ、真空シリンダ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、及びリニアモータのいずれか1つ又はそれ以上を非排他的に含むことができる適切な位置決め装置を備える。主ネジを備えたステッパモータは、その信頼性、機械的安定性、及び実装並びに正確な制御の容易さに関して好ましい。加えて、バネなどの弾性的変形する戻り部材を備えることができる。もしくは、位置ずれの一部又は全てを手動で作動させてもよい。
図13は、単一のロータ40及び2つのステータ42、44を備える電気装置の実施形態の平面図及び側面図を示す。1つのステータは、固定基準ステータ44とされるが、他のステータは回転ステータ42である。ステータ整列制御装置46は、基準ステータ44に接続される。外部制御システム48は、位置ずれゼロの位置から所望の位置ずれ角度まで回転ステータ42を回転する手段を提供する。図14及び15は、回転ステータ42の位置ずれを制御するための外部制御システム48の2つの異なる位置を示す。外部制御システム48の位置は、例えば発生するEMFの所望の低減をもたらす所望の位置ずれ角度と相関付けられることになる。
1つの実施形態では、ソレノイドが回転ステータに取り付けられる。このソレノイドは、所望の発生するEMFを得るように回転ステータを位置付ける。制御信号は、発生するEMFへの要求により到達する。ソレノイドは、要求に応じて2つの回転位置の1つに回転ステータを位置付ける。
また、モータ及び主ネジ組立体を用いてステータを位置付けることが可能であり、特に好ましい。これは、単純な2位置ではなく多数の位置ソレノイドを提供する。また、電気式、空気式、油圧式、圧電式又は他の機械式配置装置の任意の組み合わせにより回転ステータを位置付けることもできる。上述の任意手段のいずれかを内蔵する機械では、位置決め組立体の質量により引き起こされるステータのどのような問題のある不均衡をも補正するために、任意選択的に1つ又はそれ以上のカウンタウェイト(図示せず)が備えられる。
(速度依存制御)
回転位置ずれの速度依存制御を伴う実施形態は、一般に機械EMFからのフィードバックを必要としない。代わって、発生するEMFは、速度依存装置が制御できる範囲内に設計される。速度依存装置とは、速度が増加すると回転ステータを基本位置(一般にほぼゼロ位置ずれ)から設計された位置ずれ角度まで移動させる装置である。1つ又はそれ以上の回転ステータの位置ずれ回転率は、発生するEMFの所望の低減率に基づいて定められる。位置ずれは可逆的である。すなわち、速度が低下すると、1つ又はそれ以上の回転可能なステータの位置ずれは低減され、指定された最小速度(速度ゼロ)で位置ずれゼロの基本位置にまで戻る。
速度依存制御を内蔵する機械の1つの実施形態が図16〜18で示され、これらの図は、単一のロータ40と2つのステータ42、44とを備える電気装置の実施形態において、回転位置ずれのための機械式調速型の速度依存制御の動作を示す。遠心組立体55は、回転シャフト52に取り付けられたフランジに接続されるウェイト50を含む。ウェイト50は、速度が増加するにつれ(回転の中心から)より長くなる動作半径距離まで揺動することが許容される。また遠心組立体は、ウェイト50を超低速で引込動作半径距離に戻すバネシステムを備える。図16〜18の図では、ウェイト50はまた、カップ54と相互作用する丸みの付いた三角カムを有する。
運転中に速度が増加すると、遠心力が益々増加してウェイト50に作用するバネ力に打ち勝つ力を供給し、該ウェイトを次第に増大する半径方向の距離まで揺動させる(図18)。従って、丸みの付いた三角形カムは、カップ54を図中で右側に移動させ、すなわち固定ステータ44に向かって押圧される。カップ54は、回転ステータ42に接続された低ピッチネジ58に取り付けられるスラスト軸受56上に載る。最終的に、カップを押圧することにより、回転ステータ42の固定ステータ44に対する回転方向の位置ずれが生じることになる。低ピッチネジ58は、内径上で直線スプライン上を移動する。低ピッチネジ58は、軸方向に平行な内側スプラインにより保持される点で回転が制約される。低ピッチネジ58が軸方向に移動すると、次に、回転ステータ42を所望の角度位置まで回転させる。これらの直線スプラインは、最終的には、支持スポークによって基準ステータ44に取り付けられる。低速度、すなわち低遠心力では、ウェイトは、図16及び17で示すようにバネ力により最小動作半径距離にまで引き戻される。従って、カップ54及び低ピッチネジ58は図面で左側に移動する。
