JP2007331650A - 操舵支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上半身をハンドルに接近した窮屈姿勢における操舵性を改善させることのできる操舵支援装置を提供すること。
【解決手段】操舵方向を検出する舵角センサ63と、運転席のシートバック1において、運手者を支持する支持面の少なくとも左右上部のショルダ部を、左右それぞれを独立して車両後方へ変位可能なシートバック変位手段と、支持面の少なくとも舵角センサ63が検出した操舵方向側のショルダ部を車両後方へ変位させる操舵支援制御を行う操舵状態推定コントローラ5と、を備えた操舵支援装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両を運転する運転者が、その上半身をハンドルに接近した姿勢に起因する腕の窮屈な操舵状況において、操舵をスムーズに行えるように操舵を支援する操舵支援装置に関する。
従来、走行状況に応じ、座席を車両の旋回方向に回動させたり、登坂降坂に応じて座席を前後に傾けたりして、運転者の視認性の向上や運転者に作用する外力に良好な運転姿勢を得ることができるようにした装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
2005−119559号公報
ところで、車両の操舵を行うにあたり理想的な運転姿勢は、腰の位置を、ペダルを充分踏める位置に配置し、かつ、上半身を、腕を軽く伸ばした状態でハンドル頂点を保持する姿勢とされている。
しかし、腕力や視力や体格が劣る運転者、例えば高齢者や女性などにあっては、腕力不足を補ったり視認性を確保したりするために、上記の理想的な姿勢よりも上半身をハンドルに接近させ、腕を折り畳んだ窮屈な姿勢で操舵を行うことがある。
この窮屈な姿勢では、操舵時の1操作あたりのストローク量が小さくなり、このような場合には、操舵時に、頻繁にハンドルの持ち替えを繰り返すことになり、スムーズな操舵が困難になる。
しかしながら、従来、上記のような窮屈な姿勢を原因とする操舵性や車両コントロール性悪化を改善することができなかった。
すなわち、上記の従来技術は、旋回時に運転席全体の向きを変えるようにしている。このように運転席の向きを変えるだけでは、ハンドルとシートバックの間隔が変化せず、向きを変える中心位置にもよるが、シートバックの旋回方向とは逆の部分はかえってハンドルとの間隔が狭くなる場合もあり、上記窮屈姿勢を原因とする問題を解決できない。しかも、運転席全体の向きが変化するため、車体に取り付けられたペダル類との相対位置が変化し、運転操作性に悪影響を与えるおそれがある。
本発明は、上述の従来の課題に着目して成されたもので、上半身をハンドルに接近した窮屈姿勢における操舵性を改善させることのできる操舵支援装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵時に、制御手段が、シートバック変位手段に対して、シートバックの左右上部のうちで操舵方向側の上部を、車両後方へ変位させる操舵支援制御を実行する操舵支援装置とした。
本発明の操舵支援装置にあっては、操舵時に、シートバックの左右上部のうち操舵方向側の上部が車両後方へ変位する。
したがって、運転者が、その上半身をハンドルに近付け過ぎた窮屈な姿勢で操舵を行っている場合、操舵方向側のシートバックの支持面とハンドルとの間隔が操舵前に比べて広がる。
よって、間隔が広がった分だけ、操舵方向側の上半身を動かすことが可能となり、その分、操舵ストローク量を増加させることができ、操舵性が向上する。加えて、シートバックの変位により上半身の肩胛骨部分にスペースができ、肩胛骨が自由に動ける分だけ、ハンドルに回転力を与えやすくなり、これによっても操舵性が向上する。
このように、本発明では、上半身をハンドルに近付け過ぎた窮屈な姿勢において、操舵性を向上させることのできる新規な操舵支援装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の操舵支援装置は、操舵方向を検出可能な操舵状態検出手段(5,61,62,63,65,66)と、運転席(DS)のシートバック(1)において、運手者(DR)を支持する支持面の少なくとも左右上部(11,12)を、左右それぞれ独立して車両後方へ変位可能なシートバック変位手段(15)と、操舵時に、前記支持面の左右上部(11,12)のうち操舵方向側の上部を車両後方へ変位させる操舵支援制御を行う制御手段(4,5)と、を備えていることを特徴とする操舵支援装置である。
図1〜図7に基づいて本発明の最良の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aについて説明する。
実施例1の操舵支援装置Aは、図2に示す運転席DSのシートバック1の左右の一方を車両後方へ倒すことで、シートバック1の左右上端部のショルダ部11,12を後方に変位させる操舵支援制御を実行する。
そこで、まず、図2に基づいて運転席DSの構造について説明する。
運転席DSは、図外の車体に車両前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション2と、このシートクッション2の後端部に、車両前後方向に回動可能に支持されたシートバック1と、このシートバック1の上端部に着脱可能に取り付けられたヘッドレスト3とを備えている。
これらシートバック1、シートクッション2、ヘッドレスト3は、それぞれ骨格部材をウレタン材で包んで構成されている。
その構造をシートバック1について説明すると、シートバック1の骨格部材13は、下部フレーム13aと、左右の側部フレーム13b,13cと、上部フレーム13dと、により略長方形の枠状に形成されている。また、左右の側部フレーム13b,13cの間には、スプリング13eが車幅方向に架け渡されている。
そして、骨格部材13の外周が、ウレタン材14で包まれている。
左右の側部フレーム13b,13cは、その下端部が、車幅方向(左右方向)に延在されてシートクッション2に結合された下部フレーム13aの左右端部に、車幅方向に向いた軸を中心として前後に回動可能に支持されている。
したがって、側部フレーム13b,13cを、同時に前後方向に回動させると、シートバック1がシートクッション2に対して前後方向に起立角度を変更する回動、いわゆるリクライニングが可能となっている。
この側部フレーム13b,13cの回動は、側部フレーム13b,13cの下端部に設けられた駆動手段15,15により、それぞれ独立して実行可能に構成されている。
