JP2007332244A - 樹脂組成物および成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性を向上するとともに、強度の低下を防止する樹脂組成物および難燃性成形物を提供する。
【解決手段】樹脂組成物は、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む。多核金属錯体は、亜鉛、マグネシウム、鉄、アルミニウム、銅、スズ、およびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含んでいることが好ましい。また、多核金属錯体は、亜鉛のμーオキソ骨格を有することが好ましい。また。多核金属錯体の配位子は、カルボン酸を含む長鎖アルキル基を有することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】樹脂組成物は、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む。多核金属錯体は、亜鉛、マグネシウム、鉄、アルミニウム、銅、スズ、およびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含んでいることが好ましい。また、多核金属錯体は、亜鉛のμーオキソ骨格を有することが好ましい。また。多核金属錯体の配位子は、カルボン酸を含む長鎖アルキル基を有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は樹脂組成物および成形物に関し、たとえば樹脂と多核金属錯体とを少なくとも含有する樹脂組成物およびそれを用いた成形物に関する。
近年、エレクトロニクスの発展により、自動車、家電製品等を始めとする電気・電子制御機構を有する製品の高性能、高機能化が急激に進められており、これら製品に使用される電気・電子部品の重要性も増している。このような電気・電子部品は、所定の難燃性が要求される。このような難燃性が要求される材料として、たとえば特開平10−72552号公報(特許文献1)に、紫外線カット性、制振性、および抗菌性に優れ、成形加工可能な超微粒子複合熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする、熱可塑性樹脂組成物が開示されている。また、たとえば特開平9−255879号公報(特許文献2)に、少量の難燃剤の添加で効果的な難燃性を与えることを目的とする、難燃性熱可塑性樹脂が開示されている。
上記特許文献1では、熱可塑性樹脂100重量部と、錯体および/または金属酸化物の超微粒子が金属成分として50〜0.001重量部とからなることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物が開示されている。また、上記特許文献2では、(A)熱可塑性樹脂99〜40重量部と、(B)難燃剤1〜60重量部と、(A)と(B)との合計100重量部に対して(C)錯体および/または金属酸化物超微粒子20〜0.001重量部とからなることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
特開平10−72552号公報
特開平9−255879号公報
しかしながら、上記特許文献1の熱可塑性樹脂組成物および上記特許文献2の難燃性熱可塑性樹脂組成物では、錯体を用いていることから、難燃性においてまだ改善の余地がある。また、難燃性を向上するために、さらに難燃剤または難燃助剤をさらに添加すると、これらの樹脂組成物からなるものの強度が低下するという問題がある。
そこで本発明の目的は、上記の課題を解決することであり、難燃性を向上するとともに、強度の低下を防止する樹脂組成物および難燃性成形物を提供することである。
本発明にしたがった樹脂組成物によれば、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と親和性の高い配位子からなる多核金属錯体を含んでいるので、単核金属錯体を含む場合と異なり、樹脂中に多核金属錯体が均一に分散する。そのため、難燃性を向上できる。よって、少量の樹脂組成物で難燃性を発現できるので、被覆されるものの強度の低下を防止できる。
また、多核金属錯体の配合量を0.1質量部未満とすると、樹脂中に分散される多核金属錯体が少ないために、難燃性を向上できない。30質量部を超えると、多核金属錯体が樹脂中に均一に分散できない。
上記樹脂組成物において好ましくは、多核金属錯体の融点が、樹脂の融点よりも高い。多核金属錯体の融点が、樹脂の融点よりも高いことから、樹脂が溶解した状態でも多核金属錯体のネットワークが樹脂内に形成される。そのため、樹脂の分解速度を抑制することができるとともに、多核金属錯体の分散性に優れた作用を及ぼす。よって、難燃性を向上でき、少量の樹脂組成物で難燃性を発現できるので、被覆されるものの強度の低下を防止できる。
上記樹脂組成物において好ましくは、多核金属錯体は、亜鉛、マグネシウム、鉄、アルミニウム、銅、スズ、およびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含む。これらの物質は構造的に安定的であるので、難燃性をより向上できる。また、これらの物質は、環境負荷が低い。
上記樹脂組成物において好ましくは、多核金属錯体の配位子は、長鎖アルキル基を有するカルボン酸である。長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、樹脂との親和性が高いため、多核金属錯体の分散を容易にできる。なお、上記「長鎖アルキル基」とは、炭素数が4以上30以下のアルキル基を意味する。
上記樹脂組成物において好ましくは、長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、多価カルボン酸である。これにより、多核金属錯体は、線状のみならず、3次元的に結合できる。そのため、難燃性をより向上できる。
上記樹脂組成物において好ましくは、配位子が長鎖アルキル基を有するカルボン酸である多核金属錯体は、2以上含有されており、一の多核金属錯体の長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第1の官能基を有し、他の多核金属錯体の長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第2の官能基を有し、第1の官能基と第2の官能基とが反応することにより結合する。第1の官能基と第2の官能基とが結合することにより、一の多核金属錯体と他の多核金属錯体とを連結できる。そのため、多核金属錯体の分散性をより高めて、難燃性を向上できる。
上記樹脂組成物において好ましくは、多核金属錯体は、亜鉛のμーオキソ骨格を有する。亜鉛のμーオキソ骨格は構造的に安定的であるので、難燃性をより向上できる。また、亜鉛のμーオキソ骨格を有する物質は、環境負荷が低い。
上記樹脂組成物において好ましくは、樹脂は、側鎖にカルボキシル基を有する。これにより、側鎖のカルボキシル基が配位子として多核金属錯体と結合できるので、多核金属錯体の分散を容易にできる。また、結合により、樹脂の分解速度を抑制でき、樹脂自体を強化できる。
上記樹脂組成物において好ましくは、難燃剤をさらに含有する。これにより、難燃性をさらに向上できる。
本発明の成形物は、上記樹脂組成物を用いてなる。難燃剤を併用することでより難燃性を向上することができる難燃性成形物とできる。
