JP2007310616A - 部品の所在管理システム及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】部品の物流、所在管理を確実に行うことができる部品の所在管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】部品情報が入力された第１無線ＩＣタグ４を、各部品３に取り付け、位置情報が入力された第２無線ＩＣタグ９を、通路８上に複数配設し、部品の積み降ろしの際、無人搬送車２の積荷室５の開口部６に設けた第１アンテナ７により、開口部６を通過する部品３の第１無線ＩＣタグ４から電磁波又は磁界を受信し、無人搬送車２の移動の際、無人搬送車２に設けた第２アンテナ１０により、近傍を通過した第２無線ＩＣタグ９から電磁波又は磁界を受信し、リーダ１１、１２等により、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取り、管理サーバ１６により、これらの情報を受信し、積み降ろしした部品の部品情報と積み降ろした部品の位置情報を記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う。
【選択図】図１

Description

本発明は、部品の物流、所在管理を行うための部品の所在管理システム及び方法に関する。

識別情報を有するＩＣ(Integrated Circuit)チップからなるＩＣタグを部品に添付し、保管庫への搬入及び保管庫からの搬出時に、部品に添付したＩＣタグの識別情報を読み取ることにより、部品の在庫、物流管理を行う方法が知られている（特許文献１〜３）。

特開平２００４−２６２６１７号公報 特開平２００２−１１４３３５号公報 特開平２００５−１５７８０６号公報

しかしながら、例えば、保管庫内、作業所内での部品の所在管理については、未だに、人手によって管理されている部分も多く、例えば、ガスタービン等、部品点数が数万点と非常に多いものに対する所在管理は、人手による管理に大きな困難が伴う。

具体的には、人手による管理であるため、部品の所在を完全に把握できていないことも多く、部品の所在位置が不明となることがある。このような場合、その部品が必要とされるときに、初めて、その所在位置が不明であることが判明し、人手をかけてその部品を探さなければならず、無駄な時間、コストが発生してしまう。又、部品が見つからなければ、その部品を必要とする生産作業が停止してしまい、作業日程に遅れが発生してしまう。

本発明は上記課題に鑑みなされたもので、部品の物流、所在管理を確実に行うことができる部品の所在管理システム及び方法を提供することを目的とする。

上記課題を解決する第１の発明に記載の部品の所在管理システムは、
搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理システムであって、
各部品に取り付けられ、部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグと、
前記搬送車の積荷室の開口部に設けられ、部品の積み降ろしの際、前記開口部を通過する部品の前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第１アンテナと、
通路上に複数配設され、位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグと、
前記通路に面して前記搬送車に設けられ、前記搬送車の移動の際、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第２アンテナと、
前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取る制御装置と、
ネットワークを介して前記制御装置と接続され、前記制御装置から前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバとを有することを特徴とする。

上記課題を解決する第２の発明に記載の部品の所在管理システムは、
搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理システムであって、
各部品に取り付けられ、部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグと、
前記搬送車に設けられ、部品の積み降ろしの際、部品の前記第１無線ＩＣタグに近接させることにより、前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第１アンテナと、
通路上に複数配設され、位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグと、
前記通路に面して前記搬送車に設けられ、前記搬送車の移動の際、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第２アンテナと、
前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取る制御装置と、
ネットワークを介して前記制御装置と接続され、前記制御装置から前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバとを有することを特徴とする。

上記課題を解決する第３の発明に記載の部品の所在管理システムは、
上記第２の発明に記載の部品の所在管理システムにおいて、
更に、作業着手の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第３無線ＩＣタグと、作業完了の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第４無線ＩＣタグとを設け、
前記管理サーバは、
前記搬送車での作業を開始する際、前記第１アンテナが前記第３無線ＩＣタグに近接されて、前記第３無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第３無線ＩＣタグの作業着手の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業着手の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の開始を記録し、
又、前記搬送車での作業を終了した際、前記第１アンテナが前記第４無線ＩＣタグに近接されて、前記第４無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第４無線ＩＣタグの作業完了の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業完了の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の完了を記録し、
作業完了時における最後の前記第２無線ＩＣタグの位置情報を記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする。

