JP2007319147A - 指標分子量マーカー及びこれを用いた核酸鎖結合産物の分画方法 - Google Patents

指標分子量マーカー及びこれを用いた核酸鎖結合産物の分画方法 Download PDF

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昌明 恩田
Shiho Kato
志穂 加藤
Toshiyuki Kato
俊行 加藤
Hitoshi Nagahora
仁 長洞
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Abstract

【課題】比較的低分子のRNAをクローニングするに際し、アイソトープを使用せずに、誤った分画をする恐れを極めて低くするとともに副生成物等を効果的に除去し、容易かつ安全に小分子RNAをクローニングする方法を提供する
【解決手段】RNAのクローニングに際し、RNAの3'端側及び/又は5'端側に核酸鎖を結合させた核酸鎖結合産物の分画に使用する指標分子量マーカーである。そして、前記指標分子量マーカーは、核酸鎖結合産物のRNAの3'端側及び/又は5'端側の核酸鎖の鎖長と同一又は2塩基差以下の鎖長とするとともに、前記核酸鎖結合産物の核酸鎖と同種又は同構成の核酸鎖とした合成核酸鎖を複数備えている。また、上記指標分子量マーカーを用い、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一定の鎖長範囲内に分布する低分子のリボヌクレオチド(RNA)をクローニングするに際し、正確な指標となる核酸鎖結合産物を分画する指標分子量マーカー及びこれを用いた核酸鎖結合産物の分画方法に関するものである。
従来の技術
鎖長の短いRNA分子が細胞内で重要な機能を持っていることはヒトゲノムプロジェクトが始まった頃には全く知られていなかったが、その後のshort interference RNA(siRNA)による遺伝子ノックダウン法の革新の後、siRNAの他に、マイクロRNA(miRNA)など生体内に存在するタンパク質をコードしないRNA、すなわち非翻訳RNA分子が様々な生命現象の機能分子として働くことがわかってきた。特にmiRNAは、1993年に初めて見つけられた分子である。当初は線虫等の限られた生物での狭い分野の研究であったが、その後、miRNAの存在は、ゲノムからメッセンジャーRNA、そして翻訳蛋白質のセントラルドクマの流れに匹敵する重要な生命機能を示していることが明らかになりつつある。
このような研究背景を受け、miRNA等の小分子RNAをクローニングし、塩基配列を決定していく研究も行われている。即ち、下記の非特許文献1に記載の如く、Tuschlらは、アイソトープ標識二重鎖RNAにショウジョウバエの抽出液を加えてsiRNAを生じせしめ、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分画している。そして、T4RNAライゲースを用い、後の工程で行うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための特異的塩基配列を持つ核酸オリゴマーを、最初に上記siRNAの3'端側に、その次に5'端側にライゲーションし、5'端側及び3'端側に特異的な核酸配列を結合させたsiRNAを得る。そして、これを逆転写反応及びPCRによって、目的のsiRNAのcDNAをクローニングするものである。尚、5'端側および3'端側に核酸鎖をライゲーションする工程では、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にてそれぞれライゲーション産物を分画している。
また、下記の非特許文献2に記載の如く、Bartelらはアイソトープ標識RNA分子量マーカーを指標として変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動をおこないmiRNAを分画している。分画されたmiRNAは、前述の方法のように、後の工程で行うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための特異的塩基配列を持つ核酸鎖を、3'端側にライゲーションさせて結合核酸鎖を得る。この工程では指標となる18及び24塩基の化学合成RNAをアイソトープ標識している。そして、これらも上記miRNAと同様に、3'端側に同じ核酸配列の核酸鎖をライゲーションさせ、この化学合成RNAと核酸鎖との結合核酸鎖を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動における指標として、miRNAの3'端側に特異的な核酸配列を結合した結合核酸鎖の電気泳動における位置を推察し、分画している。
RNA interference is mediated by 21- and 22-nucleotide RNAs. Elbashir SM, Lendeckel W, Tuschl T. Genes Dev. 2001 Jan 15;15(2):188-200. An abundant class of tiny RNAs with probable regulatory roles in Caenorhabditis elegans. Lau NC, Lim LP, Weinstein EG, Bartel DP. Science. 2001 Oct 26;294(5543):858-62.
しかしながら、TuschlやBartelらの方法では核酸鎖結合産物を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分画しており、副生成物、ライゲーションに用いたクローニングに用いる核酸鎖を除去できるが、アイソトープを使用しており、安全性の確保、放射性廃棄物の処理の問題が生じる。またアイソトープの利用は小分子RNAクローニングにおけるコストを大きくするものであった。
そこで、上記の如きアイソトープを使用せずに、小分子RNAと核酸鎖との核酸鎖結合産物を分画する方法が従来より知られている。即ち、小分子RNAに特異的な核酸配列を結合させた核酸鎖結合産物を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分画する際に、簡便法として化学合成DNA鎖を指標とする方法である。
しかしながら、DNAとRNAは同じ鎖長でも電気泳動上異なった移動度を示すため、上記の如く化学合成DNA鎖を指標とする方法では、小分子RNAと核酸鎖とを結合させた核酸鎖結合産物を正確に分画できず、誤った分画をするおそれが大きい。
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、15塩基〜35塩基の範囲内に分布する比較的低分子のRNAをクローニングするに際し、安全性の確保、放射性廃棄物の処理等の問題が生じるアイソトープを使用せずに、誤った分画をする恐れを極めて低くするとともに副生成物等を効果的に除去し、容易に小分子RNAをクローニングする方法を提供することを課題とする。
上述の如き課題を解決するため、本願の第1発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(5)のB鎖、G鎖、H鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して、上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
(3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
(4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
(5)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
また、本願の第2発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第1発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
また、本願の第3発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(5)のB鎖、G鎖、H鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
(3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
(4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
(5)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
また、本願の第4発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第3発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
また、本願の第5発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、G鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
