JP2007317616A - 燃料電池ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】気水分離器で分離された水分を貯留する貯留タンクを大型化させることがないと共に、簡易な構成でありながら、貯留タンクの水分を、ガス燃料の漏洩を防止しつつ循環水タンクに供給するようにした燃料電池ユニットを提供する。
【解決手段】改質器12と、改質器で生成されたガス燃料を供給される燃料電池14と、ガス燃料から水分を分離する気水分離器(第1、第2の気水分離器16a,16b)と、分離された水分を貯留する貯留タンク(第1、第2の貯留タンク20a,20b)と、貯留タンクに連通管(第1、第2の連通管22a,22b)を介して接続され、貯留タンクに貯留された水分を供給されて改質器用の循環水として貯留する循環水タンク24とを少なくとも備えた燃料電池ユニット10において、循環水タンクを貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、連通管に開閉弁(第1、第2の逆止弁94a,94b)を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】改質器12と、改質器で生成されたガス燃料を供給される燃料電池14と、ガス燃料から水分を分離する気水分離器(第1、第2の気水分離器16a,16b)と、分離された水分を貯留する貯留タンク(第1、第2の貯留タンク20a,20b)と、貯留タンクに連通管(第1、第2の連通管22a,22b)を介して接続され、貯留タンクに貯留された水分を供給されて改質器用の循環水として貯留する循環水タンク24とを少なくとも備えた燃料電池ユニット10において、循環水タンクを貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、連通管に開閉弁(第1、第2の逆止弁94a,94b)を設ける。
【選択図】図1
Description
この発明は燃料電池ユニットに関し、より具体的には燃料電池のガス燃料から水分を分離する気水分離器を備えた燃料電池ユニットに関する。
改質器で生成される燃料電池のガス燃料(アノードガス)は、水分を多く含有する。そのため、そのまま燃料電池に供給されると、燃料電池のガス燃料入口付近(アノード極の入口)で水詰まりを発生し、ガス燃料の流れを阻害する不具合が生じる。また、燃料電池から排出されるガス燃料には未使用のガスが含まれるため、改質器の燃焼バーナに還流されて燃焼バーナの燃料として再利用されるが、水分を多く含有するガス燃料が燃焼バーナに供給されると、燃焼バーナの着火不良や、潜熱による燃焼バーナのカロリーロスが増加するなどの不具合が生じる。
そこで、従来より、ガス燃料が流れる流路にガス燃料から水分を分離する気水分離器を設け、ガス燃料内の水分が燃料電池などに供給され難くするようにした燃料電池ユニットが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、気水分離器で分離された水分は、改質器用の循環水を貯留する循環水タンクに供給させられ、再利用される。このとき、気水分離器のガス燃料が循環水タンクへ漏れるのを防止するために、気水分離器で分離された水分を貯留タンクに一時貯留して一定の水位を保持すると共に、貯留タンクの水位が所定値を超えたとき、貯留タンクの水分を循環水タンクに供給する、換言すれば、気水分離器で分離された水分で液封するように構成している。
特開2002−134145号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、貯留タンクと循環水タンクとを連通させる連通管に電磁弁を備える構成であるため、電磁弁を開閉させるための電力や電磁弁用のハーネスなどが新たに必要となり、その構成が複雑になるという不都合があった。また、電磁弁の開閉タイミングは貯留タンクの水位によって判断されるため、貯留タンクの水位を検出するセンサ(例えば、液面センサなど)を取り付けることとなり、貯留タンク自体が大型化するという不具合もあった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、気水分離器で分離された水分を貯留する貯留タンクを大型化させることがないと共に、簡易な構成でありながら、貯留タンクの水分を、ガス燃料の漏洩を防止しつつ循環水タンクに供給するようにした燃料電池ユニットを提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、改質器と、前記改質器で生成されたガス燃料を供給される燃料電池と、前記ガス燃料から水分を分離する気水分離器と、前記気水分離器で分離された水分を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに連通管を介して接続され、前記貯留タンクに貯留された水分を供給されて前記改質器用の循環水として貯留する循環水タンクとを少なくとも備えた燃料電池ユニットにおいて、前記循環水タンクを前記貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、前記連通管に開閉弁を設けるように構成した。