低ピッチネジ58は自転が阻止されるため、回転ステータ42を回転させる。これを達成するため、回転ステータ42は、小さな角度の回転が可能な軸受システムが必要となる。所与の機械システムにおけるネジピッチ、ネジ長、ウェイト質量、ウェイト長、カム及びカップ設計などの機能の選択を含む、回転システムの正確な設計は、EMFの所望の変化を提供するように最適化される。これらのパラメータの全ては、極ピッチの回転角度の関数として選択又は最適化することができる。
(トルク依存制御)
回転位置ずれのトルク依存制御を伴う実施形態は、トルクのみの制御又は速度−トルク制御のいずれかを提供することができる。
発生するEMFに対するトルクのみ制御を伴う実施形態は、一定速度で電流が増大すると出力が増大する原理に基づく。出力=速度×トルクであるので、一定速度で出力が増大すると、トルクもまた増大する必要がある。回転ステータが可変個所に取り付けられている場合には、該回転ステータはロータからのトルクの方向に回転することができる。この回転は、発生するEMFを変化させ、従って電流の需要が変化する。本発明のこの実施形態では、回転たわみの量は電流需要の関数である。
速度−トルク依存制御を伴う実施形態では、電気装置の出力が増加すると、ロータシャフトの速度も同様に増加するようになる。速度増加率は、出力の増加率ほど大きいはずはない。出力=速度×トルクなので、機械のトルクも同様に増加するはずである。増加するトルクは回転ステータを位置付け、従って発生するEMFを制御するのに用いられる。
電気装置が速度を変更できるかどうかに拘わらず、回転ステータ42は、1つ又はそれ以上の可変個所で基準ステータに接続することができる。図19〜22で示すステータ整列制御46の可変個所では、可変個所と回転ステータ42との間に取り付けられる弾性材料又は装置が存在する。図19〜22では、例証を簡単にするため、1つの可変個所及び1つのステータ整列制御46だけが示されている。しかしながら、別の実施形態では、1つより多いステータ整列制御装置46又は可変個所が可能である。
図19〜20の実施形態では、回転ステータ42が、バネ47などの1つ又はそれ以上の弾性変形可能部材に取り付けられる。バネ47は、変化するトルクで限定的な角度の回転により回転ステータ42を移動させることができる。バネは、優先的に圧縮バネであろう。しかしながら、容易に適用可能な他の選択肢として、テンションバネ、コイル、板バネなどを含む。バネ47の変形形態として、ゴム又は他の有機取り付け部材がある。
図21〜22の実施形態では、回転ステータ42が共形材料49上に取り付けられる。共形材料49は、幾つかの形態のウレタンが優先的である。しかしながら、共形材料の他の選択肢として、ゴム、ラテックス、シリコーン、油入ショック材、空気圧などを含むが、これらに限定されない。
(機械システム及びパワーエレクトロニクス制御)
更に別の態様では、アキシャルエアギャップ型電気機械及び該機械をインタフェース及び制御するためのパワーエレクトロニクス手段を備える電動機械システムが提供される。該システムは、モータ又は発電機或いはその組み合わせとして機能することができる。モータ機械は、直接又はDC電源を転流することによってAC電源を供給する必要がある。ブラシ型機械による機械的転流が長く使用されてきたが、大電力半導体装置が使用可能となったことにより、多数の最新の永久磁石モータで使用されるブラシレス電気転流手段の設計が可能となった。発電モードでは、機械(機械的転流を除く)は、本質的にACを生成する。機械の大部分は同期運転であると考えられているが、これは、AC入力又は出力が、回転周波数及び極数に比例した周波数を有するという意味である。従って、例えば電力事業が一般に使用する50又は60Hz網、又は多くの場合は船舶及び航空システムで使用されている400Hz網の電力網に直接接続される同期モータは、特定の速度で運転され、変化量は変化する極数によってのみ得ることができる。同期発電では、原動機の回転周波数は安定した周波数を供給するよう制御される必要がある。該原動機は、生成する回転周波数が本質的に高すぎ又は低すぎて、既知の機械設計の実用的限界内の極数を有するモータでは対応できない場合がある。