JPH0725271A - 自動車の機器調整装置 - Google Patents

自動車の機器調整装置

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JPH0725271A
JPH0725271A JP5171357A JP17135793A JPH0725271A JP H0725271 A JPH0725271 A JP H0725271A JP 5171357 A JP5171357 A JP 5171357A JP 17135793 A JP17135793 A JP 17135793A JP H0725271 A JPH0725271 A JP H0725271A
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JP
Japan
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seat
eye point
adjusting
occupant
automobile
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JP5171357A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Murakami
哲也 村上
Yoshitsugu Masuda
尚嗣 増田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリングホイール50等の機器の位置調
整を乗員のアイポイントPに応じて精度よく行うことが
できる自動車の機器調整装置を提供する。 【構成】 シート48に着座した乗員の視覚を利用して
該乗員のアイポイントPを検出し、このアイポイントP
に応じてステアリングホイール50等の機器の位置調整
を行う。上記アイポイントPの検出は、左右1対のジョ
イスティック26、28のスティック44を、これが点
になって見える角度に調節することにより行う。これに
より、アイポイントPを三次元的に精度よく検出するこ
とができ、したがって、乗員の着座位置に応じてステア
リングホイール50等の機器の位置調整を精度よく行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車においてシート
への乗員の着座位置に応じて所定機器の位置を調整する
機器調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、乗員の視界確保、車
両衝突時の安全性確保等の観点から、シートに対して乗
員を常に適正な位置に着座させるようにすることが好ま
しい。乗員の着座位置は、シートに着座した乗員のアイ
ポイント(目の位置)により略正確に決定することがで
きることから、所定の基準アイポイントを設定し、乗員
のアイポイントをこの基準アイポイントに一致させるよ
うにすれば乗員を常に適正な位置に着座させることがで
きる。
【0003】これに関連して、実開平4−25386号
公報には、乗員のアイポイントが基準アイポイントとな
るよう乗員の体格(身長)に応じてシートの高さを自動
的に調整するシート高さ調整装置が提案されている。
【0004】また、基準アイポイントを設定しない場合
であっても、乗員のアイポイントを正確に検出すること
ができれば、このアイポイントに応じてエアバッグその
他の乗員保護装置等の機器の位置調整を行うことが可能
となり、これにより安全性向上等を図ることができる。
【0005】これに関連して、特開昭61−18823
6号公報には、乗員のアイポイントに合わせてヘッドア
ップディスプレイの表示位置を調整する表示位置調整装
置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシート高さ調整装置においては、乗員の体格(身
長)に応じてシートの高さを調整するものであるため、
乗員のアイポイントを基準アイポイントに精度よく一致
させることが困難であり、また上下方向に関しては乗員
のアイポイントを基準アイポイントに近づけることがで
きるとしても前後および左右方向に関しては全く調整す
ることができない。したがって、シートに対する乗員の
着座位置を適正位置とする上で必ずしも十分でない、と
いう問題がある。
【0007】また、上記従来のシート高さ調整装置にお
いては、乗員自身は基準アイポイントがどの位置なのか
知ることができないため、乗員がそのアイポイントを基
準アイポイントに一致させようとしても一致させるため
の操作は行うことができない、という問題がある。
【0008】ところで、乗員のアイポイントが三次元的
に精度よく検出されていないと、エアバッグその他の乗
員保護装置等の機器の位置調整を行うことができない
が、上記従来の表示位置調整装置におけるアイポイント
検出精度では、上記のような機器位置の調整を行う上で