請求項2にあっては、前記開閉弁は、前記ガス燃料の圧力を超える圧力が作用するとき、開弁するように構成した。
請求項3にあっては、前記ガス燃料は、アノードガスからなるように構成した。
請求項1に係る燃料電池ユニットにあっては、改質器用の循環水を貯留する循環水タンクを、貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、貯留タンクと循環水タンクとを接続する連通管に開閉弁を設けるように構成、即ち、開閉弁を開弁させるだけで、貯留タンクの水分が連通管を介して循環水タンクに供給されるように構成したので、従来技術の電磁弁や液面センサなどを不要とすることができ、簡易な構成でありながら、貯留タンクの水分を、ガス燃料の漏洩を防止しつつ循環水タンクに供給することができる。また、従来技術の如く電磁弁や液面センサなどを備えていないため、新たな電力を消費することがないと共に、貯留タンクが大型化することもなく、コスト的にも有利である。
請求項2に係る燃料電池ユニットにあっては、開閉弁は、ガス燃料の圧力を超える圧力が作用するとき、開弁するように構成したので、上記した効果に加え、ガス燃料の漏洩をより一層防止しつつ、貯留タンクの水分を循環水タンクに供給することができる。
即ち、循環水タンクが貯留タンクの重力方向において下方に配置されるため、連通管の開閉弁には、ガス燃料の圧力と貯留タンクに貯留された水分による水圧(水頭圧)との和が作用することとなる。従って、貯留タンクの水位が増加して開閉弁に作用する圧力が増加するとき、換言すれば、開閉弁にガス燃料の圧力を超える圧力が作用するとき、開閉弁が開弁するように構成したので、貯留タンクの水位を一定に安定して保持することができ、よってガス燃料の漏洩をより一層防止しつつ、貯留タンクの水分を循環水タンクに供給することができる。
請求項3に係る燃料電池ユニットにあっては、前記ガス燃料は、アノードガスからなるように構成したので、水分を多く含有するアノードガスにおいて、上記した効果を得ることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る燃料電池ユニットの最良の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の実施例に係る燃料電池ユニットを説明するための模式概略図である。
図1において、符号10は燃料電池ユニットを示す。燃料電池ユニット10は、改質器12と、改質器12で生成されたガス燃料(アノードガス)を供給される燃料電池14と、ガス燃料から水分を分離する第1および第2の気水分離器(気水分離器)16a,16bと、第1および第2の気水分離器16a,16bで分離された水分をそれぞれ貯留する第1および第2の貯留タンク(貯留タンク)20a,20bと、第1および第2の貯留タンク20a,20bに第1、第2の連通管22a,22bを介してそれぞれ接続され、各貯留タンク20a,20bに貯留された水分を供給されて改質器12用の循環水として貯留する循環水タンク24とを備える。
以下、上記した燃料電池ユニット10を構成する各要素について説明すると、改質器12は、改質用燃料(例えば、都市ガスなど)を供給されて水蒸気改質反応を行うことでアノードガスを生成する改質部12aと、改質部12aを加熱する加熱部(燃焼バーナ)12bとを備える。
改質部12aには、改質用燃料を供給する改質用燃料管30と、循環水タンク24からの循環水を供給する循環水管32と、改質部12aで生成されたアノードガスを燃料電池14へ供給するアノードガス管34とが接続される。改質用燃料管30の上流側には、改質用燃料供給源(図示せず)が接続される。また、循環水管32の途中には、循環水を圧送する循環水ポンプ40が配置される。尚、この明細書において「上流」とは、そこを流れる燃料(改質用燃料、アノードガスなど)の流れ方向における上流を意味する。
また、加熱部12bには、加熱部12bの燃焼バーナ(図示せず)での燃焼に用いられる空気(以下「燃焼空気」という)を供給する燃焼空気管42と、燃料電池14から排出されたガス燃料(アノードオフガス)を燃焼バーナの加熱用燃料として供給するアノードオフガス管44と、前記した改質用燃料管30から第1の三方弁46を介して分岐され、改質用燃料を燃焼バーナの加熱用燃料として供給する加熱用燃料管50と、および燃焼バーナで発生する燃焼排ガスを大気中に排出する燃焼排ガス管52とが接続される。また、燃焼空気管42の途中には、空気を吸引して圧送する燃焼空気ポンプ54が配置される。
