JP2007332925A - 内燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒への空気導入 - Google Patents

内燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒への空気導入 Download PDF

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Abstract

【課題】過給を利用して排気流路に空気を導入する場合に、吸気圧あるいは排気圧の周期的な変動に起因して不具合が発生することを抑制する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】吸入空気を過給するコンプレッサと、吸気流路と排気流路とを燃焼室を介さずに接続するエアバイパス流路と、エアバイパス流路に設けられた導入バルブと、を用いて、吸気流路から排気流路へ空気を導入する。ここで、エアバイパス流路の入口での吸気圧がエアバイパス流路の出口での排気圧よりも高くなるようにコンプレッサを駆動し、吸気圧と排気圧との少なくとも一方である参照圧力の周期的な変動に同期して導入バルブの開度を周期的に変動させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒への空気導入に関するものである。
従来より、内燃機関から排出される排ガスを浄化するために触媒が用いられている。また、内燃機関としては、過給器を有するものがしばしば用いられている。ここで、排気浄化を促進するために、始動時過給を利用して、排気ガスに吸入空気を導入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−340122号公報
ところで、内燃機関では、燃焼室への吸気、および、燃焼室からの排気が、断続的に繰り返されるので、吸気圧および排気圧が周期的に変動する。過給を利用して排気流路(排気ガス)に空気を導入しようとした場合に、このような圧力変動に起因して不具合が発生する場合があった。例えば、吸気圧の低下時、あるいは、排気圧の上昇時に、空気の導入が抑制され、空気導入の効率が低下する場合があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、過給を利用して排気流路に空気を導入する場合に、吸気圧あるいは排気圧の周期的な変動に起因して不具合が発生することを抑制する技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の制御装置は、吸入空気を過給するコンプレッサと、排ガスを浄化する触媒と、を備える内燃機関の制御装置であって、前記コンプレッサと燃焼室とを接続する吸気流路と、前記燃焼室と前記触媒とを接続する排気流路とを、前記燃焼室を介さずに接続するエアバイパス流路と、前記エアバイパス流路に設けられた1以上のエアバイパスバルブと、前記コンプレッサを駆動するコンプレッサ駆動部と、前記各エアバイパスバルブの開度を制御するバルブ制御部と、を備え、前記コンプレッサ駆動部は、前記エアバイパス流路を介して前記触媒に吸入空気を導入するための所定の条件である空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパス流路の入口での吸気圧が前記エアバイパス流路の出口での排気圧よりも高くなるように前記コンプレッサを駆動し、前記バルブ制御部は、前記空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパスバルブのうちの所定の1以上のバルブである導入バルブの開度を、前記吸気圧と前記排気圧との少なくとも一方である参照圧力の周期的な変動に同期して周期的に変動させる。
この構成によれば、コンプレッサ駆動部は、吸気圧が排気圧よりも高くなるようにコンプレッサを駆動し、バルブ制御部は、導入バルブの開度を、吸気圧と排気圧との少なくとも一方である参照圧力の周期的な変動に同期して周期的に変動させるので、過給を利用して排気流路に空気を導入する場合に、吸気圧あるいは排気圧の周期的な変動に起因して不具合が発生することを抑制することができる。
上記制御装置において、前記空気導入条件は、前記触媒の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値が、与えられた低温閾値以下であること、を含むこととしてもよい。
この構成によれば、触媒の温度が低い時に、触媒に空気を導入することによって、触媒での酸化反応を促進し、触媒の温度を速やかに上昇させることができるので、排気ガスの浄化を促進することができる。
上記各制御装置において、前記バルブ制御部は、前記導入バルブ開度の変動の極大値に前記導入バルブ開度を固定した場合と比べて、前記触媒への空気導入量が多くなるように、前記導入バルブ開度を変動させることとしてもよい。
この構成によれば、空気導入量が高められるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記参照圧力は前記吸気圧を含み、前記バルブ制御部は、前記吸気圧が極大値である時の開度が、前記吸気圧が極小値である時の開度よりも大きくなるように、前記導入バルブの開度を制御することとしてもよい。
この構成によれば、吸気圧が極小値である時に導入バルブの開度が小さくなるので、ガスの逆流を抑制することができる。従って、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記参照圧力は前記排気圧を含み、前記バルブ制御部は、前記排気圧が極小値である時の開度が、前記排気圧が極大値である時の開度よりも大きくなるように、前記導入バルブの開度を制御することとしてもよい。
この構成によれば、排気圧が極大値である時に導入バルブの開度が小さくなるので、ガスの逆流を抑制することができる。従って、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記導入バルブは、比較的上流側に設けられた第1導入バルブと、比較的下流側に設けられた第2導入バルブと、を含み、前記参照圧力は、前記吸気圧および前記排気圧を含み、前記バルブ制御部は、前記吸気圧が極大値である時の開度が、前記吸気圧が極小値である時の開度よりも大きくなるように、前記第1導入バルブの開度を制御し、前記排気圧が極小値である時の開度が、前記排気圧が極大値である時の開度よりも大きくなるように、前記第2導入バルブの開度を制御することとしてもよい。
この構成によれば、上流側の第1導入バルブが吸気圧の変動に合わせて制御され、下流側の第2導入バルブが排気圧の変動に合わせて制御されるので、吸気圧が極大となるタイミングと、排気圧が極小となるタイミングとがずれている場合であっても、吸気圧の変動、および、排気圧の変動の両方に合わせて、効率良く、吸気流路から排気流路へ空気を導入することが可能である。
上記各制御装置において、さらに、前記エアバイパス流路のうちの前記第1導入バルブと前記第2導入バルブとの間の圧力である蓄圧を測定する蓄圧センサを備え、前記コンプレッサ駆動部と前記バルブ制御部との少なくとも一方は、測定された蓄圧に応じて制御を実行することとしてもよい。
この構成によれば、蓄圧の測定値に基づく、より適切な制御が可能となる。
上記制御装置において、前記コンプレッサ駆動部は、前記蓄圧が、与えられた過給閾値を超えないように、前記蓄圧に応じて前記コンプレッサの駆動力を制御することとしてもよい。
この構成によれば、蓄圧が過剰に高くなることが抑制されるので、エアバイパス流路から吸気流路へのガス逆流を抑制することができる。従って、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記制御装置において、前記バルブ制御部は、前記第1導入バルブを開けることによって前記エアバイパス流路から前記吸気流路へガスが逆流する第1逆流の可能性が有るか否かを前記蓄圧に基づいて判定し、前記第1逆流の可能性が有ると判定したときには、前記空気導入条件が成立した場合であっても、前記第1導入バルブを閉状態に維持することとしてもよい。
この構成によれば、エアバイパス流路から吸気流路へガスが逆流することが抑制されるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記制御装置において、前記バルブ制御部は、前記第2導入バルブを開けることによって前記排気流路から前記エアバイパス流路へガスが逆流する第2逆流の可能性が有るか否かを前記蓄圧に基づいて判定し、前記第2逆流の可能性が有ると判定したときには、前記空気導入条件が成立した場合であっても、前記第2導入バルブを閉状態に維持することとしてもよい。
この構成によれば、排気流路からエアバイパス流路へガスが逆流することが抑制されるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記バルブ制御部は、前記エアバイパス流路を介して排気ガスを再び前記燃焼室に還流させるための所定の条件である還流条件が成立したときには、前記エアバイパス流路を介して排気ガスが前記排気流路から前記吸気流路へ流れるように、前記各エアバイパスバルブの開度を制御することとしてもよい。
この構成によれば、空気導入に用いられるエアバイパス流路が、排気ガスの還流にも共通に利用されるので、装置の構成を簡略化することができる。
上記制御装置において、前記還流条件は、前記内燃機関の回転速度が所定の低回転速度閾値以下であり、かつ、前記内燃機関の負荷が所定の低負荷閾値以下であること、を含むこととしてもよい。
この構成によれば、燃焼室の温度が高くなりやすい状態において、排気ガスが燃焼室に還流されるので、燃焼室の温度が過剰に高くなることを抑制することができる。
上記制御装置において、前記内燃機関は、さらに、前記吸気流路に設けられたスロットルバルブを備え、前記エアバイパス流路は、前記吸気流路のうちの前記スロットルバルブよりも上流側に接続され、前記制御装置は、さらに、前記吸気流路のうちの前記スロットルバルブよりも下流側と、前記エアバイパス流路の途中との間を接続する還流路と、前記還流路に設けられた還流バルブと、を備え、前記エアバイパスバルブは、前記エアバイパス流路と前記還流路との接続位置よりも上流側に設けられた上流バルブを含み、前記バルブ制御部は、前記空気導入条件が成立したときには、前記還流バルブを閉じて前記上流バルブを開け、前記還流条件が成立したときには、前記還流バルブを開けて前記上流バルブを閉じることとしてもよい。
この構成によれば、空気導入を行うときに、スロットルバルブの手前で空気がエアバイパス流路に導入されるので、スロットルバルブの下流側の圧力が過剰に高くなることを抑制できる。その結果、スロットルバルブによる絞り損失の増大を抑制できるので、燃費を向上させることが可能となる。
上記各制御装置において、前記内燃機関は、さらに、前記コンプレッサに接続されるとともに前記排気流路に設けられ、排ガスによって駆動されるタービンを備え、前記コンプレッサ駆動部は、前記導入バルブのうちの前記排気流路に最も近いバルブである最下流導入バルブの開度の変動に同期して、前記コンプレッサの駆動力を周期的に変動させ、さらに、前記コンプレッサ駆動力の変動の極大値に前記コンプレッサ駆動力を固定した場合と比べて、前記触媒への空気導入量が多くなるように、前記コンプレッサ駆動力を変動させることとしてもよい。
この構成によれば、空気導入量が高められるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記内燃機関は、さらに、前記コンプレッサに接続されるとともに前記排気流路に設けられ、排ガスによって駆動されるタービンを備え、前記コンプレッサ駆動部は、前記導入バルブのうちの前記排気流路に最も近いバルブである最下流導入バルブの開度が極大値である時の前記コンプレッサの駆動力が、前記最下流導入バルブの開度が極小値である時の前記コンプレッサの駆動力よりも小さくなるように、前記最下流導入バルブの開度の変動に同期して前記コンプレッサの駆動力を周期的に変動させることとしてもよい。
この構成によれば、空気が排気流路に導入される時のタービンによる排気ガスの流れの抵抗が過剰に大きくなることが抑制されるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
上記各制御装置において、前記コンプレッサ駆動部は、前記コンプレッサを駆動する電動機を含むこととしてもよい。
この構成によれば、吸気圧が排気圧よりも高くなるようにコンプレッサを駆動することが容易となる。