(3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
(4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
また、本願の第6発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第5発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
また、本願の第7発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、G鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
(3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
(4)A鎖の3'端側にクローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
また、本願の第8発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第7発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
また、本願の第9発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、H鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
(3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
(4)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
また、本願の第10発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第9発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
また、本願の第11発明は、鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、H鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカーである。
(1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
(2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
(3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
(4)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
また、本願の第12発明は、電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、前記第11発明の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画するものである。
本発明は上述の如く構成したものであるため、15塩基〜35塩基の範囲内に分布する比較的低分子のRNAのクローニングに際し、クローニング対象RNAと核酸鎖との核酸鎖結合産物の分画時にアイソトープを使用しないため、安全性を確保することができるとともに、放射性廃棄物の処理等の問題が起こることなく、扱いを容易なものとすることができる。
また、指標分子量マーカーを構成する核酸鎖の鎖長や種類及び構成を、クローニング対象RNAとリンカーやプライマー等の核酸鎖との核酸鎖結合産物に対応させたものとしているため、核酸鎖結合産物と指標分子量マーカーとの移動度を揃えることが可能となる。そのため、副生成物等を効果的に除去することが可能となり、誤った分画をする恐れが極めて低く、正確な指標となることができる指標分子量マーカーを得ることができる。以上より、重要な生命機能を有している小分子RNAをクローニングすることが容易になり、生命現象を明らかにして、医療、医薬、その他の生命原理の利用技術に有用に働くものとなる。
発明の実施の形態
<クローニング対象RNA>
以下、本発明の実施方法および実施態様について説明する。クローニング対象RNAの鎖長はその研究目的によって異なるが、siRNA及びmiRNAの鎖長は15塩基〜35塩基に分布し、その多くのものは、18塩基〜28塩基、大半は21塩基〜24塩基に分布する。そして、本発明の指標分子量マーカーは、特に鎖長が15〜35の範囲に分布する比較的低分子のRNAのクローニングに使用するものである。そのため、本発明ではクローニング対象RNAの鎖長範囲をm塩基以上n塩基以下とし、mを15〜30、nを18〜35としている。
そして、上記クローニング対象RNAをクローニングに際し、クローニング対象RNAの3'端側及び5'端側に、それぞれリンカーやプライマー等のクローニングに必要な塩基配列の核酸鎖を結合させる。即ち、クローニング対象RNAの3'端側に、17塩基から20塩基ほどの鎖長の塩基配列を持つ核酸鎖を結合させる。以下、このようにクローニング対象RNAに結合した核酸鎖を3'端側核酸鎖とする。また、クローニング対象RNAの5'端側にも同様に、17塩基から20塩基ほどの鎖長のリンカーやプライマー等の核酸鎖を結合する。以下、このようにクローニング対象RNAに結合した核酸鎖を5'端側核酸鎖とする。
また、3'端側核酸鎖及び5'端側核酸鎖は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、又は、これら各種ヌクレオチドの混合鎖により構成される。ここで、本発明における各種ヌクレオチドの混合鎖とは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及びヌクレオチド誘導体のうち、2種以上の核酸鎖が混合したものを言う。具体的には、デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの混合鎖である場合、ヌクレオチド誘導体とデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドとの混合鎖である場合、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及びヌクレオチド誘導体の混合鎖である場合等がある。
また、結合する順序は3'端側が先でも5'端側が先でもよい。尚、3'端側が先では、以下に記載のM型の指標分子量マーカーを用い、5'端側が先では、以下に記載のN型の指標分子量マーカーを用いる。
<指標分子量マーカー>
次に、本発明の指標分子量マーカーについて説明する。
核酸鎖結合産物を分画する本発明の指標分子量マーカーは、図1及び以下に示すB鎖、C鎖、D鎖、G鎖、H鎖の全て又はいずれか複数を含むもの(以下、M型と呼ぶ)、又は、B鎖、E鎖、F鎖、G鎖、H鎖の全て又はいずれか複数を含むもの(以下、N型と呼ぶ)である。
即ち、まずクローニング対象RNAの鎖長範囲において最も短いm塩基のRNAをA鎖とし、クローニング対象RNAの鎖長範囲において最も長いn塩基のRNAをB鎖とする。従って、例えば鎖長範囲が18塩基〜28塩基のRNAのクローニングに於いては、A鎖は18塩基のRNAとなり、B鎖は28塩基のRNAとなる。
また、C鎖は、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有するものである。また、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖即ちDNA鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖即ちRNA鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、C鎖はこれに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を、A鎖の3'端側に結合したものである。即ち、3'端側核酸鎖がDNAである場合は、C鎖はDNA鎖をA鎖の3'端側に結合したものとなり、3'端側核酸鎖がRNAである場合は、C鎖はRNAをA鎖の3'端側に結合したものとなり、また、3'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、C鎖はヌクレオチド誘導体をA鎖の3'端側に結合したものとなる。
また、3'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、C鎖は、前記3'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖を、A鎖の3'端側に結合したものとなる。尚、本発明で言う「3'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖」とは、3'端側核酸鎖が混合鎖である場合において、C鎖は、前記3'端側核酸鎖と同種のヌクレオチドを混合した混合核酸鎖をA鎖の3'端側に結合したものとなる。また、この混合核酸鎖の各種ヌクレオチドの鎖長は、それぞれ5'端側核酸鎖の各種ヌクレオチドの鎖長と同一、又は2塩基差以内であり、且つ前記混合核酸鎖の全長を、5'端側核酸鎖の鎖長と同一又は2塩基差以内としている。また、以下のD鎖、G鎖、H鎖についても同様である。
