以下、この発明の実施の形態による表示装置を図面を参照して詳しく説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1による表示装置の構成を示すブロック図である。ここでは、例えば、R(赤)G(緑)B(青)の各色3ビットの画像データにより512色の表示を行う場合について説明する。また、図はRGB各1列分(第m列)の構成を示し、添え字mは例えば左からm番目のRGB列(RGB列の組)に対応していることを示す。
図1を参照して、実施の形態1による表示装置の代表例として示される有機ELパネル38は、シフトレジスタ回路1と、データラッチ回路2と、タイミングラッチ回路3と、信号線駆動回路4と、基準電流発生回路8と、画素マトリクス回路31と、スキャンドライバ回路37とを備える。
データラッチ回路2は、シフトレジスタ回路1から出力されるシフトパルスにより、入力される画像データR[2..0],G[2..0],B[2..0]をラッチする。タイミングラッチ回路3は、データラッチ回路2でラッチされた画像データをラッチパルスLPによりラッチすることにより線順次化された画像データを得る。信号線駆動回路4は、画素マトリクス回路31の信号線を駆動する。
信号線駆動回路4は、ビット重み付けされたR用の基準電流を供給するためのR用の基準電流線5と、ビット重み付けされたG用の基準電流を供給するためのG用の基準電流線6と、ビット重み付けされたB用の基準電流を供給するためのB用の基準電流線7とを含む。なお、ここでは、各色3ビットの場合を示すので、各色に対応する基準電流線5〜7の各々は、3本ずつ用意される。基準電流発生回路8は、上記のR用、G用およびB用の基準電流を発生し基準電流線5〜7へ供給する。
信号線駆動回路4は、さらに、R用最上位〜最下位ビット重み付け電流をそれぞれ生成するR用のビット重み付け電流源回路9〜11と、G用最上位〜最下位ビット重み付け電流をそれぞれ生成するG用のビット重み付け電流源回路12〜14と、B用最上位〜最下位ビット重み付け電流をそれぞれ生成するB用のビット重み付け電流源回路15〜17とを含む。信号線駆動回路4は、さらに、R用のビット重み付け電流源回路9〜11にそれぞれ対応して設けられたスイッチ回路18〜20と、G用のビット重み付け電流源回路12〜14にそれぞれ対応して設けられたスイッチ回路21〜23と、B用のビット重み付け電流源回路15〜17にそれぞれ対応して設けられたスイッチ回路24〜26と、AND回路27とを含む。
スイッチ回路18〜20は、タイミングラッチ回路3からの出力画像データDR[2](m)〜DR[0](m)にそれぞれ応じて、R用のビット重み付け電流源回路9〜11の出力電流をスイッチングする。スイッチ回路21〜23は、タイミングラッチ回路3からの出力画像データDG[2](m)〜DG[0](m)にそれぞれ応じて、G用のビット重み付け電流源回路12〜14の出力電流をスイッチングする。スイッチ回路24〜26は、タイミングラッチ回路3からの出力画像データDB[2](m)〜DB[0](m)にそれぞれ応じて、B用のビット重み付け電流源回路15〜17の出力電流をスイッチングする。AND回路27は、サンプリングイネーブル信号SEおよびシフトパルスSPX(m)に基づいて、ビット重み付け電流源回路へ基準電流のサンプリング(書込み)を指示するサンプリング信号SMP(m)を生成する。
画素マトリクス回路31は、信号線駆動回路4より出力される各色の信号電流IL_R(m),IL_G(m),IL_B(m)を画素マトリクス回路31へ供給するための信号線28〜30と、R画素回路32と、G画素回路33と、B画素回路34と、1行分の各画素をスキャン(走査)するための第1および第2の走査線35,36とを含む。第1の走査線35および第2の走査線36は、画素の各行ごとに設けられている。なお、有機ELパネル38を構成する上述の各回路は、ガラス基板上に形成された低温ポリシリコンTFT(低温p−Si TFT)により構成されているものとする。
次に有機ELパネル38の動作につき説明する。
まず、シフトレジスタ回路1は外部コントローラ回路(図示せず)より入力されるスタートパルスSTXおよびシフトクロックCLKXにより、順次シフトパルスSPX(0),SPX(1),…,SPX(m),…を出力していく。データラッチ回路2には、それぞれRGB画像データR[2..0],G[2..0],B[2..0]が外部コントローラ回路(図示せず)から入力され、上記シフトパルスにより左端のデータより順次ラッチされていく。
図1では、左端からm番目のRGB列の構成について代表的に示しているので、シフトパルスSPX(m)によりm番目のRGB組のRGB画像データが所定のタイミングにてラッチされる。そして、データラッチ回路2により1行分のRGB画像データがラッチされた後、各データラッチ回路2の出力データは、タイミングラッチ回路3にて共通のラッチパルスLPによりラッチされ、線順次化された画像データとなって信号線駆動回路4へ入力される。図1には、タイミングラッチ回路3によって線順次化されたこれらの画像データのうち、m番目のRGB組に対応するDR[2](m),DR[1](m),DR[0](m)、DG[2](m),DG[1](m),DG[0](m)およびDB[2](m),DB[1](m),DB[0](m)が代表的に示される。
信号線駆動回路4では、各R列に対して共通に設けられたR用の基準電流線5を介して、R用のビット重み付け電流源回路9〜11にビット重み付けされたR用の基準電流を順次供給する。同様に、各G列、B列に対して共通に設けられたG用の基準電流線6およびB用の基準電流線7を介して、G用のビット重み付け電流源回路12〜14およびB用のビット重み付け電流源回路15〜17にビット重み付けされたG用およびB用の基準電流をそれぞれ順次供給する。
ここで、ビット重み付け電流源回路9〜11,12〜14,15〜17の各々の構成を図2に示す。図2では各色に対して一般化して記載するために添え字RGBは省略している。
図2に示された基準電流線40〜42は、それぞれ最上位ビット〜最下位ビットに重み付けされた基準電流を供給する。すなわち、基準電流線40〜42は、図1におけるR用、G用およびB用の基準電流線5〜7に相当する。ビット重み付け電流源回路43〜45は、最上位ビット〜最下位ビットにそれぞれ対応する。すなわち、ビット重み付け電流源回路43〜45は、図1のビット重み付け電流源回路9〜11、ビット重み付け電流源回路12〜14およびビット重み付け電流源回路15〜17の各々に相当する。図2では、最上位ビットのビット重み付け電流源回路43の構成のみが代表的に示されるが、各ビット重み付け電流源回路の構成は同様である。各ビット重み付け電流源回路は、n型TFT46〜48,50、キャパシタ(容量素子)49、ダミー負荷51およびp型TFT52を含む。
図2に示すように、ビット重み付け電流源回路43〜45のn型TFT46のドレインには、それぞれ基準電流線40〜42が接続されており、n型TFT46のソースには、n型TFT47,48のドレインおよびn型TFT50のソースが接続されている。n型TFT47のソースには、n型TFT48のゲートおよびそのゲート電圧を保持するためのキャパシタ49の一端が接続されている。キャパシタ49の他端は、接地されている。また、n型TFT48のソースは接地されている。さらに、n型TFT50のドレインは、p型TFT52のドレインおよびn型TFT53のソースに接続されており、p型TFT52のソースと電源VDDとの間には、ダミー負荷51が接続されている。
サンプリング信号SMP(m)はn型TFT46および47のゲートに入力され、アクティブ時に、n型TFT46,47が導通するように制御される。したがって、サンプリング信号SMP(m)のアクティブ時には、n型TFT46を介して基準電流線40〜42からビット重み付け電流源回路43〜45へ、それぞれ対応するビット重み付け基準電流IREF[2],IREF[1],IREF[0]が供給される。このように、n型TFT46,47はサンプリング信号SMP(m)に応じてビット重み付け電流源回路への基準電流の書込みを制御するスイッチとして動作する。
また、出力イネーブル信号OEはn型TFT50のゲートに入力され、アクティブ時に、n型TFT50が導通するように制御される。したがって、したがって、出力イネーブル信号OEのアクティブ時には、n型TFT48による電流吸い込み経路が形成される。このように、n型TFT50は、ビット重み付け電流源回路の出力を制御するように動作する。
さらに、各ビット重み付け電流源回路43〜45の出力端にはn型TFT53〜55のソースがそれぞれ接続される。また、n型TFT53〜55の各ドレイン同士が接続され、さらにその接続点は信号線に接続される。そして、対応するビットD[2](m),D[1](m),D[0](m)が、n型TFT53〜55のそれぞれのゲートへ入力されている。
ビット重み付け電流源回路43〜45は、基準電流書込み動作とビット重み付け電流出力動作を交互に繰り返す。まず、基準電流書込み動作時には、サンプリング信号SMP(m)がアクティブレベル(“H”レベル)であり、例えば最上位ビットのビット重み付け電流源回路43においては、n型TFT46,47が導通状態となり、基準電流線40より供給される最上位ビットに対応するビット重み付け基準電流4×Io(所定電流Ioの4倍)がn型TFT46を介してn型TFT48に流れる。このとき、n型TFT47が導通しているのでn型TFT48はダイオード接続され、n型TFT48に基準電流が流れるときのゲート電圧がキャパシタ49により保持される。基準電流書込み動作では、出力イネーブル信号OEは非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT50は遮断されている。
同様にして、第2ビットのビット重み付け電流源回路44および最下位ビットのビット重み付け電流源回路45においても、それぞれ、基準電流線41,42を介して、第2ビットおよび最下位ビットにそれぞれ対応するビット重み付け基準電流2×Io(所定電流Ioの2倍)およびIoが書き込まれる。
ビット重み付け電流出力動作においては、サンプリング信号SMP(m)が非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT46,47は遮断される。一方、出力イネーブル信号OEはアクティブレベル(“H”レベル)であり、n型TFT50が導通する。このとき、n型TFT48は、基準電流書込み動作時にキャパシタ49により保持されたゲート電圧に応じた電流をドレイン−ソース間に流す。すなわち、n型TFT48は、基準電流書込み動作に書き込まれた基準電流とほぼ等しい一定電流4×Io1(電流Io1の4倍)をドレインから吸い込もうとする。このとき、上記のタイミングラッチ回路32からの対応する画像データのビットD[2](m)が“1”であれば、n型TFT53が導通し、n型TFT48はn型TFT50,53を介して、対応の信号線からビット重み付け電流4×Io1を吸い込むことになる。
また、対応する画像データのビットD[2](m)が“0”の場合には、n型TFT53が遮断され、対応の信号線からは電流を吸い込むことが無い。このとき、n型TFT48の吸い込み電流経路が遮断されてしまうと、n型TFT48のドレイン電位が下がり、n型TFT47および48を介して、キャパシタ49に保持された電荷がリークしていく。これは、n型TFT48のゲート電圧が次第に下がり、吸い込み電流(ドレイン−ソース間電流)が低下することを意味する。これにより、対応の信号線から吸い込む信号線駆動電流が次第に低下していくことになり、ひいては表示むらの原因となる。
そこで、各ビット重み付け電流源回路には、p型TFT52とダミー負荷51とが設けられる。p型TFT52のソースは、ダミー負荷51を介して電源VDDに接続されている。このような構成とすれば、画像データのビットD[2](m)が“0”であっても、n型TFT48のドレインはn型TFT50,52およびダミー負荷51を介して電源VDDに接続されるので、n型TFT48には電流が流れ、吸い込み電流経路が遮断してしまうことはない。この結果、キャパシタ49での電荷リークによって、n型TFT48のゲート電位が次第に低下することを防止できる。
同様にして、ビット重み付け電流出力動作時には、第2ビットのビット重み付け電流源回路44,最下位ビットのビット重み付け電流源回路45においても、対応する画像データのビットD[1](m),D[0](m)が“1”の場合には、それぞれn型TFT54,55を介して、それぞれビット重み付け電流2×Io1,Io1が信号線から吸い込まれる。
このように、各RGB列に共通の基準電流により書き込まれた基準電流は、ビット重み付け電流出力動作において、n型TFT48により再現されることになる。このn型TFT48が後段に接続される信号線を駆動する駆動用TFTということになる。
このとき、ビット重み付け電流源回路43〜45の出力端にはn型TFT53〜55の一端(ソース)がそれぞれ接続される。n型TFT53〜55の他端(ドレイン)は共通に接続されており、その共通接続端は信号線に接続されている。つまり、n型TFT53〜55は、画像データのビットに応じて、対応する各ビット重み付け電流源のビット重み付け電流4×Io1,2×Io1,Io1をスイッチングして出力することにより加算して、信号線駆動電流を生成する。
このとき、各色の信号電流IL_R(m),IL_G(m),IL_B(m)
を総括的に示した信号線駆動電流IL(m)は以下のように表すことができる。
IL(m)={2^(bn−1)×D[bn−1](m)+2^(bn−2)×D[bn
−2](m)+・・・+2×D[1](m)+D[0](m)}×Io1
なお、上式中で、bnは画像データのビット数を示す。この実施の形態1では、例えば3ビットの場合につき述べているので、bn=3であり、各色8段階のアナログ信号に変換された信号線駆動電流を得ることができる。
図2のn型TFT53〜55は、図1におけるR用のビット重み付け電流源回路9〜11の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路18〜20、G用のビット重み付け電流源回路12〜14の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路21〜23、ならびにB用のビット重み付け電流源回路15〜17の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路24〜26の各々に相当する。
次に、R、G、B画素回路32,33,34について説明する。有機ELを発光素子として用いた表示装置の画素回路については、例えば、"A 13.0-inch AM-OLED Display with Top Emitting Structure and Adaptive Current Mode Programmed Pixel Cicuit(TAC),
Tatsuya Sasaoka et al., SID 01 DIGEST pp. 384-386"に記載のものが知られており、
この実施の形態1においても同様の画素回路を使用することが出来る。
図3Aは画素回路32〜34の構成例を示す回路図である。図3Aを参照して、画素回路32〜34の各々は、p型TFT60,61、n型TFT62,63、キャパシタ64および有機EL発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)65を含む。対応の信号線28〜30を介した書込み動作時においては、第2の走査線36が“H”レベルのとき第1の走査線35が“H”レベルとなり、対応の信号線を介して信号線駆動電流が信号線駆動回路4へ吸い込まれる。このときのp型TFT60に流れる信号線駆動電流に応じたゲート電位がキャパシタ64によって保持される。
そして、有機EL発光素子の駆動動作時においては、第2の走査線36が“L”レベルになり、続いて第1の走査線35が“L”レベルになると、p型TFT60,61は互いのゲートが接続されているのでカレントミラー回路を構成し、キャパシタ64に保持されたゲート電位に応じた電流がp型TFT61のソース−ドレイン間を流れる。p型TFT61のドレインが有機EL発光素子65のアノードに接続されているので、p型TFT61のソース−ドレイン間電流は、有機EL発光素子65の駆動電流となる。そして、有機EL発光素子65は、当該駆動電流に応じた発光強度で発光する。
p型TFT61のゲート電圧がキャパシタ64で保持されているので、次のフレーム期間で第1および第2の走査線35,36が再びスキャンされるまで、有機EL発光素子65には同じ駆動電流が流れつづけ、有機EL発光素子65は、その駆動電流にしたがって発光することになる。
