JP2007308758A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緻密かつ均一な膜を高い成膜速度にて形成することができる成膜装置及び成膜方法を提供すること。
【解決手段】成膜対象となる基材5を配置する真空槽11内にプラズマを発生するプラズマ発生手段2と、プラズマ発生手段2によって発生させたプラズマを基材5の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成するマルチカスプ磁界発生手段3と、基材5を保持すると共に閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転する保持回転手段4とを有することを特徴とする成膜装置1。真空槽11内に、プラズマを発生させると共に、プラズマを基材5の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成し、基材5を閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転させながら、基材5の表面に成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVDによって基材の表面に薄膜を形成する成膜装置及び成膜方法に関する。
鋼等の金属部材の表面に耐摩耗性や耐焼き付き性等の特性付与を目的として、TiN(窒化チタン)、CrN(窒化クロム),TiC(炭化チタン)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の硬質膜を成膜することがある。これらの成膜を行う方法として、プラズマCVDがある。
プラズマCVDにおいては一般に100Pa以上の圧力が必要とされている。これは低圧にするとプラズマ密度が低下し、それに伴って成膜速度が低下し、実用レベルに達しないためである。
一方、成膜時の圧力は膜の緻密さに影響し、低圧で成膜するほど、緻密で高品位な膜の成膜が可能となる。ところが、成膜速度を実用レベルに維持すべく、成膜時の圧力を高くして、膜の緻密化を図ることは困難である。
そこでマイクロ波やプラズマ銃を用いることで、イオン化率の向上を図り、10Pa以下の低圧下で実用レベルの成膜速度を得る方法が提案されている。
しかし、これらの手法には指向性があるため、基材、特に複雑形状の基材表面における周囲のプラズマ密度向上は困難であり、実用レベルの成膜速度を得ることは難しいという問題がある。
また、マルチカスプ磁界によってプラズマを基材の周囲に閉じ込めることにより、低圧でも成膜速度を向上させることができるようにした、プラズマCVDが開示されている(特許文献1参照)。
しかし、この方法においては、プラズマの密度にどうしてもバラツキが生じてしまい、基材における表面位置によって、膜厚にバラツキが生じてしまうという問題がある。そして、例えば燃料噴射ノズルの表面等、膜厚精度を高くする必要がある基材への成膜を行う場合には、膜厚のバラツキ制御を厳しく行う必要がある。
特許第3142408号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたもので、緻密かつ均一な膜を高い成膜速度にて形成することができる成膜装置及び成膜方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、成膜対象となる基材を配置する真空槽内にプラズマを発生するプラズマ発生手段と、
該プラズマ発生手段によって発生させたプラズマを上記基材の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成するマルチカスプ磁界発生手段と、
上記基材を保持すると共に上記閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転する保持回転手段とを有することを特徴とする成膜装置にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記成膜装置は上記マルチカスプ磁界発生手段を有するため、マルチカスプ磁界によって基材の周辺領域の閉込め空間にプラズマを閉じ込めることができる。それ故、基材周辺のプラズマ密度を高くすることができ、成膜速度を向上させることができる。
また、このようにマルチカスプ磁界を用いることによって成膜速度を向上させることができるため、特に真空槽内の圧力を高くする必要がない。これにより、低圧化での成膜が可能となり、膜の緻密化を図ることが可能となる。
ここで、マルチカスプ磁界は、必ずしも一様に形成されるわけではないため、マルチカスプ磁界による閉込め空間においても、プラズマ密度のバラツキが生じる。そのため、仮に、基材が静止した状態で成膜を行えば、基材の表面位置によって膜厚のバラツキが生じるおそれがある。また、複数の基材に対して成膜を行う場合には、基材間での膜厚のバラツキを招くおそれがある。