この駆動手段15は、モータ15a(図1参照)と、このモータ15aの駆動を減速して側部フレーム13b,13cに伝達する図示を省略したギヤ機構と、を備えている。そして、モータ15aは、図1に示すモータ駆動回路4から出力される駆動制御信号を受けて駆動される。
なお、シートバック1のリクライニングの際には、左右の駆動手段15,15は、同期して駆動するが、本実施例1では、左右の駆動手段15,15を独立して駆動可能となっており、後述する操舵支援制御の際には、駆動手段15,15の一方のみが駆動する。
また、側部フレーム13b,13cの上端部と上部フレーム13dの車幅方向両端部との結合部分には、上下左右前後の方向の相対移動を可能とするボールジョイント13f,13gが設けられている。さらに、側部フレーム13b,13cの下端部には、車両前後方向の軸を中心として側部フレーム13b,13cがシートバック1の内側方向に倒れるのを許容するヒンジ13h(左側の側部フレーム13cのみ示す)が設けられている。なお、ヒンジ13hには、側部フレーム13b,13cが、内側に倒れた際には、車幅方向で真っ直ぐに立った位置に復元させる図示を省略したリターンスプリングが設けられている。
さらに、本実施例1では、側部フレーム13b,13cは、一方のみを独立して駆動させることにより、シートバック1を、その左右のショルダ部11,12の一方のみを車両前後方向へ変位させる変形を生じさせることが可能となっている。
このシートバック1を変形させたときの動きを、左側の駆動手段15を駆動させて左側の側部フレーム13cが車両後方へ回動された場合を例に挙げて説明する。
上述のように、左右の側部フレーム13b,13cは、下端部が下部フレーム13aに支持され、上端部が上部フレーム13dで連結されており、下端部および上端部の車幅方向の間隔は略一定に保たれている。
よって、左側の側部フレーム13cを車両後方へ倒したときには、両側部フレーム13b,13cの上端部の間隔が上部フレーム13dにより一定に保たれるため、左側の側部フレーム13cは、ヒンジ13hを中心にシートバック1の中央方向へ倒れながら車両後方へ傾く。
そこで、シートバック1には、図3に示すように、上部フレーム13dの軸心ddが、通常時の下部フレーム13aの軸心aaと平行な位置ddtから斜めに傾くような捻れが生じ、シートバック1の左側のショルダ部12は、図4(c)に示すように後方へ変位する。また、このとき右側のショルダ部11は、車両前後方向には殆ど変位しない。
このように、一方の駆動手段15を駆動させたときには、左右のショルダ部11,12の一方のみが車両後方へ変位する。
次に、図1に基づいて説明する。
実施例1の操舵支援装置Aは、モータ駆動回路4を制御する制御手段としての操舵状態推定コントローラ5と、シートクッション位置センサ61およびシートバック角度センサ62と、舵角センサ63と、車速センサ64と、を備えている。
シートクッション位置センサ61およびシートバック角度センサ62は、操舵状態検出手段において窮屈着座状態を検出する窮屈着座検出手段の一部を構成する。
シートクッション位置センサ61は、運転席DSの車両前後方向の位置に応じた信号を出力する。
シートバック角度センサ62は、例えばポテンショメータなどで構成され、側部フレーム13b,13cの下端部あるいは駆動手段15に設けられ、シートバック1の左右のそれぞれの起立角度に応じた信号を出力する。
舵角センサ63は、図外のステアリングコラムなどに取り付けられ、ハンドル7の中立位置からの回動角度に応じた信号を出力するもので、操舵状態検出手段において頻繁持替操舵状態判定手段の一部を構成している。
車速センサ64は、図外の車軸などに取り付けられ、その回転速度すなわち車速に応じた信号を出力する。
操舵状態推定コントローラ5は、各センサ61,62,63,64からの入力に基づいて、窮屈操舵状態(窮屈着座状態および頻繁持替操舵状態)を検出し、かつ、その検出結果に基づいて駆動手段15,15を駆動させる操舵支援制御を実行する。したがって、操舵状態推定コントローラ5は、操舵状態検出手段および制御手段を構成している。
次に、図5のフローチャートに基づいて、操舵状態推定コントローラ5の窮屈操舵状態の判定および操舵支援制御の制御流れについて説明する。
ステップS1では、推奨ポジションの読み込みを行う。本実施例1では、運転者DR毎にあらかじめ設定された運転席DSの推奨ポジションが記憶されている。なお、この推奨ポジションの読み込みは、例えば、運転者DR毎に専用のエンジン始動用のキーが設定されており、このキーの所有者に応じた推奨ポジションが読み込まれる。
この推奨ポジションは、運転者DRが理想的な運転姿勢をとったときのシートクッション2の前後方向位置ならびにシートバック1の起立角度として記憶されている。また、理想的な運転姿勢とは、運転者DRが、図外のペダル類を充分に踏める位置に腰を配置し、かつ、図4(a)のように、左右の腕AMを軽く伸ばした状態でハンドル7の頂点を保持できる位置に上半身UBを配置した姿勢である。
なお、運転席DSには、駆動手段15,15の他に、シートクッション2の前後方向位置や上下方向高さを変更する図示を省略した駆動手段が設けられている。そして、エンジン始動時には、運転席DSの状態を運転者DRに応じた推奨ポジションに移動させる周知の始動時制御を実行する。なお、この始動時制御の詳細については、本発明の要旨ではないので説明を省略するが、シートクッション位置センサ61およびシートバック角度センサ62は、この制御に使用する既存のセンサである。
ステップS2では、シート状態を読み込む。すなわち、シートクッション位置センサ61およびシートバック角度センサ62の出力から、シートクッション2の位置およびシートバック1の起立角度を読み込む。
続くステップS3とステップS4とにより、窮屈操舵状態であるか否かを判定するもので、ステップS3では、窮屈着座状態であるか否かを判定し、ステップS4では、頻繁持替操舵状態であるか否かを判定する。
すなわち、ステップS3では、読み込んだシート状態に基づいて、シートバック1のショルダ部11,12の位置がステップS1で読み込んだ推奨ポジションよりも車両前方に配置されているか否か判定する。そして、ショルダ部11,12が推奨ポジションよりも車両前方に配置されている場合には、窮屈着座状態であるとしてステップS4に進み、それ以外の場合、すなわち非窮屈着座状態の場合は、他の処理をスキップして1回の流れを終了する。
なお、それ以外の場合とは、ショルダ部11,12の位置が推奨ポジションに一致しているか、推奨ポジションよりも車両後方に配置されていることを意味する。また、シートバック1のショルダ部11,12の位置は、シートバック1の起立角度だけではなく、シートクッション2の位置にも基づいて総合的に判定する。
