JP2007336269A - 多数決回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡素で高精度な判定性能を有する多数決回路を提供する。
【解決手段】本発明に係る多数決回路は、差動対をなす第一及び第二トランジスタを有する差動アンプと、一方の電極に第一デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第一トランジスタのゲートに共通接続された複数の第一キャパシタと、一方の電極に第二デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第二トランジスタのゲートに共通接続された複数の第二キャパシタとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、多数決回路に関し、特に簡素な構成で精度を向上するための技術に関するものである。
現在、異なるIC間でデータを受け渡すための技術として、データ線を複数パラレルに接続したデータバスを用いたパラレル転送技術が半導体システムの多くで採用されている。データバスでは、データの論理が反転する時に電力を消費し、反転するビットが多くなるのに比例して消費電流が増大する。
電子機器、特に、携帯機器では、低消費電力の要求が高まっており、この要求を満たす技術として、データインバージョン機能が考えられている。このデータインバージョン機能は、データバスに論理が正論理か負論理かを示すインバージョン線を加え、すべてのビットの半数以上が論理反転する場合に、正論理と負論理とを切り替えることによって、実際に反転するビットの数を少なく抑える技術である。
このデータインバージョン機能は、メモリの出力部にも用いられている。それは、多ビット出力(例えば32ビット出力)を持つメモリの場合、信号が切り替わる際の出力バッファーにおけるノイズを減らすために、出力ビットの半数以上が論理反転する場合には、信号を出力する前にそれを検知し、期待値に対して正論理と負論理とを反転した信号を出力してノイズを軽減させ、且つ、反転したことを示す信号を出力するものである。
このデータインバージョン機能を実現するために、半数以上のビットが論理反転したか否かを判定する多数決回路が採用されている。多数決回路は、レイアウトサイズが小さく高速な回路が望まれている。このため、多数決回路のレイアウトサイズを小さくする事を目的とした従来技術が提案されている(特許文献1参照)。
この従来技術においては、トランジスタと抵抗を使用して簡略化されたデジタル−アナログ変換回路を利用した多数決回路を提案し、レイアウトサイズを小型化している。
特開2004−015434号公報
しかしながら、上述の従来技術に係る多数決回路によれば、判定精度の向上を図る場合にはトランジスタを多用した複雑な回路構成となり、レイアウトサイズが増加する。また、複数のトランジスタと抵抗で比較器に入力されるアナログ電圧を決定しているので、比較対象信号のビット数が多い(例えば32ビット)場合には抵抗値を小さくする必要があり、消費電流が増加するという問題があるので、数十ビット以上の分解能が必要な場合には、実用的ではない。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、構成が簡素で高精度な判定性能を有する多数決回路を提供する事である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明に係る多数決回路は、差動対をなす第一及び第二トランジスタを有する差動アンプと、一方の電極に第一デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第一トランジスタのゲートに共通接続された複数の第一キャパシタと、一方の電極に第二デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第二トランジスタのゲートに共通接続された複数の第二キャパシタとを備える。
上記多数決回路において、前記第一トランジスタのゲートと前記第一キャパシタの他方の電極との間に、該第一キャパシタの他方の電極に現れる電圧を前記差動アンプの入力特性に適合した電圧に変換する第一電圧変換部と、前記第二トランジスタのゲートと前記第二キャパシタの他方の電極との間に、該第二キャパシタの他方の電極に現れる電圧を前記差動アンプの入力特性に適合した電圧に変換する第二電圧変換部とを更に備えたことを特徴とする。
上記多数決回路において、前記第一トランジスタと第二トランジスタは、半導体基板の主表面に形成されたソース及びドレインと、前記ソースとドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成されたゲートと、から構成され、複数の前記第一キャパシタと第二キャパシタは、互いに電気的に絶縁されて前記半導体基板の主表面にデジタル信号入力端子として形成された不純物領域からなる一方の電極と、前記不純物領域上に絶縁膜を介して前記一方の電極と対向するように前記ゲートと一体的に形成された他方の電極とから構成された事を特徴とする。
上記多数決回路において、前記第一トランジスタと第二トランジスタは、半導体基板の主表面に形成されたソース及びドレインと、前記ソースとドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成されたゲートと、から構成され、複数の前記第一キャパシタと第二キャパシタは、前記ゲート上に絶縁膜を介してデジタル信号入力端子として形成された一方の電極と、前記ゲートと一体的に形成された他方の電極とから構成された事を特徴とする。
上記多数決回路において、前記第一キャパシタの前記他方の電極における電子量を調整する第一電子量調整部と、前記第二キャパシタの前記他方の電極における電子量を調整する第二電子量調整部とを更に備えたことを特徴とする。
