JP2007321265A - 大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物およびその製造方法 - Google Patents

大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術における大豆蛋白繊維の持つソフトな風合い、光沢、質感を高度に併せ持ちながら、優れた寸法安定性と強力を改善する。
【解決手段】大豆蛋白繊維とポリアミド繊維とが混用された織物であって、該織物のJIS L 0217−103法の洗濯による織物のタテ糸、ヨコ糸方向の寸法変化率の絶対値の総和が7.0%以下であり、かつJIS L 1096−D法による引き裂き強力の織物のタテ糸、ヨコ糸方向の絶対値の総和が13.0ニュートン以上であることを特徴とする大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
【選択図】なし

Description

本発明は大豆蛋白繊維の持つソフトな風合い、光沢、質感を高度に併せ持ちながら、優れた寸法安定性と強力を有する染色仕上加工された織物とこれを効率よく製造することができる製造方法に関するものである。
近年、衣料用織編物は快適生活の志向化に伴い、より上質の衣類が求められている。一方、ポリエステル等の化合繊石化製品から、地球環境を配慮した玉蜀黍等を原料とした非石化製品への感心も高まっている。
これらの環境から、特に2000〜2002年にかけて中国河南省の生物化学工程のグループで研究、開発された大豆蛋白繊維は大豆の搾り粕を再資源として繊維に利用した原料として注目されている。
該繊維は大豆の搾り粕からタンパク質を抽出したのち、これにポリビニルアルコールを75〜80%程度ブレンドし、湿式紡糸した後、アセタール化を経て捲縮をかけて製造する原綿である。この繊維はタンパク質の数種のアミノ酸を持ち、また、繊維の断面はダンベル状の扁平断面を有することからカシミヤ調の上品なソフトな風合いと光沢を持つ。また、繊維の側面に細かな溝があるので、吸水性があり、さらに綿並みの吸湿性を特徴としている。
しかしながら、かかる繊維は原料面、質感面において極めて特徴がある素材であるが、洗濯等着用での寸法変化率が大きいこと、および引き裂き強力が低いこと、また、風合いはソフトであるが、張り・腰がなく、ダラダラした風合いで製品の造形性が得られにくい問題がある。これらの改善方法については公知文献、情報等はないが、当該業界における一般的な対応方法については下記(1)〜(3)の方法が考えられる。
(1) 寸法変化は染色加工の段階において高温で緊張をかけてセットを強くする。しかしながら、かかる繊維が親水性のポリビニルアルコールを多く含むこと、および耐熱性が130℃と低いため、ポリエステルのようなセット性が乏しく改善ができない。
(2) 引き裂き強力改善については該繊維のもつ繊維強度が2〜4センチニュートン/デシテックス、伸度:18%程度であり、ポリエステルの1/2程度と低く、これについても同様に改善することができない。
(3) 張り・腰の風合いを得るために染色後に硬めの樹脂加工する方法が考えられるが、大豆蛋白繊維のソフトな風合いを阻害するばかりでなく、樹脂の洗濯耐久性に乏しく、対応は困難である。
これらの問題に対して高強力素材であるポリエステルを混用することも考えられるが、大豆蛋白繊維はポリエステルの高温染色では繊維が脆化してしまい、また、分散染料でほとんど染着されないこと、さらにはポリエステルは繊維基質がハードなため、風合いが硬いことからソフトな風合いは得られず、これを混用することができない問題がある。
以上のように、大豆蛋白繊維(例えば、特許文献1参照)における布帛の寸法安定性と引き裂き強力および風合いを改善することはできないものであった。
特表2005−513298号公報
本発明者らはかかる問題について鋭意研究した結果、大豆蛋白繊維にポリアミド繊維を混用することでかかる課題を次のように解決した。
(1) 寸法変化はポリアミド繊維のセット性を活用し、かつ染色加工の段階で緊張加工させずに、自由収縮に近い状態で弛緩させて仕上げる。これにより、織物は十分に収縮し、また、熱セットされているので、製品縫製後の洗濯等で収縮や伸びがなく、寸法安定性に問題ないことを見出した。
(2) 引き裂き強力改善は大豆蛋白繊維のもつ前記低強度、低伸度特性に対してポリアミド繊維を混用することで、改善できる。すなわち、ポリアミド繊維の高強力物性(強度:4〜6センチニュートン/デシテックス、伸度:30〜45%程度)で大豆蛋白繊維のもつ前記低物性を十分カバーできることを確認した。また、混用比率についても適正範囲があることを検証した。さらに、従来行われている加工方法では織物を緊張させて仕上げるので織物は扁平になり、あたかも紙のようになるため、引き裂き強力を低下させる原因であることを突き止めた。すなわち、織物を十分に収縮させ、弛緩させて仕上げる方法は織物の糸束に大きなクリンプを発現させ、繊維間に空隙を付与できるので、引き裂きでかかる荷重を緩和させることができ、該強力を改善できることを確認した。
