JP2007310665A - プロセス監視装置 - Google Patents

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卓巳 小原
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Abstract

【課題】ウェーブレット変換技術を利用して、実際的かつ高精度の異常診断機能を有するプロセス監視装置を提供することにある。
【解決手段】プロセス1のセンサからの時系列データをウェーブレット変換して得られる複数の時系列データのそれぞれ毎に異常判定を行う異常検出部6を有するプロセス監視装置が開示されている。異常検出部6は、各時系列データのそれぞれに設定された異常判断アルゴリズムに従って各時系列データの異常を判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、上下水処理プロセス、排水処理プロセス、浄水プロセス、または化学プロセスなどのプロセス系の異常診断を行なうためのプロセス異常診断機能を有するプロセス監視装置に関する。
近年、例えば、上下水道の水量プロセスおよび水質プロセスや、化学プロセスなどのプロセス系においては、複数のプロセス状態を測定する複数のオンラインセンサが設置されている。プロセス監視装置は、プロセス系に設置されたセンサ群の計測により得られるプロセスデータ(流量,温度,水質,操作量など)を時系列データ(トレンドグラフ)に変換する。プロセス監視装置は、変換した時系列データを監視することにより、プロセスの状態を把握し、プロセスの運転変更や制御を行っている。
従って、適切なプロセスの運転や制御のためには、オンラインで使用可能なセンサ群によって計測されるプロセスデータの信頼性が極めて重要になる。しかしながら、実際には、センサ群により計測されて、オンラインにより得られるプロセスデータの信頼性は、必ずしも高くない場合が多い。
具体的には、下水処理プロセスの場合には、センサの計測対象の環境が良くない。例えば、下水の水質を計測するためには、下水処理プロセスにセンサ自体を浸漬させる方法、または採水して計測する方法が採用されている。いずれの方法でも、下水自身が汚濁物の集合体であるため、計測対象の環境としては良好ではなく、センサからの計測データの信頼性が確保されないことが多い。実際の具体例として、以下のような問題が指摘されている。
(1)レーザ水位計の計測値が、時々急変することがある。
(2)汚泥濃度計の計測値が不安定で、薬品注入制御ができないことがある。
(3)水質計器の信頼性が必ずしも十分ではないため、高精度でかつ無保守の機器開発が必要である。
(4)風量制御に用いるセンサの信頼性が低いため、頻繁に校正を行なう必要がある。
(5)溶存酸素(DO)の濃度計の信頼性が、必ずしも十分ではない。
(6)汚泥濃度計は、測定対象の気泡などに影響されて、高精度の測定値を得ることは困難である。運転管理をする立場からは、計測機器の測定精度とメンテナンス性が重要である。
(7)汚泥濃度計のセンサの保護管に汚泥が固着して、センサの感度が低下する。
以上要するに、センサの信頼性向上は、プロセスの運転管理の質を高めるために必須である。センサの信頼性向上のためには、新しい原理のセンサ開発などのハードウェアの改良や改善も重要であるが、ソフトウェア面での改善や改良も極めて重要である。ソフトウェア面としては、センサによって計測しているプロセスデータの正常/異常を評価・判断し、もし異常であれば計測値の無効化あるいは計測値の補正を行なう処理である。
実際のプロセスでは、既に設置されているセンサを用いて運転管理を行っているため、これらのプロセスデータの信頼性を評価し、改善させることは極めて重要である。これを実現するためには、センサの異常診断の技術が必須となる。従来では、実際の現場におけるセンサの異常診断は、センサの指示値に対するスレッシホールドレベルや、センサの指示値の変化率に対するスレッシホールドレベルの設定に基づいて行っている場合が一般的である。
このような従来のセンサの異常診断方法は、センサで計測するプロセスデータが明らかに異常である場合には異常検出が可能である。しかしながら、例えば、あるセンサの値を一定値に制御する様な一定値制御系が組み込まれており、制御目標値(一定値に保つ目標値)を大幅に変更したような場合には、そのままでは、センサの異常であるのか、制御目標値の単なる変更なのかを判断することは困難である。これを判断するためには、制御目標値の変更に関する情報と、スレッシホールドレベルによる判断とをリンクして異常診断する必要がある。あるいは、センサ異常を判断するためのスレッシホールドレベルを大幅に緩めるなどの措置を講じる必要がある。しかし、前者の方法では異常診断のアルゴリズムが複雑化するという問題があり、後者の方法では異常検出精度が原理的に劣化してしまうという問題がある。
ところで、体系化された異常判断方法として、統計的プロセス監視(SPC:Statistical Process Control)という方法が知られている。SPCは、品質管理や化学プロセス制御の分野などで知られている方法であり、センサで計測するプロセスデータに限らず、時系列データが与えられた場合に、その時系列データから異常を判断する方法である。
SPCの具体的方法は、統計的な手法を利用して、時系列データの平均や分散、あるいは移動平均や移動分散などの統計量を監視し、統計的判断基準(通常標準偏差σを基準)に基づいた検定によって異常の有無を診断するものである。しかし、SPCの方法が対象とするデータは、本来ある一定値に保たれているべき時系列データである。この方法では、その分散や平均の変化を追跡して診断を行なうものであるため、時系列データの各値は、一定値のまわりで互いに無相関に統計的に分布していることを前提条件としている。従って、センサで計測するプロセスデータの様に、プロセス状態によって変動し、また各時刻のデータが互いに強い相関を持つ様な時系列データに対しては、SPCの方法を直接適用することは困難である。
さらに、フーリエ変換やウェーブレット変換などの信号処理技術を利用した異常診断方法が知られている。この異常診断方法を、センサの異常診断に適用することは可能である。特に、ウェーブレット変換を適用した異常診断方法は、従来のフーリエ変換などを用いた方法よりも、より高い異常検出能力を有することが知られている。具体的な適用例としては、ウェーブレット変換により変換されたデータの分散を監視することによって、異常診断する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、原子力プラントの制御棒の挿入状態を監視する方法として、離散ウェーブレット変換を導入し、その平均値を監視することによって状態の正常と異常を判別する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第3465022号公報 特開平10−344590号公報
前述のウェーブレット変換などの信号処理技術を利用した異常診断方法は、高精度の異常診断を実現できる有効な方法ではあるが、この方法を実際のセンサの異常診断システムとして実用化するためには、以下のような技術的課題を解決する必要がある。即ち、ウェーブレット変換により分解した時系列データから、異常と正常を正確に見分ける異常判断アルゴリズムを確立し、実際にセンサ異常診断を行う対象を特定した場合に、特別の専門的知識を必要とせずに、実際的なセンサ異常診断システムを構築する方法を確立することである。