本発明の樹脂組成物および成形物によれば、難燃性を向上できるとともに、強度の低下を防止できる。
以下、発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の実施の形態における樹脂組成物は、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含んでいる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂100質量部に対して、多核金属錯体が0.1質量部以上30質量部以下、好ましくは0.2質量部以上10質量部以下配合されている。多核金属錯体の配合量を0.1質量部未満とすると、樹脂中に分散される多核金属錯体が少ないために、難燃性を向上できない。0.2質量部以上とすることによって、多核金属錯体が樹脂中で相互に連結したネットワークを形成しやすくなり、樹脂中に容易に分散して、難燃性をより向上できる。一方、30質量部を超えると、多核金属錯体が樹脂中に均一に分散できない。10質量部以下とすることによって、多核金属錯体が樹脂中により均一に混合される。
多核金属錯体の融点は、樹脂の融点よりも高いことが好ましく、樹脂の融点よりも5℃以上高いことがより好ましい。多核金属錯体の融点を樹脂の融点よりも高くすることにより、樹脂の分解速度を抑制することができるとともに、多核金属錯体の分散性に優れた作用を及ぼす。樹脂の融点よりも5℃以上高くすることにより、樹脂の分解速度をより抑制できる。
<多核金属錯体>
多核金属錯体とは、複数の金属中心に持つ錯体である、1つの金属中心をもつ単核金属錯体と区別される。多核金属錯体は、特に限定されないが、たとえばtetracobalt(II) μ4−oxo−hexa−μ−carboxylates、tetrazinc(II) μ4−oxo−hexa−μ−carboxylates、ジチオカルバミン酸−銅錯体などを用いることができる。多核金属錯体としては、構造的に安定である観点から、四面体構造を組み合わせた構造を有する亜鉛のμーオキソ骨格を有することが好ましい。亜鉛のμーオキソ骨格を有する物質としては、μ4ーオキソーヘキサーμーアセタト−O,O’−四亜鉛と呼ばれる六酢酸−酸化四亜鉛(Zn4O(CH3COO)6)を用いることが好ましい。
多核金属錯体とは、複数の金属中心に持つ錯体である、1つの金属中心をもつ単核金属錯体と区別される。多核金属錯体は、特に限定されないが、たとえばtetracobalt(II) μ4−oxo−hexa−μ−carboxylates、tetrazinc(II) μ4−oxo−hexa−μ−carboxylates、ジチオカルバミン酸−銅錯体などを用いることができる。多核金属錯体としては、構造的に安定である観点から、四面体構造を組み合わせた構造を有する亜鉛のμーオキソ骨格を有することが好ましい。亜鉛のμーオキソ骨格を有する物質としては、μ4ーオキソーヘキサーμーアセタト−O,O’−四亜鉛と呼ばれる六酢酸−酸化四亜鉛(Zn4O(CH3COO)6)を用いることが好ましい。
多核金属錯体中の金属または金属イオンは、特に限定されないが、周期律表において水素を除くI族、II族、ホウ素を除くIII族、炭素を除くIV族、窒素とリンと砒素を除くV族、PoおよびIII、IV、V、VI、VII族の各a亜族に属する各元素を用いることができる。金属は、たとえば、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等である。構造的に安定的であり、環境負荷が小さいという観点から、Zn、Mg、Fe、Al、Cu、Sn、およびZrからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含むことが好ましい。
多核金属錯体の配位子は、特に限定されないが、たとえばアセチルアセトン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、エチレンテトラミン、ビピペリジン、シクロヘキサンジアミン、テトラアザシクロテトラデカン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンビス(グアニド)、エチレンビス(サリチルアミン)、テトラエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、酒石酸、グリシン、トリグリシン、ナフチリジン、フェナントロリン、ペンタンジアミン、サリチルアルデヒド、カテコール、ポルフィリン、チオ尿素、8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキナルジン、β−アミノエチルメルカプタン、ビスアセチルアセトンエチレンジイミン、エリオクロムブラックT、オキシン、キナルジン酸サリチルアルドキシム、ピコリン酸、グリシン、ジメチルグリオキシマト、ジメチルグリオキシム、α−ベンゾインオキシム、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、3−{(2−アミノエチル)アミノ}−1−プロパノール、3−(アミノエチルイミノ)−2−ブタンオキシム、アラニン、N,N’−ビス(2−アミノベンジリデン)エチレンジアミン、α−アミノ−α−メチルマロン酸、2−{(3−アミノプロピル)アミノ}エタノール、アスパラギン酸、1−フェニル−1,3,5−ヘキサントリオン、5,5’−(1,2−エタンジイルジニトリロ)ビス(1−フェニル−1,3−ヘキサンジオン)、1,3−ビス{ビス[2−(1−エチルベンズイミダゾリル)メチル]アミノ}−2−プロパノール、1,2−ビス(ピリジン−α−アルジミノ)エタン、1,3−ビス{ビス(2−ピリジルエチル)アミノメチル}ベンゼン、1,3−ビス{ビス(2−ピリジルエチル)アミノメチル}フェノール、2,2’−ビピペリジン、2,6−ビス{ビス(2−ピリジルメチル)アミノメチル}−4−メチルフェノール、2,2’−ビピリジン、2,2’−ビピラジン、ヒドロトリス(1−ピラゾリル)ホウ酸イオン、カテコール、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン、3,4:9,10−ジベンゾ−1,5,8,12−テトラアザシクロテトラデカン−1,11−ジエン、2,6−ジアセチルピリジンジオキシム、ジベンジルスルフィド、N−{2−(ジエチルアミノ)エチル}−3−アミノ−1−プロパノール、o−フェニレンビス(ジメチルホスフィン)、2−{2−(ジメチルアミノ)エチルチオ}エタノール、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジメチルグリオキシム、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジアセチルモノオキシムイミノ)プロパン、3,3’−トリメチレンジニトロビス(2−ブタンオキシム)1,5−ジアミノ−3−ペンタノールジピバロイルメタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ジエチルジチオカルバミン酸イオン、N,N’−ビス{2−(N,N’−ジエチルアミノエチル)アミノエチル}オキサミド、エチレンジアミンテトラ酢酸、7−ヒドロキシ−4−メチル−5−アザヘプト−4−エン−2−オン、2−アミノエタノール、N,N’−エチレンビス(3−カルボキシサリチリデンアミン)、1,3−