また、第2の走査線36のみを“H”レベルにすることにより、有機EL発光素子65発光を止めることができる。なぜなら、第2の走査線36のみを“H”レベルにすると、キャパシタ64に保持された電荷がn型TFT62およびp型TFT60を介してリークすることにより、TFT61のゲート電位が引き上げられるので、p型TFT61が遮断されて、有機EL発光素子65への駆動電流の供給が停止されるからである。
図3Bは画素回路32〜34の他の構成例を示す回路図である。図3Bを参照して、画素回路32〜34の各々は、p型TFT61,67、n型TFT62,63、キャパシタ64および有機EL発光素子65を含む。p型TFT67は、p型TFT61のドレインと有機EL発光素子65のアノードとの間に接続される。n型TFT62および63は、p型TFT61のゲートと対応の信号線28〜30との間に直列に接続される。n型TFT62および63の接続ノードと、p型TFT61および67の接続ノードとは、互いに接続されている。
図3Aに示した画素回路と同様に、n型TFT62および63のゲートは、第1および第2の走査線35および36とそれぞれ接続され、キャパシタ64は、p型TFT61のゲートと電源VDDとの間に接続される。また、p型TFT67のゲートは、n型TFT63のゲートと同様に第1の走査線35と接続される。
対応の信号線28〜30を介した書込み動作時においては、第1および第2の走査線35,36の両方が“H”レベルのとき、対応の信号線を介して信号線駆動電流が信号線駆動回路4へ吸い込まれる。信号線駆動電流は、n型TFT62の導通によってダイオード接続されるp型TFT61を通過し、このときのp型TFT61のゲート電位がキャパシタ64によって保持される。
そして、有機EL発光素子の駆動動作時においては、第1の走査線35が“L”レベルになり、キャパシタ64に保持されたゲート電位に応じた電流がp型TFT61のソース−ドレイン間を流れ、この電流が有機EL発光素子65の駆動電流となる。
p型TFT61のゲート電圧がキャパシタ64で保持されているので、図3Aに示した画素回路と同様に、次のフレーム期間で第1および第2の走査線35,36が再びスキャンされるまで、有機EL発光素子65には同じ駆動電流が流れつづけ、有機EL発光素子65は、その駆動電流にしたがって発光することになる。
さて、図1に戻り、表示装置(有機ELパネル38)全体の動作の説明を続ける。上述したように、信号線駆動回路4は、スキャン(走査)対象行の画素に対応する画像データがD/A変換(デジタル−アナログ変換)されたアナログ電流として、信号線28〜30を介して画素回路32〜34から電流を吸い込む。
なお、本実施の形態では、信号線駆動電流の向きが信号線駆動回路4に対して吸い込み方向であるが、本願発明の適用はこのような場合に限定されるものではない。すなわち、信号線駆動回路4の動作は、電流方向を限定することなく、信号線を介して画素回路へ信号電流を供給するように信号線を駆動する、と言い換えることができる。
また、スキャンドライバ回路37にはスタートパルスSTYとシフトクロックCLKYが入力される。スキャンドライバ回路37は、スタートパルスSTYおよびシフトクロックCLKYをもとにシフトパルスを発生し、このシフトパルスに基づいて、各行の第1走査線35を駆動する駆動パルスSC_A(0),…SC_A(N−1)および第2走査線36を駆動する駆動パルスSC_B(0),…SC_B(N−1)を生成して、各行の画素回路を順次走査していく。
次に、この実施の形態1による駆動シーケンスを図4により説明する。図4は第jフレーム期間後部〜第(j+1)フレーム期間前部における動作を示す。また、画素マトリクスの行数をN、列数を3×M(RGB各色M列ずつ)とする。
まず、第jフレーム期間において、シフトレジスタ回路1には第0行(先頭行)〜第(N−1)行(最終行)のデータラッチ期間の先頭でスタートパルスSTXがコントローラから入力される。また、シフトクロックCLKXが各行のラッチ期間全体でそれぞれコントローラからシフトレジスタ回路1へ入力され、シフトレジスタ回路1からシフトパルスSPX(0),SPX(1),SPX(2),…,SPX(M−1)が順次出力される。
一方、データラッチ回路2にてシフトパルスSPX(シフトパルスSPX(0)〜SPX(M−1)を総括的に表記したもの)によりラッチされるように、当該列のRGB画像データR[2..0],G[2..0],B[2..0]がコントローラから入力される。そして、各行のデータラッチ期間において全列×1行分の画像データがラッチされたのち、タイミングラッチ回路3にはラッチパルスLPが入力され、タイミングラッチ回路3から各列に対応する1行分の線順次化された画像データが出力される。
そして、線順次化された画像データは、信号線駆動回路4でアナログ電流に変換されたのち、信号線駆動電流として信号線を介して画素回路へ供給される。このように、いわゆる線順次駆動となっているため、データラッチ期間と走査期間との間には1水平期間のずれが生じる。第0行(先頭行)〜第(N−1)行の走査期間を含む期間においては、信号線駆動回路4のビット重み付け電流源回路がビット重み付け電流出力動作を行なうように、出力イネーブル信号OEが“H”レベル(アクティブレベル)に設定される。
一方、スキャンドライバ回路37には、第0行走査期間付近でスタートパルスSTYが入力され、走査期間全体にわたり、シフトクロックCLKYが入力される。そして、スタートパルスSTYおよびシフトクロックCLKYに基づいて、各走査期間毎に、シフトパルスSPY(0),SPY(1),…,SPY(N−1)がスキャンドライバ回路37内部で順次生成される。このように生成されたシフトパルスSPY(シフトパルスSPY(0)〜SPY(N−1)を総括的に表記したもの)に基づいて、各行に対応する第1および第2の走査線35,36の駆動パルスSC_A(0),SC_B(0),…SC_A(N−1),SC_B(N−1)が順次生成され、画素マトリクスの各行の第1および第2の走査線35,36をそれぞれ所定のタイミングで走査する。このようにして、信号線駆動回路4により各列の信号線に供給された画像データがアナログ電流に変換された信号線駆動電流が各画素回路に順次書き込まれていく。上述したように、画素回路では信号線より供給された電流に基づく信号電流が有機EL発光素子65に流れ、発光する。
各フレームの走査期間の間には走査ブランキング期間が設けられており、図4に示すように、第(N−1)行(最終行)の走査が終了したのち、サンプリングイネーブル信号SEがアクティブ(“H”レベル)となる。これに応答して、図1に示すように、AND回路27によって、各列ごとに対応のシフトパルスSPXとサンプリングイネーブル信号SEとのAND(論理積)がとられ、対応する列のサンプリング信号SMPがアクティブ(“H”レベル)となる。これにより、信号線駆動回路4では、対応する列のビット重み付け電流源回路へ基準電流線5〜7から基準電流が書き込まれる。このように、サンプリング信号SMPがRGB単位列毎に順次アクティブとなり、基準電流が書き込まれる。
ここでは、走査ブランキング期間の所定期間において、シフトレジスタ回路1によりシフトパルスSPXを発生させるとともに、サンプリングイネーブル信号SEをアクティブ状態にすることにより、各RGB列毎の数回〜数十回の所定回数、ビット重み付け電流源回路に基準電流を供給し、ビット重み付け電流源回路から出力されるビット重み付け電流の補正動作を行なう。このように、走査ブランキング期間においてもシフトレジスタ回路1を動作させ、ビット重み付け電流源回路へ基準電流を書込むためのサンプリング信号をシフトパルスに基づいて生成するようにした。
なお、特に下位ビットの基準電流が微小な場合には、基準電流が配線容量やキャパシタ49を充電するのに消費されてしまい、所定値の基準電流がn型TFT48に流れるまでに時間がかかる。このため、本実施の形態では、各RGB列毎に数回〜数十回の所定回数、基準電流を書き込むようにした。1回のサンプリングで、いずれのビットの基準電流もn型TFT48に書き込むことができれば、特に複数回のサンプリングを行う必要はない。
また、基準電流書込み動作のために、シフトレジスタ回路1を走査期間と同じタイミングで動作させ、サンプリング信号SMPを生成するようにしたが、基準電流書込み動作時には、スタートパルスSTXおよびシフトクロックCLKXを任意のタイミングに設定することができる。例えば、下位ビットの基準電流が微小であり、シフトパルスSPXの発生期間を通常の走査期間よりも長く確保したい場合には、基準電流書込み動作時に、シフトパルスSPXの発生期間が長くなるように、スタートパルスSTXおよびシフトクロックCLKXを入力するようにしてもよい。
次に、基準電流発生回路8について説明する。図5は基準電流発生回路8および基準電流発生用外部回路の構成を示す回路図であり、図5中の右側のPは有機ELパネル側、左側のQは外部回路側を示している。
例えば、R用のビット重み付け基準電流IREF(R)[0]〜IREF(R)[2]は以下のように生成される。有機ELパネルの外部に設けられたD/A変換回路(DAC:D/A Converter)70はコントローラにより制御され、所定電圧Vref(R)を発生
する。D/A変換回路70で発生された基準電圧Vref(R)は、差動増幅器71の非反転入力に入力される。差動増幅器71の出力は有機ELパネルへ入力されて、n型TFT72のゲートに入力される。n型TFT72のソースは、有機ELパネルの外部に設けられた電流設定用抵抗78を介して接地されている。また、n型TFT72のソースは差動増幅器71の反転入力にも接続される。このような構成により、差動増幅器71、n型TFT72および電流設定用抵抗78により定電流源が構成される。
n型TFT72のドレイン電流Id(R)は、電流設定用抵抗78の抵抗値をRext(R)とすると、Id(R)=Vref(R)/Rext(R)で示される。
n型TFT72のドレイン電流Id(R)は、ビット重み付け基準電流IREF(R)[0]〜IREF(R)[2]の元電流となり、p型TFT74〜77により構成されるカレントミラー回路73により変換されて、それぞれ4×Io(R),2×Io(R),Io(R)の大きさのビット重み付け基準電流IREF(R)[0]〜IREF(R)[2]として、出力される(吐き出される)。カレントミラー回路73の電流比の設定は、例えばゲート長Lを一定として、p型TFT74〜77のゲート幅Wを設定することにより行う。すなわち、p型TFT74〜77のトランジスタサイズ(W/L)比により電流比が設定できる。
G用およびB用のビット重み付け基準電流IREF(G)[0]〜IREF(G)[2],IREF(B)[0]〜IREF(B)[2]も同様にして、それぞれ差動増幅器81,91、n型TFT82,92、および電流設定用抵抗88,98より構成される定電流源から発生される元電流Id(G),Id(B)をカレントミラー回路73によって変換して得ることができる。
ここでは、RGB用に同一構成のカレントミラー73を用いるようにしたが、有機EL発光素子の電流−発光特性が色毎に異なる場合が考えられるので、それに合わせたビット重み付け基準電流を出力するように、カレントミラー回路73を構成するp型TFT74〜77のW比は色毎に調整するのが望ましい。また、一般の半導体回路で行われるのと同様に、定電流性を向上させるためのTFTが適宜追加される。
また、基準電流の大きさを外部の電流設定用抵抗78,88,98にて設定するようにしたが、特に、有機EL発光素子の特性によっては基準電流が数μAもしくはそれ以下の微小電流となる場合があり、有機ELパネルからの高インピーダンス配線が長くなって外来ノイズの影響を受けやすくなることが考えられる。このため、この配線インピーダンスを下げるために、元電流は基準電流よりも大きくなるようにp型TFT74〜77のゲート幅Wの比を設定するのが望ましい。
このように、D/A変換回路70,80,90の出力電圧Vref(R),Vref(G),Vref(B)をコントローラにより独立に調整することにより、RGBの基準電流の比、および大きさを調整することができるので、表示のホワイトバランス調整や輝度調整をコントローラにより制御することが可能となる。
次に、有機ELパネル38への電源投入等、起動時の動作につき説明する。
図2をもとに説明したビット重み付け電流源回路においては、電源投入等の起動時には配線容量や保持用キャパシタ49が全く充電されておらず、起動時には、この状態からビット重み付け基準電流を書き込むことによって配線容量およびキャパシタ49を充電することになる。したがって、特に、ビット重み付け基準電流が微小である下位ビット側のビット重み付け電流源回路中では、駆動用n型TFT48のゲート電圧が、所望のビット重み付け基準電流に対応した所定レベルに達するまでに時間がかかる。
このような電源投入時の過渡的な時間に表示動作を行うと、所定の電流が有機EL発光素子に流れて所定輝度にて画像が表示されるまでに時間がかかることを意味し、極端な場合、徐々に画像が出画するということになる。
そこで、図6に示すように、有機ELパネル38への電源が投入されると、電源が安定して基準電流発生回路8の出力電流が安定するまでの所定の待ち時間経過後に、一旦、ビット重み付け電流源立ち上げ動作に移るようにする。
このビット重み付け電流源立ち上げ動作時には、スタートパルスSTX、シフトクロックCLKXが入力され、シフトレジスタ回路1を動作させて、シフトパルスSPX(0)〜SPX(M−1)を得る。そして、サンプリングイネーブル信号SEをアクティブにして、各列のビット重み付け電流源にビット重み付け基準電流を順次供給して、補正動作を行う。この補正動作は、駆動用TFT48のゲート電圧が所定値となるまで所定回繰り返される。一方、この期間においては、データラッチ動作および走査動作は行わず、画像表示を禁止しておく。
このように、ビット重み付け電流源立ち上げ動作時には、動作期間のほぼ全てにわたって、ビット重み付け電流源回路への基準電流書込みによる補正動作を行うことができる。したがって、ブランキング期間のみを使う場合に比べ、配線容量や保持用キャパシタ49を速やかに充電して、駆動用のn型TFT48のゲート電圧が所定値となるまでの時間を短縮することができる。これにより、画像表示へスムーズに移行することが可能となる。
さらに、図6に示すように、シフトレジスタ回路1を通常の表示動作時よりも低速で動作させることにより、各ビット重み付け電流源回路へのサンプリング時間(基準電流書込み時間)を大きく設定する。これは、実際のサンプリング時には、TFTのオン時間等の影響により、サンプリング信号SMPのアクティブ期間の全てを使って基準電流書込みが行われるわけではないため、1回のサンプリング時間を長くしたほうが有効に基準電流の書込みが行われるためである。
なお、ここでは、ビット重み付け電流源立ち上げ時間に、各ビット重み付け電流源に対して数回の基準電流書込みを行うように構成したが、1回で十分に書込みが行われて駆動用n型TFT48のゲート電圧が所定値になるようであれば、特に数回繰り返す必要はない。
以上のように、この実施の形態1においては、ビット重み付けされた基準電流を書き込むことにより、ビット重み付け電流源回路の出力電流を補正し、ビット重み付け電流源回路から出力されるビット重み付け電流をデジタル画像のビットデータに応じてスイッチングすることにより加算して信号線へ供給するように構成した。これにより、TFT特性のばらつきが大きい場合であっても列(信号線)ごとの信号線駆動電流のばらつきが抑制され、発光輝度のむらを抑えることができる。
また、信号線を各列1本とすることができるので、画素ピッチが狭い高解像度表示にも対応することできる。
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2による表示装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2においては、ビット重み付け電流源を2系統(系統A/系統B)設け、基準電流書込み動作とビット重み付け電流出力動作とを相補的に動作させるようにした。
図7を参照して、実施の形態2においては、信号線駆動回路4は、図1におけるビット重み付け電流源回路9〜17に代えて、各々が2系統(系統A/系統B)の電流源から構成されるビット重み付け電流源回路100〜108を含む。R用のビット重み付け電流源回路100〜102は、図1におけるR用のビット重み付け電流源回路9〜11に代えて設けられ、G用のビット重み付け電流源回路103〜105は、図1におけるG用のビット重み付け電流源回路12〜14に代えて設けられ、B用のビット重み付け電流源回路106〜108は、図1におけるB用のビット重み付け電流源回路15〜17に代えて設けられる。
実施の形態2においては、出力イネーブル制御回路109およびサンプリング制御回路110がさらに設けられる。出力イネーブル制御回路109は、出力イネーブル信号OEおよび動作モード識別信号A/Bに基づいて2系統(系統A/系統B)それぞれの出力イネーブル信号OE_A,OE_Bを生成する。動作モード識別信号A/Bは、系統Aおよび系統Bを交互に選択するための信号である。
