JP3142408B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

Info

Publication number
JP3142408B2
JP3142408B2 JP05026267A JP2626793A JP3142408B2 JP 3142408 B2 JP3142408 B2 JP 3142408B2 JP 05026267 A JP05026267 A JP 05026267A JP 2626793 A JP2626793 A JP 2626793A JP 3142408 B2 JP3142408 B2 JP 3142408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
magnetic field
generating means
plasma processing
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05026267A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06223997A (ja
Inventor
久雄 師岡
正美 小栗山
英明 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP05026267A priority Critical patent/JP3142408B2/ja
Publication of JPH06223997A publication Critical patent/JPH06223997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3142408B2 publication Critical patent/JP3142408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマCVDやプラ
ズマエッチング等のプラズマ処理を行なうプラズマ処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド薄膜やアモルファスSi薄
膜の形成には、プラズマCVDが用いられている。ま
た、半導体素子等の製造に必要とされる微細パターンの
形成にも、プラズマを用いたエッチングが用いられてい
る。
【0003】プラズマCVDやプラズマエッチングなど
のプラズマ処理におけるプラズマ発生源としては、例え
ば特開昭64−65843号公報に開示されているよう
な有磁場マイクロ波プラズマ生成、特にエレクトロン・
サイクロトロン・レゾナンス(ECR)を利用したプラ
ズマ生成手段や、このほか高周波誘導加熱や直流プラズ
マ等を利用したプラズマ生成手段等が挙げられる。これ
らのうち、高密度の電子が得られて処理速度が高いこと
から、ECR等の有磁場マイクロ波を用いるものが注目
されている。
【0004】ECR型プラズマ生成装置は、電界と磁界
との相互作用により共鳴的に電子を加速し、この電子の
衝突によりガスをプラズマ化するものである。また、こ
のように生成したプラズマから、イオン引き出し電極等
の制御電極により所望のイオンを取り出す方法も知られ
ている(特開昭60−103099号公報)。
【0005】プラズマCVDは、このようにして生成さ
れたプラズマ中のイオン、ラジカル等の電離・解離種を
基板上に堆積させることにより成膜を行なうものであ
る。また、特開昭64−65843号公報に示されるよ
うに、このプラズマから電子を引き出し、引き出された
電子を原料ガスに衝突させてプラズマ化し、発生したイ
オン、ラジカル等を基板上に堆積させることもできる。
プラズマエッチングは、上記のようにして得られたプラ
ズマから、イオン、ラジカル等を被処理体に衝突させて
エッチングを行なうものである。
【0006】ところで、プラズマ中では、電子は中性粒
子と衝突してもエネルギーをほとんど失わない。また、
イオンや中性粒子は衝突の際、ほとんどのエネルギーを
失うので、イオンおよび中性粒子の温度TiおよびTn
はTi≒Tnの関係となっている。このため衝突周波数
の小さい低気圧放電を行うときには電子温度TeはTe
>>Tiとなり、プラズマCVDは生じなくなる。一
方、高気圧放電では、衝突周波数が大きくなるので各粒
子の温度は均等化し、エネルギや速度が増大し、プラズ
マCVDが可能となってくる。
【0007】実際、ダイヤモンドのプラズマCVDで
は、通常100 〜102 Torrの動作圧力が必要であり、
10-2Torr以下ではプラズマCVDは不可能であるとさ
れている。しかし、100 〜102 Torrの高気圧放電で
は、局在化プラズマを使用せざるを得ず、大面積のプラ
ズマ処理は不可能となる。一方、電離・解離種は基板表
面に入射し、基板の熱エネルギを受け取り、化学反応を
