JP2007330664A - 止血具 - Google Patents

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守 町屋
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Abstract

【課題】出血部を含む広い範囲にわたって確実に処置手段を当接できるようにする。
【解決手段】ハンドル部材10に設けた端子部6と電気的に接続した導電ワイヤ16は、可撓性シース11内に設けた内側チューブ14内に挿通されており、内側チューブ14には袋状のネット状電極15の基端部が固着され、導電ワイヤ16の先端部はネット状電極15に固着されており、可撓性シース11の先端部で内側チューブ14を覆い、ネット状電極15を収縮状態にして、内側チューブ14に収納させることができ、内側チューブ14を可撓性シース11の先端から導出させ、かつ導電ワイヤ16を内側チューブ14側に引き込むことによってネット状電極15が膨らむように拡張され、かつ可撓性シース11と直交する方向に扁平な円形となるように変形する。
【選択図】図5

Description

本発明は、内視鏡等のガイド手段を用いて体腔内に挿入して、出血箇所を焼灼により凝固するようにして止血するために用いられる止血具に関するものである。
例えば、内視鏡を用いた処置を行っている間に出血が生じたときには止血を行うことになる。体内の出血箇所に対する止血を行う処置方式として、大きな血管が損傷したような場合には、結紮により止血が行われることになるが、通常は、焼灼による凝固が行われることになる。この焼灼を行う処置具としての止血具は、体内への挿入部材の先端に高周波電源に接続した電極を装着したものが用いられる。そして、この止血具の電極と患者との間に高周波電流を流して、そのときに発生する熱により出血箇所を焼灼することにより止血がなされる。
内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通されて、体内壁の出血箇所を凝固させることにより止血を行う止血具としては、例えば特許文献1に開示されているものが知られている。この特許文献1に開示されている止血具は、加熱手段を設けたプローブの先端に袋状に形成され、熱伝導率の高い銅繊維からなる止血手段を装着したものであり、この止血手段を構成する銅繊維に加熱手段からの熱を伝達させる構成としている。従って、この止血手段を体内壁における出血部分に押し当てることによって、出血箇所が凝固される。また、この特許文献1には、止血手段として、バルーンにより袋状繊維部材を球形に膨らませることができるようになし、この袋状繊維部材からなる止血手段にヒータを取り付ける構成としたものも示されている。
また、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通可能な電気絶縁性のチューブ内にワイヤを挿通させ、このワイヤの先端に電気絶縁部材で覆われ、先端面が露出した電極を連結することにより止血手段とした止血具が特許文献2に開示されている。この場合には対極板を用い、この対極板を被検者に当接させておき、チューブの先端から止血手段としての電極を導出させて、体腔内壁に押し当てるようになし、この電極と対極板との間で高周波電流を流すことにより焼灼により止血を行うことができる。
特開2003−210482号公報 特開2002−125981号公報
ところで、体内壁の出血箇所を止血する際には、出血部を含む比較的広い範囲にわたって止血手段を当接させることが望ましい。しかしながら、特許文献1の止血手段は概略球形となったものであり、体内壁がこの球面に対応する曲面形状であれば、広い面で当接させることができるが、出血箇所の体内壁が平坦乃至平坦に近い形状となっていると、止血手段は実質的に点接触となり、広い範囲にわたる処置を行うことができない。また、特許文献2に開示されている止血手段は細い棒状の電極であることから、やはり体内壁に対する接触面積を十分に得ることができないという問題点がある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、出血部を含む広い範囲にわたって確実に処置手段を当接できるようにすることにある。
前述した目的を達成するために、本発明は、高周波電源に接続される端子部を設けた操作手段に電気絶縁性部材からなる可撓性シースを連結し、前記可撓性シース内には前記端子部に電気的に接続した導電ワイヤを挿通させ、前記導電ワイヤの先端にはネット状電極が連結して設けられ、前記ネット状電極は前記可撓性シースの内部に収縮状態で格納され、この可撓性シースの先端から突出させると拡張して平面形状の当接面が形成される構成としたことをその特徴とするものである。