サンプリング制御回路110は、信号線駆動回路4に設けられ、動作モード識別信号A/BおよびシフトパルスSPX(m)に基づいて、2系統(系統A/系統B)それぞれのサンプリング信号SP_A(m),SP_B(m)を生成するである。なお、図7において、図1の構成と同一の部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8は、実施の形態2によるビット重み付け電流源回路120〜122の構成を示す回路図である。なお、図8において、ビット重み付け電流源回路120は、図7に示されたR、G、B用のビット重み付け電流源回路のうち、最上位ビットに対応するビット重み付け電流源回路100,103,106に相当する。同様に、ビット重み付け電流源回路121は、図7に示された第2ビットに対応するビット重み付け電流源回路101,104,107に相当し、ビット重み付け電流源回路122は、図7に示された最下位ビットに対応するビット重み付け電流源回路102,105,108に相当する。
図8においても、図2と同様に最上位ビットのビット重み付け電流源回路120の構成のみが代表的に示されるが、各ビット重み付け電流源回路の構成は同様である。ビット重み付け電流源回路120は、系統Aのビット重み付け電流源123aと、系統Bのビット重み付け電流源123bと、ダミー負荷51と、p型TFT52とを含む。系統Aのビット重み付け電流源123aは、n型TFT46a〜48a,50aおよびキャパシタ49aを有する。系統Bのビット重み付け電流源123bは、n型TFT46b〜48b,50bおよびキャパシタ49bを有する。
ビット重み付け電流源回路120〜122のそれぞれにおいて、系統Aのビット重み付け電流源123a中のn型TFT46aのドレインと、系統Bのビット重み付け電流源123b中のn型TFT46bのドレインとは、それぞれ対応する基準電流線40〜42へ共通に接続されている。
系統Aのビット重み付け電流源123aへの基準電流書込み制御に用いられるn型TFT46a,47aのゲートへは、サンプリング信号SP_A(m)が与えられる。系統Bのビット重み付け電流源123bへの基準電流書込み制御に用いられるn型TFT46b,47bのゲートへは、サンプリング信号SP_B(m)が与えられる。
また、ビット重み付け電流源123a中の出力制御に用いられるn型TFT50aのゲートへは、出力イネーブル信号OE_Aが与えられ、ビット重み付け電流源123b中の出力制御に用いられるn型TFT50bのゲートへは、出力イネーブル信号OE_Bが与えられる。n型TFT50aおよび50bのドレインは、n型TFT53のソースならびに、p型TFT52を介してダミー負荷51へ接続されている。ビット重み付け電流源回路120〜122のその他の構成は、実施の形態1で説明した43〜45と同様であるので、詳細な説明は省略する。
系統Aのビット重み付け電流源123aおよび系統Bのビット重み付け電流源123bは、実施の形態1と同様の基準電流書込み動作とビット重み付け電流出力動作とを交互に繰り返すが、一方の系統が基準電流書込み動作を行うときには他方の系統が電流出力動作を行うように、相補的に動作する。
系統Aのビット重み付け電流源123aの基準電流書込み動作時には、サンプリング信号SP_A(m)がアクティブレベル(“H”レベル)であり、例えば最上位ビットのビット重み付け電流源回路100,103,106においては、実施の形態1と同様に、n型TFT46aおよび47aが導通状態となり、ビットの基準電流線40より供給される最上位のビット重み付け基準電流4×Ioがn型TFT46aを介してn型TFT48aに流れる。このとき、n型TFT47aが導通しているのでn型TFT48aはダイオード接続され、上記基準電流がn型TFT48aに流れるときのゲート電圧がキャパシタ49aにより保持される。また、出力イネーブル信号OE_Aは非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT50aは遮断されている。
同様に、系統Bのビット重み付け電流源123bの基準電流書込み動作時には、サンプリング信号SP_B(m)がアクティブレベル(“H”レベル)であり、例えば最上位ビットのビット重み付け電流源回路100,103,106においては、最上位ビットの基準電流線40より供給される最上位ビットのビット重み付け基準電流4×Ioがn型TFT46bを介してn型TFT48bに流れる。また、出力イネーブル信号OE_Bは非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT50bは遮断されている。
このようにして、最上位ビットのビット重み付け基準電流4×Ioが、系統Aのビット重み付け電流源123aまたは系統Bのビット重み付け電流源123bのどちらか一方に書き込まれる。
さらに、第2ビットのビット重み付け電流源回路121および最下位ビットのビット重み付け電流源回路122においても同様に、それぞれ、基準電流線41,42を介して第2ビットおよび最下位ビットのビット重み付け基準電流2×IoおよびIoが、系統Aのビット重み付け電流源123aまたは系統Bのビット重み付け電流源123bのどちらか一方に書き込まれる。
また、系統Aのビット重み付け電流源123aのビット重み付け電流出力動作時には、サンプリング信号SP_A(m)が非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT46a,47aは遮断される。一方、出力イネーブル信号OE_Aはアクティブレベル(“H”レベル)であり、n型TFT50aが導通する。このとき、実施の形態1と同様に、n型TFT48aは、基準電流書込み動作時にキャパシタ49aにより保持されたゲート電圧に応じた電流をドレイン−ソース間に流す。すなわち、基準電流書込み動作に書き込まれた基準電流とほぼ等しい一定電流4×Io1をドレインから吸い込もうとする。このとき、データラッチ回路2からの対応する画像データのビットD[2](m)が“1”であれば、n型TFT53が導通し、n型TFT48aはn型TFT50aおよび53を介して、信号線からビット重み付け電流4×Io1を吸い込むことになる。
同様に、系統Bのビット重み付け電流源123bのビット重み付け電流出力動作時には、サンプリング信号SP_B(m)が非アクティブレベル(“L”レベル)であり、n型TFT46b,47bは遮断される。一方、出力イネーブル信号OE_Bはアクティブレベル(“H”レベル)であり、n型TFT50bが導通する。このとき、n型TFT48bは、基準電流書込み動作時にキャパシタ49bにより保持されたゲート電圧に応じた電流をドレイン−ソース間に流す。すなわち、基準電流書込み動作に書き込まれた基準電流とほぼ等しい一定電流4×Io1をドレインから吸い込もうとする。このとき、データラッチ回路2からの対応する画像データのビットD[2](m)が“1”であれば、n型TFT53が導通し、n型TFT48bはn型TFT50b,53を介して信号線からビット重み付け電流4×Io1を吸い込むことになる。
一方、対応する画像データのビットD[2](m)が“0”の場合には、n型TFT53が遮断され、ビット重み付け電流出力動作時においても信号線からは電流を吸い込むことが無い。このとき、実施の形態1で説明したのと同様の理由で、n型TFT47a,47bおよび48a,48bをそれぞれ介して、キャパシタ49aおよび49bに保持された電荷がリークしていく。既に説明したように、この現象によってn型TFT48a,48bのゲート電圧が次第に下がると、吸い込み電流(ドレイン−ソース間電流)が低下する。すなわち、信号線から吸い込む信号線駆動電流が次第に低下していくことになり、ひいては表示むらの原因となる。
そこで、実施の形態1と同様に、各ビット重み付け電流源回路120〜122には、ダミー負荷51およびp型TFT52が設けられる。p型TFT52のソースは、ダミー負荷51を介して電源VDDに接続されている。これにより、画像データのビットD[2](m)が“0”であっても、n型TFT48a,48bのドレインは、それぞれn型TFT50a,50bを介して、p型TFT52に接続され、さらには、p型TFT52およびダミー負荷51を介して電源VDDに接続される。このため、n型TFT48a,48bには電流が流れ、吸い込み電流経路が遮断してしまうことはない。従って、キャパシタ49a,49bの電荷がリークすることによってn型TFT48aおよび48bのゲート電位が次第に低下するのを防止することができる。
同様にして、ビット重み付け電流出力動作時には、第2ビットのビット重み付け電流源回路121、最下位ビットのビット重み付け電流源回路122においても、対応する画像データのビットD[1](m)およびD[0](m)が“1”の場合には、それぞれn型TFT54,55を介して、それぞれビット重み付け電流2×Io1およびIo1が信号線から吸い込まれる。
このように、各RGB列に共通の基準電流書込み動作により書き込まれた基準電流は、ビット重み付け電流出力動作において、系統Aのビット重み付け電流源123aまたは系統Bのビット重み付け電流源123bのいずれか一方により再現されることになる。すなわち、n型TFT48a,48bは、後段に接続される信号線を駆動する駆動用TFTに相当することになる。
このとき、ビット重み付け電流源回路120〜122の出力端には、実施の形態1と同様に、n型TFT53〜55の一端(ソース)がそれぞれ接続される。n型TFT53〜55の他端(ドレイン)は共通に接続されており、その共通接続端は信号線に接続されている。つまり、n型TFT53〜55は、画像データのビットに応じて、対応する各ビット重み付け電流源回路からのビット重み付け電流4×Io1,2×Io1,Io1をスイッチングして出力する。このようにビット重み付け電流を加算することにより、各色8段階のアナログ信号に変換された信号線駆動電流を得ることができる。
図8に示されたn型TFT53〜55は、図7における、R用ビット重み付け電流源回路100〜102の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路18〜20、G用ビット重み付け電流源回路103〜105の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路21〜23、ならびにB用ビット重み付け電流源回路106〜108の後段(出力端)に接続されたスイッチ回路24〜26の各々に相当する。
R,G,B画素回路32,33,34は、たとえば図3Aで説明したのと同様の構成である。すなわち、信号線を介した書込み動作時には、第2の走査線36が“H”レベルのとき第1の走査線35が“H”レベルとなり、信号線を介して信号線駆動電流が信号線駆動回路4から吸い込まれる。このときp型TFT60(図3A)に流れる信号線駆動電流に応じたゲート電位がキャパシタ64によって保持される。
そして、有機EL発光素子の駆動動作時には、第2の走査線36が“L”レベルになり、続いて第1の走査線35が“L”レベルになると、p型TFT60,61はカレントミラー回路を構成し、キャパシタに保持されたゲート電位に応じた電流がp型TFT61のソース−ドレイン間を流れる。p型TFT61のドレインが有機EL発光素子65のアノードに接続されているので、p型TFT61のソース−ドレイン間電流は有機EL発光素子の駆動電流となる。
さて、図7に戻り、表示装置(有機ELパネル)全体の動作の説明を続ける。上述したように、実施の形態1と同様に、信号線駆動回路4は、スキャン(走査)対象行の画素に対応する画像データがD/A変換(デジタル−アナログ変換)されたアナログ電流として、信号線28〜30を介して、画素回路32〜34から電流を吸い込む。すなわち、信号線駆動回路4は、実施の形態1と同様に、信号線を介して画素回路へ信号電流を供給するように信号線を駆動する。
また、上記実施の形態1と同様に、スキャンドライバ回路37にはスタートパルスSTYとシフトクロックCLKYが入力されており、スキャンドライバ回路37は、スタートパルスSTYおよびシフトクロックCLKYをもとにシフトパルスを発生し、このシフトパルスに基づいて、各行の第1および第2の走査線35,36を駆動する駆動パルスSC_A(0),SC_B(0),…,SC_A(N−1),SC_B(N−1)を生成して、各行の画素回路を順次走査していく。
次に、この実施の形態2による駆動シーケンスについて図9を用いて説明する。図9は第jフレーム期間後部〜第(j+1)フレーム期間前部を示す。また、画素マトリクスの行数をN、列数を3×M(RGB各色M列ずつ)とする。
まず、第jフレーム期間において、実施の形態1と同様にして、タイミングラッチ回路3にはラッチパルスLPが入力され、各列に対応する1行分の線順次化された画像データが出力される。
そして、線順次化された画像データが信号線駆動回路4でアナログ電流に変換されたのち、信号線駆動電流として信号線を介して画素回路へ供給される。このように、この実施の形態2においても、いわゆる線順次駆動となっているため、データラッチ期間と走査期間は1水平期間のずれが生じる。
動作モード識別信号A/Bは、データラッチ・ブランキング期間と走査ブランキング期間の両方に属する期間中の所定のタイミングで、“H”レベルおよび“L”レベルの間でトグルされる。ここでは、動作モード識別信号A/Bが“H”レベルのときには、系統Aのビット重み付け電流源がビット重み付け電流出力モード、系統Bのビット重み付け電流源が基準電流書込みモードに設定され、動作モード識別信号A/Bが“L”レベルのときには、系統Aのビット重み付け電流源が基準電流書込みモード、系統Bのビット重み付け電流源がビット重み付け電流電流出力モードに設定されるものとする。
ここで、出力イネーブル制御回路109、サンプリング制御回路110について説明する。例えば、出力イネーブル制御回路109は、図10Aに示すように、インバータ回路131,132およびNOR回路133,134により構成される。動作モード識別信号A/Bおよびその反転信号により出力イネーブル信号OEをマスクすることにより、図9に示すように、走査期間に対応して1フレームおきに交互にアクティブとなる、系統Aのビット重み付け電流源への出力イネーブル信号OE_Aおよび系統Bのビット重み付け電流源への出力イネーブル信号OE_Bを得る。これによって、系統Aおよび系統Bのビット重み付け電流源123a,123bからの出力は、n型TFT50a,50bにより切り替えられる。
また、サンプリング制御回路110は、例えば、図10Bに示すように、インバータ回路136,137およびNOR回路138,139により構成される。シフトレジスタ回路1から出力されるシフトパルスSPX(m)を動作モード識別信号A/Bによってマスクすることにより、図9に示すように、走査期間に対応して1フレームおきに交互にアクティブとなる、系統Aのビット重み付け電流源へのサンプリング信号SP_A(0),…,SP_A(M−1)および系統Bのビット重み付け電流源へのサンプリング信号SP_B(0),…,SP_B(M−1)が得られる。これらのサンプリング信号によって、系統Aおよび系統Bのビット重み付け電流源123aおよび123bでの基準電流のサンプリング(書込み)が制御される。
一方、スキャンドライバ回路37は、実施の形態1と同様に動作し、各走査期間毎に、順次シフトパルスSPY(0),SPY(1),…,SPY(N−1)がスキャンドライ
バ回路37内部で生成される。生成されたシフトパルスSPYに基づいて、各行に対応する駆動パルスSC_A(0),SC_B(0),…,SC_A(N−1),SC_B(N−1)が順次生成され、画素マトリクスの各行の第1および第2の走査線35,36をそれぞれ所定のタイミングで走査する。このようにして、信号線駆動回路4により各列の信号線に供給された画像データがアナログ電流に変換された信号線駆動電流が各画素回路に順次書き込まれていく。画素回路では信号線より供給された電流に基づく電流が有機EL発光素子に流れ、発光する。なお、基準電流発生回路8の構成および動作も実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
以上のように、この実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、ビット重み付けされた基準電流を書き込むことにより、ビット重み付け電流源の出力電流を補正し、ビット重み付け電流源から出力されるビット重み付け電流をデジタル画像のビットデータに応じてスイッチングすることにより加算して信号線へ供給するように構成したので、TFT特性のばらつきが大きい場合であっても各列の信号線駆動電流のばらつきを抑え、発光輝度のムラを抑えることのできる。また、信号線を各列1本とすることができるので、画素ピッチが狭い高解像度表示にも対応することできる。
