JP2007329095A - 放電点灯装置および照明器具 - Google Patents

放電点灯装置および照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れる放電点灯装置および照明器具を提供する。
【解決手段】気密容器1内に封入されている放電ガスに電界を印加して放電プラズマを生成させるための一対の放電用電極2,2と、気密容器1内に配置され放電ガス中へ電子を供給可能な電子源10と、電子源駆動用電源6から電子源10へ駆動電圧を印加させるタイミングを制御するマイクロコンピュータなどからなる制御手段20とを備える。制御手段20は、主電源5から放電用電極2,2間に印加される周期波電圧(図1(b)参照)に同期する所定期間に電子源10へ駆動電圧を印加させて電子を放出させる(図1(c)参照)。気密容器1、一対の放電用電極2,2、電子源10などにより、照明器具用の放電ランプLaを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電点灯装置および照明器具に関するものである。
従来から、気密容器内に封入されている放電ガスに電界を印加して気密容器内の放電プラズマ生成空間に放電プラズマを生成させるための少なくとも一対の放電用電極と、放電ガス中へ電子を供給可能な電子源とを備えた放電点灯装置において、放電用電極間に電圧を印加しながら電子源から放電ガス中へ電子を供給することで、放電開始電圧の低減、放電プラズマの維持電圧の低減、放電プラズマの安定化などの効果が得られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記特許文献1には、上述の放電点灯装置を備え、気密容器の少なくとも一部が透明材料により形成されるとともに、気密容器の内面に放電プラズマで生成される紫外線などで励起されて発光する蛍光体層が形成された発光装置として、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプなどが例示されている。
特開2002−150944号公報
ところで、上述の放電点灯装置において、放電開始電圧の低減効果や放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを確実に得るためには、放電ガス中へ十分な量の電子を供給する必要がある。
しかしながら、上述の放電点灯装置において放電ガス中への電子の供給量を増大させるには、電子源からの電子放出量を増大させる必要があるので、電子源の駆動電圧を高くしたり、電子源の駆動期間を長くする必要があった。特に、上述の放電点灯装置を、図14(a)に示すように気密容器1が長寸で放電経路が長く且つ長時間に亘って放電プラズマを安定化する必要がある放電ランプ(例えば、紫外線ランプ、蛍光ランプなど)Laに適用する場合には、電子源10をより厳しい条件で駆動する必要があり、例えば、一対の放電用電極2,2間に電子源10近傍の放電用電極2(図14(a)における左側の放電用電極2)の電位を基準電位として図14(b)に示すような交流の矩形波電圧が印加されている場合、電子源10から気密容器1内の放電プラズマ生成空間3へ図14(c)に示すように連続して電子eを供給すると、電子源10の寿命および信頼性、電子源での消費電力の増大が問題になると考えられる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れる放電点灯装置および照明器具を提供することにある。
請求項1の発明は、気密容器内に封入されている放電ガスに電界を印加して放電プラズマを生成させるための少なくとも一対の放電用電極と、気密容器内に配置され放電ガス中へ電子を供給可能な電子源と、電子源駆動用電源から電子源へ駆動電圧を印加させるタイミングを制御する制御手段とを備え、制御手段は、対をなす放電用電極間に印加される周期波電圧に同期する所定期間に電子源へ駆動電圧を印加させることを特徴とする。
この発明によれば、制御手段が、対をなす放電用電極間に印加される周期波電圧に同期する所定期間に電子源へ駆動電圧を印加させるので、電子源へ連続して駆動電圧を印加する場合に比べて、電子源の駆動時間を短くしながらも放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを得ることができ、長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される時点よりも、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ前の基準時点の後の第1の時点から、所定極性の電圧の印加が終了する第2の時点までの基準期間内に所定期間を設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出されて放電ガスの電離エネルギを超えるエネルギまで加速される前に放電ガスの分子あるいは原子と衝突する電子、つまり、放電プラズマの生成に寄与しない電子の供給を制限することができ、電子源から放出された電子が放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などに有効に利用される期間のみ電子源が駆動されることとなり、電子源の駆動時間をより短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される時点よりも、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ前の基準時点の後の第1の時点から、所定極性の電圧がピーク値となる第2の時点までの基準期間内に所定期間を設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出されて放電ガスの電離エネルギを超えるエネルギまで加速される前に放電ガスの分子あるいは原子と衝突する電子、つまり、放電プラズマの生成に寄与しない電子の供給を制限することができ、電子源から放出された電子が放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などに有効に利用される期間のみ電子源が駆動されることとなり、電子源の駆動時間をより短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。