JP2007314647A - インクジェット用熱硬化性樹脂組成物、耐熱性樹脂膜の形成方法およびそれを用いた電子部品 - Google Patents

インクジェット用熱硬化性樹脂組成物、耐熱性樹脂膜の形成方法およびそれを用いた電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度でも粘度が小さく、1回のインクジェット吐出で厚膜のパターンを形成することができるインクジェット用熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱架橋剤と、(B)前記(A)と反応可能な基を有する、ポリイミド化合物またはポリベンゾイミダゾール化合物とからなる組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、半導体、フラットパネルディスプレー、回路基板の絶縁膜などに好適に用いられるインクジェット用熱硬化性樹脂組成物、ならびにこれを用いたインクジェット法による耐熱性樹脂膜の形成方法に関する。
半導体、フラットパネルディスプレー、回路基板に絶縁膜をパターン形成する方法としては、フォトリソグラフィー法が一般的に用いられていた。具体的には、絶縁膜材料を塗布し、フォトレジストをマスクにしてエッチングしてパターン形成する方法や、感光性を付与した絶縁膜材料を塗布し、パターン状に露光し、不要な部分を現像処理により除去した後、硬化を行い絶縁膜のパターンを得る方法などが用いられていた。しかしながら、このような方法では、全体に膜を形成した後、不要部分を除去するため、絶縁膜材料の利用効率が低くなること、不要部分の廃棄のために環境への負荷があることなどが指摘されている。
これに対して、インクジェット法により微細な液滴をパターン状に噴霧することで絶縁膜パターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法を用いてポリイミド系樹脂の絶縁層を形成することができる。しかしながら、一般のポリイミド系樹脂は粘性が大きく、インクジェット法でノズルから液滴を噴出させることが困難になったり、液だれが生じたりする課題があった。これらの課題に対しては、樹脂濃度を低下させることにより、インクジェット法に適した溶液粘度を有する樹脂組成物を得ることができる。しかしながら、この場合には1回の膜形成で得られる膜厚が薄くなり、厚膜のパターンを得るためには、多数の液滴を同じ部位に塗布する必要があり、微細なパターンを得ることが困難であった。これに対して、重量平均分子量10000〜50000のポリマーおよび溶剤を含有する、ポリマー濃度15〜20%の範囲での組成物の粘度が15〜25mPa・sであり、粘度の値の変化が粘度測定の回転数に対し3%以内である樹脂組成物を用いて、インクジェット法により絶縁層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によると、溶剤溶解性の良好な耐熱性樹脂前駆体をインクジェット法により塗布し、その後、熱処理を施してイミド化を行い、厚膜の絶縁膜を形成することができる。しかし、近年の回路パターンの微細化に伴い、より微細なパターンをより厚膜で形成することが求められており、従来公知のインクジェット用樹脂組成物では、近年求められる厚膜の絶縁膜を形成することは困難であった。
特開2003−309369号公報 特開2005−187596号公報
本発明は、高濃度でも粘度が小さく、1回のインクジェット吐出で厚膜のパターンを形成することができるインクジェット用熱硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は主として次の構成を有する。すなわち、(A)熱架橋剤と、(B)前記(A)と反応可能な基を有し、かつ下記一般式(1)または(2)で表される構造単位を有する、重量平均分子量300〜9,000の化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用熱硬化性樹脂組成物である。
Figure 2007314647
式中、Xは4価の有機基、Yは2価の有機基を示す。Aは同じでも異なってもよく、O、S、SO、CO、COOまたはNHを表す。
本発明によれば、高濃度でも粘度が小さく、熱硬化後の収縮が極めて小さいインクジェット用熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。本発明のインクジェット用熱硬化性樹脂組成物を用いてインクジェット法によりパターン形成することにより、1回の吐出で厚膜を形成することができ、フォトリソグラフィー法を使うことなく耐熱性樹脂パターンを容易に形成することができる。
本発明のインクジェット用熱硬化性樹脂組成物は、(A)熱架橋剤と、(B)前記(A)と反応可能な基を有し、かつ下記一般式(1)または(2)で表される構造単位を有する、重量平均分子量300〜9,000の化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2007314647
式中、Xは4価の有機基、Yは2価の有機基を示す。Aは同じでも異なってもよく、O、S、SO、CO、COOまたはNHを表す。
本発明において、(A)熱架橋剤は、熱で架橋を引き起こす物質ならどのようなものでも使用することができる。熱架橋剤を含有することで、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱により熱架橋反応を引き起こし、得られる硬化膜の絶縁性を十分なものとすることができる。また、熱により(B)成分の化合物と架橋反応を起こし高分子化させることにより、重量平均分子量300〜9,000の化合物を用いても機械特性に優れた硬化膜を得ることができる。また、熱架橋剤が反応して緻密な構造となることにより、得られた硬化膜は優れた耐薬品性を示す。
熱架橋反応の生じる温度は80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。また、400℃以下が好ましく、より好ましくは350℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。熱架橋反応の生じる温度が80℃以上であれば、熱硬化性樹脂組成物を室温で保存する場合に良好な安定性を得ることができる。また400℃以下で架橋反応することにより、絶縁膜を形成する基板への熱ダメージをことができるため好ましい。
