JP2007332892A - エンジンシステム及びエンジン制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ノッキング性に優れ、熱効率の高いエンジンシステムを提供する。
【解決手段】改質ガスを用いて動力を得るエンジンシステムにおいて、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得て、改質ガスに含まれる水素を分離し、分離水素を含む燃料ガス及び未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方をエンジンの燃焼室の中央付近に、他方を燃焼室の外周付近に供給するように制御することにより、耐ノッキング性を向上し、熱効率を高くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料の改質によって得た改質ガスを用いて動力を得るエンジンシステム及びエンジン制御方法に関する。
ガソリンなどの炭化水素系(C)の液体燃料を改質することにより、発熱量の大きな改質ガスを得て、これを内燃機関の燃料の一部として用いることでエンジンの熱効率の向上を図ることが従来より提案されている。炭化水素系(C)燃料の改質においては、以下の吸熱反応が行われる。
+ mHO → mCO + (n/2+m)H
この反応により、改質後の燃料(改質ガス)の発熱量は元の炭化水素系燃料よりも大幅に上昇し、これによってエンジンの熱効率の向上を図ることが可能な燃料が得られることになる。
このようなエンジンの熱効率をさらに向上するために、例えば、特許文献1には、改質反応促進の目的で、炭化水素系燃料を改質した後に改質ガスから水素を分離する手段を備えたガスエンジンが提案されている。この方法は、分離水素を燃焼させ改質器の温度上昇に使用すること、改質用水蒸気を直接筒内(燃焼室内)に供給することで燃焼室温度を制御すること、改質割合に応じてA/F(Air/Fuel Ratio)を制御すること、水素吸蔵合金タンク及び脱硫装置を備えること、ノッキングセンサによりA/Fを制御することなどを特徴としている。なお、特許文献1の方法では、水素分離の際にスイープガスを使用していないため分離側の水素濃度を低くすることができず、水素の分離量が少ない。
特開2002−221098号公報
特許文献1の方法では、希薄燃焼をするために燃焼室に供給する分離水素や改質ガスの混合比調整を行うものの、それぞれのガスの燃焼室への供給方法については考慮しておらず、これらを混合したガスを燃焼室へ供給するため、耐ノッキング性に劣り、熱効率の向上も不十分である。
本発明は、耐ノッキング性に優れ、熱効率の高いエンジンシステムである。
本発明は、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質手段と、前記改質ガスに含まれる水素を分離する水素分離手段と、前記分離された分離水素を含む燃料ガス及び前記分離された残りの未分離改質ガスが供給され、それらを燃焼させることにより動力を得るエンジンと、前記燃料ガスと前記未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方が前記エンジンの燃焼室の中央付近に、他方が前記燃焼室の外周付近に供給されるように制御する供給制御手段と、を有するエンジンシステムである。
また、前記エンジンシステムにおいて、前記エンジンから排出されるエンジン排気が通過する流路に、前記エンジン排気中の未燃燃料を触媒燃焼する触媒燃焼手段を有し、前記触媒燃焼の反応熱を利用して前記改質を行うことが好ましい。
また、前記エンジンシステムにおいて、前記分離水素の少なくとも一部を前記未分離改質ガスに混合する混合手段を有することが好ましい。
また、前記エンジンシステムにおいて、前記分離水素に空気を混合する空気混合手段と、前記分離水素と空気との混合比を検出する空気混合比検出手段と、前記混合比を当量比で1〜10の範囲に制御する混合比制御手段と、を有することが好ましい。
また、前記エンジンシステムにおいて、空気をスイープガスとして前記水素分離手段に供給するスイープガス供給手段と、前記分離水素と前記スイープガスとの混合比を検出するスイープガス混合比検出手段と、前記混合比を当量比で1〜10の範囲に制御するスイープガス混合比制御手段と、を有することが好ましい。
また、本発明は、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質行程と、前記改質ガスに含まれる水素を分離する水素分離行程と、前記分離された分離水素を含む燃料ガス及び前記分離された残りの未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方をエンジンの燃焼室の中央付近に、他方を前記燃焼室の外周付近に供給するように制御する供給制御行程と、前記供給された燃料ガス及び未分離改質ガスを燃焼させることにより動力を得る燃焼行程と、を含むエンジン制御方法である。
