JP2007320299A - 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置、及びライン型液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置、及びライン型液滴吐出装置 Download PDF

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JP2007320299A JP2006156711A JP2006156711A JP2007320299A JP 2007320299 A JP2007320299 A JP 2007320299A JP 2006156711 A JP2006156711 A JP 2006156711A JP 2006156711 A JP2006156711 A JP 2006156711A JP 2007320299 A JP2007320299 A JP 2007320299A
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嘉一 上野
Toshiro Tokuno
敏郎 得能
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道夫 梅沢
Koji Onishi
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Abstract

【課題】吐出安定性に優れる液滴吐出ヘッドを簡便に精度よく形成する液滴吐出記録ヘッドの製造方法。
【解決手段】液体吐出エネルギ発生部3が形成された基板1上に、除去可能な液流路型を形成する工程と、液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層5を形成し、液体吐出エネルギ発生部上方の被覆樹脂層に液滴吐出口6を形成する工程と、液流路型を溶解除去して液流路7を形成する工程とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法において、被覆樹脂層5を2層構造とし、第1樹脂層8に、感光性を活性化させるエネルギを吸収させる成分を含有させることで、第2樹脂層9は液滴吐出口断面積がマスク寸法に対して一定となる潜像を形成し、第1樹脂層8は液滴吐出口6断面積が徐々に大となるような潜像を形成し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、液体吐出エネルギ発生部3に向かって断面積が大きくなる液滴吐出口6を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インク滴を吐出する吐出口と、この吐出口が連通する液貯留室及び液流路と、この加圧液室内のインクを加圧するための駆動手段とを備える液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置、ライン型液滴吐出装置に関するものである。
液滴吐出ヘッドとしては、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等がある。
これらの中で、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する吐出口と、この吐出口が連通する液貯留室及び液流路(インク流路、吐出室、加圧液室、流路とも称される。)と、この加圧液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。以下では上記インクジェットヘッドを中心に説明をする。
プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いられるドロップオンディマンド型のインクジェット記録装置は、例えばインク滴を吐出する複数のノズル孔と、ノズル孔に接続されかつインクが加圧される圧力室と、この圧力室内のインクを加圧するためのエネルギ発生手段(例えば、圧電素子や静電素子等の電気機械変換素子、例えば、熱抵抗体(ヒータ)等の熱機械変換素子)を備えたインクジェットヘッドを用いて、記録信号が入力された時にのみノズル孔からインク滴を吐出飛翔させて、高速高解像度の記録を行うものである。
このようにインクジェットヘッドは、圧電素子やヒータ等のエネルギ発生手段を任意の周波数にて駆動することによってノズル孔から液滴化したインク滴を吐出飛翔させて記録を行うため、ノズル孔形状及び吐出口直径等がインク滴の噴射性能に影響を与える。
近年、インクジェット記録装置により出力された画像は、1200dpi以上の高精彩なものが多く見られるが、これは、1画素あたりのインク滴の大きさが10ピコリットル以下に微小化されたことによるところが大きい。このような超微小な液滴をインクジェット吐出することは大変困難である。
その理由は、液滴の体積が非常に小さいために、インクジェットのオリフィスプレートの吐出口の直径を10μm以下とし、曲線と直線がなだらかに連続した形状の吐出口を形成するのが困難なことと、インクジェットの吐出における着弾精度を向上させることが困難なためである。
図12乃至図16を参照して、一般的な液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を説明する。図12は一般的な液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を説明する断面図である。図13は図12のインクジェット記録ヘッドの第1の製造工程を示す断面図である。
図14は図12のインクジェット記録ヘッドの第2の製造工程を示す断面図である。図15は図12のインクジェット記録ヘッドの第3の製造工程を示す断面図である。図16は図12のインクジェット記録ヘッドの第4の製造工程を示す断面図である。図17はノズル形状を吐出口から電気熱変換素子に向かって断面積を大きくしているインクジェット記録ヘッドの基本的な構成を説明する断面図である。
例えば、図12に示されるような基板1が用いられる。このような基板1は、液流路構成部材の一部として機能し、また、後述のインク流路(液流路)及びインク吐出口(液吐出口)6を形成する材料層の支持体として機能する。
基板1上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等の吐出エネルギ発生部3が所望の個数だけ配置される。このような、吐出エネルギ発生部3によって記録小滴(インク滴)を吐出させるための吐出エネルギがインク液に与えられ、記録が行われる。