燃料電池14は、電解質膜(固体高分子膜)と、それを挟持するカソード極(空気極)とアノード極(燃料極)と、各電極の外側に配置されるセパレータ(いずれも図示せず)とから構成される単電池(セル)を複数個積層して形成された、公知の固体高分子型燃料電池である。
燃料電池14のカソード極の入口側には、燃料電池14に供給されるべき空気(カソードガス。具体的には酸素ガス)が流れるカソードガス管56が接続される一方、出口側には、燃料電池14から排出されるカソードガス(以下「カソードオフガス」という)を大気中に排出するカソードオフガス管60が接続される。また、カソードガス管56には、空気を吸引して圧送するカソードガスポンプ62が配置される。
燃料電池14のアノード極の入口側には、前記したアノードガス管34が接続される。即ち、燃料電池14のアノード極の入口と改質器12の改質部12aは、アノードガス管34を介して接続される。また、燃料電池14のアノード極の出口側には、上記したアノードオフガス管44が接続される。即ち、燃料電池14のアノード極の出口と改質器12の加熱部12bは、アノードオフガス管44を介して接続される。
また、燃料電池14には、マイクロ・コンピュータなどからなる電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)64が接続される。ECU64は、循環水ポンプ40などの各ポンプ、および第1の三方弁46などに接続され、それら補機類の動作を制御する。
さらに、燃料電池14には、燃料電池14から生じる排熱で温水を生成することで排熱を回収する排熱回収系70が接続される。排熱回収系70は、燃料電池14に1次冷却水管72を介して接続される熱交換器(溶液熱交換器)74と、熱交換器74に2次冷却水管76を介して接続されると共に、水源(図示せず)から供給される水を貯留する貯湯タンク80とを備える。
図示の如く、1次冷却水管72の途中には、1次冷却水管72内の冷却水を循環させる1次冷却水ポンプ82が配置されると共に、2次冷却水管76の途中にも、2次冷却水管76内の冷却水を循環させる2次冷却水ポンプ84が配置される。
これにより、燃料電池14から生じる熱(排熱)は、先ず1次冷却水管72内の冷却水によって吸収されて熱交換器74に供給される。次いで、熱交換器74において、1次冷却水管72内の冷却水と2次冷却水76内の冷却水とで熱の授受が行われ、熱交換器74に供給された熱が貯湯タンク80に供給される。貯湯タンク80においては、2次冷却水76内の冷却水と貯湯タンク80に貯留された水とで熱の授受が行われ、貯湯タンク80の水が昇温させられ、よって温水が生成される。尚、貯湯タンク80の温水は、図示しない熱負荷(例えば、温水シャワーなど)に供給される。
アノードガス管34には、アノードガスから水分を分離する第1の気水分離器16aが配置されると共に、アノードオフガス管44には、アノードオフガスから水分を分離する第2の気水分離器16bが配置される。アノードガス管34の第1の気水分離器16aより上流側は、アノードオフガス管44の第2の気水分離器16bより上流側に接続される。アノードガス管34とアノードオフガス管44の接続部には、第2の三方弁90が配置される。
図2は、図1に示す第1の気水分離器16a付近の配置関係などを説明するための説明断面図である。
図1および図2に示す如く、第1の気水分離器16aの重力方向において下方には、第1の気水分離器16aで分離された水分W1を貯留する第1の貯留タンク(分離水タンク)20aが配置される。第1の気水分離器16aと第1の貯留タンク20aは、第1の連通路92aを介して連通される。
また、循環水タンク24は、第1の貯留タンク20aの重力方向において下方に配置される。循環水タンク24の上部24aには、開口部24a1が設けられて大気に開放されると共に、第1の貯留タンク20aの下部20a1が第1の連通管22aを介して接続される。第1の連通管22aの途中には、第1の連通管22aを開閉する、比較的小型の第1の逆止弁(開閉弁)94aが配置(介挿)される。
また、図1に示す如く、第2の気水分離器16bの重力方向において下方には、第2の気水分離器16bで分離された水分W2を貯留する第2の貯留タンク(分離水タンク)20bが配置される。第2の気水分離器16bと第2の貯留タンク20bは、第2の連通路92bを介して連通される。
第2の貯留タンク20bは、循環水タンク24の重力方向において上方に配置、逆に言えば、循環水タンク24は、第2の貯留タンク20bの重力方向において下方に配置される。第2の貯留タンク20bの下部20b1と循環水タンク24の上部24aは、第2の連通管22bを介して接続される。第2の連通管22bの途中には、第2の連通管22bを開閉する、比較的小型の第2の逆止弁(開閉弁)94bが配置(介挿)される。
上記した第1および第2の逆止弁94a,94bは、第1の逆止弁94aにあってはアノードガス、第2の逆止弁94bにあってはアノードオフガスの圧力を超える圧力が作用するとき、開弁するようにそれぞれ設定される。以下、第1の逆止弁94aについて説明するが、第1および第2の逆止弁94a,94bは略同一構成であるため、以下の説明は第2の逆止弁94bにも妥当する。
図2を参照して説明すると、第1の逆止弁94aには、アノードガス管34の内圧(換言すれば、アノードガスの圧力)と、第1の貯留タンク20aに貯留された水分W1による水圧(水頭圧)の和が作用する。従って、第1の貯留タンク20aに貯留された水分W1の量(水位)によって、第1の逆止弁94aに作用する圧力が変動する。より詳しくは、第1の貯留タンク20aの水分W1が増加して水位が上昇すると、第1の逆止弁94aに作用する圧力が増加する一方、水分W1が減少して水位が下降すると、第1の逆止弁94aに作用する圧力は減少する。
そこで、第1の逆止弁94aを、アノードガスの圧力を超える圧力、具体的には図2に示す如く、アノードガスの圧力に所定の水頭圧(設定水頭圧。より具体的には、第1の貯留タンク20aの水位がWaのときの水頭圧)を加えた圧力が作用するとき、開弁するように設定した。尚、設定水頭圧は、第1の貯留タンク20aの水分W1を排水させたい水位やアノードガスの圧力変動などを考慮して設定することができ、この実施例においては、約100[mmAq](0.98[kPa])とした。
これにより、第1の逆止弁94aは、アノードガスの圧力のみが作用するときに開弁することがなく、よってアノードガス管34のアノードガスが第1の逆止弁94aを通過して循環水タンク24などに流入させられる(漏洩する)ことを防止することができると共に、第1の貯留タンク20aの水分W1が所定の水位Waを超えて貯留されたとき、その超えた水量だけ循環水タンク24に供給して排水することが可能となる。
図1の説明に戻ると、循環水タンク24の下部24bには、前記した循環水管32が接続される。即ち、循環水タンク24と改質器12の改質部12aは循環水管32を介して接続される。
次いで、上記の如く構成された燃料電池ユニット10の動作あるいは作用について説明する。
改質用燃料供給源から供給される改質用燃料は、先ず改質用燃料管30、第1の三方弁46および加熱用燃料管50を介して改質器12の加熱部12b、即ち、燃焼バーナに加熱用燃料として供給される。また、燃焼空気ポンプ54によって吸引された燃焼空気は、燃焼空気管42を介して加熱部12bの燃焼バーナに供給される。
燃焼バーナに供給された改質用燃料と燃焼空気は、点火電極(図示せず)によって点火されて燃焼させられる。燃焼によって発生した燃焼排ガスは、改質部12aを加熱しつつ燃焼排ガス管52を介して大気中に排出(排気)される。
図示しない改質部温度センサなどの出力に基づいて、改質部12aが改質可能な温度(具体的には、700[℃]程度)まで加熱されたと判断されると、改質部12aにおいて、改質動作が開始される。具体的には、改質用燃料供給源から供給される改質用燃料が、改質用燃料管30、第1の三方弁46を介して改質部12aに供給される。また、循環水ポンプ40によって圧送された循環水タンク24の循環水は、循環水管32を介して改質部12aに改質用水として流入させられる。
改質部12aに流入させられた改質用水(循環水)は加熱部12bからの熱によって蒸発させられて水蒸気となり、その水蒸気は前記した改質用燃料と混合され、改質触媒(図示せず)において水蒸気改質反応が起こる。即ち、混合された改質用燃料と水蒸気から水素を含有するアノードガス(ガス燃料)が生成される。
生成されたアノードガスは、アノードガス管34、第2の三方弁90および第1の気水分離器16aを介して燃料電池14のアノード極に供給される。尚、第1の気水分離器16aを通過するアノードガスについては、後に詳説する。
また、カソードガスポンプ62によって吸引されたカソードガスは、カソードガス管56を介して燃料電池14のカソード極に供給される。燃料電池14のカソード極に供給されたカソードガスは、アノード極に供給されたアノードガスと電気化学反応を生じる。電気化学反応によって燃料電池14が発生した電力(直流電流)は、図示しない出力端子と出力回路を介して電気負荷(外部の電気機器)に供給される。
燃料電池14から排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス管60を介して大気中に排出される。また、燃料電池14から排出されるアノードガス(アノードオフガス)は、アノードオフガス管44および第2の気水分離器16bを介して改質器12の加熱部12bに加熱用燃料として供給される。さらに、燃料電池14の運転状態に応じて第2の三方弁90が動作させられ、改質器12において生成されたアノードガスの一部も、アノードガス管34、第2の三方弁90、アノードオフガス管44および第2の気水分離器16bを介して改質器12の加熱部12bに供給される。
尚、燃料電池ユニット10において、アノードオフガスが加熱部12bに供給させられる状態、換言すれば、燃料電池14において電力を発生させる運転状態(通常運転時)になると、第1の三方弁46が動作させられて改質用燃料管30から加熱用燃料管50を介して加熱部12bへ供給される改質用燃料の量が徐々に減少させられ、最終的にはその供給が停止される。即ち、燃料電池ユニット10の通常運転時における加熱部12bには、アノードオフガス(あるいは、改質器12で生成されたアノードガスの一部)のみが供給される。
次いで、第1の気水分離器16aを通過するアノードガス、および第2の気水分離器16bを通過するアノードオフガスについて説明する。
アノードガス管34を流れるアノードガスは、前述した如く水蒸気改質反応によって生成されるため、多くの水分を含有する。そのため、そのまま燃料電池14に供給されると、燃料電池14のアノード極の入口で水詰まりを発生し、アノードガスの流れを阻害してしまう。
そこで、アノードガス管34のアノードガスは、第1の気水分離器16aに流入させられ、アノードガスから水分が分離される。第1の気水分離器16aで分離された水分は、第1の連通路92aを介して第1の貯留タンク20aに流入させられて貯留される。
それによって第1の貯留タンク20aに貯留された水分W1の水位がWaを超えると、別言すれば、第1の逆止弁94aに、アノードガスの圧力と所定の水頭圧(具体的には、第1の貯留タンク20aの水位がWaのときの水頭圧)とを加えた圧力が作用すると、第1の逆止弁94aは開弁させられる。
第1の逆止弁94aが開弁させられると、第1の貯留タンク20aの水分W1は、第1の連通管22aを介して循環水タンク24に流入させられる。尚、第1の貯留タンク20aの水位がWa以下のとき、換言すれば、第1の逆止弁94aに作用する圧力が、アノードガスの圧力と所定の水頭圧とを加えた圧力以下のとき、第1の逆止弁94aは閉弁させられ、第1の貯留タンク20aから循環水タンク24への水分W1の供給は停止させられる。
また、アノードオフガス管44を流れるアノードオフガスにも水分が多く含まれる場合がある。そのため、そのまま加熱部12bの燃焼バーナに供給されると、燃焼バーナの着火不良や、潜熱による燃焼バーナのカロリーロスが増加する。
そこで、アノードオフガス管44のアノードオフガスは、第2の気水分離器16bに流入させられ、アノードオフガスから水分が分離される。第2の気水分離器16bで分離された水分は、第2の連通路92bを介して第2の貯留タンク20bに流入させられて貯留される。
それによって第2の貯留タンク20bに貯留される水分W2の水位がWbを超えると、即ち、第2の逆止弁94bに、アノードオフガスの圧力と所定の水頭圧(具体的には、第2の貯留タンク20bの水位がWbのときの水頭圧)とを加えた圧力が作用すると、第2の逆止弁94bは開弁させられる。
第2の逆止弁94bが開弁させられると、第2の貯留タンク20bの水分W2は、第2の連通管22bを介して循環水タンク24に流入させられる。尚、第2の貯留タンク20bの水位がWb以下のとき(即ち、第2の逆止弁94bに作用する圧力が、アノードガスの圧力と所定の水頭圧とを加えた圧力以下のとき)、第2の逆止弁94bは閉弁させられ、第2の貯留タンク20bから循環水タンク24への水分W2の供給は停止させられる。
以上のように、この発明の実施例にあっては、改質器12と、前記改質器で生成されたガス燃料を供給される燃料電池14と、前記ガス燃料から水分を分離する気水分離器(第1、第2の気水分離器16a,16b)と、前記気水分離器で分離された水分を貯留する貯留タンク(第1、第2の貯留タンク20a,20b)と、前記貯留タンクに連通管(第1、第2の連通管22a,22b)を介して接続され、前記貯留タンクに貯留された水分を供給されて前記改質器用の循環水として貯留する循環水タンク24とを少なくとも備えた燃料電池ユニット10において、前記循環水タンクを前記貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、前記連通管に開閉弁(第1、第2の逆止弁94a,94b)を設けるように構成、即ち、第1および第2の逆止弁94a,94bを開弁させるだけで、第1および第2の貯留タンク20a,20bの水分が、第1、第2の連通管22a,22bを介して循環水タンク24に供給されるように構成した。
これにより、従来技術の電磁弁や液面センサなどを不要とすることができ、簡易な構成かつ省スペースでありながら、第1および第2の貯留タンク20a,20bの水分を、アノードガスあるいはアノードオフガスの漏洩を防止しつつ循環水タンク24に供給することができる。また、従来技術の如く電磁弁や液面センサなどを備えていないため、新たな電力を消費することがないと共に、貯留タンクが大型化することもなく、コスト的にも有利である。