そこで、本発明の目的は、ウェーブレット変換技術を利用して、実際的かつ高精度の異常診断機能を有するプロセス監視装置を提供することにある。
本発明の観点に従ったプロセス監視装置は、対象プロセスの状態を計測する計測手段と、前記計測手段から得られる計測結果を示すプロセスデータを保存するデータ保存手段と、前記データ保存部に保存されたプロセスデータから、単一の時系列データを抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段により抽出された単一の時系列データを、ウェーブレット変換処理により周波数帯域の異なる複数の時系列データに分解するデータ分解手段と、前記データ分解手段により分解された各時系列データのそれぞれに、データの異常を判断するための異常判断アルゴリズムを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された異常判断アルゴリズムに従って前記各時系列データの異常を判断し、当該各判断結果の中で1つ以上の異常判断結果が含まれている場合には、前記データ抽出手段により抽出された時系列データには異常が発生していると判定する異常診断手段とを備えた構成である。
本発明によれば、特に、1つのセンサからの時系列データをウェーブレット変換して得られる複数の時系列データのそれぞれ毎に異常判定を行うことが可能となる。これにより、ウェーブレット変換などの信号処理技術を利用した異常診断方法を、実際のセンサの異常診断システムとして実用化して、高精度の異常診断機能を有するプロセス監視装置を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、本実施形態に関するプロセス監視装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態に関するプロセス監視装置は、下水処理プロセス、浄水プロセス、石油化学プロセス、鉄鋼プロセスなどの任意のプロセス1を対象とし、後述するようなセンサ異常診断機能を有する。プロセス監視装置は、プロセス計測データ収集・保存部2と、単一時系列データスクリーニング部3と、ウェーブレット時系列データ分解部4と、異常判断アルゴリズム指定部5と、異常検出部6とを有する。
プロセス1は、通常では、複数のプロセスセンサ(以下単にセンサと表記する場合がある)11〜1Nにより、当該プロセスの各種の状態がオンラインで計測されている。具体例としては、プロセス1として、例えば下水処理プロセスを想定した場合には、センサ群としては、アンモニア濃度を計測するアンモニアセンサ11、硝酸濃度を計測する硝酸センサ12、汚泥量の濃度指標であるMLSS濃度を計測するMLSSセンサ13、リン酸濃度を計測するリン酸センサ14、放流水のSS濃度を計測するSSセンサ15、流量センサ16、溶存酸素濃度を計測するDOセンサ17、ORPセンサ18、有機物量を計測するCODセンサ19、全窒素量を計測するTNセンサ110、全リン量を計測するTPセンサ111、空気供給量センサ112、凝集材投入量センサ113、炭素源投入量センサ114などの水質、水量、および操作量を計測する各種センサである。これらの各種センサは、通常では、所定の周期で計測を行っている。但し、本実施形態では、これらセンサ群のなかで少なくとも一つ以上のセンサが存在していればよい。
プロセス計測データ収集・保存部2は、各種センサ11〜1Nから所定の周期で得られるプロセスデータ(計測値)を収集し、記憶装置に保存する。単一時系列データスクリーニング部3は、プロセス計測データ収集・保存部2により収集保存された各種データから一つのプロセスデータを取り出す。単一時系列データスクリーニング部3は、取り出したデータからアウトライアと呼ばれる信号伝送異常などによる突発的に異常値を出すデータやノイズを取り除き、また欠測データを補間する処理を実行して単一の時系列データとして出力する。
さらに、ウェーブレット時系列データ分解部4は、単一時系列データスクリーニング部3でスクリーニングされた時系列データを、離散ウェーブレット変換を用いたウェーブレット分解・再構成アルゴリズムによって複数の時系列データに分解する。即ち、ウェーブレット時系列データ分解部4は、ウェーブレット分解アルゴリズムを実行するウェーブレット分解部40、及びウェーブレット再構成アルゴリズムを実行するウェーブレット再構成部41〜44を含む。異常判断アルゴリズム指定部5は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各々の時系列データに対して、その正常または異常を判断するためのアルゴリズムを指定する各指定部51〜54を含む。
異常検出部6は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各時系列データのそれぞれに対して、異常判断アルゴリズム指定部5で指定された異常判断アルゴリズムを使用して、その正常または異常を判断する各異常検出部61〜64を含む。ユーザインターフェース部7は、各種の情報を表示出力するための表示部を含み、異常検出部6からの判断結果である異常の有無などの情報を、端末装置のオペレータに通知する。
(異常診断動作)
以下図2のフローチャートを参照して、プロセス監視装置のセンサの異常診断動作を説明する。ここで、本実施形態では、プロセス1としては、例えば下水処理プロセスが対象となる。
まず、プロセス計測データ収集・保存部2は、プロセス1の各種状態(操作状態など)を示すプロセスデータ(計測値)を時系列データとして、各種センサ11〜1Nから所定の周期で収集し、記憶装置に保存する(ステップS1)。
次に、単一時系列データスクリーニング部3は、プロセス計測データ収集・保存部2により時系列データとして蓄積されたプロセスデータの中から、異常診断対象として指定された1つのプロセスデータ(時系列データ)を抽出する(ステップS2)。具体的には、単一時系列データスクリーニング部3は、例えば、MLSSセンサ13により計測された汚泥量のMLSS濃度の時系列データを取り出す。ここで、単一時系列データスクリーニング部3は、アウトライア(突発的な異常値を出すデータ)やノイズの除去処理を実行する。また、単一時系列データスクリーニング部3は、プロセス計測データ収集・保存部2に蓄積された過去の期間の時系列データに基づいて、当該抽出対象の時系列データの欠測データ(欠測値)を推定して、補間する処理を実行する。
ここで、欠測データ(欠測値)、及び伝送異常などによる異常データであるアウトライアの取り扱い方法について説明する。
まず、欠測値は、例えば監視制御(SCADA:Supervirory Control And Data Acuisition)システムのデータ収集機能を通して、何等かの数値に置き換えておく。通常では、「9999999999」と置く場合が多い。このようにすることによって、欠測値は、伝送異常などによる異常データであるアウトライアと同様に扱うことが可能となる。従って、アウトライアの除去と推定を実行すれば、欠測値に対する処理を実行することになる。
アウトライアの除去を実行する方法としては、様々な方法が知られている。代表的な方法としては、フィルタの利用である。アウトライアを除去して推定値で置き換えるフィルタとしては、非線形フィルタを利用しなければならない。この理由を簡単に説明するために、次式(1)で定義される形式を持つ線形フィルタでは、アウトライアを除去できないことを説明する。