不十分である、という問題がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、所定機器の位置調整を乗員のアイポイ
ントに応じて精度よく行うことができる自動車の機器調
整装置を提供することを主たる目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートに着座
した乗員の視覚を利用することにより、乗員のアイポイ
ントの検出精度を高め、これに基づく適切な機器調整を
可能ならしめ、もって上記目的達成を図るようにしたも
のである。
【0011】すなわち、請求項2に記載したように、自
動車のシートに着座した乗員の視覚を利用して該乗員の
アイポイントを検出するアイポイント検出手段と、この
アイポイント検出手段により検出されたアイポイントに
応じて所定機器の位置を調整する機器位置調整手段と、
を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】あるいは、請求項4に記載したように、自
動車のシートに着座する乗員の基準アイポイントを該シ
ートに着座した乗員の視覚に訴えて教示する基準アイポ
イント教示手段と、この基準アイポイントに対応する前
記シートの基準位置を設定するシート基準位置設定手段
と、前記シートの位置を調整するシート位置調整手段
と、前記シートに着座した乗員のアイポイントを前記基
準アイポイントに一致させるよう前記シートの位置を調
整したときの、前記基準位置からの調整量を検出する調
整量検出手段と、この調整量に応じて所定機器の位置を
調整する機器位置調整手段と、を備えてなることを特徴
とするものである。
【0013】
【発明の作用および効果】上記構成に示すように、請求
項2記載の発明においては、自動車のシートに着座した
乗員の視覚を利用して該乗員のアイポイントを検出する
ように構成されているので、乗員のアイポイントを三次
元的に精度よく検出することができる。そして、このア
イポイントに応じて所定機器の位置を調整するように構
成されているので、乗員の着座位置に応じて所定機器の
位置調整を精度よく行うことができる。
【0014】特に、乗員のアイポイントは乗員の頭部の
位置に等しいので、上記所定機器として、エアバッグ
(請求項6)、ヘッドレスト(請求項7)、シートベル
ト(請求項8)等の乗員保護装置(請求項5)を採用し
た場合、車両衝突時の安全性確保を効果的に図ることが
できる。また、上記所定機器として、ステアリングホイ
ール(請求項9)を採用した場合には、運転がしやすく
なることはもちろんのこと、ステアリングシャフトがい
わゆるコラプス機能を備えている場合には、車両衝突時
そのコラプス機能を確実に発揮させることができる。
【0015】上記所定機器としては、以上に例示したも
の以外にも、ベレーキベダルその他のペダル類やメータ
やシフトレバー等があるが、上記のように、乗員の着座
位置に応じて所定機器の位置調整が一律に行われた場
合、所定機器の種類によっては乗員の好み等に応じて該
所定機器を調整後の位置から少しずらしたい、という要
請が生じることも考えられる。そこで、請求項11に記
載したように、機器位置調整手段による所定機器の位置
調整が完了した後も、所定範囲内での該所定機器に対す
る微調整を可能ならしめる微調整手段を備えてなる構成
とすれば、上記要請に応えることができる。
【0016】また、請求項4記載の発明においては、自
動車のシートに着座する乗員の基準アイポイントを該シ
ートに着座した乗員の視覚に訴えて教示するように構成
されているので、乗員自身によりそのアイポイントを所
定の基準アイポイントに三次元的に精度よく一致させる
ことができる。したがって、上記基準アイポイントを乗
員の視界確保の上で最適な位置に設定しておけば、上記
一致操作により最適な視界を確保することができる。
【0017】しかも、請求項4記載の発明においては、
基準アイポイントに対応してシートの基準位置を設定し
ておき、上記一致操作時における該基準位置からシート
の調整量を検出し、この調整量に応じて所定機器の位置
を調整するように構成されているので、基準アイポイン
トに一致せしめられた乗員のアイポイントに応じて(す
なわち略適正位置にある乗員の着座位置に応じて)所定
機器の位置調整を精度よく行うことができる。したがっ
て、乗員の最適な視界を確保した上で車両衝突時の安全
性確保を効果的に図ることができる。
【0018】ところで、請求項4記載の発明のように、
乗員のアイポイントを基準アイポイントに一致させるよ
うシートの位置を調整するように構成した場合には、そ
のシート調整方法によっては、調整後のシートのシート
バックが傾斜しすぎたり立上がりすぎたりして乗員がシ
−トに着座しにくくなってしまう、という問題が生じる
ことが考えられる。
【0019】そこで、請求項10に記載したように、シ
ートに着座した乗員のアイポイントを基準アイポイント