(3) 風合いは張り・腰を付与するには大豆蛋白繊維より高いヤング率と強度を持つ、ポリアミド繊維が最適である。また、ポリアミドは比重(1.14)が大豆蛋白繊維の比重(1.29)以下に小さいことからもソフトで軽い織物が得られるので混用適正が優れている。
(4) 染色性はポリアミド繊維は常圧で染色できるので、耐熱性が低い大豆蛋白繊維の繊維脆化を抑制することができる。染料も大豆蛋白繊維と一緒に染色できる反応染料や酸性染料が適用できるので同色性が得られ、また、光沢感、表面感も損なわない特徴がある。
本発明はかかる混用する基本概念と詳細な検討結果に基づき、大豆蛋白繊維の持つソフトな風合いをさらに改善し、また、光沢、質感をもちあわせつつ、実用耐久性に富む大豆蛋白繊維織物を得ることに到達した。
すなわち、本発明は大豆蛋白繊維の持つソフトな風合い、光沢、質感を高度に併せ持ちながら、優れた寸法安定性と強力を有する染色仕上げ加工された織物とこれを効率よく製造できる方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)大豆蛋白繊維とポリアミド繊維とが混用された織物であって、該織物のJIS L 0217−103法の洗濯による織物のタテ糸、ヨコ糸方向の寸法変化率の絶対値の総和が7.0%以下であり、かつJIS L 1096−D法による引き裂き強力の織物のタテ糸、ヨコ糸方向の絶対値の総和が13.0ニュートン以上であることを特徴とする大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(2)大豆蛋白繊維に対してポリアミド繊維が20〜80重量%混用されていることを特徴とする前記(1)に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(3)大豆蛋白繊維とポリアミド繊維の混用形態が混紡、紡績複合、交織のいずれか、またはこの中の複数の形態で混用されてなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(4)大豆蛋白繊維が短繊維で、ポリアミド繊維が短繊維または長繊維フィラメントで混用されてなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(5)混用する大豆蛋白繊維が短繊維であって、該繊維の単繊維繊度が0.6T(デシテックス)以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(6)混用するポリアミド繊維が短繊維であって、該繊維の単繊維繊度が0.6T〜7.7T(デシテックス)であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(7)混用するポリアミド繊維が長繊維フィラメント糸であって、該フィラメント糸の単繊維繊度が0.6T〜77T(デシテックス)で、かつ総繊度が11T〜550T(デシテックス)であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
(8)大豆蛋白繊維にポリアミド繊維を紡績あるいは製織時に混用し、次いで常圧で精練し、乾熱100〜160℃でセットするか、もしくはこのセットを省いて、次いで40〜110℃で染色し、乾熱100〜160℃でセットし仕上げることを特徴とする大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物の製造方法。
(9)染色前および/または染色後の乾熱セットにおいて、セット時の織物のタテ糸、ヨコ糸方向の全部、またはいずれか一方の方向の弛緩率を3%以上でセットすることを特徴とする前記(8)に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物の製造方法。
本発明によれば、従来技術では得られなかった、大豆蛋白繊維の持つソフトな風合い、光沢、質感を高度に併せ持ちながら、優れた寸法安定性と強力を有する染色仕上げ加工された織物とすることができ、また、この織物を効率よく製造することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いる大豆蛋白繊維としては、豆の搾り粕からタンパク質を抽出した大豆蛋白成分を15〜30重量%と、ポリビニルアルコール成分を70〜85重量%を含み、延伸された繊維の短繊維や長繊維を好ましく用いることができる。なお、ポリビニルアルコール成分には必要に応じて他の少量の成分が含まれていても良い。