上記課題を解決する第４の発明に記載の部品の所在管理方法は、
搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理方法であって、
部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグを、各部品に取り付け、
位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグを、通路上に複数配設し、
部品の積み降ろしの際、前記搬送車の積荷室の開口部に設けられた第１アンテナにより、前記開口部を通過する部品の前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
前記搬送車の移動の際、前記通路に面して前記搬送車に設けられた第２アンテナにより、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
制御装置により、前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取り、
ネットワークを介して前記制御装置に接続された管理サーバにより、前記制御装置からの第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする。

上記課題を解決する第５の発明に記載の部品の所在管理方法は、
搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理方法であって、
部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグを、各部品に取り付け、
位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグを、通路上に複数配設し、
部品の積み降ろしの際、前記搬送車に設けられた第１アンテナを、部品の前記第１無線ＩＣタグに近接させて、前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
前記搬送車の移動の際、前記通路に面して前記搬送車に設けられた第２アンテナにより、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
制御装置により、前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取り、
ネットワークを介して前記制御装置に接続された管理サーバにより、前記制御装置からの第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする。

上記課題を解決する第６の発明に記載の部品の所在管理方法は、
上記第５の発明に記載の部品の所在管理方法において、
作業着手の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第３無線ＩＣタグと、作業完了の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第４無線ＩＣタグとを用い、
前記管理サーバにより、
前記搬送車での作業を開始する際、前記第１アンテナが前記第３無線ＩＣタグに近接されて、前記第３無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第３無線ＩＣタグの作業着手の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業着手の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の開始を記録し、
又、前記搬送車での作業を終了した際、前記第１アンテナが前記第４無線ＩＣタグに近接されて、前記第４無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第４無線ＩＣタグの作業完了の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業完了の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の完了を記録し、
作業完了時における最後の前記第２無線ＩＣタグの位置情報を記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする。

本発明によれば、個別に個品番号を付与した無線ＩＣタグを部品に取り付け、移動の際、個品番号毎に所在位置を記録し、管理するので、搬送車を使用して移動した部品が、何時、何処に移動されたかという情報が、リアルタイムで集計されて記録されることになる。その結果、部品の所在管理が大幅に省力化され、かつ、正確になり、又、これらの工程の履歴が確実に管理できるので、トレーサビリティも向上させることもできる。更に、必要とされる部品の所在が確実に把握されるので、生産作業を止めてしまうこともない。

以下、図面を用いて、本発明に係る部品の所在管理システムを説明する。

図１は、本発明に係る部品の所在管理システムの実施形態の一例を示す概略図であり、図２は、本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の一例を説明する図である。

図１に示すように、本実施例の部品の所在管理システム１は、無人搬送車２を用いて、例えば、配管等の部品３の所在位置を管理するものである。

具体的には、部品情報（例えば、シリアルナンバ等の個品番号）が入力されたＩＣチップと該部品情報を送受信するアンテナとを有し、各部品３に取り付けられたカード状の第１無線ＩＣタグ４と、無人搬送車２の積荷室５の開口部６に設けられ、部品３の積み降ろしの際、開口部６を通過する部品３の第１無線ＩＣタグ４に電磁波を送信すると共に、第１無線ＩＣタグ４からの電磁波を受信するゲート状の第１アンテナ７と、位置情報が入力されたＩＣチップと該位置情報を送受信するアンテナとを有し、通路８上に複数配設された第２無線ＩＣタグ９と、通路８に面して無人搬送車２に設けられ、無人搬送車２の移動の際、近傍を通過した第２無線ＩＣタグ９に電磁波を送信すると共に、第２無線ＩＣタグ９からの電磁波を受信するリング状の第２アンテナ１０と、第１アンテナ７及び第２アンテナ１０で受信した電磁波から、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取ると共に、無線方式によりネットワーク１５に接続された制御装置（リーダ１１、１２、搬送制御部１３、コンピュータ１４）と、ネットワーク１５を介して制御装置と接続され、制御装置から第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を受信し、部品３の積み降ろしの際の部品情報と位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバ１６とを有する。

部品３に取り付けられた第１無線ＩＣタグ４は、一つでもよいが、目的に応じて、複数取り付けてもよく、その場合、第１アンテナ７及びその制御装置は、複数の第１無線ＩＣタグを同時に読み取ることになる。

