JP2007310073A - レンズ鏡胴 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、カメラの使用状態において衝撃吸収能力を備えたレンズ鏡胴を提供する。
【解決手段】実施の形態のレンズ鏡胴20は、繰り出した状態にある前移動枠100に、対物側から矢印A方向の力が加わると、復座ばね124が付勢力に抗して収縮することより、その力を吸収する。したがって、デジタルカメラ10の使用状態においてレンズ鏡胴20に加わった衝撃を吸収することができ、カム溝96、102からカムフォロアーピン98、104が脱落するという不具合を解消できる。また、レンズ鏡胴20が沈胴されていくと、駆動筒92のカム126によってレンズ鏡胴20全体を、復座ばね124の付勢力に抗して沈胴位置に押し込むようにした。これにより、レンズ鏡胴20の押し込み量分だけ、カメラ本体12を薄型にできるので、デジタルカメラ10の携帯性が向上する。
【選択図】 図5
【解決手段】実施の形態のレンズ鏡胴20は、繰り出した状態にある前移動枠100に、対物側から矢印A方向の力が加わると、復座ばね124が付勢力に抗して収縮することより、その力を吸収する。したがって、デジタルカメラ10の使用状態においてレンズ鏡胴20に加わった衝撃を吸収することができ、カム溝96、102からカムフォロアーピン98、104が脱落するという不具合を解消できる。また、レンズ鏡胴20が沈胴されていくと、駆動筒92のカム126によってレンズ鏡胴20全体を、復座ばね124の付勢力に抗して沈胴位置に押し込むようにした。これにより、レンズ鏡胴20の押し込み量分だけ、カメラ本体12を薄型にできるので、デジタルカメラ10の携帯性が向上する。
【選択図】 図5
Description
本発明はレンズ鏡胴に係り、特にカメラ本体に対して沈胴及び繰り出しが可能なレンズ鏡胴に関する。
特許文献1〜3の如く、カメラの薄型化に有利な沈胴繰り出し式のレンズ鏡胴は、複数の筒型部材を組み合わせて構成されている。このレンズ鏡胴は、カメラ使用状態ではカメラ本体から被写体側に繰り出され、レンズを適切な位置に位置させてその光学性能を得ている。また、カメラ未使用状態ではレンズ間の間隔が最小となるようにカメラ本体に沈胴され、携帯性のよい形態となる。
ところで、このようなレンズ鏡胴には、モーターの駆動や回転操作によりレンズを撮影光軸に沿って移動させるカム機構が内蔵されている。レンズはカムフォロアーピンを有するレンズ保持枠に保持され、レンズ保持枠はカム筒に嵌挿されるとともに、このカム筒のカム溝に前記カムフォロアーピンが係合されている。カムフォロアーピンがカム筒の回転によってカム溝内を摺動すると、レンズ保持枠は直進ガイドによって撮影光軸方向に前後移動する。
特開平8−110454号公報
特開2000−292843号公報
特開2006−11018号公報
ところで、カムフォロアーピンをカム溝に嵌合させてレンズを移動させる沈胴繰り出し式のレンズ鏡胴は、繰り出している鏡胴に被写体側から強い衝撃が加わると、レンズの位置を決定しているカム溝からカムフォロアーピンが脱落し、動作不能に陥るという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カメラの使用状態において衝撃吸収能力を備えたレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、レンズを保持したレンズ保持枠と、該レンズ保持枠に設けられたカムフォロアと係合されレンズ保持枠に撮影光軸方向の駆動力を与えるカム溝が形成されたカム筒とを備えたレンズ鏡胴において、前記レンズ鏡胴が付勢部材を介して被写体側に付勢され、前記レンズ鏡胴に加わった被写体側からの力が前記付勢部材によって吸収されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、付勢部材を介してレンズ鏡胴を被写体側に付勢し、被写体側からレンズ鏡胴に加わった力を、付勢部材が付勢力に抗して変形することにより吸収するので、カメラの使用状態においてレンズ鏡胴に加わった衝撃を吸収することができ、カム溝からカムフォロアが脱落するという不具合を解消できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記レンズ鏡胴は、カメラ本体に収納される沈胴位置とカメラ本体から被写体側に突出される繰り出し位置との範囲で移動される沈胴/繰り出し式のレンズ鏡胴であり、前記付勢部材は、前記レンズ鏡胴と前記カメラ本体との間に介在されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、沈胴/繰り出し式のレンズ鏡胴を対象とし、レンズ鏡胴が繰り出したカメラ使用時において、その繰り出したレンズ鏡胴に被写体側から加わった力を、レンズ鏡胴とカメラ本体との間に介在された付勢部材によって吸収する。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記レンズ鏡胴には、前記レンズ鏡胴が沈胴されていくと、前記付勢部材の付勢力に抗してレンズ鏡胴を沈胴位置に押し込む駆動部材が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、レンズ鏡胴が沈胴されていくと、レンズ鏡胴は駆動部材により、付勢部材の付勢力に抗して沈胴位置に押し込まれる。この押し込み量分だけ、カメラ本体を薄型にできるので、カメラの携帯性が向上する。
