JP2010261866A - 濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)Er166から生成するEr167による中性子の吸収、及びEr167から生成するEr168による中性子の吸収
(2)エルビアを添加、混在させることによるウラン(特に、U235)重量の減少
の2つの要因により引き起こされる。
(1)Er166の中性子吸収で生じたEr167が存在しないため、生成したEr167による中性子の吸収が無い(但し、Er167から生成するEr168による中性子の吸収はそのまま残るが無視できる程度である)、
(2)Er167以外のエルビアの同位体が少なくなるため、エルビアの混合量を低下させることができ、ウラン(特にU235)の重量をその分増加させることができる、
の2つの要因によりもたらされる。
与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記エルビアクレジットによる添加量εを式3に基づき求めることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
但し、ε:濃縮エルビアの添加量
εnat:天然エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビアの同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
前記エルビアクレジットによる添加量εを求めるに際して、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする簡略化と、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする簡略化と、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする簡略化とを行うことを特徴とする請求項1に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照してEr167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記データが作成されたのと同じ核的条件で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットによる添加量を天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該核燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er167の重量率が、当該U235の濃縮度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
但し、ε:濃縮エルビアの添加量
εnat:天然エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮したエルビアの同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
前記既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビアの同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項3に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が90wt%以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が100wt%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が90wt%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照してEr166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記データが作成されたのと同じ核的条件で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットを天然エルビアの添加を前提にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該ウラン燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er166を除くエルビアの重量率が、当該U235の濃度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iは、Er164、Er165、Er166、Er167、Er168、Er170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
前記既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項8に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比が10wt%以下であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比がほぼ0wt%であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比が10wt%であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、既に求められている2ケースの濃縮エルビアによるエルビアクレジット量を用いて、当該2ケースの間の濃縮エルビアを用いる場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
Er167がAwt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をPawt%、Er167がCwt%(A<C)に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をPcwt%としたときに、
前記Er167がBwt%(A<B<C)に濃縮されたエルビアの添加量Pbwt%を、
Pb=Pc+(Pa−Pc)×(C−B)/(C−A)
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
Er167が100wt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をP100wt%、Er167が90wt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をP90wt%としたときに、
前記Er167が(90+x)wt%に濃縮されたエルビアの添加量Pwt%を、
P={P100×x+P90×(1−x)}/10
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする請求項13に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、既に求められている2ケースのEr166の存在比が天然エルビアより低くされた濃縮エルビアによるエルビアクレジット量を用いて、当該2ケースの間の濃縮エルビアを用いる場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
Er166がAwt%とされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQawt%、Er166がCwt%(A<C)とされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQcwt%としたときに、
前記Er166がBwt%(A<B<C)とされた濃縮エルビアの添加量Qbwt%を、