Figure 2007310665
ここで、(t)は時刻tにおける時系列データであり、(t)はフィルタによってスクリーニングされたデータの推定値を示す。また、ai (i=1,---n)は、各時系列データにかかる係数である。また、bi (i=1,---n)は、各フィルタ値にかかる係数である。
線形フィルタでは、アウトライアを除去できない理由は、前記式(1)の形を見れば明らかである。即ち、線形フィルタは、過去の時系列データの重み付き平均値を計算する形式のフィルタになっている。一方、アウトライアはある時刻において、伝送エラーなどによって突発的に異常値を取るデータである。このため、アウトライアを含む重み付き平均値は、アウトライアの値に大きく引きずられてしまう。アウトライアの値に引きずられないためには、アウトライアが発生した時刻の係数がゼロであるときに限るが、いつアウトライアが発生するかを予め特定することはできないので、これは不可能である。従って、アウトライアを線形フィルタで除去することはできないことになる。
これに対して、非線形フィルタは、前記式(1)の形式以外のフィルタの総称であり、今までの議論からアウトライアの除去には非線形フィルタを用いる必要があることがわかる。ここで、実際に非線形フィルタを適用する際には、非線形フィルタの種類から適切なフィルタを選択する必要がある。
例えば、アウトライア除去に有効な非線形フィルタとしては、メジアンフィルタ、スライディングモード型のESDSフィルタ、修正メジアンフィルタなどが知られている。また、最も単純なフィルタリング方法として実際に適用可能な方法は、欠測値やアウトライアが生じた場合に、前回値をそのまま保持するという操作を行う前回値ホールドフィルタである。ここで問題となるのは,これらのフィルタの中でどのようなフィルタを用いるのが良いか,あるいは,どのような場合にどのフィルタを用いるのが良いかを明らかにすることである。
図3(A)〜(D)は、これらの4つの非線形フィルタを実際の単一時系列データスクリーニング部3に適用した具体例において、当該各フィルタの特性を示す図である。
図3(A)〜(D)に示すように、アウトライアの除去及び推定の精度は、修正メジアンフィルタ、前回値ホールドフィルタ、ESDSフィルタ、メジアンフィルタの順で高いことが明らかである。図3(A),(B)に示すように、ESDSフィルタ及びメジアンフィルタは、本来、アウトライア除去用フィルタであるが、実際上ではアウトライア除去の効果が認められない。この理由は、これらのアウトライア除去用フィルタが、ある1点の時刻あるいは数点の時刻において、例えば伝送エラーなどによりデータの値が異常値を示した場合に適用可能であるが、ある期間にわたって異常値を示した場合には適用できないためである。即ち、これらのアウトライア除去用フィルタでは、あるデータがアウトライアであるか否かを判断するアルゴリズムが組み込まれていないため、ある一定の期間にわたってアウトライアが存在すると、その期間のデータがアウトライアであるのか、又は通常のデータであるのかを原理的に区別することができないことによる。
通常では、伝送エラーなどのアウトライアは、ある1点の時刻か数点の時刻で生じることが多いため、これらのアウトライア除去用フィルタを適用しても有効に動作する。しかし、ここでは、欠測値を異常値で置き換えることにより、欠測値とアウトライアとを同一に扱い、データの欠測はある区間に渡って生じることも多いため、必ずしもアウトライアは、ある1点の時刻で生じないことになる。このような場合には、アウトライア除去を目的としたメジアンフィルタやESDSフィルタは、有効に動作しない。
一方、修正メジアンフィルタは、アウトライア除去用として有効である。その理由は、ある時刻のデータがアウトライアであるか否かを判断するアルゴリズムを有するためである。即ち、修正メジアンフィルタは、アルゴリズムにより、アウトライアであると判断した場合に、所定の期間に亘る過去のデータの中央値で値を置き換える操作になっている。
要するに、メジアンフィルタやESDSフィルタと、修正メジアンフィルタとの根本的な相違は、「ある時刻のデータがアウトライアであるか否かを判断する機能」を有するか否かである。前回値ホールドフィルタは、ある時刻のデータがアウトライアであるか否かを判断し、1時刻前のデータで置き換えるという操作を実行する。
図3(C)に示すように、前回値ホールドフィルタは、修正メジアンフィルタと比較して、アウトライア除去の効果が低いが、メジアンフィルタやESDSフィルタよりは良い性能を示している。この理由は、明らかに「アウトライアであるか否かを判断する機能」の有無の違いである。従って、アウトライア除去のためには、アウトライアであるか否かを判断する機能が必須である。
次に、「アウトライアであるか否かを判断する機能」によりアウトライアであると判断した場合に、当該異常値(欠測値)をどのような値で置き換えれば良いかを検討する。
前回値ホールドフィルタは、置き換える値を、アウトライアと判断される前のデータとしている。修正メジアンフィルタは、置き換える値を、アウトライアと判断される前の所定の期間の中央値としている。これらは、一種の推定操作であるが、極めて単純な操作であり、一般的には良好な推定結果が得られない。より良いアウトライア除去および推定を行うためには、アウトライアと判断される以前のデータの中から、最も良い推定操作を実行することが望ましい。これを実行するには、アウトライアの判断を実行した後に、例えばカルマンフィルタの様な推定を行う方法がある。その他にも、統計的推定論を使用したEM推定法という方法があり、アウトライアの判断を実行した後に、EM推定法を適用することもできる。即ち、本実施形態の単一時系列データスクリーニング部3は、プロセス計測データ収集・保存部2に蓄積された過去の期間の時系列データに基づいて、当該抽出対象の時系列データのアウトライア(欠測値)の存在を判断し、当該アウトライア(欠測値)を推定値に置換する(補間する)非線形フィルタリングを実行する。
ここで、図2のフローチャートを再び参照し、ステップS3の処理に移行する。即ち、ウェーブレット時系列データ分解部4は、単一時系列データスクリーニング部3でスクリーニングされた時系列データを、離散ウェーブレット変換および逆変換を適用して、複数の時系列データに分解する(ステップS3)。具体例としては、適用するウェーブレット変換として、突発的な変化を検出しやすいHarr関数、屈曲点の様な一階微分値の変化を検出できる低次のDaubeshiesウェーブレット関数、周波数域で定義されたMeyerウェーブレット関数、または双直交性を持つスプライン関数などを適用すれば良い。
なお、必要であれば、これら複数のウェーブレット関数を同時に適用することもできる。この際、時系列データを分割する分割数は多ければ多いほど良いが、実際のセンサ異常診断システムを実装する観点からは、なるべく分割数を少なくして少しでもアルゴリズムを簡素化することが望ましい。この場合、分割数を、例えば以下のような方法により設定することができる。
プロセスデータに含まれる異常データの中で、最も緩やかに変化する異常値はドリフトである。例えばMLSSセンサの場合などでは、下水処理プロセス内の汚泥が徐々にセンサに付着することによって、少しずつ濃度が高くなっていくというドリフト現象がある。このような場合、ある程度ドリフトが生じたら、センサを洗浄するなどのメンテナンスを行う必要がある。このようなメンテナンスのタイミングを、センサ異常診断システムが教えることはプラント運用の観点からはとても重要である。