上記多数決回路において、前記第一電子量調整部は、前記第一トランジスタとゲート同士が接続される第三トランジスタからなり、前記第二電子量調整部は、前記第二トランジスタとゲート同士が接続される第四トランジスタからなり、前記第一トランジスタと前記第二トランジスタは、半導体基板の主表面に形成された第一ソース及び第一ドレインと、前記第一ソースと前記第一ドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成された第一ゲートと、から構成され、前記第三トランジスタと前記第四トランジスタは、前記半導体基板の主表面に形成された第二ソース及び第二ドレインと、前記第二ソースと前記第二ドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して前記第一ゲートと一体的に形成された第二ゲートと、から構成され、複数の前記第一キャパシタと前記第二キャパシタは、互いに電気的に絶縁されて前記半導体基板の主表面にデジタル信号入力端子として形成された不純物領域からなる一方の電極と、前記不純物領域上に絶縁膜を介して前記一方の電極と対向するように前記第一及び第二ゲートと一体的に形成された他方の電極と、から構成される事を特徴とする。
上記多数決回路において、前記第三トランジスタと前記第四トランジスタは、初期値の書き込み時に、各々複数の前記デジタル信号入力端子のすべてには論理ハイレベルの電圧が印加され、前記第二ソースには接地電圧が印加され、前記第二ドレインには所定の第一の正電圧が印加され、初期値の消去時に、各々複数の前記デジタル信号入力端子のすべてには論理ローレベルの電圧が印加され、前記第二ソースには接地電圧が印加され、前記第二ドレインには所定の第二の正電圧が印加され、多数決判定時に、前記第二ソースと前記第二ドレインと前記第一ソースには接地電圧が印加され、前記第一ドレインには所定の第三の正電圧が印加され、前記デジタル信号入力端子には多数決判定すべきデジタル信号の各ビット信号が印加される事を特徴とする。
本発明によれば、デジタル入力信号の各ビットに応じた複数のキャパシタにおける電荷の再分配を利用してトランジスタのゲート電圧を制御するようにしたので、このゲート電圧を精度良く比較することが可能になる。従って、構成が簡素で高精度な判定性能を有する多数決回路が提供できる。
<第一の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る多数決回路の回路図である。
本多数決回路は、2組のデジタル−アナログ変換器100a、100bと、それらの有するMOSトランジスタTra、Trbが入力段の差動対トランジスタとして共通に用いられるカレントミラー型アンプ101(差動アンプ)と、インバータ204とから構成されている。
デジタル−アナログ変換器100aは、MOSトランジスタTraと、n個のカップリングキャパシタC1a〜Cnaとから構成される。カップリングキャパシタC1a〜Cnaのそれぞれの一端は、MOSトランジスタTraのフローティングゲートFGa(ゲート)と共通接続され、他端はn個のデジタル信号入力端子φ1a〜φnaである。
デジタル−アナログ変換器100bは、MOSトランジスタTrbと、n個のカップリングキャパシタC1b〜Cnbとから構成される。カップリングキャパシタC1b〜Cnbのそれぞれの一端(一方の電極)は、MOSトランジスタTrbのフローティングゲートFGb(ゲート)と共通接続され、他端(他方の電極)はn個のデジタル信号入力端子φ1b〜φnbである。
デジタル信号入力端子φ1a〜φna、φ1b〜φnbには、2組のデジタル信号のビット信号が印加される。
カレントミラー型アンプ101は、入力段の差動対であるMOSトランジスタTra、Trbと、負荷であるp型MOSトランジスタ201、202と、定電流源であるn型MOSトランジスタ203とから構成される。
n型MOSトランジスタ203のゲートには、任意の一定電流を流すために例えば約1V程度のバイアス信号BIASが入力される。カレントミラー型アンプ101の出力OUTampは、インバータ204に入力され、その出力信号は整形されて信号OUTとして出力される。n型MOSトランジスタ203のソースはグランド(VSS)に接続され、p型MOSトランジスタ201、202のソースは電源(VDD)に接続される。
概略的には、本多数決回路は、2組のデジタル信号入力端子φ1a〜φna、φ1b〜φnbに入力された2組のデジタル入力信号によってフローティングゲートFGa、FGbの電圧が決定され、その2つの電圧を差動アンプで比較する事により、2組のデジタル入力信号の内の論理ハイレベルの多い組を判定するものである。
ここで、本実施形態に係る多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器100の構成と動作について説明する。
図2(a)は、本実施形態に係る多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器の平面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A’に沿った断面図であり、図2(c)は、図2(a)のB−B’に沿った断面図であり、図2(d)は、図2(a)のC−C’に沿った断面図である。
まず、本デジタル−アナログ変換器のデバイス構造を、図2を用いて説明する。
同図において、1は、p型半導体基板、2は、トランジスタTrのゲート部、3は、フローティングゲートFG(ゲート)となるポリシリコン、4は、トランジスタTrのドレインDとなるn+拡散層、5は、メタル配線6とn+拡散層4とを接続するコンタクト、6は、ドレインDに接続されるメタル配線、7は、トランジスタTrのソースSとなるn+拡散層、8は、メタル配線9とn+拡散層7とを接続するコンタクト、9は、ソースSに接続されるメタル配線、10は、p型半導体基板1中に形成されたn型半導体領域であるn−well(不純物領域)、11は、キャパシタ部、12は、n−well10中に形成されたn+拡散層、13は、n+拡散層12とメタル配線14とを接続するコンタクト、14は、メタル配線、15は、素子分離用のフィールド酸化膜、16は、トランジスタTrのゲート酸化膜及びカップリングキャパシタCpの絶縁層となる薄い酸化膜を表す。なお、ゲート部2は、ポリシリコン3のうち、トランジスタTrのゲートとして機能する部分を指している。