図12において、インク供給口2を基板1内に予め設けておき、基板1の下方よりインクを供給する形態を例示した。このインク供給口2の形成においては、基板1に穴を形成できる手段であれば、いずれの方法も使用できる。例えば、ドリル等機械的手段にて形成しても構わないし、レーザ等の光エネルギを使用しても差支えない。
次いで、図13のように、吐出エネルギ発生部3を含む基板1上に、溶解可能な樹脂によってインク流路パターン4を形成する。次に、インク流路をパターニングした溶解可能な樹脂材料層(インク流路パターン)4上に、図14に示すように、さらに、被覆樹脂層5を通常のスピンコート法、ロールコート法等で形成する。
次に、上記化合物から成る感光性被覆樹脂層5に対して、図15に示すように、マスク10を介してパターン露光を行う。この感光性被覆樹脂層5はネガ型であり、インク吐出口6を形成する部分をマスクで遮蔽する。
次に、パターン露光された感光性被覆樹脂層5は、適当な溶剤を用いて現像され、図12及び図16に示すように、インク吐出口6を形成する。ここで、未露光の感光性被覆樹脂層5の現像時に同時にインク流路7を形成する溶解可能な樹脂パターン4を現像することも可能である。
このようにしてインク流路7及びインク吐出口6を形成した基板1に対して、吐出エネルギ発生部3のインク吐出圧力発生素子を駆動するための電気的接合(図示せず)を行って、インクジェット記録ヘッドが形成される。
また、図17に示すように、ノズル形状を吐出口6から電気熱変換素子3に向かって断面積を大きくするように、感光性を有するインク流路形成材料5に、感光性を活性化させるエネルギを型材により部分的に照射して吐出口6を形成する技術も開示されている(例えば、特許文献1乃至7参照)。
ノズル孔形状に関しては、従来、特許文献1では、多段階のテーパ角を有する形状が示され、特許文献2では、先細りのテーパ部に円柱形状を有するロート形状の噴射ノズル孔が示され、さらには、特許文献7では、ノズル孔の断面形状は、吐出口から流入口に向けて、ノズル孔内壁面接線方向とインク吐出方向のなす角度が連続的に増大するような構成とし、ノズル孔内部での圧力損失を低減させる形状が提案されている。
着弾精度を向上させるために、特許文献3では、インクジェットの吐出口の直線部を記録媒体と直交させ、かつ、その直線部の長さの比率を吐出口の直径の20〜80%として、インクの吐出飛翔方向の変化をもたせている例が開示されている。この開示によると、直線部が形成されることで、インクの吐出方向の流抵抗が減少し、直線部を流れるインクの吐出速度が向上し、曲線部分を流れるインクより速いために、出口でインクの飛出し方向のベクトルが曲がり、吐出方向の制御が可能となることが記載されている。
しかし、特許文献1乃至3、及び7には製造方法は記載されていない。製造方法に関しては、特許文献4で、感光性を有するインク流路形成材料に、感光性を活性化させるエネルギを型材により部分的に照射して吐出口を形成し、インク流路型樹脂層を形成する製造方法において、インク流路形成材料中に、感光性を活性化させるエネルギを吸収または散乱させる成分を含有させて製造することにより、ノズル形状を吐出口から電気熱変換素子に向かって断面積を大きくことを実現させている。
また、特許文献5及び6で、エポキシ系の感光性樹脂を2層構造とし、1層目の露光後、露光光の透過率が序々に変わるグラデーション部を有するグラデーションマスクにて、さらに、紫外線露光を行うことにより、直線部と曲線部とが形成された吐出口を有するオリフィスプレートが得られる製造方法が提案されている。
特許第3220504号公報 特開平9−52358号公報 特開平11−997号公報 特開2001−179979号公報 特開2002−154210公報 特開2002−154211公報 特開2002−36569公報
しかしながら、特許文献4の技術では、曲線部の形成は可能であるが、直線部が得られない。また、特許文献5及び6では、オリフィスプレート形成後、基体とオリフィスプレートとなるドライフィルムとを、パターニングされた別のドライフィルムを介して接合する必要があり、オリフィスプレートを薄く(例えば、20μm以下)かつ均一に作成することは困難であり、たとえ作成できたとしても、インク吐出圧力発生素子が形成された基体との接合工程はオリフィスプレートの脆弱性により極めて困難となるという問題がある。
そこで、本発明の第1の目的は、感光性樹脂層を2層構造とし、下層に吸収剤をいれることによって、ノズル孔の断面形状が吐出口の直線部を有し、吐出口から流入口に向けて、ノズル孔内壁面接線方向とインク吐出方向のなす角度が連続的に増大するような構成となり、吐出安定性に優れる液滴吐出ヘッドを簡便に精度よく形成する液滴吐出記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、基板上に、除去可能な液流路型を形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記感光性を活性化させるエネルギを、マスクを介して部分的に照射し現像することで、前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液吐出口を形成する工程と、前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有する液滴吐出記録ヘッドの製造方法において、スソひき形状のノズル型を流路型に付加することによって、ノズル孔の断面形状が、吐出口の直線部を有し、吐出口から流入口に向けて、ノズル孔内壁面接線方向とインク吐出方向のなす角度が連続的に増大するような構成となり、吐出安定性に優れる液滴吐出ヘッドを簡便に精度よく形成する液滴吐出記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、その製造方法により製造された液滴吐出記録ヘッド、これを使用する液体カートリッジ、この液体カートリッジを備えた液滴吐出装置及びライン型液滴吐出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に、除去可能な液流路型を形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記感光性を活性化させるエネルギを、マスクを介して部分的に照射し現像することで、前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記被覆樹脂層を2層構造とし、第1樹脂層に、前記感光性を活性化させるエネルギを吸収させる成分を含有させることで、前記エネルギ照射工程時に前記エネルギの入射方向に対して、第2樹脂層は前記液滴吐出口断面積がマスク寸法に対して一定となる潜像を形成し、前記第1樹脂層は前記液滴吐出口断面積が徐々に大となるような潜像を形成し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなる液滴吐出口を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に、溶解可能な樹脂層により、液流路型を形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記感光性を活性化させるエネルギを、マスクを介して部分的に照射し現像することによって、前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記液流路型上に溶解可能なポジ型の感光性樹脂層によりすそ引き形状の液滴吐出口型を形成した改良液流路型上に、ネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記改良液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなる液滴吐出口と液流路を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記液吐出エネルギ発生部が、熱エネルギを発生する電気熱変換素子または静電気力によりエネルギを与えられる振動板である請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に、樹脂層により液流路及び液滴吐出口を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法により製造され、前記液滴吐出口は前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が一定となる部分を有し、かつ前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなるラッパ形状となる液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが、請求項4記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法により製造された液滴吐出ヘッドである液体カートリッジを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5記載の液体カートリッジを使用する液滴吐出装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5記載の液体カートリッジを使用し、請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法により製造された長尺化された液滴吐出ヘッドを使用するライン型液滴吐出装置を特徴とする。
本発明によれば、流路形成(吐出口形成)に用いる感光性樹脂層を2層化し、下層(液体吐出エネルギ発生部側)に吸収成分を含有させることにより、吐出側に一定の断面積を有し、液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなるラッパ形状の液吐出口を精度良く、簡便に製造することが可能となる。
また、本発明によれば、液流路型上に溶解可能なポジ型の感光性樹脂層により、すそ引き形状の液吐出口型を形成した改良液流路型上に、ネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、感光性を活性化させるエネルギを、液吐出口型マスクを介して部分的に照射して現像することで、液体吐出エネルギ発生部上方の被覆樹脂層に液吐出口を形成する工程と、改良液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有する製造方法により、吐出側に一定の断面積を有し、液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなるラッパ形状の液吐出口を精度良く、簡便に製造することが可能となる。
さらに、液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなるラッパ形状の液吐出口を精度良く備えた液滴吐出記録ヘッドを製造でき、この液滴吐出記録ヘッドを使用する液体カートリッジ、この液体カートリッジを備えた液滴吐出装置及びライン型液滴吐出装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1乃至図4は本発明に係わる液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を示しており、図17に示したような液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなる吐出口を形成する本発明によるインクジェット記録ヘッドを説明する。
本発明の第1の実施の形態は、図12乃至図16に関連して上述したような従来の基本的製造方法により形成されるノズル形状に対し、ノズル形状を図17に示すような形状に改善する技術を提供するものである。
図1は本発明が適用される液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を示す斜視図である。図2は本発明の第1の実施の形態による液体噴射(インクジェット)記録ヘッド構成を説明する断面図である。図3は図2のインクジェット記録ヘッドの第1の製造工程を示す断面図である。図4は図12のインクジェット記録ヘッドの第2の製造工程を示す断面図である。
本発明の液体噴射(液滴吐出)記録ヘッドの製造方法の第1の実施の形態では、液体吐出エネルギ発生部3が形成された基板1上に、除去可能な液流路型4を形成する工程と、液流路型4上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層5を形成し、感光性を活性化させるエネルギをマスク10を介して部分的に照射し現像することで、液体吐出エネルギ発生部3上方の被覆樹脂層5において液吐出口6を形成する工程と、液流路型4を溶解除去して液流路7を形成する工程とを有している。