また、この発明では、所定極性の電圧がピーク値となった後に当該ピーク値から減少する期間も含めて所定期間を設定する場合に比べて、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを低下させることなく、電子源の駆動時間のより一層の短縮化を図れる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される基準時点よりも後の第1の時点から、所定極性の電圧がピーク値となる第2の時点までの期間を所定期間として設定するようにし、第1の時点を、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ第2の時点よりも前に設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出されて放電ガスの電離エネルギを超えるエネルギまで加速される前に放電ガスの分子あるいは原子と衝突する電子、つまり、放電プラズマの生成に寄与しない電子の供給を制限することができ、電子源から放出された電子が放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などに有効に利用される期間のみ電子源が駆動されることとなり、電子源の駆動時間をより短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。また、この発明では、所定極性の電圧がピーク値となった後に当該ピーク値から減少する期間も含めて所定期間を設定する場合に比べて、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを低下させることなく電子源の駆動時間を短縮でき、しかも、第1の時点を平均衝突時間に比べて長い時間だけ第2の時点よりも前に設定する場合に比べて、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを低下させることなく、電子源の駆動時間のより一層の短縮化を図れる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、周期波電圧が直流電圧であり、電子源が一対の放電用電極のうち周期波電圧の印加時に低電位側となる放電用電極の近傍に配置され、制御手段は、放電用電極間に電子源からの電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出された電子が放電用電極間の電界によって加速されるので、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間へより効率的に供給することができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、周期波電圧が交流電圧であり、電子源が一対の放電用電極の少なくとも一方側に配置され、制御手段は、放電用電極間に電子源からの電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出された電子が放電用電極間の電界によって加速されるので、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間へより効率的に供給することができる。
請求項7の発明は、請求項5または請求項6の発明において、電子源が放電用電極を兼ねていることを特徴とする。
この発明によれば、放電用電極と電子源とが別体で電子源が一対の放電用電極の並設方向に直交する方向に並んで配置されている場合に比べて、電子源から放電プラズマ生成空間までの距離を短くすることができ、電子源から放出される電子を放電プラズマ生成空間へ効率的に供給することができるとともに、放電点灯装置の構造の簡略化を図れる。
請求項8の発明は、請求項5または請求項6の発明において、放電用電極のうち電子源の近傍に配置するものは、環状の形状に形成され電子源を囲むように配置されてなることを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出される電子を放電プラズマ生成空間へ効率的に供給することができる。また、電子源の電位と当該電子源を囲む放電用電極の電位とを各別に制御することができるので、両電位を適宜制御することにより、放電プラズマに起因した電子源のダメージの発生を抑制することが可能となり、電子源のより一層の長寿命化および信頼性の向上を図れる。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、電子源は、対をなす放電用電極間において各放電用電極との距離が互いに異なる位置で放電用電極の並設方向とは直交する方向へ電子を放出するように配置され、制御手段は、電子源に近い側の放電用電極から遠い側の放電用電極に向かって電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする。
この発明によれば、電子源から放出された電子が放電用電極間の電界によって加速されるので、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間へより効率的に供給することができるとともに、放電プラズマに起因した電子源のダメージの発生を抑制することが可能となり、電子源のより一層の長寿命化および信頼性の向上を図れる。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、対をなす放電用電極間の放電プラズマ生成空間を挟んで電子源と対向配置された補助電極を備え、制御手段は、補助電極と電子源との間に電子源に対して補助電極を高電位側とする電圧を印加させることを特徴とする。