このようなケースでは、回転機械は、機械シャフトに直接接続できないので、複雑さ及び効率の損失が付加されるにも拘わらず、場合によってはギヤボックスを採用しなければならない。例えば、風力タービンは極めて低速で回転するので、従来のモータでは極数が極めて多数必要となる。他方、標準的なガスタービンエンジンの回転は、所望の機械的効率で適正な運転を得るため極めて高速で回転するので、発生する周波数は極数が少ない場合でさえ許容できない程高い。モータ用及び発電用途の両方の代替手段は、能動的電力変換である。バックEMF制御のための位置ずれ手段を含む本発明の電気機械の実施形態は、特に広範な速度範囲及び/又は異なる出力要件を伴う用途では、能動的電力変換を採用するのが有利である。
本明細書で使用される用語「パワーエレクトロニクス」とは、直流(DC)又は特定の周波数及び波形の交流(AC)として供給される電力を、電圧、周波数、及び波形の内の少なくとも1つが異なるDC又はACの入出力として電気出力に変換するよう適合された電子回路を意味するものと理解される。この変換は、パワーエレクトロニクス変換回路で達成される。周波数を維持する通常の変圧器を用いてAC電力の単純な変圧、及びACからDCを供給する単純なブリッジ整流以外では、最新の電力変換は通常、非線形半導体装置及びアクティブ制御を可能にする他の関連する構成要素を採用する。
本明細書で詳細に上述したように、本発明に従って構成される機械は、従来の装置よりもはるかに広範囲の回転速度にわたって電動機又は発電機として運転することができる。ほとんどの場合、これまで電動機用途及び発電機用途の両方で必要とされたギヤボックスは取り除くことができる。しかしながら、結果として得られる利点はまた、従来の機械で採用されているよりも広範囲の電気周波数にわたり動作可能なパワーエレクトロニクスを使用することが必要となる。
電動機システムのモータ用途において、該機械は、電力網、電気化学バッテリ、燃料電池、太陽電池、又は他の任意の好適な電気エネルギー源などの電源にインタフェースされる。必要とされる任意のタイプの機械的負荷を機械シャフトに接続することができる。発電モードでは、該機械シャフトは機械的に原動機に接続され、該システムは、任意の形態の電気器具又は電気エネルギー蓄電池を含むことができる電気負荷に接続される。また機械システムは、例えば、車両に対する機械的推進力の供給と、ブレーキを作動させるために車両の運動エネルギーをバッテリ内に蓄えられる電気エネルギーに戻す変換とを交互に行う、車両の駆動輪に接続されたシステムなどの回生モータシステムとして採用することができる。
本発明のアキシャルエアギャップ型機械システムで有用なパワーエレクトロニクス手段は、通常、満足できる電気機械動作、調節、及び制御を維持しながら、機械的及び電気的負荷の予想される変動に対応するため十分な動的範囲を備えたアクティブ制御装置を含む必要がある。昇圧、降圧、フライバック・コンバータ及びパルス幅変調を採用するスイッチングレギュレータを含む、電力変換接続形態の任意の方式を使用することができる。電圧及び電流の両方が、独立して位相を制御可能であり、及びパワーエレクトロニクスの制御が軸位置直接感知の有無に関係なく動作可能であることが望ましい。加えて、4象限制御が提供され、機械が時計回り又は反時計回りの回転、及びモータモード又は発電モードでの動作が可能であることが好ましい。電流ループ及び速度ループの両方の制御回路が含まれており、これによりトルクモード及び速度モードの両方の制御が採用できることが望ましい。安定した運転では、パワーエレクトロニクス手段は、好ましくは目的とする転流周波数の少なくとも約10倍の制御ループ周波数範囲を有するべきである。従って本システムでは、最大約2kHzの転流周波数での回転機械の運転は、少なくとも約20kHzの制御ループ周波数範囲を必要とする。モータ運転で用いられるコントローラは、通常、IGBT半導体スイッチング素子を採用する。これらの装置は、周波数に伴ってスイッチング損失の増大を示すので、通常は最大約1000Hzの転流周波数で運転するのが好ましい。その結果、モータシステムは、約600〜1000Hzの範囲の転流周波数で設計されるのが有利であり、安価なIGBTの使用を可能にしながら、同時に低損失材料により可能になった高い動作周波数に起因する利点(例えば出力密度の増加)を維持する。発電機用途では、好適な整流器ブリッジは更に高い転流周波数での運転を可能にする。
