JP2007309717A - 原子炉用燃料集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エルビアを含有する高濃縮度ペレットを用いた燃料集合体に関し、経済性と安全性に優れた可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体を提供する。
【解決手段】 核燃料である燃料ペレットを被覆管内に装填してなる複数本の燃料棒を正方格子状配列の燃料バンドル中に含む原子炉用燃料集合体において、燃料ペレットとして、ウラン濃縮度が5wt%よりも高く且つエルビアを含有する第1群の燃料ペレットと、ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しない第2群の燃料ペレットとを含み、燃料棒として、第1群の燃料ペレットを燃料棒全長の上端部及び/又は下端部を除く領域に配置した燃料棒を備えるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可燃性毒物としてエルビア(酸化エルビウム:Er)を含有する原子炉用燃料集合体に関するものである。特に、加圧水型原子炉用燃料集合体に関するものである。
原子炉における燃料集合体の設計分野においては、燃料経済性を高めるためにウラン235で代表される核分裂性物質の濃縮度を増加させて燃料の燃焼度を増大させる方策が採られている。
このような高濃縮度化による高燃焼度化は、商業炉において段階的に進められてきたが、臨界安全上の観点から商業規模の燃料製造工程において取り扱えるウランの濃縮度は5wt%以下に限られているため、濃縮度がある程度高められた近年の設計に対して更なる高濃縮度化を図るには自ずと限界が生じつつある。
この課題を解決する例として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、濃縮度5wt%以上の全ての燃料ペレットに可燃性毒物であるエルビア(Er)を予め低濃度で混入した燃料集合体について記載されている。エルビアの利用はウラン燃料の高濃縮度化に向けた有効手段の一つとして期待される。
特開2004−177241号公報
ところで、エルビアは、同じ可燃性毒物であるガドリニア(酸化ガドリニウム:Gd)に比べて中性子吸収断面積が小さく反応度抑制効果は弱いが、より長い燃焼期間に亘ってその効果が持続するというガドリニアにない特徴がある。
換言すれば、エルビアはガドリニアに比べて毒物効果がサイクル末期で残留しやすいため、サイクル末期での炉心の反応度は燃料内のエルビア濃度やエルビア入り燃料ペレットの配置によって大きく変動しうることとなる。この際、サイクル末期での炉心の反応度を有効に高められれば、新燃料の取替体数を減少させることができるなど、燃料サイクルコストに対して大きな経済効果が期待できる。
それにも係わらず、エルビアを含有する高濃縮度ペレットを用いた燃料集合体における従来技術では、燃料集合体内におけるエルビア入り燃料ペレットの配置、特に軸方向配置に関する検討が十分になされているとは言えない。
本発明は、エルビアを含有する高濃縮度ペレットを用いた燃料集合体に関し、経済性と安全性に優れた可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明に係る可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体は、核燃料である燃料ペレットを被覆管内に装填してなる複数本の燃料棒を正方格子状配列の燃料バンドル中に含む原子炉用燃料集合体において、
前記燃料ペレットとして、
ウラン濃縮度が5wt%よりも高く且つエルビアを含有する第1群の燃料ペレットと、
ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しない第2群の燃料ペレットとを含み、