本発明においては、被覆樹脂層5を2層構造とし、第1樹脂層8に感光性を活性化させるエネルギを吸収させる成分を含有させることによって、エネルギ照射工程時にこのエネルギの入射方向に対して、第2樹脂層9は液吐出口6の断面積がマスク寸法に対して一定となる潜像を形成する。第1樹脂層8は液吐出口6の断面積が下向きに徐々に大となるような潜像を形成し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、液体吐出エネルギ発生部3に向かって断面積が曲線状(或いはテーパー状)に漸増する吐出口6を形成する。
まず、本発明が適用される液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的実施の態様について図1乃至図4を参照して説明する。本実施の形態においては、例えば、図1に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板1が用いられる。
このような基板1は、液流路構成部材の一部として機能し、また、後述のインク流路(液流路)及びインク吐出口(液吐出口)6を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に特に限定されることなく使用できる。
基板1上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等の吐出エネルギ発生部3が所望の個数配置される。このような、吐出エネルギ発生部3によって記録小滴(インク滴)を吐出させるための吐出エネルギがインク液に与えられ、記録が行われる。
例えば、吐出エネルギ発生部3として電気熱変換素子が用いられる時には、この電気熱変換素子が近傍の記録液を加熱することにより、記録液に状態変化を生起させて吐出エネルギを発生する。また、例えば、静電気力によりエネルギを与えられた振動板の機械的振動によって吐出エネルギが発生される。
例えば、圧電素子が用いられる時は、この圧電素子の機械的振動によって吐出エネルギが発生される。なお、これらの吐出エネルギ発生部3には、これらの圧電素子を動作させるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続されている。
また、一般には、これら吐出エネルギ発生部3の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられているが、もちろん、本発明においてもこのような機能層を設けることは一向に差し支えない。
図1において、インク供給口2を基板1上に予め設けておき、基板1下方よりインクを供給する形態を例示した。このインク供給口2の形成においては、基板1に穴を形成できる手段であれば、いずれの方法も使用できる。例えば、ドリル等機械的手段にて形成しても構わないし、レーザ等の光エネルギを使用しても差支えない。
また、基板1にレジストパターン等を形成して化学的にエッチングしても差支えない。もちろん、インク供給口2を基板1に形成せず、樹脂パターンに形成し、基板1に対してインク吐出口6と同じ面に設けてもよい。
次いで、図1のA−B断面を示している図3のように、吐出エネルギ発生部3を含む基板1上に、溶解可能な樹脂によってインク流路パターン4を形成する。最も一般的な手段としては、感光性材料にて形成する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能である。
感光性材料を使用する場合においては、インク流路パターン4が溶解可能であるため、ポジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジストの使用が可能である。
レジスト層の形成方法としては、インク供給口2をその上に設けた基板1を使用する場合には、感光性材料のドライフィルムを作成し、ラミネートによって形成する。また、インク供給口2に後工程で除去可能な充填物を配置し、通常のスピンコート法、ロールコート法等で被膜を形成しても差支えない。
次に、インク流路をパターニングした溶解可能な樹脂材料層(インク流路パターン)4上に、図3に示すように、さらに、被覆樹脂層5を通常のスピンコート法、ロールコート法等で形成する。ここで、この被覆樹脂層5を形成する工程において、溶解可能な樹脂パターン4を変形させない等の配慮、手順が必要となる。
すなわち、被覆樹脂層5を溶剤に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等で溶解可能な樹脂パターン4上に形成する場合、溶剤を、溶解可能な樹脂パターン4を溶解しないように選択する必要がある。
次に、感光性被覆樹脂層5に対して、図4に示すように、マスク10を介してパターン露光を行う。この例では感光性被覆樹脂層5はネガ型であり、インク吐出口6を形成する部分をマスクで遮蔽する。
ここで、これまでの製造工程は、すべて従来のフォトリソングラフィ技術を用いて位置合わせが可能であり、オリフィスプレートを別途作成し基板1と張り合わせる方法に比べて、格段に精度を上げることができる。こうしてパターン露光された感光性被覆樹脂層5は、必要に応じて反応を促進するために、加熱処理を行ってもよい。
このようにして形成したインク流路7及びインク吐出口6を形成した基板1に対して、吐出エネルギ発生部3のインク吐出圧力発生素子を駆動するための電気的接合(図示せず)を行って、インクジェット記録ヘッドが形成される。
前述した図1乃至図4を基に、さらに本発明の製造方法を説明する。図2における液体吐出エネルギ発生部3として電気熱変換素子を形成した基板上1に、感光性樹脂としてポジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行った。その後、インク流路7のマスクパターン(図示せず)を介してマスクアライナ(図示せず)により4.2J/cm2の露光量にて露光を行い、その後、現像処理を行い、インク流路となる型4を形成した。
次に、スピンナを使用して下記に示す吸収剤(感光性を活性化させるエネルギを吸収させる成分:カーボンブラック)入り液流路形成材料8で前記型4を被覆し、プリベークを行った。その後、さらに下記に示す液流路形成材料9で液流路形成材料8を被覆し(図3)、プリベークを行った。その後、吐出口6のマスクパターンを有するマスク10を介してマスクアライナにより3.5J/cm2の露光量にて露光を行った(図4)。
