JP2007321685A - スクロール圧縮機及びそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Yuugo Mukai
有吾 向井
Kazunori Tsukui
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Abstract

【課題】通常運転時の圧縮機効率低下を招くことなく、圧縮機起動時に、確実に旋回スクロールを固定スクロールに押し付けるスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】固定スクロールに中間圧昇圧弁穴2nを開け、中間圧昇圧弁シール面を設け、中間圧昇圧弁穴2nの非旋回基準面2a側から周囲溝2bと通じている中間室側導通路2pを設ける。前記中間圧昇圧弁穴2nに球弁体25aと中間圧昇圧弁ばね25bを入れ、中間圧昇圧弁キャップ25cを中間圧昇圧弁穴2nよりも直径の大きい中間圧昇圧弁キャップ挿入部2qに圧入し、中間圧昇圧弁25を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、起動時に旋回スクロールを固定スクロールに確実に押し付ける、旋回スクロールの離脱防止に関する。
従来は、特許文献1に記載されるように、旋回スクロールの鏡板の背面を環状の外側背圧室と、中央背圧室および内側背圧室とに区画し、前記外側背圧室を圧縮室の冷媒吸入部に連通し、前記中央背圧室を吐出室に連通するとともに、前記内側背圧室を電動機室に連通させ、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける構造であった。
特開2000−205154号公報
特許文献1は、実施例にも多少の記載がある通り、主に空気調和機に用いられる圧縮機についての技術が開示されているものと考えられる。空気調和機用圧縮機のようなものでは、圧力条件が大きく変わることは無いので、特許文献1のように中央背圧室の圧力を一定の絞りにより調節する構造であっても、特段大きな問題は生じない。
しかしながら、例えば、ヒートポンプ式給湯機用圧縮機のように、様々な圧力条件下で運転するものとしては、絞りを一定にしてしまうと、旋回スクロールが固定スクロールから離脱する虞が大きくなるといった課題がある。
例えば、ヒートポンプ式給湯機の42℃出湯条件と90℃出湯条件のような吐出圧力が大きく変化する機器に用いた場合においては次のような問題がある。すなわち、42℃出湯条件で絞りを適正化してしまうと90℃出湯条件においては、旋回スクロールを固定スクロールに過剰に押し付けてしまうことになる。また、90℃出湯条件で絞りを適正化してしまうと42℃出湯条件においては旋回スクロールの固定スクロールヘの押付力が不足し、ひいては旋回スクロールが固定スクロールから離脱するといった課題がある。
本発明の目的は、例え圧力条件が大きく変わるような場合であっても、起動時に、確実に旋回スクロールを固定スクロールに押し付けることができるスクロール圧縮機を提供することにある。
本発明の目的は、中間圧室の圧力によって旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて、吸入した冷媒を前記旋回スクロールと前記固定スクロールとによって圧縮して吐出する高圧チャンバ型のスクロール圧縮機であって、チャンバ内の吐出空間と前記中間圧室とを連通する連通路に差圧制御弁を備えることによって達成される。
本発明によれば、起動時に旋回スクロールを固定スクロールに確実に押し付け、旋回スクロールの離脱を防止できる。
本発明の第1の実施形態を以下詳細に説明する。図1は本発明第1の実施例にかかる横置スクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は差圧制御弁8の拡大図、図5は図2のC−0−C断面図、図6は中間圧昇圧弁
25の開時の図、図7は中間圧昇圧弁25の閉時の図である。
先ず、図1において、スクロール圧縮機における冷媒の流れの概要を述べる。スクロール圧縮機である圧縮機は、吸込パイプ6から冷媒を取り入れ、吐出パイプ20から圧縮した冷媒を吐出する。吸込パイプ6から流入した冷媒は、吸込室16に一旦流入した後、固定スクロール2の固定渦巻体と旋回スクロール1の旋回渦巻体とで形成される圧縮室3で圧縮される。圧縮された冷媒は密閉容器22内に吐出され、吐出パイプ20から吐出される。本実施例のスクロール圧縮機は、いわゆる高圧チャンバ型のスクロール圧縮機である。
