JP2007323784A - ディスク装置 - Google Patents

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三宅清文
Takao Naito
内藤孝夫
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Abstract

【課題】光ディスクにスピンドルモータの熱が伝わることによる光ディスクの熱変形を抑制し、光ディスク装置の性能劣化を防ぐ。
【解決手段】着脱自在の光ディスクを用い、光ディスクを保持するターンテーブル10と、ターンテーブル10を回転駆動するスピンドルモータと、スピンドルモータ内にターンテーブル10の回転軸を保持する軸受部12を有する光ディスク装置において、軸受部12の外周に、熱電により冷却する素子17を配し、素子17により軸受部12を直接冷却する。スピンドルモータから発する熱は、軸受部12を介してターンテーブル10に伝わるため、軸受部12を冷却することによりスピンドルモータの熱がターンテーブル10に伝わることを防ぎ、さらにターンテーブル10を冷却することが可能である。これにより、光ディスクにターンテーブル10から熱が伝わることはなく、光ディスクの熱変形を抑制できる。
【選択図】図2

Description

技術分野は、ディスク装置を回転させるディスク装置に係わる。例えば特に、光ディスクに生じる熱変形の発生を低減する光ディスク装置に関する。
光ディスクを回転させるに当たり、モータの回転によって発生する熱により、光ディスクを搭載したターンテーブルの温度が上昇し、光ディスクの熱変形を起こす場合がある。
これに対し、例えば以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、「光ディスクの局所的な熱変形を低減し、これによって装置全体の耐久性および信頼性向上を図った光ディスク装置を提供すること。」を課題として、「ターンテーブルを介して光ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、該モータの回転軸の固定されたガイド部材とターンテーブルとの間にあって当該ガイド部材に案内され回転軸に沿って往復移動するディスク用中心位置調整部材と、光ディスクをターンテーブルと共に保持するクランパとを有する。クランパは熱伝導率の小さい部材で形成し、外周部の環状クランプ部材を熱伝導率の大きい部材で形成する。又、ターンテーブルの環状保持部材を、弾性材からなる環状スペーサと光ディスク側に配設され熱伝導率の大きい部材からなる環状部材とにより構成する。」という記載がある。
特許文献2には、「ディスクテーブル付近の雰囲気温度を所定温度に保つことの可能なスピンコーティング装置の提供。」を課題として、「上下方向に配設され上端に円盤状のディスクテーブルを有するスピンドル軸と、ディスクテーブルの下方に配置されスピンドル軸を架台に回転可能に支承する軸受と、軸受の下方に配置されスピンドル軸を回転駆動させるモータと、ディスクテーブルの上方に配置されディスクテーブル上に載置されたCDに有機色素液を供給するノズルと、ディスクテーブルの外周を包囲して配置され排気ダクトに通じる排気通路を有するケースとを備えたスピンコーティング装置であって、軸受の周囲に水冷式冷却手段を、モータの周囲に空冷式冷却手段をそれぞれ設け、モータの駆動による熱および軸受の摩擦熱を冷却手段で冷却する。」という記載がある。
特許文献3には、「放熱性に優れ、スピンドルモータの発生する熱によるスピンドルモータの性能への悪影響や光ディスクの膨張変形等を防止できるスピンドルモータを得る。」ことを課題とする技術が開示されている。
特開平10−83602号公報 特開平10−43664号公報 特開平10−70870号公報
