図1を参照すると、熱可塑性の保存袋20の形態の開閉自在パウチは、互いに接合されて第1及び第2の袋壁26、28を形成する第1及び第2の本体部22、24を備える。第1及び第2の袋壁26、28は、第1及び第2の側部30、32それぞれと、及び底部34と接合される。袋20の最上部36には開口部35が配設される。袋20の最上部36には、第1及び第2の閉止機構38a、38b、及び2つのリップ40も配設される。第1の閉止機構38aは、第2の閉止機構38bと最上部36の上縁部42との間に配置される。
図2Bを参照すると、閉止機構38aの雄型及び雌型の閉止要素又は閉止部44a、44bは、第1及び第2の本体部22、24の対向する内面又は表面46、48にそれぞれ配設されている。更に、図2Bの実施形態では、閉止機構38bの雄型及び雌型の要素又は部分50a、50bは、内面又は表面48、46にそれぞれ配設されている。必須ではないが、好ましくは、閉止機構38aと閉止機構38bとは平行であって、両者は、この機構が単一の閉止部として作用するという知覚を生じるのに十分に小さい距離だけ互いから離間される。更に、機構38a、38bは、閉止操作中にユーザの指が案内されるよう十分に離れて配置されるのが好ましい。一般的に、これらの結果は、機構38a、38bを、約0.1インチ(2.54mm)〜0.3インチ(7.62mm)の間隔、更に好ましくは約0.15インチ(3.81 mm)〜約0.25インチ(6.35mm)の間隔、最も好ましくは約0.20インチ(5.08mm)の間隔で離間することによって達成されるが、これとは異なる間隔を用いてもよい。
閉止要素又は閉止部44、50は、本願の譲受人が所有するガイガーら(Geiger, et al.)の米国特許第4,755,248号、ジークら(Zieke et al.)の米国特許第4,741,789号、及び/又はポルキアら(Porchia et al.)の米国特許第5,012,561号(これらの開示を参照することにより本願明細書に組み込む)の教示に従った断面形状を有するのが好ましく、それに加えて/或いは、それらの教示に従って形成されてもよい。また、第1の閉止機構38aは第1の閉止特性を示し、第2の閉止機構38bは第1の閉止特性とは異なる第2の閉止特性を示すのが好ましい。例えば、第1及び第2の閉止機構38のいずれか又は両方は、袋の開口力に対する比較的低いレベルの抵抗を示してもよいが、袋が開閉される際に、カチっと鳴るような感触及び/又は音を示すために、高いレベルの変形を提供してもよい。更に、第1及び第2の閉止機構38のいずれか又は両方は、低いレベルの変形を示してもよいが、袋の開口力に対する比較的高い全体抵抗(overall resistance)を提供してもよい。雄型閉止要素44a、50aのいずれか又は両方は、その縦方向の中心線に関して対称形又は非対称形であってよく、雌型閉止要素44b、50bのいずれか又は両方は、その縦方向の中心線に関して対称形又は非対称形であってよい。このように、例えば、閉止機構38が、機構38の一方の側に及ぼされる開口力に対して第1の抵抗を示し、機構38の他方の側に及ぼされる開口力に対しては第2の異なる抵抗を示すように、第1及び第2の閉止機構38のいずれか又は両方が非対称の構成を有してもよい。
特定の実施形態において、第1の閉止機構38aは、袋が開閉される際にカチっと鳴るような感触を生じるために、高い程度の変形を示す。第1の閉止機構38aは、本願の譲受人が所有するダイスら(Dais et al.)の米国特許第5,140,727号(その開示を参照することにより本願明細書に組み込む)の教示に従って作られるのが好ましい。更に、第2の閉止機構38bは、開口力に対して比較的高い全体抵抗を提供する。更に、各閉止機構38a及び38bは、袋の内側(即ち、袋の底部34と閉止機構38との間の側)から及ぼされる開口力に対して第1の抵抗を示すと共に、閉止機構38の反対側(即ち、上縁部42と閉止機構38と間の側)から及ぼされる開口力に対して第2のより低い抵抗を示す。この格差のある開口力特性は、上述のような雄型閉止要素44a及び50a、並びに/又は、雌型閉止要素44b及び50bを非対称に構成することによって達成される。好ましい実施形態では、各閉止機構38a、38bは、上縁部42と閉止機構38との間の側に及ぼされる開口力に対して、実質的に同じ第1の抵抗を示す。更に、各閉止機構38a、38bは、袋の底部34と閉止機構38との間から生じる開口力に対して、実質的に同じ第2の抵抗を示す。この第2の抵抗は第1の抵抗より大きい。なお、袋の内側及び/又は閉止機構38の反対側から生じる力に関しては、第1の閉止機構38aは、開口力に対して、第2の閉止機構38bによって提供される抵抗と同じ又は異なる抵抗を提供してもよい。
