JP2007317341A - 光情報記録媒体およびその記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単層の記録層で高密度記録が可能な光情報記録媒体であって、ジッタ特性が良好でクロストークの発生が少なく、多値記録の容易な光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 穴部2は、記録光または再生光の走査方向に沿って角速度基準で一定の間隔で並んで形成されている。また、穴部2は、互いに半径方向に隣接する列に形成された穴部とは半周期ずつずらして形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 穴部2は、記録光または再生光の走査方向に沿って角速度基準で一定の間隔で並んで形成されている。また、穴部2は、互いに半径方向に隣接する列に形成された穴部とは半周期ずつずらして形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザー光により記録/再生を行う光情報記録媒体に関するものであり、従来よりも高密度の記録を行うことができる光情報記録媒体及びその記録方法に関するものである。
CD−R、DVD−R等の、追記型の光情報記録媒体が出回っている。これらの光情報記録媒体は、ポリカーボネート等の透光性の基板上に、色素を含む記録層と、Ag等の金属膜からなる反射層が形成されている。このような光情報記録媒体への情報の記録は、記録用のレーザー光によって記録層を消失または分解して記録痕(ピット)を形成することによって行われる。
近年、より大量の情報の記録を可能にする光情報記録媒体の要求が高まっている。このような要求に応えるために、より波長の短いレーザー光を用いて記録/再生を行うHD−DVDやブルーレイディスクなどが提案されてきている。また、光情報記録媒体一つあたりの記録容量を高めるため、記録層を2層以上にする方法が提案されてきている。
しかし、記録層を2層以上にする方法は、記録層の形成工程を2回以上経ることと、半透過反射層を設ける必要があるので製造コストが高いものであった。そこで単層の記録層で高密度記録が可能になるものとして、例えば特開2001−256646号公報や特開2002−334438号公報などに示されているように、ピットの大きさを変化させてその大きさを多値のデータに対応させて記録を行う、多値記録技術が提案されている。
しかしながら、これらの光情報記録媒体では、記録光または再生光の走査方向に対するピットの終了位置に、記録時の熱によるズレが生じ、ジッタ特性が低下するという問題があった。また、ピットの幅方向についても熱による広がりが生じ、隣接するトラックと干渉してクロストークを生じるという問題があった。また、多値記録を行う場合には、ピットの大きさを精度良く変化させる必要があるため、記録光の出力及びパルス両方の高精度の制御が必要であった。
本発明は、単層の記録層で高密度記録が可能な光情報記録媒体であって、ジッタ特性が良好でクロストークの発生が少なく、多値記録の容易な光情報記録媒体を提供するものである。
本発明は、円板状の透光性基板上に、光入射方向から順に記録層、反射層が形成された光情報記録媒体において、前記透光性基板は、その一方面側に、記録光または再生光の走査方向に沿って、角速度基準で一定の周期で並んで形成された複数の穴部を有しており、互いに半径方向に隣接する列の穴部同士は半周期ずつずらして形成されており、前記穴部の各々の内部に前記記録層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体を提案する。
また、本発明では、円板状の透光性基板上に、光入射方向から順に記録層、反射層が形成された光情報記録媒体に情報を記録する方法において、前記記録層が形成された穴部に記録光を照射して、前記記録層を分解することにより情報を記録し、前記記録光の出力を調整して前記穴部内部の前記記録層の分解量を調整することにより、多値記録を行うことを特徴とする光情報記録媒体の記録方法を提案する。
本発明の光情報記録媒体によれば、ピットの形状は穴部の形状で規定されるため、熱によるピットの広がりが少なく、ジッタ特性が良好になる。また、半径方向に隣接する列のピット同士は離間されるとともに、穴部によって熱による広がりが抑えられるので、クロストークの発生が少なくなる。
また、本発明の光情報記録媒体の記録方法によれば、穴部内部の記録層に対して記録光を照射して、記録層の分解量で多段階のデータを形成できる。分解量は記録光の出力調整によって調整できるので、出力とパルスの両方を高い精度で調整しなくても済む。
本発明に係る光情報記録媒体の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の光情報記録媒体の構造を模式的に示した平面図、図2及び図3は図1のX−X線における断面の模式図である。
光情報記録媒体1は、ポリカーボネートの円板状の透光性基板3と、この基板上の記録領域に相当する領域に、光入射方向から順に色素を含む記録層4、Ag等の金属膜で構成された反射層5が形成されている。図2はDVD±RやHD−DVDを例にとった構造で、透光性基板3の光入射方向と反対側の面に記録層4及び反射層5が順次形成され、さらにこの上に接着剤を介してポリカーボネートの保護基板6を貼り合せたものである。図3はブルーレイディスクを例にとった構造で、透光性基板3の光入射方向の面に反射層5及び記録層4が順次形成され、この上にポリカーボネートのシートからなる光透過層7が形成されているものである。
記録層4は、穴部2の内部に形成されている。図2及び図3では、記録層4が穴部2の内部のみに形成されている構造が示されている。穴部2の内部のみに記録層4が形成されていることが好ましいが、製造工程上穴部2以外の部分の色素膜を除去することは困難であるので、できるだけ薄く形成されていれば穴部2以外の部分に記録層4を構成する色素膜が形成されていてもよい。
穴部2は、図1に示すように、記録光または再生光の走査方向すなわち円周方向に沿って一定の間隔で並んで形成されている。穴部2の間隔は角速度基準で一定になっているので、実寸基準では内周側の列に比べて外周側の列の方が穴部の間隔が広くなっている。最外周まで同じ角速度基準の間隔で穴部2を並べると、最外周における実寸基準での間隔が非常に広くなってしまうので、記録領域を複数のセクタに分けて、実寸基準での間隔の内外差がある程度の大きさになったときにセクタを変えて、そのセクタの最初の列における間隔を、最内周における間隔と同じにしても良い。
