JP2007308780A - マグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金、及び車両用ホイール - Google Patents

マグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金、及び車両用ホイール Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金及び車両用ホイールにおいて、マグネシウム合金の結晶粒を、更に、微細化することである。
【解決手段】本発明に係るマグネシウム合金の組織制御方法は、マグネシウム合金を歪加工して組織制御するマグネシウム合金の組織制御方法であって、マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工する歪加工工程(S12)と、歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化する再結晶化工程(S14)とを有する。そして、マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することが好ましい。また、組織制御されたマグネシウム合金の結晶粒径は、3μm以上10μm以下である。車両用ホイールは、上記マグネシウム合金を用いて製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金及び車両用ホイールに係り、特に、マグネシウム合金を歪加工して組織制御するマグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金及び車両用ホイールに関する。
マグネシウムまたはマグネシウム合金は、アルミニウムや鉄等よりも比重が小さく軽量であり、単位質量あたりの強度である比強度が高く、被削性等に優れる等の特性を有している。そのため、マグネシウムまたはマグネシウム合金は、車両、例えば、自動車部品、航空機部品、電気電子機器部品等に使用されている。
マグネシウム合金は、自動車用部品として、例えば、ステアリングホイール芯金やロードホイール等の車両用ホイールに使用されている。このようなマグネシウム合金製の車両用ホイールは、マグネシウム合金を鋳造または鍛造加工等することにより製造されている。
ここで、特許文献1には、マグネシウム合金素材を鍛造加工等することにより製造された微細結晶粒組織を有するマグネシウム合金部材が示されている。
特開2003−277899号公報
マグネシウム合金を400℃近傍で鍛造加工等の歪加工を行うと、マグネシウム合金の再結晶が生じた後に結晶粒が成長して、マグネシウム合金の結晶粒が粗大化する場合がある。そして、マグネシウム合金の結晶粒が粗大化すると、引張強度等の機械的特性が低下する場合がある。
そこで本発明の目的は、マグネシウム合金の結晶粒を、更に微細化することができるマグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金及び車両用ホイールを提供することである。
本発明に係るマグネシウム合金の組織制御方法は、マグネシウム合金を歪加工して組織制御するマグネシウム合金の組織制御方法であって、マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工する歪加工工程と、歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化する再結晶化工程とを有することを特徴とする。
本発明に係るマグネシウム合金の組織制御方法において、マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することを特徴とする。
本発明に係る組織制御されたマグネシウム合金は、マグネシウム合金を歪加工して組織制御されたマグネシウム合金であって、マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工し、歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化したことにより組織制御されることを特徴とする。
本発明に係る組織制御されたマグネシウム合金において、組織制御されたマグネシウム合金の結晶粒径は、3μm以上10μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る組織制御されたマグネシウム合金において、マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することを特徴とする。
本発明に係る車両用ホイールは、マグネシウム合金を歪加工して組織制御されたマグネシウム合金であって、マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工し、歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化したことにより組織制御される組織制御されたマグネシウム合金を用いて製造されることを特徴とする。
