JP2007335537A - 誘電体膜の製造方法及び圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

誘電体膜の製造方法及び圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体膜の結晶化を均一に行うことができる誘電体膜の製造方法及び圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】焼成工程では、誘電体前駆体膜形成工程によって少なくとも1層の脱脂された誘電体前駆体膜71を基板110の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成してから焼成する第1の焼成工程と、第1の焼成工程以降の焼成工程で、誘電体前駆体膜形成工程によって脱脂された誘電体前駆体膜を基板110の一方面の周縁部以外の領域に形成してから焼成する第2の焼成工程とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電材料を含む誘電材料からなる誘電体膜の製造方法及び圧電材料からなる誘電体膜を有する圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子は、電気機械変換機能を呈する圧電材料からなる誘電体膜を2つの電極で挟んだ素子であり、誘電体膜は、例えば、結晶化した圧電性セラミックスにより構成されている。
このような圧電素子を用いた液体噴射ヘッドとしては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な誘電体膜を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けることによって圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
圧電体素子を構成する圧電体層の製造方法としては、いわゆるゾル−ゲル法が知られている。すなわち、下電極を形成した基板上に有機金属化合物のゾルを塗布して乾燥およびゲル化(脱脂)させて圧電体の前駆体膜を形成する工程を少なくとも一回以上実施し、その後、高温で熱処理して結晶化させる。そして、これらの工程を複数回繰り返し実施することで所定厚さの圧電体層(圧電体薄膜)を製造している。
また、圧電体素子を構成する圧電体層の製造方法としては、いわゆるMOD(Metal-Organic Decomposition)法が知られている。すなわち、一般的に、金属アルコキシド等有機金属化合物をアルコールに溶解し、これに加水分解抑制剤等を加えて得たコロイド溶液を被対象物上に塗布した後、これを乾燥して焼成することで成膜される。
このようなゾル−ゲル法やMOD法等により誘電体膜からなる圧電体層を形成する場合、例えば、シリコンウェハ等の基板上の全面に亘ってゾルを塗布して誘電体前駆体膜を形成後、基板の周縁部側の誘電体膜を例えば、エッジリンスすることにより除去し、その後、誘電体前駆体膜を乾燥、脱脂及び焼成して誘電体膜を形成していた(例えば、特許文献1及び2参照)。
このように、基板の周縁部側の絶縁体前駆体膜を除去することで、誘電体前駆体膜が基板の裏面側に回りこんで、これが焼成され、エッチング時のマスクとなってしまうなどの汚染を防止すると共に、誘電体前駆体膜が基板の周縁部で剥離してしまうのを防止することができる。
しかしながら、誘電体前駆体膜の塗布、乾燥、脱脂及び焼成を繰り返し行って積層された誘電体膜を形成する際に、基板の周縁部の誘電体前駆体膜を除去してから焼成すると、2回目以降の焼成では、1回目の焼成で誘電体膜が形成された領域と、1回目の焼成で誘電体膜が形成されていない基板の周縁部が露出された領域とが存在し、これらの熱吸収の差から基板の周縁部が露出された領域近傍の加熱温度と、基板の中心側の加熱温度とに温度差が生じてしまい、基板の面内で誘電体前駆体膜の結晶化を均一にすることができないという問題がある。
特開平11−227199号公報(第5〜6頁、第6図) 特許第3682567号公報(第6頁、第6図)
本発明はこのような事情に鑑み、誘電体膜の結晶化を均一に行うことができる誘電体膜の製造方法及び圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の一方面に有機金属化合物のゾルを塗布して誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、該塗布工程で塗布された前記誘電体前駆体膜を加熱して乾燥する乾燥工程と、該乾燥工程で乾燥された前記誘電体前駆体膜を加熱して脱脂する脱脂工程とを具備する誘電体前駆体膜形成工程を少なくとも1回以上実施し、少なくとも1層以上の脱脂された前記誘電体前駆体膜を形成した後、前記誘電体前駆体膜を加熱して誘電体膜とする焼成工程を具備する誘電体膜形成工程を複数回繰り返し行って、積層された誘電体膜を形成する際に、前記焼成工程では、前記誘電体前駆体膜形成工程によって少なくとも1層の脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成してから焼成する第1の焼成工程と、当該第1の焼成工程以降の前記焼成工程で、前記誘電体前駆体膜形成工程によって、脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成してから焼成する第2の焼成工程とを有することを特徴とする誘電体膜の製造方法ある。
かかる第1の態様では、第1の焼成工程以降の焼成時に、基板の周縁部が露出された領域が存在しないため、熱吸収の差によって、基板の面内での加熱温度を均一にすることができる。これにより、第1の焼成工程以降の焼成時に面内で均一な結晶性を有する誘電体膜を積層形成することができる。また、全ての誘電体膜を基板の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成しないため、基板の周縁部での誘電体膜の剥離を防止することができると共に、誘電体膜が基板の裏面側に回りこむのを減少させて、基板の汚染を防止することができる。
本発明の第2の態様は、前記第1の焼成工程では、前記誘電体前駆体膜形成工程によって最下層の脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の全面に亘って形成し、最下層の前記誘電体前駆体膜上にその他の前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成してから焼成することを特徴とする第1の態様の誘電体膜の製造方法にある。