ビス(3−ホルミル−5−メチルサリチリデンアミノ)プロパン、3−グリシルアミノ−1−プロパノール、グリシルグリシン、N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ヒスチジン、5,26:13,18−ジイミノ−7,11:20,24−ジニトロジベンゾ[c,n]−1,6,12,17−テトラアザシクロドコシン、2,6−ビス{N−(2−ヒドロキシフェニル)イミノメチル}−4−メチルフェノール、5,5,7,12,12,14−ヘキサメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N”−ジ酢酸、1,2−ジメチルイミダゾール、3,3’−エチレンビス(イミノメチリデン)−ジ−2,4−ペンタンジオン、N,N’−ビス(5−アミノ−3−ヒドロキシペンチル)マロンアミド、メチオニン、2−ヒドロキシ−6−メチルピリジン、メチルイミノジ酢酸、1,1−ジシアノエチレン−2,2−ジチオール、1,8−ナフチリジン、3−(2−ヒドロキシエチルイミノ)−2−ブタノンオキシム、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリン、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタメチルポルフィリン、シュウ酸、オキサミド、2−ピリジルアルドキシム、3−{2−(2−ピリジル)エチルアミノ}−1−プロパノール、3−(2−ピリジルエチルイミノ)−2−ブタノンオキシム、2−ピコリルアミン、3−(2−ピリジルメチルイミノ)−2−ブタノンオキシム、二亜リン酸二水素イオン、3−n−プロピルイミノ−2−ブタノンオキシム、プロリン、2,4−ペンタンジアミン、およびピリジンなどが挙げられる。
多核金属錯体の配位子は、樹脂との親和性を高める観点から、長鎖アルキル基を有するカルボン酸であることが好ましい。長鎖アルキル基として、入手の容易さおよび価格の観点から、炭素数が4以上30以下とし、炭素数を6以上22以下とすることがより好ましい。炭素数を4以上とすることによって、疎水性が高くなり、樹脂への分散性が向上する。炭素数を6以上とすることによって、樹脂への分散性がより向上する。炭素数を30以下とすることによって、多核金属錯体の合成が容易になり、また入手も容易になる。炭素数を22以下とすることによって、多核金属錯体の合成がより容易になり、また入手もより容易になる。なお、長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸のいずれであってもよく、長鎖アルキル部が分岐していてもよい。
また、多核金属錯体の配位子のうち、1/3以上が長鎖アルキル基を有するカルボン酸であることが好ましい。1/3以上とすることによって、多核金属錯体と樹脂との親和性をより高めることができる。なお、配位子は、すべて長鎖アルキル基であってもよい。
長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、長鎖アルキル基をもつ2つ以上の多核金属錯体を連結でき、連結を多くすることができる観点から、多価カルボン酸であることが好ましい。多価カルボン酸としては、ジカルボン酸としてアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられる。また芳香族多カルボン酸の一部分を長鎖アルキルアルコールからなるエステルとしたものでもよく、トリメリット酸のモオノクチルエステル体、ピロメリット酸のモノオクチル、ジオクチル体などが挙げられる。
配位子は長鎖アルキル基を有するカルボン酸である多核金属錯体が、2以上含有されており、一の多核金属錯体の長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第1の官能基を有し、他の多核金属錯体の長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第2の官能基を有し、第1の官能基と第2の官能基とが反応することにより結合していることが好ましい。第1の官能基および第2の官能基は、特に限定されないが、たとえばカルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基などが挙げられる。特に、ポリマー中のネットワークを形成させる観点から、水酸基、アミノ基、またはエポキシ基であることが好ましい。
<樹脂>
樹脂は、特に限定されず、熱可塑性樹脂、エラストマー、または熱硬化性樹脂を用いることができ、単独で用いてもよいし、2以上組み合わせて用いることもできる。熱可塑性樹脂としては、たとえばスチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、およびフッ素樹脂などが挙げられる。
樹脂は、特に限定されず、熱可塑性樹脂、エラストマー、または熱硬化性樹脂を用いることができ、単独で用いてもよいし、2以上組み合わせて用いることもできる。熱可塑性樹脂としては、たとえばスチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、およびフッ素樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂のうち、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは側鎖にカルボキシル基を有しているメタクリル酸、アクリル酸、または無水マレイン酸を共重合した樹脂である。スチレン系樹脂としては、一般に成形用として使用されているもの、たとえば、スチレンの単一重合体(GPPS)のほか、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)、スチレン−メタクリル酸共重合体(SMAA)、α−メチルスチレンまたはマレイミドを共重合してなる耐熱性スチレン樹脂、さらには、スチレン−アクリロニトリル系共重合樹脂、α−メチルスチレン−アクリロニトリル系共重合樹脂、これらのスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂とのアロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン−エチレンブチレンブロック共重合樹脂(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレンブロック共重合樹脂(SEPS)などを挙げることができる。
ここで、スチレン−アクリロニトリル系共重合樹脂としては、たとえば、アクリロニトリル−スチレン共重合体(SAN)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(AAS)、アクリロニトリル−スチレン−塩素化ポリエチレン共重合体(ACS)、アクリロニトリル−スチレン−エチレン−プロピレンゴム共重合体(AES)、アクリロニトリル−スチレン−エチレン−酢酸ビニル共重合体、α−メチルスチレンまたはマレイミドを共重合してなる耐熱性ABS樹脂等を包含する。スチレン部分がα−メチルスチレンに置換したα−メチルスチレン−アクリロニトリル系共重合樹脂も挙げることができる。