そこで、上記成膜装置は上記保持回転手段を有する。この保持回転手段によって、閉込め空間の中心近傍を中心軸として上記基材を回転させることができる。これにより、基材の表面を、マルチカスプ磁界の内側の閉込め空間において、種々の方向に向けながら成膜を行うことができる。それ故、閉込め空間にプラズマ密度のバラツキがあっても、膜厚のバラツキを抑制することができ、均一な成膜を行うことができる。
以上のごとく、本発明によれば、緻密かつ均一な膜を高い成膜速度にて形成することができる成膜装置を提供することができる。
第2の発明は、成膜対象となる基材を配置した真空槽内に、プラズマを発生させると共に、該プラズマを上記基材の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成し、上記基材を上記閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転させながら、上記基材の表面に成膜を行うことを特徴とする成膜方法にある(請求項6)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記成膜方法においては、マルチカスプ磁界によって基材の周辺領域にプラズマを閉じ込めることができる。それ故、基材周辺のプラズマ密度を高くすることができ、成膜速度を向上させることができる。
また、このようにマルチカスプ磁界を用いることによって成膜速度を向上させることができるため、特に真空槽内の圧力を高くする必要がなく、膜の緻密化を図ることが可能となる。
そして、上記基材を上記閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転させながら、上記基材の表面に成膜を行うため、基材の表面を、閉込め空間において種々の方向に向けながら成膜を行うことができる。それ故、閉込め空間にプラズマ密度のバラツキがあっても、膜厚のバラツキを抑制することができ、均一な成膜を行うことができる。
以上のごとく、本発明によれば、緻密かつ均一な膜を高い成膜速度にて形成することができる成膜方法を提供することができる。
上記第1の発明(請求項1)及び上記第2の発明(請求項6)において、成膜対象となる上記基材としては、例えば、鋼材等からなる精密部品等がある。上記鋼材としては、例えばSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)等があり、上記精密部品としては、例えばディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル等がある。
また、上記成膜装置及び上記成膜方法によって成膜する膜としては、例えば、TiN(窒化チタン)、CrN(窒化クロム),TiC(炭化チタン)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等がある。
次に、上記第1の発明において、上記プラズマ発生手段は、上記基材にバイアス電圧を直接印加することによってプラズマを発生させることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記基材の周囲にプラズマを発生させやすくなる。
また、上記マルチカスプ磁界発生手段は、複数の永久磁石によって構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記マルチカスプ磁界発生手段を、安価かつ簡単な構成とすることができる。
なお、上記マルチカスプ磁界発生手段を、複数の電磁石によって構成することもできる。
また、上記成膜装置は、上記真空槽の圧力が10Pa以下の状態において成膜することができるよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、より緻密な膜を形成することができる。
上記真空槽の圧力が10Paを超える場合には、膜の緻密化が不充分となるおそれがある。
また、上記保持回転手段は、上記基材の被成膜面の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を有するものとすることができる(請求項5)。
この場合には、基材の被成膜面をプラズマの閉込め空間において種々の方向に向けながら、成膜を行うことができる。これにより、閉込め空間におけるプラズマ密度が、基材に対する位置によってバラツキがある場合にも、均一な成膜を行うことができる。
次に、上記第2の発明において、上記基材にバイアス電圧を直接印加することによって、上記プラズマを発生させることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記基材の周囲にプラズマを発生させやすくなる。
また、上記マルチカスプ磁界は、複数の永久磁石を用いて形成することが好ましい(請求項8)。
