JP2007317677A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加熱体の移動などによって共振周波数が急激に変化した場合にも、安定して加熱を行う。
【解決手段】加熱コイルと共振する共振コンデンサ、及びスイッチング素子を有し加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、スイッチング素子の駆動手段に信号を出力してインバータの出力を制御する制御手段とを備え、制御手段は、出力検出手段の検出結果に基づきインバータの出力の大きさの単位時間あたりの変化量が所定の増加量を超えたことを検出するとインバータの出力を下げるか又は加熱を停止するとともに、出力検出手段の検出結果が所定値を越えれば、所定の増加量を小さく変更する誘導加熱装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場等で使用される誘導加熱調理器、誘導加熱を利用した湯沸かし器、加温装置等の誘導加熱装置に関するものである。
誘導加熱装置の例として、誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器では、加熱コイルから高周波磁界が発生し、加熱コイル近傍に置かれた金属製の鍋等の被加熱体に電磁誘導によって渦電流が発生し、被加熱体が加熱される。
以下、スイッチング素子の駆動とは、スイッチング素子の駆動制御端子に電圧が加わっている状態を指し、導通とは、スイッチング素子に電流が流れている状態を指すものとする。
従来の誘導加熱調理器の例として、例えば特許文献1に開示された例を説明する。図6は、従来の誘導加熱調理器の全体の電気的構成を示している。図において、商用交流電源1の両端子は、その一方にコイル2を介して整流ブリッジ回路3の交流入力端子に接続されており、整流ブリッジ回路3の直流出力端子は、直流母線4a、4bに接続されている。
直流母線4a、4bには、平滑コンデンサ5が接続されていると共に、上アーム側のNPN形トランジスタ6及び下アーム側のNPN形トランジスタ7からなるハーフブリッジ型のインバータ主回路8が接続されている。インバータ主回路8の出力端子20aと直流母線4bとの間には、加熱コイル21A、21B及び共振コンデンサ22A、22Bが接続されている。
また、平滑コンデンサ5とインバータ主回路8との間における直流母線4aには、トランジスタ13のコレクタ、エミッタ及びコイル14が介挿されている。トランジスタ13のエミッタと直流母線4bとの間にはフライホイールダイオード15が接続されており、コイル14のインバータ主回路8側には、平滑コンデンサ16が接続されている。
トランジスタ13、コイル14、ダイオード15及び平滑コンデンサ16は、降圧チョッパ回路(電圧変換手段)18を構成している。
また、加熱コイル21A及び共振コンデンサ22Aからなる直列共振回路23Aは、アルミニウムや銅などの非磁性材からなる鍋の加熱用であり、その共振周波数は、例えば100kHz程度に設定されている。加熱コイル21B及び共振コンデンサ22Bからなる直列共振回路23Bは、鉄などの磁性材からなる鍋の加熱用であり、その共振周波数は、例えば20数kHz程度に設定されている。共振回路23A、23Bは図示されていない鍋材質判定手段によって判定された鍋の材質に応じて切替えスイッチ20により切り替えられる。
このように構成された誘導加熱調理器において、加熱出力の調整を、インバータ主回路8に駆動電源として供給される直流電圧のレベルを変化させて行うようにしており、インバータ主回路8の動作周波数を常に共振回路23Aまたは23Bの共振周波数に一致させる。鍋がアルミニウムや銅などの非磁性材である場合に対応して、共振回路23Aの共振周波数を100kHz程度に設定しても、インバータ主回路8の動作周波数を常にその共振周波数に一致させることで、インバータ主回路8のトランジスタ6、7のスイッチング損失を増加させることがない。
特開平11−260542号公報
しかしながら、使用者が調理動作中において鍋を移動させた場合、共振周波数は大きく変化する。例えば、鍋を加熱コイル中心付近よりずらした状態から戻した場合には、共振周波数が急激に上昇する。
