JP2007316399A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率が向上する液晶表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板1と、この半導体基板に対向する透明基板10と、半導体基板と透明基板との間d1に介在する液晶20とを有する構成の液晶表示素子50の製造方法において、透明基板における半導体基板に対向する対向面A側に、酸化アルミニウムからなる透明膜11を形成し、この透明膜上にITOからなる透明電極13を形成する。そして、透明膜を形成する際の成膜ガスを、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスとして、この混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子の製造方法に関する。
近年、液晶表示素子は、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の大画面ディスプレイ装置に用いられている。また、大画面ディスプレイ装置は、さらなる大画面化が進み、この大画面化に伴って画像を表示するための光源の高輝度化が望まれている。
そこで、この光源として、従来から用いられていたメタルハライドランプに加えて、このメタルハライドランプよりも低消費電力で高輝度が得られる超高圧水銀(UHP:Ultra High Performance)ランプが用いられるようになった。
この超高圧水銀ランプは、周知のように、可視光域において特定波長の輝線を有している。この特定波長は、一般的に、約440nm、約540nm、及び約580nmである。そして、この輝線により干渉が発生し、干渉縞(フリンジともいう)や輝度むら等の表示不良が発生する場合がある。
この表示不良は、液晶表示素子の液晶層の厚さが10ミクロン以下と薄いため、透明基板と液晶層との界面で反射が起こると、液晶層のわずかな厚みむらによって位相ずれが生じ、この位相ずれにより発生するものと考えられる。特に反射型液晶表示素子では、液晶層を入射光及び反射光が通過するため、投射型液晶表示素子に比べ干渉縞が目立ちやすい。
この解決手段として光源の輝線を除去する方法が考えられるが、光量が減少するといった不具合が生じる。また、他の解決手段として液晶層の厚みむらをなくすことが考えられるが、透明基板の表面の平坦性を向上させるための工数等が増えるため、生産性が著しく低下するといった不具合が生じる。
そこで、上述した干渉縞を低減する他の手段の一つが特許文献1に記載されている。
この特許文献1の記載によれば、透明基板の一面側に、膜厚λ/4の第1のAl(酸化アルミニウム)膜、膜厚λ/2のITO(Indium Tin Oxide)膜、及び膜厚λ/4の第2のAl膜が順次積層されてなる3層構造の透明電極層を形成することにより、干渉縞の発生を抑えられるとするものである。なお、λは入射光及び反射光の中心波長である。
特開2002−14327号公報
Al膜以外の光学膜としてSiO(二酸化シリコン)膜があり、Al膜やSiO膜は、一般的に、真空成膜法、例えばスパッタ法により成膜される。Al膜やSiO膜をスパッタ法により成膜する場合、AlやSiOは酸化度が安定的であり、これらの材料からなる焼結ターゲットはその密度が高くかつ酸化物生成の自由エネルギーが大きい。そこで、通常、これらの焼結ターゲットを用いたAl膜やSiO膜の成膜は、Ar(アルゴン)ガス雰囲気中にて行われる。
また、ITO膜は、一般的に、真空成膜法、例えばスパッタ法により成膜される。ITO焼結ターゲットを用いたスパッタ法によりITO膜を成膜する場合、ArガスとO(酸素)ガスとの流量比が所定の値となる混合ガス雰囲気中で行うことによって、成膜されたITO膜は、O(酸素)原子が若干欠損した膜となる。このようにO原子が若干欠損したITO膜は、O原子が欠損していない膜に対して、より低抵抗の膜、換言すれば高導電性を有する膜となる。
しかしながら、上述した真空成膜法により形成された透明電極層は、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率が青色帯域以外の波長範囲における光透過率に比べて低く、その改善が望まれている。
例えば、光透過率の差によって発生する色むらを改善するためには、青色帯域における光透過率を99%以上にすることが好ましく、より好ましくは99.5%以上である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率を向上させる透明電極層を形成するための液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)半導体基板(1)と、該半導体基板に対向する透明基板(10)と、前記半導体基板と前記透明基板との間(d1)に介在する液晶(20)とを有する構成の液晶表示素子(50)の製造方法において、前記透明基板における前記半導体基板に対向する対向面(A)側に、酸化アルミニウム(Al)からなる透明膜(11)を形成する透明膜形成工程と、前記透明膜上に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極(13)を形成する透明電極形成工程とを有し、前記透明膜形成工程において、前記透明膜を形成する際の成膜ガスを、酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子の製造方法である。
2)半導体基板(1)と、該半導体基板に対向する透明基板(10)と、前記半導体基板と前記透明基板との間(d1)に介在する液晶(20)とを有する構成の液晶表示素子(50)の製造方法において、前記透明基板における前記半導体基板に対向する対向面(A)側に、酸化シリコン(SiO)からなる透明膜(12)を形成する透明膜形成工程と、前記透明膜上に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極(13)を形成する透明電極形成工程とを有し、前記透明膜形成工程において、前記透明膜を形成する際の成膜ガスを、酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子の製造方法である。
3)前記透明電極形成工程において、前記透明電極を形成する際の成膜ガスを、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.14%〜0.48%の範囲内とすることを特徴とする1)項または2)項記載の液晶表示素子の製造方法である。
