JP2007324289A - 電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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JP2007324289A JP2006151412A JP2006151412A JP2007324289A JP 2007324289 A JP2007324289 A JP 2007324289A JP 2006151412 A JP2006151412 A JP 2006151412A JP 2006151412 A JP2006151412 A JP 2006151412A JP 2007324289 A JP2007324289 A JP 2007324289A
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Abstract

【課題】シリコン酸化膜のウェットエッチング時のエッチングレートのばらつきを抑制す
ることが可能な電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電気光学装置用の基板が配置される下部電極210及び下部電極210に対
向して設けられた上部電極220に、それぞれ異なる周波数の電力を供給し、両電極間に
供給されるTEOSガスをプラズマ化し、ウェハ基板10b上にプラズマCVD法により
シリコン酸化膜を形成する平行平板型のプラズマCVD装置において、上部電極220に
供給する高周波電力の値に対する、基板10bが配置される下部電極210に供給する低
周波電力の値の比を0.3以下とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法に関し、特に電気光学
装置用の基板上にプラズマCVD法により薄膜を形成する電気光学装置の製造装置及び電
気光学装置の製造方法に関する。
一般に、液晶表示装置等の電気光学装置用の基板上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜
等の薄膜を形成する方法として、プラズマCVD法が知られている。ここで、CVD法と
は、Chemical Vapor Deposition(化学気相成長法)の略を指す。プラズマCVD法は、
ある低圧下に保持されたガスに高電界を印加することにより発生したプラズマを利用し、
気相中から化学反応によって固体物質を堆積するものであり、平行平板型のプラズマCV
D装置等が利用される。平行平板型のプラズマCVD装置は、例えば特開平8−2087
4号公報に開示されているように、チャンバー(反応室)内に対向する上下一対の電極を
有してなり、該電極間における高周波の交流放電によって、チャンバー内に供給される反
応性気体(原料ガス)をプラズマ化し、基板上に反応性気体の成分からなる薄膜を形成す
る装置である。
また、平行平板型のプラズマCVD装置には、基板の反り防止を目的として、薄膜の内
部応力を緩和するために、上下の電極にそれぞれ異なる周波数の電力を供給するものがあ
る。このような、平行平板型のプラズマCVD装置においては、上部電極に供給する電力
と基板が配置される下部電極に供給する電力との比が、一般に0.5〜0.6の範囲内と
なるように使用されている。
特開平8−20874号公報
しかしながら、上下の電極にそれぞれ異なる周波数の電力を供給し、上部電極に供給す
る電力と基板が配置される下部電極に供給する電力との比が、0.5〜0.6の範囲内で
あるプラズマCVD装置を用いて、TEOSガスを原料ガスとしたシリコン酸化膜を形成
した場合、該シリコン酸化膜のウェットエッチング時のエッチングレートのばらつきが1
0%以上となってしまう。
このように、シリコン酸化膜のウェットエッチング時のエッチングレートにばらつきが
存在すると、基板上に形成される回路の形成工程の信頼性が低下し、基板の製造時の歩留
まりを悪化させてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、シリコン酸化膜のウェットエッチ
ング時のエッチングレートのばらつきを抑制することが可能な電気光学装置の製造装置及
び電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置の製造装置は、電気光学装置用の基板上に、プラズマCVD
法によりシリコン酸化膜を形成する電気光学装置の製造装置であって、前記基板が配置さ
れる第1の電極と、該第1の電極に対向して設けられた第2の電極と、前記第1及び第2
の電極にそれぞれ異なる周波数の電力を供給する電源制御手段とを具備し、前記第1の電
極に供給する電力をP1、前記第2の電極に供給する電力をP2とした場合に、0<P1
/P2≦0.3の条件式を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、電気光学装置用の基板が配置される第
1の電極及び該第1の電極に対向して設けられた第2の電極に、それぞれ異なる周波数の
電力を供給し、前記第1及び第2の電極間の電界により前記第1及び第2の電極間に供給
される原料ガスをプラズマ化し、前記基板上にプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を
形成する電気光学装置の製造方法であって、前記第1の電極に前記基板を配置し、前記第
2の電極に供給する電力に対する前記第1の電極に供給する電力の比が0.3以下となる
ように第1及び第2の電極に電力を供給することを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、基板上に形成されるシリコン酸化膜の、ウェットエ
ッチング時のエッチングレートのばらつきが従来に対して小さくなり、エッチングレート
均一性が向上する。よって、電気光学装置用の基板上に形成する回路パターンの形成工程
の信頼性が向上し、電気光学装置用の基板の歩留まりを向上させることが可能となる。
また、本発明は、さらに、0<P1/P2≦0.15の条件式を満たすことが好ましい