従って、このようなメンテナンスタイミングを判断する機能を持たせる場合、当該ドリフト現象を捉える必要があり、ドリフト現象とそれ以外のプロセスデータの変動を区別する必要がある。ドリフト現象以外で、最も緩やかなプロセスデータの変動は、例えば一日単位の変動、あるいは週単位の変動であることが多い。そこで、通常の状態での最も緩やかな変動とドリフトを区別できれば良い。
これを実現するためには、図4に示すように、周波数と各種異常の関係、およびウェーブレット変換・逆変換による周波数分割の考え方を利用する。ここで、図4は、各種の異常が、どのような周波数帯域に分布しているかを概念的に示したものである。縦の線は、ウェーブレット変換による周波数の帯域分割を示している。日常の最も緩やかな変動とドリフト(ドリフトの周波数は0)を区別するためには、最も緩やかな変動とドリフトとの間に、少なくとも1本以上の分割線が入る必要がある。ウェーブレット変換は、周波数帯域の2のべき乗の形で分割していく方法であるため、簡単な計算を行うと、最低限必要な分割数は次式(2)で与えられる。
Figure 2007310665
ここで、SPminは必要最低限の分割数であり、DTはドリフトと最も緩やかな変動を区別できる時間(1日あるいは1週間など)であり、Tはサンプリング周期である。また、
Roundは最も近い整数値への丸めを意味する。前記式(2)のSPmin個の分割を実行すれば、原理的には、ドリフトと日常変動を区別できることになる。但し、ウェーブレット変換によって周波数帯域を分割する場合は、実際には、図4に示すような周波数で厳密に分離されるわけではなく、周波数帯域に重なりを持って分割される。そのため、1分割余裕を持って分割しておくことが好ましい。従って、実際の分割数は、次式(3)で与えられる。
Figure 2007310665
ここで、SPはドリフトと日常変動を区別することが可能な時系列データの分割数である。このように分割を実行することにより、ウェーブレット時系列データ分解部4は、以下で記述する異常診断のアルゴリズムを、最も周波数帯域の低いデータに適用することによって、センサメンテナンスのタイミングを決定することができる。
異常判断アルゴリズム指定部5は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各々の時系列データに対して、その正常または異常を判断するための異常判断アルゴリズムを指定する(ステップS4)。異常検出部6は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各時系列データのそれぞれに対して、異常判断アルゴリズム指定部5で指定された異常判断アルゴリズムを使用して、その正常または異常を判断する(ステップS5)。
ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各時系列データに対して、異常または正常の判断を行なう異常診断方法としては、前述したように、SPC(統計的プロセス監視)を適用した方法がある。この方法は、例えば、注意レベル(NL)、警告レベル(WL)、限界レベル(CL)という閾値を設けて、以下の様なルールで異常診断を実行する。即ち、異常診断ルールの具体例として、
(1)一点が限界レベル(CL)を超えたとき、異常と判断する。
(2)連続する3点のうち、2点以上が警告レベル(WL)を超えたとき、異常と判断する。連続する5点のうち4点以上が注意レベル(NL)を超えたとき、異常と判断する。
(3)連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少する場合に、異常と判断する。
(4)連続する8点のデータが平均値の上側か下側の片側に存在する場合に、異常と判断する。
(5)非ランダム性を持つなんらかのパターンが現れた場合に、異常と判断する。
また、SPCを適用した異常診断方法は、通常では、注意レベル(NL)、警告レベル(WL)、限界レベル(CL)のそれぞれを、標準偏差σを基準にして設定する。例えば、限界レベル(CL)を、6σなどと設定して異常診断を実行する。しかしながら、このようなSPCの異常診断ルールを単純に適用するアルゴリズムでは、実際にはセンサの異常診断がうまくいかないことが多い。これを以下に順次示しながら、本実施形態の異常診断方法を説明する。
まず、前述の「連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少するとき」という異常診断ルールを、分割された全ての時系列データに対して適用すると、異常診断を行うことができない。図5は、単純に当該ルールを適用した結果の具体例を示す図である。
図5では、実際のDOセンサによる計測データを8個に分割し、8個の分割されたデータに対して、「連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少するとき」に異常であるという診断ルールを適用したもので、左から右、上から下の順に最も速い周波数帯域のデータから最も遅い周波数帯域のデータに対応している。
図5から明らかであるように、この異常診断ルールを単純に適用すると、遅い周波数帯域のデータでは、殆どの時刻において異常であるという結果が得られている。この理由は、各分割データの数は全く同じであるが、各分割データの変化の速さは周波数に応じて全く異なるからである。より具体的には、遅い周波数帯域のデータは変化が遅いため、連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少しても、異常と結論することはできず、もう少し長い時間データの増減を監視する必要があるということである。従って、例えば「連続する8点のデータが単調増加あるいは単調減少するとき」と言うルールを、「連続する(8×解像度レベル)点の区間平均データが単調増加あるいは単調減少を続けるとき」というルールに変更することができる。ここで、解像度レベルとは、最も速い周波数帯域の分割データを1として、順次2,3,・・・と割り当てるものとする。また区間平均とは、解像度レベル数毎のデータの平均を取ることを意味し、結果的に8点のデータの増加傾向あるいは減少傾向を見ることになる。このルールは、ウェーブレット変換では、2のべき乗の形でデータの周波数帯域を分割するため、最も速い周波数帯域の2点のデータを見ることは次の周波数帯域の4点のデータを見ることと等しいと言う考えに基づいて決めたルールである。
図6は、前記のように修正した異常診断ルールを適用した場合の結果の具体例を示す図である。即ち、図6は、本実施形態に関する異常診断アルゴリズムで傾向判断を行った場合の異常検出結果の具体例を示す図である。図6から明らかであるように、当該ルールの場合には、殆どのデータは正常であると判断される。これは、実際にデータを見ている運転員の感覚とほぼ合致している。従って、この変更されたルールの様に、各周波数の速さに応じて異常診断ルールを変更する必要がある。
要するに、本実施形態の異常判断アルゴリズム指定部5は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された各々の時系列データに対して、周波数帯域に応じて異なる異常診断ルールを適用した異常判断アルゴリズムを指定する。
