JP2007501772A - 梨果類果実の処理のためのアシルシクロヘキサンジオン誘導体並びにエテフォンの使用 - Google Patents

梨果類果実の処理のためのアシルシクロヘキサンジオン誘導体並びにエテフォンの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、梨果類果実の処理のための、アシルシクロヘキサンジオン誘導体並びにエテフォンの使用に関する。

Description

本発明は、エテフォン(ethephon)と併用して梨果類果実の処理のためのアシルシクロヘキサンジオン誘導体の使用に関する。
化学的方法、すなわち成長調節剤の使用によって芽の徒長を減少することは、枝打ちコストを回避でき、そして農農作物保護手段を容易にすることでき;さらに栽培場内部の光照射を改善できるので、多年生果実栽培場において望ましい。
アシルシクロヘキサンジオン誘導体及びエテフォン(2-クロロエチルホスホン酸)の両者は公知の成長調節剤である。このように、EP-A-123001及びEP-A-126713は、下記式:
Figure 2007501772
(式中
Rは、水素、アルキル、アルキルチオアルキル又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
R’は、アルキル、置換若しくは非置換ベンジル、フェネチル、フェノキシメチル、2-チエニルメチル、アルコキシメチル又はアルキルチオメチルである)
又はそれらの塩を成長調節剤として使用することを記載している。
J. Amer. Soc. Hort. Sci. 94, pp. 11-14 (1969)において、L.J. Edgerton and W.J. Greenhalghは、リンゴに対する成長調節効果を記載している。
成長調節を目的としたアシルシクロヘキサンジオン誘導体の使用において明らかになった一つの欠点は、一定の植物において、処理後翌年の花の発育、及び結果として果実の発育も、著しく減少することである。このように、D. Sugar, D.C. Elfving and E.A. Mielke は、Acta Hort. 596, pp. 757-760 (2002)において、ナシの木をプロヘキサジオン−カルシウムで処理すことが、その後の開花の減少に導くことを報告している。本出願人会社が行った実験はこれらの結果を確認し、そしてアシルシクロヘキサンジオンに基づく成長調節剤、特にプロヘキサジオン−カルシウム及び特に高い程度ではトリネパク(trinepac)又はトリネパク−エチルが、梨果類果実、具体的にはリンゴ及びナシにおける処理後翌年の花の発育の著しい減少に導いたことを示した。最も極端な場合には、花の発育が処理後翌年に全く生じない。
処理がその後の開花の減少、及びこれとしばしば関連して、問題の年の収穫量の減少に導くだけでなく、隔年結果の引き金になることもある。隔年結果は、極度に低い収穫量の年の後に、通常は品質の低い極度に高い収穫量の年が続くことを意味する。しかしながら、多年生果実農作物、例えば梨果類果実(リンゴ、ナシ、マルメロ)、石果類果実(セイヨウミザクラ、クロサクランボ、プラム、ケッチ、モモ、ネクタリン、アプリコット、アーモンド)、柔らかい果物(グーズベリー、スグリ、ラズベリー、ブラックベリー)、堅殻類果実(クルミ、ヘーゼルナッツ、ペカンの実、ピスタチオ)、柑橘類果実(オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、レモン)、ブドウのつる、イチジク、カーキ色プラム、キウイフルーツ、アボカド、マンゴー、ライチ、デーツ、そしてまたコーヒー及びココアにおいて、生産物の量及び質に関する変動は可能な限り避けねばならないので、長期の一定の収穫量は、不可欠の経済的要素である。従って、化学的成長調節剤によって誘発される隔年結果は、経済上許容することができない。
HortScience 38 (2), pp. 293-298 (2003)において、D.C. Elfving, G.A. Lang and D.B. Visserは、一定のチェリー品種では、木をプロヘキサジオン−カルシウム及びエテフォンの組み合わせで処理することは、花の密度の増加と共に栄養成長の減少に導くことを記載している。しかしながら、プロヘキサジオン−カルシウム単独での処理後翌年の開花の減少は、報告されていない。
本発明の目的は、栄養成長を減少する一方で、同時に処理後の花の発育を実質的に減少しない、梨果類果実(pome fruit)の処理のための成長調節組成物を提供することである。
驚くべきことに、梨果類果実を一定のアシルシクロヘキサンジオン誘導体で処理した後に認められる花の発育が減少する現象を、エテフォンが防止することを見出した。上記の目的は、アシルシクロヘキサンジオン誘導体及びエテフォンの併用によって達成できることを見出した。
従って、本発明は、梨果類果実の処理のための、少なくとも1種の式I:
Figure 2007501772
(式中
は、H又はC−C10−アルキルであり、そして
は、C−C10−アルキル又はC−C10−シクロアルキルである)
の化合物又はその塩の式II:
Figure 2007501772
の2-クロロエチルホスホン酸(エテフォン)との使用、特に、式Iのアシルシクロヘキサンジオン誘導体による処理のために梨果類果実において観察される花の発育の減少を予防するための、及び処理により誘発されることのある隔年結果を防止するための、上記使用に関する。
梨果類果実は、本発明の目的で、リンゴ、ナシ又はマルメロ、特にリンゴ又はナシを意味すると理解される。梨果類果実という用語、又は特定したリンゴ、ナシ若しくはマルメロは、果樹又はその植物部分を指し、収穫された形の果実を指すものではない。