本発明では、改質ガスを用いて動力を得るエンジンシステムにおいて、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得て、改質ガスに含まれる水素を分離し、分離水素を含む燃料ガス及び未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方をエンジンの燃焼室の中央付近に、他方を燃焼室の外周付近に供給するように制御することにより、耐ノッキング性を向上し、熱効率を高くすることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
<実施形態1>
本実施形態1に係るエンジンシステムの一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。エンジンシステム1は、水素分離膜型改質器10と、エンジン12と、熱交換器14とを備える。
水素分離膜型改質器10は、改質手段として機能する改質反応部16と、水素透過部18と、触媒燃焼手段として機能する触媒燃焼部20との3流路により構成されており、改質反応部16と水素透過部18との間に水素分離手段として水素透過膜22が配置されており、改質反応部16と触媒燃焼部20との間に熱交換手段として熱交換部24が配置されている。
図1のエンジンシステム1において、混合気導入管26が熱交換器14を介して水素分離膜型改質器10の改質反応部16の入口に接続されている。改質反応部16の出口は、未分離改質ガス管28により熱交換器14を介してエンジン12の燃焼室48の外周部寄りに設けられた吸気管30に接続されている。水素分離膜型改質器10の水素透過部18の出口は、分離水素ガス管32により熱交換器14を介してエンジン12の燃焼室48中央付近上部の筒内直噴用インジェクタ34に接続されている。燃焼室48中央付近上部には点火手段として点火栓35が設けられている。この吸気管30及び筒内直噴用インジェクタ34が、燃料ガスと未分離改質ガスのうちいずれか一方をエンジン12の燃焼室48の中央付近の点火栓35近傍に、他方が燃焼室48の外周付近に供給されるように制御する供給制御手段として機能する。また、分離水素ガス管32は途中で分岐されて分岐管50により未分離改質ガス管28の途中にバルブ36を介して接続されている。このバルブ36及び分岐管50が分離水素の一部を未分離改質ガスに混合する混合手段として機能する。エンジン12の排気管38は、排気ガス管40により水素分離膜型改質器10の触媒燃焼部20の入口に接続されている。触媒燃焼部20の出口は、排気ガス放出管42により熱交換器14と接続されている。分離水素ガス管32の熱交換器14と筒内直噴用インジェクタ34との間には空気混合手段としてインジェクタ44が接続されている。また、分離水素ガス管32のインジェクタ44の接続部と筒内直噴用インジェクタ34との間には水素濃度等を検出するセンサ46が空気混合比検出手段として設置されている。
本実施形態に係るエンジン制御方法及びエンジンシステム1の動作について説明する。ガソリンなどの炭化水素系(C)燃料等の燃料と水と混合物が熱交換器14における温度上昇により燃料−水混合気となり、燃料−水混合気が混合気導入管26を通り水素分離膜型改質器10の改質反応部16に導入され、改質触媒により改質反応が行われる(改質行程)。炭化水素系(C)燃料の場合、以下に示す反応式のような改質反応が吸熱反応で行われる。
+ mHO → mCO + (n/2+m)H
改質反応により水素を含む改質ガスが生成され、その中の水素が水素透過膜22を通って水素透過部18に分離される(水素分離行程)。分離された分離水素は熱交換器14で冷却されて分離水素ガス管32を通り、インジェクタ44により供給される空気と混合された後、水素−空気予混合気(燃料ガス)としてエンジン12の筒内直噴用インジェクタ34に供給され、エンジン12の圧縮行程中もしくは圧縮上死点付近に燃焼室48内へ直接噴射される。一方、改質反応部16での水素と分離された残りの未分離改質ガスは、未分離改質ガス管28を通り、熱交換器14を介してエンジン12の吸気行程中に吸気管30へ噴射され、エンジン12の燃焼室48内へ導入される(供給制御行程)。すなわち燃焼性のより高い水素−空気予混合気が燃焼室48の中央付近の点火栓35近傍に、燃焼性のより低い未分離改質ガスが燃焼室48の外周付近に供給されるように制御される。エンジン12の燃焼室においてこれら水素−空気予混合気及び未分離改質ガスを燃焼させることにより動力が得られる(燃焼行程)。エンジン排気は、排気管38から排気ガス管40を通り、水素分離膜型改質器10の触媒燃焼部20へ導入され、エンジン排気中の未燃燃料が燃焼触媒により触媒燃焼された後、排気される。このとき、エンジン排気の排気熱及び触媒燃焼の反応熱は熱交換部24を介して改質反応熱として回収される。