ここで、ポリシリコン3(ゲート部2)と、n+拡散層4と、コンタクト5と、メタル配線6と、n+拡散層7と、コンタクト8と、メタル配線9と、薄い酸化膜16とから検知用のn型MOS構造のトランジスタTrが構成され、この構造はロジックICのMOSトランジスタ構造と同一である。
又、ポリシリコン3を上部電極(他方の電極)とし、薄い酸化膜16を挟んで対向する様にn−well10を下部電極(一方の電極)としてカップリングキャパシタC1が構成される。カップリングキャパシタC1の下部電極であるn−well10中に形成されるn+拡散層12と、コンタクト13とを用いて、n−well10をメタル配線14に接続してデジタル信号入力端子φ1とする。
そして、上部電極であるポリシリコン3は共通に使用して、下部電極であるn−well10と、n+拡散層12と、コンタクト13と、メタル配線14とを互いに電気的に絶縁される様に複数組用い、カップリングキャパシタC1と同一構造のカップリングキャパシタC2〜Cnが構成される。それぞれのn−well及びメタル配線が、デジタル信号入力端子となる。カップリングキャパシタの数は、デジタル入力信号の数と同数である。
ここで、MOSトランジスタTrのポリシリコン3を共通に用いてカップリングキャパシタC1〜Cnの上部電極とMOSトランジスタTrのゲート部2を構成しているため、ポリシリコン3は周囲を絶縁体に囲まれており、電気的にどこにも接続されないフローティング状態となる。このポリシリコン3が、フローティングゲートFGとなる。
図3は、本多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器の等価回路図である。
本デジタル−アナログ変換器は、上述したデバイス構造から明らかな様に、検知用のMOSトランジスタTrと複数のカップリングキャパシタC1〜Cnとから構成される。MOSトランジスタTrは、電極としてドレインDと、ソースSと、フローティングゲートFGとを備え、カップリングキャパシタC1〜Cnは、それぞれの一端がフローティングゲートFGに共通接続され、他端はデジタル信号入力端子φ1〜φnとして働き、これらがデジタル−アナログ変換器100を構成する。
次に、本多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器の動作原理を説明する。
概略的には、本デジタル−アナログ変換器は、デジタル入力信号の各ビットに応じて複数のキャパシタ間で電荷の再分配を行い、これによりトランジスタのゲート電圧を制御することにより、このトランジスタのドレイン電流を精度良く制御する。このドレイン電流をアナログ出力信号として取り出せば、デジタル入力信号を精度良くアナログ信号に変換することが可能になる。
更に詳細に本デジタル−アナログ変換器の動作原理を説明する。
図4は、本多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器のフローティングゲートFGに対する容量系の等価回路図である。
本デジタル−アナログ変換器は、複数のカップリングキャパシタC1〜Cnを備えるが、ここでは説明を簡略化するために、カップリングキャパシタC1、C2、Cnの3つがフローティングゲートFGに接続されている場合を考える。フローティングゲートFGには、それらに加えてMOSトランジスタTrのゲート容量やフローティングゲートFGの寄生容量を加算した寄生容量Cpが対接地(VSS)に付加される。
ここで、カップリングキャパシタC1、C2、Cnに入力されるデジタル入力信号の電圧をそれぞれVφ1、Vφ2、Vφnとし、フローティングゲートFGの電圧をVFGとする。
その場合には、図示した容量系の電荷の総量は0であるため、
C1(VFG−Vφ1)+C2(VFG−Vφ2)+Cn(VFG−Vφn)
+Cp(VFG−VSS)=0
が成立する。
さらに、C1+C2+Cn+Cp=CT、VSS=0とすると、フローティングゲートの電圧VFGは、
VFG=(C1/CT)×Vφ1+(C2/CT)×Vφ2+(Cn/CT)×Vφn
と表せる。
即ち、フローティングゲートの電圧VFGは、カップリングキャパシタC1〜Cnの容量とデジタル入力信号の電圧Vφ1〜Vφnのみで決定される。上式は、カップリングキャパシタの個数がn個の場合に拡張しても、同様に成り立つ。
次に、図5を用いて本デジタル−アナログ変換器の電気的特性を説明する。
図5(a)は、本多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器のId−Vd特性図であり、図5(b)は、本多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器のドレインに負荷抵抗Rを設けた回路図である。
ここでは、C1=C2=・・・=Cnの条件において、デジタル信号入力端子に印加される信号がφ1からφ2、φ3、・・・φnと順番に一本ずつ論理ローレベル“0”から論理ハイレベル“1”に切り替わった場合を考える。なお、論理ハイレベルの電圧は、すべて同一(例えば電源電圧である3V)とし、MOSトランジスタTrのソースSは接地されているものとする。
この場合、本デジタル−アナログ変換器のフローティングゲートの電圧VFGが前述の様に各デジタル信号入力端子に印加される電圧に応じて変化するため、デジタル信号入力端子の電圧が一本ずつ論理ハイレベルになると、それに応じてフローティングゲートの電圧VFGは正確にΔVずつ上昇する。
以下に、フローティングゲートの電圧VFGの決定のされ方をより詳細に説明する。
前述した式によると、Vφ1が論理ハイレベル(電圧VHとする)、Vφ2=Vφ3=・・・=Vφn=0の場合、VFG=(C1/CT)×VHである。
次に、その状態からさらにVφ2が論理ハイレベルに変化した場合、VFG=(C1/CT)×VH+(C2/CT)×VHとなり、C1=C2であるため、VFG=2(C1/CT)×VHと表せる。
即ち、フローティングゲートの電圧VFGは、デジタル信号入力端子の電圧が1本ずつ論理ハイレベルになるに従いΔV=(C1/CT)×VHずつ一定間隔で増加する事が分かる。その結果として、MOSトランジスタTrのId−Vd特性は、図5(a)に示した様に飽和領域において電流が等間隔に増加する複数本のグラフを示す。