駆動部材としては、レンズ鏡胴を構成する回転部材に、例えばカム部材を形成し、回転部材が沈胴終端位置の近傍まで回転された際に、前記カム部材が、例えばカメラ本体の任意の部材に係合し、そして、回転部材が沈胴終端位置に回転された際に、その任意の部材を乗り上げるように構成することにより、前記押し込み動作を達成できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3において、前記レンズ鏡胴は、前記カム筒を回転自在に支持する鏡胴本体を有し、該鏡胴本体が前記付勢部材によって被写体側に付勢されることにより、鏡胴本体とカメラ基板との間に放熱用の間隙が形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、鏡胴本体が付勢部材によって被写体側に付勢されることにより、鏡胴本体とカメラ基板との間に放熱用の間隙が形成される。
カメラ基板として、液晶モニタが搭載された基板は、カメラの使用時に特に発熱するため、この熱を、前記間隙を介して外部に放熱することにより、基板やレンズ鏡胴に対する熱の影響を無くすことができる。なお、沈胴/繰り出し式のレンズ鏡胴の場合、沈胴時には前記間隙は無くなるが、沈胴時はカメラ不使用時のため熱に対する問題は無い。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記付勢部材は、前記鏡胴本体に固体撮像素子を押圧固定する押圧部材と一体形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、付勢部材は、鏡胴本体に固体撮像素子を押圧固定する押圧部材と付勢部材とを一体形成したので、部品点数、組立工数を削減できる。
本発明に係るレンズ鏡胴によれば、付勢部材を介してレンズ鏡胴を被写体側に付勢し、被写体側からレンズ鏡胴に加わった力を、付勢部材が付勢力に抗して変形することにより吸収するので、カメラの使用状態においてレンズ鏡胴に加わった衝撃を吸収することができ、カム溝からカムフォロアが脱落するという不具合を解消できる。
また、本発明に係るレンズ鏡胴によれば、レンズ鏡胴が沈胴されていくと、レンズ鏡胴は駆動部材により、付勢部材の付勢力に抗して沈胴位置に押し込まれるようにしたので、この押し込み量分だけ、カメラ本体を薄型にできる。
以上により、本発明のレンズ鏡胴によれば、カメラ使用状態では、衝撃吸収効果を持ち、未使用状態では薄型のカメラを提供できる。
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ鏡胴の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、電子カメラであるデジタルカメラに適用した例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、銀塩カメラ、カメラ付き携帯電話機等、カム機構によって移動レンズを移動させるカメラであれば適用できる。
図1は、実施の形態のレンズ鏡胴が搭載されたデジタルカメラ10を正面から見た斜視図であり、図2はデジタルカメラ10を背面から見た斜視図である。また、図3は、デジタルカメラ10の全体構成を示したブロック図である。
図1、図2の如くデジタルカメラ10は、カメラ本体12の前面の左側に前方に膨らんだグリップ部14が形成され、グリップ部14が位置するカメラ本体12の上面には撮影ボタン16が配置されている。この撮影ボタン16は、グリップ部14を把持したユーザーの右手の人指し指によって操作可能な位置に設けられている。更に、カメラ本体12の前面の略中央部には、撮影レンズ18を保持した沈胴/繰り出し式のレンズ鏡胴20が前方に突出して設けられている。更にまた、カメラ本体12の前面の右側上部には、キセノン管を有するストロボ発光部22が設けられるとともに、カメラ本体12の背面には図2の如く液晶モニタ24、モード選択スイッチ26、十字キー27等の各種スイッチ、及びファインダ28がそれぞれ所定の位置に設けられている。
このデジタルカメラ10は、モード選択スイッチ26を操作することによって静止画撮影、動画撮影、連続撮影(連写)の撮影動作のうち一つの撮影動作が選択される。静止画撮影動作が選択されると、撮影ボタン16の押圧操作によって被写体が1コマ毎撮影され、動画撮影動作が選択されると、撮影ボタン16が押されている間、動画(Motion JPEG )撮影が可能である。連続撮影動作が選択されると、撮影ボタン16が押されている間、連写し続け、操作ボタン16から指を上げた瞬間の直前の数コマを撮影することができる。
デジタルカメラ10は、図3の如く中央処理装置(CPU)30によってその全体動作が統括制御されている。 CPU30は、所定のプログラムに従ってカメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算など、各種演算を実施する演算手段として機能する。
バス32を介してCPU30と接続されたROM34には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM36には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