かかる第2の態様では、1層の誘電体前駆体膜のみを基板の全面に亘って形成することで、第1の焼成工程以降の焼成によって面内で均一な結晶性を有する誘電体膜を形成することができると共に、さらに誘電体膜の剥離や基板の裏面への汚染を防止することができる。
本発明の第3の態様は、前記誘電体前駆体膜形成工程によって、脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成する際には、前記塗布工程により前記基板の一方面に亘ってゾルを塗布した後、当該基板の一方面の周縁部の前記ゾルを除去して行うことを特徴とする第1又は2の態様の誘電体膜の製造方法にある。
かかる第3の態様では、基板の周縁部に塗布した誘電体前駆体膜を選択的に容易に除去することができる。
本発明の第4の態様は、前記基板の一方面の周縁部の前記ゾルの除去をリンスすることにより行うことを特徴とする第3の態様の誘電体膜の製造方法にある。
かかる第4の態様では、基板の周縁部に塗布した誘電体前駆体膜を選択的に容易に除去することができる。
本発明の第5の態様は、前記基板の一方面には、金属膜が設けられていると共に、前記金属膜上に前記誘電体膜を形成することを特徴とする第1〜4の何れかの態様の誘電体膜の製造方法にある。
かかる第5の態様では、基板の一方面に金属膜が設けられている場合には、熱吸収の差が大きくなるものの、1回目の焼成工程で形成した誘電体膜によって、基板の周縁部が露出された領域が存在しないため、面内で均一な結晶性を有する誘電体膜を積層形成することができる。
本発明の第6の態様は、前記基板上の下電極を形成する工程と、該下電極上に圧電体層を形成する工程と、該圧電体層上に上電極を形成する工程とを具備し、前記圧電体層を形成する工程が、第1〜5の何れかの態様の製造方法により製造された誘電体膜を製造する方法であることを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第6の態様では、面内で均一な結晶性を有する圧電素子を形成することができ、面内で変位特性が均一化された圧電素子を得ることができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様の製造方法により製造された圧電素子を用いることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第7の態様では、液体噴射特性を均一化して液体噴射特性を向上した液体噴射ヘッドを実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11により区画された複数の圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のリザーバ部31と連通して各圧力発生室12の共通の液体室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなり厚さが例えば、約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなり厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が積層形成されている。また、この絶縁体膜55上には、厚さが約0.1〜0.5μmの下電極膜60と、誘電体膜の一例であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなり厚さが例えば、約1.1μmの圧電体層70と、金、白金又はイリジウム等からなり厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。
ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみが振動板として作用するようにしてもよい。
また、本実施形態の圧電体層70としては、下電極膜60上に形成される電気機械変換作用を示す強誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜が挙げられる。圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。本実施形態では、圧電体層70として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた。
また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上まで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。リザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通の液体室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。保護基板30は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
さらに、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。なお、図3は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す平面図であり、図4〜図7は、図3のB−B′断面図である。本実施形態では、図3(a)に示すように、1つのチップサイズの流路形成基板10が複数一体的に形成されるシリコン単結晶基板からなる流路形成基板用ウェハ110を用いている。
まず、図4(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50となる二酸化シリコン膜51を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110として、厚さが約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次いで、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、例えば、白金又はイリジウムとからなる下電極膜60を絶縁体膜55の全面に亘って形成する。下電極膜60は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。
そして、下電極膜60上に圧電体層70を形成する。ここで、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。