続いて、液流路形成部材8の下層部へのエネルギ照射量を増して、これと基板1との間の剥がれに対する耐性を向上するため、吐出口径より大きい径で構成されるパターンを有するマスク(図示せず)を用いて再露光を行う。
その後現像処理を行い、型4及び吐出口(オリフィス)6が形成される液流路構成材料の一部を除去する。その後、本硬化を行い、液流路形成部8+9を形成した(図2)。最後にチップサイズへの切断を行い、チップを組み立てることにより(図示せず)インクジェット記録ヘッドを完成した。
液流路形成材料8としては、例えば、
ポリマーエピコート828(商品名、油化シェルエポキシ社製)50〜70部
顔料 カーボンブラックMCF88(商品名、三菱化学社製)10〜35部
光開始剤P170(商品名、旭電化工業製)1〜5部
シランカップリング剤A187(商品名、日本ユニカー社製)1〜5部
である。
液流路形成材料9は、例えば、
ポリマー エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ社製)93.5部
光開始剤 SP170(商品名、旭電化工業製) 1.5部
シランカップリング剤 A187(商品名、日本ユニカー社製)5部
である。
図2において、インク供給口2を基板1上に予め設けておき、基板1後方よりインクを供給する形態を例示した。このインク供給口2の形成においては、基板1に穴を形成できる手段であればいずれの方法も使用できる。例えば、ドリル等機械的手段にて形成しても構わないし、レーザ等の光エネルギを使用しても差支えない。
次いで、図3のように、吐出エネルギ発生部3を含む基板1上に、溶解可能な樹脂によってインク流路パターン4を形成する。次に、インク流路をパターニングした溶解可能な樹脂材料層(インク流路パターン)4上に、さらに、被覆樹脂層5を通常のスピンコート法、ロールコート法等で形成する。
構造材料として優れた強度、密着性、耐インク性を有し、かつ樹脂が常温にて固体状であれば、優れたパターニング特性を有することが分かっており、使用される材料としては、エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物が用いられる。
まず、エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物は、通常の酸無水物、もしくはアミンによる硬化物に比較して高い架橋密度(高Tg)を有するため、構造材として優れた特性を示す。また、常温にて固体状のエポキシ樹脂を用いることで、光照射によりカチオン重合開始剤より発生した重合開始種のエポキシ樹脂中への拡散が抑えられ、優れたパターニング精度、形状を得ることができる。
溶解可能な樹脂層4上に被覆樹脂層5を形成する工程は、常温で固体状の被覆樹脂を溶剤に溶解し、スピンコート法で形成することが望ましい。薄膜コーティング技術であるスピンコート法を用いることで、被覆樹脂層5は均一にかつ精度良く形成することができ、従来方法では困難であった吐出エネルギ発生部3と吐出口間の距離を短くすることができ、小液滴吐出を容易に達成することができる。
本発明の実施の形態に用いる固体状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロモスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェノールノボラックあるいはo−クレゾールノボラックとエピクロヒドリンとの反応物、例えば、特開昭60−161973号公報、特開昭63−221121号公報、特開昭64−9216号公報、特開平2−140219号公報等に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多感反エポキシ樹脂等が挙げられるが、もちろん、本発明はこれら化合物のみに限定されるものではない。
上記エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩〔ジェイ・ポリマーズCI:シンポジウム(J.POLYMERSCI:Symposium)No.56 383−395(1976)参照〕や旭電化工業株式会社より市販されているSP−150、SP−170(商品名)等が挙げられる。
また、上述の光カチオン重合開始剤は、還元剤を併用して加熱することによって、カチオン重合を促進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上する)させることができる。ただし、光カチオン重合開始剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず、一定温度以上(好ましくは60℃以上)で反応する、いわゆるレドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する必要がある。
このような還元剤としては、銅化合物、とくに反応性及びエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))が最適である。また、アスコルビン酸等の還元剤も有用である。
さらに、上記組成物に対して必要に応じて添加剤などを適宜添加することが可能である。例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的での可撓性付与剤の添加、あるいは基板1とのさらなる密着力を得るためのシランカップリング剤の添加等が挙げられる。
次に、上記化合物から成る感光性被覆樹脂層5に対して、図4に示すように、マスク10を介してパターン露光を行う。本実施の態様の感光性被覆樹脂層5はネガ型であり、インク吐出口6を形成する部分をマスクで遮蔽する。パターン露光は、使用する光カチオン重合開始剤の感光領域に合わせて紫外線、ディープ(Deep)−UV光、電子線、X線等から適宜選択することができる。
ここで、これまでの製造工程は、すべて従来のフォトリソングラフィ技術を用いて位置合わせが可能であり、オリフィスプレートを別途作成し基板1と張り合わせる方法に比べて、格段に精度を上げることができる。こうしてパターン露光された感光性被覆樹脂層5は、必要に応じて反応を促進するために、加熱処理を行ってもよい。
