JP2007224803A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関始動時からのエミッション性能を向上させること
【解決手段】炭化水素系燃料から水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを生成し、この改質ガスを燃料として吸気通路21に供給する燃料改質装置40が具備された内燃機関1において、その改質ガスの中から水素ガスを取り出して吸気通路21へと供給する水素ガス分離装置60を設けること。例えば、この水素ガス分離装置60は、改質ガスの中の一酸化炭素ガスの吸気通路21側への流出量を少なくとも低下させる一方で当該改質ガスの中の水素ガスを吸気通路21側へと流出させる一酸化炭素流量調節手段63を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素系燃料から生成された水素ガス及び一酸化炭素ガスが主成分の改質ガスを燃料として使用可能な内燃機関に関する。
従来、燃料改質装置で所定の燃料から生成した改質ガスを燃焼室に供給し、その改質ガスで運転することによって排気ガス中のHC成分等の有害成分の低減を図る内燃機関が知られている。例えば、この種の内燃機関としては、炭化水素系燃料と空気の混合気を燃料改質装置に供給して高温の改質触媒で改質反応させ、これにより生成された水素ガス及び一酸化炭素ガスが主成分の改質ガスを吸気通路に供給して燃焼室で燃焼させるものが下記の特許文献1,2に開示されている。
尚、下記の特許文献3には、改質触媒と吸気通路との間にHC吸着剤を設け、改質触媒で改質しきれなかった未改質燃料をHC吸着剤にて吸着させることで、排気ガス中の有害成分を更に低減させる技術が開示されている。
特開2004−251273号公報 特開平6−227801号公報 特開2005−98284号公報
しかしながら、そのようなエミッション性能に優れる内燃機関であっても、機関始動時から暖機運転終了までの間においては、改質ガスのみで運転しても排気ガス中の有害成分を低減させることができず、エミッション性能は改善されない、という不都合があった。特に、かかる不都合は、機関始動直後に顕著に表れる。
具体的に、機関始動直後においては、燃料改質装置に供給される炭化水素系燃料の霧化不良や空気との混合不良が起こり易く、また、改質触媒の担体温度を改質反応し得る所定温度まで上昇させ難いので、炭化水素系燃料が改質触媒で改質されずに残ってしまう。従って、機関始動直後の内燃機関においては、その未改質燃料の燃焼に伴い燃焼室でHC等の有害成分が生成され、排気ガスと共に排出されてしまう。
また、一般に、一酸化炭素ガスは燃焼性に優れる水素ガスと比して燃焼速度が遅いので、改質ガス中に一酸化炭素ガスが含まれていると失火や燃焼不良を引き起こし易く、その際には一酸化炭素ガスが燃焼されずにそのまま排出されてしまう。特に、この内燃機関においては、炭化水素系燃料と空気から生成された改質ガス中に水素ガスと一酸化炭素ガスが略同等の割合で含まれているので、改質ガスと空気からなる混合気の希薄側の燃焼限界が狭く、失火や燃焼不良が起こり易い。
更に、機関始動直後においては、一般に、燃焼室への正確な吸入空気量が計測できないので、改質ガスと空気からなる混合気の空燃比を正確に制御することができず、その空燃比を過濃側に設定して過薄混合気による失火の防止を図らんとする。しかしながら、昨今においては空燃比を希薄側に設定しなければ強化された排気ガス規制に対応することができず、これが為、かかる設定を行う場合には、その混合気の希薄側の燃焼限界が狭いと、失火や燃焼不良が起こり易くなってしまい、一酸化炭素ガスがそのまま排出されてしまう。
このように排気ガス中に有害成分が存在しているときには有害成分を排気浄化触媒で浄化させるのが一般的であるが、一般に、機関始動直後の排気浄化触媒の担体温度は活性温度に達していないので、この従来の内燃機関においては、機関始動直後に発生した排気ガス中の有害成分を浄化することができず、そのまま外に排出してしまう。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、機関始動時からエミッション性能に優れる内燃機関を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、炭化水素系燃料から水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを生成し、その改質ガスを燃料として吸気通路に供給する燃料改質装置が具備された内燃機関において、その改質ガスの中から水素ガスを取り出して吸気通路へと供給する水素ガス分離装置を設けている。
この請求項1記載の内燃機関においては、燃焼速度の遅い一酸化炭素ガスの燃焼室への供給量が低下して、燃焼性に優れる水素ガスの濃度が高い改質ガスで運転されるようになるので、失火や燃焼不良が起こり難くなり、排気ガス中の有害成分が低減される。かかる水素ガス分離装置は、一酸化炭素ガスが燃焼室に供給されてそのまま排出されても、これを排気浄化触媒で浄化させることのできない機関始動直後に特に有用であり、その際のエミッション性能を向上させることができる。
ここで、その水素ガス分離装置は、請求項2記載の発明の如く、改質ガスの中の一酸化炭素ガスの吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方、この改質ガスの中の水素ガスを吸気通路側へと流出させる一酸化炭素流量調節手段を備えている。例えば、その一酸化炭素流量調節手段としては、請求項3記載の発明の如く、改質ガスの中から一酸化炭素ガスを吸着させる一方で水素ガスを透過させるCO吸着剤を用いることができる。また、その一酸化炭素流量調節手段としては、請求項6記載の発明の如く、改質ガスの中から水素ガスのみを透過させるH2分離膜を用いることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載の内燃機関において、水素ガス分離装置に、未改質の炭化水素系燃料の吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方で改質ガスを吸気通路側へと流出させる未改質燃料流量調節手段を更に備えている。
この請求項4記載の内燃機関においては、未改質燃料の燃焼室への流入を抑制して有害成分の生成を抑えることができるので、エミッション性能を向上させることができる。特に、未改質燃料は機関始動直後に発生し易いので、その未改質燃料流量調節手段によって機関始動直後のエミッション性能が向上する。