また、オレフィン系樹脂としては、一般に成形用として使用されているもの、たとえば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、酢酸ビニル含有量が0.1〜80質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸あるいはアクリル酸エステルの含有量が0.1〜50質量%のエチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸、またはメタクリル酸エステル含有量が0.1〜50質量%のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン含有量が2〜40モル%の結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン含有量が0.5〜10モル%の結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プロピレン−ジエンラバーなどを挙げることができる。この中で樹脂成形材料としては剛性の比較的高い物が好ましい。すなわち、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等がより好ましい。
メタクリル系樹脂としては、たとえば、メチルメタクリレート単独重合体の他、メチルメタクリレートにスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、各種のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどの他のモノマーを共重合させて各種の性能を改良したメタクリル樹脂、さらにはアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを主成分とする重合体あるいはブタジエンを主成分とする重合体にメチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル、各種のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどをグラフト共重合した耐衝撃性メタクリル樹脂などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、たとえば、塩化ビニル単独重合体の他、塩化ビニルにエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等をコモノマーとして重合させて得られた共重合体や、ポリ塩化ビニルにMBS樹脂、ABS樹脂、ニトリルゴム、塩素化ポリエチレン、EVA−PVCグラフト共重合体、さらには各種の可塑剤を添加した改質ポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができる。
また、樹脂は、側鎖にカルボキシル基を有することが好ましい。このような樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸等の単独重合または共重合により得られる。また、アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸等をグラフトさせることでも得られる。カルボキシル基を有することにより、多核金属錯体と親和性が高まり、多核金属錯体と結合して架橋構造とすることができ、樹脂の融点以上での耐熱変形向上のような良好な物性を得られる。
<難燃剤>
樹脂組成物は、難燃剤をさらに含有していることが好ましい。難燃剤としては、特に限定されないが、ハロゲン系難燃剤およびノンハロゲン系難燃剤のうち少なくとも一方をさらに含有することがより好ましい。ハロゲン系難燃剤を含有する場合には、樹脂100質量部に対して、3〜50質量部含有されていることが好ましい。3質量部以上とすることによって、難燃性をさらに向上できるからである。50質量部以下とすることによって、機械的強度を維持できるからである。ノンハロゲン系難燃剤を含有する場合には、樹脂100質量部に対して、20〜200質量部含有されていることが好ましい。20質量部以上とすることによって、難燃性をさらに向上できるからである。200質量部以下とすることによって、機械的強度を維持できるからである。
樹脂組成物は、難燃剤をさらに含有していることが好ましい。難燃剤としては、特に限定されないが、ハロゲン系難燃剤およびノンハロゲン系難燃剤のうち少なくとも一方をさらに含有することがより好ましい。ハロゲン系難燃剤を含有する場合には、樹脂100質量部に対して、3〜50質量部含有されていることが好ましい。3質量部以上とすることによって、難燃性をさらに向上できるからである。50質量部以下とすることによって、機械的強度を維持できるからである。ノンハロゲン系難燃剤を含有する場合には、樹脂100質量部に対して、20〜200質量部含有されていることが好ましい。20質量部以上とすることによって、難燃性をさらに向上できるからである。200質量部以下とすることによって、機械的強度を維持できるからである。
ハロゲン系難燃剤としては、特に限定されないが、臭素含有量が40質量%以上の臭素系難燃剤であることが好ましく、たとえば、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエーテルなどが挙げられ、好ましくは、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネート、および含ハロゲンリン酸エステルなどである。
好ましいハロゲン系難燃剤をさらに詳しく例示すると、ヘキサブロモシクロドデカン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモフタル酸無水物、ペンタブロモフェニルプロピルエーテル、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、デカブロモジフェニルエタン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキサイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブロムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハロゲンリン酸エステルなどのハロゲン系難燃剤である。
ハロゲン系難燃剤は一種のみならず二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、ハロゲン系難燃剤はアンチモン含有化合物、好ましくは三酸化アンチモンを併用すると難燃効果が大きくなり好ましい。樹脂組成物100質量部に対して、ハロゲン系難燃剤とアンチモン含有化合物の合計添加量は3〜50質量部であることが好ましい。このうちハロゲン系難燃剤の添加量は3〜30質量部、好ましくは5〜30質量部の範囲であり、また、アンチモン化合物の添加量は0〜15質量部、好ましくは2〜8質量部である。
ノンハロゲン系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、メラミン、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛などの亜鉛系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、赤リンなどのリン系難燃剤、シリコーンパウダー、シリコーンガムなどのシリコーン系難燃剤などの1種または2種以上が挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃剤のうち、難燃効果が高い観点から、金属水酸化物およびメラミンシアヌレートが好ましい。