前記従来の構成では、何らかのフィードバックにより、共振周波数でインバータ主回路8が動作するよう制御するが、共振周波数の変化に対してフィードバックが遅れると、図7に示すように動作周波数が共振周波数より低くなり、トランジスタ6、7に電圧が残った状態で導通するモード(短絡モード)が発生する。短絡モードでは、トランジスタ6、7導通開始時に過大な電流が流れるため、トランジスタ6、7の耐量を超え、破壊に至る場合がある。
また、インバータ主回路8に供給する駆動電源の制御が遅れると、所定の出力を大きく上回る出力になり、インバータ主回路8部品に過大な負荷がかかり、破壊に至る場合がある。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、高周波磁界を発生し被加熱体を加熱する加熱コイル、前記加熱コイルと共振する共振コンデンサ、及びスイッチング素子を有し前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、前記インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、前記スイッチング素子の駆動手段に信号を出力して前記インバータの出力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記出力検出手段の検出結果に基づき前記インバータの出力の大きさの単位時間あたりの変化量が所定の増加量を超えたことを検出すると前記インバータの出力を下げるか又は加熱を停止するとともに、前記出力検出手段の検出結果が所定値を越えれば、所定の増加量を小さく変更する誘導加熱装置とするものである。
以上のように、本発明は、被加熱体の移動などによって共振周波数が急激に変化した場合にも、安定して加熱を行う誘導加熱装置を提供することが出来る。
請求項1に記載の発明は、高周波磁界を発生し被加熱体を加熱する加熱コイル、前記加熱コイルと共振する共振コンデンサ、及びスイッチング素子を有し前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、前記インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、前記スイッチング素子の駆動手段に信号を出力して前記インバータの出力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記出力検出手段の検出結果に基づき前記インバータの出力の大きさの単位時間あたりの変化量が所定の増加量を超えたことを検出すると前記インバータの出力を下げるか又は加熱を停止するとともに、前記出力検出手段の検出結果が所定値を越えれば、所定の増加量を小さく変更する誘導加熱装置とするものである。この構成により、急激な共振周波数の上昇に伴う前記インバータ出力の急激な上昇が生じた場合、前記出力検出手段の検出結果を、それ以前に検出した前記出力検出手段の検出結果と比較し、その単位時間あたりの増加量が所定値を越えれば、急激な共振周波数の上昇が生じたとして、前記インバータのスイッチング素子への過大な負荷が発生する前に出力を低下させるか又は加熱を停止することが可能であるとともに、前記インバータの出力が大きく、被加熱体の移動などによる共振周波数上昇が生じた場合に容易に過大な負荷が発生すると推定される場合には、しきい値となる所定値を下げ、インバータの出力制御を早いタイミングで行い、安定に加熱を行うことが出来る。
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。
電源24は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路25の入力端に接続される。整流回路25の出力端間に第1の平滑コンデンサ26が接続される。整流回路25の出力端間には、さらにチョークコイル27と第1のスイッチング素子28の直列接続対が接続される。加熱コイル29は被加熱体である鍋30と対向して配置されている。
31はインバータであり、第2の平滑コンデンサ32の低電位側端子(エミッタ)は整流回路25の負極端子に接続され、第2の平滑コンデンサ32の高電位側端子は第2のスイッチング素子(IGBT)33の高電位側端子(コレクタ)に接続され、第2のスイッチング素子(IGBT)33の低電位側端子はチョークコイル27と第1のスイッチング素子(IGBT)28の高電位側端子(コレクタ)との接続点に接続される。加熱コイル29と共振コンデンサ34の直列接続体が第1のスイッチング素子28に並列に接続される。