また、メモリ(SDRAM)38は、プログラムの展開領域及びCPU30の演算作業用領域として利用されるとともに、静止及び動画の画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。HDD(ハードディスクドライブユニット)40は画像データ専用の一時記憶メモリである。なお、メモリ38とHDD40は共用することが可能である。
モード選択スイッチ26は、静止画撮影、動画撮影、連続撮影(連写)の撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作手段である。モード選択スイッチ26を操作して可動接片26Aを接点aに接続させると、その信号がCPU30に入力され、デジタルカメラ10は撮影モードに設定される。また、可動接片26Aを接点bに接続させると、デジタルカメラ10は記録済みの画像を再生する再生モードに設定される。
撮影ボタン16は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にオンになるS1スイッチと、全押し時にオンになるS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
メニュー/OKキー(図2には不図示)は、液晶モニタ24の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キー27は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタンとして機能する。この十字キー27によって静止画撮影、動画撮影、連続撮影(連写)のうち一つの撮影動作が選択され、メニュー/OKキーの押圧操作により選択した撮影動作が確定される。キャンセルキー(図2には不図示)は、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは一つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
液晶モニタ24は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。この液晶モニタ24は液晶ディスプレイであるが、これに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置を用いることも可能である。
デジタルカメラ10は、メディアソケット46を有し、メディアソケット46には記録メディア48を装着することができる。記録メディアの形態は特に限定されず、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。
メディアコントローラ50は、メディアソケット46に装着される記録メディア48に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
また、デジタルカメラ10は、パソコンその他の外部機器と接続するための通信手段としてUSBインターフェース部52を備えている。USBケーブルを用いてデジタルカメラ10と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、その他の通信方式を適用してもよい。
次に、デジタルカメラ10の撮影機能について説明する。
モード選択スイッチ26によって撮影モードが選択されると、カラーCCD固体撮像素子(以下CCDと記載)54を含む撮像部に電源が供給され、静止画、動画、又は連続撮影が可能な状態になる。この後、十字キー27によって静止画撮影、動画撮影、連続撮影(連写)のうち一つの撮影動作を選択し、メニュー/OKキーを押圧操作することにより選択した撮影動作を確定する。
レンズ鏡胴20は、フォーカスレンズを含む撮影レンズ18と絞り兼用メカシャッター56とを含む光学ユニットである。レンズ鏡胴20は、CPU30によって制御されるレンズ駆動部58、絞り駆動部60によって電動駆動され、ズーム制御、フォーカス制御及びアイリス制御が行われる。
撮影レンズ18を通過した光は、CCD54の受光面に結像される。CCD54の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD54は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU30は、タイミングジェネレータ62を介してCCD54での電荷蓄積時間を制御する。なお、CCD54に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
CCD54の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU30の指令に従いタイミングジェネレータ62から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