このような構成によれば、基板上に形成されるシリコン酸化膜の、ウェットエッチング
時のエッチングレートのばらつきを、従来に比して1/4以下とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用い
た各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮
尺を異ならせてある。
本実施形態では、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマト
リクス駆動方式の透過型液晶表示装置を例にとる。ここで、TFTとは、画素スイッチン
グ用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)のことを指す。
まず、本実施形態に係る電気光学装置100の全体構成について、図1から図3を参照
して説明する。ここで、図1はTFTアレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共
に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。図2は、図1のH−H’断面図である
。図3は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素
における各種素子、配線等の等価回路である。
電気光学装置100は、ガラスもしくは石英等からなる一対の透明な基板であるTFT
アレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50を挟持してなり、液晶層50の配向状
態を変化させることにより、画像表示領域10aに対向基板20側から入射する光を変調
しTFTアレイ基板10側から出射することで、画像表示領域10aにおいて画像を表示
するものである。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置100では、TFTアレイ基板
10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは
、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互
に接着されており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には液晶層50が封入さ
れている。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔を
所定値とするためのグラスファイバあるいはガラスビーズ等のギャップ材が散らばって配
設されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領
域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。なお、この
ような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設
けられてもよい。
また、本実施形態においては、前記の画像表示領域10aの周辺に位置する非表示領域
が存在する。非表示領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する
領域には、データ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に
沿って設けられている。図示しないが、TFTアレイ基板10の表面に露出して設けられ
た実装端子102にフレキシブルプリント基板等を接続することにより、電気光学装置1
00と例えば電子機器の制御装置等の外部との電気的接続が行われる。
また、走査線駆動回路104は、データ線駆動回路101及び実装端子102が設けら
れたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、かつ額縁遮光膜53に覆われる
ように設けられている。また、TFTアレイ基板10の残る一辺、すなわちデータ線駆動
回路101及び実装端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に対向する辺に
沿って設けられ、額縁遮光膜53に覆われるように設けられた複数の配線105によって
、二つの走査線駆動回路104は互いに接続されている。
また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板1
0と対向基板20との電気的接続を行う上下導通端子として機能する上下導通材106が
配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらの上下導通材106に対応する
領域において上下導通端子が設けられている。上下導通材106と上下導通端子を介して
、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な接続が行われる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、
データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他
方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更
には最上層部分に配向膜22が形成されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20
のそれぞれ液晶層50と接する面に形成された配向膜16及び22は、SiO、SiO
、MgF等の無機材料によって構成された無機配向膜である。本実施形態において、配
向膜16及び22とは、それぞれTFTアレイ基板10及び対向基板20の基板表面に対
し所定の角度をもってSiO、SiO、MgF等の無機材料を蒸着する斜方配向蒸着
法によって形成されるものである。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック
液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜16及び22の間で、所定の配向状態
をとる。
また、対向基板20の入射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射す
る側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーT
N)モード、D−STN(ダブル−STN)モード、VA(垂直配向)モード等の動作モ
ードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィ
ルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
次に、図3を参照して、上述した電気光学装置の電気的な構成について説明する。図3
は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素におけ
る各種素子、配線等の等価回路である。
図3に示すように、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリ
クス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイ
ッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線
6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像
信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数
のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミ
ングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを
、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレ
インに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけその
スイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、S
nが所定のタイミングで選択された走査線11aの画素に書き込まれる。
画素に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成さ
れた対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集
合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリー
ホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率
が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて
入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコン
トラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との
間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線
11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極が、定電位に固定された容量配線400に
接続されている。
次に、本実施形態に係る電気光学装置のTFTアレイ基板10の構造について図4を参
照して説明する。図4は、TFTアレイ基板10のTFT30部の断面図である。図4に
示すように、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9aの他、各種の構成要素が
積層構造をなして配置されている。
図4に示すように、石英基板からなるTFTアレイ基板10には、TEOS(テトラエ
トキシシラン;Tetraethoxysilane)ガスを用いたプラズマCVD法によって形成された
シリコン酸化膜(一般に、プラズマ酸化膜とも称する)からなる下地絶縁膜520が形成
されている。この下地絶縁膜520上には、導電性ポリシリコン膜からなる図示しない複
数の走査線11aが形成されると共に、走査線11aと同一膜により形成されるゲート電
極3aを含むTFT30が設けられている。
TFT30は、例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、上述したゲ
ート電極3aと、半導体膜1aと、ゲート電極3aと半導体膜1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2とを有して構成される。半導体膜1aは、例えばポリシリコンからなり、ゲート電
極3aからの電界によりチャネルが形成されるチャネル領域1a’と、低濃度ソース領域
1bと、高濃度ソース領域1dと、低濃度ドレイン領域1c及び高濃度ドレイン領域1e
により構成されている。
そして、走査線11a及びTFT30の上には、TEOSガスを用いたプラズマCVD
法によって形成されたシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜521が形成されている。
第1層間絶縁膜521には、第1層間絶縁膜521の表面から、第1層間絶縁膜521及
びゲート絶縁膜2を貫通して、半導体膜1aにおける高濃度ドレイン領域1e及び高濃度
ソース領域1dの表面にそれぞれ至るコンタクトホール501及び502が形成されてい
る。そして、コンタクトホール501及び502の底部から側壁及び第1層間絶縁膜52
1の表面に連続的に、例えばアルミニウムを含む導電性材料からなる導電膜が形成されて
いる。この導電膜の一部を用いて、第1層間絶縁膜521上には、ドレイン電極510と