加えて、実施の形態2においては、2系統のビット重み付け電流源を用いて、基準電流書込み動作と電流出力動作が相補的に交互に繰り返されるように構成したので、基準電流書込み動作に十分な時間を割り当てることができ、安定したビット重み付け電流を出力することが可能となり、信号線駆動電流のばらつきをさらに抑えることができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態1,2による構成では、基準電流を元電流からカレントミラー回路により生成した。実施の形態3においては、元電流をビット数分の段階数(ステップ数)をもった階段波電流として、基準電流発生回路8にて各ステップの電流をサンプリングすることにより分離して、基準電流として基準電流線へ出力する構成について説明する。
図11はこの発明の実施の形態3による基準電流発生回路8および基準電流発生用外部回路の構成を示す回路図である。
実施の形態3においては、例えば、R用ビット重み付け基準電流IREF(R)[2]〜IREF(R)[0]は以下のように生成される。有機ELパネルの外部に設けられたD/A変換回路(DAC)70はコントローラにより制御されて、各ステップを所定電圧とした階段波基準電圧Vref(R)を発生する。D/A変換回路70で発生した階段波基準電圧Vref(R)は差動増幅器71の非反転入力に入力される。差動増幅器71の出力は有機ELパネルへ入力され、n型TFT72のゲートに入力される。n型TFT72のソースは有機ELパネルの外部に設けられた電流設定用抵抗78を介して接地されている。また、n型TFT72のソースは差動増幅器71の反転入力にも接続される。このような構成により、差動増幅器71、n型TFT72および電流設定用抵抗78により定電流源が構成される。n型TFT72のドレイン電流Id(R)は、
Id(R)=Vref(R)/Rext(R)となる。
上記定電流源の出力電流Id(R)は、2系統(系統A/系統B)電流源151および152をもった電流源回路150へ入力される。
この2系統(系統A/系統B)の電流源151および152は、図12に示すように構成される。電流源151および152は同一の構成を有するので、図12では、信号名については添え字AおよびBを省略して一般化している。
電流源151および152の各々は、p型TFT160〜162およびキャパシタ163と、p型TFT170〜172およびキャパシタ173と、p型TFT180〜182およびキャパシタ183とを含む。p型TFT160〜162およびキャパシタ163は、最下位ビットのビット重み付け基準電流を出力する電流源として動作する。同様に、p型TFT170〜172およびキャパシタ173は、2ビット目のビット重み付け基準電流を出力する電流源として動作し、p型TFT180〜182およびキャパシタ183は、最上位ビットのビット重み付け基準電流を出力する電流源として動作する。
電流源151および152の入力端INは、p型TFT161、171および181の各ドレインに接続され、セレクト信号SL[0],SL[1],SL[2]は、それぞれ、p型TFT160,161の各ゲート、p型TFT170,171の各ゲートおよびp型TFT180,181の各ゲートへ与えられている。
また、基準電流出力に用いられるp型TFT162、172および182のドレインは、それぞれp型TFT161、171および181のソースと接続される。p型TFT162、172および182のドレインは、さらに、p型TFT160、170および180のドレインとそれぞれ接続される。
p型TFT162、172および182のゲートには、それぞれp型TFT160、170および180のソースが接続され、さらに、保持用キャパシタ163、173および183の一端が接続される。p型TFT162、172および182のソースは電源VDDに接続されている。キャパシタ163、173および183の他端も電源VDDに接続されている。
電流源151および152の各々は、さらに、p型TFT164,165,174,175,184,185と、ダミー負荷166,176,186とを含む。p型TFT164,174および184は、ビット重み付け基準電流を出力する電流源の出力をそれぞれ遮断するために設けられる。
実施の形態3による基準電流発生の動作シーケンスを図13に示す。
系統Aの電流源151と系統Bの電流源152とは、それぞれ例えば1フレーム毎に元電流書込み動作と電流出力動作を交互に繰り返す。D/A変換回路(DAC)70をコントローラによって制御することにより、元電流Id(R)は図13に示すように、ビット重み付け電流Io,2×Io,4×Ioにそれぞれ対応した3段階の階段波電流となり、さらに、系統Aおよび系統Bの電流源151,152へ入力電流INとして入力される。
そして入力電流INの各段階期間に対応して、セレクト信号SL_A(0),SL_A(1)およびSL_A(2)が順次アクティブ状態(“L”レベル)となる。
まず、セレクト信号SL_A(0)がアクティブ状態となると、図12のp型TFT160,161が導通状態となり、p型TFT162はダイオード接続されるとともに、入力電流INがp型TFT162のソース−ドレイン間を流れる。このときのゲート電圧がキャパシタ163で保持される。続いて、セレクト信号SL_A(1)がアクティブ状態となると、p型TFT170,171が導通状態となり、p型TFT172はダイオード接続されるとともに、入力電流INがp型TFT172のソース−ドレイン間を流れて、このときのゲート電圧がキャパシタ173で保持される。続いて、セレクト信号SL_A(2)がアクティブ状態となると、p型TFT180,181が導通状態となり、p型TFT182はダイオード接続されるとともに、入力電流INがp型TFT182のソース−ドレイン間を流れて、このときのゲート電圧がキャパシタ183で保持される。
次フレームでは、セレクト信号SL_A(0),SL_A(1)およびSL_A(2)は非アクティブ状態(“H”レベル)となり、p型TFT160,161、170,171および180,181の各々が遮断(非導通)される。また、出力イネーブル信号EN_Aがアクティブ状態(“L”レベル)となり、p型TFT164,174,184が導通する。これにより、キャパシタ163,173,183で保持されたゲート電圧に応じた電流がTFT162,172,182のソース−ドレイン間に流れ、この電流OUT[0]〜OUT[2]がp型TFT164、174および184をそれぞれ介して基準電流線5〜7へ出力される。電流OUT[0]〜OUT[2]は、各色における基準電流IREF[0]〜IREF[2]に相当する。ここで、たとえば、基準電流IREF[0]は、基準電流IREF(R)[0],IREF(G)[0],IREF(B)[0]を総括的に示すものである。
ここで、あるフレームの元電流書込み動作時に、セレクト信号SL_A(0)、SL_A(1)およびSL_A(2)が非アクティブ状態となると、ダミー負荷制御信号DM_A(0)、DM_A(1)およびDM_A(2)がそれぞれ対応してアクティブ状態(“L”レベル)となり、p型TFT162、172および182のドレインに、p型TFT165、175および185をそれぞれ介して、ダミー負荷166、176および186をそれぞれ接続する。ダミー負荷166,176,186の各々の他端は接地されているので、対応のセレクト信号が非アクティブ状態の期間にも、ダミー負荷を介してp型TFT162、172および182に電流を流してそのドレイン電位を下げることにより、キャパシタ163,173,183に保持された電荷のリークを防ぐことができる。これにより、基準電流出力動作に移行しても、出力電流OUT[1]〜OUT[3]が低下することを防ぐと同時に、次の元電流書込み動作時にキャパシタに電荷をチャージする時間を短縮する。
系統Bの電流源152も同様に動作し、フレーム毎に元電流書込み動作、基準電流出力動作を繰り返す。このように、系統Aの電流源151および系統Bの電流源152のいずれか一方で各色の基準電流IREF[0]〜IREF[2]を供給する。
以上のように、この実施の形態3によれば、ビット重み付けされた各基準電流値を各階段ステップ電流値とする階段波電流を発生する。さらに、階段波電流の対応するステップの電流を書込み、書込まれた電流を再現して基準電流とするので、1つの階段波電流から正確なビット数分の基準電流を得ることが可能となる。
また、コントローラにより階段波基準電圧の各ステップ電圧を調整することにより、RGBの基準電流の比、および大きさを調整することができ、表示のホワイトバランス調整や輝度調整を制御することができる。
さらに、1つの基準電圧を有機ELパネルへ入力することで、ビット数分の基準電流を生成できるので、パネルの端子数を削減できる。
なお、図13では、フレーム毎に系統Aの電流源151および系統Bの電流源152の動作を切り替えるよう構成したが、切替の周期は任意に設定することが可能である。
また、階段波電流の各ステップは、等期間としたが、下位ビット電流は微小電流となることが考えられるので、配線容量や保持用キャパシタを充電するのに元電流が消費されてしまい、駆動用TFTに所定の電流が流れるまで時間がかかるということが考えられる。このような場合には、下位ビットの基準電流ほど、そのステップ期間を長くとることにより、元電流の書込みを容易にするようにしてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3の各々においては、各色ビット数分の重み付け基準電流を各色ビット数分の基準電流線により供給するよう構成したが、この発明の実施の形態4では、各ビット重み付け基準電流を各段階(ステップ)とする階段波電流として、各色1本の基準電流線により供給するように構成した。
図14は、この発明の実施の形態4による表示装置の構成を示すブロック図である実施の形態4による表示装置では、出力イネーブル制御回路200およびサンプリング制御回路201が設けられる。また、各色1本の基準電流線50〜52が、図1に示した各色複数本(画像データビット数分)ずつの基準電流線5〜7に代えて配置される。なお、図14において、実施の形態1〜3と同一の構成には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
出力イネーブル制御回路200へは、動作モード識別信号A/B、出力イネーブル信号OE、サンプリング基準信号ST(2),ST(1),ST(0)が入力される。出力イネーブル制御回路200は、例えば図15に示すように構成されて、インバータ回路211〜215、NOR回路221,222およびNAND回路231〜236を含む。
このような構成とすることにより、出力イネーブル信号OEが動作モード識別信号A/Bによりマスクされる。この結果、フレーム毎に交互にアクティブ状態(“H”レベル)となる出力イネーブル信号OE_A,OE_Bが生成され、ビット重み付け電流源回路へ送られる。
また、サンプリング基準信号ST(2),ST(1),ST(0)が動作モード識別信号A/Bでマスクされる。この結果、出力イネーブル制御回路200は、図16に示すようにフレーム毎に交互にアクティブ状態(“L”レベル)となるサンプリング基準信号STA2,STA1,STA0およびSTB2,STB1,STB0を生成する。これらのサンプリング基準信号は、各RGB列において、信号線駆動回路4のサンプリング制御回路201へ送られる。
一方、各RGB列のサンプリング制御回路201は、例えば図17のように、インバータ回路241および6個のNOR回路251〜256から構成される。サンプリング制御回路201は、出力イネーブル制御回路200からのサンプリング基準信号STA2,STA1,STA0およびSTB2,STB1,STB0を各列のシフトパルスSPX(m)でマスクして、系統Aの電流源への基準電流書込みを制御するサンプリングパルスSA0(0),SA1(0),SA2(0),…,SA0(M−1),SA1(M−1),SA2(M−1)および、系統Bの電流源への基準電流書込みを制御するサンプリングパルスSB0(0),SB1(0),SB2(0),…,SB0(M−1),SB1(M−1),SB2(M−1)を生成する。これらのサンプリングパルスは、図16に示すように、各行のデータラッチ期間毎に、基準電流IREF(R),IREF(G),IREF(B)の各ステップ(段階)の電流に応じたタイミングで1フレームおきにアクティブ状態(“H”レベル)に設定され、各列の対応するビット重み付け電流源へ出力される。
このように、各行のデータラッチ期間において、基準電流IREF(R),IREF(G),IREF(B)は、各ビット重み付け基準電流をステップとする階段波となっており(ここでは、3ビットなので3段階)、この階段波電流をサンプリングパルスSA0(0),SA1(0),SA2(0),…,SA0(M−1),SA1(M−1),SA2(M−1)またはSB0(0),SB1(0),SB2(0),…,SB0(M−1),SB1(M−1),SB2(M−1)に基づいて、フレーム毎に系統A/系統Bへ交互に書き込む。ビット重み付け基準電流の書込みは、各列において、下位ビット側のビット重み付け電流源から順に行なわれる。
図18は、この実施の形態4による基準電流発生回路8の構成を示す回路図である。実施の形態4による基準電流発生回路は、図5に示す上記実施の形態1と同様の構成であるが、基準電流IREF(R),IREF(G),IREF(B)を階段波として、各色1本ずつの基準電流線によってビット重み付け電流源回路へ供給するので、ここでは、元電流と所定の電流比に従って、RGBそれぞれの基準電流IREF(R),IREF(G),IREF(B)をカレントミラー回路300〜302で出力する構成とした。カレントミラー回路300〜302の各々は、カレントミラー接続されたp型TFT303,304を含む。図18に示された基準電流発生回路において、図5と同一の構成には、同一の符号を付している。
実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、配線インピーダンスを下げるために、元電流は基準電流よりも大きくなるように設定するのが望ましい。また、D/A変換回路70,80,90の出力電圧Vref(R),Vref(G),Vref(B)をコントローラにより独立に調整することにより、RGBの基準電流の比、および大きさを調整することができるので、表示のホワイトバランス調整や輝度調整をコントローラにより制御することが可能となる。
以上のように、この実施の形態4においては、実施の形態1と同様に、ビット重み付けされた基準電流を書き込むことにより、ビット重み付け電流源回路の出力電流を補正し、ビット重み付け電流源回路から出力されるビット重み付け電流をデジタル画像のビットデータに応じてスイッチングすることにより加算して信号線へ供給するように構成した。これにより、TFT特性のばらつきが大きい場合であっても各列の信号線駆動電流のばらつきを抑え、発光輝度のムラを抑えることができる。また、信号線を各列1本とすることができるので、画素ピッチが狭い高解像度表示にも対応することできる。
加えて、実施の形態4においては、基準電流を階段波電流として、各ビット重み付け電流源回路において、そのビットに対応するタイミングで階段波基準電流を書き込むように構成したので、電流供給線として低インピーダンスとなるように配線幅を広くとる必要のある基準電流線の本数を各色1本に削減することができ、また、基準電流発生回路も各色1出力として簡単化できるので、駆動回路の寸法(サイズ)を小さくすることが可能となる。
(実施の形態5)
この発明の実施の形態5では、実施の形態1〜4におけるビット重み付け電流回路において、ビット重み付け電流駆動用のTFTのドレイン側にTFTを追加して、重み付け電流出力動作時における駆動用TFTの定電流性を改善した構成について説明する。
図19は、この発明の実施の形態5におけるビット重み付け電流源回路の構成を示す回路図である。なお、図2に示したビット重み付け電流源回路の構成と同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
実施の形態5におけるビット重み付け電流源回路43では、実施の形態1におけるビット重み付け電流源回路(図2)の構成に加えて、n型TFT320がさらに設けられる。n型TFT320は、ビット重み付け電流駆動用のTFT48のドレイン側にカスコード接続され、そのドレインがn型TFT46のソースおよびn型TFT47のドレインと接続されている。
一般に、低温p−Si TFTの飽和領域におけるVds(ドレイン−ソース間電圧)−Id(ドレイン電流)特性は、単結晶シリコンに比べ、Vds変動によるId変動が大きいことが知られている。
