JP2007326537A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック機構が動作してロック状態が生じたときに当該ロック状態の解除の際に余計なベルト引込みを行うことなく確実にロック状態を解除することができる車両のシートベルト装置を提供する。
【解決手段】車両のシートベルト装置10は、緊急時にベルトを巻き取るベルトリール22と係合し、ベルト13の引出し方向の回転を阻止するロック機構100と、ベルトリールを駆動するモータ23と、モータへの通電量を制御してモータの駆動量を制御する制御装置26とを備え、さらに、ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知部25と、巻取り位置検知部の検知した巻取り位置の変化からロック機構の解除を検知するロック解除検知部(61,63,64)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は車両のシートベルト装置に関し、特に、ロック作動が行われたとき確実にロック状態を解除するのに好適な車両のシートベルト装置に関する。
車両のシートベルト装置では、近年、緊急時にはビークルセンサが作動してベルトの引出しを阻止するロック機構が設けられている。ロック機構が動作してロック状態が生じたとき、当該ロック状態を解除する方法としては下記の特許文献1に記載された方法がある。特許文献1に記載された方法は、ベルトを締め付けるための可逆ベルト・プリテンショナーを作動させた後にロック状態を解除するためには、ベルトリールのロック機構を、事前に規定された解除条件が満たされるまで作動させ、その後にロック解除の動作を行うようにしている。
特許第3652683号公報
従来のロック状態の解除方法によれば、ロック解除条件を定める際に考慮されない事象、例えば、パンクやサスペンションの変形等の予期しない車体状態の変化による車体の傾き等が発生した場合には、ロック解除条件に誤差が生じて確実に解除できない可能性がある。その結果、ロック状態解除のためのベルトの引込み動作で必要以上に余計にベルトを引き込む必要があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ロック機構が動作してロック状態が生じたときに当該ロック状態の解除の際に余計なベルト引込みを行うことなく確実にロック状態を解除することができ、さらにベルトの張力の増加を最小限にして乗員に対する不快感をなくすことができる車両のシートベルト装置を提供することにある。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の車両のシートベルト装置(請求項1に対応)は、緊急時にベルトを巻き取るベルトリールと係合し、ベルトの引出し方向の回転を阻止するロック機構と、ベルトリールを駆動するモータと、モータへの通電量を制御してモータの駆動量を制御する制御手段とを備え、さらに、ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段と、巻取り位置検知手段の検知した巻取り位置の変化からロック機構の解除を検知するロック解除検知手段とを備える。
上記の車両のシートベルト装置では、ビークルセンサ(加速度によるロック機構)等のロック機構が作動した際に当該ロック機構のロック状態を電気式プリテンショナを用いて解除する場合に、巻取り位置検知手段に内蔵される回転角センサで得られる回転角変化の情報から、ロック機構によるロック状態の解除を検知するロック解除検知手段を設ける。これによって、確実にロック状態を解除できたか否かを検知することが可能となる。なおロック解除時には、ベルトリールでは1〜2mm程度(回転角換算で4〜8°程度)の引出し方向への回転が発生する。
第2の車両のシートベルト装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、ロック解除検知手段は、ベルトリールの引出し方向への回転を検知することで特徴づけられる。
第3の車両のシートベルト装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御手段は、ロック解除検知手段がロック解除を検知しなかったときに、モータへの通電量を増加させて再びロック解除動作を実行することで特徴づけられる。
第4の車両のシートベルト装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御手段は、ロック機構の解除要求があったときのベルトリールの巻取り位置に応じてモータの駆動量を可変にすることで特徴づけられる。