更に、必要に応じて、閉止機構38a及び38bの両方、又は閉止機構38bのみは、袋が開閉される際にカチっと鳴るような感触を生じるために、高い程度の変形を示してもよい。更に、3つ以上の閉止機構38が設けられてもよく、これらの閉止機構38はそれぞれ異なる又は同じ閉止特性を有し、これらの閉止機構は、ユーザによる袋の開閉を可能にするために単一ユニットとして協働する。
必要に応じて、図2A、図3及び図4に示すように、内面又は表面46、48のいずれか又は両方の閉止機構38a、38bの間に、1つ以上のストリップ60を設けてもよい(任意に、隣接する閉止要素に接触しなくてもよい)。ストリップ60は着色されても又は着色されなくてもよく、構造に剛性を付加するものであってもよい。第1の実施形態によれば、雄型閉止要素44a、雌型閉止要素50b、及び要素44aと要素50bとの間に必要に応じて設けられるストリップ60aはピンクに着色されており、一方、雌型閉止要素44b及び雄型閉止要素50aは青に着色されている。表面48上の閉止要素44bと閉止要素50aとの間には、必要に応じて更なるストリップ60bが設けられてもよく、青に着色されてもよい。ストリップ60のサイズ及び形状は、所望の感触及び/又は剛性を得るために必要に応じて選択されてよい。
更に別の例では、必要に応じて設けられる各ストリップ60は、単に、薄い着色コーティング(例えば、着色された熱可塑性物質の非常に薄い層、着色されたエポキシ、塗料の層等)で構成されてもよい。
図3は更に別の実施形態を示し、図面中、類似の参照番号は様々な実施形態に共通の構造物を示す。図3に示すように、雄型閉止要素44a及び50aは内面又は表面46に配設され、雌型閉止要素44b及び50bは内面又は表面48に配設されている。本実施例では、内面又は表面46上の雄型要素44aと雄型要素50aとの間には、単一のストリップ60aが設けられる。それに加えて、又はそれとは別に、内面又は表面48上の雌型閉止要素44bと雌型閉止要素50との間には、ストリップ60b(図3の破線で示す)が設けられてもよい。表面46、48のいずれか又は両方に、1つ以上の更なるストリップが設けられてもよい。必要に応じて、閉止機構及びストリップと共に他の構造が含まれてもよい。例えば、ユーザの指を案内する更なる補助として、1つ以上のガイドリブ(図示せず)を設けてもよい。更に、ストリップ60の一部又は全て、及び/又は、他の構造は、閉止機構38aと閉止機構38bとの間に配置されてもよく、又は、機構38a、38bの外側(即ち、図1に示すように上方又は下方)に配置されてもよい。
本願明細書に開示される任意の実施形態では、袋20の内面46、48の閉止機構38a及び38bと袋20の最上部36との間に、1つ以上の把持用リブ74が設けられてもよい。この把持用リブ74は、袋の壁と一体に押し出し成形される。任意の数の把持用リブ74を用いてよいが、ユーザの指による把持動作を容易にするために、隣接するリブ間にはスペースが必要である。好ましい実施形態では、袋の各リップ40に約6又は7個の把持用リブ74が設けられている。
図3に示すように、各雄型閉止要素44a、50aは、それぞれ、矢形の係合部材80、82と基部部材84、86とを含む。各雌型閉止要素44b、50bは、基部部材94、96にそれぞれ接合されたC形プロファイル(profile、外形)部材90、92をそれぞれ含む。基部部材84,86は係合部材80、82より僅かに広く、基部部材94、96は(図2Aに示すような)C形プロファイル部材90及び92の端から端までの範囲より僅かに広い。これは、図2Aの実施形態についても同様である。これらの両方の実施形態では、閉止機構38を形成するために必要な樹脂は比較的少量である。実際に、単一の閉止機構を用いた標準的な袋の設計と比較しても、閉止要素38を製造するために必要な樹脂の増加は最小限であると思われ、それでも、広い軌道の感触と、不用意な開口に対する優れた抵抗とを有する閉止部が得られる。