この発明によれば、放電用電極間に印加される電圧とは独立して、電子源から放出された電子を補助電極と電子源との間の電界によって加速することができるので、放電用電極間に印加される電圧に関わらず、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間へ供給することが可能となる。なお、電子源と補助電極との組を複数組備えるようにすれば、電子源の負荷を低減することができ、さらに電子源の長寿命化および信頼性の向上を図れる。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、制御手段は、加速可能期間内に、補助電極と電子源との間に補助電極を高電位側とする電圧を印加させることを特徴とする。
この発明によれば、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などをより高めることができる。
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11の発明において、前記電子源は、下部電極と、下部電極に対向した表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在しナノメータオーダの多数の半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する強電界ドリフト層とを備えた弾道電子面放出型電子源からなることを特徴とする。
この発明によれば、電子源としてフィラメントやスピント型電子源を採用した場合に比べて、電子源から放出される電子の初期エネルギが高くなるので、放電開始電圧の低減効果や放電維持電圧の低減効果をより確実に得ることができる。
請求項13の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の放電点灯装置を備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、照明器具における放電点灯装置の長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れる。
請求項1の発明では、放電点灯装置の長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れるという効果がある。
請求項13の発明では、照明器具における放電点灯装置の長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の放電点灯装置は、図1(a)に示すように、気密容器1内に封入されている放電ガス(例えば、Xeガスなど)に電界を印加して放電プラズマを生成させるための一対の放電用電極2,2と、気密容器1内に配置され放電プラズマ生成空間3へ電子を供給可能な電子源10と、電子源駆動用電源6から電子源10へ駆動電圧を印加させるタイミングを制御するマイクロコンピュータなどからなる制御手段20とを備えている。
気密容器1は、透光性を有する材料(例えば、ガラス、透光性セラミックなど)により円筒状に形成されており、一対の放電用電極2,2は、気密容器1内において当該気密容器1の長手方向の両端部それぞれに配置されている。なお、本実施形態では、気密容器1の内面に、放電ガスであるXeガスの励起により発生した紫外線によって励起されて発光する蛍光体層(図示せず)を設けてあり、気密容器1、一対の放電用電極2,2、電子源10などにより希ガス蛍光ランプからなる放電ランプLaを構成しているが、蛍光体層は必ずしも設ける必要はなく、蛍光体層を設けていない場合には、Xeガスの励起により発生した紫外線や可視光が気密容器1を通して放射されることとなる。
電子源10は、弾道電子面放出型電子源(Ballistic electronSurface-emitting Device:BSD)と呼ばれている電界放射型電子源であり、図2(a)に示すように、矩形板状の絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)14の一表面上に金属膜(例えば、タングステン膜など)からなる下部電極15が形成され、下部電極15上に強電界ドリフト層16が形成され、強電界ドリフト層16上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極17が形成されている。なお、表面電極17を構成する導電性薄膜の膜厚は10〜15nm程度に設定することが望ましいが、当該導電性薄膜は単層膜に限らず多層膜でもよい。なお、本実施形態における電子源10では、下部電極15と強電界ドリフト層16と表面電極17とで表面電極17を通して電子を放出する電子源素子10aを構成している。
電子源素子10aの強電界ドリフト層16は、図2(b)に示すように、少なくとも、下部電極15の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコン酸化膜64とから構成されている。ここに、各グレイン51は、下部電極15の厚み方向に延びている(つまり、絶縁性基板14の厚み方向に延びている)。
上述の電子源素子10aから電子を放出させるには、表面電極17が下部電極15に対して高電位側となるように表面電極17と下部電極15との間に駆動電圧を電子源駆動用電源6により印加すれば、下部電極15から強電界ドリフト層16へ注入された電子が強電界ドリフト層16をドリフトし表面電極17を通して放出される。
ここに、上述の電子源素子10aでは、表面電極17と下部電極15との間に印加する駆動電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。なお、本実施形態の電子源素子10aは、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で放出することができるという特徴を有している。