従って、例えば3'端側核酸鎖がDNAであってその鎖長が18塩基である場合は、C鎖は、16塩基〜20塩基のDNA鎖を18塩基のA鎖の3'端側に結合したものとなり、その全鎖長は34塩基〜38塩基となる。
また、D鎖は、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有するものである。また、上記3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を、B鎖の3'端側に結合したものである。即ち、3'端側核酸鎖がDNAである場合は、D鎖はDNA鎖をB鎖の3'端側に結合したものとなり、3'端側核酸鎖がRNAである場合は、D鎖はRNAをB鎖の3'端側に結合したものとなり、また、3'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、D鎖はヌクレオチド誘導体をB鎖の3'端側に結合したものとなる。また、3'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、D鎖は、前記3'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖を、B鎖の3'端側に結合したものとなる。
従って、例えば3'端側核酸鎖がDNAであって鎖長が18塩基である場合は、D鎖は、16塩基〜20塩基のDNAを、28塩基のB鎖の3'端側に結合したものとなり、全鎖長は44塩基〜48塩基となる。
また、E鎖は、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有し、且つ、5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を、A鎖の5'端側に結合したものである。即ち、5'端側核酸鎖がDNAである場合は、E鎖はDNA鎖をA鎖の5'端側に結合したものとなり、5'端側核酸鎖がRNAである場合は、E鎖はRNAをA鎖の5'端側に結合したものとなり、また、5'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、E鎖はヌクレオチド誘導体をA鎖の5'端側に結合したものとなる。
また、5'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、E鎖は、前記5'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖を、A鎖の5'端側に結合したものとなる。尚、本発明で言う「5'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖」とは、5'端側核酸鎖が混合鎖である場合において、E鎖は、A鎖の5'端側に、前記5'端側核酸鎖と同種のヌクレオチドを混合した混合核酸鎖を結合したものとなる。また、この混合核酸鎖の各種ヌクレオチドの鎖長は、それぞれ5'端側核酸鎖の各種ヌクレオチドの鎖長と同一、又は2塩基差以内であり、且つ前記混合核酸鎖の全長を、5'端側核酸鎖の鎖長と同一又は2塩基差以内としている。また、以下のF鎖、G鎖、H鎖についても同様である。
従って、例えば5'端側核酸鎖が17塩基のRNAである場合は、E鎖は、15塩基〜19塩基のRNAを、18塩基のA鎖の5'端側に結合した核酸鎖であって、その全鎖長は33塩基〜37塩基となる。
また、F鎖は、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有し、且つ、5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を、B鎖の5'端側に結合したものである。即ち、上記5'端側核酸鎖がDNAである場合は、F鎖はDNA鎖をB鎖の5'端側に結合したものとなり、5'端側核酸鎖がRNAである場合は、F鎖はRNAをB鎖の5'端側に結合したものとなり、また、5'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、F鎖はヌクレオチド誘導体をB鎖の5'端側に結合したものとなる。また、5'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、F鎖は、前記5'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖をB鎖の5'端側に結合したものとなる。
従って、例えば5'端側核酸鎖が17塩基のRNAである場合は、F鎖は、15塩基〜19塩基のRNAを、28塩基のB鎖の5'端側に結合した核酸鎖であって、その全鎖長は43塩基〜47塩基となる。
また、G鎖は、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有する核酸鎖を、A鎖の3'端側に結合するとともに、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有する核酸鎖を、A鎖の5'端側に結合した核酸鎖である。また、3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合、A鎖の3'端側に結合させる核酸鎖は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖となるとともに、5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、A鎖の5'端側に結合させる核酸鎖は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖となる。
即ち、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖がDNAである場合は、G鎖はDNA鎖をA鎖の3'端側に結合したものとなり、3'端側核酸鎖がRNAである場合は、G鎖はRNAをA鎖の3'端側に結合したものとなり、また、3'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、G鎖はヌクレオチド誘導体をA鎖の3'端側に結合したものとなる。また、3'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、G鎖は、前記3'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖をA鎖の3'端側に結合したものとなる。
また、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖がDNAである場合は、G鎖はDNA鎖をA鎖の5'端側に結合したものとなり、5'端側核酸鎖がRNAである場合は、G鎖はRNAをA鎖の5'端側に結合したものとなり、また、5'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、G鎖はヌクレオチド誘導体をA鎖の5'端側に結合したものとなる。また、5'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、G鎖は、前記5'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖をA鎖の5'端側に結合したものとなる。
従って、例えば3'端側核酸鎖が18塩基で塩基配列がDNAであるとともに、5'端側核酸鎖が17塩基で塩基配列がRNAである場合は、G鎖は、A鎖の3'端側に、鎖長が16塩基〜20塩基であるDNAを結合するとともに、A鎖の5'端側に、鎖長が15塩基〜19塩基のRNAを結合した核酸鎖となる。また、G鎖の全鎖長は、49塩基〜57塩基となる。
また、H鎖は、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有する核酸鎖を、B鎖の3'端側に結合するとともに、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖と同一又は2塩基差以下の鎖長を有する核酸鎖を、B鎖の5'端側に結合した核酸鎖である。また、3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、B鎖の3'端側に結合させる核酸鎖は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖となるとともに、5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、B鎖の5'端側に結合させる核酸鎖は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖となる。
即ち、クローニング対象RNAの3'端側核酸鎖がDNAである場合は、H鎖はDNA鎖をB鎖の3'端側に結合したものとなり、3'端側核酸鎖がRNAである場合は、H鎖はRNAをB鎖の3'端側に結合したものとなり、また、3'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、H鎖はヌクレオチド誘導体をB鎖の3'端側に結合したものとなる。また、3'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、H鎖は、前記3'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖を、B鎖の3'端側に結合したものとなる。