現在、光ディスク装置はパソコンやビデオレコーダだけでなく、ビデオカメラなどの持ち運びを可能とする機器にも使用されており、さらなる小型軽量化が求められている。しかしながら、光ディスク装置を小型化することにより発生する問題もある。そのひとつが上述したような、光ディスク装置に設けられたスピンドルモータから発生する熱による光ディスクの熱変形である。特に、BD(Blu-ray Disc)やHD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)などの短波長光(例えば405nm)を用いた光ディスク装置においては、DVDに比べ、ディスク・レーザ間距離が1/4以下、ディスクトラックピッチが1/2以下(例えば0.32-0.34μm)、最長記録マーク長が1/2以下(例えば0.15-17μm)になる。そのためDVDに比べ非常に高いフォーカス及びトラッキング精度が必要とされ、チルトや面ブレなどによる悪影響が大きくなることが懸念されている。そこで、光ディスク装置の性能を確保するため、スピンドルモータ駆動時の熱によるターンテーブルの温度上昇を防ぐことにことにより、光ディスクの局所的な温度上昇及び熱変形を抑制する技術が求められる。
光ディスク装置に設けられたスピンドルモータから発生する熱によりターンテーブルが温度上昇し、光ディスクの熱変形を起こす様子を図3を用いて詳細に説明する。図3は従来技術のスピンドルモータ内の熱伝達経路を図示したものである。
光ディスク2への記録/再生動作時には、光ディスク2を保持するターンテーブル10が回転駆動される。このとき積層コア15に巻きつけられたコイル16にスピンドルモータ制御回路基板20より電流が流れるため、コイル16が発熱する。この熱は、矢印31〜35のようにコイル16、積層コア15、軸受部12、回転軸11、ターンテーブル10の順に伝達し、最終的に光ディスク2がターンテーブル10と接触した面に伝わる。光ディスク2は通常2つの基板を張り合わせ構造であるため、2つの基板の温度差があると熱膨張に差が生じ、熱変形によりチルト及び面ブレが発生する。チルト及び面ブレが発生すると正しく光ディスク2の記録面上に焦点を絞れなくなるため、該光ディスク2への記録/再生性能が劣化し記録/再生エラーが発生する。光ディスク装置が小型化されるとスピンドルモータのコイルからの熱がターンテーブルに伝わりやすくなるため、この問題がさらに顕著となる。
上記特許文献1には、スピンドルモータからの熱がターンテーブルに伝わりにくくするべく、スピンドルモータ内のターンテーブルと回転軸の間に、熱伝導率の低い部材で構成した筒状スペーサを設けている。スピンドルモータから発生する熱は回転軸を介してターンテーブルに伝わるため、該筒状スペーサを熱伝導率の低い部材で構成することで、スピンドルモータから発生する熱がターンテーブルに伝わる速度を抑え、ターンテーブルの温度上昇を抑制する。しかし、スピンドルモータが発熱し始めてから長時間が経過した場合には、熱がターンテーブルに伝わり、最終的にはターンテーブルは高温となってしまうので、光ディスクの反対側の周囲温度との間の温度差により熱変形を起こしチルト及び面ブレが発生して、記録/再生性能が劣化するという問題がある。さらに、この従来技術ではターンテーブルを冷却する手段は考慮されていないので、光ディスク装置を長時間駆動させターンテーブルが高温になった状態で光ディスクを交換した場合は、高温のターンテーブルに外気温と同じ温度の光ディスクが装着されることになり、ターンテーブルから光ディスクとの接触面に熱が伝わり、光ディスクの2つの基板間に温度差が生じ熱変形を起こしチルト及び面ブレが発生する(装置内部(ターンテーブル)の温度は「外気温+x℃」となり上昇分のx℃は環境に拘わらず略一定(使用時間に依存)。ディスク温度は外気温と略同じであるから、実際に屋外(真夏)に使用する場合、ディスク40℃、装置内部70℃程度になる)。その結果、光ディスク交換直後は光ディスク装置の記録/再生性能が劣化するという問題がある。
上記特許文献2には、スピンドルモータの技術ではないが、ターンテーブルを冷却する従来技術が記載されている。しかし、この技術では、光ディスク装置筐体内に空冷式冷却手段、水冷式冷却手段を設ける必要があり、さらに筐体外にも送風、送水ダクトおよび送風送水装置を設けなければならず、さらに装置の外の設備との接続も不可欠であり、装置が大型化してしまうという問題がある。また、ターンテーブルの回転軸の軸受部をモータの外部に配置して冷却する必要があるという点からも、光ディスク装置が大型化してしまうという問題がある。
上記特許文献3では、ベースは軸受の下に配置されているため、軸受下部の熱は放熱できるかもしれないが、軸受上部には放熱手段がない。よって軸受上部より熱が伝わるターンテーブルの温度が上昇する問題がある。