ところで、請求項5記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の内燃機関において、水素ガス分離装置を経た一酸化炭素ガスが機関始動後所定時間経過するまでの間吸気通路へと供給されぬよう制御する手段を設けている。また、請求項7記載の発明では、上記請求項1,2,5又は6に記載の内燃機関において、水素ガス分離装置を経た一酸化炭素ガスを貯留させる貯留タンクを設けている。
この請求項5又は7に記載の内燃機関によれば、水素ガス分離装置によって分離させられた一酸化炭素ガスの燃焼室への流入を回避することができるので、上述した失火や燃焼不良の効果的な抑制が可能になり、エミッション性能を向上させることができる。
また、請求項8記載の発明では、上記請求項7記載の内燃機関において、貯留タンクに一酸化炭素ガスのみを貯留させるべく、未改質の炭化水素系燃料の吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方で改質ガスを吸気通路側へと流出させる未改質燃料流量調節手段を水素ガス分離装置に備え、排気通路上の排気浄化装置が一酸化炭素の活性温度に達した際に貯留タンクの一酸化炭素ガスを当該排気浄化装置へと流入させるよう制御する手段を設けている。
この請求項8記載の内燃機関においては、一酸化炭素ガスのみが排気浄化装置に流入するので、その一酸化炭素ガスの酸化反応によって排気浄化装置が昇温し易くなり、排気浄化触媒の担体温度を早期に活性温度まで上昇させることができる。従って、この内燃機関によれば、機関始動後の早い段階で排気ガス中の有害成分の浄化が可能になり、機関始動時のエミッション性能を向上させることができる。
本発明に係る内燃機関は、一酸化炭素ガスの燃焼室への供給量が低下されて水素ガス濃度の高い改質ガスで運転されるので、失火や燃焼不良が起こり難くなる。従って、本発明に係る内燃機関によれば、排気浄化触媒の浄化作用が得られない機関始動直後においても良好なエミッション性能を確保することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る内燃機関の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
図1の符号1は本実施例1の内燃機関を示す。この内燃機関1は、シリンダヘッド11,シリンダブロック12及びピストン13によって機関本体の主要部が構成される。この内燃機関1においては、そのシリンダヘッド11とシリンダブロック12がヘッドガスケット14を介してボルト等で締結され、そのシリンダヘッド11の下面の凹部11aとシリンダブロック12のシリンダボア12aとで囲まれた空間内にピストン13が往復移動可能に配置される。ここで、この内燃機関1においては、その凹部11aの壁面とシリンダボア12aの壁面とピストン13の頂面13aとで囲まれた空間によって燃焼室15が形成されている。
先ず、この内燃機関1においては、外部から空気を導入する吸気通路21が設けられており、この吸気通路21と連通するシリンダヘッド11の吸気ポート11bを介して空気(又は空気及び燃料)が燃焼室15に供給される。
ここで、その吸気通路21上には、導入した外部の空気から塵埃等の異物を除去するエアクリーナ22と、外部からの吸入空気量を検出するエアフロメータ23とが設けられている。そのエアフロメータ23の検出信号は電子制御装置(ECU)70に送信され、この電子制御装置70において外部からの吸入空気量が算出される。
また、その吸気通路21上におけるエアフロメータ23よりも下流側には、燃焼室15内への吸入空気量を調節するスロットルバルブ24と、このスロットルバルブ24を開閉駆動するスロットルバルブアクチュエータ25とが設けられている。電子制御装置70は、そのスロットルバルブアクチュエータ25に対してスロットルバルブ24の開弁角度の制御指令を行い、その開弁角度に応じた所望の吸入空気量を燃焼室15内へと吸入させる。この内燃機関1においては、そのスロットルバルブ24の開度を検出するスロットル開度センサ26が設けられており、このスロットル開度センサ26の検出信号が電子制御装置70へと送られる。
更にまた、吸気ポート11bの燃焼室15側の開口部分には、その開口を開閉させ得る吸気バルブ27が配設されている。これが為、この吸気ポート11bの空気は、その吸気バルブ27の開弁動作によって燃焼室15内に吸入される一方、その吸気バルブ27の閉弁動作によって燃焼室15内への流入が遮断される。尚、その吸気ポート11bにおける燃焼室15側の開口の数量は1つでも複数でもよく、複数であれば、その開口毎に吸気バルブ27を配備する。
更に、この内燃機関1においては、燃焼室15内の混合気に対して図1に示す点火プラグ16から点火され、その燃焼後の筒内ガスが排気ポート11cを介して排気通路31に排出された後、その排気ガス中の有害成分が排気浄化装置33にて浄化される。その点火プラグ16は、電子制御装置70によって点火時期が制御される。
ここで、その排気ポート11cには、燃焼室15側の開口を開閉させ得る排気バルブ32が配設されている。これが為、その燃焼室15内の筒内ガスは、その排気バルブ32の開弁動作によって排気ポート11cに排出され、その排気バルブ32の閉弁動作によって排気ポート11cへの排出が遮断される。尚、その排気ポート11cにおける燃焼室15側の開口の数量は1つでも複数でもよく、複数であれば、その開口毎に排気バルブ32を配備する。
また更に、この内燃機関1には、クランク軸17の回転角度を検出するクランク角センサ18等の各種センサが設けられている。これら各種センサの検出信号についても夫々電子制御装置70に送られる。
ところで、一般に、内燃機関においては、水素を燃焼時の燃料として使用することで、ガソリンやメタノール等の炭化水素系燃料を燃料とするよりも排気ガス中におけるCO(一酸化炭素)成分,CO2(二酸化炭素)成分やHC(炭化水素)成分等の有害成分を大幅に低減させ得ることが知られている。特に、機関始動時等の如く排気浄化装置33が活性温度に達していないときには、この排気浄化装置33にて排気ガス中の有害成分を浄化することができないので、その有害成分の排出を抑えることのできる水素での燃焼はエミッション性能を向上させる上で効果的である。
