JP2007316503A - シャッタ装置および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像観察時の省電化を達成すると共にレリーズタイムラグを無くし、しかも電荷読出し中の撮像素子への露光を防ぐことを可能にする。
【解決手段】露光開始可能状態にある後幕507〜512を露光終了状態に走行させる駆動部材502と、露光終了状態にある前記後幕を露光開始可能状態に走行させる作動部材503と、後幕を露光終了状態に走行させた位置で係止する係止部材504と、係止部材による係止状態で、後幕を露光開始可能位置から露光終了状態へ走行させる付勢力を駆動部材にチャージするチャージ部材505とを有し、チャージ部材が、駆動部材による後幕の露光終了状態への走行を許可する第1の位置と、駆動部材をチャージした状態で係止部材の係止を解除する第2の位置をとる。
【選択図】図2

Description

本発明は、カメラ用シャッタ装置、および、この種のシャッタ装置を具備するデジタルカメラ等の撮像装置に関するものである。
従来、第1遮光手段の構成要素である先幕および第2遮光手段の構成要素である後幕それぞれに対応した電磁石に通電して、シャッタチャージの状態を保持する。そして、順次、電磁石への通電を解除することで、露光を可能にするダイレクト保持タイプのシャッタが知られている。
一方、二重遮光方式と呼ばれるフォーカルプレーンシャッタも知られている。その従来例の一つが特許文献1に記載されている。特許文献1によれば、先羽根用駆動部材は通常のシャッタと同様に先羽根群に連結されているが、後羽根群は後羽根用駆動部材に連結されておらず、後羽根用作動部材に連結されている。そして、二重遮光状態をチャージレバーのみによって維持させている。即ち、この従来例においては、チャージレバーが後羽根用駆動部材のチャージ動作を開始する直前に、該チャージレバーの一部が後羽根用作動部材の作動軌跡内に進入する。そして、後羽根用作動部材が後羽根用駆動部材と一緒に作動するのを抑止している。その抑止は、撮影に際して、チャージレバーが初期位置へ復帰する時に解かれ、後羽根用作動部材が後羽根群を伴って、露光作動開始位置へ作動し得るようにしている。
また、他の従来例の一つが特許文献2に記載されている。特許文献2では、後羽根群が後羽根用駆動部材に連結されておらず、後羽根用作動部材に連結されている点では、特許文献1の構成と同じである。しかし、二重遮光状態をブレーキ部材とチャージレバーの二つを組み合わせて作り出している。即ち、後幕走行完了時にブレーキ部材が後羽根作動部材を係止する。そして、チャージレバーで後羽根用駆動部材をチャージする途中で、該チャージレバーが後羽根用作動部材の作動軌跡内に進入した状態でブレーキ部材の係止を解除する。チャージレバーが初期位置に復帰されると二重遮光状態が解除される。この従来例では、後幕走行完了時に、ブレーキ部材が後羽根作動部材を係止するため、後羽根群のバウンド防止効果も果たしている。
また、先羽根がシャッタ開口を開いた状態で後羽根を保持することで、LCD等のモニターで被写体を観察できる(以下、ライブビューと記載する)ように構成された従来例(特許文献3,4)が知られている。
さらに、一眼レフタイプのデジタルカメラには、フォーカルプレーンシャッタ(以下、メカシャッタとも記載する)と電子シャッタを併用して撮像動作を行うものがある(特許文献5)。この種のカメラでは、後幕をメカシャッタで構成し、後幕の走行に先行して、撮像素子の画素の電荷蓄積開始走査を行う電子シャッタとにより撮影を行うものである。撮像素子の電荷蓄積開始走査は、後幕のメカシャッタの走行特性に合わせた走査パターンとなっている。
特開平11−95282号公報 特開2001−21944号公報 特開2001−215555号公報 特開2001−23220号公報 特開平11−41523号公報(段落番号0044〜0050、図1〜図3等)
特許文献3,4に開示されたカメラに、特許文献1のようなシャッタを用いると、ライブビュー中は後幕保持用の電磁石に通電し続けなければならず、電力を無駄に消費してしまう。
特許文献5に開示されたカメラはメカシャッタの先幕が不要であり、後幕のみで機能を果たすことができる。しかし、後幕のみのメカシャッタでは、シャッタチャージ中にシャッタ開口を開いてしまうので、電荷読出し中に撮像素子が露光されてしまい、スミア(太陽などの強い光源を撮影したときに、縦方向に光の筋が発生してしまう現象)等の不具合が生じてしまう。その不具合を回避するためには、特許文献1や特許文献2に記載された二重遮光方式のシャッタの後幕部分のみを用いることが考えられる。