大豆蛋白繊維を製造する方法については限定するものではないが、特表2005−513298号公報に例示される湿式紡糸の方法がある。すなわち、短繊維(原綿)は上記の両成分をブレンドし、紡糸原液とする。これを脱気した後、硫酸ナトリウムの凝固液に紡出し、2倍程度に延伸する。さらに該浴で1.5倍程度に延伸する。次いで乾燥−乾熱工程で、さらに2〜5倍延伸する。この延伸糸をアセタール化処理をした後に洗浄、油剤付与、乾燥し、捲縮をかけ繊維を切断して、原綿とする方法である。
通常、大豆蛋白繊維は、短繊維(原綿)が多く作られており、この場合の単繊維繊度は0.6T(デシテックス)以上であることが強力面から好ましい。これ以上の細い繊度のものは低強力であるばかりでなく、製糸性が不安定で糸の太さムラが出やすく、好ましくない。通常汎用品である単繊維繊度1.1〜1.6T(デシテックス)であれば特に問題はない。繊維長(カット長)についても通常の38mm(短繊維紡績用)〜64mm(長繊維紡績用)は特に問題とはならない。
一方、大豆蛋白繊維は、繊維物性面からは通常品は繊維の強度(乾)は2〜4センチニュートン/デシテックス、伸度:15〜20%であるが、この程度であれば、問題はない。
これに混用するポリアミド繊維としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46等が高い熱セット性と高強力から好ましい。さらに繊維形成性、製造コスト、汎用性の点から、ナイロン6,ナイロン66が特に好ましい。
ポリアミド繊維の短繊維は寸法安定性、強力面のほかに大豆蛋白繊維の風合い、光沢、染色性を加味して単繊維繊度は0.6T〜7.7T(デシテックス)であることが好ましい。0.6Tに満たないものは強力面が、また、7.7Tを越える場合は風合いがゴワゴワしたものとなり、それぞれ好ましくない。
なお、ポリアミド繊維の繊維長としては特に限定することがなく、通常のリング紡績の場合では短繊維紡績用:30〜50mmが、長繊維紡績用(梳毛紡):50〜90mmの繊維長のものがそれぞれ適用することができる。
ポリアミド繊維の長繊維フィラメントの場合は混用する単繊維繊度としては0.6T〜77T(デシテックス)のものが本発明の効果が最大に発揮できることから好ましい。0.6Tに満たないものは強力面が、また、77Tを越える場合は風合いが硬くなり過ぎて、それぞれ好ましくない。
また、ポリアミド繊維フィラメント糸の総繊度としては11T〜550T(デシテックス)が同様の効果が発揮たできることから好ましい範囲である。11Tに満たないものは強力面と大豆蛋白繊維との混用時の絡合性が低くなること、また、550Tを越える場合は大豆蛋白繊維のソフトな風合い、光沢が発揮しにくくなり、それぞれ好ましくない。
混用する具体的な糸使いを例示するならば、超薄地織物は17T−1F(フィラメント)〜33T−12F、薄地織物は44T−24F(フィラメント)〜77T−48F、中厚地織物は77T−48F(フィラメント)〜170T−72F、厚地織物は220T−96F(フィラメント)〜550T−144F等が挙げられ、好ましく用いられる。なお、繊維のフィラメント数については限定するものではなく、通常使われる前記マルチフィラメントに限らず、モノフィラメントも薄地の適度な張り、腰のある風合いが得られるので、好ましく用いられる。
本発明では大豆蛋白繊維とポリアミド繊維の混用比率は本発明の効果を最大に発揮することから大豆蛋白繊維:20〜80重量%に、ポリアミド繊維:80〜20重量%に混用することが好ましい。ポリアミド繊維の混用比率が80重量%を越える場合は大豆蛋白繊維のソフトな風合いと光沢が失われ、また、20重量%に満たない場合は寸法安定性と引き裂き強力および風合いの張り・腰が乏しくなり、いずれも好ましくない。
本発明では大豆蛋白繊維とポリアミド繊維の混用形態については特に限定するものではないが、混紡、紡績複合、交織のいずれか、またはこの中の複数の形態で混用する方法が本発明の効果を最大に発揮することから好ましい。
かかる混用する方法を大豆蛋白繊維が短繊維である場合について具体的に例示するならば、ポリアミドが短繊維の場合、混紡方法は大豆蛋白繊維と前記比率で混紡する。また、紡績複合方法として芯または鞘にそれぞれの繊維を配置させる、芯鞘紡績複合(短/短複合)が適用できる。この場合、鞘に大豆蛋白繊維を、芯にポリアミド繊維を配置させることにより、複合紡績糸として繊維表面に大豆繊維の風合い、光沢をもちながら、かつ芯で寸法安定性、強力面を保持できるので、特に好ましい方法である。