可撓性シースは内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通可能な外径寸法を有するものとする。この可撓性シース内にネット状電極を収納させておくことにより、可撓性シースは処置具挿通チャンネルの内面に対して円滑に摺動する。そして、可撓性シースは処置具挿通チャンネルに対して滑りの良い部材で構成することができ、また外表面に滑りを良くするコーティングを施す等によりさらに止血具の挿入操作性が良好となる。
止血手段はネット状電極を含むものであり、このネット状電極は可撓性シース内に直接挿入されるか、この可撓性シース内に内側チューブを摺動可能に挿入し、この内側チューブ内に止血手段としてのネット状電極を連結して設ける構成とすることもできる。ネット状電極は可撓性シースの内部に収納させると縮小状態となる。この縮小状態ではネット状電極を軸線方向に細化させるようにして縮小するのが望ましい。ネット状電極は高周波電源に接続される端子部と導通する導電ワイヤの先端に連結されており、このネット状電極に高周波電流が流されることになる。高周波電流を流す際には、ネット状電極は概略平面形状にするが、その剛性を調整しておくことによって、当接される体内壁の形状に応じるように変形させることができる。このために、ネット状電極を体内壁に軽く押し当てるだけで、体内壁の状態に追従して面接触することになり、止血部を含む比較的広い領域を焼灼でき、もって迅速かつ確実な止血が可能になる。
ネット状電極を拡縮させるために、拡縮作動手段を設け、この拡縮作動手段を操作することによって、ネット状電極を拡張させるように構成することができる。例えば、可撓性シース内には可撓性を有する内側チューブを挿通させ、この内側チューブの先端にネット状電極の基端部を固着して設け、かつ内側チューブ内にネット状電極の内部に拡縮作動手段を設けるようにする。そして、操作手段によりこの拡縮作動手段を内側チューブ内で押し引き操作することによりネット状電極を拡縮させることができる。この場合、ネット状電極の先端部分に導電ワイヤを連結することにより、この導電ワイヤを拡縮作動手段として機能させることができる。
また、複数本の導電性弾性フィンガを用いてネット状電極を拡縮させることもできる。この場合には、導電性弾性フィンガは導電ワイヤの先端に連結され、袋状に形成したネット状電極の内部に挿入する。この場合、これら各導電性弾性フィンガは相互に離間する方向に反るように癖付けしておき、可撓性シース内に引き込んだときに、これら導電性弾性フィンガがほぼ真っ直ぐな状態になるように変形されるようにする。そして、導電性弾性フィンガに対する規制が解除されたときに、袋状となったネット状電極が広げられて、導電性弾性フィンガに囲まれた内部が概略平面形状となる。さらに、導電ワイヤの先端に導電部材からなる弾性ループ部を設け、このループ部にネット状電極を貼り付ける構成とすることもできる。
体内壁における出血箇所がどのような状態でも、ネット状電極を確実に面接触させることができ、しかも広い面で当接するので、円滑かつ確実に止血することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に止血装置の全体構成を示す。同図から明らかなように、止血装置1は内視鏡100と共に患者Pの体腔内に挿入して、出血箇所の止血が行われる。ここで、止血は内視鏡100の処置により発生するものや、他の原因で生じる出血等、いずれの場合にも適用できる。止血装置1は、止血具2と高周波電源装置3から構成され、さらに対極板4を含むものである。そして、高周波電源装置3と止血具2との間は、ケーブル5により電気的に接続されることになる。
内視鏡100は、本体操作部101と、体腔内への挿入部102とを有するものであって、本体操作部101には処置具導入部103が形成されており、この処置具導入部103には処置具挿通チャンネル104が接続され、この処置具挿通チャンネル104は挿入部102の先端に開口している。止血装置1を構成する止血具2は、この内視鏡100において、処置具導入部103から処置具挿通チャンネル104内に挿入されて、挿入部102の先端から所定長さ突出させて、止血のための処置が行われることになる。