本発明によれば、車両のシートベルト装置において緊急時にロック機構によりベルトのロック状態を生じたとき、ロック機構による当該ロック状態を解除する際に、ベルトリールによるベルト巻取り位置の変化を検知する巻取り位置検知手段等からの検知信号でロック機構の解除を確実に検知することができ、このため確実にロック状態を解除することができる。さらにベルト張力の増加を最小限とし、ベルトにより拘束状態にある乗員に対して不快感を与えることがない。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は運転席等におけるシートベルト装置の装備状態を示し、図2はシートベルト用のリトラクタの要部構成を示し、図3は車両のシートベルト装置の制御システムの全体的な構成を示す。
図1において、シートベルト装置10は、乗員11の身体を座席12に拘束するベルト(ウェビング)13を備える。ベルト13は、乗員11の上体を拘束するベルト部分13aと、乗員11の腰部を拘束するベルト部分13bとから成る。ベルト部分13bの一端はアンカープレート14により車室下部の車体部分に固定されている。ベルト部分13aは、乗員11の肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー15で折り返され、その端部はリトラクタ16のベルトリールに連結されている。ベルト13の他方の共通端部にはタングプレート17が取り付けられている。このタングプレート17は、座席12の下側縁部に固定されたバックル18に着脱自在である。バックル18には、タングプレート17の連結を検出するバックルスイッチ19が設けられている。
図2に、シートベルト用のリトラクタ16の要部構成を示す。リトラクタ16は、ハウジング21内に回転自在に設けられたベルトリール(スピンドル)22と、ベルトリール22を回転駆動するモータ23とを備える。ベルトリール22にはベルト13の上記ベルト部分13aの端部が結合され、ベルト部分13aはベルトリール22で巻き取られる。ベルトリール22の軸22aは動力伝達機構(ギヤ機構)24を介してモータ23の駆動軸23aに接続される。ベルトリール22は、動力伝達機構24を経由してモータ23で回転駆動される。またリトラクタ16は、ベルトリール22の軸22aに接続された巻取り位置検知部25を備える。
巻取り位置検知部25は、好ましくは回転角センサを利用して構成される。回転角センサには、例えば、磁気ディスクと2個のホールICとを組み合わせて成る磁気センサが利用される。この回転角センサの最小分解角度は例えば4°であり、ベルトの長さに換算すると1.3〜1.6mm程度である。なお巻取り位置検知部25としては、回転角センサの代わりに、ベルト長センサを用いることもできる。
巻取り位置検知部25は、回転角センサでベルトリール22の回転角を検出することにより、ベルトリール22によるベルト巻取り位置を検知する。巻取り位置検知部25から出力される検知信号は制御装置26に入力される。リトラクタ16の動作は、制御装置26によって制御される。制御装置26は、電源27からモータ23へ供給される駆動電流I1の通電量を通電量調整部28で制御することにより、リトラクタ16の動作を制御する。制御装置26により制御されるリトラクタ16は、乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナとして構成されている。
さらにシートベルト用のリトラクタ16において、上記ベルトリール22の軸22aの他方の端部には、車両走行の緊急事態発生時にベルト13のベルト部分13aの急激な引出しを防止するロック機構100が付設される。ロック機構100は、機構本体部101とビークルセンサ(V/S)102とから構成される。機構本体部101は、ハウジングフレームの内部に、軸22aに結合されかつ軸22aと連動して回転自在に設けられたラチェットホイールと、ハウジングフレームに固定されているフレームギヤと、位置の変化に伴ってフレームギアと係合したりまたは係合解除されたりするロッキング要素とを内蔵している。またビークルセンサ102は、センサフレームにボール要素とレバー要素を備える。車体に加速度が生じたときに、ボール要素の位置が変化し、レバー要素を動作させ、レバー要素は上記ラチェットホイールの外周ツメと係合状態を作る機能を有している。
上記のロック機構100において、通常の状態ではロッキング要素とフレームギヤは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。また同様に、通常の状態ではラチェットホイールの外周ツメとビークルセンサ102のレバー要素とは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。
ロック機構100において、ビークルセンサ102によるロック条件(法規上)は、例えば0.45Gでは「50mm以下、または任意の2方向27°の傾きでロックすること」であり、0.7Gでは「25mm以下でロックすること」である。また機構のバラツキにより、ビークルセンサ102のロック解除可能な条件には、ベルト巻取り量に換算して±5mm程度の個体差がある