このような圧電体層70の材料としては、本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、リラクサ強誘電体(例えば、PMN−PT、PZN-PT、PNN-PT等)の他の圧電材料を用いてもよい。また、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法等を用いてもよい。
圧電体層70の具体的な形成手順としては、まず、図3(b)及び図5(a)に示すように、下電極膜60上にPZT前駆体である誘電体前駆体膜71を成膜する。具体的には、下電極膜60が形成された流路形成基板用ウェハ110上に金属有機化合物を含むゾル(溶液)を塗布する(塗布工程)。本実施形態では、詳しくは後述する焼成工程のうち、第1の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面(下電極膜60上の全面)に亘って形成するようにした。また、第1の焼成工程では、誘電体前駆体膜71を1層形成してから焼成するようにした。
また、詳しくは後述するが、塗布工程では、第1の焼成工程以降の第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部以外の領域に形成するようにした。すなわち、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71は、流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って塗布した後、流路形成基板用ウェハ110の周縁部の誘電体前駆体膜71を除去するようにした。
このようなゾルの塗布は、例えば、流路形成基板用ウェハ110を回転させながら、その中心領域にゾルを滴下する所謂、スピンコート法で行うことができる。また、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71の流路形成基板用ウェハ110の周縁部に対応する領域の除去は、流路形成基板用ウェハ110を回転させながら、その周縁部にリンス液を滴下する所謂エッジリンスにより行うことができる。
次いで、この誘電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる。例えば、本実施形態では、誘電体前駆体膜71を150〜200℃で5〜15分保持することで乾燥することができる(乾燥工程)。
次に、乾燥した誘電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。例えば、本実施形態では、誘電体前駆体膜71を300〜400℃程度の温度に加熱して約5〜10分保持することで脱脂した。なお、ここで言う脱脂とは、誘電体前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることである。
このような塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程により脱脂された誘電体前駆体膜71を形成する誘電体前駆体膜形成工程を少なくとも1回以上実施して、誘電体前駆体膜71を1層以上形成する。
次に、図5(b)に示すように、誘電体前駆体膜71を赤外線加熱炉で所定温度に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、誘電体膜72を形成する(焼成工程)。焼成工程では、誘電体前駆体膜71を650〜750℃に加熱するのが好ましく、本実施形態では、700℃で5分加熱するようにした。これにより優れた特性の誘電体膜72を得ることができる。
本実施形態では、1回目に実施する第1の焼成工程では、上述した誘電体前駆体膜形成工程を1回実施して、1層の誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成してから焼成し、流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って1層の誘電体膜72を形成するようにした。また、本実施形態では、第1の焼成工程を1回のみ実施しするようにした。なお、第1の焼成工程は、1回のみに限定されず、例えば、1層の誘電体前駆体膜71を焼成する第1の焼成工程を繰り返し2回以上行うようにしてもよい。また、第1の焼成工程で誘電体前駆体膜71を焼成する際に、誘電体前駆体膜形成工程を2回以上繰り返し行って、複数層の誘電体前駆体膜71を同時に焼成するようにしてもよい。
そして、図5(c)に示すように、下電極膜60上に第1の焼成工程によって誘電体膜72を形成した段階で(本実施形態では1層目の誘電体膜72)、下電極膜60及び1層目の誘電体膜72をそれらの側面が傾斜するように同時にパターニングする。なお、下電極膜60及び1層目の誘電体膜72のパターニングは、例えば、イオンミリング等のドライエッチングにより行うことができる。
このように、下電極膜60上に第1の焼成工程によって誘電体膜72を形成した段階でこれらを同時にパターニングすることで、第1の焼成工程以降に焼成する第2の焼成工程により誘電体膜72を形成する際に、下電極膜60及び第1の焼成工程で誘電体膜72が形成された部分とパターニングにより除去された部分との境界近傍において、下地の違いによる第2の焼成工程で形成する誘電体膜72の結晶性への悪影響を小さく、すなわち、緩和することができる。これにより、下電極膜60とそれ以外の部分との境界近傍において、第2の焼成工程で形成する誘電体膜72の結晶成長が良好に進み、結晶性に優れた圧電体層70を形成することができる。また、下電極膜60及び第1の焼成工程で形成した誘電体膜72の側面を傾斜させることで、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を形成する際の付き回りを向上することができる。これにより、密着性及び信頼性に優れた圧電体層70を形成することができる。
また、下電極膜60及び第1の焼成工程で形成した誘電体膜72のパターニングは、後の工程で流路形成基板用ウェハ110を分割して1つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割した際に使用されない流路形成基板用ウェハ110の周縁部の不要部分に下電極膜60及び誘電体膜72が残留するように行う。
次に、第1の焼成工程が終わったら、上述した塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程からなる誘電体前駆体膜形成工程を少なくとも1回以上実施して、第1の焼成工程で形成した誘電体膜72上の流路形成基板用ウェハ110上の周縁部以外の領域に誘電体前駆体膜71を1層以上形成してから焼成して結晶化する第2の焼成工程を行う。このような誘電体前駆体膜形成工程及び第2の焼成工程を繰り返し行って、図3(c)及び図5(d)に示すように、10層の誘電体膜72を形成する。