次に、構造を説明する。旋回スクロール1の背面には、旋回軸受1cが挿入される軸受保持部1dが設けられ、オルダムリング10の旋回突起部(10b)が挿入される旋回オルダム溝1eが設けられる。固定スクロール2は、図3,図4に示されるように、スクロールラップ歯先面YYと同一面である非旋回基準面2aを設け、そこに周囲溝2bを形成する。そして、歯底XXには4個のバイパス穴2cが設けられる。ここでバイパス穴2cを設けた理由は、圧縮室3の圧力が吐出圧以上になった場合にこのバイパス穴2cから冷媒ガスを抜くためである。図1において、このバイパス穴2cを覆うようにリード弁板であるバイパス弁板4およびその弁板4の開口度を制限するリテーナ4aをバイパスねじ5で固定する。中央近くには吐出穴2dが開口している。
また、図3において、歯底XXの外縁側に吸込掘込2eを設け、そこに背面、つまり図3の紙面の裏側(図2の紙面の手前側)から吸込パイプ6を挿入するための吸込穴2fを設ける。この吸込穴2fに前記吸込パイプ6を挿入するが、そのときに弁体7aと逆止弁ばね7bを入れ、吸込側逆止弁7を形成する。吸込側逆止弁7は、圧縮機内部の冷媒吸込部に設けられ、圧縮機停止時に吐出圧の冷媒が蒸発器等に逆流することを防止するものである。
また、固定スクロール2の外周に複数の流通溝2gを設ける。この流通溝2g(と後述の溝9h)と圧縮機本体の外郭とにより、吐出空間である固定背面室17とモータ室18とを連通する連通路を形成することができる。吐出ガスおよび油は、この複数の連通路を通り、流れることができる。
図2,図3のように、吸込掘込2e,吸込穴2fとは異なる弁穴2hを穿設する。そして、この弁穴2hの側面から半径方向のR溝2mを刻設する。このR溝2mと弁穴2hとを連通する吸込側導通路2kを穿設する(図4参照)。図4において、ばね位置決突起
8cに前記差圧弁ばね8bの一端を挿入した状態で、前記弁穴2hに弁体8aと差圧弁ばね8bを入れ、弁キャップ8dを前記弁穴2hよりも直径の大きい弁キャップ挿入部41に圧入し、差圧制御弁8を形成する。
フレーム9には、外周部の端部に前記固定スクロール2を取り付ける固定取付面9aが設けられ、その内側で、当該端部から旋回スクロール1の端板厚さ程度離れた部分に旋回挟込面9bが設けられる。そのさらに内側には、オルダムリング10をフレーム9と旋回スクロール1との間に配置するため、フレームオルダム溝9cを設ける。また、中央部には軸シール9dと主軸受9eを設け、そのスクロール側にシャフト11を受けるシャフトスラスト面9fを設ける。外周面には前述の流通溝2gのような流通溝9hが設けられる。
オルダムリング10の一面にフレーム突起部10a(図示せず)が設けられ、もう一方の面には旋回突起部10bが設けられる。このフレーム突起部10aはフレームオルダム溝9cに、旋回突起部10bは旋回オルダム溝1eに、それぞれ可動可能に係合される。従って、オルダムリング10は回転運動はせず、或る方向と、それに直角な方向にそれぞれ並進運動するだけである。
シャフト11には、その内部に、軸方向の孔であるシャフト給油孔11aが配設され、半径方向の孔である主軸受給油孔11b,軸シール給油孔11c,副軸受給油孔11dが配設される。シャフト11の一方の端部は偏心部11eが旋回スクロール1の旋回軸受
1cに挿入され、他方の端部には副軸受13が挿入される。副軸受13は外周が球面形状で内周が円筒形状をしており、副軸ハウジング15に組み込まれている。副軸ハウジング15は密閉容器22に固定された副軸受支持板14に固定されている。モータ12は、ロータ12aとステータ12bとを含んで構成される。ロータ12aには内径にシャフト
11が圧入されており、ステータ12bは密閉容器22に焼き嵌めされている。
次に動作を説明する。前記ロータ12aが回転することにより、前記シャフト11が回転し前記旋回スクロール1が旋回運動する。ここで、前記オルダムリング10によって前記旋回スクロール1の自転が防止される。この動作により両スクロールの間に形成される圧縮室3の容積が徐々に小さくなっていく。吸込室16から吸入された冷媒ガスは先ず吸込室16に入る。両スクロール1,2が閉じきったときに圧縮室3は形成されるが、閉じきる前の空間は吸込室16と連通している。その後、圧縮室3が形成され、冷媒は圧縮されることになる。