また、穴部2は、互いに半径方向に隣接する列すなわち内周側の列及び外周側の列に形成された穴部とは半周期ずつずらして形成されている。このような構成では、内周側の穴部及び外周側の穴部と離間される。なお、記録領域を複数のセクタに分割している場合は、同一セクタ内において、互いに半径方向に隣接する列に形成された穴部同士が半周期ずつずらして形成されている。
このような構成の光情報記録媒体1では、穴部2の一つ一つがデータピットの単位となる。ピットの大きさは穴部2の寸法で規定されるため、従来の光情報記録媒体において解決課題となっていた熱によるピットの広がりを抑えることが可能になる。そのため、ピットの回転方向始端及び終端の揺らぎが抑えられ、ジッタ特性が良好になる。また、幅方向の広がりも抑えられるため、半周期ずらしとあわせることによってクロストークを抑えることが可能となる。
なお、穴部2の形状は、図1では同心円と放射線で形成された形状で表されているが、例えば図4(a)の穴部2aにあるように、円形または楕円形でも良い。また、穴部2の円周方向の間隔は、図1では穴部2の長さと略同じであるが、図4(b)にあるように、円周方向の間隔を穴部2bの長さよりも長くしても良い。また、図4(c)のように、幅方向の間隔を空けて、従来の光情報記録媒体におけるグルーブを断続した形状にしても良い。このような穴部2cでは、スポット8のトラッキング精度が良好になるという効果がある。また、穴部2は図1では同心円状に並んで形成されているが、らせん状に並んで形成されていても良い。
次に、本発明の光情報記録媒体への記録方法について説明する。図5に本発明の光情報記録媒体の記録状態を示す。なお、穴部2及び記録層4以外の部分は省略してある。また、光入射方向は図5の下側から上側に向かう方向とする。
光情報記録媒体への情報の記録は、記録層4に記録用のレーザー光を照射して、記録層4を分解することによって行われる。記録層4の分解量は、照射する記録光のパワーを変化させることによって、例えば図5のA、BないしCのように変化する。分解量を変化させることによって、この穴部2に再生光を照射したときの反射率あるいは屈折率が変化し、信号に階層を持たせることができる。
図6に再生信号の処理方法を示す。a、b及びcはスライスレベルを示している。記録層4への記録がない場合は、スライスレベルa、b及びcに信号がかからないので、データは(0、0、0)となる。次に、図5において記録層4の分解量がAの場合、信号はスライスレベルaにかかる。この場合、データは(1、0、0)となる。次に、記録層4の分解量がBの場合、信号はスライスレベルa及びbにかかる。この場合、データは(1、1、0)となる。次に、記録層4の分解量がCの場合、信号はスライスレベルa、b及びcにかかる。この場合、データは(1、1、1)となる。
この実施形態のように、スライスレベルを3段階にした場合には(0、0、0)、(1、0、0)、(1、1、0)、(1、1、1)の4値のデータが得られる。この4値と、従来のピット長によるデータを組み合わせることによって、従来の4倍の高密度での情報の記録が可能となる。
このような光情報記録媒体を得るには次のようにする。まず、穴部となる突起を有するスタンパを金型と組み合わせ、射出成形によってポリカーボネート樹脂を金型内に射出し、円板状の透光性基板を形成する。図2の光情報記録媒体の場合は、この基板の穴部形成面に、スピンコートによって色素溶液を塗布して穴部に記録層を形成し、その後Agスパッタによって反射層を形成し、保護基板を接着する。図3の光情報記録媒体の場合は、この基板の穴部形成面に、Agスパッタによって反射層を形成し、次にスピンコートによって色素溶液を塗布して穴部に記録層を形成し、その上にシート状の光透過層を接着する。
色素溶液を塗布するときには、穴部以外の部分には色素膜が形成されないようにするのが好ましいが、できるだけ薄く形成されていれば、穴部以外の部分には色素膜が形成されていても良い。
以上、本発明について説明してきたが、上記に述べた実施形態に限定されるものではなく、形状、構造等本発明の範囲内で変更可能である。例えばROMディスクの記録領域にある穴部に色素層を設けることにより、データの追記が可能なROMが得られる。
本発明によれば、従来よりも高密度のデータ記録を単層の記録層で行うことが可能となる。
1 光情報記録媒体
2、2a、2b、2c 穴部
3 透光性基板
4 記録層
5 反射層
6 保護基板
7 光透過層
2、2a、2b、2c 穴部
3 透光性基板
4 記録層
5 反射層
6 保護基板
7 光透過層
Claims (2)
- 円板状の透光性基板上に、光入射方向から順に記録層、反射層が形成された光情報記録媒体において、前記透光性基板は、その一方面側に、記録光または再生光の走査方向に沿って、角速度基準で一定の周期で並んで形成された複数の穴部を有しており、互いに半径方向に隣接する列の穴部同士は半周期ずつずらして形成されており、前記穴部の各々の内部に前記記録層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
- 円板状の透光性基板上に、光入射方向から順に記録層、反射層が形成された光情報記録媒体に情報を記録する方法において、前記記録層が形成された穴部に記録光を照射して、前記記録層を分解することにより情報を記録し、前記記録光の出力を調整して前記穴部内部の前記記録層の分解量を調整することにより、多値記録を行うことを特徴とする光情報記録媒体の記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006173091A JP2007317341A (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 光情報記録媒体およびその記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006173091A Pending JP2007317341A (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 光情報記録媒体およびその記録方法 |
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2006
- 2006-05-26 JP JP2006173091A patent/JP2007317341A/ja active Pending
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