第1の逆導通素子35(第1のダイオード)は第1のスイッチング素子28に逆並列に接続(第1のダイオード35のカソードと第1のスイッチング素子28のコレクタとを接続)され、第2の逆導通素子36(第2のダイオード)は第2のスイッチング素子33に逆並列に接続される。補正用共振コンデンサ38とリレー39の直列接続体は共振コンデンサ34に並列に接続されている。制御手段40は、第1のスイッチング素子28を駆動する第1の駆動手段42と、第2のスイッチング素子33を駆動する第2の駆動手段43と、リレー39の駆動コイル(図示せず)に信号を出力する。また、前記制御手段40は、電源24からの入力電流を検知するカレントトランス41の検知信号を入力するとともに、被加熱体30の材質を判別する材質判別手段を内包する。
また、44は、使用者が動作開始、停止、出力調整等を行うための動作設定手段である。
以上のように構成された誘導加熱装置において、以下動作を説明する。電源24は整流回路25により全波整流され、整流回路25の出力端に接続された第1の平滑コンデンサ26に供給される。この第1の平滑コンデンサ26はインバータ31に高周波電流を供給する供給源として働く。
図2、図3は上記回路における各部波形を示す図であり、図2は鍋30の材質が低抵抗率金属であるアルミなどのものの場合である。
図2(a)は第1のスイッチング素子28と第1の逆導通素子35に流れる電流を、同図(b)は第2のスイッチング素子33と第2の逆導通素子36に流れる電流を、同図(c)は第1のスイッチング素子28駆動制御端子電圧を、同図(d)は第2のスイッチング素子33駆動制御端子電圧を、同図(e)は加熱コイル29に流れる電流をそれぞれ示している。
第1の駆動手段42は、制御手段40からの信号に基づき、時点t0から時点t1まで図2(c)に示すように第1のスイッチング素子28駆動制御端子に駆動期間がT1(約24μ秒)である駆動信号を出力する。この駆動期間T1の間では第1のスイッチング素子28及び第1の逆導通素子35と、加熱コイル29と、共振コンデンサ34で形成される閉回路で共振し、鍋30がアルミ製などの鍋であるときの共振周期(1/f)が駆動期間T1の約2/3倍(約16μ秒)となるように加熱コイル29の巻き数(44T)と共振コンデンサ34の容量(0.03μF)と、駆動期間T1が設定されている。チョークコイル27はこの第1のスイッチング素子28の駆動期間T1において、第1の平滑コンデンサ26の静電エネルギを磁気エネルギとして蓄える。
次に、第1のスイッチング素子28に流れる共振電流の第2番目のピークと共振電流が次に零となる間のタイミングである時点t1、すなわち第1のスイッチング素子28の順方向に電流が流れている時点で第1のスイッチング素子28の駆動が停止される。
第1のスイッチング素子28の遮断後、第1のスイッチング素子28のコレクタと接続されたチョークコイル27の端子電圧が立ち上がり、この電位が第2の平滑コンデンサ32の電位を越えると、第2の逆導通素子36を通して第2の平滑コンデンサ32に充電して、チョークコイル27に蓄えた磁気エネルギを放出する。
第2の平滑コンデンサ32の電圧は、整流回路25の出力電圧のピーク値よりも高くなるよう昇圧される。昇圧されるレベルは第1のスイッチング素子28の駆動期間に依存し、駆動期間が長くなると第2の平滑コンデンサ32に発生する電圧が高くなる傾向にある。
このように、第2の平滑コンデンサ32−第2のスイッチング素子33あるいは第2の逆導通素子36−加熱コイル29−共振コンデンサ34で形成される閉回路で共振する際に直流電源として働く第2の平滑コンデンサ32の電圧レベルが昇圧されることにより、図2(a)で示す第1のスイッチング素子28に流れる共振電流の尖頭値、及び共振経路を変えて継続して共振する同図(b)の第2のスイッチング素子33に流れる共振電流の尖頭値が零とならないように、あるいは小さくならないようにして、高導電率で非磁性であるアルミなどの鍋を高出力で誘導加熱し、かつ出力を連続的に増減して制御するように出来る。
また、図2(c)、(d)で示すように、第2の駆動手段43は、制御手段40からの信号に基づき、時点t1から両スイッチング素子が同時遮断期間後の時点t2において、第2のスイッチング素子33駆動制御端子に駆動信号を出力する。この結果、同図(b)に示すように加熱コイル29−共振コンデンサ34−第2のスイッチング素子33または第2の逆導通素子36−第2の平滑コンデンサ32とからなる閉回路に経路を変えて共振電流が流れることになる。この駆動信号の駆動期間T2は、この場合にはT1とほぼ同じ期間に設定されているので、第1のスイッチング素子28が導通していた場合と同様に、駆動期間T1の約2/3倍の周期の共振電流が流れる。