このように、本実施例1では、シートクッション位置センサ61、シートバック角度センサ62および操舵状態推定コントローラ5のステップS3の判定を行う部分で窮屈着座状態検出手段が構成されている。
また、ステップS4で行う頻繁持替操舵状態の判定の詳細については後述するが、ステップS3とステップS4との両方でYESと判定された場合、窮屈操舵状態と判定されたことを意味し、この場合には、後述する操舵支援フラグがセットされる。なお、舵角センサ63および操舵状態推定コントローラ5のステップS4の判定を行う部分で頻繁持替操舵状態検出手段が構成されている。
そして、ステップS5では、操舵支援フラグがセットされているか否か判定し、セット時には、ステップS6に進んで、操舵支援制御を実行し、操舵支援フラグがクリアされている場合には、ステップS7に進んで、操舵支援制御を非実行とする。
なお、ステップS6の操舵支援制御実行時には、左右の駆動手段15,15のうちで操舵方向側のもののみを、側部フレーム13b,13cを車両後方へ倒すよう駆動させ、シートバック1に、図3に示すような捩れ変形状態を形成する。
また、ステップS7の操舵支援制御の非実行時には、シートバック1の状態をステップS2で検出された位置に保持するが、その時点で、操舵支援制御を実行していた場合には、操舵支援制御を終了してシートバック1をステップS2で計測された元の状態に復帰させる。
次に、ステップS4の頻繁持替操舵状態を判定する処理のサブフローを図6のフローチャートにより説明する。
ステップS401では、現在の舵角を検出し、次のステップS402では、舵角が中立位置であるか否かを判定し、中立位置でなければステップS403に進んで、現在の舵角を時系列的に記録する。この時系列的な記録は、本実施例1では、0.2秒間隔で記録するものとする。また、その際に車速が0km/h、すなわち停車状態であれば、この記録は行わない。なお、中立位置とは、直進走行時のハンドル7の位置であり、本実施例1では、或る程度の幅が与えられているものとする。
一方、ステップS402において中立位置の場合には、ステップS404に進み、頻繁持替操舵状態の判定中であるか否かを判定する。すなわち、この頻繁持替操舵状態の判定は、中立位置から操舵を行って中立位置に戻るまでの舵角を記録し、この舵角データに基づいてステップS405以降の処理で行う。そこで、頻繁持替操舵状態の判定を開始するには、舵角が中立位置に戻る必要がある。一方、直進走行中である場合、舵角が中立位置となっており、ステップS405以降の頻繁持替操舵状態の判定は不要である。
よって、ステップS404では、同じ中立位置であっても、操舵に伴う舵角データを集めこれに基づきこれから頻繁持替操舵状態の判定を開始するタイミングであるか、直進走行の継続中であるかを判定している。そして、前者の場合にはステップS405に進み、後者の場合には、ステップS405〜S412をパスして1回のフローを終了する。
なお、この判定は、ステップS403において記録された時系列的な舵角データが存在するか否かで判定し、この舵角データが記録領域に存在する場合にステップS405に進み、舵角データが存在しない場合には、フローを終了する。
ステップS405では、ステップS403で記録された舵角データに対して判定対象範囲を設定する。すなわち、本実施例1では、記録された全ての舵角データに基づいて頻繁持替操舵状態の判定を行うのではなく、ノイズ除去を目的として、記録された舵角データのうちで最小舵角と最大舵角とからそれぞれ20%を除いた範囲を判定対象とする{図7(a1)(a2)参照}。
次のステップS406では、判定対象となる舵角の各記録値の差分値と記録時間間隔とを用いて、記録値ごとに操舵角速度を求める。
次のステップS407では、ステップS406で求めた操舵角速度を集計し、その分布を求める。本実施例1では、この分布は、5deg/secステップのヒストグラム上に集約するもので、この分布の例を図7(b1)(b2)に示している。
次のステップS408では、分布の半数が含まれる角速度域の割合Rを求める。この割合Rとは、角速度の分布のうちで最小値θ(min)から分布の半数が含まれる値θ(h)が、最小値θ(min)から最大値θ(max)までの角速度域に占める割合であって、下記の式1により求める。
R=(θ(h)−θ(min))/(θ(max)−θ(min)) …式1
ここで、この割合Rと操舵状態との関係について図7を用いて説明する。図7(a1)(b1)(c1)は、頻繁な持ち替えを伴わないスムーズな操舵を行った場合を示し、一方、図7(a2)(b2)(c2)は、頻繁な持ち替えを行ったギクシャクした操舵を行った場合を示している。
また、(a1)(a2)は、それぞれステップS403で記録された舵角を示し、(b1)(b2)は、ステップS407で求めた角速度の分布を示し、(c1)(c2)は、角速度の発生頻度を示している。
これらの図に示すように、スムーズな操舵が成された場合には、角速度の最小値θ(min)から最大値θ(max)までの分布範囲が狭まる。そこで、この分布範囲に含まれる角速度データのうちで、最小値θ(min)から分布の半数が含まれる値θ(h)は、図7(c1)に示すようになる。この場合、角速度域で、この値θ(h)が占める割合Rは、例えば、30〜50%よりも大きな値となる。
これに対して、ハンドル7の頻繁な持ち替えを伴うギクシャクした操舵を行った場合、角速度の上下が頻繁に繰り返されることから、角速度の最小値θ(min)から最大値θ(max)までの分布範囲が広がる。このため、図7(c1)(c2)に示すように、最小値θ(min)から分布の半数が含まれる値θ(h)は、図7(c2)に示すようになる。この場合、角速度域で、この値θ(h)が占める割合Rは、スムーズな操舵を行った場合に比べて小さな値となり、例えば、30〜50%よりも小さな値となる。
割合Rは、上記のようにハンドル7のギクシャク操舵の程度(言い換えると操舵のスムーズさ)に対応していることから、続くステップS409では、割合Rが判定基準値Rs未満であるか否か判定する。そして、割合Rが、判定基準値Rs未満の場合には、ステップS410に進み、判定基準値Rs以上の場合には、ステップS411に進む。なお、判定基準値Rsは、ハンドル7のギクシャク操舵すなわち頻繁な持替操舵であるか否かを判定する値であって、本実施例1では、この判定基準値Rs=50%とするが、これに限定されるものではなく、頻繁な持ち替えを判断する値として適正な値を実験値などに基づいて任意に設定してよい。
頻繁持替操舵状態と判定された場合に進むステップS410では、操舵支援フラグをセットする。一方、頻繁持替操舵状態ではないと判定された場合に進むステップS411では、操舵支援フラグをリセットする。