前記燃料棒として、前記第1群の燃料ペレットを燃料棒全長の上端部及び/又は下端部を除く領域に配置した燃料棒を備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体は、請求項1に記載の燃料バンドル中の燃料棒が、第1群及び第2群の燃料ペレットを予め定められた軸方向配列で装填した1種類の燃料棒で構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体は、請求項1に記載の上端部及び/又は下端部の領域に、前記燃料集合体中の最高濃縮度の1/2以上の濃縮度であり且つガドリニアを含有しない第2群の燃料ペレットが装填されている燃料棒を備えたことを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体は、請求項1に記載の第2群の燃料ペレットとして、ガドリニアを含有する燃料ペレットが装填されている燃料棒を備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る可燃性毒物入り原子炉用燃料集合体は、請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料集合体の未燃焼時における平均ウラン濃縮度が5wt%よりも高いことを特徴とするものである。
本発明によれば、エルビアを含有する高濃縮度ペレットを用いた燃料集合体に関し、経済性と安全性に優れた燃料集合体を提供することができる。
出力運転中の原子炉において炉心内の燃料集合体は、軸方向に出力分布(原子炉の炉心内の熱出力の空間分布)を有するが、発熱有効部の上端部及び下端部はもともと中性子の漏れが生じることから、これら上下端部以外の領域に比べて出力は著しく小さくなる傾向を持つ。この結果、上下端部では他の領域(発熱有効部)よりも燃焼の進行が遅くなる。例えば、軸方向に一様の濃縮度分布とした燃料集合体の場合には、端部の出力は集合体の平均出力の1/2程度に見積もられる。このとき、端部の燃焼度は平均の1/2程度しか進まず、端部のウラン235は他の軸方向領域よりも残留が多くなる。
前述の特許文献1にあるとおり、濃縮度5wt%を越える全ての燃料ペレットに予め低濃度のエルビア(Er)を含有させておくことは、高濃縮度化に向けた有効手段の一つと考えられる。但し、この手段を実行する際には、燃料集合体の設計においてエルビアを含有する高濃縮度ペレットの配置、特に、軸方向配置に関する検討が十分になされない場合には、以下の不具合を生じる可能性がある。
即ち、エルビア入り高濃縮度ペレットを燃料有効部の軸方向端部に配した場合には、もともと端部は出力が出にくい上に、エルビアはガドリニア等の可燃性毒物に比べて毒物効果が長く持続されるために、反応度の低下を招くばかりか、端部領域のウラン235の燃え残りを助長させるため、経済性の向上が阻害されてしまう。
しかも、高濃縮度燃料ほど濃縮段階での作業分離当量が高コストとなる上に、エルビアを混入させるためのコスト増加も伴うことから、エルビア入り高濃縮度燃料ペレットが効果的に燃焼しない燃料集合体を設計することは、大きな経済ロスを招く。最悪の場合、濃縮度の増加により取替体数を減じることが出来ても、燃料サイクルコストとして殆ど利得が得られない場合すら考えられる。
先の特許文献1の図1及び図2には、燃料集合体無限増倍率の燃焼変化が記載されている。図2において、6wt%ウラン濃縮度にエルビア0.2wt%を添加した燃料集合体の無限増倍率と、エルビアを含有しない6wt%ウラン濃縮度の燃料の無限増倍率を比べると、燃焼度20GWd/t時点でも、なお両者の間には1%Δk以上の差がある。
つまり、わずか0.2wt%のエルビアの含有であっても、長い燃焼期間に亘ってエルビアの毒物効果が持続していることが判る。反応度を最大限に引き出すには、毒物効果はサイクル末期でほぼ消滅するのが理想的な状態であると考えられる。
しかし、出力が低く燃焼の進行が遅い軸方向端部にエルビアを含有する場合、通常考えられる12〜14ヶ月程度の運転サイクル長さでは、端部のエルビアはサイクル末期で燃え尽きることは難しい。
例えば、サイクル末期での毒物効果の過大な残留は、炉心の反応度ロスを引き起こし、濃縮度増加に伴う反応度の増大効果を阻害する。サイクル末期での毒物効果の残留を減らすべく含有させるエルビアの濃度を低減することは、工程上の臨界性の観点からウラン高濃縮度化の程度が制限されてしまうため、もちろん得策ではない。
そこで、本発明においては、ウラン濃縮度が5wt%より高く且つエルビアを含有する第1群の燃料ペレットと、ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しない第2群の燃料ペレットとを含む。その上で、第1群の燃料ペレットは、端部(上端部及び/又は下端部)以外の領域に配置する燃料棒を用いる。