具体的には、デジタル信号入力端子φ1〜φn=“0”の場合、フローティングゲートの電圧VFGは初期値であるため、ドレイン電流は初期値であるId−Vd特性401を示す。次に、φ1=“1”、φ2〜φn=“0”の場合、フローティングゲートの電圧VFGが初期値からΔVFG=ΔV増加し、その結果としてドレイン電流は飽和領域においてΔI増加したId−Vd特性402を示す。
同様に、ドレイン電流は、φ1=φ2=“1”、φ3〜φn=“0”の場合、Id−Vd特性403を示し、φ1〜φ3=“1”、φ4〜φn=“0”の場合、Id−Vd特性404を示し、φ1〜φ4=“1”、φ5〜φn=“0”の場合、Id−Vd特性405を示す。そして、φ1〜φn=“1”(全入力電圧が論理ハイレベル)の場合には、ドレイン電流はId−Vd特性406を示す。それぞれの状態において、フローティングゲートの電圧VFGがΔVFG=ΔVずつ増加し、ドレイン電流はΔIずつ増加している。即ち、デジタル入力信号の論理ハイレベルの数に比例してドレイン電流が増加し、高精度にデジタル−アナログ変換処理が行われた事になる。
ここで、図5(b)に示した様に、電圧出力を得る目的でMOSトランジスタTrのドレインに抵抗負荷Rを設けた場合には、抵抗負荷Rによる負荷線が図5(a)のId−Vd特性のグラフに重ねて表示される。そして、各デジタル入力信号に対応したId−Vd特性のグラフと負荷線との交点が出力電圧Viとなる。ドレイン電流Idがデジタル入力信号の論理ハイレベルの数に比例して正確にΔIずつ増加するため、出力電圧Viは、v1、v2、v3、v4、・・・vnと正確に等間隔で減少する電圧となる。つまり、高精度にデジタル−アナログ変換処理が行われた事になる。
次に、上述のデジタル−アナログ変換動作を表に基づいて説明する。
表1は、デジタル入力信号に対応した各部の電圧である。
Figure 2007336269
状態1ではVφ1=Vφ2=・・・=Vφn=0Vであるため、フローティングゲートFGの電圧は初期状態であり、例えばαVを有している。そして、出力はv1となる。
状態2では、デジタル信号入力端子φ1のみが論理ハイレベル“1”(例えば電源電圧の3V)となり、他のデジタル信号入力端子は論理ローレベル“0”(0V)であるため、フローティングゲートFGの電圧は容量系の比で決まるΔV分だけ上昇する。そして、出力はv2となる。
同様にして、状態3〜状態7に示した様に、順次デジタル信号入力端子φ2、φ3、・・・φnが一つずつ論理ハイレベル“1”(即ち3V)に切り替わると、それに対応してフローティングゲートFGの電圧も順次ΔV分ずつ正確に上昇する。そして、出力は、v3〜vnとなる。
上述の説明ではデジタル入力信号が順次切り替わる例を示したが、順次切り替わるという規則性は必ずしも必要ではない。例えば、状態9に示した様に、φ1、φ3、φ5のみが論理ハイレベル“1”であり、他が論理ローレベル“0”である場合も、フローティングゲートFGの電圧はα+2ΔVとなるため出力電圧がv3となり、状態3と同一になる。同様に、状態10では、デジタル入力信号2本が“1”になった場合を示しており、この場合は状態4と同じ出力電圧v4となる。即ち、出力電圧は、何本のデジタル入力信号が論理ハイレベル“1”であるかに依存して決定される。
又、応用例として、カップリングキャパシタC1〜Cnの容量値を調整する事によって、より高精度のドレイン電流制御(すなわち出力電圧制御)が行える。あるいは、容量値の大きなカップリングキャパシタと小さなカップリングキャパシタを組み合わせる事によって、入力信号に対して非線形に変化する様にドレイン電流制御を行う事も可能であり、応用性が広いデジタル−アナログ変換器が提供できる。
さらに、カップリングキャパシタの容量値を変化させるその他の例として、4つのカップリングキャパシタの容量値を8:4:2:1の比に設定する事が考えられる。そして、4ビットの2進デジタル入力信号のMSBを8の容量値のカップリングキャパシタに入力し、LSBを1の容量値のカップリングキャパシタに入力し、その間のビットを順次容量値4と2のカップリングキャパシタに入力する。
つまり、デジタル入力信号が“0001”の時には、容量値1のみが選択され、フローティングゲートFGの電圧はα+ΔVとなるが、デジタル入力信号が“0101”の時には、容量値4+1が選択され、フローティングゲートFGの電圧はα+5ΔVとなり、それぞれに対応したドレイン電流や出力電圧が得られる。この方法を用いると、簡単な構成により2進デジタル入力信号をアナログ値に直接的に変換する事が可能となる。
この方法によっても、入力信号のビット数に応じた複数個の容量を用意して複数ビットのデジタル−アナログ変換が実現可能である。
さらに、本デジタル−アナログ変換器は、他に付属する回路が不要であり、非常にレイアウト面積が小さく、簡素な構成で変換器が実現できる。
次に、図面を参照して別のカップリングキャパシタ形成方法により作製したデジタル−アナログ変換器について説明する。
図6(a)は、カップリングキャパシタをポリシリコンで作製したデジタル−アナログ変換器の平面図である。図6(b)は、図6(a)のA−A’面に沿った断面図であり、図6(c)は、B−B’面に沿った断面図である。
本デジタル−アナログ変換器は、図に示した様に、カップリングキャパシタが2層目のポリシリコン20と1層目のポリシリコン3によって形成されている。前述したn−wellを下部電極として利用したカップリングキャパシタの代わりに、2層目のポリシリコン20をフローティングゲートFGである1層目のポリシリコン3の上に酸化膜を介して交差させることによって、交差する部分をカップリングキャパシタとして利用する。2層目のポリシリコン20は、デジタル信号入力端子として複数本配置され、複数個のカップリングキャパシタが構成される。カップリングキャパシタ以外の構成及び動作は、前述したデジタル−アナログ変換器と同一であるため、説明は省略する。