データ線6aが形成されている。ドレイン電極510は、コンタクトホール501を介し
てTFT30の高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。また、データ線6a
は、コンタクトホール502を介してTFT30の高濃度ソース領域1dに接続されてい
る。第1層間絶縁膜521は、TFT30が形成されている層とデータ線6aが形成され
ている層とを絶縁している。
また、第1層間絶縁膜521上には、TEOSガスを用いたプラズマCVD法によって
形成されたシリコン酸化膜からなる第2層間絶縁膜522が形成されている。そして、第
2層間絶縁膜522には、第2層間絶縁膜522の表面から、第2層間絶縁膜522を貫
通してドレイン電極510の表面に至るコンタクトホール505が形成されている。コン
タクトホール505の底部から側壁及び第2層間絶縁膜522の表面には、透明な導電膜
であるITO膜が連続的に形成されることにより、画素電極9aが形成されている。
なお、本実施形態では、電気光学装置100に透過型のTFTアクティブマトリクス駆
動方式の液晶パネルを用いているが、液晶表示装置である電気光学装置100は、任意の
駆動方式及び採光方式によって構成されてよい。例えば、液晶の駆動方式は単純マトリク
ス駆動方式であってもよく、また採光方式は、半透過半反射型及び反射型であってもよい
。また、液晶パネルにアクティブマトリクス方式の駆動方式を採用した場合、液晶パネル
は能動素子としてTFDを用いたものであってもよい。
また、上述の本実施形態の電気光学装置100は、例えば、STN(スーパーTN)モ
ード、D−STN(ダブル−STN)モード、VA(垂直配向)モード等の動作モードを
採用した液晶パネルや、片側の基板に、一対の電極が形成される液晶パネル、例えばIP
S(In-Plane Switching)等であっても構わない。
次に、本実施形態の電気光学装置の製造装置である、プラズマCVD装置200につい
て、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態のプラズマCVD装置の構成を説明す
る概略断面図である。
本実施形態のプラズマCVD装置200は、いわゆる平行平板型の高周波プラズマCV
D装置であり、電気光学装置用の基板であるウェハ基板10bの表面上に、層間絶縁膜と
してTEOSガスを原料ガスとした酸化シリコン膜を形成するものである。ここで、ウェ
ハ基板10bは、上述の電気光学装置100のTFTアレイ基板10となるパターンが複
数個配列されて形成されるマザー基板であり、本実施形態では絶縁性の石英からなる直径
8インチのウェハである。なお、電気光学装置用の基板は、石英基板に限るものではなく
、電気絶縁性であればよく、例えばガラス基板、シリコン基板等であっても良い。
プラズマCVD装置200は、制御装置209と、反応室201と、該反応室201内
に、対向して対置される一対の平板状の電極としての、第1の電極である下部電極210
と第2の電極である上部電極220とを具備して構成されている。
反応室201は、隔壁により気密に構成された空間を有するものであり、図示しないが
、隔壁は開閉機構を有する。反応室201は、排気経路202を介して真空ポンプ装置2
04に接続されている。真空ポンプ装置204は、図示しないが、制御装置209に電気
的に接続されており、制御装置209からの指令信号に基づいて、反応室201内の圧力
(真空度)が所定の値となるように、排気量を変化させることができる。
下部電極210は、電源制御手段である低周波電力供給装置211に電気的に接続され
ている。低周波電力供給装置211は、電源装置、発振器等を備えてなり、例えば100
kHzから1MHzの範囲の所定の周波数の低周波電力を、所定の値の電力で下部電極2
10に供給する。本実施形態では、低周波電力供給装置211が出力する低周波電力の周
波数は、400kHzである。低周波電力供給装置211は、制御装置209に電気的に
接続されており、制御装置209からの指令信号に基づいて、出力する低周波電力の電力
の値を変化させることができる。以下、低周波電力供給装置211から下部電極210に
供給される低周波電力の電力の値をP1[W]とする。
また、下部電極210の上面部には、ウェハ基板10bを載置するための基板支持面2
10aが形成されている。また下部電極210の下部にはヒータ212が配設されており
、ウェハ基板10bを所定の温度まで加熱することができる。
一方、上部電極220は、下部電極210の上方に下部電極210とは離間して基板支
持面210aと略平行に配設されており、電源制御手段である高周波電力供給装置221
に電気的に接続されている。高周波電力供給装置221は、電源装置、発振器等を備えて
なり、上述の低周波電力よりも高い周波数である、例えば周波数が13.56MHzの高
周波電力を、所定の値の電力で上部電極220に供給する。高周波電力供給装置221は
、制御装置209に電気的に接続されており、制御装置209からの指令信号に基づいて
、出力する高周波電力の電力の値を変化させることができる。以下、高周波電力供給装置
221から上部電極220に供給される高周波電力の電力の値をP2[W]とする。
また、上部電極220には、複数のガス供給孔220aが穿設されており、該ガス供給
孔220aは、ガス供給経路206を介して、反応室201外に配設されたガス供給装置
205に連通している。
ガス供給装置205は、原料ガスであるTEOSガスを、所定の流量でガス供給経路2
06、ガス供給孔220aを介して、反応室201内へ供給する装置である。ガス供給装
置205は、図示しないが制御装置209に電気的に接続されており、制御装置209か
らの指令信号に基づいてTEOSガスの流量を変化させることができる。
また、図示しないが、プラズマCVD装置200の外部には基板搬送装置が配設されて
おり、該基板搬送装置により、ウェハ基板10bが、プラズマCVD装置200の下部電
極210上に配置され、さらに下部電極210上から搬出される。
なお、以上の構成において用いられている「高周波」及び「低周波」の表現は、相対的