本実施形態では、第1の焼成工程で形成した誘電体膜72上に、誘電体膜前駆体膜形成工程を1回行うことで、1層の誘電体前駆体膜71(2層目の誘電体前駆体膜71)を形成し、この2層目の誘電体前駆体膜71を第2の焼成工程によって焼成して2層目の誘電体膜72を形成した。その後、3層目以降は、塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程からなる誘電体前駆体膜形成工程を2回行って誘電体前駆体膜71を2層ずつ形成した後、脱脂された誘電体前駆体膜71を2層ずつ第2の焼成工程によって焼成して誘電体膜72を形成した。すなわち、本実施形態の誘電体膜72が10層積層された圧電体層70は、第1の焼成工程を1回実施すると共に第2の焼成工程を5回実施する、計6回焼成することで形成することができる。例えば、ゾルの1回あたりの膜厚が0.1μm程度の場合には、圧電体層70全体の膜厚は、約1.1μm程度となる。
このように、第2の焼成工程で誘電体膜72を形成する際に、第1の焼成工程によって誘電体膜72が流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って設けられているため、第1の焼成工程以降の第2の焼成工程で誘電体前駆体膜71を焼成する際に下電極膜60が露出された領域を無くして、熱吸収の差、より詳細には赤外線吸収の差を無くして、流路形成基板用ウェハ110の面内での結晶性のばらつきを減少させた誘電体膜72を得ることができる。また、第1の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って塗布し、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部以外の領域に塗布することで、流路形成基板用ウェハ110の裏面への汚染を減少させることができると共に、流路形成基板用ウェハ110の外周側での誘電体膜72の剥離を防止することができる。
すなわち、例えば、第1の焼成工程で誘電体膜72(1層目の誘電体膜72)を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部以外の領域に設けた場合、流路形成基板用ウェハ110の周縁部で下電極膜60が露出されてしまう。そして、第1の焼成工程以降の第2の焼成工程で誘電体前駆体膜71を焼成すると、下電極膜60が露出された領域と、第1の焼成工程で形成した誘電体膜72が設けられた領域とで、熱吸収の差、より詳細には赤外線吸収の差が生じてしまい、第2の焼成工程で焼成した誘電体膜72(2層目以降の誘電体膜72)の面内での焼成温度にばらつきが生じて、結晶性にばらつきが生じてしまう。また、例えば、全ての誘電体前駆体膜71を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成した場合には、流路形成基板用ウェハ110の周縁部で誘電体膜72の剥離が発生してしまうと共に、剥離した誘電体膜72による汚染や、流路形成基板用ウェハ110の裏面側へのゾルによる汚染などが生じてしまう。
なお、本実施形態では、第1の焼成工程で形成した誘電体膜72を下電極膜60と共にパターニングするようにしたため、第2の焼成工程で誘電体前駆体膜71を焼成する際に、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71の下地として第1の焼成工程で焼成した誘電体膜72と絶縁体膜55とが存在する。しかしながら、第2の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71を塗布した際に、下電極膜60や絶縁体膜55が露出された領域がなくなるため、第2の焼成工程で誘電体前駆体膜71を焼成した際の焼成温度の違いによる結晶性のばらつきも抑えることができる。なお、下電極膜60及び第1の焼成工程で焼成した誘電体膜72をパターニングした際に、圧電素子300が形成される領域の近傍に下電極膜60を残留させてダミー下電極膜を形成することで、焼成時の結晶性のばらつきを確実に防止することができる。
そして、図5(a)〜図5(c)に示す工程によって圧電体層70を形成した後は、図6(a)に示すように、例えば、イリジウムからなる上電極膜80を流路形成基板10の全面に形成し、圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
次に、リード電極90を形成する。具体的には、図6(b)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極90を形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して各圧電素子300毎にパターニングすることで形成される。
次に、図6(c)に示すように、パターニングされた複数の圧電素子300を保持する保護基板用ウェハ130を、流路形成基板10上に例えば接着剤35によって接合する。なお、保護基板用ウェハ130には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。また、保護基板用ウェハ130は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコン単結晶基板からなり、保護基板用ウェハ130を接合することで流路形成基板用ウェハ110の剛性は著しく向上することになる。
次いで、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みにする。例えば、本実施形態では、研磨及びウェットエッチングによって、流路形成基板用ウェハ110を、約70μmの厚さとなるように加工した。