止血具2は、図2に示したように、ハンドル部材10と、このハンドル部材10に連結した可撓性シース11とから構成されており、ハンドル部材10は操作手段を構成するものである。ハンドル部材10は、本体軸12と、この本体軸12の軸線方向に移動可能に設けたスライダ13とから構成されている。そして、スライダ13には端子部6が設けられており、高周波電源装置3からのケーブル5はこの端子部6に着脱可能に接続されることになる。
ハンドル部材10から延在させた可撓性シース11は内視鏡100の処置具挿通チャンネル104の長さより長尺のものであり、その内部に止血手段が装着されている。この止血手段の断面が同図に拡大して示されている。この止血手段は、可撓性シース11の内部に挿通させた内側チューブ14を有し、この内側チューブ14の先端部にはネット状電極15がろう付け等の手段により固着して設けられている。ネット状電極15は弾性を有する金属ワイヤを袋状に編んだものからなり、編目はできるだけ細かくする。そして、好ましくは、ネット状電極15は、その軸線方向の中間部分で外向きに折れ曲がって扁平な形状となるように癖付けされるようにする。
内側チューブ14の基端部は本体軸12に連結されている。そして、この内側チューブ14内には導電ワイヤ16が挿通されており、この導電ワイヤ16の先端はネット状電極15にろう付け等の手段により固着されている。従って、導電ワイヤ16とネット状電極15とは電気的に導通しており、またこの導電ワイヤ16は端子部6と電気的に導通している。また、この導電ワイヤ16はスライダ13に連結されており、スライダ13を本体軸12に沿って移動させると、導電ワイヤ16が内側チューブ14内で前後方向に押し引きされることになる。
このように、スライダ13を本体軸12に沿って移動させることにより導電ワイヤ16を押し引きするために、図3に示した構成となっている。即ち、本体軸12には、軸線方向に向けてスリット部12aが形成されており、このスリット部12aの内部にはスライダ13に連結した作動駒17が摺動可能に配置されている。この作動駒17は金属等の導電部材から構成され、図示は省略するが、作動駒17は端子部6と電気的に接続されている。そして、導電ワイヤ16の基端部はこの作動駒17に連結されており、また内側チューブ14は本体軸12の先端における連結筒部12bに固定されている。これによって、スライダ13を本体軸12に沿って移動させると、内側チューブ14内で導電ワイヤ16が押し引きされることになる。
一方、可撓性シース11の基端部には硬質部材からなるホルダリング18が連結して設けられており、このホルダリング18は本体軸12の連結筒部12bに着脱可能に連結されるようになっている。そして、ホルダリング18を連結筒部12bに嵌合させた状態に保持するために、ホルダリング18の内面には複数個所の突起19が設けられており、また連結筒部12bの外周面には円環状の溝20が形成されている。従って、可撓性シース11は内側チューブ14に対して軸線方向に相対移動させることができるようになり、かつホルダリング18を本体軸12の連結筒部12bに嵌合させて、突起19を溝20に係合させることにより、可撓性シース11を本体軸12と連結した状態に保持できるようになっている。
さらに、本体軸12の連結筒部12bには流体接続部21が設けられており、この流体接続部21には、シリンジ,流体給排チューブ等が着脱可能に接続できるようになっている。従って、例えば流体接続部21に液体を貯留したシリンジを接続して、この液体を圧送すると、内側チューブ14内を通り、この内側チューブ14の先端から液体を噴射できるようになる。また、吸引用のチューブを接続すれば、体内からの吸引も可能になる。
以上のように構成される止血装置1の止血具2は、内視鏡100の処置具導入部103から処置具挿通チャンネル104を介して体腔内に挿入させて、患者Pの体腔内に導かれる。そして、止血を行う際には、対極板4を患者Pに当接させておく。ここで、内視鏡100の挿入部102は軟性部,アングル部及び先端硬質部から構成され、アングル部を適宜湾曲操作することによって、先端硬質部の方向を制御できる。
体内に出血部が存在する個所が発見されると、止血具2の可撓性シース11を処置具導入部103から処置具挿通チャンネル104内に挿入するが、このときには、図2に示したように、スライダ13を本体軸12の前方側に配置し、可撓性シース11の基端部に設けたホルダリング18を本体軸12の連結筒部12bから取り外して先端側にずらせておき、もって内側チューブ14の先端に連結したネット状電極15を可撓性シース11により覆うようになし、しかも内側チューブ14に対して導電ワイヤ16を突出させることによってネット状電極15は軸線方向に細長く延びた状態にして収縮させておく。これによって、止血具2が処置具挿通チャンネル104内を進行する際に、ネット状電極15等が処置具挿通チャンネル104の内面と接触することがないので、抵抗なく円滑に処置具挿通チャンネル104内を進行することになり、その先端部が挿入部102の先端から所定の長さ導出される。