上記制御装置において、さらに、前記参照圧力を測定する圧力センサを備え、前記バルブ制御部は、測定された圧力に応じて前記導入バルブの開度を制御することとしてもよい。
また、上記制御装置において、さらに、前記内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサを備え、前記バルブ制御部は、検出されたクランク角に応じて前記導入バルブの開度を制御することとしてもよい。
これらの構成によれば、バルブ制御部は、導入バルブ開度の制御を、容易に、参照圧力の変動に同期させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、エンジンや、エンジンの制御方法または装置、そのエンジンを備えた車両、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.第6実施例:
G.第7実施例:
H.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の実施例としての車両の構成を示す概略図である。この車両900は、駆動源としてエンジン100を有している。このエンジン100は、シリンダ180と、シリンダ180内を上下に摺動するピストン144とを有している。シリンダ180とピストン144とは、燃焼室を形成する。
シリンダ180には、吸入空気が流入する吸気ポート133と、吸気ポート133の開口を開閉する吸気弁InVと、排気ガスが流出する排気ポート135と、排気ポート135の開口を開閉する排気弁ExVと、点火プラグ136と、燃焼室内に燃料噴霧を噴射する燃料インジェクタ14とが設けられている。吸気弁InVおよび排気弁ExVは、それぞれ電動アクチュエータInA、ExAで駆動されている。燃料インジェクタ14の動作(燃料噴射量と燃料噴射時期)は、噴射弁電子制御ユニット(IEDU)142によって制御されている。
吸気ポート133には吸入空気を導く吸気流路12が接続されており、排気ポート135には排気ガスが通過する排気流路16が接続されている。排気流路16には、過給器50のタービン52と、排気ガスに含まれる大気汚染物質を浄化するための触媒26と、がこの順番に設けられている。排気ポート135から排出された排気ガスは、タービン52を回転させた後、大気に放出される。排気流路16の排気ポート135とタービン52との間には、排気ガスの圧力(排気圧Pex)を測定する排気管圧力センサ68が設けられている。この排気管圧力センサ68は、EGR流路210の出口の近傍に配置されている。従って、排気圧Pexは、EGR流路210の出口での排気圧を示す。また、触媒26には、触媒26の温度(触媒床温Tc)を測定する床温センサ28が設けられている。
一方、吸気流路12には、過給器50のコンプレッサ54が設けられている。コンプレッサ54は、タービンシャフト56を介してタービン52に接続されており、排気ガスによってタービン52が回転するとコンプレッサ54も回転する。その結果、コンプレッサ54は、エアクリーナ20から吸い込んだ空気を加圧した後、吸気ポート133に向かって圧送する。
コンプレッサ54で加圧すると空気温度が上昇するので、吸入空気を冷却するために、コンプレッサ54の下流側にはインタークーラ62が設けられている。さらに、インタークーラ62の下流側には、スロットル弁22、および、サージタンク60が、この順番に設けられている。サージタンク60は、燃焼室が空気を吸い込んだときに生じる圧力波を緩和させる作用を有しており、またスロットル弁22は電動アクチュエータ24によって適切な開度に設定されて、吸入空気量を調整する機能を有している。また、サージタンク60には、吸入空気の温度を測定する吸気温度センサ63と、吸入空気の圧力(吸気圧Pim)を測定する吸入管圧力センサ64とが、設けられている。さらに、エアクリーナ20の下流側には空気流量を測定するエアフローメータ66が設けられている。また、吸気流路12には、コンプレッサ54の上流側と下流側とを結ぶコンプレッサバイパス流路13が設けられている。コンプレッサバイパス流路13内にはコンプレッサバイパスバルブ17が設けられている。コンプレッサバイパスバルブ17は、電動アクチュエータ15によって適切な開度に設定されて、コンプレッサ54の下流側の圧力が急上昇することを抑制する機能を有している。例えば、コンプレッサバイパスバルブ17は、通常は閉じられており、エンジン回転速度Neが急激に低下した時に開けられる。なお、コンプレッサバイパス流路13を省略してもよい。
また、このエンジン100には、EGR(排気ガス再循環)流路210が設けられている。EGR流路210は、排気ガスを吸気流路12へ循環させるガス流路であり、排気流路16のうちの排気ポート135とタービン52との間の部分と、サージタンク60と、を接続している。このようなEGR流路210によって、排気ガスの一部が再びシリンダ180に還流されるので、燃料の燃焼速度が緩やかになる。その結果、排出されるNOx(窒素酸化物)の量を低減することができる。なお、本実施例では、EGR流路210の入口がサージタンク60に設けられているので、吸気圧Pimは、EGR流路210の入口での吸気圧を示す。
EGR流路210の途中には、還流する排気ガスの量を調整するEGRバルブ202が設けられている。EECU30(バルブ制御モジュール320(図2))は、EGRバルブ202に接続された電動アクチュエータ204を制御することによって、EGRバルブ202の開度(以下「EGR開度OPe」とも呼ぶ)を制御する。排気ガスを還流させる際のEGR開度OPeの制御方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。
ところで、ピストン144は、コネクティングロッド146を介してクランクシャフト148に接続されており、クランクシャフト148には、クランク角度を検出するクランク角センサ32が取り付けられている。また、クランクシャフト148には、ベルトを介してオルタネータ149が接続されている。オルタネータ149は、クランクシャフト148によって駆動され、発電する。生成された電力は、低圧バッテリ150に蓄えられる。また、生成された電力は、直流コンバータ(DC/DCコンバータ)152によって昇圧され、高圧バッテリ154にも蓄えられる。
高圧バッテリ154には、過給器電子駆動ユニット(EDU)160が接続されている。過給器電子駆動ユニット160には、過給器50の電動機70が接続されている。この電動機70は、過給器50のタービンシャフト56の回転をアシストするために利用される。電動機70は、タービンシャフト56に固定された永久磁石72と、永久磁石72を囲むように配置されたコイル74と、回転子位置センサ76と、を有している。永久磁石72が固定されているタービンシャフト56はロータ(回転子)として機能し、コイル74はステータ(固定子)として機能する。回転子位置センサ76の検出信号は、回転子(タービンシャフト56)の回転速度Ntの測定に利用される。なお、互いに接続されたタービン52およびコンプレッサ54を備えるターボ装置の内の、このような電動機70を有するものは、MAT(Motor Assisted Turbo)とも呼ばれる。
吸気ポート133に供給される空気の圧力が不足している場合には、過給器電子駆動ユニット160は、高圧バッテリ154の電力を電動機70に供給することによって、コンプレッサ54の回転速度を上昇させる。一方、電動機70は、発電機としても機能する。タービンシャフト56の回転速度が高い場合には、過給器電子駆動ユニット160は、電動機70によって生成された電力を用いて、高圧バッテリ154を充電する(回生とも呼ばれる)。なお、このような電動機70の駆動と回生とを実行する過給器電子駆動ユニット160としては、種々の電子回路を採用することができる。
過給器電子駆動ユニット160には、過給器電子制御ユニット(ECU)164が接続されている。過給器電子駆動ユニット160の動作は、過給器電子制御ユニット164によって制御される。また、過給器電子制御ユニット164には、回転子位置センサ76の検出信号が供給される。
このエンジン100の動作は、エンジン電子制御ユニット30(以下「EECU30」とも呼ぶ)によって制御される。EECU30は、CPU(中央演算処理装置)とメモリ(RAM、ROM)と、タイマと、種々の信号を処理するためのA/DコンバータとD/Aコンバータと、を有している。CPUは、プログラムを実行することによって、エンジン100を制御するための種々の機能を実現する。なお、過給器電子制御ユニット164とIEDU142とも、EECU30と同様に、CPUとメモリとを有している。また、過給器電子制御ユニット164とIEDU142との動作は、EECU30によって制御される。
図2は、EECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。ROMには、CPUが実行するプログラムが格納されている。図2の例では、ROMには、判定モジュール300と、コンプレッサ駆動モジュール310と、バルブ制御モジュール320と、が格納されている。これらのモジュールは、CPUによって実行されるプログラムである。判定モジュール300は、エアインジェクション(詳細は後述)を行うか否かの判定を行う。コンプレッサ駆動モジュール310は、過給器電子制御ユニット164を制御することによって、電動機70(すなわち、コンプレッサ54)を駆動させる。バルブ制御モジュール320は、エンジン100の各バルブの開度を制御する。なお、ROMには、後述する各実施例で利用される種々の対応関係、および、エンジン100制御用の他のモジュール(プログラム)とデータとが格納されているが、図示が省略されている。
EECU30は、エンジン100を制御するために、種々のパラメータを取得する。図1の例では、パラメータとして、タービン回転速度Ntと、エンジン回転速度Neと、アクセル開度θと、吸気圧Pimと、空気流量Gaと、排気圧Pexと、触媒床温Tcと、が取得される。タービン回転速度Ntは、回転子位置センサ76の検出信号から算出される。エンジン回転速度Neは、クランク角センサ32の出力信号から算出される。アクセル開度θは、アクセルペダルの踏み込み量を示しており、アクセルペダルに接続されたアクセル開度センサ36によって検出される。吸気圧Pimは、吸入管圧力センサ64から取得される。空気流量Gaは、エアフローメータ66から取得される。排気圧Pexは、排気管圧力センサ68から取得される。触媒床温Tcは、床温センサ28から取得される。
図3は、第1実施例におけるエンジン制御処理の手順を示すフローチャートである。まず、判定モジュール300(図2)は、床温センサ28(図1)から触媒床温Tcを取得し(S100)、触媒床温Tcが所定の目標床温より高いか否かを判断する(S102)。「触媒床温Tcが目標床温以下である」との条件(以下「低温条件」とも呼ぶ)の成立は、触媒26の活性が不十分であることを意味している。触媒26としては、エンジン100の運転中のような高温時に活性が高くなるようなものがしばしば利用される(例えば、一般的な三元触媒は、摂氏300度以上で高い活性を示す)。そこで、本実施例では、判定モジュール300は、触媒床温Tcと目標床温とを比較することによって、触媒26の活性が十分であるか否かを判断する。なお、目標床温は、触媒26に応じて実験的に設定すればよい。
低温条件が成立した場合には(S102:No)、次のステップS110で、判定モジュール300(図2)は、現行のエンジン回転速度Neおよびエンジン負荷を取得する。一般的に、エンジンの負荷(トルク)は、燃料噴射量によって決まる。本実施例では、燃料噴射量は、空気流量Gaに合わせて調整される。空気流量Gaは、スロットル弁22(図1)の開度、すなわち、アクセル開度θに応じて決まる。従って、判定モジュール300は、アクセル開度θから負荷を算出する。この代わりに、空気流量Ga、あるいは、燃料噴射量から負荷を算出してもよい。また、これらのパラメータを、そのまま、負荷と相関のある指標値として利用してもよい。