その後、ステップS412に進んで、ステップS403で舵角を記録する記録領域をクリアする。なお、この記録領域に記録された舵角がクリアされた場合には、ステップS404において、非頻繁持替操舵状態判定中と判定される。
次に、実施例1の作用を説明する。
運転者DRがエンジンを始動すると、各運転者DRに応じた推奨ポジションが読み込まれ(ステップS1)、さらに、現在のシート状態が読み込まれた後(ステップS2)窮屈操舵状態であるか否かが判定される。
この窮屈操舵状態の判定は、まず、シート状態が運転者DRにとって窮屈着座状態となっているか否か判定する(ステップS3)。そして、理想的な運転姿勢がとれる推奨ポジションよりもシートバック1のショルダ部11,12がハンドル7に近づいている場合は、窮屈着座状態と判定され、さらに、頻繁持替操舵状態であるか否かの判定が成される(ステップS4)。
この頻繁持替操舵状態の判定は、操舵が行われた際に、中立位置から再び中立位置に戻るまでの舵角を記録し、この記録に基づいて求めたギクシャク操舵(言い換えるとスムーズさ)に対応する値である割合Rに基づいて行われる。
そして、頻繁持替操舵状態と判定された場合には、操舵支援フラグがセットされ(ステップS410)、それ以降の操舵時には、シートバック1の左右のショルダ部11,12の操舵方向側のものを車両後方へ移動させる操舵支援が実行される(ステップS6)。
なお、運転席DSが、推奨ポジションとなっていれば、ステップS4〜S7の処理が成されることはなく、操舵支援制御も成されない。
以上の動作において、スムーズな操舵が成された場合と、頻繁持替操舵が成さた場合とについて、それぞれの動作を詳細に説明する。
( スムーズ操舵時)
運転席DSを推奨ポジションに配置した場合、運転者DRとハンドル7との位置関係は、図4(a)に示すように、腕AMがある程度伸びている。この場合、運転者DRは、ハンドル7に回転力を与えることが容易であり、充分な回転力を与えることができ、操舵もスムーズに行われる。
スムーズな操舵が行われた場合、舵角の変化は、例えば、図7(a1)のようにスムーズな変化となる。そして、このようにスムーズに舵角が変化した場合、角速度の分布が(b1)に示すように、正規分布に近くなる。この場合、最小値θ(min)から半数が分布する値θ(h)が角速度域に占める割合Rは、図7(c1)に示すように、比較的大きな値(50%以上)となる。
このようなスムーズな操舵状態では、図6のフローチャートに示す頻繁持替操舵状態の判定では、ステップS405以降では、S406→S407→S408と進んで、ステップS409において、NOと判定されて、操舵支援フラグがクリアされ、操舵支援制御が実行されることはない。
(ギクシャク操舵時)
一方、図4(b)に示すように、ハンドル7とシートバック1との間隔LKが同図(a)の推奨ポジションの場合の間隔LLよりも接近した窮屈着座状態では、左右の腕AMが窮屈に折曲される。この状態では、操舵時の腕のストローク量が小さくなり、ハンドル7に充分な回転力を与えることが難しくなる。よって、操舵時に、大きくハンドルを回そうとすると、頻繁にハンドル7の持ち替えを行う必要が生じる。
このような場合、操舵時の舵角は、持ち替えのたびに角速度が上下し、図7(a1)のような一様な変化とならずに、例えば、図7(a2)に示すようなギクシャクした変化となる。このような場合、操舵時の角速度の分布は、図7(b2)に示すように、角速度のピークが複数生じる分布となる。
このため、角速度分布において最小値θ(min)から半数が含まれる値θ(h)が角速度域に占める割合Rは、図7(c2)に示すように、小さくなる。
よって、ステップS409において、YESと判定されて、操舵支援フラグがセットされ、これ以降、操舵が成された場合には、操舵支援制御が実行される。
次に、操舵支援制御が実行された場合の作動を、車両の左方向に操舵が成されたときを例に挙げて説明する。
左操舵時には、運転席DSの左側の駆動手段15が駆動して、側部フレーム13cが車両後方へ回動され、シートバック1が図3に示すように捻られ、左側のショルダ部12が推奨ポジションまで変位し、ハンドル7とショルダ部12とが推奨ポジションの間隔LLとなる。
この場合、図4(c)に示すように、運転者DRの肩甲骨の部分とシートバック1の左側のショルダ部12との間のスペースが広がり、運転者DRの上半身UBを左方向へ捻る自由度が高まり、左側の腕AMでハンドル7を引き下ろす操作を行いやすくなる。そのため、図4(b)に示すようにシートバック1を捻らない場合に比べ、ハンドル7に回転力が与えやすくなる。
したがって、操舵の際の操作ストローク量が大きくなって、操舵性が向上する。また、このとき、シートバック1を捻るだけであり、シートクッション2は移動させないため、図外のペダル類との位置関係が変化することが無く、ペダル類との相対位置の変化により車両コントロール性に悪影響を与えることを防止できる。
なお、操舵後にハンドル7を中立位置へ戻した際には、操舵支援制御を終了し駆動手段15は、側部フレーム13cを元の位置に戻す。
以上のように、本実施例1では、運転者DRの上半身UBがハンドル7に接近した姿勢に起因した窮屈な着座状態で頻繁な持替操舵状態が検出された場合、シートバック1のショルダ部11,12のうちで操舵方向側を車両後方へ移動させる操舵支援制御が実行される。よって、操舵の際の操作ストローク量が、操舵支援制御を実行しない場合に比べて大きくすることができ、操舵性を向上させることができる。
しかも、このとき、シートバック1を捻るだけであり、シートクッション2は移動させないため、図外のペダル類との位置関係が変化することが無く、ペダル類との相対位置が変化することで車両コントロール性に悪影響を与えることを防止できる。
加えて、シートバック1は、ショルダ部11,12の操舵方向側を後方へ変位させるだけで、操舵方向とは反対側は、変位させないようにしている。このため、操舵支援制御によるシートバック1の動きを好ましくないと運転者DRが判断した場合、この移動していない側に上半身UBを支持させた状態として操舵を実行して、運転者DRの意に添わない作動の影響を受けることを防止できる。
さらに、この操舵支援制御は、操舵の際に常に行われるのではなく、窮屈な着座状態と頻繁な持替操舵状態が検出された場合に限られており、操舵の状態に関わらず推奨ポジションでは操舵支援制御が実行されず、また、窮屈な着座状態であるがスムーズな操舵が行われている場合にも、操舵支援制御は実行されない。このように、操舵支援が必要な状況でありかつ有効な状況でのみ、操舵支援制御を的確に実行することができる。