本発明に係る車両用ホイールは、マグネシウム合金を歪加工して組織制御されたマグネシウム合金であって、組織制御されたマグネシウム合金の結晶粒径は、3μm以上10μm以下である組織制御されたマグネシウム合金を用いて製造されることを特徴とする。
本発明に係る車両用ホイールにおいて、マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することを特徴とする。
上記のように本発明に係るマグネシウム合金の組織制御方法、組織制御されたマグネシウム合金及び車両用ホイールによれば、マグネシウム合金の結晶粒を、更に、微細化することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。図1は、マグネシウム合金の組織制御工程を示す図である。マグネシウム合金の組織制御工程は、マグネシウム合金ビレット製造工程(S10)と、歪加工工程(S12)と、再結晶化工程(S14)とを含んで構成される。
マグネシウム合金ビレット製造工程(S10)は、マグネシウム合金のビレットを製造する工程である。マグネシウム合金には、Mg−Al−Zn系マグネシウム合金、Mg−Zn−Zr系マグネシウム合金、Mg−Mn系マグネシウム合金、Mg−Zn−希土類元素系マグネシウム合金、Mg−Th系マグネシウム合金等を使用することができる。勿論、マグネシウム合金は、上記マグネシウム合金に限定されることはない。また、他の条件次第では、マグネシウム合金だけでなく、合金化されていないマグネシウムを用いることができる。
表1は、使用されるマグネシウム合金の例を示す表である。
表1に示すように、マグネシウム合金には、AZ91、AZ80、AEM600またはMACS5等を用いることができる。MACS5は、特開2005−113260号公報に記載されている耐熱性等を向上させたマグネシウム合金である。
AZ91は、8質量%以上10質量%以下のアルミニウム(Al)と、0.5質量%以上2質量%以下の亜鉛(Zn)とを含有するMg−Al−Zn系マグネシウム合金である。AZ91には、マンガン(Mn)とカルシウム(Ca)とストロンチウム(Sr)と希土類元素(R.E.)とを、表1に示す所定量の範囲で含有してもよい。
AZ80は、7質量%以上8質量%以下のアルミニウム(Al)と、0.1質量%以上2質量%以下の亜鉛(Zn)とを含有するMg−Al−Zn系マグネシウム合金である。AZ80には、マンガン(Mn)とカルシウム(Ca)とストロンチウム(Sr)と希土類元素(R.E.)とを、表1に示す所定量の範囲で含有してもよい。
AEM600は、5質量%以上7質量%以下のアルミニウム(Al)と、0.1質量%以上2質量%以下の亜鉛(Zn)と、0.1質量%以上1.0質量%以下のマンガン(Mn)と、0.1質量%以上3質量%以下の希土類元素(R.E.)とを含有するMg−Al−Zn―Mn―希土類元素系マグネシウム合金である。AEM600には、カルシウム(Ca)とストロンチウム(Sr)とを、表1に示す所定量の範囲で含有してもよい。
MACS5は、6質量%以上10質量%以下のアルミニウム(Al)と、1.8質量%以上5.0質量%以下のカルシウム(Ca)と、0.05質量%以上1.0質量%以下のストロンチウム(Sr)と、0.1質量%以上3質量%以下の希土類元素(R.E.)とを含有するMg−Al−Ca−Sr−希土類元素系マグネシウム合金である。MACS5には、亜鉛(Zn)またはマンガン(Mn)とを、表1に示す所定量の範囲で含有してもよい。
アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)等は、マグネシウム合金の機械的強度等を向上させるために添加される。また、ジルコニウム(Zr)は、マグネシウム合金の結晶粒を微細化させるために添加される。そして、セリウム(Ce)等の希土類元素、カルシウム(Ca)、トリウム(Th)やストロンチウム(Sr)等は、マグネシウム合金中に金属間化合物等を形成してマグネシウム合金の耐熱性等を向上させるために添加される。
ここで、マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することが好ましい。そして、マグネシウム合金は、7質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することが、より好ましい。
マグネシウム合金にアルミニウムを5質量%以上添加するのは、アルミニウムの含有量が5質量%より小さい場合には、マグネシウム合金の機械的強度が低下するからである。そして、マグネシウム合金にアルミニウムを5質量%以上添加するのは、マグネシウム合金の伸びを大きくして、後述するマグネシウム合金の歪加工で割れ等が生じることを抑制するためである。