に一致させるようシートの位置を調整した後の、該シー
トのシートバックの傾斜角を検出し、この傾斜角が所定
角度範囲から外れているときには、該傾斜角が所定角度
範囲に入るようシートバックの傾斜角を調整するととも
に、乗員のアイポイントと基準アイポイントとの一致状
態が維持されるようシートのシートクッションの位置を
調整する構成を採用すれば、シ−トに対する乗員の着座
姿勢を快適かつ安全性の高いものとすることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。
【0021】図1は、本発明に係る機器調整装置の第1
実施例を示すブロック図である。
【0022】この機器調整装置は、アイポイント検出回
路12、ステアリング(STG)位置調整回路14およ
びヘッドレスト位置調整回路16からなるECU18
と、アクチュエータ類20〜24と、左右1対のジョイ
スティック26、28と、スイッチ類30〜38とを備
えてなっている。
【0023】左右1対のジョイスティック26、28
は、図2に示すように、インストルメントパネル40に
おけるステアリングシャフト42の左右両側の対称位置
に設けられている。これら各ジョイスティック26、2
8は、スティック44が支持部46にユニバーサルに支
持されており、支持部46裏側に設けられた図示しない
センサによりスティック44の向きを検出し、その検出
信号をアイポイント検出回路12へ入力するようになっ
ている。
【0024】ECU18においては、図4にフローチャ
ートで示すような機器調整制御が行われるようになって
いる。
【0025】まず、アイポイント検出回路12は、乗員
(運転者)がシート48に着座した状態で各ジョイステ
ィック26、28を操作して、そのスティック44が点
になって見えるようにした状態において自動セットスイ
ッチ30をオンにすると、各ジョイスティック26、2
8の検出信号から乗員のアイポイント(目の位置…正確
には眉間の位置)Pを演算するようになっている(ステ
ップS1〜S3)。すなわち、図4に示すように、右側
ジョイスティック26のスティック44の水平投影角度
θ1 および左側ジョイスティック28のスティック44
の水平投影角度θ2 とからアイポイントPの水平面内に
おける位置を演算するとともに、両ジョイスティック2
6、28のスティック44の鉛直投影角度θ3 からアイ
ポイントPの高さ位置を演算することにより、アイポイ
ントPを三次元座標データとして検出するようになって
いる。こうして検出された乗員のアイポイントPはステ
アリング位置調整回路14およびヘッドレスト位置調整
回路16に入力されるようになっている。
【0026】ステアリング位置調整回路14およびヘッ
ドレスト位置調整回路16には、乗員のアイポイントP
の三次元座標に対応するステアリングホイール50およ
びヘッドレスト52の最適位置がマップデータとして予
め記憶されている。そして、ステアリング位置調整回路
14は、アイポイント検出回路12からアイポイントP
が入力されると、マップ検索によりアイポイントPの三
次元座標データに対応したステアリングホイール最適位
置を規定し、この最適位置にステアリングホイール46
を位置させるべく、ステアリング上下動アクチュエータ
20およびステアリング前後動アクチュエータ22を駆
動するようになっている。また、ヘッドレスト位置調整
回路16は、アイポイント検出回路12からアイポイン
トPが入力されると、マップ検索によりアイポイントP
の三次元座標データに対応したヘッドレスト最適位置を
規定し、この最適位置にヘッドレスト52を位置させる
べく、ヘッドレスト上下動アクチュエータ24を駆動す
るようになっている(ステップS4〜S8)。
【0027】ステアリング位置調整回路14およびヘッ
ドレスト位置調整回路16は、さらに、ステアリングホ
イール50およびヘッドレスト52が上記各最適位置に
調整された後も、所定範囲内でこれらステアリングホイ
ール50およびヘッドレスト52に対する微調整を可能
ならしめるようになっている。この微調整が可能な範囲
(微調整範囲)は、乗員の好みに応じてステアリングホ
イール50あるいはヘッドレスト52を調整後の位置か
ら少しずらしたいという要請が生じることを考慮したも
のであって、上記各最適位置から大きくずれない範囲に
設定されている。すなわち、上記微調整範囲は、ステア
リングホイール46については上下方向、前後方向共に
±5cm、ヘッドレスト48については上下方向に±3
cmに設定されている。
【0028】ステアリング位置調整回路14は、ステア
リング上下動マニュアルスイッチ32が操作されると、
上記微調整範囲を限度として、その操作された分だけそ
の操作された方向にステアリング上下動アクチュエータ
20を駆動し(ステップS11〜S12)、ステアリン
グ前後動マニュアルスイッチ34が操作されると、上記
微調整範囲を限度として、その操作された分だけその操
作された方向にステアリング前後動アクチュエータ20