無人搬送車２の積荷室５は、一例として、開口部６を一箇所のみ有する閉鎖的な空間構造が好ましく、例えば、柵や壁等で閉鎖的な空間を形成するようにしてもよい。従って、無人搬送車２に部品３を積み込む際、又、無人搬送車２から部品３を取り出す際には、１箇所の開口部６のみを部品３が通過するので、開口部６に設けた第１アンテナ７は、確実に部品３の第１無線ＩＣタグ４の部品情報を読み取ることになる。なお、開口部を複数設ける場合には、各開口部にゲート状の第１アンテナを設ければよい。つまり、ゲート状の第１アンテナを通過しないと、積荷室５への部品３の積み込み及び積荷室５からの部品３の取り出しができない構成としている。

無人搬送車２が通過する通路には、位置情報を有する第２無線ＩＣタグ９が複数埋め込まれている。無人搬送車２が移動する際には、無人搬送車２の第２アンテナ１０が、第２無線ＩＣタグ９の上を通過したとき、第２無線ＩＣタグ９の位置情報を順次読み取り、コンピュータ１４、管理サーバ１６等に記録する。従って、無人搬送車２の移動ルートの履歴が記録されると共に、部品３の移動の履歴、更には、所在位置まで把握することが可能となる。

本実施例において、制御装置は、第１無線ＩＣタグ４の部品情報を読み取るリーダ１１と、第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取るリーダ１２と、無人搬送機２の動作を制御する搬送制御部１３と、リーダ１１、１２及び搬送制御部１３と接続されると共に、無線方式によりネットワーク１５に接続されたコンピュータ１４とから構成されている。この制御装置（リーダ１１、１２、搬送制御部１３、コンピュータ１４）は、無人搬送車２の内部に配置した大容量のバッテリ１７から電源が供給されて駆動される。なお、本実施例における制御装置は、同等の機能であれば、他の構成としてもよい。例えば、リーダ１１、１２を１つにまとめた構成としてもよいし、更に、リーダ１１、１２及び搬送制御部１３の機能をコンピュータ１４に持たせ、１つにまとめた構成としてもよい。

リーダ１１、１２は、少なくとも、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取るものであればよいが、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取ると共に書き込みが可能なリーダライタでもよい。

コンピュータ１４は、リーダ１１、１２を制御して、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を取得すると共に、無線方式を用いて管理サーバ１６と通信を行い、これらの情報をリアルタイムで管理サーバ１６に送信する。なお、無人搬送車２が、無線の接続状態が不安定な場所にいる場合には、無線の接続状態が安定している場所に移動後、これらの情報を管理サーバ１６に送信するようにしてもよいし、定期的に送信するようにしてもよい。

管理サーバ１６には、生産工程を管理する生産管理システムがプログラムされており、この生産管理システムに基づいて、製品が生産されることになる。そして、製品が生産される工程において、必要となる部品を、無人搬送車２を用いて、保管場所に搬送したり、保管場所から生産現場に搬送したりすることになる。この際、本発明に係る所在管理システムを用いて、部品情報を一元管理することにより、無人搬送車２による保管場所への搬送や保管場所から生産現場への搬送が、スムーズ且つ確実に行われることになる。つまり、生産管理システムと本発明に係る所在管理システムを連携させることにより、所在管理を含めた全生産工程の管理が円滑に行えることになる。

ここで、図２を用いて、本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の一例を説明する。

部品３を無人搬送車２の積荷室５に積み込む際には、第１アンテナ７が配置された開口部６を必ず通過することになる。このとき、第１アンテナ７により、部品３の第１無線ＩＣタグ４の部品情報が読み取られて、集計され、リーダ１１、コンピュータ１４、ネットワーク１５を経由して、管理サーバ１６に部品３の部品情報が送信される。

このとき、部品３が新たに入庫したものであれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースに追加し、管理サーバ１６から、ネットワーク１５、コンピュータ１４を経由して、搬送制御装置１３に部品３の搬送先を指示し、部品３を所望の保管場所又は生産現場に搬送する。又、部品３が既に入庫しているものであれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースから検索し、管理サーバ１６から、ネットワーク１５、コンピュータ１４を経由して、搬送制御装置１３に部品３の搬送先を指示し、部品３を所望の保管場所又は生産現場に搬送する。

そして、無人搬送車２により、所望の保管場所又は生産現場に搬送された後、部品３を無人搬送車２の積荷室５から取り出す際にも、第１アンテナ７が配置された開口部６を必ず通過することになる。このときにも、第１アンテナ７により、部品３の第１無線ＩＣタグ４の部品情報が読み取られ、リーダ１１、コンピュータ１４、ネットワーク１５を経由して、管理サーバ１６に部品３の部品情報が送信される。