また、本実施例1では、窮屈操舵状態を判定するのを運転席DSの状態と操舵状態とで判断するようにしているが、この判断を行うのにあたって、既存のシートクッション位置センサ61およびシートバック角度センサ62を利用している。すなわち、運転席DSの状態を運転者DRごとに登録した状態に制御するのに使用するセンサ61,62を利用している。したがって、製造コストを抑えることができる。
しかも、頻繁持替操舵状態検出手段としても、既存の舵角センサ63を利用している。よって、これによっても製造コストを抑えることができる。
さらに、頻繁持替操舵状態の判定を、頻繁持替操舵の際に、値のばらつきが発生する角速度の分布に基づいて行うようにしているため、頻繁持替操舵状態を的確に判定することができる。しかも、中立位置から操舵を開始して再び中立位置に戻る間の操舵角をサンプリングして判定するようにしているため、操舵の一部で判定するのと比較して、ノイズ成分の影響を受けにくく、頻繁持替操舵状態の判定精度が高い。
加えて、本実施例1では、記録された操舵角のうち、上下の20%の値を除いて分布の判定を行うようにしているため、全操舵角を用いるものに比べて、微細な修正舵などのノイズ成分を除去することができ、これによっても、頻繁持替操舵状態の判定精度を高めることができる。
また、実施例1では、運転者DRごとに、運転者DRの体格に応じた理想的な運転姿勢をとることのできるシート状態である推奨ポジションを設定しておき、この推奨ポジションに基づいて窮屈着座状態を判定するようにしたため、個別の体格に応じない一定値を基準にするものと比較して、より的確な操舵支援を行うことができる。
さらに、運転席DSにおいて、シートバック1の骨格部材13では、上部フレーム13dと各側部フレーム13b,13cとをボールジョイント13f,13gで接続するとともに、各側部フレーム13b,13cの下部に、ヒンジ13hを設けた。このため、側部フレーム13b,13cの一方を後方へ倒したときに、骨格部材13において、例えば、スライド部分のような寸法吸収部分を設ける必要が無く、安定した作動が得られる。
次に、本発明の実施の形態の実施例2の操舵支援装置Bについて説明する。なお、この実施例2を説明するにあたり、前記実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
この実施例2の操舵支援装置Bは、頻繁持替操舵状態検出手段が実施例1と異なる。
すなわち、実施例2では、頻繁持替操舵状態検出手段として、舵角センサ63に加えて、図8に示す接触センサ65が設けられている。この接触センサ65は、運転者DRがハンドル7を握っている接触状態であるか否かを検出するもので、静電容量型や接点接触型のセンサで構成されており、ハンドル7の全周に亘って設けられている。
また、ハンドル7が握られるたびに、それを接触回数としてカウントするカウンタ66が設けられており、このカウンタ66の出力は、操舵状態推定コントローラ205に出力される。
次に、操舵状態推定コントローラ205における操舵支援制御について説明する。この操舵支援制御では、実施例1の図5のステップS4で示した頻繁持替操舵状態の判定処理の一部が異なる。
そこで、図9のフローチャートに基づいて、実施例2における頻繁持替操舵判定処理について説明する。なお、図9に示すフローチャートにおいて、実施例1と同じ処理については、実施例1と同じステップ番号を付して説明を省略し、実施例1との相違点を中心に説明する。
まず、中立位置から操舵して舵角を記録するステップS403に続くステップS2401では、ハンドル7の接触回数を記録する。この接触回数とは、中立位置から操舵した際に、カウンタ66にカウントされた接触回数である。
また、実施例2では、実施例1と同様に、中立位置から操舵して再び中立位置に戻った時点で、ステップS404からステップS2402以降の頻繁持替操舵状態判定を行う。この頻繁持替操舵状態判定を行うにあたって、まず、ステップS2402では、ステップS403において記録された舵角の判定対象範囲を決定する。この場合、実施例1と異なり、中立位置から最大舵角までの全範囲を判定対象範囲とする。
続くステップS2403では、ステップS2401においてカウントされた接触変化回数を求める。この接触変化回数は、要するにハンドル7の持ち替えを行った回数のことであり、すなわち、操舵中に、ハンドル7から手を離したとき、再び握ったとき、のそれぞれで1としてカウントされる。
次のステップS2404では、単位舵角あたりの接触変化回数である単位持替回数nを求める。すなわち、1回の操舵における舵角の変化角度と、その間にカウントされた接触変化回数から、単位角度あたりの接触変化回数である単位持替回数nを演算する。本実施例2では、単位角度を180度としている。
さらに、ステップS2405では、単位持替回数nがあらかじめ設定された持替回数判定基準値Ns以上であるか否か判定し、n≧Nsの場合には、操舵支援フラグをセットし(ステップS410)、n<Nsの場合には、操舵支援フラグをクリアする(ステップS411)。なお、実施例2では、持替回数判定基準値Ns=5としている。すなわち、ハンドル7を180度以上回動させることを想定した場合、スムーズな操舵の場合、左右の手でそれぞれ持ち替えが成され(離すことおよび握ることが)1回ずつ成され、この場合の接触変化回数は4となる。そこで、これを基準の持替回数とし、これを超える持ち替えが行われた場合、頻繁な持ち替えが成されたと判定する。ただし、一般的なスムーズな操舵では、この4回の持ち替えで180度よりも大きな角度の操舵が成されるため、単位角度(180度)における接触変化回数である持替回数判定基準値Nsは4に設定してもよいし、あるいは、6以上の値としてもよい。
また、ステップS2406では、記録領域に記録されたステップS403による舵角の記録およびステップS2401による接触回数の記録をクリアする。
次に、実施例2の作用について説明する。
実施例2では、窮屈操舵状態の判定を、運転席DSの状態(窮屈着座状態)と、操舵時におけるハンドル7の持替回数に基づく頻繁持替操舵状態判定処理により行う。
ここで、運転席DSの状態、すなわち窮屈着座状態の判定は、実施例1と同様である。
一方、頻繁持替操舵状態判定処理では、操舵の際の、実際のハンドル7の持替回数(接触変化回数)をカウントし、操舵によるハンドル7の単位角度変化中の持替回数である単位持替回数nに基づいて行い、この単位持替回数nが持替回数判定基準値Ns以上であるか否かで判定する。
このように、実施例2では、実際に行われたハンドル7の持替回数をカウントし、ハンドル7をあらかじめ設定された角度だけ回動させるのに、何回の持ち替えが成されたかを示す単位持替回数nで頻繁な持ち替えが行われたか否かを判定するようにした。このため、高い精度で頻繁持替操舵状態の判定を行うことができる。