図4は、閉止機構38a、38bを閉止機構138a、138bによって置き換えた、本発明の更に別の実施形態を示す。機構138aは雄型及び雌型閉止要素144a、144bを含み、機構138bは雄型及び雌型閉止要素150a、150bを含む。機構138aと機構138bとは同一であるので、閉止機構138aのみを詳述する。閉止機構138aの雄型閉止要素144aは、フランク側方部材156及び158と一体の基部154と、基部154から延びる矢形の係合部材160とを含む。雌型閉止要素144bは、基部162と、基部162から延びるC形プロファイル部材164とを含む。雌型閉止要素144bは、袋を閉止する際にユーザの指によって閉止要素に圧力が及ぼされると、雄型閉止要素144aを受容するよう構成されている。部材160及び164が係合及び分離される際に、側方部材156及び158が部材160と共に移動するよう、側方部材156及び158は十分なサイズを有し且つ係合部材160に十分に近接している。側方部材156及び158の高さは係合部材160の高さより低く、係合部材160が雌型プロファイル部材164に係合する際、部材156及び158は雌型プロファイル部材164の先端168を越えて延びる。従って、このような時に、雌型プロファイル部材164の先端168は、側方部材156及び158と雄型係合部材160との間にある。
前述の実施例のように、雄型閉止要素144a、150aは、同じ袋壁上又は異なる袋壁上に配置されてよく、雌型閉止要素144b、150bも同様である。
図3と図4とを比較すれば明らかなように、図3の基部部材84、86、94及び96は、それぞれ細長い部材180、182、184、186によって置き換えられ、よって、閉止機構138a、138bを製造するには、閉止機構38a、38bよりも多くの樹脂が必要である。しかしながら、細長い部材180〜186は、袋を閉止する際のユーザの指に対する案内を更に高める。前述の実施形態に関して述べたように、ストリップ60と同一又は類似の1つ以上のストリップ187が設けられてもよい。
所望であれば、本願明細書に記載する任意の実施形態において、隣接する閉止要素は、フィルムウェブによって相互接続されてもよい。このように、例えば、図4Aは図2Aの実施形態の変形例を示しており、ここでは、要素44b及び50aと一体に又は別に押し出し成形されるウェブ188aによって、雌型閉止要素44bが雄型閉止要素50aと相互接続されている。更に、要素44a、50bと一体に又は別に押し出し成形されるウェブ188bによって、雄型閉止要素44aが雌型閉止要素50bと相互接続されてもよい。図4Bは、図3の実施形態との関連において同じ特徴を示す。即ち、図4Bでは、雌型閉止要素44b及び50bはウェブ188cによって相互接続され、一方、雄型閉止要素44a及び50aはウェブ188dによって相互接続されている。
任意に、図4A及び図4Bでは、閉止要素44、50、及び/又はウェブ188a〜188dは、同じ又は異なる視覚的特性を有してもよい。適切な視覚的特性には、視覚的な材料特性(例えば、透明性、半透明性、又は不透明性、染料や他の適切な着色剤による透明、半透明、又は不透明材料の着色、マークの印刷やエンボシング等)が含まれる。例えば、ウェブ188aの一部又は全部が第1の視覚的特性(例えばピンクの着色)を有してもよく、ウェブ188bの一部又は全部が第2の異なる視覚的特性(例えば青い着色)を有してもよい。更に、図4Aの実施形態を例とすると、閉止要素44a及び50bの一方又は両方の一部又は全部が、ウェブ188b又は188aと同じ又は異なる視覚的特性を有してもよい。ウェブ188a又は188bの視覚的特性に対する閉止要素44b、50aについても同様であってよい。