また、マグネシウム合金にアルミニウムを10質量%以下添加するのは、アルミニウムの含有量が10質量%より多い場合には、マグネシウム合金の耐クリープ特性等が低下するからである。勿論、他の条件次第では、マグネシウム合金へのアルミニウムの含有量は、上記範囲に限定されることはない。
マグネシウム合金は、溶解炉等で加熱されて溶解される。そして、溶融したマグネシウム合金を金型等に鋳造して、マグネシウム合金の鋳塊が製造される。マグネシウム合金の鋳塊は、押出し加工等によりビレットまたはスラブ等に成形される。マグネシウム合金の鋳造用装置は、一般的に、マグネシウム合金の鋳造で行われている鋳造用装置を使用することができる。また、マグネシウム合金の鋳塊をビレットまたはスラブ等に成形するための押出し加工等の装置は、一般的に、マグネシウム合金の押出し加工等に用いられている装置を使用することができる。
歪加工工程(S12)は、マグネシウム合金ビレット製造工程(S10)で製造されたマグネシウム合金のビレットを歪加工する工程である。マグネシウム合金のビレットを歪加工するのは、マグネシウム合金に所定の歪を導入する等のためである。そして、マグネシウム合金に所定の歪を導入することにより、後述する歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させたときに、例えば、新たな結晶粒の生成核を増やすことができるからである。
マグネシウム合金のビレットにおける歪加工は、180℃以上230℃以下で行うことが好ましい。また、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工は、190℃以上210℃以下で行うことが、より好ましい。そして、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工は、200℃で行うことが、更に好ましい。
マグネシウム合金のビレットにおける歪加工を180℃以上で行うのは、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工を180℃より低い温度で行うと、マグネシウム合金に割れ等が生じる場合があるからである。そして、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工を230℃以下で行うのは、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工を230℃よりも高い温度で行うと、マグネシウム合金における結晶粒の粗大化が生じる場合があるからである。
マグネシウム合金のビレットにおける歪加工は、圧延加工等の鍛造加工、ロール加工、プレス加工、絞り加工、曲げ加工または押出し加工等の塑性加工により行うことができる。そして、マグネシウム合金のビレットにおける圧延加工等の鍛造加工、ロール加工、プレス加工、絞り加工、曲げ加工または押出し加工等に用いられる装置には、マグネシウム合金における各々の塑性加工で一般的に使用される装置を用いることができる。勿論、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工は、上記の加工方法に限定されることはない。
マグネシウム合金のビレットにおける歪加工の歪速度または加工速度には、マグネシウム合金の冷間加工等に用いられている歪速度または加工速度を用いることができる。また、マグネシウム合金のビレットにおける歪加工の歪速度または加工速度には、マグネシウム合金の割れ等を更に抑制するために、上記歪速度または上記加工速度よりも遅い速度を用いてもよい。勿論、他の条件次第では、歪速度または加工速度は、これらの歪速度または加工速度に限定されることはない。
マグネシウム合金のビレットにおける歪加工には、マグネシウム合金のビレットにおける潤滑や金型の摩耗抑制のために、潤滑剤を用いてもよい。潤滑剤には、例えば、黒鉛系の固体潤滑剤を使用することができる。勿論、潤滑剤は、上記潤滑剤に限定されることはない。
ロードホイール等のホイールをマグネシウム合金で製造する場合には、上述した、例えば、表1に示すマグネシウム合金で製造されたマグネシウム合金のビレットやスラブ等を、180℃以上230℃以下でプレス加工またはロール加工等により歪加工することによりディスク部やリム部等を加工してホイール予備成形体が一体成形される。
ホイールを分割してマグネシウム合金で製造する場合には、例えば、表1に示すマグネシウム合金で製造されたビレットやスラブ等を、180℃以上230℃以下でプレス加工またはロール加工等により歪加工することにより、ディスク予備成形体及びリム予備成形体が成形される。そして、ホイールのリムを更に分割して製造する場合には、例えば、表1に示すマグネシウム合金で製造されたビレットやスラブ等を、180℃以上230℃以下でプレス加工またはロール加工等により歪加工することによりインナーリム予備成形体及びアウターリム予備成形体が成形される。