そこで、本実施例1の内燃機関1においては、炭化水素系燃料を水素ガスに改質して、その改質ガスを燃料として吸気通路21に供給する燃料改質装置40が設けられている。この燃料改質装置40は、当該技術分野において周知の構成から成るものであり、例えば、炭化水素系燃料と酸素の混合気を水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とした改質ガスに改質させるべく構成する。以下に、かかる燃料改質装置40について詳述する。
本実施例1の燃料改質装置40は、炭化水素系燃料と空気を混合する混合部41aと、その炭化水素系燃料と空気(酸素)の混合気を改質反応させて水素ガス及び一酸化炭素ガスが主成分の改質ガスを生成する燃料改質触媒41bとを備えた燃料改質手段41を有している。ここで、その燃料改質触媒41bは、触媒担体41b1を加熱するヒータ等の加熱手段(図示略)が具備された電気加熱式の改質触媒であり、その加熱手段への電力供給用の電極41b2を備えている。本実施例1にあっては、電子制御装置70の改質ガス生成指示に従って当該電子制御装置70から電極41b2に通電される。この電子制御装置70は、その触媒担体41b1の温度を図1に示す温度センサ41cの検出信号に基づいて検出する。
更に、この燃料改質装置40は、上記の混合部41aに炭化水素系燃料を供給する燃料供給手段42と、その混合部41aに空気を供給する空気供給手段43とを有している。その燃料供給手段42としては、例えば、その混合部41aに炭化水素系燃料を噴射させる所謂燃料噴射弁を用いる。また、その空気供給手段43は、空気を圧送するポンプ43aと、このポンプ43aから吐出された空気を混合部41aへと導く空気供給路43bと、この空気供給路43b上に配備され、混合部41aへの空気供給量を調節する空気供給量調節弁43cとを備えている。ここで、その燃料供給手段42と空気供給手段43(ポンプ43a及び空気供給量調節弁43c)は、改質ガスの生成時期(具体的には、燃料改質触媒41bの触媒担体41b1が所定の改質可能温度に達した際)に電子制御装置70によって動作が制御され、改質ガスの生成量に応じた供給量で燃料と空気を各々供給する。
また更に、この燃料改質装置40には、燃料改質手段41で生成された改質ガスを吸気通路21へと導く改質ガス供給路44が配備されている。この改質ガス供給路44は、吸気通路21上で且つ空気の流動方向に対するスロットルバルブ24の下流側において連通させる。そして、この燃料改質装置40においては、その連通部分に改質ガス供給路44と吸気通路21との連通状態を調節し得る調節手段が配備されている。例えば、本実施例1にあっては、その調節手段として、その連通状態を電子制御装置70の指示により全閉状態から全開状態まで無段階又は所定の段階で可変させて、改質ガスの吸気通路21への流入量を適宜調節し得る改質ガス流量調節弁45を用いる。尚、その調節手段としては、改質ガス供給路44と吸気通路21との間を全閉状態と全開状態とに切り替え可能な開閉弁を用いてもよい。
ここで、この燃料改質装置40においては、上記の如く触媒担体41b1を加熱して改質反応を促進させているので、そこで生成された改質ガスが高温になる。これが為、その高温の改質ガスが吸気通路21に供給されたときには、吸気温度が上昇して燃焼室15への吸入空気量(換言すれば、吸入効率)を低下させてしまうので、機関出力の低下を招いてしまう。
そこで、本実施例1にあっては、燃料改質装置40で生成された改質ガスを冷却させるべく、改質ガス供給路44上に電子制御装置70で動作制御可能な冷却装置50を設ける。この冷却装置50は、改質ガス供給路44を2本に分割して、その第1改質ガス供給路44aと第2改質ガス供給路44bの間に配設する。尚、この冷却装置50は、吸入効率の低下という不都合が生じないのであれば必ずしも設けずともよい。
また、上述した燃料改質手段41においては、機関始動直後に全ての炭化水素系燃料を改質させることができずその一部が残る場合がある。そして、かかる場合には、その未改質燃料が燃焼室15で燃焼されて有害成分を生成してしまうが、その有害成分は活性温度に達していない排気浄化装置33で浄化することができないのでエミッション性能を悪化させてしまう。
また、生成された改質ガスの中の水素ガスはその良好な燃焼性により燃焼時の燃料として必要とされるが、一酸化炭素ガスは、失火等を引き起こし、燃焼室15で燃焼されずに排出されてしまうので、活性温度に達していない排気浄化装置33で浄化されずにエミッション性能を悪化させてしまう。即ち、改質ガス供給路44には有用な水素ガス以外に無用な未改質燃料や一酸化炭素ガスも存在しているので、エミッション性能の悪化を招いてしまう。
そこで、この内燃機関1においては、改質ガス供給路44の改質ガス及び未改質燃料から水素ガスを分離させて、水素ガス濃度の高い改質ガスが燃焼室15に供給されるよう構成する。本実施例1にあっては、改質ガス及び未改質燃料から水素ガスを取り出すことが可能な水素ガス分離装置60を改質ガス供給路44上に配設する。具体的には、改質ガス供給路44を更に分割し、冷却装置50の下流の第2改質ガス供給路44bと第3改質ガス供給路44cの間に水素ガス分離装置60を配置する。
本実施例1の水素ガス分離装置60は、一方を冷却装置50側の第2改質ガス供給路44bに連通させ且つ他方を吸気通路21側の第3改質ガス供給路44cに連通させた筐体61と、この筐体61内に配設された未改質燃料の流量調節手段(以下、「未改質燃料流量調節手段」という。)62及び一酸化炭素ガスの流量調節手段(以下、「一酸化炭素流量調節手段」という。)63とで構成する。
その未改質燃料流量調節手段62とは、具体的に、水素ガス分離装置60に流入してきた改質ガスと未改質燃料(炭化水素系燃料)の内の未改質燃料の第3改質ガス供給路44cへの流出量を少なくとも低下(好ましくは流出を遮断)させる一方、改質ガスを第3改質ガス供給路44c側へと流出させる手段のことである。例えば、本実施例1にあっては、炭化水素系燃料を吸着させる一方で改質ガスを透過させるゼオライト等のHC吸着剤を使用する。
また、一酸化炭素流量調節手段63とは、具体的に、流入してきた改質ガスと未改質燃料の内の一酸化炭素ガスの第3改質ガス供給路44cへの流出量を少なくとも低下(好ましくは流出を遮断)させる一方、残りの水素ガス等からなる改質ガスと未改質燃料を第3改質ガス供給路44c側へと流出させる手段のことである。例えば、本実施例1にあっては、一酸化炭素ガスを吸着させる一方で残りの水素ガス等からなる改質ガスと未改質燃料を透過させる活性炭等のCO吸着剤を使用する。