圧縮された冷媒は、吐出穴2dから吐出空問である固定背面室17に吐出される。前記固定背面室17に吐出された冷媒ガスは、吐出空間を圧縮された高圧の冷媒で満たし、前記固定スクロール2およびフレーム9の外周部にある流通溝2g,9hを通ってモータ室18に入る。そのモータ室18に入った冷媒ガスはモータ12を通過する。その過程で、冷媒ガスはロータ12aやステータ12bに衝突することで、その中に含まれる油を分離する。分離された油はモータ室18の下部に落ちる。
モータ室18に入った冷媒ガスは、副軸受支持板14に形成された通気孔14aで絞られて貯油室21側に流れ、吐出パイプ20より外部に吐出される。ここで冷媒ガスが前記通気孔14aを通る流路抵抗(絞り)により貯油室21の圧力は前記モータ室18の圧力より低くなる。この結果、モータ室18の潤滑油19は副軸受支持板14の導油孔14bより押し出され、モータ室18の油面より貯油室21の油面が高くなる。なお、モータ室
18の油面については図示していないが、導油孔14bの高さよりもモータ室18の油面の方が低いことはいうまでもない。
これに関連して給油について説明する。旋回スクロール1と固定スクロール2とフレーム9により形成される中間圧室23の圧力は、前記差圧制御弁8により吸込圧力と吐出圧力との間の圧力となる(以後、中間圧とする)。貯油室21内の潤滑油19は吐出圧雰囲気にあるので、これより低圧の中間圧下にある中間圧室23に吸込まれる。
つまり、吐出圧と中間圧との差圧により、給油パイプ24からシャフト給油孔11aを通って旋回軸受1cに潤滑油19が給油される。また、シャフト11の回転による遠心力により主軸受給油孔11b,軸シール給油孔11c,副軸受給油孔11dから各摺動部へ潤滑油19が給油される。旋回軸受1cに給油された潤滑油19は、前記中間圧室23に漏れこみ、差圧制御弁8から吸込室16,圧縮室3に入る。
中間圧室23には、このように昇圧された吐出圧下の潤滑油19が流入する。その潤滑油19には冷媒が溶け込んでおり、この冷媒が気化することによって中間圧室23の圧力すなわち中間圧が上昇し、定常運転時はほぼ一定に保たれることとなる。この中間圧は差圧制御弁8によって所定値以下に保たれる。そして、上記のように冷媒は圧縮され、多少の油分を含みながら吐出空間たる固定背面室17に吐き出される。
この実施例に言う圧縮機は、高圧チャンバ型のスクロール圧縮機であることは前述の通りである。中間圧室と旋回,固定スクロール1,2との関係は、中間圧室の圧力によって旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて、吸入した冷媒を前記旋回スクロールと前記固定スクロールとによって圧縮するという関係がある。このとき圧縮室3は旋回スクロールと前記固定スクロールとによって構成される。
次に、固定背面室17と中間圧室23とを連通するため、図2,図3に示すように、中間圧昇圧弁穴2nを穿設する。ここに第二の差圧制御弁とも言うべき中間圧昇圧弁25を形成するためである。非旋回基準面2a側において前記中間圧昇圧弁穴2nと周囲溝2bとを連通する中間室側導通路2pを刻設する。中間室側導通路2pは吸込室16の外側で旋回スクロール1に面しており、固定背面室17と中間圧室23とを連通するものである。但し、第二の差圧制御弁を介して連通する。逆に言えば、第二の差圧制御弁は連通路に備えられていると言える。
図5において、球弁体25aと中間圧昇圧弁ばね25bを前記中間圧昇圧弁穴2nに入れ、中間圧昇圧弁穴2nよりも直径の大きい中間圧昇圧弁キャップ25cを中間圧昇圧弁キャップ挿入部2qに圧入し、中間圧昇圧弁25を形成する。この弁が第二の差圧制御弁である。
次に、図6,図7において、この中間圧昇圧弁25の動作について説明する。圧縮機停止時は、固定背面室17と中間圧室23とは同じ圧力となっており、球弁体25aは、中間圧昇圧弁ばね25bによりテーパ部2Rから浮いて中間圧昇圧弁25が開いた状態となっている。圧縮機が起動すると、圧縮室3が冷媒を圧縮して吐出空間へ高圧冷媒を供給するので固定背面室17の圧力が上昇し始め、この固定背面室17、つまり吐出空間を冷媒ガスで満たす。