図2は、ホイール予備成形体のリム部におけるロール加工を示す図である。図2に示すように、マグネシウム合金のビレット10を、例えば、200℃でロール12によりロール加工してリム部を成形することにより、マグネシウム合金が歪加工されて、マグネシウム合金に所定の歪が導入される。
再結晶化工程(S14)は、歪加工工程(S12)で歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化する工程である。歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化するのは、歪加工されたマグネシウム合金に導入された内部ひずみを開放して、マグネシウム合金に新たな微細な結晶粒を生成させる等のためである。
歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度は、350℃以上500℃以下とすることが好ましい。歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度は、350℃以上450℃以下とすることが、より好ましい。歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度は、400℃とすることが、更に好ましい。
歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度が350℃以上であるのは、再結晶温度が350℃より低い温度では、歪加工されたマグネシウム合金が再結晶化しない場合があるからである。また、歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度が500℃以下であるのは、再結晶温度が500℃より高い温度では、マグネシウム合金の結晶粒が、粗大化する場合があるからである。勿論、他の条件次第では、歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化させるための再結晶温度は、上記温度範囲に限定されることはない。
歪加工されたマグネシウム合金を再結晶温度で熱処理する時間は、30分間以上120分間以下であることが好ましい。歪加工されたマグネシウム合金を再結晶温度で熱処理する時間が30分間以上であるのは、再結晶温度で熱処理する時間が30分間より短いと歪加工されたマグネシウム合金の再結晶化が十分に行われない場合があるからである。また、歪加工されたマグネシウム合金を再結晶温度で熱処理する時間が120分間以下であるのは、再結晶温度で熱処理する時間が120分間より長い場合には、マグネシウム合金の結晶粒が粗大化する場合があるからである。
歪加工されたマグネシウム合金を再結晶化するための熱処理には、一般的に、マグネシウム合金の熱処理に使用される熱処理炉等を使用することができる。勿論、他の条件次第では、上記熱処理炉に限定されることはない。
ロードホイール等のホイールをマグネシウム合金で製造する場合には、歪加工工程(S12)で歪加工されたホイール予備成形体を、再結晶化工程(S14)により再結晶温度で熱処理して再結晶化する。ホイール予備成形体は、350℃以上500℃以下の再結晶温度で、30分間以上120分間以下の熱処理温度で再結晶化される。勿論、他の条件次第では、ホイール予備成形体は、上記再結晶温度、上記熱処理時間に限定されることはない。そして、歪加工して成形されたホイール予備成形体に導入された内部ひずみ等を開放して、ホイール予備成形体におけるマグネシウム合金に新たな微細な結晶粒が生成される。
ホイールを分割してマグネシウム合金で製造する場合には、歪加工工程(S12)で歪加工されたディスク予備成形体とリム予備成形体とを、再結晶化工程(S14)により再結晶温度で熱処理して再結晶化する。ディスク予備成形体とリム予備成形体とは、350℃以上500℃以下の再結晶温度で、30分間以上120分間以下の熱処理温度で再結晶化される。勿論、他の条件次第では、ディスク予備成形体とリム予備成形体とは、上記再結晶温度、上記熱処理時間に限定されることはない。そして、歪加工して成形されたディスク予備成形体とリム予備成形体とに導入された内部ひずみ等を開放して、ディスク予備成形体とリム予備成形体とにおけるマグネシウム合金に新たな微細な結晶粒が生成される。また、リムを更に分割してホイールを製造する場合においても、同様にして、インナーリム予備成形体及びアウターリム予備成形体とを、再結晶化工程(S14)により再結晶温度で熱処理して再結晶化する。
図3は、ホイール予備成形体14におけるマグネシウム合金の再結晶化を示す図である。ホイール予備成形体14におけるマグネシウム合金は、図3に示すように、再結晶温度、例えば、400℃で熱処理することにより再結晶化される。
ホイールを一体成形で製造する場合には、再結晶化工程(S14)で熱処理することにより歪加工されたホイール予備成形体におけるマグネシウム合金の結晶粒が微細化されて車両用ホイールが製造される。