このとき、搬送場所が生産現場であれば、生産工程で部品３は使用されるので、管理サーバ１６において、部品３のリストをデータベースから削除する。又、搬送場所が別の保管場所であれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースから検索し、新たな保管場所の情報として、無人搬送車２が最後に通過した第２無線ＩＣタグ９の位置情報を書き込む。なお、第１アンテナ７による部品３の第１無線ＩＣタグ４の読み取りの際には、１回目の読み取りを部品３の積み込みと判断し、２回目の読み取りを部品３の取り出しと判断している。

無人搬送車２が移動する際には、通路８に埋め込まれた第２無線ＩＣタグ９の上を通過する度に、第２アンテナ１０により、第２無線ＩＣタグ９に書き込まれた位置情報を読み取り、これらの位置情報により、コンピュータ１４は、現在地を判断すると共に、通過ルートを判断可能となる。従って、仮に、搬送先を間違った場合でも、これらの位置情報を用いて、搬送先の修正が可能であり、更に、誤って、部品３を無人搬送車２の積荷室５から取り出した場合でも、部品３の所在位置が不明になることはない。なお、これらの位置情報は、リアルタイム又は定期的に管理サーバ１６に送信され、管理サーバ１６自体も、部品３の所在位置をリアルタイム又は定期的に把握可能となっている。

このように、管理サーバ１６には、コンピュータ１４から、部品３に取り付けられた第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び通路８に配設された第２無線ＩＣタグ９の位置情報が、リアルタイム又は定期的に送信されて、記録されるので、部品３の所在位置の管理を確実且つ円滑に行うことができる。

図３は、本発明に係る部品の所在管理システムの実施形態の他の一例を示す概略図であり、図４は、本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の他の一例を説明する図である。なお、図３、図４において、実施例１に示した構成と同等のものには同じ符号を付す。

図３に示すように、本実施例の部品の所在管理システム２１は、作業者３１により移動される手動搬送車２２を用いて、例えば、配管等の部品３の所在位置を管理するものである。

具体的には、部品情報が入力されたＩＣチップと該部品情報を送受信するアンテナとを有し、各部品３に取り付けられたカード状の第１無線ＩＣタグ４と、手動搬送車２２に取り付けられ、部品の積み降ろしの際、対象とする無線ＩＣタグ（例えば、手動搬送車２２の荷台２３に積み降ろしする部品３の第１無線ＩＣタグ４）に近接させることにより、無線ＩＣタグに電磁波を送信すると共に、無線ＩＣタグからの電磁波を受信するリング状の第１アンテナ２４と、位置情報が入力されたＩＣチップと該位置情報を送受信するアンテナとを有し、通路８上に複数配設された第２無線ＩＣタグ９と、通路８に面して手動搬送車２２に設けられ、手動搬送車２２の移動の際、近傍を通過した第２無線ＩＣタグ９に電磁波を送信すると共に、第２無線ＩＣタグ９からの電磁波を受信するリング状の第２アンテナ１０と、第１アンテナ２４及び第２アンテナ１０で受信した電磁波から、第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取ると共に、無線方式によりネットワーク１５に接続された制御装置（リーダ１１、１２、コンピュータ１４）と、ネットワークを介して制御装置と接続され、制御装置から第１無線ＩＣタグ４の部品情報及び第２無線ＩＣタグ９の位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバ１６とを有する。

更に、手動搬送車２２に部品３を積み降ろしし、手動搬送車２２を移動させる作業者３１は、作業者３１のＩＤ番号と共に作業着手の状態情報が入力されたＩＣチップと該情報を送受信するアンテナとを有するボタン状の第３無線ＩＣタグ３２と、作業者３１のＩＤ番号と共に作業完了の状態情報が入力されたＩＣチップと該情報を送受信するアンテナとを有するボタン状の第４無線ＩＣタグ３３とを備えたリストバンド３４を装着している。なお、第３無線ＩＣタグ３２、第４無線ＩＣタグ３３は、必ずしも、リストバンド３４に備える必要はなく、例えば、手動搬送車２２に取り付けるようにしてもよい。

第１アンテナ２４は、対象とする無線ＩＣタグに近接可能なように、作業者３１が可搬可能なものである。従って、可搬可能な第１アンテナ２４を、部品３の第１無線ＩＣタグ４だけでなく、第３無線ＩＣタグ３２及び第４無線ＩＣタグ３３に対しても近接させることにより、無線ＩＣタグに電磁波を送信すると共に、無線ＩＣタグからの電磁波を受信して、無線ＩＣタグ内に入力されている情報を読み取り可能である。