起こし、成膜やエッチングが行われるので、基板温度を
高温とすれば低圧としてもCVDは可能となり、若干大
面積化が可能となるが、基板温度の上昇は同時に膜欠陥
も生じ、好ましくない。
【0008】ところで、プラズマCVD等のプラズマ処
理を行なう際、プラズマを所定空間内に保持あるいは閉
じ込めておくと、上記処理を効果的に行なうことが知ら
れている。
【0009】このようなプラズマの閉じ込めは、通常、
基板を中心とした同一円周上に周方向に間隔を置かれて
配置された複数の磁石からなり、この複数の磁石によっ
て形成されるマルチカスプ磁界により、発生したプラズ
マを閉じ込めるプラズマ閉じ込め空間を形成するマルチ
カスプ磁界発生装置が使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなマルチカスプ磁界発生装置により、プラズマを閉
じ込めておく場合には、処理環境の変化により、処理に
バラツキが発生することがあった。
【0011】そこで、本発明は、安定して処理を行なう
ことができるプラズマ処理装置を提供することを目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、誠意研究を行なったところ、プラズマ
処理の変動は、マルチカスプ磁界発生装置によるプラズ
マ閉じ込め空間の圧力変動によるところが大ききことが
判明し、そしてこの処理の変動は、マルチカスプ磁界発
生装置により発生されるマルチカスプ磁界の半径を制御
することにより補償することができることが判明した。
【0013】本発明は、この知見に基づくものであり、
上記の目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成
される。
【0014】(1)プラズマ発生手段と、基板を保持す
る基板保持手段と、前記基板を中心とした同一円周上に
周方向に間隔を置かれて配置された複数の磁石を有し、
発生したプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め空間を
形成するマルチカスプ磁界発生手段と、このマルチカス
プ磁界発生手段の各磁石を前記基板を中心として半径方
向に移動させるための移動手段とを備えていることを特
徴とするプラズマ処理装置。 (2)前記マルチカスプ磁界発生手段の磁石が永久磁石
である上記(1)のプラズマ処理装置。 (3)前記プラズマ閉じ込め空間の圧力を検出する圧力
検出手段を更に備え、前記移動手段は、前記圧力検出手
段で検出された圧力に基づき前記磁石を前記半径方向に
移動させるようになっている上記(1)または(2)の
プラズマ処理装置。 (4)前記移動手段は、前記圧力が低くなるにしたがっ
て、前記磁石を前記半径方向外方に移動させるようにな
っている上記(1)ないし(3)のいずれかのプラズマ
処理装置。 (5)前記移動手段は、前記マルチカスプ磁界発生手段
の全ての磁石を同期して移動させるようになっている上
記(1)ないし(4)のいずれかのプラズマ処理装置。 (6)原料中性粒子ガスの導入手段と、この導入された
ガスを加熱体に衝突させて加速する加速手段とを有し、
前記プラズマ発生手段が、この加速手段により加速され
たガスを電離・解離してプラズマを発生させるものであ
る上記(1)ないし(5)のいずれかのプラズマ処理装
置。 (7)前記プラズマ発生手段が、有磁場マイクロ波プラ
ズマ生成手段である上記(1)ないし(6)のいずれか
のプラズマ処理装置。 (8)動作圧力が10ー1Torr以下である上記(7)のプ
ラズマ処理装置。
【0015】
【作用および効果】本発明によれば、プラズマ閉じ込め
空間の半径を自由に調節することができ、これにより処
理速度等を制御するこができるようになる。
【0016】また、プラズマ閉じ込め空間の圧力が変動
した場合には、それに伴ったプラズマ閉じ込め空間の半
径の値の制御を行なうことにより、処理にバラツキが生
じてしまうことを防止することができる。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。図1および図2には、本発明のプラズマ処
理装置の好適実施例が示される。
【0018】図1および図2に示されるプラズマ処理装
置1は、真空系8内にプラズマ生成室7を有し、このプ
ラズマ生成室7に連通して原料ガス導入管2を設ける。
プラズマ生成室7には、マイクロ波電源(図示せず)と
接続された導波管9がマイクロ波導入窓を介して設けら
れており、また、プラズマ生成室7の外周には磁石とし
てヘルムホルツ型の電磁石4が設けられており、これら
がエレクトロン・サイクロトロン・レゾナンス(以下、
ECR)型等の有磁場マイクロ波プラズマ生成手段を構
成している。また、真空系8内には、真空排気口が設け
られ、所定の動作圧力とすることができる。
【0019】また、プラズマ生成室7の下方の真空系8