CCD54から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)64に送られ、ここで画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器66に加えられる。A/D変換器66によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ68を介してメモリ38に記憶される。
画像信号処理回路70は、メモリ38に記憶されたR、G、B信号をCPU30の指令に従って処理する。すなわち、画像信号処理回路70は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU30からのコマンドに従ってメモリ38を活用しながら所定の信号処理を行う。
画像信号処理回路70に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路70において輝度信号及び色差信号に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路70で処理された画像データはHDD40に記録される。
撮影画像を液晶モニタ24にモニタ出力する場合、HDD40から画像データが読み出され、バス32を介してビデオエンコーダ72に送られる。ビデオエンコーダ72は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ24に出力する。
撮影ボタン16が半押しされ、S1がオンになると、デジタルカメラ10はAE及びAF処理を開始する。すなわち、CCD54から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ68を介してAF検出回路74並びにAE/AWB検出回路76に入力される。
AE/AWB検出回路76は、1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU30に提供する。CPU30は、AE/AWB検出回路76から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定され、これに従いCPU30はCCD54の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
また、AE/AWB検出回路76は、自動ホワイトバランス調整時には、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU30に提供する。CPU30は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、各分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、例えば、各比の値がおよそ1になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。前述した各比の値を1以外の値になるようにホワイトバランス調整回路のゲイン値を調整すると、ある色味が残った画像を生成することができる。
デジタルカメラ10におけるAF制御は、例えば映像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカシングレンズ(撮影レンズ18を構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズ)を移動させるコントラストAFが適用される。すなわち、AF検出回路74は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)に予め設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部、及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
AF検出回路74で求めた積算値のデータはCPU30に通知される。CPU30は、レンズ駆動部58を制御してフォーカシングレンズを移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカシングレンズを移動させるようにレンズ駆動部58を制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
撮影ボタン16が半押しされ、S1オンによってAE/AF処理が行われ、撮影ボタン16が全押しされ、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路70において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ38に格納される。
メモリ38に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路78によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ50を介して記録メディア48に記録される。例えば、画像についてはJPEG形式で記録される。
モード選択スイッチ26により再生モードが選択されると、記録メディア48に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路78を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路70及びビデオエンコーダ72を介して表示用の信号に変換された後、液晶モニタ24に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ24の画面上に表示される。