ポリアミドが長繊維フィラメント糸の場合は混紡ができないので、大豆蛋白繊維(短繊維)と前記比率で芯鞘紡績複合方法(長/短複合)が適用できる。芯にポリアミド長繊維フィラメント糸を、鞘に大豆蛋白繊維を配置させる方法では、前述した効果のごとく、繊維表面に大豆繊維の風合い、光沢をもちながら、かつ芯で寸法安定性、強力面を保持できるので、特に好ましい方法である。一方、前記と逆の方法の芯に大豆蛋白繊維を、鞘にポリアミド長繊維フィラメント糸を配置させる方法では、大豆繊維の短繊維の表面ケバがポリアミド長繊維フィラメント糸で巻かれるので織物の表面ケバが少なくなり、すっきりした平滑性のある織物が得られる。この場合は大豆蛋白繊維の風合いを阻害させないように、ポリアミド長繊維フィラメント糸の混率は30〜50重量%と低く抑えることが好ましい。
かかる紡績方法は一般に行う、リング紡績や牽切紡績などが適用できる。また、紡績糸の番手は特に限定されるものではなく、織物の超薄地〜厚地に合わせて適宜紡出する。例として、超薄地は80〜50番手(綿番手表示)に、薄地は50〜40番手に、中厚地は30〜20番手に、厚地は18〜6番手になるようにそれぞれ紡績糸を作る。
なお、超薄地の80番を越える細番手の場合は引き裂き強力が低めになるため、ポリアミドの混率を高める等、対応する。
次に交織する方法について述べる。交織方法は大別して3方法がある。第一は前記大豆蛋白繊維とポリアミド繊維との混紡糸あるいは紡績複合糸の混用糸を織物のタテ糸とヨコ糸にそれぞれ交織する。第二はかかる混用糸を織物のいずれか一方に、もう一方は大豆蛋白繊維100%糸、あるいはポリアミド繊維100%糸を交織する。第三は大豆蛋白繊維100%糸とポリアミド繊維100%をタテ糸あるいはヨコ糸の一方に用いて交織する方法である。
本発明はいずれの交織する方法でも限定されるものではないが、寸法安定性と引き裂き強力から織物のタテ糸にポリアミド繊維の混率の高い混用糸をヨコ糸には大豆蛋白繊維混率の高い混用糸を用いることが特に好ましい。寸法安定性については織物の染色加工で織物のタテ糸方向はヨコ糸に比べて加工張力がかかる傾向があるので、熱セットが効くポリアミド繊維混率の高い混用糸が好ましい。また、織物の引き裂き強力について、織物は一般的にタテ糸よりもヨコ糸の繊度が太いため、絶対強力が高いので、ヨコ糸に大豆蛋白繊維混率の高い混用糸を用いることが好ましい。
なお、本発明は大豆蛋白繊維が長繊維フィラメントである場合も同様にポリアミド繊維と混用する方法も含まれるものである。
次いで、かかる混用した大豆蛋白繊維紡績糸を常法に従って製織する。タテ糸は紡績糸の場合は糊付けを行う。通常の澱粉糊やポバール系(ポリビニルアルコール)、あるいはアクリル系の糊が製織性の点から好ましい。
ヨコ糸の場合はそのまま打ち込むが、紡績糸のケバ立ち防止の観点から織機の回転数は200〜500r・p・m・程度に低めに設定することが好ましい。織機としてはエアージェットルームやレピア、スルーザーが適用することができる。
織物の組織としては特に限定されるものではなく、平織り、綾織り、繻子織り等適宜の組織に製織する。織物の密度は引き裂き強力に特に影響を及ぼすので、過度の甘い密度は避けるべきである。通常の密度の、例えばタテ糸およびヨコ糸が40番手の紡績糸であれば120〜180本/吋(タテ糸とヨコ糸密度の和)であれば特に問題はない。
次いで、混用した織り上げた織物(生機)は染色加工される。まず、生機の糊剤を落とす精練は大豆蛋白繊維の耐熱性と本発明の性能から常圧で行う。処理温度は例えば60〜98℃で行うことが好ましい。処理機は拡布状の連続精練機や液流処理機が適用できる。精練後の乾燥は通常の120℃程度でよいが、織物の長さ方向(タテ糸方向)の寸法安定性から織物の長さ方向に緊張をかけずに弛緩させる、オーバーフィードをかけて乾燥することが好ましい。特にショートループドライヤータイプの乾燥機が好ましい。
次いでピンテンター等で乾熱100〜160℃でセットする。セット温度がこの範囲であれば本発明の性能が発現することから好ましい温度である。100℃に満たない場合はセット性が乏しいものとなり、寸法安定性が不良となる。また、160℃を越える場合は風合いが硬くなり、また、引き裂き強力が不良となり、好ましくない。
次いでかかるセットにおいて、織物のタテ糸、ヨコ糸方向の全部、またはいずれか一方の方向の弛緩率が3%以上でセットする方法が寸法安定性と引き裂き強力から好ましい。従来方法の弛緩率が3%未満の場合は織物が緊張されてセットされ、かかる性能が得られない場合がある。本発明の混用織物はセット後の生地収縮が最大15%程度なので、これ以上では加工シワが発生する傾向がある。そのため、弛緩率は15%以下であることが好ましい。