次のステップS112では、判定モジュール300(図2)は、負荷とエンジン回転速度Neとから、排気ガスの還流量の目標値(「EGR要求量」とも呼ぶ)を算出する。EGR要求は、しばしば、エンジン回転速度Neが低く、かつ、負荷が低いときに発行される。このような状態で排気ガスを再循環させれば、燃焼を穏やかにすることができる。その結果、NOxの生成を抑制し、燃費を向上させることができる。ただし、エンジン100(図1)の始動時(すなわち、エンジンの温度が低い時)には、排気ガス中におけるHC(炭化水素系化合物)の濃度の上昇を抑えるために、EGR要求が発行されないのが通常である。なお、EGR要求を発行するための条件(還流条件)としては、周知の種々の条件を採用可能である。本実施例では、条件「エンジンの負荷が所定の低負荷閾値以下であり、かつ、エンジン回転速度Neが所定の低回転速度閾値以下である」(以下「低負荷低回転条件」とも呼ぶ)を還流条件として採用することとしている。このような低負荷低回転条件を採用すれば、燃焼室の温度が高くなりやすい状態(負荷が小さく、かつ、エンジン回転速度Neが低い状態)において、排気ガスを燃焼室に還流させることによって、燃焼を穏やかにすることができる。その結果、燃焼室の温度が過剰に高くなることを抑制できる。そして、NOxの排出量を低減することができる。なお、低負荷閾値、および、低回転速度閾値は、燃焼室の温度が過度に高くならないように、予め実験的に設定すればよい。また、EGR要求量の決定方法としても、周知の種々の方法を採用可能である。例えば、燃焼室の温度が高いほど大きな値にEGR要求量を設定してもよい。
EGR要求量がゼロである場合、すなわち、還流条件が成立しない場合には(図3:S114:No)、空気導入(エアインジェクション)処理が実行される。まず、ステップS120で、バルブ制御モジュール320(図2)は、空気導入(エアインジェクション)の量の目標値(「目標AI空気量」とも呼ぶ)を算出する。目標AI空気量は、例えば、単位時間当たりに導入される空気量を表している。この値は、触媒26を昇温させることができるような十分に大きな値に設定可能である。例えば、触媒26の大きさに応じて予め設定された所定の値を採用可能である。所定値の代わりに、エンジン100の動作状態に応じた可変値を採用してもよい。例えば、触媒床温Tcが低いほど大きな値に目標AI空気量を設定してもよい。
次のステップS122では、バルブ制御モジュール320は、目標AI空気量に応じて、EGR開度OPeの目標値(「目標AI−EGR弁開度OPe_t」あるいは「目標EGR弁開度OPe_t」とも呼ぶ)を算出する。目標EGR弁開度OPe_tは、EGR流路210(図1)を介して目標AI空気量の空気を吸気流路12から排気流路16へ供給できるような十分に大きな値に設定可能である。例えば、目標AI空気量が多いほど大きな値にEGRバルブ202の開度の目標値を設定してもよい。また、目標EGR弁開度OPe_tとして、予め設定された所定の値(例えば、全開)を採用してもよい。この場合には、ステップS120、S122の処理を省略してもよい。以下、目標EGR弁開度OPe_tとして所定の値「100%(全開)」を用いることとして説明を行う。
次のステップS124では、エアインジェクション(Air Injection)処理(以下「AI処理」とも呼ぶ)が開始される。AI処理が開始済みの場合にはAI処理が続行される。AI処理では、電動機70(図1)が駆動されることによって吸気圧Pimが排気圧Pexよりも高められ、そして、EGRバルブ202が開けられることによって吸入空気がEGR流路210を介して排気流路16(すなわち、触媒26)に供給される。
このように、触媒床温Tcが目標床温以下である場合に触媒26に空気を供給する理由は以下の通りである。低温条件が成立する場合には、エンジン100(特に、シリンダ180)の温度も低い場合が多い。このような場合(例えば、エンジン100の始動時)には、燃焼室に噴射された燃料が気化しにくいので、暖機後(すなわち、低温条件が成立しない時)と比べて、燃料噴射量が増大される。その結果、燃焼室からは空気不足な排気ガスが排出されるので、触媒26では、空気不足に起因して酸化反応が進行しにくくなる。そこで、触媒26に空気を供給すれば、触媒26における空気不足が緩和されるので、触媒26での酸化反応が促進され、触媒26の温度を素早く高めることが可能となる。また、排気ガスの浄化を促進することもできる。なお、AI処理の詳細については、後述する。
一方、判定モジュール300が、「触媒床温Tcが目標床温より高い」と判定した場合には(S102:Yes)、AI処理は実行されない。また、AI処理が実行された後に、触媒床温Tcが目標床温よりも高くなった場合には、AI処理が終了される(S104)。図4は、ステップS104で実行されるエアインジェクション制御の終了処理の手順を示すフローチャートである。最初のステップS200では、コンプレッサ駆動モジュール310(図2)が、電動機70の駆動を終了する。次のステップS210では、バルブ制御モジュール320は、EGRバルブ202を閉じる。そして、ROMに格納された各モジュールは、通常の処理を実行する(S220)。
一方、低温条件が成立した場合であっても、EGR要求量がゼロよりも大きい場合、すなわち、還流条件が成立した場合には(図3:S114:Yes)、AI処理の代わりに、排気再循環(Exhaust Gas Recirculation)処理(以下「EGR処理」とも呼ぶ)が実行される(S118)。このEGR処理では、バルブ制御モジュール320がEGRバルブ202を開ける。エンジン100の運転中は吸気圧Pimが排気圧Pexよりも低い場合が多いので、EGRバルブ202を開けることにより、排気ガスがEGR流路210を介して、再び、燃焼室へ還流する。
ここで、EGR開度OPeは、ステップS112で算出されたEGR要求量が大きいほど、大きな値に設定されることが好ましい。なお、EGR開度OPeの決定方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。例えば、所定の一定値を採用してもよく、また、エンジン100の動作状況に応じた可変値を採用してもよい。
また、EGR処理の実行中における電動機70の駆動力(すなわち、コンプレッサ54の駆動力)の決定方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。例えば、エンジンの負荷が大きいほど大きな値に駆動力を設定してもよい。ただし、EGR処理の実行中は、吸気圧Pimが排気圧Pex以下となるように電動機70の駆動力を設定することが好ましい。
AI処理が実行された後にEGR要求量がゼロよりも大きくなった場合には、AI処理が終了され(S116)、その後、EGR処理が実行される(S118)。ステップS116の処理は、ステップS104と同様に行われる。
コンプレッサ駆動モジュール310(図2)およびバルブ制御モジュール320は、AI処理、エアインジェクションの終了処理、EGR処理、のそれぞれの処理を、判定モジュール300の判定結果に応じて実行する。また、図3に示す処理は、エンジン100の運転中に、繰り返し実行される。
図5は、AI処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図3のステップS124で実行される。まず、コンプレッサ駆動モジュール310は、現行の吸気圧Pimを取得し(S300)、現行のエンジン回転速度Neおよび負荷を取得する(S305)。ステップS305の処理は、図3のステップS110と同様である。
次のステップS310では、コンプレッサ駆動モジュール310は、排気圧Pexの推定値(以下「推定排気圧Pex_e」と呼ぶ)を算出する。推定排気圧Pex_eは、エンジン回転速度Neおよび負荷から算出される。エンジン回転速度Neが高いほど高く、負荷が大きいほど高くなるように、推定排気圧Pex_eが算出される。なお、推定排気圧Pex_eと他のパラメータとの対応関係は、種々の運転条件下での実際の排気圧Pexに基づいて、予め実験的に設定しておけばよい。
次のステップS315では、コンプレッサ駆動モジュール310は、吸気圧Pimの目標値(以下「目標吸気圧Pim_t」と呼ぶ)を算出する。目標吸気圧Pim_tは、推定排気圧Pex_eおよび目標EGR弁開度OPe_tから算出される。本実施例では、推定排気圧Pex_eが高いほど高く、目標EGR弁開度OPe_tが大きいほど高くなるように、目標吸気圧Pim_tが算出される。ただし、目標吸気圧Pim_tと他のパラメータとの対応関係としては、他の種々の対応関係を採用可能である。例えば、目標EGR弁開度OPe_tが大きいほど目標吸気圧Pim_tが低くてもよい。なお、このような対応関係は、種々の運転条件下で十分な空気が排気流路16(触媒26)に導入され得るように、予め実験的に設定しておけばよい。
次のステップS320では、コンプレッサ駆動モジュール310は、タービン回転速度Ntの目標値(以下「目標タービン回転速度Nt_t」と呼ぶ)を算出する。目標タービン回転速度Nt_tは、エンジン回転速度Ne、負荷、目標吸気圧Pim_tから算出される。エンジン回転速度Neが速いほど速く、負荷が大きいほど速く、目標吸気圧Pim_tが高いほど速くなるように、目標タービン回転速度Nt_tが算出される。なお、目標タービン回転速度Nt_tと他のパラメータとの対応関係は、種々の運転条件下で吸気圧Pimが目標吸気圧Pim_tとなり得るように、予め実験的に設定しておけばよい。
次のステップS325では、コンプレッサ駆動モジュール310は、現行のタービン回転速度Ntが目標タービン回転速度Nt_tとなるように、電動機70を駆動する。電動機70の制御は、過給器電子制御ユニット164を制御することによって行われる。また、このような、回転速度を目標値に合わせる制御方法としては、周知の種々の方法(例えば、フィードバック制御方法や、電動機70に対する供給電力を目標タービン回転速度Nt_tで決まる値に設定する方法)を採用可能である。
次に、バルブ制御モジュール320は、スロットル弁22の開度の目標値(以下「目標スロットル開度Th_t」と呼ぶ)を算出し(S330)、そして、実際のスロットル開度Thが目標スロットル開度Th_tとなるように、電動アクチュエータ24を制御する(S335)。目標スロットル開度Th_tは、現行の吸気圧Pimおよび目標吸気圧Pim_tから算出される。「現行吸気圧Pim>目標吸気圧Pim_t」の場合には、目標スロットル開度Th_tは、現行のスロットル開度Thよりも小さな値に設定される。逆に、「現行吸気圧Pim<目標吸気圧Pim_t」の場合には、目標スロットル開度Th_tは、現行のスロットル開度Thよりも大きな値に設定される。スロットル開度Thを、このような目標スロットル開度Th_tに設定することによって、現行の吸気圧Pimを目標吸気圧Pim_tに近づけることができる。
なお、現行の吸気圧Pimと目標吸気圧Pim_tと現行のスロットル開度Thと目標スロットル開度Th_tとの対応関係は、種々の運転条件下で吸気圧Pimを目標吸気圧Pim_tに近づけることができるように、予め実験的に設定しておけばよい。ここで、現行の吸気圧Pimと目標吸気圧Pim_tとの差分が大きいほど現行のスロットル開度Thと目標スロットル開度Th_tとの差分が大きくなるように、目標スロットル開度Th_tが設定されることが好ましい。
次のステップS340では、バルブ制御モジュール320は、EGR開度OPeを制御する(EGRバルブ202を駆動する)。図6は、EGRバルブ202の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。バルブ制御モジュール320は、このフローチャートに従い、吸気圧Pimの脈動に同期して、EGR開度OPeを変化させる。
図7は、吸気圧PimとEGR開度OPeとの経時変化を示すタイミングチャートである。図示するように、吸気圧Pimは、周期的に変化する。この理由は、エンジン100のシリンダ180が、エンジン回転速度Neで決まる周期で、断続的に空気を吸入するからである。なお、エンジンの中には、複数のシリンダを有するもの(多気筒エンジン)がある。このような多気筒エンジンでは、各シリンダ間で動作タイミングがずらされている場合が多い。その結果、クランクシャフトの回転周期よりも速い周期で吸気圧Pimが変動する。
図6のフローチャートにおいて、まず、バルブ制御モジュール320(図2)は、現行の吸気圧Pimを取得し、吸気圧Pimの移動平均Pim0を算出する(S400、S410)。平均を算出する時間幅は、吸気圧Pimの脈動の1周期よりも長い任意の時間(例えば、1秒)を採用可能である。ただし、処理速度を上げるためには、過剰に長くない時間が好ましい。
以後、バルブ制御モジュール320は、現行の吸気圧Pimが第1閾値Pith1を超えた時に(S420:Yes)、EGRバルブ202を開ける(S430)。この際、EGR開度OPeは、図3のステップS122で設定された目標EGR弁開度OPe_tに設定される。さらに、バルブ制御モジュール320は、現行の吸気圧Pimが第2閾値Pith2より小さくなった時に(S440:Yes)、EGRバルブ202を閉じる(S450)。第1および第2の閾値Pith1、Pith2は、いずれも、移動平均Pim0に基づいて、移動平均Pim0に近い値に設定される(詳細は後述)。これにより、吸気圧Pimが極大であるタイミングではEGRバルブ202が開かれ、吸気圧Pimが極小であるタイミングではEGRバルブ202が閉じられる(図7)。バルブ制御モジュール320は、AI処理が終了するまで、図6の制御を繰り返し実行し続ける。これにより、EGR開度OPeは、吸気圧Pimの変動に同期して変化する。