また、クローニング対象RNAの5'端側核酸鎖がDNAである場合は、H鎖はDNA鎖をB鎖の5'端側に結合したものとなり、5'端側核酸鎖がRNAである場合は、H鎖はRNAをB鎖の5'端側に結合したものとなり、また、5'端側核酸鎖がヌクレオチド誘導体である場合は、H鎖はヌクレオチド誘導体をB鎖の5'端側に結合したものとなる。また、5'端側核酸鎖が各種ヌクレオチドの混合鎖である場合には、H鎖は、前記5'端側核酸鎖と同構成の各種ヌクレオチドの混合核酸鎖を、B鎖の5'端側に結合したものとなる。
従って、例えば3'端側核酸鎖が18塩基で塩基配列がDNAであるとともに、5'端側核酸鎖が17塩基で塩基配列がRNAである場合は、H鎖は、B鎖の3'端側に、鎖長が16塩基〜20塩基であるDNAを結合するとともに、B鎖の5'端側に、鎖長が15塩基〜19塩基のRNAを結合した核酸鎖となる。また、H鎖の全鎖長は、59塩基〜67塩基となる。
上記の如く、クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側の核酸鎖の塩基配列が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖により構成されている場合に、C鎖〜H鎖において、A鎖及びB鎖の3'端側及び/又は5'端側に結合させる核酸鎖を、クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側の核酸鎖に対応させて、3'端側及び/又は5'端側の核酸鎖と同種又は同構成の核酸鎖とすることにより、核酸鎖結合産物の電気泳動上の移動度を指標分子量マーカーとほぼ同一のものとすることが可能となる。そのため、核酸鎖結合産物の分画をより正確なものとすることが可能となる。
また、M型の指標分子量マーカーに於いて、B鎖とC鎖の鎖長差が7塩基差以内、好ましくは3塩基差以内であれば、B鎖又はC鎖のいずれか一方を省略することが可能である。このようにB鎖又はC鎖のいずれか一方を省略しても、B鎖とC鎖の鎖長が極めて近いか同一であるため、分画の際に、目的とする核酸鎖結合産物以外の核酸鎖が混在する可能性が極めて低いものとなる。従って、目的とする核酸鎖結合産物の正確な分画が可能となる。また、上記と同様の理由によって、D鎖とG鎖の鎖長差が6塩基以内、好ましくは3塩基以内であれば、D鎖又はG鎖のいずれか一方を省略することが可能である。
また、N型の指標分子量マーカーに於いても同様に、B鎖とE鎖の鎖長差が7塩基差以内、好ましくは3塩基差以内であれば、B鎖又はE鎖のいずれか一方を省略することが可能であるとともに、F鎖又はG鎖の鎖長差が6塩基差以内、好ましくは3塩基差以内であれば、F鎖又はG鎖のいずれか一方を省略することができる。
<指標分子量マーカーによる核酸鎖複合産物の分画方法>
次に、上記の如く作成したM型の指標分子量マーカーによる測定方法について説明する。
1 クローニング対象RNAと、このクローニング対象RNAの3'端側に結合させる核酸鎖との結合
精製単離したクローニング対象RNAを、場合によっては脱リン酸化し、逆転写反応に用いる塩基配列を持つ核酸鎖を結合させて、3'端側核酸鎖結合産物を形成する。上記3'端側核酸鎖の塩基配列は、クローニングに使用できるものであれば特に限定されず、また、鎖長を15塩基〜35塩基とするのが好ましい。
2 3'端側核酸鎖結合産物の電気泳動での分離
次に、上記の如く形成した3'端側核酸鎖結合産物は電気泳動に供せられる。尚、本発明では、siRNA及びmiRNA等の比較的低分子のRNAをクローニングの対象としているため、特に分子ふるい効果の高いポリアクリルアミドゲル電気泳動を行うのが好ましい。そして、上記3'端側核酸鎖結合産物をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供する場合には、本発明の指標分子量マーカーと並べて核酸鎖結合産物をポリアクリルアミドゲルのウェルにロードする。
上記指標分子量マーカーは、広い鎖長範囲に分布する3'端側核酸鎖結合産物のうち、目的とする鎖長範囲の展開領域を挟む核酸バンドを含んでいる。そのため、電気泳動を行うことにより、展開された3'端側核酸鎖結合産物のうち、目的とする鎖長範囲の3'端側核酸鎖結合産物が指標分子量マーカーにより明示され、この3'端側核酸鎖結合産物画分を得ることができる。
3 3'端側核酸鎖結合産物と、クローニング対象RNAの5'端側に結合させる核酸鎖との結合
上記の如く分画した3'端側核酸鎖結合産物画分は、上記1の工程でクローニング対象RNAをリン酸化した場合には、リン酸化する。そして、上記の如く3'端側に核酸鎖を結合したクローニング対象RNAの5'端側に、逆転写反応に用いる塩基配列を持つ核酸鎖を結合させる。尚、クローニング対象RNAの5'端側に結合させる核酸鎖の塩基配列は、クローニングに使用できるものであれば特に限定されず、また、鎖長を15塩基〜30塩基とするのが好ましい。
4 3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物のポリアクリルアミドゲル電気泳動での分離
上記の如く結合した3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供せられる。即ち、3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物を、本発明の指標分子量マーカーと並べてポリアクリルアミドゲルのウェルにロードする。尚、上記指標分子量マーカーは、目的とする鎖長範囲の3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物の展開領域を挟む核酸バンドを含んでいる。そして、電気泳動を行い、この電気泳動により展開された3'端側及び5'端側核酸鎖RNAのうち、目的とする鎖長範囲の3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物が指標分子量マーカーにより明示され、この3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物画分を得ることができる。
5 逆転写反応による3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物からのcDNAの作製
上記の如く分画した3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物に逆転写用プライマーをアニーリングさせる。その後、逆転写反応により3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物に相補的なcDNAを合成する。そして、更にこのcDNAの相補鎖が合成され、場合によってはPCR等により増幅され、プラスミドベクターにクローニングされる。
また、N型の指標分子量マーカーについても、上記M型の指標分子量マーカーと同様にして3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物画分を得ることができ、その工程は以下の通りである。
1 クローニング対象RNAと、このクローニング対象RNAの5'端側に結合させる核酸鎖との結合
2 5'端側核酸鎖結合産物の電気泳動での分離
3 5'端側核酸鎖結合産物と、当該5'端側核酸鎖結合産物クローニング対象RNAの3'端側に結合させる核酸鎖との結合
4 3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物のポリアクリルアミドゲル電気泳動での分離
5 逆転写反応による3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物からのcDNAの作製
ここで、一例として、鎖長範囲が18塩基〜28塩基であるクローニング対象RNAのクローニングの際の、M型の指標分子量マーカーを使用した核酸鎖結合産物の抽出方法について、以下に詳細に説明する。
まず、クローニング対象RNAの3'端側に18塩基の核酸鎖を結合させて、3'端側核酸鎖結合産物を得る。このように、最初にクローニング対象RNAの3'端側から核酸鎖を結合させる場合には、M型の指標分子量マーカーを用いる。そして、この3'端側核酸鎖結合産物を、M型の指標分子量マーカーを並べてポリアクリルアミドゲル電気泳動に供与する。尚、図1に電気泳動におけるM型及びN型の指標分子量マーカーの移動度を模式的に示す。
上記M型の指標分子量マーカーは、好ましくは28塩基鎖(B鎖)、36塩基鎖(C鎖)、46塩基鎖の核酸鎖(D鎖)、53塩基鎖(G鎖)、63塩基鎖(H鎖)を含み、電気泳動において、M型指標分子量マーカーの36塩基鎖(C鎖)と46塩基鎖(D鎖)を指標に、36塩基〜46塩基に分布する3'端側核酸鎖結合産物が明示される。