本実施形態に係るエンジンシステム1に用いられる燃料としては、ガソリン、軽油、重油などの炭化水素系燃料、メタノール、エタノール等のアルコール系燃料等が挙げられる。このような炭化水素系燃料等を改質して得られる改質ガス成分は、例えば、燃料としてガソリン等を採用し、これを水によって改質した場合(水蒸気改質方法)、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンを主成分とする改質ガスが得られる。または、液体有機化合物燃料(上記のような炭化水素系液体燃料)と、水と、空気と、を改質器に供給して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、窒素を主成分とする改質ガスを得ることもできる。
水素分離膜型改質器10の水素透過膜22としては、選択的に水素を透過、分離できるものであれば特に制限はなく、種々の材料を採用することが可能である。例えば、パラジウム合金、無機分離膜、多孔質ガラス膜、多孔質中空ガラス繊維膜、多孔質セラミックス膜、ゼオライト膜、酢酸セルロース膜、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリスルホン多孔質膜/シリコーン膜などが挙げられる。例えば、無機分離膜は水素分子が選択的に通過可能な細孔を有する膜である。これらの中でも、無機分離膜、多孔質ガラス膜、多孔質中空ガラス繊維膜、多孔質セラミックス膜は、耐熱性に優れ、かつ機械的強度も高いため好ましい。また、多孔質セラミックス膜を構成する材料としては例えば、ジルコニア、ゼオライト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。水素透過膜22により、改質反応部16における改質反応によって生成された水素が順次透過、分離されることで、改質反応部16における改質反応が促進される。
水素分離膜型改質器10の改質反応部16において使用される改質触媒としては、ガソリンなどの炭化水素系(C)燃料、アルコール燃料等の燃料の改質を行うことができればよく特に制限はないが、例えば、Rh,Ru,Ni,Ir,Pd,Pt,Re,Co,Cu,Fe,Zn等の金属やその酸化物、KCO等のアルカリ炭酸塩、MgO,CaO,KO,SiO,TiO,Al,ZrO,CeO等の酸化物等が挙げられる。
水素分離膜型改質器10の触媒燃焼部20において使用される燃焼触媒としては、エンジン排気中の未燃燃料の燃焼を行うことができればよく特に制限はないが、例えば、Pt,Rh,Pd,Ru系触媒等が挙げられる。
水素分離膜型改質器10では改質反応部16の圧力を高圧化し、水素透過部18の圧力は筒内噴射完了時の圧力と分離水素量とがバランスするように調整することが好ましい。つまり、水素−空気予混合気を燃焼室48内(筒内)に噴射し終わる時点の筒内圧力よりも高い水素透過部18圧力となるように調整することが好ましい。水素−空気予混合気をすべて噴射することができない場合は、水素−空気予混合気の一部がバルブ36を介して、分岐された分岐管50を通り、未分離改質ガス管28の途中で未分離改質ガスに加えられ、量が低減されることが好ましい。
水素透過部18で得られる分離水素とインジェクタ44により供給される空気とが混合された水素−空気予混合気については、分離水素ガス管32に備え付けられたセンサ46により当量比が算出され、所定の当量比(例えば、1.8付近、好ましくは1.0〜4.0の範囲の過濃混合気)となるようにインジェクタ44により空気量が制御される。なお、図2に層流の燃焼速度について水素と炭化水素との違いを示すが、水素は過濃側に燃焼速度のピークがあり、広い範囲で炭化水素の速度を上回る。
このインジェクタ44の制御は、センサ46からの信号に基づいて、図示しないエンジン制御部(例えば、ECU:電子制御ユニット)により行われることが好ましい。このエンジン制御部が分離水素と空気との混合比を制御する混合比制御手段として機能する。
改質反応部16での未分離改質ガスは吸気行程中に吸気管30へ噴射され、エンジン12の燃焼室48内の外周部へ導入される。水素−空気予混合気は筒内直噴用インジェクタ34に供給され、圧縮行程中に燃焼室48中央付近上部から噴射される。水素−空気予混合気は点火栓35近傍に集まるように噴射されるため、吸気行程中に吸入された未分離改質ガスと成層化される。トータル当量比は量論から希薄になるような空気量にスロットルが調整される。