吸気圧Pimが比較的高い時には、EGR開度OPeが大きく(図7)、空気がEGR流路210を介して排気流路16へ流れやすいので、吸気圧Pim(特に極大値)が過剰に高くなることが抑制される。このように、吸気圧Pimの変動が抑えられるので、この変動に起因する種々の不具合を抑えることが可能となる。例えば、騒音の発生を抑えることができる。また、気筒間での吸入空気量のバラツキを抑えることができる。その結果、気筒間のトルクのバラツキを抑えることもできるので、アイドル運転時のエンジン回転速度Neを下げることが可能となる。また、これにより、アイドル運転時の燃費を向上させることも可能となる。
また、吸気圧Pimが比較的低い時には、EGR開度OPeが小さいので、仮に吸気圧Pimが排気圧Pexよりも低くなった場合であっても、排気ガス、あるいは、排気流路16に到達した空気がEGR流路210(図1)を逆流することが抑制される。その結果、EGR開度OPeをその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量を多くすることができる。また、吸気圧Pimが比較的高い時に、逆流した分の空気を追加的に排気流路16に導入せずに済むので、エアインジェクションに要求されるコンプレッサ54の駆動力(すなわち、電動機70の駆動力)を抑制することが可能である。従って、電動機70の消費電力を抑制し、燃費を向上させることができる。
なお、第1閾値Pith1および第2閾値Pith2は、いずれも、移動平均Pim0に応じて決まる閾値である。第1閾値Pith1は、移動平均Pim0に第1の所定の正値dPim1を足した値であり、第2閾値Pith2は、移動平均Pim0から第2の所定の正値dPim2を引いた値である。なお、第1および第2の値dPim1、dPim2は、吸気圧Pimが極大であるタイミングでEGR開度OPeが大きくなり、かつ、吸気圧Pimが極小であるタイミングでEGR開度OPeが小さくなるように、予め実験的に設定しておけばよい。また、2つの閾値Pith1、Pith2として、同じ値を用いてもよい。例えば、移動平均Pim0をそのまま閾値として用いてもよい。
また、本実施例では、EGR開度OPeの設定値として全開(100%)および全閉(0%)を採用しているが、中間値を採用してもよい。また、EGR流路210にエアフローメータ(図示せず)を設け、このエアフローメータの測定値(空気流量)が目標AI空気量(図3:S120)に近づくようにEGR開度OPeを制御してもよい。いずれの場合も、吸気圧Pimが極大のタイミングでEGR開度OPeが大きくなり、かつ、吸気圧Pimが極小のタイミングでEGR開度OPeが小さくなるように、EGR開度OPeを制御することが好ましい。
以上のように、第1実施例では、EGR開度OPeが吸気圧Pimの周期的な変動に同期して変化するので、吸気圧Pimの変動に合わせて効率よく空気を吸気流路12から排気流路16(触媒26)へ導入することが可能である。なお、本実施例では、EGRバルブ202が本発明における「導入バルブ」に相当し、EGR流路210が「エアバイパス流路」に相当する、また、コンプレッサ駆動モジュール310と、過給器電子制御ユニット164と、過給器電子駆動ユニット160と、電動機70と、の全体が「コンプレッサ駆動部」に相当する。
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における、EGRバルブ202の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す第1実施例の手順との差違は、吸気圧Pimの脈動の代わりに排気圧Pexの脈動に同期して、EGR開度OPeを変化させる点である。図8の処理は、図5のステップS340で、図6の処理の代わりに実行される。他の処理の手順は、図3〜図5に示す第1実施例と同じである。また、装置の構成は、図1、図2に示す第1実施例と同じである。
図9は、排気圧PexとEGR開度OPeとの経時変化を示すタイミングチャートである。図示するように、排気圧Pexは、周期的に変化する。この理由は、エンジン100のシリンダ180が、エンジン回転速度Neで決まる周期で、断続的に排気ガスを排出するからである。また、多気筒エンジンでは、しばしば、クランクシャフトの回転周期よりも速い周期で排気圧Pexが変動する。
図8のフローチャートにおいて、まず、バルブ制御モジュール320(図2)は、現行の排気圧Pexを取得し、排気圧Pexの移動平均Pex0を算出する(S500、S510)。平均を算出する時間幅は、移動平均Pim0算出用の時間幅(図6:S410)と同様に決定すればよい。
以後、バルブ制御モジュール320は、現行の排気圧Pexが第1閾値Peth1を超えた時に(S520:Yes)、EGRバルブ202を閉じる(S530)。さらに、バルブ制御モジュール320は、現行の排気圧Pexが第2閾値Peth2より小さくなった時に(S540:Yes)、EGRバルブ202を開ける(S550)。第1および第2の閾値Peth1、Peth2は、いずれも、移動平均Pex0に基づいて、移動平均Pex0に近い値に設定される(詳細は後述)。これにより、排気圧Pexが極大であるタイミングではEGRバルブ202が閉じられ、排気圧Pexが極小であるタイミングではEGRバルブ202が開かれる(図9)。バルブ制御モジュール320は、AI処理が終了するまで、図8の制御を繰り返し実行し続ける。これにより、EGR開度OPeは、排気圧Pexの変動に同期して変化する。
排気圧Pexが比較的低い時には、EGR開度OPeが大きいので(図9)、空気は、容易に、EGR流路210(図1)を介して排気流路16に導入される。一方、排気圧Pexが比較的高い時には、EGR開度OPeが小さいので、仮に排気圧Pexが吸気圧Pimよりも高くなった場合でも、排気ガス、あるいは、排気流路16に到達した空気がEGR流路210を逆流することが抑制される。その結果、EGR開度OPeをその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量を多くすることができる。また、第1実施例と同様に、電動機70の消費電力を抑制し、燃費を向上させることができる。
なお、第1閾値Peth1は、移動平均Pex0に第1の所定の正値dPex1を足した値であり、第2閾値Peth2は、移動平均Pex0から第2の所定の正値dPex2を引いた値である。このような第1および第2の値dPex1、dPex2は、排気圧Pexが極大のタイミングでEGR開度OPeが小さくなり、かつ、排気圧Pexが極小のタイミングでEGR開度OPeが大きくなるように、予め実験的に設定しておけばよい。また、2つの閾値Peth1、Peth2として、同じ値を用いてもよい。例えば、移動平均Pex0をそのまま閾値として用いても良い。
また、本実施例では、EGR開度OPeの設定値として全開(100%)および全閉(0%)を採用しているが、中間値を採用してもよい。また、EGR流路210にエアフローメータ(図示せず)を設け、このエアフローメータの測定値(空気流量)が目標AI空気量(図3:S120)に近づくようにEGR開度OPeを制御してもよい。いずれの場合も、排気圧Pexが極大のタイミングでEGR開度OPeが小さくなり、かつ、排気圧Pexが極小のタイイングでEGR開度OPeが大きくなるように、EGR開度OPeを制御することが好ましい。
以上のように、第2実施例では、EGR開度OPeが排気圧Pexの周期的な変動に同期して変化するので、排気圧Pexの変動に合わせて効率よく空気を吸気流路12から排気流路16(触媒26)へ導入することが可能である。
C.第3実施例:
図10は、第3実施例における、EGRバルブ202(図1)の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図8に示した第2実施例の手順のステップS530の後にステップS535を追加し、また、ステップS550の後にステップS555を追加したものであり、他の手順は第2実施例と同じである。
ステップS535では、コンプレッサ駆動モジュール310(図2)が電動機70(図1)への電力供給を開始し、ステップS555では、コンプレッサ駆動モジュール310が電動機70への電力供給を停止する。図11は、排気圧PexとEGR開度OPeと電動機70の駆動状態との経時変化を示すタイミングチャートである。排気圧Pexの変化に対するEGR開度OPeの変化の仕方は、図9に示す第2実施例と同じである。一方、コンプレッサ駆動モジュール310は、EGRバルブ202が開いている時に電動機70の駆動を停止し、EGRバルブ202が閉じている時に電動機70を駆動する。
このように電動機70が駆動される理由は、以下の通りである。タービン52(図1)は、排気ガスの流れによって効率よく駆動されるように設計されている。従って、タービン回転速度Ntを強制的に高めた場合であっても、タービン52による排気ガスの吸引力は上昇しにくい。逆に、タービン回転速度Ntを強制的に高めることによって、タービン52による抵抗(排気ガスの流れに対する抵抗)が大きくなる傾向がある。その結果、電動機70を駆動させると、タービン回転速度Ntが高くなるので、排気圧Pexも上昇する傾向にある。そこで、EGR開度OPeが大きいときに電動機70の駆動を停止すれば、タービン回転速度Ntが低下するので、空気を排気流路16(触媒26)に導入する時の排気圧Pexを下げることが可能となる。その結果、より低い吸気圧Pimでの空気導入が可能となる。従って、エアインジェクションに要する電動機70の消費電力を低減し、燃費を向上させることが可能となる。
なお、第3実施例では、EGR開度OPeが大きい時に電動機70に供給する電力の設定値としてゼロを採用しているが、ゼロより大きな値を採用してもよい。一般には、コンプレッサ駆動モジュール310は、EGR開度OPeが極大値である時に、EGR開度OPeが極小値である時と比べて、コンプレッサ54の駆動力(すなわち、タービン52の駆動力)が小さくなるように、電動機70に供給する電力を制御すればよい。こうすれば、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
D.第4実施例:
図12は、第4実施例におけるエンジン100bの構成を示す概略図である。図1に示すエンジン100との差違は、スロットルバイパス流路212(以下「TB流路212」とも呼ぶ)が設けられている点である。このTB流路212は、吸気流路12のうちのインタークーラ62とスロットル弁22との間の部分と、EGR流路210のうちのEGRバルブ202と排気流路16との間の部分と、を接続する。また、このTB流路212の途中には、スロットルバイパスバルブ222(以下「TBバルブ222」とも呼ぶ)が設けられている。バルブ制御モジュール320(図2)は、TBバルブ222に接続された電動アクチュエータ224を制御することによって、TBバルブ222の開度(以下「TB開度OPi」とも呼ぶ)を制御する。なお、エンジン100bの他の部分の構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、図12では、エンジン100bの一部の構成の図示が省略されている。
第4実施例では、AI処理においては、バルブ制御モジュール320(図2)は、TBバルブ222を開け(開度OPiを周期的に変動させ)、そして、EGRバルブ202を全閉にする。これにより、空気は、TB流路212およびEGR流路210を介して排気流路16(触媒26)に導入される。すなわち、第4実施例では、TBバルブ222が本発明における「導入バルブ」に相当する。そして、EGR流路210のうちのTB流路212との接続位置から排気流路16までの部分と、TB流路212と、の全体が、「エアバイパス流路」に相当する。
一方、EGR処理においては、バルブ制御モジュール320は、TBバルブ222を全閉にし、さらに、EGRバルブ202を開ける。これにより、排気ガスは、EGR流路210を介して排気流路16から吸気流路12へ流れる。すなわち、第4実施例では、EGRバルブ202が「還流バルブ」に相当し、TBバルブ222が「上流バルブ」に相当する。また、EGR流路210のうちのTB流路212との接続位置から吸気流路12までの部分が「還流路」に相当する。