手動搬送車２２の荷台２３は、実施例１で示した無人搬送車２とは異なり、閉鎖的な空間を形成する構造の積荷室５は設けていない。そのため、手動搬送車２２の荷台２３に部品３を積み降ろしする際には、後述する所定の手順を踏まえて行うことになる。なお、手動搬送車２２においても、実施例１で示した無人搬送車２のように、部品３が通過する開口部を一箇所のみ有する閉鎖的な空間を形成する構造の積荷室を設けると共に、その開口部に第１無線ＩＣタグ４を読み取る第１アンテナを設け、積み降ろしの際、部品が必ず開口部を通過するようにして、部品の所在管理をするようにしてもよい。

部品３に取り付けられた第１無線ＩＣタグ４は、一つでもよいが、目的に応じて、複数取り付けてもよく、その場合、第１アンテナ２４及びその制御装置は、少なくとも、部品情報を有する第１無線ＩＣタグ４を読み取るようにすればよい。

本実施例において、制御装置は、第１無線ＩＣタグ４、第３無線ＩＣタグ３２及び第４無線ＩＣタグ３３の情報を読み取るリーダ１１と、第２無線ＩＣタグ９の位置情報を読み取るリーダ１２と、リーダ１１、１２と接続されると共に、無線方式によりネットワーク１５に接続されたコンピュータ１４とから構成されている。この制御装置（リーダ１１、１２、コンピュータ１４）は、手動搬送車２２の内部に配置したバッテリ２５から電源が供給されて駆動される。なお、本実施例における制御装置は、同等の機能であれば、他の構成としてもよい。例えば、リーダ１１、１２を１つにまとめた構成としてもよいし、更に、リーダ１１、１２の機能をコンピュータ１４に持たせ、１つにまとめた構成としてもよい。

なお、第２無線ＩＣタグ９、第２アンテナ１０、リーダ１１、１２、コンピュータ１４、ネットワーク１５、管理サーバ１６の構成、機能は、前述した実施例１と同等であるので、ここでは、重複する説明は省略する。

ここで、図４を用いて、本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の一例を説明する。

部品３を手動搬送車２２の荷台２３に積み込む際には、最初に、作業者３１が、搬送予定の部品３の第１無線ＩＣタグ４に第１アンテナ２４を近接させることにより、制御装置（リーダ１１、コンピュータ１４）において、第１無線ＩＣタグ４の部品情報が読み取られる。読み取られた部品情報は、コンピュータ１４で集計されて、ネットワーク１５を経由して、管理サーバ１６に送信される。そして、管理サーバ１６は、部品３のリストをデータベースから検索し、該当する部品情報や作業に関する情報（例えば、保管場所又は生産現場等の移動先）を、ネットワーク１５を経由して、コンピュータ１４に送信し、コンピュータ１４は、その画面１４ａに、これらの情報を表示する。作業者３１は、画面１４ａに表示された情報に基づいて、部品３の移動先を確認する。

このとき、部品３が新たに入庫したものであれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースに追加し、又、部品３が既に入庫しているものであれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースから検索し、その後、該当する部品情報や作業に関する情報を、コンピュータ１４側に送信する。

次に、手動搬送車２２での移動作業を開始する際には、作業者３１が、第１アンテナ２４をリストバンド３４の第３無線ＩＣタグ３２に近接させることにより、第３無線ＩＣタグ３２からの電磁波が受信され、制御装置（リーダ１１、コンピュータ１４）において、第１アンテナ２４で受信された電磁波から、第３無線ＩＣタグ３２における作業者３１のＩＤ番号と作業着手の状態情報が読み取られる。読み取られたＩＤ番号と状態情報は、ネットワーク１５を経由して、管理サーバ１６に送信され、管理サーバ１６には、手動搬送車２２での部品３の移動を開始したことが記録される。

そして、作業者３１は、コンピュータ１４の画面１４ａに表示された保管場所又は生産現場に、手動搬送車２２を用いて、部品３を搬送し、部品３を手動搬送車２２の荷台２３から降ろし、部品３の移動作業を終了する。