次に、前述の「一点が限界レベル(CL)を超えたとき」という異常診断ルールを、分割された全ての時系列データに対して適用した場合を想定する。この場合、通常のSPCを適用した異常診断方法では、限界レベル(CL)の値を、「CLは正常データの標準偏差σの6倍(6σ)」であるとか、「CLは正常データの標準偏差σの3倍(3σ)」などというルールで設定する。
しかし、このような統計量であるσを基準にした設定と閾値の設定は、センサデータの異常診断には適用しにくい。この理由は以下の通りである。即ち、閾値CLを3σや6σなどで設定するという議論は、適用されるデータが確率データであり、正規分布に従っているというという前提における議論である。この際、95%信頼限界や99%信頼限界などを仮定することによって、閾値CLが決定される。しかし、センサで計測するプロセスデータは確率分布に従うデータでは無い。このプロセスデータをウェーブレット変換と逆変換によって分割したデータは、最も低周波数帯域のデータを除いて、ある程度確率的な変動をする様にも見えるが、実際にはプロセスの状態の変化という情報を持ったデータであり、決して確率データでは無い。このような確率データではないデータに対して、標準偏差などの統計量を適用することは、ほとんど意味が無い。また、単に意味が無いだけでなく、実際に設定値を決定することが困難である。これを、以下具体的に説明する。
図7は、標準偏差σが同じになる様に調整し、正規分布に従う確率データ、正弦波データおよび矩形波データを同時にプロットした図である。図7において、正弦波データ(信号72)及び矩形波データ(信号73)は、確率データではないので、標準偏差自身が実質的な意味を持たないが、形式的に標準偏差σを計算(推定)することができる。ライン70は、各データに対する3σのラインを示す。
ここで、3σは、通常では95%程度の信頼限界を設定しており、正規分布に従う確率データに対しては正常と異常の一つの境界値を与えている様に見える。しかし、正弦波データ及び矩形波データでは、3σ値の閾値は明らかな異常域にあり、もっと小さい値の限界値(境界値)を設定すべきである。このように標準偏差値が同じであっても、3つのデータの実際の動きは全く異なっている。このような事が起こる理由は、これら3種類のデータの確率分布を見ればわかる。
図8(A)〜(C)はそれぞれ、矩形波データ、正弦波データ、正規分布データの確率分布を示す図である。図8(C)に示すように、正規分布データは、釣鐘状の正規分布に従っている。しかし、図8(A),(B)に示すように、矩形波データ及び正弦波データの分布は、全く異なる確率分布に従っている。従って、これらの確率分布から計算される標準偏差σは、正規分布に従うデータから計算される標準偏差σとは全く異なるものとなる。
即ち、標準偏差σの値は、それを計算するデータがどのような分布に従っているかによってその値が全く異なる。センサにより計測されたプロセスデータをウェーブレット変換により分割したデータが、どのような分布に従っているかを、予め知ることはできない。このため、このようなデータから計算された標準偏差σは単に意味が無いだけでなく、閾値を設定するときの何の基準にもなりえないことがわかる。
以上要するに、センサ異常診断を行うための異常判断の基準として、標準偏差σを基準にする方法に代わる実用的な閾値の設定方法を、図9を参照して説明する。
まず、具体的な閾値設定方法として考えられるアプローチには、正常データでないデータは異常であるという想定に従って、閾値を設定するというアプローチがある(以下、これをアプローチAとする)。一方、異常データでないデータは正常であるという想定に従って、閾値を設定するアプローチもある(以下、これをアプローチBとする)。
アプローチAに従って閾値を設定すると、図9に示すように、一般的に本当の真の閾値80より正常に近い側に閾値83が設定されることになる。一方、アプローチBに従って閾値を設定すると、真の閾値80より異常に近い側に閾値82が設定されることになる。従って、理想的には、アプローチAとアプローチBで閾値を各々設定し、これらの閾値の差(ギャップ)81を縮めて、最終的な閾値を設定することが望ましい。しかし、実際に閾値を設定する場合には、予め人間が正常データと異常データの判断を行なう必要があるが、この際、図9に示すように、「明らかに正常なデータ」と「明らかに異常なデータ」を区別することができる以外に、必ず「正常か異常かの判定が困難なデータ」が存在する。従って、アプローチAとアプローチBで設定した閾値のギャップ81を、両側から縮めていくという方法は実際的ではない。
そこで、アプローチAとアプローチBのいずれかの方法で、閾値を設定することを想定する。この場合、以下の2つの理由で、アプローチAで閾値を設定することが望ましい。第1に、アプローチAでは、正常であるかもしれないデータを異常と判断することがある。一方、アプローチBでは、異常であるかもしれないデータを正常と判断することがある。従って、実際上の異常診断に適用する場合に、アプローチAの方が安全である。
第2に、ウェーブレット変換によって分割された時系列データに対して、異常診断を適用する場合に、もとの時系列データを正常と判断した場合は、分割された時系列データの全てのデータにおいて正常であると解釈できる。しかし、もとの時系列データを異常と判断した場合は、分割された時系列データのいずれかのデータにおいて異常であると判定されることがある。閾値は、全ての分割された時系列データに対して設定する必要があるため、アプローチAの方が閾値の決定を行いやすい。
以上のような考え方に基づいて、図10のフローチャートを参照して、本実施形態の異常診断アルゴリズムの閾値設定手順を説明する。
まず、プラント運転員やプラント管理者、あるいは異常診断システム設計者が、正常と判断するデータの絶対値の最大値は確実に正常であるため、この値を閾値設定の基準として使用する(ステップS11)。実際には、この最大値を、例えば注意レベルNLの閾値とすることができる(ステップS12,S13)。即ち、運転員が正常と判断するデータの絶対値の最大値以上の値が、5点続いたら何等かの異常であると判断する。
そして、この注意レベルNLを基準にして、警告レベルWLや限界レベルCLを設定する(ステップS14〜S16)。例えば、警告レベルWLを「WL=1.5NL」と設定し、限界レベルCLを「CL=2NL」などと設定することができる。このように閾値を設定して、異常診断を実行した場合に、プラント運転員が正常であると判断するデータに対して、診断システムが異常であると判断してしまうことがある(ステップS18〜S19)。この場合、運転員がそれを正常であると判断できるのであれば、これを新たに正常データとして記録し、その最大値を注意レベルNLと置き換えることによって閾値を更新していくことができる(ステップS21〜S24)。
一方、閾値の決定の際に、図10のフローチャートに示すような手順に従う方法以外に、視覚情報を利用してプラント運転員などの人間が、表示されたデータに基づいて閾値を設定する方法がある。図11は、当該法方法を説明するための図であり、異常診断を行う対象であるセンサで計測したプロセスデータと、それを分割した時系列データを画面上に同時に表示する場合の具体例を示す図である。
閾値を設定する人間は、通常ではセンサで計測したプロセスデータを見ることによって、異常か正常かを判断する。この理由は、プロセスデータは、例えば流量やMLSS濃度、アンモニア濃度等のプロセスの状態を反映しているからである。一方、異常か正常かを判断する対象は、分割されたデータである。このため、もとのデータを表示することによって、異常と思われる部分を探し出し、それに対応する分割データの閾値を分割されたデータを見ながら設定することのできる表示装置であれば、実際に人間が閾値を設定する場合には有効である。