本発明に好ましく用いられる(A)熱架橋剤の例としては、エポキシ化合物、メチロール化合物、アルコキシメチロール化合物、ビスマレイミド、不飽和結合を両末端に有するビスイミド化合物、アセチレン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、エポキシ基を1つ有するものとしてエポライトM−1230、エポライトEHDG−L(以上、商品名、共栄社化学(株)製)、PP−101(商品名、東都化成(株)製)、NKオリゴEA−1010/ECA(商品名、新中村化学)等、2つ有するものとしてエポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト80MF、エポライト4000、エポライト3002(以上、商品名、共栄社化学工業(株)製)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−850L(以上、商品名、ナガセケムテックス(株)製)、GAN、GOT(以上、商品名、日本化薬(株)製)、エピコート828、エピコート1002、エピコート1750、エピコート1007、YX8100−BH30、E1256、E4250、E4275(以上、商品名、ジャパンエポキシ(株)製)、エピクロンEXA−9583、HP4032(以上、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)等、3つ有するものとして、テピックS、テピックG、テピックP(以上、商品名、日産化学工業(株)製)、デナコールEX−321L(商品名、ナガセケムテックス(株)製)、NC6000(商品名、日本化薬(株)製)等、4つ以上有するものとして、EPPN502H、NC3000(以上、商品名、日本化薬(株)製)、エピクロンN695、HP7200(以上、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。これらのうち2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
メチロール化合物、アルコキシメチロール化合物としては、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2007314647
式中、Rは、2〜10価の炭化水素基、芳香族基、複素環基を示す。Rは同じでも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式基またはRCO基を示す。ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。nは2〜10の整数である。
一般式(3)で表される熱架橋剤の架橋反応は140℃以上で起こるため、このような熱架橋剤を含有する熱硬化性樹脂組成物は、140℃を下回る温度では容易に溶剤で剥離することが可能であり、140℃以上に加熱すると熱架橋剤が架橋反応を起こして溶剤に不溶になり、得られる硬化膜の絶縁性が向上する。さらに、熱により(B)成分の化合物と架橋反応を起こし高分子化させることにより、機械特性に優れた硬化膜を得ることができる。
一般式(3)で表される熱架橋剤としては、たとえば、熱架橋性基を2つ有するものとして46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等、4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−270、ニカラックMX−280、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等、6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等が挙げられる。より好ましくは、脂環式系の化合物であるニカラックMX−280、ニカラックMX−270、ニカラックMW−100LM、芳香族化合物であるHML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPHAP等が挙げられる。
ビスマレイミドとしては、m−フェニレンジアミン、ジアミノ安息香酸、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタンなどのジアミン化合物の両末端にマレイン酸を結合したもの等が挙げられる。
不飽和結合を両末端に有するビスイミド化合物としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビス(ジカルボキシフェニルフェノキシ)プロパンなどのテトラカルボン酸とビニルアニリン、エチニルアニリン、メタクリルアニリンなどの不飽和結合を有するモノアミノ化合物を反応させたもの、m−フェニレンジアミン、ジアミノ安息香酸、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタンなどのジアミン化合物の両末端にナジック酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、エチニルフタル酸、ビシクロ−ヘプテン−ジカルボン酸などを結合したものを挙げることができる。これらの化合物は溶解性を向上させるため、炭素数1〜10のアルキル基、塩素、フッ素などのハロゲン原子などで置換されていてもよい。
アセチレン化合物としては、ジエチニルベンゼンや、下記に示したようなものを例示できる。
Figure 2007314647
また、(A)熱架橋剤として、その他エチレン性の不飽和結合を有した、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのアクリル化合物や、ジビニルベンゼン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシランなどのビニル化合物などを使用することもできる。
以下に、本発明に特に好ましく用いられる代表的な熱架橋剤の構造を示す。
Figure 2007314647
Figure 2007314647
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに(B)前記(A)と反応可能な基を有し、かつ下記一般式(1)または(2)で表される構造単位を少なくとも1つ有する、重量平均分子量300〜9,000の化合物を含有する。このような化合物は、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位を有するものであってもよい。
Figure 2007314647
式中、Xは4価の有機基、Yは2価の有機基を示す。Aは同じでも異なってもよく、O、S、SO、CO、COOまたはNHを表す。
(A)と反応可能な基を有することで、熱により熱架橋剤を介して網目構造をとり、得られる硬化膜の絶縁性を向上することができる。さらに架橋反応により高分子化するため、重量平均分子量300〜9,000の化合物を用いても機械特性に優れた硬化膜を得ることができる。(A)と反応可能な基としては、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基、エチニル基などのアルキニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは、フェノール性水酸基である。分子間の相互作用が比較的小さく、粘度の剪断速度依存性を小さくすることができる。