一般に水素は比熱比が高いため、圧縮による温度上昇が他のガスに比べ顕著であり、点火前に自ら着火してしまいノッキングの原因となる。本実施形態のように未分離改質ガス及び水素−空気予混合気の2種ガスの独立供給系を備えていれば、例えば分離した水素以外のガスを吸気行程中に吸入し、分離水素を含む水素−空気予混合気を圧縮行程中に噴射することで燃焼室内の温度上昇を抑えることができるため耐ノッキング性が高くなる。
一方、図3に示すような、水素透過部18で得られる分離水素と改質反応部16から得られる未分離改質ガスとを混合したガスを吸気管30から燃焼室48へ供給する従来型のエンジンシステム5の場合は、耐ノッキング性に劣り、熱効率の向上も不十分である。
また、本実施形態では、分離した水素と空気とを混合し、その当量比が1〜10程度の範囲、好ましくは1.0〜4.0の範囲で過濃にし、それを点火時に点火栓35近傍に配置するように吸気制御することにより、
(1)過濃水素の燃焼速度は極めて早いため、点火栓35の周りの過濃水素部の燃焼は迅速に行われる。また過濃燃焼の燃焼温度は低いため、低NOxである。
すなわち、図4(a),(b)に燃焼の様子を示すように、点火(図4(a)の1)が起こると付近の過濃水素予混合気がまず燃焼する(図4(a)の2)。この混合気は燃焼速度が極めて早く(層流燃焼速度は常温、常圧でもガソリンの約6〜7倍)、分離水素混合気領域が火種となる。この混合気は過濃のため燃焼温度は低く、低NOxである。
(2)過濃水素の燃焼により燃焼室壁付近の改質ガスへの熱供給が迅速に行われ、燃焼速度の遅いガスでも燃焼しやすくなる。またこの混合気は希薄のため低NOxである。
すなわち、周囲の希薄改質ガスは中央部での水素燃焼熱が早い時期に伝わるため、燃焼が容易となり(図4(b)の3)、ノッキングの起こる確率が低下する。
(3)過濃水素の燃焼後の水素は周りの希薄混合気からの酸素供給により拡散的な燃焼となるため、壁面付近での燃焼が起こらず、冷却損失が低減する。また混合気は水素・水蒸気・窒素混合気のため低NOxである。
すなわち、周囲の希薄改質ガスの燃焼と同時に中央部での残水素は周囲の希薄混合気からの空気の拡散により拡散燃焼する(図4(b)の4)。このため高温の火炎面が壁面付近で形成されることがなく、壁への熱損失(冷却損失)を大幅に低減することが可能となる。また残水素混合気中には点火時の燃焼で生成したHOやN等が存在するため純水素燃焼ではなく、低NOxが可能となる。
また、本実施形態では、筒内燃焼で未燃分が排出されても、エンジン排気中の未燃燃料は水素分離膜型改質器10の触媒燃焼部20で燃焼され、その熱が改質熱に利用されるため、排気はクリーンでエネルギロスも少なくなる。
また、本実施形態では、分離水素の一部を未分離改質ガスと混合することにより、成層燃焼や均質燃焼など運転条件に応じて制御することができ、自由度が増す。
<実施形態2>
本実施形態2に係るエンジンシステムの一例の概略を図5に示し、その構成について説明する。エンジンシステム2は、エンジン12が少なくとも2つの吸気管30及び52を有し、筒内直噴用インジェクタ34を有さない点で、図1のエンジンシステム1とは異なる。吸気管30は燃焼室48外周部寄りに、吸気管52は燃焼室48の中央部寄りに設けられている。この吸気管30及び52が供給制御手段として機能する。他の構成は図1のエンジンシステム1と同様である。
図5のエンジンシステム2において、改質反応部16の出口は、未分離改質ガス管28により熱交換器14を介してエンジン12の吸気管30に接続されている。また、水素分離膜型改質器10の水素透過部18の出口は、分離水素ガス管32により熱交換器14を介してエンジン12の吸気管52に接続されている。
本実施形態では、水素分離膜型改質器10では改質反応部16の圧力を高圧化し、水素透過部18の圧力は常圧とする。未分離改質ガスと水素−空気予混合気はそれぞれ吸気行程中に別々の吸気管30及び吸気管52へ噴射され、燃焼室48内へ導入される。各吸気管の設置位置は点火時に吸入ガスが成層化できるように、かつ燃焼性の高い水素−空気予混合気が点火栓35近傍に集まるように設計されている。また、点火時に吸入ガスが成層化できるように、吸気タイミングを制御、例えば、最初に燃焼性の低い未分離改質ガス、次に燃焼性の高い水素−空気予混合気を吸気するように吸気タイミングを制御してもよい。あるいは各吸気管の設置位置及び吸気タイミングの制御の両方により点火時に吸入ガスが成層化できるようにしてもよい。エンジンでの燃焼形態は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の効果が得られる。本実施形態では、吸入ガスの成層化の均質性の点では実施形態1に比べてやや劣るが、常圧で水素−空気予混合気を燃焼室48内へ導入できるという利点がある。
<実施形態3>