を駆動するようになっている(ステップS13〜S1
4)。同様に、ヘッドレスト位置調整回路16は、ヘッ
ドレスト上下動マニュアルスイッチ36が操作される
と、上記微調整範囲を限度として、その操作された分だ
けその操作された方向にヘッドレスト上下動アクチュエ
ータ24を駆動するようになっている(ステップS15
〜S16)。
【0029】上記自動セットスイッチ30がオフにされ
ると、上記ステアリングホイール50およびヘッドレス
ト52の各最適位置の規定が解除され(ステップS9〜
S10)、新たなアイポイントPの三次元座標データに
対応した最適位置の算出に備えるようになっている。
【0030】図1において、キャンセルスイッチ38
は、シフトレバーがPレンジにありかつサイドブレーキ
がオンになったとき(すなわち、停車あるいは駐車状態
にあるとき)、オン状態になるスイッチであって、ステ
アリング位置調整回路14およびヘッドレスト位置調整
回路16は、キャンセルスイッチ38からオン信号が入
力されると、各アクチュエータ20、22、24が初期
状態となるようにこれらを駆動するようになっており、
これにより、乗員(運転者)が交代した場合等の機器調
整制御に備えるようになっている。
【0031】以上説明したように、本実施例において
は、自動車のシート48に着座した乗員の視覚を利用し
て該乗員のアイポイントPを検出するように構成されて
いるので、乗員のアイポイントPを三次元的に精度よく
検出することができる。そして、このアイポイントPに
応じてステアリングホイール50およびヘッドレスト5
2を調整するように構成されているので、乗員の着座位
置に応じてステアリングホイール50およびヘッドレス
ト52の位置調整を精度よく行うことができる。
【0032】特に、乗員のアイポイントPは乗員の頭部
の位置に等しいので、車両衝突時の安全性確保を効果的
に図ることができる。すなわち、精度よく位置調整され
たヘッドレスト52により車両衝突時乗員の頭部を確実
に保護することができ、また、精度よく位置調整された
ステアリングホイール50により、運転がしやすくなる
ことはもちろんのこと、車両衝突時ステアリングシャフ
ト42のコラプス機能を確実に発揮させることができ
る。
【0033】また、本実施例においては、上記位置調整
が完了した後も、ステアリングホイール50およびヘッ
ドレスト52の微調整が可能であり、したがって、乗員
の好み等に応じた調整も行うことができる。
【0034】次に本発明の第2実施例について説明す
る。
【0035】図5は、本発明に係る機器調整装置の第2
実施例を示すブロック図である。
【0036】この機器調整装置は、第1実施例に対し、
ジョイスティック26、28によるスティック44の向
き検出は行われず、またアイポイントPの検出を行うア
イポイント検出回路12も存在せず、その代りに、シー
ト位置調整回路54、シートクッションアクチュエータ
56、シートバックアクチュエータ58、シートクッシ
ョン位置センサ60およびシートバック傾斜角サンサ6
2を備えてなっている。
【0037】本実施例においては、左右1対のジョイス
ティック26、28の構成が第1実施例と異なってい
る。すなわち、各ジョイスティック26、28のスティ
ック44が、シート48に着座する乗員の基準アイポイ
ントP0 (乗員の視界確保の上で最適な位置に設定され
ている。)で交差する向きに固定されており、これによ
り、基準アイポイントP0 をシート48に着座した乗員
の視覚に訴えて教示するようになっている。
【0038】自動セットスイッチ30の操作がなされる
と、シート位置調整回路54は、シートクッション64
の位置調整およびシートバック66の傾斜角調整によっ
てシート48の位置を基準アイポイントP0 に対応した
基準位置に一致させるようになっている。この基準位置
は、標準体型の乗員がシート48に着座したとき、その
アイポイントPが基準アイポイントP0 に一致する位置
に設定されている。シート48の位置を基準位置に一致
させる動作は、シートクッションアクチュエータ56お
よびシートバックアクチュエータ58の駆動による、シ
ートクッション64の前後動および上下動ならびにシー
トバック66の傾動によって行われるようになってい
る。
【0039】次に、図6に示すように、乗員自身が、そ
のアイポイントPを基準アイポイントP0 に一致させる
ようシート48の位置を調整するようになっている。こ
の調整は、シートクッション64の前後位置および上下
位置調整ならびにシートバック66の傾斜角調整によっ
て行われるようになっている(手動操作あるいはマニュ
アルスイッチ入力により行われる)。その後、自動セッ
トスイッチ30の操作が再度なされると、シート位置調
整回路54には、シートクッション位置センサ60から
シートクッション64の前後位置Xおよび上下位置Y
が、シートバック傾斜角サンサ62からシートバック6
6の傾斜角θB が入力されるようになっている。