Qb=Qc+(Qa−Qc)×(C−B)/(C−A)
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
Er166が0wt%にされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQ0wt%、Er167を濃縮したためEr166が10wt%にされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQ10wt%としたときに、
前記Er166がywt%にされた濃縮エルビアの添加量Qwt%を、
Q={Q0×(1−y)+Q10×y}/10
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする請求項15に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
所定の条件における与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を、前記所定の条件とU235の特定の濃縮度を基に既に計算されている天然エルビアを対象にして既に作成されているエルビアクレジットによる添加量に関するデータを基に計算する方法であって、
前記所定の条件の下で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットによる添加量を天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該核燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、前記天然エルビアを基にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er167の重量率が、当該U235の濃縮度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算するものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
所定の条件における与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を、前記所定の条件とU235の特定の濃縮度を基に既に計算されている天然エルビアを対象にして既に作成されているエルビアクレジットによる添加量に関するデータを基に計算する方法であって、
前記所定の条件の下で、
前記与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットを前記天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該ウラン燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er166を除くエルビアの重量率が、当該U235の濃度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
前記所定の条件の下でなされる、既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法である。
1.エルビアの添加量を求める基本の計算式
まず、エルビアの添加量を求める計算式について説明する。
前記の如く、濃縮エルビアの組成、ウランの濃縮度とも様々なケースが想定される。そこで、最初にエルビアを添加することによる反応度の低下(エルビアペナルティー)と、Er167のみを濃縮して添加することによる反応度の上昇(エルビアペナルティの要因の解消)とを正確に織込んだ数式(計算式)を作成する。
前記の如く、エルビアを添加することによる反応度の低下は以下の2つの要因による。
イ.Er166から生成するEr167及びEr167から生成するEr168の中性子吸収反応。
ロ.エルビアを添加した分ウラン(U235)の重量が減少することによる反応度減。
同じく、Er167を濃縮したエルビアを添加することによる反応度の上昇は以下の要因による。
イ.Er166の中性子吸収で生じたEr167が存在しないため、燃焼末期の中性子吸収が減少する。
ロ.Er167以外のエルビアの同位体が少なくなるため、核燃料中のウラン(特にU235)がその分増加する。
ε:理論的に必要な濃縮エルビアの濃度
εnat:天然エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮したエルビアの同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238)
しかしながら、前記式3は精密ではあるがウラン、エルビアとも多数の同位体を考慮しているため計算が煩雑となる。そこで、本発明では実用性を考慮して、計算の簡略化を行う。次に、計算の簡略化について説明する。
具体的には以下の仮定を設け、計算を簡略化する。
仮定
イ.ウランの同位体は、U235とU238のみとする。
ロ.エルビアの同位体は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする。
ハ.ウランの反応度係数は、式3の左辺と右辺で同一とする(U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違する為、厳密には中性子スペクトル等が相違し、ウランの反応度係数も相違する。
ニ.Er166の除去とEr167の濃縮については、以下の表1で示す2ケースのみとする。なお、表1の数字も全てwt%である。
以上の仮定の下に簡略化された計算方法により、U235濃縮度が6、7、8、9、10%であるときの濃縮エルビアの添加量(濃縮エルビアクレジットによる添加量)を、以下の2つのケースについて計算した例を以下に示す。
ケース1は、表1に示した濃縮エルビアI、即ちEr167が100%と90%の場合と、Er167が90〜100%の場合を内挿で求める場合である。
a.U235の濃縮度が6%の場合について、集合体ラック体系のときのエルビアクレジット(天然エルビアの重量率)を、前記ECOS図から求めた。得られた値0.25%を基に当該ウラン燃料の無限増倍率を計算した。
前記Aと同様に以下の計算を行った。
a.の計算は、Aのaと同じであり、このため天然エルビアの割合も同じである。
次に、Er167の濃度が90〜100%である濃縮エルビアの添加量の計算方法について説明する。
a.直接計算法
Er167の濃度を(90+a)%(0≦a≦10)として、前記ケース1のBに記載した計算手順で直接計算することができることを確認した。
また、前記ケース1のA及びBの計算手順による計算結果を用いて内挿法により添加量を求めることができることを確認した。具体的には、Aの計算手順で求めたEr167が100wt%に濃縮されたエルビアの場合のエルビアクレジットによる添加量をP100wt%、Bの計算手順においてEr167が90wt%に濃縮されたエルビアの場合のエルビアクレジットによる添加量をP90wt%としたときに、
P={P100×a+P90×(1−a)}/10
の式を用いる内挿によりPを求め、これを上記aの直接計算法により求めた添加量と比較したが、良好な精度で一致した。
ケース2は、表1に示した濃縮エルビアII、即ちEr166が0%と10%の場合と、Er166が0〜10%の場合を内挿で求める場合である。
a.U235の濃縮度が6%の場合について、集合体ラック体系のときのエルビアクレジット(天然エルビアの重量率)を、前記ECOS図から求めた。得られた値0.251%を基に当該ウラン燃料の無限増倍率を計算した。
前記Aと同様に以下の計算を行った。
a.の計算は、Aのaと同じである。
次に、Er166の濃度が0〜10%である濃縮エルビアの添加量の計算方法について説明する。
a.直接計算法
Er166の濃度をb%(0≦b≦10)として、前記ケース2のBに記載した計算手順で直接計算することができることを確認した。