この結果、エルビアを含有するペレットが配置されない端部においては、エルビアの持続性のある毒物効果に起因するウラン235の燃え残りは生じなくなるため、より効果的に燃焼し経済性が向上する。また、臨界性の観点からエルビアはウラン粉末の段階で混入させる工程を経ると考えられる。そのため、エルビアの添加量(エルビア濃度)は、1種類に限定しておく方が製造工程上も経済的である。本発明の場合には、第2群の燃料ペレットは、ウラン濃縮度が5wt%以下でありエルビアを含有しない。
より詳しくは、エルビア入り燃料ペレットは前記第1群の燃料ペレットの他にも濃度を相違させたエルビア入り燃料ペレットを準備してもよい。しかしながら、エルビア入り燃料ペレットを第1群の燃料ペレット1種類とすると製造面で有利である。即ち、エルビア入り燃料ペレットは1種類のウラン濃縮度且つ1種類のエルビア濃度からなる第1群の燃料ペレットの1種類として燃料棒及び燃料集合体を構成することにより、製造コストを上昇させず、経済性に優れる。
第1群の燃料ペレットを用いることで取り扱うウラン濃縮度を5wt%よりも高くできれば、得られる燃料集合体の未燃焼時における平均ウラン濃縮度を5wt%よりも高くすることができ、燃料の高燃焼度化が達成できる。
また、エルビアの燃料ペレットへの添加量(エルビア濃度)については、設計者が適宜定めればよく、特に規定しない。ただし、本発明の燃料集合体の未燃焼時における無限増倍率が燃料棒を全て5wt%濃縮度とした集合体内の無限増倍率よりも僅かに小さくなる程度となるエルビア濃度を添加するなど、製造工程における臨界性の問題が丁度なくなる程度までのエルビア濃度としておけば、原子炉の運転末期でのエルビアの残留が最小となるので経済性を最も高めることができる。
本発明の第2群の燃料ペレットとしては、ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しないものであればよいが、集合体平均濃縮度を高める目的からは5wt%に近い濃縮度の方が好ましい。また、第2群の燃料ペレットとしては、エルビアよりも中性子吸収断面積が大きく、短期間で効果を喪失するガドリニアを併存させることも想定される。
尚、第1群の燃料ペレットは、前記燃料集合体の有効発熱部の上端部及び下端部の少なくとも何れか一方を除く領域に限って配置されるため、必然的に上端部と下端部との少なくとも何れか一方、又は、上端部と下端部との両方は第2群の燃料ペレットで構成される。また、上端部及び下端部を除く他の領域は第1群のみとは限らず、第2群が存在する場合もある。
本発明での有効発熱部の上端部及び下端部としては、被覆管内に装填された燃料ペレットの全長の上下約5%分(好ましくは、3〜10%)の長さとした。
更に、本発明の好ましい態様としては、燃料集合体を燃料ペレットの軸方向配列を同じくする燃料棒のみで構成することにより、製造コストを上昇させず、経済性に優れる。即ち、燃料バンドル中の燃料棒が、第1群及び第2群の燃料ペレットを予め定められた軸方向配列で装填した1種類の燃料棒で構成されているものである。
この例においても、エルビアを含有しない第2群の燃料ペレットは、集合体平均濃縮度を高める目的からは5wt%に近い濃縮度とする。この場合も、端部以外領域の平均濃縮度よりも端部の濃縮度の方が低いほど、中性子の漏れが低減するので経済性は高まる。また、端部の濃縮度を低くすると軸方向出力ピーキングは増大する傾向となるが、以下の理由から運転余裕が問題となることはない。つまり、端部領域では濃縮度は低いもののエルビアを含有していないために燃焼初期の反応度抑制量は少ない。一方、端部以外の領域では、濃縮度は高いもののエルビアにより反応度は抑制される。
よって、反応度が高く熱的運転余裕の小さい燃焼初期において、軸方向(端部とそれ以外)の反応度にはそれほど大きな差が生じることはなく炉心の運転余裕は確保される。但し、その場合でも、前述の端部での燃焼の進行の程度を勘案すると、端部の濃縮度は最高濃縮度の1/2以上の濃縮度とするのが好ましい。これ以上端部の濃縮度を下げるとピーキングが厳しくなり運転余裕が確保できなくなる可能性が高くなるからである。従って、好ましい態様としては、上端部及び/又は下端部の領域として、前記燃料集合体中の最高濃縮度の1/2以上の濃縮度であり且つガドリニアを含有しない第2群の燃料ペレットが装填されている燃料棒を備える。