幾つかの好ましい実施形態では、本機械は、外部から与えられる電気信号で駆動する位置ずれ手段を含み、パワーエレクトロニクス手段は更に、位置ずれ手段を駆動するために最適な信号を供給する回路を含む。有利には、バックEMFを制御するための位置ずれ手段の使用は、パワーエレクトロニクス手段の複雑さ及び電気定格を低減することができ、これによってパワーエレクトロニクス手段の製造を簡素化してコストを削減することができる。特に、高速運転期間中に位置ずれを選択的に導入して、パワーエレクトロニクス手段が処理すべき電圧を制限することができる。位置ずれは、電源手段から位置ずれ手段に伝送される信号を用いて制御するのが望ましい。また、オフセット量の調整が適応可能であることが好ましい。すなわち、機械速度に応じてオフセット量が調整される。例えば、該オフセット量の増大は速度に比例させることができる。
以下の実施例は、本発明をより完全に説明するために提供される。本発明の原理及び実施を説明するために記載される特定の技法、条件、材料、比率及び報告データは、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
(実施例)
(可変速発電機)
発電機では、トルクは常に一定方向にあり、すなわち原動機の回転に抗する方向である。原動機は、例えばガソリン又はディーゼルエンジン、タービン、水車、又は同様の機械的回転エネルギー源などの、発電機を駆動する任意の装置である。低速においては、原動機は通常低出力であり、従って、電力を送る発電機の能力は低い。原動機は通常、高速でより大きな電力を生成するので、従って、発電機は高速で大きな電力を生成するように設計されなければならない。
理想的には、発電機の出力は全ての速度で原動機の出力と一致すべきである。電力半導体の改良により、パワーエレクトロニクス・コンバータがある範囲の周波数で大量の電力を受け取り、効率的及びコスト効果的にDC又は別の周波数の合成波形で出力電力を供給することが可能となる。結果として、設計者は、必要な出力周波数に関係した固定速度で回転する発生源に限定されず、又はギヤボックスなどの速度整合装置を含める必要も無く、原動機を高速又は可変速度での運転に適応するように設計を最適化することができる。
また、出力電圧は全ての速度で一定であることが望ましい。これらの機能により、はるかに簡単で安価なパワーエレクトロニクス制御方法が可能になる。従って、可変速度及び可変出力の状況で最も望ましい状況は、出力電流のみが変化するか、変化が最小限である状況である。
回転ステータが可変個所に取り付けられている場合、該回転ステータは印加トルクの関数として一定量だけ移動することが許容される。回転ステータが位置ずれゼロの位置で停止している場合、これにより発生するEMFが最大になる。
原動機の速度プロフィールは、該原動機を高出力では高速で運転し、低出力では低速で運転することが好ましい。
低速では出力が低く、電流も少ない。トルクは発生する出力を速度で除算した関数であり、従ってトルクも低い。それ故、より大きな出力及び電流並びにトルクを生成するためには、通常原動機の速度が大きくされる。トルクが増大することにより、回転ステータをバネ力によって決まる範囲まで幾分移動させる。回転するステータ自体は、発生するEMFを減少させるが、同時に速度の増大により、発生するEMFが増加する。これらの少なくとも部分的に相殺される増加及び減少は、所望のほぼ一定の出力電圧を生成するように、機械設計者によって注意深く設計される。バネ力、最少位置ずれでの発生するEMF、回転角度に対する非直線的なEMFの減少、速度に起因して発生するEMFの直線的な増加、並びに電気回路全体及び結果として得られるフェーザ図に関し綿密に検討することにより、当業者は所望の定電圧出力を生成する機械の設計が可能になる。
また、ステータ上で生成されるトルクがステータを移動させる力を供給することも可能である。図23は、本発明のこの実施形態に基づく運転中の発電機のパラメータのプロットを示している。発電機の出力電力が増加すると、電流も増加する。ロータトルクは、出力電力及び電流の増加と共に増大する。ステータに作用するロータトルクの増大は、最終的には回転ステータに取り付けられたバネが供給する張力に打ち勝ち、これが回転ステータの回転を引き起こす。回転ステータの回転は、発生するEMFの低下を引き起こし、電圧を制限する。従って、本発明のこの実施形態では、ロータは、両方のステータのコイルに流れる電流の関数としてトルク量を直接生成する。このようにして、本発明は、近一定の電圧を供給する自己調節式機械を提供する。