ホイールを分割して製造する場合には、再結晶化工程(S14)で熱処理することによりディスク予備成形体とリム予備成形体におけるマグネシウム合金の結晶粒が微細化されて、ディスクとリムとが製造される。そしてディスクとリムとを溶接やボルト等で接合して組み立てることにより、車両用ホイールが製造される。また、リムを更に分割してホイールを製造する場合においても、同様にして、インナーリム予備成形体及びアウターリム予備成形体を再結晶化工程(S14)で熱処理することにより、インナーリムとアウターリムとが製造される。そしてディスクとインナーリムとアウターリムとを溶接やボルト等で接合して組み立てることにより、車両用ホイールが製造される。
なお、上記構成では、組織制御されたマグネシウム合金を用いて製造された車両用ホイールについて説明したが、車両用ホイールに限定されることなく、他の車両用部品、自動車用部品等についても上記構成における組織制御されたマグネシウム合金により製造することができる。
上記構成によれば、180℃以上230℃以下で歪加工したマグネシウム合金を再結晶化することにより、マグネシウム合金の結晶粒における結晶粒径を3μm以上10μm以下として、マグネシウム合金の結晶粒を微細化することができる。
上記構成によれば、マグネシウム合金の結晶粒を微細化することができるので、マグネシウム合金における引張強度等の機械強度特性や伸び等を、より向上させることができる。
上記構成によれば、マグネシウム合金が、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することによりマグネシウム合金の伸びを大きくして、歪加工時の割れ等を抑制することができる。
上記構成によれば、車両用ホイールを結晶粒が微細化されたマグネシウム合金で製造することができるので、車両用ホイールにおける引張強度等の機械強度特性や伸び等をより向上させることができる。
上記構成によれば、車両用ホイールの強度をより向上させることで、車両用ホイールを、更に軽量化することができる。
上記構成により組織制御されたマグネシウム合金を製造して、組織制御されたマグネシウム合金における結晶粒の結晶粒径と機械強度特性とを評価した。
まず、マグネシウム合金ビレット製造工程(S10)で、マグネシウム合金のビレットを製造した。使用したマグネシウム合金は、上述した表1に示すMg合金AZ80である。そして、Mg合金AZ80を溶解炉等で溶解した後に、溶融したMg合金AZ80を鋳造して、Mg合金AZ80のビレットを製造した。
次に、歪加工工程(S12)により、Mg合金AZ80のビレットを歪加工した。歪加工は、Mg合金AZ80のビレットを180℃以上230℃以下で所定の形状に鍛造加工することにより行った。
歪加工工程(S12)の後、再結晶化工程(S14)により、鍛造加工したMg合金AZ80を熱処理して再結晶化した。鍛造加工したMg合金AZ80の再結晶化は、再結晶温度400℃で熱処理することにより行った。以上により、実施例Mg合金AZ80の製造を行った。
また、比較例として、マグネシウム合金のビレットをMg合金AZ80で製造した後、Mg合金AZ80のビレットを400℃で鍛造加工して、比較例Mg合金AZ80を製造した。
次に、実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80とについて、金属顕微鏡等により金属組織観察を行い、各々のMg合金AZ80における結晶粒の結晶粒径を比較した。図4は、実施例Mg合金AZ80の金属組織を示す写真である。図4に示すように、実施例Mg合金AZ80における結晶粒は微細化されており、結晶粒の結晶粒径は、3μm以上10μm以下であった。そして、図5は、比較例Mg合金AZ80の金属組織を示す写真である。図5に示すように、比較例Mg合金AZ80における結晶粒は粗大化しており(図5の矢印部)、結晶粒の結晶粒径は、10μm以上20μm以下であった。
金属組織観察結果から、Mg合金AZ80のビレットを200℃で歪加工して、400℃で再結晶化した実施例Mg合金AZ80は、400℃で歪加工した比較例Mg合金AZ80よりも、結晶粒が微細化されていることがわかった。
実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80とを所定の引張試験形状に機械加工し、ASTMに規定される金属材料の引張試験方法により実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80とについて引張試験を行った。