図11では、データが5分周期でサンプリングされていることを仮定しており、最も速く変化する分割データは5分に対応する。最も速く変化するデータから最も遅く変化する640分のデータまで、マウスでクリックすると、その変化の速さに応じた分割データが表示されるような仕組みである(図11の110)。
図11は、例えば40の部分をマウスでクリックした場合に開いた画面を示したものである。ここでは、もとの時系列データ113と、40分周期に対応する分割された時系列データ111が同時に表示されている。そして、注意レベルNLと限界レベルCLを設定するライン112,114を、マウスでドラッグすることによって、そのラインの位置(値)を変更できる様な仕組みになっている。
閾値を設定する人は、画面上からもとの時系列データ113を見ながら、正常または異常を判断する。そして、もとのデータ113において、明らかに異常と思われるデータに対応する分割されたデータ111の値を確認する。この分割されたデータ111の値が最も低いところを、限界レベルCLとして設定する。一方、正常であるか異常であるかの判断に迷う箇所の中で、分割されたデータ111の低いところを注意レベルNLとして設定する。ここで、警告レベルWLは、例えば「WL=(CL+NL)/2」として自動的に設定してもよい。
以上のように、異常診断の対象であるもとの時系列データ、及び閾値を設定すべき分割された時系列データを同時に表示すると、手動による閾値の設定が容易となる。即ち、センサで計測したプロセスデータと、それを離散ウェーブレット変換により分割したデータを同時に表示して比較することが可能であるため、閾値の設定を容易に行なうことができる。この結果として、信頼性の高いセンサ異常診断を実現することができる。
さらに、前述の「連続する8点のデータが平均値の上側か下側の片側に存在する場合」という異常診断ルールを、分割された全ての時系列データに対して適用した場合を想定する。ウェーブレット変換で分割された時系列データでは、最も遅く変化するデータを除いた他のデータの平均値は全て0である。また、最も遅く変化するデータの平均値は、もとのデータの平均値と等しい。
この場合、通常のSPCを適用した異常診断方法では、平均値の片側にデータが存在する場合を異常の基準として設けることが多い。しかし、前述したように、センサによって計測したプロセスデータは確率データではなく、プロセスの状態を含むデータであるため、平均値の片側に存在することは、必ずしも異例ではない。特に、最も遅く変化するデータの平均値は、もとのデータの平均値と一致するため、このデータに対して偏向判定を行う意味はほとんどない。そこで、最も遅く変化するデータに対しては、この偏向判定は行わないこととする。しかし、最も遅く変化するデータ以外のデータは、平均値0のデータであり、一見確率分布に従うデータの様にもみえる。
図12は、あるプロセスデータに対してウェーブレット変換を施して分割したデータの一例であり、確率的な変動を示している。従って、最も遅く変化するデータ以外のデータには、この偏向判定による異常診断は有効である可能性がある。図13は、この偏向判定を実際のプロセスデータに対して適用した場合の一例を示す図である。即ち、図13は、SPCの異常診断アルゴリズムで偏向判断を行った場合の異常検出結果の具体例を示す図である。図13において、用いたデータは、前述の図5及び図6の場合と同じデータであり、左上から右下にかけて最も早く変化するデータから最も遅く変化するデータとなっている。
図13では、多くのデータにおいて異常と診断されているが、この結果は実際に人間が感じる感覚とは大幅に異なり、異常と診断されたデータの殆どは実際には異常で無いと思われる。この理由は、ウェーブレット変換で分割した時系列データは、確率データの様に見えても、実際には確率データではないからである。そこで、本実施形態は、異常判断アルゴリズムにおいて、あるマージン(SL)を導入して偏向判定を行う方法である。
ここでは、「連続する8点のデータが平均値の上側か下側の片側に存在する場合」という診断ルールを、「連続する8点のデータが平均値+SLの上側か平均値の下側に存在する場合」と書き換える。図14は、「SL=0.2NL」としたマージンを導入した場合の異常診断結果例を示す図である。このようなマージンSLを導入することにより、異常診断の感度を調整することができる。従って、異常の判断が過度に敏感になることを避けることが可能となり、結果としてより精度の高い偏り判定を行うことができる。
次に、異常検出部6は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された時系列データから、異常判断アルゴリズム指定部5で設定した限界値に基づいて異常検出を実行する。異常検出部6は、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解された時系列データのいずれか一つにおいて、異常が検出された場合に異常と判断する。但し、この異常判断基準は、変更することが可能である。ユーザインターフェース部7では、異常検出部6で異常が検出された場合に、異常が検出された旨をオペレータに対して通知する。このとき、ウェーブレット時系列データ分解部4で分解する時系列データの数を、本実施形態の式で決定しておいた場合には、最も遅く変化する分割された時系列データにおいて、異常が検出された場合に、異常検出のメッセージと同時に以下のようなメッセージをオペレータに通知する。即ち、例えば、「センサのドリフトが認められます。センサの洗浄や校正などのメンテナンスを実施してください。」などのメッセージである。
以上本実施形態によれば、分割された時系列データの周波数情報を異常判断の基準に反映させる付加的な条件をつけることにより、高精度のセンサの異常診断を行なうことができる。さらに、センサの異常診断システムの構築において、実際にその有効性の有無を決定する異常診断アルゴリズムや、データスクリーニングなどの具体的かつ実用的な方法を提供できるため、実際に有効に動作するセンサ異常診断システムを実現できる。また、ウェーブレット変換という手段を適用することにより、単なるセンサの異常診断だけでなく、センサの洗浄や校正といったメンテナンスを行うタイミングをプラント運転員に知らせることも可能となる。
(他の実施形態)
図15は、他の実施形態に関するシステムの構成を示すブロック図である。
本システムは、図1に示す実施形態のシステムの構成要素に対して、パラメータを設定するための外部パラメータ設定部150及びパラメータ変換部151を付加した構成である。外部パラメータ設定部150は、プラント運転員やプラント管理者、あるいはセンサ異常診断システムの設計者が設定すべきパラメータを設定するための構成要素である。パラメータ変換部151は、外部パラメータ設定部150で設定したパラメータを、単一時系列データスクリーニング部3、ウェーブレット時系列データ分解部4、及び異常判断アルゴリズム指定部5において利用される内部パラメータに変換する。
以下、他の実施形態の作用効果を説明する。