しかし、特許文献1のカメラでは、チャージ時において、チャージレバーが後羽根用駆動部材を作動させる寸前に、チャージレバー自身によって後羽根用作動部材の作動を抑止するように構成されている。そのため、カメラのレリーズ時の初期段階で、チャージレバーがチャージ解除位置(初期位置)へ復帰動作するときには、その復帰動作の最終段階において後羽根用作動部材の抑止を解除する。よって、後羽根群を露光作動開始位置へ作動させるタイミングが極めて遅くなってしまうという問題点がある。
また、特許文献2のカメラでは、特許文献1の問題点は有しないものの、チャージレバーによって後羽根用作動部材の作動を抑止している点は同じであり、後羽根群を露光開始位置へ作動させるタイミングを、チャージレバー復帰動作の初期段階に設定できていない。
(発明の目的)
本発明の目的は、撮像素子上の画像観察時の省電化を達成すると共に、作動部材の作動がレリーズタイムラグに与える影響を無くすことができ、しかも電荷読出し中の撮像素子への露光を防ぐことができるシャッタ装置及び撮像装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、露光を終了させるために露光用開口部を覆う後幕を有するシャッタ装置において、露光開始可能状態にある前記後幕を露光終了状態に走行させる駆動部材と、露光終了状態にある前記後幕を露光開始可能状態に走行させる作動部材と、前記後幕を露光終了状態に走行させた位置で係止する係止部材と、前記係止部材による係止状態で、前記後幕を露光開始可能位置から露光終了状態へ走行させる付勢力を前記駆動部材にチャージするチャージ部材とを有し、前記チャージ部材が、前記駆動部材による前記後幕の露光終了状態への走行を許可する第1の位置と、前記駆動部材をチャージした状態で前記係止部材の係止を解除する第2の位置をとるシャッタ装置とするものである。
同じく上記目的を達成するために、本発明は、受光した光を電荷として蓄積する撮像素子を有する撮像装置において、露光開始を前記撮像素子の電荷蓄積開始によって行い、露光終了を本発明の上記シャッタ装置によって行う撮像装置とするものである。
本発明によれば、撮像素子上の画像観察時の省電化を達成すると共に、作動部材の作動がレリーズタイムラグに与える影響を無くすことができ、しかも電荷読出し中の撮像素子への露光を防ぐことができるシャッタ装置または撮像装置を提供できるものである。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例に示す通りである。
図1は本発明の一実施例に係るカメラの回路構成を示すブロック図である。カメラ100には、焦点距離可変機構および焦点合わせ機構(図示せず)を有する交換レンズ300が着脱自在に取り付けられる。
交換レンズ300は、光学レンズ310、絞り312、光学レンズ310の動作を制御するレンズ制御回路330、測距動作のために焦点合わせ機構の制御をする測距制御回路342および絞りの制御をする絞り制御回路340を備えている。この交換レンズ300のレンズマウント306とカメラ100のカメラマウント106は、互いに結合可能な形状、例えばフランジ形状をしている。レンズマウント306がカメラマウント106に結合することにより、カメラ100に交換レンズ300が装着される。またこの際、交換レンズ300のレンズ信号接点322がカメラ100のカメラ信号接点122と接触し、交換レンズ300がカメラ100と電気的に接続される。交換レンズ300の各制御回路はI/F320およびレンズ信号接点322を介して、カメラ100と相互に通信を行うことが出来る。また、交換レンズ300のカメラ100に対する着脱はカメラ100側のレンズ着脱検知回路124により検知され、この検知信号はシステム制御回路50に入力される。
次に、カメラ100側について説明する。クイックリターンミラー130は回転可能に配設されたミラーであり、ミラーダウン状態で、光学レンズ300を通過した光(以下、入射光と記載する)を図1中上方へ反射する。ミラーアップ状態(図示せず)では、入射光はクイックリターンミラー130に反射されることなく、図中右方へと導かれる。すなわち、クイックリターンミラー130は入射光の経路を切り換える働きをする。クイックリターンミラー130の代わりに、固定式のハーフミラーを用いて入射光を、図1において、上方と右方に導いても良い。入射光はクイックリターンミラー130がダウン状態のときはペンタプリズム132を介して被写体像を確認するための光学ファインダ104へと導かれる。また、クイックリターンミラー130がアップ状態の時は、入射光はシャッタ制御回路40によって制御されるシャッタ12を介して撮像素子14へと導かれる。