ここで、前述のごとく、感光性被覆樹脂層5は、常温で固体状のエポキシ樹脂で構成されているため、パターン露光で生ずるカチオン重合開始種の拡散は制約を受け、優れたパターニング精度、形状を実現できる。
次に、パターン露光された感光性被覆樹脂層5は、適当な溶剤を用いて現像され、図2に示すように、インク吐出口6を形成する。ここで、未露光の感光性被覆樹脂層5の現像時に同時にインク流路7を形成する溶解可能な樹脂パターン4を現像することも可能である。
このようにして形成したインク流路7及びインク吐出口6を形成した基板1に対して、吐出エネルギ発生部3のインク吐出圧力発生素子を駆動するための電気的接合(図示せず)を行って、インクジェット記録ヘッドが形成される。
図5は図17に示したインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。図6は図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第1の製造段階を示す断面図である。図7は図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第2の製造段階を示す断面図である。図8は図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第3の製造段階を示す断面図である。
本発明の液体噴射(液滴吐出)記録ヘッドの製造方法の第2の実施の形態では、液体吐出エネルギ発生部3が形成された基板1上に、溶解可能な樹脂層により液流路型11を形成する工程と、この液流路型11上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層5を形成し、この感光性を活性化させるエネルギをマスク10を介して部分的に照射し現像することによって、液体吐出エネルギ発生部3上方の被覆樹脂層5に液滴吐出口6を形成する工程と、液流路型11を溶解除去して液流路7を形成する工程とを有している。
液流路型11上に溶解可能なポジ型の感光性樹脂層により、すそ引き形状の液滴吐出口型を形成した改良液流路型11上に、ネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層5を積層形成する。この感光性を活性化させるエネルギを、液吐出口型マスク10を介して部分的に照射し現像することによって、液体吐出エネルギ発生部3上方の被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、改良液流路型11を溶解除去して液(インク)流路7を形成する工程とを有することで、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、液体吐出エネルギ発生部3に向かって断面積が大きくなる(漸増する)液滴吐出口6と液流路7を形成する。
前述の図1乃至図4を基に、さらに、本発明の別の製造方法を説明する。図2における液体吐出エネルギ発生部3として電気熱変換素子を形成した基板上1に、感光性樹脂としてポジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行った。その後、インク流路7のマスクパターン(図示せず)を介してマスクアライナにより4.2J/cm2の露光量にて露光を行い、現像処理を行い、インク流路となる型4を形成した。
次に、ポジ型レジストをスピンコートし、プリベークを行った後、吐出口6のマスクパターン(図示せず)を介してマスクアライナにより3.9J/cm2の露光量にて、(アンダー)露光を行い、現像処理を行い、スソ引き形状のインク流路(吐出口の一部)となる型11を形成した(図6)。
次に、スピンナを使用して液流路形成材料5で型11を被覆し(図7)、プリベークを行った後、吐出口6のマスクパターンを有するマスク10を介してマスクアライナ(図示せず)により3.0J/cm2の露光量にて露光を行う(図8)。
続いて、液流路形成部材5の下層部へのエネルギ照射量を増して、これと基板1との間の剥がれに対する耐性を向上するため、吐出口径より大きい径で構成されるパターンを有するマスク(図示せず)を用いて再露光を行う。
その後現像処理を行い、型11及びオリフィス6が形成される液流路構成材料の一部を除去する。その後、本硬化を行い、液流路形成部7を形成した(図5)。最後にチップ大に切断、チップを組み立てることにより(図示せず)インクジェット記録ヘッドを完成した。
上述したような、本発明の第1の及び第2の実施の形態による液滴吐出ヘッドの製造方法により製造された液滴吐出ヘッドは、ノズル孔の断面形状が吐出口6の直線部を有し、液滴吐出口6から流入口(インク流路)7に向けて、ノズル孔内壁面接線方向と液滴吐出方向のなす角度が連続的に増大するような構成となり、吐出安定性に優れ、また、前記形状(構造)を簡便に精度よく形成することができる。
次に、本発明に係るインク(液体)カートリッジについて図9を参照して説明する。このインクカートリッジは、液滴(インク)吐出口6等を有する上記各実施の形態のいずれかによるインクジェットヘッド13と、このインクジェットヘッド13に対してインクを供給するインクタンク14とを一体化したものである。
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、インクジェットヘッド13の歩留まり不良は直ちにインクカートリッジ12全体の不良に繋がるので、上述したようにインクジェットヘッドの高熱による吐出不良を低減することで、インクカートリッジの製造不良が減少し、歩留まりが向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
図10はインクジェット記録装置を示す概略斜視図である。図11はインクジェット記録装置の機構部を示す側面説明図である。次に、本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の実施の形態について図10及び図11を参照して説明する。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体15の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ23、このキャリッジ23に搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部16等を収納し、記録装置本体15の下方部には前方側から多数枚の用紙17を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)18を抜き差し自在に装着することができる。