止血具2の先端部が処置具挿通チャンネル104から所定長さ導出されたときに、図4に示したように、ホルダリング18を操作し、可撓性シース11をハンドル部10側に引き込んで、連結筒部12bに嵌合させ、ホルダリング18の突起19を連結筒部12bの溝20に係合させる。これによって、ネット状電極15の全体と内側チューブ14の先端部分が可撓性シース11から導出されることになる。このときに、スライダ13は本体軸12の前進位置に保持しておくことにより、ネット状電極15は収縮し、かつ細長く延びた収縮状態に保持される。また、ホルダリング18の突起19を連結筒部12bの外周面に設けた溝20に係合しているので、可撓性シース11と内側チューブ14とは図4に示した位置関係に保持されることになる。
可撓性シース11の先端から突出しているネット状電極15を止血すべき部位に対面させて、スライダ13を本体軸12の基端側に引き込むように操作する。これによって、図5に示したように、内側チューブ14の内部に挿通させた導電ワイヤ16が基端側に引き戻される。これによって、細長く収縮していたネット状電極15が膨らむように拡張されることなり、かつ可撓性シース11と直交する方向に扁平な円形となるように変形する。その結果、図6に示したように、ネット状電極15が可撓性シース11の軸線と直交する方向に大きく広がって概略平面形状となり、内視鏡100の挿入部102の外径より広い範囲を有する網状の電極部からなる当接面が形成される。従って、このネット状電極15と対極板4との間に高周波電流を流すことによって焼灼による止血処置が行われる。これによって、出血箇所だけでなく、その周辺の部位も焼灼されるようになり、もって迅速かつ確実に止血できる。また、出血部が広い範囲に及んでいたり、また複数個所に及ぶような出血部があったりしても、広い当接面を有するネット状電極15によって効率的な止血処置が行われることになる。
ここで、前述したように、内視鏡100の挿入部102は方向制御が可能になっているので、この挿入部102を制御することによって、可撓性シース11から突出しているネット状電極15の当接面の位置及び方向を制御することができる。その結果、出血箇所に対する狙撃性が良好になり、止血に当って最も有効な部位にネット状電極15の当接面を押し当てることができる。
ところで、ネット状電極15は平面形状の当接面となっているので、止血を行うべき箇所が平坦な部位であれば、このネット状電極15を軽く押し当てることにより止血を行うことができる。即ち、焼灼により止血を行うのであるから、ネット状電極15に体内壁に対して格別の押圧力を作用させる必要はない。ただし、出血箇所が、例えば図7に示した胃の噴門等のように、曲がった部位であるときには、ネット状電極15によりある程度の押し付け力を作用させるようにする。これによって、体内壁の曲がりに追従して曲がるようになり、またスライダ13を本体軸12に対して押し引き操作することによって、ネット状電極15が扁平な状態になったり、ある程度の丸味を帯びたりして、その形状を変化させることができるので、体内壁がたとえ複雑な曲面形状となっていても、ネット状電極15を広い面積で当接させて、止血処置を行うことができる。
そして、出血部が血液に覆われて、実際の出血箇所が確認できない場合には、ハンドル部材10の本体軸12に装着した流体接続部21にシリンジ等を接続して、洗浄用液体を供給する。この洗浄用液体は内側チューブ14内に供給されて、その先端から噴出することになる。そして、内側チューブ14の先端開口部より前方にはネット状電極15が配置されているが、洗浄用液体はこのネット状電極15の網目を通してから体内壁に供給される。従って、血液が洗い流されることになるので、出血箇所を容易に確認できるようになる。
止血処置が終了すると、スライダ13を前進させて、ネット状電極15を細長く絞るように収縮させ、次いで可撓性シース11の基端部に設けたホルダリング18を本体軸12の連結筒部12bから離脱して、本体軸12を引き戻すように操作する。これによって、ネット状電極15は可撓性シース11内に収納されることになる。この状態で、止血具2全体を処置具挿通チャンネル104から引き出すように操作する。