図6は、実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80との引張試験結果を示す図である。図6において、横軸には、実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80とにおける結晶粒の結晶粒径を取り、縦軸には、実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80とにおける引張強度を取り、結晶粒径と引張強度との関係を表している。図6において、白三角印と×印とは、実施例Mg合金AZ80のデータを示しており、黒四角印と黒菱形印とは、比較例Mg合金AZ80のデータを示している。
実施例Mg合金AZ80の引張強度は、68MPa以上77MPa以下であった。そして、結晶粒径が4.5μm以上5.5μm以下である実施例Mg合金AZ80の引張強度は、72MPa以上77MPa以下であった。また、比較例Mg合金AZ80の引張強度は、62MPa以上67MPa以下であった。
上記引張試験結果によれば、Mg合金AZ80のビレットを200℃で歪加工して、400℃で再結晶化した実施例Mg合金AZ80は、400℃で歪加工した比較例Mg合金AZ80よりも高い引張強度が得られることがわかった。これは、実施例Mg合金AZ80の結晶粒径は、比較例Mg合金AZ80の結晶粒径よりも小さく、結晶粒が微細化されたことによるからである。
本発明の実施の形態において、マグネシウム合金の組織制御工程を示す図である。 本発明の実施の形態において、ホイール予備成形体のリム部におけるロール加工を示す図である。 本発明の実施の形態において、ホイール予備成形体におけるマグネシウム合金の再結晶化を示す図である。 本発明の実施の形態において、実施例Mg合金AZ80の金属組織を示す写真である。 比較例Mg合金AZ80の金属組織を示す写真である。 本発明の実施の形態において、実施例Mg合金AZ80と比較例Mg合金AZ80との引張試験結果を示す図である。
符号の説明
10 マグネシウム合金のビレット、12 ロール、14 ホイール予備成形体。

Claims (6)

  1. マグネシウム合金を歪加工して組織制御するマグネシウム合金の組織制御方法であって、
    マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工する歪加工工程と、
    歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化する再結晶化工程と、
    を有することを特徴とするマグネシウム合金の組織制御方法。
  2. 請求項1に記載のマグネシウム合金の組織制御方法であって、
    マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することを特徴とするマグネシウム合金の組織制御方法。
  3. マグネシウム合金を歪加工して組織制御されたマグネシウム合金であって、
    マグネシウム合金を180℃以上230℃以下で歪加工し、
    歪加工されたマグネシウム合金を、再結晶温度で熱処理して再結晶化したことにより組織制御されることを特徴とする組織制御されたマグネシウム合金。
  4. マグネシウム合金を歪加工して組織制御されたマグネシウム合金であって、
    組織制御されたマグネシウム合金の結晶粒径は、3μm以上10μm以下であることを特徴とする組織制御されたマグネシウム合金。
  5. 請求項3または4に記載の組織制御されたマグネシウム合金であって、
    マグネシウム合金は、5質量%以上10質量%以下のアルミニウムを含有することを特徴とする組織制御されたマグネシウム合金。
  6. 請求項3から5のいずれか1に記載の組織制御されたマグネシウム合金を用いて製造されることを特徴とする車両用ホイール。

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010067626A1 (ja) 2008-12-11 2010-06-17 ワシマイヤー株式会社 ホイール及びその製造方法
WO2011118127A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 株式会社豊田自動織機 マグネシウム系材料の処理方法およびマグネシウム合金部材
JP2016026887A (ja) * 2011-06-28 2016-02-18 国立大学法人電気通信大学 高強度マグネシウム合金材料を製造する方法およびマグネシウム合金製の棒材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010067626A1 (ja) 2008-12-11 2010-06-17 ワシマイヤー株式会社 ホイール及びその製造方法
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JP2016026887A (ja) * 2011-06-28 2016-02-18 国立大学法人電気通信大学 高強度マグネシウム合金材料を製造する方法およびマグネシウム合金製の棒材

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