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り替えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア48から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ24に再生表示される。なお、デジタルカメラ10は、電源回路80を介して供給される電池82の電力によって駆動される。以上がデジタルカメラ10の全体構成である。
図4は、沈胴時のレンズ鏡胴20の断面図であり、図5は繰り出し時のレンズ鏡胴20の断面図が示されている。
このレンズ鏡胴20は、2段繰出し、沈胴式のレンズ鏡胴であり、カメラ本体12に覆われた固定筒90と、固定筒90の外周面に回転自在に嵌挿された駆動筒92と、固定筒90の内周面に嵌挿されて固定筒90に対し回転しながら繰出し、沈胴を行なうカム筒94と、カム筒94のカム溝96に係合するカムフォロアーピン98及び撮影レンズ18を保持した前移動枠(レンズ保持枠)100と、カム筒94のカム溝102に係合するカムフォロアーピン104及び撮影レンズ106を保持した後移動枠(レンズ保持枠)108と、固定筒90と一体形成されてCCD54を保持した板状の鏡胴本体110とから構成されている。
また、CCD54は、ねじ112によって鏡胴本体110に固定された板ばね(押圧部材)114によって、CCD基板116とともに鏡胴本体110に押圧固定されている。
このレンズ鏡胴20が図4に示す沈胴状態から図5に示す繰出状態に移行するにあたっては、駆動筒92が回転駆動されると、その回転力がカム筒94に伝達されることによりカム筒94が固定筒90を残したまま回転しながら繰り出され、さらにそれと同時に、カム筒94の中を、前移動枠100が回転を伴なわずにカム筒94に対しさらに繰り出される。また、これと同様に図5に示す繰出状態から図4に示す沈胴状態に移行するにあたっては、駆動筒92が逆方向に回転駆動されることにより、カム筒94は回転しながら固定筒90に対し沈胴し、前移動枠100は、回転を伴なわずにカム筒94に対し沈胴する。
ところで、このレンズ鏡胴20は、鏡胴本体110に形成された3カ所の孔(図4、図5では1カ所の孔のみ図示)118に取付ねじ120の胴体部が遊びを持って挿入され、この取付ねじ120のねじ部がカメラ本体12のボス部122に、撮影光軸Lと平行に締結されることにより、カメラ本体12に取り付けられている。
これにより、鏡胴本体110に組み付けられた固定筒90、駆動筒92、カム筒94、前移動枠100、及び後移動枠108からなるレンズ鏡胴20は、取付ねじ120の胴体部に沿って撮影光軸Lの方向にスライド移動自在に支持される。
また、取付ねじ120は復座ばね(付勢部材)124を介して鏡胴本体110にそれぞれ挿通され、これらの復座ばね124の付勢力によってレンズ鏡胴20は被写体側に向けて付勢されている。よって、復座ばね124の付勢力により、鏡胴本体110は図5の如くボス部122に押圧される。この状態において、カメラ本体12の背面部12Aに取り付けられる液晶モニタ24及びその基板(不図示)と鏡胴本体110との間に、間隙125が形成され、この間隙125が放熱用の空間として作用する。また、この状態において被写体側から矢印Aで示す力が前移動枠100に加わると、復座ばね124は、自身の付勢力に抗して図4の最も収縮した状態へa量分変位可能なので、その力は復座ばね124が収縮(レンズ鏡胴20が全体的に図5の右方に移動)することにより吸収される。なお、復座ばね124は、取付ねじ120によってボス部122に取り付けられることにより、レンズ鏡胴20とカメラ本体12との間に介在されている。
一方、駆動筒92の外周面には、図6に示すように羽根状のカム(駆動部材)126が形成される。このカム126は、駆動筒92が沈胴最終位置の近傍まで回転されると、そのテーパ面128が、ボス部122に形成されているリブ130のテーパ面132に当接する。そして、図7に示すように、駆動筒92が沈胴終端位置に回転された際に、カム126がリブ120を乗り上げる。この乗り上げ動作によって駆動筒92は、図5の右方向に押し込まれることになり、また、駆動筒92が鏡胴本体110を押し込むことにより、レンズ鏡胴20全体が、図4に示した沈胴位置に復座ばね124の付勢力に抗して押し込まれる。
次に、前記の如く構成されたレンズ鏡胴20の作用について説明する。
図5の如く繰り出した状態にある前移動枠100に、被写体側から矢印A方向の力が加わると、復座ばね124が付勢力に抗して収縮することより、その力を吸収する。したがって、デジタルカメラ10の使用状態においてレンズ鏡胴20に加わった衝撃を吸収することができ、カム溝96、102からカムフォロアーピン98、104が脱落するという不具合を解消できる。
また、レンズ鏡胴20が沈胴されていくと、駆動筒92のカム126によってレンズ鏡胴20全体を、復座ばね124の付勢力に抗して沈胴位置に押し込むようにした。これにより、レンズ鏡胴20の押し込み量分だけ、カメラ本体12を薄型にできるので、デジタルカメラ10の携帯性が向上する。