また、用紙17を手差しで給紙するための手差しトレイ19を開倒することができ、給紙カセット18或いは手差しトレイ19から給送される用紙17を取り込み、印字機構部16によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ20に排紙する。
印字機構部16は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド21と従ガイドロッド22とでキャリッジ23を主走査方向(図11で紙面垂直方向)に摺動自在に保持している。
このキャリッジ23にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド24を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ23には記録ヘッド24に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ25を交換可能に装着している。
インクカートリッジ12は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド24へ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のインクジェットヘッド24を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ23は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド21に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド22に摺動自在に載置している。
上述のキャリッジ23を主走査方向に移動走査するために、主走査モータ26で回転駆動される駆動プーリ27と従動プーリ28との間にタイミングベルト29を張装し、このタイミングベルト29をキャリッジ23に固定しており、主走査モータ26の正逆回転によりキャリッジ23が往復駆動される。
一方、給紙カセット18にセットした用紙17をヘッド24の下方側に搬送するために、給紙カセット18から用紙17を分離給装する給紙ローラ30及びフリクションパッド31と、用紙を案内するガイド部材32と、給紙された用紙17を反転させて搬送する搬送ローラ33と、この搬送ローラ33の周面に押し付けられる搬送コロ34及び搬送ローラ33からの用紙17の送り出し角度を規定する先端コロ35とを設けている。
搬送ローラ33は、副走査モータ36によってギヤ列を介して回転駆動される。キャリッジ23の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ33から送り出された用紙17を記録ヘッド24の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材37を設けている。
この印写受け部材37の用紙搬送方向下流側には、用紙17を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ38、拍車39を設け、さらに、用紙17を排紙トレイ20に送り出す排紙ローラ40及び拍車41と、排紙経路を形成するガイド部材42、43とを配設している。
記録時には、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド24を駆動することにより、停止している用紙17にインクを吐出して1行分を記録し、用紙17を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号、又は、用紙17の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙17を排紙する。
また、キャリッジ23の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド24の吐出不良を回復するための回復装置44を配置している。この回復装置44は図示してないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
キャリッジ23は、印字待機中には、回復装置44側に移動されかつ記録ヘッド24はキャッピング手段でキャッピングされ、液滴吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての液滴吐出口(図示せず)のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド24の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で液滴吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
吐出側に一定の断面積を持ち、液体吐出エネルギ発生部3に向かって断面積が大きくなるラッパ形状の液滴吐出口6となる液滴吐出ヘッドは、形状の寸法精度よく、信頼性の高い液滴吐出ヘッドである。また、この形状の液滴吐出口6は、ノズル孔内部での圧力損失を低減させ、噴射直進性が向上し、吐出安定性に優れた特性を有し、簡便に精度よく形成される。
液滴吐出ヘッドがこのような特性を有するので、これとこの液滴吐出ヘッドに液滴を供給する液滴タンクを一体化した液体カートリッジは、製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。また、この一体化した液体カートリッジを使用する液滴吐出装置及び長尺化された液滴吐出ヘッドを用いてライン型とした液滴吐出装置も、液吐出特性の変動を抑止できるため高信頼性の液滴吐出装置である。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、高熱によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
なお、前述したように本発明に係る液滴吐出装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置にも適用することができる。