一方、例えば図3Aに示した画素回路では、信号線を介して信号を書き込む場合、TFT62によりダイオード接続されたp型TFT60のゲート−ソース間電圧は信号線駆動電流に応じて変化する。このため、実施の形態1におけるビット重み付け電流源回路中の駆動用TFT48のVdsは信号電流により変化する。このため、駆動用TFT48を飽和領域で動作させたとしても、Vdsの大きさに依存して、出力される(吸い込まれる)ビット重み付け電流の大きさが変化する可能性がある。
実施の形態5においては、駆動用TFT48のドレイン側にTFT320を追加することにより、駆動用TFT48のドレイン電圧の変化、すなわちVdsの変化をシールドする。このとき、TFT320のゲートには、TFT320が飽和領域で動作するようなバイアス電圧Vbiasを供給しておく。
このように、TFT320により駆動用TFT48のVdsの変化をシールドすることができ、信号線へ供給する信号線駆動電流の変化に伴って信号線電圧が変化する場合であっても、駆動用TFT48により駆動される信号線駆動電流の変化を抑えることが可能となる。
同様に、図8に示した実施の形態2におけるビット重み付け電流源123a,123bの駆動用TFT48aおよび48bのドレイン側に、Vds変化をシールドするためのTFT320aおよび320bをそれぞれ追加した構成を図20に示す。なお、図20において、図8の構成と同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
(実施の形態6)
上記各実施の形態1〜5におけるビット重み付け電流源回路においては、画像データの対応のビットが“0”であっても、ダミー負荷を介して駆動用TFTのドレインを電源VDDに接続して駆動用TFTに電流を流すことにより、駆動用TFTのゲート電位を保持するためのキャパシタにおける電荷のリークを防止するように構成した。以下の実施の形態6,7では、同様の効果を得るために、駆動用TFTのドレイン側にTFTをカスケード(直列)接続して、キャパシタの電荷リーク経路を遮断するよう構成したビット重み付け電流源回路の構成について説明する。
図21は、この発明の実施の形態6によるビット重み付け電流源回路の構成を示す回路図である。
図21を参照して、発明の実施の形態6によるビット重み付け電流源回路43では、実施の形態1におけるビット重み付け電流源回路(図2)の構成に加えて、n型TFT330、NANDゲート331、インバータ(NOTゲート)332およびキャパシタ333がさらに設けられる。n型TFT330のソースは、駆動用TFT48のドレインに接続され、n型TFT330のドレインは、n型TFT47のドレイン、n型TFT46のソースおよびn型TFT50のソースに接続されている。図21においても、図2に示したビット重み付け電流源回路の構成と同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
次に動作について説明する。発明の実施の形態6によるビット重み付け電流源回路では、ビット重み付け電流出力動作時に、画像データの対応ビットD[x](m)が“0”であり、かつ出力イネーブル信号OEがアクティブ状態(“H”レベル)となって、電流出力経路が遮断される場合でも、NANDゲート331の出力が“L”レベルとなってn型TFT330が非導通となるので、キャパシタ49に保持された電荷がn型TFT47および駆動用TFT48を介してリークする経路を遮断することができる。
このため、駆動用TFT48のゲート電位が低下することがなく、画像データの対応ビットD[x](m)が“1”となって信号線へ電流を出力するときにも、所定の電流を供給することが可能となる。
さらに、キャパシタ333は、一端がn型TFT330のドレインに接続され、また他端が接地されているので、n型TFT330のドレイン電位を保持する。これにより、n型TFT330のドレイン電位が駆動用TFT48のゲート電位よりも低下するのを防ぎ、キャパシタ49の保持電荷がリークするのを防止することができる。なお、n型TFT330を遮断することによりキャパシタ49の電荷リークが十分防止できる場合には、キャパシタ333はとくに設ける必要はない。
また、n型TFT330、NANDゲート331およびインバータ332が配置されない、実施の形態1におけるビット重み付け電流源回路においても、駆動用TFT48のドレインに、図21のキャパシタ333と同様のキャパシタを追加することもできる。このような構成とすれば、駆動用TFT48のドレイン電位がゲート電位よりも低下するのを防ぐことができ、キャパシタ49の保持電荷がリークするのを防止することができる。
(実施の形態7)
図22は、この発明の実施の形態7によるビット重み付け電流源回路の構成を示す回路図である。
図22を参照して、実施の形態7によるビット重み付け電流源回路120〜122では、実施の形態2におけるビット重み付け電流源(図8)の構成に加えて、n型TFT330a,330b、NANDゲート331a,331b、インバータ(NOTゲート)332a,332b、およびキャパシタ333a,333bがさらに設けられる。n型TFT330aおよび330bのソースは、それぞれ駆動用TFT48aおよび48bのドレインに接続される。また、n型TFT330aのドレインは、n型TFT47aのドレインおよびn型TFT46a,50aのソースに接続され、n型TFT330bのドレインは、n型TFT47bのドレインおよびn型TFT46b,50bのソースに接続される。
次に動作につき説明する。発明の実施の形態7によるビット重み付け電流源回路では、ビット重み付け電流出力動作時に、画像データの対応ビットD[x](m)が“0”であり、かつ出力イネーブル信号OEがアクティブ(“H”レベル)となり電流出力経路が遮断された場合でも、NANDゲート331aの出力が“L”レベルとなってn型TFT330aが非導通となるので、キャパシタ49aに保持された電荷がn型TFT47a,駆動用TFT48aを介してリークする経路を遮断することができる。同様に、NANDゲート331bの出力が“L”レベルとなってn型TFT330bが非導通となるので、キャパシタ49bに保持された電荷がn型TFT47bおよび駆動用TFT48bを介してリークする経路を遮断することができる。
このため、駆動用TFT48a,48bのゲート電位が低下することがなく、画像データの対応ビットD[x](m)が“1”となって信号線へ電流を出力するときにも、所定の電流を供給することが可能となる。
さらに、キャパシタ333aは、その一端がn型TFT330aのドレインに接続され、その他端が接地されているので、n型TFT330aのドレイン電位を保持する。同様に、キャパシタ333bは、その一端がn型TFT330bのドレインに接続され、その他端が接地されているので、n型TFT330bのドレイン電位を保持する。
これにより、n型TFT330a,330bのドレイン電位がn型TFT48a,48bのゲート電位よりも低下するのを防ぎ、キャパシタ49a,49bの保持電荷がリークするのを防止することができる。なお、n型TFT330a,330bを遮断することにより、キャパシタ49a,49bの電荷リークが十分防止できる場合には、キャパシタ333a,333bはとくに設ける必要はない。
また、n型TFT330a,330b、NANDゲート331a,331b、およびインバータ332a,332bが配置されない、実施の形態2におけるビット重み付け電流源回路120〜122においても、駆動用TFT48a,48bのドレインに、図22のキャパシタ333a,333bと同様のキャパシタを追加することもできる。これにより、駆動用TFT48a,48bのドレイン電位がゲート電位よりも低下するのを防ぐことができ、キャパシタ49a,49bの保持電荷がリークするのを防止することができる。
(実施の形態8)
実施の形態6,7においては、ビット重み付け電流出力動作のときの駆動用TFTのゲート電圧を保持するためのキャパシタにおける電荷保持を目的としたビット重み付け電流源回路の構成を説明した。以下の実施の形態8および9では、さらに基準電流書込み動作時において、当該ビット重み付け電流源回路のサンプリングが選択されない、すなわち、対応のサンプリング信号SMP(m)が非アクティブ状態の場合にも、駆動用TFTにカスケード(直列)接続されたTFTを非導通とすることにより、当該キャパシタの保持電荷のリークを防止することが可能なビット重み付け電流源回路の構成について説明する。
図23は、この発明の実施の形態8によるビット重み付け電流源回路の構成を示す図である。
図23では、図2に示した実施の形態1のビット重み付け電流源回路のように、電流源が1系統の場合の構成を示している。実施の形態8におけるビット重み付け電流源回路43では、実施の形態1におけるビット重み付け電流源回路(図2)の構成に加えて、n型TFT330、NAND回路350,351および、インバータ(NOT回路)352がさらに設けられる。
NAND回路351は、出力イネーブル信号OEと、画像データの対応ビットD[x](m)のNAND演算結果を出力する。インバータ(NOT回路)352は、サンプリング信号SMP(m)の論理レベルを反転して出力する。NAND回路350は、NAND回路351およびインバータ(NOT回路)352の出力間のNAND(否定論理積)演算結果をn型TFT330のゲートへ与える。図23においても、図2に示したビット重み付け電流源回路の構成と同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
これにより、実施の形態8によるビット重み付け電流源回路では、ビット重み付け電流出力動作時には、出力イネーブル信号OEがアクティブ状態(“H”レベル)であり、かつ対応のサンプリング信号SMP(m)が非アクティブ状態(”L”レベル)であるので、画像データの対応ビットD[x](m)が“0”となれば、NAND回路350の出力は”L”レベルとなり、n型TFT330が非導通となって電流出力経路が遮断される。
また、基準電流書込み動作時には、出力イネーブル信号OEが非アクティブ状態(“L”レベル)であり、対応のサンプリング信号SMP(m)が非アクティブ(”L”レベル)となれば、NAND回路350の出力が“L”レベルとなってn型TFT330が非導通となり電流出力経路が遮断される。
このように、ビット重み付け電流出力動作時に、スイッチング手段として機能するn型TFTが非導通とされて電流が出力されない場合、または、基準電流書込み動作時に駆動用TFT48へ基準電流を書き込まない場合には、n型TFT330が非導通となって、キャパシタ49に保持された電荷がn型TFT47および駆動用TFT48を介してリークする経路を遮断することができる。このため、駆動用TFT48のゲート電位が低下することがなく、画像データの対応ビットD[x](m)が“1”となって信号線へ電流を出力するときにも、所定の電流を供給することが可能となる。
なお、実施の形態6と同様に、n型TFT330を遮断することによりキャパシタ49の電荷リークが十分防止できる場合には、キャパシタ333はとくに設ける必要はない。
(実施の形態9)
図24は、この発明の実施の形態9によるビット重み付け電流源の構成を示す図である。図24では、図8に示した実施の形態2のビット重み付け電流源回路のように、電流源が2系統の場合の構成を示している。
実施の形態9におけるビット重み付け電流源回路120〜122は、実施の形態2におけるビット重み付け電流源回路(図10)の構成に加えて、系統Aのビット重み付け電流源123aにおいては、n型TFT330a、NAND回路350a,351aおよび、インバータ(NOT回路)352aがさらに設けられ、系統Bのビット重み付け電流源123bにおいては、n型TFT330b、NAND回路350b,351bおよび、インバータ(NOT回路)352bがさらに設けられる。
系統Aのビット重み付け電流源123aにおいて、NAND回路351aは、出力イネーブル信号OE_Aと、画像データの対応ビットD[x](m)のNAND演算結果を出力する。インバータ(NOT回路)352aは、サンプリング信号SP_A(m)の論理レベルを反転して出力する。NAND回路350aは、NAND回路351aおよびインバータ(NOT回路)352aの出力間のNAND演算結果をn型TFT330aのゲートへ与える。
同様に、系統Bのビット重み付け電流源123bにおいて、NAND回路351bは、出力イネーブル信号OE_Bと、画像データの対応ビットD[x](m)のNAND演算結果を出力する。インバータ(NOT回路)352bは、サンプリング信号SP_B(m)の論理レベルを反転して出力する。NAND回路350bは、NAND回路351bおよびインバータ(NOT回路)352bの出力間のNAND演算結果をn型TFT330bのゲートへ与える。
これにより、実施の形態9によるビット重み付け電流源回路では、例えばビット重み付け電流源123a(系統A)のビット重み付け電流出力動作時には、出力イネーブル信号OE_Aがアクティブ状態(“H”レベル)であり、対応のサンプリング信号SP_A(m)が非アクティブ状態(“L”レベル)であるので、画像データの対応ビットD[x](m)が“0”となれば、NAND回路350aの出力は“L”レベルとなり、n型TFT330aが非導通となるので電流出力経路が遮断される。ビット重み付け電流源123b(系統B)においても同様に、ビット重み付け電流出力動作時には、画像データの対応ビットD[x](m)が“0”となれば、n型TFT330bが非導通となり電流出力経路が遮断される。
また、ビット重み付け電流源123a(系統A)の基準電流書込み動作時には、出力イネーブル信号OE_Aが非アクティブ状態(“L”レベル)であるので、対応のサンプリング信号SP_A(m)が非アクティブ状態(“L”レベル)となれば、NAND回路350aの出力が“L”レベルとなってn型TFT330aが非導通となり電流出力経路が遮断される。
ビット重み付け電流源123b(系統B)においても同様に、基準電流書込み動作時には、対応のサンプリング信号SP_B(m)が非アクティブ状態(“L”レベル)となれば、n型TFT330bが非導通となり電流出力経路が遮断される。
このように、ビット重み付け電流出力動作時に、スイッチング手段として機能するn型TFTが非導通とされて電流が出力されない場合、または、基準電流書込み動作時に駆動用TFT48へ基準電流を書き込まない場合には、n型TFT330a,330bが非導通となるので、キャパシタ49a,49bに保持された電荷がn型TFT47a,47bおよび駆動用TFT48a,48bを介してリークする経路を遮断することができる。このため、駆動用TFT48a,48bのゲート電位が低下することがなく、画像データの対応ビットD[x](m)が“1”となって信号線へ電流を出力するときにも、所定の電流を供給することが可能となる。
なお、実施の形態7と同様に、n型TFT330a,330bを遮断することにより、キャパシタ49a,49bの電荷リークが十分防止できる場合には、キャパシタ333a,333bはとくに設ける必要はない。
(実施の形態10)
図25は、実施の形態10による表示装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態10においては、信号線による各画素回路への信号電流の供給に対して画像データ線の電圧変化が与える影響を抑制した信号線駆動回路の構成について説明する。
実施の形態10による表示装置の代表例として示される有機ELパネル400は、実施の形態1による有機ELパネル38と比較して、信号線駆動回路の構成が異なる。図25には、実施の形態10による信号線駆動回路402が示される。信号線駆動回路402は、各RGB表示列ごとに設けられる信号線駆動回路403の集合である。後程詳細に説明するように、実施の形態10による信号線駆動回路402,403には、図1に示したデータラッチ回路2,タイミングラッチ回路3に相当する回路部分も含まれている。
以降では、各色kビット(k:2以上の整数)画像データにより表示を行なう場合について説明する。図25では、kビットの画像データのうちの、最上位ビットR[k−1],G[k−1],B[k−1]およびそれぞれ対応する画像データ線404R,404G,404B、ならびに、最下位ビットR[0],G[0],B[0]およびそれぞれ対応する画像データ線405R,405G,405Bが代表的に示される。
図1における基準電流発生回路8に代えて設けられる基準電流発生回路408は、画像データのそれぞれのビットに対応するビット重み付け電流の基準電流を生成する。なお、図25では、これらの基準電流についても、最上位ビットに対応する基準電流IREF(R)[k−1],IREF(G)[k−1],IREF(B)[k−1]および、それぞれを伝達する基準電流線406R,406G,406B、ならびに、最下位ビットに対応する基準電流IREF(R)[0],IREF(G)[0],IREF(B)[0]および、それぞれを伝達する基準電流線407R,407G,407Bが代表的に示される。