には、基板5を保持する基板ホルダ6が上下報告に移動
可能に設けられており、所定の基板温度に加熱した状態
で、真空系8の所定の位置に配置できるようにされてい
る。
【0020】上記真空系8の周囲には、マルチカスプ磁
界発生装置10が配置されている。このマルチカスプ磁
界発生装置10は、上記基板5を中心とした同一円周上
に、周方向に等間隔で配置された多数の永久磁石11か
らなるものである。図示した実施例においては、16極
のものを示した。なお、隣合った磁石同士の極性は交互
に反転されている。
【0021】上記マルチカスプ磁界発生装置10は、上
記の構造によって図3および図4に示したようなマルチ
カスプ磁界10aを発生を発生し、このマルチカスプ磁
界発生装置10a中にプラズマを閉じ込める。なお、図
5には、 磁石断面寸法 20×20mm 直径 265mm 極数 16極 材質 Nb系金属磁石 の構造を持つマルチカスプ磁界発生装置10によって形
成されるマルチカスプ磁界の磁場強度の等高線を示し
た。この図5において、等高線E1〜E12は、それぞ
れ0.0×10-1、0.2×10-1、0.4×10-1
0.6×10-1、0.8×10-1、1.0×10-1
1.2×10-1、1.4×10-1、1.6×10-1
1.8×10-1、2.0×10-1、2.2×10
-1(T)を示し、最高磁場強度が9.7989×10-1
(T)であった。
【0022】上記マルチカスプ磁界発生装置10の各磁
石11は、上記基板5を中心とした半径方向に延びる案
内部材12に支持され、モータや歯車等から構成された
駆動装置13により、上記案内部材12に沿って移動さ
れるようになっている。
【0023】上記の駆動装置13は、それぞれマイクロ
コンピュータ等から構成される制御回路14によりその
作動が制御されるようになっている。例えば、この制御
回路14は、全ての駆動装置13を同期して同じ量だけ
作動するようになっている。
【0024】上記真空系8には、その空間の圧力を測定
するための圧力センサ15が配置されており、真空系8
の圧力に応じた圧力信号S1を発生するようになってい
る。上記圧力センサ15は上記制御回路14に接続され
ており、上記圧力信号S1を該制御回路14に出力する
ようになっている。
【0025】制御回路14は、真空系8空間内圧力と、
必要磁場強度の等高線が配置されるべき半径値に相当す
る磁石11位置の半径値Rとの関係を示す制御マップを
予め記憶しており、圧力センサ15から入力した圧力信
号S1を上記制御マップMに照らして磁石11の位置を
演算し、上記駆動装置13を駆動して、磁石11を所定
位置に配置するようになっている。
【0026】上記制御マップは、次の原理に基づいて予
め作製される。
【0027】まず、この制御マップは、真空系8内圧力
が変動したときの基板面内でのエッチング、成膜などの
プラズマ処理の処理むらを抑制することを目的とするも
のである。真空系8内の圧力が変動すると、プラズマ密
度、およびプラズマの基板面内での均一性が変動する
が、処理むらを抑制するには、プラズマの基板面内での
均一性の変動の抑制を行なえばよい。上記圧力が高い時
には、粒子同士の衝突により、粒子の運動方向がランダ
ムになることにより、プラズマ密度の均一化が行なわれ
ていたのに対し、圧力が低くなると、粒子同士の衝突が
減少してしまい、マルチカスプ磁界発生装置10が発生
する磁力線による閉じ込め効果が増大しすぎてしまい、
磁力線により粒子あるいはプラズマの偏在化が生じてし
まう。これにより、プラズマ処理にむらが生じてしまう
と考えられる。そこで、本発明の発明者らは、圧力が低
下したとき、磁石11の上記半径値Rを増大し、マルチ
カスプ磁界発生装置10によるプラズマの閉じ込め効果
の強度を低下させることにより、基板面におけるプラズ
マ分布の均一化を図るようにした。
【0028】実際には、上記プラズマ分布の均一化は、
原料ガス等の条件によって大幅に異なっているので、上
記制御マップは、一意的には定まらない。そこで、圧力
と上記磁石11の半径値Rを変動させること以外は同一
条件として、基板面におけるプラズマ密度の偏差が例え
ば±5%となる圧力と半径値の関係を予め実験で得てお
き、このデータを制御マップとして上記制御回路14に
予め記憶させておく。ただし、ここで言えることは、一
般に材料ガス等の変化に係わらず、全ての制御におい
て、圧力が低下したとき、上記半径値Rを増大させる傾
向となっている。プラズマ密度は、例えば静電プローブ
により基板の半径に沿った電子密度を測定することによ
り測定することができる。
【0029】なお、図6の(b)および図7の(b)の
ラインL1〜8は、上記した構造のマルチカスプ磁界発
生装置10を用い、磁石11の半径値Rを14.25、
15.50、16.75、18.00cmとしたときの
図6の(a)および図7の(a)の半径Rに沿う磁場強