本発明によれば、特に、透明基板上に、酸化シリコン(SiO)からなる透明膜を成膜する際に、成膜ガスを酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとして、この混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内とすることにより、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率が向上するという効果を奏する。
また、本発明によれば、特に、透明基板上に、酸化アルミニウム(Al)からなる透明膜を成膜する際に、成膜ガスを酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとして、この混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内とすることにより、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率が向上し、この青色帯域における光透過率のばらつきが低減するという効果を奏する。
また、本発明によれば、上述の透明膜上にITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を形成する際に、成膜ガスを酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスとして、この混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.14%〜0.48%の範囲内とすることにより、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率が向上し、この青色帯域における光透過率のばらつきが低減するという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
図1〜図5は、本発明の液晶表示素子の製造方法の実施例を説明するための図である。
<実施例>
まず、実施例における液晶表示素子50の構成について、図1を用いて説明する。
液晶表示素子50は、半導体基板であるSi(シリコン)基板1の表面に、後述する読み出し光(入射光という場合がある)L1を反射する画素電極2がマトリクス状に複数形成されている。画素電極2の材料として、Al(アルミニウム)やAu(金)等の金属材料を用いることができる。
Si基板1の表面には、画素電極2への電源供給を制御するスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)3が、各画素電極2に対応して形成されており、また、これら画素電極2及び薄膜トランジスタ3を覆うように第1の配向膜4が形成されている。
また、光透過性を有する透明基板であるガラス基板10の一面A側には、第1の屈折率n1を有する第1の透明膜11と、第1の屈折率n1よりも小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の透明膜12と、第2の屈折率n2よりも大きい第3の屈折率n3(n2<n3)を有する導電性の透明電極13とが順次積層されてなる透明多層膜15が形成されている。
透明多層膜15の表面には第2の配向膜16が形成されており、ガラス基板10の他面B側には、AR(Anti Reflection)膜(反射防止膜ともいう)17が形成されている。
第1の配向膜4及び第2の配向膜16の各材料として、Al(酸化アルミニウム)等を用いることができる。
上述したシリコン基板1及びガラス基板10は、シリコン基板1の第1の配向膜4とガラス基板10の第2の配向膜16とが互いに向き合うように所定の間隙d1を有して配置されており、この間隙d1には、負の誘電異方性を有するネマティック液晶20が充填されている。
そして、この液晶表示素子50は、薄膜トランジスタ3により各画素電極2への電源供給を制御して、所定の画素電極2に対応した範囲における液晶20を駆動させ、外部からAR膜17を透過して入射した読み出し光L1を、この所定の画素電極2で表示光L2として反射させ、所定の画像を得るものである。
次に、上述した液晶表示素子50の製造方法、特に、透明多層膜15の形成方法を第1工程〜第3工程として、図2を用いて説明する。
図2(a)〜図2(c)は、本発明の液晶表示素子の製造方法の実施例における第1工程〜第3工程をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
また、ガラス基板10の一面A側を、図1では下側としたが、図2では、説明をわかりやすくするために上側として上下逆にして表している。
(第1工程)[図2(a)参照]
ガラス基板(例えばコーニング社製ガラス基板“商品名1737”)10の一面A側に、スパッタ法により、Al膜を上述した第1の透明膜11として成膜する。
詳しくは、Alからなる焼結ターゲットを用いて、Ar(アルゴン)ガスとO(酸素)ガスとの流量比を所定の値とする混合ガス雰囲気中でスパッタを行い、光学膜厚ND1が0.51となるようにAl膜(第1の透明膜11)を成膜する。
実施例では、上述の混合ガスにおけるOガスの流量比を0.5%とした。
上述の成膜条件により成膜されたAl膜の屈折率n1は1.68である。
なお、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.5%とした理由については後述することとする。
(第2工程)[図2(b)参照]
次に、第1工程で成膜したAl膜上に、スパッタ法により、SiO(二酸化シリコン)膜を上述した第2の透明膜12として成膜する。
詳しくは、SiOからなる焼結ターゲットを用いて、ArガスとOガスとの流量比を所定の値とする混合ガス雰囲気中でスパッタを行い、光学膜厚ND2が0.50となるようにSiO膜(第2の透明膜12)を成膜する。
実施例では、上述の混合ガスにおけるOガスの流量比を0.2%とした。
上述の成膜条件により成膜されたSiO膜の屈折率n2は1.46である。
なお、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.2%とした理由については後述することとする。
(第3工程)[図2(c)参照]
次に、第2工程で成膜したSiO膜上に、スパッタ法により、ITO(Indium Tin Oxide)膜を上述した透明電極13として成膜する。
詳しくは、ITOからなる焼結ターゲットを用いて、ArガスとOガスとの流量比を所定の値とする混合ガス雰囲気中でスパッタを行い、光学膜厚ND3が0.22となるようにITO膜(透明電極13)を成膜する。
実施例では、上述の混合ガスにおけるOガスの流量比を0.3%とした。
上述の成膜条件により成膜されたITO膜の屈折率n3は1.94である。