そこで例えば、スピンドルモータ内の軸受部外周に冷却素子を設けることにより、装置の大型化を防止しながら長時間のスピンドルモータ駆動によるターンテーブルの温度上昇を防ぎ、光ディスクの熱変形を抑制することのできる小型の光ディスク装置を提供する。
具体的に例えば、着脱自在の光ディスクを用い、該光ディスクを保持するターンテーブルと該ターンテーブルの回転中心部を貫通して配置された回転軸と該回転軸を保持する略円柱状の軸受部とで構成されたスピンドルモータを有する光ディスク装置において、冷却素子を、該スピンドルモータ内部にある該軸受部の外周部に配置する。スピンドルモータのコイルから発する熱は、軸受部を介してターンテーブルに伝わる。そのため、軸受部を冷却素子により直接冷却することにより、スピンドルモータのコイルの熱がターンテーブルに伝わることを防ぎ、さらにターンテーブルを冷却することが可能である。これにより、該光ディスクに該ターンテーブルから熱が伝わることはなく光ディスクの熱変形を抑制することが可能であり、光ディスク装置が大型化することも防止できる。
上記手段によれば例えば、スピンドルモータ内の軸受部外周に冷却素子を設けることにより、装置の大型化を防止しながら長時間のスピンドルモータ駆動によるターンテーブルの温度上昇を防ぎ、光ディスクの熱変形を抑制することができる。
上記以外の課題、手段、効果は後述する実施形態によって明らかにされる。
以下、本発明の実施に好適な実施形態を、光ディスク装置を使用したビデオカメラを例に図1、図2、図4〜図7を用いて説明する。尚、本発明は本実施例に限定されない。例えば、ビデオカメラなどのように小型化が求められていて且つ屋外でも使用する製品では熱の問題が特に重要であるが、本発明はビデオカメラだけでなくパソコンやビデオレコーダなどに使用される一般的な光ディスク装置にも適用可能である。また光ディスクにも限定されない。
以下第1の実施例を、図1、図2、図4〜5を用いて説明する。
図1は、光ディスク装置を使用したビデオカメラの構造例を示す。
ビデオカメラ1は、光ディスク2、カメラ部3、EVF(Electric View Finder)4、光ディスク装置5より構成される。さらに光ディスク装置5は、記録/再生時に発光するレーザダイオード6、レーザダイオード6を備えたピックアップ7、光ディスク2を回転保持するスピンドルモータ8、光ディスク装置5を制御する光ディスク装置制御回路基板9より構成される。
光ディスク装置のスピンドルモータの構造を図2、図5を用いて説明する。図2はスピンドルモータの横断面図、図5はスピンドルモータの上断面図である。尚、図5ではロータケース及び磁石は省略して図示している。なお、光ディスク装置とは、図1のように、スピンドルモータ以外のものも含む装置を意味することもあるし、スピンドルモータ単体を意味することもあるとする。
ここでスピンドルモータ8は、図2に図示された部分のうち、光ディスク2以外の部分の総称であるとする。10は光ディスク2を回転保持するターンテーブル(台ともいう)、11はターンテーブル10の回転軸、12は回転軸11を保持する軸受部(摩擦を低減するためにオイルが塗られている。ボールベアリングであってもよい)、13はターンテーブル10に圧着されたロータケース(覆ともいう)、14はロータケース13に圧着された磁石、25は軸受部12の下部に圧着された積層コア、16は積層コア25に巻きつけられ電流が流されることで磁界を発生するコイル、17は軸受部12の外周上部に環状接着されている冷却素子であるペルチェ素子、18はターンテーブル(のボス)から図面上左右に突出して光ディスク2を固定する圧着爪、19は摩擦により光ディスク2を保持する環状保持部材、20は光ディスク装置制御回路基板9と接続されているスピンドルモータ制御回路基板である。ペルチェ素子17のリード線21は積層コア25の空洞部22を通りスピンドルモータ制御回路基板20と接続している。また、スピンドルモータ制御回路基板20にはペルチェ素子17を駆動及び制御する回路がある。ペルチェ素子17は軸受部12外周上部に熱伝導率のよいシリコン系樹脂を用いて接着することで、ペルチェ素子17と軸受部12の熱伝導性を向上させている。すなわち、ペルチェ素子17と該軸受部12とを固定するとともにその間の熱を効率よく伝えることができるので、ターンテーブルに熱が伝わることを効率よく防止できる。