撮像素子14は、その撮像面に結像された光学像を電気信号に変換して出力する。撮像素子14から出力された電気信号は、A/D変換器16によりデジタル画像信号(以下、画像データと記載する)に変換された後に、画像処理回路20およびメモリ制御回路22に入力される。画像処理回路20は、A/D変換器16からの画像データ、または、メモリ制御回路22からの画像データに対して所定の画像処理、例えば、画素補間処理、色変換処理を施す。
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、D/A変換器26、メモリ30、圧縮伸張回路32などを制御する。タイミング発生回路18は、タイミング信号を発生し、このタイミング信号が撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26に供給され、これらはこのタイミング信号に基づいて動作する。また、メモリ制御回路22は、A/D変換器16から直接入力された画像データをメモリ30や画像表示メモリ24に書き込む処理を行うとともに、メモリ30または画像表示メモリ24から画像データを読み出す処理を行う。
画像表示メモリ24には、液晶表示パネルからなる画像表示部28に表示するための画像データが書き込まれる。画像表示メモリ24から画像データを読み出し、D/A変換器26を介して画像表示部28に転送することによって、撮影した画像が画像表示部28に表示される。画像表示部28の表示は、システム制御回路50からの指示により任意にオン、オフすることが可能である。
メモリ30は撮像した画像データを格納するためのものであり、所定枚数の画像データを格納可能な十分な記憶容量を有し、また、システム制御回路50の作業領域としても使用される。圧縮伸長回路32はメモリ30から画像データを取り込んで、圧縮または伸長処理を施し、圧縮または伸長後の画像データをメモリ30に書き込む。メモリ30に書き込まれた画像データ(圧縮後の画像データ)は、各I/F(インターフェース)90,94およびコネクタ92,96を介して、カメラ100に接続される記録媒体200,210に書き込まれる。
記録媒体200,210は、カメラ100側のコネクタ92,96に接続可能なコネクタ206,216と、カメラ100とのI/F204,214と、画像データを保持する半導体メモリや磁気ディスクなどから構成される記録部202,212とを有する。カメラ100への記録媒体200,210の装着の有無は不図示の記録媒体検知手段により検知され、この検知信号はシステム制御回路50に入力される。
本実施例では、二つの記録媒体200,210を装着可能に構成しているが、これに限定されることはなく、一つまたは三つ以上の記録媒体を装着可能に構成しても良い。
システム制御回路50は、メモリ52に格納されているプログラム、定数および変数データなどに従い、カメラ100全体を制御する。システム制御回路50による制御の一つには、TTL(スルーザレンズ)のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理の各処理に用いられる制御信号を生成するものがある。この制御により生成された各制御信号は、シャッタ制御回路40、測距装置42、測光装置46、フラッシュ48に供給される。
測距装置42はシステム制御回路50からの制御信号に基づき被写体像を合焦させるための信号を発生する。そして、この信号が、システム制御回路50、I/F120、各信号接点122,322、I/F320を介して測距制御回路342に送られる。これにより、測距制御回路342が合焦状態になるように光学レンズ310の不図示の焦点合わせ機構を駆動する。測光装置46は、入射光の強さを測定する。システム制御回路50は測光装置46により求められた測光値を基に、露光時間と絞り値を決定し、各制御信号をシャッタ制御回路40と絞り制御回路340に送信する。システム制御回路50からの制御信号に基づき、シャッタ制御回路40がシャッタ12による露光時間を調整し、絞り制御回路340が絞り312を制御することにより、露光量が制御される。フラッシュ48は、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能を有し、システム制御回路50からの制御信号に基づき対応する光量のフラッシュ光を発光する。
