JP2007335467A - レーザーダイシング用ダイシングテープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層がポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
【選択図】なし
Description
更に、このチッピングはウェハの厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
このような課題に対し、ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付け、これをさらに半導体ウエハ裏面に貼付けるという2つの貼付工程を要することなく、基材フィルム上に粘着剤層と接着剤層が順次この順で設けられたダイシングダイボンドシートをウエハに貼り付け、ダイシングを行い、その後接着剤層をウエハ側に残して、接着剤付きの素子小片を得る技術が提案されている(特許文献2)。
本発明はそのような課題に鑑みてなされたものであって、レーザーダイシングにより半導体ウエハを半導体チップに切断した後に吸着テーブルから問題なく剥離できるレーザーダイシング用ダイシングテープを提供するものである。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(2)基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する樹脂とからなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(3)前記ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂がスチレン・ブタジエン共重合体であることを特徴とする(2)記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(4)前記粘接着剤層は粘着剤層に接着剤層が積層されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(5)前記粘着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする(4)記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
を提供するものである。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープを構成する基材フィルムについて説明する。本発明においては、最外層を構成する基材フィルムはポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物を使用することができる。さらに好ましくはポリプロピレン樹脂と、このポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する他の樹脂を加えることにもできる。このような相分離構造を有することにより、ポリプロピレンの性能を損なうことなく耐熱性を保持することができ、レーザー照射時に発生する熱により吸着チャックテーブルと基材フィルムが熱融着することがなく、ウエハをチップ状に分割個片化することができる。
そのためには、基材フィルムと後述の粘着剤層の355nmにおける光透過率が80%以上であることが好ましい。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは基材フィルム上に粘接着剤層が形成されているが、本発明においては、粘接着剤層は1層で粘着剤としての機能と接着剤としての機能を有するものを含むと同時に、粘着剤としての機能のみを有するものを含むものとする。また基材フィルム側から順次、粘着剤層、接着剤層が形成されたものを含むものとする。したがって、本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、単なるダイシングテープだけでなく、ダイシングダイボンドテープも含むものである。粘接着剤層は基材フィルム上に従来公知の方法により形成することができ、その一例として基材フィルム状に粘接着剤を塗工して製造することができる。
本発明の粘着剤層に使用される材料は、従来より公知のアクリル系、ゴム系、ポリウレタン系、シリコーン系、ポリエステル系等の各種の粘着剤を適宜選択することができる。この中でも、特に粘着特性の制御の容易さの点で、アクリル系粘着剤が好ましく使用される。アクリル系粘着剤は、アクリル系共重合体を主成分とする粘着剤である。アクリル系共重合体は通常、炭素数が1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主モノマーとし、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有するモノマーや、その他の共重合可能なモノマーを共重合してなる。
粘着剤層の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、粘着剤層に接着剤層を積層して粘接着剤層を形成してもよい。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、一般にダイシングダイボンドテープとして一般的に使用されるフィルム状接着剤を使用することができ、アクリル系接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
このような性能を発揮できる接着剤であれば、特に制限なく最外層である接着剤層として使用できる。エポキシ樹脂とともに放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することが好ましい。放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体としては、例えば放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを例示することができる。
本発明においては、レーザーダイシング時に照射されるレーザー光線のエネルギーは、接着剤層で吸収されるとともに接着剤層の熱可塑性フィルム界面近くまで伝達され、接着剤層が素子小片に合わせて切断されることが必要である。そのようにするためには、前記のフィラー含有量で調整することができるのが好ましく、その含有量は質量%で5〜40質量%とするのが好ましい。
(接着剤層付き離型フィルムの作製)
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)55質量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、式(I)で表されるフェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー(株)製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー(株)製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル(株)製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
(実施例1)
まず、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(A0)として、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメチルメタクリレートからなり、質量平均分子量70万、ガラス転移温度−64℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.9meq/gを有する共重合体化合物を作製した。この化合物(A0)100質量部に対して、硬化剤としてポリイソシアネート化合物コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)3質量部を加え、さらに光重合開始剤としてイルガキュア184(日本チバガイギー株式会社製、商品名)5質量部を加えることにより、放射線硬化性の粘着剤組成物(A1)を得た。
次にこの粘着剤層(A1)に、前記の通り作製した接着剤層付き離型フィルムの接着剤層を貼合し、基材フィルムに粘着剤層、次いで接着剤層が形成されたレーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
基材フィルム上に粘着剤層を設けたのみで接着剤層を設けない以外は実施例1と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
基材フィルムとして、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
基材フィルムとして、エチレンメタクリル酸共重合樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
基材フィルムとして、アイオノマー樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
上記のダイシングテープから、以下の項目の評価を行った。その結果を表1に示す。
レーザーダイシング用ダイシングテープを、レーザーダイシング装置を用いて、355nmのレーザーを照射して3回の照射によりダイシングを行った。その後吸着チャックテーブルとダイシングテープ面すなわち基材フィルム最外層との貼り付きが生じているかを確認した。
Claims (5)
- 基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
- 基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂とからなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
- 前記ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂がスチレン・ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項2記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
- 前記粘接着剤層は粘着剤層に接着剤層が積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
- 前記粘着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする請求項4記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
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