圧縮機起動直後は吐出空間は固定背面室17に限られない。中間圧昇圧弁25が開いている以上、固定背面室17と連通しているモータ室18や中間圧室23も吐出空間となる。モータ室18と貯油室21との間には絞りである通気孔14aがあるので、ここまでが吐出空間と言える。従って、吐出空間が冷媒ガスで満たされるということは、中間圧室
23へも冷媒ガスが流れるということである。図示はしないが、代案としてはフレーム9に連通路および差圧制御弁を設けることも考えられる。或いはフレーム9と固定スクロール2との突合せ面で、これらを組み合わせることにより、連通路および差圧制御弁を設けることも考えられる。
さて、中間圧室23へも冷媒ガスが流れると、旋回スクロール1が図1において左側に押し付けられる力が働く。その主な要因は以下の2つである。第一に圧力バランス,第二に圧力損失である。第一の要因は、旋回スクロール1を図1中で左側に押す力の方が、右側に押す力よりも大きくなるという圧力バランスである。
圧縮機を起動すると、両スクロール間によって形成される圧縮室3の圧力が上昇する。この圧力上昇によって、旋回スクロール1を図1中で右側に押す力が発生する。スクロール圧縮機では、複数の圧縮室3が存在し、ラップ中央部ほど圧力が高くなる。例えば、圧縮室3が3個あるとして、外側の圧縮室3からその圧力を順にP1,P2,P3とし、旋回スクロール1上の軸直角面積を外側から順にS1,S2,S3とすると、旋回スクロール1を図1中で右側に押す力Frは、
Fr=P1×S1+P2×S2+P3×S3
となる。
一方、冷媒ガスが吐出空間に満たされることによって、旋回スクロール1に、図1中で左側に押す力が発生する。旋回スクロール1の偏心部11e部の圧力は、上述の圧縮室3の圧力で言えばP3となり、中間圧室23部はS1とS3の間の圧力Pbとなる。旋回スクロール1上の軸直角断面積で、偏心部11eに設けた旋回軸受の面積をSS、これを除いた面積(中間圧Pbが作用する面積)をSBとすると、旋回スクロール1を図1中で左側に押す力F1は、
F1=P3×SS+Pb×SB
となる。したがって、旋回スクロール1を図1中で左側に押す力が、右側に押す力よりも大きくするには、F1>Frが成立するように、部品の寸法を決定する。あるいは、Pbが上式を満足するように設定する。
第二の要因は、冷媒ガスが中間圧昇圧弁25を流れると、前記球弁体25aとテーパ部2Rとのすき間に生じる圧力損失である。この圧力損失によって中間圧昇圧弁ばね25bが縮み、球弁体25aがテーパ部2Rに接触し、中間圧昇圧弁25が閉じる。これにより益々固定背面室17と中間圧室23との圧力差が拡大する。
以上のように構成することにより、起動時のみ中間圧室23の圧力を上昇しやすくでき、旋回スクロールを固定スクロールに確実に押し付け、旋回スクロールの離脱を防止できる。また、中間圧昇圧弁25が閉じれば、固定背面室17と中間圧室23間の漏れはなくなり、通常運転時の圧縮機効率を低下させることはない。
ここでは、差圧によって開閉を行う自動弁で実施例を詳細に説明したが、中間圧室23と吐出圧となる空間を連通する連通路を形成し、この連通路に電磁弁を設け、この電磁弁を起動時開いて、通常運転時は閉じるといった制御を用いることによっても同様な効果は得られる。
次に、他の実施例について、図8,図9を用いて説明する。本実施例は、第一の実施例の球弁体25aを平板形状の板弁体25dに変更したもので、それ以外は第一の実施例と同様なので説明は省略する。圧縮機停止時は、固定背面室17と中間圧室23は同じ圧力となっており、板弁体25dは、シート部2sから浮いて中間圧昇圧弁25が開いた状態となっている。圧縮機が起動すると、前記固定背面室17の圧力が上昇し始め、この固定背面室17から前記中間圧室23ヘガスが流れる。ガスが流れると、前記板弁体25dとシート部2sとのすき間の圧力損失で固定背面室17と中間圧室23に圧力差が生じ、この圧力差で中間圧昇圧弁ばね25bが縮み、板弁体25dがシート部2sに接触し、中間圧昇圧弁25が閉じる。
以上の構成とすることにより、差圧制御弁は、吐出空間の圧力と中間圧室23の圧力との差が無いときは開き、吐出空間の圧力が中間圧室の圧力よりも所定量以上大きくなると閉じることになる。よって起動時のみ中間圧室23の圧力を上昇しやすくでき、旋回スクロールを固定スクロールに確実に押し付け、旋回スクロールの離脱を防止できる。また、中間圧昇圧弁25が閉じれば、固定背面室17と中間圧室23間の漏れはなくなり、通常運転時の圧縮機効率を低下させることはない。さらに、弁体を軽量化でき、弁体の応答性が向上する。