なお、ここでいうスピンドルモータ8は特許文献2に記載のモータとは異なる。例えば磁石14がターンテーブル10と共に回転する構造であったり、ターンテーブル10とロータケース13が接続されていたりする。スピンドルモータ8は、回転軸11が回転するのではなく、ロータケース13を回転させることでターンテーブル10ごとターンテーブル10に搭載されたディスクを回転させるモータであるとも表現できる。
また、ペルチェ素子とは、冷却効果のある電子部品の一つであり、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用した素子である(IT用語辞典http://e-words.jp/参照)。これにより、電気的に温度制御が可能となり、光ディスク装置が大型化することを防止できる。
光ディスク2への記録/再生動作時には、ターンテーブル10上に光ディスク2を環状保持部材19と圧着爪18とで保持するように装着する。保持された状態の光ディスク2は、スピンドルモータ8内のコイル16と磁石14と間の電磁力で回転するロータケース13に圧着されているターンテーブル10が回転軸11を中心に回転することで、所定の回転速度で回転駆動される。このときスピンドルモータ8を駆動すると同時に、スピンドルモータ8内の軸受部12側面上部に接着されたペルチェ素子17にスピンドルモータ制御回路基板20より駆動指令を出力する。この駆動指令により、ペルチェ素子17にはターンテーブル10を所定の温度で安定させる電圧が印加される。このペルチェ素子17はスピンドルモータ8の内部に設けられているため、このことによる光ディスク装置の大型化は防げる。
本実施例における熱伝達経路について図4を用いて説明する。図4は、スピンドルモータ内の温度伝達経路である。
スピンドルモータ8の駆動によりコイル16から発生する熱は、まずは積層コア25に伝わる(矢印41)。さらに積層コア25と接触している軸受部12側面下部に伝わるが、このとき軸受部12側面上部にはペルチェ素子17が熱伝導率の高いシリコン樹脂を用いて接着されているため、軸受部12に伝わった熱の大部分はペルチェ素子17に吸収(冷却)される(矢印42)。その後、その伝達された熱はペルチェ素子17の放熱面より放熱される(矢印43)。よってコイル16から発生する熱が、回転軸11、ターンテーブル10を介して光ディスク2に伝わること防止し、伝わる熱を低減している。コイル16などの熱源そのものを冷却することも考えられるが、ターンテーブル10の温度上昇を防ぐためには、ターンテーブルに直接伝わる軸受部12を冷却することが効率的である。特に、積層コア25と軸受部12とを接続するためにペルチェ素子17を図面上縦全面に配置できない場合には、ペルチェ素子17をターンテーブル10に近い側に配置することが有効である。このように、スピンドルモータ8内の軸受部の外周部に冷却素子であるペルチェ素子17を配置し、軸受部12を直接冷却するようにしたので、本スピンドルモータを使用した光ディスク装置及びビデオカメラは、装置が大型化することを防止しながら、安定した記録/再生性能を確保でき、ビデオカメラ上でブロックノイズ等の問題は発生しにくくすることができる。
ここで、ペルチェ素子17を駆動するときに印加する電圧は、ペルチェ素子17を駆動停止した場合のビデオカメラ1外部の周囲温度とターンテーブル10の温度差を実験的に測定して求めている。ビデオカメラ1においてペルチェ素子17を駆動しない状態で記録/再生動作を一定時間行い、ビデオカメラ1外部の周囲温度に対してターンテーブル10の温度上昇分を測定する。この温度上昇分が大きい場合、ビデオカメラ1より光ディスク2を取り出しその他の光ディスクと交換すると、挿入された該光ディスクの2つの基板間で大きな温度差が発生し、熱変形により光ディスクの規格である0.7°を超えるチルトが発生してしまう。そのため、ビデオカメラ1外部の周囲温度とターンテーブル10の温度差が光ディスクの規格の規格を満足するようなペルチェ素子17への印加電圧を実験的に求める。この、求めた印加電圧を記録/再生動作時にペルチェ素子17に加え駆動することにより、ターンテーブル10の温度を外部の周囲温度とほぼ同じになり、光ディスク装置を長時間駆動させた後光ディスクを交換した場合にも、光ディスクの2つの基板間の温度差を小さくすることができ、チルト及び面ブレの発生が防止できる。