セット方法としては、染色前のセットおよび/または染色後の乾熱セットを用いることができる。具体的な加工工程としては、(1)精練−乾熱セット(中間セット)−染色−乾熱セット(仕上げセット)、あるいは(2)精練−染色−乾熱セット(仕上げセット)である。弛緩率とは何れの本乾熱セット工程において、セット時に織物のタテ糸(織物の長さ方向)およびヨコ糸方向(織物の幅方向)に対して織物を緩めてセットするときの弛緩率をいう。例えば弛緩率:3%でセットする場合、セットする前の織物の幅が100cmで長さが100mとすると、セッターのピンテンターのセット幅は97cmで、また、織物の長さ方向へのオーバフィード3%、すなわち、100mの長さを97mに送り込んでセットする方法である。本セットの方法により、織物中の繊維収縮が自由に収縮できるので、かかる性能が高いレベルで得られるので、好ましい。
また、本発明では上記中間セット、仕上げセットの全部、あるいはいずれかに前記弛緩率を設定しセットする方法である。
次いで、染色工程に入る。染色は本発明の性能を確実なものにするため、染色温度は40〜110℃で染色することが好ましい。40℃に満たない温度では発色性が不十分で好ましくない。また、110℃を越える温度では風合いが硬くなり、同時に引き裂き強力が低下し、好ましくない。染料としては反応性染料、酸性染料、建染染料が発色性および堅牢度から好ましく適用できる。反応性染料、酸性染料については混用するポリアミド繊維と同色に染色することができることからも、好ましい染料である。
具体的に例示するならば、反応性染料では40℃程度の低温タイプ〜100℃程度の高温タイプの染料で染色する。酸性染料では90〜110℃の染色が可能となる。大豆蛋白繊維は100℃を越えると強度が低くなるが、本発明ではポリアミド繊維の混用であるので、かかる100〜110℃の高温領域でも引き裂き強力を低下させることなく、また、優れた発色性が発現できる。
なお、染色は前述した無地染めのみならず、プリント染色方法でも本発明に含むものである。すなわち、プリントでの発色温度(スチーミング温度)は前記無地染めの場合と同じ温度範囲が適用できる。
染色後は乾熱100〜160℃で仕上げセットし、仕上げる。仕上げセットは前述した染色前のセットと同様のセット条件を適用し、仕上げる。
かかる仕上げした織物についての本発明の寸法変化率について述べる。寸法変化率はJIS L 0217−103法(1995年)の洗濯による測定、評価である。評価の概要はまず、JIS L 1909(2005年)に従って、500mm角以上の織物サンプルをカットする(サンプルn数:4点)。これにタテ糸およびヨコ糸方向にそれぞれ350mmの一定の長さにマーキングをする。次いでJIS L 0217−103法に従って、家庭用洗濯機(JIS C 9606(1993年)の遠心式脱水装置付き家庭用電気洗濯機)で洗濯した後、風乾する(洗濯は洗濯用合成洗剤入り、浴比1:30、5分洗濯/2分すすぎ/2分すすぎ、平干し)。このマーキングした長さを測定し、織物の洗濯でのタテ糸およびヨコ糸方向の寸法変化率を次式(百分率)で求める。
△L={(L2−L1)/L1}×100
ここで、△L:織物のタテ糸方向およびヨコ糸方向の寸法変化率(%)、L1:洗濯処理前の織物のタテ糸方向およびヨコ糸方向の長さ(mm)、L2:洗濯処理後の織物タテ糸方向およびヨコ糸方向の長さ(mm)を表す。寸法変化率は+(プラス)は織物の伸びを示し、また、−(マイナス)は収縮を表す。
本発明はこの織物の寸法変化率のタテ糸およびヨコ糸の総和が7.0%以下とするものである。なお、本発明ではこの総和は絶対値であることと定義するものであり、例えばタテ糸方向の寸法変化率は−3.5%(3.5%収縮)で、ヨコ糸方向の寸法変化率は+3.0%(3.0%伸び)であれば、絶対値の総和であるから、6.5%となる(−0.5%とはしない)。
本発明で定義した織物の寸法変化率のタテ糸およびヨコ糸の総和は7.0%以下であることが着用での伸びや収縮に問題のないレベルであり、好ましい範囲である。7.0%を越える場合は問題があり、着用上問題がでるので好ましくない。なお、本発明の混用織物は大豆蛋白繊維を補強するポリアミド繊維はポリエステルに比べて疎水性はやや低いことから寸法安定性は低目であるので、寸法変化率のタテ糸およびヨコ糸の総和は0.5〜7.0%であることが好ましい。
引き裂き強力はJIS L 1096−D法(ペンジュラム法、1999年)による測定、評価である。評価の概要は織物のタテ糸およびヨコ糸方向にそれぞれ6.3cm×10.0cmの長さにカットし、それぞれ5枚サンプルを採取する。次いでかかる小片をエレメンドルフ形引き裂き試験機を用いて2cmの切れ目を入れ、残りの4.3cmの織物のタテ糸方向およびヨコ糸方向を引き裂いた時に受ける荷重を引き裂き強力として求める(単位:ニユートン(N))。測定値は5枚サンプルの平均値である。なお、タテ糸方向およびヨコ方向とは織物のタテ糸、ヨコ糸の強力を表す。