ここで、本実施例1の水素ガス分離装置60においては筐体61の中の改質ガスの流れの上流側から順に未改質燃料流量調節手段62,一酸化炭素流量調節手段63を配置する。従って、本実施例1においては、先ず未改質燃料流量調節手段62で未改質燃料が吸着され、その残りの改質ガスの中の一酸化炭素ガスが一酸化炭素流量調節手段63で吸着されて、水素ガスを主成分とする改質ガスが第3改質ガス供給路44c側へと排出される。尚、その未改質燃料流量調節手段62と一酸化炭素流量調節手段63については、改質ガスの流れ方向に対して何れを上流に配置してもよい。
次に、本実施例1の内燃機関1の動作について図2のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置70は、イグニッションON信号等から機関始動要求を検知した際に、電極41b2に通電して燃料改質触媒41bの触媒担体41b1を加熱し(ステップST1)、その改質触媒担体温度が改質反応可能な所定温度以上になっているか否か判断する(ステップST2)。
ここで、この電子制御装置70は、その改質触媒担体温度が所定温度に達していなければこれを繰り返し、所定温度に達していれば燃料改質装置40を作動させて改質ガスを生成させる(ステップST3)。このステップST3においては、空気供給量調節弁43c及び改質ガス流量調節弁45が開弁されると共に、燃料供給手段42とポンプ43aが駆動される。これにより、燃料改質手段41においては、炭化水素系燃料と空気が混合部41aに供給され、その混合気が燃料改質触媒41bに送られて水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスが生成される。尚、本実施例1の電子制御装置70は、その際に冷却装置50を作動させる。
これにより、燃料改質装置40で生成された改質ガスと未改質燃料は、冷却装置50で冷やされた後に水素ガス分離装置60へと流入する。この本実施例1の水素ガス分離装置60においては、先ず未改質燃料流量調節手段62が改質ガスと未改質燃料の中から未改質燃料を吸着し、その未改質燃料流量調節手段62を通過した残りの改質ガスから一酸化炭素流量調節手段63が一酸化炭素ガスを吸着して、改質ガスの水素ガス濃度を高くする。
従って、この内燃機関1においては、水素ガス濃度の高い改質ガスが第3改質ガス供給路44cを介して吸気通路21に供給される。これが為、この内燃機関1においては、従来よりも希薄側の燃焼限界が拡大されるので、失火や燃焼不良が抑制されてエミッション性能を向上させることができる。例えば、正確な吸入空気量を計測することができず、これによって設定値よりも希薄な混合気を燃焼室15に供給せざるを得ない機関始動時(特に、完爆まで)においても、失火や燃焼不良を抑制することができるので、その際のエミッション性能の向上が可能になる。更に、この内燃機関1は、仮に失火や燃焼不良が発生したとしても、排気ガスの成分の殆どを無害な水素ガスで占めているので、そもそもエミッション性能が悪化することはない。
尚、その際、この内燃機関1においては、電子制御装置70によりスロットルバルブ24の開弁角度や点火プラグ16の点火時期などが制御されて燃焼制御が実行されている。
ここで、この内燃機関1が上記の改質ガスのみを燃料として使用する機関である場合には、以降、電子制御装置70に改質ガス流量調節弁45とスロットルバルブ24の開弁角度を各々制御させて、所望の運転状態に応じた改質ガスと空気の混合気による燃焼制御を実行させる。
その際、水素ガス分離装置60においては、改質ガスと未改質燃料の通過に伴い未改質燃料流量調節手段62及び一酸化炭素流量調節手段63が徐々に温度上昇し、所定の温度以上になると、吸着した未改質燃料と一酸化炭素ガスが未改質燃料流量調節手段62及び一酸化炭素流量調節手段63から徐々に脱離する。従って、その未改質燃料流量調節手段62と一酸化炭素流量調節手段63は、脱離現象を引き起こすことにより、次回の機関始動時に未改質燃料と一酸化炭素ガスを再び吸着させることができるようになる。
一方、脱離現象が起きたときには、脱離した未改質燃料と一酸化炭素ガス、更には、燃料改質装置40で生成した水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスと未改質燃料が吸気通路21に流入するので、排気ガス中に有害成分(HC成分、CO成分等)が含まれる。しかしながら、そのような脱離現象が生じるときには既に排気浄化装置33が活性温度に達するに十分な時間が経過しており、その排気ガス中の有害成分が排気浄化装置33によって浄化されるので、エミッション性能の悪化は招かない。
また、この内燃機関1が炭化水素系燃料を吸気ポート11bや燃焼室15に噴射させる燃料噴射装置を具備しており、その炭化水素系燃料での燃焼に切り替える又は炭化水素系燃料及び改質ガスの混合燃料での燃焼に切り替える機関である場合には、例えば、電子制御装置70に排気浄化装置33の触媒担体温度を排気触媒温度センサ34の検出信号等から監視させ、排気浄化装置33が活性温度に達していなければ上記のステップST1〜ST3を繰り返させ、活性温度に達していればその切替制御を実行させる。
以上示した如く、本実施例1の内燃機関1においては、機関始動直後から一酸化炭素ガスの燃焼室15への供給量を低下させて(厳密には、燃焼室15への供給を遮断して)水素ガスで運転しているので、失火や燃焼不良が抑制される。また、この内燃機関1においては、未改質燃料についても機関始動直後から燃焼室15への供給量を低下させている(厳密には、燃焼室15への供給を遮断している)ので、その未改質燃料の燃焼に伴う有害成分の生成を抑制することができる。このように、本実施例1の内燃機関1によれば、機関始動直後から排気ガス中の有害成分を低減してエミッション性能を向上させることができる。
更に、この内燃機関1においては、未改質燃料流量調節手段62や一酸化炭素流量調節手段63に上記の如き吸着剤を用いることによって、これらから未改質燃料や一酸化炭素ガスを夫々脱離させる為の特別な制御や構成を必要としない。従って、本実施例1の内燃機関1によれば、簡便な構成で水素ガスの分離性能を長期に渡り維持することができる。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例2を図3及び図4に基づいて説明する。