信号線駆動回路402へは、実施の形態1と同様に、ラッチパルスLP、サンプリングイネーブル信号SEおよび出力イネーブル信号OEの制御信号が入力される。図25では、信号線駆動回路402の内部において、これらの制御信号を伝達する配線群のうち、最上位ビットに対応する回路群に対してこれらの制御信号を伝達する配線409,410,411と、最下位ビットに対応する回路群に対してこれらの制御信号を伝達する配線412,413,414とが代表的に示されている。さらに、信号線駆動回路402へは、後程詳細に説明する制御信号CNT_AおよびCNT_Bが入力される。信号線駆動回路402の内部において、制御信号CNT_AおよびCNT_Bは、配線422および423によってそれぞれ伝達される。
なお、図25において、図1の構成と同一の部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図26は、実施の形態10による信号線駆動回路の構成を詳細に説明するブロック図である。図26には、第m番目のRGB列に対応する信号線駆動回路403の構成が代表的に示されるが、各RGB列において同様の構成の信号線駆動回路403が配置されている。
図26を参照して、第m番目の信号線駆動回路403は、画像データの各ビットに対応した電流変換回路430,・・・,431と、R,G,Bにそれぞれ対応する、電流出力線440R,440G,440Bおよび電流伝達回路441R,441G,441Bとを含む。電流伝達回路441R,441G,441Bに対して、各列の信号線駆動回路403に対して共通の配線422および423によって、制御信号CNT_AおよびCNT_Bが伝達される。
各電流変換回路は、R,G,Bにそれぞれ対応する電流変換回路から構成される。図26には、これらの電流変換回路のうち、最上位ビット(R[k−1],G[k−1],B[k−1])に対応する電流変換回路430および、最下位ビット(R[0],G[0],B[0])に対応する電流変換回路431が代表的に示される。電流変換回路430は、R用の電流変換ユニット430R、G用の電流変換ユニット430GおよびB用の電流変換ユニット430Bから構成される。電流変換ユニット431は、R用の電流変換ユニット431R、G用の電流変換ユニット431GおよびB用の電流変換ユニット431Bから構成される。
各電流変換ユニットは、データラッチ回路432、タイミングラッチ回路433および電流源回路434を有する。図26においては、データラッチ回路432、タイミングラッチ回路433および電流源回路434の末尾に、表示色に合わせてR,G,Bの添え字を付しているが、各データラッチ回路432、各タイミングラッチ回路433および各電流源回路434の構成は同様である。
画像データ線は、各列のデータラッチ回路432に対して共通に設けられている。各データラッチ回路432は、対応の列のシフトパルスSPX(m)に応答して、対応の画像データ線から画像データの対応のビットをラッチする。たとえば、図26に示された電流変換回路430中のデータラッチ回路432R,432G,432Bは、シフトパルスSPX(m)に応答して、画像データ線404R,404G,404B上を伝達される、画像データの最上位ビットR[k−1],G[k−1],B[k−1]をラッチする。また、電流変換回路431中のデータラッチ回路432R,432G,432Bは、シフトパルスSPX(m)に応答して、画像データ線405R,405G,405B上を伝達される、画像データの最下位ビットR[0],G[0],B[0]をラッチする。
このような処理を、先頭列から最終列まで順次行なうことにより、1行分の画像データ(R,G,B)が、各データラッチ回路432R,432G,432Bによってラッチされる。各データラッチ回路432にラッチされた画像データの各ビットは、各タイミングラッチ回路433によって共通のラッチパルスLPに応答してラッチされて、線順次化された画像データとなる。すなわち、各データラッチ回路432は、図1におけるデータラッチ回路2中の1ビット分の回路部分に相当し、各タイミングラッチ回路433は、図1におけるタイミングラッチ回路3中の1ビット分の回路部分に相当する。
次に、電流源回路434の構成について説明する。電流源回路434は、図1に示された実施の形態1による表示装置における、ビット重み付け電流源回路9〜17およびスイッチ回路18〜26の部分に相当する。
図27は、発明の実施の形態10による表示装置におけるビット重み付け電流源の構成を示す回路図である。
図27には、第m番目のRGB列の信号線駆動回路403中の、画像データの第jビット(j:0〜(k−1)の整数)に対応する電流源回路434R,434G,434Bが代表的に示される。電流源回路434R,434G,434Bへは、基準電流線445R,445G,445Bによって、基準電流IREF(R)[j],IREF(G)[j],IREF(B)[j]が供給される。第jビットに対応する基準電流は、IREF(R)[j]=2^(j−1)×Io(R)、IREF(G)[j]=2^(j−1)×Io(G)およびIREF(B)[j]=2^(j−1)×Io(B)で示される。
電流源回路434R,434G,434Bの構成は同様であるので、図27には、電流源回路434Rの回路構成のみが代表的に示される。電流源回路434Rは、ビット重み付け電流源回路435および、スイッチ回路として設けられるn型TFT453を含む。
ビット重み付け電流源回路435は、図2に説明したビット重み付け電流源回路43と同様に構成されるが、出力するビット重み付け電流の方向が反対である。したがって、ビット重み付け電流源回路435の構成は、ビット重み付け電流源回路43において、TFTのn型およびp型を適宜入換え、かつ、電源VDDおよび接地電源を入換えた構成に相当する。ビット重み付け電流源回路435は、p型TFT446〜448、n型TFT450、キャパシタ(容量素子)449、ダミー負荷451およびp型TFT452を含む。p型TFT446のドレインには、基準電流線445Rが接続されており、p型TFT446のソースには、p型TFT447,448のドレインおよびn型TFT450のドレインが接続されている。p型TFT447のソースには、p型TFT448のゲートおよびそのゲート電圧を保持するためのキャパシタ449の一端が接続されている。p型TFT448のソースおよびキャパシタ449の他端は、電源VDDと接続される。さらに、n型TFT450のソースは、p型TFT452のソースおよびn型TFT453のドレインに接続されており、p型TFT452のドレインは、ダミー負荷451を介して接地されている。
図1に示したAND回路27に代えて設けられるNAND回路460は、サンプリングイネーブル信号SEおよびシフトパルスSPX(m)のNAND(否定論理積)演算結果を、サンプリング信号SMP(m)として出力する。サンプリング信号SMP(m)はp型TFT446および447の各ゲートに入力され、アクティブ時に、p型TFT446,447が導通するように制御される。したがって、サンプリング信号SMP(m)のアクティブ(“L”レベル)時には、p型TFT446を介して基準電流線445Rからビット重み付け電流源回路435へビット重み付け基準電流IREF(R)[j]が供給される。このように、p型TFT446,447は、サンプリング信号SMP(m)に応じてビット重み付け電流源回路435への基準電流の書込みを制御するスイッチとして動作する。
また、出力イネーブル信号OEはn型TFT450のゲートに入力され、アクティブ(“H”レベル)時に、n型TFT450が導通するように制御される。したがって、したがって、出力イネーブル信号OEのアクティブ時には、駆動用のp型TFT448による電流吸い込み経路が形成される。このように、n型TFT450は、図2に示したn型TFT50と同様に、ビット重み付け電流源回路435からの出力を制御するように動作する。
さらに、ビット重み付け電流源回路435の出力端にはn型TFT453のドレインが接続される。また、n型TFT453のソースは、電流出力線440Rと接続される。n型TFT453のゲートには、対応する画像データのビット情報DR[j](m)が入力されている。ビット重み付け電流源回路435は、ビット重み付け電流源回路43と同様に、基準電流書込み動作とビット重み付け電流出力動作とを交互に繰り返す。
基準電流書込み動作時には、サンプリング信号SMP(m)がアクティブ(“L”レベル)となり、基準電流線445Rより供給されるビット重み付け基準電流IREF(R)[j]がp型TFT446を介して、ダイオード接続されたp型TFT448に流れる。p型TFT448に基準電流IREF(R)[j]が流れるときのゲート電圧は、キャパシタ449により保持される。また、基準電流書込み動作では、出力イネーブル信号OEは非アクティブ(“L”レベル)であり、n型TFT450は遮断されている。
ビット重み付け電流出力動作においては、サンプリング信号SMP(m)が非アクティブレベル(“H”レベル)であり、p型TFT446,447は遮断される。一方、出力イネーブル信号OEはアクティブ(“H”レベル)であり、n型TFT450が導通する。このとき、駆動用のp型TFT448は、基準電流書込み動作時にキャパシタ449により保持されたゲート電圧に応じた電流をソース−ドレイン間に流す。すなわち、p型TFT448は、基準電流書込み動作に書き込まれた基準電流とほぼ等しい一定電流Id_R[j](m)をドレインから出力しようとする。このとき、対応のタイミングラッチ回路433Rからの対応する画像データのビットDR[j](m)が“1”であれば、n型TFT453が導通し、p型TFT448はn型TFT450,453を介して、電流出力線440Rへビット重み付け電流Id_R[j](m)を出力する。
また、画像データの対応ビットDR[j](m)が“0”の場合には、n型TFT453が遮断され、電流出力線440Rへ電流を出力しない。このとき、キャパシタ449に保持された電荷のリークによる電流出力線440Rへの出力電流の低下を防ぐために、n型TFT452およびダミー負荷451が設けられる。これにより、画像データの対応ビットDR[j](m)が“0”であっても、駆動用のp型TFT448には電流が流れるので、キャパシタ449の電荷リークによって、p型TFT448のゲート電位が次第に上昇することを防止できる。
電流源回路434Gおよび434Bは、電流源回路434Rと同様の構成を有し、サンプリングイネーブル信号SEおよび出力イネーブル信号OEに応答して電流源回路434Rと同様に動作する。すなわち電流源回路434Gは、ビット重み付け電流出力動作には、画像データの対応ビットDG[j](m)に応じて、電流出力線440Gへのビット重み付け電流Id_G[j](m)を電流出力線440Gへ出力し、基準電流書込み動作時には、基準電流線445Gから基準電流IREF(G)[j]を書き込まれて、ビット重み付け電流Id_G[j](m)を補正する。同様に、電流源回路434Bは、ビット重み付け電流出力動作には、画像データの対応ビットDB[j](m)に応じて、電流出力線440Bへのビット重み付け電流Id_B[j](m)を電流出力線440Bへ出力し、基準電流書込み動作時には、基準電流線445Bから基準電流IREF(B)[j]を書き込まれて、ビット重み付け電流Id_B[j](m)を補正する。
画像データDR[0](m)〜DR[k−1](m)にそれぞれ対応する電流源回路434Rの各々において、n型TFT453のソースは電流出力線440Rと接続される。したがって、電流源回路434Rからのそれぞれのビット重み付け電流Id_R[j](m)をスイッチングして出力することにより加算した出力電流Id_R(m)が電流出力線440Rに出力される。出力電流Id_R(m)は、Id_R(m)={2^(k−1)×DR[k−1](m)+・・・+2×DR[1](m)+DR[0](m)}×Iroで示される。
同様に、電流出力線440Gへは、電流源回路434Gからのそれぞれのビット重み付け電流Id_G[j](m)をスイッチングして出力することにより加算した出力電流Id_G(m)が出力される。また、電流出力線440Bへは、電流源回路434Bからのそれぞれのビット重み付け電流Id_B[j](m)をスイッチングして出力することにより加算した出力電流Id_B(m)が出力される。出力電流Id_G(m)は、Id_G(m)={2^(k−1)×DG[k−1](m)+・・・+2×DG[1](m)+DG[0](m)}×Igoで示され、出力電流Id_B(m)は、Id_B(m)={2^(k−1)×DB[k−1](m)+・・・+2×DB[1](m)+DB[0](m)}×Iboで示される。
なお、上述したように、電流Iro,Igo,Iboは、各ビット重み付け電流源回路435での基準電流書込み動作によって、基準電流Io(R),Io(G),Io(B)に近づけられる。
このように、電流変換回路430,・・・,431は、画像データに応じた出力電流Id_R(m),Id_G(m),Id_B(m)を電流出力線440R,440G,440Bへ出力する。すなわち、信号線駆動回路403中の電流変換回路は、図2に示した構成と同様に、入力される画像データをアナログ信号電流に変換して出力する電流加算型のD/Aコンバータとして動作する。
再び図26を参照して、電流伝達回路441R、441Gおよび441Bは、電流出力線440R、440Gおよび440Bに出力された出力電流Id_R(m),Id_G(m)およびId_B(m)にそれぞれ応じた信号電流IL_R(m)、IL_G(m)およびIL_B(m)を、信号線28、29および30へ供給する。信号電流IL_R(m)、IL_G(m)およびIL_B(m)は、これまでの実施の形態と同様に、画素回路32〜34から電流伝達回路441R、441Gおよび441Bへ吸い込まれる方向へ流れる。
電流伝達回路441Rは、入力スイッチ回路442Rと、2系統(系統A/系統B)の電流源回路443Ra,443Rbと、出力スイッチ回路444Rとを含む。同様に、電流伝達回路441Gは、入力スイッチ回路442Gと、2系統(系統A/系統B)の電流源回路443Ga,443Gbと、出力スイッチ回路444Gとを含み、電流伝達回路441Bは、入力スイッチ回路442Bと、2系統(系統A/系統B)の電流源回路443Ba,443Bbと、出力スイッチ回路444Bとを含む。
図28は、電流伝達回路の構成を示す回路図である。電流伝達回路441R,441G,441Bの構成は同様であるので、図28では、符号の末尾のR,G,Bは省略して、各色に対応する電流伝達回路の構成を総括的に説明する。
2系統の電流源回路443a,443bの動作は、制御信号CNT_AおよびCNT_Bに応じて制御される。制御信号CNT_AおよびCNT_Bの一方は、交互にアクティブ(“H”レベル)に設定され、他方は相補的に非アクティブ(“L”レベル)へ設定される。
入力スイッチ回路442は、n型TFT472aおよび472bを有する。n型TFT472aおよび472bのドレインは、電流出力線440(電流出力線440R,440G,440Bを総括的に示すもの)と接続される。n型TFT472aおよび472bのゲートにはそれぞれ制御信号CNT_AおよびCNT_Bが入力される。
電流源回路443a(系統A)は、n型TFT473a,474aおよびキャパシタ475aを含む。n型TFT473aのドレインは、n型TFT472aのソースおよびn型TFT474aのドレインに接続されており、n型TFT473aのソースは、キャパシタ475aの一端およびn型TFT474aのゲートと接続されている。n型TFT474aのソースおよびキャパシタ475aの他端は接地されている。電流源回路443b(系統B)は、電流源回路443aと同様に構成され、n型TFT473a,474aおよびキャパシタ475aにそれぞれ対応するn型TFT473b,474bおよびキャパシタ475bを含む。n型TFT473aおよび473bのゲートへは、それぞれ制御信号CNT_AおよびCNT_Bが入力される。
出力スイッチ回路444は、n型TFT476a,476bと、NOT回路(インバータ)477a,477bとを含む。n型TFT474aのドレイン(すなわち、系統Aの電流源回路443aの出力ノード)には、n型TFT476aのソースが接続される。同様に、n型TFT474bのドレイン(系統Bの電流源回路443bの出力ノード)には、n型TFT476bのソースが接続される。n型TFT476aおよび476bのドレインは、画素マトリクス回路31へ電流を供給する信号線28,29,30と接続されている。
NOT回路477aおよび477bへは制御信号CNT_AおよびCNT_Bが入力され、それぞれの出力は、n型TFT476aおよび476bのゲートへ入力される。
たとえば、制御信号CNT_Aがアクティブの場合、入力スイッチ回路442は、電流出力線440Rを電流源回路443a中のn型TFT474aのドレインと接続する。これにより、電流出力線440Rへ出力された出力電流Id(m)は、入力スイッチ回路442を構成するn型TFT472aを介して、n型TFT474aを流れる。このとき、n型TFT473aが導通状態であるのでn型TFT474aがダイオード接続状態となり、出力電流Id(m)が流れたときのn型TFT474aのゲート電圧は、キャパシタ475aに保持される。