閉止要素44a、44bと50a、50bとがそれぞれ嵌合される際に、例えばピンク及び青の着色(これらの色が用いられる場合)といった第1及び第2の視覚的特性は、ブレンドされて単一の視覚的特性(例えば紫の着色)を形成し、これにより、閉止要素が完全に閉止されていることが示される。所望であれば、閉止要素44b、50aと44a、50bとの間にそれぞれ介在するウェブ188a、188bの中心部分(又は、ウェブ188c、188dの対応する中間部)は、閉止要素44、50が塞がれる際にこのような部分が互いに接触するよう、肉厚になっていてもよい。これにより、色の変化の効果を強調することができると共に、閉止を触覚的に確認できる。上記に加えて、任意のウェブが、エンボシング、より肉厚の感触、又はクッションの感触を含むがこれらに限定されない、任意の触覚的特性を含んでもよい。或いは、閉止要素44、50並びに/又はウェブ188a〜188dの長さに沿った断続的な部分が、任意の視覚的又は触覚的特性を有してもよい。例えば、図4Bの実施形態を参照すると、ウェブ188cは、その長さに沿って(即ち、袋20の端から端まで)個別の部分によって形成されたピンクの着色から成る視覚的特性を有する第1の交互パターンを有してもよく、ピンクの部分の間には、ウェブ188cの異なる視覚的特性を有する残りの部分(例えば半透明の無色(即ち、クリア)部分)が介在してもよい。更に、ウェブ188dは、ウェブ188cの第1のピンクの及びクリア(又は他の視覚的特性)の交互パターンに対して少なくとも部分的に位相を異にして配置される、ピンク及びクリア(又は他の視覚的特性)の部分の第2の交互パターンを有してもよい。必須ではないが、好ましくは、第1の交互パターンは規則的な(即ち、ピンク部分は全て実質的に同じ第1の長さを有し、残りのクリア部分は全て実質的に同じ第2の長さを有し、第1の長さと第2の長さは等しい又は等しくない)パターンであり、第2の交互パターンは第1の交互パターンと同一であるが、第1の交互パターンに対して180度変位される。閉止要素44a、44bと閉止要素50a、50bとが適切に嵌合されると、ウェブ188c、188dのピンク及びクリア(又は他の視覚的特性)が交互する部分が合わさって実質的に同一色(又は他の視覚的特性)の実質的に完全な線を形成し、これにより閉止要素が閉止されていることが示される。以上から明らかなように、閉止要素44、50を少なくとも部分的に塞ぐ際の視覚的な指標を与える補助となるよう、ウェブ188及び/又は閉止要素44、50の任意のものの任意の部分が異なる色、透明、半透明、又は不透明の材料や印刷されたマークを含む任意の視覚的特性を有してよく、対向するウェブ及び/又は閉止要素44、50が同じ視覚的特性又は異なる視覚的特性を有してよい。
図4C及び図4Dに示すように、ウェブ288a〜288dも、閉止要素44a、44b、50a及び50bの間に介在し且つそれらとは別に、本体部22、24上に別途押し出し成形されてもよい。図4A及び図4Bに関して上述した任意の実施形態は、図4C及び図4Dに示される構成をとることも可能である。ウェブ288a〜288dは、熱可塑性材料やフォーム材料を含むがこれらに限定されない任意の材料で作られてよい。例えば、図4Cでは、ウェブ288aは半透明の青い着色等の第1の視覚的特性を有してもよく、ウェブ288bは半透明の黄色の着色等の第2の視覚的特性を有してもよい。閉止要素44a、44bと閉止要素50a、50bとがそれぞれ嵌合されると、青及び黄色の着色がブレンドされて緑色のような視覚的特性を形成し、これにより、閉止要素44a、44bと50a、50bとが完全に閉止されていることが示される。更に、図4Dにおいて、ウェブ288cの断続的な部分は例えば白い着色等の任意の視覚的特性を有してもよく、白及びクリア部分が交互する第3の規則的又は不規則な交互パターンを形成してもよい。ウェブ288dの断続的な部分は、白い着色を含む視覚的特性を有してもよく、白及びクリア部分が交互する第4の規則的又は不規則なパターンを形成してもよい。好ましくは(但し必須ではない)、第3のパターンは第4のパターンと同一であるが、第4のパターンに対して180度変位される。前述の実施形態と同様に、閉止要素44a、44bと閉止要素50a、50bとが嵌合されると、ウェブ部分288c、288dの交互する部分が一列に並んで視覚的特性の完全な線(本実施形態では連続した白線)を形成し、これにより、閉止要素が閉止されていることが示される。また、前述の実施形態と同様に、閉止要素44,50が適切に嵌合された際の色の変化を強調するために、ウェブ288c、288dの厚さは、ウェブ288c、288dが少なくとも部分的に互いに接触するようになっていてもよい。