本発明はこの織物の引き裂き強力のタテ糸方向およびヨコ糸方向の絶対値の総和(N)と定義する。本発明ではその絶対値の総和が13.0ニユートン以上のものである。この強力であれば実際の着用時で生地の破れや摩擦による強力の問題は惹起することはなく、好ましい領域である。13.0ニユートンに満たない場合はかかる問題が発生するため、好ましくない。なお、本発明の混用織物は大豆蛋白繊維を補強するポリアミド繊維の特性に依存されるで、上記絶対値の総和は13〜80ニュートンであることが好ましい。
このように本発明ではポリアミド繊維との混用技術(紡績、製織)や染色技術(染色方法、セット方法)に最大限の知恵を取り入れて、これを既存の設備を用いて製造することができるので、製造効率は極めて良いことも特徴である。
以上のように、本発明は大豆蛋白繊維の持つソフトな風合い、光沢、質感を高度に併せ持ちながら、優れた寸法安定性と強力を有する染色仕上げ加工した織物であり、これを効率よく製造ですることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。物性の測定方法は次の通りである。
A.織物の寸法変化率の評価
仕上げ織物の洗濯でのタテ糸方向とヨコ糸方向の寸法変化率をJIS L 0217−103法により、評価した。なお、織物の寸法変化率のマーキング、および変化率の求め方はJIS L 1909に従って行った。変化率の−(マイナス)は織物の収縮を示し、+(プラス)は織物の伸びを示す。織物のタテ糸方向とヨコ糸方向の寸法変化率の絶対数の和が7.0%以下のものを合格とし、また、7.0%を越えるものを不合格とした。
B.織物の引き裂き強力の評価
仕上げ織物のタテ糸方向とヨコ糸方向の引き裂き強力をJIS L 1096D法により、評価した。織物のタテ糸方向とヨコ糸方向の寸法変化率の絶対数の和が13.0ニュートン以上のものを合格とし、また、13.0ニュートンに満たないものを不合格とした。
C.布帛の風合い評価
布帛の仕上がり品の風合いについて、10人にモニター調査を行った。その結果を、
◎:ソフトで張り・腰のある風合いで極めて好ましい、
○:ソフトで張り・腰のある風合いで好ましい、
△:ソフトであるが、張り・腰のない風合いで好ましくない、
×:ソフトであるが、張り・腰のない風合いで不良、
の基準で評価した。
実施例1
「原綿」
特表2005−513298号公報の実施例1により製造した大豆蛋白繊維の原綿を用いた。すなわち、大豆粕から蛋白質を抽出し、この成分を22%とポリビニルアルコール78%をブレンドし、紡糸原液とした。これを脱気した後、45%の硫酸ナトリウムの凝固液に紡出し、2.1倍に延伸した。さらに連続して該浴で1.5倍に延伸した。次いで乾燥した後、220℃の乾熱工程で、さらに4.3倍延伸した。この延伸糸を20%のグリオキザールおよび2%の硫酸アンモニウム浴でアセタール化処理をした後に洗浄、油剤付与、乾燥し、捲縮をかけ繊維を切断して、原綿とした。
得られた原綿は組成は大豆蛋白質22%、ポリビニルアルコール78%で、原綿の繊度とカット長は1.3デシテックス、38mmであった。これを過酸化水素溶液で漂白し、紡績用油剤を付け、乾燥した。
晒し原綿の物性は強度(乾):3.6センチニュートン/デシテックス、伸度:17.1%、沸騰水収縮率:2.2%であった。
「紡績」
前記大豆蛋白繊維の原綿を投入し、カード工程で260ゲレン/6ydのスライバーを得た後、このスライバーを8本ダブリングして練条工程で7.5倍のドラフトをかけた。この練条工程を2回繰り返して得たスライバーを粗紡工程で6.5倍のドラフトをかけ、1.43Sの粗糸を得た。このようにして得た粗糸を精紡工程で40倍のドラフトをかけると同時に同じ錘へポリアミドフィラメント糸(44デシテックス、34フィラメント、単繊維繊度:1.29デシテックス、セミダル、ナイロン6、東レ(株)製)を仕掛けた。このポリアミドフィラメント糸の速度を粗糸より5%速い速度でドラフトされた粗糸と同時に紡出することによって、芯糸にポリアミドフィラメント糸、鞘糸に大豆蛋白繊維なるように、混用した長/短複合紡績糸を得た。紡出番手は40番の単糸である。混率は大豆蛋白繊維:68重量%、ポリアミド:32重量%であった。
「製織」
かかる長/短複合紡績糸をタテ糸およびヨコ糸に用い、エアージェットルームで350r・p・mの回転数でタテ糸密度:78本/吋、ヨコ糸密度:72本/吋で幅:124.5cm、長さ:52.9mの平織りに製織した。
「染色加工」
かかる生機を拡布状で精練した。精練機は”ソフサー”(ニッセン(株)製)を用い、96℃×3分で処理した。次いでショートループドライヤーのS・S・D(ニッセン(株)製)で120℃の条件で乾燥した。次いで乾熱140℃×45秒、ピンテンター(アートス社製)で中間セットをした。セットは織物の幅は5%たるませて、また、織物の長さ方向に9%のオーバーフィードをかけてセットした。