【0040】上記調整後のシートバック66が傾斜しす
ぎたり立上がりすぎたりすると、乗員がシ−ト48に着
座しにくくなってしまうので、シート位置調整回路54
は、シートバック66の傾斜角θB が所定角度範囲θ1
〜θ2 から外れているときには、θ1 <θB <θ2 とな
るようシートバック66の傾斜角θB を調整するととも
に、乗員のアイポイントPと基準アイポイントP0 との
一致状態が維持されるようシートクッション64の前後
位置Xおよび上下位置Yを調整するようになっている。
【0041】シート位置調整回路54は、シートクッシ
ョン64の前後位置Xおよび上下位置Yならびにシート
バック66の傾斜角θB と、シート48の上記基準位置
におけるシートクッション64の前後位置X0 および上
下位置Y0 ならびにシートバック66の傾斜角θB0との
差(すなわちシート48の調整量)を各々算出し、この
算出結果をステアリング位置調整回路14およびヘッド
レスト位置調整回路16に入力するようになっている。
ステアリング位置調整回路14およびヘッドレスト位置
調整回路16は、シート48の調整量に応じて各アクチ
ュエータ20、22、24を駆動するようになってい
る。この機器調整制御は第1実施例と同様にして行われ
るようになっている。
【0042】以上説明したように、本実施例において
は、シート48に着座する乗員の基準アイポイントP0
を該シート48に着座した乗員の視覚に訴えて教示する
ように構成されているので、乗員自身によりそのアイポ
イントPを所定の基準アイポイントP0 に三次元的に精
度よく一致させることができる。基準アイポイントP0
は乗員の視界確保の上で最適な位置に設定されているの
で、上記一致操作により最適な視界を確保することがで
きる。
【0043】しかも、本実施例においては、基準アイポ
イントP0 に対応してシート48の基準位置を設定して
おき、上記一致操作時における該基準位置からのシート
48の調整量を検出し、この調整量に応じてステアリン
グホイール50およびヘッドレスト52の位置を調整す
るように構成されているので、基準アイポイントP0
一致せしめられた乗員のアイポイントPに応じて(すな
わち略適正位置にある乗員の着座位置に応じて)ステア
リングホイール50およびヘッドレスト52の位置調整
を精度よく行うことができる。したがって、乗員の最適
な視界を確保した上で車両衝突時の安全性確保を効果的
に図ることができる。
【0044】さらに、本実施例においては、シート48
に着座した乗員のアイポイントPを基準アイポイントP
0 に一致させるようシート48の位置を調整した後の、
該シート48のシートバック66の傾斜角θB を検出
し、この傾斜角θB が所定角度範囲θ1 〜θ2 から外れ
ているときには、該所定角度範囲θ1 〜θ2 に入るよう
該傾斜角θB を調整するとともに、乗員のアイポイント
Pと基準アイポイントP0 との一致状態が維持されるよ
うシート48のシートクッション64の位置を調整する
ようになっているので、シート48に対する乗員の着座
姿勢を快適かつ安全性の高いものとすることができる。
【0045】ところで、第1実施例においては、図2に
示すように、インストルメントパネル40におけるステ
アリングシャフト42の左右両側の対称位置に設けられ
左右1対のジョイスティック26、28を用いるように
したが、これに代えて、図7に示すように、右側のジョ
イスティック26を廃止してシート48側方のドア68
に前後に摺動するスケール70を用いてもよい。この場
合には、乗員が右を向いてスケール70が左右の目の中
心位置(眉間)に一致するよう該スケール70を調節す
れば、スケール70の位置よりアイポイントPの前後方
向の位置が決定するので、左側のジョイスティック28
のスティック44が点に見えるように調節すれば、アイ
ポイントPの三次元的な位置が定まる。なお、上記第2
実施例についても、スケール70を基準アイポイントP
0 となるべき点の真横位置に固定しておけば、同様に基
準アイポイントP0 の三次元的な位置が定まる。
【0046】また、上記各実施例においては、ステアリ
ングホイール50およびヘッドレスト52のみを位置調
整の対象機器としたが、これは説明の煩雑を避けるため
であり、これ以外にも、エアバッグ、シートベルト等を
も位置調整の対象機器に加えるようにしてもよいことは
もちろんである。この場合、例えば、図8に示すよう
に、エアバッグ72については該エアバッグ72をステ
アリングホイール50に対して上下に回動させることに
より、また、シートベルト74については該シートベル
ト74のセンタピラー76への取付け部78を上下動さ
せることにより位置調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の機器調整装置の第1実施例
を示すブロック図
【図2】第1実施例の作用を示す平面図
【図3】第1実施例の作用を示すフローチャート