図3の符号100は本実施例2の内燃機関を示す。本実施例2の内燃機関100は、前述した実施例1の内燃機関1において、水素ガス分離装置60を図3に示す水素ガス分離装置160へと変更し、更に、水素ガスが取り除かれた改質ガスと未改質燃料を少なくとも機関始動後所定時間経過するまでの間吸気通路21を含む何処へも供給されぬよう保持する制御手段を設けたものである。
先ず、本実施例2の水素ガス分離装置160は、一方を第2改質ガス供給路44bに連通させ且つ他方を第3改質ガス供給路44cに連通させた筐体161と、この筐体161内に配設された一酸化炭素流量調節手段162とで構成している。
ここで、本実施例2の一酸化炭素流量調節手段162としては、具体的に、水素ガス分離装置160に流入してきた改質ガスと未改質燃料の内の水素ガスのみを透過させ、残りを遮断させるポリイミド膜やパラジウム膜等のH2分離膜を使用する。従って、この水素ガス分離装置160においては、一酸化炭素流量調節手段162を透過した水素ガスが第3改質ガス供給路44cを介して吸気通路21に供給される。
一方、そのH2分離膜を透過できなかった一酸化炭素ガス等からなる改質ガスと未改質燃料は、筐体161内で滞留して新たに生成された改質ガスの流入を妨げてしまう。
そこで、本実施例2の内燃機関100においては、その改質ガスと未改質燃料の筐体161内での滞留を抑制しつつ、これらを少なくとも機関始動後所定時間経過するまでの間吸気通路21を含む何処へも流入させぬ上記の制御手段を設ける。
具体的に、かかる制御手段は、一端を筐体161内の一酸化炭素流量調節手段162の上流側に連通させ、他端を吸気通路21側に連通させた吸気バイパス通路181と、この吸気バイパス通路181上に配備した貯留タンク182及び開閉弁183と、電子制御装置70の制御機能とにより構成する。
本実施例2にあっては、その吸気バイパス通路181を第1から第3の吸気バイパス通路181a〜181cで構成し、その第1吸気バイパス通路181aと第2吸気バイパス通路181bの間に貯留タンク182を配置し、その第2吸気バイパス通路181bと第3吸気バイパス通路181cの間に開閉弁183を配置する。その第1吸気バイパス通路181aは、その一端を筐体161内に連通させ、水素ガスを取り除いた改質ガスと未改質燃料を貯留タンク182へと導く。また、第3吸気バイパス通路181cは、その一端を第3改質ガス供給路44cに連通させ、貯留タンク182内の改質ガスと未改質燃料の吸気通路21への流入を可能にしている。
ここで、この制御手段を構成する開閉弁183は、電子制御装置70で制御される。本実施例2の電子制御装置70には、機関始動後所定時間経過するまで開閉弁183を閉弁させ、その所定時間を経過した後に開閉弁183を開弁させる弁制御機能が設けられている。例えば、その所定時間としては、内燃機関100が始動してから完爆するまでの時間,排気浄化装置33の触媒担体温度が活性温度に達するまでの時間などを設定することができる。
以下に、本実施例2の内燃機関100の動作について図4のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置70は、実施例1と同様に、燃料改質触媒41bの触媒担体41b1を加熱し(ステップST11)、その改質触媒担体温度が改質反応可能な所定温度以上になっているか否か判断する(ステップST12)。
ここで、この電子制御装置70は、その改質触媒担体温度が所定温度に達していなければこれを繰り返し、所定温度に達していれば開閉弁183を閉弁させる(ステップST13)。尚、その開閉弁183については、例えば、機関停止時に電子制御装置70の指示により閉弁されるよう設定してもよく、かかる設定の場合にはステップST13の閉弁動作を省略する。
そして、この電子制御装置70は、実施例1と同様に燃料改質装置40を作動させ、炭化水素系燃料と空気の混合気から水素ガス及び一酸化炭素ガスが主成分の改質ガスを生成させる(ステップST14)。
これにより、燃料改質装置40で生成された改質ガスと未改質燃料は、冷却装置50で冷却された後に水素ガス分離装置160へと流入する。この本実施例2の水素ガス分離装置160においては、一酸化炭素流量調節手段162が改質ガスと未改質燃料の中から水素ガスを透過させる一方、そこで透過されずに残された一酸化炭素ガス等からなる改質ガスと未改質燃料を第1吸気バイパス通路181aから排出させる。
ここで、かかる状態での内燃機関100においては、開閉弁183が閉弁しているので、その一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスと未改質燃料は貯留タンク182に貯留され、水素ガスのみが第3改質ガス供給路44cを介して吸気通路21に供給される。従って、この内燃機関100においては、燃焼制御が実行された際に実施例1と同様の効果を奏することができる。即ち、この内燃機関100においても、従来よりも希薄側の燃焼限界が拡大されるので、失火や燃焼不良が抑制されてエミッション性能を向上させることができる。更に、この内燃機関100は、仮に失火や燃焼不良が発生しても、排気ガスの成分の殆どが無害な水素ガスであるのでエミッション性能が悪化することはない。
続いて、本実施例2の電子制御装置70は、機関始動後所定時間が経過したか否か判断する(ステップST15)。ここでは、その所定時間として内燃機関100が始動してから完爆するまで又は内燃機関100が安定して運転するまでの時間を設定する。
そして、この電子制御装置70は、そのステップST15にて所定時間が経過していないとの判断を為した場合、上記ステップST11に戻ってこれを繰り返す。これが為、その際の内燃機関100においては、上記と同様に水素ガスで運転されて失火や燃焼不良を抑制することができるので、設定値よりも希薄な混合気が燃焼室15に供給されたとしても、機関完爆まで又は内燃機関100が安定して運転するまでの間のエミッション性能を向上させることができる。
一方、電子制御装置70は、上記ステップST15にて所定時間が経過したとの判断を為した場合、開閉弁183を開弁させる(ステップST16)。
これにより、貯留タンク182に貯留された一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスと未改質燃料が第2及び第3の吸気バイパス通路181b,181cを介して第3改質ガス供給路44cに送られ、水素ガスと共に吸気通路21へと供給される。ここで、その一酸化炭素ガスは前述したが如く失火や燃焼不良を誘引するが、機関完爆しているこの時点においては安定した燃焼が行われているものと推定されるので、その失火等は起こり難くなっている。