次に、制御信号CNT_Aが非アクティブ(”L”レベル)の場合、n型TFT472aが遮断され、出力電流Id(m)のn型TFT474aへの流入が停止するとともに、n型TFT473aも遮断され、n型TFT474aはキャパシタ475aにより保持されたゲート電圧に応じた電流をドレインから引き込もうとする。このとき、NOT回路477aの出力は“H”レベルであるのでn型TFT476aが導通して、出力スイッチ回路444は、信号線28,29,30を電流源回路443a中のn型TFT474aのドレインと接続する。これにより、信号線28,29,30からn型TFT476aを介して、出力電流Id(m)が再現されてn型TFT74aのドレイン−ソース間を流れる。
このようにして、制御信号CNT_Aがアクティブのときに電流源回路443aに書き込まれた出力電流Id(m)は、制御信号CNT__Aが非アクティブのときに再現されて、信号電流IL(m)が信号線28,29,30から引き込まれる(吸込まれる)。同様に、制御信号CNT_Bがアクティブのときに電流源回路443bに書き込まれた出力電流Id(m)は、制御信号CNT__Bが非アクティブのときに再現されて、信号電流IL(m)が信号線28,29,30から引き込まれる。つまり、n型TFT474aおよび474bは、電流伝達回路441の駆動用TFTとなる。
制御信号CNT_AおよびCNT__Bに応答して、電流源回路443aおよび443bは、一方が出力電流Id(m)の書込み動作を行ない、他方が既に書き込まれた出力電流Id(m)を再現した信号電流IL(m)を信号線28,29,30から引き込む(ここでは、電流は引き込む方向であるが、便宜上電流を出力すると表現する。)。すなわち、2系統の電流源回路443aおよび443bは、電流書込み動作と電流出力動作を相補的に繰り返す。
このように、実施の形態10による表示装置では、画像データに応じたアナログ信号電流は、一旦電流伝達回路441に書き込まれたのちに再現されて、信号線駆動電流(信号電流)IL_R(m),IL_G(m),IL_B(m)として信号線28,29,30へ伝達される。
信号線28,29,30へ出力された信号電流IL_R(m),IL_G(m),IL_B(m)は、図25に示した画素マトリクス回路31中の各画素回路32〜34のうち、スキャンドライバ回路37により第1および第2の走査線35,36を介してスキャン(走査)された行の画素回路へ書き込まれる。実施の形態10による表示装置においても、各信号電流は、各画素回路32〜34から信号線駆動回路403へ吐き出される方向に流れるので、図3Aおよび図3Bに示した画素回路の構成を適用することができる。
次に、実施の形態10による表示装置(有機ELパネル400)の動作シーケンスを図29を用いて説明する。図29には、第jフレーム期間後部〜第(j+1)フレーム期間前部での動作が示される。これまでと同様に、画素マトリクスの行数をN、列数を3×M(RGB各色M列ずつ)とする。
まず、第jフレーム期間において、シフトレジスタ回路1には第0行(先頭行)〜第(N−1)行(最終行)のデータラッチ期間の先頭でスタートパルスSTXがコントローラから入力される。また、シフトクロックCLKXが各行のラッチ期間全体でそれぞれコントローラからシフトレジスタ回路1へ入力され、シフトレジスタ回路1からシフトパルスSPX(0),SPX(1),SPX(2),…,SPX(M−1)が順次出力される。
一方、データラッチ回路432R,432G,432BにてシフトパルスSPX(シフトパルスSPX(0)〜SPX(M−1)を総括的に表記したもの)によりラッチされるように、当該列のRGB画像データR[k−1..0],G[k−1..0],B[k−1..0]がコントローラから入力される。そして、各行のデータラッチ期間において全列×1行分の画像データがラッチされたのち、タイミングラッチ回路433R,433G,433BにはラッチパルスLPが入力され、タイミングラッチ回路433R,433G,433Bから各列に対応する1行分の線順次化された画像データが出力される。
そして線順次化された画像データ(R,G,B)は、電流変換回路430,・・・,431でアナログ電流に変換され、電流出力線440R,440G,440Bを介して電流伝達回路441R,441G,441Bへ一旦入力され、その後電流伝達回路441R,441G,441Bによって再現されて、信号電流として信号線28,29,30に出力される。このとき、入力される画像データをデータラッチ回路432R,432G,432Bにてラッチするデータラッチ期間と、電流変換回路430,・・・,431が対応する信号電流を出力する期間とは1水平期間のずれが生じる。第0行(先頭行)〜第(N−1)行の走査期間を含む期間においては、各信号線駆動回路403中のビット重み付け電流源がビット重み付け電流出力動作を行なうように、出力イネーブル信号OEは“H”レベルに設定される。
そして、たとえば、先頭行(第0行)の信号電流は系統Aの電流源回路443Ra,443Ga,443Baに書き込まれ、次の水平期間にて信号線電流として信号線28,29,30へ出力される。続いて、第1行の信号電流は系統Bの電流源回路443Rb,443Gb,443Bbに書き込まれ、さらに次の水平期間にて信号電流として信号線28,29,30へ出力される。系統Aおよび系統Bの電流伝達回路がそれぞれ相補的に電流書込み動作および電流出力動作を行なうように、制御信号CNT_AおよびCNT_Bは、互いに逆極性となるように水平期間毎にトグルされる。このように、データラッチ期間と当該行の信号電流が信号線へ出力される期間とは、2水平期間ずれることになる。
ここで、実施の形態10による表示装置における有機ELパネル400においては、画素マトリクスに対して信号線は垂直方向に並設される。一方、画像データのビット数分の段数の電流変換回路430,・・・,431は、信号線28,29,30に対して直交するように並設され、各出力ノードは信号線と同じ方向に配設された電流出力線440R,440G,440Bに接続されている。一方、画像データは各列共通に横方向に配設された画像データ線404R,404G,404B,・・・,405R,405G,405Bによって各列の電流変換回路430,・・・,431へ送られる。
本来、互いに交差する方向に設けられる信号線28,29,30と画像データ線との間には、信号カップリングが生じる。このため、画素回路への信号電流書込み時には、次行(次ライン)の画像データが画像データ線を介して順次入力されているため、信号線の電位が画像データにより妨害を受ける。信号線の電位は、信号線から画素回路へ書き込まれる信号電流によって決まる。すなわち、画素回路においては、図3A,図3Bで説明したように、信号電流書込み時にダイオード接続状態のp型TFT(図3Aにおけるp型TFT60および図3Bにおけるp型TFT61)を介して信号線28,29,30からの信号電流が流れる。このときの信号線の電位は、信号電流を流すときの上記ダイオード接続状態のp型TFTのドレイン電圧となる。
ところが、画素回路をスキャンするための行数分以上の(本例の場合、各ラインで2本の走査線35,36を使用しているので行数の2倍)の走査線が信号線28,29,30とクロスしているため、主にこのクロス部容量が信号線28,29,30の負荷容量となる。信号線電位の整定にはこの負荷容量が信号電流で充電されることが必要であり、整定しない状態で画素回路への信号電流の書込み動作が終了してしまうと、次の行の表示画像によって表示輝度が変化したり、輝度むらの原因となったりする。
そして、上記のように画像データ線から信号線28,29,30へのカップリングによる妨害により、本来の信号線電位に整定する前に画素回路への書き込みが終了してしまうと、画像データに応じた正しいレベルの信号電流が書込まれず、電流書込み誤差が生じる。
ところが、実施の形態10においては、画像データに応じた信号電流は、電流伝達回路へ一旦書き込まれた後、再現されて信号線28,29,30へ出力される。画素回路へ配線された信号線28,29,30は、画像データ線404R,404G,404B,・・・,405R,405G,405Bとクロスしないように配置される。このため、画像データの伝達に伴う画像データ線の電圧変化によって、信号線電位が影響を受けることなく、画素回路へ信号電流を書き込むことが可能となる。
なお、電流出力線440R,440G,440Bは、画像データ線404R,404G,404B,・・・,405R,405G,405Bとクロスすることになるため、電流変換回路から電流伝達回路への電流書込みには、画像データ上の電圧変化による影響が生じる。しかしながら、電流出力線440R,440G,440Bは、信号線28,29,30に比べて配線長が短く、クロスする配線の本数も少ないため、配線容量が小さく、仮に画像データ線からの影響を受けて電流出力線の電位が変動しても、画像データのラッチ完了から次の水平期間でのラッチ開始までの水平ブランキング期間で正規の電位に十分整定することが可能である。
一方、スキャンドライバ回路37には、第0行走査期間付近でスタートパルスSTYが入力され、走査期間全体にわたり、シフトクロックCLKYが入力される。そして、スタートパルスSTYおよびシフトクロックCLKYに基づいて、各走査期間毎に、シフトパルスSPY(0),SPY(1),…,SPY(N−1)がスキャンドライバ回路37内部で順次生成される。このように生成されたシフトパルスSPY(シフトパルスSPY(0)〜SPY(M−1)を総括的に表記したもの)に基づいて、各行に対応する第1および第2の走査線35,36の駆動パルスSC_A(0),SC_B(0),…SC_A(N−1),SC_B(N−1)が順次生成され、画素マトリクスの各行の第1および第2の走査線35,36をそれぞれ所定のタイミングで走査する。
このようにして、信号線駆動回路402により各列の信号線に供給された、画像データがアナログ電流に変換された信号電流が各画素回路へ順次書き込まれていく。上述したように、各画素回路では信号線より供給された信号電流に基づく電流がEL発光素子に流れ、有機EL発光素子65が発光する。
各フレームの走査期間の間には、図4と同様の走査ブランキング期間が設けられており、第(N−1)行(最終行)の走査が終了したのち、サンプリングイネーブル信号SEがアクティブ(“H”レベル)となる。これに応答して、図27に示すように、NAND回路460によって、各列ごとに対応のシフトパルスSPXとサンプリングイネーブル信号SEとのNAND(否定論理積)がとられ、対応する列のサンプリング信号SMPがアクティブ(“L”レベル)となる。これにより、信号線駆動回路403では、対応する列のビット重み付け電流源回路へ基準電流線406R,406G,406B,・・・,407G,407G,407Bから基準電流がそれぞれ書き込まれる。このように、サンプリング信号SMPがRGB単位列毎に順次アクティブとなり、基準電流が書き込まれる。
ここでは、走査ブランキング期間の所定期間において、シフトレジスタ回路1によりシフトパルスSPXを発生させるとともに、サンプリングイネーブル信号SEをアクティブにすることにより、各RGB列毎に数回〜数十回の所定回数、電流変換回路中の源流源回路へ基準電流を供給して、ビット重み付け電流の補正を行う。このように、走査ブランキング期間においてもシフトレジスタ回路1を動作させて、基準電流による補正を行なうためのサンプリング信号をシフトパルスに基づいて生成するようにした。なお、図4でも説明したように、基準電流の書込み動作に必要な時間に応じて、サンプリング信号SMPの発生回数およびアクティブ期間は適宜調整することが望ましい。
あるいは、実施の形態2による構成で説明したように、画像データに応じてビット重み付け電流の出力をスイッチングする電流源回路434R,434G,434Bを、図30に示すように2系統の電流源で構成してもよい。
図30は、この発明の実施の形態10による表示装置におけるビット重み付け電流源の他の構成例を示す回路図である。図30においても、図27と同様に電流源回路434Rの構成を代表的に示すが、各色および各ビットに対応して電流源回路の各々は、同様の構成を有する。
図30を参照して、他の構成例に従う電流源回路434Rは、2系統(系統A/系統B)のビット重み付け電流源回路435aおよび435bと、ダミー負荷451およびp型TFT452と、スイッチ回路として設けられるn型TFT453を含む。
ビット重み付け電流源回路435aは、p型TFT446a〜448a、n型TFT450aおよびキャパシタ(容量素子)449aを含み、ビット重み付け電流源回路435bは、p型TFT446b〜448b、n型TFT450bおよびキャパシタ(容量素子)449bを含む。p型TFT446a〜448a、n型TFT450aおよびキャパシタ(容量素子)449a、ならびに、p型TFT446b〜448b、n型TFT450bおよびキャパシタ(容量素子)449bの各々は、図27に示したビット重み付け電流源回路435中のp型TFT446〜448、n型TFT450およびキャパシタ(容量素子)449と同様に配置されるので、詳細な説明は繰り返さない。ただし、p型TFT446a,447aの各ゲートへはサンプリング信号SP_A(m)が入力され、p型TFT446b,447bの各ゲートへはサンプリング信号SP_B(m)が入力される。また、n型TFT450aおよび450bのゲートへは、出力イネーブル信号OE_A,OE_Bがそれぞれ入力される。
n型TFT450aおよび450bのソース同士は接続され、さらに、n型TFT453のドレインおよびp型TFT452のソースと接続される。n型TFT453のソースは、電流出力線440Rと接続される。すなわち、図27と同様に配置された、ダミー負荷451、p型TFT452およびn型TFT453は、ビット重み付け電流源回路435aおよび435bによって共有される。
このような構成とすることにより、実施の形態2と同様に、2系統のビット重み付け電流源回路435aおよび435bを用いて、基準電流書込み動作と電流出力動作が相補的に交互に繰り返される。なお、このような構成とした場合における、表示装置(有機ELパネル)の全体動作、特に、画像データのラッチから電流出力線440R,440G,440Bへの電流出力動作は、実施の形態2における図9に示した動作シーケンスと同様とすればよいので、詳細な説明は繰り返さない。
以上説明した図30に示した構成の電流源回路を各電流変換回路に設けることにより、ビット重み付け電流源回路への基準電流書込み動作に十分な時間を割り当てることができる。この結果、安定したビット重み付け電流を出力することが可能となり、信号線駆動電流のばらつきをさらに抑えることができる。
次に、基準電流発生回路408について説明する。基準電流発生回路408は、これまで説明した基準電流発生回路8とは逆方向にそれぞれの基準電流を発生される。また、以下の説明では、実施の形態10による表示装置中の基準電流発生回路408は、図11〜13に示した実施の形態3による基準電流発生回路8と同様の機構に従って、基準電流を生成するものとする。なお、実施の形態1および2による基準電流発生回路8と同様の機構に従って、基準電流を生成することも可能である。
図31は基準電流発生回路408および基準電流発生用外部回路の構成を示す回路図であり、図31中の右側のPは有機ELパネル側、左側のQは外部回路側を示している。
たとえば、R用のビット重み付け基準電流IREF(R)[k−1]〜IREF(R)[0]は以下のように生成される。有機ELパネルの外部に設けられたD/A変換回路(DAC)70はコントローラにより制御され、各ステップを所定電圧とした階段波基準電圧Vref(R)を発生する。D/A変換回路70で発生した階段波基準電圧Vref(R)は差動増幅器71の非反転入力に入力される。差動増幅器71の出力は有機ELパネルへ入力され、p型TFT472のゲートに入力される。p型TFT472のソースは、有機ELパネルの外部に設けられた電流設定用抵抗79を介して電源VDDへ接続されている。また、p型TFT472のソースは、差動増幅器71の反転入力にも接続される。このような構成により、差動増幅器71、p型TFT472、電流設定用抵抗79により定電流源が構成される。p型TFT472のドレイン電流Id♯(R)は、
Id♯(R)=(VDD−Vref(R))/Rext(R)となる。
上記の定電流源の出力電流Id♯(R)は、2系統(系統A/系統B)の電流源551および552をもった電流源回路550へ入力される。