システム制御回路50は、設定された撮影モードなどに関する情報を表示部54に表示するための制御を行う。表示部54は、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを通知可能なように、液晶表示装置(LCD)、発音素子、発光ダイオード(LED)などで構成されている。また、表示部54の一部は光学ファインダ104内に組み込まれている。表示部54のLCDに表示される内容としては、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタスピード表示、絞り値表示がある。さらには、露出補正表示、WBモード表示、ISO感度表示、フラッシュ表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、各記録媒体200,210の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示などもある。
システム制御回路50は、通信手段110を介して外部装置との間で画像データを送受するための制御も行う。通信手段110は、RS232C,USB,IEEE1394,SCSI,LAN、モデム、無線通信などによる通信機能を有し、外部装置を接続するためのコネクタ(またはアンテナ)112が接続されている。
システム制御回路50に対する動作指示の入力部材には、モードダイアル60、シャッタ部材62、操作部材70、不図示の電源スイッチなどがある。モードダイアル60は、カメラ100の各撮影モードの切り換え、設定を行うためのスイッチである。各撮影モードとしては、プログラムAE、シャッタ優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、全自動、スポーツ、夜景、風景等の撮影モードがある。
シャッタ部材62はスイッチ62aとスイッチ62bとからなる多段スイッチである。シャッタ部材62を所定量押し下げるとスイッチ62aがオンし、さらにスイッチ62を押し下げるとスイッチ62bがオンする。スイッチ62aのオンにより、AF処理、AE処理、EF処理などの開始を指示する信号SW1が発生する。また、スイッチ62bのオンにより、撮像素子14から読み出した信号を画像データとして記録媒体200,210に書き込むまでの一連の撮影動作の開始を指示する信号SW2が発生する。
撮影動作時には、クイックリターンミラー130がアップし、シャッタ12が駆動する。そして、撮像素子14にて光電変換された信号がA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して、メモリ30に書き込まれる露光処理が実行される。さらに、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が実行される。さらに、メモリ30から画像データが読み出されて圧縮・伸長回路32にて圧縮され、圧縮後の画像データが記録媒体200,210に書き込まれる記録処理などが実行される。
操作部70は、各種ボタンやダイアルなどから構成されている。具体的には、メニューボタン、セットボタン、再生ボタン、消去ボタン、ジャンプボタン、露出補正ボタン、単写/連写モード切換ボタンを具備する。さらには、測光モード切換ボタン、AFモード切換ボタン、WBモード切換ボタン、ISO感度設定ボタン、メイン電子ダイアル、サブ電子ダイアル、標準設定状態設定ボタンなどを具備する。ここで、例えばメニューボタンが押下されると、表示部54には設定画面が表示され、この設定画面上で上記ボタン等を用いて設定する項目を選択可能である。
モードダイアル60、操作部70などで設定された変数、モードなどは、EEPROMなどからなる不揮発性メモリ56に格納される。
操作部70に含まれる標準設定状態設定ボタンを操作することで、使用者が所望の設定状態(撮影モード、露出補正値、単写/連写モード、測光モード、AFモード、WBモード、ISO感度等の設定状態)を標準設定状態として設定することができる。このカメラの標準設定状態データは、不揮発性メモリ56に格納される。
システム制御回路50には、電源制御装置80から電力が供給される。電源制御装置80はシステム制御回路50からの指示に基づき、電源86からの電力を各部へ供給する。電源制御装置80と電源86とは、接点82,84を介して接続されている。電源86としては、アルカリ電池などの一次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池、または、ACアダプタなどを使用することが出来る。