なお、第4実施例では、エンジン100bの制御処理として、上述の各実施例の制御処理と同様の処理を適用可能である。例えば、図3〜図6に示す第1実施例の処理を適用してもよく、また、図8に示す第2実施例の処理を適用してもよく、図10に示す第3実施例の処理を適用してもよい。その結果、第4実施例では、上述の各実施例と同じ利点を得ることができる。ただし、いずれの場合も、AI処理では、EGRバルブ202の代わりにTBバルブ222が制御される。なお、スロットルバイパス流路212の入口での吸気圧Pc(以下「圧縮圧Pc」とも呼ぶ)は、吸気圧Pimとは異なり、スロットル弁22よりも手前の圧力を表している。ただし、この圧縮圧Pcは、しばしば、吸気圧Pimと同様のタイミングで変動する。従って、TBバルブ222の制御を吸気圧Pimの変動に同期させれば、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
例えば、図3〜図6に示す第1実施例の処理を適用すると仮定する。この場合には、図3のステップS122では、EGR開度OPeの目標値OPe_tの代わりに、TB開度OPiの目標値(以下「目標TB弁開度OPi_t」とも呼ぶ)が算出される。図4のステップS210では、EGRバルブ202の代わりにTBバルブ222が閉じられる。図5のステップS315では、目標EGR弁開度OPe_tの代わりに目標TB弁開度OPi_tが利用される。そして、図6のステップS430では、EGRバルブ202の代わりにTBバルブ222が開けられ、ステップS450では、EGRバルブ202の代わりにTBバルブ222が閉じられる。
なお、第4実施例では、図5の手順において、目標タービン回転速度Nt_tの算出(S320)のために、目標吸気圧Pim_tの代わりに圧縮圧Pcの目標値(以下「目標圧縮圧Pc_t」と呼ぶ)を用いることが好ましい。吸気圧Pimはスロットル弁22によって調整された後の空気の圧力を表しているが、圧縮圧Pcは、スロットル弁22による調整前の空気の圧力を表している。従って、目標圧縮圧Pc_tに基づいて目標タービン回転速度Nt_tを算出すれば、目標吸気圧Pim_tに基づいて算出する場合と比べて、TBバルブ222を流れる空気の状態を適切に算出結果に反映させることが可能となる。その結果、目標タービン回転速度Nt_tの適切な算出が容易となる。
図13は、図5の処理の代わりに実行可能なAI処理の手順を示すフローチャートである。この手順では、目標吸気圧Pim_tの代わりに目標圧縮圧Pc_tに基づいて目標タービン回転速度Nt_tが算出される。この手順は、図5に示した第1実施例の手順のステップS315とステップS320の間にステップS317を追加し、また、ステップS315およびステップS320を修正したものであり、他の手順は第1実施例と同じである。
ステップS315aでは、目標EGR弁開度OPe_tの代わりに目標TB弁開度OPi_tを用いることによって目標吸気圧Pim_tが算出される。この際、目標TB弁開度OPi_tが大きいほど高くなるように、目標吸気圧Pim_tが算出される。ただし、目標TB弁開度OPi_tが大きいほど目標吸気圧Pim_tが小さくてもよい。
ステップS317では、コンプレッサ駆動モジュール310は、目標圧縮圧Pc_tを算出する。目標圧縮圧Pc_tは、推定排気圧Pex_eおよび目標TB弁開度OPi_tから算出される。推定排気圧Pex_eが高いほど高く、目標TB弁開度OPi_tが大きいほど高くなるように、目標圧縮圧Pc_tが算出される。なお、推定排気圧Pex_eと、目標TB弁開度OPi_tと、目標圧縮圧Pc_tとの対応関係は、種々の運転条件下で十分な空気が排気流路16(触媒26)に導入され得るように、予め実験的に設定しておけばよい。
ステップS320aでは、目標吸気圧Pim_tの代わりに目標圧縮圧Pc_tを用いることによって目標タービン回転速度Nt_tが算出される。この際、目標圧縮圧Pc_tが高いほど速くなるように、目標タービン回転速度Nt_tが算出される。
以上のように、第4実施例では、エアインジェクションを行うためのエアバイパス流路が、吸気流路12のスロットル弁22よりも上流側に接続されている。従って、AI処理において電動機70の駆動によりコンプレッサ54による過給圧が上昇した場合であっても、スロットル弁22の手前で空気がTB流路212に導入されるので、スロットル弁22の下流側の圧力(吸気圧Pim)が過剰に高くなることを抑制できる。その結果、AI処理を実行した場合であっても、燃焼室に吸入される空気量が過剰に多くなることが抑制されるので、エンジン100bの駆動を安定させることが可能となる。例えば、AI処理に起因するトルクの増大を抑えることが可能となる。また、スロットル弁22による絞り損失の増大を抑制できるので、エアインジェクションに要する電動機70の消費電力を低減し、燃費を向上させることが可能となる。
なお、TB流路212と吸気流路12との接続位置は、スロットル弁22とコンプレッサ54との間の任意の位置を採用可能である。例えば、吸気流路12のうちのコンプレッサ54とインタークーラ62との間の部分に、TB流路212を接続してもよい。
E.第5実施例:
図14は、第5実施例におけるエンジン100cの構成を示す概略図である。図1に示すエンジン100との差違は、EGR流路210に第2のEGRバルブ226が追加されている点である。第2のEGRバルブ226は、EGRバルブ202(以下「第1EGRバルブ202」とも呼ぶ)よりも下流側(排気流路16に近い側)に設けられている。バルブ制御モジュール320(図2)は、第2のEGRバルブ226に接続された電動アクチュエータ228を制御することによって、第2のEGRバルブ226の開度を制御する。以下、第1EGRバルブ202の開度OPeのことを「第1EGR開度OPe」とも呼び、第2EGRバルブ226の開度のことを「第2EGR開度OPe2」とも呼ぶ。なお、エンジン100cの他の部分の構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、図14では、エンジン100cの一部の構成の図示が省略されている。
第5実施例では、図3〜図5の手順に従って、エンジン100cの制御処理が実行される。ただし、図5のステップS340では、バルブ制御モジュール320は、上流側の第1EGR開度OPeを吸気圧Pimの脈動に同期して変化させ、下流側の第2EGR開度OPe2を排気圧Pexの脈動に同期して変化させる。第1EGR開度OPeの制御は、図6、図7に示す第1実施例での制御と同じである。第2EGR開度OPe2の制御は、図8、図9に示す第2実施例での制御と同じである。これにより、吸気圧Pimが高い時に空気が第1EGRバルブ202を介してEGR流路210に蓄えられる。そして、排気圧Pexが低い時にEGR流路210に蓄えられた空気が第2EGRバルブ226を介して排気流路16(触媒26)に導入される。その結果、吸気圧Pimが極大となるタイミングと、排気圧Pexが極小となるタイミングとがずれている場合であっても、吸気圧Pimの変動、および、排気圧Pexの変動の両方に合わせて、効率良く、吸気流路12から排気流路16へ空気を導入することが可能である。従って、エアインジェクションに要求される電動機70の駆動力(消費電力)を抑制し、燃費を向上させることが可能となる。
さらに、図10、図11に示す第3実施例と同様に、第2EGR開度OPe2、および、電動機70に供給する電力を制御してもよい。こうすれば、さらに、エアインジェクションに要する電動機70の消費電力を低減し、燃費を向上させることが可能となる。
一方、EGR処理では、第1EGRバルブ202および第2EGRバルブ226の両方が開けられる。この際、各バルブの開度OPe、OPe2としては、所定の一定値を採用してもよく、また、エンジン100の動作状況に応じた可変値を採用してもよい。
なお、AI処理を終了するときには、最初に第2EGRバルブ226を閉じ、EGR流路210に蓄えられた空気を吸気流路12に戻した後で、第1EGRバルブ202を閉じればよい。逆に、最初に第1EGRバルブ202を閉じ、EGR流路210に蓄えられた空気を排気流路16に排出した後で、第2EGRバルブ226を閉じてもよい。
F.第6実施例:
図15は、第6実施例におけるエンジン100dの構成を示す概略図である。図14に示す第5実施例のエンジン100cとの差違は、EGR流路210のうちの第1EGRバルブ202と第2EGRバルブ226との間に、EGR流路210内の圧力(以下、「蓄圧Pr」とも呼ぶ)を測定する蓄圧センサ230が設けられている点である。エンジン100dの他の部分の構成は、図14に示す第5実施例のエンジン100cと同じである。また、図15では、エンジン100dの一部の構成の図示が省略されている。
図16は、第6実施例におけるAI処理の手順を示すフローチャートである。第6実施例では、図3、図4、図16に示す手順に従って、エンジン100dが制御される。図16に示す処理は、図3のステップS124において、図5に示す処理の代わりに実行される。図16のフローチャートは、図5に示した第1実施例の手順のステップS320とステップS325との間にステップS322を追加し、また、追加されたステップS322の判定結果が「Yes」である場合にステップS325の代わりに実行されるステップS323を追加したものである。また、ステップS340dでは、蓄圧Prに応じて、第1EGRバルブ202および第2EGRバルブ226が制御される。他の手順は第1実施例と同じである。
ステップS322では、コンプレッサ駆動モジュール310(図2)は、蓄圧センサ230(図15)から現行の蓄圧Prを取得する。そして、取得した蓄圧Prが所定の第1閾値Prth1を超えている場合には、次のステップS323でコンプレッサ駆動モジュール310は電動機70の駆動を停止し(電力供給を停止)、処理はステップS330に移行する。一方、蓄圧Prが第1閾値Prth1以下である場合には、図5の第1実施例と同様に、ステップS325でコンプレッサ駆動モジュール310は電動機70を駆動し、処理はステップS330に移行する。これらにより、蓄圧Prが第1閾値Prth1を超えることが抑制される。
このように、蓄圧Prが第1閾値Prth1よりも高い場合には、電動機70への電力供給が停止されるので、蓄圧Prが過剰に高くなることを抑制できる。その結果、EGR流路210から吸気流路12へガスが逆流することが抑制されるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。また、電動機70の消費電力を抑制し、燃費を向上させることができる。なお、第1閾値Prth1は、所定の値に限らず、エンジン100dの運転条件に基づく可変値であってもよい。例えば、触媒床温Tcが低いほど高くなるように第1閾値Prth1を設定してもよい。こうすれば、触媒床温Tcが低いほど多くの空気が触媒26に導入されるので、触媒26の昇温に過剰な時間がかかることが抑制される。いずれの場合も、第1閾値Prth1は、種々の運転条件下で十分な空気が排気流路16(触媒26)に導入され得るように、予め実験的に設定しておけばよい。
なお、コンプレッサ54の制御方法としては、電動機70のON−OFF状態を蓄圧Prに応じて切り替える方法に限らず、蓄圧Prが第1閾値Prth1を超えないようにコンプレッサ54の駆動力を制御する種々の方法を採用可能である。例えば、蓄圧Prが第1閾値Prth1に維持されるように、電動機70に供給する電力(すなわち、コンプレッサ54の駆動力)をフィードバック制御してもよい。
図17および図18は、図16のステップS340dで実行されるバルブ駆動処理の手順を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、第1EGRバルブ202の制御手順を示し、図18のフローチャートは、第2EGRバルブ226の制御手順を示している。
図17のフローチャートは、図6に示した第1実施例の手順のステップS410とステップS420との間にステップS412を追加し、また、追加されたステップS412の判定結果が「Yes」である場合に、ステップS420〜S450の処理の代わりに実行されるステップS414を追加したものであり、他の手順は第1実施例と同じである。
ステップS412では、バルブ制御モジュール320は、蓄圧センサ230(図15)から現行の蓄圧Prを取得する。そして、取得した蓄圧Prが所定の第2閾値Prth2を超えている場合には、バルブ制御モジュール320は、次のステップS414で第1EGRバルブ202を閉じ(全閉)、ステップS400に戻る。一方、蓄圧Prが第2閾値Prth2以下である場合には、バルブ制御モジュール320は、図6の第1実施例と同様に、吸気圧Pimの変動に同期して第1EGR開度OPeを変化させ(ステップS420〜S450)、ステップS400に戻る。以後、バルブ制御モジュール320は、図17の処理を繰り返し実行する。