実施例1および実施例2では、中間圧昇圧弁25を固定スクロール2に設けたが、中間圧室23とモータ室18を連通するようにフレーム9に中間圧昇圧弁を設けても同様の効果は得られる。以上のような構成によれば、圧縮機起動時の旋回スクロールの離脱を防止できるということに加え、冷凍サイクル装置に用いたときには機器の立ち上がりを速くできる。
つまり、過渡状態の運転を短縮化でき、素早く定常状態の運転を実現できる。従って、空気調和機にしろ、ヒートポンプ給湯機にしろ、所望の温度の空気や湯を素早く供給できることに資する。特に、圧力条件が大きく変化する、例えばヒートポンプ給湯機のような冷凍サイクルに用いる場合であっても、適切に高圧を得られる。本圧縮機は、中間圧室
23の圧力を一定の絞りによって調整するものではなく、バネ力等で絞りを変化させることができるからである。
更には、ヒートポンプ給湯機が供給する湯のようなものの温度は人間が接した瞬間に体感することができる点で、空気調和機が供給する空気とは異なる。つまり、湯には瞬間湯沸かし器の名の如く瞬間的に、或いは素早く湯を供給することが要求されることを考えると、機器の立ち上がり特性が非常に重要である。この圧縮機を用いれば圧縮機が素早く立ち上がり、所望の湯を素早く得ることができる。ヒートポンプ運転開始から給湯温度が使用適温になるまでの加熱立ち上がり時間を運転立ち上がり時間といい、給湯使用の使い勝手に大きく影響し、瞬間式ヒートポンプ給湯機においては最も重要な指標の一つである。
次に作動冷媒として二酸化炭素CO2 を用い、冷凍機油(潤滑油19)としてPAGもしくはPAOを用いたスクロール圧縮機をヒートポンプ式給湯機に適用した場合の冷凍サイクル構成図を図10に示す。但し、表しているのは冷凍サイクル部分、および、湯の加熱部分となる熱交換器27のみである。図において、26は前述のスクロール圧縮機、
27は熱交換器、28は水通路、29は膨張弁、30は蒸発器、30aは蒸発器ファンである。このヒートポンプ給湯機は、水道から導入した水を水通路28に流して、熱交換器27で温めた後、そのまま直接蛇口に出湯,供給できるタイプの瞬間式ヒートポンプ給湯機である。
旋回スクロール1を固定スクロール2に押圧するための中間圧室23の圧力は、冷凍機油とそこに溶け込んだ作動冷媒がガス化することにより上昇することを先に述べた。エアコンなどで使用されている冷媒R410Aと冷凍機油POEの組み合わせにおいて、
R410AがPOEに溶け込む量を基準とすると、二酸化炭素CO2 がPAGもしくは
PAOに溶け込む量は、R410AとPOEとの組み合わせより少なく、半分程度以下である。
旋回スクロール1を固定スクロール2に押圧するための中間圧室23の圧力のうち、シャフト11を通って供給される冷凍機油によって得られる中間圧は、冷凍機油とそこに溶け込んだ作動冷媒がガス化することにより上昇する。二酸化炭素CO2 が前記PAGもしくはPAOに溶け込む量は、エアコンなどで使用されているR410AがPOEに溶け込む量よりも少ない。
従って、二酸化炭素CO2 と前記PAGもしくはPAOの組み合わせの場合には中間圧が上昇し難く、所望の吐出圧を得る定常状態までに時間がかかることになる。これが高サイド圧力が超臨界状態になるような冷凍サイクル装置であれば尚更である。しかし、図
10に示したヒートポンプ式給湯機は前述のスクロール圧縮機26を搭載しているので、二酸化炭素CO2 とPAGもしくはPAOの組み合わせにおいても、早期に旋回スクロール1を固定スクロール2に押圧でき、立ち上がりの速いヒートポンプ式給湯機を構成することができる。
斯様なヒートポンプ式給湯機であれば、立ち上がりが速い分、運転開始から短時間で所望の湯を得ることができる。また、ヒートポンプ式給湯機の他にも様々な冷凍サイクル装置に適用することが可能である。なお、圧縮機はインバータで回転数を自在に制御できるものである。
本圧縮機の適用例については主にヒートポンプ給湯機について説明したが、空気調和機等他の冷凍サイクル装置に用いても、離脱しない、立ち上がりが早い等のメリットが得られるものである。