この時、クローニング対象RNAの3'端側に結合した核酸鎖の塩基配列が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖で構成されている場合は、A鎖及びB鎖の3'端側に結合させる核酸鎖の塩基配列を、クローニング対象RNAの3'端側に結合した核酸鎖と同種又は同構成の核酸鎖としている。そのため、電気泳動上の移動度をより正確なものとすることが可能となり、36塩基〜46塩基の3'端側核酸鎖結合産物を確実に分画することができる。そして、M型指標分子量マーカーの36塩基鎖(C鎖)と46塩基鎖(D鎖)を指標に、36塩基〜46塩基の3'端側核酸鎖結合産物をゲルから切り出して抽出する。
次に、3'端側核酸鎖結合産物のクローニング対象RNAの5'端側に、17塩基の核酸鎖を結合させ、3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物を作製する。この5'端側の核酸鎖の結合に伴い、目的とする鎖長範囲の3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物は、53塩基〜63塩基に分布するものとなる。そして、上記の如く作製した3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物と、M型の指標分子量マーカーとを並べてポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う。この電気泳動により、M型の指標分子量マーカーの53塩基鎖(G鎖)と63塩基鎖(H鎖)を指標に、53塩基〜63塩基に分布する3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物が明示される。
この時、上記3'端側核酸鎖結合産物のクローニング対象RNAの5'端側に結合した核酸鎖の塩基配列が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖で構成されている場合は、G鎖中のA鎖、及びH鎖中のB鎖の5'端側に結合させる核酸鎖を、クローニング対象RNAの5'端側に結合した核酸鎖に対応させた同種又は同構成の核酸鎖としている。そのため、53塩基〜63塩基の3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物を、より正確に分画することができる。
そして、M型の指標分子量マーカーの53塩基鎖(G鎖)と63塩基鎖(H鎖)を指標に53塩基〜63塩基の3'端側及び5'端側核酸鎖結合産物をゲルから切り出して抽出し、以後のクローニング操作を行う。尚、上記ではクローニング対象RNAの3'端側から先に核酸鎖を結合させるためM型の指標分子量マーカーを使用しているが、5'端側から先に結合する場合は、N型の指標分子量マーカーを用い、上記と同様の工程を経ることにより、3'端側及び/又は5'端側核酸鎖結合産物の抽出を行うことができる。
本発明の実施例1として、指標分子量マーカーを用いたクローニング対象RNAのクローニング実験について、以下に詳細に示す。本実施例では鎖長範囲が18塩基〜28塩基の小分子RNAをクローニング対象RNAとしており、この小分子RNAの3'端側に結合する3'端側核酸鎖は、以下に示す3'リンカーであるとともに、5'端側に結合する5'端側核酸鎖は、以下に示す5'リンカーである。また、3'リンカーは18塩基のDNA鎖であり、5'リンカーは17塩基のRNA鎖である。
1.ライゲーション産物を分画する指標分子量マーカーの作製
核酸自動合成機(アプライドバイオシステム社製)を用いて、上記の小分子RNA、3'端側核酸鎖、及び5'端側核酸鎖に基づき、図3及び以下に示すA-1鎖、B-1鎖、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖の核酸オリゴマーを合成した。図3に示す如く、A-1鎖及びB-1鎖はRNAの核酸鎖であり、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖はRNA鎖とDNA鎖から成る核酸鎖である。
また、上記核酸鎖の合成に際しては、アクチベーター試薬としてテトラゾール/アセトニトリル溶液(アプライドバイオシステム社製)、キャッピング試薬として無水酢酸/ピリジン/テトラハイドロフラン(アプライドバイオシステム社製)、1-メチルイミダゾール/テトラハイドロフラン(アプライドバイオシステム社製)、酸化試薬として、イオジン/水/ピリジン/テトラハイドロフラン(アプライドバイオシステム社製)、脱保護試薬として、トリクロロ酢酸/ジクロロメタン(アプライドバイオシステム社製)を用いた。
そして、A-1鎖とB-1鎖は、RNAホスホアミダイトを用いて核酸自動合成機のRNA合成プログラムによって合成した。また、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖は、核酸自動合成機に2',3'-ジデオキシチジンヌクレオシドCPGサポートをセットし、DNA合成プログラムによってDNA鎖を合成した後、DNAアミダイド試薬を、RNAアミダイド試薬に変えて、RNA合成プログラムにより合成した。
上記合成反応によってA-1鎖、B-1鎖、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖の合成核酸鎖を得た後、核酸自動合成機から、前記合成核酸鎖が結合したCPGサポートを入れたカラムを取り出した。そして、このカラムに入った合成核酸鎖結合CPGサポートをアンモニウムヒドロキシド:エタノール溶液(1:1)に入れて、55℃で反応させた。そして3時間後、冷蔵庫に移して冷やし、その後、溶液中のCPGサポートの沈殿を含まないよう上精を取った。そして、更に沈殿をエタノール:アセトニトリル:水(3:1:1)で洗い、この洗浄液も上精に加えた後、該上精を真空乾燥機にて乾燥固化させた。
上記の如く固化させた乾固物を、トリエチルアミントリヒドロフルオリド:ジメチルホルムアミド(3:1)にて溶解し、55℃で2時間反応させた。そして、反応物をセファデックスG25カラムに通して脱塩した後、真空乾燥機にて乾燥固化させた。
そして、A-1鎖以外のB-1鎖、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖を、YMC-Pack Pro C18カラム(YMC社製, S-5 μm, 12 nm 250×10 mm(内径))を用い、HPLC(東ソー社製)によりアセトニトリルを含む酢酸アンモニウム水溶液 pH 5.9でアセトニトリル勾配で分離した。そして、このように分離した分離液を、UV-8020(東ソー社製)でモニターして精製画分を集め、これら画分を真空乾燥機にて乾燥固化させて少量の超純水に溶かした後、セファデックスG25カラムで脱塩した。
更に、A-1鎖及びB-1鎖は、それぞれ200 μgを、200ユニットのT4ポリヌクレオキナーゼ、2 μmolのATPと50 mM Tris-HCl (pH 8.0), 10 mM MgCl2, 5 mM DTTの緩衝液中で37℃、1時間で反応させた後、5'末端をリン酸化させ、反応後の溶液をセファデックスG25カラムで脱塩した。そして、この溶液を等量のTE緩衝液(10mM Tris-HC1, 1mM EDTA(pH8.0))飽和フェノールで抽出し、続いて等量のクロロホルムで2回抽出後、終濃度0.3 Mの酢酸ナトリウム、終濃度0.1 μg/mlのグリコーゲンを加えた。
その後、3.5倍量のエタノールを加え、混合後-80℃に約1時間置いた後、微量高速遠心分離機(CF150、日立製作所製)に上記のエタノール混合液が入ったチューブをセットし、15,000 rpm、10分、4℃で回転させて沈殿を生じせしめた。上記チューブから上精を吸引除去し、エタノール沈殿をバキュウムエバポレーター(岩城硝子株式会社)で乾固した。
そして、上記A-1鎖及びB-1鎖の乾固物は超純水にて再溶解し溶液にした後、また、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖の水溶液はそのまま、分光々度計(日立製作所製)にて核酸濃度を測定した。そして、この測定値をもとに核酸鎖を混ぜ、図3及び以下に示すA-1鎖、B-1鎖、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖を含む、0.12 μg/μlの M型の指標分子量マーカー(以下、GSMとする。)を作製した。
A-1鎖(配列表の配列番号1)
ugagguaguagguuguau
B-1鎖(配列表の配列番号2)
agaagucagcaacuugauuccagcagua
C-1鎖(配列表の配列番号3)
ugagguaguagguuguauctatagttcgggtcaatddc
D-1鎖(配列表の配列番号4)
agaagucagcaacuugauuccagcaguactatagttcgggtcaatddc
G-1鎖(配列表の配列番号5)
cauacucuaaagcaaccagaagucagcaacuugauctatagttcgggtcaatddc
H-1鎖(配列表の配列番号6)
cauacucuaaagcaaccagaagucagcaacuugauuccagcaguactatagttcgggtcaatddc
尚、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、及びH-1鎖末端の「ddc」は、ジデオキシシチジンヌクレオチドである。