さらに、一般式(1)または(2)で表される構造単位は複素環構造を有しているために、耐熱性に優れ、剛直であり、高温での絶縁性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、一般に(1)または(2)で表される構造単位を含む絶縁膜を形成する方法としては、それぞれの前駆体を用いてパターン形成を行い、その後、熱処理を施すことにより環化して絶縁性を向上する方法が挙げられるが、この方法は次の2つの観点から好ましくない。1つ目は、分子内に極性基を有することにより、分子間の相互作用が大きくなって、粘度の剪断速度依存性が大きくなってしまう。2つ目は、例え極性基を保護して、分子間相互作用を抑制した場合でも、環化の際に収縮が生じるため、希望の膜厚を得るためには、収縮分を上乗せした膜厚を形成する必要があり、厚膜化が困難である。一方、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、一般式(1)または(2)で表される構造単位を予め有することにより、相互作用の大きい基を含有する必要がなく、粘度の剪断速度依存性を低下させることができる。さらに、パターン形成後に環化を行う必要がなく、熱処理時の収縮が少ない。
本発明において、(B)成分の化合物の重量平均分子量は300〜9,000である。さらに、500以上が好ましく、5,000以下が好ましい。化合物の重量平均分子量が300未満であると、昇華性が出る、熱処理中に物質が揮発するなどの問題点がある。一方、9,000を越えると、固形分濃度を高くすると急激に粘度が上昇するため、組成物の固形分濃度を高くすることができず、インクジェット法により厚膜の硬化膜を得ることが困難になる。(B)成分の化合物の重量平均分子量を上記範囲に調整するための方法として、例えば、化合物末端を封止する方法を挙げることができる。特に、(A)熱架橋剤と反応可能な基であるフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基、エチニル基などのアルキニル基エチニル基を有する化合物で末端封止することが好ましい。
また、重量平均分子量/数平均分子量の値は、1〜5が好ましい。重量平均分子量/数平均分子量が5以下であれば、高濃度であっても粘度のより低い熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。重量平均分子量/数平均分子量を一定の範囲にする好ましい方法としては、反応させた化合物を溶解しない溶媒や水に入れて沈殿化する手法を挙げることができる。これにより望ましい分子量の成分を分画することができる。
本発明において、重量平均分子量、数平均分子量は、ゲルパーミュレーション法により求めることができる。予め平均分子量が既知の標準ポリスチレンを用いて検量線を作製し、それを用いて分子量の解析を行う。測定装置はGPCModel510(ウォーターズ(株)製)、カラムはTSK−GELα2500およびTSK−GELα40000(東ソー(株)製)、展開溶媒は0.05モル/Lのリン酸を含んだN−メチル−2−ピロリドンを用い、流速0.4ml/分で測定する。
一般式(1)で表される構造単位を含む化合物としては、低分子イミド化合物およびポリイミドが挙げられ、一般式(2)で表される構造単位を含む化合物としては、低分子アゾール化合物、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾールなどのポリアゾール類、サッカリン化合物、ポリサッカリンなどが挙げられる。
例えば、イミド化合物は、酸二無水物と一級モノアミンを反応させ、あるいはジアミンとカルボン酸誘導体を反応させ、その後、70℃以上の高温でイミド閉環を行うことで合成することができる。一般式(2)で表される構造単位を有するものとしては、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸をポリリン酸や、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、70℃以上で反応させることで、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾオキサゾール低分子化合物を得ることができる。また、ビスアミノチオフェノール化合物とジカルボン酸をポリリン酸やジメチルスルホキシドなどの溶媒中、70℃以上で反応させることで、ポリベンゾチアゾール、ベンゾチアゾール低分子化合物を得ることができる。また、テトラアミン化合物とジカルボン酸をポリリン酸やジメチルスルホキシドなど溶媒中、70℃以上で反応させることで、ポリベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール低分子化合物を得ることができる。また、ジアミノジカルボン酸化合物とジカルボン酸をポリリン酸やジメチルスルホキシドなどの溶媒中、70℃以上で反応させると一般式(2)のAがCOOとなるポリマーや低分子化合物を得ることができる。なお、(A)と反応可能な基を有する化合物を得るためには、反応させる原料の少なくとも一方に、(A)と反応可能な基を有するものを用いればよい。また、一般式(1)または(2)で表される構造単位を含む化合物を得た後に、官能基を導入することもできる。
本発明に用いられる(B)の化合物は、各種の有機溶媒に可溶であることが、その後のインクジェット法によるパターン形成を行う際に望ましい。(B)の化合物の有機溶媒に対する溶解性を高めるため、例えば下に例示する構造を有することが好ましい。
Figure 2007314647
一般式(1)および(2)において、Xは4価の有機基を示し、芳香族環を有するものが好ましい。さらに、溶解性の観点から、上記に示した基を有するものがより好ましい。
一般式(1)のXはテトラカルボン酸残基を示しており、好ましいものとして、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、SO基、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基およびエチレンオキサイド基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する残基が挙げられる。このような残基を有するテトラカルボン酸二無水物としては、具体的には、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等を挙げることができる。
一般式(1)で表される構造単位を有し、(A)と反応可能な基を有する化合物を構成する酸二無水物残基として好ましい構造を下に例示する。