【図4】第1実施例の作用を示す説明図
【図5】本発明に係る車両の機器調整装置の第2実施例
を示すブロック図
【図6】第2実施例の作用を示す側面図
【図7】第1、第2実施例の変形例の作用を示す平面図
【図8】その他の実施例の作用を示す側面図
【符号の説明】
12 アイポイント検出回路(アイポイント検出手
段) 14 ステアリング位置調整回路(機器位置調整手
段)(微調整手段) 16 ヘッドレスト位置調整回路(機器位置調整手
段)(微調整手段) 18 ECU 26、28 ジョイスティック(基準アイポイント教
示手段) 44 スティック 48 シート 50 ステアリングホイール 52 ヘッドレスト 54 シート位置調整回路(シート位置調整手段、調
整量検出手段)(シート位置修正手段) 60 シートクッション位置センサ 62 シートバック傾斜角センサ 64 シートクッション 66 シートバック 72 エアバッグ 74 シートベルト P アイポイント P0 基準アイポイント θB 傾斜角

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のシートに着座した乗員の視覚を
    利用して該乗員のアイポイントを検出するアイポイント
    検出手段を備えてなることを特徴とする自動車の機器調
    整装置。
  2. 【請求項2】 自動車のシートに着座した乗員の視覚を
    利用して該乗員のアイポイントを検出するアイポイント
    検出手段と、 このアイポイント検出手段により検出されたアイポイン
    トに応じて所定機器の位置を調整する機器位置調整手段
    と、を備えてなることを特徴とする自動車の機器調整装
    置。
  3. 【請求項3】 自動車のシートに着座する乗員の基準ア
    イポイントを該シートに着座した乗員の視覚に訴えて教
    示する基準アイポイント教示手段を備えてなることを特
    徴とする自動車の機器調整装置。
  4. 【請求項4】 自動車のシートに着座する乗員の基準ア
    イポイントを該シートに着座した乗員の視覚に訴えて教
    示する基準アイポイント教示手段と、 この基準アイポイントに対応する前記シートの基準位置
    を設定するシート基準位置設定手段と、 前記シートの位置を調整するシート位置調整手段と、 前記シートに着座した乗員のアイポイントを前記基準ア
    イポイントに一致させるよう前記シートの位置を調整し
    たときの、前記基準位置からの調整量を検出する調整量
    検出手段と、 この調整量に応じて所定機器の位置を調整する機器位置
    調整手段と、を備えてなることを特徴とする自動車の機
    器調整装置。
  5. 【請求項5】 前記所定機器が乗員保護装置であること
    を特徴とする請求項2または4記載の自動車の機器調整
    装置。
  6. 【請求項6】 前記乗員保護装置がエアバッグであるこ
    とを特徴とする請求項5記載の自動車の機器調整装置。
  7. 【請求項7】 前記乗員保護装置がヘッドレストである
    ことを特徴とする請求項5記載の自動車の機器調整装
    置。
  8. 【請求項8】 前記乗員保護装置がシートベルトである
    ことを特徴とする請求項5記載の自動車の機器調整装
    置。
  9. 【請求項9】 前記所定機器がステアリングホイールで
    あることを特徴とする請求項2または4記載の自動車の
    機器調整装置。
  10. 【請求項10】 自動車のシートに着座する乗員の基準
    アイポイントを該シートに着座した乗員の視覚に訴えて
    教示する基準アイポイント教示手段と、 この基準アイポイントに対応する前記シートの基準位置
    を設定するシート基準位置設定手段と、 前記シートの位置を調整するシート位置調整手段と、 前記シートに着座した乗員のアイポイントを前記基準ア
    イポイントに一致させるよう前記シートの位置を調整し
    た後の、該シートのシートバックの傾斜角を検出する傾
    斜角検出手段と、 この傾斜角が所定角度範囲から外れているときには、該
    傾斜角が所定角度範囲に入るよう前記シートバックの傾
    斜角を調整するとともに、前記アイポイントと前記基準
    アイポイントとの一致状態が維持されるよう前記シート
    のシートクッションの位置を調整するシート位置修正手
    段と、を備えてなることを特徴とする自動車の機器調整
    装置。
  11. 【請求項11】 前記機器位置調整手段による前記所定
    機器の位置調整が完了した後も、所定範囲内での該所定
    機器に対する微調整を可能ならしめる微調整手段、を備
    えてなることを特徴とする請求項2、4、5、6、7、
    8または9記載の自動車の機器調整装置。
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