上記の如く、A-1鎖は18塩基、B-1鎖は28塩基、C-1鎖は36塩基、D-1鎖は46塩基、G-1鎖は53塩基、H-1鎖は63塩基である。 また、上記A-1鎖は、小分子RNAの鎖長範囲のうち、最も短い鎖長のRNA鎖であり、B-1鎖は最も長い鎖長のRNA鎖である。また、C-1鎖は、18塩基のRNA鎖(ugagguaguagguuguau)の3'端側に、小分子RNAの3'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である18塩基のDNA鎖(ctatagttcgggtcaatddc)を結合したものである。また、D-1鎖は、28塩基のRNA鎖(agaagucagcaacuugauuccagcagua)の3'端側に、小分子RNAの3'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である18塩基のDNA鎖(ctatagttcgggtcaatddc)を結合したものである。また、G-1鎖は、18塩基のRNA鎖(agaagucagcaacuugau)の3'端側に、小分子RNAの3'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である18塩基のDNA鎖(ctatagttcgggtcaatddc)を結合するとともに、5'端側に、小分子RNAの5'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である17塩基のRNA鎖(cauacucuaaagcaacc)を結合したものである。
また、H-1鎖は、28塩基のRNA鎖(agaagucagcaacuugauuccagcagua)の3'端側に、小分子RNAの3'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である18塩基のDNA鎖(ctatagttcgggtcaatddc)を結合するとともに、5'端側に、小分子RNAの5'端側核酸鎖と同一鎖長及び同種の核酸鎖である17塩基のRNA鎖(cauacucuaaagcaacc)を結合したものである。上記の如く、GSMの各核酸鎖を、小分子RNAの3'端側核酸鎖、及び5'端側核酸鎖の鎖長及び種類に対応させたものとすることにより、電気泳動における移動度の誤差を生じにくいものとし、正確な核酸鎖結合産物の分画を行うことが可能となる。
また、上記A-1鎖、B-1鎖、C-1鎖、 D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖と同様に、以下のクローニング用5'リンカー、3'リンカー、5'プライマー、3'プライマーも核酸自動合成機にて合成した。尚、3'リンカーについては2-[2-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシ)エチルスルフォニル]エチル-(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)-ホスホアミアイトを合成反応の最終サイクルで用い、5'末端をリン酸化した。 3'リンカー pctgtaactcgggtcaatddc(配列表の配列番号7)
5'リンカー aucgucucgggaugaaa(配列表の配列番号8)
3'プライマー 5'attgacccgagttacag(配列表の配列番号9)
5'プライマー 5'atcgtctcgggatgaaa(配列表の配列番号10)
尚、3'リンカーは18塩基であり、5'リンカー、3'プライマー、及び5'プライマーは全て17塩基である。
そして、核酸自動合成機上でアンモニア水にてCPGサポートからDNA鎖を切り出した後、アンモニア水で55℃で18時間処理する。その後、真空乾燥機にて乾燥固化させ、最終的に5'リンカー及び3'リンカーは100 μM、5'プライマー及び3'プライマーは50 μMになるよう、超純水に溶解した。
2.チャイニーズハムスター卵巣細胞からの全RNAの抽出と18塩基〜28塩基の小分子RNAの分画
チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を10 %の仔牛血清(ハイクローン社製)、100 U/mlのペニシリン、100 U/mlのストレプトマイシン、1.25 μg/ml のFungizone (インビトロゲン株式会社製)、を含むα-MEM (インビトロゲン株式会社製)培地を用い、150cm2フラスコ5個にて炭酸ガス培養器内で37℃で培養し、これから細胞を採取した。尚、細胞の採取は、上記フラスコにTrypsin-EDTA溶液(0.05 % Trypsin, 0.53 mM EDTA ・4Na)を加え、細胞をフラスコ壁面からはずした。そして、上記細胞をリン酸緩衝液にて洗浄後、低速遠心分離で回収し、液体窒素で直ちに凍結した。
そして、上記の如く凍結した全凍結CHO細胞から、Piotr Chomczynskiらの方法で全RNAを抽出し(Single-step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Chomczynski P. and Sacchi N. 1987. Anal. Biochem. 162:156-159.) 、エタノール沈殿を行うことにより乾固した全RNAを得た。そして、この全RNAを 20 μlのRNA Loading buffer PA(株式会社バイオダイナミクス研究所製)に溶解して混合した。また、10 μlの0.12 μg/μl GSMを10 μlのRNA Loading buffer PAと混合した。そして、上記の各混合液は、70℃で3分間処理した後、直ちに氷上に置いた。
そして、上記の熱処理液を、7.5 M尿素を含む15 %ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲルの厚みは1.5 mm、レーンの幅は23 mm)に供与した。電気泳動は1 × TBE緩衝液(89 mM Tris-Borate, 2 mM EDTA)にて行い、RNA Loading buffer PAに含まれるブロモフェノールブルー色素が、ポリアクリルアミドゲル端の約2 cmのところまで移動したところで止めた。
そして、電気泳動装置からポリアクリルアミドゲルを外してトレイに移し、Gel Indicator RNA Staining Solution(株式会社バイオダイナミクス研究所製)にて約30分間室温にて染色した。このように染色されたゲルは、GSMの各バンドが青く染色されていた。ゲルにおいてGSMの各バンドが染色された状態を、図4に示す。そして、GSMのA-1鎖(18塩基)とB-1鎖(28塩基)のバンドに挟まれるゲルを全RNAをロードしたレーンから切り出し、このゲルの重量を測った。その後、上記の如く切り出したゲルをかみそりの刃で更に細かく切り刻み、これにRNA Extraction Buffer(20mM Tris-Cl (pH8), 0.1 mM EDTA, 0.3M NaCl, 0.1 % SDS)をゲルの3倍量加え、ゆっくり震盪して、クローニング対象RNAである18塩基〜28塩基の小分子RNA画分を抽出した。
尚、本実施例では上記の如く、A-1鎖、B-1鎖、C-1鎖、D-1鎖、G-1鎖、H-1鎖を含むGSMを用いて、当該GSMのA-1鎖とB-1鎖から、18塩基〜28塩基の小分子RNAを分画し、この小分子RNA画分を以下の更なる分画に用いているが、他の異なる実施例では、任意の方法により分画した18塩基〜28塩基の小分子RNA画分を予め準備しておき、以下の更なる分画に用いることも可能である。この場合、小分子RNAの分画にのみ使用するA鎖は必要ないため、A鎖を含まないB鎖、C鎖、D鎖、G鎖、H鎖のみから成るものを指標分子量マーカーとして用いることができる。
そして、上記小分子RNA画分の抽出液を、更に等量のフェノールで抽出し、続いて等量のクロロホルムで2回抽出した。その後、抽出液に終濃度0.3 Mの酢酸ナトリウム、及び0.1 μg/mlのグリコーゲンを加え、更に3.5倍量のエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットして15,000 rpm、10分、4℃で回転させて沈殿を生じせしめた。
そして、上記チューブから上精を吸引除去し、エタノール沈殿をバキュウムエバポレーターで乾固し、18塩基〜28塩基の小分子RNA画分の乾固物を得た。そして、この18塩基〜28塩基の小分子RNA画分の乾固物を、次の工程に入るまで−80℃で保存した。
3.18塩基〜28塩基の小分子RNA画分の脱リン酸化と3'リンカーライゲーション
上記の如く得られた小分子RNA画分の乾固物を、35μlの超純水に溶解し、以下に示す表1に示す組成で混合し、チューブ内で小分子RNA画分を大腸菌アルカリホスファターゼと37℃で1時間反応させ、小分子RNA画分の脱リン酸化を行った。
上記反応後、反応液に110 μlの純水を混ぜて混合し、続いて150 μlのフェノールを加えて抽出し、更に150 μlのクロロホルムで2回抽出した。そして、抽出液に、15 μlの3 Mの酢酸ナトリウムと3 μlの5 μg/mlのグリコーゲンを加えた後、500 μlのエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットし、15,000 rpm、10分、4℃で回転させて沈殿を生じせしめた。そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけ、乾固した脱リン酸化小分子RNAを得た。