横置スクロール圧縮機の縦断面図。 図1のA−A断面図。 図1のB−B断面図。 差圧制御弁拡大図。 図2のC−0−C断面図。 第一の実施例における中間圧昇圧弁の開時の図。 第一の実施例における中間圧昇圧弁の閉時の図。 第二の実施例における中間圧昇圧弁の開時の図。 第二の実施例における中間圧昇圧弁の閉時の図。 スクロール圧縮機をヒートポンプ給湯機に搭載した冷凍サイクル図。
符号の説明
1…旋回スクロール、1c…旋回軸受、1d…軸受保持部、1e…旋回オルダム溝、2…固定スクロール、2a…非旋回基準面、2b…周囲溝、2c…バイパイ穴、2d…吐出穴、2e…吸込堀込、2f…吸込穴、2g,9h…流通溝、2h…弁穴、2k…吸込側導通路、2l…弁キャップ挿入部、2m…R溝、2n…中間圧昇圧弁穴、2p…中間室側導通路、2q…中間圧昇圧弁キャップ挿入部、2r…テーパ部、2s…シート部、3…圧縮室、4…バイパス弁板、4a…リテーナ、5…バイパスねじ、6…吸込パイプ、7…吸込側逆止弁、7a,8a…弁体、7b…逆止弁ばね、8…差圧制御弁、8b…差圧弁ばね、8c…ばね位置決突起、8d…弁キャップ、9…フレーム、9a…固定取付面、9b…旋回挟込面、9c…フレームオルダム溝、9d…軸シール、9e…主軸受、9f…シャフトスラスト面、、10…オルダムリング、10a…フレーム突起部、10b…旋回突起部、11…シャフト、11a…シャフト給油孔、11b…主軸受給油孔、11c…軸シール給油孔、11d…副軸受給油孔、11e…偏心部、12…モータ、12a…ロータ、12b…ステータ、13…副軸受、14…副軸受支持板、14a…通気孔、14b…導油孔、
15…副軸ハウジング、16…吸込室、17…固定背面室、18…モータ室、19…潤滑油、20…吐出パイプ、21…貯油室、22…密閉容器、23…中間圧室、24…給油パイプ、25…中間圧昇圧弁、25a…球弁体、25b…中間圧昇圧弁ばね、25c…中間圧昇圧弁キャップ、25d…板弁体、26…スクロール圧縮機、27…熱交換器、28…水通路、29…膨張弁、30…蒸発器、30a…蒸発器ファン。

Claims (8)

  1. 中間圧室の圧力によって旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて、吸入した冷媒を前記旋回スクロールと前記固定スクロールとによって圧縮して吐出する高圧チャンバ型のスクロール圧縮機であって、チャンバ内の吐出空間と前記中間圧室とを連通する連通路に差圧制御弁を備えたスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、前記差圧制御弁は、前記吐出空間の圧力と前記中間圧室の圧力との差が無いときは開き、前記吐出空間の圧力が前記中間圧室の圧力よりも所定量以上大きくなると閉じることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項2において、前記連通路は前記固定スクロールに設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項2において、前記固定スクロールと固定するフレームを有し、前記連通路は前記フレームに設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項2において、前記差圧制御弁は、弁体としてのポールと、弁体を付勢するばねと、これらを前記連通路内に収納しておく蓋としてのキャップとで構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 中間圧室の圧力によって旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて、吸入した冷媒を前記旋回スクロールと前記固定スクロールとによって圧縮して吐出する高圧チャンバ型のスクロール圧縮機であって、チャンバ内の吐出空間と前記中間圧室とを連通する連通路に差圧制御弁を備えたスクロール圧縮機と、熱交換器と、電動膨張弁と、蒸発器とを順次接続して構成した冷凍サイクル装置であって、作動冷媒に二酸化炭素を用いて超臨界サイクルとした冷凍サイクル装置。
  7. 請求項6において、冷凍機油にPAGを用いた冷凍サイクル装置。
  8. 請求項6において、冷凍機油にPAOを用いた冷凍サイクル装置。
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