Figure 2007314647
式中、Rは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、SO基、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基またはエチレンオキサイド基を示す。R〜Rは、それぞれ独立にフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基またはエチニル基などのアルキニル基を示す。a、b、cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。ただし、この酸二無水物と反応させるジアミン化合物に熱架橋剤との反応点がない場合、a+b+c+d≧1である。
その他の酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物を用いてもよい。
これら酸二無水物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
一般式(2)のXはビスアミノフェノール化合物、ビスアミノチオフェノール化合物、ジアミノジカルボン酸化合物などの残基を表している。
一般式(2)で表される構造単位を有し、(A)と反応可能な基を有する化合物を構成するビスアミノフェノール化合物、ビスアミノチオフェノール化合物、ジアミノジカルボン酸化合物などの残基として好ましいものは、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンやこれらのアルキル基やハロゲン基置換化合物などの残基などが挙げられる。
一般式(1)および(2)において、Yは2価の有機基を示し、芳香族環を有するものが好ましい。さらに、溶解性の観点から、前記に示した基を有するものがより好ましい。
一般式(1)のYはジアミン残基を表しており、好ましいものとして、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、SO基、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基およびエチレンオキサイド基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有するジアミン残基が挙げられる。このような残基を有するジアミン化合物としては、具体的には、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等を挙げることができる。
また、一般式(1)で表される構造単位を有し、(A)と反応可能な基を有する化合物を構成するジアミン残基の好ましい構造として、具体的には、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミンの残基などが挙げられる。
Figure 2007314647
式中、R〜R16は、それぞれ独立にフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基、エチニル基などのアルキニル基を示す。e〜lはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。ただし、このジアミン化合物と反応させる酸成分に熱架橋剤との反応点がない場合、e+f+g≧1、h+i+j≧1、k+l≧1である。
より好ましいものとして、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、SO基、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基およびエチレンオキサイド基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルヒドあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミンの残基などが挙げられる。
Figure 2007314647
式中、R19は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、SO基、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基またはエチレンオキサイド基を示す。R17、R18、R20およびR21は独立にフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基またはエチニル基などのアルキニル基を示す。aa、bb、cc、ddは、0〜4の整数を示している。ただし、このジアミン化合物と反応させる酸成分に熱架橋剤との反応点がない場合、aa+bb+cc+dd≧1である。
その他のジアミンとして、具体的には、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、テレフタル酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、フタロ酸ヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、4,4’−ビスフェニルジカルボノヒドラジン、4,4’−シクロヘキサンジカルボノヒドラジン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換したヒドラジド化合物を用いてもよい。
これらジアミンは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
一般式(2)のYはジカルボン酸の残基を表している。一般式(2)で表される構造単位を有し、かつ(A)と反応可能な基を有する化合物を構成するジカルボン酸としては、フタール酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、あるいはこれらにフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アクリル基、ビニル基などのアルケニル基、エチニル基などのアルキニル基などの熱架橋剤と反応する基を有した化合物などが挙げられる。
本発明に用いられる(B)成分の化合物は、さらに一般式(4)で表される構造単位を有することが好ましい。一般式(4)で表される構造単位を有することにより、後述する溶剤に対する溶解性が向上して熱硬化性樹脂組成物の粘度を低下できると同時に、種々の基板との接着性を向上することができる。
Figure 2007314647