なお、操舵支援フラグがセットされた場合に行われる操舵支援制御は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。
次に、本発明の実施の形態の実施例3の操舵支援装置について説明する。なお、この実施例3を説明するにあたり、前記実施例1あるいは実施例2と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
この実施例3の操舵支援装置は、実施例2の変形例であり、実施例2と同様に、頻繁持替操舵状態を、舵角センサ63と接触センサ65との検出に基づいて行うが、頻繁持替操舵状態判定の処理内容が実施例2と相違する。
そこで、図10に示すフローチャートにより持替操舵判定処理の流れを説明する。
ステップS401で現在の操舵角を検出した後、ステップS3401では、操舵角がハンドル7の中立位置であるか否か判定し、中立位置の場合には、操舵支援制御を実行することは無いため、ステップS411に進んで、操舵支援フラグをクリアする。
一方、中立位置ではない場合、ステップS3402に進んで、接触センサ65の検出に基づいてハンドル7への接触状態を検出する。
そして、続くステップS3403において、持ち替え操作が実行されたか否か判定し、実行されない場合には、ステップS401に戻り、持ち替え操作が実行された場合は、ステップS3404に進む。
このステップS3404では、持替間隔角度Mθを求める。この持替間隔角度Mθとは、中立位置から操舵を開始して最初に持ち替えが実行されるまでの操舵角度、すなわち、1回の持ち替えが行われるまでのハンドル7の回動角度に相当する。したがって、この持替間隔角度Mθが大きいほど、スムーズな操舵が成されていることを示し、逆に、この持替間隔角度Mθが小さいほど、窮屈な操舵が行われていることを意味する。
そこで、ステップS3405では、持替間隔角度Mθがあらかじめ設定された舵角判定基準値Ms未満であるか否か判定し、Mθ<Msの場合には、ステップS410に進んで操舵支援フラグをセットする。一方、Mθ≧Msの場合には、ステップS411に進んで操舵支援フラグをクリアする。
なお、実施例3では、舵角判定基準値Msは、120〜150度の範囲の値としている。
したがって、この実施例3では、中立位置からの操舵の途中で最初に持ち替えが行われた時点で(ステップS3403)、その時点までの操舵角度である持替間隔角度Mθに基づいて、操舵支援フラグをセットするかクリアするかが判定される(ステップS3405)。
よって、実施例3では、早い段階で操舵支援制御を開始することができる。なお、操舵支援制御の内容は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。
次に、本発明の実施の形態の実施例4の操舵支援装置について説明する。なお、この実施例4を説明するにあたり、前記実施例1ないし実施例3と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
実施例4では、頻繁持替操舵状態の判定を行うにあたって、実施例3で示した持替間隔角度Mθによる判定(ステップS4100)と、実施例1で示した割合Rによる判定(ステップS4200)と、実施例2で示した単位持替回数nによる判定(S4300)と、のそれぞれを実行するようにした。
この場合、各判定において、それぞれ独立して操舵支援フラグがセットおよびクリアされ、それに続く各ステップS4101,S4201,S4301において、操舵支援フラグがセットされているか否か判定し、いずれかの操舵支援フラグがセットされている場合には、それぞれステップS4101,S4201,S4301からステップS6に進み、ステップS4400,S4401により操舵支援制御が実行される。
一方、ステップS4301において操舵支援フラグがセットされていない場合には、ステップS8に進み、操舵支援制御は非実行あるいは終了となる。
さらに、実施例4では、操舵支援制御の内容が実施例1〜3とは異なっている。すなわち、実施例4では、操舵支援制御においてシートバック1の起立角度を0〜100%の範囲で可変制御を行うようにしている。ここで、0%とは、ステップS2で計測したその時点のシートバックの起立角度におけるショルダ部の位置である。また、100%は、あらかじめセットされた推奨ポジションとしたときのショルダ部11,12の位置である。
この可変制御を実行するのにあたり、ステップS4400において、側部フレーム13b,13cの変位量を決定し、次のステップS4401において、この決定した変位量に基づいて駆動手段15を駆動させる。
上述のステップS4400における側部フレーム13b,13cの変位量は、後述のステップS4103,S4202,S4302において決定された窮屈度L(1),L(2),L(3)に応じて決定される。
そこで、これら窮屈度L(1),L(2),L(3)について説明する。
図12は、ステップS4100における頻繁持替操舵状態判定のサブフローを示すフローチャートであり、実施例3の頻繁持替操舵状態判定との相違点は、ステップS410において操舵支援フラグをセットした後に、ステップS4102において、窮屈度L(1)を求める点である。
この第1窮屈度L(1)は、中立位置から操舵を行って最初に持ち替えが行われるまでの操舵角である持替間隔角度Mθを、舵角判定基準値Msおよび限界値Mlimと比較して決定する。
なお、限界値Mlimは、持替間隔角度Mθがこの値よりも小さい場合には操舵支援制御を確実に(100%)必要とする限界の値であり、本実施例4では、限界値Mlimは90度としている。
一方、持替間隔角度Mθが舵角判定基準値Ms以上の場合は、最初に持ち替えが成されるまでに充分な操舵角が得られているから、操舵支援制御は不要(0%)とする。
そこで、持替間隔角度Mθが限界値Mlimと舵角判定基準値Msの間の値である場合に、第1窮屈度L(1)を100〜0%の範囲の値に決定する。
すなわち、第1窮屈度L(1)は、以下のようにして求める。
Mθ<Mlimの場合、第1窮屈度L(1)=100%とする。
Mlim≦Mθ<Msの場合、第1窮屈度L(1)は下記の式2により求める。
L(1)=[1−(Mθ−Mlim)/(Ms−Mlim)]×100% …式2
Mθ≧Msの場合、第1窮屈度L(1)=0%とする。
図13は、ステップS4200における頻繁持替操舵状態判定のサブフローを示すフローチャートであり、実施例1の頻繁持替操舵状態判定との相違点は、ステップS410において操舵支援フラグをセットした後に、ステップS4202において、窮屈度L(2)を求める点である。
この第2窮屈度L(2)は、操舵のスムーズさを示す割合Rを、判定基準値Rsおよび限界値Rlimと比較して決定する。