手動搬送車２２を移動させる際には、通路８に埋め込まれた第２無線ＩＣタグ９の上を通過する度に、アンテナ１０により、第２無線ＩＣタグ９に書き込まれた位置情報を読み取り、コンピュータ１４は、これらの位置情報により、現在地を判断すると共に、通過ルートを判断可能となる。従って、仮に、搬送先を間違った場合でも、これらの位置情報を用いて、コンピュータ１４の画面１４ａに、搬送先が間違っていることを表示して、警告することが可能であり、更に、誤って、部品３を手動搬送車２２の荷台２３から降ろした場合でも、部品３の所在位置が不明になることはない。なお、これらの位置情報は、リアルタイム又は定期的に管理サーバ１６に送信され、管理サーバ１６自体も、部品３の所在位置をリアルタイム又は定期的に把握可能となっている。

最後に、手動搬送車２２での移動作業を終了した際には、第１アンテナ２４をリストバンド３４の第４無線ＩＣタグ３３に近接させることにより、第４無線ＩＣタグ３３からの電磁波が受信され、制御装置（リーダ１１、コンピュータ１４）において、第１アンテナ２４で受信された電磁波から第４無線ＩＣタグ３３における作業者３１のＩＤ番号と作業完了の状態情報が読み取られる。読み取られたＩＤ番号と状態情報は、ネットワーク１５を経由して、管理サーバ１６に送信され、管理サーバ１６には、手動搬送車２２での部品３の移動を完了したことが記録される。

このとき、搬送場所が生産現場であれば、生産工程で部品３は使用されるので、管理サーバ１６において、部品３のリストをデータベースから削除する。又、搬送場所が別の保管場所であれば、管理サーバ１６において、その部品３のリストをデータベースから検索し、新たな保管場所の情報として、作業完了時における位置情報、つまり、手動搬送車２２が通過した最後の第２無線ＩＣタグ９の位置情報を書き込む。

このように、管理サーバ１６には、コンピュータ１４から、部品３に取り付けられた第１無線ＩＣタグ４の部品情報、通路８に配設された第２無線ＩＣタグ９の位置情報及び作業状況を示す第３無線ＩＣタグ３２、第４無線ＩＣタグ３３の情報が、リアルタイム又は定期的に送信されて、記録されるので、部品３の所在位置の管理を確実且つ円滑に行うことができる。

なお、上記実施例１、２における無線ＩＣタグ（ＲＦＩＤタグとも呼ばれる。）は、リーダから電磁波を受信し、その電磁波を、電波方式により電力に変換し、その電力を用いて、ＩＣチップ内の情報を送信するパッシブ型の無線ＩＣタグであるが、内部に電源を有するアクティブ型の無線ＩＣタグを用いてもよい。又、無線ＩＣタグの方式には、電波方式と電磁誘導方式があり、上記実施例１、２では、電波方式を採用する場合の電磁波について説明したが、電磁誘導方式を採用する場合の磁界についても同様に適用することができる。

又、無人搬送車２、手動搬送車２２が複数ある場合には、上述したような管理サーバ１６を設けて、管理サーバ１６にて一元管理することが望ましいが、無人搬送車２又は手動搬送車２２が１台である場合には、コンピュータ１４が管理サーバ１６の機能を兼ねるようにしてもよい。

本発明は、無人搬送車又は手動搬送車を用いた所在管理に好適なものであるが、無人搬送車又は手動搬送車のような移動装置、例えば、コンベア等にも適用可能である。

本発明に係る部品の所在管理システムの実施形態の一例を示す概略図である。 本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の一例を説明する図である。 本発明に係る部品の所在管理システムの実施形態の他の一例を示す概略図である。 本発明に係る部品の所在管理システムにおける管理方法の他の一例を説明する図である。

符号の説明

１、２１ 部品の所在管理システム
２ 無人搬送車
３ 部品
４ 第１無線ＩＣタグ
５ 積荷室
６ 開口部
７、２４ 第１アンテナ
８ 通路
９ 第２無線ＩＣタグ
１０ 第２アンテナ
１１、１２ リーダ
１３ 搬送制御装置
１４ コンピュータ
１５ ネットワーク
１６ 管理サーバ
１７、２５ バッテリ
２２ 手動搬送車
２３ 荷台
３１ 作業者
３２ 第３無線ＩＣタグ
３３ 第４無線ＩＣタグ
３４ リストバンド

Claims (6)