次に、図8乃至図11に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の止血具30は、図8及び図9に示したように、可撓性シース31の内部に、基端部がハンドル部材のスライダに連結した導電ワイヤ32が挿通して設けられており、この導電ワイヤ32の先端部にはネット状電極33が装着されている。このネット状電極33は袋状の形状を有するものであって、その基端部は導電ワイヤ32にろう付け等の手段で固着されている。また、導電ワイヤ32の先端には導電性弾性フィンガ34が延設されており、これら導電性弾性フィンガ34はネット状電極33の内部に配置されている。
導電性弾性フィンガ34は、図10からも明らかなように、弾性金属からなるばね部材から構成されており、導電ワイヤ32からの延出部は相互に離間する方向に曲げ癖が付けられており、しかもその先端部には内向きに曲成したループ状の曲成部34aが形成されている。従って、導電ワイヤ32を可撓性シース31内に引き込むと、導電性弾性フィンガ34は概略真っ直ぐな状態に弾性変形され、自由状態では導電性弾性フィンガ34の先端部は拡開状態となり、このときに導電性弾性フィンガ34の曲成部34aがネット状電極33に沿って滑るようにして元の曲げられた状態に復元する。その結果、図11に示したように、ネット状電極33は先端部分が概略平面形状となるように広げられることになる。
以上のように構成することによって、止血具30は内視鏡の処置具挿通チャンネル104内を通過させる際には、導電性弾性フィンガ34及びネット状電極33を可撓性シース31の内部に収納させておく。このときには、各導電性弾性フィンガ34は、可撓性シース31の内面に規制されて、ほぼ真っ直ぐな状態に変形されている。
可撓性シース31が体内壁における出血部に対面したときに、導電ワイヤ32を送り出す。これによって、可撓性シース31の導電性弾性フィンガ34に対する規制が解除されることから、4本設けた各導電性弾性フィンガ34は相互に離間する方向に曲がるように弾性変形することになる。そして、各導電性弾性フィンガ34の曲成部34aとなった先端部分がネット状電極33の内面に沿って滑るように移動して、このネット状電極33は、図11に示したように、概略四角形状に拡開して、先端に平坦な当接面が形成される。なお、当接面の形状は導電ワイヤ32の先端に連結される導電性弾性フィンガ34の数に応じたものとなり、例えば3本の導電性弾性フィンガを設けた場合には、ネット状電極の当接面の形状は概略三角形になる。
このようにして当接面が形成されたネット状電極33を体内壁における出血箇所に当接させて、導電ワイヤ32を介してこのネット状電極33と対極板との間に高周波電流を流すことによって焼灼による止血処置が行われる。そして、止血処置が終了すると、導電ワイヤ32を可撓性シース31内に引き込むように操作することによって、導電ワイヤ32,ネット状電極33及び導電性弾性フィンガ34は可撓性シース31内に引き込まれる。
さらに、図12乃至図14は本発明の第3の実施の形態を示す止血具40が示されている。この止血具40は、可撓性シース41内に導電ワイヤ42を挿通させて設けるが、この導電ワイヤ42はばね性を有する導電部材からなり、その先端部分を折り返すようにして、閉鎖状の弾性ループ42aを形成した上で、その端部を元の部位に固着するように構成し、この弾性ループ42aの部分にネット状電極43を貼り付ける構成としたものである。そして、この弾性ループ42aは、その根元部分から連続的に拡開する形状としている。
このように構成することによって、導電ワイヤ42の先端における弾性ループ42aの部位を可撓性シース41の先端から導出させると、図12に示したように、ネット状電極43は平面形状となるように開いて当接面が形成される。また導電ワイヤ42の弾性ループ42aを可撓性シース41内に引き込むと、図13に示したように、この弾性ループ42aの根元部分から収縮して、可撓性シース41内に収容されることになる。
このように構成した止血具40は、可撓性シース41から導電ワイヤ42を導出させることによりネット状電極43に形成される当接面は可撓性シース41の延長方向に向けて平面化されることになる。従って、例えば体腔管の内部に生じた出血箇所を止血する場合、図14に示したように、内視鏡100の挿入部102の先端から止血具40を導出させ、さらに導電ワイヤ42を可撓性シース41の先端から導出させた上で、挿入部102に設けた湾曲管部を湾曲させるように操作すれば、この体腔管における出血箇所に有効にネット状電極43を押し当てることができる。