上述したように、ウェブ188a〜188d又は288a〜288dの任意のものは、そこに印刷されたマークを含む視覚的特性を有してもよい。例えば、第1のウェブは、例えば、その内面に印刷された「閉(closed)」という言葉を含む、印刷されたマークを有するクリアな材料で構成されてもよく、対向する第2のウェブは、クリアな材料で構成された視覚的特性を有してもよい。閉止機構がそれぞれ嵌合すると、第2のウェブを通して「閉」という言葉が現れ、閉止機構が完全に閉止されていることが示される。或いは、「閉」等の言葉は、第1及び第2のクリアなウェブの内面の横方向に離間した位置に印刷されてもよく、この場合、閉止機構がそれぞれ適切に嵌合されると、第1のウェブ及び第2のウェブを通して「閉」という言葉が横方向に離間した位置にはっきりと現れ、閉止機構が完全に閉止されていることが示される。印刷されたマークは言葉に限定されず、任意の数字、パターン、デザイン等が含まれ得る。
図5は本発明の更に別の実施形態を示し、ここでは、閉止機構38a、38bは、それぞれ第1及び第2の閉止機構238a、238bによって置き換えられている。第1の閉止機構238aは、第1の雄型閉止要素244a及び第1の雌型閉止要素244bを含む。図5に示されるように、第1の雄型及び雌型閉止要素244a、244bは、中心線246に関して実質的に対称形である。第1の雄型閉止要素244aは、基部248aから延びる2つのフック部251a、251bを有する係合部材250を含む。第1の雌型閉止要素244bは基部248bを含み、基部248bからは第1の離間した脚部252及び第2の離間した脚部254が延びている。第1の雌型閉止要素244bは、袋を閉じる際にユーザの指によって閉止要素に圧力が及ぼされると、第1の雄型閉止要素244aを受容するよう構成される。好ましい実施形態では、第2の閉止機構238bは、第2の雄型閉止要素256a及び第2の雌型閉止要素256bを含む。この実施形態では、第1の閉止機構238aの第1の雌型閉止要素244bは、第2の閉止機構238bの第2の雌型閉止要素256bと実質的に又は完全に同一である。従って、第2の雌型閉止要素256bは基部258bを含み、基部258bからは第3の離間した脚部260及び第4の離間した脚部262が延びている。第2の雌型閉止要素256bも、袋を閉じる際にユーザの指によって閉止要素に圧力が及ぼされると、第2の雄型閉止要素256aを受容するよう構成される。第2の雄型閉止要素256aは、基部258aから延びる1つのフック部265のみを含む係合部材264含む。自明であるが、第2の雄型閉止要素256aは、縦方向の中心線266に関して実質的に非対称形である。図5に示されるように、第1の袋壁26上において、第1の閉止機構238aの第1の雌型閉止要素244bは、第2の閉止機構238bの第2の雄型閉止要素256aと隣接している。第1の袋壁26上において、第1の雌型閉止要素244bは、第2の雄型閉止要素256aよりもパウチの上縁部42に近い位置に配置されている。更に、第2の袋壁28上において、第1の閉止機構238aの第1の雄型閉止要素244aは、第2の閉止機構238bの第2の雌型閉止要素256bと隣接している。第2の袋壁28上において、第1の雄型閉止要素244aは、第2の雌型閉止要素256bよりもパウチの上縁部42に近い位置に配置されている。図5Aに示される別の実施形態では、第1の袋壁26上において、第1の閉止機構238aの第1の雌型閉止要素244bは、第2の閉止機構238bの第2の雌型閉止要素256bに隣接しており、一方、第2の袋壁28上において、第1の閉止機構238aの第1の雄型閉止要素244aは、第2の閉止機構238bの第2の雄型閉止要素256aに隣接している。