上記のシートベルト装置10およびリトラクタ16等は運転席側の装置であったが、助手席側にも同様なシートベルト装置およびリトラクタ等が装備されている。以下において「R側」は運転席側、「L側」は助手席側とする。
図3のブロック図を参照して、シートベルト装置10等の制御システムをハードウェアの観点から説明する。
図3において、制御装置26はCPUで構成される。制御装置26を含むブロック30は、シートベルトによって乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナユニットを示している。ブロック30では、制御装置(CPU)26の入力側に電源部31、車内ネットワーク(CAN)通信部32、回転角インターフェース(回転角I/F)部33、通信部34を備え、その出力側にR側モータ駆動制御部35、L側モータ駆動制御部36、記録部37を備えている。
ブロック30の入力側には、シートベルト用リトラクタの一例として上記のリトラクタ16を示すブロックが設けられる。リトラクタ16は、前述した巻取り位置検知部25から出力される検知信号を制御装置26に送信するための回転角インターフェース(回転角I/F)部41を含む。回転角インターフェース部41は、ブロック30内の上記回転角インターフェース部33に接続され、回転角インターフェース部33に対して検知信号を送る。上記のリトラクタ16は運転席側および助手席側等のそれぞれについて設けられている。
ブロック30の入力側には、さらに、ACC(Adaptive Cruise Control)ユニット(障害物検知装置等の制御ユニット)42、VSA(Vehicle Stability Assist)ユニット(車両挙動安定化制御ユニット)43、FI/AT(Fuel Injection / Automatic Transmission)ユニット44、SRS(Supplement Restraint System)ユニット(補助拘束装置ユニット)45等が設けられている。これらの入力側要素の中には、車速センサ等の車両走行状態検出ユニットも含まれる。ACCユニット42、VSAユニット43、FI/ATユニット44等は車内ネットワーク46を介してそれらの出力信号を車内ネットワーク通信部32に供給する。SRSユニット45は、R側バックル47RおよびL側バックル47Lからの各信号を受けるSRS制御部45aと、通信部45bとを有している。ここでR側バックル47Rは運転席側の上記バックル17に相当し、L側バックル47Lは助手席側に装備されたシートベルト装置のバックルである。R側バックル47RおよびL側バックル47Lから出力される各信号は、内蔵されるバックルスイッチの検知信号である。SRS制御部45aは、R側バックル47RまたはL側バックル47Lからの信号を受けると、通信部45bを介してその信号をブロック30の通信部32に送信する。またSRSユニット45は、車両走行時にシートベルトが正規に使用されていない場合には、警告灯48に対して警告信号を供給する。
ブロック30の出力側には、R側モータ51とL側モータ52が設けられる。R側モータ51は、運転席側のシートベルト装置の駆動用モータであり、R側モータ駆動制御部35に対応して配置されている。R側モータ駆動制御部35は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて上記の電源(+V)27からの通電量を制御してR側モータ51に対して駆動電流を供給する。なおブロック53は接地部である。またL側モータ52は、助手席のシートベルト装置の駆動用モータであり、L側モータ駆動制御部36に対応して配置されている。L側モータ駆動制御部36は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて電源(+V)54からの通電量を制御してL側モータ52に対して駆動電流を供給する。またブロック55は接地部である。上記の接地部53,55は、車体の一部をなす接地端子である。
図4は、本実施形態に係るシートベルト装置10の制御システムの基本的な構成を概念的に示す機能ブロック図である。この制御システムは、主要素として、前述した巻取り位置検知部25と、ロック機構100によるロック状態の判定を行うロック状態判定部61と、車両走行状態判定部62と、シートベルト判定部63と、シートベルト装置制御部64と、ベルト駆動部65とから構成されている。
ロック状態判定部61は、巻取り位置検知部25で検知されるベルトリール21の巻取り位置の変化に基づいて、ロック機構100における動作状態がロック状態であるか否かを判定する。
車両走行状態判定部62は、前述の制御装置(CPU)26の演算処理機能により実現され、前述の車両走行状態検知部から供給される検知信号を、予め用意された基準値と比較することにより自車の走行状態について判定処理を行う。なお車両走行状態検知部は、車体前後方向加速度センサ、車体左右方向(横方向)加速度センサ、車速センサ、舵角センサ、車輪速センサ、ロール角センサ、旋回方向センサなどの複数の各種センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。なおこれらのセンサについては、少なくとも車内ネットワークを介して利用可能な状態にあればよい。