このように、蓄圧Prが第2閾値Prth2を超えている間は、第1EGRバルブ202が閉じた状態に維持されるので、EGR流路210に蓄えられた空気が吸気流路12に逆流することが抑制される。その結果、逆流した分の空気を追加的にEGR流路210に導入せずに済むので、エアインジェクションに要求される電動機70の駆動力(消費電力)を抑制することが可能である。
また、蓄圧Prが第2閾値Prth2以下である間は、第1実施例と同様に、第1EGR開度OPeが吸気圧Pimの変動に同期して変えられる。その結果、第6実施例では、第1実施例と同様の利点を得ることができる。
なお、第2閾値Prth2は、所定の値に限らず、エンジン100dの運転条件に基づく可変値であってもよい。例えば、現行の吸気圧Pimが高いほど高くなるように第2閾値Prth2を設定してもよい。いずれの場合も、第2閾値Prth2は、種々の運転条件下で過剰なガスがEGR流路210から吸気流路12へ逆流しないように、予め実験的に設定しておけばよい。
また、第1EGRバルブ202を閉状態に維持するための条件としては、条件「蓄圧Pr>第2閾値Prth2」に限らず、第1EGRバルブ202を開けることによってEGR流路210から吸気流路12へガスが逆流する可能性があることを示す蓄圧Prに基づく任意の条件を採用可能である。例えば、条件「吸気圧Pim<蓄圧Pr」を採用してもよい。なお、このようなガスの逆流は、本発明における「第1逆流」に相当する。
図18のフローチャートは、図8に示した第2実施例の手順のステップS510とステップS520との間にステップS512を追加し、また、追加されたステップS512の結果判定が「Yes」である場合に、ステップS520〜S550の処理の代わりに実行されるステップS514を追加したものであり、他の手順は第2実施例と同じである。
ステップS512では、バルブ制御モジュール320は、蓄圧センサ230(図15)から現行の蓄圧Prを取得する。そして、蓄圧Prが所定の第3閾値Prth3未満である場合には、バルブ制御モジュール320は、次のステップS514で第2EGRバルブ226を閉じ(全閉)、ステップS400に戻る。一方、蓄圧Prが第3閾値Prth3以上である場合には、バルブ制御モジュール320は、図8の第2実施例と同様に、排気圧Pexの変動に同期して第2EGR開度OPe2を変化させ(ステップS520〜S550)、ステップS400に戻る。以後、バルブ制御モジュール320は、図18の処理を繰り返し実行する。
このように、蓄圧Prが第3閾値Prth3未満である間は、第2EGRバルブ226が閉じた状態に維持されるので、排気流路16からEGR流路210へガス(排気ガスや空気)が逆流することが抑制される。その結果、逆流した分の空気を追加的にEGR流路210に導入せずに済むので、エアインジェクションに要求される電動機70の駆動力(消費電力)を抑制することが可能である。
また、蓄圧Prが第3閾値Prth3以上である間は、第2実施例と同様に、第2EGR開度OPe2が排気圧Pexの変動に同期して変えられる。その結果、第6実施例では、第2実施例と同様の利点を得ることができる。
なお、第3閾値Prth3は、所定の値に限らず、エンジン100dの運転条件に基づく可変値であってもよい。例えば、現行の排気圧Pexが高いほど高くなるように第3閾値Prth3を設定してもよい。いずれの場合も、第3閾値Prth3は、種々の運転条件下で過剰なガスが排気流路16からEGR流路210へ逆流しないように、予め実験的に設定しておけばよい。
また、第2EGRバルブ226を閉状態に維持するための条件としては、条件「蓄圧Pr<第3閾値Prth3」に限らず、第2EGRバルブ226を開けることによって排気流路16からEGR流路210へガスが逆流する可能性があることを示す蓄圧Prに基づく任意の条件を採用可能である。例えば、条件「蓄圧Pr<排気圧Pex」を採用してもよい。なお、このようなガスの逆流は、本発明における「第2逆流」に相当する。
以上のように、第6実施例では、過剰な空気がEGR流路210に導入されないように電動機70が蓄圧Prに基づいて制御され、さらに、ガスがEGR流路210を逆流しないように、第1EGRバルブ202、および、第2のEGRバルブ226が蓄圧Prに基づいて制御される。その結果、インジェクション処理に要する電動機70の駆動力(消費電力)を抑制し、燃費を向上させることが可能となる。
なお、蓄圧Prに基づく制御の対象としては、電動機70、第1EGRバルブ202、第2EGRバルブ226の全てを採用する代わりに、これらの中の任意の一部のみを採用してもよい。ここで、蓄圧Prに依存しない制御の対象については、上述の各実施例(図5、図6、図8)と同様の制御を採用可能である。例えば、電動機70のみを対象として採用してもよい。この場合には、図16のステップS340dでは、図6に示す手順に従って第1EGR開度OPeを制御し、図8に示す手順に従って第2EGR開度OPe2を制御すればよい。また、第1EGRバルブ202のみを対象として採用してもよい。この場合には、図3のステップS124において、図16に示す処理の代わりに、図5に示す処理を実行すればよい。そして、図5のステップS340では、図17に示す手順に従って第1EGR開度OPeを制御し、図8に示す手順に従って第2EGR開度OPe2を制御すればよい。
G.第7実施例:
図19は、第7実施例におけるエンジン100eの構成を示す概略図である。図12に示す第4実施例のエンジン100bとの差違は、図14の第5実施例と同様の第2EGRバルブ226(および、電動アクチュエータ228)が設けられている点である。この第2EGRバルブ226は、EGR流路210のTB流路212との接続位置よりも下流側(排気流路16に近い側)に設けられている。なお、エンジン100eの他の部分の構成は、図12に示すエンジン100bと同じである。また、図19では、エンジン100eの一部の構成の図示が省略されている。
第7実施例では、図14の第5実施例と同様に、図3〜図5の手順に従って、エンジン100eの制御処理が実行される。ただし、AI処理では、バルブ制御モジュール320(図2)は、第1EGRバルブ202を全閉にし、TBバルブ222、および、第2EGRバルブ226を開ける。これにより、空気は、図12の第4実施例と同様に、TB流路212およびEGR流路210を介して排気流路16(触媒26)に導入される。これにより、第7実施例では、上述の第4実施例と同様の利点を得ることができる。
また、AI処理では、バルブ制御モジュール320は、第1EGR開度OPeの代わりにTB開度OPiを、吸気圧Pimの脈動に同期して変化させる。TB開度OPiの制御は、図6、図7に示す第1実施例での制御と同じである。さらに、バルブ制御モジュール320は、第2EGR開度OPe2を、排気圧Pexの脈動に同期して変化させる。第2EGR開度OPe2の制御は、図8、図9に示す第2実施例での制御と同じである。これらの制御は、図14の第5実施例と同様に行われる。従って、第7実施例では、第5実施例と同じ利点を得ることができる。なお、第7実施例では、TBバルブ222が「第1導入バルブ」に相当し、第2EGRバルブ226が「第2導入バルブ」に相当する。すなわち、TBバルブ222、および、第2EGRバルブ226は、いずれも「エアバイパスバルブ」に相当する。なお、第4実施例と同様に、図5の処理の代わりに図13の処理が実行されてもよい。
一方、EGR処理においては、バルブ制御モジュール320は、TBバルブ222を全閉にし、さらに、第1EGRバルブ202、および、第2EGRバルブ226を開ける。これにより、排気ガスは、図12の第4実施例と同様に、EGR流路210を介して排気流路16から吸気流路12へ流れる。すなわち、第7実施例では、EGRバルブ202が「還流バルブ」に相当し、TBバルブ222が「上流バルブ」に相当する。
なお、AI処理において、第2EGR開度OPe2をゼロより大きな所定値に固定し、TB開度OPiを吸気圧Pimあるいは排気圧Pexのいずれか一方の脈動に同期して変化させてもよい。逆に、TB開度OPiをゼロより大きな所定値に固定し、第2EGR開度OPe2を吸気圧Pimあるいは排気圧Pexのいずれか一方の脈動に同期して変化させてもよい。また、図10、図11に示す第3実施例と同様に、第2EGR開度OPe2、および、電動機70に供給する電力を制御してもよい。
H.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上述の各実施例では、コンプレッサ駆動部として電動機70(図1)を用いているので、エアバイパス流路の入口での吸気圧がエアバイパス流路の出口での排気圧よりも高くなるようにコンプレッサ54を駆動することが容易である。ただし、コンプレッサ駆動部としては、電動機に限らず、コンプレッサ54を駆動可能な種々の装置を採用可能である。例えば、クランクシャフト148とコンプレッサ54とを機械的に接続する動力伝達機構(例えば、ギヤ機構)を採用してもよい。ここで、上述の低温条件に加えて、エンジン回転速度Neが所定の閾値以下であることを、AI処理を実行するための条件(空気導入条件)として用いてもよい。この場合には、空気導入条件が成立する場合に(すなわち、エンジン回転速度Neが閾値以下である場合に)吸気圧が排気圧よりも高くなるように、動力伝達機構を構成すればよい。こうすれば、低温下でエンジンを始動させる時に(特にアイドリング時に)、AI処理を実行することができるので、触媒26の温度を素早く高めることが可能となる。なお、この場合には、動力伝達機構は、判定モジュール300の判定結果とは独立に、空気導入条件が成立するときに、吸気圧が排気圧よりも高くなるようにコンプレッサ54を駆動する。
また、動力伝達機構としては、クランクシャフト148とコンプレッサ54との間の接続および切断を行うクラッチ装置を有する機構を採用してもよい。ここで、通常時にはクラッチ装置の状態を「切断」に設定し、空気導入条件が成立したときにクラッチ装置の状態を「接続」に設定すれば、エアインジェクションが不要なとき(すなわち、空気導入条件が成立しないとき)に吸気圧が過剰に高くなることを抑制できる。
また、図10、図11に示す第3実施例においても、コンプレッサの駆動力(すなわち、タービンの駆動力)を、動力伝達機構によって変動させてもよい。例えば、クラッチ装置の状態を切り替えることによって、駆動力を変動させればよい。
変形例2:
上記各実施例において、バルブ制御部による制御(例えば、図1のEGRバルブ202の制御)を、参照圧力(吸気圧Pim(あるいは、圧縮圧Pc)、あるいは、排気圧Pex)の変動に同期させる方法としては、参照圧力の測定値を用いる方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、参照圧力の変動と同期して変化する種々の信号(変動信号とも呼ぶ)に制御を同期させる方法を採用可能である。このような変動信号としては、例えば、クランク角センサ32の出力信号(クランク角度)や、吸気弁InVを駆動する電動アクチュエータInAの駆動信号や、排気弁ExVを駆動する電動アクチュエータExAの駆動信号を採用可能である。また、クランクシャフト148に接続された機械的な動力伝達機構(例えば、カム機構)によって、導入バルブの制御を行うこととしてもよい。いずれの場合も、容易に、制御を参照圧力の変動に同期させることができる。
同様に、コンプレッサ駆動部による制御(例えば、電動機70の制御)を、最下流導入バルブ(第3実施例では、EGRバルブ202(図1))の開度の変動に同期させる方法としても、種々の方法を採用可能である。例えば、最下流導入バルブ開度の変動に同期して変化する種々の信号(例えば、最下流導入バルブの駆動信号や参照圧力の測定値)に制御を同期させる方法を採用可能である。また、クランクシャフト148に接続された機械的な動力伝達機構によって、コンプレッサの駆動力(タービン駆動力)を変動させてもよい。
変形例3:
上記各実施例において、エンジンの設計によっては、参照圧力の変動と、導入バルブでの圧力変動との間の位相差が、圧力変動の1/4周期よりも大きくなる可能性がある。例えば、吸気流路12(図1)からEGRバルブ202までの距離が長いと、吸気圧Pimの変動がEGRバルブ202に遅れて到達する可能性がある。このような場合には、導入バルブ開度変動と、参照圧力変動と、の間の位相差としては、上述の各実施例(図7、図9、図11)に示す位相差に限らず、種々の値を採用可能である。ここで、導入バルブ開度をその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量が多くなるように、導入バルブ開度変動の位相を設定することが好ましい。また、導入バルブ開度をその変動の極大値に固定した場合と比べて、参照圧力変動に起因して生じる騒音が小さくなるように、導入バルブ開度変動の位相を設定してもよい。このような導入バルブ開度変動の位相は、予め実験的に決定すればよい。