<その他配合剤>
また、樹脂組成物は、その成形品の用途に応じて適宜配合剤を添加できる。たとえば難燃助剤、帯電防止剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、滑剤および着色剤などをさらに含有してもよい。難燃助剤としては、たとえば三酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンなどが挙げられる。帯電防止剤としては、三級アンモニウム塩類、四級アンモニウム塩類の低分子化合物、ポリアミドポリエーテル、または3−クロロ−1,2−エポキシプロパン重合体等の永久帯電防止剤が挙げられる。充填剤としては、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ウオラストナイト珪土、または雲母が挙げられる。補強剤としてはガラス繊維、カーボン繊維、または各種ウイスカー(Whisker)類、着色剤としては二酸化チタン、酸化鉄、石墨、またはフタロシアニン染料などが用いられる。
また、樹脂組成物は、その成形品の用途に応じて適宜配合剤を添加できる。たとえば難燃助剤、帯電防止剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、滑剤および着色剤などをさらに含有してもよい。難燃助剤としては、たとえば三酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンなどが挙げられる。帯電防止剤としては、三級アンモニウム塩類、四級アンモニウム塩類の低分子化合物、ポリアミドポリエーテル、または3−クロロ−1,2−エポキシプロパン重合体等の永久帯電防止剤が挙げられる。充填剤としては、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ウオラストナイト珪土、または雲母が挙げられる。補強剤としてはガラス繊維、カーボン繊維、または各種ウイスカー(Whisker)類、着色剤としては二酸化チタン、酸化鉄、石墨、またはフタロシアニン染料などが用いられる。
本発明の難燃性成形物は、前記樹脂組成物を押出、射出、またはプレスなどにより加工してなる。
具体的には、樹脂に所定量の多核金属錯体などの各種配合成分を混練等の手段で配合し、ペレット等の成形粉に加工した後、各種成形手段、押出被覆、押出成形、射出成形、またはプレス成形などの手段により、たとえばチューブ、または熱収縮チューブ、筐体などの各種成形物に加工する。
また、銅などの導体からなる単芯または多芯撚り絶縁電線の外周に、本発明の樹脂組成物を押出被覆などの成形手段により被覆し、更に電子線架橋して、難燃性成形物としての絶縁電線とすることもできる。
以上説明したように、本発明の樹脂組成物によれば、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含んでいる。樹脂組成物は多核金属錯体を含んでいるので、極性が高く、疎水性の高い単核金属錯体を含む場合と異なり、樹脂中に配位子が均一に分散する。また、多核金属錯体の配位子と樹脂とは親和性が高い。そのため、難燃性を向上できる。よって、少量の樹脂組成物で難燃性を発現できるので、被覆されるものの強度の低下を防止できる。
また、多核金属錯体の融点は、樹脂の融点よりも高いことが好ましい。これにより、樹脂が溶融した状態でも多核金属錯体のネットワークが樹脂内に形成されると考えられる。そのため、樹脂の分解速度を抑制することができるとともに、多核金属錯体の分散性に優れた作用を及ぼす。よって、難燃性を向上でき、少量の樹脂組成物で難燃性を発現できるので、被覆されるものの強度の低下を防止できる。
なお、上記特許文献1に開示の熱可塑性樹脂組成物および上記特許文献2に開示の難燃性熱可塑性樹脂組成物では、金属錯体の微粒子を用いている。そのため、金属錯体の配位子としては、1つの配位子場を占有される化合物が用いられているため、樹脂と金属錯体とはネットワークを形成しない。そのため、本発明の実施の形態における樹脂組成物の難燃性は、上記特許文献1の熱可塑性組成物および上記特許文献2の難燃性熱可塑性樹脂組成物の難燃性よりも良好である。
実施例では、本発明の効果を確認するべく、下記の表1および表2に示す樹脂と多核金属錯体または金属錯体とを含有する樹脂組成物を製造し、難燃性、引張破断強度、引張破談延び、および樹脂融点での形状保持性を測定した。
(実施例1)
実施例1では、酢酸亜鉛を真空中で250℃に加熱すると、下記の化学反応式により6酢酸1酸化4亜鉛錯体(tetrazinc hexaaetate monoxide)の結晶が昇華して付着した。なお、融点が249〜250℃で、分子量が631.79であることから、昇華成分が6酢酸1酸化4亜鉛錯体であることを確認した。
4Zn(CH3COO)2→Zn4O(CH3COO)6+CH3COCH3+CO2
実施例1では、酢酸亜鉛を真空中で250℃に加熱すると、下記の化学反応式により6酢酸1酸化4亜鉛錯体(tetrazinc hexaaetate monoxide)の結晶が昇華して付着した。なお、融点が249〜250℃で、分子量が631.79であることから、昇華成分が6酢酸1酸化4亜鉛錯体であることを確認した。
4Zn(CH3COO)2→Zn4O(CH3COO)6+CH3COCH3+CO2
そして、THF(テトラヒドロフラン)中、0.6gの6酢酸1酸化4亜鉛錯体と0.6gのセバシン酸(HOOC(CH2)8COOH)とを環流下で1昼夜攪拌して、配位子である酢酸をセバシン酸に置換した多核亜鉛錯体(Zn4O(HOOC(CH2)8COO)6:多核金属錯体C)を得た。そして、これをポリエチレン(樹脂A)100質量部に溶融分散させることで、10質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体C)がポリエチレン(樹脂A)(日本ユニカ社製の商品名「DFDJ7540」)中に混合されてなる実施例1の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、多核金属錯体Cの融点は300℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持を確認することができた。
ここで、融点の測定は示差走査分析による融解ピークの最大吸熱量を示す温度とし、10℃/minの昇温速度で測定した値である。難燃性はUL−94に基づき、HB相当の難燃性は水平難燃性を示し、V−0,V−1は所定の垂直難燃性を有することを意味し、V−0の難燃性の方がV−1に比べ高性能である。機械的物性は、JIS 3号ダンベル片を用い、厚み1mm、引張速度200mm/minで測定した値を示す。強度は10MPa以上を示す場合○、10MPa未満を×とした。伸びは300%以上を○とし、300%未満を×とした。耐熱性は、1mm厚試料を融点雰囲気で1時間保持し、厚み保持が90%以上ある時○とし、90%に満たない場合×とした。
(実施例2)