上述の電子源素子10aの基本構成は周知であり、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極17と下部電極15との間に表面電極17を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極15から強電界ドリフト層16へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層16に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層16におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図2(b)中の矢印の向き(図2(b)における上向き)へドリフトし、表面電極17をトンネルし放出される。しかして、強電界ドリフト層16では下部電極15から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極17を通して放出され(弾道型電子放出現象)、強電界ドリフト層16で発生した熱がグレイン51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。
なお、上述の強電界ドリフト層16では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸窒化膜となる。
本実施形態の放電点灯装置では、一対の放電用電極2,2間に後述の周期波電圧を印加する主電源5と、電子源10の表面電極17と下部電極15との間に駆動電圧を印加する電子源駆動用電源6とを上述の制御手段20によって制御するように構成されており、制御手段20によって電子源駆動用電源6から電子源10の表面電極17と下部電極15との間に表面電極17側を高電位とする直流電圧からなる駆動電圧を印加させることにより、電子源10から電子が放出される一方で、制御手段20によって主電源5から一対の放電用電極2,2間に周期波電圧を印加させる。
ここにおいて、一対の放電用電極2,2間には、電子源10に近い放電用電極2(図1(a)における左側の放電用電極2)の電位を基準電位として図1(b)に示すような矩形波電圧からなる周期波電圧が印加され、電子源10からは図1(c)に示す期間のみ電子が放出される。図1(c)の縦軸は電子源10からの放出電子電流を示し、当該放出電子電流は、電子源10に駆動電圧が印加されている期間のみ流れている。そして、電子源10から放出される電子は、両放電用電極2,2間の電界によって加速され、放電プラズマ生成空間3中に存在する放電ガスの分子あるいは原子に衝突する。ここで、衝突前に電子が持っているエネルギが放電ガスの電離エネルギよりも大きければ、放電ガスが励起されて電離するから、このような過程が繰り返されることによって一対の放電用電極2,2間に流れる電流が急激に増大し、放電プラズマ生成空間3に放電プラズマが生成される。電子源10から放出された電子が一対の放電用電極2,2間の電界により得るエネルギは、当該一対の放電用電極2,2間の電界強度と放電ガス中における電子の平均自由行程との積に依存し、電界強度は両放電用電極2,2間に印加される電圧と両放電用電極2,2間の距離とに依存する一方で、平均自由行程は気密容器1内の放電ガスの種類やガス圧に依存するから、電子源10から放出される電子の初期エネルギによらず、放電点灯装置の仕様によってほぼ決まる。
なお、上述の説明から分かるように一対の放電用電極2,2間の電流−電圧特性は放電開始前後で大きく変化する(放電の開始前には電流がほとんど流れていないのに対し、放電の開始後は電流が増加し且つ電圧が低下する)。すなわち、放電が開始されると、放電用電極2,2間のインピーダンス、電流、電圧それぞれが急激に変化する。そこで、一対の放電用電極2,2間のインピーダンス、電流、電圧のいずれかの変化に基づいて放電の開始を検出する放電検出手段(図示せず)を設け、当該放電検出手段により放電の開始が検出されたときに制御手段20が、電子源10の表面電極17へのプラスイオンの入射が抑制されるように電子源10の電位を制御するようにしてもよい。
ところで、上述の制御手段20は、例えば図示しない電源スイッチがオン操作されると、主電源5から放電用電極2,2間に周期波電圧の印加を開始させるとともに、当該周期波電圧に同期する所定期間に電子源駆動用電源6から電子源10へ駆動電圧を印加させる。ここにおいて、本実施形態では、主電源5から放電用電極2,2間に印加される周期波電圧の電圧波形が図1(b)に示すような交流の矩形波であり、制御手段20は、放電用電極2,2間に所定極性(ここでは、電子源10に近い放電用電極2に対して遠い放電用電極2が高電位となる極性、つまり、電子源10から放出される電子が加速される極性)の電圧の印加が開始される時点よりも、電子源10から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間Tだけ前の基準時点t1の後の第1の時点txから、上記所定極性の電圧の印加が終了する第2の時点t2までの基準期間内に所定期間(図示例では、tx〜tyの期間)を設定するので、電子源10からの放出電子電流は図1(c)に実線で示すような電流波形となる。なお、所定期間の開始時点である第1の時点txは、図1(c)に一点鎖線で示したように、放電用電極2,2間に上記所定極性の電圧の印加が開始される時点と同じでもよいし、当該時点よりも後でもよい。また、上記所定期間の終了時点tyは、図1(c)に一点鎖線で示したように、第2の時点t2と同じでもよい。また、周期波電圧の周波数は特に限定するものではないが、当該周期波電圧の半周期が平均衝突時間Tよりも長くなる周波数に設定する必要があり、例えば、10kHzに設定すればよい。