シートベルト判定部63は、巻取り位置検知部25から出力される検知信号に基づいてシートベルト13の状態が巻取り状態かまたは引出し状態かを判定する。
シートベルト装置制御部64は、前述した制御装置(CPU)26の演算処理機能と、R側モータ駆動制御部35およびL側モータ駆動制御部36とから構成されるものである。またベルト駆動部65は、前述のリトラクタ16であり、より詳しくは前述のR側モータ51とL側モータ52である。
次に、図4に示された上記構成と、図5のフローチャートおよび図6のモータへの給電量を示す通電特性とに基づき、シートベルト装置制御部63等によって実施されるシートベルト装置10の動作制御例(ロック状態の解除動作)を説明する。この例ではR側モータ51の例で説明する。
乗員11が座席12に座り、ベルト13を体に巻き付け、タングプレート17をバックル18(R側バックル47R)に結合すると、ベルト13が乗員11の体に装着される。シートベルト装置10の基本的な動作例として、車両走行中に緊急時が発生すると、これが検出され、R側モータ51が所定の通電量で駆動され、これによりベルトリール22がベルト13のベルト部分13aを巻取り、当該ベルト部分13aをリトラクタ16に引き込む。こうしてモータを利用して成る電気式プリテンショナが構成される。
さらに、上記のシートベルト装置制御部64によれば、ベルトリール22の巻取り位置を検知する巻取り位置検知部25からの検知信号に基づいて、かつ、車両の走行状態が所定の状態に変化したことを判定する車両走行状態判定部等から出力される信号に基づいて、R側モータ51への通電量を制御してR側モータ51の駆動量を制御する。このとき、巻取り位置検知部25からの検知信号を入力し、これに基づき、ベルトリール22を所定の巻取り位置に保持制御し、ベルト13により乗員11を最適に保持する。
保持制御では、ベルトリール22を所定量巻取り方向に回転させ、ベルト13により乗員を拘束する。このとき、ベルト13には或る程度の張力が作用する一方、図示しない公知のモータ逆転阻止機構によりベルトの引出しは阻止される。このとき、同時に、ロック機構100が作動状態にある場合に、モータの通電を停止しても上記の張力が保持されたままとなる。
図5に示したフローチャートに従って、ロック機構100によるロック状態が生じている場合に当該ロック状態を解除する動作を説明する。
最初のステップS11では、緊急作動(ベルト張力の増加を伴う作動)の有無を判定する。この判定処理は車両走行状態判定部62で実行される。ステップS11でNOである場合には、リターンに移行する。ステップS11でYESの場合には、次の判定ステップS12に移る。
判定ステップS12では、ロック機構100によるロック状態が生じているか否かが判定される。この判定処理はロック状態判定部61によって実行される。判定ステップS12でNOであるときには、リターンに移行する。判定ステップS12でYESの場合には、次の処理ステップS13に移る。
ステップS13では、R側モータ51への通電を開始する。その後、ステップS14でベルトリール22で巻取り動作があるか否かが判定される。ステップS14での判定は、巻取り位置検知部25から出力される回転角に係る信号に基づいてシートベルト判定部63が実行する。判定ステップS14でYES(巻取りがある)である場合には次のステップS15でそのまま所定時間通電後にモータの通電を停止し(通電時間に応じて回転量は増加する)、判定ステップS18に移行する。また判定ステップS14でNO(巻取りがない)である場合には、モータを回転させることなくモータの通電を停止し(ステップS16)、さらに次回通電量を所定量だけ増加し(ステップS17)、その後、判定ステップS18に移行する。次の判定ステップS18では、ベルトリール22で引出しがあるか否かが判定される。ステップS18での判定は、巻取り位置検知部25から出力される回転角に係る信号に基づいてシートベルト判定部63が実行する。判定ステップ18でNO(引出しがない)である場合には、ステップS13に戻る。
上記のステップS13において、このときの通電量は、ロックが解除されない程度に十分に小さい値に設定されるか、または、緊急作動後の回転位置に基づいて設定される。例えば、回転位置が巻取り方向に大きいほどベルトに残留する張力が大きいため、対抗して作動するモータへの初期通電量を大きく設定する。このとき、回転位置には絶対位置を用いてもよく、緊急作動前の回転位置を事前に基準として保持しておいてこの基準位置に対する相対回転位置を用いてもよいことは当業者にとって自明である。