これらは、図10、図11に示す第3実施例でのコンプレッサ54の駆動力(タービン52の駆動力)の制御についても、同様である。最下流導入バルブ(第3実施例では、EGRバルブ202(図1))からタービン52までの距離が長いと、最下流バルブを通過した空気がタービン52に遅れて到着する可能性がある。このような場合には、コンプレッサ54の駆動力変動と、最下流導入バルブの開度変動と、の間の位相差としては、図11に示す位相差に限らず、種々の値を採用可能である。ここで、コンプレッサ54の駆動力をその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量が多くなるように、駆動力変動の位相を設定することが好ましい。このような駆動力変動の位相は、実験的に決定すればよい。
いずれの場合も、これらの位相が、エンジンの動作状態(例えば、エンジン回転速度Neやエンジンの負荷)に応じた可変値であってもよい。なお、通常は、エアバイパス流路の長さ、および、最下流導入バルブからタービン52までの流路の長さは、過剰に長くならないように設定される。従って、上述の各実施例(図7、図9、図11)に示す位相を採用すれば、効率よく、空気を触媒26に導入することができる。
変形例4:
上記各実施例において、導入バルブ開度の変動は、上述の各実施例のようなステップ状の変動に限らず、連続的な変化であってもよい。例えば、導入バルブ開度が正弦関数のように滑らかに変化してもよい。また、導入バルブ開度が大きな値に維持される時間幅(「大開度時間幅」とも呼ぶ)、および、導入バルブ開度が小さな値に維持される時間幅(「小開度時間幅」とも呼ぶ)は、参照圧力の変動の仕方に合わせて、任意に設定可能である。一般には、吸気圧Pimが高い状態が続く時間幅が長いほど大開度時間幅を長くすることが好ましい。また、排気圧Pexが低い状態が続く時間幅が長いほど大開度時間幅を長くすることが好ましい。ここで、導入バルブ開度をその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量が多くなるように、導入バルブ開度の変化の仕方を設定することが好ましい。このような導入バルブ開度の変化の仕方は、予め実験的に設定すればよい。
これらは、図10、図11に示す第3実施例でのコンプレッサ54の駆動力(タービン52の駆動力)の変動についても同じである。ここで、最下流導入バルブ開度が大きな値に維持される時間幅が長いほど、駆動力が小さな値に維持される時間幅を長い値に設定することが好ましい。ここで、コンプレッサ54の駆動力をその変動の極大値に固定した場合と比べて、触媒26への空気導入量が多くなるように、駆動力の変化の仕方を設定することが好ましい。このような駆動力の変化の仕方は、予め実験的に設定すればよい。
いずれの場合も、これらの変動の仕方が、エンジンの動作状態(例えば、エンジン回転速度Neやエンジンの負荷)に応じて可変であってもよい。
変形例5:
上記各実施例では、EGR処理で排気ガスが還流するEGR流路210を用いてAI処理を行っていたが、AI処理で空気が流れる流路(エアバイパス流路)が、AI処理専用の流路であってもよい。ただし、上述の各実施例のように、EGR処理とAI処理とでガス流路を共用すれば、エンジンの構成を簡略化することが可能となる。
変形例6:
図3に示す手順では、「還流条件が成立せず、かつ、低温条件が成立する」を空気導入条件として採用している。すなわち、AI処理よりもEGR処理が優先されている。ただし、AI処理をEGR処理よりも優先的に実行してもよい。例えば、ステップS102で低温条件が成立した場合には、EGR要求の有無に拘わらずに、AI処理が実行されてもよい。
変形例7:
上述の各実施例において、低温条件(触媒床温Tcが目標床温以下である)の目標床温が、エンジンの運転条件に基づく可変値であってもよい。例えば、外気温が低いほど高い値に目標床温が設定されてもよい。こうすれば、低温下でエンジンを始動させた場合であっても、触媒26の温度を十分に高めることが可能となる。また、触媒床温Tcとして、実測値の代わりに推定値を採用してもよい。触媒床温の推定値の算出方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。このような推定値は、エンジンの動作状態の履歴に基づいて算出され得る。例えば、エンジンを始動してからの経過時間が長いほど、床温が高いと推定できる。また、エンジンの負荷が大きいほど、床温が高いと推定できる。いずれの場合も、空気導入条件としては、「触媒の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値(例えば、実測値あるいは推定値)が、与えられた低温閾値以下であること」を含む条件であることが好ましい。このような条件を採用すれば、触媒の温度が低い時に、触媒に空気を導入することによって、触媒の温度を速やかに上昇させることができる。その結果、排気ガスの浄化を促進することができる。なお、触媒床温Tcの実測値を利用しない場合には、床温センサ28を省略してもよい。
変形例8:
上記各実施例において、触媒26へのエアインジェクションは、種々の目的のために実行され得る。従って、空気導入条件としては、低温条件を含む条件に限らず、種々の条件を採用可能である。例えば、過剰に温度が高くなった触媒26の冷却のためにエアインジェクションを実行してもよい。この場合には、「前記触媒の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値が、与えられた高温閾値以上である」との条件(以下「高温条件」とも呼ぶ)が成立した場合に、エアインジェクションを実行すればよい。例えば、図3に示す手順に従ってAI処理が実行される場合には、判定モジュール300が、ステップS102において高温条件が成立しているか否かを判定し、高温条件が成立している場合にはステップS110に移行し、高温条件が成立しない場合にはステップS104に移行すればよい。なお、触媒26の冷却のためのエアインジェクションでは、上述の実施例のような触媒26の昇温のためのエアインジェクションと比べて、大量の空気を触媒26に導入することが好ましい。ここで、高温閾値は、触媒26に応じて予め実験的に設定すればよい。また、高温閾値が、エンジンの運転条件に基づく可変値であってもよい。
変形例9:
上記各実施例において、還流条件としては、上述の低負荷低回転条件を含む種々の条件を採用可能である。例えば、低負荷低回転条件に加えて、触媒床温Tcが目標床温より高いことを、還流条件として採用してもよい。また、低負荷低回転条件に限らず、他の条件を採用してもよい。例えば、「燃焼室の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値が、与えられた上限温度以上であること」を含む条件を採用可能である。このような条件を採用すれば、燃焼室の温度が過剰に高い場合に、排気ガスを燃焼室に還流させることによって、燃焼を穏やかにし、燃焼室の温度を下げることが可能となる。ここで、燃焼室の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値としては、種々のパラメータ値を採用可能である。例えば、シリンダ180の温度の実測値を採用してもよい。また、推定値を採用してもよい。例えば、排気ガスの温度の実測値から、燃焼室の温度を推定してもよい。この場合には、排気ガス温度が高いほど、燃焼室温度も高いと推定できる。また、上限温度としては、所定の固定値を採用してもよく、また、エンジンの運転条件に基づく可変値を採用してもよい。例えば、エンジンの負荷が小さいほど、上限温度を小さい値に設定してもよい。こうすれば、負荷が小さい場合に燃焼室の温度が過剰に高くなることを抑制できる。
変形例10:
上述の各実施例において、推定排気圧Pex_eの代わりに排気管圧力センサ68による実測値を用いてもよい。また、排気圧Pexの実測値を利用しない場合には、排気管圧力センサ68を省略してもよい。
変形例11:
上記各実施例において、種々の制御のためにEECU30によって利用される種々の対応関係(例えば、図5のステップS310で利用されるエンジン回転速度Neと負荷と推定排気圧Pex_eとの対応関係)は、マップや関数といった種々の形態でROM(図1)に予め格納しておけばよい。
変形例12:
上述の各実施例において、AI処理における目標タービン回転速度Nt_tの算出方法としては、上述の方法(図5、図13)に限らず、適切な量の空気を排気流路16(触媒26)に導入できるような回転速度を算出し得る種々の方法を採用可能である。
また、AI処理におけるスロットル開度Thの制御方法としては、上述の方法(図5、図13)に限らず、エンジンの駆動を継続しつつ空気を触媒に導入し得るような種々の方法を採用可能である。例えば、上記各実施例では、AI処理の実行中は、エアフローメータ66(図1)で検知された空気流量Gaの内の一部が、燃焼室には吸入されずに排気流路16(触媒26)に導入される。そこで、EECU30が、空気流量Gaから排気流路16に導入された空気量を差し引いた残り(すなわち、燃焼室に吸入される空気量)を推定し、この推定値に基づいて燃料噴射量を決定することが好ましい。このような吸入空気量の推定方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、吸入空気量推定値とエンジンの動作状態(例えば、導入バルブ開度、空気流量Ga、吸気圧Pim)との対応関係を予め実験的に設定しておき、この対応関係と現行のエンジン動作状態とに基づいて吸入空気量推定値を算出してもよい。
変形例13:
図10、図11に示す第3実施例の処理を、図15に示す第6実施例や、図19に示す第7実施例のように、エアバイパス流路に2以上の導入バルブ(吸気圧、あるいは、排気圧の変動に同期して開度が変動されるバルブ)が設けられている内燃機関に適用してもよい。ただし、この場合には、最下流(最も排気流路に近い)の導入バルブの開度に合わせて、コンプレッサの駆動力を制御することが好ましい。例えば、最下流導入バルブの開度が極大値である時のコンプレッサの駆動力が、最下流導入バルブの開度が極小値である時のコンプレッサの駆動力よりも小さくなるように、コンプレッサを駆動することが好ましい。こうすれば、最下流導入バルブの開度が大きくなって空気が排気流路に導入されるときのタービンによる排気ガスの流れの抵抗が過剰に大きくなることが抑制されるので、空気導入の効率が低下することを抑制できる。
変形例14:
エンジンの構成としては、上記各実施例の構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、上記各実施例ではエンジンとしてガソリンエンジンを採用していたが、ディーゼルエンジンを採用してもよい。また、過給器50からタービン52を省略してもよい。
変形例15:
上記各実施例において、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図2のバルブ制御モジュール320の機能を、論理回路を有するハードウェア回路によって実現することとしてもよい。
本発明の実施例としての車両の構成を示す概略図である。 EECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。 第1実施例におけるエンジン制御処理の手順を示すフローチャートである。 エアインジェクション制御の終了処理の手順を示すフローチャートである。 AI処理の手順を示すフローチャートである。 EGRバルブ202の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。 吸気圧PimとEGR開度OPeとの経時変化を示すタイミングチャートである。 第2実施例におけるEGRバルブ202の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。 排気圧PexとEGR開度OPeとの経時変化を示すタイミングチャートである。 第3実施例におけるEGRバルブ202の制御(駆動)処理の手順を示すフローチャートである。 排気圧PexとEGR開度OPeと電動機70の駆動状態との経時変化を示すタイミングチャートである。 第4実施例におけるエンジン100bの構成を示す概略図である。 AI処理の手順を示すフローチャートである。 第5実施例におけるエンジン100cの構成を示す概略図である。 第6実施例におけるエンジン100dの構成を示す概略図である。 第6実施例におけるAI処理の手順を示すフローチャートである。 バルブ駆動処理の手順を示すフローチャートである。 バルブ駆動処理の手順を示すフローチャートである。 第7実施例におけるエンジン100eの構成を示す概略図である。