次に、メカ式のシャッタ12の動作について、図2〜図6を参照しながら説明する。これらの図面は、いずれもカメラに組み込まれた状態において、被写体側から見た略左半分のみを示した平面図である。
まず、図2を用いてシャッタ12の構成について説明する。図2は、シャッタ12がチャージ完了状態、すなわち、カメラが停止している状態を示している。
シャッタ地板501には、その略中央部に長方形を横長にした露光用開口部501aが形成されているが、図2ではその露光用開口部501aの左側の一部のみを示している。シャッタ地板501の表面には、後述する緊定レバー504の可動域を規定するために緊定レバーストッパー501b,501cおよび軸501d,501e,501fが立設されている。また、後述する羽根駆動ピン503bが通過するための長孔501gが形成されている。この長孔501gの端部には、羽根駆動ピン503bのストッパーとしての緩衝ゴム515が取り付けられている。
後羽根用駆動部材502にはアマチャー513がアマチャー軸514を介して取り付けられている。アマチャー513は、図2の状態では図示しない電磁石に接触した状態となっている。後羽根用駆動部材502には図示しないトーションバネがかけられており、軸501fを中心に反時計回りに回転する力が加わっている。また、後羽根用駆動部材502の背面にはコロ506が回転可能に取り付けられており、後述するチャージレバー505がこのコロ506を介して後羽根用駆動部材502のチャージを行う。
後羽根用作動部材503は軸501fを中心として回転運動を行う、後羽根用駆動部材502と同軸に回転する部材である。後羽根用駆動部材502が回転する際、駆動面502aが被駆動面503aに接した状態(後述の図4の状態)で回転することで、後羽根用駆動部材502から後羽根用作動部材503に回転力が伝達される。後羽根用作動部材503の背面には羽根駆動ピン503bが立設されており、この羽根駆動ピン503bを介して、シャッタ地板501の背面側にあるメイン羽根アーム507に回転力が伝えられる。メイン羽根アーム507、サブ羽根アーム508、1番羽根509、2番羽根510、3番羽根511、4番羽根512で周知の並行リンクである後羽根群を構成している。つまり、後羽根用作動部材503が回転することで、後羽根群が走行するのである。また、後羽根用作動部材503には図示しないトーションバネがかけられており、軸501fを中心に時計回りに回転する力が加わっている。後羽根用作動部材503にかけられたトーションバネによる時計回りに回転する力は、後羽根用駆動部材502にかけられたトーションバネによる反時計回りに回転する力よりも弱く設定されている。したがって、後羽根群が露光用開口部501aを覆うために後羽根用駆動部材502が回転する際には、後羽根用駆動部材502が後羽根用作動部材503にかけられたトーションバネによる時計回りに回転する力を押しのけながら回転する。
緊定レバー504は軸501dに回転可能に取り付けられており、図示しないバネによって軸501dを中心に時計回りに回転する力が加えられている。緊定レバー504の先端部には係止部504aが形成されており、後羽根用作動部材503の被係止部503cと係止する。すなわち、図2の状態では、後羽根用作動部材503には時計回りの力が加わっているが、緊定レバー504と係止しているため、後羽根用作動部材503は図2の位置で停止している。
チャージレバー505は軸501eを中心に回転可能に取り付けられており、後羽根用駆動部材502のチャージ、および、緊定レバー504の解除を行う部材である。図示しないチャージレバー駆動部材がチャージピン505aを揺動させることで、チャージレバー505が時計回り、反時計回りの回転運動を行う。図2の状態では、コロ506がチャージレバー505のカム面505bのカムトップに乗った状態になっている。すなわち、後羽根用駆動部材502は回転できない状態になっている。
次に、実際に撮影を行う際のシャッタ12の作動について説明する。
図2の状態でシャッタ部材62が押されると、クイックリターンミラー130のアップ動作が行われる。そして、図示しない電磁石への通電が開始され、チャージレバー505が反時計回りに回転するようになる。すると、チャージレバー505のカム面505bが緊定レバー504のカム面504bを押し、図3の状態になる。
図3は、緊定レバー504の係止部504aと後羽根用作動部材503の被係止部503cの係止が外れた瞬間を示している。後羽根用作動部材503に掛けられたトーションバネの力により、後羽根用作動部材503が時計回りに回転し、後羽根群が露光用開口部501aを開き、図4の状態に移る。