また上記のステップS15においては、規定通電量に達する前に回転角の変化が所定量に達した際にはモータを直ちに通電停止し、一度に巻き取られる量が大きくなりすぎないように構成してもよい。この構成によれば、ステップS17で増加させた通電量による駆動力の変化の影響を軽減し、ベルト張力の段つきを緩和することができる。
さらに上記のステップS17で、増加させる通電量については、次のステップにおいてモータの回転が急速に行われないように、予め規定しておく。大体で、前回ステップにおける通電量に対して5〜30%程度となるように設定することが好ましい。
ベルトリール22で巻取り状態も引出し状態も生じない場合には、ステップS13〜S18が繰り返される。この際に、モータ通電量はオン(通電制御)・オフ(通電停止)を繰り返す。さらに通電停止時には、モータ通電量は徐々に大きくなるように次の通電量を設定して通電制御が行われる。この状態が、図6の符号71で示される状態である。
上記の結果、その後の繰り返しでも、巻取り量を少しずつ増しながらモータ通電量(電流量)を次第に増加させていく。この結果、図6では、符号72で示すようなモータ通電量の変化状態が生じる。この結果、モータ通電量の変化74は山・谷を形成しながら連続的に増加していく。
次に、図6に示すごとくモータ通電停止の期間に状態75が生じると、判定ステップS18でこの引出し状態を検知してYESとなり、その場合にはステップS19に移行し、モータ通電量が減少される。
上記のごとくシートベルト装置10によれば、緊急作動が生じてロック機構100が動作してロック状態を生じたとき、当該ロック状態を解除するに際して、ベルトリール22を巻取り方向に作動させ、その結果、引出し方向の動作を巻取り位置検知部25およびシートベルト判定部63で検知するようにしたため、ロック状態を確実に解除することができる。さらに、ロック機構によるロック状態を解除する際に、ベルト張力の増加を最小限とし、ベルトにより拘束状態にある乗員に対して不快感を与えることがない。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、車両のシートベルト装置で緊急作動時にロック機構が動作したときそのロック状態を確実に解除するのに利用される。
車両におけるシートベルト装置の装着状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るシートベルト装置のリトラクタの要部構成を示す図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの全体構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの要部構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るシートベルト装置のロック解除時の動作手順を示すフローチャートである。 ロック解除時のモータ通電量の変化とベルトリールの動作方向の変化を示す波形図である。
符号の説明
10 シートベルト装置
11 乗員
16 リトラクタ
22 ベルトリール
23 モータ
25 巻取り位置検知部
26 制御装置
61 ロック状態判定部
62 車両走行状態判定部
63 シートベルト判定部
64 シートベルト装置制御部
100 ロック機構
101 機構本体部
102 ビークルセンサ

Claims (4)

  1. 緊急時にベルトを巻き取るベルトリールと係合し、前記ベルトの引出し方向の回転を阻止するロック機構と、前記ベルトリールを駆動するモータと、前記モータへの通電量を制御して前記モータの駆動量を制御する制御手段とを備える車両のシートベルト装置において、
    前記ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段と、
    前記巻取り位置検知手段の検知した前記巻取り位置の変化から前記ロック機構の解除を検知するロック解除検知手段と、
    を備えることを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記ロック解除検知手段は、前記ベルトリールの引出し方向への回転を検知することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記制御手段は、前記ロック解除検知手段がロック解除を検知しなかったときに、前記モータへの前記通電量を増加させて再びロック解除動作を実行することを特徴とする請求項1または2記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記制御手段は、前記ロック機構の解除要求があったときの前記ベルトリールの巻取り位置に応じて前記モータの駆動量を可変にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
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