以上示した如く、本実施例2の内燃機関100によれば、実施例1と同様に、機関始動直後から一酸化炭素ガスと未改質燃料の燃焼室15への供給量を低下させて(厳密には、燃焼室15への供給を遮断して)水素ガスで運転しているので、機関始動直後からエミッション性能を向上させることができる。また、この内燃機関100においては、実施例1のような未改質燃料流量調節手段62が不要になる。更に、上記の如く内燃機関100の始動から完爆まで又は内燃機関100が安定して運転するまでの時間を所定時間として設定した場合、貯留タンク182は、その短時間の間に生成される一酸化炭素ガスや発生する未改質燃料を貯留すればよいので、容量を小さくすることができ、車輌に搭載し易くなる。
ここで、上述した制御フローにおいては、上記ステップST16で貯留タンク182の一酸化炭素ガスと未改質燃料が燃焼室15へと送られる。これが為、仮に失火や燃焼不良が生じたときには一酸化炭素ガスと未改質燃料が排気通路31に排出され、また、失火等が生じなくても未改質燃料の燃焼により有害成分が生成されて排気通路31へと排出される。その際、排気浄化装置33の触媒担体温度が活性温度に達していれば、少なくとも排気ガス中の有害成分は浄化することができるが、活性温度に達していなければ、有害成分や未改質燃料を大気に排出してしまうので好ましくない。
そこで、かかる場合には、排気浄化装置33が活性温度に達するまでの時間を上記ステップST15で用いる所定時間として設定し(又は上記ステップST15にて排気浄化装置33が活性温度に達したか否か判定させ)、上記ステップST16の開弁制御を実行した際に排気ガス中の有害成分を排気浄化装置33で浄化できるように構成してもよい。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例3を図5及び図6に基づいて説明する。
図5の符号200は本実施例3の内燃機関を示す。本実施例3の内燃機関200は、前述した実施例2の内燃機関100において、水素ガス分離装置160を図5に示す水素ガス分離装置260へと変更したものである。また、この内燃機関200は、水素ガスが取り除かれた改質ガスと未改質燃料を少なくとも機関始動後所定時間経過するまでの間吸気通路21を含む何処へも供給されぬよう保持し、且つ、その改質ガスを排気浄化装置33の触媒担体温度に応じて吸気通路21又は排気浄化装置33よりも上流の排気通路31へと供給する制御手段を実施例2の制御手段に替えて設けたものである。
先ず、本実施例3の水素ガス分離装置260は、実施例2の水素ガス分離装置160と同様の筐体261と、この筐体161内に配設された未改質燃料流量調節手段262及び一酸化炭素流量調節手段263とで構成している。その本実施例3の未改質燃料流量調節手段262としては、実施例1で例示した未改質燃料流量調節手段62と同様のHC吸着剤を使用する。また、その本実施例3の一酸化炭素流量調節手段263としては、実施例2で例示した一酸化炭素流量調節手段162と同様のH2分離膜を使用する。
本実施例3の水素ガス分離装置260においては、改質ガスの流れ方向の上流側から未改質燃料流量調節手段262,一酸化炭素流量調節手段263の順に各々間隔を空けて配置する。これが為、この水素ガス分離装置260においては、その筐体261内での未改質燃料流量調節手段262と一酸化炭素流量調節手段263との間の空間に改質ガスのみが流入し、その内の水素ガスが一酸化炭素流量調節手段263を透過して第3改質ガス供給路44cへと流出する。従って、その筐体261内の空間には水素ガスを取り除いた一酸化炭素ガス等からなる改質ガスが存在することになるが、本実施例3にあっては、その空間での改質ガスの滞留を上述した制御手段によって防ぐ。
この本実施例3の制御手段は、実施例2と同じ吸気バイパス通路181及び貯留タンク182を備えている。そして、本実施例3にあっては、その吸気バイパス通路181を成す第1吸気バイパス通路181aの一端を上記の筐体261内の空間に連通させ、その空間内の一酸化炭素ガス等からなる改質ガスを貯留タンク182へと導く。
また、本実施例3の制御手段には、実施例2の開閉弁183に替えて設けた流路切替弁283と、貯留タンク182内の改質ガスを排気浄化装置33よりも上流の排気通路31に供給させる排気バイパス通路284とを備えている。
ここで、その流路切替弁283は、機関始動後所定時間経過した後に、排気浄化装置33の触媒担体温度が活性温度よりも低ければ第2吸気バイパス通路181bの改質ガスを排気バイパス通路284に送出させ、その触媒担体温度が活性温度以上であれば第2吸気バイパス通路181bの改質ガスを第3吸気バイパス通路181cに送出させるべく構成する。即ち、この流路切替弁283は、機関始動後所定時間が経過するまでは第2吸気バイパス通路181bと第3吸気バイパス通路181cと排気バイパス通路284との間を各々遮断させる第1状態と、その所定時間経過後で触媒担体温度が活性温度よりも低いときに、第2吸気バイパス通路181bと排気バイパス通路284とを連通させ且つこれらと第3吸気バイパス通路181cとの間を遮断させる第2状態と、その所定時間経過後で排気浄化装置33の触媒担体温度が活性温度以上のときに、第2吸気バイパス通路181bと第3吸気バイパス通路181cとを連通させ且つこれらと排気バイパス通路284との間を遮断させる第3状態とを切り替えるものであり、例えば三方弁を使用する。
ここで、その各状態の切り替えは、電子制御装置70によって実行させる。例えば、本実施例3にあっては、内燃機関100が始動してから完爆するまでの時間を上記の所定時間として設定する。
以下に、本実施例3の内燃機関200の動作について図6のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置70は、実施例1,2と同様に、燃料改質触媒41bの触媒担体41b1を加熱し(ステップST21)、その改質触媒担体温度が改質反応可能な所定温度以上になっているか否か判断する(ステップST22)。
ここで、この電子制御装置70は、その改質触媒担体温度が所定温度に達していなければこれを繰り返し、所定温度に達していれば第2吸気バイパス通路181bと第3吸気バイパス通路181cと排気バイパス通路284との間を各々遮断させるべく流路切替弁283の閉弁制御を実行する(ステップST23)。
そして、この電子制御装置70は、実施例1,2と同様に燃料改質装置40を作動させ、炭化水素系燃料と空気の混合気から水素ガス及び一酸化炭素ガスが主成分の改質ガスを生成させる(ステップST24)。