図4の状態で、被駆動面502aが駆動面503aに当接することで、後羽根用作動部材503が停止している。このとき、コロ506は未だチャージレバー505のカム面505bのカムトップに乗った状態になっており、後羽根用駆動部材502は回転できない状態になっている。
次に、チャージレバー505が時計回りに回転し、図5の状態に移る。図5で、後羽根用駆動部材502は電磁石によって吸着保持されているため、回転しない。また、緊定レバー504は図示しないトーションバネによって時計回りに回転し、緊定レバーストッパー501bに当接した状態で停止する。この状態で、緊定レバー504は後羽根用作動部材503を係止可能な状態となっている。
次に、撮像素子14が電荷蓄積開始走査を行い、操作部70によって設定されたシャッタスピードに対応する時間が経過した後、電磁石の通電がオフされる。
電磁石の通電がオフされると、後羽根用駆動部材502が駆動面502a、被駆動面503aを介して後羽根用作動部材503と一体となって反時計回りに回転し、後羽根群を走行させる。そして、図6に示すように、羽根駆動ピン503bが緩衝ゴム515をストッパーとして停止することで、後羽根群の走行が完了する。
図6の状態で、たとえ後羽根群がバウンドを起こしたとしても、係止部504aと被係止部503cが係止するため、後羽根群が露光用開口部501aを再び開くようなバウンドは防ぐことが可能となる。
次に、チャージレバー505が反計回りに回転し、カム面505bがコロ506を押す(これをチャージ動作という)ことで、後羽根用駆動部材502が図2の状態に戻る。このチャージ動作中には係止部504aと被係止部503cが係止しているため、露光用開口部501aを後羽根群が覆った状態を維持できる。このため、電荷読出し中の撮像素子14への露光を防ぐことができ、スミアの発生を防ぐことができる。
また、図3で示される緊定レバー504の解除動作は撮影動作の初期段階で行われるため、図3から図5で示される撮影前準備動作は、クイックリターンミラー130のアップ動作安定までの時間内に行うことができる。すなわち、クイックリターンミラー130のアップ動作安定時間がレリーズタイムラグを支配するのである。
一方、このカメラ100でライブビューを行う際は、クイックリターンミラー130がアップした状態で、シャッタ12は図4の状態になっている。つまり、被写体光が撮像素子14に常に導かれている状態になっている。そして、撮像素子14に導かれた被写体像をリアルタイムに画像表示部28に表示する。よって、使用者は光学ファインダ104の代わりに画像表示部28をファインダとして被写体像を観察することが可能となる。
ここで、シャッタ12が図4の状態でライブビューを行っているので、ライブビュー中の電磁石への通電を省略することが可能となる。なぜならば、コロ506はカム面505bのカムトップにあるため、後羽根用駆動部材502は回転できないからである。
本実施例では、後羽根用作動部材503にトーションバネを掛けたが、メイン羽根アーム507、あるいは、サブ羽根アーム508にかけても同様の作用が得られることは言うまでも無い。
上記実施例のカメラ100は、電子先幕、メカ式の後幕シャッタによって露光量を制御する構成となっている。そのために、入射した光を電荷として蓄積する撮像素子14と、撮像素子14を遮光するように走行するシャッタ12と、シャッタ12の走行に先行して、撮像素子14の電荷蓄積開始走査を行う手段を有する。上記シャッタ12は、メカ式の後幕を構成する後羽根群と、露光開始可能状態にある後羽根群を露光終了状態に走行させる後羽根用駆動部材502とを有する。さらに、露光終了状態にある後羽根群を露光開始可能状態に走行させる後羽根用作動部材503と、後羽根群を露光終了状態に走行させた位置で係止する緊定レバー504と、後羽根群を露光開始可能位置へ走行させる付勢力を後羽根用駆動部材502に与えるチャージレバー505とを有する。そして、チャージレバー505は、後羽根用駆動部材502の駆動を許可する第1の位置と、後羽根用駆動部材502をチャージした状態で緊定レバー504の係止を解除する第2の位置をとる構成となっている。
なお、上記露光開始可能位置とは、露光用開口部501aに後羽根群が存在しない、図4や図5の状態をいい、露光終了位置とは、露光用開口部501aを後羽根群が覆った、図2、図3及び図6の状態をいう。また、チャージレバー505の第1の位置とは、チャージレバー505のカム面505bがコロ506と当接しない、図5のような状態をいう。また、第2の状態とは、カム面505bがコロ506と当接してチャージレバー505が後羽根用駆動部材502をチャージした状態、かつ、係止部504aと被係止部503cの係止が解除された、図3の状態をいう。