例えば、本実施例のビデオカメラ1では、ペルチェ素子17を駆動しない状態で記録/再生動作を一定時間行った場合、スピンドルモータ8の駆動によりターンテーブル10の温度は、ビデオカメラ1外部の周囲温度に比べ約30℃上昇し平衡状態となった。ここで記録/再生動作を一時停止し、ビデオカメラ1より光ディスク2を取り出しその他の光ディスクと交換すると、挿入された該光ディスクの2つの基板間で約30℃の温度差が発生し、光ディスクの規格である0.7°を超えるチルトが発生した。この温度上昇分をペルチェ素子17により冷却することで温度差を小さくし安定させる。このときのペルチェ素子17への印加電圧を電圧Aとする。スピンドルモータ8の駆動と同時にスピンドルモータ制御回路基板20よりペルチェ素子17に電圧Aとして例えば1.0Vを印加し続けた場合、一定時間記録/再生動作を行った後、ビデオカメラ1の周囲温度とターンテーブル10の温度差は5℃以内で安定した。そのため光ディスクを交換した直後であっても、挿入された光ディスクにおける2つの基板間の温度差が小さいため、チルトの発生を0.1°以下に抑えることができた。
以下、第2の実施例を、図2を用いて説明する。特に、ビデオカメラ1を長時間使用した場合に、ビデオカメラ1内部の光ディスク2上部の空間温度とターンテーブル10との温度差が大きい場合の例を説明する。
第2の実施例が第1の実施例に対して異なる点は、ペルチェ素子17に印加する電圧の求め方である。同一の構成には同一の番号を記し、説明は省略する。
本実施例では、一定時間記録/再生動作を行った後のビデオカメラ1内部の光ディスク2上部の空間温度とターンテーブル10との温度差を測定し、その温度差を小さくするペルチェ素子17への印加電圧Bを実験的に求める。この求めた印加電圧Bを記録/再生動作時にペルチェ素子17に加え駆動することにより、ビデオカメラ1内部の光ディスク2上部の空間温度とターンテーブル10との温度差を小さくでき、光ディスク装置を長時間駆動させた後にも、光ディスクの2つの基板間の温度差を小さくすることができ、チルト及び面ブレの発生が防止できる。
例えば、スピンドルモータ8の駆動と同時にスピンドルモータ制御回路基板20よりペルチェ素子17に0.5Vの電圧を印加し続けた場合、一定時間記録/再生動作を行った後、光ディスク2上部の空間温度とターンテーブル10の温度差は5℃以内で安定した。そのため記録/再生動作を長時間続けた後であっても、光ディスク2のチルトの発生を0.1°以下に抑えることができた。
ここで、光ディスク装置の使用環境、使用時間などの差異により上記印加電圧A、Bを切り替えてペルチェ素子17に印加してもよい。
以下、第3の実施例を、図6、7を用いて説明する。図6はスピンドルモータの横断面図、図7はスピンドルモータの上断面図である。第3の実施例が第1の実施例に対して異なる点は、軸受部26、積層コア27、ペルチェ素子28の構造と配置である。同一の構成には同一の番号を記し、説明は省略する。
ここでは、4個のペルチェ素子28と積層コア27が互い違いに軸受部26の側面に接着する構造としている。このときの温度伝達経路は図7に示すように、コイル16からの熱が積層コア27に伝わり(矢印71)、積層コア27から軸受部26に伝わった熱はペルチェ素子28に吸収(冷却)され(矢印72)、さらにペルチェ素子28の放熱面より放熱される(矢印73)。
上述したように、この構造であっても第1の実施例と同様にターンテーブルに伝わる熱を防ぐ効果を得ることができる。
尚、ペルチェ素子28と積層コア27がともに軸受部26に接する構成であれば、軸受部26、積層コア27、ペルチェ素子28の形状及び構成は問わない。
以下、第4の実施例を、図8、9を用いて説明する。図8はスピンドルモータの横断面図、図9はスピンドルモータの上断面図である。第4の実施例が第1の実施例に対して異なるところは、軸受部29、積層コア30、ペルチェ素子31の構造と配置である。また、ペルチェ素子31の吸熱側は積層コア30側を向いている。その他、同一の構成には同一の番号を記し、説明は省略する。