なお、限界値Rlimは、割合Rがこの値よりも小さい場合には、操舵支援制御を確実に(100%)必要とする限界の値であって、本実施例4では、限界値Rlimは20%としている。
一方、割合Rが判定基準値Rs以上の場合は、操舵がスムーズに成されているから、操舵支援制御は不要(0%)とする。
そこで、割合Rが限界値Rlimと判定基準値Rsの間の値である場合に、第2窮屈度L(2)を100〜0%の範囲の値に決定する。
すなわち、第2窮屈度L(2)は、以下のようにして求める。
R<Rlimの場合、第2窮屈度L(2)=100%とする。
Rlim≦R<Rsの場合、第2窮屈度L(2)は下記の式3により求める。
L(2)=[1−(R−Rlim)/(Rs−Rlim)]×100% …式3
R≧Rsの場合、第2窮屈度L(2)=0%とする。
図14は、ステップS4300における頻繁持替操舵状態判定のサブフローを示すフローチャートであり、実施例2の頻繁持替操舵状態判定との相違点は、ステップS410において操舵支援フラグがセットされた後に、ステップS4302において、第3窮屈度L(2)を求める点である。
この第3窮屈度L(3)は、単位操舵角度当たりの持ち替え数である単位持替回数nを、持替回数判定基準値Nsおよび限界値Nlimと比較して決定する。
なお、限界値Nlimは、単位持替回数nがこの値よりも大きい場合には、操舵支援制御を確実に(100%)必要とする限界の値であって、本実施例4では、限界値Nlimは8としている。
一方、単位持替回数nが持替回数判定基準値Ns未満の場合は、単位操舵角当たりの持ち替えが少なく操舵がスムーズに成されているから、操舵支援制御は不要(0%)とする。そこで、単位持替回数nが限界値Nlimと持替回数判定基準値Nsの間の値である場合に、第3窮屈度L(3)を100〜0%の範囲の値に決定する。
すなわち、第3窮屈度L(3)は、以下のようにして求める。
n>Nlimの場合、第3窮屈度L(3)=100%とする。
Nlim≦n<Nsの場合、第3窮屈度L(3)は下記の式4により求める。
L(3)=[1−(Nlim−n)/(Nlim−Ns)]×100% …式4
n≦Nsの場合、第3窮屈度L(3)=0%とする。
以上のようにして求められた各窮屈度L(1),L(2),L(3)には、あらかじめ優先度が与えられていて、複数の窮屈度が得られた場合には、優先度が高い方の値に基づいて操舵支援制御が成される。なお、本実施例4では、実際の握り替え回数に基づく第3窮屈度L(3)、操舵のスムーズさに基づく第2窮屈度L(2)、持替間隔角度に基づく第1窮屈度L(1)の順で優先度を与えているものとする。
そして、操舵支援制御が成された場合、推奨ポジションのショルダ部11,12の位置を100%として、得られた窮屈度L(1),L(2),L(3)のいずれかの値に応じた量だけ、両側部フレーム13b,13cのうちで操舵方向側が後傾される。
以上説明したように、実施例4は、実施例1によるハンドル7の実際の動きに(スムーズさ)に基づく割合Rと、実施例2による単位持替回数nと、実施例3による持替間隔角度Mθのいずれかが、各判定値Rs,Ns,Msを越えた時点で、操舵支援が有効な頻繁持替操舵状態であると判定することができる。
よって、上記3種類の判定のいずれか1つの判定を行うものに比べて、より確実に頻繁持替操舵状態を検出でき、適切な操舵支援制御が実行可能となる。そして、実施例3のように持替間隔角度Mθによる判定では素早く判定することができる。また、実施例1および実施例2のように、操舵を開始して中立に戻るまでの1操舵に基づく確実な判定とを併用することで、それぞれの特性を生かし、一方のみでの検出漏れの発生を抑制できる。
さらに、シートバック1のショルダ部11,12の車両後方への移動量を、頻繁持替操舵状態の程度が高いほど移動量を大きく、逆に頻繁持替操舵状態の程度が低いほど移動量を小さくした。詳細には、舵角変化のスムーズさが劣るほど移動量を大きく、ハンドル7の単位持替回数nが大きいほど移動量を大きく、ハンドル7の持ち替え時までの舵角が小さいほど移動量を大きくしている。また、ショルダ部11,12を最大に移動させた位置が、推奨ポジションにおけるショルダ部11,12の位置とした。
このように、実施例4では、操舵支援制御時のショルダ部11,12の移動量を、実際の操舵状態に応じてきめ細かく調整するようにしたため、操舵に有効な姿勢調整に対して運転者DRに与える違和感を抑えることができる。
なお、他の作用効果については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜4を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1〜4に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
すなわち、頻繁持替操舵状態をハンドルのギクシャク操舵(言い換えると、スムーズ操舵)に基づいて検出するにあたり、実施例1では、角速度の分布の割合Rで判断するようにしたが、角速度それ自体で判定してもよい。すなわち、図7(b2)に示すように、角速度の符号の向きが変化する箇所が複数発生した時点で、頻繁持替操舵状態と判定するようにしてもよい。なお、実施例1のように、割合Rに基づいて判定する場合、サンプリング数が多い場合に、精度高く判定することができる。後者の角速度に基づいて判定する場合、少ないサンプリング数でも短時間に判定することが可能となる。
また、実施例1〜3では、操舵支援制御時のモータ15aの駆動量は、推奨ポジション時のショルダ部11,12の位置まで変位させる駆動量としたが、これに限定されず、あらかじめ設定された量だけ駆動させてもよい。この場合、制御の簡略化を図って構成も簡略かできる。
また、実施例1〜4では、側部フレーム13b,13cを、その下端部から回動させることにより、シートバック1の左右の上部であるショルダ部11,12を車両後方に変位させるようにしたが、シートバック1の左右上部を変位させる手段としては、これに限定されない。例えば、側部フレーム13b,13cを、上下方向中間部から車両後方へ折り曲げるような機構を設け、この折り曲げにより変位させるようにしてもよい。