更に、本発明の別の好ましい態様としては、第2群の燃料ペレットとして、ガドリニアが含有されているものを含んだ燃料棒を備える。即ち、ガドリニア含有量が異なるタイプ、好ましくはガドリニア濃度よりもガドリニア入り燃料棒の本数の異なる2種類以上のタイプの燃料集合体を予め用意しておけば、炉心設計の自由度が高まり安全性が向上する。従って、ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しない第2群の燃料ペレットの少なくとも一部は、ガドリニアが含有される。
また、本発明では、ガドリニアを含有する燃料ペレットは第2群の燃料ペレットに限定しているので熱伝導度が低くペレット中心温度が高くなりやすいガドリニア入り燃料ペレットに対しても燃料棒熱機械設計上の安全余裕を確保することが出来る。
加圧水型原子炉用燃料集合体で代表して実施例を示すが、本発明は沸騰水型原子炉用燃料集合体に対しても適用可能である。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の構成を示す説明図である。図1に示す通り、端部は5%分の長さとした。これは、中性子の漏れの影響が強く現れて出力の低下が顕著となる典型的な範囲である。また、燃料有効部下端部以外の領域では、ウラン濃縮度を6wt%つまり5wt%よりも高くし、エルビアを0.2wt%含有した第1群の燃料ペレットである。一方、下端部は、ウラン濃縮度4.9wt%つまり5wt%以下で、エルビアを含有しない第2群の燃料ペレットである。用いたペレットは次の表1に示す条件の2種類のペレットを用いた。
Figure 2007309717
以上の構成により、集合体の平均濃縮度は、約5.9wt%まで高めることができる。勿論、5wt%を越える濃縮度ペレットにはエルビアを混入させているため、燃料製造工程における臨界安全上の問題は回避される。また、ペレットの種類も2種類のみであり、従来なみである。燃料棒は一種類であり製造上の負担も生じない。
中性子の漏れが大きい端部に対しては、濃縮度を低減させることでウランの燃え残りによる経済性の低下を抑えている。しかも、エルビアやガドリニアなどの可燃性毒物を含まないため、端部で顕著になりがちであるサイクル末期における新燃料の可燃性毒物の残留が生じない設計となっている。
以上のように、燃料集合体の高濃縮度化、軸方向端部での漏れ低減、及び端部の毒物の残留回避という3つの効果があいまって燃料集合体の平均取出燃焼度は増加し、大幅に経済性が向上する。なお、端部は低濃縮度である一方、可燃性毒物を混入していないので、燃焼初期での端部の出力分担は決して小さくなりすぎない。このため、一般に反応度が高く熱的運転余裕が厳しくなりやすい新燃料において、軸方向出力が過大となることはなく、熱的運転余裕は確保される。なお、実施例では、下端部に対して第2群ペレットを配したが、上端部、あるいは上下端部の両方に対して第2群ペレットを配することも勿論可能である。
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の構成を示す説明図である。図2に示す通り、実施例1と同様に、端部は5%分の長さとし、本実施例では上下端部に対して第2群のペレットを配した。また、燃料有効部の上端部及び下端部以外の領域では、ウラン濃縮度を6.2wt%とし、エルビアを0.3wt%含有した第1群の燃料ペレットである。一方、上端部及び下端部は、ウラン濃縮度3.7wt%で、エルビアを含有しない第2群の燃料ペレットである。用いたペレットは次の表2に示す条件の2種類のペレットを用いた。尚、平均濃縮度は約5.9wt%である。
また、燃料棒は実施例1と同様に1種類のみとしたため、製造上の負担は殆どない。実施例1と平均濃縮度は同等であるが、燃焼度利得(取替体数減)が可能である。また、漏れが減って、実施例1よりもさらに経済性が高くなる。第2群の燃料ペレットの濃縮度は、第1群ペレットの約1/2であり、実施例1に比べて第1群と第2群の濃縮度差は大きい。しかし、第1群の濃縮度を高めることで燃料集合体の平均濃縮度は実施例1と同等とした。
Figure 2007309717
本実施例では、実施例1の場合以上に上下端部で濃縮度低減を図ったので中性子の漏れを一層低減できる上、中性子束の高い端部以外の領域の濃縮度を高めたので、より一層濃縮ウランを有効利用できる。この結果、端部の出力が小さくなり軸方向ピークが大きくなる方向ではあるものの端部の濃縮度はその他の領域の半分よりも低くすることはないので、熱的運転余裕は確保され、経済性は実施例1よりも高められる。