なお、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.3%とした理由については後述することとする。
上述した第1工程〜第3工程により、Al膜である第1の透明膜11と、SiO膜である第2の透明膜12と、ITO膜である透明電極13とが順次積層されてなる透明多層膜15がガラス基板10の一面A上に形成される。
また、上述の第1の透明膜11,第2の透明膜12,及び透明電極13を成膜する際、ガラス基板10を加熱する温度を、ITO膜の結晶化温度(約150℃)よりも高い温度である220℃とした。
そして、透明多層膜15の表面に上述の第2の配向膜16を形成し、ガラス基板10の他面B側にAR膜17を形成する。
また、Si基板1の表面に、画素電極2,TFT3,及び第1の配向膜4を形成する。
第2の配向膜16,AR膜17,画素電極2,TFT3,及び第1の配向膜4は周知の方法により形成することができる。
さらに、Si基板1とガラス基板10とを、第1の配向膜4と第2の配向膜16とが互いに向き合うように間隙d1を有して配置させ、間隙d1に液晶20を充填させる。
その後、Si基板1とガラス基板10とをシール材等を用いて接着固定することにより、上述した液晶表示素子50を得る。
ここで、まず、上述の第1工程で、ArガスとOガスとの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.5%とした理由について図3を用いて説明する。
図3は、第1の透明膜11であるAl膜を成膜する際の混合ガスにおけるOガスの流量比と、測定波長450nm(青色帯域の波長)における透明多層膜15の光透過率との関係を示したものである。
発明者は、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率を向上させるべく鋭意実験した結果、上述の透明多層膜15の第1の透明膜11であるAl膜を成膜する際の成膜ガスによって光透過率が向上することを見出した。
そこで、この成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとして、混合ガスにおけるOガスの流量比と透明多層膜15の光透過率との関係について調べた。
なお、第2の透明膜12であるSiO膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとし、透明電極13であるITO膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとしてこの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.3%とした。
図3に示す結果から、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内にして第1の透明膜11であるAl膜を成膜することにより、青色帯域における光透過率が99%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、このときの赤色帯域及び青色帯域における光透過率もそれぞれ99%以上であることを確認した。
また、図3に示す結果から、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.25%〜0.75%の範囲内にして第1の透明膜11であるAl膜を成膜することにより、青色帯域における光透過率が99.5%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、このときの赤色帯域及び青色帯域における光透過率もそれぞれ99.5%以上であることを確認した。
そこで、実施例では、上述の結果を鑑みて、第1の透明膜11であるAl膜を成膜する際に、ArガスとOガスとの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.5%とした。
次に、上述の第2工程で、ArガスとOガスとの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.2%とした理由について図4を用いて説明する。
図4は、第2の透明膜12であるSiO膜を成膜する際の混合ガスにおけるOガスの流量比と、測定波長450nm(青色帯域の波長)における透明多層膜15の光透過率との関係を示したものである。
発明者は、特に、青色帯域、例えば430nm〜460nmの波長範囲における光透過率を向上させるべく鋭意実験した結果、上述の透明多層膜15の第2の透明膜12であるSiO膜を成膜する際の成膜ガスによって光透過率が向上することを見出した。
そこで、この成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとして、混合ガスにおけるOガスの流量比と透明多層膜15の光透過率との関係について調べた。
なお、第1の透明膜11であるAl膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとし、透明電極13であるITO膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとしてこの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.3%とした。
図4に示す結果から、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内にして第2の透明膜12であるSiO膜を成膜することにより、青色帯域における光透過率が99%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、このときの赤色帯域及び青色帯域における光透過率もそれぞれ99%以上であることを確認した。
そこで、実施例では、上述の結果を鑑みて、第2の透明膜12であるSiO膜を成膜する際に、ArガスとOガスとの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.2%とした。
次に、上述の第3工程で、ArガスとOガスとの混合ガスにおけるOガスの流量比を0.3%とした理由について図5を用いて説明する。
図5は、透明電極13であるITO膜を成膜する際の混合ガスにおけるOガスの流量比と、測定波長450nm(青色帯域の波長)における透明多層膜15の光透過率との関係を示したものである。
発明者は、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内として第1の透明膜11であるAl膜を成膜し、その後にITO膜13を成膜する際の成膜条件について検討を行った。