好ましい実施形態では、第1の閉止機構238aは、その各閉止要素244a、244bを第1の開口力で分離することによって開放され、第2の閉止機構238bは、その各閉止要素256a、256bを第2の開口力で分離することによって開放される。第1及び第2の開口力は、それぞれ内部及び外部の開口力で構成される。一実施形態では、第1の雄型閉止要素244aは、第1の外部開口力によって第1の雌型閉止要素244bから分離し、第2の雄型閉止要素256aは、第2の外部開口力によって第2の雌型閉止要素256bから分離する。第1及び第2の外部の力は、パウチの内側から閉止機構238a、238bに作用する内部の突然開口する力(bursting force)ではなく、実質的に、袋の上縁部42に近い側から及ぼされる。好ましい実施形態では、第1の閉止機構238aは、第1の外部開口力が第2の外部開口力よりも大きくなるように、袋の外部開口力を主に決定する。この力の差は、第1の閉止機構238aの第1の雄型閉止要素244aがフック部251aを有するのに対して、第2の雄型閉止要素244aには対応する位置の(即ち、上縁部42に向かう)フック部が無いことから生じる。係合部材264の(上縁部42に向かう)対向する側の余分な部分をなくすことにより、袋20を開く際に、第2の雌型閉止要素256bが第2の雄型閉止要素256aの周囲で撓みにくくなる。第2の閉止機構238bの撓みを減らすことにより、外部開口力が第1の閉止機構238aによって示されるよりも低くなる。更に、図5Bに示されるように、第2の雄型閉止要素256aは、係合部材264の根元部268の厚さAと、フック部265の最も広い部分の厚さBとを有する。好ましい実施形態では、厚さAと厚さBは実質的に等しい。或いは、厚さBを増加させることにより、閉止機構238bが生じさせる外部開口力を増加させることができる。
他の実施形態と同様に、図5に示される実施形態は2つの閉止機構を含み、第1の閉止機構238aは第1の閉止特性を示し、第2の閉止機構238bは第2の閉止特性を示す。第2の閉止特性は、第2の閉止機構238bの第1の側に加えられる外部開口力に対する第1の抵抗と、第2の閉止機構238bの第2の側に加えられる内部開口力に対する第2の抵抗とを含むのが好ましい。上述したように、好ましくは、第2の雄型閉止要素256aは袋20の内側に向いた1つのフック部265のみを含むので、第2の閉止機構238bは非常に低い外部開口力を有する。従って、第2の閉止機構238bは、外部開口力よりも内部の突然開口する力に対する耐性がある。第1の閉止機構238aは、事実上、袋20の外部開口力を制御し、一方、第2の閉止機構238bは、袋20の内側から及ぼされる突然開口する力に対する抵抗を主に決定する。
本発明の更に別の実施形態では、第1の閉止機構238aは、袋を開閉する際にカチっと鳴るような感触及び/又は音を示す。このようなカチっと鳴るような感触は、第1の閉止機構238aに高いレベルの変形を生じさせることによって作り出される。第1及び雌型閉止要素244a、244bは、同じく高いレベルの変形を生じる図2A及び2Bに特徴付けられる実施形態と類似の構造であってもよい。
自明であるが、第1の雄型閉止要素244aは第1の閉止力で第1の雌型閉止要素244bと係合し、第2の雄型閉止要素256aは第2の閉止力で第2の雌型閉止要素256bと係合する。一実施形態では、第1の閉止力は第2の閉止力よりも大きい。別の実施形態では、第2の閉止力は第1の閉止力よりも大きい。更に別の実施形態は、ほぼ等しい第1及び第2の閉止力を有する。例えば、厚さが64ミル(1.6mm)のファスナーでは、第1の閉止機構238aの平均閉止力は0.15ポンド(0.07キログラム)であり、第2の閉止要素238bの平均閉止力は0.05ポンド(0.02キログラム)であり、機構238a、238bを組み合わせた総合閉止力は0.20ポンド(0.09キログラム)であった。ファスナーの厚さを75ミル(1.9mm)に増やすと、第1の閉止機構238aの平均閉止力は0.18ポンド(0.08キログラム)であり、第2の閉止要素238bの平均閉止力は0.06ポンド(0.03キログラム)であり、機構238a、238bを組み合わせた総合閉止力は0.24ポンド(0.11キログラム)であった。