本実施形態3に係るエンジンシステムの一例の概略を図6に示し、その構成について説明する。エンジンシステム3は、スイープガス供給手段として空気導入管54と、流量コントローラ56と、圧力コントローラ58とを有し、インジェクタ44を有さない点で、図1のエンジンシステム1とは異なる。他の構成は図1のエンジンシステム1と同様である。なお、水素濃度等を検出するセンサ46が、分離水素とスイープガスとの混合比を検出するスイープガス混合比検出手段として機能する。
図6のエンジンシステム3において、空気導入管54が流量コントローラ56を介して水素透過部18の入口に接続されている。また、水素透過部18の出口は、分離水素ガス管32により圧力コントローラ58及び熱交換器14を介して筒内直噴用インジェクタ34に接続されている。
本実施形態では、水素分離膜型改質器10において、水素透過部18の分離流路にスイープガスとしてエンジン12に吸入する空気の一部が用いられ、分離水素は空気によりスイープされ、分離水素ガス管32を通りエンジン12へ供給される。この際に形成される水素−空気予混合気については、分離水素ガス管32に備え付けられたセンサ46により当量比が算出され、所定の当量比(例えば、1.8付近、好ましくは1.0〜4.0の範囲の過濃混合気)となるようにスイープ空気量が流量コントローラ56により制御される。また、圧力コントローラ58により分離水素量を制御できるため、水素−空気予混合気の燃焼室48内への噴射量が制御可能である。この流量コントローラ56の制御は、センサ46からの信号に基づいて、図示しないエンジン制御部(例えば、ECU:電子制御ユニット)により行われることが好ましい。このエンジン制御部が分離水素とスイープガスとの混合比を制御するスイープガス混合比制御手段として機能する。
本実施形態では、吸入空気を水素分離のスイープガスに用いることで水素分離性能を高め、その結果、改質反応部16内の平衡のずれる割合が大きくなるため改質性能が向上する。図7に、本実施形態において、スイープガス使用の有無による改質ガス特性の違いを示す。横軸は改質温度(℃)、縦軸は転化率(%)を示す。これより、水素分離にスイープガスを用いることにより水素分離性能が高まり、転化率が向上することがわかる。エンジンでの燃焼形態は実施形態1と同様である。
なお、本実施形態に用いられる燃料としては、ガソリン等に比べて改質温度が低いアルコール系燃料等が好ましく用いられる。改質温度が低いアルコール系燃料等を燃料として用いることにより、分離流路内で水素−空気予混合気の燃焼が起こることを防止することができる。
また、本実施形態では、スイープガスとして空気を用いることにより、分離水素を空気によりスイープすると共に、過濃かつ燃焼性に優れた水素−空気予混合気を形成することができる。スイープガスとして空気を用いることができるので、従来スイープガスとして使用されている窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の供給設備を別途設ける必要がない。
<実施形態4>
本実施形態4に係るエンジンシステムの一例の概略を図8に示し、その構成について説明する。エンジンシステム4は、水素分離膜型改質器10の代わりに、改質手段として改質器60と、ガス冷却器62と、水素分離器64とを有する点で、図6のエンジンシステム3とは異なる。水素分離器64は、改質ガス導入部66及び水素透過部68の2流路により構成されており、改質ガス導入部66と水素透過部68との間に水素分離手段として水素透過膜70が配置されている。他の構成は図6のエンジンシステム3と同様である。
図8のエンジンシステム4において、混合気導入管26が熱交換器14を介して改質器60の入口に接続されている。改質器60の出口はガス冷却器62の入口に接続され、ガス冷却器62の出口は水素分離器64の改質ガス導入部66の入口に接続されている。改質ガス導入部66の出口は未分離改質ガス管28により熱交換器14を介してエンジン12の吸気管30に接続されている。空気導入管54が流量コントローラ56を介して水素透過部68の入口に接続されており、水素透過部68の出口は、分離水素ガス管32により熱交換器14を介してエンジン12の筒内直噴用インジェクタ34に接続されている。この吸気管30及び筒内直噴用インジェクタ34が、供給制御手段として機能する。なお、熱交換器14をガス冷却器62として使用してもよい。
本実施形態では、燃料の改質に、水素−空気予混合気が分離流路内で燃焼が起こるような高温(例えば改質温度が700℃以上)を必要とする場合、例えば燃料としてガソリン、軽油等を用いる場合に、水素分離膜を有さない従来型の改質器60の後に配置したガス冷却器62でガス温度を十分に下げ、その改質ガスを水素分離器64に導入する。これにより分離時の分離水素の燃焼を抑制することができる。エンジンでの燃焼形態は実施形態1と同様である。
以上の実施形態により、耐ノッキング性向上、冷却損失の低減、改質性能向上が同時に可能であり、結果的にエンジンシステムの熱効率を大幅に高めることができ、かつ低NOx化が可能となる。なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