本デジタル−アナログ変換器の実現のためには、標準CMOSプロセスに2層目のポリシリコン製造工程を追加する必要があるが、n−wellやn+拡散層をそれぞれのカップリングキャパシタに対して形成する必要がないため、カップリングキャパシタ周囲の面積が非常に小さく出来る。そのため、デジタル入力信号のビット数が多く、カップリングキャパシタを多数用いる場合には面積削減効果が大きい。
なお、図に示した例では、フローティングゲートFGは1層目のポリシリコンで構成し、カップリングキャパシタのデジタル入力端子となる上部電極は2層目のポリシリコンで構成しているが、逆に構成しても良い。つまり、1層目のポリシリコンを用いてカップリングキャパシタのデジタル入力端子となる下部電極を形成した後、2層目のポリシリコンを用いてキャパシタの上部電極となるフローティングゲートFGを形成しても良い。この構成を採用することにより、フローティングゲートFGのシリコン基板に対する寄生容量を減らすことができる。
次に、上述してきたデジタル−アナログ変換器の動作原理を踏まえて、本多数決回路の動作を説明する。
本多数決回路は、入力a側のデジタル入力信号φ1a〜φnaと、入力b側のデジタル入力信号φ1b〜φnbのうち、論理ハイレベルである信号の本数が多い入力側を高精度に検知出来る。例えば、入力a側がφ1a=“1”、φ2a〜φna=“0”、入力b側がφ1b=φ2b=“1”、φ3b〜φnb=“0”の場合を考えると、入力b側の方が論理ハイレベルである信号の本数が多い。
この場合、前述したデジタル−アナログ変換器の動作原理から、入力a側のフローティングゲートFGaの電圧は、入力b側のフローティングゲートFGbの電圧よりも小さい。その結果、カレントミラー型アンプ101の出力OUTampから出力される信号は、高い電圧となる。そして、その信号は、インバータ204に入力され論理ローレベルの信号OUTとして出力される。
同様な動作原理から、入力a側の方が入力b側よりも論理ハイレベルである信号の本数が多い場合には、入力a側のフローティングゲートFGaの電圧は、入力b側のフローティングゲートFGbの電圧よりも大きくなり、信号OUTは論理ハイレベルの信号となる。
この様に、本多数決回路は、簡単な回路構成であるため小さいレイアウト面積で実現でき、2組のデジタル入力信号の論理ハイレベルの数の大小を高精度に判定可能である。また、消費される電流は、カレントミラー型アンプに流れる電流のみであるため、非常に小さく出来る。なお、デジタル入力信号のビット数を増やす場合には、カップリングキャパシタの数を増やすだけで良く、それに伴う消費電流の増加はない。
なお、本発明をデータインバージョン回路に用いる場合は、複数ビットが変化することを検知するために、各ビットの出力に、一般的にアドレス変化を検知するときに用いられるアドレストランジェションディテクタ(ATD)と同等の回路を用いたデータトランジェションディテクタを用い、この出力を本発明の入力信号として用いれば、データが変化する信号の本数を比較できる。
<第二の実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。
図7は、初期値を設定可能な多数決回路の回路図である。図1と共通の構成要素には同一符号を付け、説明は省略する。
本多数決回路は、後述する初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器を基本にして構成されている。
具体的には、本多数決回路は、2組の初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器101a、101bと、それらの有するMOSトランジスタTra、Trbが入力段の差動対トランジスタであるカレントミラー型アンプ101(差動アンプ)と、インバータ204とから構成される。
初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器101aは、MOSトランジスタTra、Tra2と、n個のカップリングキャパシタC1a〜Cnaとから構成される。MOSトランジスタTraとMOSトランジスタTra2のゲート同士は共通接続されフローティングゲートFGaとなり、カップリングキャパシタC1a〜Cnaのそれぞれの一端は、フローティングゲートFGaと共通接続され、他端はn個のデジタル信号入力端子φ1a〜φnaである。
初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器101bは、MOSトランジスタTrb、Trb2と、n個のカップリングキャパシタC1b〜Cnbとから構成される。MOSトランジスタTrbとMOSトランジスタTrb2のゲート同士は共通接続されフローティングゲートFGbとなり、カップリングキャパシタC1b〜Cnbのそれぞれの一端は、フローティングゲートFGbと共通接続され、他端はn個のデジタル信号入力端子φ1b〜φnbである。
カレントミラー型アンプ101の構成は第一の実施形態と同一である。
概略的には、本多数決回路は、予めMOSトランジスタTra、Trbを用いてフローティングゲートFGa、FGbに電荷を注入する事によりそれらの初期電圧にオフセットを持たせておき、その後2組のデジタル信号入力端子φ1a〜φna、φ1b〜φnbに入力された2組のデジタル入力信号によってフローティングゲートFGa、FGbの電圧がそのオフセットに基づいて決定され、その2つの電圧を差動アンプで比較する事により、2組のデジタル入力信号の内の論理ハイレベルの多い組を判定する判定条件にオフセットを持つものである。
以下に、図面を参照して初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器について説明する。
図8は、本多数決回路に用いられる初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の平面図である。前出のデジタル−アナログ変換器と共通の構成要素には同一の符号を付け、説明は省略する。
