JP2007316517A - 回折格子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹部6と凸部7とが周期的に形成された回折格子1であって、前記凹部6と前記凸部7とが、行方向Tに延ばされて列方向Lに交互に設けられ、前記凹部6の幅寸法がそれぞれ異なるように設定され、前記凸部7の幅寸法がそれぞれ異なるように設定されていることを特徴とする。
これにより、より複雑な反射光を得ることができ、利便性を向上させることができる。
【選択図】図4
Description
ここで、光関連技術は、セキュリティ分野における偽造防止技術、装飾技術やオプトエレクトロニクス技術など、多岐にわたっており、広い分野にわたって利用することのできる種々の回折格子が望まれている。
本発明に係る回折格子は、凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、前記凹部と前記凸部とが、行方向に延ばされて列方向に交互に設けられ、前記凹部の幅寸法がそれぞれ異なるように設定され、前記凸部の幅寸法がそれぞれ異なるように設定されていることを特徴とする。
以下、本発明の第1実施形態における回折格子について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態としての回折格子1を示したものである。
回折格子1は、電子ビーム描画機によって原版が製造され、この原版から金型が製造されて大量生産されるものである。そのため、回折格子1を製造する場合、まず電子ビーム描画機に読み込ませるための元データが作成される。
図1は、元データに基づいて画像として示した様子を示す説明図である。図2は、図1を拡大してその要部を示す説明図である。図3は、図2のA−A´線の矢視断面として、凹凸が形成される様子を模式的に示した説明図である。なお、図2は元データを画像として示したものであることから、図3においては、実際に凹凸が形成されているわけではなく、あくまでも、図2のデータに基づいて凹凸が形成される様子を模式的に示したものである。
凹対応部2と凸対応部3とは、複数形成されており、行方向(横方向)Tの全長にわたって延ばされている。そして、これら複数の凹対応部2と凸対応部3とは、列方向(縦方向)Lに交互に設けられている。
さらに、凸対応部3の幅寸法も、それぞれ異なるように設定されている。すなわち、凸対応部3の幅寸法は、凹対応部2と同様に、二種類の異なる寸法に設定されており、幅の狭い方の幅寸法がd31(図2に示す)となり、幅の広い方の幅寸法がd32となっている。これら、幅寸法の異なる凸対応部3が交互に設けられている。
すなわち、幅寸法の異なる二つの凹対応部2と、幅寸法の異なる二つの凸対応部3とが交互に四つ配列されており、この四つが一つの凹凸対応パターン10となって周期的に繰り返されている。
まず、電子ビーム描画機に元データを読み込ませ、元データを描画データに変換する。そして、変換した描画データに基づいて、基板上に塗布されたフォトレジストに、電子ビームによって凹凸のパターンを描画する。それから、フォトレジストを現像すると、回折格子1の製造用の原版が得られる。
さらに、得られた原版に金属膜を設け、電鋳によって金型を作成する。そして、この金型に樹脂を流し込み、エンボス加工により、回折格子を大量生産する。これによって得られた回折格子が、図4に示す回折格子1となる。なお、回折格子1の用途によっては、エンボス加工により得られた回折格子1にアルミなどを蒸着し、例えば、ラベルとして使用される。
回折格子1は、図4に示すように、複数の凹部6と凸部7とを備えている。すなわち、元データ上の凹対応部2が凹部6として形成され、凸対応部3が凸部7として形成される。
凹部6及び凸部7は、行方向Tの全長にわたって延ばされており、列方向Lに交互に設けられている。
さらに、凸部7の幅寸法も、それぞれ異なるように設定されている。すなわち、凸部7の幅寸法は、凹部6と同様に、二種類の異なる寸法に設定されており、幅の狭い方の幅寸法がd71となり、幅の広い方の幅寸法がd72となっている。これら、幅寸法の異なる凸部7が交互に設けられている。
すなわち、幅寸法の異なる二つの凹部6と、幅寸法の異なる二つの凸部7とが交互に四つ配列されており、この四つが一つの凹凸パターン12となって周期的に繰り返されている。
なお、図4においては、説明の便宜のため、元データからの理想的な製造状態を簡易的に示しているが、実際には、凹凸のエッジ部分が削られたり丸くなったりすることは言うまでもない。
回折格子1に光を当てると、その光は反射するが、回折格子1に凹部6及び凸部7が設けられていることから、それら反射光が回折、干渉を起こし分光する。
図5は、回折格子1に観察面を対向配置させたときに、その観察面に写る反射光の分布を示した様子を示す説明図である。
図5において、光の点の大きさは光の強度を示している。
図6は、従来の回折格子に観察面を対向配置させたときに、その観察面に写る反射光の分布を示した様子を示す説明図である。
図6に示すように、従来の回折格子において、反射光は、所定の間隔を持って縦方向に一ライン上に並ぶ。このように、従来では、分光された光の所定の間隔が大きすぎ、角度によって見え難くなってしまうデッドポイントが多くなっていた。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7から図11は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図7から図11において、図1から図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図7及び図8における元データ画像において、上記と同様に、黒色で示す領域が凹対応部2であり、白色で示す領域が凸対応部3である。そして、これら凹対応部2及び凸対応部3は、図9に示すように、凹凸が形成されて、凹部6及び凸部7となる。すなわち、凹対応部2及び凸対応部3、並びに、凹部6及び凸部7は対応している。そこで、以下では、製造された回折格子1についてのみ説明することとし、元データ画像の説明は省略することとする。