本発明の第1の実施の形態を示す止血装置を、それを体腔内に導入ガイドするための内視鏡と共に示す全体構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、ネット状電極を収納させた状態での止血具の正面図であって、この止血具の先端部分の拡大断面と共に示す図である。 図2に示した止血具のハンドル部と可撓性シースとの連結部分を示す断面図である。 ネット状電極を収縮状態で可撓性シースから導出させた状態での止血具の正面図であって、この止血具の先端部分の拡大断面と共に示す図である。 ネット状電極を拡張させた状態での止血具の正面図であって、この止血具の先端部分の拡大断面と共に示す図である。 内視鏡に挿通されて、ネット状電極を拡張させた状態を示す止血具の斜視図である。 第1の実施の形態における止血具を用いて止血処理を行っている状態を示す作用説明図である。 本発明の第2の実施の形態において、ネット状電極を可撓性シース内に引き込んだ状態を示す止血具の先端部分の断面図である。 第2の実施の形態において、ネット状電極を可撓性シースから導出させた状態での図8と同様の断面図である。 第2の実施の形態における導電ワイヤと導電性弾性フィンガとの連結部を示す外観図である。 第2の実施の形態におけるネット状電極を拡張させた状態の正面図である。 本発明の第3の実施の形態において、ネット状電極を可撓性シースから導出させた状態を示す断面図である。 第3の実施の形態において、ネット状電極を可撓性シース内に収納させた状態の断面図である。 第3の実施の形態における止血具を用いて止血処理を行っている状態を示す作用説明図である。
符号の説明
1 止血装置 2,30,40 止血具
3 高周波電源装置 4 対極板
5 ケーブル 6 端子部
10 ハンドル部材 11,31,41 可撓性シース
12 本体軸 13 スライダ
14 内側チューブ 15,33,43 ネット状電極
16,32,42 導電ワイヤ 18 ホルダリング
34 導電性弾性フィンガ 100 内視鏡
104 処置具挿通チャンネル

Claims (4)

  1. 高周波電源に接続される端子部を設けた操作手段に電気絶縁性部材からなる可撓性シースを連結し、
    前記可撓性シース内には前記端子部に電気的に接続した導電ワイヤを挿通させ、
    前記導電ワイヤの先端にはネット状電極が連結して設けられ、
    前記ネット状電極は前記可撓性シースの内部に収縮状態で格納され、この可撓性シースの先端から突出させると拡張して平面形状の当接面が形成される
    構成としたことを特徴とする止血具。
  2. 前記可撓性シース内には可撓性を有する内側チューブが挿通されており、この内側チューブの先端に前記ネット状電極の基端部が固着して設けられ、かつ前記内側チューブ内には前記ネット状電極の内部に拡縮作動手段が設けられ、前記操作手段でこの拡縮作動手段を前記内側チューブ内で押し引き操作することにより前記ネット状電極を拡縮させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の止血具。
  3. 前記ネット状電極は前記導電ワイヤの先端に連結した袋状のもので形成され、また前記導電ワイヤの先端に連結した複数本の導電性弾性フィンガを前記ネット状電極内に配置して、これら各導電性弾性フィンガは相互に離間する方向に反るように癖付けることによって、前記可撓性シースの先端から前記ネット状電極を突出させたときに、平面形状の当接面が形成される構成としたことを特徴とする請求項1記載の止血具。
  4. 前記導電ワイヤの先端には導電部材からなる弾性ループ部が形成され、このループ部材に前記ネット状電極を貼り付ける構成としたこと特徴とする請求項1記載の止血具。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013236884A (ja) * 2012-05-11 2013-11-28 Takeshi Ohira 難治性出血を止血する通常開腹術および内視鏡下手術用止血治具

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JP2013236884A (ja) * 2012-05-11 2013-11-28 Takeshi Ohira 難治性出血を止血する通常開腹術および内視鏡下手術用止血治具

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