第1及び第2の閉止機構238a、238bの総合閉止力は、約0.10〜0.45ポンド(0.05〜0.20キログラム)の範囲内であるのが好ましく、約0.15〜0.35ポンド(0.07〜0.16キログラム)の範囲内であるのがより好ましく、約0.20〜約0.30ポンド(0.09〜0.14キログラム)の範囲内であるのが最も好ましい。総合閉止力を最も好ましい範囲内とすることにより、従来の単一閉止機構袋と同様の総合閉止力を有する二重閉止機構袋が可能になる。本実施形態は、かなり強い二重閉止機構袋を可能にする一方で、ユーザが広い軌道の感触を有する単一閉止機構袋を用いているかのように「感じる」ことも可能にする。
本願明細書に記載する開閉自在熱可塑性保存袋は、キャスト・ポストアプライド(cast post applied)プロセス、キャスト一体成形プロセス、ブローンプロセス、又は当該技術分野で周知の他の任意のプロセス等といった、任意の適切な製袋プロセスで製造可能である。なお、閉止機構及びストリップの形成に用いられる押し出しダイは、このような構造を形成するのに適した数のプロファイル板を含まなければならない。更に、各雌型閉止要素と関連付けて、押し出し成形中の部材を開口させるために、各C形雌型プロファイル部材の開口部に空気を吹き込む空気ノズルが設けられてもよい。更に、押し出し成形された雄型閉止要素及び雌型閉止要素を冷却するための、1つ以上の冷却水噴射装置が設けられてもよい。
所望であれば、本願明細書に開示される任意の袋を製造するために、図6及び図7に示されるような、別のポストアプライド・プロセスを用いることもできる。このような図を参照すると、別のポストアプライド・プロセスは、第1の押し出しスロットダイ300、温度制御された従動キャスティングロール302、縁部固定デバイス又は装置304a、304b、エアナイフ306、第2及び第3の押し出しダイ308a、308b(これらは線図で示されており、ダイ300と共に押し出し装置を構成する)、及び吹き出し装置310a、310bを備える押し出し装置を用いる。押し出しダイ300は、押し出し成形機(図示せず)から溶融した熱可塑材を受け取り、熱可塑材をウェブ312としてシート状にキャスティングロール302に付着させる。押し出しダイ300は、得られたウェブ312の縁部318a、318bの外側の肉厚領域314、316と、肉厚領域314、316の間にある比較的薄い部分320とを形成するスロット開口部(図示せず)を含む。縁部318a、318bは、それぞれ縁部固定装置304a、304bによってキャスティングロール302に固定される。次に、ウェブ312は、その全幅にわたり(即ち、全体的に)、エアナイフ306によってキャスティングロール302に固定される。
ウェブ312がキャスティングロール302に固定されたら、ウェブ100上に雄型及び雌型閉止要素44、50、又は144、150が形成される。押し出しダイ308a、308bは、別の押し出し成形機から溶融した熱可塑材を受け取って、肉厚領域314、316上に雄型及び雌型閉止要素44、50、又は144、150を押し出し成形するのが好ましい。或いは、別個の押し出しダイ308a、308bを、雄型及び雌型閉止要素44、50、又は144、150が同時に肉厚領域314、316上に押し出し成形される2つの出口を有する単一の押し出しダイと置き換えてもよい。更に別の例として、各押し出しダイ308a、308bを、閉止要素44、50、又は144、150、及びストリップ60、187を個別に押し出し成形する2つ以上の押し出しダイと置き換えてもよい。いずれにしても、図8に示されるように、各ダイ308の正面322の角度は、少なくとも最初は、キャスティングロール302の中心から延びる水平な径方向の線324と略平行に配置される。次に、ダイ308(又は、個別のダイを用いる場合には各ダイ308a、308b)の位置を、ダイを(図8では)上下左右に動かすことによって調整してもよく、又は、所望の結果が得られるようダイ正面322の角度を調整するために、ダイを傾けてもよい(即ち、角度的に変位する)。