以上説明した本実施形態の放電点灯装置では、制御手段20が、対をなす放電用電極2,2間に印加される周期波電圧に同期する所定期間に電子源10へ駆動電圧を印加させるので、電子源10へ連続して駆動電圧を印加する場合に比べて、電子源10の駆動時間を短くしながらも放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを得ることができ、長寿命化および信頼性の向上を図れるとともに低消費電力化を図れる。また、制御手段20が、上述のtx〜tyの期間を所定期間として設定するので、電子源10から放出されて放電ガスの電離エネルギを超えるエネルギまで加速される前に放電ガスの分子あるいは原子と衝突する電子、つまり、放電プラズマの生成に寄与しない電子の供給を制限することができ、電子源10から放出された電子が放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などに有効に利用される期間のみ電子源10が駆動されることとなり、電子源10の駆動時間をより短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。
ところで、図1では、放電用電極2,2間に印加される周期波電圧の電圧波形が交流の矩形波である場合について例示したが、周期波電圧は図3(a)に示すような交流の三角波でもよく、この場合にも、電圧波形が矩形波の場合と同様のタイミングで電子源10に駆動電圧を印加させて図3(b)に示すように電子源10から電子を放出させればよい。
また、放電用電極2,2間に印加される周期波電圧の電圧波形が図4(a)に示すように図3(a)と同様の交流の三角波である場合、図4(b)に示すように、上記所定期間の終了時点tyを、周期波電圧における所定極性の電圧がピーク値となる時点tmに一致させてもよく、この場合には、図3(b)の場合に比べて、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを低下させることなく、電子源10の駆動時間をより短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。
また、放電用電極2,2間に印加される周期波電圧の電圧波形が図5(a)に示すように図3(a)と同様の交流の三角波である場合、図5(b)に示すように、第1の時点txを、周期波電圧における所定極性の電圧がピーク値となる時点tmよりも平均衝突時間Tだけ前の時点t3と一致させ、上記所定期間の終了時点tyを、周期波電圧における所定極性の電圧がピーク値となる時点tmに一致させるようにしてもよく、この場合には、図4(b)の場合に比べて、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などを低下させることなく、電子源10の駆動時間をさらに短縮することができ、より一層の長寿命化および低消費電力化を図ることができる。
また、図3〜図5では周期波電圧の電圧波形が交流の三角波の場合について例示したが、周期波電圧の電圧波形が正弦波や正弦波の半波波形状である場合にも、電子源駆動用電源6から電子源10へ駆動電圧を印加させる所定期間に関しては三角波の場合と同様に設定すればよい。このように所定期間を設定する際に基本となる周期波電圧の電圧波形は、三角波や正弦波や正弦波の半波波形状に限らず、放電用電極2,2間の電圧がゼロとなる点(交流であれば、所謂ゼロクロス点)からピーク値まで単調増加するような電圧波形であればよい。
なお、一対の放電用電極2,2間に図6(a)に示すように一定の直流電圧を印加させる場合には、電子源10へ駆動電圧を印加させる所定期間は例えば図6(b)に示すように設定すればよい。
(実施形態2)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図7に示すように、電子源10の表面電極17が一方の放電用電極2を兼ねている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、電子源10が一方の放電用電極2を兼ねているので、実施形態1のように各放電用電極2,2と電子源10とが別体で電子源10が一対の放電用電極2,2の並設方向に直交する方向において一方の放電用電極2の側方に並んで配置されている場合に比べて、電子源10から放電プラズマ生成空間3までの距離を短くすることができ、電子源10から放出される電子を放電プラズマ生成空間3へ効率的に供給することができるとともに、放電点灯装置の構造の簡略化を図れる。
(実施形態3)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図8に示すように、気密容器1内において当該気密容器1の長手方向に離間して対向配置される2つの電子源10を備え、各電子源10それぞれの表面電極17が放電用電極2を兼ねている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、一対の放電用電極2,2間に交流の周期波電圧を印加させる場合に、放電用電極2,2間の周期波電圧の各極性(正極性、負極性)それぞれが所定極性となり、周期波電圧のいずれの極性のときにも電子源10から放出された電子によって放電ガスを励起することができるので、放電開始電圧の低減効果および放電維持電圧の低減効果をより確実に得ることが可能となる。なお、この場合には、上記所定期間を周期波電圧の半周期よりも短くなるように設定することで、低消費電力化を図れる。