1. 搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理システムであって、
   各部品に取り付けられ、部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグと、
   前記搬送車の積荷室の開口部に設けられ、部品の積み降ろしの際、前記開口部を通過する部品の前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第１アンテナと、
   通路上に複数配設され、位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグと、
   前記通路に面して前記搬送車に設けられ、前記搬送車の移動の際、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第２アンテナと、
   前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取る制御装置と、
   ネットワークを介して前記制御装置と接続され、前記制御装置から前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバとを有することを特徴とする部品の所在管理システム。
2. 搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理システムであって、
   各部品に取り付けられ、部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグと、
   前記搬送車に設けられ、部品の積み降ろしの際、部品の前記第１無線ＩＣタグに近接させることにより、前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第１アンテナと、
   通路上に複数配設され、位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグと、
   前記通路に面して前記搬送車に設けられ、前記搬送車の移動の際、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信する第２アンテナと、
   前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取る制御装置と、
   ネットワークを介して前記制御装置と接続され、前記制御装置から前記第１無線ＩＣタグの部品情報及び前記第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行う管理サーバとを有することを特徴とする部品の所在管理システム。
3. 請求項２に記載の部品の所在管理システムにおいて、
   更に、作業着手の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第３無線ＩＣタグと、作業完了の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第４無線ＩＣタグとを設け、
   前記管理サーバは、
   前記搬送車での作業を開始する際、前記第１アンテナが前記第３無線ＩＣタグに近接されて、前記第３無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第３無線ＩＣタグの作業着手の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業着手の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の開始を記録し、
   又、前記搬送車での作業を終了した際、前記第１アンテナが前記第４無線ＩＣタグに近接されて、前記第４無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第４無線ＩＣタグの作業完了の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業完了の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の完了を記録し、
   作業完了時における最後の前記第２無線ＩＣタグの位置情報を記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする部品の所在管理システム。
4. 搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理方法であって、
   部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグを、各部品に取り付け、
   位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグを、通路上に複数配設し、
   部品の積み降ろしの際、前記搬送車の積荷室の開口部に設けられた第１アンテナにより、前記開口部を通過する部品の前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
   前記搬送車の移動の際、前記通路に面して前記搬送車に設けられた第２アンテナにより、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
   制御装置により、前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取り、
   ネットワークを介して前記制御装置に接続された管理サーバにより、前記制御装置からの第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする部品の所在管理方法。
5. 搬送車を用いて、部品の所在位置を管理する部品の所在管理方法であって、
   部品情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第１無線ＩＣタグを、各部品に取り付け、
   位置情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第２無線ＩＣタグを、通路上に複数配設し、
   部品の積み降ろしの際、前記搬送車に設けられた第１アンテナを、部品の前記第１無線ＩＣタグに近接させて、前記第１無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
   前記搬送車の移動の際、前記通路に面して前記搬送車に設けられた第２アンテナにより、近傍を通過した前記第２無線ＩＣタグから電磁波又は磁界を受信し、
   制御装置により、前記第１アンテナ及び前記第２アンテナで受信した電磁波又は磁界から、第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を読み取り、
   ネットワークを介して前記制御装置に接続された管理サーバにより、前記制御装置からの第１無線ＩＣタグの部品情報及び第２無線ＩＣタグの位置情報を受信し、部品の積み降ろしの際の前記部品情報と前記位置情報とを対応させて記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする部品の所在管理方法。
6. 請求項５に記載の部品の所在管理方法において、
   作業着手の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第３無線ＩＣタグと、作業完了の状態情報が入力されたＩＣチップとアンテナとを有する第４無線ＩＣタグとを用い、
   前記管理サーバにより、
   前記搬送車での作業を開始する際、前記第１アンテナが前記第３無線ＩＣタグに近接されて、前記第３無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第３無線ＩＣタグの作業着手の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業着手の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の開始を記録し、
   又、前記搬送車での作業を終了した際、前記第１アンテナが前記第４無線ＩＣタグに近接されて、前記第４無線ＩＣタグからの電磁波又は磁界が受信され、前記第１アンテナで受信された電磁波又は磁界から前記第４無線ＩＣタグの作業完了の状態情報が前記制御装置で読み取られ、前記制御装置から作業完了の状態情報が送信されると、前記搬送車での作業の完了を記録し、
   作業完了時における最後の前記第２無線ＩＣタグの位置情報を記録して、各部品に対する所在位置の管理を行うことを特徴とする部品の所在管理方法。

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