次いで高温タイプのイェローの反応性染料を用い、98℃で液流染色機(日阪製作所(株)製)で染色した。染色後は常法に従ってフィックス処理をした。
染色後は前記中間セットと同じ温度で仕上げセットした。但し、セットの弛緩率は織物の幅方向は3.5%で、織物の長さ方向は4%のオーバーフィードをかけて、仕上げた。
仕上げ織物は幅:106.0cm、長さ:48.8mであり、タテ糸密度:92本/吋、ヨコ糸密度:78/吋であった。生機から加工における収縮率は幅:14.9%、長さ:7.7%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に示す。
比較例1
比較例1として原綿は実施例1のものを用い、紡績は大豆蛋白繊維100%の40番、単糸を紡出した。織り上げ幅、長さ、密度は実施例1に準じて製織した。染色加工は中間セットおよび仕上げセットは常法に準じて、織物の幅、長さとも緊張セットをし(緊張率:2%=弛緩率:−2%)、仕上げた。
染色は実施例1に準じて行った。
仕上げ織物は幅:118.9cm、長さ:51.7mであり、タテ糸密度:82本/吋、ヨコ糸密度:74/吋であった。生機から加工における収縮率は幅:4.4%、長さ:2.7%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に併記する。
実施例2
「原綿」
実施例1のものを用いた。
「紡績」
前記大豆蛋白繊維の原綿:50重量%とポリアミド(ナイロン6)原綿:50重量%(繊度:1.7デシテックス、カット長:38mm、セミダル、東レ(株)製)の混綿を投入し、カード工程で240ゲレン/6ydのスライバーを得た後、このスライバーを8本ダブリングして練条工程で8.0倍のドラフトをかけた。この練条工程を2回繰り返して得たスライバーを粗紡工程で6.0倍のドラフトをかけ、1.25Sの粗糸を得た。このようにして得た粗糸を精紡工程で40倍のドラフトをかけ、混紡糸を得た。紡出番手は50番、単糸である。混率は大豆蛋白繊維:50重量%、ポリアミド:50重量%であった。
「製織」
かかる大豆蛋白繊維/ナイロン6の混紡糸をタテ糸およびヨコ糸に用いた。タテ糸はアクリル系の糊を付けて整経した。製織はレピア織機で260r・p・mの回転数でタテ糸密度:77本/吋、ヨコ糸密度:72本/吋で幅:182.4cm、長さ:53、4mの綾織り(2/2ツイル)に製織した。
「染色加工」
かかる生機をブルーの含金染料を用いて105℃で染色したことを除いて、実施例1に従って、精練、乾燥、中間セット、染色、仕上げセットし、仕上げた。
仕上げ織物は幅:151.4cm、長さ:46、3mでタテ糸密度:93本/吋、ヨコ糸密度:83本/吋であり、生機から加工における収縮率は幅:17.0%、長さ:13、3%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に併記する。
比較例2
比較例2として原綿は実施例1のものを用い、紡績は大豆蛋白繊維100%の50番、単糸のものを紡出した。織り上げ幅、長さ、密度は実施例1に準じて製織した。染色加工は中間セットおよび仕上げセットは常法に準じて、織物の幅、長さとも緊張セットをした(緊張率:1%)。
染色は実施例1に準じて行った。
仕上げ織物は幅:177.7cm、長さ:50.5mであり、タテ糸密度:79本/吋、ヨコ糸密度:76/吋であった。生機から加工における収縮率は幅:2.6%、長さ:5.4%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に併記する。
実施例3
「原綿」
実施例1のものを用いた。
「紡績」
前記大豆蛋白繊維の原綿を常法に従ってカーディング、スライバーとし粗糸とし精紡した。紡出番手は50/1、大豆蛋白繊維100%の紡績糸を得た。
「製織」
かかる大豆蛋白繊維100%紡績糸をヨコ糸に用い、タテ糸にポリアミドフィラメント糸:ナイロン−66、78デシテックス、52フィラメント、セミダル、(東レ(株)製)を用い、エアージェットルームで400r・p・mの回転数でタテ糸密度:86本/吋、ヨコ糸密度:80本/吋で幅:162.0cm、長さ:50.7mの平織りに製織した。織物の混率は大豆蛋白繊維:58重量%、ポリアミド:42重量%であった。
「染色加工」
かかる生機を拡布状で98℃×3分間、連続で精練した。次いでショートループドライヤーを用い、120℃で乾燥した。次いで乾熱140℃×45秒、ピンテンターで中間セットをした。また、セットは織物の幅は7%たるませて、また、長さ方向に10%のオーバーフィードをかけてセットした。