実施例2では、THF中、実施例1で昇華成分として得た0.6gの6酢酸1酸化4亜鉛錯体と1.9gのカルボン酸含有ポリマー(エチレンーメタクリル酸共重合体:(CH2)nC(CH3)(COOH)(CH2)n:樹脂B)(三井デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュクレルN0903HC」)を実施例1と同様に反応させた。これにより、15質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる実施例2の樹脂組成物を得た。実施例2の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例2の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
実施例2では、THF中、実施例1で昇華成分として得た0.6gの6酢酸1酸化4亜鉛錯体と1.9gのカルボン酸含有ポリマー(エチレンーメタクリル酸共重合体:(CH2)nC(CH3)(COOH)(CH2)n:樹脂B)(三井デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュクレルN0903HC」)を実施例1と同様に反応させた。これにより、15質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる実施例2の樹脂組成物を得た。実施例2の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例2の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
(実施例3)
実施例3では、実施例2で得られた樹脂組成物に、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である60質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)(協和化学社製の商品名「キスマ5A」)をさらに添加して、溶融し、混合した。これにより、ノンハロゲン系難燃剤が添加された実施例3の樹脂組成物を得た。難燃性は、1mm厚短冊試料でV−0相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
実施例3では、実施例2で得られた樹脂組成物に、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である60質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)(協和化学社製の商品名「キスマ5A」)をさらに添加して、溶融し、混合した。これにより、ノンハロゲン系難燃剤が添加された実施例3の樹脂組成物を得た。難燃性は、1mm厚短冊試料でV−0相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
(実施例4)
実施例4では、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で0.1質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とし、さらにノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。これにより、ノンハロゲン系難燃剤が添加された実施例4の樹脂組成物を得た。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
実施例4では、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で0.1質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とし、さらにノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。これにより、ノンハロゲン系難燃剤が添加された実施例4の樹脂組成物を得た。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
(実施例5)
実施例5では、THF中、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で30質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物に対し、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。実施例5の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例5の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
実施例5では、THF中、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で30質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物に対し、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。実施例5の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例5の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHB相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
(実施例6)
実施例6では、THF中、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で0.1質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物に対し、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。実施例4の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例4の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でV−1相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
実施例6では、THF中、実施例2で得られた樹脂組成物と同様の方法で0.1質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体D)が100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)中に混合されてなる樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物に対し、樹脂(樹脂B)100質量部に対して、ノンハロゲン系難燃剤である10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)をさらに添加して、溶融し、混合した。実施例4の樹脂組成物は、樹脂Bの一部が多核金属錯体の配位子となっている。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、実施例4の多核金属錯体の融点は117℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でV−1相当の難燃性を示した。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であった。耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持を確認することができた。