次に、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図7(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をマスク膜52を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハ110の圧力発生室12が開口する面側のマスク膜52を除去し、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130の周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、これら流路形成基板用ウェハ110等を、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドが製造される。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、圧電体層70を形成する際に、誘電体前駆体膜形成工程によって流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って1層の誘電体前駆体膜71を形成した後、第1の焼成工程を行い1層の誘電体膜72を形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第1の焼成工程を行う前に、誘電体前駆体膜形成工程を繰り返し行って複数層の誘電体前駆体膜71を形成してから、複数層の誘電体前駆体膜71を第1の焼成工程により同時に焼成するようにしてもよい。この場合、第1の焼成工程で焼成する誘電体前駆体膜71の少なくとも1層以上を流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成するようにすればよく、複数層の誘電体前駆体膜71の全てを流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成するようにしてもよい。
また、圧電体層70を形成する際に、誘電体前駆体膜形成工程によって流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って1層の誘電体前駆体膜71を形成した後、焼成を行い1層目の誘電体膜72を形成するようにして、さらに、焼成した1層目の誘電体膜72上に形成する2層目の誘電体膜72をも流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に亘って1層目の誘電体前駆体膜71を形成した後、焼成を行って形成する。この後、3層目以降の誘電体膜は、流路形成基板用ウェハ110の周縁部以外の部分に誘電体前駆体膜71を形成して焼成してもよい。すなわち、流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部を含む全面に誘電体前駆体膜71を形成して焼成する第1の焼成工程を2回繰り返し行った後、流路形成基板用ウェハ110の一方面の周縁部以外の部分に誘電体前駆体膜71を形成して焼成する第2の焼成工程を行うようにしてもよい。この場合、基板(流路形成基板用ウェハ110)の周縁部での誘電体膜の剥離を防止する効果が少々劣るが、基板の周縁部が露出された領域が存在しないため、熱吸収の差による影響を受けず、基板の面内での加熱温度をより均一にすることができる。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、本発明は、圧電体素子を有する液体噴射ヘッドの製造方法に限定されるものではない。即ち、本発明は、圧電材料からなる圧電体層の製造方法に限定されず、あらゆる誘電材料からなる誘電体膜の製造に適用できることは言うまでもない。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 71 誘電体前駆体膜、 72 誘電体膜、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 110 流路形成基板用ウェハ、 120 駆動回路、 121 接続配線、 130 保護基板用ウェハ、 300 圧電素子

Claims (7)

  1. 基板の一方面に有機金属化合物のゾルを塗布して誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、該塗布工程で塗布された前記誘電体前駆体膜を加熱して乾燥する乾燥工程と、該乾燥工程で乾燥された前記誘電体前駆体膜を加熱して脱脂する脱脂工程とを具備する誘電体前駆体膜形成工程を少なくとも1回以上実施し、少なくとも1層以上の脱脂された前記誘電体前駆体膜を形成した後、前記誘電体前駆体膜を加熱して誘電体膜とする焼成工程を具備する誘電体膜形成工程を複数回繰り返し行って、積層された誘電体膜を形成する際に、
    前記焼成工程では、前記誘電体前駆体膜形成工程によって少なくとも1層の脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部を含む全面に亘って形成してから焼成する第1の焼成工程と、当該第1の焼成工程以降の前記焼成工程で、前記誘電体前駆体膜形成工程によって、脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成してから焼成する第2の焼成工程とを有することを特徴とする誘電体膜の製造方法。
  2. 前記第1の焼成工程では、前記誘電体前駆体膜形成工程によって最下層の脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の全面に亘って形成し、最下層の前記誘電体前駆体膜上にその他の前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成してから焼成することを特徴とする請求項1記載の誘電体膜の製造方法。
  3. 前記誘電体前駆体膜形成工程によって、脱脂された前記誘電体前駆体膜を前記基板の一方面の周縁部以外の領域に形成する際には、前記塗布工程により前記基板の一方面に亘ってゾルを塗布した後、当該基板の一方面の周縁部の前記ゾルを除去して行うことを特徴とする請求項1又は2記載の誘電体膜の製造方法。
  4. 前記基板の一方面の周縁部の前記ゾルの除去をリンスすることにより行うことを特徴とする請求項3記載の誘電体膜の製造方法。
  5. 前記基板の一方面には、金属膜が設けられていると共に、前記金属膜上に前記誘電体膜を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の誘電体膜の製造方法。
  6. 前記基板上の下電極を形成する工程と、該下電極上に圧電体層を形成する工程と、該圧電体層上に上電極を形成する工程とを具備し、前記圧電体層を形成する工程が、請求項1〜5の何れかに記載の製造方法により製造された誘電体膜を製造する方法であることを特徴とする圧電素子の製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法により製造された圧電素子を用いることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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