そして、上記の如く乾固した脱リン酸化小分子RNAを、18 μlの超純水に溶解し、以下の表2に示す組成でチューブ内にて37℃で1時間反応させ、脱リン酸化小分子RNAの3'端側に3'リンカーをライゲーションさせた。
上記反応後、反応液に110μlの純水を混ぜて混合し、続いて150μlのフェノールを加え抽出し、更に150μlのクロロホルムで2回抽出した。その後、抽出液に15μlの3 Mの酢酸ナトリウムと3μlの5μg/mlのグリコーゲンとを加えた後、500μlのエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後、チューブに入れて微量高速遠心分離機にセットし、15,000 rpm、10分、4℃で回転させ、沈殿を生じせしめた。
そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけ、乾固した3'リンカー結合小分子RNAを得た。そして、この3'リンカー結合小分子RNAを、10μlのRNA Loading buffer PAに溶解して混合した。また、5μlの0.12μg/μl GSMと5μlのRNA Loading buffer PAとを混合した。そして、上記各混合液を70℃で3分間処理した後、直ちに氷上に置いた。そして、この熱処理液を7.5 M尿素を含む10 %ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲルの厚みは1.5 mm、レーンの幅は5 mm)に供与した。
前述の方法で電気泳動を行い、前述と同様にGel Indicator RNA Staining Solutionにて染色した。染色されたGSMのC-1鎖(36塩基)とD-1鎖(46塩基)のバンドにはさまれるゲルを、3'リンカー結合小分子RNAをロードしたレーンから切り出した。そして、切り出したゲルを更に細かく切り刻み、ゲルの4倍量のRNA Extraction Buffer(20 mM Tris-Cl (pH 8), 0.1 mM EDTA, 0.3 M NaCl, 0.1 % SDS )にて抽出した。
そして、この抽出液を等量のフェノールで抽出し、続いて等量のクロロホルムで2回抽出後、抽出液に終濃度0.3 Mの酢酸ナトリウム、0.1μg/mlのグリコーゲンを加え、更に3.5倍量のエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットして15,000 rpm、10分、4℃で回転させ、沈殿を生じせしめた。そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけ、乾固した3'リンカー結合小分子RNA画分を得た。
4.3'リンカー結合小分子RNAのリン酸化と5'リンカーライゲーション
上記の如く得られた乾固した3'リンカー結合小分子RNA画分を、34μlの超純水に溶解し、以下の表3に示す組成でチューブ内において37℃で30分反応させて、3'リンカー結合小分子RNAのリン酸化を行った。
そして、上記反応後110μlの純水を混ぜて混合し、続いて150 μlのフェノールを加えて抽出し、更に150μlのクロロホルムで2回抽出した。そして、この抽出液に、15μlの3 Mの酢酸ナトリウムと、3μlの5 μg/mlのグリコーゲンとを加えた後、500μlのエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットした。そして、15,000 rpm、10分、4℃で回転させ、沈殿を生じせしめた。
そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけ、乾固した脱リン酸化3'リンカー結合小分子RNAを得た。そして、この乾固した脱リン酸化3'リンカー結合小分子RNAを18μlの超純水に溶解し、以下の表4に示す組成で37℃で1時間チューブ内で反応させ、脱リン酸化3'リンカー結合小分子RNA中の小分子RNAの5'端側に5'リンカーをライゲーションさせた。
上記反応後、反応液に10μlの純水を混ぜて混合し、続いて150μlのフェノールを加えて抽出し、更に150μlのクロロホルムで2回抽出した。そして、この抽出液に15μlの3 Mの酢酸ナトリウムと、3μlの5μg/mlのグリコーゲンとを加えた後、500μlのエタノールを加え、混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットした。そして、15,000 rpm、10分、4℃で回転させ、沈殿を生じせしめた。
そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけて、乾固した5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNAを得た。そして、この乾固した5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNAを10μlのRNA Loading buffer PAに溶解して混合した。また、5μlの0.12μg/μl GSMと5μlのRNA Loading buffer PAを混合した。そして、各混合液を70℃で3分間処理し、直ちに氷上に置いた。そして、この熱処理液を7.5 M尿素を含む10 %ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲルの厚みは1.5 mm、レーンの幅は5 mm)に供与した。
そして、前述と同様の方法で電気泳動を行い、Gel Indicator RNA Staining Solutionにて染色した。染色されたGSMのG-1鎖(53塩基)とH-1鎖(63塩基)のバンドにはさまれるゲルを、5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNAをロードしたレーンから切り出した。そして、切り出したゲルを更に細かく切り刻み、ゲルの4倍量のRNA Extraction Buffer(20 mM Tris-Cl (pH 8), 0.1 mM EDTA, 0.3 M NaCl, 0.1 % SDS )にて抽出した。
そして、この抽出液を等量のフェノールで抽出し、更に等量のクロロホルムで2回抽出した。その後、この抽出液に、終濃度0.3 Mの酢酸ナトリウム、0.1 μg/mlのグリコーゲンを加え、更に3.5倍量のエタノールを加えて混合した。そして、この混合液を-80℃に30分以上置いた後チューブに入れ、このチューブを微量高速遠心分離機にセットして15,000 rpm、10分、4℃で回転させ、沈殿を生じせしめた。そして、上記チューブから上精を吸引除去し、該チューブをバキュウムエバポレーターにかけ、乾固した5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNA画分を得た。
5.逆転写反応およびPCR増幅
上記の如く乾固した5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNA画分を、12μlの超純水に溶解し、0.5 mlのチューブに移した。そして、このチューブ内に1μlの50μM 3'プライマー を加えて70℃で3分アニーリングさせ、室温に2分置いて氷上に移した。そして、この13μlの溶液を用い、以下の表5に示す組成で逆転写させた。尚、反応温度及び時間は、最初に37℃を10分、次に42℃を1時間、最後に85℃を5分である。
上記逆転写反応終了後、得られた反応液のうち5μlの反応液を用いて以下の表6に示す組成でPCRを行った。尚、反応温度及び時間は、最初に94℃で1分、次に、94℃、50℃、72℃をこの順にそれぞれ1分づつ25回繰り返し、最後に72℃で10分である。
図5はPCR反応液を3 %アガロースゲル電気泳動に供したものである。5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNAに対応する約60 bpを中心にDNAが見られる。
6.Tベクターへのクローニング
上記PCR終了後、得られた反応液のうち 5μlを用い、以下の表7に示す組成でTベクターにライゲーションさせた。Tベクターは、pUC19ベクターのマルチクローニング部位に、XcmI制限酵素部位を2つ並べて導入したプラスミドベクターをXcmI制限酵素で切断し、精製したものを用いた。
ライゲーションは16℃で30分行い、この反応液(ライゲーション混液)を5μl用いて、以下の如くコンピテントセル(Jet Competent Cell、株式会社バイオダイナミクス研究所)の形質転換操作を行った。まず、凍結コンピテントセル(100μl)を氷上に置いて融解した後、直ちに5 μlのライゲーション混液をコンピテントセルに加え、5分後、室温の0.9 mlのRecovery Medium(Jet Competent Cellに付属)にコンピテントセルを移した。
そして、5分間このまま静置した後、Recovery Mediumに懸濁された菌液50mg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレート(直径8.5cm、寒天培地量25ml)に接種し、37℃で18時間、保温した。そして、この培養によって上記LB寒天プレート上の大腸菌コロニーを取り出し、50mg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB液体培地に接種した。そして、37℃で18時間培養した。そして、この培養によって得られた菌体からQiagen Plasmid Purification Kit(株式会社キアゲン製)によりプラスミドを調製した。