度の分布を示すものである。
【0030】原料ガス導入管2の先端開口には、加熱管
3が接続されており、導入された原料中性粒子ガスは、
加熱管3の内壁に衝突するように構成される。加熱管3
の内壁は700K以上、特に1600〜2000Kの温
度とされており、ガス粒子はこの内壁に実質的に弾性衝
突して、粒子速度(運動エネルギー)を増大する。
【0031】このような場合、加熱管3の他、加速手段
としての加熱体の構造やガスの衝突のさせ方等について
特に制限はなく、Ta、Mo、W等の管に発熱体をらせ
ん状に巻いたり、ハニカム型ヒータを用いたりする等が
可能であるが、加速効率を高めるためには図8に示され
るような加熱管3を用いることが好ましい。図示例で
は、例えばW、Ta等の内径0.7〜1.4mm、肉厚
0.1〜0.2mm、長さ15〜40mmの管体31の両端
に、一対の電極35を接続し、印加電圧を変化させなが
ら直接通電加熱を行い、所定の温度とする構造とされて
いる。この他、加熱手段としては、抵抗加熱、誘導加熱
等いずれであってもよく、管体31の材質についても特
に制限はない。
【0032】ガス導入管2からこの加熱管3を介してプ
ラズマ生成室7内に原料中性粒子ガスを導入し、粒子速
度を増大させる。このとき、原料中性粒子ガスは、通
常、約0.025eVの運動エネルギーと約630m/sec
の粒子速度をもって導入されるが、加熱体により原料中
性粒子ガスは0.06eV以上、特に0.11〜0.21
eVの運動エネルギーと1300〜1780m/sec (13
00〜2400K)の粒子速度を与えられる。
【0033】プラズマ生成室7では、マイクロ波導入窓
からマイクロ波が導入されており、同時に、プラズマ生
成室内部には電磁石4により、好ましくはECR条件を
満たす磁界が付与されている。このため、プラズマ生成
室7内の電子は、この磁界とマイクロ波の電界とにより
加速されて加速ガス粒子に衝突し、プラズマが生成す
る。
【0034】そして、10-1Torr以下、特に10-4〜1
-3Torrの動作圧力でプラズマCVDやプラズマエッチ
ングが可能となり、3インチ平方以上、特に4〜6イン
チ平方の大面積での処理が可能である。また基板温度も
通常より低温化することが可能となる。このように、動
作圧力が低いときには、圧力のマイナス側への変動によ
ってプラズマの偏在化が促進されてしまうので本発明の
磁界発生装置の上記の制御は特に有効である。
【0035】ここで、制御回路14は、圧力センサ15
からの圧力信号S1を受けて、圧力信号S1を上記のよ
うに設定・記憶された制御マップに照らし、マルチカス
プ磁界発生装置10における磁石11の上記半径値Rを
演算し、駆動装置13をして磁石11を好ましい位置に
移動させ、プラズマが基板において均一に分布するよう
に制御している。
【0036】上記の場合、加熱管3等の加熱体は、基板
5の好ましくは垂直上方に設けることが好ましく、加速
粒子は基板面にほぼ垂直に差し向けられ、その間プラズ
マ中にて電離・解離を行うことが好ましい。これにより
処理効率が向上する。
【0037】本発明が適用されるプラズマCVDに制限
はなく、ダイヤモンド、アモルファス状のシリコン、S
iC、カーボン、SiNx 、SiOx 等、多結晶状のシ
リコン、SiC、c−BN、ダイヤモンド等、単結晶状
態のシリコン、SiC、ダイヤモンド、c−BN等のい
ずれの成膜にも本発明は有効である。
【0038】これらの成膜に際して、基板温度等の各種
条件に特に制限はなく、目的に応じて適宜決定すればよ
い。これらのプラズマCVDにおいて用いる原料ガス
は、ダイヤモンド成膜に用いる炭化水素、アモルファス
Si成膜に用いるシランガス等、通常の反応性ガスであ
ってよく、特に制限はない。
【0039】また、本発明が適用されるプラズマエッチ
ングにも制限はなく、本発明はいずれのプラズマエッチ
ングにおいても効果を発揮する。プラズマエッチングに
用いる原料ガスとしては、例えば、塩素ガス等のハロゲ
ンガス、あるいは塩化物ガス、フッ化物ガス等のハロゲ
ン化物ガスなどの反応性ガスであってよく、特に制限は
ない。また、上記の各原料ガスに加え、必要に応じて水
素、不活性ガス等を適宜用いることもできる。
【0040】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
【0041】実施例1 図1、図2に示されるようなプラズマ処理装置1を用い
て、プラズマCVDによりダイヤモンド薄膜の成膜を行
なった。すなわち、装置内のホルダ6に基板をセット
し、図1の状態とした。基板としてはSi(100)を
用いた。次いで、系内を1×10-5Torrに排気し、基板
温度を600℃に上昇させ、さらに排気を行った。
【0042】次いで、中性粒子の加速源である加熱管3
を通電加熱した。放射温度計で温度をモニタしたとこ
ろ、2000k であった。加熱管3のサイズは内径0.