この場合には、安価かつ容易に、マルチカスプ磁界を形成することができる。
また、上記真空槽の圧力が10Pa以下の状態において成膜することが好ましい(請求項9)。
この場合には、より緻密な膜を形成することができる。
また、上記基材は、該基材の被成膜面の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を中心に回転させることができる(請求項10)。
この場合には、基材の被成膜面をプラズマの閉込め空間において種々の方向に向けながら、成膜を行うことができる。これにより、閉込め空間におけるプラズマ密度が、基材に対する位置によってバラツキがある場合にも、均一な成膜を行うことができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る成膜装置及び成膜方法につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の成膜装置1は、図1に示すごとく、以下のプラズマ発生手段2と、マルチカスプ磁界発生手段3と、保持回転手段4とを有する。
プラズマ発生手段2は、成膜対象となる基材5を配置する真空槽11内にプラズマを発生する。マルチカスプ磁界発生手段3は、図4に示すごとく、プラズマ発生手段2によって発生させたプラズマを基材5の周辺の閉込め空間12に閉じ込めるマルチカスプ磁界Eを形成する。
保持回転手段4は、基材5を保持すると共に上記閉込め空間12の中心近傍を中心軸として回転する。
また、プラズマ発生手段2は、基材5にバイアス電圧を直接印加することによってプラズマを発生させる。
また、本例の成膜装置1は、真空槽11の圧力が10Pa以下の状態において成膜することができるよう構成されている。
また、保持回転手段4は、基材5の被成膜面51の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を有する。
本例においては、基材5は、図2に示すごとく、略円柱形状を有しており、その側面に被成膜面51を有する。そして、円柱形状の中心軸が上記回転軸となるようにする。
真空槽11は、図1、図4に示すごとく、平面視円形状に構成されており、その外周にマルチカスプ磁界発生手段3を構成する複数の永久磁石3N、3Sが配設されている。即ち、N極の永久磁石3NとS極の永久磁石3Sとが、真空槽11の外周の全周に渡って、交互に等間隔に配設されている。これにより、図4に示すごとく、真空槽11において、永久磁石3Nからこれに隣接する永久磁石3Sへ向かう磁力線E1が形成され、マルチカスプ磁界Eが形成される。
また、保持回転手段4は、真空槽11の中心部に配置され、真空槽11の中心を回転軸として回転するよう構成された一次回転部41と、該一次回転部42に設置され、該一次回転部41に対して回転する複数の二次回転部42とを有する。そして、該二次回転部42が、基材5を保持する。
これにより、真空槽11内において、基材5は、二次回転部42によって自転する(矢印J)と共に一次回転部41によって公転する(矢印K)。
また、図1に示すごとく、成膜装置1は、真空槽11内を昇温するためのヒータ13と、真空槽11内にガスを導入するガス導入管14を複数有する。また、真空槽11内には、フィラメント電子源15及びスパッタ源16を設けてある。なお、フィラメント電子源15の代わりにプラズマ銃を設置してもよい。
以下に、本例の成膜装置1を用いた成膜方法の一例につき、具体的に説明する。
ここでは、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)からなる基材5の被成膜面51に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる皮膜を成形する例を説明する。
まず、保持回転手段4における二次回転部42に基材5を固定する。即ち、円柱形状の基材5の一方の端部を二次回転部42に固定し、二次回転部42の回転軸が基材5の中心軸に一致するようにする。
そして、保持回転手段4の一次回転部41及び二次回転部42を回転させ、基材5を自公転させながら以下の工程を行う。
基材5をセットした後、真空槽11内の清浄度を上げるため、0.1Pa以下、好ましくは0.01Pa以下まで真空排気する。
更に真空槽11内の清浄度を上げると共に、基材5の被成膜面51を活性化するため、ヒータ13による予熱を実施する。予熱温度および予熱時間は、基材5の被成膜面51が100℃以上になるように調整する。
次いで、ガス導入管14から真空槽11内にArガスを導入し、フィラメント電子源15にてイオン化する。さらに基材5に、バイアス電源を用いてバイアス電圧をかけることにより、Arイオンを基材5に衝突させ基材5の被成膜面51を活性化する。なおイオン種はH、Ne等でもよく、イオン化する手法としては、プラズマ銃等を用いても良い。