(実施形態4)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図9(a),(b)に示すように、放電用電極2が、環状(図示例では、矩形環状)の形状に形成され、電子源10を囲むように配置されている点に特徴があり、他の構成は実施形態1と同じなので、図示および説明を省略する。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、実施形態1のように放電用電極2と電子源10とが並設されている場合に比べて、電子源10から放出される電子を放電プラズマ生成空間3(図1(a)参照)へ効率的に供給することができる。また、電子源10の電位と当該電子源10を囲む放電用電極2の電位とを各別に制御することができるので、制御手段20(図1(a)参照)によって両電位を適宜制御することにより、放電プラズマに起因した電子源10のダメージの発生を抑制することが可能となり、電子源10のより一層の長寿命化および信頼性の向上を図れる。なお、本実施形態では、一対の放電用電極2,2の一方のみを環状の形状として電子源10を囲むように配置してあるが、他方の放電用電極2についても環状の形状として内側に電子源10を配置するようにしてもよい。要するに、実施形態3の構成において、各電子源10と各放電用電極2とを別体として各放電用電極2それぞれが電子源10を囲む環状の形状に形成されていてもよい。
(実施形態5)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図10に示すように、2つの電子源10が、対をなす放電用電極2,2間において各放電用電極2,2との距離が互いに異なる位置で放電用電極2,2の並設方向とは直交する方向(図10における上方向であり、気密容器1の径方向)へ電子を放出するように配置され、制御手段20(図1(a)参照)が、主電源5(図1(a)参照)から放電用電極2,2間に、電子源10に近い側の放電用電極2から遠い側の放電用電極2に向かって電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に上記所定期間を設定するように構成されている点に特徴がある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の放電点灯装置では、放電用電極2,2間に印加される周期波電圧が実施形態1にて説明したような交流の矩形波や三角波の場合、図10における左側の放電用電極2に比べて右側の放電用電極2の方が高電位となる加速可能期間においては、左側の放電用電極2に近い電子源10に関して上記所定期間を設定し、右側の放電用電極2に比べて左側の放電用電極2の方が高電位となる加速可能期間においては、右側の放電用電極2に近い電子源10に関して上記所定期間を設定する。また、本実施形態では、電子源駆動用電源6(図1(a)参照)を各電子源10ごとに設けてあり、制御手段20が、各電子源駆動用電源6を各別に制御するようになっている。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、電子源10を2つ備えているので、電子源10の負荷を低減することができ、さらに電子源10の長寿命化および信頼性の向上を図れる。また、本実施形態の放電点灯装置では、電子源10から放出された電子が放電用電極2,2間の電界によって加速されるので、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間3へより効率的に供給することができるとともに、放電プラズマに起因した電子源10のダメージの発生を抑制することが可能となり、電子源10のより一層の長寿命化および信頼性の向上を図れる。なお、本実施形態では、電子源10を2つ設けてあるが、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
(実施形態6)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態5と略同じであり、図11に示すように、各電子源10それぞれと対をなし放電プラズマ生成空間3を挟んで各電子源10と対向配置された2つの補助電極40を備え、制御手段20(図8(a)参照)が、補助電極40と電子源10との各対の間に電子源10の表面電極17に対して補助電極40を高電位側とする電圧を印加させる点に特徴がある。ここで、制御手段20は、上記加速可能期間内に、電子源10の表面電極17に対して補助電極40を高電位側とする電圧を補助電源(図示せず)から印加させる。なお、実施形態5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、制御手段20が、補助電極40と電子源10との間に補助電源(図示せず)から補助電極40を高電位側とする電圧(つまり、電子源10から放出された電子を加速する極性の電圧)を印加させるので、放電用電極2,2間に印加される電圧とは独立して、各電子源10それぞれから放出された電子を補助電極40と電子源10との間の電界によって加速することができ、放電用電極2,2間に印加される電圧に関わらず、放電ガスの電離エネルギを超える電子を放電プラズマ生成空間3へ供給することができるとともに、放電プラズマに起因した電子源10のダメージの発生をより確実に抑制することが可能となる。また、制御手段20が、上記加速可能期間内に、補助電極40と電子源10との間に補助電極40を高電位側とする電圧を印加させるので、放電開始電圧の低減効果、放電プラズマの維持電圧の低減効果、放電プラズマの安定化効果などをより高めることができる。
なお、補助電極40と電子源10との間に電圧を印加させるタイミングについては、対をなす電子源10へ駆動電圧が印加されるタイミングと同期させることにより、放電点灯装置全体としての低消費電力化を図れる。なお、電子源10と補助電極40との対は2対に限らず、1対でもよいし、3対以上でもよい。
(実施形態7)
本実施形態の放電点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図12に示すように、放電プラズマのイオンから電子源10を保護し且つ電子源10から放出された電子が通過可能な複数の開口部31を有する保護カバー30を設けてある点に特徴があり、電子源10が放電プラズマのイオンの衝突によってダメージを受けるのを防止することができる。なお、他の構成は実施形態1と同じなので図示および説明を省略する。