7mm、肉厚0.1mm、長さ40mmとした。CH4 の平均
速度Vave(8kT/πmCH41/2は1625m/sec と推定
される。
【0043】この後、原料ガスを導入した。原料ガスは
容量比でCH4 /H2 =1/99、流量CH4 :1scc
m、H2 :99sccmである。マイクロ波および電磁石の
電源を入れ、プラズマを生成させた。プラズマはキャビ
ティのプラズマ生成室7内に一様に広がっていることが
確認された。
【0044】2.45GHz 、500W のマイクロ波を投
入し、印加磁界875G、基板温度600℃で1×10
-3Torrの動作圧力で所定時間成膜を行った。この際、加
熱管3は基板5の垂直上方50nmの位置に基板面に開口
して配置した。
【0045】このとき、上記の圧力センサ15によりプ
ラズマ閉じ込め空間内の圧力を測定し、この圧力に応じ
てマルチカスプ磁界発生装置10の磁石11の半径値R
を調節制御した。この調節制御は、上記制御マップを利
用して行なった。
【0046】成膜終了後、冷却し基板を取り出し、X線
回折(XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)、ラマン
により分析を行ったところ、均一なダイヤモンドが4イ
ンチウェハー上に成膜できた。これとは別に比較のた
め、上記磁石11の半径値Rを制御しないで実験を行っ
たところ、成膜はできたが、約10%以上の膜厚のバラ
ツキが生じてしまった。
【0047】なお、上記した実施例では、マルチカスプ
磁界発生装置の磁石の移動手段として、歯車等を用いた
同期構造のものを説明したが、この移動手段は、上記磁
石を好ましい状態で移動できるものであるなら、どのよ
うな構造のものであってもよく、例えば流体圧力を使用
するシリンダ装置等も用いることができる。また、基板
の配置は、上記の他、プラズマ生成室7に配置してもよ
い。このとき、マルチカスプ磁界発生装置10は、電磁
石4の内側に配置される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の好適実施例を表す
構成図である。
【図2】図1に示したプラズマ処理装置の水平断面図で
ある。
【図3】マルチカプス磁界発生装置によるマルチカスプ
磁界を示す概念図である。
【図4】図3に示したマルチカスプ磁界の一部を示す拡
大図である。
【図5】上記マルチカスプ磁界の磁場強度の等高線を示
す図である。
【図6】マルチカスプ磁界発生装置の磁石の位置を変動
させたときの磁場強度分布をしめすグラフ図である。
【図7】マルチカスプ磁界発生装置の磁石の位置を変動
させたときの磁場強度分布をしめすグラフ図である。
【図8】用いる加熱管を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プラズマ処理装置 2 原料ガス導入管 3 加熱管 31 管体 35 電極 4 電磁石 5 基板 6 基板ホルダ 7 プラズマ生成室 8 真空系 9 マイクロ波導波管 10 マルチカスプ磁界発生装置 11 磁石 12 案内部材 13 駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−211099(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 1/46 H05H 1/11 H01L 21/3065 C23C 16/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ発生手段と、基板を保持する基
    板保持手段と、前記基板を中心とした同一円周上に周方
    向に間隔を置かれて配置された複数の磁石を有し、発生
    したプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め空間を形成
    するマルチカスプ磁界発生手段と、このマルチカスプ磁
    界発生手段の各磁石を前記基板を中心として半径方向に
    移動させるための移動手段とを備えていることを特徴と
    するプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記マルチカスプ磁界発生手段の磁石が
    永久磁石である請求項1のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ閉じ込め空間の圧力を検出
    する圧力検出手段を更に備え、前記移動手段は、前記圧
    力検出手段で検出された圧力に基づき前記磁石を前記半
    径方向に移動させるようになっている請求項1または2
    のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記移動手段は、前記圧力が低くなるに
    したがって、前記磁石を前記半径方向外方に移動させる
    ようになっている請求項1ないし3のいずれかのプラズ
    マ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記移動手段は、前記マルチカスプ磁界
    発生手段の全ての磁石を同期して移動させるようになっ
    ている請求項1ないし4のいずれかのプラズマ処理装
    置。
  6. 【請求項6】 原料中性粒子ガスの導入手段と、この導
    入されたガスを加熱体に衝突させて加速する加速手段と
    を有し、前記プラズマ発生手段が、この加速手段により
    加速されたガスを電離・解離してプラズマを発生させる
    ものである請求項1ないし5のいずれかのプラズマ処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ発生手段が、有磁場マイク
    ロ波プラズマ生成手段である請求項1ないし6のいずれ
    かのプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 動作圧力が10ー1Torr以下である請求項