本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aを示すブロック図である。 本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aに用いられた運転席DSを示す一部を破断した斜視図である。 前記運転席DSの操舵支援制御時の状態を示す一部を破断した斜視図である。 本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aの作用説明図であり、(a)は推奨ポジションでの操舵状態を示し、(b)は窮屈着座状態および頻繁持替操舵状態を示し、(c)は操舵支援制御の実行時を示している。 本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aの制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aのサブフローであって頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例1の操舵支援装置Aの作用説明図であり、(a1)はスムーズ操舵時の舵角、(b1)はスムーズ操舵時の角速度、(c1)はスムーズ操舵時の角速度分布、(a2)は頻繁持替操舵時の舵角、(b2)は頻繁持替操舵時の角速度、(c2)は頻繁持替操舵時の角速度分布、を示している。 本発明の実施の形態の実施例2の操舵支援装置Bの要部を示す概略説明図である。 本発明の実施の形態の実施例2の操舵支援装置Bのサブフローであって頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例3の操舵支援装置のサブフローであって頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例4の操舵支援装置の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例4の操舵支援装置のサブフローであって持替間隔角度Mθに基づく頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例4の操舵支援装置のサブフローであって割合Rに基づく頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の実施例4の操舵支援装置のサブフローであって単位持替回数nに基づく頻繁持替操舵状態の判定処理の制御流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 シートバック
4 モータ駆動回路
5 操舵状態推定コントローラ(操舵状態検出手段:制御手段)
7 ハンドル
11 ショルダ部(右上部)
12 ショルダ部(左上部)
15 駆動手段(シートバック変位手段)
61 シートクッション位置センサ(操舵状態検出手段)
62 シートバック角度センサ(操舵状態検出手段)
63 舵角センサ(操舵状態検出手段)
65 接触センサ(操舵状態検出手段)
66 カウンタ(操舵状態検出手段)
205 操舵状態推定コントローラ(操舵状態検出手段:制御手段)

Claims (10)

  1. 操舵方向を検出可能な操舵状態検出手段と、
    運転席のシートバックにおいて、運手者を支持する支持面の少なくとも左右上部を、左右それぞれ独立して車両後方へ変位可能なシートバック変位手段と、
    操舵時に、前記支持面の左右上部のうち操舵方向側の上部を車両後方へ変位させる操舵支援制御を行う制御手段と、
    を備えていることを特徴とする操舵支援装置。
  2. 前記操舵状態検出手段に、運転者が、上半身をハンドルに接近させ過ぎた姿勢に起因した腕の窮屈状態で頻繁な持ち替えを伴う操舵状態である窮屈操舵状態であるか否かを検出する窮屈操舵状態検出手段が含まれ、
    前記制御手段は、前記窮屈操舵状態が検出されたときに、前記操舵支援制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の操舵支援装置。
  3. 前記窮屈操舵状態検出手段が、前記運転席のシートバックが運転者の体格に応じた適正位置よりもハンドルに接近した窮屈着座状態を検出する窮屈着座状態検出手段と、頻繁な持ち替えを伴う操舵状態である頻繁持替操舵状態を検出する頻繁持替操舵状態検出手段と、を備え、前記窮屈着座状態と頻繁持替操舵状態とが検出されたときに、前記窮屈操舵状態と判定することを特徴とする請求項2に記載の操舵支援装置。
  4. 前記頻繁持替操舵状態検出手段が、操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、この操舵角検出手段の検出に基づいて、舵角速度の分布が広がったハンドルのギクシャク操舵が検出された場合に、前記頻繁持替操舵状態を判定することを特徴とする請求項3に記載の操舵支援装置。
  5. 前記頻繁持替操舵状態検出手段が、ハンドルにおける運転者の手の接触状態を検出する接触検出手段を備え、この接触検出手段が検出するハンドル持替回数が、あらかじめ設定された持替回数判定基準値よりも多い場合に、前記頻繁持替操舵状態と判定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の操舵支援装置。
  6. 前記頻繁持替操舵状態検出手段が、操舵角を検出する操舵角検出手段とハンドルにおける運転者の手の接触状態を検出する接触検出手段とを備え、操舵時に中立位置から最初の持ち替えが検出されるまでの操舵角である持替間隔舵角を求め、この持替間隔舵角があらかじめ設定された舵角判定基準値よりも小さい場合に、前記頻繁持替操舵状態を判定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の操舵支援装置。
  7. 前記シートバック変位手段は、前記操舵支援制御による作動時に、前記支持面の左右上部のうち、操舵方向とは反対側の上部は、操舵開始時の位置に配置したままで、操舵方向側の上部を車両後方へ変位させるよう構成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の操舵支援装置。
  8. 前記制御手段は、前記操舵支援制御時に前記ショルダ部を最大限に後方へ移動させた位置を、運転者が推奨の運転姿勢をとったときの位置としたことを特徴とする請求項7に記載の操舵支援装置。
  9. 前記制御手段が、前記操舵支援制御時の前記シートバックの変位量を、前記窮屈操舵状態検出手段の検出値に応じて変更することを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載の操舵支援装置。
  10. 前記制御手段は、前記操舵支援制御時の前記シートバックの変位量を、前記ハンドルのギクシャクした操作の程度と前記ハンドル持替回数と前記持替間隔舵角との、いずれかで得られた持替頻度の程度に応じ、この持替頻度が高いほどシートバックの変位量を大きくすることを特徴とする請求項9に記載の操舵支援装置。
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