これにより、燃料改質装置40で生成された改質ガスと未改質燃料は、冷却装置50で冷却された後に水素ガス分離装置260へと流入する。この本実施例3の水素ガス分離装置260においては、先ず、未改質燃料流量調節手段262が改質ガスと未改質燃料の中から未改質燃料を吸着して、残りの改質ガスを筐体261内の空間に透過させる。そして、この水素ガス分離装置260においては、その残りの改質ガスの中の水素ガスが一酸化炭素流量調節手段263を透過する一方、そこで透過されずに残された空間内の一酸化炭素ガス等からなる改質ガスが第1吸気バイパス通路181aから排出される。
ここで、かかる状態での内燃機関200においては、流路切替弁283が全ての通路(第2吸気バイパス通路181b,第3吸気バイパス通路181c及び排気バイパス通路284)を遮断しているので、一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスは貯留タンク182に貯蔵され、水素ガスのみが第3改質ガス供給路44cを介して吸気通路21に供給される。従って、この内燃機関100においては、燃焼制御が実行された際に実施例1,2と同様の効果を奏することができる。即ち、この内燃機関200においても、希薄側の燃焼限界の拡大に伴い失火や燃焼不良が抑制されてエミッション性能を向上させることができ、更に、仮に失火や燃焼不良が発生しても、排気ガスの成分の殆どが無害な水素ガスであるのでエミッション性能が悪化しない。
続いて、この電子制御装置70は、機関始動後所定時間が経過したか否か(換言すれば、内燃機関200が完爆したか否か)判断する(ステップST25)。
そして、この電子制御装置70は、そのステップST25にて所定時間が経過していないとの判断を為した場合、上記ステップST21に戻ってこれを繰り返す。これが為、この内燃機関200においては、水素ガスのみを吸気通路21に供給し続けるので、前述した実施例2と同様に、設定値よりも希薄な混合気が燃焼室15に供給されたとしても、機関完爆までの間のエミッション性能を向上させることができる。
一方、電子制御装置70は、上記ステップST25にて所定時間が経過したとの判断を為した場合、第2吸気バイパス通路181bと排気バイパス通路284とを連通させ且つこれらと第3吸気バイパス通路181cとの間を遮断させるべく(即ち、貯留タンク182の一酸化炭素ガスを排気通路31へと流入させるべく)、流路切替弁283の流路切替制御を実行する(ステップST26)。
これにより、貯留タンク182に貯蔵された一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスは、排気バイパス通路284を介して排気浄化装置33よりも上流の排気通路31へと供給される。これが為、排気ガスの通過によって温度上昇し始めている排気浄化装置33においては、その排気触媒担体温度が一酸化炭素ガスを酸化反応させ得る温度(約100℃)以上になり、改質ガス(一酸化炭素ガス)の流入に伴う酸化反応温度によって排気触媒担体温度の上昇速度が速くなる。従って、この内燃機関200においては、より早く排気浄化装置33を活性温度(約350℃以上)にまで上昇させることができ、排気ガス中の有害成分の浄化作用を早めることができるので、機関始動後のエミッション性能を向上させることができる。
続いて、この電子制御装置70は、排気触媒温度センサ34の検出信号等に基づいて排気浄化装置33の排気触媒担体温度が活性温度以上か否かを判断する(ステップST27)。
ここで、その排気触媒担体温度が活性温度に達していなければ、この電子制御装置70は、上記ステップST26に戻り、貯留タンク182から一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを排気浄化装置33よりも上流の排気通路31に供給し続けて、その排気触媒担体温度の早期昇温を図る。
一方、その排気触媒担体温度が活性温度に達していれば、この電子制御装置70は、第2吸気バイパス通路181bと第3吸気バイパス通路181cとを連通させ且つこれらと排気バイパス通路284との間を遮断させるべく(即ち、貯留タンク182の一酸化炭素ガスを吸気通路21へと流入させるべく)、流路切替弁283の流路切替制御を実行する(ステップST28)。
これにより、貯留タンク182に貯蔵された一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスは、第3吸気バイパス通路181cと第3改質ガス供給路44cを介して吸気通路21へと供給され、燃焼室15で燃焼する。ここで、その一酸化炭素ガスは前述したが如く失火や燃焼不良を誘引するが、実施例2よりも機関始動後の時間が経過しているこの時点においてはより安定した燃焼が行われているものと推定されるので、その失火等は起こり難くなっている。また、仮に失火等が起きたとしても、排気浄化装置33の排気触媒担体温度が活性温度に達しているので、燃焼されずに燃焼室15から排出された一酸化炭素ガスを排気浄化装置33で浄化することができる。
以上示した如く、本実施例3の内燃機関200によれば、実施例1,2と同様に、機関始動直後から一酸化炭素ガスと未改質燃料の燃焼室15への供給量を低下させて(厳密には、燃焼室15への供給を遮断して)水素ガスで運転しているので、機関始動直後からエミッション性能を向上させることができる。また、この内燃機関200においては、排気触媒担体温度がある程度上昇した時点で排気浄化装置33に貯留タンク182の一酸化炭素ガスを供給し、その排気触媒担体温度が活性温度に達するまでの時間を大幅に短縮している。従って、この内燃機関200によれば、機関始動後の早い段階で排気ガス中の有害成分の浄化が可能になるので、機関始動後のエミッション性能を早期に確保することができる。また、この内燃機関200においては、その排気触媒担体温度が活性温度に達した後で貯留タンク182の一酸化炭素ガスを吸気通路21へと供給させるので、仮にその一酸化炭素ガスが失火等で排気通路31に排出されたとしても、排気浄化装置33で浄化することができる。
ところで、上述したステップST25では機関始動後の時間経過を観て貯留タンク182の一酸化炭素ガスを排気通路31に供給させるべきか判断しているが、一酸化炭素ガスの酸化反応は排気浄化装置33の排気触媒担体温度が約100℃以上になってから起こるので、そのステップST25においては、その排気触媒担体温度を監視して一酸化炭素ガスが酸化反応可能な温度(約100℃)以上か否かを判断させてもよい。かかる場合には、排気触媒担体温度が酸化反応可能な温度に達していれば上記ステップST26の流路切替弁283の流路切替制御を実行させ、その温度に達していなければ流路切替弁283を閉弁させ続ける。