    7のプラズマ処理装置。
JP05026267A 1993-01-21 1993-01-21 プラズマ処理装置 Expired - Fee Related JP3142408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05026267A JP3142408B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 プラズマ処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05026267A JP3142408B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 プラズマ処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06223997A JPH06223997A (ja) 1994-08-12
JP3142408B2 true JP3142408B2 (ja) 2001-03-07

Family

ID=12188503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05026267A Expired - Fee Related JP3142408B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3142408B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308758A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Denso Corp 成膜装置及び成膜方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2838020B1 (fr) * 2002-03-28 2004-07-02 Centre Nat Rech Scient Dispositif de confinement de plasma
JP5669501B2 (ja) * 2010-09-29 2015-02-12 株式会社荏原製作所 電磁石駆動制御装置、及び電磁石装置
CN115044885B (zh) * 2022-06-14 2023-02-10 上海征世科技股份有限公司 一种制备高纯度cvd钻石晶片的mpcvd装置及方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308758A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Denso Corp 成膜装置及び成膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06223997A (ja) 1994-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10515782B2 (en) Atomic layer etching with pulsed plasmas
US5587039A (en) Plasma etch equipment
JP3764594B2 (ja) プラズマ処理方法
US5039548A (en) Plasma chemical vapor reaction method employing cyclotron resonance
US5685913A (en) Plasma processing apparatus and method
JPH0422985B2 (ja)
US5609774A (en) Apparatus for microwave processing in a magnetic field
US20040094400A1 (en) Method of processing a surface of a workpiece
US5972235A (en) Plasma etching using polycarbonate mask and low pressure-high density plasma
KR100270269B1 (ko) 마이크로파 플라즈마 처리장치 및 방법
JP3142408B2 (ja) プラズマ処理装置
US6582617B1 (en) Plasma etching using polycarbonate mask and low-pressure high density plasma
JP3211480B2 (ja) ドライクリーニング方法
JP4554117B2 (ja) 表面処理装置
JP3367687B2 (ja) プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
JP2687129B2 (ja) ダイヤモンド状薄膜の製造方法及び装置
JP2963116B2 (ja) プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
Lieberman et al. Plasma generation for materials processing
JP2661906B2 (ja) プラズマ処理装置
JP3208931B2 (ja) プラズマ処理装置とこれを用いたプラズマ処理方法
JPH06291063A (ja) 表面処理装置
JPH06188206A (ja) プラズマcvd装置
JP2500765B2 (ja) プラズマcvd装置
JPH06177051A (ja) Cvd装置
JPH0547713A (ja) プラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001205

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees