JP2007317379A - 極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置の集光位置調整方法 - Google Patents

極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置の集光位置調整方法 Download PDF

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【課題】電極部の絶縁材表面への放電ガスに起因する金属の堆積を抑制し、安定した放電が得られるようにし、また高精度にEUV光を放出する高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置との位置合わせ可能とすること。
【解決手段】SnH4 等の放電ガスおよびデブリを発生せずまたEUV光の発生もしないガス(例えばAr)を放電部1で衝突するように、主放電電極12および主放電電極11側から供給する。SnH4 のリッチな部分からはSnおよび/またはSnの化合物等が飛び出すが、反対側から供給されるArガスにより絶縁材13の方向に向かうのを押し戻される。このため、上記化合物等が絶縁材13に付着堆積する量を減少させることができる。また、上記ガスの流量を調整することにより高密度高温プラズマにおいて波長13.5nmのEUV光を放射する領域の位置制御を高精度に行うことが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、極端紫外光を出射する極端紫外光光源装置、および極端紫外光光源装置において、極端紫外光を放射する高密度高温プラズマの位置合わせを高精度に行うことが可能な集光位置調整方法に関する。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザー装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmの極端紫外光(Extreme Ultra Violet Radiation:以下、EUV 光ともいう)光を放出する極端紫外光光源装置(以下、EUV光源装置ともいう)が開発されている。
EUV光源装置においてEUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV光を放射する物質(以下、EUV光放射種ともいう)を加熱し励起することにより高密度高温プラズマを発生させ、このプラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このEUV光源装置は、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma ,レーザー生成プラズマ)方式とDPP(Discharge Produced Plasma ,放電生成プラズマ)方式とに大きく分けられる。
LPP方式のEUV光源装置は、EUV光放射種を含む原料からなるターゲットにレーザ光で照射してレーザアブレーションにより高密度高温プラズマを生成する。
一方、DPP方式のEUV光源装置は、電流駆動によって高密度高温プラズマを生成する。DPP方式のEUV光源装置における放電方式には、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式のEUV光源装置は、LPP方式のEUV光源装置と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さいといった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料として、現在、10価前後のキセノン(Xe)イオンとスズ(Sn)イオン、リチウム(Li)イオンが知られている。このうち、スズは、高密度高温プラズマの発生に必要な電気入力と波長13.5nmのEUV光出力の比、すなわちEUV変換効率(=光出力/電気入力)が最も大きく、例えば、キセノンの変換効率より数倍大きい。このため、量産型大出力EUV光源の放射種としてスズが有力視されている。例えば、特許文献1に開示されているように、EUV光放射種であるスズを供給するための原料としてガス状のスズ化合物(例えば、スタナンガス:SnH4 ガス)を使ったEUV光源開発も進んでいる。
次にEUV光源装置の構成例について説明する。
図19に、DPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す。
図19に示すように、DPP方式EUV光源装置は、放電容器であるチャンバ10を有する。チャンバ10には、例えば、フランジ状の第1の主放電電極(カソード)11とリング状の第2の主放電電極(アノード)12とがリング状の絶縁材13を挟んで取り付けられる。ここで、チャンバ10および第2の主放電電極12は接地されている。第1の主放電電極11、第2の主放電電極12は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなる。また、絶縁材13は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等からなる。
フランジ状の第1の主放電電極11、リング状の第2の主放電電極12、リング状の絶縁材13は、それぞれの貫通穴が略同軸上に位置するように配置し、連通孔を構成している。第1の主放電電極11、第2の主放電電極12は、高電圧パルス発生部18と電気的に接続され、高電圧パルス発生部18よりパルス電力が供給されるよう構成される。
第1の主放電電極11および第2の主放電電極12間にパルス電力が印加されると、上記連通孔、もしくは、連通孔近傍にて高密度高温プラズマ5が発生する。この高密度高温プラズマ5から、波長13.5nmのEUV光が放出される。
以下、第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13を総称して放電部1、また、上記連通孔、および、連通孔近傍を高密度高温プラズマ発生部と称することにする。
フランジ状の第1の主放電電極11の凸部には、管状の予備電離用絶縁材6aが設けられる。更に、予備電離用絶縁材6aには、原料導入管7が接続される。この原料導入管7に接続された原料供給ユニット14より、EUV光放射種を含む原料がチャンバ10内に供給される。上記原料は、例えばSnH4 ガス、Li蒸気等である。
チャンバ内10には、EUV集光鏡2が設けられる。EUV集光鏡2は、例えば、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点(集光点)位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置され、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属膜を緻密にコーティングすることで、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を良好に反射し、かつ、集光できるように構成されている。
上記した放電部1とEUV集光鏡2との間には、高密度高温プラズマと接する金属(例えば、放電電極)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、EUV光放射種に起因するデブリ等の捕捉や運動エネルギーを低下させるとともにEUV光を通過させるためのホイルトラップ3が設置される。
ホイルトラップ3は、例えば特許文献2に記載されているように、高密度高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートからなる。
すなわち、ホイルトラップ3は、例えば、図20に示すように、同心円状に配置された内部リング3bと外部リング3cの2個のリングと、この2個のリング3b,3cにより両側が支持されて放射状に配置された複数の薄いプレート3dから構成されている。プレート3dは配置した空間を細かく分割することにより、その部分の圧力を上げ、デブリの運動エネルギーを低下させるとともに、プレート3dやリング3b,3cに捕捉する。一方、このホイルトラップ3は高密度高温プラズマから見ると、2個のリング3b,3cを除けばプレート3dの厚みしか見えず、EUV光のほとんどは通過する。
チャンバ10には、ホイルトラップ3を支持するためのフレームによりホイルトラップ支持壁3aが形成される。チャンバ10は、ホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁3aを境として、EUV集光鏡2が配置される空間と放電部1が配置される空間とに分割される。
チャンバ10の放電部1が配置される空間には、放電部の圧力をモニタする圧力モニタ17およびガス排気ユニット15に接続されるガス排出口8が設けられる。ガス排気ユニット15は、この圧力モニタ17の測定値に基づき、上記空間の圧力調整やチャンバ内排気を行う。
なお、チャンバ10のEUV集光鏡2が配置される空間側に、バッファガスユニット16を接続して、EUV光の発光に関係のないガスを導入してもよい。バッファガスはEUV集光鏡2側から、ホイルトラップ3を通過して放電部1側に流れ、排気路を通って排気ユニット15から排気される。このようなバッファガスの流れが生じることにより、ホイルトラップ3では捕捉しきれなかったデブリが、放電部1側からEUV集光鏡2側に流れ込むのを防ぎ、デブリによるEUV集光鏡2のダメージを少なくすることができる。
また、図19に示すDPP方式EUV光源装置は、制御部20を有する。この制御部20は、露光機制御部21からのEUV発光指令等に基づき、高電圧パルス発生部18、原料供給ユニット14、ガス排気ユニット15、バッファガスユニット16を制御する。
上記EUV光源装置は次のように動作する。
図19のDPP方式EUV光源装置において、第1、第2の主放電電極11,12間に高電圧パルス発生部18よりパルス電力が印加されると、絶縁材13表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1、第2の主放電電極11,12間は実質、短絡状態になり、パルス状の大電流が流れる。このとき、略同軸上に配置された第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13が形成する連通孔もしくは連通孔近傍にプラズマが形成される。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって、プラズマが加熱して励起される。その結果、上記プラズマの略中心部に高密度高温プラズマ5が形成される。この高密度高温プラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
高密度高温プラズマ5から放射された波長13.5nmのEUV光は、上記したEUV集光鏡2により集光され、チャンバ10に設けられたEUV光取出部4より外部に取り出される。このEUV光取出部4は、図示を省略した露光機の露光機筐体に設けられたEUV光入射部と連結される。すなわち、EUV集光鏡2より集光されるEUV光は、EUV光取出部4、EUV入射部を介して露光機へ入射する。
ここで、DPP方式EUV光源装置には、チャンバ10内で放電を発生させるときにチャンバ10内に供給されたEUV光放射種を含む原料を予備電離する予備電離手段を設けても良い。EUV光を発生させる際、放電部1の圧力は、例えば、1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。放電が発生し難い状況下で安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。
図19においては、予備電離ユニット6は、導電性である第1の主放電電極11の凸部と、第1の主放電電極11の凸部に挿入された管状の予備電離用絶縁材6aと、この予備電離用絶縁材6aに挿入された導電性の原料導入管7とにより構成される。
導電性である第1の主放電電極11の凸部および原料導入管7は、予備電離用電源部19と接続される。予備電離用電源部19から電圧パルスが第1の主放電電極11の凸部および原料導入管7の間に印加されると、図19に示すように、予備電離用絶縁材6a内表面に沿面放電が発生し、チャンバ内に導入されるEUV光放射種を含む原料の電離を促進する。なお、上記予備電離用電源部19は、制御部20により制御される。
ここで、同軸状に配置されている第1の主放電電極11の凸部、予備電離用絶縁材6a、原料導入管7は、EUV光放射種を含む原料を供給する原料供給経路も兼ねている。
なお、DPP方式EUV光源装置に予備電離ユニットを組み合わせた例については、例えば特許文献3に開示されている。
ここで上記EUV集光鏡2を含む光学系の位置合わせについて説明する。
図19に示すDPP方式EUV光源装置において、高密度高温プラズマ5から放出されるEUV光全てが露光光として使用されるわけではなく、高密度高温プラズマ5から放出されたEUV光のうち、EUV反射鏡2に入射したEUV光のみが、EUV反射鏡2で反射し、集光されて露光機側へ放出される。
図19に示すDPP方式EUV光源装置においては、EUV集光鏡2は、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を良好に反射し、EUV光取出部方向に集束するように構成される。即ち、EUV光源装置から放出されるEUV光の光軸、高密度高温プラズマ5の位置、集光点(焦点)位置S(集光位置S)は、EUV集光鏡2により規定される。
一方、露光機内の光学系は、EUV集光鏡2によって集光されるEUV光の集光点位置Sを基準にして構築される。よって、EUV光の集光点位置Sが所定の位置から外れると、露光機の露光性能に悪影響を及ぼすことになる。
そのため、高密度高温プラズマ発生部において生成されるプラズマの高密度高温プラズマ5の位置とEUV集光鏡2の位置との高精度な位置合わせが重要となる。
略同軸上に配置された第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13が形成する連通孔もしくは連通孔近傍である高密度高温プラズマ発生部において生成されるプラズマにおける高密度高温プラズマの位置は、第1、第2の主放電電極11,12間に高電圧パルス発生部18より印加されるパルス電力、チャンバ10内の圧力、原料の供給速度(例えば、XeガスやSnH4 ガスのガス流量)、パルス発光するEUV光の繰り返し周波数といったパラメータを予め定めておけば、シミュレーションにてある程度特定することが可能である。その位置を基準に、EUV集光鏡2のチャンバ内での設置位置が算出される。
このようにして算出した位置関係に基づき、上記連通孔とEUV集光鏡2との位置関係を求め、その位置関係が実現するように、チャンバ10内でのEUV集光鏡2の取り付け位置が設計される。
図19に示す例では、EUV集光鏡2は、集光鏡保持機構2aによりチャンバ10内の所定の位置に保持される。なお、集光鏡保持機構2aは、光軸方向の所定の距離だけEUV集光鏡2の位置を調整する調整機構も併せ持つ。
作業者は、EUV集光鏡2を集光鏡保持機構2aに取り付け、集光鏡保持機構2aの調整機構を調整してEUV集光鏡2を光軸方向の所定の位置に固定する。これにより、EUV集光鏡2の位置合わせが行われる。
なお、EUV光の光軸の傾きも露光機の露光性能に影響を及ぼす。この光軸の傾きは、EUV集光鏡2の傾きに依存する。この傾きの位置合わせは、集光鏡保持機構2aとEUV集光鏡2の取り付け部分の構造を、集光鏡保持機構2aにEUV集光鏡2に取り付けたときにEUV集光鏡2が傾かないように設計することで、高精度に行うことができる。
すなわち、高密度高温プラズマ発生部で生成される高密度高温プラズマ5の位置の算出結果に基づく機械設計に基づいて、各構造物(EUV集光鏡2、EUV集光鏡保持機構2a、第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13等)をチャンバ10に取り付けていくことにより、おおまかな位置合わせが実現される。
ここで、高密度高温プラズマ発生部で生成されるプラズマにおける高密度高温プラズマ5の位置は、上記したように複数のパラメータに依存している。よって、上記高密度高温プラズマ5の位置を算定するには複雑なシミュレーションを用いる必要がある。そして、算定結果に基づく高密度高温プラズマの位置と実際にプラズマを発生させたときの高密度高温プラズマの位置とは、必ずしも高精度には一致しない。
よって、高精度の高密度高温プラズマ5の位置とEUV集光鏡2の位置との位置合わせは、上記したように各構造物をチャンバ10に取り付けて大まかな位置合わせを行ったあと、実際にプラズマを発生させ、EUV光の集光点位置を検出しながら行う必要がある。
概略的な高精度の位置合わせ手順を図21に示す。
まず、X線CCD等で構成される集光点位置モニタ9を、集光点位置Sに設置する(ステップS1)。次に、プラズマを発生させ(ステップS2)、集光点位置モニタ9でEUV光の集光点の大きさ(光の強度でもよいが、ここでは大きさで説明する)を測定する(ステップS3)。
測定結果と所定の集光点の大きさとを比較して検定する(ステップS4)。検定の結果、位置合わせが適合と判断される場合は、位置合わせを終了し、集光点位置モニタ9を集光点位置Sから離脱させる(ステップS5)。
一方、ステップS4にて位置合わせが不適合と判断された場合は、EUV集光鏡2を所定量だけ光軸方向に移動させる(ステップS6)。なお、EUV集光鏡2の移動方向は、高密度高温プラズマ5に近づく方向でも離れる方向でもよい。そしてステップS1に戻り、位置合わせが適合と判断されるまで、上記手順を繰り返す。
なお、上記手順においては、EUV集光鏡2を移動した後、モニタされた集光点の大きさが大きくなった場合、さらに次の移動の際には、逆方向にEUV集光鏡2を移動させる必要がある。説明を簡単にするために、図21においては、この移動方向の判断に関するステップは省略してある。
また、本手順では、EUV集光鏡2を移動させているが、逆に、EUV集光鏡2を固定して、放電部1を光軸方向に移動させるようにしてもよい。その際は、放電部1を移動可能とする移動機構を設ける必要がある。
特開2004−279246号公報 特表2002−504746号公報 特開2003−218025号公報 「リソグラフィ用EUV(極端紫外)光源研究の現状と将来展望」J.Plasma Fusion Res.Vol.79.No.3, P219-260,2003年3月
上述したDPP方式EUV光源装置において、原料ガスとして例えばスタナン(SnH4 )等の金属の極端紫外光放射種および/または金属の極端紫外光放射種の化合物を含むガスを使用すると、キセノンを使用する場合と異なり、放電ガスに起因するSnおよび/またはSn化合物(例えば、炭化物、酸化物など)が、図22に示すように、EUV光源装置の放電部(電極部および絶縁体)に付着堆積することが判明した。
SnH4 のうちプラズマ形成に寄与しなかったものおよび/またはプラズマにより生じたSnやSnH、SnH2 、SnH3 (以下SnHx )といったフラグメントが再結合したSnH4 や、高蒸気圧のフラグメントSnHx は、EUV光源装置のプラズマ生成領域と空間的に接続されている排気手段により、そのまま気体として排出される。
しかしながら、排気される前、図23に示すように、放電後ピンチされたプラズマが膨張する時、プラズマにより分解生成した原子状ガスのSn、Snx といった金属クラスタやフラグメントSnHx 等が、図中矢印のように飛び出し、放電部の表面にSnおよび/またはSn化合物が付着堆積する。
ここで、Snおよび/またはSn化合物が、第1の主放電電極11、第2の主放電電極12に挟まれている絶縁材13の表面に付着堆積すると、正常な放電が困難になるという問題が生じる。その理由を以下に説明する。
(i) 絶縁材13の表面にSnおよび/またはSn化合物が堆積すると、絶縁材13に包囲された空間であるリング状の高密度高温プラズマ発生部の径が狭くなり、高密度高温プラズマ発生部の空間形状が不均一になって放電に片寄りが生じる。放電の安定性が低下し、EUV光の出力も不安定になる。
(ii)絶縁材13に付着堆積したSnおよび/またはSn化合物により、Snは金属であるので第1と第2の放電電極11,12間が導通化、いわゆるショートした状態になり、放電部1に投入した電力が、放電ガスにではなく付着堆積したSnおよび/またはSn化合物に供給されるため、高密度高温プラズマが発生し難くなる。
(iii) 上記により、Snおよび/またはSn化合物が絶縁材13の表面に付着堆積すると、高密度高温プラズマから放出されるEUV光のpulse-to-pulseのエネルギー安定性やEUV光放出位置安定性(pointing stability)が不安定になる。すなわち、EUV光源装置から出射するEUV光の特性が不安定になる。
なお、本発明でいうところのSn化合物とは、例えば、Snの炭化物、酸化物などである。また、EUV光放射種であるSnの供給方法としてSnH4 を導入する場合のみならず、Sn2 6 など他のガス状のSn水素化物を用いた場合も、同様の不具合が起こることは言うまでもない。
また、上記したように、Snだけでなく、Liも強い放射強度のEUV光を得るための原料であり、Snの場合と同様にガス状の化合物として供給することもあるが、この場合も同様に、放電ガスに起因するLiおよび/またはLi化合物が放電部に付着堆積すると考えられる。このような問題は、EUV光を発生させるための放電ガスとして金属ガスを使用する場合には、共通する問題である。
一方、前述したようにDPP方式EUV光源装置においては、高密度高温プラズマ発生部において生成されるプラズマの高密度高温プラズマ5の位置とEUV集光鏡2の位置との高精度な位置合わせが重要であり、EUV集光鏡2を光軸方向に移動させたり、放電部1を光軸方向に移動させる必要がある。
しかしながら、実際には、高密度高温プラズマ発生部において生成されるプラズマの高密度高温プラズマ5の位置とEUV集光鏡2の位置とを高精度に位置合わせすることは難しい。
露光用光源としてDPP方式EUV光源装置を使用する場合、非特許文献1によれば、直径12インチのウエハを1時間に100枚処理するために必要な集光点における光出力は115Wである。発明者の試算によれば、このような仕様を充足するために用いられるEUV集光鏡の直径は数10cmとなり、その重量は100kg以上となる。一方、放電部の重量も数100kgとなる。
このような重量物を、位置合わせの際に移動させるためには、大掛かりな移動機構が必要となる。さらに、このような重量物を高精度に位置決め可能にするように移動機構を構築するのは大いなる困難を伴う。
よって、事実上、高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置とを高精度に位置合わせすることは不可能に近かった。
本発明は以上のような事情を鑑みなされたものであり、その課題は、電極部の絶縁材表面への金属ガスである放電ガスに起因する金属の堆積を抑制し、安定した放電が得られるようにするとともに、大掛かりな構造を採用することなく、容易、かつ、高精度にEUV光を放出する高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置とのを位置合わせ可能とすることである。
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)金属の極端紫外光放射種および/または金属の極端紫外光放射種の化合物を含む放電ガスを供給するガス供給手段と、放電により固体になることのない第2のガスを供給する第2のガス供給手段を設け、上記放電ガスを、加熱励起手段の連通孔に対して、加熱励起手段の集光鏡と対面する側(光が出射される側)から供給するように構成し、上記第2のガスを、加熱励起手段の連通孔に対して、上記放電ガスが供給される側の反対側から供給するように構成する。
(2)上記(1)において、放電ガス供給手段に環状のガス吹き出し部を設け、上記連通孔の極端紫外光の放射方向から原料を供給する。
(3)上記(1)において、上記放電ガス供給手段を二重管とし、該二重管の内側の管から上記放電ガスを供給し、外側の管から放電により固体になることのないガスを供給する。
(4)上記(1)(2)(3)において、上記極端紫外光光源装置に、加熱励起手段の連通孔に対して供給される第2のガスを予備電離する予備電離手段を設ける。
(5)上記(1)(2)(3)(4)において、上記放電ガス供給手段に、放電ガスの供給量を調節する放電ガス供給量調節手段を設け、また、上記第2のガス供給手段に、上記第2のガスの供給量を調節する第2のガス供給量調節手段を設ける。
(6)上記(1)(2)(3)(4)(5)において、上記放電ガスの極端紫外光放射種として、スズ(Sn)もしくはリチウム(Li)のいずれかを使用する。
(7)放電ガスを、加熱励起手段の連通孔に対して、加熱励起手段の上記集光鏡と対面する側から供給するように構成し、上記第2のガスを、加熱励起手段の連通孔に対して、上記放電ガスが供給される側の反対側から供給するように構成し、集光位置が所定位置に位置合わせされるように、上記放電ガスおよび/または上記第2のガスの供給量を調節する。
(8)上記(7)において、上記位置合わせは、上記極端紫外光の集光位置をモニタし、モニタ結果である集光位置と上記所定位置とが一致するようにして行う。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)EUV光放射種を含む原料ガスを、放電部の集光鏡と対面する側(光が出射される側)から放電部の高密度高温プラズマ発生部へ導入し、また、高密度高温プラズマ発生部を貫通して集光鏡側に向かう方向に、放電により固体になることのないEUV光放射を行わないガスを導入しているので、EUV光放射種を含む原料ガスがSnH4 やLi蒸気等のように、デブリ(例えば、原子状ガスであるSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx といったEUV光放射種を含む原料に起因するデブリ)を生じるものであったとしても、上記原料ガスは、EUV光放射を行わないガスと衝突し、高電圧高温プラズマ発生部の連通孔を通過しない。
そのため、高密度高温プラズマが形成された結果生成されるデブリも放電部を構成する絶縁材にほとんど到達せず、堆積物もほとんど堆積しない。
よって、絶縁材に包囲された空間であるリング状の高密度高温プラズマ発生部の径が狭くなることや、高密度高温プラズマ発生部の空間形状が不均一になって放電に片寄りが生じることはないため、放電の安定性が低下せず、EUV光の出力の安定化を実現できる。 また、絶縁部に堆積するデブリにより第1 と第2 の放電電極間が導通化し、高密度高温プラズマ自体が発生し難くなるという不具合も発生しない。
これにより、放電部での長時間の安定した放電が可能になる。
(2)EUV光放射種を含む原料ガスを供給する供給手段として、高密度高温プラズマ発生部を取り囲む円環状ノズル構造を採用すれば、密度高温プラズマから放出されEUV集光鏡に入射するEUV光の光路を遮光することなく、放電部の高密度高温プラズマ発生部にEUV光放射種を含む原料ガスを供給することが可能となる。特に、本構造によれば、高密度高温プラズマ発生部の中心に向かって円環状のガス供給口から略均一に原料ガスが供給されるので、ピンチ効果により形成される高密度高温プラズマの安定性が良好になる。
(3)上記原料ガス供給手段を二重管とし、該二重管の内側の管から上記原料ガスを供給し、外側の管からEUV光放射を行わないガスを供給することにより、放電ガスを、確実に放電部に到達させることができる。
また、高密度高温プラズマが形成された結果生成されるデブリは、該二重管の外側から供給されるEUV光放射を行わないガスにより押し出されて排気され、デブリが、EUV反射鏡側に流れるのを防ぐことができる。
(4)EUV光放射を行わないガスを高密度高温プラズマ発生部へ導入する際、予備電離を行うことが可能であり、予備電離された上記ガスは、高密度高温プラズマの形成に寄与するので、従来と同様、高密度高温プラズマ発生部で安定な放電を発生させることが可能となる。
(5)EUV光放射種を含む原料ガスを、放電部の集光鏡側から放電部の高密度高温プラズマ発生部へ導入し、また、高密度高温プラズマ発生部を貫通して集光鏡側に向かう方向に、放電により固体になることのないEUV光放射を行わないガスを供給し、上記原料ガスと衝突するようにしているので、各ガスの流量を調整することにより、高密度高温プラズマにおいて波長13.5nmのEUV光を放射する領域の位置制御を行うことが可能となる。そのため、従来、実質的に困難であった波長13.5nmのEUV光を放射する高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置との位置合わせを高精度に行うことが可能となる。
A.第1実施例
(1)第1の実施例の装置構成。
図1は本発明の第1の実施例のEUV光源装置の構成を示す図である。
本実施例のEUV光源装置は、前記図19と同様、放電容器であるチャンバ10を有する。チャンバ10内には、例えば、フランジ状の第1の主放電電極11(カソード)と第2の主放電電極12(アノード)とがリング状の絶縁材13を挟んで配置される。ここで、チャンバ10と第2の主放電電極12は接地されている。
フランジ状の第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、リング状の絶縁材13は、それぞれの貫通穴が略同軸上に位置するように配置し、連通孔を構成している。第1の主放電電極11および第2の主放電電極12間に、高電圧パルス発生部18により電力が印加されて放電が発生したとき、この連通孔もしくは連通孔近傍にて高密度高温プラズマが生成される。なお、第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13から構成され、高電圧パルス発生部18からのパルス電力により放電し高密度高温プラズマを生成する部分を、本発明では放電部1と呼ぶ。
チャンバ10内には、EUV集光鏡2が設けられる。EUV集光鏡2は、集光鏡保持機構2aによりチャンバ10内の所定の位置に保持される。
高密度高温プラズマ5から放射された波長13.5nmのEUV光は、上記したEUV集光鏡2により集光され、チャンバ10に設けられたEUV光取出部4より外部に取り出される。このEUV光取出部4は、図示を省略した露光機の露光機筐体に設けられたEUV光入射部と連結される。すなわち、EUV集光鏡2より集光されるEUV光は、EUV光取出部4、EUV入射部を介して露光機へ入射する。
上記した放電部1とEUV集光鏡2との間には、金属粉等のデブリや、EUV光放射種に起因するデブリ等の捕捉や運動エネルギーを低下させるとともにEUV光を通過させるためのホイルトラップ3が設置される。ホイルトラップ3は、チャンバ10内のホイルトラップ支持壁3aにより支持される。
尚、EUV光放射種に起因するデブリとは、例えば原料ガスがSnH4 の場合、原子状ガスであるSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx 等が相当する。
また、チャンバ10は、ホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁3aを境として、EUV集光鏡2が配置される空間と放電部1が配置される空間とに分割される。
チャンバ10の放電部1が配置される空間には、放電部1の圧力をモニタする圧力モニタ17およびガス排気ユニット15に接続されるガス排出口8が設けられる。ガス排気ユニット15は、この圧力モニタ17の測定値に基づき、放電部1の圧力調整やチャンバ内排気を行う。
なお、チャンバ10のEUV集光鏡2が配置される空間側に、バッファガスユニット16を接続して、EUV光の発光に関係のないガスを導入してもよい。バッファガスはEUV集光鏡2側から、ホイルトラップ3を通過して放電部1側に流れ、排気路を通って排気ユニット15から排気される。このようなバッファガスの流れが生じることにより、ホイルトラップ3では捕捉しきれなかったデブリが、放電部1側からEUV集光鏡2側に流れ込むのを防ぎ、デブリによるEUV集光鏡2のダメージを少なくすることができる。
図1において、図19に示した従来のDPP方式EUV光源装置の構成例と大きく相違する構成は、EUV光放射種を含む原料(例えば、SnH4 :以下SnH4 を例に取って説明する)を供給する原料供給ユニットの構成および配置である。また、新たに追加された、高密度高温プラズマが形成されても波長13.5nmのEUV光放射を行わないガス(例えば、アルゴン(Ar)ガス:以下Arを例に取って説明する)を供給する構成である。
原料供給ユニット14からの放電ガスは、流量制御器31を介してチャンバ10のEUV集光鏡2が設けられた側から導入され、放電ガス導入管31aにより放電部1の光出射側(EUV集光鏡やホイルトラップに対面する側)に導かれて、放電ガス供給ノズル31bから供給される。チャンバ10側のノズル31bの先端は、ノズル31bから放出されるSnH4 ガスが、高密度高温プラズマ発生部に導入されるように折り曲げられている。 なお、DPP方式のEUV光源装置においては、高密度高温プラズマから0°の角度で出射する光は露光には使用されない。そのため、放電ガス供給ノズル31bは、上記のよあにEUV光の光軸上(高密度高温プラズマから0°の角度で出射する光の軸上)に設けても問題は生じない。
なお、図20に示したように、ホイルトラップ3にはプレート3dを支持する内部リング3bが設けられるので、図2に示すように、内部リング3bにノズル31bを挿入して、EUV光の略光軸上にある内部リング3bの中央部から放電部1に向かって、SnH4 ガスを吹き出すようにしても良い。
一方、チャンバ10の第1の主放電電極11側には、Arガス導入管32aが接続される。このガス導入管32aは、流量制御器33を介して、自らデブリを発生せずまたEUV光の発生もしない例えばArガスを供給するAr供給ユニット32に接続される。
Ar供給ユニット32より供給されるArガスは、その流量を流量制御器33により調整され、Arガス導入管32aを通って、放電部1(高密度高温プラズマ発生部)に導入される。すなわち、Arガス流の方向は、EUV光出射側方向となる。
ここで、DPP方式EUV光源装置には、チャンバ10内で放電を発生させるときにチャンバ10内に供給されたEUV光放射種を含む原料を予備電離する予備電離手段を設けても良い。EUV光を発生させる際、放電部1の圧力は、例えば、1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。放電が発生し難い状況下で安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。
図1においては、予備電離ユニット6は、導電性である第1の主放電電極11の凸部と、第1の主放電電極11の凸部に挿入された管状の予備電離用絶縁材6aと、この予備電離用絶縁材6aに挿入された導電性のArガス導入管32aとにより構成される。
導電性である第1の主放電電極11の凸部およびArガス導入管32aは、予備電離用電源部19と接続される。予備電離用電源部19から電圧パルスが第1の主放電電極11の凸部およびArガス導入管32aの間に印加されると、図1に示すように、予備電離用絶縁材6a内表面に沿面放電が発生し、チャンバ10内に導入されるArガスの電離を促進する。
従来は、EUV光放射種を含む原料であるSnH4 が予備電離されていたが、本実施例では、Arガスが予備電離される。予備電離されたArガスは、SnH4 と高密度高温プラズマ発生部で衝突するとともに、SnH4 と高密度高温プラズマの形成に関与する。よって、Arガスを予備電離しても、従来と同様、高密度高温プラズマ発生部で安定な放電を発生させることが可能となる。
ここで、同軸状に配置されている第1の主放電電極11の凸部、予備電離用絶縁材6a、Arガス導入管32aは、上記したように、Arガス供給経路も兼ねている。
前述したようにチャンバ10は、ホイルトラップ3を境として、EUV集光鏡2が配置される側と放電部1が配置される側が分割され、ホイルトラップ3を支持する壁3aと、チャンバ10の放電部1側の外壁とを使って排気路が形成されており、放電部1に導入された上記Arガスは、放電部1の電極11,12の連通孔を通り、チャンバ10に流れ込むガス流を作り、上記排気路からガス排気ユニット15により排気される。
同様に、放電部1に供給されたSnH4 などの原料ガスも上記排気路を通ってガス排気ユニット15により排気される。
なお、チャンバ10において、ホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁3aで区分された放電部の位置する空間に繋がるガス排出口8を、複数設けても良い。
例えば、複数のガス排出口を光軸の周りに等間隔で配置すれば、上記放電部1の位置する空間におけるガス溜まりも少なくなり、効率よく排気できる。
また図1に示すDPP方式EUV光源装置は、制御部20を有する。この制御部20は、図19に示したのと同様、露光機制御部21からのEUV発光指令等に基づき、高電圧パルス発生部18、予備電離用電源部19、原料供給ユニット14、ガス排気ユニット15、バッファガスユニット16を制御する。さらに、制御部20は、Ar供給ユニット32を制御するとともに、流量制御器31、流量制御器33により、SnH4 などの原料ガス、Arガスの流量を制御する。
このようなDPP方式光源装置において、第1、第2の主放電電極11,12間に高電圧パルス発生部18よりパルス電力が印加されると、絶縁材13表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1、第2の主放電電極11,12間は実質、短絡状態になり、パルス状の大電流が流れる。
また、Arガスが、予備電離ユニット部6を通過中に、予備電離されて放電部1に供給され、略同軸上に配置された第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13が形成する連通孔もしくは連通孔近傍にプラズマが形成される。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって、プラズマが加熱して励起される。その結果、上記プラズマの略中心部に高密度高温プラズマが形成される。この高密度高温プラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
予備電離ユニット部6によりArガスが予備電離されて放電部1に供給されるため、放電部1でのSnH4 の放電が生じやすくなり高密度高温プラズマの放電の再現性が向上し、EUV光の出力が安定化する。
高密度高温プラズマ5から放射された波長13.5nmのEUV光は、上記したEUV集光鏡2により集光され、EUV光取出口4から取り出される。
なお、EUV光取出口4には、後述する集光点位置の位置合わせのため、集光点位置モニタ9が設置され、このモニタによりEUV光の集光点位置がモニタされ、集光点位置の位置合わせが行われる。
(2)第1の実施例の放電部におけるガスの流れおよびEUV光を放射する領域の位置の制御。
上記したように、本発明は、高密度高温プラズマ発生部(略同軸上に配置された第1の主放電電極11、第2の主放電電極12、絶縁材13が形成する連通孔もしくは連通孔近傍)において、SnH4 ガスとArガスとが衝突するように、両ガスを放電部1へ導入する。
特に、EUV光放射種を含む原料がSnH4 やLi蒸気等の場合、高密度高温プラズマ形成後に生成される放電種に起因するデブリが絶縁材13に付着する可能性が高い。よって、上記したように、本発明においては、SnH4 ガス(あるいは、Li蒸気等)をEUV光放出側(集光鏡側)から放電部1へ導入し、Arガスを高密度高温プラズマ発生部においてSnH4 ガスと衝突するように放電部1へ導入するように構成されている。
また、上記各ガスの流量を調整することにより、後述するように高密度高温プラズマにおいて波長13.5nmのEUV光を放射する領域の位置制御を高精度に行うことが可能となる。
図3に本実施例の放電部の拡大図を示し、放電ガスの流れを説明する。
図3(a)に示すように、放電ガスであるスタナン(SnH4 )は放電ガス導入管31aにより放電部1の光出射側に導かれて、矢印Aのように、放電ガス供給ノズル31bから放電部1に供給される。
また、放電部1の光出射側とは反対側からは、放電により固体になることのない、付着物を発生しないガスであるアルゴン(Ar)が、矢印Bのように導入される。
そして、SnH4 とArはともに、矢印Cのように排気路からガス排気ユニット15により排気される流れを形成する。
放電部1に高電圧パルス発生部18により電力が印加され、ArとSnH4 により高密度高温プラズマが生成されるが、放電部1の光出射側からはSnH4 が、反対側からはArが供給されているので、プラズマは、放電部1の光出射側はSnH4 がリッチで、反対側はArがリッチな状態になる。Arリッチ領域側ではArイオンプラズマからの放射が支配的であるので、波長13.5nmのEUV光は放射されない。一方、SnH4 リッチ領域側ではSnイオンプラズマからの放射が支配的であるので、波長13.5nmのEUV光が放射される。
図3 (b)に示すように、SnH4 がリッチな部分からは、従来と同様に、Sn、Snx といった金属クラスタや、高蒸気圧のフラグメントSnHx が飛び出すが、反対側のArガスも膨張し、金属クラスタやフラグメントが放電部の奥である絶縁材の方向に向かうのを押し戻す。
また、金属クラスタやフラグメントは、反対側の金属ガス以外のガスと衝突し、運動エネルギーが低下し、絶縁材13にまで到達しにくくなる。
そして、金属クラスタやフラグメントは、放電部1を流れるArガスにより、排気路側に押し出され、放電部1の光出射側に設けられた排気路を通って、排気ユニット15から排気される。
これにより、Snおよび/またはSnの化合物が、絶縁材13に付着堆積する量が減少する。
さらに、プラズマの、光出射側のSnH4 がリッチな領域からEUV光が放射されるので、放電部1を構成する部材により遮光される量が減る。これによりEUV光の取り出し立体角が増えて、EUV光の出力を増すことができる。
次に、EUV光を放射する領域の位置の制御について説明する。
本実施例では、上述したように放電部1にSnH4 ガスとArガスとが衝突するように両ガスを供給しているので、Arリッチな領域とSnH4 な領域の境界は、互いに衝突するSnH4 ガスとArガスの流量に依存して移動する。
したがって、SnH4 ガスとArガスの流量を調整することにより、EUV光を放射する領域の位置制御を行うことが可能となる。
すなわち、図4(a)に示すように、Arガス流量が大きい場合は、Arリッチな領域とSnH4 な領域の境界は放電部のEUV光出射側に移動する。よって、波長13.5nmのEUV光を放射する領域もEUV光出射側に移動する。
一方、図4(b)に示すように、Arガス流量が小さい場合は、Arリッチな領域とSnH4 な領域の境界はEUV光出射側とは反対側に移動する。よって、波長13.5nmのEUV光を放射する領域もEUV光出射側とは反対側に移動する。
すなわち、図1に示した流量制御器31,33により各ガスの流量を調整することにより、高密度高温プラズマにおいて波長13.5nmのEUV光を放射する領域の位置制御を行うことが可能となる。
そのため、従来、実質的に困難であった波長13.5nmのEUV光を放射する高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置との位置合わせを高精度に行うことが可能となる。
なお、図5に示すように、図4に示す例とは逆にArガスをEUV光出射側(集光鏡側)から放電部1へ導入し、SnH4 ガスを高密度高温プラズマ発生部においてArガスと衝突するように放電部1へ導入することも考えられるが以下の理由から好ましくない。
発明者の実験の結果、高密度高温プラズマが形成された結果、SnH4 は分解し、原子状ガスであるSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx が生成される。これらは、チャンバ10内の低温部と接触して、Snおよび/またはSn化合物として堆積することが判明した。ここで、上記したSn化合物とは、例えば、Snの炭化物、酸化物などである。
露光処理を一時中断するために、放電部1における放電を停止させると、EUV光源装置内部、特に第1の主放電電極11、第2の主放電電極12及び絶縁材13の温度が低下する。この温度が低下した部分に、上記したような堆積物が堆積する。
一方、放電の発生中においても、上記金属クラスタや、プラズマにより生じるフラグメントSnHx 等が飛び出し、これらが絶縁材に到達し付着することが判明した。
図3、図4に示した例では、SnH4 ガスはArガスと衝突し、高電圧高温プラズマ発生部である連通孔を通過せず、絶縁材13にはほとんど到達しない。すなわち、絶縁材13はArリッチ領域内に位置する。そのため、高密度高温プラズマが形成された結果生成される、原子状ガスであるSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx も絶縁材にほとんど到達せず、堆積物もほとんど堆積しない。
一方、図5に示す例では、SnH4 ガスが高電圧高温プラズマ発生部である連通孔を通過する。すなわち、絶縁材13はSnH4 リッチ領域内に位置する。そのため、高密度高温プラズマが形成された結果生成される、原子状ガスであるSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx が絶縁材13に到達し、堆積物が堆積する確率が高くなる。
絶縁材の表面にSnおよび/またはSn化合物が堆積すると、前述したように第1と第2の放電電極間が導通化し、高密度高温プラズマ自体が発生し難くなる。
すなわち、高密度高温プラズマから放出されるEUV光のpulse-to-pulseのエネルギー安定性やEUV光放出位置安定性(pointing stability)といった、EUV光源装置から出射するEUV光の特性が不安定になる。
そのため、図3、図4に示すように、SnH4 ガスを放電部のEUV光出射側(集光鏡に対面する側)から放電部へ導入し、Arガスを高密度高温プラズマ発生部においてSnH4 ガスと衝突するように放電部へ導入することが好ましい。
なお、実際は、ArガスとSnH4 ガスとが衝突する部分は、ArガスとSnH4 ガスとが混在する。よって、Arリッチな領域とSnH4 な領域との境界部分も両ガスが混在した曖昧な境界となる。
図3〜図5に示すモデル図においては、理解を容易にするために、Arリッチな領域とSnH4 リッチな領域の境界を破線もしくは実線で示している。
(3)第1実施例の変形例
図6は第1の実施例の変形例を示す図である。
上記実施例では、放電ガスを供給するノズル31bが高密度高温プラズマ5から放出されEUV集光鏡2に入射するEUV光の光路を横切っており、その分、EUV光が遮光される。
そこで、本変形例では、EUV光の一部がSnH4 を放電部に供給するためのノズルにより遮光されないようにするため、例えば、図6に示すように、ノズルを円環状ノズル構造にした。
図6において、放電部1とホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁3aとの間の空間に円環状ノズル部材41を設置する。この円環状ノズル部材41は、放電部1とホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁3aとの間の空間をさらに区分するものである。
円環状ノズル部材41は、例えば円板構造であり、中央部に開口を有する。この開口は、高密度高温プラズマ5から放出されEUV集光鏡2に入射するEUV光の光路を確保できる大きさに設定される。開口の周縁部は、放電部1に向かって曲げられている。
円環状ノズル部材41と放電部1とが作る空間に原料導入口42が設けられる。この原料導入口42は、流量制御器31を介して原料供給ユニット14と接続される。
円環状ノズル構造は、放電部1と板状の円環状ノズル部材41とから構成される。円環状ノズル構造のガス供給口は、放電部1の第2の主放電電極12と、放電部1に向かって曲げられている円環状ノズル部材41の開口の周縁部との間の隙間となる。よって、ガス供給口の形状は、円環状になる。すなわち、放電部1と円環状ノズル部材41が包囲する空間に設けられた原料導入口42からSnH4 ガスが導入されると、ガスは、円環状ノズル部材41の開口の周縁部に施された曲げ部分に沿って流れ、円環状のガス供給口から放電部1の高密度高温プラズマ発生部に供給される。
前記図1の構造では、放電ガスを導入する導入管31aがEUV光の通過する領域を横切るため、高密度高温プラズマ5から発生するEUV光の一部が放電ガス導入管31aにより遮光されていた。しかし、このような構成にすることにより、EUV光が放電ガス導入管により遮光されることがない。
また、円環状の放電ガス供給ノズル部材41は、図6に示すように、高密度高温プラズマ5に直接さらされない位置に配置することができる。したがって、放電ガス供給ノズル部材41が、プラズマからの熱ダメージを受けるのを防ぐことができ、EUV光の強度を大きくするために、放電部に大電力を投入しても長時間の運転が可能となる。
なお、前記した円環状ノズル構造は、放電部1と板状の円環状ノズル部材41とから構成されているが、図7(a)に示す、円環状ノズル構造体41’のように構成してもよい。円環状ノズル構造体41’の開口41aは、高密度高温プラズマ5から放出されEUV集光鏡2に入射するEUV光の光路を確保できる大きさに設定される。円環状ノズル構造体41’の内部には円環状の空洞(ガス流路)が形成されており、この空洞には円環状ノズル構造体の外輪部を貫通する放電ガス導入管41bが接続されている。放電ガス導入管41bは、流量制御器31を介して原料供給ユニット14に接続されており、原料供給ユニット14からのSnH4 ガスは、放電ガス導入管41bから円環状ノズル構造体41’の空洞に供給される。
一方、円環状ノズル構造体41’の内輪部には、円環状の開口であるノズル部41cが設けられている。従って、円環状ノズル構造体41’の空洞に供給されたSnH4 ガスは、ノズル部41cより、開口41aの中心に向かって放出される。図7(b)に示すように円環状ノズル構造体41’の空洞は、放電部1に向かって曲げられており、ノズル部41cにより放出されるSnH4 ガスは、効率よく放電部1の高密度高温プラズマ発生部に供給される。
円環状ノズル構造体41’として構成される円環状ノズル構造を採用すれば、前記した放電部1と板状の円環状ノズル部材41とから構成される円環状ノズル構造を採用する場合と同様、EUV光が放電ガス導入管により遮光されることがないようにすることができる。
なお、円環状ノズルの構造は、図7(c)に示すように、複数のガス供給口を等間隔に設けたものでもよい。
図8に、本実施例の放電部の拡大図を示し、放電ガスの流れを説明する。
放電ガス導入管41bから導入されたSnH4 は、放電部の第2の主放電電極12の光出射側に設けられた、円環状の放電ガス供給ノズル部材41から、円環の内側に向けて矢印Aのように吹き出す。
また、放電部1の光出射側とは反対側からは、Arが、矢印Bのように導入される。そして供給されたガスは、矢印Cのように排気路からガス排気ユニット15により排気される。
放電部1に高電圧パルス発生部18により電力が印加されると高密度高温プラズマが生成されるが、図3と同様に、放電部1の光出射側はSnH4 がリッチで、反対側はArがリッチな状態になる。ArはEUV光を放射しないので、プラズマのSnH4 がリッチな領域からEUV光が放射される。
SnH4 がリッチな部分から飛び出したSn、Snx といった金属クラスタや、高蒸気圧のフラグメントSnHx は、反対側のArガスの膨張により押し戻され、また、金属クラスタやフラグメントは、反対側の金属ガス以外のガス(Arガス)と衝突し、運動エネルギーが低下し、絶縁材13にまで到達しにくくなる。
そして、SnH4 からの金属クラスタやフラグメントは、放電部1を流れるArガスにより、放電部1の光出射側に押し出され、チャンバ10に設けられた排気路を通って、排気ユニット15から排気される。
上記のように、放電ガスは円環状ノズル構造(円環状ノズル部材41、円環状ノズル構造体41’)から内側に向けて吹き出される。したがって、放電ガスは放電部の連通孔の軸対称に供給されることになり、プラズマがピンチされる位置が安定するとともに電極への熱負荷も均一になり、局所的な熱負荷の発生も低減する。そのため、EUV光の出力が安定するとともに、高出力化も可能になる。
また、放電ガス供給ノズル部材41への入熱を少なくできるため、放電部1に大きな電力を投入しても、長時間の運転が可能になる。
B.第2実施例
(1)第2の実施例の装置構成
図9を用いて本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例は、放電部の光出射側からも、金属ガス以外のガス(放電により固体になることのない例えばArのようなガス、付着物を発生しないガス)を供給する例である。
図9の装置においては、図1の装置と同様に、SnH4 は、放電ガス導入管43aにより放電部1の光出射側に導かれて、放電ガス供給ノズル43bから供給される。
また、Ar供給ユニット32からAr導入管44aを介して供給されるArガスが、Ar供給ノズル44bから放電部1に供給される。
図9(b)に、放電ガス供給ノズル43b、Ar供給ノズル44bの断面図を示す。同図に示すように、放電ガス供給ノズル43b、Ar供給ノズル44bは二重管になっており、内側の管には放電ガスであるSnH4 が流れるが、外側の管にはArが流れる。
なお、図9では、分かりやすいように放電ガス供給ノズル43b、Ar供給ノズル44bを太く描いたので、高密度高温プラズマから放射されるEUV光が、放電ガス供給ノズル31bにより全て遮られるように見えるが、実際のガス導入管は細い。
その他の構成は前記図1に示したものと同じであり、同一のものには同一の符号が付されている。
(2)第2の実施例の装置の放電部におけるガスの流れ
図10に本実施例の放電部の拡大図を示し、同図により本実施例における放電ガスの流れを説明する。
図3と同様に、放電ガス導入管43aから導入された放電ガス(スタナン:SnH4 )は、放電部1の光出射側に設けられた放電ガス供給ノズル43bから、放電部に向けて矢印Aのように吹き出す。
また、放電部1の光出射側とは反対側からは、前述したようにArが、矢印Bのように導入される。
さらに、SnH4 が吹き出すノズル43bの周りからもArガスが、放電部1の方向に向けて吹き出される。SnH4 ガスは周囲をArのガスの流れ(矢印C)により囲まれるため、広がることなく、確実に放電部1に到達する。
放電部1に高電圧パルス発生部18により電力が印加される。第1の実施例と同様に、放電部1の光出射側はSnH4 がリッチで反対側はArがリッチな高密度高温プラズマが生成され、SnH4 がリッチな領域からEUV光が放射される。
そして、SnH4 からの金属クラスタやフラグメントは、光出射側とは反対側から供給され放電部1を流れるArガスにより押し出され、放電部1の光出射側に設けられた排気路を通って、排気ユニット15から排気される。
この時、光出射側から供給されたArガスは、矢印Cに示されるとおり、金属クラスタやフラグメントに対してEUV反射鏡2側を流れて排気される。したがって、このArはいわゆるガスシールド効果を奏し、プラズマや放電後のガスにより発生したデブリが、EUV反射鏡側に流れるのを防ぐことができる。特に、上記のようにArガスを流すことにより、プラズマが膨張する際に、SnH4 がはじかれて集光鏡側にいくのを抑止することができる。
なお、上記では、光入射側と光出射側から同一ガスであるArガスを流す場合について説明したが、光入射側から流すガスとは異なったガスを光出射側から流してもよい。また、光出射側からArガスと他のガス(例えば塩素:Cl)との混合ガスを流すようにしてもよい。
(3)第2の実施例の変形例
図11は、第2の実施例の変形例である。本実施例は、第1の実施例の変形例のように第2の主放電電極12の光出射側に設けた円環状のノズル部材41からSnH4 を供給する装置に、Arガスをガスシールドとして、放電部の光出射側から供給するようにした場合の構成例である。
Arガスは前記第2の実施例と同様、Ar供給ユニット32からアルゴン導入管44aを介して導入され、Arガス供給ノズル44bから放電部1に供給される。
図12(a)に本実施例の放電部の拡大図を示し、同図により、放電ガスの流れを説明する。
図8の場合と同様に、SnH4 は放電部1の第2の主放電電極12の光出射側に設けられた、円環状ノズル構造(円環状ノズル部材41、円環状ノズル構造体41’)から、円環の内側に向けて矢印Aのように吹き出す。また、放電部1の光出射側とは反対側からは、Arが、矢印Bのように導入される。さらに、Arは、矢印cのようにAr供給ノズル44bから放電部1の光出射側に向けて吹き出される。
円環状の放電ガス供給ノズル部材41から出たSnH4 ガスは、Arガス供給ノズル44bから出たArガスに押されて、放電部1に到達する。
放電部1に高電圧パルス発生部18により電力が供給される。放電部1の光出射側はSnH4 がリッチで反対側はArがリッチな高密度高温プラズマが生成され、SnH4 がリッチな領域からEUV光が放射される。
SnH4 からの金属クラスタやフラグメントは、光出射側とは反対側から供給され放電部1を流れるArガスにより、放電部1の光出射側に押し出され、チャンバ10に設けられた排気路を通って、排気ユニット15から排気される。
図10の場合と同様に、SnH4 ガスはArガスに押されて確実に放電部1に送られる。また、光出射側から供給されたArガスは、金属クラスタやフラグメントに対してEUV反射鏡側を流れ、プラズマや放電後のガスにより発生したデブリが、EUV反射鏡2側に流れるのを防ぐことができる。
なお、図12(b)のように、Arガスを供給するノズル44bの、ガスの吹き出す方向を、高密度高温プラズマから放射されるEUV光を横切るようにしても、プラズマや放電後のガスにより発生したデブリがEUV反射鏡2側に流れるのを防ぐことができる。
C.EUV光の集光点位置の位置合わせ
本発明では前述したように、SnH4 などの放電ガスと、Arなどの金属ガス以外のガスを放電部に供給しているので、SnH4 とArガスの流量を調整することにより、EUV光を放射する領域の位置制御を行うことが可能であり、これによりEUV光の集光点位置の位置合わせを行うことができる。
以下、集光点位置の位置合わせについて、前記図1に示したEUV光源装置を例として説明する。なお以下の説明はその他の実施例の装置にも同様に適用することができる。
図1に示すように、EUV光取出部4のEUV光の集光点Sとして設計されている位置の光軸上に集光点位置モニタ9が設置され、EUV光の集光点位置Sがモニタされる。
そして、このモニタ結果に基づき、放電部1へ供給されるArガスとSnH4 ガスの流量を、流量制御器31,33を用いて調整することにより、EUV光の集光点Sの位置を設計位置に位置合わせすることが可能となる。
なお、集光点位置モニタ9で測定する集光点位置情報としては、例えば、集光点位置モニタ上のEUV光パターン形状またはEUV光強度等から求められる。
ここで、EUV集光鏡2のチャンバ10への取り付けは、集光鏡保持機構2aによりEUV集光鏡2を取り付けたときに、EUV集光鏡2が傾かないような機械構造設計がなされており、EUV光の光軸の傾き(すなわち、EUV集光鏡の傾き)の位置合わせは、チャンバ10にEUV集光鏡2に設置した際に、高精度に行われているとする。
よって、EUV光の集光点位置Sの位置合わせは、放電部1もしくはEUV集光鏡2を光軸方向にのみ移動させることにより行われる。
すなわち、EUV光の集光点位置の光軸上における位置は、集光点位置モニタ9上のEUV光パターン形状またはEUV光強度等から算出することができる。
位置合わせ終了後、集光点位置モニタ9を光路から除去すると、次回のEUVパルス発光より、EUV光は、EUV光取出部4より外部に取り出される。このEUV光取出部4は、図示を省略した露光機の露光機筐体に設けられたEUV光入射部と連結される。すなわち、EUV集光鏡2により集光されるEUV光は、EUV光取出部、EUV入射部を介して露光機へ入射する。
なお、EUV集光点位置は、EUV光エネルギー密度が大きく、集光点位置モニタ9にダメージが発生することが懸念される場合は、例えば、図13(a)に示すように、集光点位置モニタを集光点Sより所定距離離して設置し、集光点位置モニタ上のEUV光のエネルギー密度が小さくなうようにしてもよい。集光点Sより所定距離離した位置における集光点位置モニタ上のEUV光パターン形状あるいはEUV光強度等の集光点位置情報と集光点位置との相関を予め求めておけば、その相関関係から演算して、集光点位置を算出することが可能となる。
あるいは、図13(b)に示すように、EUV集光鏡2から放出されるEUV光の一部をビームサンプラー9aで光軸以外の方向に取り出し、サンプリングしたEUV光の略集光点位置に集光点位置モニタ9を設置し、集光点位置モニタ9上のEUV光のエネルギー密度が小さくなるようにしてもよい。サンプリングしたEUV光の集光点位置と、EUV集光鏡2から放出されるEUV光の集光点位置との相関を予め求めておけば、その相関関係から演算して、集光点位置を算出することが可能となる。
次に、図14、図15のフローチャート、図16、図17のタイムチャートにより、本発明のEUV光源装置における集光点の位置合わせ手順例について説明する。
図14、図15は、本手順例のフローチャートであり、図16は後述する集光点の位置情報が集光点位置モニタ上のEUV光パターン形状である場合のタイミングチャート、図17は後述する集光点の位置情報がEUV光強度である場合のタイミングチャートである。
(1)集光点位置モニタ9を、所定の位置に設置する(図14のステップS101、図16のa,図17のa)。設置位置は、EUV集光鏡2によるEUV光集光点位置でもよいし、図13に示すような、集光点位置と相関関係にある位置に設置してもよい。
(2)集光点位置モニタ9を所定位置に設置後、露光装置の制御部21に集光点位置モニタ設置完了信号を送信する(図14のステップS102)。集光点位置モニタ設置完了信号は、作業者が送信してもよいし、集光点位置モニタの自動着脱機構をEUV光源装置に設けている場合は、EUV光源装置より送信してもよい。この場合、制御部20は、集光点位置モニタ9の自動着脱機構も制御可能に設計されており、図14のステップS101において、自動着脱機構を制御して集光点位置モニタの位置決めを行う。
(3)集光点位置モニタ設置完了信号を受信した露光機の制御部21は、EUV光源装置の制御部20にスタンバイ信号を送信する(図14のステップS103、図16のb,図17のb)。
(4)スタンバイ信号を受信したEUV光源装置の制御部20は、原料供給ユニット14および流量制御器31を制御して、原料供給量(SnH4 流量)が所定量となるようにする(図16のi,j、図17のi,j)。一方、Ar供給ユニット32および流量制御器33を制御して、Arガス流量が所定量となるようにする(図14のステップS104、図16のg,h,図17のg,h)。
(5)EUV光源装置の制御部20は圧力モニタ17から送信される圧力データに基づき、高密度高温プラズマ発生部の圧力が所定の圧力(例えば、1〜20Pa)となるように、ガス排気ユニット15を制御して、ガス排気量を調節する(図14のステップS105、図16のk,図17のk)。
(6)EUV光源装置の制御部20は、露光機の制御部21にスタンバイ完了信号を送信する(ステップS106)。
(7)スタンバイ完了信号を受信した露光機の制御部21は、EUV光源装置の制御部20に、EUV発光指令信号を送信する(図14のステップS107、図16のm,図17のm)。
なお、EUV発光指令信号の送信は、本ステップに移行後、図16,図17に示すように所定の繰り返し周波数で断続的に送信される。
(8)EUV発光指令信号を受信したEUV光源装置の制御部20は、予備電離電源19を制御して予備電離ユニット6に電力を供給し、予備電離ユニット6を動作させ予備電離を行うとともに、高電圧パルス発生部18にトリガ信号を送信する(図14のステップS108、図16のn,o,図17のn,o)。上記したようにEUV発光指令信号は所定の繰り返し周波数で断続的に送信されるので、高電圧パルス発生部18に送信するトリガ信号も所定の繰り返し周波数で断続的に送信される。
(9)トリガ信号を受信した高電圧パルス発生部18は、第1の主放電電極11(カソード)、第2の主電極12(アノード)間に、パルス電力を印加する。絶縁材13表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1の主放電電極11、第2の主放電電極12間は実質、短絡状態になり、第1の主放電電極11、第2の主放電電極12間にパルス状の大電流が流れる。
その後、ピンチ効果とジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部に高密度高温プラズマ5が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される(図16のp,図17のp)。放射されたEUV光は、第2の主放電電極12側(アノード)に設けられたEUV集光鏡2により反射され、集光する(図14のステップS109)。 上記したようにトリガ信号は所定の繰り返し周波数で断続的に送信されるので、EUV光の放射も所定の繰り返し周波数で断続的に行われる。
(10)この集光点の位置Sは、集光点位置モニタ9により測定され、測定結果がEUV光源装置の制御部20に送信される(図14のステップS110)。
なお、集光点の位置情報は、上記したように、集光点位置モニタ9上のEUV光パターン形状(光パターンの大きさ)またはEUV光強度等から算出される。
図16のeは光パターンの大きさを示し、図17のeは光の強度を示しており、光パターンが大きい場合は光強度が小さく、また、光パターンが小さい場合には光強度は大きくなる。
上記したように、EUV光の放射は所定の繰り返し周波数で断続的に行われるので、測定結果の送信もそれに対応して行われる。
(11)EUV光源装置の制御部20は、EUV光パターン形状またはEUV光強度の閾値Aを予め記憶している。
上記閾値Aは、位置合わせ中の集光点の位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲内にあるかどうかを判定するためのものであり、EUV光の集光点位置Sが設計上の集光点位置からずれていると、集光点位置モニタ9上のEUV光パターン形状は大きくなる。この偏差の上限状態における集光点位置モニタが検出したEUV光パターン形状の大きさを、ここではAdとする。検出された光パターンの大きさが、この上限Adに達していなければ、集光点の位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲内にあるとする。
同様に、集光点の位置に関する情報がEUV光強度である場合、EUV光の集光点位置が設計上の集光点位置からずれていると、集光点位置モニタ9が検出するEUV光強度は小さくなる。
この偏差の下限状態における集光点位置モニタが検出したEUV光強度を、ここではAIとする。検出された光強度が、この下限AIを超えていれば、集光点の位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲内にあるとする。
(12)図14のステップS110において集光点位置モニタ9から集光点の位置Sに関する情報B(光パターンの形状Bdあるいは光強度BI)を受信したEUV光源装置の制御部20は、この位置に関する情報Bと上記閾値A(AdもしくはAI)との大小を検定する(図15のステップS111)。
(13)集光点の位置Sに関する情報がEUV光パターン形状の場合、図15のステップS111において、Bd≦Adのときは図15のステップS112に移行する。Bd>Adのときは図15のステップS113に移行する。
一方、集光点の位置Sに関する情報がEUV光強度である場合、AI≦BIのときは図15のステップS112に移行する。AI>BIのときは図15のステップS113に移行する。
(14)Bd≦AdもしくはAI≦BIのときは、集光点位置モニタで測定時の集光点位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲内にあるので、位置合わせの必要がない。
そこで、図15のステップS112においては、EUV光源装置の制御部20は、露光装置の制御部21に位置合わせ終了信号を送信する(図16のc,図17のc)。
(15)位置合わせ終了信号を受信した露光装置の制御部21は、EUV発光指令信号の送信を停止する(図15のステップS114)。この結果、EUV光の発光も停止する。(16)集光点位置モニタ9を所定の位置から離脱させ(図16のa,図17のa)、集光点位置モニタ離脱完了信号を露光装置の制御部21に送信する。
この集光点位置モニタ離脱完了信号は、作業者が送信してもよいし、集光点位置モニタ9の自動着脱機構をEUV光源装置に設けている場合は、EUV光源装置より送信してもよい。この場合、制御部20は、自動着脱機構を制御して集光点位置モニタ9の離脱を行う(図15のステップS115)。以上により、EUV光の集光点位置の位置合わせが終了となる。
(17)また、Bd>AdもしくはAI>BIのときは、集光点位置モニタ9で測定時の集光点位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲外であるので、位置合わせを行う必要がある。
図15のステップS113において、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器31もしくは流量制御器33に所定量だけ流量を増加もしくは減少させるように流量変更信号を送信する(図16のd,図17のd)。ここでは、例として、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器33に対し、Arガスの流量を所定量だけ増加させるように流量変更信号を送信するとする。
(18)流量変更信号を受信した流量制御器33は、Arガスの流量が所定量だけ増加するように流量を調節し、調節終了後、調節終了信号をEUV光源装置の制御部に送信する(図15のステップS116、図16のh,図17のh)。
(19)上記したように、所定の繰り返し周波数で断続的に行われるEUV光の放射に対応して、集光点位置モニタ9は測定結果を送信している。よって、EUV光源装置の制御部20は、所定の繰り返し周波数で断続的に行われるEUV光の放射に対応して、集光点位置モニタ9は測定結果を受信している(図16のe,図17のe)。
(20)調節終了信号を受信したEUV光源装置の制御部20は、そのタイミング以降で受信した集光点位置モニタ9からの測定結果であるEUV光の集光点位置Sの位置情報Bd(今回)と、前回受信した位置情報Bd(前回)とを比較する。もしくは、BI(今回)とBI(前回)とを比較する(図15のステップS117、図16のf,図17のf)。
(21)集光点の位置情報がEUV光パターン形状の場合、図15のステップS117において、Bd(前回)>Bd(今回)のときは図15のステップS118に移行する。Bd(前回)≦Bd(今回)のときは図15のステップS119に移行する。
一方、集光点の位置情報がEUV光強度である場合、BI(前回)≦BI(今回)のときは図15のステップS118に移行する。BI(前回)>BI(今回)のときは図15のステップS119に移行する。
(22)Bd(前回)>Bd(今回)もしくはBI(前回)≦BI(今回)のときは、図15のステップS116において、Arガスの流量の調節方向(この例では、上記したように流量を増加させる方向)が適正であったことを示している。よって、図15のステップS118において、EUV光の集光点位置Sの位置情報Bd(今回)と上記閾値Adとの大小を検定する。あるいは、BI(今回)とAIとの大小を検定する。
検定の結果、集光点の位置情報がEUV光パターン形状の場合、Bd(今回)≦Adのときは図15のステップS112に移行する。Bd(今回)>Adのときは図15のステップS120に移行する。
一方、集光点の位置情報がEUV光強度である場合、AI≦BI(今回)のときは図15のステップS112に移行する。AI>BI(今回)のときは図15のステップS120に移行する。
(23)Bd≦AdもしくはAI≦BIのときは、集光点位置モニタで測定時の集光点位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲内にあるので、位置合わせの必要がない。そこで、図15のステップS112、S114、S115と進み、EUV光の集光点位置の位置合わせを終了する。
(24)一方、Bd>AdもしくはAI>BIのときは、集光点位置モニタで測定時の集光点位置と設計上の所定の集光点との位置との光軸上の偏差が許容範囲外であるので、更なる位置合わせを行う必要がある。
なお、図15のステップS117において、Arガスの流量の調節方向(本例では、流量を増加させる方向)が適正であると検定された状態(すなわち、Bd(前回)>Bd(今回)もしくはBI(前回)≦BI(今回))であるので、図15のステップS120においては、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器33に対し、Arガスの流量を図15のステップS116の調節方向と同じ調節方向に、所定量だけ更に増加させるように流量変更信号を送信する(ステップS120、図16のd、図17のd))。
(25)流量変更信号を受信した流量制御器33は、Arガスの流量が所定量だけ増加もしくは減少するように流量を調節し、調節終了後、調節終了信号をEUV光源装置の制御部20に送信する(図15のステップS121)。その後、再び図15のステップS117以降の手順を繰り返す。
(26)一方、図15のステップS117における検定の結果、Bd(前回)≦Bd(今回)もしくはBI(前回)>BI(今回)の場合は、図15のステップS116において、Arガスの流量の調節方向(本例では、流量を増加させる方向)が不適正であることを示している。
よって、図15のステップS119において、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器33に対し、Arガスの流量の調節方向が逆方向(本例では、流量を減少させる方向)になるように流量変更信号を送信する。なお、流量の減少量は、前回の調節における流量の増加量より大きくなるように設定する。
(27)流量変更信号を受信した流量制御器33は、Arガスの流量が図15のステップS119において設定した所定量だけ減少するように流量を調節し、調節終了後、調節終了信号をEUV光源装置の制御部に送信する(図15のステップS122)。その後、再び図15のステップS117以降の手順を繰り返す。
なお、上記位置合わせ手順例においては、図15のステップS113において、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器33に対し、Arガスの流量を所定量だけ増加させるように流量変更信号を送信しているがこれに限るものではない。例えば、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器33に対し、Arガスの流量を所定量だけ減少させるように流量変更信号を送信してもよい。あるいは、EUV光源装置の制御部20は、流量制御器31に対し、SnH4 ガスの流量を所定量だけ増加もしくは減少させるように流量変更信号を送信してもよい。
また、図15のステップS111,S117,S118における検定は、毎パルス毎行う必要はなく、Ar流量が変化したあとの任意のパルスについて行ってもよい。あるいは、Ar流量が変化したあとの任意のパルス列の平均に対して行ってもよい。
ところで、上記実施例では、EUV光放射種を含む原料ガスとして、SnH4 を用いる事例を示したが、これに限るものではなく、Li蒸気等、Liを含むガス、Sn蒸気、高次のSn水素化物を用いることが可能である。
また、高密度高温プラズマが形成されても波長13.5nmのEUV放射を行わないガスとして、Arを用いる事例を示したが、これに限るものではなく、例えば、Kr、He等を使用することが可能となる。
D.実験例
前述したように、本発明においては、放電部の光出射側から放電ガスを、反対側から、放電により固体になることのないガス、付着物を発生しないガスを供給しているので、放電ガスに起因する物質が、絶縁材に付着堆積することを防ぐことができ、これにより放電部での長時間の安定した放電が可能になる。
本発明の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
図18に実験データを示す。同図に示す実験は、放電ガスとしてスタナンを使用し、図19に示したの従来例の装置と、図1に示した第1の実施例の装置を使用し、発生するEUV光の強度を測定することにより行なった。放電部1の光出射側とは反対側から供給する金属ガス以外のガスとしては、アルゴンを用いた。
図18は、1kHzの周波数で放電を発生させた時のEUV光の強度を示した図であり、aは図19の従来例装置、bは図1の本願装置によるデータであり、横軸は放電のパルス数、縦軸はEUV光の強度(任意単位)である。
図18のaに示す従来例装置においては、EUV光の強度が小さいが、これは、使用後すぐにスタナンからのSnおよび/またはSn化合物が絶縁材の表面に堆積し、この部分を電流が流れることにより電力が失われ、プラズマに供給されるエネルギーが少なくなるためである。
一方、本発明の装置においては、図18のbに示すように、従来例装置のようにすぐにSnおよび/またはSn化合物が絶縁材の表面に堆積することがなく、従来に比べてEUV光の強度が5倍から10倍大きくなった。また、実験後、絶縁材13へのSnの付着物を肉眼で確認したが、ほとんど認められなかった。絶縁材13にSnおよび/またはSn化合物が堆積しないので、電力の損失がなく、プラズマに供給されるエネルギーが大きくなり、EUV光の強度が大きくなったと考えられる。
本発明の第1の実施例のEUV光源装置の構成を示す図である。 ホイルトラップに原料ガスを供給するノズルを設けた場合の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施例の放電部の拡大図である。 EUV光を放射する領域の位置制御を説明する図である。 図4に示す例とは逆にArガスをEUV光出射側(集光鏡側)から放電部1へ導入する場合を示す図である。 第1の実施例の変形例を示す図である。 円環状ノズル構造体の構成例を示す図である。 第1の実施例の変形例の放電部の拡大図である。 本発明の第2の実施例のEUV光源装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施例の放電部の拡大図である。 第2の実施例の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施例の変形例の放電部の拡大図である。 集光点位置モニタの設置例を示す図である。 集光点位置の位置合わせ手順を示すフローチャート(1)である。 集光点位置の位置合わせ手順を示すフローチャート(2)である。 集光点位置の位置合わせ動作(集光点の位置情報が光パターン形状の場合)のタイミングチャートである。 集光点位置の位置合わせ動作(集光点の位置情報が光強度の場合)のタイミングチャートである。 実験結果を示す図である。 DPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す図である。 ホイルトラップの構成例を示す図である。 高密度高温プラズマの位置とEUV集光鏡の位置との位置合わせ手順例を示す図である。 Sn化合物がEUV光源装置の放電部(電極部および絶縁体)に付着堆積する様子を示す図である。 Sn、Snx といった金属クラスタやフラグメントSnHx 等が飛び出す様子を示す図である。
符号の説明
1 放電部
2 EUV集光鏡
2a 集光鏡保持機構
3 ホイルトラップ
4 EUV光取出部
5 高密度高温プラズマ
6 予備電離ユニット
8 ガス排気口
9 集光点位置モニタ
11 第1の主放電電極
12 第2の主放電電極
13 絶縁材
14 原料供給ユニット
15 ガス排気ユニット
16 バッファガスユニット
17 圧力モニタ
18 高電圧パルス発生部
19 予備電離用電源
20 制御部
21 露光機(制御部)
31 流量制御器
31a 放電ガス導入管
31b 放電ガス供給ノズル
32 Ar供給ユニット
32a Arガス導入管
33 流量制御器
41 円環状ノズル部材
41a 開口
42 原料導入口
43a 放電ガス導入管
43b 放電ガス供給ノズル
44a アルゴン導入管
44b アルゴン供給ノズル
S 集光点

Claims (8)

  1. 容器と、
    この容器内に、金属の極端紫外光放射種および/または金属の極端紫外光放射種の化合物を含む放電ガスを供給する放電ガス供給手段と、
    絶縁材を挟みこの絶縁材とともに連通孔が設けられた一対の主放電電極からなる、上記 容器内で放電により上記放電ガスを加熱して励起し高密度高温プラズマを発生させるための加熱励起手段と、
    上記主放電電極に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、
    上記高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を所定の位置に集光する集光鏡と、 集光された光を取り出す光取り出し部と、
    上記容器内を排気する排気手段とを有する極端紫外光光源装置において、
    上記極端紫外光光源装置は、
    上記放電ガス以外の、放電により固体になることのない第2のガスを供給する第2のガス供給手段を更に有し、
    上記放電ガス供給手段は、上記加熱励起手段の連通孔に対して、加熱励起手段の上記集光鏡と対面する側から放電ガスを供給するように構成され、
    上記第2のガス供給手段は、上記加熱励起手段の連通孔に対して、上記放電ガスが供給される側の反対側から上記第2のガスを供給するように構成されている
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置。
  2. 上記放電ガス供給手段は、環状のガス吹き出し部を有し、上記連通孔の極端紫外光の放射方向から原料を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  3. 上記放電ガス供給手段は二重管であり、該二重管の内側の管から上記放電ガスが供給され、外側の管から放電により固体になることのないガスが供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  4. 上記極端紫外光光源装置は、
    上記加熱励起手段の連通孔に対して供給される第2のガスを予備電離する予備電離手段を有する
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3の極端紫外光光源装置。
  5. 上記放電ガス供給手段は、上記放電ガスの供給量を調節する放電ガス供給量調節手段を、
    上記第2のガス供給手段は、上記第2のガスの供給量を調節する第2のガス供給量調節手段をそれぞれ備えている
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4の極端紫外光光源装置。
  6. 上記放電ガスの極端紫外光放射種は、スズ(Sn)もしくはリチウム(Li)のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4または請求項5の極端紫外光光源装置。
  7. 容器内に配置された絶縁材を挟み、この絶縁材とともに連通孔が設けられた一対の主放電電極の連通孔に、金属の極端紫外光放射種および/または金属の極端紫外光放射種の化合物を含む放電ガスを供給し、一対の主放電電極を放電させることにより上記放電ガスを加熱して励起し、上記連通孔もしくは連通孔近傍で、極端紫外光を放出する高密度高温プラズマを発生させて、
    容器内に配置した集光鏡に入射した上記極端紫外光を所定の位置に集光し、集光された光を外部に取り出すように構成されている極端紫外光光源装置の集光位置調整方法であって、
    上記連通孔が集光鏡と対面する側から、当該連通孔に放電ガスを供給し、
    上記原料が供給される側の反対側から、当該連通孔に上記放電ガス以外の、放電により固体になることのない第2のガスを供給し、
    上記集光位置が所定位置に位置合わせされるように、上記放電ガスおよび/または上記第2のガスの供給量を調節する
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置の集光位置調整方法。
  8. 上記位置合わせは、上記極端紫外光の集光位置をモニタし、モニタ結果である集光位置と上記所定位置とが一致するようにして行われる
    ことを特徴とする請求項7記載の極端紫外光光源装置の集光位置調整方法。

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