本実施形態の放電点灯装置は、上述の保護カバー30において上記開口部31が形成された部位に、電子源10から放出された電子の衝突により放電プラズマ生成空間3へ二次電子を放出する材料(例えば、Cs、Ag、BaO、MgO、アモルファスカーボン、ダイヤモンドなど)からなる二次電子放出部(図示せず)が設けられており、電子源10から放出される電子だけでなく上記二次電子放出部から放出される電子も放電プラズマ生成空間3へ供給することができるので、電子源10の駆動電圧の低減や駆動期間の短縮による長寿命化および信頼性の向上を図れる。
また、上述の保護カバー30は、絶縁性材料からなり電子源10の電子放出面(表面電極17の表面)に対向する部位に透孔33が形成されたカバー本体30aと、上述の複数の開口部31を有しカバー本体30aの透孔33に配置される導電性基材30bとで構成されており、導電性基材30bが一方の放電用電極2を構成し、当該導電性基材30bに上記二次電子放出部が設けられている。ここにおいて、導電性基材30bは、円形状あるいは矩形状の開口部31が複数形成されたメッシュ状の形状とすれば、導電性基材30bの開口率を比較的大きくしも放電プラズマの侵入を防ぐことが可能となる。なお、導電性基材30bの材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス、アルミニウムなどを採用すればよい。
しかして、本実施形態の放電点灯装置では、制御手段20(図1(a)参照)によって一方の放電用電極2である導電性基材30bの電位を適宜設定することにより、電子源10を確実に放電プラズマから隔離することが可能となり、導電性基材30bの電位と電子源10の表面電極17の電位とを同電位とすることで、電子源10から放出された電子が開口部31を通して放電プラズマ生成空間3へ十分に供給される一方で、放電プラズマのイオンなどが開口部31を通して保護カバー30内に侵入するのを防止することができる。また、導電性基材30bを電子源10の表面電極17に対して高電位となるようにすれば、電子源10から放出された電子が導電性基材30bと電子源10の表面電極17との間の電界により加速されて上記二次電子放出部に照射されることとなるから、二次電子効率を高めることができて二次電子の放出量を増加させることができるので、電子源10の電子放出量を低減することが可能となり、電子源10の長寿命化および信頼性の向上を図れ、結果的に、放電点灯装置の長寿命化および信頼性の向上を図れる。
また、本実施形態の放電点灯装置では、導電性基材30bが放電用電極2を兼ねているので、電子源10を放電プラズマ生成空間3と離れた場所に配置することができ、電子源10の長寿命化および信頼性の向上を図れる。
上記各実施形態の放電点灯装置は、例えば、図13に示すような照明器具に利用することができる。図13に示した照明器具は、いわゆる富士型の照明器具であって、天井面のような施工面に取り付けられる器具本体100と、器具本体100の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた各一対のソケット102と、器具本体100に器具本体100を覆うように取り付けられる断面V字形の反射板103と、器具本体100に長手方向が一致する形でそれぞれソケット102間に保持される2本の直管形のランプ104と、2本のランプ104を点灯させる点灯装置(図示せず)とを備えている。ここにおいて、ランプ104として、上述の放電ランプLaを用い、点灯装置に、制御手段20などを設けることにより、上述の放電点灯装置を備えた照明器具を実現することができ、照明器具における放電点灯装置の放電開始電圧の低電圧化を図れる。
ところで、上記各実施形態では、気密容器1を円筒状の形状としてあるが、気密容器1の形状は円筒状の形状に限らず、例えば、電球のような球状の形状でもよいし、直方体状の形状や立方体状の形状などでもよいし、一対の平板と両平板との間に介在するフレームとで構成される平面型の気密容器でもよい。また、気密容器1は、必ずしも、全体が透光性材料により形成されている必要はなく、気密容器1の少なくとも一部からなる光取り出し部が透光性材料により形成されていればよい。また、上記各実施形態では、放電点灯装置を適用する発光装置の一例として希ガス蛍光ランプからなる放電ランプLaを例示したが、発光装置は蛍光ランプに限らず、例えば、紫外線ランプや、プラズマディスプレイパネルなどでもよく、気密容器1内に適宜の蛍光体層を設けることで所望の波長の光を放射させることが可能となる。
また、上記各実施形態では、一対の放電用電極2,2を気密容器1内に配置してあるが、放電用電極2,2の対は一対に限らず、複数対でもよい。また、一対の放電用電極2,2のうちの一方を、円筒状の気密容器1の外部に設けたコイル状あるいは円筒状あるいは平板状の外部電極により構成してもよい。
また、上記各実施形態では、電子源10としてBSDを採用しているが、電子源10としては、BSDに限らず、MIM型電子源、MIS型電子源、スピント型電子源、SCE型電子源などの他の電界放射型電子源からなる冷陰極や、フィラメントのような熱陰極を採用してもよい。ただし、BSDであれば、放電ガスが封入された低真空度の気密容器1内でも安定して電子を放出することが可能である上に、放電用電極2,2間へ印加させる電圧に同期させて高速で動作させることができるので、BSDを採用することが望ましい。
また、上記各実施形態では、気密容器1内に封入するガスとしてXeガスを採用しているが、気密容器1内に封入するガスは、Xeガスに限定するものではなく、例えば、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Nガス、COガス、Hg蒸気や、それらの混合ガスなどのように電離エネルギ以上のエネルギを有する電子の衝突により放電プラズマが生成されるガスであればよい。