基材5に対するDLCの密着力を向上するため、基材5の被成膜面51に、スパッタ源16を用いCrからなる中間層52を成膜する。中間層52に用いる元素としては、Cr以外にも、Fe基材上にDLCを成膜する際に一般に使用される、WC、Ti、Si等を用いれば良く、これらの単相でも混相でも良い。また中間層52の成膜法として、アークイオンプレーティング法を用いても良い。
次いで、ガス導入管14から、ArおよびC22を真空槽11内に導入し、保持回転手段4に直結したプラズマ発生手段2としてのDCパルス電源を用いて、−200V以下のバイアス電圧を印加することによりプラズマを発生させ、DLC層53を成膜する。この際、ArおよびC22の流量は、Ar=1に対しC22=0.1〜10の範囲に調整するとともに、真空槽11内の圧力を0.01〜1Paに調整する。
なおDLCの成膜に用いるガスは、CH4、C26、C38、C410、TMS等のC−H基を持つC22以外のガスでも良い。またプラズマ発生手段2はバイポーラ、高周波等の電源でも良い。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記成膜装置1は上記マルチカスプ磁界発生手段3を有するため、図4に示すごとく、マルチカスプ磁界Eによって基材5の周辺領域の閉込め空間12にプラズマを閉じ込めることができる。即ち、マルチカスプ磁界Eが真空槽11内の外周部に形成されると、図5に示すごとく、外周部に逃げようとするイオンiは、マルチカスプ磁界Eの磁力線E1に巻き付くように動く。これにより外側へ逃げるイオンの量が減少し、基材5周辺のイオン(プラズマ)密度を向上させることができる。
このようにして、基材5周辺のプラズマ密度を高くすることにより、成膜速度を向上させることができる。
また、このようにマルチカスプ磁界Eを用いることによって成膜速度を向上させることができるため、特に真空槽11内の圧力を高くする必要がない。これにより、低圧化での成膜が可能となり、膜の緻密化を図ることが可能となる。
ここで、マルチカスプ磁界Eは、必ずしも一様に形成されるわけではないため、マルチカスプ磁界Eによる閉込め空間12においても、プラズマ密度のバラツキが生じる。そのため、仮に、基材5が静止した状態で成膜を行えば、基材5の表面位置によって膜厚のバラツキが生じるおそれがある。また、複数の基材5に対して成膜を行う場合には、基材5間での膜厚のバラツキを招くおそれがある。
そこで、上記成膜装置1は上記保持回転手段4を有する。この保持回転手段4によって、閉込め空間12の中心近傍を中心軸として上記基材5を回転させることができる。これにより、基材5の表面を、マルチカスプ磁界Eの内側の閉込め空間12において、種々の方向に向けながら成膜を行うことができる。それ故、閉込め空間12にプラズマ密度のバラツキがあっても、膜厚のバラツキを抑制することができ、均一な成膜を行うことができる。
また、プラズマ発生手段2は、基材5にバイアス電圧を直接印加することによってプラズマを発生させるため、基材5の周囲にプラズマを発生させやすくなる。
また、マルチカスプ磁界発生手段3は、複数の永久磁石3N、3Sによって構成されているため、マルチカスプ磁界発生手段3を、安価かつ簡単な構成とすることができる。
また、真空槽11の圧力が10Pa以下の状態において成膜するため、より緻密な膜を形成することができる。
また、保持回転手段4は、基材5の被成膜面51の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を有する。そのため、基材5の被成膜面51をプラズマの閉込め空間12において種々の方向に向けながら、成膜を行うことができる。これにより、閉込め空間12におけるプラズマ密度が、基材5に対する位置によってバラツキがある場合にも、均一な成膜を行うことができる。
以上のごとく、本例によれば、緻密かつ均一な膜を高い成膜速度にて形成することができる成膜装置及び成膜方法を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図6に示すごとく、本発明の成膜装置および成膜方法の効果を確認した例である。
即ち、実施例1において示した基材5(図2)に対してDLC膜53を成膜したときの膜厚及びそのバラツキを、以下の3種類の成膜方法について比較した。
第1の成膜方法は、本発明の成膜方法であって、実施例1に示すごとく、マルチカスプ磁界を形成すると共に基材5を自公転させながら成膜を行う方法である。
第2の成膜方法は、マルチカスプ磁界を形成し、基材5を静止させた状態で成膜を行う方法である。
第3の成膜方法は、マルチカスプ磁界を形成せず、基材5を静止させた状態で成膜を行う方法である。
また、いずれの成膜方法においても、真空槽11の圧力等の各種条件は、実施例1に示した条件に準ずる。また、成膜時間は3時間とした。
また、基材5は直径5mm、長さ50mmの円柱形状を有する。そして、図2に示すごとく、各基材5における周方向に等間隔に位置する4箇所であって長さ方向の中心点Pにおいて、DLC膜の膜厚を測定した。即ち、基材5の周方向に関しては、任意の基準点(0°)から、0°、90°、180°、270°の位置において、それぞれ膜厚を測定した。