b.内挿法
また、前記ケース2のA及びBの計算手順による計算結果を用いて内挿法により添加量を求めることができることを確認した。具体的には、Aの計算手順で求めたEr166が0wt%に濃縮されたエルビアの場合のエルビアクレジットによる添加量をQ0wt%、Bの計算手順で求めたEr166が10wt%に濃縮されたエルビアの場合のエルビアクレジットによる添加量をQ10wt%としたときに、
Q={Q0×(1−b)+Q10×b}/10
の式を用いる内挿によりQを求め、これを上記aの直接計算法により求めた添加量と比較したが、良好な精度で一致した。
反応度係数は、周知の各種の核的性質に基づき求めることができるが、直接計算によってエルビア組成と必要濃度の相関を数点求め、それらをフィッテッリングすることにより反応度係数α、βを求めることもできる。
前記したケース1の計算結果に基づき、Er167が90〜100%の濃縮エルビア用のECOS図を提供することができ、また、ケース2の計算結果に基づき、Er166が0〜10%であり、天然エルビアと同じ比率でEr167とその他のエルビアを含む濃縮エルビア用のECOS図を提供することができる。
以上より、濃縮度が5wt%を超える核燃料に対して5%燃料と等価とするために必要なEr166の濃度が0%−10%である、またはEr167の濃度が90%−100%である濃縮エルビアの添加量を、前記の式3を用いて求める際に、以下の仮定、即ち
イ.ウランの同位体はU235とU238のみとする。
ロ.エルビアの同位体は、Er166、Er167、Er168及びEr170とする。
ハ.ウランの反応度係数は式3の左辺と右辺で同一とする。
という仮定の下に簡略化した方法で計算を行っても、実用上充分な精度が得られることが判明した。
Claims (19)
- 与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記エルビアクレジットによる添加量εを式3に基づき求めることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
但し、ε:濃縮エルビアの添加量
εnat:天然エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビアの同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238) - 前記エルビアクレジットによる添加量εを求めるに際して、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする簡略化と、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする簡略化と、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする簡略化とを行うことを特徴とする請求項1に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法 - 与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照してEr167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記データが作成されたのと同じ核的条件で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットによる添加量を天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該核燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er167の重量率が、当該U235の濃縮度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
但し、ε:濃縮エルビアの添加量
εnat:天然エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮したエルビアの同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238) - 前記既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビアの同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項3に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が90wt%以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が100wt%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアとは、
Er167の存在比が90wt%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照してEr166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
前記データが作成されたのと同じ核的条件で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットを天然エルビアの添加を前提にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該ウラン燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er166を除くエルビアの重量率が、当該U235の濃度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iは、Er164、Er165、Er166、Er167、Er168、Er170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238) - 前記既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項8に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比が10wt%以下であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比がほぼ0wt%であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 前記Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアとは、
Er166の存在比が10wt%であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、既に求められている2ケースの濃縮エルビアによるエルビアクレジット量を用いて、当該2ケースの間の濃縮エルビアを用いる場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
Er167がAwt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をPawt%、Er167がCwt%(A<C)に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をPcwt%としたときに、
前記Er167がBwt%(A<B<C)に濃縮されたエルビアの添加量Pbwt%を、
Pb=Pc+(Pa−Pc)×(C−B)/(C−A)
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - Er167が100wt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をP100wt%、Er167が90wt%に濃縮されたエルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をP90wt%としたときに、