な表現として用いたものであり、具体的な数値範囲により電極に供給する電力の周波数を
特定するためのものではない。
以下に、上述の構成を有するプラズマCVD装置200によるシリコン酸化膜の形成方
法を説明する。
まず、ウェハ基板10bが、基板搬送装置により、開放状態とされた気密室201内の
下部電極210の基板支持面210a上に配置される。次に、密閉状態とされた気密室2
01内には、ガス供給装置205からTEOSガスが所定の流量で供給され、同時に気密
室201内は、所定の圧力(真空度)となるように真空ポンプ装置204により排気され
る。このとき、ウェハ基板10bは、ヒータ212により加熱され、所定の温度に維持さ
れる。
この状態で、下部電極210及び上部電極220に所定の電力が供給されることにより
、下部電極210と上部電極220との間の電界によってTEOSガスがプラズマ化され
、下部電極210上に配置されたウェハ基板10bの表面上にシリコン酸化膜が堆積され
るのである。
このとき、制御装置209により、下部電極210に供給される電力P1と、上部電極
220に供給される電力P2が制御されている。
以上に説明したプラズマCVD装置200を用いて、上部電極220に供給する電力P
2に対する、下部電極210に供給する電力P1の比を変化させて、絶縁性の基板である
ウェハ基板10b上にシリコン酸化膜を形成した場合の、シリコン酸化膜の膜質の均一性
の変化について実験を行った。その実験結果を図6から図8を参照して説明する。図6は
、上部電極に供給する電力P2に対する下部電極に供給する電力P1の比と、シリコン酸
化膜のウェットエッチングの深さのばらつきとの関係を示すグラフである。図7は、TE
OSガスの流量とシリコン酸化膜の内部応力との関係を示すグラフである。図8は、反応
室内の圧力とシリコン酸化膜の内部応力との関係を示すグラフである。
図6において、グラフの横軸は、プラズマCVD装置200によりウェハ基板10b上
にシリコン酸化膜を形成する時に、上部電極220に供給する電力P2に対する下部電極
210に供給する電力P1の比である電力比Rpを示している。すなわち、Rpは次式(1
)で表される。
Rp=P1/P2 ・・・(1)
ここでP1>0、P2>0
本実験では、上部電極220に供給する電力P2を260Wに固定し、下部電極210
に供給する電力P1を変化させて、電力比Rpの値を変化させた。
一方、図6のグラフの縦軸は、シリコン酸化膜にウェットエッチングにより溝部を形成
した場合の、ウェハ基板10b全体における、溝部の深さの均一性Duniを示している。
より具体的には、ウェハ基板10b全体について、同一のウェットエッチング工程により
形成された溝部の深さを計測し、この計測結果から溝部の平均深さDave、溝部の最大深
さDmax、溝部の最小深さDminをそれぞれ求め、次式(2)から溝部の深さの均一性Dun
iを求めた。
Duni[%]=100×(Dmax−Dmin)/Dave ・・・(2)
言い換えれば、図6におけるDuniの値(縦軸)は、プラズマCVD装置200により
形成されたシリコン酸化膜をウェットエッチングする場合のエッチングレートのばらつき
度合いを示すものである。Duniの値が小さいほど、シリコン酸化膜のウェットエッチン
グによるエッチングレートのばらつきが小さいことを示し、以下、エッチングレートのば
らつきが小さくなることを、エッチングレート均一性が向上すると称する。
図6のグラフに示すように、電力比Rpの値が小さくなるほどDuniの値が小さくなる傾
向にあり、特に電力比Rpの値が0.3以下の領域において、それ以外の電力比Rpの領域
に比してDuniの値が急激に小さくなることが判明した。
例えば、従来の平行平板型プラズマCVD装置を用いたシリコン酸化膜の形成方法では
、電力比Rpの値が0.5から0.6の範囲となるように、上下の電極へ電力を供給して
いた。この従来のプラズマCVD法では、図6からわかるように、ウェットエッチングに
より形成される溝部の深さの均一性Duniの値が10%以上となってしまうのである。
ところが、本実験で判明したように、上部電極220に供給する電力P2に対する下部
電極210に供給する電力P1の比である電力比Rpの値を0<Rp≦0.3の範囲内とし
て、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成することにより、ウェットエッチング
により形成される溝部の深さの均一性Duniの値を10%以下の値とすることができる。
すなわち、ウェットエッチングのエッチングレート均一性を、従来に比して、より向上さ
せることができる
好ましくは、電力比Rpの値を0.2以下とすれば、Duniの値は5%以下となる。すな
わち、従来のプラズマCVD法により形成されたシリコン酸化膜に比して、ウェットエッ
チングのエッチングレートのばらつきを半分以下に抑えることができ、エッチングレート
均一性が倍に改善されるのである。
特に、電力比Rpの値を0.15以下とすれば、Duniの値は2.5%以下となり、従来
のプラズマCVD法により形成されたシリコン酸化膜に比して、ウェットエッチングのエ
ッチングレートのばらつきが1/4以下に抑えることができ、より好ましい。
ここで、電力比Rpの値を従来の0.5から0.6の範囲よりも小さくした場合、プラ
ズマCVD装置200により形成されるシリコン酸化膜の内部応力が大きくなり、ウェハ
基板10bが反ってしまうことが懸念される。しかしながら、図7及び図8に示すように
、TEOSガスを用いたプラズマCVD法により形成されるシリコン酸化膜の内部応力は
、TEOSガスの流量と反応室201内の圧力とを適当な値に調整することにより緩和す
ることができる。より具体的には、図7に示すように、TEOSガス流量を小さくするこ
とにより、シリコン酸化膜の内部応力を小さくすることができ、また、図8に示すように
、反応室内の圧力を上げることにより、シリコン酸化膜の内部応力を小さくすることがで
きるのである。
すなわち、従来のプラズマCVD法では、シリコン酸化膜の内部応力を小さくすること
を目的として、電力比Rpの値を0.5から0.6の範囲内としているものであるが、図