ダイ308によって形成された閉止要素44、50、又は144、150は、キャスティングロール302のウェブ312が最初に付着される側でキャスティングロール302の表面と交差する垂直な接線326(図8)と一致する位置で、ダイ308から出てもよい。或いは、ダイ308によって形成された閉止要素44、50、又は144、150は、(図8に示されるように)接線326から右又は左にずれた位置で、ダイ308から出てもよい。押し出し成形物が線326から右にずれた位置でダイ308から出る場合には、製造開始時に押し出し成形物の流れをキャスティングロール302に付着させるための何らかの装置を設けなければならない。その後で製造を開始でき、(ダイ308の出口が接線326から右に離れ過ぎていない限り)押し出し成形の流れの溶融張力によって流れがロール302に接触する。
ダイ308からの溶融した熱可塑材がウェブ312に付着したら、閉止要素44、50、又は144、150の温度を、閉止要素44、50、又は144、150を形成する熱可塑性材料の融点よりできるだけ迅速に下げるために、冷却剤装置(図示せず)によって、閉止要素44、50、又は144、150に冷却剤が適用される。冷却剤は、水又は他の任意の適切な冷却液を含むのが好ましく、閉止要素44、50、又は144、150のウェブ312への付着力が最適化されるように、冷却剤は、閉止要素44、50、又は144、150の材料がウェブ312の材料に接触した後にのみ、閉止要素44、50、又は144、150の材料に適用されるのが好ましい。ウェブ312及び閉止要素44、50、又は144、150が更に冷却されるように、ウェブ312及び閉止要素44、50、又は144、150は、ロール302が回転される時間だけ、温度制御されたキャスティングロール302との接触が保たれる。キャスティングロール302は、ウェブ312及び閉止要素44、50又は144、150を形成する熱可塑性材料の融点より低い温度(一般的には約20〜80℃)に保たれるべきである。
所望であれば、製袋プロセスにおいてフィルムに後でポストアプライされる(post-applied)ファスナーテープを形成するために、上述の実施形態の閉止要素及び/又はストリップ及び/又は他の関連構造物の任意のものを、フランジの内面上に一体に又は別に押し出し成形できる。例えば、図9に示されるように、ファスナーテープは、第1のファスナーテープ部400及び第2のファスナーテープ部402を含み、これらは、押し出しダイ404によって水槽406中に個別に押し出し成形されてもよい。所望であれば、この目的で2つ以上の押し出しダイを用いてもよい。ファスナーテープ部400、402は、水槽306中においてプーリ又はローラ408、410の周りにそれぞれ延び、更なるプーリ又はローラ412、414及び水槽406の外のプーリ又はローラ416、418の周りに更に延びてもよい。その後、ファスナーテープ部400、402は、ファスナーテープ部から水を除去する脱水ステーション420を通過してもよく、部分400、402はニップローラ422によって接合されてもよい(即ち、塞がれる)。その後、塞がれた部分400、402は、スプール又はリール上に巻かれて保管されもよく、又は、塞がれた部分400、402は、ライン上の製袋装置に直接送られ、そこで袋のフィルムにラミネート又は別様で固定されてもよい。
図10を参照すると、第1のファスナーテープ部400は、第1の内面430と、第1の内面430に固定された閉止要素444b及び456aとを含む。第2のファスナーテープ部402は、第2の内面432と、第2の内面432に固定された閉止要素444a及び456bとを含む。閉止要素444b、456a、444a、及び456bは、それぞれ上述の閉止要素244b、256a、244a、及び256bと類似又は同一であってよい。一部の実施形態では、ファスナーテープは、最終的に袋の上部を形成する領域では比較的厚くてもよく、ファスナーテープがフィルムに接合される領域では比較的薄くてもよい。また、最終的に袋の最上部を形成する領域には把持用ストリップ(図示せず)が形成されてもよい。