(比較例1)
比較例1では、セバシン酸亜鉛(Zn−(OCO−CH2)8−COOH)2:金属塩E)をポリエチレン(樹脂A)に溶融分散させることで、10質量部のセバシン酸亜鉛が100質量部のポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例1の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、120℃であり、比較例1のセバシン酸亜鉛の融点は136℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持ができなかった。
比較例1では、セバシン酸亜鉛(Zn−(OCO−CH2)8−COOH)2:金属塩E)をポリエチレン(樹脂A)に溶融分散させることで、10質量部のセバシン酸亜鉛が100質量部のポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例1の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、120℃であり、比較例1のセバシン酸亜鉛の融点は136℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持ができなかった。
(比較例2)
比較例2では、0.2gの酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)2:金属塩F)をポリエチレン(樹脂A)に溶融分散させることで、10質量部の酢酸亜鉛(金属塩F)が100質量部のポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例2の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、比較例2の酢酸亜鉛の融点は101℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
比較例2では、0.2gの酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)2:金属塩F)をポリエチレン(樹脂A)に溶融分散させることで、10質量部の酢酸亜鉛(金属塩F)が100質量部のポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例2の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、比較例2の酢酸亜鉛の融点は101℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
(比較例3)
比較例3では、上記特許文献1に開示の樹脂組成物を用いた。具体的には、樹脂として100質量部のポリエチレン(樹脂A)と、10質量部のアセチルアセトナート亜鉛(金属塩G)とを含む樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、比較例3のアセチルアセトナートの融点は135℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
比較例3では、上記特許文献1に開示の樹脂組成物を用いた。具体的には、樹脂として100質量部のポリエチレン(樹脂A)と、10質量部のアセチルアセトナート亜鉛(金属塩G)とを含む樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、比較例3のアセチルアセトナートの融点は135℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足させる結果であったが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
(比較例4)
比較例4では、100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)と、30質量部のアセチルアセトナート亜鉛(金属塩G)と、10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)とを含む樹脂組成物を得た。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、比較例4のアセチルアセトナートの融点は135℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、分散性が十分でなく、伸びが必要特性を十分満足できなかった。また耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持ができなかった。
比較例4では、100質量部のカルボン酸含有ポリマー(樹脂B)と、30質量部のアセチルアセトナート亜鉛(金属塩G)と、10質量部の水酸化マグネシウム(難燃剤)とを含む樹脂組成物を得た。なお、樹脂Bの融点は、101℃であり、比較例4のアセチルアセトナートの融点は135℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、分散性が十分でなく、伸びが必要特性を十分満足できなかった。また耐熱性は、樹脂融点101℃で形状保持ができなかった。
(比較例5)
実施例1で作成した多核亜鉛錯体(Zn4O(HOOC(CH2)8COO)6:多核金属錯体C)をポリエチレン(樹脂A)100質量部に溶融分散させることで、0.01質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体C)がポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例5の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、多核金属錯体Cの融点は300℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足できたが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
実施例1で作成した多核亜鉛錯体(Zn4O(HOOC(CH2)8COO)6:多核金属錯体C)をポリエチレン(樹脂A)100質量部に溶融分散させることで、0.01質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体C)がポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例5の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、多核金属錯体Cの融点は300℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルも無かった。機械的物性は、必要特性を十分満足できたが、耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持ができなかった。
(比較例6)