本初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器は、前出のデジタル−アナログ変換器の構成に加えて、フローティングゲートFGへの電子の注入と放出を行うための書き込み及び消去用のMOSトランジスタTr2(電子量調整部)を設けたものである。MOSトランジスタTr2の素子構造は、読み出し用のMOSトランジスタTr1と同じであり、ゲート部30と、ドレイン部31と、ソース部32とで構成される。そして、MOSトランジスタTr2のゲートはポリシリコン3を利用して形成する。
この様に、本初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器は特別な構造を必要としないため、ロジックICの製造に用いられる様な標準的なCMOSプロセスで作製可能である。
又、本初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器はMOSトランジスタTra2、Trb2を有するため、それを用いてフローティングゲートFGa,FGb(即ちカップリングキャパシタC1a〜Cna,C1b〜Cnbの他方の電極)に対して電荷を注入して電子量を調整し、フローティングゲートFGa,FGbの各電圧を変化させる事によってアナログ出力の初期値を所望の値に変更する事が可能である。動作の詳細については後述する。
図9は、本多数決回路に用いられる初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の等価回路図である。
前述の通り、デジタル−アナログ変換器のフローティングゲートFGは、書き込み及び消去用のMOSトランジスタTr2のゲートに共通接続されている。
表2は、本初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の書き込み、消去及び読み出しに関する動作表である。
説明を簡略化するために、デジタル信号入力端子はφ1、φ2、φnのみを示している。
Figure 2007336269
初期値の書き込み時には、ドレインD2に例えば5Vを印加し、ソースS2を接地し、デジタル信号入力端子φ1、φ2、φnを論理ハイレベル(例えば電源電圧3V)に設定する。その結果、フローティングゲートFGの電圧は、カップリングキャパシタC1、C2、Cnにより例えば2Vになる。そして、Tr2は飽和領域で動作し、ドレインD2の電圧が高いために過電流が流れてホットエレクトロンが発生し、電子がフローティングゲートFGに注入される。
即ち、ドレインD2の電圧等を制御する事によって、初期状態におけるフローティングゲートFGに注入される電荷量を調整することが出来るので、フローティングゲートFGの電圧を任意に設定出来る。換言すると、初期状態におけるドレイン電流値を任意に設定出来る。
なお、表に示した電圧は一例であり、書き込みが行える電圧であればそれに限定されるものではない。特に本実施形態では、書き込みの目的が初期値を決定するためであるので多量の電子を注入する必要は無く、そのため小さいドレイン電圧で書き込みを行っても良い。
初期値の消去時には、ドレインD2に7Vを印加し、ソースS2を接地し、デジタル信号入力端子φ1、φ2、φnを論理ローレベルに設定する。この状態ではフロ−ティングゲートFGの電圧は、カップリングキャパシタによってほぼ0Vに固定されるため、フロ−ティングゲートFGとドレインD2との電位差が約7Vとなり、ファウラノルトハイム(Fauler-Northeim)のトンネル電流が流れ、フローティングゲートFGからドレインD2へ電子が放出され、消去が行われる。
なお、消去が行える電圧であれば、表に記載された電圧に限定されるものではない。
読み出し時には、ドレインD2とソースS2とソースS1を接地し、ドレインD1に所定の電圧を印加して、デジタル信号入力端子φ1〜φnに所定のデジタル信号を入力する事により、第一の実施形態で説明した様にMOSトランジスタTr1を用いてデジタル−アナログ変換を行う事が出来る。予め書き込みが行われていた場合、MOSトランジスタTr1のドレインD1を流れるドレイン電流は、入力信号がすべて論理ローレベルの際には書き込み量に対応する初期値を示し、デジタル入力信号が入力されると初期値を基準にしてデジタル入力信号の論理ハイレベルの数に比例して一定量ずつ増加する。
上述の様な構成を用いる事によって、デジタル−アナログ変換においてデジタル入力信号がすべて論理ローレベルである場合の出力電流値(初期値)を自由に設定する事が出来る。なお、デジタル−アナログ変換器を構成するカップリングキャパシタは、n−wellを用いる構成でも良く、第二層のポリシリコンを用いる構成でも良い。
次に、上述してきた初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の動作原理を踏まえて、本実施形態に係る多数決回路の動作を説明する。
多数決の判定動作は、前述の第一の実施形態と同一である。その基本動作に加えて、本多数決回路は、書き込み及び消去用MOSトランジスタTra2、Trb2を備えているため、上述の様にすべてのデジタル入力信号φ1a〜φna、φ1b〜φnbが論理ローレベルの場合に、入力a側と入力b側とでフローティングゲートFGaとFGbとの電圧の初期値に差を付ける事が出来る。
従って、一例として予めフローティングゲートFGaの電圧がフローティングゲートFGbの電圧よりも小さくなる様に初期値の書き込みを行う事により、入力a側の論理ハイレベルの信号数が入力b側の論理ハイレベルの信号数よりも1本多い場合にはフローティングゲートFGaの電圧はフローティングゲートFGbの電圧よりも小さく、信号OUTは論理ローレベルの信号となり、入力a側の論理ハイレベルの信号数が入力b側の論理ハイレベルの信号数よりも2本以上多い場合に限りフローティングゲートFGaの電圧はフローティングゲートFGbの電圧よりも大きくなり信号OUTが論理ハイレベルの信号となる様に多数決の判定にオフセットを設定する事が出来る。
この機能は、予め片方の入力に書き込みを行って意図的に切り替わりをアンバランスにする場合や、差動アンプの入力部を構成するMOSトランジスタTra、Trbの備える閾値のオフセットを補正するために、チップ毎に書き込み値を変更して切り替わりを微調整する場合等に利用可能である。
<第三の実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