一般式(4)中、R22およびR27は2価の炭化水素基を示し、炭素数1〜10であることが好ましい。eeは1〜10の整数を示し、好ましくは1〜2である。eeを1以上とすることで硬化時の収縮を抑えることができ、10以下とすることで化合物中の絶縁性、耐熱性を向上することができる。R23〜R26は独立に1価の炭素水素基を示し、炭素数1〜10であることが好ましい。
一般式(4)で表される繰り返し単位の含有量は(B)の化合物中に2〜15重量%が好ましい。2重量%以上とすることで上記の効果を得ることができ、15重量%以下とすることで、剛直性を維持し、耐熱性、絶縁性を保つことができる。
具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを用いればよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、(B)成分100重量部に対して1〜150重量部が好ましい。150重量部以下であれば、架橋密度を適切な範囲に保ち、靱性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤としては、乾燥が遅く、熱硬化性樹脂組成物の粘度を高めず、基板材料であるガラス、金属、シリコンウエハーとのなじみの良い溶媒が好ましい。このような例としては、N−メチルピロリドン、ガンマブチロロクトン、ジメチルイミダゾリノン、スルホラン、炭酸プロピレン、テルピネオール、シクロヘキシルアルコールなど沸点が200℃以上のものが好ましい。また、本発明は、粘度を大きく変化させない範囲で、上記した溶媒の他に、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジメチルホルミアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシメチルブタノールなどを加えて、蒸発速度と粘度を調整することもできる。本発明の熱硬化性樹脂組成物において、有機溶剤の含有量は、(B)成分100重量部に対して、20重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましい。また、800重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましい。このような範囲とすることで、インクジェット法で適度な膜厚の膜を容易に形成できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、25℃における溶液粘度が5mPa・s以上であることが好ましく、10mPa・s以上がより好ましい。25℃における溶液粘度が5mPa・s以上であれば、インクジェット塗布後の組成物の広がりを抑え、精度の高いパターンを形成することができる。一方、30mPa・s以下が好ましく、25mPa・s以下がより好ましい。30mPa・s以下であれば、インクジェットノズルの先端付近での詰まりなどの発生を抑え、一定の塗布量を安定して吐出することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、良好なインクジェット塗布性の観点から、粘度の剪断速度依存性が小さいことが好ましい。すなわち、E型粘度計を用いた回転数10rpmでの溶液粘度ηと回転数20rpmでの溶液粘度ηの比η/ηが0.95≦η/η≦1.02であることが好ましい。η/ηは、粘度の剪断速度依存性の指標となる。η/ηが大きいと、剪断速度が大きくなるにつれ粘度が低下する性質を持ち、η/ηが小さいと、剪断速度に伴い、粘度が増加するダイラタンシーを示す。本発明においては、粘度の剪断速度依存性を小さくし、インクジェット法による塗布をより容易にするために、0.95≦η/η≦1.02とすることが好ましい。η/ηを0.95以上とすることで、ノズル高速吐出時に粘度が増加することを防ぎ、ノズル詰まりなどの発生を低減することができる。η/ηを1.02以下とすることで、吐出初期の粘度を安定させ、応答性を良好に保つことができる。回転数によらず粘度を一定にするためには、例えば(B)成分の重量平均分子量/数平均分子量の値を5以下にすることが好ましく、3以下が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化促進剤として、熱酸発生剤、熱塩基発生剤などを(B)成分の化合物100重量部に対して1〜10重量部含有してもよい。
本発明に好ましく用いられる熱酸発生剤として、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物などを挙げることができる。
オニウム塩の具体的な例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスニウム塩、オキソニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネートなどが挙げられる。
ハロゲン含有化合物の具体的な例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物などが挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
ジアゾケトン化合物の具体的な例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。好ましいジアゾケトン化合物は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と2,2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとのエステルなどを挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体的な例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体的な例としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物などが挙げられる。好ましい化合物としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタンなどが挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体的な例としては、N−ヒドロキシエタンスルホンイミド酸、トリフルオロメタンスルホンイミド、ベンゼンスルホンイミドなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、さらに着色剤を用いることができる。着色剤は、有機電界発光素子の絶縁層においては、発光エリアからの迷光を防止する作用があり、回路基板用のソルダーレジストにおいては、基板上の回路配線を隠す目隠しの作用がある。