実施形態1を示し、(a)は放電点灯装置の概略構成図、(b),(c)は動作説明図である。 同上に用いる電子源を示し、(a)は概略断面図、(b)は動作説明図である。 同上の他の動作例の説明図である。 同上の別の動作例の説明図である。 同上のさらに別の動作例の説明図である。 同上の参考例の動作説明図である。 実施形態2における放電点灯装置の概略構成図である。 実施形態3における放電点灯装置の概略構成図である。 実施形態4における要部を示し、(a)は概略正面図、(b)は概略断面図である。 実施形態5における放電点灯装置の概略構成図である。 実施形態6における放電点灯装置の概略構成図である。 実施形態7における放電点灯装置の概略構成図である。 実施形態1〜7のいずれかの放電点灯装置を備えた照明器具を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。 従来例を示し、(a)は概略構成図、(b),(c)は動作説明図である。
符号の説明
1 気密容器
2 放電用電極
3 放電プラズマ生成空間
5 主電源
6 電子源駆動用電源
10 電子源(弾道電子面放出型電子源)
15 下部電極
16 強電界ドリフト層
17 表面電極
20 制御手段
40 補助電極
63 シリコン微結晶(半導体微結晶)
64 シリコン酸化膜(絶縁膜)
La 放電ランプ

Claims (13)

  1. 気密容器内に封入されている放電ガスに電界を印加して放電プラズマを生成させるための少なくとも一対の放電用電極と、気密容器内に配置され放電ガス中へ電子を供給可能な電子源と、電子源駆動用電源から電子源へ駆動電圧を印加させるタイミングを制御する制御手段とを備え、制御手段は、対をなす放電用電極間に印加される周期波電圧に同期する所定期間に電子源へ駆動電圧を印加させることを特徴とする放電点灯装置。
  2. 制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される時点よりも、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ前の基準時点の後の第1の時点から、所定極性の電圧の印加が終了する第2の時点までの基準期間内に所定期間を設定することを特徴とする請求項1記載の放電点灯装置。
  3. 制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される時点よりも、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ前の基準時点の後の第1の時点から、所定極性の電圧がピーク値となる第2の時点までの基準期間内に所定期間を設定することを特徴とする請求項1記載の放電点灯装置。
  4. 制御手段は、放電用電極間に所定極性の電圧の印加が開始される基準時点よりも後の第1の時点から、所定極性の電圧がピーク値となる第2の時点までの期間を所定期間として設定するようにし、第1の時点を、電子源から放出された電子が放電ガスの分子あるいは原子と衝突するまでの平均衝突時間だけ第2の時点よりも前に設定することを特徴とする請求項1記載の放電点灯装置。
  5. 周期波電圧が直流電圧であり、電子源が一対の放電用電極のうち周期波電圧の印加時に低電位側となる放電用電極の近傍に配置され、制御手段は、放電用電極間に電子源からの電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放電点灯装置。
  6. 周期波電圧が交流電圧であり、電子源が一対の放電用電極の少なくとも一方側に配置され、制御手段は、放電用電極間に電子源からの電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放電点灯装置。
  7. 電子源が放電用電極を兼ねていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の放電点灯装置。
  8. 放電用電極のうち電子源の近傍に配置するものは、環状の形状に形成され電子源を囲むように配置されてなることを特徴とする請求項5または請求項6記載の放電点灯装置。
  9. 電子源は、対をなす放電用電極間において各放電用電極との距離が互いに異なる位置で放電用電極の並設方向とは直交する方向へ電子を放出するように配置され、制御手段は、電子源に近い側の放電用電極から遠い側の放電用電極に向かって電子を加速する極性の電圧が印加される加速可能期間内に所定期間を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放電点灯装置。
  10. 対をなす放電用電極間の放電プラズマ生成空間を挟んで電子源と対向配置された補助電極を備え、制御手段は、補助電極と電子源との間に電子源に対して補助電極を高電位側とする電圧を印加させることを特徴とする請求項9記載の放電点灯装置。
  11. 制御手段は、加速可能期間内に、補助電極と電子源との間に補助電極を高電位側とする電圧を印加させることを特徴とする請求項10記載の放電点灯装置。
  12. 前記電子源は、下部電極と、下部電極に対向した表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在しナノメータオーダの多数の半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する強電界ドリフト層とを備えた弾道電子面放出型電子源からなることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の放電点灯装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の放電点灯装置を備えてなることを特徴とする照明器具。
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