図10は、デジタル−アナログ変換器による基本ユニットの回路図である。図3と共通の構成要素には同一符号を付け、説明は省略する。
本基本ユニット102は、前述してきたデジタル−アナログ変換器100を構成するMOSトランジスタTrのドレインに抵抗Rの一端が接続されて構成される。そのドレインは、出力端子Viとなる。MOSトランジスタTrと抵抗Rは、電圧変換部を構成する。また、抵抗Rの他端は電源VDDに接続され、MOSトランジスタTrのソースは、グランドVSSに接続される。
なお、デジタル−アナログ変換器を構成するカップリングキャパシタは、n−wellを用いる構成でも良く、第二層のポリシリコンを用いる構成でも良い。
本基本ニット102は、図5を用いて説明した動作と同一の動作をする。つまり、本基本ユニット102は、デジタル入力信号の各ビットに応じて複数のキャパシタ間で電荷の再分配を行い、これによりMOSトランジスタのゲート電圧を制御することにより、このMOSトランジスタのドレイン電流を精度良く制御する。このドレイン電流は、抵抗Rにより電圧に変換されてアナログ出力信号として取り出され、デジタル入力信号が精度良くアナログ信号に変換される。
図11は、基本ユニットを差動アンプに接続した多数決回路の回路図である。
本多数決回路は、2組の基本ユニット102a、102bを用いて、それぞれの出力端子Via、Vibを差動アンプであるカレントミラー型アンプ103の2つの入力端子に接続している。
カレントミラー型アンプ103は、前述した第一の実施形態に係るカレントミラー型アンプ101と同一構造の差動アンプである。なお、この差動アンプは、入力された2つのアナログ信号の電圧の比較が行えればどの様な回路でも良く、図示した差動アンプの構成に限られるものではない。
次に、本多数決回路の動作を説明する。
本多数決回路は、第一の実施形態と同様に論理ハイレベルである信号の本数が多い入力側を高精度に検知出来る。例えば、入力a側がφ1a=“1”、φ2a〜φna=“0”、入力b側がφ1b=φ2b=“1”、φ3b〜φnb=“0”の場合を考えると、入力b側の方が論理ハイレベルである信号の本数が多い。
この場合、前述したデジタル−アナログ変換器の動作原理から、入力a側のフローティングゲートFGaの電圧は、入力b側のフローティングゲートFGbの電圧よりも小さい。その結果、MOSトランジスタTraを流れる電流は、MOSトランジスタTrbを流れる電流よりも小さくなる。そして、抵抗Ra、Rbによる電圧降下によって、基本ユニット102aの出力端子Viaの電圧は、基本ユニット102bの出力端子Vibの電圧よりも大きくなる。
この様な大小関係を持った2つの電圧がカレントミラー型アンプ103に入力されると、カレントミラー型アンプ103の出力OUTampから出力される信号は、低電圧の信号となる。そして、その信号は、インバータ204に入力されて論理ハイレベルの信号OUTとして出力される。
同様に、入力a側の方が入力b側よりも論理ハイレベルである信号の本数が多い場合には、信号OUTは論理ローレベルの信号となる。
基本ユニット102の電圧変換部は、カップリングキャパシタのデジタル信号入力端子とは他方の電極(MOSトランジスタのゲート)に現れる電圧を差動アンプの入力特性に適合した電圧に変換する。
従って、本実施形態に係る多数決回路は、各種の一般的な差動アンプにデジタル−アナログ変換器からなる基本ユニット102を接続して抵抗Rの値を調整するだけで簡単に実現する事が出来る。
なお、本実施形態に係る多数決回路において、第二の実施形態と同様に書き込み及び消去用のMOSトランジスタ(電子量調節部)を基本ユニット102のMOSトランジスタTrとゲート同士が共通接続される様に設ける事によって、初期値の書き込みを行って多数決の判定にオフセットを付ける事も出来る。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、n型半導体基板を用いて本多数決回路を構成しても良い。
また、本発明ではキャパシタとして、MOSトランジスタの閾値分の影響が出ないように、n型半導体基板上に形成してアキュミュレーション(accumulation)状態で用いたが、初期値でMOSトランジスタの閾値分の電位を与えて反転層が出来るレベルに設定しておけば、通常のMOSトランジスタを用いることは本発明の趣旨を逸脱しない。
本発明は、多数決回路に用いて好適である。
本発明の第一の実施形態に係る多数決回路の回路図である。 同上の多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器の構造図である。 同上の多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器の等価回路図である。 同上の多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器のフローティングゲートFGに対する容量系の等価回路図である。 同上の多数決回路に用いられるデジタル−アナログ変換器のId−Vd特性図である。 同上の多数決回路に用いられるカップリングキャパシタをポリシリコンで作製したデジタル−アナログ変換器の構造図である。 本発明の第二の実施形態に係る初期値を設定可能な多数決回路の回路図である。 同上の多数決回路に用いられる初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の平面図である。 同上の多数決回路に用いられる初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器の等価回路図である。 本発明の第三の実施形態に係るデジタル−アナログ変換器による基本ユニットの回路図である。 同上の基本ユニットを差動アンプに接続した多数決回路の回路図である。
符号の説明