本発明を詳細に説明してきたが、このような詳細に厳密に固執する必要はなく、当業者には別の変更及び修正が想起することができる点は理解されるであろう。例えば、ステータは、幾つかの異なる角度だけオフセットして様々な結果をもたらすことができる。従って、このような修正は、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲に含まれるものとする。
アキシャルエアギャップ型ステータの正面図である。 アキシャルエアギャップ型ロータの正面図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 2つのステータ間の様々な角度の位置ずれに対するロータ位置での2つの直列に接続したステータからの正弦波形を重ね合わせた結果を示す図である。 直列に接続され、1/2極ピッチだけ位置ずれした2つのステータからの2種類の台形波形を重ね合わせた結果を示す図である。 1/2スロットピッチだけ位置ずれしたステータの電流ゼロでのトルク摂動を示す図である。 1/2スロットピッチだけ位置ずれしたステータの電流ゼロでのトルク摂動を示す図である。 単一のロータ及び2つのステータを備える電気装置の実施形態の平面図と側面図である。 ステータの1つの回転位置ずれを制御するための外部制御システムの位置を示す図である。 ステータの1つの回転位置ずれを制御するための外部制御システムの位置を示す図である。 ステータの回転位置ずれの機械式調速機型の速度依存制御の動作を示す図である。 ステータの回転位置ずれの機械式調速機型の速度依存制御の動作を示す図である。 ステータの回転位置ずれの機械式調速機型の速度依存制御の動作を示す図である。 回転位置ずれを制御するためバネ上に取り付けられたステータを示す図である。 回転位置ずれを制御するためバネ上に取り付けられたステータを示す図である。 回転位置ずれを制御するため共形の材料上に取り付けられたステータを示す図である。 回転位置ずれを制御するため共形の材料上に取り付けられたステータを示す図である。 本発明による運転中の発電機のパラメータのプロットを示す。 整流電圧とリップルを含む整流3相電圧とを含む、電気機械から生成された標準的な単相AC電圧の比較を示す図である。 電気機械の接続で使用される標準的な先行技術の全波ダイオードブリッジを示す図である。 図25の構成からの標準的な先行技術の整流3相電圧を示す図である。 図26の波形に関係する標準的なDC電圧リップルの詳細を示す図である。 図25に示すような電気機械構成に関して一般的な平均DC出力を示す図である。 電気機械のデュアルステータに関して使用されるデュアル全波ダイオードブリッジを示す図である。 図29の構成からの整流3相電圧を示す図である。 図30の波形に関するDC電圧リップルの詳細を示す図である。 図29の電気機械構成に関する平均DC出力を示す図である。
符号の説明
40 ロータ
42、44 ステータ
46 ステータ整列制御装置
48 外部制御システム

Claims (19)

  1. (a)第1のセットの巻線が配置された第1ステータと、
    (b)第2のセットの巻線が配置され、前記第1ステータに対して選択的に整列されて前記第1ステータからオフセットされるようになる第2ステータと、
    (c)前記ステータの間に軸方向に配置され、軸線の周りを回転するよう支持されたロータと、
    を備え、
    前記ステータはアモルファス金属及びナノ結晶金属並びに最適化Fe系合金からなるグループから選択された材料から構成される積層を有するトロイダルコアを含むことを特徴とするアキシャルエアギャップ型電気機械。
  2. (d)前記第1のセットの巻線に接続された第1全波ダイオードブリッジと、
    (e)第2のセットの巻線に接続された第2全波ダイオードブリッジと、