また、シリコンウエハー、ガラスなどの下地基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタンキレート剤などを熱硬化性樹脂組成物に対して0.5〜10重量%含有したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。熱硬化性樹脂組成物に含有する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤を樹脂組成物中の(B)成分に対して0.5〜10重量%含有する。基板を処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ピルビン酸ジエチルなどの溶媒に0.5〜20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50〜300℃の温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させる。
さらに、溶液の粘性や塗布性を調整する目的で界面活性剤、消泡剤などを10ppm〜1.0%の範囲で添加することもできる。また、必要に応じて染料や微細に粉砕した顔料を加えて着色することも可能である。
本熱硬化性樹脂組成物は、例えば上記した(B)の化合物に(A)成分の熱架橋剤を加え、これを溶剤に溶解する方法や、(B)の化合物の溶液に、(A)熱架橋剤を加える方法、あるいは(A)熱架橋剤の溶液に(B)の化合物を溶解する方法などにより得ることができる。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて絶縁膜を形成する方法について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、インクジェット法によりパターンを形成することにより、フォトリソグラフィーを用いずに絶縁膜のパターンを得ることができ、工程を大幅に省略できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物から得られる樹脂組成物膜は、塗布後、そのままレジストパターンとして使用することもできるし、また熱処理、電磁波処理、薬品処理、紫外線処理などを行い、耐薬品性のある膜に変換することもできる。本処理は、熱処理を行う場合、150〜450℃の範囲でオーブンを使用する場合、最高温度で5分〜2時間処理を行う。ホットプレート処理の場合、最高温度で30秒から20分程度の処理を行う。電磁波処理を行う場合、1GHz〜30GHz程度の高周波を出力10W〜10KWで5秒から1時間加える。熱処理、電磁波処理をする雰囲気は空気中、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス中、さらに不活性ガスに水素ガスが混合された還元ガス雰囲気中、真空中などで行うことができる。このような処理の時の圧力は、0.1torr以下の高真空下から1000気圧程度の高圧下までいずれでも行うことができる。
薬品処理を行う場合、耐熱性樹脂前駆体膜の場合は、前駆体を耐熱性樹脂に変換するための触媒を薬品として用いる。この場合、ピリジン、トリエチルアミン、ピペリジン、イミダゾール、ピラゾール、テトラゾールなどの有機塩基、ホウ素塩類、リン酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの酸化合物などを用いる。反応させる温度としては常温から400℃程度で行う。雰囲気、圧力などは上記熱処理と同様の条件を用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は実装基板の層間絶縁膜以外に、CCD素子のレンズ、有機EL素子の絶縁膜、液晶表示素子の配向膜や平坦化膜、半導体の保護膜などとして用いることもできる。
以下、実施例および技術をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の熱硬化性樹脂組成物の評価は以下の方法により行った。
<重量平均分子量、数平均分子量の測定>
標準ポリスチレンを用いて校正し、下記条件で重量平均分子量、数平均分子量を算出した。
測定装置:ウオーターズ社製Model510
カラム:東ソー(株)製ガードカラムα、東ソー(株)製TSK−GELα2500、TSK−GELα4000を直列につないだ。
展開溶媒:リン酸0.05mol/L、塩化リチウム0.05mol/Lを含んだN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学(株)製、NMP)
流量:0.4mL/分。
<溶液粘度の測定>
標準粘度液(日本グリース(株)製 JS−20、JS−100)を用いて校正し、下記条件で測定した。
測定装置:東機産業(株)製 TVE−20L(E型粘度計)
回転数:10回転、20回転
測定温度:25℃
コーン:直径:48mmφ 角度 1°34’。
<インクジェット法によるパターン形成>
本実施例に用いたインクジェット装置の概略図を図1に示す。
装置:コンティニュアス式インクジェット装置(試作装置)
装置はヘッド部分、インク加圧部、ステージ部と制御部よりなっており、それぞれの構成は下記のとおりである。
ヘッド部分はノズル1、荷電電極2、偏向電極3からなり、樹脂組成物溶液を細かい液滴状にし、荷電電極2で電荷を加え、偏向電極3で必要な位置に液滴4を偏向させる。インク加圧部はインクタンク5に入っているインクを加圧して、ヘッド部に送り込む部分であり、窒素もしくは空気によって加圧している。ステージ部は基板6を設置、移動させる部分であり、本例では10cm×10cmのガラス基板を設置している。制御部は、ヘッド部に吐出信号を送り、ステージ7の移動をパーソナルコンピューター10で制御する。
描画条件:ノズル直径 10μm、インク圧力 24N/cm2(流量0.15g/分)、滴生成周波数 90kHz、点間15μmピッチで直線状のパターンを形成した。
<絶縁信頼性試験>
ライン幅10μm、スペース10μmの櫛状サンプル上に、厚み10μmになるように熱硬化性樹脂組成物を塗布し、各実施例に記載の条件で熱処理した後、85℃、相対湿度85%の環境下、50Vの電圧を印加しながら、1000時間処理し、絶縁抵抗値を測定した。絶縁信頼性の良否の判断は、1000時間試験後の絶縁抵抗が1.0×10Ω以上を良、1.0×10Ω未満を否とした。
実施例に用いた化合物の合成例、および熱架橋剤の構造を以下に示す。
Figure 2007314647
合成例(1) ポリイミド(I)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BAHFとする)21.96g(0.06モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)4.97g(0.02モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール(以下、3−Aphとする)4.36g(0.04モル)をNMP80gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下、ODPAとする)31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド(I)のGPC法による重量平均分子量は4,500であった。数平均分子量は2,400であった。