符号の説明
12…吸気流路
13…コンプレッサバイパス流路
14…燃料インジェクタ
15…電動アクチュエータ
16…排気流路
17…コンプレッサバイパスバルブ
20…エアクリーナ
22…スロットル弁
24…電動アクチュエータ
26…触媒
28…床温センサ
30…エンジン電子制御ユニット(EECU)
32…クランク角センサ
36…アクセル開度センサ
50…過給器
52…タービン
54…コンプレッサ
56…タービンシャフト
60…サージタンク
62…インタークーラ
63…吸気温度センサ
64…吸入管圧力センサ
66…エアフローメータ
68…排気管圧力センサ
70…電動機
72…永久磁石
74…コイル
76…回転子位置センサ
100、100b、100c、100d、100e…エンジン
133…吸気ポート
135…排気ポート
136…点火プラグ
144…ピストン
146…コネクティングロッド
148…クランクシャフト
149…オルタネータ
150…低圧バッテリ
154…高圧バッテリ
160…過給器電子駆動ユニット
164…過給器電子制御ユニット
180…シリンダ
202…第1EGRバルブ
204…電動アクチュエータ
210…EGR流路
212…スロットルバイパス流路
222…スロットルバイパス(TB)バルブ
224…電動アクチュエータ
226…第2EGRバルブ
228…電動アクチュエータ
230…蓄圧センサ
300…判定モジュール
310…コンプレッサ駆動モジュール
320…バルブ制御モジュール
900…車両
InA…電動アクチュエータ
ExA…電動アクチュエータ
InV…吸気弁
ExV…排気弁
Pim…吸気圧
Pex…排気圧

Claims (20)

  1. 吸入空気を過給するコンプレッサと、排ガスを浄化する触媒と、を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記コンプレッサと燃焼室とを接続する吸気流路と、前記燃焼室と前記触媒とを接続する排気流路とを、前記燃焼室を介さずに接続するエアバイパス流路と、
    前記エアバイパス流路に設けられた1以上のエアバイパスバルブと、
    前記コンプレッサを駆動するコンプレッサ駆動部と、
    前記各エアバイパスバルブの開度を制御するバルブ制御部と、
    を備え、
    前記コンプレッサ駆動部は、前記エアバイパス流路を介して前記触媒に吸入空気を導入するための所定の条件である空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパス流路の入口での吸気圧が前記エアバイパス流路の出口での排気圧よりも高くなるように前記コンプレッサを駆動し、
    前記バルブ制御部は、前記空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパスバルブのうちの所定の1以上のバルブである導入バルブの開度を、前記吸気圧と前記排気圧との少なくとも一方である参照圧力の周期的な変動に同期して周期的に変動させる、
    制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記空気導入条件は、前記触媒の温度と正の相関を持つ温度パラメータ値が、与えられた低温閾値以下であること、を含む、
    制御装置。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記バルブ制御部は、前記導入バルブ開度の変動の極大値に前記導入バルブ開度を固定した場合と比べて、前記触媒への空気導入量が多くなるように、前記導入バルブ開度を変動させる、
    制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記参照圧力は前記吸気圧を含み、
    前記バルブ制御部は、前記吸気圧が極大値である時の開度が、前記吸気圧が極小値である時の開度よりも大きくなるように、前記導入バルブの開度を制御する、
    制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記参照圧力は前記排気圧を含み、
    前記バルブ制御部は、前記排気圧が極小値である時の開度が、前記排気圧が極大値である時の開度よりも大きくなるように、前記導入バルブの開度を制御する、
    制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記導入バルブは、比較的上流側に設けられた第1導入バルブと、比較的下流側に設けられた第2導入バルブと、を含み、
    前記参照圧力は、前記吸気圧および前記排気圧を含み、
    前記バルブ制御部は、
    前記吸気圧が極大値である時の開度が、前記吸気圧が極小値である時の開度よりも大きくなるように、前記第1導入バルブの開度を制御し、
    前記排気圧が極小値である時の開度が、前記排気圧が極大値である時の開度よりも大きくなるように、前記第2導入バルブの開度を制御する、
    制御装置。
  7. 請求項6に記載の制御装置であって、さらに、
    前記エアバイパス流路のうちの前記第1導入バルブと前記第2導入バルブとの間の圧力である蓄圧を測定する蓄圧センサを備え、
    前記コンプレッサ駆動部と前記バルブ制御部との少なくとも一方は、測定された蓄圧に応じて制御を実行する、
    制御装置。
  8. 請求項7に記載の制御装置であって、
    前記コンプレッサ駆動部は、前記蓄圧が、与えられた過給閾値を超えないように、前記蓄圧に応じて前記コンプレッサの駆動力を制御する、
    制御装置。
  9. 請求項7または請求項8のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記バルブ制御部は、
    前記第1導入バルブを開けることによって前記エアバイパス流路から前記吸気流路へガスが逆流する第1逆流の可能性が有るか否かを前記蓄圧に基づいて判定し、
    前記第1逆流の可能性が有ると判定したときには、前記空気導入条件が成立した場合であっても、前記第1導入バルブを閉状態に維持する、
    制御装置。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記バルブ制御部は、
    前記第2導入バルブを開けることによって前記排気流路から前記エアバイパス流路へガスが逆流する第2逆流の可能性が有るか否かを前記蓄圧に基づいて判定し、
    前記第2逆流の可能性が有ると判定したときには、前記空気導入条件が成立した場合であっても、前記第2導入バルブを閉状態に維持する、
    制御装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記バルブ制御部は、前記エアバイパス流路を介して排気ガスを再び前記燃焼室に還流させるための所定の条件である還流条件が成立したときには、前記エアバイパス流路を介して排気ガスが前記排気流路から前記吸気流路へ流れるように、前記各エアバイパスバルブの開度を制御する、
    制御装置。
  12. 請求項11に記載の制御装置であって、
    前記還流条件は、前記内燃機関の回転速度が所定の低回転速度閾値以下であり、かつ、前記内燃機関の負荷が所定の低負荷閾値以下であること、を含む、
    制御装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の制御装置であって、
    前記内燃機関は、さらに、前記吸気流路に設けられたスロットルバルブを備え、
    前記エアバイパス流路は、前記吸気流路のうちの前記スロットルバルブよりも上流側に接続され、
    前記制御装置は、さらに、
    前記吸気流路のうちの前記スロットルバルブよりも下流側と、前記エアバイパス流路の途中との間を接続する還流路と、
    前記還流路に設けられた還流バルブと、
    を備え、
    前記エアバイパスバルブは、前記エアバイパス流路と前記還流路との接続位置よりも上流側に設けられた上流バルブを含み、
    前記バルブ制御部は、
    前記空気導入条件が成立したときには、前記還流バルブを閉じて前記上流バルブを開け、
    前記還流条件が成立したときには、前記還流バルブを開けて前記上流バルブを閉じる、
    制御装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記内燃機関は、さらに、前記コンプレッサに接続されるとともに前記排気流路に設けられ、排ガスによって駆動されるタービンを備え、
    前記コンプレッサ駆動部は、前記導入バルブのうちの前記排気流路に最も近いバルブである最下流導入バルブの開度の変動に同期して、前記コンプレッサの駆動力を周期的に変動させ、さらに、前記コンプレッサ駆動力の変動の極大値に前記コンプレッサ駆動力を固定した場合と比べて、前記触媒への空気導入量が多くなるように、前記コンプレッサ駆動力を変動させる、
    制御装置。
  15. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記内燃機関は、さらに、前記コンプレッサに接続されるとともに前記排気流路に設けられ、排ガスによって駆動されるタービンを備え、
    前記コンプレッサ駆動部は、前記導入バルブのうちの前記排気流路に最も近いバルブである最下流導入バルブの開度が極大値である時の前記コンプレッサの駆動力が、前記最下流導入バルブの開度が極小値である時の前記コンプレッサの駆動力よりも小さくなるように、前記最下流導入バルブの開度の変動に同期して前記コンプレッサの駆動力を周期的に変動させる、
    制御装置。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記コンプレッサ駆動部は、前記コンプレッサを駆動する電動機を含む、制御装置。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記参照圧力を測定する圧力センサを備え、
    前記バルブ制御部は、測定された圧力に応じて前記導入バルブの開度を制御する、
    制御装置。
  18. 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサを備え、
    前記バルブ制御部は、検出されたクランク角に応じて前記導入バルブの開度を制御する、
    制御装置。
  19. 内燃機関であって、
    燃焼室と、
    吸入空気を過給するコンプレッサと、
    排ガスを浄化する触媒と、
    前記コンプレッサと前記燃焼室とを接続する吸気流路と、
    前記燃焼室と前記触媒とを接続する排気流路と
    請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の制御装置と、
    を備える、内燃機関。
  20. 内燃機関の制御方法であって、
    前記内燃機関は、
    燃焼室と、
    吸入空気を過給するコンプレッサと、
    排ガスを浄化する触媒と、
    前記コンプレッサと前記燃焼室とを接続する吸気流路と、
    前記燃焼室と前記触媒とを接続する排気流路と
    前記吸気流路と前記排気流路とを前記燃焼室を介さずに接続するエアバイパス流路と、
    前記エアバイパス流路に設けられた1以上のエアバイパスバルブと、
    を備え、
    前記制御方法は、
    (A)前記エアバイパス流路を介して前記触媒に吸入空気を導入するための所定の条件である空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパス流路の入口での吸気圧が前記エアバイパス流路の出口での排気圧よりも高くなるように前記コンプレッサを駆動する工程と、
    (B)前記空気導入条件が成立するときに、前記エアバイパスバルブのうちの所定の1以上のバルブである導入バルブの開度を、前記吸気圧と前記排気圧との少なくとも一方である参照圧力の周期的な変動に同期して周期的に変動させる工程と、
    を備える、制御方法。
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