処理は、梨果類果実の花の発育を改善するために行われる。梨果類果実の花の発育の改善は、具体的には、アシルシクロヘキサンジオン誘導体による処理に帰することのできる花の発育の減少を完全に又は少なくとも部分的に防止することを包含する。同時に、処理は、当然ながら栄養成長の減少に導くべきである。「花の発育の減少の完全又は部分的な防止」は、特定の時点で又は開花期全体にわたって、本発明により処理された植物が、未処理の対照植物、すなわち成長調節剤で処理されなかったが、その他の点では同一条件に暴露された対照植物の花の数、又はその代わりに花序の数の、好ましくは少なくとも40%、特に好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%を有することを意味する。花序は、多数の種子植物、例えば梨果類果実の芽系の部分であって、原則として複数の花を咲かせ、そして後に1個以上の果実を生じるものである。
花の発育の減少の完全又は部分的な防止は、本発明により処理された植物が、特定の時点で又は開花期全体にわたって、アシルシクロヘキサンジオン誘導体だけで、すなわちエテフォンを用いることなく処理されたが、その他の点では同一条件に暴露された植物よりも有意に多くの花、又はその代わりに花序を有する場合にも存在する。
式Iのアシルシクロヘキサンジオン化合物は、EP-A 0 123 001及びEP-A 126 713に記載されている。
式Iの化合物は、トリオン形態(トリケト形態)I.aでのみならず、それぞれ互変ケトエノール形態I.b及びI.cでも存在することができる:
Figure 2007501772
式Iの化合物において、Rは、好ましくはH又はC−C−アルキルである。
は、好ましくはC−C−アルキル又はC−C−シクロアルキル、特にエチル又はシクロプロピルである。
基R及びRの定義において、C−C10−アルキルは、直鎖状又は分枝状のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル又はデシルである。C−C−アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである。アルキル基は、好ましくは直鎖状である。
の定義において、C−C10−シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル又はデカリンである。C−C−シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
≠Hであるアシルシクロヘキサンジオン化合物Iは、モノアニオンの塩である一方で、R=Hである場合には、それらは、これらの化合物のモノアニオン及びジアニオンの塩であってもよい。モノアニオンはカルボキシレートアニオンI.dとして、並びにエノレートアニオンI.e及びI.fとして存在することができる。
Figure 2007501772
従って、ジアニオンには、カルボキシレート及びエノレートアニオン基が一緒に存在する。
式Iの化合物の塩における好ましいカチオンは、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム及びマグネシウム、並びに遷移金属、例えばマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、さらにアンモニウム(NH )及び1〜4個の水素原子がC−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、フェニル又はベンジルで置き換えられた置換アンモニウム、好ましくはアンモニウム、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、2−(2−ヒドロキシエタ−1−オキシ)エタ−1−イルアンモニウム、ジ(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、さらにホスホニウムイオン、スルホオキソニウムイオン、好ましくはトリ(C−C−アルキル) スルホオキソニウムである。好ましいカチオンはさらに、クロメクアット[(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウム]、メクアット(N,N−ジメチルピペリジニウム)及びN,N−ジメチルモルホリニウムである。特に好ましいカチオンは、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン及びアンモニウムカチオン(NH )である。特に、塩はカルシウム塩である。
本発明の目的で、「式Iの化合物」又は「式Iのアシルシクロヘキサンジオン」という用語は、中性化合物I及びそれらの塩の両者を指す。
本発明により特に好ましく用いられる化合物Iは、プロヘキサジオン(R=H、R=エチル)、プロヘキサジオン−カルシウム(プロヘキサジオンのカルシウム塩)、トリネキサパク(R=H、R=シクロプロピル)及びトリネキサパク−エチル(R=エチル、R=シクロプロピル)である。
梨果類果実は、梨果類果実の木又はその部分を少なくとも1種のアシルシクロヘキサンジオン化合物I及びエテフォンと接触させるような方法で好ましく処理される。式Iの化合物及びエテフォンは混合物として又は別個に施用することができる。別個施用の場合、個々の活性物質は、同時に又は相次いで、好ましくは逐次施用の場合には数時間から数週間までの間隔で施用することができる。
化合物I及びエテフォンは、好ましくは10:1〜1:5、特に好ましくは5:1〜1:3、特に3:1〜1:2の重量比で用いられる。