従って、加熱コイル29に流れる電流は、図2(e)に示すような波形となり、第1及び第2のスイッチング素子28、33の駆動周期(T1とT2と同時遮断期間の和)は共振電流の周期の約3倍となり、第1及び第2のスイッチング素子28、33の駆動周波数が約20kHzであれば、加熱コイル29に流れる共振電流の周波数は約60kHzとなる。
図3は鍋30の材質がアルミなどに比較して高抵抗率である鉄系のものの場合である。
図3(a)は第1のスイッチング素子28と第1の逆導通素子35に流れる電流を、同図(b)は第2のスイッチング素子33と第2の逆導通素子36に流れる電流を、同図(c)は第1のスイッチング素子28駆動制御端子電圧を、同図(d)は第2のスイッチング素子33駆動制御端子電圧を、同図(e)は加熱コイル29に流れる電流をそれぞれ示している。
この場合においても、基本的な動作は図2に示すような、鍋30の材質が低抵抗率であるアルミなどの場合と変わらない。しかしながら、鉄系の鍋を誘導加熱するには、共振電流周波数が従来の約20kHz程度で十分であるため、共振電流が約20kHzになるよう、リレー39を投入して、共振コンデンサ34(0.03μF)と補正用共振コンデンサ38(0.21μF)が電気的に並列接続されるよう切り換える。
さらに、第1のスイッチング素子28と第2のスイッチング素子33を一定の周波数(約23kHz)で所定の出力となるよう、駆動時間比で設定する。共振電流は約20kHz程度になるよう共振コンデンサ34及び補正用共振コンデンサ38が接続されているため、第1のスイッチング素子28に流れる共振電流は第2番目のピークとなる前に駆動が停止される。
次に、起動時から安定動作までの一連の動作について説明する。制御手段40はリレー39を遮断状態にし、約36kHzの駆動周波数で第1のスイッチング素子28と第2のスイッチング素子33を交互に駆動する。起動直後の短絡電流による第1及び第2のスイッチング素子28、33破壊を防止するために、起動時には、第1のスイッチング素子28駆動時間を最小となるよう駆動し(本実施例では、約2μ秒)、徐々に所定の駆動時間比(本実施例では第1のスイッチング素子28駆動時間比が約0.25)になるよう制御する。所定の駆動時間比に達した後は、駆動時間比を固定したまま、約30kHzとなるまで駆動周波数を挿引する。その間に制御手段40は被加熱体30の材質を判別する。
この時、被加熱体30が鉄などの高抵抗金属製であると判別した場合、制御手段40は加熱を一時停止し、共振コンデンサ34と補正用共振コンデンサ38が並列接続されるよう、リレー39を投入し、再度加熱を開始する。制御手段40は、第1のスイッチング素子28駆動時間を最小で、駆動周波数が約20kHzとなるようにして駆動開始し、駆動周波数固定のまま、徐々に駆動時間比を増加させて所定の出力が得られるよう制御する。駆動周波数を固定とするのは、上記のように加熱コイル29に流れる共振電流が約20kHzになるよう設定しており、かつ隣接の加熱コイル(図示せず)との共振電流周波数の差により電磁音が発生しないようにするためである。
一方、被加熱体30がアルミなどの低抵抗金属製であると判別した場合、制御手段40は第1のスイッチング素子28駆動時間比が約0.5となるよう設定し、徐々に駆動周波数を下げ、所定の出力が得られるよう制御する。制御手段40は、カレントトランス41から得られる検知出力から判断し、出力が所定値よりも小さければ制御手段40が制御可能な最小単位の数倍で、所定値より大きければ最小単位で駆動周波数を変化させる。
また、ほぼ所定出力が得られたと判断すれば、出力の微調整が可能なように、駆動時間比を約0.49から約0.51まで可変とし制御を行う。本実施例では、被加熱体30が通常のアルミ鍋である場合、第1のスイッチング素子28駆動周波数が約20kHzで加熱コイル29に流れる共振電流周波数が約60kHzとなり、最大出力(本実施例では2000W)が得られるよう設定されている。制御手段40は、電源24電圧のゼロ点でHiからLow、LowからHiに反転するゼロボルトパルス(回路など図示せず、以下ZVPと称す)に同期したタイミングでカレントトランス41検知出力を内部に取り込み、前ZVPタイミングで得られたカレントトランス41検知出力と比較する。このとき、使用者が調理動作中において鍋を移動させた場合、共振周波数は大きく変化する。