また、本実施例3にあっては、水素ガス分離装置260の未改質燃料流量調節手段262として実施例1と同様のHC吸着剤を使用しているので、その未改質燃料流量調節手段262に吸着された未改質燃料が温度上昇に伴って脱離する。ここで、貯留タンク182の一酸化炭素ガスが排気通路31へと流入されるよう流路切替弁283を制御している場合にその脱離現象が生じると、その脱離した未改質燃料は、一酸化炭素ガスと共に排気通路31へと供給され、活性温度に達していない排気浄化装置33で浄化されずにそのまま大気へと放出されてしまう。
そこで、かかるエミッション性能の悪化を防ぐ為、本実施例3にあっては、吸着された未改質燃料が未改質燃料流量調節手段262から脱離し始める時間を経過したときに、貯留タンク182からの一酸化炭素ガスの供給路を排気通路31から吸気通路21へと切り替えるよう流路切替弁283を制御してもよい。これにより、脱離した未改質燃料は燃焼室15で燃焼されるので、そのまま大気へと放出させてしまうよりはエミッション性能の観点から好ましい。
尚、上述した各実施例1〜3においては空気の中の酸素成分を利用して炭化水素系燃料との改質反応を起こさせるよう空気供給手段43が配備されているが、これの替わりに酸素タンク等が具備された酸素供給手段を用意し、この酸素供給手段から燃料改質手段41の混合部41aに酸素を供給してもよい。
また、上述した各実施例1〜3においては炭化水素系燃料と酸素からなる混合気を改質して水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを生成させる燃料改質装置40について例示したが、この燃料改質装置40は、炭化水素系燃料と酸素と水蒸気からなる混合気から水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを生成させるべく構成してもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、機関始動時からのエミッション性能を向上させる技術に適している。
本発明に係る内燃機関の実施例1の構成を示す図である。 実施例1の内燃機関の動作について説明するフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の実施例2の構成を示す図である。 実施例2の内燃機関の動作について説明するフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の実施例3の構成を示す図である。 実施例3の内燃機関の動作について説明するフローチャートである。
符号の説明
1,100,200 内燃機関
15 燃焼室
21 吸気通路
31 排気通路
33 排気浄化装置
34 排気触媒温度センサ
40 燃料改質装置
41 燃料改質手段
41a 混合部
41b 燃料改質触媒
41c 温度センサ
42 燃料供給手段
43 空気供給手段
44 改質ガス供給路
45 改質ガス流量調節弁
50 冷却装置
60,160,260 水素ガス分離装置
62 未改質燃料流量調節手段
63,162 一酸化炭素流量調節手段
70 電子制御装置
181 吸気バイパス通路
182 貯留タンク
183 開閉弁
262 未改質燃料流量調節手段
263 一酸化炭素流量調節手段
283 流路切替弁
284 排気バイパス通路

Claims (8)

  1. 炭化水素系燃料から水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする改質ガスを生成し、該改質ガスを燃料として吸気通路に供給する燃料改質装置が具備された内燃機関において、
    前記改質ガスの中から水素ガスを取り出して前記吸気通路へと供給する水素ガス分離装置を設けたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記水素ガス分離装置は、前記改質ガスの中の一酸化炭素ガスの前記吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方で当該改質ガスの中の水素ガスを前記吸気通路側へと流出させる一酸化炭素流量調節手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記一酸化炭素流量調節手段は、前記改質ガスの中から一酸化炭素ガスを吸着させる一方で水素ガスを透過させるCO吸着剤であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
  4. 前記水素ガス分離装置は、未改質の炭化水素系燃料の前記吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方で前記改質ガスを前記吸気通路側へと流出させる未改質燃料流量調節手段を更に備えたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の内燃機関。
  5. 前記水素ガス分離装置を経た一酸化炭素ガスが機関始動後所定時間経過するまでの間前記吸気通路へと供給されぬよう制御する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  6. 前記一酸化炭素流量調節手段は、前記改質ガスの中から水素ガスのみを透過させるH2分離膜であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
  7. 前記水素ガス分離装置を経た一酸化炭素ガスを貯留させる貯留タンクを設けたことを特徴とする請求項1,2,5又は6に記載の内燃機関。
  8. 前記水素ガス分離装置に、前記貯留タンクに一酸化炭素ガスのみを貯留させるべく、未改質の炭化水素系燃料の前記吸気通路側への流出量を少なくとも低下させる一方で前記改質ガスを前記吸気通路側へと流出させる未改質燃料流量調節手段を備え、
    排気通路上の排気浄化装置が一酸化炭素の活性温度に達した際に前記貯留タンクの一酸化炭素ガスを当該排気浄化装置へと流入させるよう制御する手段を設けたことを特徴とする請求項7記載の内燃機関。
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