本発明が適用される液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態による液体噴射(インクジェット)記録ヘッド構成を説明する断面図である。 図2のインクジェット記録ヘッドの第1の製造工程を示す断面図である。 図2のインクジェット記録ヘッドの第2の製造工程を示す断面図である。 図17に示したインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。 図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第1の製造段階を示す断面図である。 図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第2の製造段階を示す断面図である。 図5のインクジェット記録ヘッドを作成する第3の製造段階を示す断面図である。 本発明に係る液体カートリッジを示す概略斜視図である。 インクジェット記録装置を示す概略斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部を示す側面説明図である。 一般的な液体噴射(インクジェット)記録ヘッドの基本的な構成を説明する断面図である。 図12のインクジェット記録ヘッドの第1の製造工程を示す断面図である。 図12のインクジェット記録ヘッドの第2の製造工程を示す断面図である。 図12のインクジェット記録ヘッドの第3の製造工程を示す断面図である。 図12のインクジェット記録ヘッドの第4の製造工程を示す断面図である。 ノズル形状を吐出口から電気熱変換素子に向かって断面積を大きくしているインクジェット記録ヘッドの基本的な構成を説明する断面図である。
符号の説明
1 基板
2 インク供給口
3 吐出エネルギ発生部
4 樹脂材料層(液流路型、インク流路パターン)
5 被覆樹脂層
6 液滴吐出口(インク吐出口)
7 液流路(インク流路)
8 第1樹脂層(吸収剤入り液流路形成材料)
9 第2樹脂層(液流路形成材料)
11 改良液流路型(すそ引き形状の液滴吐出口型)
12 液体カートリッジ(インクカートリッジ)
13 インクジェットヘッド(液滴吐出装置)
15 インクジェット記録装置(記録装置本体)

Claims (7)

  1. 液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に除去可能な液流路型を形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し前記感光性を活性化させるエネルギをマスクを介して部分的に照射し現像することで前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程と、を順次実施する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記被覆樹脂層を2層構造とし、第1樹脂層に前記感光性を活性化させるエネルギを吸収させる成分を含有させることで、前記エネルギ照射工程時に前記エネルギの入射方向に対して、第2樹脂層は前記液滴吐出口断面積がマスク寸法に対して一定となる潜像を形成し、前記第1樹脂層は前記液滴吐出口断面積が徐々に大となるような潜像を形成し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなる液滴吐出口を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に溶解可能な樹脂層により液流路型を形成する工程と、前記液流路型上にネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し前記感光性を活性化させるエネルギをマスクを介して部分的に照射し現像することによって前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを順次実施する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記液流路型上に溶解可能なポジ型の感光性樹脂層によりすそ引き形状の液滴吐出口型を形成した改良液流路型上に、ネガ型の感光性樹脂からなる被覆樹脂層を形成し、前記液体吐出エネルギ発生部上方の前記被覆樹脂層に液滴吐出口を形成する工程と、前記改良液流路型を溶解除去して液流路を形成する工程とを有し、吐出側に断面積が一定となる部分を有し、前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなる液滴吐出口と液流路を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記液吐出エネルギ発生部が、熱エネルギを発生する電気熱変換素子または静電気力によりエネルギを与えられる振動板であることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 液体吐出エネルギ発生部が形成された基板上に、樹脂層により液流路及び液滴吐出口を備え、請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法により製造された液滴吐出ヘッドであって、前記液滴吐出口は前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が一定となる部分を有し、かつ前記液体吐出エネルギ発生部に向かって断面積が大きくなるラッパ形状となることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドは、請求項4記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法により製造された液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  6. 請求項5記載の液体カートリッジを使用することを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項5記載の液体カートリッジを使用し、請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法により製造された長尺化された液滴吐出ヘッドを使用することを特徴とするライン型液滴吐出装置。


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