得られたプラスミドについて塩基配列を調べたところ、ほほすべてのプラスミドに5'リンカー配列と3'リンカー配列に挟まれる塩基配列が含まれていた。そして、5'リンカー配列と3'リンカー配列に挟まれる塩基配列を塩基配列データベースにより解析したところ、いくつかの動物のゲノム配列と一致し、かつmRNAにならない塩基配列が得られた。これらはmiRNAと推察され、本実施例に於いてmiRNAがクローニングされたことが確認できた。
図1は、本発明の指標分子量マーカーを構成する各核酸鎖を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動の移動度順に表したものである。本発明の核酸鎖結合産物を分画する指標分子量マーカーは、B鎖、C鎖、D鎖、G鎖、H鎖を含むM型と、B鎖、E鎖、F鎖、G鎖、H鎖を含むN型がある。尚、電気泳動における移動度は模式的である。 図2は、本発明の指標分子量マーカーの各核酸鎖の分子構成を、模式的に表したものである。尚、図中の「RNA」は、クローニング対象の最短鎖RNA及び最長鎖RNAであり、これに各核酸鎖が結合している。 図3は、本発明の実施例1の指標分子量マーカーの各核酸鎖の塩基配列を表したものである。 図4は、実施例1に示す指標分子量マーカーを、10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲルは7.5 Mの尿素を含み、泳動緩衝液は1 × TBE)に供した後、Gel Indicator RNA Staining Solutionにて染色した図である。 図5は、小分子RNAクローニングにおいて得られた小分子RNAのcDNAを3 %アガロースゲル、1 × TAE緩衝液による電気泳動に供与したものである。左端レーン1はDynaMarker DNA Low(株式会社バイオダイナミクス研究所製)、次のレーン2、3はPCR反応液を2、または5 μlをロードした。5'リンカー及び3'リンカー結合小分子RNAに対応する約60 bpを中心にDNAが見られる。

Claims (12)

  1. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(5)のB鎖、G鎖、H鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して、上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
    (3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
    (4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
    (5)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
  2. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項1に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
  3. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(5)のB鎖、G鎖、H鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
    (3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
    (4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
    (5)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
  4. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項3に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
  5. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、G鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
    (3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
    (4)A鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
  6. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項5に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
  7. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、G鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
    (3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
    (4)A鎖の3'端側にクローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、A鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをG鎖とする)。
  8. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項7に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
  9. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、H鎖を備え、且つC鎖及び/又はD鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをC鎖とする)。
    (3)上記B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記3'端側核酸鎖がデオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをD鎖とする)。
    (4)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
  10. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項9に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
  11. 鎖長範囲がm塩基以上n塩基以下(但しm:15〜30、n:18〜35)であるRNAのクローニングに際し、当該クローニング対象RNAの3'端側及び/又は5'端側にそれぞれ核酸鎖を結合した核酸鎖結合産物の分画に使用するものであって、下記(1)〜(4)のB鎖、H鎖を備え、且つE鎖及び/又はF鎖を備えた指標分子量マーカー。
    (1)鎖長がn塩基のRNA(これをB鎖とする)。
    (2)鎖長がm塩基のRNA(これをA鎖とする)の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合した結合核酸鎖(これをE鎖とする)。
    (3)上記B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であるとともに、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをF鎖とする)。
    (4)B鎖の3'端側に、クローニング対象RNAの3'端側に結合した3'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記3'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記3'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させるとともに、B鎖の5'端側に、クローニング対象RNAの5'端側に結合した5'端側核酸鎖と同じ鎖長又は2塩基差以下の鎖長であって、上記5'端側核酸鎖が、デオキシリボヌクレオチドから成る核酸鎖、リボヌクレオチドから成る核酸鎖、ヌクレオチド誘導体から成る核酸鎖、又は、上記各種ヌクレオチドの混合鎖である場合は、これに対応して上記5'端側核酸鎖と同種又は同構成とした核酸鎖を結合させた結合核酸鎖(これをH鎖とする)。
  12. 電気泳動法により核酸鎖結合産物を分画する方法であって、請求項11に記載の指標分子量マーカーを用いて核酸鎖結合産物を分画することを特徴とする核酸鎖結合産物の分画方法。
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