その結果を図6に示す。第1の成膜方法の場合の結果を曲線L1、第2の成膜方法の場合の結果を曲線L2、第3の成膜方法の場合の結果を曲線L3に示す。
同図より分かるように、第3の成膜方法によると、膜厚が小さく、成膜速度が遅い。これに対し、第1、第2の成膜方法によれば、成膜速度が向上する。しかし、第2の成膜方法の場合には、測定位置による膜厚のバラツキが大きい。一方、第1の成膜方法によれば、測定位置にかかわらず膜厚が均一である。
以上のごとく、第1の成膜方法、即ち、マルチカスプ磁界を形成すると共に基材5を自公転させながら成膜を行う本発明の成膜方法によれば、高い成膜速度にて、膜厚の均一化を図ることができる。
なお、実施例1においては、基材5として円柱形状のものを示したが、本発明の基材は円柱形状に限られることはない。ただし、本発明の成膜装置及び成膜方法は、回転軸に直交する(或いは角度を有する)法線を有する被成膜面を備えた形状を有する基材に適している。
また、保持回転手段4として、一次回転部41と二次回転部42とからなるものを示したが、例えば、一次回転部41のみとして、これに基材を直接保持させてもよい。また、実施例1に示した二次回転部42に、該二次回転部42に対して回転する三次回転部を更に設置して、この三次回転部に基材を保持させてもよい。また、場合によっては、更に回転部を多重に配置することもできる。
実施例1における、成膜装置の平面説明図。 実施例1における、基材の平面図及び側面図。 実施例1における、基材の被成膜面に成膜されたDLC層の説明図。 実施例1における、マルチカスプ磁界を磁力線を表した成膜装置の平面説明図。 実施例1における、磁力線とイオンの動きの説明図。 実施例2における、膜厚の測定結果を示す線図。
符号の説明
1 成膜装置
11 真空槽
12 閉込め空間
2 プラズマ発生手段
3 マルチカスプ磁界発生手段
4 保持回転手段
5 基材

Claims (10)

  1. 成膜対象となる基材を配置する真空槽内にプラズマを発生するプラズマ発生手段と、
    該プラズマ発生手段によって発生させたプラズマを上記基材の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成するマルチカスプ磁界発生手段と、
    上記基材を保持すると共に上記閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転する保持回転手段とを有することを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1において、上記プラズマ発生手段は、上記基材にバイアス電圧を直接印加することによってプラズマを発生させることを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1又は2において、上記マルチカスプ磁界発生手段は、複数の永久磁石によって構成されていることを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記真空槽の圧力が10Pa以下の状態において成膜することができるよう構成されていることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記保持回転手段は、上記基材の被成膜面の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を有することを特徴とする成膜装置。
  6. 成膜対象となる基材を配置した真空槽内に、プラズマを発生させると共に、該プラズマを上記基材の周辺の閉込め空間に閉じ込めるマルチカスプ磁界を形成し、上記基材を上記閉込め空間の中心近傍を中心軸として回転させながら、上記基材の表面に成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
  7. 請求項6において、上記基材にバイアス電圧を直接印加することによって、上記プラズマを発生させることを特徴とする成膜方法。
  8. 請求項6又は7において、上記マルチカスプ磁界は、複数の永久磁石を用いて形成することを特徴とする成膜方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項において、上記真空槽の圧力が10Pa以下の状態において成膜することを特徴とする成膜方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項において、上記基材は、該基材の被成膜面の法線方向に対して略直交する方向の回転軸を中心に回転させることを特徴とする成膜方法。
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