上記のように、チャージレバー505が第2の位置をとることができるので、ライブビュー状態での後幕保持マグネットへの通電が不要になる。つまり、ライブビュー状態時の省電化を達成することができる。また、後羽根用作動部材503の露光開始可能状態への作動を、緊定解除動作の初期に行うことが可能となる。このため、後羽根用作動部材503の作動(後羽根群を走行させるための作動)がレリーズタイムラグに与える影響を無くすことが出来る。また、チャージ動作中には露光用開口部501aを後羽根群が覆うため、電荷読出し中の撮像素子14への露光を防ぐことが出来、スミアの発生を防ぐことが出来る。その上、たとえ後羽根群がバウンドを起こしたとしても、緊定レバー504に具備される係止部504aと後羽根用作動部材503に具備される被係止部503cが係止状態となるので、バウンド防止効果も有する。よって、バウンドによる露光ムラが発生することが無い。
本発明の一実施例に係るカメラの回路構成を示すブロック図である。 図1のカメラに具備されるシャッタ装置のチャージ完了状態を示す平面図である。 図1のカメラに具備されるシャッタ装置の緊定レバー解除の瞬間を示す平面図である。 図1のカメラに具備されるシャッタ装置の緊定レバー解除状態を示す平面図である。 図1のカメラに具備されるシャッタ装置の走行前待機状態を示す平面図である。 図1のカメラに具備されるシャッタ装置の走行完了状態を示す平面図である。
符号の説明
12 シャッタ
14 撮像素子
20 画像処理回路
28 画像表示部
50 システム制御回路
62 シャッタ部材
100 カメラ(撮像装置)
501a 露光用開口部
502 後羽根用駆動部材(駆動部材)
503 後羽根用作動部材(作動部材)
503c 被係止部
504 緊定レバー(係止部材)
504a 係止部
504b カム面
505 チャージレバー(チャージ部材)
505a チャージピン
505b カム面
506 コロ
507 メイン羽根アーム
508 サブ羽根アーム
509 1番羽根(後幕)
510 2番羽根(後幕)
511 3番羽根(後幕)
512 4番羽根(後幕)

Claims (6)

  1. 露光を終了させるために露光用開口部を覆う後幕を有するシャッタ装置において、
    露光開始可能状態にある前記後幕を露光終了状態に走行させる駆動部材と、
    露光終了状態にある前記後幕を露光開始可能状態に走行させる作動部材と、
    前記後幕を露光終了状態に走行させた位置で係止する係止部材と、
    前記係止部材による係止状態で、前記後幕を露光開始可能位置から露光終了状態へ走行させる付勢力を前記駆動部材にチャージするチャージ部材とを有し、
    前記チャージ部材は、前記駆動部材による前記後幕の露光終了状態への走行を許可する第1の位置と、前記駆動部材をチャージした状態で前記係止部材の係止を解除する第2の位置をとることを特徴とするシャッタ装置。
  2. 前記駆動部材は、前記後幕を露光終了状態に走行させる際に、前記作動部材を露光終了状態の位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  3. 前記後幕は前記作動部材と接続されており、前記係止部材は前記作動部材を係止することによって前記後幕を露光終了状態に走行させた位置で係止することを特徴とする請求項1または2に記載のシャッタ装置。
  4. 前記駆動部材を前記係止部材による係止が解除された前記作動部材に接触した状態で駆動させることによって、前記露光開始可能状態にある前記後幕を露光終了状態に走行させることを特徴とする請求項3に記載のシャッタ装置。
  5. 露光開始可能状態にある前記後幕を露光終了状態に走行させる力を前記駆動部材に加える第1のバネと、露光終了状態にある前記後幕を露光開始可能状態に走行させる力を前記作動部材に加える第2のバネを有し、前記第2のバネが加える力は前記第1のバネが加える力よりも弱いことを特徴とする請求項4に記載のシャッタ装置。
  6. 受光した光を電荷として蓄積する撮像素子を有する撮像装置において、
    露光開始を前記撮像素子の電荷蓄積開始によって行い、露光終了を請求項1ないし5のいずれかに記載のシャッタ装置によって行うことを特徴とする撮像装置。
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