また、前記開閉弁(94a,94b)は、前記ガス燃料の圧力を超える圧力、具体的には、ガス燃料の圧力に所定の水頭圧(設定水頭圧。より具体的には、第1の貯留タンク20a(第2の貯留タンク20b)の水位がWa(Wb)のときの水頭圧)を加えた圧力が作用するとき、開弁するように構成した。これにより、アノードガスなどの漏洩をより一層防止しつつ、第1および第2の貯留タンク20a,20bの水分を循環水タンク24に供給することができる。
即ち、循環水タンク24が、第1および第2の貯留タンク20a,20bの重力方向において下方に配置されるため、第1の逆止弁94a(第2の逆止弁94b)には、アノードガス(アノードオフガス)の圧力と、第1の貯留タンク20a(第2の貯留タンク20b)に貯留された水分による水圧との和が作用することとなる。
従って、第1の貯留タンク20a(第2の貯留タンク20b)の水位が増加して第1の逆止弁94a(第2の逆止弁94b)に作用する圧力が増加するとき、換言すれば、第1の逆止弁94a(第2の逆止弁94b)にアノードガス(アノードオフガス)の圧力を超える圧力が作用するとき、第1の逆止弁94a(第2の逆止弁94b)が開弁するように構成したので、第1の貯留タンク20a(第2の貯留タンク20b)の水位を一定に安定して保持することができ、よってアノードガス(アノードオフガス)の漏洩をより一層防止しつつ、第1の貯留タンク20a(第2の貯留タンク20b)の水分W1(W2)を循環水タンク24に供給することができる。
また、ガス燃料は、アノードガスからなるように構成したので、水分を多く含有するアノードガス(あるいはアノードオフガス)において、上記した効果を得ることができる。
尚、上記において、燃料電池14を固体高分子型としたが、それに限られるものではなく、他の形式であってもよい。
また、改質用燃料として都市ガスを使用するよう構成したが、LPガスなどであってもよい。
10 燃料電池ユニット、12 改質器、14 燃料電池、16a 第1の気水分離器(気水分離器)、16b 第2の気水分離器(気水分離器)、20a 第1の貯留タンク(貯留タンク)、20b 第2の貯留タンク(貯留タンク)、22a 第1の連通管(連通管)、22b 第2の連通管(連通管)、24 循環水タンク、94a 第1の逆止弁(開閉弁)、94b 第2の逆止弁(開閉弁)
Claims (3)
- 改質器と、前記改質器で生成されたガス燃料を供給される燃料電池と、前記ガス燃料から水分を分離する気水分離器と、前記気水分離器で分離された水分を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに連通管を介して接続され、前記貯留タンクに貯留された水分を供給されて前記改質器用の循環水として貯留する循環水タンクとを少なくとも備えた燃料電池ユニットにおいて、前記循環水タンクを前記貯留タンクの重力方向において下方に配置すると共に、前記連通管に開閉弁を設けたことを特徴とする燃料電池ユニット。
- 前記開閉弁は、前記ガス燃料の圧力を超える圧力が作用するとき、開弁することを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
- 前記ガス燃料は、アノードガスからなることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池ユニット。
Priority Applications (1)
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JP2006148629A JP2007317616A (ja) | 2006-05-29 | 2006-05-29 | 燃料電池ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006148629A JP2007317616A (ja) | 2006-05-29 | 2006-05-29 | 燃料電池ユニット |
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ID=38851284
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007317616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019033022A (ja) * | 2017-08-09 | 2019-02-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池システム |
-
2006
- 2006-05-29 JP JP2006148629A patent/JP2007317616A/ja not_active Withdrawn
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