回折格子1は、図10に示すように、複数の凹部6と凸部7とを備えている。そして、凹部6及び凸部7は、行方向Tの全長にわたって延ばされており、列方向Lに交互に設けられている。
さらに、凸部7の幅寸法も、それぞれ異なるように設定されている。すなわち、凸部7の幅寸法は、列方向の下方に向かうにつれて漸次大きくなるように設定されている。具体的には、列方向の最上部に配された凸部7の幅寸法d71が一番小さく設定され、d71からd75に下方に向かうにつれて幅寸法が漸次大きくなり、幅寸法d75が一番大きくなるように設定されている。
つまり、幅寸法が下方に漸次大きくなる複数の凹部6と、幅寸法が下方に漸次大きくなる複数の凸部7とが交互に配列されており、これらが一つの凹凸パターン12となって周期的に繰り返されている。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図12から図17は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図12から図17において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
一方、他の凹凸パターン12bにおいては、凹部6及び凸部7の幅寸法d6b,d7bは、凹部6及び凸部7の長さ方向(行方向T)の一端(左端)から他端(右端)に向けて漸次小さくなるように設定されている。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図18から図22は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
図18から図22において、図1から図17に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
ここで、凹部6を単に行列方向に形成すると、従来の回折格子(図6に示す)に対して、横方向に反射光を広げることができる。図23は、凹部を単に行列方向に形成した回折格子の反射光の分布を示すものである。図23に示すように、凹部を行列方向に形成すると、それぞれの輝度は低下してしまう。
本実施形態においては、凹部6と凸部7とが市松模様状に形成されていることから、図22に示すように、横方向に反射光を広げつつ、輝度の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図24から図29は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
図24から図29において、図1から図23に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
そして、一の凹凸パターン12aは、大凸部7a内の中央部に小凹部6bが設けられて構成され、他の凹凸パターン12bは、大凹部6a内の中央部に小凸部7bが設けられて構成されている。
これら一の凹凸パターン12aと他の凹凸パターン12bとは、行列方向T,Lに交互に配列されている。
なお、図25において、符号2a,2bは、それぞれ大凹対応部,小凹対応部を示しており、符号3a,3bは、それぞれ大凸対応部,小凸対応部を示している。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図30から図35は、本発明の第6の実施形態を示したものである。
図30から図35において、図1から図29に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
なお、凸部7は、凹部以外の領域に設けられており、すなわち、行方向Tにはしご状に延ばされて形成されている。
また、図31において、符号2cは行凹対応部を示し、符号2dは列凹対応部を示すものである。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図36から図40は、本発明の第7の実施形態を示したものである。
図36から図40において、図1から図35に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
さらに、回折格子1の左上の隅部は、矩形状に形成された矩形凸部7cとされている。
なお、図37において、符号3cは、矩形凸対応部を示している。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図41から図45は、本発明の第8の実施形態を示したものである。
図41から図45において、図1から図40に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
なお、図42において、符号2eは、矩形凹対応部を示している。
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図46から図50は、本発明の第8の実施形態を示したものである。
図46から図50において、図1から図45に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
これら凹部6及び凸部7の幅寸法は、回折格子1の中央部から外方に向かうにつれて漸次小さくなるように設定されている。
なお、図47において、符号2fは、円形凹対応部を示している。
例えば、第1の変形例として以下のようにしてもよい。
図51から図55に示すように、回折格子1には十字状に形成された十字凹部6gが設けられ、これら十字凹部6gは、行方向Tに複数配列されている。そして、行方向Tに配列された複数の十字凹部6gからなる複数の列が、行方向Tにずらされて列方向Lに交互に配列されている。
なお、図52において、符号2gは、十字凹対応部を示している。