式Iの化合物又はそれらの塩は、シーズン当たり好ましくは25〜1500g/ha、特に好ましくは50〜1000g/haの施用量で用いられる。プロヘキサジオン−カルシウムは、シーズン当たり特に100〜500g/haの施用量で用いられる。トリネキサパク−エチルは、シーズン当たり特に200〜800g/haの施用量で用いられる。エテフォンは、シーズン当たり好ましくは25〜1500g/ha、特に好ましくは50〜750g/ha、特に100〜500g/haの施用量で用いられる。
活性物質は、シーズン当たり1〜5回、特に好ましくは1〜4回、特に2〜3回施用される。
幾つかの施用だけに式Iの化合物をエテフォンと一緒に用い、そして残りの施用には活性物質の一方だけ、特に化合物Iを用いることが可能である。好ましくは、化合物I及びエテフォンの両者は、シーズン当たりの施用の少なくとも半数に、特に好ましくはシーズン当たりの施用の半数に、特に1回の施用に用いられる。
それぞれの場合に用いられる施用時期、施用回数及び施用量は、問題の果実農作物及び他のパラメーター、例えば果実の種及び品種、台木、樹齢、気候条件、水及び栄養素の利用性に依存し、そして個々の各場合に熟練職人によって特定されねばならない。
施用は、北半球では春から初夏(およそ3月初旬から7月下旬)に、従って南半球では9月上旬から1月下旬に好ましく行われる。処理は、新芽が新たに成長し始めるとき、一般的に開花の終わりと相関する時点又はこの時点付近で、すなわち±4週間以内に行われる。次いで、さらなる処理は、10週間までの期間内に、例えば最初に施用後1〜10週間以内に続けることができる。処理の時期は、問題の農作物植物の必要条件に依存し、これらは気候条件及び場所の条件に応じて季節ごとに変動することがある。しかしながら、熟練職人は処理時期を慣用手段で決定することができ、そして原則として、本明細書に詳述した間隔以外の処理時期でも成功し、そして農作物植物の必要条件に応じて有意義なことがある。
式Iの化合物、エテフォン又はそれらの混合物は、農作物保護の分野で慣例の製剤として典型的に用いられる。
濃縮溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態において、例えば、それらは水で希釈してスプレーにより施用することができる。施用のタイプは梨果類果実の種及び品種、並びに混合物が施用される植物部分に依存し;何れの場合にも、それらは活性成分及び補助剤の可能な限り微細な分散を確保すべきである。
式Iの化合物及び/又はエテフォンに加えて、製剤は、農作物保護製品の技術分野で普通に用いられる製剤助剤、例えば不活性補助剤及び/又は界面活性物質、例えば乳化剤、分散剤、湿潤剤などを含むことができる。
好適な界面活性物質は、芳香族スルホン酸、例えばリグニンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸及びジブチルナフタレンスルホン酸の、及び脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、アルキルスルホネート及びアルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート及び脂肪アルコールスルフェート、並びに硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−及びオクタデカノール及び脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチル−、オクチル−又はノニルフェノール、アルキルフェニルエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグニン−亜流酸塩廃液、メチルセルロース又はシロキサンである。好適なシロキサンの例は、展着剤又は浸透剤とも呼ばれるポリエーテル/ポリメチルシロキサンコポリマーである。
好適である不活性製剤助剤は、下記のものである:
中ないし高沸点の鉱物油留分、例えばケロシン及びジーゼル油、さらにコールタール油及び植物又は動物起源の油、脂肪族、環状及び芳香族炭化水素、例えばパラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン及びそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン及びそれらの誘導体、アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、ケトン、例えばシクロヘキサノン、強極性溶剤、例えばN−メチルピロリドン、及び水。
式Iの化合物、エテフォン又はそれらの混合物の水性使用形態は、ストック製剤、例えばエマルジョン濃縮物、懸濁液、ペースト、水和剤又は水和顆粒剤から、水の天下によって製造することができる。エマルジョン、ペースト又は油性分散液を製造するために、それ自体としての又は油若しくは溶剤中の式Iの化合物又はエテフォン又はそれらの混合物を、湿潤剤、固着剤、分散剤又は乳化剤により水に溶解してホモジナイズすることができる。当然のことながら、使用形態は、ストック製剤に用いられた補助剤を含むだろう。
好ましい実施形態において、式Iの化合物、エテフォン又はそれらの混合物は、水性スプレー混合物の形態で用いられる。このスプレー混合物は、式Iの化合物及びエテフォンを何れの場合にも好ましくは25〜500ppmの量で含む。式Iの化合物及びエテフォンを混合物として用いる場合には、スプレー混合物は活性物質を好ましくは50〜1000ppmの全量で含む。