実施例1で作成した多核亜鉛錯体(Zn4O(HOOC(CH2)8COO)6:多核金属錯体C)をポリエチレン(樹脂A)100質量部に溶融分散させることで、35質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体C)がポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例6の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、多核金属錯体Cの融点は300℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルを示した。機械的物性は、分散性が十分得られず、伸びが必要特性を満足できなかった。耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持が可能であった。
実施例1で作成した多核亜鉛錯体(Zn4O(HOOC(CH2)8COO)6:多核金属錯体C)をポリエチレン(樹脂A)100質量部に溶融分散させることで、35質量部の多核亜鉛錯体(多核金属錯体C)がポリエチレン(樹脂A)中に混合されてなる比較例6の樹脂組成物を得た。なお、樹脂Aの融点は、124℃であり、多核金属錯体Cの融点は300℃であった。難燃性は、1mm厚短冊試料でHBレベルを示した。機械的物性は、分散性が十分得られず、伸びが必要特性を満足できなかった。耐熱性は、樹脂融点124℃で形状保持が可能であった。
(評価結果)
表1に示すように、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む実施例1〜6は、多核金属錯体間のネットワークの形成により、難燃性が高く、かつ強度が高かった。一方、金属多核金属錯体を含んでいない比較例1〜4は、多核金属錯体のネットワークが形成されないため、樹脂の融点での形状保持が得られず、添加量をふやすと分散不良が顕著に現れ、機械的物性へ影響を及ぼした。難燃性についても、多核金属錯体のような樹脂が溶融状態でネットワークが形成されないため、ガス化が促進され、難燃性を付与することができていなかった。比較例5は多核金属錯体の量が少なく、ネットワークが形成されないため、耐熱性、難燃性が得られず、多核金属錯体の効果を高めるべく多量に添加した、比較例6では、多核金属錯体のネットワークが近接し固くなるだけでなく、配位子が有効に使われなくなるため機械的物性の低下を引き起こし好ましくない結果を与えた。
表1に示すように、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む実施例1〜6は、多核金属錯体間のネットワークの形成により、難燃性が高く、かつ強度が高かった。一方、金属多核金属錯体を含んでいない比較例1〜4は、多核金属錯体のネットワークが形成されないため、樹脂の融点での形状保持が得られず、添加量をふやすと分散不良が顕著に現れ、機械的物性へ影響を及ぼした。難燃性についても、多核金属錯体のような樹脂が溶融状態でネットワークが形成されないため、ガス化が促進され、難燃性を付与することができていなかった。比較例5は多核金属錯体の量が少なく、ネットワークが形成されないため、耐熱性、難燃性が得られず、多核金属錯体の効果を高めるべく多量に添加した、比較例6では、多核金属錯体のネットワークが近接し固くなるだけでなく、配位子が有効に使われなくなるため機械的物性の低下を引き起こし好ましくない結果を与えた。
以上説明したように、実施例によれば、樹脂と、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含むことにより、難燃性を向上するとともに、強度の低下を防止することができることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の樹脂組成物は、高い難燃性と高い強度とを有しているので、電線の外装材料や、電子部品などの筐体などに好適に用いられる。
Claims (10)
- 樹脂と、
前記樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下の多核金属錯体とを含む、樹脂組成物。 - 前記多核金属錯体の融点が、前記樹脂の融点よりも高い、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記多核金属錯体は、亜鉛、マグネシウム、鉄、アルミニウム、銅、スズ、およびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記多核金属錯体の配位子は、長鎖アルキル基を有するカルボン酸である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、多価カルボン酸である、請求項4に記載の樹脂組成物。
- 前記配位子は前記長鎖アルキル基を有するカルボン酸である前記多核金属錯体が、2以上含有されており、
一の前記多核金属錯体の前記長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第1の官能基を有し、
他の前記多核金属錯体の前記長鎖アルキル基を有するカルボン酸は、配位原子と異なる部位に第2の官能基を有し、
前記第1の官能基と前記第2の官能基とが反応することにより結合する、請求項4または5に記載の樹脂組成物。 - 前記多核金属錯体は、亜鉛のμーオキソ骨格を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂は、側鎖にカルボキシル基を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 難燃剤をさらに含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、成形物。
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JP2006164740A JP2007332244A (ja) | 2006-06-14 | 2006-06-14 | 樹脂組成物および成形物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101251333B1 (ko) | 2009-12-30 | 2013-04-05 | 제일모직주식회사 | 내후성과 내충격성이 우수한 난연 열가소성 수지 조성물 및 그로부터 제조된 성형품 |
JP5862303B2 (ja) * | 2010-11-30 | 2016-02-16 | 三菱レイヨン株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物、成形材料及び発光体の製造方法 |
JP2018026354A (ja) * | 2012-12-17 | 2018-02-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 難燃性二芯同軸ケーブル |
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2006
- 2006-06-14 JP JP2006164740A patent/JP2007332244A/ja not_active Withdrawn
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