この2系統(A/B)電流源551,552は図32のように構成される。図32においては、信号名を一般化して添え字AおよびBは省略している。電流源551および552の各々は、最下位のビット重み付け基準電流を出力する電流源として動作するn型TFT560〜562およびキャパシタ563と、最上位ビットの重み付け基準電流を出力する電流源として動作するn型TFT580〜582およびキャパシタ583を含む。図示を省略しているが、中間のビット重み付け基準電流を出力する電流源も、同様の構成で設けられている。
電流源551,552の入力端INは、n型TFT561,・・・,581の各ドレインに接続され、セレクト信号SL[0],…,SL[k−1]は、それぞれ、n型TFT560,・・・,580およびn型TFT561,・・・,581のゲートへ接続されている。
また、基準電流出力に用いられる基準電流出力用のn型TFT562,・・・,582のドレインには、それぞれn型TFT561,・・・,581のソースおよびn型TFT560,・・・,580のドレインが接続される。また、n型TFT562,・・・,582のゲートには、それぞれn型TFT560,・・・,580のソースおよび保持用キャパシタ563,・・・,583が接続される。さらに、n型TFT562,・・・,582のソース、およびキャパシタ563,・・・,583の他端は接地されている。
電流源551および552の各々は、さらに、最下位ビットに対応して設けられる、n型TFT564、p型TFT565およびダミー負荷566と、最上位ビットに対応して設けられる、n型TFT584、p型TFT585およびダミー負荷586とを有する。n型TFT564および584は、ビット重み付け基準電流を出力する電流源の出力をそれぞれ遮断するために設けられる。図示を省略しているが、中間のビット重み付け基準電流を出力する電流源に対しても同様に、n型TFT、p型TFTおよびダミー負荷が設けられている。このように、電流源551および552の各々は、図12に示された電流源151および152の構成において、TFTのn型およびp型を適宜入換えるとともに、電源VDDを接地電源に代えたものに相当する。
基準電流発生回路408の動作シーケンスを図33に示す。系統Aの電流源551と系統Bの電流源552はそれぞれたとえば1フレーム毎に元電流書込み動作と電流出力動作を交互に繰り返す。
D/A変換回路(DAC)70をコントローラにより制御することにより、元電流Id♯(R)は、図33に示すように、各ビット重み付け電流Io,2×Io,・・・,2^(k−1)×Ioにそれぞれ対応したk段階の階段波電流として系統Aおよび系統Bの電流源551および552の入力端INへ入力電流INとして与えられる。そして入力電流INの各段階期間に対応して、SL_A(0),SL_A(1),・・・,SL_A(k−1)が順次アクティブ状態(“H”レベル)となる。
まず、セレクト信号SL_A(0)がアクティブ状態となると、系統Aの電流源551において、図32に示したn型TFT560,561が導通状態となり、n型TFT562はダイオード接続されるとともに、入力電流INがn型TFT562のソース−ドレイン間を流れる。このときのゲート電圧がキャパシタ563で保持される。同様にして、セレクト信号SL_A(1),・・・,SL_A(k−1)が順次アクティブとなる。
次フレームでは、セレクト信号SL_A(0),SL_A(1),・・・,SL_A(k−1)は非アクティブ(“L”レベル)となり、出力イネーブル信号EN_Aがアクティブ(“H”レベル)となる。これに応じて、系統Aの電流源551では、n型TFT564,・・・,584の導通に応答して、キャパシタ563,・・・,583で前フレームに保持されたゲート電圧に応じた電流がn型TFT562,・・・,582のソース−ドレイン間を流れる。これにより、電流源551からは、OUT[0]〜OUT[k−1]がn型TFT564,・・・,584をそれぞれ介して基準電流線へ出力される。
ここで、あるフレームの元電流書込み動作時に、セレクト信号SL_A(0),SL_A(1),・・・,SL_A(k−1)が非アクティブとなると、ダミー負荷制御信号DM_A(0),DM_A(1),・・・,DM_A(k−1)がアクティブ(“L”レベル)となる。これに応答して、n型TFT562,・・・,582のドレインにp型TFT565,・・・,585を介してダミー負荷566,・・・,586が接続される。ダミー負荷566,・・・,586の各々の他端は電源VDDに接続されているので、セレクト信号SL_A(0),SL_A(1),・・・,SL_A(k−1)が非アクティブの期間にも、ダミー負荷566,・・・,586を介して、基準電流駆動用のn型TFT562,・・・,582に電流を流すことができる。これにより、基準電流駆動用のn型TFTのドレイン電位を下げて、キャパシタに保持された電荷のリークを防ぐことができ、基準電流出力時での基準電流レベルを安定化するとともに、次の元電流書込み動作時にキャパシタに電荷をチャージする時間が短縮できる。
系統Bの電流源552も同様に動作し、フレーム毎に元電流書込み動作、基準電流出力動作を繰り返す。このように、実施の形態3による構成と同様に、系統Aの電流源551および系統Bの電流源552のいずれか一方で交互に基準電流を供給する。
なお、図31に示すように、R,G,Bにそれぞれ対応して設けられる後段の電流源回路550の構成は同様であるが、RGBの基準電流の比、およびそれぞれの大きさを独立に調整するために、R,G,Bにそれぞれ対応して独立の定電流源を構成するように、差動増幅器81,91、p型TFT482,492および電流設定用抵抗89,99がさらに設けられる。
以上説明したように、実施の形態10による表示装置においては、実施の形態1等による表示装置と同様に、ビット重み付けされた基準電流を書き込むことにより、ビット重み付け電流源回路の出力電流を補正し、ビット重み付け電流源回路から出力されるビット重み付け電流をデジタル画像のビットデータに応じてスイッチングすることにより加算して信号線へ供給するように構成した。これにより、TFT特性のばらつきが大きい場合であっても列(信号線)ごとの信号線駆動電流のばらつきが抑制され、発光輝度のむらを抑えることができる。また、信号線を各列1本とすることができるので、画素ピッチが狭い高解像度表示にも対応することできる。
さらに、実施の形態10による表示装置においては、画素回路へ信号電流を供給するように配線された信号線が、画像データ線と直接クロスすることが無いので、画像データの伝達によって信号線電位が影響を受けることなく、画素回路へ信号電流を書き込むことが可能となる。
また、信号線と画像データ線とが直接クロスすることが無いことから、信号線の配線容量が低減される。このため、信号線電位が画像データに応じた信号電流レベルに対応した所望の値となるまでの整定時間を短くすることが可能となる。特に、白から黒へ表示が変化する場合(たとえば、白地に黒の横ストライプなどの表示時)には、信号線の電位が白画像の書込み電流に対応した電位から黒画像の書込み電流に対応した電位まで変化する必要があるが、黒画像の書込み電流は微小のため、信号線の配線容量を充電して信号線の所望の電位に整定するまでの時間がかかる。このとき、所定の書込み時間内に信号線電位が整定しないと、白から黒への切り替りでエッジがぼける(走査方向を上から下とすれば、下方向に白の尾引きが生じる)。実施の形態10による表示装置では、信号線の配線容量を低減することができるので、このような白から黒へ表示が変化するときのエッジぼけを抑制することが可能となる。
(実施の形態11)
実施の形態11では、実施の形態10による表示装置において、信号線駆動回路の回路規模を縮小するための構成について説明する。
図34は、実施の形態11による表示装置における信号線駆動回路の構成を詳細に説明するブロック図である。図34においても、図26と同様に、第m番目のRGB列に対応する信号線駆動回路403の構成が代表的に示されるが、各RGB列において同様の構成の信号線駆動回路403が配置されている。
図34を参照して、実施の形態11による信号線駆動回路では、図26に示した信号線駆動回路と比較して、画像データの各ビットに対応して、タイミングラッチ回路433R,433G,433Bの配置が省略される点と、電流源回路434R,434G,434Bに代えて電流源回路494R,494G,494Bが配置される点とが異なる。その他の部分の構成は、図26に示した信号線駆動回路と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図35は、実施の形態11による表示装置における電流源回路の構成を示す回路図である。図35においても、図27と同様に、第m番目のRGB列の信号線駆動回路403中の、画像データの第jビット(j:0〜(k−1)の整数)に対応する電流源回路494R,494G,494Bが示される。電流源回路494R,494G,494Bの構成は同様であるので、図35には、電流源回路494Rの回路構成のみが代表的に示される。
図35を参照して、実施の形態11による電流源回路494Rは、実施の形態10による電流源回路434Rの構成に加えて、NOT回路462およびNOR回路463をさらに含む。NOT回路462は、画像データの対応ビットDR[j](m)のレベルを反転して出力する。NOR回路463は、NOT回路462の出力およびデータリセット信号RSTのNOR(否定論理和)演算結果を、n型TFT453のゲートへ出力する。
データリセット信号RSTがアクティブ(“H”レベル)の場合には、対応のデータラッチ回路432Rからの対応ビットDR[j](m)の論理レベルに関わらずNOR回路463の出力は“L”レベルとなるので、p型TFT458は導通、n型TFT453は非導通となる。これにより、電流源回路494Rが電流出力モード動作であっても、データリセット信号RSTがアクティブの場合には、電流出力線440Rとビット重み付け電流源435との接続を遮断するとともに、駆動用TFT448からダミー負荷457へ電流が流れるようにして、キャパシタ449に保持された電荷のリークを防ぎ、駆動用TFT448のゲート電圧の変動を抑制することができる。
一方、データリセット信号RSTが非アクティブ(“L”レベル)の場合には、NOR回路463の出力は、画像データの対応ビットDR[j](m)と同じ論理レベルを有するので、電流源回路494Rの動作は、図27に示した電流源回路434Rと同様である。
次に、この実施の形態11による表示装置の動作シーケンスを、図36を用いて説明する。図36は、第jフレーム期間前部を示し、画素マトリクスの行数をN、列数を3×M(RGB各色M列ずつ)としている。
実施の形態10と同様に、第jフレーム期間において、シフトレジスタ回路1には第0行(先頭行)〜第(N−1)行(最終行)のデータラッチ期間の先頭でスタートパルスSTXがコントローラから入力される。また、シフトクロックCLKXが各行のラッチ期間全体でそれぞれコントローラからシフトレジスタ回路1へ入力され、シフトレジスタ回路1からシフトパルスSPX(0),SPX(1),SPX(2),…,SPX(M−1)
が順次出力される。
一方、データラッチ回路2にてシフトパルスSPX(シフトパルスSPX(0)〜SPX(M−1)を総括的に表記したもの)によりラッチされるように、当該列のRGB画像データR[k−1..0],G[k−1..0],B[k−1..0]がコントローラから入力される。
電流源回路494(電流源回路494R,494G,494Bを総括的に表記したもの)への基準電流書込みは、これまでの実施の形態と同様に、垂直ブランキング期間で行われる。そして、基準電流書込み終了後、出力イネーブル信号OEをアクティブ(“H”レベル)として、電流源回路494における駆動用のp型TFT448が電流出力モードとなる。
先頭行(第0行)に対応する画像データラッチ中は1行分のデータが揃っていないので電流を電流出力線へ出力することができない。したがって、この期間はデータリセット信号RSTをアクティブとして強制的にダミー負荷に駆動用のp型TFT448の出力ノード(ドレイン)を接続する。
そして、1行分のデータラッチが終了した後、次の行のデータラッチの開始前の期間において、データリセット信号RSTを非アクティブ(“L”レベル)とする。これにより、スイッチ回路として設けられたn型TFT453を、ラッチデータに応じて導通状態として、電流出力線440へビット重み付け電流を出力する。すなわち、電流変換回路から電流出力線への電流出力は水平ブランキング期間(図36におけるデータラッチ期間の斜線部分)を利用して行う。
そして、たとえば、先頭行(第0行)の信号電流は、第0行と第1行の間の水平ブランキング期間に、各電流伝達回路441中の系統Aの電流源回路443aに書き込まれ、次の水平期間において信号線電流として信号線28,29,30へ出力される。続いて、第1行の信号電流は、各電流伝達回路441中の系統Bの電流源回路443bに書き込まれ、さらに次の水平期間にて信号電流として信号線28,29,30へ出力される。
各電流伝達回路441における、系統Aおよび系統Bの電流源回路での電流書込み動作/電流出力動作が相補的に交互に実施されるように、制御信号CNT_A,CNT_Bが互いに逆極性となるように水平期間毎にトグルしていく。このように、データラッチ期間と当該行の信号電流が信号線28,29,30へ出力される期間とは、実施の形態10においては2水平期間ずれていたが、実施の形態11においては1水平期間分のずれとなる。
一方、スキャンドライバ回路37には、第0行走査期間付近でスタートパルスSTYが入力され、走査期間全体にわたり、シフトクロックCLKYが入力される。そして、スタートパルスSTYおよびシフトクロックCLKYに基づいて、各走査期間毎に、シフトパルスSPY(0),SPY(1),…,SPY(N−1)がスキャンドライバ回路37内部で順次生成される。このように生成されたシフトパルスSPY(シフトパルスSPY(0)〜SPY(N−1)を総括的に表記したもの)に基づいて、各行に対応する第1および第2の走査線35,36の駆動パルスSC_A(0),SC_B(0),…SC_A(N−1),SC_B(N−1)が順次生成され、画素マトリクスの各行の第1および第2の走査線35,36をそれぞれ所定のタイミングで走査する。
このようにして、信号線駆動回路402により各列の信号線に供給された、画像データがアナログ電流に変換された信号電流が各画素回路へ順次書き込まれていく。上述したように、各画素回路では信号線より供給された信号電流に基づく電流がEL発光素子に流れ、有機EL発光素子65が発光する。
以上説明したように、実施の形態11においては、実施の形態10による効果に加え、2段目のラッチ(タイミングラッチ回路433R,433G,433B)を省略することができるので、回路規模を縮小することが可能となる。なお、当該タイミングラッチ回路は、各信号線に対応してビット数分必要であるので、省略による回路規模の縮小効果は大きい。
なお、実施の形態1〜11においては、D/A変換回路70,80,90の出力電圧Vref(R),VREF(G),VREF(B)をコントローラにより独立に調整することにより、表示のホワイトバランス調整や輝度調整をコントローラにより制御可能となるよう構成したが、特に、ホワイトバランス調整や輝度調整を行う必要がない場合には、D/Aコンバータの代わりに差動増幅器71,81,91の非反転入力に所定の固定電圧を印加するように構成してもよい。
また、元電流を発生するための電流源のうち、D/A変換回路、差動増幅器、電流設定用抵抗を有機ELパネルの外部に構成するようにしたが、これは、パネル内部でTFTにより構成するとTFT特性ばらつきにより基準電流精度が確保できないためである。このような場合、表示色や表示輝度のばらつき等が生じる可能性がある。TFT特性ばらつきによる基準電流偏差が特に問題とならない場合には、パネル内部でTFTにより構成することも可能である。
また、実施の形態1〜11においては、画素回路から信号線を介して信号電流を吸い込むことにより画素回路への書込みを行う場合につき説明したが、画素回路の構成によっては、信号線から画素回路へ電流を吐き出す向きに信号電流が流れる場合も考えられる。このような場合であっても、例えば実施の形態1においては、ビット重み付け電流源の接地と電源VDDとの接続を入れ替え、n型で構成したTFT46〜48をp型に変更し、またダミー負荷51を電源VDDではなく接地電源と接続することにより容易に対応することができる。また、実施の形態2以降においても同様である。
さらに、スイッチング素子として用いたTFT53〜55等のTFTも適宜、型を入れ替えることができることは言うまでもない。
さらに、発光素子を有機EL発光素子として説明したが、電流により発光輝度が変化するLED(Light Emitting Diode)等の他の発光素子であっても、この発明を適用できることも言うまでもない。
また、実施の形態10および11における表示装置内の各電流源回路にいて、実施の形態5〜9による、駆動用TFTの駆動電流の高精度化が図られたビット重み付け電流源と同様の技術を適用してもよい。