本発明により用いられる式Iの化合物及びエテフォンの活性成分組み合わせは、上記の梨果類果実種の全てのみならず、他の植物種における施用にも使用することができる。施用される植物部分に応じて、該組み合わせは、本来公知であり且つ農作業に便利に用いられる装置を使用して施用することができ、水性のスプレー溶液又はスプレー混合物の形態での施用が好ましい。
施用は、好ましくは流出点までスプレーすることにより行われる。この文脈において、混合物は、空中の植物部分の全部に、又はそのほかに個々の植物部分、例えば花、葉若しくは個々の芽にだけ施用される。処理される個々の植物部分の選択は、植物種及びその発育段階に依存する。好ましくは、植物の食う中部の全部を処理する。
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸(エテフォン)を、混合物として又は別個に、梨果類果実植物又は梨果類果実植物の部分に、水性スプレー混合物の形態で、同時に又は相次いで施用することを含む、梨果類果実の処理方法である。
本方法は、好ましくは花の発育を改善するために用いられる
式Iの化合物及びエテフォン、水性組成物並びに施用に関して上述したことは、この場合にも同様に当てはまる。
処理後翌年の梨果類果実栽培の開花挙動は、本発明により式Iの化合物をエテフォンと一緒に用いることによって著しく改善される。特に、一定のアシルシクロヘキサンジオン誘導体による処理に帰することのできる花の発育の減少は、本質的に防止される。所望の成長調節は、処理された植物中で同時に起きる。
下記の実施例は、本発明を説明することを意図するものであって、限定を強いるものではない。
1.プロヘキサジオン−カルシウム及びエテフォンによる処理後のナシにおける開花挙動
二つの異なる場所におけるBA台木上の樹齢12年のナシの木の品種”Conference”を、最初はプロヘキサジオン−カルシウム単独で、そして2度目はプロヘキサジオン−カルシウム及びエテフォンの組み合わせで処理した。この目的で、果樹園に一様に分布したそれぞれ5本の木の4グループに、活性物質含有スプレー混合物を流出点までスプレーした(約1000l/ha)。第一の場所では、約1ヵ月の間隔で3回の施用を行った。第二の場所では、プロヘキサジオン−カルシウムを、木のグループの一部に4回、そして別の部分に3回施用し、施用間隔は何れの場合にも約2週間であった。プロヘキサジオン−カルシウム及びエテフォンの組み合わせを2回施用し、何れの場合にも、併用施用の前及び後にプロヘキサジオン−カルシウム単独による1回の施用を行った。最初の施用後の約1年に、未処理の木、プロヘキサジオン−カルシウムだけで処理した木、並びにプロヘキサジオン−カルシウム及びエテフォンの組み合わせで処理した木の花序の数を数え、そして相互に比較した。結果を下記の表1及び2に記載する。
Figure 2007501772
Figure 2007501772
上記の実験結果から分かるように、プロヘキサジオン−カルシウムの施用は処理後翌年の花の発育の減少に導く。これとは対照的に、プロヘキサジオン−カルシウムをエテフォンと組み合わせて施用すると、このような花の発育の減少がないか、又は著しく軽減される。

Claims (10)

  1. 梨果類果実の処理のための、少なくとも1種の式I:
    Figure 2007501772
    (式中、
    は、H又はC−C10−アルキルであり、そして
    は、C−C10−アルキル又はC−C10−シクロアルキルである)
    の化合物又はその塩の2-クロロエチルホスホン酸(エテフォン)との使用。
  2. 花の発育を改善するための請求項1に記載の使用。
  3. リンゴ又はナシの処理のための請求項1〜2のいずれかに記載の使用。
  4. 式Iの化合物において、RがHであり、そしてRがエチルであり、そしてRがエチルである式Iの化合物がカルシウム塩の形態で存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 式Iの化合物において、Rがエチルであり、Rがシクロプロピルである、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  6. 式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸が10:1〜1:5の重量比で用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
  7. 式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸が水性スプレー混合物の形態にある混合物として用いられ、該混合物中に式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸が50〜1000ppmの合計量で存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
  8. 式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸の施用量が、何れの場合にも季節当たり25〜1500g/haの範囲にある、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
  9. 少なくとも1種の式Iの化合物及び2-クロロエチルホスホン酸を、混合物として又は別個に、梨果類果実植物又は梨果類果実植物の部分に、水性スプレー混合物の形態で、同時に又は相次いで施用することを含む、梨果類果実の処理方法。
  10. 花の発育を改善するための請求項9に記載の方法。
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