ここでは、例えば10μm以下の軸ブレが発生しない位置精度が保てるような剛性を持ったペルチェ素子31を用い、軸受部29外周全体にペルチェ素子31を配置し、その外周に積層コア30を配置する構造としている。このときの温度伝達経路は図8に示すように、コイル16からの熱が積層コア30に伝わり(矢印81)、積層コア30からの熱はペルチェ素子31に吸収(冷却)され(矢印82)、さらにペルチェ素子28の放熱面より放熱される(矢印83)。
上述したようにこの構造によれば、コイル16の熱は軸受部29に伝わらないため、さらにターンテーブルに伝わる熱を防ぐ効果が得られる。
尚、ペルチェ素子31が積層コア30と軸受部29の間に設けられる構成であれば、軸受部29、積層コア30、ペルチェ素子31の形状及び構成は問わない。
第1の実施例のビデオカメラの構造例を示す図 第1の実施例のスピンドルモータの横断面例を示す図 従来技術のスピンドルモータ内の温度伝達経路例を示す図 第1の実施例のスピンドルモータ内の温度伝達経路例を示す図 第1の実施例のスピンドルモータの上断面図例を示す図 第3の実施例のスピンドルモータの横断面図例を示す図 第3の実施例のスピンドルモータの上断面図例を示す図 第4の実施例のスピンドルモータの横断面図例を示す図 第4の実施例のスピンドルモータの上断面図例を示す図
符号の説明
1:ビデオカメラ、2:光ディスク、3:カメラ部、4:EVF、5:光ディスク装置、6:レーザダイオード、7:ピックアップ、8:スピンドルモータ、9:光ディスク装置制御回路基板、10:ターンテーブル、11:回転軸、12、26、29:軸受部、13:ロータケース、14:磁石、15、25、27、30:積層コア、16:コイル、17、28、31:ペルチェ素子、18:圧着爪、19:環状保持部材、20:スピンドルモータ制御回路基板、21:リード線、22:空洞部、23:コネクタ、24:FPC

Claims (9)

  1. 回転するディスクから情報を読み取るディスク装置であって、
    ディスクから情報を読み取る読み取り部と、
    ディスクを搭載する台と、
    前記台に接続して軸の周囲に配置された軸受部と、
    前記台と共に回転する磁石と、
    前記磁石と対になって前記台を前記軸を中心に回転させるコイルと、
    前記軸受部を冷却する冷却部とを含むディスク装置。
  2. ディスクを回転させるディスク装置であって、
    ディスクを搭載する台と、
    前記台と接続するロータケースと、
    前記台と共に回転する磁石と、
    前記磁石と対になるコイルと、
    前記台に接続する軸受部と、
    前記軸受部を冷却する冷却部とを含み、
    前記ロータケースから前記回転軸に向けて、前記磁石、前記コイル、前記冷却部の順で配置されているディスク装置。
  3. 請求項1又は2のディスク装置であって、
    前記軸受部において前記軸の方向に見て、前記コイル部と前記軸受部との接続部、前記冷却部、前記台のように配置されているディスク装置。
  4. ロータケースに接続する磁石をコイルに発生した磁界によって回転させることで前記ロータケースに接続されたターンテーブルに搭載されたディスクを回転軸を中心に回転させるディスク装置であって、
    前記コイルと前記回転軸との間に冷却素子を配置するディスク装置。
  5. 着脱自在の光ディスクを保持するターンテーブルと、該ターンテーブルの回転中心に配置された回転軸と、該回転軸を保持する軸受部とで構成されたスピンドルモータを有する光ディスク装置において、
    冷却素子を、前記軸受部の外周部に配置する光ディスク装置。
  6. 請求項5記載の光ディスク装置において、該冷却素子と該軸受部とをシリコン樹脂の接着部材で固定する光ディスク装置。
  7. 請求項5又は6記載の光ディスク装置において、該ターンテーブルの温度が所定の温度となるように該冷却素子を制御する光ディスク装置。
  8. 請求項5から7のいずれか記載の光ディスク装置において、該冷却素子はペルチェ素子である光ディスク装置。
  9. 請求項5から8のいずれか記載の光ディスク装置を搭載したビデオカメラ。
JP2006155565A 2006-06-05 2006-06-05 ディスク装置 Pending JP2007323784A (ja)

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