前記Er167が(90+x)wt%に濃縮されたエルビアの添加量Pwt%を、
P={P100×x+P90×(1−x)}/10
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする請求項13に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、既に求められている2ケースのEr166の存在比が天然エルビアより低くされた濃縮エルビアによるエルビアクレジット量を用いて、当該2ケースの間の濃縮エルビアを用いる場合のエルビアクレジットによる添加量を計算する方法であって、
Er166がAwt%とされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQawt%、Er166がCwt%(A<C)とされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQcwt%としたときに、
前記Er166がBwt%(A<B<C)とされた濃縮エルビアの添加量Qbwt%を、
Qb=Qc+(Qa−Qc)×(C−B)/(C−A)
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - Er166が0wt%にされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQ0wt%、Er167を濃縮したためEr166が10wt%にされた濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量をQ10wt%としたときに、
前記Er166がywt%にされた濃縮エルビアの添加量Qwt%を、
Q={Q0×(1−y)+Q10×y}/10
と内挿して求める内挿ステップを有していることを特徴とする請求項15に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。 - 所定の条件における与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er167の存在比が天然エルビア以上である濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を、前記所定の条件とU235の特定の濃縮度を基に既に計算されている天然エルビアを対象にして既に作成されているエルビアクレジットによる添加量に関するデータを基に計算する方法であって、
前記所定の条件の下で、
与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットによる添加量を天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該核燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、前記天然エルビアを基にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er167の重量率が、当該U235の濃縮度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算するものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238) - 所定の条件における与えられたU235の濃縮度を有する核燃料に対して、Er166の存在比が天然エルビアより少なくなった濃縮エルビアを用いた場合のエルビアクレジットによる添加量を、前記所定の条件とU235の特定の濃縮度を基に既に計算されている天然エルビアを対象にして既に作成されているエルビアクレジットによる添加量に関するデータを基に計算する方法であって、
前記所定の条件の下で、
前記与えられたU235の濃縮度の場合のエルビアクレジットを前記天然エルビアの添加を前提にして既に作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して求め、当該ウラン燃料の無限増倍率を求める既知データ使用無限増倍率計算ステップと、
前記与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを、天然エルビアを基にして作成されているエルビアクレジットに関するデータを参照して、Er166を除くエルビアの重量率が、当該U235の濃度における天然エルビアを対象とするデータから定まる重量率と同じになるように添加した場合の無限増倍率を求める第1無限増倍率計算ステップと、
与えられたU235の濃縮度の核燃料中に前記の濃縮エルビアを適当な重量率添加した場合の無限増倍率を求める第2無限増倍率計算ステップと、
前記第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップの計算結果から、内挿あるいは外挿により前記既知データ使用無限増倍率計算ステップで得られた無限増倍率となる前記濃縮エルビアの重量率を求める濃縮エルビア添加量計算ステップ
の各ステップを含む計算ステップによりエルビアクレジットによる添加量が計算され、
前記の既知データ使用無限増倍率計算ステップにおける無限増倍率の計算は、式1を用いて計算され、
前記の第1無限増倍率計算ステップ及び第2無限増倍率計算ステップにおける濃縮エルビアを添加した核燃料の無限増倍率の計算は、式2を用いて計算されるものであることを特徴とする濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
但し、ε :濃縮エルビアの濃度
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
αnat i:天然エルビア同位体の反応度係数(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
νnat i:天然エルビア同位体組成(iはEr164、Er165、Er166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jはU234、U235、U236及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jはU234、U235、U236及びU238) - 前記所定の条件の下でなされる、既知データ使用無限増倍率計算ステップと第1無限増倍率計算ステップと第2無限増倍率計算ステップにおける計算に先立って、
ウランの同位体は、U235とU238のみとする、
U235とエルビアの双方が核燃料全体に占める重量率が相違しても、ウランの反応度係数は同一とする、
天然エルビアの同位体組成は、Er166、Er167、Er168及びEr170の4種とする、
以上3種の簡略化を行い、
その結果、前記式1と式2におけるαi、νi、αnat i、νnat i、βj、μjは各々、
αi:エルビア同位体の反応度係数(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
νi:濃縮エルビア同位体組成(iはEr166、Er167、Er168及びEr170)
βj:ウラン同位体の反応度係数(jは、式1ではU238のみ、式2ではU235及びU238)
μj:ウランの同位体組成(jは、式1ではU238のみであり、Σμi=0.95である。式2ではU235及びU238であり、Σμi=1.0である)
であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の濃縮エルビアクレジットによる添加量計算方法。
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