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の構成を示す説明図である。図3に示す通り、本実施例の燃料集合体は、実施例1で用いた棒タイプ1に加え、棒タイプ2を用いた。言い換えると、本実施例は、実施例1の一部の燃料棒を棒タイプ1から棒タイプ2に置換した設計であり、自由度が拡大する利点を有する。具体的なペレットの条件を表3に示す。
Figure 2007309717
具体的には、棒タイプ2は、可燃性毒物としてガドリニアを含有した第2群の燃料ペレットのみで構成されている。本実施例の燃料集合体は、取替燃料の一部として利用することが好ましい。棒タイプ2は、実施例1で示した燃料集合体と併用することを想定している(燃料集合体全体の10%程度棒タイプ2を用いる)。ガドリニアはエルビアと異なり中性子吸収効果が高く持続性が比較的弱いため、サイクル初期から中期にかけてのみ反応度を制御するのに効果的である。
ガドリニアを有する実施例3の燃料集合体は、実施例1のそれに比べて、燃焼初期における反応度(無限増倍率)が小さくなる。このように、本発明ではガドリニア含有量が異なるタイプ、好ましくはガドリニア濃度よりもガドリニア入り燃料棒の本数(つまりはペレット数)の異なる2種類以上のタイプの燃料集合体を予め用意しておけば、炉心設計の自由度を高め安全性確保することができる。
例えば、前のサイクルで反応度を余らせたまま炉心が計画外停止した場合には、次のサイクル初期の余剰反応度が過大となるが、この場合、取替新燃料としてガドリニアをより多く含有するタイプの燃料集合体の炉心への装荷割合を増やすことで、サイクル初期の過剰な反応度を抑制し適正化できる。実施例3における棒タイプ2が全燃料棒に占める割合は、10%程度以下である。
また、本発明ではガドリニアを含有する燃料ペレットは第2群の燃料ペレットに限定しているので、ガドリニア入り燃料ペレットは、第1群の燃料ペレットよりも濃縮度が低い分、寿命中期から末期にかけて、より低い出力で燃焼する。つまり棒タイプ2の出力は、棒タイプ1の出力よりも小さくできる。
この結果、熱伝導度が低くペレット中心温度が高くなりやすいガドリニア入り燃料ペレットが装填された燃料棒に対しても燃料棒熱機械設計上の安全余裕を確保することができる。尚、本実施例の棒タイプ2では上下端部を含めて全てペレット(2)-2 を用いたが、下端部に関しては、ガドリニアなしのペレットタイプ(2)-1 としても良い。
本発明の実施例1の構成を示す説明図である。 本発明の実施例2の構成を示す説明図である。 本発明の実施例3の構成を示す説明図である。

Claims (5)

  1. 核燃料である燃料ペレットを被覆管内に装填してなる複数本の燃料棒を正方格子状配列の燃料バンドル中に含む原子炉用燃料集合体において、
    前記燃料ペレットとして、
    ウラン濃縮度が5wt%よりも高く且つエルビア(酸化エルビウム:Er)を含有する第1群の燃料ペレットと、
    ウラン濃縮度が5wt%以下であり且つエルビアを含有しない第2群の燃料ペレットとを含み、
    前記燃料棒として、前記第1群の燃料ペレットを燃料棒全長の上端部及び/又は下端部を除く領域に配置した燃料棒を備えたことを特徴とする原子炉用燃料集合体。
  2. 前記燃料バンドル中の燃料棒が、第1群及び第2群の燃料ペレットを予め定められた軸方向配列で装填した1種類の燃料棒で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉用燃料集合体。
  3. 前記上端部及び/又は下端部の領域に、前記燃料集合体中の最高濃縮度の1/2以上の濃縮度であり且つガドリニアを含有しない第2群の燃料ペレットが装填されている燃料棒を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用燃料集合体。
  4. 前記第2群の燃料ペレットとして、ガドリニアを含有する燃料ペレットが装填されている燃料棒を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用燃料集合体。
  5. 前記燃料集合体の未燃焼時における平均ウラン濃縮度が5wtよりも高いことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の原子炉用燃料集合体。
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