センサ異常診断システムの単一時系列データスクリーニング部3は、アウトライアか否かの判断機能と、アウトライアである場合の推定値による置換機能を有する非線形フィルタを利用する。この非線形フィルタのパラメータとして、以下の項目を設定する必要がある。即ち、パラメータとしては、アウトライアか否かを判断するための閾値TH、およびアウトライアである場合の推定演算を過去のデータから行う場合に、いくつのデータを利用するかという推定演算の利用データ数Nがある。さらに、パラメータとしては、欠測値データの置換値MS、及び利用するフィルタが必要とするその他のパラメータPAがある。
このパラメータの中で、欠測値データの置換値MS及びその他のパラメータPAについては、センサが測定するプロセス量の内容とは無関係に汎用的に決定することが可能である。例えば、欠測値データの置換値MSは、前述したように、通常では「9999999999」と設定することが可能である。また、利用する非線形フィルタがカルマンフィルタやEMアルゴリズムを用いて推定演算を行なう場合には、これらのフィルタが必要とするパラメータPAは、センサ異常診断システムの設計段階で、予め決定することが可能である。
しかし、閾値THおよび利用データ数Nの各パラメータについては、予め決めることは困難である。その理由の一つは、測定するプロセス量が例えば溶存酸素濃度である場合に、その測定範囲は0〜10程度であるが、MLSS濃度である場合は0〜10000などの範囲となるなど、測定レンジが異なるためである。また、センサで計測したデータを取り込むサンプリング周期が異なれば、推定演算に必要となる利用データ数Nも必然的に異なる。従って、これら2つのパラメータTH,Nは、実際のセンサ異常診断システムに適合するたように設定する必要がある。
同様に、ウェーブレット時系列データ分解部4には、パラメータとして、以下の項目を設定する必要がある。即ち、パラメータとしては、ウェーブレット変換を行う場合のフィルタ係数FC、及びウェーブレット変換で時系列データを分解する場合の分割数SPがある。これらのパラメータについても、前者のパラメータFCは予め決定することが可能であり、後者のパラメータSPは予め決定しておくことができないパラメータである。
さらに、異常判断アルゴリズム指定部5には、パラメータとして、以下の項目を設定する必要がある。即ち、パラメータとしては、設定した異常判断アルゴリズムに利用するデータ点数NN、注意レベルNL,警告レベルWL,限界レベルCLなどの閾値、及び偏向判断を行う場合のマージンSLがある。
これらのパラメータにおいて、データ点数NNは、予め決定しておくことができる。一方、閾値NL,WL,CL、及びマージンSLは、各プロセスデータの動作範囲が対象によって異なるため、予め決定することができないパラメータである。
以上、閾値TH、利用データ数N、分割数SP、閾値NL,WL,CL、及びマージンSLの各パラメータは、異常診断システム毎に決定する必要があるパラメータであり、以下これらを内部パラメータと呼ぶ。この内部パラメータの値を決定するために、センサ異常診断システムの開発者等の専門家が毎回設定する必要があると、このような異常診断システムを普及させることは実際には難しくなる。
そこで、本実施形態のシステムは、センサ異常診断システムに関する専門的知識を持たないと想定される人でも設定できるパラメータ(以下、これを外部パラメータと呼ぶ)を設定するための外部パラメータ設定部150を有する。さらに、本システムは、パラメータ変換部151により、外部パラメータ設定部150により設定された外部パラメータを、内部パラメータに変換して単一時系列データスクリーニング部3、ウェーブレット時系列データ分解部4、及び異常判断アルゴリズム指定部5に設定する構成である。
以下、外部パラメータと内部パラメータについて説明する。
まず、アウトライアか否かを判断する閾値THは、次式(4)で求めることができる。
Figure 2007310665
ここで、SRは、異常診断の対象となるセンサの測定レンジであり、センサの仕様書から求められる。ARは、センサの測定レンジに対するパーセントを表し、センサの測定レンジに対して何パーセントの変化が生じた場合にアウトライアであると判断するかの基準値である。これにより、計測しているデータの一周期における変化率が、センサの測定レンジに対してどの程度の変化を示すかによって、アウトライアの判断を行う閾値を決めることができる。SRやARなどのパラメータは、専門家でなくても決定することができるパラメータであり、これらが外部パラメータである。また、ARに対してはデフォルトの値を与えておくことが好ましく、例えば、「AR=20%」として設定することができる。
次に、利用データ数Nのパラメータについては、センサの測定周期(サンプリング周期)が関係してくる。利用データ数Nは、次式(5)で決定することができる。
Figure 2007310665
ここで、Roundは、最も近い整数値への丸めを意味する。Mod(n,2)は、nを2で割った余り(剰余演算)を表する。また、PEは、非線形フィルタ操作を施す時間を表し、過去のどれくらいの期間のデータに対してフィルタ操作を行うかを決めるパラメータである。また、Tは、計測データの測定周期(サンプリング周期)であり、これは対象とするセンサの仕様から求められる。これにより、外部パラメータPE,Tから、内部パラメータNを決定することができる。この場合も、外部パラメータPEには、デフォルトの値を設定しておくことが好ましい。例えば、「PE=1時間」などと設定すればよい。
次に、ウェーブレット変換で時系列データを分解する場合の分割数SPについては、次式(6)により求めることができる。
Figure 2007310665
ここで、分割数SPは、内部パラメータである。一方、測定周期(サンプリング周期)T及び最小の時間DTは、外部パラメータである。最小の時間DTとは、ドリフトと日常変動の中の最も緩やかな変動を区別できる時間である。この最小の時間DTについては、デフォルト値を設定しておくことが好ましく、例えば、最も緩やかな日常変動は1日の変動であると仮定し、「DT=1日」などと設定できる。
次に、閾値NL,WL,CLについても、内部パラメータである。これを、外部から設定するためには、正常データを利用すればよい。即ち、図10に示すように、プロセス運転員やプロセス管理者が正常データを適宜登録することにより、その最大値から注意レベルNLを決定する。また、限界レベルCLや警告レベルWLは、注意レベルNLに対して定数を掛けることによって定義することができる。例えば、「CL=αNL,WL=βNL」と設定する。
この場合、α,βは外部パラメータである。これは、注意レベルNLが正常データの最大値と一致することがわかっていれば、非専門家でも決定できるからである。但し、デフォルト値を設定しておくことが好ましい。例えば、「α=2,β=(1+α)/2=1.5」と設定できる。
同様に、偏向判断を行う場合のマージンSLについても、注意レベルNLの値を基準にして決定することができる。このマージンSLは、「SL=λNL」と設定することができる。このλは、外部パラメータである。但し、デフォルト値を設定しておくことが好ましい。例えば、「λ=0.2」と設定できる。
以上、SR、AR、T、PE、DT、α、β、λは、外部パラメータ設定部150により設定できる外部パラメータである。一方、TH、N、SP、NL、WL、CL、SLは、内部パラメータであり、外部パラメータからパラメータ変換部151により変換されるものである。なお、図16は、外部パラメータの具体例を示す図である。