合成例(2) ポリイミド(II)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF20.13g(0.055モル)、SiDA7.46g(0.03モル)、末端封止剤として、3−Aph3.27g(0.03モル)をNMP150gに溶解させた。ここに2,2−ビス(4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(以下、BSAAとする)52.0g(0.1モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド(II)のGPC法による重量平均分子量は8,000であった。数平均分子量は4500であった。
合成例(3) ポリイミド(III)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF32.78g(0.09モル)、SiDA1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−Aph1.09g(0.01モル)をNMP120gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド(III)のGPC法による重量平均分子量は56,000であった。数平均分子量は27,000であった。
合成例(4) ポリイミド(IV)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(以下、HFBAPPとする)31.08g(0.06モル)、SiDA4.97g(0.02モル)、末端封止剤として、アニリン3.72g(0.04モル)をNMP80gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、60℃で1時間反応させた。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド(IV)のGPC法による重量平均分子量は7,500であった。数平均分子量は3,300であった。
合成例(5) ポリイミド前駆体(I)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF21.96g(0.06モル)、SiDA2.48g(0.01モル)、末端封止剤として、3−Aph6.54g(0.06モル)をNMP80gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール15.19g(0.127モル)をNMP4gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。得られたポリマー固体を、赤外吸収スペクトルで測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出されなかった。得られたポリイミド前駆体のGPC法による重量分子量は5,500であった。数平均分子量は2,100であった。
合成例(6) イミド化合物溶液(I)の合成
乾燥窒素気流下、BSAA26.0g(0.05モル)をNMP30gに分散させた。ここに3−Aph10.91g(0.1モル)を加えて、60℃で6時間、150℃で5時間攪拌した。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、イミド化合物溶液(I)を得た。溶液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にイミド結合に起因する吸収ピークが検出された。このもののGPC法による重量平均分子量は800であった。数平均分子量は750であった。
合成例(7) ポリベンゾオキサゾール(I)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)をポリリン酸(和光純薬(株)製)100gに入れ、70℃に加熱した。ここに2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン19.6g(0.05モル、6FA、東京化成(株)製)を加え、70℃で1時間、その後溶液の温度を180℃に上げて4時間攪拌した。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、水3Lに投入して、白色の沈殿を得た。この沈殿をさらに水で洗浄し、80℃の真空乾燥機で72時間乾燥して、ポリベンゾオキサゾール(I)を得た。このもののGPC法による重量平均分子量は100,000であった。数平均分子量は35,000であった。
合成例(8) ポリベンゾオキサゾール(II)の合成
乾燥窒素気流下、1,1−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン11.94g(0.04モル、日本化薬(株)製)をポリリン酸(和光純薬(株)製)100gに入れ、70℃に加熱した。ここに6FA 19.6g(0.05モル)、3−Aph 2.18g(0.02モル)を加え、70℃で1時間、その後溶液の温度を180℃に上げて4時間攪拌した。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、水3Lに投入して、白色の沈殿を得た。この沈殿をさらに水で洗浄し、80℃の真空乾燥機で72時間乾燥して、ポリベンゾオキサゾール(II)を得た。このもののGPC法による重量平均分子量は4,000であった。数平均分子量は1,700であった。
合成例(9) ポリイミド(V)の合成
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノ安息香酸7.75g(0.051モル)と1.3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB、三井化学ファイン(株)製)14.6g(0.05モル)、シロキサンジアミン(信越化学(株)製、KF−8010)8g(0.01モル)をNMP100gに溶解させた。ここに3,3’、4,4’−ジアミノスルホンテトラカルボン酸二無水物32.2g(新日本理化(株)製、DSDA、0.09モル)を加えて40℃で30分、その後70℃で1時間、その後、3−ヒドロキシ無水フタル酸3.28g(和光純薬(株)製、0.02モル)を加えて、さらに180℃で4時間攪拌を続けてポリイミド溶液を得た。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、水3Lに投入して、白色の沈殿を得た。この沈殿をさらに水で洗浄し、80℃の真空乾燥機で72時間乾燥して、ポリイミド(V)を得た。このもののGPC法による重量平均分子量は7,500であった。数平均分子量は3,500であった。