次いでネービーの含金酸性染料を用い、108℃で液流染色機を用いて染色した。染色後は常法に従ってタンニン酸でフィックス処理をした。
染色後は織物の長さ方向に5%のオーバーフィードをかけ幅は4%たるませたことを除いて、前記中間セットと同じ温度で仕上げセットし、仕上げた。
仕上げ織物は幅:150.0cm、長さ:46、1mであり、タテ糸密度:93本/吋、ヨコ糸密度:88/吋であった。生機から加工における収縮率は幅:7.4%、長さ:9.1%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に併記する。
比較例3
比較例3として原綿は実施例1のものを用い、紡績糸は大豆蛋白繊維100%の50の番単糸手の実施例3のものを用いた。これをタテ糸およびヨコ糸に用いて実施例3に準じて製織した。織り上げ幅、長さ、密度は実施例3に準ずる。染色加工は中間セットおよび仕上げセットは常法に準じて幅および長さ方向へのオーバーフィードはかけずにセットした(緊張率:0%)。染色は実施例3に準じて行った。
仕上げ織物は幅:158.6cm、長さ:48.9mであり、タテ糸密度:88本/吋、ヨコ糸密度:83/吋であった。生機から加工における収縮率は幅:2.1%、長さ:3.6%であった。得られた仕上げ織物の評価結果を表1に併記する。
Figure 2007321265
表1から明らかなように、実施例1、2、3とも寸法変化率(和)は全て7.0%以内であり、引き裂き強力(和)も13.0ニュートン以上あり問題ないものであった。また、風合いはソフトで張り・腰のある好ましい風合いで、光沢、質感を併せもつ、素晴らしい織物であった。
また、紡績性、製織性も問題なく、染色加工を含めて円滑に効率よく製造することができた。
一方、比較例1、2、3とも寸法変化率および引き裂き強力が問題であり、実用耐久性に乏しく不満足なものであった。風合いも平凡なものであつた。

Claims (9)

  1. 大豆蛋白繊維とポリアミド繊維とが混用された織物であって、該織物のJIS L 0217−103法の洗濯による織物のタテ糸、ヨコ糸方向の寸法変化率の絶対値の総和が7.0%以下であり、かつJIS L 1096−D法による引き裂き強力の織物のタテ糸、ヨコ糸方向の絶対値の総和が13.0ニュートン以上であることを特徴とする大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  2. 大豆蛋白繊維に対してポリアミド繊維が20〜80重量%混用されていることを特徴とする請求項1に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  3. 大豆蛋白繊維とポリアミド繊維の混用形態が混紡、紡績複合、交織のいずれか、またはこの中の複数の形態で混用されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  4. 大豆蛋白繊維が短繊維で、ポリアミド繊維が短繊維または長繊維フィラメントで混用されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  5. 混用する大豆蛋白繊維が短繊維であって、該繊維の単繊維繊度が0.6T(デシテックス)以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  6. 混用するポリアミド繊維が短繊維であって、該繊維の単繊維繊度が0.6T〜7.7T(デシテックス)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  7. 混用するポリアミド繊維が長繊維フィラメント糸であって、該フィラメント糸の単繊維繊度が0.6T〜77T(デシテックス)で、かつ総繊度が11T〜550T(デシテックス)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物。
  8. 大豆蛋白繊維にポリアミド繊維を紡績あるいは製織時に混用し、次いで常圧で精練し、乾熱100〜160℃でセットするか、もしくはこのセットを省いて、次いで40〜110℃で染色し、乾熱100〜160℃でセットし仕上げることを特徴とする大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物の製造方法。
  9. 染色前および/または染色後の乾熱セットにおいて、セット時の織物のタテ糸、ヨコ糸方向の全部、またはいずれか一方の方向の弛緩率を3%以上でセットすることを特徴とする請求項8に記載の大豆蛋白繊維とポリアミド繊維混用織物の製造方法。
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