例えば、鍋を加熱コイル中心付近よりずらした状態から戻した場合には、被加熱体30を含む加熱コイル29のインダクタンスが減少するために、共振周波数が急激に上昇する。本実施例では、駆動周波数が共振周波数の約1/3倍となるよう制御しているが、駆動周波数が共振周波数の1/3倍を下回る状態になると、第1及び第2のスイッチング素子28、33は短絡モードとなり、それぞれのスイッチング素子に電圧が残っている状態で導通を開始するため、過大な短絡電流が流れて第1及び第2のスイッチング素子28、33が破壊に至る場合がある。
しかしながら、カレントトランス41検知出力の変化をモニターしているため、駆動周波数が共振周波数の1/3倍を下回る前に、駆動周波数が共振周波数の1/3倍と同一となって急激に出力が上昇するのを検知し、所定値だけ駆動周波数を上げて、駆動周波数を共振周波数から遠ざけてインバータ31出力を低下させる制御を行う。図4に、被加熱体30の移動前後の、カレントトランス41検知出力の時系列を示す。横軸は1ZVPを1単位とした時間であり、縦軸はカレントトランス41検知出力を示している。図中、カレントトランス41検知出力が急激に増加しているが、これは被加熱体30が使用者によって移動した結果、駆動周波数と共振周波数の1/3倍がほぼ同一となったからである。
本実施例では、直後に、所定値だけ駆動周波数を上昇させる制御を行っているため、カレントトランス41検知出力が低下している。制御手段40は、カレントトランス41検知出力の上昇変化に関するしきい値を保持しており、インバータ31が最大出力付近で動作している場合には、カレントトランス41検知出力変化も小さく、スイッチング素子が短絡モードになりやすいため、しきい値を低く設定する。
一方、インバータ31出力が低い場合には、しきい値を高く設定する。また、動作設定手段44を通じて設定された所定の出力が得られるまでの制御中には、駆動周波数を変化させた前後でカレントトランス41検知出力が変動する。図5に、所定の出力が得られるまでの制御中の、カレントトランス41検知出力の時系列を示す。横軸は1ZVPを1単位とした時間であり、縦軸はカレントトランス41検知出力を示している。図中、カレントトランス41検知出力が階段状に増加しているが、これは被加熱体30が移動したためではなく、所定の出力を得るために制御手段40が駆動周波数を段階的に下げていった結果である。
本実施例では、駆動周波数を変化させた後の一定期間は、鍋の移動などによる共振周波数の変化と誤検知しないよう、しきい値を高く設定する。
なお、カレントトランス41検知出力の上昇変化が、所定のしきい値を越えた場合には、駆動周波数を所定値上昇させる制御を行う例を挙げたが、これに限定するものではなく、例えば、所定のしきい値を越えた量によって、駆動周波数の上昇分を変化させてもよいし、駆動時間比を変化させてもよいし、さらには加熱停止してもよい。
本発明の実施例1における誘導加熱調理器の回路構成を示す図 同、各部波形を示す図 同、各部波形を示す図 同、カレントトランスによる検知出力の時系列を示す特性図 同、カレントトランスによる検知出力の時系列を示す特性図 従来の誘導加熱調理器の電気的構成を示す図 同、スイッチング素子の波形を示す図
符号の説明
29 加熱コイル
31 インバータ
34 共振コンデンサ
40 制御手段
41 カレントトランス(出力検出手段)

Claims (1)

  1. 高周波磁界を発生し被加熱体を加熱する加熱コイル、前記加熱コイルと共振する共振コンデンサ、及びスイッチング素子を有し前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、前記インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、前記スイッチング素子の駆動手段に信号を出力して前記インバータの出力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記出力検出手段の検出結果に基づき前記インバータの出力の大きさの単位時間あたりの変化量が所定の増加量を超えたことを検出すると前記インバータの出力を下げるか又は加熱を停止するとともに、前記出力検出手段の検出結果が所定値を越えれば、所定の増加量を小さく変更する誘導加熱装置。
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