図57から図61に示すように、回折格子1には行列方向に延びる延在凹部6hが設けられ、これら延在凹部6hによって区切られた矩形領域の各辺部の中央に、矩形状の矩形凹部6iが設けられている。
また、矩形状に形成された矩形凸部7dを中心に、四つの矩形凸部7dが対角線上に配列されている。
なお、図58において、符号2hは延在凹対応部、符号2iは矩形凹対応部、符号3dは矩形凸対応部を示している。
図63から図66に示すように、回折格子1には、行方向Tに延びる行凹部6jと、列方向Lに延びる列凹部6kとが設けられている。行凹部6jと列凹部6kとは、長さ寸法が同一に設定されている。そして、行凹部6jと列凹部6kとが、行列方向に交互に配列されている。
なお、図64において、符号2jは行凹対応部、符号2kは列凹対応部を示している。
図69から図72に示すように、回折格子1には、行方向Tの全長にわたって延びる行凹部6mと、列方向Lに延びる列凹部6nとが設けられている。行凹部6mは、列方向Lに所定の間隔を空けて複数配列されている。これら複数の行凹部6mの列方向Lの下方に、列凹部6nが、列方向Lに所定の間隔を空けて複数配列されている。
また、回折格子1には、行方向Tの全長にわたって延びる行凸部7eと、列方向Lに延びる列凸部7fとが設けられている。行凸部7eは、列方向Lに所定の間隔を空けて複数配列されている。これら複数の行凸部7eの列方向Lの下方に、列凸部7fが、列方向Lに所定の間隔を空けて複数配列されている。
これら行凹部6m、列凹部6n、行凸部7e及び列凸部7fが凹凸パターン12を構成しており、この凹凸パターン12が列方向Lに複数配列されている。
なお、図69において、符号2mは行凹対応部、符号2nは列凹対応部を示し、符号3eは行凸対応部、符号3fは列凸対応部を示している。
図74から図78に示すように、回折格子1には、複数の凹凸パターン12が列方向Lに複数配列されている。凹凸パターン12は、行方向Tの全長にわたって延びる長凹部6p及び長凸部7gと、長凹部6p又は長凸部7gよりも短く設定された行方向Tに延びる短凹部6r及び短凸部7hと、列方向Lに延びる列凹部6s及び列凸部7iとから構成されている。長凹部6p及び長凸部7gは列方向Lに複数配列されている。短凹部6r及び短凸部7hは、長凹部6p及び長凸部7gに近接した位置と、離隔した位置とに行方向Tに向けて千鳥状に配列されている。列凹部6s及び列凸部7iは、短凹部6r及び短凸部7hの列方向Lの下方又は上方に配され、行方向Tに向けて千鳥状に配列されている。
なお、図75において、符号2pは長凹対応部、符号2rは短凹対応部、符号2sは列凹対応部を示し、符号3gは長凸対応部、符号3hは短凸対応部、符号3iは列凸対応部を示している。
図80から図83に示すように、回折格子1には、凹部6及び凸部7が環状に形成されて、交互に配列されている。すなわち、回折格子1の中央部から外方に向かうにつれて径寸法が漸次大きくなる凹部6及び凸部7が交互に配列されている。そして、回折格子1の中央部には、円形の円形凹部6fが形成されている。換言すれば、円形凹部6fを中心として、円形凹部6fを囲むようにして、凹部6及び凸部7が交互に複数層配列されている。
なお、各凹部6及び凸部7の幅寸法は、すべて同一に設定されている。
6 凹部
6a 大凹部
6b 小凹部
6c 行凹部
6d 列凹部
7 凸部
7a 大凹部
7b 小凹部
12 凹凸パターン
Claims (8)
- 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが、行方向に延ばされて列方向に交互に設けられ、
前記凹部の幅寸法がそれぞれ異なるように設定され、
前記凸部の幅寸法がそれぞれ異なるように設定されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが、略行方向に延ばされて列方向に交互に設けられ、
前記凹部と前記凸部とからなる複数の凹凸パターンが列方向に交互に配列されており、
前記複数の凹凸パターンのうち、一の凹凸パターンは、前記凹部の幅寸法と前記凸部の幅寸法とが、前記凹部及び前記凸部の長さ方向の一端から他端に向けて漸次大きくなるように構成され、
他の凹凸パターンは、前記凹部の幅寸法と前記凸部の幅寸法とが、前記凹部及び前記凸部の長さ方向の一端から他端に向けて漸次小さくなるように構成されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが市松模様状に形成されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とからなる複数の凹凸パターンが行列方向に交互に配列され、
前記凹部が、矩形状に形成された大凹部と小凹部とを備え、
前記凸部が、矩形状に形成された大凸部と小凸部とを備えており、
前記複数の凹凸パターンのうち、一の凹凸パターンは、前記大凹部内に前記小凸部が設けられて構成されており、
他の凹凸パターンは、前記大凸部内に前記小凹部が設けられて構成されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部が、行方向に延ばされた行凹部と、列方向に延ばされて前記行凹部よりも短く設定された列凹部とを備え、
前記行凹部の間に、前記列凹部が行方向に複数配列されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが、L字状に延ばされて交互に配列されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが、矩形枠状に設けられて交互に配列されていることを特徴とする回折格子。 - 凹部と凸部とが周期的に形成された回折格子であって、
前記凹部と前記凸部とが、環状に設けられて交互に配列されており、
前記凹部の幅寸法と前記凸部の幅寸法とが、径方向外方に向かうにつれて小さくなるように設定されていることを特徴とする回折格子。
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