1 p型半導体基板、2 ゲート部2、3 ポリシリコン、4 n+拡散層、5 コンタクト、6 メタル配線、7 n+拡散層、8 コンタクト、9 メタル配線、10 n−well、11 キャパシタ部、12 n+拡散層、13 コンタクト、14 メタル配線、15 素子分離用のフィールド酸化膜、16 薄い酸化膜、Tr MOSトランジスタ、D ドレイン、S ソース、FG フローティングゲート、C1〜Cn カップリングキャパシタ、φ1〜φn デジタル信号入力端子、Vφ1〜Vφn デジタル入力信号の電圧、VFG フローティングゲートの電圧、R、Ra、Rb 負荷抵抗、401〜406 Id−Vd特性、20 2層目のポリシリコン、30 ゲート部、31 ドレイン部、32 ソース部、Tra、Trb、Tra2、Trb2、Tr2、203、205、206 n型MOSトランジスタ、201、202 p型MOSトランジスタ、101、103 カレントミラー型アンプ、204 インバータ、100、100a、100b デジタル−アナログ変換器、101a、101b 初期値の書き込み及び消去が可能なデジタル−アナログ変換器、102、102a、102b 基本ユニット

Claims (7)

  1. 差動対をなす第一及び第二トランジスタを有する差動アンプと、
    一方の電極に第一デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第一トランジスタのゲートに共通接続された複数の第一キャパシタと、
    一方の電極に第二デジタル信号のビット信号が印加されると共に他方の電極が前記第二トランジスタのゲートに共通接続された複数の第二キャパシタと
    を備えた多数決回路。
  2. 請求項1に記載の多数決回路において、
    前記第一トランジスタのゲートと前記第一キャパシタの他方の電極との間に、該第一キャパシタの他方の電極に現れる電圧を前記差動アンプの入力特性に適合した電圧に変換する第一電圧変換部と、
    前記第二トランジスタのゲートと前記第二キャパシタの他方の電極との間に、該第二キャパシタの他方の電極に現れる電圧を前記差動アンプの入力特性に適合した電圧に変換する第二電圧変換部と
    を更に備えたことを特徴とする多数決回路。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載の多数決回路において、
    前記第一トランジスタと第二トランジスタは、
    半導体基板の主表面に形成されたソース及びドレインと、
    前記ソースとドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成されたゲートと、
    から構成され、
    複数の前記第一キャパシタと第二キャパシタは、
    互いに電気的に絶縁されて前記半導体基板の主表面にデジタル信号入力端子として形成された不純物領域からなる一方の電極と、
    前記不純物領域上に絶縁膜を介して前記一方の電極と対向するように前記ゲートと一体的に形成された他方の電極と
    から構成された事を特徴とする多数決回路。
  4. 請求項1又は2の何れかに記載の多数決回路において、
    前記第一トランジスタと第二トランジスタは、
    半導体基板の主表面に形成されたソース及びドレインと、
    前記ソースとドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成されたゲートと、
    から構成され、
    複数の前記第一キャパシタと第二キャパシタは、
    前記ゲート上に絶縁膜を介してデジタル信号入力端子として形成された一方の電極と、
    前記ゲートと一体的に形成された他方の電極と
    から構成された事を特徴とする多数決回路。
  5. 請求項1又は2の何れかに記載の多数決回路において、
    前記第一キャパシタの前記他方の電極における電子量を調整する第一電子量調整部と、
    前記第二キャパシタの前記他方の電極における電子量を調整する第二電子量調整部と
    を更に備えたことを特徴とする多数決回路。
  6. 請求項5に記載の多数決回路において、
    前記第一電子量調整部は、前記第一トランジスタとゲート同士が接続される第三トランジスタからなり、
    前記第二電子量調整部は、前記第二トランジスタとゲート同士が接続される第四トランジスタからなり、
    前記第一トランジスタと前記第二トランジスタは、
    半導体基板の主表面に形成された第一ソース及び第一ドレインと、
    前記第一ソースと前記第一ドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して形成された第一ゲートと、
    から構成され、
    前記第三トランジスタと前記第四トランジスタは、
    前記半導体基板の主表面に形成された第二ソース及び第二ドレインと、
    前記第二ソースと前記第二ドレインとの間の前記主表面上に絶縁膜を介して前記第一ゲートと一体的に形成された第二ゲートと、
    から構成され、
    複数の前記第一キャパシタと前記第二キャパシタは、
    互いに電気的に絶縁されて前記半導体基板の主表面にデジタル信号入力端子として形成された不純物領域からなる一方の電極と、
    前記不純物領域上に絶縁膜を介して前記一方の電極と対向するように前記第一及び第二ゲートと一体的に形成された他方の電極と、
    から構成される事を特徴とする多数決回路。
  7. 請求項6に記載の多数決回路において、前記第三トランジスタと前記第四トランジスタは、
    初期値の書き込み時に、各々複数の前記デジタル信号入力端子のすべてには論理ハイレベルの電圧が印加され、前記第二ソースには接地電圧が印加され、前記第二ドレインには所定の第一の正電圧が印加され、
    初期値の消去時に、各々複数の前記デジタル信号入力端子のすべてには論理ローレベルの電圧が印加され、前記第二ソースには接地電圧が印加され、前記第二ドレインには所定の第二の正電圧が印加され、
    多数決判定時に、前記第二ソースと前記第二ドレインと前記第一ソースには接地電圧が印加され、前記第一ドレインには所定の第三の正電圧が印加され、前記デジタル信号入力端子には多数決判定すべきデジタル信号の各ビット信号が印加される事を特徴とする多数決回路。
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