    を更に備える請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  3. 前記第1ステータと前記第2ステータとの間のオフセットが前記アキシャルエアギャップ型機械の基本周波数の1/12であることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  4. 前記ステータのオフセットを調整するための位置ずれ手段を更に備える請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  5. 前記オフセットが、ほぼ完全整列から1/2スロットピッチと1極ピッチとの一方のオフセット量の位置ずれまでにわたるオフセット量によって調節可能であることを特徴とする請求項3に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  6. 前記位置ずれ手段が、2位置ソレノイド、ボイスコイルモータ、圧電アクチュエータ、ステッパ又はギヤ又は主ネジ付きの他のモータ、真空シリンダ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、及びリニアモータのうちの少なくとも1つを備える請求項3に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  7. 前記位置ずれ手段がステッパモータ及び主ネジを含む請求項5に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  8. 前記積層がアモルファス金属から構成される請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  9. 前記磁石が希土類遷移金属合金から構成される請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  10. 毎相毎極のスロット比率が約0.25〜1の範囲である請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  11. 毎相毎極のスロット比率が0.50である請求項10に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  12. 少なくとも16の極を有する請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  13. 約500Hz〜3kHzの範囲の転流周波数で運転するように調整された請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  14. 前記機械のインタフェース及び制御のため、及び該機械に作動的に接続されるパワーエレクトロニクス手段を更に備える請求項1に記載のアキシャルエアギャップ型機械。
  15. アキシャルエアギャップ型機械を運転する方法であって、
    (a)第1のセットの巻線が配置された第1ステータと、第2のセットの巻線が配置された第2ステータと、前記ステータ間に軸方向に配置され且つ軸線の周りを回転するよう配置されたロータとを備え、前記ステータがアモルファス金属及びナノ結晶金属並びに最適化Fe系合金からなるグループから選択された材料から構成される積層を有するトロイダルコアを含むアキシャルエアギャップ型電気機械を準備する段階と、
    (b)前記第2ステータが前記第1ステータの歯からオフセット量だけオフセットされるように、前記第1ステータに対して前記第2ステータを選択的に整列する段階と、
    を含む方法。
  16. 前記オフセット量が前記機械のトルクリップルを低減するように選択されることを特徴とする前記請求項15の方法。
  17. 前記機械は、最小オフセットから最大オフセットの範囲の量だけステータのオフセットを調整する位置ずれ手段を更に備え、
    前記方法が、前記位置ずれ手段を用いて前記オフセット量を調整する段階を含む前記請求項15の方法。
  18. 前記オフセット量がほぼ一定の電圧特性を維持するように調整される前記請求項17の方法。
  19. 前記パワーエレクトロニクス手段から前記位置ずれ手段に伝送される信号を用いて、前記オフセット量の調整を適応的に制御する段階を含む前記請求項18の方法。
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