以上のように本実施形態によれば、センサの異常診断システムの構築において、専門知識を有しない人であっても、外部パラメータを設定するだけで、異常診断システムに必要となる内部パラメータを設定することができる。従って、センサ異常診断システムの実際の適用を極めて容易にすることができる。
なお、本実施形態のシステムを適用することにより、異常診断に利用するデータを収集するデータサーバと、対象とするプロセスの現地に設置する解析結果表示部と、プロセスから所定の距離離れた場所に設置する異常診断解析サーバと、これらの間を通信する通信手段とにより、以下のようなプロセス異常診断サービスシステムを構築することができる。即ち、データサーバから異常診断解析サーバにデータを供給し、異常診断解析サーバによって異常診断を実施した後に,異常診断結果を解析結果表示部に表示するサービスを提供するシステムの構築である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に関するプロセス監視装置の構成を示すブロック図。 本実施形態に関する異常診断動作の手順を説明するためのフローチャート。 本実施形態に関する単一時系列データスクリーニング部に適用する各種フィルタの特性を示す図。 本実施形態に関するウェーブレット変換で時系列データを分割する分割数を決定する方法を説明するための図。 従来のSPCの異常診断アルゴリズムで傾向判断を行った場合の異常検出結果の具体例を示す図。 本実施形態に関する異常診断アルゴリズムで傾向判断を行った場合の異常検出結果の具体例を示す図。 本実施形態に関して統計量である標準偏差を基準にした閾値設定を説明するための図。 図7の補足説明図であり、各データの確率分布を示す図。 本実施形態に関する閾値設定方法を説明するための図。 本実施形態に関する異常診断アルゴリズムの閾値設定手順を説明するためのフローチャート。 本実施形態に関する閾値設定方法の補助となる表示画面の具体例を示す図。 本実施形態に関してウェーブレット変換により分割したデータの一例を示す図。 従来のSPCの異常診断アルゴリズムで偏向判断を行った場合の異常検出結果の具体例を示す図。 本実施形態に関する異常診断アルゴリズムで偏向判断を行った場合の異常検出結果の一例を示す図。 他の実施形態に関するシステムの構成を示すブロック図。 他の実施形態に関する外部パラメータの具体例を示す図。
符号の説明
1…プロセス、2…プロセス計測データ収集・保存部、
3…単一時系列データスクリーニング部、4…ウェーブレット時系列データ分解部、
5…異常判断アルゴリズム指定部、6…異常検出部、11〜1N…センサ、
100…外部パラメータ設定部、151…パラメータ変換部。

Claims (10)

  1. 対象プロセスの状態を計測する計測手段と、
    前記計測手段から得られる計測結果を示すプロセスデータを保存するデータ保存手段と、
    前記データ保存部に保存されたプロセスデータから、単一の時系列データを抽出するデータ抽出手段と、
    前記データ抽出手段により抽出された単一の時系列データを、ウェーブレット変換処理により周波数帯域の異なる複数の時系列データに分解するデータ分解手段と、
    前記データ分解手段により分解された各時系列データのそれぞれに、データの異常を判断するための異常判断アルゴリズムを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された異常判断アルゴリズムに従って前記各時系列データの異常を判断し、当該各判断結果の中で1つ以上の異常判断結果が含まれている場合には、前記データ抽出手段により抽出された時系列データには異常が発生していると判定する異常診断手段と
    を具備したことを特徴とするプロセス監視装置。
  2. 前記データ抽出手段は、
    前記抽出対象の時系列データに対して、過去の期間の時系列データから欠測データを推定し、補間する処理を実行する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  3. 前記データ抽出手段は、
    前記抽出対象の時系列データから、異常データであるアウトライアまたはノイズを除去する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  4. 前記データ抽出手段は、
    前記抽出対象の時系列データから、異常データであるアウトライアを検出し、当該アウトライアを除去して推定値を示すデータに置換する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  5. 前記設定手段は、前記データ分解手段による各分割時系列データの異常判断を行なう場合の基準である閾値を決定する閾値決定手段を含み、
    前記閾値決定手段は、前記データ保存手段から予め決定した過去の所定の期間に亘る時系列データを取り出し、取り出した時系列データの中から正常と判断する正常データを選定し、選定された正常データの最大値あるいは絶対値最大値を基準にして前記閾値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  6. 前記設定手段は、前記データ分解手段による各分割時系列データの異常判断を行なう場合の基準である閾値を決定する閾値決定手段を含み、
    前記閾値決定手段は、前記データ保存手段から予め決定した過去の所定の期間に亘る時系列データを取り出し、取り出した時系列データに離散ウェーブレット変換を施した分割時系列データを画面上に同時に表示し、前記画面上で前記閾値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  7. 前記設定手段は、
    前記異常判断アルゴリズムとして各分割時系列データの平均値からの偏りを異常判断基準とするアルゴリズムを適用し、当該平均値からの偏りを判断する際に平均値±SL(0<SL<<1)とするマージンSLを導入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  8. 前記データ分解手段は、前記計測手段のドリフトを検出可能な分割数に時系列データを分解し、
    前記異常診断手段において、前記各時系列データの中で最も変化の遅い時系列データで異常検出がされた場合に、前記計測手段のメンテナンスに関するメッセージを出力する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  9. 前記データ抽出手段において、前記単一の時系列データを抽出するときのデータのスクリーニングを実行するか否かを判断する手段と、
    前記スクリーニングを実行する判断がなされた場合には、前記データ保存手段から取り出した所定の過去の期間の時系列データからスクリーニングを行うべき現在の時系列データを推定する手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
  10. 前記データ抽出手段及び前記設定手段のそれぞれの動作に必要な各種パラメータを外部から設定するためのパラメータ設定手段と、
    前記パラメータ設定手段により設定された前記各種パラメータを、前記データ抽出手段及び前記設定手段のそれぞれに設定するための内部パラメータに変換するパラメータ変換手段と
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視装置。
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