合成例(10) ベンゾオキサゾール化合物溶液(I)の合成
乾燥窒素気流下、6FA 19.6g(0.05モル)をNMP50gに溶解させた。ここに3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド18.82g(0.1モル、東京化成(株)製)、p−トルエンスルホン酸2g(東京化成(株)製)を加え、60℃で6時間、180℃で7時間攪拌した。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、ベンゾオキサゾール化合物溶液(I)を得た。このもののGPC法による重量平均分子量は900であった。数平均分子量は800であった。
合成例(11) ポリイミドオキサゾールの合成
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)を酢酸エチル50g、グリシジルメチルエーテル35.2g(0.4モル、東京化成(株)製)に溶解させ、−10℃に冷却した。ここに無水トリメリット酸クロリド10.5g(0.05モル、東京化成(株)製)を酢酸エチル100mLに溶解させた溶液を、内温が5℃を越えないように徐々に滴下した。滴下終了後、−10℃で2時間、その後徐々に溶液の温度を室温に上げ、析出している黄色固体をろ過で集めた。
上記、黄色固体17.85g(0.025モル)とBAHF7.32g(0.02モル)、KF−8010 8.00g(0.01モル)を加え、60℃で1時間、その後180℃で4時間処理した。その後、溶液温度を60℃にして、無水マレイン酸0.98g(0.01モル、東京化成(株)製)を加え、1時間攪拌し、その後80℃で1時間攪拌した。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、水3Lに投入して、白色の沈殿を得た。この沈殿をさらに水で洗浄し、80℃の真空乾燥機で72時間乾燥して、ポリイミドオキサゾールを得た。このもののGPC法による重量平均分子量は6,000であった。数平均分子量は3,000であった。
合成例(12) ポリイミド(VI)の合成
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノ安息香酸7.6g(0.05モル)と1.3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB、三井化学ファイン(株)製)14.6g(0.05モル)、シロキサンジアミン(信越化学(株)製、KF−8010)8g(0.01モル)をNMP100gに溶解させた。ここにDSDA 35.6g(0.1モル)を加えて40℃で30分、その後70℃で1時間、その後、無水フタル酸3.28g(和光純薬(株)製、0.02モル)を加えて、さらに180℃で4時間攪拌を続けてポリイミド溶液を得た。この後、溶液の温度を室温にまで下げ、水3Lに投入して、白色の沈殿を得た。この沈殿をさらに水で洗浄し、80℃の真空乾燥機で72時間乾燥して、ポリイミド(VI)を得た。このもののGPC法による重量平均分子量は150,000であった。数平均分子量は8,000であった。
合成例1〜12で得られた化合物を表1に示す。
Figure 2007314647
実施例1
熱架橋剤のHMOM−TPHAP(商品名、本州化学(株)製)を2g、ポリイミド(I)10g、接着改良剤のビニルトリメトキシシラン0.1g、NMP22.3gを添加し、溶解させて、固形分濃度35%の熱硬化性樹脂組成物のワニスAを得た。
ワニスAの溶液粘度は回転数10rpmでの測定で21.2mPa・s、20rpmでの測定で21.4mPa・sであった。ワニスAを用いて、前述の方法でインクジェット法にて耐熱性樹脂膜のパターンを形成した。このパターンをヤマト科学(株)製イナートオーブンDT42を用いて、窒素気流下、100℃で20分熱処理した後の膜厚は、5.7μm、その後、200℃で30分キュアした後の膜厚は5.4μmであり、インクジェット法で必要な膜厚が短時間で得られた。また、ワニスAを用いて、前述の方法で絶縁性試験を行ったところ、絶縁抵抗値は2E+12Ω以上であり、絶縁性は良好であった。
実施例2〜8、比較例1〜6
一般式(1)または(2)で表される構造単位を有する化合物、熱架橋剤の種類を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にワニスを作製し、インクジェット法にて耐熱性樹脂膜のパターンを形成した。評価結果を表2に示す。
Figure 2007314647
実施例に用いたインクジェット装置の概略図
符号の説明
1 ノズル
2 荷電電極
3 偏向電極
4 液滴
5 インクタンク
6 基板
7 ステージ
8 超音波振動子
9 モーター
10 パーソナルコンピューター
11 ガター(インク回収板)
12 ポンプ

Claims (5)

  1. (A)熱架橋剤と、(B)前記(A)と反応可能な基を有し、かつ下記一般式(1)または(2)で表される構造単位を有する、重量平均分子量300〜9,000の化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007314647
    (式中、Xは4価の有機基、Yは2価の有機基を示す。Aは同じでも異なってもよく、O、S、SO、CO、COOまたはNHを表す。)
  2. (B)成分100重量部に対して、(A)成分の含有量が1〜150重量部であり、25℃における溶液粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用熱硬化性樹脂組成物。
  3. E型粘度計を用いて、温度25℃、回転数10rpmで測定した溶液粘度をη、回転数20rpmで測定した溶液粘度をηとしたとき、0.95≦η/η≦1.02であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット用熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のインクジェット用熱硬化性樹脂組成物を、基板上に、インクジェット法を用いて膜厚1μm〜100μmの範囲で塗布する工程、80〜250℃で硬化する工程を含むことを特徴とする耐熱性樹脂膜の形成方法。
  5. 請求項4記載の方法により形成された耐熱性樹脂膜を有することを特徴とする電子部品。
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