更に、図5のカメラ使用時の繰り出し状態において、鏡胴本体と液晶モニタ24との間に放熱用の間隙125を形成し、この間隙125を介して液晶モニタ24、CCD54、及び基板等の発熱体からの熱を外部に放熱し易くしたので、レンズ鏡胴20に対する熱の影響を無くすことができる。なお、沈胴時には前記間隙125は無くなるが、沈胴時はカメラ不使用時のため熱に対する問題は無い。
なお、図4、図5の実施の形態では、付勢部材である復座ばね124を取付ねじ120と鏡胴本体110との間に介在させたが、付勢部材の位置はこれに限定されるものではない。例えば、図8、図9の如く、付勢部材であるコイルスプリング134、134をカメラ本体12の背面部12Aと鏡胴本体110との間に介在させてもよい。
また、図4、図5、図8、図9の実施の形態では、CCD54を鏡胴本体110に押圧固定する板ばね114と付勢部材である復座ばね124、コイルスプリング134を別体で構成したが、これに限定されるものではなく、図10、図11に示すように板ばね114と付勢部材136とを一体に形成してもよい。すなわち、図12に示す略三角形状の一枚の板ばね部材138の内側に、この板ばね部材138を内側と外側とに二分割するようなスリット140、140、140を形成し、内側に位置する板ばね部材を板ばね114として利用し、外側に位置する板ばね部材を付勢部材136として利用する。このように付勢部材136を、板ばね114と一体形成することにより、部品点数、及び組立工数を削減できる。
10…デジタルカメラ、12…カメラ本体、18…撮影レンズ、20…レンズ鏡胴、90…固定筒、92…駆動筒、94…カム筒、96…カム溝、98…カムフォロアーピン、100…前移動枠、102…カム溝、104…フォロアーピン、106…撮影レンズ、108…後移動枠、110…鏡胴本体、114…板ばね、116…CCD基板、120…取付ねじ、122…ボス部、124…復座ばね、125…間隙、126…カム、130…リブ
Claims (5)
- レンズを保持したレンズ保持枠と、該レンズ保持枠に設けられたカムフォロアと係合されレンズ保持枠に撮影光軸方向の駆動力を与えるカム溝が形成されたカム筒とを備えたレンズ鏡胴において、
前記レンズ鏡胴が付勢部材を介して被写体側に付勢され、前記レンズ鏡胴に加わった被写体側からの力が前記付勢部材によって吸収されることを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記レンズ鏡胴は、カメラ本体に収納される沈胴位置とカメラ本体から被写体側に突出される繰り出し位置との範囲で移動される沈胴/繰り出し式のレンズ鏡胴であり、前記付勢部材は、前記レンズ鏡胴と前記カメラ本体との間に介在されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 前記レンズ鏡胴には、前記レンズ鏡胴が沈胴されていくと、前記付勢部材の付勢力に抗してレンズ鏡胴を沈胴位置に押し込む駆動部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡胴。
- 前記レンズ鏡胴は、前記カム筒を回転自在に支持する鏡胴本体を有し、該鏡胴本体が前記付勢部材によって被写体側に付勢されることにより、鏡胴本体とカメラ基板との間に放熱用の間隙が形成されることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載のレンズ鏡胴。
- 前記付勢部材は、前記鏡胴本体に固体撮像素子を押圧固定する押圧部材と一体形成されていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡胴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006137869A JP2007310073A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | レンズ鏡胴 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006137869A JP2007310073A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | レンズ鏡胴 |
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ID=38843001
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109945978A (zh) * | 2017-12-21 | 2019-06-28 | 杭州美盛红外光电技术有限公司 | 一种自动聚焦结构 |
JP2022174289A (ja) * | 2018-08-20 | 2022-11-22 | 株式会社ニコン | レンズ鏡筒及び撮像装置 |
-
2006
- 2006-05-17 JP JP2006137869A patent/JP2007310073A/ja active Pending
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