本発明の実施形態1に係るエンジンシステムの一例を示す概略図である。 層流の燃焼速度について水素と炭化水素との違いを示すグラフである。 従来方式のエンジンシステムの一例を示す概略図である。 (a),(b)本発明の実施形態に係るエンジンシステムにおける燃焼の様子の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態2に係るエンジンシステムの一例を示す概略図である。 本発明の実施形態3に係るエンジンシステムの一例を示す概略図である。 本発明の実施形態3において、スイープガス使用の有無による改質ガス特性の違いを示すグラフである。 本発明の実施形態4に係るエンジンシステムの一例を示す概略図である。
符号の説明
1,2,3,4,5 エンジンシステム、10 水素分離膜型改質器、12 エンジン、14 熱交換器、16 改質反応部、18,68 水素透過部、20 触媒燃焼部、22,70 水素透過膜、24 熱交換部、26 混合気導入管、28 未分離改質ガス管、30,52 吸気管、32 分離水素ガス管、34 筒内直噴用インジェクタ、35 点火栓、36 バルブ、38 排気管、40 排気ガス管、42 排気ガス放出管、44 インジェクタ、46 センサ、48 燃焼室、50 分岐管、54 空気導入管、56 流量コントローラ、58 圧力コントローラ、60 改質器、62 ガス冷却器、64 水素分離器、66 改質ガス導入部。

Claims (6)

  1. 燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質手段と、
    前記改質ガスに含まれる水素を分離する水素分離手段と、
    前記分離された分離水素を含む燃料ガス及び前記分離された残りの未分離改質ガスが供給され、それらを燃焼させることにより動力を得るエンジンと、
    前記燃料ガスと前記未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方が前記エンジンの燃焼室の中央付近に、他方が前記燃焼室の外周付近に供給されるように制御する供給制御手段と、
    を有することを特徴とするエンジンシステム。
  2. 請求項1に記載のエンジンシステムであって、
    前記エンジンから排出されるエンジン排気が通過する流路に、前記エンジン排気中の未燃燃料を触媒燃焼する触媒燃焼手段を有し、
    前記触媒燃焼の反応熱を利用して前記改質を行うことを特徴とするエンジンシステム。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンシステムであって、
    前記分離水素の少なくとも一部を前記未分離改質ガスに混合する混合手段を有することを特徴とするエンジンシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンシステムであって、
    前記分離水素に空気を混合する空気混合手段と、
    前記分離水素と空気との混合比を検出する空気混合比検出手段と、
    前記混合比を当量比で1〜10の範囲に制御する混合比制御手段と、
    を有することを特徴とするエンジンシステム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンシステムであって、
    空気をスイープガスとして前記水素分離手段に供給するスイープガス供給手段と、
    前記分離水素と前記スイープガスとの混合比を検出するスイープガス混合比検出手段と、
    前記混合比を当量比で1〜10の範囲に制御するスイープガス混合比制御手段と、
    を有することを特徴とするエンジンシステム。
  6. 燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質行程と、
    前記改質ガスに含まれる水素を分離する水素分離行程と、
    前記分離された分離水素を含む燃料ガス及び前記分離された残りの未分離改質ガスのうち燃焼性の高い一方をエンジンの燃焼室の中央付近に、他方を前記燃焼室の外周付近に供給するように制御する供給制御行程と、
    前記供給された燃料ガス及び未分離改質ガスを燃焼させることにより動力を得る燃焼行程と、
    を含むことを特徴とするエンジン制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210002371A (ko) * 2019-06-27 2021-01-08 삼성중공업 주식회사 선박 혼합연료공급시스템

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