その結果、ITO膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとし、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.14%〜0.48%とすることにより、青色帯域における光透過率が99%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.19%〜0.38%とすることにより、青色帯域における光透過率が99.5%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、発明者は、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内として第2の透明膜12であるSiO膜を成膜し、その後にITO膜13を成膜する際の成膜条件について検討を行った。
その結果、ITO膜を成膜する際の成膜ガスをArガスとOガスとの混合ガスとし、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.14%〜0.48%とすることにより、青色帯域における光透過率が99%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
また、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.19%〜0.38%とすることにより、青色帯域における光透過率が99.5%以上である透明多層膜15が得られることを確認した。
図5にその一例として、混合ガスにおけるOガスの流量比を1.12%として第1の透明膜11であるAl膜を成膜し、Arガスで第2の透明膜12であるSiO膜を成膜した場合の、透明電極13であるITO膜を成膜する際の混合ガスにおけるOガスの流量比と、測定波長450nm(青色帯域の波長)における透明多層膜15の光透過率との関係を示す。
上述した結果から、従来は、スパッタの際に焼結ターゲットからAl,SiO,ITOが飛散して成膜する際に、飛散途中でこれらの酸化化合物中の酸素が離脱して成膜された膜中の酸素原子の欠落により膜質が悪化して光透過率が低かったものと考えられる。
そこで、上述したように、本発明では、成膜の際の成膜ガスを従来のArガスからArガスとOガスとの混合ガスにすることにより、スパッタの際に焼結ターゲットからAl,SiO,ITOが飛散して成膜する際に、飛散途中でこれらの酸化化合物中の酸素が離脱することを防止できるので、所望の膜質が得られるため、光透過率が向上したものと考えられる。
また、混合ガスにおけるOガスの流量比が高すぎると、成膜された膜の膜質が悪化するので光透過率が低くなるものと考えられる。
また、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内として第1の透明膜11であるAl膜を成膜することにより、良好な膜質のAl膜が得られるため、透明多層膜15の光透過率のばらつきを低減することができる。
また、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内として第2の透明膜12であるSiO膜を成膜することにより、良好な膜質のSiO膜が得られるため、透明多層膜15の光透過率のばらつきを低減することができる。
また、上述のAl膜の成膜条件、または、SiO膜の成膜条件において、混合ガスにおけるOガスの流量比を0.14%〜0.48%の範囲内として透明電極13であるITO膜を成膜することにより、良好な膜質のITO膜が得られるため、透明多層膜15の光透過率のばらつきを低減することができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
本発明の液晶表示素子の実施例を説明するための模式的断面図である。 本発明の液晶表示素子の実施例を説明するための模式的断面図である。 本発明の液晶表示素子の実施例を説明するための図である。 本発明の液晶表示素子の実施例を説明するための図である。 本発明の液晶表示素子の実施例を説明するための図である。
符号の説明
1 Si基板、 2 画素電極、 3 TFT、 4,16 配向膜、 10 ガラス基板、 11,12 透明膜、 13 透明電極、 15 透明多層膜、 17 AR膜、 20 液晶、 50 液晶表示素子、 A,B 面、 L1 読み出し光、 L2 表示光、 d1 間隙

Claims (3)

  1. 半導体基板と、該半導体基板に対向する透明基板と、前記半導体基板と前記透明基板との間に介在する液晶とを有する構成の液晶表示素子の製造方法において、
    前記透明基板における前記半導体基板に対向する対向面側に、酸化アルミニウム(Al)からなる透明膜を形成する透明膜形成工程と、
    前記透明膜上に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を形成する透明電極形成工程とを有し、
    前記透明膜形成工程において、前記透明膜を形成する際の成膜ガスを、酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.01%〜1.12%の範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 半導体基板と、該半導体基板に対向する透明基板と、前記半導体基板と前記透明基板との間に介在する液晶とを有する構成の液晶表示素子の製造方法において、
    前記透明基板における前記半導体基板に対向する対向面側に、酸化シリコン(SiO)からなる透明膜を形成する透明膜形成工程と、
    前記透明膜上に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を形成する透明電極形成工程とを有し、
    前記透明膜形成工程において、前記透明膜を形成する際の成膜ガスを、酸素(O)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.03%〜0.32%の範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  3. 前記透明電極形成工程において、前記透明電極を形成する際の成膜ガスを、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスとすると共に、該混合ガスにおける酸素ガスの流量比を0.14%〜0.48%の範囲内とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の液晶表示素子の製造方法。
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