7及び図8の結果から判明するように、TEOSガスの流量と反応室201内の圧力を制
御することにより、シリコン酸化膜の内部応力は、ウェハ基板10bの反りに影響を与え
ない程度にまで低減することができるのである。よって、ウェハ基板10bに反りを発生
させることなく、電力比Rpの値を、本発明のように従来の0.5から0.6の範囲より
も小さくすることが可能となるのである。
以上のように、本発明の電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法は、図5
に示したプラズマCVD装置200を用いて、電気光学装置用の基板であるウェハ基板1
0b上に、TEOSガスを原料ガスとしたプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成
するものであって、上部電極220に供給する電力P2に対する下部電極210に供給す
る電力P1の比である電力比Rpの値を0.3以下とするものである。
これにより、ウェハ基板10b上に形成されたシリコン酸化膜は、ウェットエッチング
時のエッチングレートのばらつきが従来に対して小さくなり、エッチングレート均一性が
向上する。
また、シリコン酸化膜のエッチングレート均一性が向上することにより、ウェハ基板1
0b上に形成する回路パターンの形成工程の信頼性が向上し、電気光学装置用の基板の歩
留まりを向上させることが可能となる。
なお、本実施形態に係るプラズマCVD装置は、図5に示した構成に限定するものでは
なく、平行平板型のプラズマCVD装置、いわゆる容量結合型プラズマCVD装置であれ
ば良い。例えば、複数枚の基板に対して同時にシリコン酸化膜を形成する形式のものであ
っても良い。
また、本実施形態に係る電気光学装置は、アクティブマトリクス駆動の液晶表示装置の
他に、電子ペーパなどの電気泳動装置、EL(Electro-Luminescence)表示装置、電子放
出回路素子を備えた装置(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Em
itter Display)等の電気光学装置の技術分野に属するものである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から
読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更
を伴う電気光学装置の製造装置用及び電気光学装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲
に含まれるものである。
TFTアレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。 図1のH−H’断面図である。 マトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。 TFTアレイ基板のTFT部の断面図である。 プラズマCVD装置の構成を説明する概略断面図である。 上部電極に供給する電力に対する下部電極に供給する電力の比と、シリコン酸化膜のウェットエッチングの深さのばらつきとの関係を示すグラフである。 TEOSガスの流量とシリコン酸化膜の内部応力との関係を示すグラフである。 反応室内の圧力とシリコン酸化膜の内部応力との関係を示すグラフである。
符号の説明
10b ウェハ基板、 200 プラズマCVD装置、 201 反応室、 202
排気経路、 204 真空ポンプ装置、 205 ガス供給装置、 206 ガス供給経
路、 209 制御装置、 210 下部電極、 210a 基板支持面、 211 低
周波電力供給装置、 212 ヒータ、 220 上部電極、 221 高周波電力供給
装置

Claims (3)

  1. 電気光学装置用の基板上に、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成する電気光
    学装置の製造装置であって、
    前記基板が配置される第1の電極と、該第1の電極に対向して設けられた第2の電極と
    、前記第1及び第2の電極にそれぞれ異なる周波数の電力を供給する電源制御手段とを具
    備し、
    前記第1の電極に供給する電力をP1、前記第2の電極に供給する電力をP2とした場
    合に以下の条件式を満たすことを特徴とする電気光学装置の製造装置。
    0<P1/P2≦0.3
  2. さらに、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造装
    置。
    0<P1/P2≦0.15
  3. 電気光学装置用の基板が配置される第1の電極及び該第1の電極に対向して設けられた
    第2の電極に、それぞれ異なる周波数の電力を供給し、前記第1及び第2の電極間の電界
    により前記第1及び第2の電極間に供給される原料ガスをプラズマ化し、前記基板上にプ
    ラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成する電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の電極に前記基板を配置し、前記第2の電極に供給する電力に対する前記第1
    の電極に供給する電力の比が0.3以下となるように第1及び第2の電極に電力を供給す
    ることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011010726A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 株式会社ユーテック プラズマCVD装置、SiO2膜又はSiOF膜及びその成膜方法
WO2011010727A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 株式会社ユーテック 熱CVD装置、SiO2膜又はSiOF膜及びその成膜方法

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